特許第6099006号(P6099006)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6099006テープ挿入袋における易開封装置及びその製法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6099006
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】テープ挿入袋における易開封装置及びその製法
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/00 20060101AFI20170313BHJP
   B65D 33/25 20060101ALI20170313BHJP
   B31B 70/20 20170101ALI20170313BHJP
   B31B 70/64 20170101ALI20170313BHJP
【FI】
   B65D33/00 C
   B65D33/25 A
   B31B1/22 321
   B31B1/64 321
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-65606(P2012-65606)
(22)【出願日】2012年3月22日
(65)【公開番号】特開2013-193785(P2013-193785A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2015年3月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237787
【氏名又は名称】富士特殊紙業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067091
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 弘
(72)【発明者】
【氏名】杉山 真一郎
【審査官】 長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−347601(JP,A)
【文献】 特開2003−054651(JP,A)
【文献】 実開昭62−185265(JP,U)
【文献】 特開平08−038239(JP,A)
【文献】 特開昭63−067272(JP,A)
【文献】 実開昭60−148267(JP,U)
【文献】 特開2007−062829(JP,A)
【文献】 特開2007−261652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 33/00
B31B 70/20
B31B 70/64
B65D 33/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラットなフィルムの左右両端を引き寄せて突き合わせると共にこの突き合わせ目に沿って繋ぎ用のテープをヒートシールすることにより円筒状の袋本体を形成したこと、
前記袋本体内の突き合わせ目の端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けて成る易開封手段を形成すると共に前記繋ぎ用のテープの両端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けて成る易開封手段を形成したこと、
前記円筒状に形成した袋本体の左右の端縁にフィルムの表と裏を合わせてヒートシール部を形成し、このヒートシール部に前記テープ側に向けてサイドノッチを形成したこと、
前記サイドノッチから引き裂きを開始すると、袋本体を横断する方向に引き裂きが進行し、前記テープのところではこのテープの易開封手段からテープを横断する方向に引き裂きが進行し、同時に袋本体の継ぎ目の他方の端縁に形成した易開封手段から引き裂きが進行し、やがて袋本体の端縁に到達して袋本体を全開封できる構成のテープ挿入袋を形成したこと、
を特徴とするテープ挿入袋における易開封装置。
【請求項2】
請求項1に記載のテープ挿入袋における易開封装置において、袋本体のフィルムの突き合わせ目の一方の端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けて成る易開封手段を形成すると共に前記テープの端縁であって、前記本体側に形成した易開封手段が設けられた端縁と反対側の端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けて成る易開封手段を形成したこと、
前記テープ側の易開封手段と同一側であって、袋本体の端縁表と裏のフィルムを合わせてヒートシール部を形成し、このヒートシール部に前記テープ側に向けてサイドノッチを形成したこと、
