(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技に関する情報が表示される表示面を有する画像表示装置が背面側に固定されるとともに、前記表示面を前面側に露出させる開口部が形成されたケース体に設けられる演出装置を備えた遊技機であって、
前記演出装置は、
前記表示面よりも前面側に配置された役物本体と、
前記役物本体の一端側から前後方向と平行に突出する第一搬送ピンと、
前記役物本体の他端側から前後方向と平行に突出する第二搬送ピンと、
正面視で前記開口部の外側に設けられ、前記第一搬送ピンが連結される第一連結孔を有し、前記前後方向と直交する所定の方向に往復移動可能な第一可動機構と、
正面視で前記開口部を挟んで前記第一可動機構と対向配置され、前記第二搬送ピンが連結される第二連結孔を有し、前記所定の方向に往復移動可能な第二可動機構とを備え、
前記第一連結孔は、前記前後方向と平行に形成された孔部であって、前記第一搬送ピンが挿入され、且つ、挿入された前記第一搬送ピンを軸心周りに回転自在に支持し、
前記第二連結孔は、前記前後方向と平行に形成された孔部であって、前記第二搬送ピンが挿入され、且つ、挿入された前記第二搬送ピンを軸心周りに回転自在に支持し、
前記第一連結孔および前記第二連結孔の少なくとも一方は、正面視で前記所定の方向とは異なる方向に遊びを有する長穴であり、
前記役物本体は、前記第一搬送ピンおよび前記第二搬送ピンの少なくとも一方が前記長穴の遊びに沿って移動することで、正面視で傾斜可能であり、
前記役物本体は、
前記第一連結孔と前記第二連結孔とを結ぶ方向に延びる回転軸と、
前記回転軸の周囲に設けられた複数の異なる装飾体と、
前記複数の異なる装飾体を、前記回転軸を中心に回転させる役物駆動源と
を備え、
前記複数の異なる装飾体が前記回転軸を中心とする回転方向に沿って配置され、前記役物本体の回転位置によって異なる前記装飾体が正面側から目視可能となり、
前記遊技機は、
所定の条件を満たした場合に、当たりであるか否かの抽選処理を行う抽選手段と、
前記表示面において演出図柄を変動させた後に、前記抽選処理の結果に対応する態様で前記演出図柄を確定表示させる報知演出を行う報知制御手段と、
前記役物駆動源を制御することで、正面側から目視可能とする前記装飾体に応じて、前記役物本体の回転位置を調整する回転位置制御手段を備え、
前記複数の異なる装飾体は、それぞれ異なる前記当たりの期待度を示し、
前記回転位置制御手段は、前記演出図柄の変動中に前記複数の異なる装飾体を回転させた後、正面側から目視可能となるように停止させた前記装飾体によって、前記抽選処理の結果が前記当たりである前記期待度を、前記演出図柄が確定表示される前に報知する
ことを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る遊技機の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、
図1および
図2の手前側、奥側、上側、下側、左側、右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側(正面側)、後側(背面側)、上側、下側、左側、右側とする。
図3の左下側、右上側、上側、下側、左上側、右下側を、それぞれ、パチンコ機1の前側(正面側)、後側(背面側)、上側、下側、左側、右側とする。
【0016】
図1および
図2を参照して、パチンコ機1の概略構成を説明する。パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は正面視略正方形であり(
図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける。上皿5の上部中央には、遊技者によって操作される操作ボタン9が配設されている。上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。前面枠13の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
【0017】
遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技領域4の略中央には、LCD(液晶ディスプレイ)等で構成される画像表示装置28が配設されている。画像表示装置28は、動画、メッセージ等の様々な映像を表示可能な表示面を有する。特に、画像表示装置28は、大当たり判定の結果を報知するためのデモ図柄を表示する。パチンコ機1は、複数(本実施形態では3つ)のデモ図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示すデモ図柄の組合せを確定表示させる報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
【0018】
画像表示装置28の前方には、正面視で画像表示装置28の表示面を取り囲むように、演出装置10が設けられている。演出装置10は、画像表示装置28およびスピーカ48等と連動して、報知演出等の様々な演出を実行する。演出装置10の詳細は、別途後述する。
【0019】
画像表示装置28の下方には、第一特別図柄始動入賞口14が設けられている。画像表示装置28の右方には普通図柄始動ゲート12が設けられており、普通図柄始動ゲート12の下方には第二特別図柄始動電動役物15が配設されている。第二特別図柄始動電動役物15の左斜め下方には、通常アタッカー16が設けられている。第一特別図柄始動入賞口14の直下に、Vアタッカー17が設けられている。
