(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ランドマーク検索手段は、前記経路検索手段によって検索された経路に含まれる曲り角の目印となるランドマーク及び前記曲り角を曲がった先の目印となるランドマークを検索し、
前記案内情報生成手段は、前記出発地から前記目的地までの順番で、各ランドマークを示す複数の案内情報を生成し、
前記表示手段は、一のランドマークを示す一の案内情報及び前記第2操作部を前記携帯型端末に表示させ、前記第2操作が受け付けられた場合に、前記一のランドマークの次のランドマークを示す次の案内情報を前記携帯型端末に表示させるように構成されている
請求項1乃至5の何れか1項に記載の携帯型ナビゲーションシステム。
前記ランドマーク検索手段は、一の曲り角から次の曲り角までの距離が所定値未満である場合に、前記一の曲り角を曲がった先の目印となるランドマークの次のランドマークとして、前記次の曲り角の目印となるランドマークを検索し、前記一の曲り角から前記次の曲り角までの距離が前記所定値以上である場合に、前記一の曲り角を曲がった先の目印となるランドマークの次のランドマークとして、前記一の曲り角と前記次の曲り角との間の地点の目印となるランドマークを検索するように構成されている
請求項6に記載の携帯型ナビゲーションシステム。
前記案内情報生成手段は、前記ランドマーク検索手段によって前記入口ランドマーク及び前記出口ランドマークが検索された場合に、前記出口ランドマークを示す案内情報として、前記入口ランドマークから前記出口ランドマークへの進行方向を示す案内情報を生成するように構成されている
請求項8に記載の携帯型ナビゲーションシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
利用者が道に迷ったときには、利用者は即座に正しい経路に復帰したり、新たな経路を確認することが必要となる。しかしながら、上述した特許文献1に記載のシステムでは、ランドマークが提示されている状態でなければ、ランドマークが視認できるか否かの確認が受け付けられない。このため、ユーザは前記確認が受け付けられている間でなければ、道に迷ったことをシステムに入力することができず、不便であった。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザが道に迷ったときに、正しい経路に復帰したり、新たな経路を確認するための情報を即座にユーザに提供することを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、携帯型端末を備える携帯型ナビゲーションシステムであって、出発地から目的地までの経路を検索する経路検索手段と、前記経路検索手段によって検索された経路に関する案内情報を生成する案内情報生成手段と、前記案内情報生成手段によって生成された案内情報を、少なくとも前記案内情報の表示を開始してから前記目的地までの複数の案内情報の表示が終了するまでの間、前記携帯型端末に表示させる表示手段とを備え、前記表示手段は、ユーザが案内情報に従った行動を取らなかったことを示す第1操作を受け付けるための第1操作部を前記携帯型端末に常時表示させつつ、前記案内情報生成手段によって案内情報が生成された場合に、前記案内情報と、ユーザが前記案内情報に従った行動を取ったことを示す第2操作を受け付けるための第2操作部とを前記携帯型端末に表示させるように構成されていることを特徴とする、携帯型ナビゲーションシステムである。
【0008】
上記本発明によれば、携帯型端末に第1操作部が常時表示されているため、ユーザは、道に迷い、案内情報に従った行動を取らなかったときに、第1操作部を操作することができ、これに応じてシステムが、正しい経路に復帰したり、新たな経路を確認するための情報を即座にユーザに提供することができる。また、案内情報が生成された場合には、案内情報と第2操作部とが携帯型端末に表示されるため、ユーザは、案内情報に従った行動を取ったときに、第2操作部を操作することができ、これに応じてシステムが、前記行動を取った後に必要となる処理を実行することができる。
【0009】
(2)ユーザが視認可能な出発地ランドマークを前記出発地として入力を受け付ける手段を更に備え、前記案内情報生成手段は、初期案内情報を生成可能であり、前記初期案内情報は、前記出発地ランドマークに対してユーザが向くべき初期方向を示す初期方向情報と、前記出発地からユーザが進むべき進行方向を示す進行方向情報と、を含む情報であり、前記進行方向情報は、前記進行方向を、前記初期方向に向いているユーザからみた相対方向によって示す情報であるのが好ましい。
この場合、入力された出発地ランドマークに対してユーザが向くべき初期方向が示されるとともに、ユーザが進むべき方向が初期方向に向いているユーザからみた相対方向によって示されるため、ユーザは、進むべき方向を容易に把握することができる。
【0010】
前記出発地ランドマーク近傍の他のランドマークを検索するランドマーク検索手段を更に備え、前記案内情報生成手段は、検索された前記他のランドマークに対してユーザがとるべき位置関係を示す位置関係情報を前記初期方向情報に含めて生成するのが好ましい。
出発地ランドマークが複数の道路に接している場合には、出発地ランドマークだけでは、ユーザの位置を確定できないため、他のランドマークとの位置関係をも示すことで、ユーザは、進むべき方向を容易に把握することができる。
【0011】
前記他のランドマークは、前記出発地ランドマークが接する道路を挟んで前記出発地ランドマークの反対側にあるランドマークであるのが好ましい。
【0012】
前記位置関係情報は、前記他のランドマークがユーザの後方に位置すべきことを示す情報であり、前記初期方向情報は、前記他のランドマークがユーザの後方に位置し、ユーザの前方に前記出発地ランドマークが位置すべきことを示す情報であり、前記進行方向情報は、前記進行方向を、前記出発地ランドマークが正面となる方向に向いているユーザからみたときの相対方向によって示す情報であるのが好ましい。
【0013】
前記道路は、前記目的地までの前記経路の一部となる道路であるのが好ましい。
【0014】
前記進行方向情報は、前記進行方向を、前記出発地ランドマークが正面方向となる方向に向いているユーザからみたときの相対方向によって示す情報であるのが好ましい。
【0015】
(3)前記携帯型ナビゲーションシステムは、前記第1操作部に対する第1操作、及び前記第2操作部に対する第2操作を受け付ける入力手段をさらに備え、前記表示手段は、前記入力手段によって前記第1操作が受け付けられた場合に、ユーザを現在地から前記目的地へ案内するための復帰案内情報を前記携帯型端末に表示させ、前記入力手段によって前記第2操作が受け付けられた場合に、前記携帯型端末に表示されていた前記案内情報に続く案内情報を前記携帯型端末に表示させるのが好ましい。
この場合、ユーザから第1操作を受け付けた場合に、復帰案内情報をユーザに提示することができ、ユーザは当該復帰案内情報に従った行動を取ることによって、目的地へ向かう正しい経路を進むことができる。また、ユーザから第2操作を受け付けた場合に、慶太が他端末に表示されていた案内情報に続く案内情報をユーザに提示することができ、ユーザは当該案内情報に従った行動を取ることによって、目的地にさらに近づくことができる。
【0016】
(4)前記携帯型ナビゲーションシステムは、前記入力手段によって前記第1操作が受け付けられた場合に、前記経路検索手段が現在地から目的地までの新たな経路を検索し、前記表示手段が、前記復帰案内情報として、前記経路検索手段によって検索された前記新たな経路に関する新たな案内情報を前記携帯型端末に表示させるように構成されているのが好ましい。
この場合、ユーザが道に迷った場合に、現在地から目的地までの新たな経路をユーザに案内することができる。
【0017】
(5)前記経路検索手段によって検索された経路の目印となるランドマークを検索するランドマーク検索手段をさらに備え、前記案内情報生成手段は、前記ランドマーク検索手段によって検索されたランドマークを示す案内情報を生成し、前記第1操作は、ユーザが道に迷ったことを示し、前記第2操作は、ユーザが前記案内情報に示されるランドマークに到達したことを示すのが好ましい。
この場合、歩行者に対する道案内で有効なランドマークを案内情報によって提示することができるので、歩行者用の携帯型ナビゲーションシステムとして好適である。
【0018】
(6)前記ランドマーク検索手段は、前記経路検索手段によって検索された経路に含まれる曲り角の目印となるランドマーク及び前記曲り角を曲がった先の目印となるランドマークを検索し、前記案内情報生成手段は、前記出発地から前記目的地までの順番で、各ランドマークを示す複数の案内情報を生成し、前記表示手段は、一のランドマークを示す一の案内情報及び前記第2操作部を前記携帯型端末に表示させ、前記入力手段によって前記第2操作が受け付けられた場合に、前記一のランドマークの次のランドマークを示す次の案内情報を前記携帯型端末に表示させるように構成されているのが好ましい。
道案内を受ける歩行者は、曲がり角を見過ごすことによって道に迷う場合が多い。そこで、曲がり角の目印となるランドマークを示す案内情報をユーザに提示することで、ユーザが曲がり角を見つけやすくすることができる。また、曲がり角を曲がった先にあるランドマークをユーザに提示することで、ユーザがランドマークによって正しい曲がり角を曲がったか否かを容易に確認することができ、ユーザの曲がり角の見過ごしを防止することが可能となる。