を特徴とするテープ挿入袋における易開封装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のテープ挿入袋において、袋本体及びテープに形成した易開封手段は、袋本体の端縁及びテープの端縁に沿って全体又は前記サイドノッチに対向する側の端縁の一部に形成されていることを特徴とするテープ挿入袋における易開封装置。
【請求項4】
請求項1又は2又は3に記載のテープ挿入袋において、前記袋本体の内面であって、前記ヒートシール部より袋本体の内側の部位には、前記テープ及び袋本体を横断するようにジッパーテープが取り付けられていることを特徴とするテープ挿入袋における易開封装置。
【請求項5】
請求項1又は2又は3に記載のテープ挿入袋において、前記袋本体の内面であって、前記ヒートシール部のサイドノッチにジッパーテープのベーステープにおいて咬合部よりも上側がかかるように挿入位置を設定してジッパーテープが取り付けられていることを特徴とするテープ挿入袋における易開封装置。
【請求項6】
請求項5に記載のテープ挿入袋において、ジッパーテープのベーステープには、サイドノッチに合わせて引き裂き方向に向け引き裂き案内手段が設けられていることを特徴とするテープ挿入袋における易開封装置。
【請求項7】
a.フラットなフィルムの左右両端縁又は片方の縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けて成る易開封手段を形成したフィルムをロールから繰り出し、このフィルムの両側端縁を引き寄せて突き合わせることにより円筒状に形成する工程、
b.前記円筒状に形成たフィルムの内側であって、前記突き合わせた内側に両端縁又は片方の端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けて成る易開封手段を形成したテープを挿入し、このテープを前記突き合わせた内側に挿入してヒートシールを行うことによりフィルムの両端を繋ぎ合わせて袋本体を形成する工程、
c.前記円筒状に形成された袋本体を横断するようにエンドシールを行うと共にこのエンドシールよりも内側の両サイド又は片サイドの一部において表と裏のフィルムをヒートシールすることによりヒートシール部を形成する工程、
d.前記ヒートシール部にサイドノッチを設ける工程、
e.前記エンドシールの外側において円筒状の袋本体を横一直線状にカットして単一の袋に形成する工程、
f.からなるテープ挿入袋の製法。
【請求項8】
a.フラットなフィルムの左右両端縁又は片方の端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けて成る易開封手段を形成したフィルムをロールから繰り出し、この内面中央部横方向に一定のピッチで袋巾にカットされたジッパーテープを仮シールする工程、
b.前記フィルムの両端縁を引き寄せて突き合わせることにより円筒状に形成する工程、
c.前記円筒状に形成されたフィルムの内側であって、前記突き合わせた内側に両端縁又は片方の端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けて成る易開封手段を形成したテープを挿入し、このテープを前記突き合わせ目の内側に挿入してヒートシールを行うことによりフィルムの両端を繋ぎ合わせて袋本体を形成する工程、
d.前記円筒状に形成されたフィルム内のテープと円筒状のフィルムの内面にヒートシールする工程、
e.前記ジッパーテープの外側であって、円筒状に形成された袋本体を横断するようにフィルムの表と裏を合わせてエンドシールを行うと共にこのエンドシールと前記ジッパーテープとの間であって、袋本体の両サイド又は片サイドのフィルムの一部をヒートシールすることによりヒートシール部を形成する工程、
f.前記ヒートシール部にサイドノッチを形成する工程、
g.前記エンドシールの外側において円筒状の袋本体を横一直線状にカットして単一の袋に形成する工程、
h.からなるテープ挿入袋の製法。
【請求項9】
a.フラットなフィルムの左右両端縁又は片方の端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けて成る易開封手段を形成したフィルムをロールから繰り出し、このフィルムの中央部に袋巾にカットされ、かつベーステープの両端又は片方のにサイドシールを施したジッパーテープを一定のピッチで送り出して仮シールする工程、
b.前記フィルムの両端縁を引き寄せて突き合わせることにより円筒状に形成する工程、
c.前記円筒状に形成されたフィルムの内側であって、前記突き合わせ目の内側に両端縁又は片方の端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けて成る易開封手段を形成したテープを挿入し、このテープを前記突き合わせ目の内側にヒートシールを行うことによりフィルムの両端を繋ぎ合わせて袋本体を形成する工程、