【0020】
第二特別図柄始動電動役物15は、開閉部材を備える。第二特別図柄始動電動役物15の開閉部材が開放状態となると、第二特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が容易になる。通常アタッカー16およびVアタッカー17も開閉部材を備える。遊技球は、開閉部材が開放した状態でのみ、通常アタッカー16およびVアタッカー17に入賞できる。各開閉部材はソレノイドによって電気的に開閉される。これらの入賞口(第一特別図柄始動入賞口14、第二特別図柄始動電動役物15、通常アタッカー16、Vアタッカー17)に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
【0021】
本実施形態では、第一特別図柄始動入賞口14に入賞すると、第一特別図柄大当たり判定が行われる。その結果、大当たりであると判定されると、通常アタッカー16およびVアタッカー17が所定の順序で開放される大当たり遊技が実行される。図示しないが、Vアタッカー17に入賞した遊技球の流路には、特定領域および非特定領域が形成されている。パチンコ機1では、大当たり遊技中に遊技球がVアタッカー17内の特定領域を通過することが、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起する条件となっている。本実施形態では、Vアタッカー17は1回の大当たり遊技中に1回開放される。
【0022】
また、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過すると、普通当たり判定が行われる。その結果、普通当たりであると判定されると、第二特別図柄始動電動役物15が開放される。第二特別図柄始動電動役物15に入賞すると、第二特別図柄大当たり判定が行われる。その結果、大当たりであると判定されると、先述と同様に大当たり遊技が実行される。
【0023】
図示しないが、パチンコ機1の背面側には、各種基板を備えた制御部が設けられている。制御部の各基板はCPU、RAM、ROM等を備えており、パチンコ機1の各種動作を制御する。例えば、主基板は、普通当たり判定、大当たり判定等を行い、パチンコ機1の主制御を司る。ランプドライバ基板は、主基板で行われた制御結果に基づいて、後述するロゴ駆動モータ300、回転駆動モータ550、昇降駆動モータ700L,700Rなどを制御して、演出装置10(ロゴ役物100や回転役物500など)による演出動作を実行する。
【0024】
図3〜
図6を参照して、演出装置10およびその動作概要について説明する。本実施形態の演出装置10は、ケース体30の前面側に設けられる。ケース体30は枠状の樹脂ケースであり、その前側に遊技盤2が設けられ、その後側に画像表示装置28が設けられる(
図1および
図2参照)。ケース体30には、画像表示装置28の表示面を、パチンコ機1の正面側に露出させる開口部29が形成されている。
【0025】
演出装置10は、フレーム体(上フレーム31、左フレーム32、右フレーム33)、ロゴ役物100、回転役物500などを備えている。上フレーム31、左フレーム32、右フレーム33は、ケース体30の前面側に固定される、演出装置10の骨組みを構成する金属部品である。上フレーム31、左フレーム32、右フレーム33は、一体に連結固定されており、全体として下方に開口するコの字型のフレームを形成する。上フレーム31は、開口部29の上縁に沿って固定される、左右方向を長手とする板状部材である。左フレーム32および右フレーム33は、それぞれ開口部29の左右両縁に沿って固定される、上下方向を長手とする板状部材であり、各々の上端は上フレーム31の左右両端に連結されている。
【0026】
上フレーム31には、ロゴ役物100が設けられている。ロゴ役物100は、画像表示装置28の表示面よりも前側、且つ、正面視で画像表示装置28の表示面のやや上方に位置する。ロゴ役物100は、一対のロゴ部材110L,110Rを有する。ロゴ部材110L,110Rは、正面視で互いに近接または離間するように、それぞれ左右方向に対称移動可能である。
【0027】
具体的には、ロゴ部材110L,110Rは、ロゴ駆動モータ300の回転に応じて、ガイドレール200に沿って左右方向に移動する。ガイドレール200は、ケース体30の開口部29の上縁に沿って設けられた、画像表示装置28の表示面よりも若干左右方向に長い板状部材である。ガイドレール200は、平面視で前側に膨らむ円弧状をなし、ガイド溝210L,210Rが設けられている。ガイド溝210Lは、ガイドレール200の左右方向中心部のやや左側から左端近傍まで延び、ロゴ部材110Lを左右方向に案内する。ガイド溝210Rは、ガイドレール200の左右方向中心部のやや右側から右端近傍まで延び、ロゴ部材110Rを左右方向に案内する。
【0028】
図3および
図6に示すように、ロゴ部材110Lが可動範囲の右端位置まで移動し、且つ、ロゴ部材110Rが可動範囲の左端位置まで移動すると、ロゴ部材110L,110Rは相互に接触する。このときのロゴ部材110L,110Rの左右方向位置を、「近接位置」という。
図4および