【0019】
(7)前記ランドマーク検索手段は、一の曲り角から次の曲り角までの距離が所定値未満である場合に、前記一の曲り角を曲がった先の目印となるランドマークの次のランドマークとして、前記次の曲り角の目印となるランドマークを検索し、前記一の曲り角から前記次の曲り角までの距離が前記所定値以上である場合に、前記一の曲り角を曲がった先の目印となるランドマークの次のランドマークとして、前記一の曲り角と前記次の曲り角との間の地点の目印となるランドマークを検索するように構成されているのが好ましい。
一の曲がり角から次の曲がり角までの間の一本道が長距離である場合、ユーザは前記一の曲がり角から次の曲がり角までの間で正しい道を進んでいるのかを確認できなければ、道に迷ったのではないか不安になったり、間違った道に進んでしまったりすることが考えられる。そこで、前記一の曲り角と前記次の曲り角との間の地点の目印となるランドマークを示す案内情報をユーザに提示することで、長い一本道であってもユーザが不安になったり、間違った道に進んでしまうことを防止することができる。
【0020】
(8)前記ランドマーク検索手段は、前記前記経路検索手段によって検索された経路が広場を経由する場合に、前記広場の入口の目印となる入口ランドマークと、前記広場の出口の目印となる出口ランドマークとを検索するように構成されているのが好ましい。
経路が広場を経由する場合には、ユーザが広場の中で道に迷ってしまうことが多い。そこで、入口ランドマークと出口ランドマークをユーザに提示することで、広場の中でどのように進むかをユーザに案内することができ、ユーザが広場の中で道に迷うことを防止することができる。
【0021】
(9)前記案内情報生成手段は、前記ランドマーク検索手段によって前記入口ランドマーク及び前記出口ランドマークが検索された場合に、前記出口ランドマークを示す案内情報として、前記入口ランドマークから前記出口ランドマークへの進行方向を示す案内情報を生成するように構成されているのが好ましい。
広場の中には道がなく、ユーザがどちらの方向に進めばよいか分からない場合もある。そこで、入口ランドマークから出口ランドマークへの進行方向をユーザに提示することで、ユーザが広場の中をどちらの方向に進めばよいかを容易に確認することができ、広場の中で道に迷うことを防止することができる。
【0022】
(10)前記携帯型ナビゲーションシステムは、ランドマークとなる施設の位置に関する施設位置情報及びランドマークの種類を示す種類情報を記憶する記憶部をさらに備え、前記ランドマーク検索手段は、前記記憶部に記憶されている施設位置情報に基づいて、ランドマーク候補の施設を検索し、検索されたランドマーク候補の施設の種類情報に基づいて、前記ランドマーク候補からランドマークを決定するように構成されているのが好ましい。
提示されたランドマークが見つけにくい施設であると、ユーザがランドマークを確認することができないことが考えられる。他方、施設の種類によって、例えばコンビニエンスストア、ファミリーレストラン等の見つけやすい施設と、ビルの中の事務所等の見つけにくい施設とがある。そこで、施設を種類分けして、見つけやすい施設をランドマークとして決定することで、分かりやすい案内情報をユーザに提供することができる。
(11)前記携帯型端末は、複数の前記案内情報を、順次、タイムライン表示させるよう構成され、前記第2操作部は、前記タイムライン表示内に表示され、前記第2操作部は、前記タイムライン表示外において位置固定的に表示されるのが好ましい。
【0023】
(12)他の観点からみた本発明は、携帯型端末によってユーザに目的地までの経路を案内するナビゲーション方法であって、出発地から目的地までの経路を検索する経路検索ステップと、検索された経路に関する案内情報を生成する案内情報生成ステップと、ユーザが案内情報に従った行動を取らなかったことを示す第1操作を受け付けるための第1操作部を、少なくとも前記案内情報の表示を開始してから前記目的地までの複数の案内情報の表示が終了するまでの間、前記携帯型端末によって常時表示しつつ、案内情報が生成された場合に、生成された前記案内情報と、ユーザが前記案内情報に従った行動を取ったことを示す第2操作を受け付けるための第2操作部とを前記携帯型端末によって表示する表示ステップとを有することを特徴とする、ナビゲーション方法である。
【0024】
(13)さらに他の観点からみた本発明は、携帯型ナビゲーションシステムに用いられる携帯型端末であって、出発地から目的地までの経路に関する案内情報を受信する受信手段と、案内情報に従った行動をユーザが取らなかったことを示す第1操作を受け付けるための第1操作部を、少なくとも前記案内情報の表示を開始してから前記目的地までの複数の案内情報の表示が終了するまでの間、常時表示しつつ、前記受信手段によって案内情報が受信された場合に、前記案内情報と、ユーザが前記案内情報に従った行動を取ったことを示す第2操作を受け付けるための第2操作部とを表示する表示手段とを備えることを特徴とする、携帯型端末である。
【0025】
(14)さらに他の観点からみた本発明は、携帯型ナビゲーションシステムに用いられるサーバ装置であって、出発地から目的地までの経路を検索する経路検索手段と、前記経路検索手段によって検索された経路に関する案内情報を生成する案内情報生成手段と、前記案内情報生成手段によって生成された案内情報を携帯型端末へ提供する提供手段と、ユーザが案内情報に従った行動を取らなかったことに関する第1情報を、少なくとも前記案内情報の生成を開始してから前記目的地までの複数の案内情報の生成が終了するまでの間、携帯型端末装置から常時受け付け可能である第1受付手段と、前記提供手段が案内情報を前記携帯型端末へ提供した後に、ユーザが前記案内情報に従った行動を取ったことに関する第2情報を携帯型端末装置から受け付ける第2受付手段とを備えることを特徴とする、サーバ装置である。
【0026】
(15)さらに他の観点からみた本発明は、表示部を備える携帯型端末を携帯型ナビゲーション装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、出発地から目的地までの経路に関する案内情報を取得するステップと、ユーザが案内情報に従った行動を取らなかったことを示す第1操作を受け付けるための第1操作部を、少なくとも前記案内情報の表示を開始してから前記目的地までの複数の案内情報の表示が終了するまでの間、前記表示部によって常時表示しつつ、案内情報が取得された場合に、取得された前記案内情報と、ユーザが前記案内情報に従った行動を取ったことを示す第2操作を受け付けるための第2操作部とを前記表示部によって表示するステップとを前記携帯型端末に実行させるためのコンピュータプログラムである。
【0027】
(16)さらに他の観点からみた本発明は、通信部を備えるコンピュータを携帯型ナビゲーション用のサーバ装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、出発地から目的地までの経路を検索するステップと、前記経路検索手段によって検索された経路に関する案内情報を生成するステップと、前記案内情報生成手段によって生成された案内情報を前記通信部によって携帯型端末へ送信するステップと、ユーザが案内情報に従った行動を取らなかったことに関する第1情報を、少なくとも前記案内情報の生成を開始してから前記目的地までの複数の案内情報の生成が終了するまでの間、携帯型端末装置から常時受け付けつつ、携帯型端末装置から常時受け付け可能でありつつ、案内情報を前記携帯型端末へ送信した後に、ユーザが前記案内情報に従った行動を取ったことに関する第2情報を携帯型端末装置から受け付けるステップとを前記コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、ユーザが道に迷ったときに、正しい経路に復帰したり、新たな経路を確認するための情報を即座にユーザに提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
以下では、携帯型端末を使用してユーザに経路の案内情報を提供する携帯型ナビゲーションシステムの構成及びその動作について説明する。
【0031】
[1.携帯型ナビゲーションシステムの構成]
本実施形態に係る携帯型ナビゲーションシステムは、出発地から目的地までの経路を検索し、経路の目印となるランドマークを検索し、ランドマークを示す案内文を生成し、案内文を携帯型端末によって表示することで、ユーザに提示するものである。まず、携帯型ナビゲーションシステムの構成について説明する。なお、本実施形態では、携帯型ナビゲーションシステムのサービス対象地域を都市部の駅(大阪駅等)の周辺の地下街として説明する。
【0032】
図1は、本実施形態に係る携帯型ナビゲーションシステムの構成を示す模式図である。
図1に示すように、この携帯型ナビゲーションシステム100は、サーバ装置200と、携帯型端末300,300,…とを備えている。サーバ装置200は、インターネット又は専用の通信ネットワークから構成された通信ネットワーク400に接続されている。通信ネットワーク400は、携帯電話通信網又は無線通信網を含んでおり、当該通信ネットワーク400を介して、サーバ装置200と携帯型端末300,300,…とは互いにデータ通信が可能となっている。