d.前記c.で繋ぎ合わせたフィルムの両サイドであって、前記ジッパーテープ側のサイドシール部分に合わせてヒートシールを行うことによりヒートシール部を形成する工程、e.前記円筒状に形成された袋本体を横断し、かつ前記ジッパーテープより内側を横一直線状にエンドシールを行う工程、
f.前記ヒートシール部にサイドノッチを設ける工程、
g.前記エンドシールの内側において円筒状の袋本体をカットして単一の袋に形成する工程、
h.からなるテープ挿入袋の製法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットなフィルムの両端を引き寄せて突き合わせ、この突き合せ目の内側に沿ってテープを挿入してヒートシールを行うことによりフィルムを円筒状に形成した所謂テープ挿入袋の易開封装置とその製法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
前記テープ挿入袋において、ノッチを入れてここから引き裂いて開封した場合、前記テープのところまでは引き裂きが進行するが、テープのところにおいて引き裂きが阻止され、それ以上は開封できない。
【0003】
そこで、従来は、引き裂く方法ではなく、ハサミやカッター等を用いてカットする以外にテープ挿入袋を開封する方法はなく、大変不便であった。
【0004】
そして、ハサミ等もない場合には、トップシール又はエンドシール部分を無理やり広げるようにしてシールを剥がして開封することもあったが、このようなことをすると内容物が飛び出たりすると共にシールが強固な場合にはこの方法では開封することができない場合もあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このようにハサミ等を用いてカットしなければ開封できないテープ挿入袋において、本件出願人が既に特許第4338175号として特許を得ている合掌貼りの袋と同様に、引き裂き開始用のノッチから簡単に引き裂いて開封できるテープ挿入袋とその製法を提供するのが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載のテープ挿入袋における易開封装置は、テープ挿入袋において、フラットなフィルムの左右両端を引き寄せて突き合わせると共にこの突き合わせ目に沿って繋ぎ用のテープをヒートシールすることにより円筒状の袋本体を形成したこと、前記袋本体内の突き合わせ目の端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けて成る易開封手段を形成すると共に前記繋ぎ用のテープの両端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けて成る易開封手段を形成したこと、前記円筒状に形成した袋本体の左右の端縁にフィルムの表と裏を合わせてヒートシール部を形成し、このヒートシール部に前記テープ側に向けてサイドノッチを形成したこと、前記サイドノッチから引き裂きを開始すると、袋本体を横断する方向に引き裂きが進行し、前記テープのところではこのテープの易開封手段からテープを横断する方向に引き裂きが進行し、同時に袋本体の継ぎ目の他方の端縁に形成した易開封手段から引き裂きが進行し、やがて袋本体の端縁に到達して袋本体を全開封できる構成のテープ挿入袋を形成したこと、を特徴とするものである。
【0007】
また、請求項2に記載のテープ挿入袋における易開封装置は、請求項1に記載のテープ挿入袋における易開封装置において、袋本体のフィルムの突き合わせ目の一方の端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けて成る易開封手段を形成すると共に前記テープの端縁であって、前記本体側に形成した易開封手段が設けられた端縁と反対側の端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けて成る易開封手段を形成したこと、前記テープ側の易開封手段と同一側であって、袋本体の端縁表と裏のフィルムを合わせてヒートシール部を形成し、このヒートシール部に前記テープ側に向けてサイドノッチを形成したこと、を特徴とするものである。
【0008】