図5に示すように、ロゴ部材110Lが可動範囲の左端位置まで移動し、且つ、ロゴ部材110Rが可動範囲の右端位置まで移動すると、ロゴ部材110L,110Rが最も大きく離間する。このときのロゴ部材110L,110Rの左右方向位置を、「離間位置」という。
【0029】
つまり、ロゴ部材110L,110Rは、近接位置と離間位置との間で左右方向に往復移動(開閉動作)を実行できる。ここで、ガイド溝210L,210Rは、平面視で互いに近接する側から離間する側に向けて、それぞれ前方から後方に向けて湾曲する円弧状をなす。ロゴ部材110L,110Rは、近接位置にある場合に最も前面側に位置する一方、離間位置にある場合に最も背面側に位置する。したがって、ロゴ部材110L,110Rは、ガイド溝210L,210Rに沿って平面視で円弧状の軌跡で移動するため、ガイドレール200の左右方向中心に向けて移動するのに伴って前側に移動し、ガイドレール200の左右方向両側に向けて移動するのに伴って後側に移動する。
【0030】
左フレーム32および右フレーム33には、回転役物500が設けられている。回転役物500は、画像表示装置28の表示面よりも前側、且つ、近接位置のロゴ部材110L,110Rよりも後側に位置する。回転役物500は、演出用に装飾された可動部材である役物本体510を有する。役物本体510は、正面視で画像表示装置28の表示面と重複する範囲で昇降可能であり、且つ、役物本体510の軸線回りに回転可能である。具体的には、役物本体510は、昇降駆動モータ700L,700Rの回転に応じて、後述するガイド軸600L,600R(
図10等参照)に沿って上下方向に移動する。
【0031】
図3および
図4に示すように、役物本体510が可動範囲の上端位置まで移動した場合、役物本体510は正面視でケース体30の開口部29の上側に位置する。そのため、正面視で画像表示装置28の表示面が、役物本体510によって被覆されることなく前方に露出する。この状態で、ロゴ部材110L,110Rが近接位置に移動すると、
図3に示すように、役物本体510が正面視でロゴ部材110L,110Rによって被覆される。一方、ロゴ部材110L,110Rが離間位置に移動すると、
図4に示すように、役物本体510が正面視でロゴ部材110L,110Rの間で前方に露出する。
【0032】
図5および
図6に示すように、役物本体510が可動範囲の上端位置から下方に移動すると、役物本体510が正面視で画像表示装置28の表示面の一部を被覆する。この場合、ロゴ部材110L,110Rが近接位置および離間位置のいずれであるかに関わらず、役物本体510が前方に露出する。役物本体510の可動範囲の下端位置は、正面視で画像表示装置28の表示面の下端部を被覆する位置である。
【0033】
つまり、役物本体510は、上端位置と下端位置との間で上下方向に往復移動(昇降動作)を実行できる。さらに、役物本体510は、後述する回転駆動モータ550の回転に応じて、後述する回転軸530に沿って、側面視で時計回り方向および反時計回り方向に回転可能である(
図14参照)。したがって、演出装置10は、ロゴ役物100による開閉動作と、回転役物500による昇降動作および回転動作とを組み合わせて、多様な演出動作を実行可能である。
【0034】
図7〜
図9を参照して、ロゴ役物100について説明する。
図7〜
図9に示すように、ロゴ役物100は、ロゴ部材110L,110R、ガイドレール200、連結ロッド220、連結ギア230L,230R、原点フォトセンサ290、ロゴ駆動モータ300などを備える。なお、
図7〜
図9では、説明の便宜のため、ガイドレール200は図示していない。
【0035】
ロゴ部材110L,110Rは、略左右対称をなす正面視で横長矩形状の板状部材であり、平面視で各々対応するガイド溝210L,210Rと同様に、前側に膨らむ円弧状に湾曲している。ロゴ部材110Lの正面側には、「SE」の文字を施した装飾物が設けられている。ロゴ部材110Rの正面側には、「XY」の文字を施した装飾物が設けられている。したがって、ロゴ部材110L,110Rが近接位置にある場合、遊技者は「SEXY」の文字を認識することができる。
【0036】
ロゴ部材110Lの背面には、ロゴ部材110Lの移動方向(左右方向)に沿って連続する歯部である背面ギア111Lが設けられている。ロゴ部材110Lの上面には、ロゴ部材110Lの移動方向と直交する方向(上方向)に突出するブッシュであるガイド体112L,113Lが、所定間隔を空けて左右方向に並んで設けられている。ガイド体112L,113Lは、それぞれガイド溝210Lに取り付けられ、ガイド溝210Lに沿って摺動可能である。
【0037】
同様に、ロゴ部材110Rの背面には、ロゴ部材110Rの移動方向(左右方向)に沿って連続する歯部である背面ギア111Rが設けられている。ロゴ部材110Rの上面には、ロゴ部材110Rの移動方向と直交する方向(上方向)に突出するブッシュであるガイド体112R,113Rが、所定間隔を空けて左右方向に並んで設けられている。ガイド体112R,113Rは、それぞれガイド溝210Rに取り付けられ、ガイド溝210Rに沿って摺動可能である。
【0038】
ロゴ部材110Lの後方には、上下方向に延びる軸を中心に回転可能に支持された連結ギア230Lが設けられている。連結ギア230Lは、その上端に設けられた傘歯車である上ギア232Lと、上ギア232Lの下方に設けられた平歯車である下ギア231Lとを一体に有する。下ギア231Lは、ロゴ部材110Lの背面ギア111Lと噛み合っている。