【0033】
図2は、本実施形態に係る携帯型ナビゲーションシステムの機能ブロック図である。サーバ装置200は、CPU及び主記憶装置としてのメモリを備えたコンピュータによって構成されている。サーバ装置200を構成するコンピュータには、当該コンピュータを携帯型ナビゲーションシステム100のサーバ装置200として機能させるためのコンピュータプログラム(以下、「サーバプログラム」という。)がインストールされている。以下のサーバ装置200の機能は、当該コンピュータプログラムがコンピュータによって実行されることによって発揮される。
【0034】
サーバ装置200は、経路検索部201、ランドマーク検索部202、案内文生成部203、及び通信部204としての機能を有している。また、サーバ装置200にはハードディスク装置からなる補助記憶装置が内蔵されており、この補助記憶装置によって道路ネットワークデータベース205及び施設情報データベース206が構成されている。
【0035】
経路検索部201は、携帯型端末300から与えられた出発地と目的地とから、出発地から目的地へ至る経路を検索するためのものである。この経路検索には、道路ネットワークデータベース205の道路データが用いられる。また、経路検索部201は、経路の途中の通過ポイントを抽出する機能も有している。なお、本実施形態の道路ネットワークデータベース205の道路データは、地下街の道路(歩道)を示すデータであるが、地上の道路を示す道路データが含まれていてもよい。
【0036】
ランドマーク検索部202は、経路検索部201によって抽出された通過ポイントの目印となる施設をランドマークとして検索するためのものである。このランドマーク検索には、施設情報データベース206の施設情報が用いられる。
【0037】
案内文生成部203は、ランドマーク検索部202によって検索されたランドマークを案内するための案内文を生成するためのものである。
【0038】
通信部204は、携帯型端末300との間でデータ通信を行うためのものである。この通信部204によって、携帯型端末300から出発地及び目的地のデータが受信され、携帯型端末300へ経路データ及び案内文データが送信される。
【0039】
道路ネットワークデータベース205には、携帯型ナビゲーションシステム100のサービス対象地域(例えば、大阪駅周辺の地下街)の道路データが記憶されている。かかる道路データには、曲り角の位置(緯度・経度)の情報が含まれている。
【0040】
施設情報データベース206には、サービス対象地域に存在する施設(例えば、飲食店、コンビニエンスストア、衣料品店、銀行等)の情報(施設情報)が記憶されている。施設情報には、施設の名称、施設のジャンル(飲食店、コンビニエンスストア、衣料品店、銀行等)、施設の緯度・経度の情報が含まれている。
【0041】
携帯型端末300は、CPU及び主記憶装置としてのメモリを備えた多機能携帯電話(所謂スマートフォン)等の通信機能付き携帯型情報処理端末によって構成されている。前記携帯型情報処理端末は、液晶表示部とタッチパッドとによって構成されたタッチパネルを備えており、また、携帯電話通信網、無線LAN等と通信するための無線通信インタフェースを備えている。
【0042】
携帯型端末300には、当該情報処理端末を携帯型ナビゲーションシステム100の携帯型ナビゲーション装置(クライアント装置)である携帯型端末300として機能させるためのコンピュータプログラム(以下、「クライアントプログラム」という。)がインストールされている。以下の携帯型端末300の機能は、当該コンピュータプログラムが携帯型情報処理端末によって実行されることによって発揮される。
【0043】
携帯型端末300は、入力部301、表示部302、及び通信部304としての機能を有している。また、携帯型端末300には加速度センサからなる測位部303が内蔵されており、この測位部303によって携帯型端末300の現在位置を検出することができるようになっている。
【0044】
入力部301は、出発地及び目的地等、経路の検索及び案内文の生成に必要なデータをユーザから入力を受け付けるためのものである。
【0045】
表示部302は、経路情報及び案内文等、携帯型ナビゲーションシステム100から必要な情報を表示するためのものである。
【0046】
通信部304は、サーバ装置200との間でデータ通信を行うためのものである。この通信部304によって、サーバ装置200へ出発地及び目的地のデータが送信され、サーバ装置200から経路データ及び案内文データが受信される。
【0047】
[2.携帯型ナビゲーションシステムの動作]
以下、携帯型ナビゲーションシステム100の動作について説明する。
【0048】
図3A乃至
図3Eは、本実施形態に係る携帯型ナビゲーションシステムの処理手順を示すフローチャートである。まず、携帯型端末300のクライアントプログラムが起動されると、ナビゲーション用の初期画面が表示部302によって表示される(ステップS101)。ナビゲーション用の画面(以下、「ナビゲーション画面」という)には、後述する「迷ったボタン」が常時表示される。つまり、以下において説明する携帯型端末300の表示画面には、常に「迷ったボタン」が含まれる。なお、ここでいう「常時」とは、携帯型端末300においてクライアントプログラムが実行されている間を意味する。
【0049】
図6Aは、携帯型ナビゲーションシステムの初期画面を示す図である。初期画面D01は、目的地を入力するための画面である。携帯型ナビゲーションシステム100のナビゲーション画面では、ユーザの情報入力とシステムの情報出力とが対話形式で進められる。初期画面D01には、「あなたはこれからどこに行きたいですか?」という、ユーザに目的地の入力を促すメッセージを含むシステム側の出力情報S01と、ユーザが目的地を入力するための入力ボックスN01とが含まれる。
システム側の出力情報S01及び入力ボックスN01のそれぞれは、吹き出し状の枠の内部に表示される。システム側の出力情報S01の吹き出しは、三角形の頂点が画面の左端を指しており、ユーザ側の入力ボックスN01の吹き出しは、三角形の頂点が画面の右端を指している。これにより、システムが画面左方から、ユーザが画面右方からそれぞれ話しかけているように、出力情報S01及び入力ボックスN01が表示される。ナビゲーション画面では、出力情報S01及び入力ボックスN01だけでなく、システム側の出力情報及びユーザ側の入力情報の全てが上記のような吹き出しを用いた対話形式により表示される。このようにすることで、ユーザはシステムとあたかも会話しているようにして、システム側の出力情報の確認及び情報の入力を行うことができるので、親しみをもって携帯型ナビゲーションシステムを利用することができる。
【0050】
初期画面D01には、ソフトウェアキーボードSKが含まれており、ユーザは当該ソフトウェアキーボードSKを操作することによって、入力ボックスN01に目的地を入力することが可能である。また、初期画面D01には、ユーザが道に迷ったときに操作するための迷ったボタンB01と、目的地を変更するときに操作するための目的地変更ボタンB02とが含まれている。迷ったボタンB01及び目的地変更ボタンB02は、ユーザによって操作(選択)可能なボタンコントロールである。ユーザは、タッチパネル上のボタンB01,B02の位置をタップ(指先で叩く操作)することによって、ボタンB01,B02を操作することができる。これらのボタンB01,B02は、ナビゲーション画面に常時表示される。
【0051】
ユーザは、ソフトウェアキーボードSKを操作して、目的地(例えば、「○○○」)を入力する。目的地の入力が終わると、ナビゲーション画面が出発地入力画面(出発地ランドマーク入力画面)に遷移する。
図6Bは、携帯型ナビゲーションシステムの出発地入力画面を示す図である。
ナビゲーション画面では、対話形式で表示された過去のシステムの出力情報とユーザの入力情報とが残ったまま、新たなシステムの出力情報及びユーザの入力情報が追加表示される。また、これらのシステムの出力情報とユーザの出力情報とは、画面の上側から下側へと時系列に入出力順に並べられて表示される(タイムライン表示)。
図6Bに示す例では、初期画面D01でのシステム側の出力情報S01が残ったまま、その下方にユーザが入力した目的地を示す入力情報U01(「○○○に行きたいです。」)が表示され、入力情報U01に応じたシステム側の出力情報S02(「了解しました。」及び「それでは、今いる場所から見えるお店を教えてください。」)が入力情報U01の下方に表示される。上記のように、出力情報S02は、ユーザに出発地(ユーザが視認可能な出発地ランドマーク)の入力を促すメッセージを含んでいる。出発地入力画面D02では、この出力情報S02の下方に、ユーザが出発地を入力するための入力ボックスN02が表示される。
【0052】
