特許第6099140号(P6099140)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本管洗工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6099140-鋼床板 図000002
  • 特許6099140-鋼床板 図000003
  • 特許6099140-鋼床板 図000004
  • 特許6099140-鋼床板 図000005
  • 特許6099140-鋼床板 図000006
  • 特許6099140-鋼床板 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6099140
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】鋼床板
(51)【国際特許分類】
   B63B 3/48 20060101AFI20170313BHJP
   B63B 19/14 20060101ALI20170313BHJP
【FI】
   B63B3/48
   B63B19/14 A
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-108839(P2013-108839)
(22)【出願日】2013年5月23日
(65)【公開番号】特開2014-227067(P2014-227067A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000230777
【氏名又は名称】日本管洗工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091719
【弁理士】
【氏名又は名称】忰熊 嗣久
(72)【発明者】
【氏名】小林 理人
【審査官】 岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−277892(JP,A)
【文献】 実開昭62−155085(JP,U)
【文献】 実公昭51−014948(JP,Y1)
【文献】 特開平09−217453(JP,A)
【文献】 特開2005−188252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 3/48,19/14
E01D 1/00
E01C 9/08
E04B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面が長方形であり四方の側面の肉厚が等しい同一形状の多数の角形鋼管が、その対向する横側の側面同士が互いに接触した状態で配置され、前記多数の角形鋼管の上側の側面と下側の側面の両方を全範囲で夫々覆う長方形状の上下の鋼板とを有し、
前記上下の鋼板には、非貫通のボルト孔が設けられており、
前記上下の鋼板に夫々対向する前記角形鋼管の上側の側面と下側の側面には前記非貫通のボルト孔に対応する箇所に貫通孔が設けられ、
前記角形鋼管の内側からボルトが前記貫通孔を介して、対応する非貫通のボルト孔に螺合されることにより、前記角形鋼管の上側の側面と下側の側面が夫々前記上下の鋼板に固定されていることを特徴とする鋼床板。
【請求項2】
前記角形鋼管の肉厚は、前記角形鋼管の横の側面の長さに比べて2桁以上少ない厚さであることを特徴とする請求項1に記載の鋼床板。
【請求項3】
隣同士の前記角形鋼管は、互いに接触する横側の側面同士が接着剤により固定されていることを特徴とする請求項1に記載の鋼床板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ運搬船のデッキやRO−RO船の車両甲板や、コンテナ運搬船のハッチカバー(100乃至200m)のような大型の鋼床板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鋼床板の構造としては、デッキプレートの下面に起立したウェブが所定間隔で並設され、その間にウェブより背の低い多数のリブが配設される。そして、ウェブの下側には隣り合うウェブを横方向に連結する下床が設けられる。
【0003】
例えば、特許文献1は、船舶に用いられる鋼床板ではなくて橋梁に用いる鋼床板であるが、上フランジ鋼床板と下フランジ鋼床板との間に間隔を開けて起立した2枚のウェブ鋼板で結合して箱断面の桁を形成している。また、一部の箇所であるが、下フランジ鋼板を横方向に連続させている。特許文献1には上フランジ鋼床板とウェブ鋼板との接続の手段は明らかでない。
【0004】
特許文献2には、デッキプレートの下面に複数条のUリブが溶接され、UリブとUリブの間に補強リブが溶接され、さらに2つのUリブの下面に固定板を渡して溶接若しくはボルトで固定し、補強リブに接合した鋼床板が開示されている。この文献の鋼床板によれば、UリブとUリブとの間に掛かる車両重量を補強リブにより支えることにより、デッキプレートとUリブの溶接部との疲労亀裂を押さえることができる。また、特許文献3には、間隔をおいて角形鋼管を配置し主桁とし、その上に鋼床板を高力ボルトで接合し、隣り合う角形鋼管の間に多数の縦リブを配置した構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平4−70313号