【0039】
同様に、ロゴ部材110Rの後方には、上下方向に延びる軸を中心に回転可能に支持された連結ギア230Rが設けられている。連結ギア230Rは、その上端に設けられた傘歯車である上ギア232Rと、上ギア232Rの下方に設けられた平歯車である下ギア231Rとを一体に有する。下ギア231Rは、ロゴ部材110Rの背面ギア111Rと噛み合っている。
【0040】
連結ギア230L,230Rの間には、左右方向に延びる連結ロッド220が、その軸心回りに回転自在に支持されている。つまり、連結ロッド220は、連結ギア230L,230Rの各軸線と直交する方向に延びている。連結ロッド220の左右両端には、それぞれ先端に傘歯車が形成された傘歯ギア221L,221Rが固定されている。傘歯ギア221Lは連結ギア230Lの上ギア232Lと直交に噛み合い、傘歯ギア221Rは連結ギア230Rの上ギア232Rと直交に噛み合っている。
【0041】
連結ギア230Lの後方には、ステッピングモータであるロゴ駆動モータ300が配設されている。ロゴ駆動モータ300の出力軸は、連結ギア230Lの回転軸と平行をなす上下方向に延び、その先端に平歯車である出力ギア240が固定されている。出力ギア240は、連結ギア230Lの下ギア231Lと噛み合っている。
【0042】
ガイドレール200の近傍には、ロゴ部材110L,110Rの原点位置を検出するための原点フォトセンサ290が設けられている。原点フォトセンサ290は、ロゴ部材110L,110Rが近接位置(原点位置)にある場合、ロゴ部材110Lの上面に設けられた検出板115を検出する。パチンコ機1は、原点フォトセンサ290によって検出される原点位置を基準として、ロゴ部材110L,110Rの開閉動作を制御する。
【0043】
上記の構成を有するロゴ役物100の動作原理について説明する。ロゴ役物100が閉じる演出動作の実行時には、ロゴ部材110L,110Rが近接位置(原点位置)に向けて移動される。
【0044】
具体的には、ロゴ駆動モータ300が出力ギア240を平面視で時計回り方向(
図8、
図9では右回り方向)に回転させる。すると、出力ギア240に下ギア231Lが噛み合う連結ギア230Lが、平面視で反時計回り方向(
図8、
図9では左回り方向)に回転する。これに伴って、下ギア231Lと噛み合う背面ギア111Lを介して、ロゴ駆動モータ300の回転力がロゴ部材110Lを右方向に付勢する。これにより、ガイド体112L,113Lがガイド溝210Lに沿って摺動して、ロゴ部材110Lが右方向に案内される。
【0045】
同時に、連結ギア230Lの回転に伴って、上ギア232Lと噛み合う傘歯ギア221Lを介して、連結ロッド220が左側面視で時計回り方向に回転される。さらに、傘歯ギア221Rに上ギア232Rが噛み合う連結ギア230Rが、平面視で時計回り方向に回転する。これに伴って、下ギア231Rと噛み合う背面ギア111Rを介して、ロゴ駆動モータ300の回転力がロゴ部材110Rを左方向に付勢する。これにより、ガイド体112R,113Rがガイド溝210Rに沿って摺動して、ロゴ部材110Rが左方向に案内される。
【0046】
図7および
図8に示すように、ロゴ部材110Lが可動範囲の右端位置まで移動すると、原点フォトセンサ290によって検出板115が検出されて、ロゴ駆動モータ300の駆動が停止される。このとき、ロゴ部材110Rが可動範囲の左端位置まで移動している。ロゴ部材110L,110Rには、各々が対向する端面に相互に吸着する磁性体119L,119Rが設けられている。したがって、ロゴ部材110L,110Rが近接位置にある場合、磁性体119L,119Rの吸着作用によって、ロゴ部材110L,110Rが隙間なく連結される。
【0047】
一方、ロゴ役物100が開く演出動作の実行時には、ロゴ部材110L,110Rが離間位置に向けて移動される。
【0048】
具体的には、ロゴ駆動モータ300が出力ギア240を平面視で反時計回り方向に回転させる。すると、先述とは逆に、連結ギア230Lが平面視で時計回り方向に回転し、ロゴ駆動モータ300の回転力がロゴ部材110Lを左方向に付勢する。これにより、ロゴ部材110Lがガイド溝210Lに沿って左方向に案内される。同時に、連結ギア230Lの回転に伴って、連結ロッド220が左側面視で反時計回り方向に回転され、さらに連結ギア230Rが平面視で反時計回り方向に回転して、ロゴ駆動モータ300の回転力がロゴ部材110Rを右方向に付勢する。これにより、ロゴ部材110Rがガイド溝210Rに沿って右方向に案内される。
【0049】
図9に示すように、ロゴ駆動モータ300が所定ステップ数回転すると、ロゴ部材110L,110Rが近接位置(原点位置)から離間位置まで移動する。つまり、ロゴ部材110Lが可動範囲の左端位置まで移動し、ロゴ部材110Rが可動範囲の右端位置まで移動しているから、ロゴ駆動モータ300の駆動が停止される。
【0050】
以上のように、本実施形態のロゴ役物100では、ロゴ駆動モータ300の駆動力が、ロゴ部材110Lのみならず連結ロッド220を介してロゴ部材110Rにも直接的に作用する。したがって、特定の部材や部位に負荷が集中することを抑制しつつ、一つの駆動源によってロゴ部材110L,110Rをバランス良く且つスムーズに対称移動させることができる。また、ロゴ部材110L,110Rが円弧状の軌跡で移動することで、ロゴ役物100は奥行きのある演出動作を実行できる。さらに、ロゴ駆動モータ300を制御するだけで、一対のロゴ部材110L,110Rを対称移動させる演出動作を行うことができる。