ナビゲーション処理が以下に説明するように継続することによって、ナビゲーション画面のタイムライン表示欄において、新しいシステム側の出力情報及びユーザ側の入力情報が追加され、履歴システム側の出力情報及びユーザ側の入力情報の履歴が蓄積していく。ナビゲーション画面におけるタイムライン表示欄の大きさは限られているため、過去のシステム側の出力情報及びユーザ側の入力情報の一部をタイムライン表示欄に表示しきれなくなる。この場合には、システム側の出力情報及びユーザ側の入力情報が古い順番に表示されなくなり、最近の情報のみが表示されることとなる。ユーザは、タッチパネル上のタイムライン表示欄の位置をフリック操作(指先をスライドする操作)することによって、タイムラインをスクロール表示することができ、過去のシステム側の出力情報及びユーザ側の入力情報を閲覧することが可能である。
【0053】
また、出発地入力画面D02では、ソフトウェアキーボードSKが非表示とされている。このように、文字情報を入力するための入力ボックスが表示されている間、ソフトウェアキーボードSKの表示及び非表示の切替が可能となっている。入力ボックスN02に出発地を入力する場合、ユーザは、ソフトウェアキーボードSKを呼び出して、当該ソフトウェアキーボードSKを操作することによって、入力ボックスN02に出発地(出発地ランドマーク;現在位置から見える店舗名)を入力する。
【0054】
携帯型端末300の入力部301が、ユーザからの出発地及び目的地の入力を受け付けると(ステップS102)、前記出発地及び目的地を示す出発地・目的地データが通信部304によってサーバ装置200へ送信される(ステップS103)。
【0055】
サーバ装置200の通信部204によって出発地・目的地データが受信されると(ステップS104)、サーバ装置200の経路検索部201が、道路ネットワークデータベース205を用いて出発地から目的地までの経路を検索する(ステップS105)。
【0056】
経路が検索されると、経路検索部201が、経路上の通過ポイントを検索する(ステップS106)。この通過ポイントの検索処理では、経路に含まれる曲り角が通過ポイントとして選択される。なお、ここでいう曲り角とは、進行方向が30°以上変わる箇所のことである。また、通過ポイント検索処理では、隣り合う曲り角が所定距離以上(例えば、80m以上)離れている場合、その角の中間位置が通過ポイントとして選択される。さらに、通過ポイント検索処理では、検索された経路が広場を経由する場合、広場の入口及び出口のそれぞれが通過ポイントとして選択される。
【0057】
通過ポイント検索処理が終了すると、ランドマーク検索部202が、施設情報データベース206を用いて、出発地の近傍の施設(他のランドマーク)を検索する(ステップS107)。この処理では、出発地の店舗(施設;出発地ランドマーク)と道路を挟んで対向する位置の施設(他のランドマーク)が検索される。
【0058】
次に、ランドマーク検索部202は、最初の通過ポイントを選択し(ステップS108)、この通過ポイントを用いてランドマーク検索処理を実行する(ステップS109)。
【0059】
図4は、ランドマーク検索処理の手順を示すフローチャートである。ランドマーク検索部202は、まず、通過ポイントの半径20m以内にある施設を、施設情報データベース206から検索する(ステップS201)。次に、ランドマーク検索部202は、検索結果に1件以上の施設が含まれるか否かを判別し(ステップS202)、検索結果が0件であった場合(ステップS202においてNO)、ランドマークを選択することなく(ステップS203)、処理をリターンする。
【0060】
ステップS202において、検索結果に1件以上の施設が含まれている場合には(ステップS202においてYES)、ランドマーク検索部202は、検索結果に2件以上の施設が含まれているか否かを判別する(ステップS204)。検索結果に1件の施設のみが含まれている場合(ステップS204においてNO)、ランドマーク検索部202は、検索結果の1件の施設をランドマーク(目印ランドマーク)として決定し(ステップS205)、処理をリターンする。
【0061】
ステップS204において、検索結果に2件以上の施設が含まれている場合には(ステップS204においてYES)、ランドマーク検索部202は、施設情報データベース206から、検索された各施設の位置情報及びジャンル情報を取得する(ステップS206)。
【0062】
次にランドマーク検索部202は、ステップS206で取得した各施設の位置情報と、通過ポイントの位置情報とを比較して、通過ポイントの手前(経路の出発地側)に施設があるか否かを判別する(ステップS207)。通過ポイントの手前に施設がある場合には(ステップS207においてYES)、ランドマーク検索部202は、通過ポイントの手前にある施設の中で、最も優先度の高いジャンルの施設をランドマーク(目印ランドマーク)として決定する(ステップS208)。ここで、ステップS208の処理について説明する。サーバ装置200の補助記憶装置には、優先度情報が記憶されている。例えば、銀行の優先度は3、飲食店及びコンビニエンスストアの優先度は2、衣料品店の優先度は1のように、施設のジャンルと優先度とは対応付けられている。ここでは、優先度の数値が大きいほど、優先度が高いものとする。つまり、銀行とコンビニエンスストアが曲り角の手前にある施設として検索された場合、優先度が高い銀行がランドマークとして選択される。また、優先度が同一の施設が複数ある場合には、通過ポイントに位置が近い施設がランドマークとして選択される。さらに、通過ポイントの手前に1件の施設しかない場合には、その施設がランドマークとして決定される。
【0063】
なお、ここでは、施設がジャンルによって分類され、各ジャンルに優先度が対応付けられており、優先度に基づいてランドマークとなる施設が選択される構成について述べたが、これに限定されるものではなく、施設の看板の目立ち度合、施設の有名度によって、目立ち度合又は有名度の高い施設をランドマークとして選択するようにしてもよいし、目立ち度合、有名度、ジャンル等を考慮して施設毎に優先度を決めておき、優先度の高い施設をランドマークとして選択するようにしてもよい。
【0064】
他方、通過ポイントの手前に施設がない場合には(ステップS207においてNO)、ランドマーク検索部202は、通過ポイントからの距離及びジャンルからランドマークとする施設を決定する(ステップS209)。この処理では、ジャンルの優先度が高い施設が優先的にランドマークとして選択され、優先度が同一の施設が複数ある場合には、通過ポイントに位置が近い施設がランドマークとして選択される。
【0065】
ステップS208、S209の処理が終了すると、ランドマーク検索部202は処理をリターンする。
【0066】
上記のようなランドマーク検索処理が終了すると、案内文生成部203が案内文(案内情報)を生成する(ステップS110)。この処理では、次の通過ポイント(ステップS108で選択された通過ポイント)までの案内を簡潔にまとめた案内文(以下、「案内要約文」という。)と、出発地からの進行方向を説明する初期案内情報としての案内文(以下、「進行方向案内文」という。)と、検索されたランドマークを示す案内文(以下、「ランドマーク案内文」という。)とが生成される。
【0067】
案内要約文は、次の通過ポイントまでどのような行動を取らなければいけないかをユーザに予め伝えるものであり、進行方向案内文及びランドマーク案内文より先に表示される。案内要約文は、出発地として入力された施設と、検索されたランドマークとを用いて生成される。案内要約文の例としては、「「△△△△△」前から出発します。「□□百貨店」の近くの交差点を左へ曲がります。」のようなものである。なお、ここで、「△△△△△」は、出発地として入力された施設であり、「□□百貨店」は、ランドマークである。
【0068】
進行方向案内文は、出発地として入力された施設(出発地ランドマーク)を用いて、ユーザが向くべき方向を示し、ユーザの進行方向を、前記ユーザが向く方向に対する相対方向で指定する。なお、相対方向とは、ユーザが向いている方向を基準とした方向であり、前方、後方、左方、右方などである。
本実施形態の進行方向案内文では、ユーザの進行方向をより適切に指定するため、出発地ランドマークのほか、ステップS107において検索された出発地の近傍の施設(出発地ランドマークが接する道路を挟んで出発地ランドマークの反対側にあるランドマーク)をも用いてユーザが向くべき方向を示す。
進行方向案内文の例としては、「「×××××」を背にして、「△△△△△」を正面に見て左の方向へ歩きだしたらボタンをタップしてください。」のようなものである。なお、ここで、「×××××」は、出発地の近傍の施設である。
また、進行方向案内文としては、「「×××××」を左手にみて、「△△△△△」を右手にみた状態で、前方へ歩きだしたらボタンをタップしてください。」のようなものであってもよい。
なお、出発地ランドマークが一つの道路にしか接していない場合には、出発地の近傍の施設を省略した進行方法案内文であってもよい。ただし、出発地ランドマークが複数の道路に接している場合には、道路を挟んで反対側にある出発地の近傍の施設を利用して進行方向を示すことで、システム側が認識している現在位置とユーザの認識している現在位置とが乖離することを防ぐことができる。
また、出発地ランドマークが複数の道路に接している場合、出発地近傍の施設を検索する基準となる道路は、目的地までの経路の一部となる道路が用いられる。出発地ランドマークに接している道路であっても、経路外の道路であると、システムが認識している出発地とは異なる地点を出発地として案内文を生成する必要が生じるが、経路の一部となる道路であれば、そのような問題は生じない。
【0069】