【特許文献2】特開2006−77523号公報
【特許文献3】特開2003−105716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の鋼床板の構造によればデッキプレートの下側でウェブ鋼板同士が連結されており、また、特許文献2の鋼床板の構造によればUリブの下面が連結されているため、これらリブとデッキプレートの接続箇所の疲労亀裂の問題を抑制することができる。しかしながら、デッキプレートの下面に縦リブを溶接する構造では、溶接する際に発生する熱によりリブが歪む。リブの断面二次モーメントの大きさは、リブの厚さよりも高さが支配的であり、強度を保ちリブの重量を減らすにはリブを薄くして高さを高くするのが望ましいが、リブの厚さを薄くすると熱に対する歪の影響が顕著となる。従って、リブは熱による歪を受けないように厚くせざるを得ず、自重が増加する。
【0007】
一方、特許文献3の構造は、ボルトにより角形鋼管を鋼床板に固定するものであるため、溶接による熱の変形を受けずに正確に形成することができるという利点がある。また、角形鋼管は既製品として比較的入手し易く、製作時間の短縮が図れる。そして、角形鋼管と角形鋼管の間にかかる重量負荷に対しては、多数の縦リブをボルトにて固定して対応している。
【0008】
ところで、特許文献3においては、隣り合う角形鋼管の間には、縦リブが配置されているが、角形鋼管の間は負荷重量によりデッキプレートが撓むことを抑止するのである。縦リブの設置は、鋼床板自体の重さの増加につながり、自重によりさらに撓みが増えることによる強度を余分に高めなければならない。
【0009】
本発明は、縦リブを有する鋼床板の重量を軽量化しつつ、且つ溶接によらない鋼床板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明は、断面が長方形であり四方の側面の肉厚が等しい同一形状の多数の角形鋼管が、その対向する横側の側面同士が互いに接触した状態で配置され、前記多数の角形鋼管の上側の側面と下側の側面の両方を全範囲で夫々覆う長方形状の上下の鋼板とを有し、
前記上下の鋼板には、非貫通のボルト孔が設けられており、
前記上下の鋼板に夫々対向する前記角形鋼管の上側の側面と下側の側面には前記非貫通のボルト孔に対応する箇所に貫通孔が設けられ、
前記角形鋼管の内側からボルトが前記貫通孔を介して、対応する非貫通のボルト孔に螺合されることにより、前記角形鋼管の上側の側面と下側の側面が夫々前記上下の鋼板に固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、溶接に向かない薄い鋼材からなる軽量の角形鋼管を利用して、撓み量が少ない軽量の鋼床板を構成することができる。また、軽量の角形鋼管に加えて、鋼板を角形鋼管の下側に鋼板を配置して重量分散できるため、素材である鋼板や角形鋼管の運搬や製造が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】発明の原理を示す図である。
図2】鋼床板を示す図である。
図3】鋼床板の分解図である。
図4】継手を示す図である。
図5】他の実施例を示す図である。
図6】ボルトによる固定例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。
まず、図1を用いて本発明の原理について説明する。
図1Aは、特許文献3の鋼床板10の断面を模式的に示している。鋼板11の下側には、多数の角形鋼管12が間を空けて鋼板11にボルト13により接合されており、隣り合う角形鋼管12の間に縦リブ14が2列配置されている。角形鋼管12の横方向(図面、a方向)の長さはBであり、上下方向(図面、b方向)の長さはHである。
【0014】
これに対して、図1Bの鋼床板100においては、角形鋼管3の肉厚を薄くして、角形鋼管3の対向する一対の側面を互いに当接させて、詰めた状態で配置し、縦リブ14は除去されている。図1Bの鋼床板100においては、角形鋼管3の肉厚は角形鋼管12の肉厚dの半分(d/2)に成っているが、角形鋼管3の縦横の長さは、図1Aの角形鋼管12と等しく、それぞれB、Hである。図1Cの鋼床板200は、角形鋼管4の肉厚はさらに角形鋼管3の半分(図1Aの角形鋼管12の1/4)となり、横の長さが半分(B/2)になっている。鋼床板100と同様に、縦リブ14は除去されている。鋼板11、1の厚さは等しくDである。
尚、市販されている角形鋼管としては、電縫管をロールで冷間又は熱間成形した所謂ロールコラム、鋼板をコの字状にプレス成形して溶接した所謂プレスコラム、シームレス鋼管を熱間成形した所謂シームレスコラム等が知られており、いずれも、外形の四辺の肉厚は等しい。
【0015】
図1A、1B、1Cの鋼床板10、100、200において、横方向の範囲U(長さ2B)の範囲内に存在する角形鋼管12、3、4の総重量は等しく、図1Aの場合のみ縦リブ14の分だけ重い。
【0016】
図1A示す鋼床板10の箇所U1を切り出した場合において、箇所Uの断面形状は、デッキプレートの断面と角形鋼管の断面と縦リブの断面をあわせたものとなっている。ここで、角形鋼管12のみ取り出し、角形鋼管12に直接、荷重が掛かるものとして検討すると、角形鋼管12の断面2次モーメントIaは、