また、請求項3に記載のテープ挿入袋における易開封装置は、請求項1又は2に記載のテープ挿入袋において、袋本体及びテープに形成した易開封手段は、袋本体の端縁及びテープの端縁に沿って全体又は前記サイドノッチに対向する側の端縁の一部に形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項4に記載のテープ挿入袋における易開封装置は、請求項1又は2又は3に記載のテープ挿入袋において、前記袋本体の内面であって、前記ヒートシール部より袋本体の内側の部位には、前記テープ及び袋本体を横断するようにジッパーテープが取り付けられていることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項5に記載のテープ挿入袋における易開封装置は、請求項1又は2又は3に記載のテープ挿入袋において、前記袋本体の内面であって、前記ヒートシール部のサイドノッチにジッパーテープのベーステープにおいて咬合部よりも上側がかかるように挿入位置を設定してジッパーテープが取り付けられていることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項6に記載のテープ挿入袋における易開封装置は、請求項5に記載のテープ挿入袋において、ジッパーテープのベーステープには、サイドノッチに合わせて引き裂き方向に向け引き裂き案内手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項7に記載のテープ挿入袋の製法は、a.フラットなフィルムの左右両端縁又は片方の縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けて成る易開封手段を形成したフィルムをロールから繰り出し、このフィルムの両側端縁を引き寄せて突き合わせることにより円筒状に形成する工程、b.前記円筒状に形成たフィルムの内側であって、前記突き合わせた内側に両端縁又は片方の端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けて成る易開封手段を形成したテープを挿入し、このテープを前記突き合わせた内側に挿入してヒートシールを行うことによりフィルムの両端を繋ぎ合わせて袋本体を形成する工程、c.前記円筒状に形成された袋本体を横断するようにエンドシールを行うと共にこのエンドシールよりも内側の両サイド又は片サイドの一部において表と裏のフィルムをヒートシールすることによりヒートシール部を形成する工程、d.前記ヒートシール部にサイドノッチを設ける工程、e.前記エンドシールの外側において円筒状の袋本体を横一直線状にカットして単一の袋に形成する工程からなることを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項8に記載のテープ挿入袋の製法は、a.フラットなフィルムの左右両端縁又は片方の端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けて成る易開封手段を形成したフィルムをロールから繰り出し、この内面中央部横方向に一定のピッチで袋巾にカットされたジッパーテープを仮シールする工程、b.前記フィルムの両端縁を引き寄せて突き合わせることにより円筒状に形成する工程、c.前記円筒状に形成されたフィルムの内側であって、前記突き合わせた内側に両端縁又は片方の端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けて成る易開封手段を形成したテープを挿入し、このテープを前記突き合わせ目の内側に挿入してヒートシールを行うことによりフィルムの両端を繋ぎ合わせて袋本体を形成する工程、d.前記円筒状に形成されたフィルム内のテープと円筒状のフィルムの内面にヒートシールする工程、e.前記ジッパーテープの外側であって、円筒状に形成された袋本体を横断するようにフィルムの表と裏を合わせてエンドシールを行うと共にこのエンドシールと前記ジッパーテープとの間であって、袋本体の両サイド又は片サイドのフィルムの一部をヒートシールすることによりヒートシール部を形成する工程、f.前記ヒートシール部にサイドノッチを形成する工程、g.前記エンドシールの外側において円筒状の袋本体を横一直線状にカットして単一の袋に形成する工程、からなることを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項9に記載のテープ挿入袋の製法は、a.フラットなフィルムの左右両端縁又は片方の端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けて成る易開封手段を形成したフィルムをロールから繰り出し、このフィルムの中央部に袋巾にカットされ、かつベーステープの両端又は片方のにサイドシールを施したジッパーテープを一定のピッチで送り出して仮シールする工程、b.前記フィルムの両端縁を引き寄せて突き合わせることにより円筒状に形成する工程、c.