ランドマーク案内文は、現在地からランドマーク(目印ランドマーク)までの距離と、ランドマークが道路のどの位置にあるかを説明する。ランドマーク案内文の例としては、「約96m先左手に「□□百貨店」があります。」のようなものである。
【0070】
上記のようにして案内文が生成されると、経路データ及び案内文データが通信部204によって携帯型端末300へ送信される(ステップS111)。
【0071】
携帯型端末300の通信部304によって経路データ及び案内文データが受信されると(ステップS112)、表示部302によって経路を示す地図と案内開始確認ボタンとが表示される(ステップS113)。
図6Cに、経路を示す地図及び案内開始確認ボタンの表示例を示す。ナビゲーション画面D03では、システム側の出力情報及びユーザ側の入力情報のタイムライン表示欄の一部(画面上部の部分)が、経路を示す地
図MPを表示する領域に変化している。地
図MPには、ユーザを示す人型のマーク(以下、「ユーザマーク」という。)が地図上の現在位置に示される。タイムライン表示欄には、ユーザが入力した出発地の施設を示す入力情報U02(「「△△△△△」が見えます。」)と、入力情報U02に応じたシステム側の出力情報S03(「了解しました。」、「「△△△△△」から「○○○」までのルートを検索します。」、及び「検索が完了しました。これより案内を開始します。」)とが表示される。また、タイムライン表示欄における出力情報S03の下方には、ユーザによって選択可能なボタンコントロールである案内開始確認ボタンB03が表示される。
【0072】
また、ナビゲーション画面D03の地
図MPの上には、目的地表示欄TPが設けられている。この目的地表示欄TPには、目的地及び目的地に到着するまでの推定時間(例えば、「○○○まであと4分です」)が示される。さらに、
図6Cに示すように、ソフトウェアキーボードSKが非表示の場合には、画面最下部(タイムライン表示欄の下方)に迷ったボタンB01及び目的地変更ボタンB02が表示される。
【0073】
ユーザは、タッチパネル上の案内開始確認ボタンB03の位置をタップすることによって、案内開始確認の入力が可能である。携帯型端末300の入力部301が、案内開始確認の入力を受け付けると(ステップS114)、表示部302によって、次の通過ポイントまでの案内要約文が表示され(ステップS115)、進行方向案内文及び進行開始確認ボタンが表示される(ステップS116)。
【0074】
図6Dに、案内要約文、進行方向案内文、及び進行開始確認ボタンの表示例を示す。ナビゲーション画面D04のタイムライン表示欄には、上述した案内要約文S04及び進行方向案内文S05がシステム側の出力情報として表示される。また、タイムライン表示欄における進行方向案内文S05の下方には、ユーザによって選択可能なボタンコントロールである進行開始確認ボタンB04が表示される。また、ナビゲーション画面D04では、タイムライン表示欄とボタンB01,B02との間に、次経由地表示欄NPが設けられている。この次経由地表示欄NPには、出発地の施設又は次のランドマーク(例えば、「次の経由地 △△△△△周辺です。」)が示される。
【0075】
ナビゲーション画面D04に示すように、案内要約文S04を表示することによって、次の通過ポイントまでどのような行動を取らなければいけないかをユーザに通知することができ、これによってユーザに安心感を与えることができる。また、例えば、「店舗Aを正面に見て右の方向へ歩きだしたらボタンをタップしてください。」のように、1つの施設だけで進行方向を説明すると、施設Aが2面において道に面しているような場合では、ユーザが施設Aのどの面に向いているかによって、進行方向の2通りの解釈が生じてしまい、ユーザを道に迷わせる原因となる。上述のように、進行方向案内文S05では、出発地として入力された施設と、検索された出発地の近傍の施設(出発地の施設と道を挟んで対向する施設)とを用いてユーザが向く方向を示し、ユーザの進行方向を、前記ユーザが向く方向に対する相対方向で指定しているので、出発地として入力された施設のどの面に向くかが特定され、進行方向が複数通りに解釈されなくなる。これにより、ユーザが間違った方向へ誘導されることが防止される。
【0076】
ユーザは、進行方向案内文に従って進行を開始した後、タッチパネル上の進行開始確認ボタンB04の位置をタップすることによって、進行開始確認の入力を行う。携帯型端末300の入力部301が、進行開始確認の入力を受け付けると(ステップS117)、表示部302によって、ランドマーク案内文及び通過ポイントの通過確認ボタンが表示される(ステップS118)。
【0077】
図6Eに、ランドマーク案内文及び通過確認ボタンの表示例を示す。進行開始確認ボタンB04がユーザにより操作されると、当該進行方向確認ボタンB04が表示されていた吹き出しが、進行方向確認ボタンB04から「歩きだしました」というユーザの入力情報U03に変化する。また、このナビゲーション画面D05のタイムライン表示欄の入力情報U03の下方には、上述したランドマーク案内文S06がシステム側の出力情報として表示される。また、タイムライン表示欄におけるランドマーク案内文S06の下方には、「その近くの交差点を左へ曲がったらボタンをタップしてください。」というシステム側の出力情報S07と、ユーザによって選択可能なボタンコントロールである通過確認ボタンB05が表示される。通過確認ボタンB05には、「左へ曲がりました」という文字列が表示される。上記のような案内文によって、ランドマーク及び曲り角での進行方向が示され、ランドマークで指定された曲り角を指定された進行方向へ曲がることがユーザに促される。通過確認ボタンB05は、ユーザが上記のような案内文に従った行動を取ったことを示す操作を受け付けるボタンである。また、ナビゲーション画面D05では、次経由地表示欄NPに、ランドマーク及びランドマークまでの距離(「□□百貨店まであとおよそ96mです」)が示されている。
【0078】
ユーザはランドマーク案内文に従って進行し、指定された通過ポイントを通過する。
図6Eの例では、ユーザはランドマークである□□百貨店へ向かって進行する。携帯型端末300の測位部303は、加速度センサを用いてユーザの歩行動作を検出し、移動距離の推定を行う。この測位部303によって、ユーザの現在位置が推定される。ユーザが進行すると、その進行距離及び方向が測位部303によって測定され、この測定値に従ってナビゲーション画面が更新される。具体的には、目的地表示欄TPにおける目的地に到着するまでの推定時間、地
図MPにおけるユーザマークの位置、及び次経由地表示欄NPにおけるランドマークまでの距離が更新される。また、地
図MPにおいて、経路が線により表示されるが、ユーザがこれから進行すべき経路と、ユーザが今まで進行してきた経路とは別の色の線で表示され、区別される。
【0079】
ユーザがランドマークの所定距離(例えば20m)以内に近付くと、測位部303によってこれが検出される。測位部303によって、ユーザがランドマークの所定距離以内に近付いた検出されると、表示部302が、ランドマークに接近したことを示すメッセージ(以下、「ランドマーク接近案内文」という。)を出力する(ステップS119)。
【0080】
図6Fに、ランドマーク接近案内文の表示例を示す。ユーザがランドマークの所定距離以内に近付いたことが検出されると、ナビゲーション画面D06のタイムライン表示欄のシステム側の出力情報S07と通過確認ボタンB05との間に、ランドマーク接近案内文S08(「そろそろ「□□百貨店」周辺です」)が表示される。これにより、ユーザはランドマークに接近したことを認識することができ、付近の施設からランドマークを効率的に探すことができる。
【0081】
ユーザは、ランドマーク案内文及びランドマーク接近案内文に従ってランドマークを探して、指定された通過ポイントを通過したことを確認すると、タッチパネル上の通過確認ボタンB05の位置をタップすることによって、通過確認の入力を行う。携帯型端末300の入力部301は、通過確認の入力を受け付けたか否かを判別する(ステップS120)。通過確認入力を受け付けた場合には(ステップS120においてYES)、携帯型端末300の通信部304によって、サーバ装置200に対して、次の案内文を要求するデータが送信される(ステップS121)。
【0082】
他方、入力部301が通過確認入力を受け付けなかった場合には(ステップS120においてNO)、測位部303によってユーザの現在位置が検出され、ユーザがランドマークを通過したか否かが判別される(ステップS134)。ユーザがまだランドマークを通過していない場合には(ステップS134においてNO)、ステップS120へ処理が戻され、再度通過確認入力を受け付けたか否かが判別される。
【0083】
ステップS134において、ユーザがランドマークを通過したと判別された場合には(ステップS134においてYES)、表示部302が、ランドマークを通過したことを示すメッセージ(以下、「ランドマーク通過案内文」という。)を表示する(ステップS135)。
【0084】
図6Gに、ランドマーク通過案内文の表示例を示す。ユーザがランドマークを通過したことが検出されると、ナビゲーション画面D07のタイムライン表示欄のシステム側の出力情報S08と通過確認ボタンB05との間に、ランドマーク通過案内文S09(「「□□百貨店」を通り過ぎたかも知れません」)が表示される。これにより、ユーザは自分が道に迷ったことを認識することができる。また、ナビゲーション画面D07の次経由地表示欄NPにおける表示が「□□百貨店周辺です」に更新される。