Ia=(BH−(B−2d)(H−2d))/12

である。
【0017】
そして、図1Bに示す鋼床板100の箇所U(長さ2B)を切り出したときの断面は、鋼板1の断面と角形鋼管3の断面をあわせたものであり、角形鋼管3のみについてのみ取り出して同様検討すると、角形鋼管3の断面2次モーメントIbは、

Ib=(2BH−2(B−d)(H−d))/12

で表せる。同様に、図1Cに示す鋼床板200の単位長さ箇所U(長さ2B)を切り出したときの角形鋼管4のみに着目した断面2次モーメントIcは、

Ic=(2BH−4(B/2−d/2)(H−d/2))/12

である。
【0018】
ここで、角形鋼管の厚さを上下方向の長さHに比べて十分に小さくする。この条件化においては、(H−2d)、(H−d)、(H−d/2)のいずれもHとみなすことが出来るから、角形鋼管の断面2次モーメントIa、Ib、Icはいずれも

Ia=Ib=Ic=dH/6

となる。
【0019】
このように、図1Aに示す鋼床板10のみが縦リブ14を有する点において、図1B図1Cに示す鋼床板100、200よりも断面2次モーメントが大きくなっているといえる。
尚、市販されている角形鋼管には、角形鋼管の厚さを上下方向の長さHに比べて十分に小さく例えば、d/H<<1/100に該当しないものもある。このような角形鋼管を使用する場合、必要以上に強度を備える反面、縦リブに相当する部分の重量が増加してしまうことになる。
【0020】
一方、鋼床板100、200、300を方向aに見た場合、図1A図1B、1Cとでは、以下のように大きく相違する。
すなわち、図1Aに示す鋼床板100においては、鋼板11の下側に角形鋼管12が存在する箇所と存在しない箇所があるのに対して、図1B、1Cに示す鋼床板200、300においては、鋼板1の下側に角形鋼管3、4が必ず存在する。
【0021】
いま、図1Aに示す鋼床板100を方向aに見たとき、隣り合う角形鋼管12の縦板部分12a、12b、12cで両側を支えられたプレート部分p、qに着目すると、プレート部分pは鋼板の板厚Dと角形鋼管12の肉厚dを合わせた厚さをもち、プレート部分qの箇所はデッキプレートの板厚Dのみであるので、プレート部分pの紙面を裏から表の方向(c方向)に垂直に切った断面において、図1A紙面の表裏方向の長さgで切り出したときに断面2次モーメントia1は、