前記円筒状に形成されたフィルムの内側であって、前記突き合わせ目の内側に両端縁又は片方の端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けて成る易開封手段を形成したテープを挿入し、このテープを前記突き合わせ目の内側にヒートシールを行うことによりフィルムの両端を繋ぎ合わせて袋本体を形成する工程、d.前記c.で繋ぎ合わせたフィルムの両サイドであって、前記ジッパーテープ側のサイドシール部分に合わせてヒートシールを行うことによりヒートシール部を形成する工程、e.前記円筒状に形成された袋本体を横断し、かつ前記ジッパーテープより内側を横一直線状にエンドシールを行う工程、f.前記ヒートシール部にサイドノッチを設ける工程、g.前記エンドシールの内側において円筒状の袋本体をカットして単一の袋に形成する工程、からなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、テープ挿入袋において、開封用のノッチ部分から引き裂きを開始すると、袋本体は横断する方向に引き裂かれ、やがて挿入したテープの部分に到達すると、その端縁に形成された易開封手段からテープ内に進入してテープを横断し、併せて袋本体側の易開封手段から再度袋本体側に進入し、やがて袋全体を横断して全開となる。
【0016】
このように、テープ挿入袋の場合も簡単に引き裂いて開封できる。
【0017】
また、製法にあっては、一連の工程において易開封装置付のテープ挿入袋を能率良く製袋できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る易開封装置付テープ挿入袋の説明図である
図2】製袋に用いられるフィルムの説明図である
図3】テープの説明図である
図4】A−A’線断面図である
図5】開封している状態の説明図である
図6】ジッパー付テープ挿入袋の説明図である
図7】引き裂き部分にジッパーを挿入したテープ挿入袋の説明図である
図8図1に示したテープ挿入袋の製袋工程の説明図である
図9図6に示したジッパー付テープ挿入袋の製袋工程の説明図である
図10図7に示したジッパー付テープ挿入袋の製袋工程の説明図である
図11図9に示した製袋工程に用いられるジッパーの説明図である
図12図10に示した製袋工程に用いられるジッパーの説明図である
【発明を実施するための形態】
【実施の形態】
【0019】
本発明は、両端を円曲して突き合わせた内側にテープを挿入してヒートシールを行うことにより、円筒状の袋本体を形成し、この袋本体をトップ及びエンド側においてヒートシールすることにより密封できる所謂テープ挿入袋であって、このテープ挿入袋をサイドノッチから横断するようにして易開封できる構成である。
【0020】
この構成のために、本発明では、図2に示すように、袋本体1を形成するフラットなフィルム2は、その両端縁に沿ってどの位置からでも引き裂けるように微細な切り裂きを連続して設けた易開封手段(通称「マジックカット)3、3aが施されている。
【0021】
一方、テープ4の両端縁にも同じように易開封手段5、5aが施されている。
【0022】
このフィルム2とテープ4を用いて製袋された袋が図1に示されている。
【0023】
この図1において、7はエンドシール、8、8aは袋本体1の両サイドの一部において、表と裏をヒートシールすることにより形成されたサイドシール部であって、このサイドシ
ール部8、8aには、テープ4側に向けてサイドノッチ9、9aが形成されていて、このサイドノッチ9、9aから図5に示すように袋本体1を引き裂いて行くと、テープ4は端縁の易開封手段5aから切れ込み、袋本体1側は端縁の易開封手段2から切れ込み、やがて反対側まで引き裂きが進行し、全開とすることができる。
【0024】
このように、本発明では、従来はテープの端縁のところで引き裂きが止り、それ以上は進行しなかったものを、易開封手段3と5aの作用で簡単に進行させることができる。
【0025】
なお、本実施例において、袋本体1には易開封手段3、3aが、テープ4には易開封手段5、5aが両縁に沿って設けてあると共に、サイドノッチ9、9aも両サイドに設けてあるが、開封方向を一方向に定めた場合には、この開封方向に対応するように易開封手段3、3a、5、5a、サイドノッチ9、9aは片方にだけ設けておく。
【0026】
以上に説明した内容は、ジッパーの付いていない例であり、次に、ジッパー付テープ挿入袋を図6図7に基づいて説明する。
【0027】
図6はヒートシール部8、8aより内側に凹と凸からなる咬合部12をベーステープ11に形成したジッパー10の取り付け例であって、このジッパー10は、咬合部12を咬合した状態で袋本体1の表と裏面内に凹側と凸側のベーステープ11がそれぞれヒートシールされており、袋本体1は上記した袋と同じようにサイドノッチ9、9aの一方から引き裂くことができる。
【0028】