【0051】
図10〜
図15を参照して、回転役物500について説明する。
図10〜
図13に示すように、回転役物500は、役物本体510、支持体520、ガイド軸600L,600R、昇降ラック610L,610R、原点フォトセンサ690L,690R、昇降駆動モータ700L,700Rなどを備える。なお、説明の便宜のため、
図10〜
図13ではロゴ役物100を図示しない。さらに
図13では、役物本体510の左右両側に設けられた装飾部品を、支持体520から取り除いている。
【0052】
左フレーム32の前側には、上下方向に延びる円柱状のガイド軸600Lが固定されている。さらに、ガイド軸600Lの近傍には、ステッピングモータである昇降駆動モータ700Lが配設されている。昇降駆動モータ700Lの出力軸は左右方向に延び、その先端に平歯車である出力ギア620Lが固定されている。さらに、出力ギア620Lの後方には、支持体520の左端部と連結される昇降ラック610Lが設けられている。
【0053】
昇降ラック610Lには、ガイド軸600Lが挿通されるガイド体611L,612Lが、所定間隔を空けて上下方向に並んで設けられている。ガイド体611L,612Lは、それぞれガイド軸600Lの軸線方向に沿って摺動可能である一方、ガイド軸600Lの軸線回りに対する回転は規制されている。昇降ラック610Lの前側には、昇降ラック610Lの移動方向(上下方向)に沿って連続する歯部である前面ギア613Lが設けられている。昇降駆動モータ700Lの出力ギア620Lは、前面ギア613Lと噛み合っている。昇降ラック610Lの右端部には、後述の搬送ピン525Lが取り付けられる板状の連結片614Lが設けられているが、詳細は後述する。
【0054】
ガイド軸600Lの上端近傍には、昇降ラック610Lの原点位置を検出するための原点フォトセンサ690Lが設けられている。原点フォトセンサ690Lは、昇降ラック610Lが可動範囲の上端位置(原点位置)にある場合、昇降ラック610Lの側面に設けられた検出板619Lを検出する。パチンコ機1は、原点フォトセンサ690Lによって検出される原点位置を基準として、昇降ラック610Lの昇降動作を制御する。
【0055】
同様に、右フレーム33の前側には、上下方向に延びる円柱状のガイド軸600Rが固定されている。さらに、ガイド軸600Rの近傍には、ステッピングモータである昇降駆動モータ700Rが配設されている。昇降駆動モータ700Rの出力軸は左右方向に延び、その先端に平歯車である出力ギア620Rが固定されている。さらに、出力ギア620Rの後方には、支持体520の右端部と連結される昇降ラック610Rが設けられている。
【0056】
昇降ラック610Rには、ガイド軸600Rが挿通されるガイド体611R,612Rが、所定間隔を空けて上下方向に並んで設けられている。ガイド体611R,612Rは、それぞれガイド軸600Rの軸線方向に沿って摺動可能である一方、ガイド軸600Rの軸線回りに対する回転は規制されている。昇降ラック610Rの前側には、昇降ラック610Rの移動方向(上下方向)に沿って連続する歯部である前面ギア613Rが設けられている。昇降駆動モータ700Rの出力ギア620Rは、前面ギア613Rと噛み合っている。昇降ラック610Rの左端部には、後述の搬送ピン525Rが取り付けられる板状の連結片614Rが設けられているが、詳細は後述する。
【0057】
ガイド軸600Rの上端近傍には、昇降ラック610Rの原点位置を検出するための原点フォトセンサ690Rが設けられている。原点フォトセンサ690Rは、昇降ラック610Rが可動範囲の上端位置(原点位置)にある場合、昇降ラック610Rの側面に設けられた検出板619Rを検出する。パチンコ機1は、原点フォトセンサ690Rによって検出される原点位置を基準として、昇降ラック610Rの昇降動作を制御する。
【0058】
昇降ラック610L,610Rの間には、役物本体510を保持する横長板状の支持体520が架設されている。支持体520の左右両端部には、前後方向と平行に突出する円柱状の搬送ピン525L,525Rが設けられている。搬送ピン525Lは、連結片614Lに形成されている連結孔615Lに挿入される。連結孔615Lは、連結片614Lに対して前後方向と平行に貫通する孔部であって、挿入された搬送ピン525Lを軸心周りに回転自在に支持する。搬送ピン525Rは、連結片614Rに形成されている連結孔615Rに挿入される。連結孔615Rは、連結片614Rに対して前後方向と平行に貫通する孔部であって、挿入された搬送ピン525Rを軸心周りに回転自在に支持する。
【0059】
連結孔615Lは、正面視で役物本体510の移動方向とは異なる方向に遊びを有する長穴である。本実施形態の連結孔615Lは、搬送ピン525Lとほぼ同径または若干大きい径で形成された、役物本体510の移動する上下方向と直交する左右方向に延びる長穴である。よって、連結孔615Lに挿入された搬送ピン525Lは、連結孔615L内の遊びがある範囲で左右方向に摺動可能である。一方、連結孔615Rは、搬送ピン525Lとほぼ同径または若干大きい径で形成された丸穴である。よって、連結孔615Rに挿入された搬送ピン525Rは、その径方向(上下左右方向)への移動が規制される。
【0060】
図14および