ia1=g(D+d)/12

である。
【0022】
同様にプレート部分qにおける断面2次モーメントia2は、紙面を縦に垂直に切った断面において
ia2=gD/12
である。
【0023】
鋼板11の板厚Dと角形鋼管12の肉厚dは、通常、同じような桁の数値範囲であるため、プレート部分pとqとでは、同じ荷重に対する撓みが大きく異なってくるのであり、従って、プレート部分qの撓みが大きくならないように縦リブ14を設けて撓みを抑制している。
【0024】
一方、図1Bに示す鋼床板200の例においては、図1Bの紙面を縦に垂直にプレート部分rを切った断面における断面2次モーメントibは、

ib=g(D+d/2)/12

となる。図1Aに示す鋼床板10の断面2次モーメントia2比較すると、大きな値となっており、プレート部分qよりも撓みを抑制することができる。
図1Cに示す鋼床板300は、角形鋼管4の横の長さが半分(B/2)になり、肉厚がd/4となっている。同様に図1Cの紙面を縦に垂直にプレート部分sを切った断面における断面2次モーメントicを求めると、

ic=g(D+d/4)/12

となる。
【0025】
断面2次モーメントicは、図1Bの断面2次モーメントibと比べて小さくなる。しかしながら、プレート部分sの長さはD/2であって、プレート部分rの半分である。同じ荷重が搭載されときの撓み量は、プレート部分s或いはrの長さの3乗に比例するため、図1Cの方が撓み量は小さくなる。
【0026】
図1Dに示す鋼床板300は、図1Cに示す鋼床板200の構成において鋼板1の厚さDを半分にした鋼板5を用い、かつ鋼床板200と同じ角形鋼管4を用いその下側に厚さD/2の鋼板9をボルトにより固定した例である。この例においては、断面2次モーメントIdは、図1Cに示された構成の断面2次モーメントIcと等しい。一方、図1Dの紙面を縦に垂直にプレート部分tを切った断面における断面2次モーメントidは、