【0085】
上述したように、迷ったボタンB01(操作部)が常時ナビゲーション画面に表示されており、ユーザは迷ったボタンB01をいつでも操作することが可能である。上記のように、道に迷ったり、経路を外れたりした場合には、ユーザはタッチパネル上の迷ったボタンB01の位置をタップすることによって、道に迷ったことの入力を行う。携帯型端末300の入力部301は、迷ったボタンB01の操作入力を受け付けたか否かを判別する(ステップS136)。迷ったボタンB01の操作入力を受け付けなかった場合には(ステップS136においてNO)、入力部301はステップS136の処理を繰り返し、迷ったボタンB01の操作を受け付けるまで待機する。他方、迷ったボタンB01の操作入力を受け付けた場合には(ステップS136においてYES)、表示部302によって現在地の入力用画面が表示される(ステップS137)。
【0086】
図6Hに、現在地入力画面の表示例を示す。
図6Hに示すように、現在地入力画面D08では、それまで表示されていた地
図MPが削除され、タイムライン表示欄におけるシステム側の出力情報及びユーザ側の入力情報の履歴も削除される。現在地入力画面D08のタイムライン表示欄には、「今いる場所から見えるお店を教えてください。」という、ユーザに現在地(現在地から見える施設)の入力を促すメッセージを含むシステム側の出力情報S10と、ユーザが現在地を入力するための入力ボックスN03とが含まれる。
【0087】
携帯型端末300の入力部301が、ユーザからの現在地の入力を受け付けると(ステップS137)、処理がステップS102へ移行し、当該現在地を新たな出発地として、出発地及び目的地(ステップS102において受け付けた目的地)を示す出発地・目的地データが通信部304によってサーバ装置200へ送信される(ステップS103)。その後、上記において説明したように、現在地(新たな出発地)を用いてステップS104以降の処理が実行される。
【0088】
迷ったボタンB01を操作した後の携帯型端末300の画面表示を、
図6Iを用いて説明する。
図6Iに示す例では、ユーザが現在地として「××銀行××出張所」を入力した場合を示している。この場合、ナビゲーション画面D09の地
図MPには、現在地「××銀行×××出張所」から目的地「○○○」までの経路が示され、目的地表示欄TPには「○○○まであと4分です」が示される。また、ユーザ側の入力情報U04である「「××銀行××出張所」が見えます。」、システム側の出力情報S11である「了解しました。」、「「××銀行××出張所」から「○○○」までのルートを検索します。」及び「検索が完了しました。これより案内を開始します。」、並びに案内開始確認ボタンB06がタイムライン表示領域に時系列で表示される(ステップS113)。ユーザが案内開始確認ボタンB06を操作すると(ステップS114)、案内が開始される。
【0089】
ユーザが案内開始確認ボタンB06を操作し、ナビゲーションが進行してユーザが元の経路に復帰する場合について説明する。通過ポイントとして、□□百貨店の近くの曲り角(交差点)が選択されているものとする。案内文に従って通過ポイントの曲り角をユーザが曲がり、通過確認ボタンを操作すると(ステップS120においてYES)、携帯型端末300の通信部304によって、サーバ装置200に対して、次の案内文を要求するデータが送信される(ステップS121)。
【0090】
携帯型端末300の通信部304によって上述した要求データが受信されると(ステップS122)、ランドマーク検索部202が現在選択されている通過ポイントが曲り角か否かを判別する(ステップS123)。上述したように、通過ポイントには、曲り角、一本道の中間位置、広場の入口及び出口があり、通過ポイントが曲り角の場合(ステップS123においてYES)、ランドマーク検索部202によって確認用ランドマーク検査処理が実行される(ステップS124)。他方、通過ポイントが曲り角ではない場合(ステップS123においてNO)、確認用ランドマーク検査処理が実行されることなく、ステップS125へ処理が進められる。今、□□百貨店の近くの曲り角が通過ポイントとして選択されているので、確認用ランドマーク検索処理が実行される。なお、確認用ランドマークとは、正しい曲り角を曲がったかどうかを確認するためのランドマークであり、曲り角を曲がった先にあるランドマークである。
【0091】
図5は、確認用ランドマーク検索処理の手順を示すフローチャートである。ランドマーク検索部202は、まず、通過ポイントである曲り角の半径20m以内にあり、且つ、当該曲り角を曲がった先にある施設を、施設情報データベース206から検索する(ステップS301)。次に、ランドマーク検索部202は、検索結果に1件以上の施設が含まれるか否かを判別し(ステップS302)、検索結果が0件であった場合(ステップS302においてNO)、確認用ランドマークを選択することなく(ステップS303)、処理をリターンする。
【0092】
ステップS302において、検索結果に1件以上の施設が含まれている場合には(ステップS302においてYES)、ランドマーク検索部202は、検索結果に2件以上の施設が含まれているか否かを判別する(ステップS304)。検索結果に1件の施設のみが含まれている場合(ステップS304においてNO)、ランドマーク検索部202は、検索結果の1件の施設を確認用ランドマークとして決定し(ステップS305)、処理をリターンする。
【0093】
ステップS304において、検索結果に2件以上の施設が含まれている場合には(ステップS304においてYES)、ランドマーク検索部202は、施設情報データベース206から、検索された各施設の位置情報及びジャンル情報を取得する(ステップS306)。
【0094】
次にランドマーク検索部202は、検索された施設の中で、最も優先度の高いジャンルの施設をランドマークとして決定する(ステップS307)。ステップS307の処理は、上述したステップS208の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0095】
ステップS307の処理が終了すると、ランドマーク検索部202は処理をリターンする。
【0096】
ここで、通過ポイントである□□百貨店の近くの曲り角の半径20m以内にあり、且つ、当該曲り角を曲がった先の施設がないものとする。この場合、確認用ランドマークとして施設は選択されない。
【0097】
次に、ランドマーク検索部202は、次の通過ポイントを選択する(ステップS125)。ここで、□□百貨店の近くの曲り角の次の通過ポイントが広場の入口であるものとする。ステップS125の処理では、この広場の入口が通過ポイントとして選択される。
【0098】
ランドマーク検索部202は、選択された通過ポイントを用いてランドマーク検索処理を実行する(ステップS126)。ステップS126のランドマーク検索処理は、ステップ109のランドマーク検索処理と同様であるので、その説明を省略する。ここで、通過ポイントである広場の入口のランドマークとして、「○○○銀行○○出張所」が選択されたものとする。
【0099】
上記のようなランドマーク検索処理が終了すると、案内文生成部203が案内文を生成する(ステップS127)。広場の入口が通過ポイントとして選択されているので、ステップS127の処理では、広場の入口までの案内要約文と、検索されたランドマークを示すランドマーク案内文と、広場に入ることを案内するための案内文とが生成される。例えば、ステップS127の処理では、案内要約文として「広場に入ります。」が生成され、ランドマーク案内文として「約140m先左手に「○○○銀行○○出張所」があります。」が生成され、広場に入ることを案内するための案内文として「そこから広場になっているはずです。広場に入ったらボタンをタップしてください。」が生成される。
【0100】
上記のようにして案内文が生成されると、案内文データが通信部204によって携帯型端末300へ送信される(ステップS128)。
【0101】
携帯型端末300の通信部304によって案内文データが受信されると(ステップS129)、表示部302によって、次の通過ポイントまでの案内要約文が表示され(ステップS130)、確認用ランドマークが検索されている場合には、曲り角を曲がった先の確認用ランドマークの案内文(以下、「確認用ランドマーク案内文」という。)が表示される(ステップS131)。ここでは、確認用ランドマークが検索されなかったので、確認用ランドマーク案内文は生成されていない。
【0102】
次に、携帯型端末300によって次が目的地か否かが判定される(ステップS132)。次が目的地でない場合(ステップS132においてNO)、ステップS118に処理が移され、表示部302によってランドマーク案内文と通過確認ボタンが表示される(ステップS118)。また、この処理では、通過ポイントが広場の入口の場合、広場に入ることを知らせるための案内文も表示される。
【0103】
この場合のナビゲーション画面例を