図15に示すように、役物本体510は、左右方向を長手方向および軸線方向とする直方体状であり、その左右両端面が正方形状をなす。役物本体510の内部には、役物本体510の左右両端側に突出する回転軸530が固定されている。支持体520は、搬送ピン525L,525Rを結ぶ方向(左右方向)に延びる板状体である。支持体520は、その前面側における長手方向の中央部で、回転軸530の両端を回転自在に軸支する。回転軸530の軸線方向(つまり、役物本体510の軸線方向)は、役物本体510の軸線方向と平行である。
【0061】
役物本体510は、その回転方向に沿って4つの平面が形成された四面体である。役物本体510が有する4つの平面には、それぞれ異なる装飾体511A〜511Dが施されている。本実施形態では、装飾体511Aは「Power」の文字を含む装飾物であり、装飾体511Bは「Speed」の文字を含む装飾物であり、装飾体511Cは「Technique」の文字を含む装飾物であり、装飾体511Dは「Marvelous」の文字を含む装飾物である。
【0062】
役物本体510の右端面には、平歯車である側面ギア512が固定されている。側面ギア512では、役物本体510の右側に突出する回転軸530の回転方向に沿って歯部が形成されている。支持体520の左右両端には、前方に突出する搬送ピン525L,525Rが設けられている。支持体520における、側面ギア512と搬送ピン525Rとの間には、ステッピングモータである回転駆動モータ550が配設されている。回転駆動モータ550の出力軸は、回転軸530と平行な左右方向に延び、その先端に平歯車である出力ギア540が固定されている。出力ギア540は、役物本体510の側面ギア512と噛み合っている。
【0063】
役物本体510の左端面近傍には、役物本体510の原点位置を検出するための原点フォトセンサ590が設けられている。原点フォトセンサ590は、役物本体510が基準回転位置(原点位置)にある場合、役物本体510の左端面に設けられた検出板(図示外)を検出する。パチンコ機1は、原点フォトセンサ590によって検出される原点位置を基準として、役物本体510の回転制御を実行する。
【0064】
上記の構成を有する回転役物500の動作原理について説明する。役物本体510が上昇する演出動作の実行時には、昇降ラック610L,610Rが上端位置(原点位置)に向けて移動される。
【0065】
具体的には、昇降駆動モータ700Lが出力ギア620Lを左側面視で時計回り方向に回転させる。すると、出力ギア620Lと噛み合う前面ギア613Lを介して、昇降駆動モータ700Lの回転力が昇降ラック610Lを上方向に付勢する。これにより、ガイド体611L,612Lがガイド軸600Lに沿って摺動して、昇降ラック610Lが上方向に案内される。これに伴って、昇降ラック610Lに搬送ピン525Lが連結されている支持体520(ひいては、役物本体510)が、左側から持ち上げられる。昇降ラック610Lが可動範囲の上端位置まで移動すると、原点フォトセンサ690Lによって検出板619Lが検出されて、昇降駆動モータ700Lの駆動が停止される。
【0066】
同様に、昇降駆動モータ700Rが出力ギア620Rを右側面視で反時計回り方向に回転させる。すると、出力ギア620Rと噛み合う前面ギア613Rを介して、昇降駆動モータ700Rの回転力が昇降ラック610Rを上方向に付勢する。これにより、ガイド体611R,612Rがガイド軸600Rに沿って摺動して、昇降ラック610Rが上方向に案内される。これに伴って、昇降ラック610Rに搬送ピン525Rが連結されている支持体520(ひいては、役物本体510)が、右側から持ち上げられる。昇降ラック610Rが可動範囲の上端位置まで移動すると、原点フォトセンサ690Rによって検出板619Rが検出されて、昇降駆動モータ700Rの駆動が停止される。
【0067】
このように、昇降ラック610L,610Rが共に上方向に移動することで、役物本体510が画像表示装置28の表示面の前側で上昇する。特に、昇降ラック610L,610Rを同じ高さで維持しながら同期して上昇させた場合には、
図10および
図11に示すように、役物本体510はその長手方向が左右方向と平行をなす状態(水平状態)を保ちながら、正面視で傾くことなく上昇する。
【0068】
一方、役物本体510が下降する演出動作の実行時には、昇降ラック610L,610Rが下端位置に向けて移動される。
【0069】
具体的には、昇降駆動モータ700Lが出力ギア620Lを左側面視で反時計回り方向に回転させる。すると、先述とは逆に、昇降駆動モータ700Lの回転力が昇降ラック610Lを下方向に付勢して、昇降ラック610Lがガイド軸600Lに沿って下方向に案内される。これに伴って、支持体520(ひいては、役物本体510)が、左側から押し下げられる。昇降駆動モータ700Lが所定ステップ数回転すると、昇降ラック610Lが上端位置(原点位置)から可動範囲の下端位置まで移動するから、昇降駆動モータ700Lの駆動が停止される。
【0070】
同様に、昇降駆動モータ700Rが出力ギア620Rを左側面視で時計回り方向に回転させる。すると、先述とは逆に、昇降駆動モータ700Rの回転力が昇降ラック610Rを下方向に付勢して、昇降ラック610Rがガイド軸600Rに沿って下方向に案内される。これに伴って、支持体520(ひいては、役物本体510)が、右側から押し下げられる。昇降駆動モータ700Rが所定ステップ数回転すると、昇降ラック610Rが上端位置(原点位置)から可動範囲の下端位置まで移動するから、昇降駆動モータ700Rの駆動が停止される。