図7は、ジッパー10のベーステープ11がサイドノッチ9、9aの部分にかかるようにヒートシールされた例であって、袋本体1は、このベーステープ11のところで引き裂くことができる。
【0029】
このとき、ベーステープ11の引き裂きに沿って、例えばミシン目のような引き裂き誘導手段を設けておくと、引き裂き方向が安定し、然も小さな力で簡単に引き裂くことができる。
【0030】
なお、サイドノッチ9、9aのところでジッパー10のベーステープ11の両端にも一緒にサイドノッチ9、9aの切り込みが入れられている。但し、使い勝手は多少悪くなるが、サイドノッチ9、9aのいずれか一方のみを設けても良く、或いは、このいずれか一方
のサイドノッチ9又は9aに対向する側の端縁にのみ易開封手段3又は3a及び5又は5aを設けても良い。
【0031】
次に、上記したテープ挿入袋の製袋工程を図8図12に基づいて説明する。
【0032】
図8は、図1に示したテープ挿入袋の製袋工程である。
【0033】
この工程は、先ず、a.フラットなフィルムの左右両端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けた易開封手段3、3aを形成し、このフィルム2をロール2aから繰り出し、このフィルム2の両端縁を引き寄せて突き合わせることにより円筒状に形成する。
b.次に、前記円筒状に形成されたフィルム2の内側であって、前記突き合わせた内側に両端縁に沿って易開封手段5、5aを設けたテープ4をロール4aから繰り出して挿入し、このテープ4を前記突き合わせた内側に挿入してヒートシールバー20によりヒートシールを行うことによりフィルム2の両側端を繋ぎ合わせて円筒状の袋本体1を形成する。
c.次に、前記円筒状に形成された袋本体1を横断するようにエンドシールバーによりエンドシール7を行うと共にこのエンドシール7よりも内側の両サイドの一部をサイドシールバーによりヒートシールすることによりヒートシール部8、8aを形成する。
d.次に、前記ヒートシール部8、8aにカッターを用いてサイドノッチ9、9aを設ける。
e.次に、前記エンドシール7の外側において円筒状に形成されたフィルム1をカッターによりをカット21して袋単位に形成する。
f.以上の各工程を経てテープ挿入袋を製袋する。
【0034】
図9は、図6に示した前記ジッパー挿入袋の製袋工程であって、ジッパー10は図11に示すように、袋巾にカットされたベーステープ11と、このベーステープ11に形成された雄、雌からなる咬合部12が形成されている。
【0035】
a.先ず、フラットなフィルムの両端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けた易開封手段3、3a付のフィルム2をロール2aから繰り出し、この中央部横方向に図11に示す一定のピッチで袋巾にカットされたジッパーテープ10を仮シールする。
b.次に、前記フィルム2の両端縁を引き寄せて突き合わせることによりフラットなフィルムを円筒状に形成する。
c.次に、前記円筒状に形成されたフィルム2の内側であって、前記突き合わせた内側に両端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けた易開封手段5、5a付のテープ4を挿入し、このテープ4を前記突き合わせた内側に挿入してヒートシールバー20によりヒートシールを行うことによりフィルム2の両側端を繋ぎ合わせて円筒状の袋本体1を形成する。
d.次に、前記ジッパーテープ10の外側であって、円筒状に形成された袋本体1を横断するようにエンドシール7を行うと共にこのエンドシール7と前記ジッパーテープ10との間であって、両サイドをヒートシールすることによりサイドシール部8、8aを形成する。
e.次に、前記サイドシール部8、8aにサイドノッチ9、9aを設ける。
f.前記エンドシール7の外側において円筒状の袋本体1をカットして袋単位に形成する。
g.以上の各工程を経てジッパー10を挿入したテープ挿入袋を製する。
【0036】
次に、図10は、図7に示したジッパー付のテープ挿入袋であって、ジッパー10は、図12に示すように袋巾にカットされた雄側と雌側のジッパーテープ11の両端であって、咬合部12の上部の両サイドにあらかじめサイドシール10aを行っておいたものを利用する。
【0037】
a.先ず、フラットなフィルムの両端縁に沿って微細な切り裂きを連続して設けた易開封手段3、3a付のテープ4をロール2aから繰り出し、この中央部に図12に示すジッパー10のベーステープ11の両端にサイドシール10aを施した袋巾にカットしたジッパー10を一定のピッチで横方向に向けて仮シールする。
b.次に、前記フィルム2の左右両端縁を引き寄せて突き合わせることにより円筒状に形成する。