図6Jに示す。ナビゲーション画面D10のタイムライン表示欄には、案内要約文S12(「広場に入ります。」)、ランドマーク案内文S13(「約140m先左手に「○○○銀行○○出張所」があります。」)、及び広場に入ることを知らせる案内文S14(「そこから広場になっているはずです。広場に入ったらボタンをタップしてください。」)が表示され、案内文S14の下方には、通過ポイントである広場の入口を通過したことを入力するための通過確認ボタンB07が表示されている。
【0104】
また、ナビゲーション画面D10では、目的地表示欄TPには、「○○○まであと3分です」が示され、次経由地表示欄NPに、「○○○銀行○○出張所まであとおよそ140mです」が示されている。
【0105】
ユーザが案内文に従って進行し、ランドマークの所定距離以内に近付くと、測位部303によってこれが検出され、表示部302がランドマーク接近案内文を出力する(ステップS119)。
【0106】
この場合のナビゲーション画面例を
図6Kに示す。ナビゲーション画面D11のタイムライン表示欄において、広場に入ることを知らせる案内文S14と通過確認ボタンB07との間にランドマーク接近案内文S15(「そろそろ「○○○銀行○○出張所」周辺です」)が表示される。これにより、ユーザはランドマークに接近したことを認識することができ、付近の施設からランドマークを効率的に探すことができる。
【0107】
また、ナビゲーション画面D11では、目的地表示欄TPの表示が「○○○まであと1分です」に更新され、次経由地表示欄NPの表示が「○○○銀行○○出張所まであとおよそ7mです」に更新されている。また、地
図MPにおけるユーザマークの位置も更新されている。
【0108】
ユーザが案内文に従って進行し、広場の入口を通過すると、タッチパネル上の通過確認ボタンB07の位置をタップすることによって、通過確認の入力を行う。この通過確認の入力が入力部301によって検出され(ステップS120においてYES)、通信部304によって、サーバ装置200に対して、次の案内文を要求するデータが送信される(ステップS121)。
【0109】
携帯型端末300の通信部304によって要求データが受信されると(ステップS122)、現在選択されている通過ポイントが曲り角であるか否かが判定される(ステップS123)。ここで、現在選択されている通過ポイントは広場の入口であるが、進行方向が変化しているため曲り角としても取り扱われるものとする。したがって、ステップS123において通過ポイントは曲り角ではあると判定され、確認用ランドマーク検索処理が実行される(ステップS124)。なお、ここでは、確認用ランドマークが検索されなかったものとする。確認用ランドマーク検索処理が終了すると、次の通過ポイントが選択される(ステップS125)。ここで、次の通過ポイントは広場の出口とする。ステップS126のランドマーク検索処理によって、広場の出口付近のランドマーク「△△ショップ」が検索される。
【0110】
次に、案内文生成部203が案内文を生成する(ステップS127)。この処理では、広場の出口が通過ポイントとして選択されている場合、広場の入口から出口へ向かう進行方向を案内する案内文(以下、「広場進行方向案内文」という。)が生成される。つまり、ステップS127の処理では、広場の出口までの案内要約文と、広場進行方向案内文と、検索されたランドマークを示すランドマーク案内文と、広場から出ることを案内するための案内文とが生成される。例えば、案内要約文として「広場を出ます。」が生成され、広場進行方向案内文として「広場の入口から右斜め前へ進んでください。」が生成され、ランドマーク案内文として「約43m先左手に「△△ショップ」があります。」が生成され、広場から出ることを案内するための案内文として「そこが広場の出口です。たどり着いたらボタンをタップしてください。」が生成される。
【0111】
上記のようにして案内文が生成されると、案内文データが通信部204によって携帯型端末300へ送信される(ステップS128)。
【0112】
携帯型端末300の通信部304によって案内文データが受信されると(ステップS129)、表示部302によって、次の通過ポイントまでの案内要約文が表示され(ステップS130)、確認用ランドマークが検索されている場合には、曲り角を曲がった先の確認用ランドマークの案内文(以下、「確認用ランドマーク案内文」という。)が表示される(ステップS131)。ここでは、確認用ランドマークが検索されなかったので、確認用ランドマーク案内文は生成されていない。
【0113】
次に、携帯型端末300によって次が目的地か否かが判定される(ステップS132)。次が目的地でない場合(ステップS132においてNO)、ステップS118に処理が移され、表示部302によってランドマーク案内文と通過確認ボタンが表示される(ステップS118)。また、この処理では、通過ポイントが広場の出口の場合、広場進行方向案内文と広場から出ることを知らせるための案内文も表示される。
【0114】
この場合のナビゲーション画面例を
図6Lに示す。ナビゲーション画面D12のタイムライン表示欄には、案内要約文S16(「広場を出ます。」)、広場進行方向案内文S17(「広場の入口から右斜め前へ進んでください。」)、ランドマーク案内文S18(「約43m先左手に「△△ショップ」があります。」)、及び広場から出ることを知らせる案内文S19(「そこが広場の出口です。たどり着いたらボタンをタップしてください。」)が表示され、案内文S19の下方には、通過ポイントである広場の出口を通過したことを入力するための通過確認ボタンB08が表示されている。
【0115】
また、ナビゲーション画面D12では、次経由地表示欄NPの表示が「△△ショップまであとおよそ43mです」に更新されている。また、地
図MPにおけるユーザマークの位置も更新されている。
【0116】
ユーザが案内文に従って進行し、ランドマークの所定距離以内に近付くと、測位部303によってこれが検出され、表示部302がランドマーク接近案内文を出力する(ステップS119)。さらにユーザが案内文に従って進行し、広場の出口を通過すると、タッチパネル上の通過確認ボタンB08の位置をタップすることによって、通過確認の入力を行う。この通過確認の入力が入力部301によって検出され(ステップS120においてYES)、通信部304によって、サーバ装置200に対して、次の案内文を要求するデータが送信される(ステップS121)。
【0117】
携帯型端末300の通信部304によって要求データが受信されると(ステップS122)、現在選択されている通過ポイントが曲り角であるか否かが判定される(ステップS123)。ここで、現在選択されている通過ポイントは広場の出口であるが、進行方向が変化しているため曲り角としても取り扱われるものとする。したがって、ステップS123において通過ポイントは曲り角ではあると判定され、確認用ランドマーク検索処理が実行される(ステップS124)。なお、ここでは、確認用ランドマークとして「▽▽▽▽」が検索されたものとする。確認用ランドマーク検索処理が終了すると、次の通過ポイントが選択される(ステップS125)。ここで、次の通過ポイントは目的地の「○○○」とする。通過ポイントが目的地の場合、ステップS126のランドマーク検索処理において目的地がランドマークとして決定される。
【0118】
次に、案内文生成部203が案内文を生成する(ステップS127)。この処理では、確認用ランドマークが検索されている場合、確認用ランドマーク案内文が生成される。つまり、ステップS127の処理では、目的地までの案内要約文と、確認用ランドマーク案内文と、目的地であるランドマークを示すランドマーク案内文とが生成される。例えば、案内要約文として「「▽▽▽▽」を通り過ぎます。」、「目的地の「○○○」です。」が生成され、確認用ランドマーク案内文として「曲がるとすぐ(約11m先)左手に「▽▽▽▽」があれば正しく進めています。」が生成され、案内文として「そこを通り過ぎたらボタンをタップして教えてください。」が生成され、ランドマーク案内文として「約91m先右手に目的地の「○○○」が見えると思います。」が生成される。
【0119】
上記のようにして案内文が生成されると、案内文データが通信部204によって携帯型端末300へ送信される(ステップS128)。
【0120】
携帯型端末300の通信部304によって案内文データが受信されると(ステップS129)、表示部302によって、目的地までの案内要約文が表示され(ステップS130)、確認用ランドマークが検索されている場合には、確認用ランドマーク案内文が表示される(ステップS131)。
【0121】
この場合のナビゲーション画面例を
図6Mに示す。ナビゲーション画面D13のタイムライン表示欄には、案内要約文S20(「「▽▽▽▽」を通り過ぎます。」、「目的地の「○○○」です。」)、確認用ランドマーク案内文S21(「曲がるとすぐ(約11m先)左手に「▽▽▽▽」があれば正しく進めています。」)、及び案内文S22(「そこを通り過ぎたらボタンをタップして教えてください。」)が表示され、案内文S22の下方には、確認用ランドマークを通過したことを入力するための通過確認ボタンB09が表示されている。
【0122】
また、ナビゲーション画面D13では、次経由地表示欄NPの表示が「▽▽▽▽まであとおよそ11mです」に更新されている。また、地
図MPにおけるユーザマークの位置も更新されている。
【0123】