【0071】
このように、昇降ラック610L,610Rが共に下方向に移動することで、役物本体510が画像表示装置28の表示面の前側で下降する。特に、昇降ラック610L,610Rを同じ高さで維持しながら同期して下降させた場合には、
図12に示すように、役物本体510は水平状態を保ちながら、正面視で傾くことなく下降する。
【0072】
先述したように、連結孔615Lには、搬送ピン525Lが左右方向に摺動可能な遊びが設けられている。役物本体510が水平状態である場合、搬送ピン525Lが連結孔615Lの左端部に位置している(
図11、
図12参照)。一方、
図13に示すように、昇降ラック610L,610Rを高さ位置が異なる場合は、搬送ピン525Lは連結孔615Lの左端部よりも右側に移動する。このとき、支持体520は水平状態から傾くため、役物本体510も正面視で長手方向が左右方向に対して傾斜する。
【0073】
具体的には、昇降ラック610Lが昇降ラック610Rよりも高い場合には、役物本体510は正面視で右下方向に傾き、昇降ラック610Lが昇降ラック610Rよりも低い場合には、役物本体510は正面視で左下方向に傾く。昇降ラック610L,610Rの高度差が大きいほど(つまり、役物本体510の傾きが大きいほど)、搬送ピン525Lは連結孔615Lの右端部に近づく。言い換えると、搬送ピン525Lは連結孔615Lの右端部に位置しているときに、役物本体510の傾きが最も大きくなる。
【0074】
このように、昇降ラック610L,610Rの高さ位置を異ならせることで、役物本体510を傾けることができる。さらに、昇降ラック610L,610Rの高さ位置や高度差を制御することで、役物本体510の傾斜方向や傾斜角度を変化させることができる。さらに、このような役物本体510の傾斜動作と併せて、先述のように役物本体510を昇降させることができる。
【0075】
また、役物本体510が回転する演出動作の実行時には、回転駆動モータ550が出力ギア540を側面視で時計回り方向または反時計回り方向に回転させる。すると、出力ギア540と噛み合う側面ギア512を介して、回転駆動モータ550の回転力が役物本体510を軸線回りに付勢して、役物本体510が回転する。役物本体510が所定回転位置まで移動すると、原点フォトセンサ590によって検出板(図示外)が検出される。
【0076】
本実施形態では、役物本体510が右側面視で時計回り方向に回転する。
図15に示すように、装飾体511Aが正面側を向く役物本体510の回転角度が、原点フォトセンサ590によって検出板(図示外)が検出される原点位置である。役物本体510が原点位置から90度回転されると、装飾体511Bが正面側を向く。この状態から役物本体510が90度回転されると、装飾体511Cが正面側を向く。この状態から役物本体510が90度回転されると、装飾体511Dが正面側を向く。このように、役物本体510を回転させるのみならず、その回転角度に応じて遊技者が目視可能な装飾体511A〜511Dを切り替えることができる。
【0077】
以上のように、本実施形態の回転役物500では、昇降ラック610L,610Rの移動に伴って、役物本体510も画像表示装置28の表示面よりも前方で上下方向に移動する。昇降ラック610L,610Rの高さ位置が異なる場合、搬送ピン525Lは連結孔615Lに設けられた遊びに沿って移動し、役物本体510が正面視で傾斜する。さらに、昇降ラック610L,610Rの高さ位置や高度差を制御することで、役物本体510の傾斜方向や傾斜角度を変化させることができる。
【0078】
したがって、画像表示装置28の表示面よりも前方で、遊技者の視覚に与えるインパクトが強い役物演出を行うことができる。また、役物本体510を水平状態で上下動させる場合に、例えば昇降駆動モータ700L,700Rの一方の故障または誤作動等によって、昇降ラック610L,610Rの高さ位置が意図せず変化した場合でも、連結孔615Lの遊びに沿って搬送ピン525Lが移動することで、回転役物500に生じる物理的な衝撃を緩衝することができる。
【0079】
また、役物本体510が側面視で時計回り方向または反時計回り方向に回転し、それに応じて目視可能な装飾体511A〜511Dが変化するため、役物本体の移動動作および傾斜動作と併せてインパクトが強い役物演出を行うことができる。回転駆動モータ550を制御するだけで、役物本体510の回転動作を用いた演出を実行できるとともに、昇降駆動モータ700L,700Rを制御するだけで、役物本体510の傾斜動作および昇降動作を用いた演出を実行できる。
【0080】
ところで、演出装置10は、ロゴ役物100および回転役物500を使用して、従来にない多様な演出を実行することができる。以下では、画像表示装置28に表示されるデモ図柄の変動と連動して、演出装置10が大当たりの期待度を報知する演出の一例を説明する。この例では、装飾体511A〜511Dは、それぞれ異なる大当たりの期待度を示す。例えば、装飾体511A〜511Dのうち、装飾体511Aが最も低い期待度「20%」であり、装飾体511Bが2番目に高い期待度「40%」であり、装飾体511Cが3番目に高い期待度「60%」であり、装飾体511Dが最も高い期待度「80%」である。
【0081】