c.次に、前記円筒状に形成されたフィルム2の内側であって、前記突き合わせた内側に両端縁に沿って易開封手段5、5aを設けたテープ4を挿入し、このテープ4を前記突き合わせた内側にヒートシールバー20を用いてヒートシールを行うことによりフィルム3の両端を繋ぎ合わせて袋本体1を形成する。
d.次に、前記c.で繋ぎ合わせたフィルム2の両サイドであって、前記ジッパーテープ10側のサイドシール部分10aに合わせてヒートシールを行うことによりサイドシール部8、8aを形成する。
e.次に、前記円筒状に形成されたフィルムを横断し、かつ前記ジッパーテープ10より内側にエンドシール7を行う。
f.次に、前記サイドシール部8、8aにサイドノッチ9、9aを設ける。
g.次に、前記エンドシール7の内側において円筒状のフィルムをカットして袋単位に形成する。
h.以上の各工程を経てジッパー10をカット部分に挿入したテープ挿入袋を製袋する。
【実施例1】
【0038】
請求項1に記載の発明の実施例
・フィルム2の材質構成: PET12μ/インキ/DL接着剤/CPP40μ
・PET12μ: ユニチカ(株)製PET
・インキ: 東洋インキ(株)製アクワエコール
・DL接着剤: 東洋モートン(株)製TM−550
・CPP40μ: フタムラ化学(株)製FHK−2
・挿入テープ4の材質構成:CPP25μ/DL接着剤/PET12μ/DL接着剤/CPP25μ
・CPP25μ: フタムラ化学(株)製FHK−2
・PET12μ: ユニチカ(株)製PTMB
・DL接着剤: 東洋モートン(株)製TM−550
・フィルム2及び挿入テープ4の易開封手段: フィルム両端3mm巾に微細な切り裂き傷を連続で施す。
・フィルム2の巾: 350mm巾
・挿入テープ4幅: 10mm巾
・ピロー包装袋のサイズ: 170mm×260mm ピロー包装袋
・サイドノッチ9、9a: ピロー袋両サイドに施す
・ノッチ形状: Iノッチ
【実施例2】
【0039】
請求項4に記載の発明の実施例
・フィルム2の材質構成: PET12μ/インキ/DL接着剤/CPP40μ
・PET12μ: ユニチカ(株)製PET
・インキ: 東洋インキ(株)製アクワエコール
・DL接着剤: 東洋モートン(株)製TM−550
・CPP40μ: フタムラ化学(株)製FHK−2
・挿入テープ4の材質構成:CPP25μ/DL接着剤/PET12μ/DL接着剤/CPP25μ
・CPP25μ: フタムラ化学(株)製FHK−2
・PET12μ: ユニチカ(株)製PTMB
・DL接着剤: 東洋モートン(株)製TM−550
・ジッパーテープ10の材質構成:CPP30μ/DL接着剤/一軸延伸PP25μ/DL接着剤/CPP30μ
・CPP30μ: フタムラ化学(株)製FHK−2
・一軸延伸PP25μ:フタムラ化学(株)製MCMD−AS−2
・DL接着剤: 東洋モートン(株)製TM−550
・フィルム2及び挿入テープ4の易開封手段: フィルム両端3mm巾に微細な切り裂き傷を連続で施す。
・フィルム2の巾: 350mm巾
・挿入テープ4幅: 10mm巾
・ピロー包装袋のサイズ: 170mm×260mm ピロー包装袋
・サイドノッチ9、9a: ピロー袋両サイドに施す
・ノッチ形状: Iノッチ
【実施例3】
【0040】
請求項5に記載の発明の実施例
・フィルム2の材質構成: OPP30μ/インキ/DL接着剤/CPP30μ
・OPP30μ: フタムラ化学(株)製FOR−AQ
・インキ: 東洋インキ(株)製アクワエコール
・DL接着剤: 東洋モートン(株)製TM−550
・CPP30μ: フタムラ化学(株)製FHK−2
・挿入テープ4の材質構成:CPP25μ/DL接着剤/PET12μ/DL接着剤/CPP25μ
・CPP25μ: フタムラ化学(株)製FHK−2
・PET12μ: ユニチカ(株)製PTMB
・DL接着剤: 東洋モートン(株)製TM−550
・ジッパーテープ10の材質構成:CPP30μ/DL接着剤/一軸延伸PP25μ/DL接着剤/CPP30μ
・CPP30μ: フタムラ化学(株)製FHK−2
・一軸延伸PP25μ:フタムラ化学(株)製MCMD−AS−2
・DL接着剤: 東洋モートン(株)製TM−550
・フィルム2及び挿入テープ10の易開封手段: フィルム2両端3mm巾に微細な切り裂き傷を連続で施す。
・フィルム2の巾: 350mm巾
・挿入テープ4幅: 10mm巾
・ピロー包装袋のサイズ: 170mm×260mm ピロー包装袋
・サイドノッチ9、9a: ピロー袋両サイドに施す
・ノッチ形状: Iノッチ
【符号の説明】
【0041】
1 袋本体
2 フィルム
3、3a 易開封手段
4 テープ
5、5a 易開封手段
7 エンドシール
8、8a サイドシール部
9、9a サイドノッチ
10 ジッパー
11 ベーステープ
12 咬合部

図1
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