id=(D/2+d/4)/12

であり、図1Cの構造よりも小さくなっている。
【0027】
しかしながら、先に述べたように撓み量は、長さの3乗に比例するので、長さB/2のプレート部分tにおける撓みは小さいままである。一方、鋼板5に荷重が掛かったときには、上側ではa方向への圧縮する力が加わり、鋼板9側では引張力が働く、本来、鋼材は圧縮には強く、引張力には弱いため、鋼床板300のように鋼板5を薄くして、その分、角形鋼管の下側に鋼板9として固定するのが合理的である。また、鋼板5、9に重量が分散できるため、素材である鋼板や角形鋼管の運搬や製造が容易になる。
【0028】
図2は鋼床板300を示しており、図2Aは断面、図2Bは平面を示している。鋼床板300は、同一形状の多数の角形鋼管4を互いの横側の一対の側面が接触する状態で配置し、多数の角形鋼管4の上側、下側の側面の全範囲を夫々長方形状の鋼板5、9で挟んでいる。鋼板5、9の大きさは、6m×15mである。角形鋼管4の肉厚dは4.5mmである。角形鋼管4の断面形状は長方形であり、長方形の横の長さBは200mmから1000mm、縦の長さHは200mmから1000mmである。また、角形鋼管4の長さは6mから20mである。上下の鋼板5、9の厚さは、5mmである。角形鋼管4及び鋼板5、9は、一般構造用圧延鋼材であって、ここではSS400(JIS規格)を用いた。
尚、一般構造用角形鋼管JIS G 3466 STKRは、規格として予めH、B、dの寸法・重量を決められている。本実施例においては、上記予め決められた寸法の一般構造用角形鋼管JIS G 3466 STKRの以外のサイズを有する角形鋼管を使用しても良い。そのような角形鋼管は、寸法が異なるだけであり、先述したロールコラム、プレスコラムシームレスコラム等を使用して製作することが可能である。
【0029】
図3には、角形鋼管4と鋼板5、9とを接続する様子が示されている。鋼板5、9には、非貫通のボルト孔7が設けられており、角形鋼管4には上下となる一対の側面に対してボルト孔7に対応する箇所に貫通孔8が設けられている。ボルト6は角形鋼管4の内側から、貫通孔8を通して鋼板5、9のボルト孔7にねじ込まれ、角形鋼管4と鋼板5、9とを固定する。
【0030】
角形鋼管4に用いられる鋼材の肉厚dである1.75mmは、長い距離を溶接しようとすると、熱で歪んで形状変化を起してしまうが、鋼床板300ではボルト6を用いた締結であるので、形状変化は起こらない。
【0031】
ボルト孔7が非貫通であるのは、鋼床板300の表面側にボルト6が表れないようにするためであり、搭載貨物にボルト頭部が損傷を受けないようにするためである。また、鋼板5、9の表面にボルト孔7が開けてないため、ボルト6のネジ山の隙間から湿気が鋼床板300内部に侵入する恐れが減少する。鋼床板300を船舶のデッキプレートに使用する際には適している。また、鋼板5、9自体の引張強度が低下しないという利点がある。
【0032】
図4は、鋼床板300同士を連結する継手400を示している。継手400は、起立状態の横板21の上下に水平に多数のフランジ22、23を両側に設けられている。フランジ22は上下で1対となって、1つの角形鋼管4の内側の中空に挿入され、フランジ23は上下で1対となって連結先の角形鋼管4に挿入される。夫々のフランジ22、23は内側から対応する角形鋼管に当接する。各フランジには、貫通孔24が設けられており、フランジ22、23が角形鋼管4の内側の中空に挿入されたとき、角形鋼管4の貫通孔8と、鋼材5、9の非貫通のボルト孔7とが連通し、ボルト25により締結される。
【0033】
上記実施例においては、縦横の長さが等しい角形鋼管を用いたが、a方向の長さが等しく、b方向の長さが異なる角形鋼管を混合して使用しても良い。
【0034】
図1において、角形鋼管4の上側に鋼板5を設けた例、下側にも鋼板9を設けた例を示した。図5は、上側の鋼板5を省略して、下側の鋼板9と角形鋼管4により鋼床板500を形成した例である。一般的なRO−RO船の車両甲板は、厚さ6mm乃至7mm程度であり、これに対して高さHが300mm以上の市販されている一般構造用角形鋼管の肉厚は、薄いもので6mmの厚さを有している。よって、角形鋼管4の上側側面の板厚がほぼ一般的なRO−RO船の車両鋼板に匹敵する肉厚を有している。よって、下側の鋼板9の板厚を増加させた方が、鋼床板400の断面2次モーメントを大幅に増加させることができる。
【0035】
上記実施例においては、隣同士の角形鋼管4において互いに接触する縦リブ14の間の接続については、両者を接着材ないしはボルト15(図6)により固定しても良い。ボルト15により固定する場合は、当接する角形鋼管4の縦リブ14に貫通孔を設けて両側からボルトとナット16で固定するが、縦リブ14の厚さを薄く設定しているため、座金18を使用して変形しないようにしておくことが望ましい。
【0036】
また、鋼板5(又は鋼板6)に対して角形鋼管4を固定するに際しては、非貫通のボルト孔7と貫通孔8に、ボルト6を螺着させた例を図4Bに示した。図6は、鋼板5(又は鋼板6)側に貫通孔6a、角形鋼管4側に非貫通のボルト孔8aを設け、鋼板5(又は鋼板6)側から頭部が軸部と同じ径のボルト7aで螺着した例と、鋼板5(又は鋼板6)側に貫通孔6a、角形鋼管4側に貫通孔8を設け、ボルト7bとナット7cにより螺着した例である。この場合、座金7dを使用するのが望ましく、また、ボルト7bの頭部は鍋型にしておくと鋼板5の表面が凸凹になるのを低減できる。
【符号の説明】
【0037】
10、100、200、300、500 鋼床板
1、5、9 鋼板
2 、3、4 角形鋼管
6、13 ボルト
400 継手
図1
図2
図3
図4
図5
図6