パチンコ機1の制御部は、主基板で行われた大当たり判定の結果を報知するためのデモ図柄の変動パターン(演出態様)を決定するサブ制御基板を備える。サブ制御基板は、演出態様として、演出装置10による期待度報知を伴う役物連動報知演出を実行するか否かも決定する。サブ制御基板が役物連動報知演出を実行する場合、画像表示装置28に表示されるデモ図柄の変動と併せて、演出装置10が以下のように動作する。
【0082】
演出装置10の初期状態では、
図3に示すように、ロゴ部材110L,110Rは近接位置に移動し、且つ、役物本体510は上端位置に移動している。したがって、遊技者は役物本体510を目視することはできない。役物連動報知演出が開始されると、画像表示装置28でデモ図柄の変動が開始される。デモ図柄の変動中に、
図4に示すように、ロゴ部材110L,110Rが開くと共に、役物本体510が回転開始する。
【0083】
次いで、
図5に示すように、役物本体510は回転しながら、正面視で画像表示装置28の表示面の略中央部まで下降する。そして、サブ制御基板によって決定された報知すべき期待度が「80%」である場合、
図15に示すように、役物本体510の回転と仮停止とが繰り返されて、装飾体511A、装飾体511B、装飾体511C、装飾体511Dの順序で正面側に連続して表示される。最後にロゴ部材110L,110Rが閉じることで、遊技者が目視可能な装飾体511Dが停止表示(つまり、確定)される。
【0084】
同様に、報知すべき期待度が「60%」である場合、装飾体511A、装飾体511B、装飾体511Cの順序で正面側に連続して表示されたのち、ロゴ部材110L,110Rが閉じて装飾体511Cが確定される。報知すべき期待度が「40%」である場合、装飾体511A、装飾体511Bの順序で正面側に連続して表示されたのち、ロゴ部材110L,110Rが閉じて装飾体511Bが確定される。報知すべき期待度が「20%」である場合、装飾体511Aが正面側に表示されたのち、ロゴ部材110L,110Rが閉じて装飾体511Aが確定される。役物本体510による期待度の報知後、画像表示装置28でデモ図柄が停止して、大当たりであるか否かが確定表示される。
【0085】
このように役物連動報知演出では、大当たりの期待度に応じた装飾体511A〜511Dが正面側を向くように、役物本体510の回転位置が制御されるので、遊技者は目視可能な装飾体511A〜511Dに基づいて大当たりの期待度を把握することができる。特に、1回のデモ図柄の変動中に装飾体511A〜511Dを段階的に切り替えることで、大当たりの期待度をステップアップさせて遊技者の期待感を高めることができる。
【0086】
なお、本実施形態において、搬送ピン525Lが本発明の「第一搬送ピン」に相当する。搬送ピン525Rが本発明の「第二搬送ピン」に相当する。連結孔615Lが本発明の「第一連結孔」に相当する。昇降ラック610L、昇降駆動モータ700L、ガイド軸600Lが、本発明の「第一可動機構」に相当する。連結孔615Rが本発明の「第二連結孔」に相当する。昇降ラック610R、昇降駆動モータ700R、ガイド軸600Rが、本発明の「第二可動機構」に相当する。回転駆動モータ550が本発明の「役物駆動源」に相当する。昇降ラック610Lが本発明の「第一移動ラック」に相当する。昇降駆動モータ700Lが本発明の「第一駆動源」に相当する。ガイド軸600Lが本発明の「第一ガイド軸」に相当する。昇降ラック610Rが本発明の「第二移動ラック」に相当する。昇降駆動モータ700Rが本発明の「第二駆動源」に相当する。ガイド軸600Rが本発明の「第二ガイド軸」に相当する。パチンコ機1の制御部が、本発明の「第一制御手段」および「第二制御手段」に相当する。
【0087】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、上記実施形態では、ロゴ役物100および回転役物500が、演出装置10に一体に備えられている。これに代えて、ロゴ役物100および回転役物500が、それぞれ独立した演出装置であってもよい。また、ロゴ役物100および回転役物500は、パチンコ機1に設けられるものに限定されず、例えばパチスロ機に設けられてもよい。
【0088】
上記実施形態では、ロゴ部材110L,110Rが左右方向に開閉するロゴ役物100を例示したが、ロゴ部材110L,110Rが他の方向(例えば、上下方向)に開閉するロゴ役物100にも適用できる。また、役物本体510が上下方向に移動する回転役物500を例示したが、役物本体510が他の方向(例えば、左右方向)に移動する回転役物500にも適用できる。
【0089】
上記実施形態では、連結ロッド220(および傘歯ギア221L,221R)によって、連結ギア230L,230R間で動力を伝達しているが、連結ギア230Lの回転に連動して連結ギア230Rを回転させる機構を用いて、連結ギア230L,230R間で動力を伝達してもよい。例えば、ウォームギア、ワイヤープーリ等、駆動源に連結された一端から他端に対して動力を伝達可能な各種機構を用いることができる。
【0090】
上記実施形態では、連結孔615Lのみが左右方向に遊びを有するが、連結孔615Rのみが遊びを有してもよいし、連結孔615L,615Rがいずれも遊びを有してもよい。また、連結孔615L,615Rの少なくとも一方に設けられる遊びの形成方向は、左右方向に限定されず、昇降ラック610L,610Rの移動方向(つまり、回転役物500の移動方向)と直交する方向(例えば、正面視で斜め方向)であればよい。