ユーザが案内文に従って進行し、確認用ランドマークを通過すると、タッチパネル上の通過確認ボタンB09の位置をタップすることによって、通過確認の入力を行う。この通過確認の入力が入力部301によって検出されると、携帯型端末300によって次が目的地か否かが判定される(ステップS132)。次が目的地である場合には(ステップS132においてYES)、表示部302によって、目的地までのランドマーク案内文が表示され(ステップS133)、処理が終了する。
【0124】
図6Nに、目的地のランドマーク案内文の表示例を示す。通過確認ボタンB09がユーザにより操作されると、当該通過確認ボタンB09が表示されていた吹き出しが、通過確認ボタンB09から「通り過ぎました。」というユーザの入力情報U05に変化する。また、ナビゲーション画面D14のタイムライン表示欄において、入力情報U05の下方には、目的地のランドマーク案内文S23(「約91m先右手に目的地の「○○○」が見えると思います。」)、及びシステム側の出力情報S23「お疲れさまでした。」が表示される。
【0125】
また、ナビゲーション画面D14では、目的地表示欄TPの表示が「○○○までもうすぐです」に更新され、次経由地表示欄NPの表示が「○○○まであとおよそ26mです」に更新されている。また、地
図MPにおけるユーザマークの位置も更新されている。
【0126】
なお、上記の実施形態においては、説明を簡単にするために、ステップS136において迷ったボタンB01の操作入力を受け付けるように説明しているが、実際には携帯型端末300のクライアントプログラムはイベントドリブン型のコンピュータプログラムであり、任意のタイミングで迷ったボタンB01の操作を受け付け可能であるようになっている。また、サーバ装置200のサーバプログラムもイベントドリブン型のコンピュータプログラムであり、任意のタイミングで迷ったボタンB01が操作されることに関連して生じる出発地・目的地データを受け付けるようになっている。
【0127】
上記の如く、本実施形態に係る携帯型ナビゲーションシステム100によれば、ユーザが迷ったとき(案内文に従った行動を取らなかったとき)に操作するための迷ったボタンを常時表示しているので、ユーザは、道に迷い、案内文に従った行動を取らなかったときに、迷ったボタンB01を操作することができ、これに応じてシステムが、正しい経路に復帰したり、新たな経路を確認するための情報を即座にユーザに提供することができる。しかも、迷ったボタンB01は、常時、表示されているため、通過確認ボタン(常時表示されていない)が表示されていないときであっても、ユーザが操作可能である。
つまり、ユーザは、システムが意図しないタイミングで案内に不安を感じる可能性があるが、迷ったボタンB01が常時表示されているため、ユーザは、不安を感じれば、いつでも迷ったボタンB01を操作でき、ユーザにとっての使用感が向上する。しかも、迷ったボタンB01は、表示位置が固定されて、常時表示されているため、ユーザは容易に迷ったボタンB01の存在を認識できる。
また、案内文が生成された場合には、ランドマーク案内文とランドマーク(の付近の通過ポイント)を通過したこと確認するための通過確認ボタンとを表示するので、ユーザは、ランドマーク案内文に従った行動を取ったときに、通過確認ボタンを操作することができ、これに応じてシステムが、前記行動を取った後に必要となる処理(次の案内文の表示)を実行することができる。
【0128】
また、本実施形態に係る携帯型ナビゲーションシステム100によれば、経路に沿ってランドマークを検索し、歩行者に対する道案内で有効なランドマークを案内文によって提示することができるので、歩行者用の携帯型ナビゲーションシステムとして好適である。
【0129】
また、本実施形態に係る携帯型ナビゲーションシステム100によれば、曲り角を通過ポイントとして抽出し、曲がり角の目印となるランドマークを示す案内文をユーザに提示するようにしたので、ユーザが見過ごしやすい曲がり角を見つけやすくすることができる。また、曲がり角を曲がった先にある確認用ランドマークをユーザに提示することで、ユーザが確認用ランドマークによって正しい曲がり角を曲がったか否かを容易に確認することができ、ユーザの曲がり角の見過ごしを防止することが可能となる。
【0130】
また、本実施形態に係る携帯型ナビゲーションシステム100によれば、隣り合う通過ポイントの間が長距離である場合、その中間位置を通過ポイントとして抽出し、当該中間位置の目印となるランドマークを示す案内文をユーザに提示するようにしたので、長い一本道であってもユーザが不安になったり、間違った道に進んでしまうことを防止することができる。
【0131】
また、経路が広場を経由する場合には、ユーザが広場の中で道に迷ってしまうことが多い。そこで、本実施形態に係る携帯型ナビゲーションシステム100によれば、広場の入口及び出口のそれぞれを通過ポイントとして抽出し、広場の入口及び出口それぞれにおいてランドマークをユーザに提示すようにしたので、広場の中でどのように進むかをユーザに案内することができ、ユーザが広場の中で道に迷うことを防止することができる。また、広場の中には道がなく、ユーザがどちらの方向に進めばよいか分からない場合もある。そこで、広場の入口から出口への進行方向をユーザに提示することで、ユーザが広場の中をどちらの方向に進めばよいかを容易に確認することができ、広場の中で道に迷うことを防止することができる。
【0132】
提示されたランドマークが見つけにくい施設であると、ユーザがランドマークを確認することができないことが考えられる。他方、施設の種類によって、例えばコンビニエンスストア、ファミリーレストラン等の見つけやすい施設と、ビルの中の事務所等の見つけにくい施設とがある。そこで、本実施形態に係る携帯型ナビゲーションシステム100によれば、施設を複数のジャンルに種類分けして、見つけやすい施設をランドマークとして決定するようにしたので、ユーザがランドマークを容易に見付けることができ、道に迷うことを防止することができる。
【0134】
上述した実施形態においては、広場の入口から出口へ向かう進行方向を、広場の入口に正面から入ったユーザから見た方向(例えば、広場の入口から右斜め前)で示す構成について述べたがこれに限定されるものではない。例えば、地下街の天井等に設置されている案内板の表示を用いて、広場の出口へ向かう進行方向を示してもよい。
図7に、このようにして広場の出口のへ向かう進行方向を案内する一例を示している。
図7のナビゲーション画面D121には、広場進行方向案内文S171が表示されている。この広場進行方向案内文S171は、案内板の表示を利用したメッセージ「天井看板案内の「東▽▽▽駅」の矢印方向に進んでください。」を含んでいる。これにより、ユーザは広場に設けられた案内板の表示を確認することで、正確且つ容易に目的の広場の出口がどちらの方向にあるかを確認することが可能となる。
【0135】
また、上述した実施形態においては、携帯型端末300に測位部303を設け、この測位部303によって携帯型端末の位置を測定し、ユーザが経路から外れたり、ランドマークに近付いたりした場合に、ユーザに経路から外れたこと及びランドマークへの接近を通知する構成としたが、これに限定されるものではない。携帯型端末300に測位部303を設けず、上記のような通知を行わない構成とすることもできる。
【0136】
また、上述した実施形態においては、測位部303が加速度センサによってユーザの歩行動作を検出し、進行距離を推定する構成について述べたが、これに限定されるものではない。GPS(全地球測位システム)受信機によってユーザ(携帯型端末300)の位置を測定する構成でもよいし、サービス対象地域の各所に電波発信器を取り付け、携帯型端末300に電波の受信機を設けておき、携帯型端末300の電波の受信強度が最も強い電波発信器の位置からユーザ(携帯型端末300)の位置を測定する構成でもよい。
【0137】
また、上述した実施形態においては、サーバ装置200と、クライアント装置としての携帯型端末300とによって携帯型ナビゲーションシステム100が構成されているものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、携帯型端末にサーバ装置200の機能も搭載し、1台の携帯型端末で独立して経路の検索、ランドマークの検索、案内文の生成、経路及び案内文の表示を行う構成とすることもできる。
【0138】
また、上述した実施形態においては、サーバ装置200において、経路の検索、ランドマークの検索、案内文の生成を行う構成について述べたが、これに限定されるものではない。例えば、経路の検索及びランドマークの検索をサーバ装置において行い、案内文の生成を携帯型端末で行うようにする等、サーバ装置の機能の一部を携帯型端末で実行する構成とすることも可能である。また、1つのコンピュータによりサーバ装置200を構成するのではなく、複数のコンピュータにより上述したサーバ装置の処理を分散処理で実行させて、複数のコンピュータからなる分散システムとしてもよい。特に、道路ネットワークデータベース205及び施設情報データベース206は、サーバ装置200とは異なるデータベースサーバによって構成してもよい。
また、迷ったボタンは、携帯型端末300においてクライアントプログラムが実行されている全期間において常時表示されている必要はなく、少なくとも案内文の表示を開始してから目的地までの複数の案内文の表示が終了するまでの間、表示されていればよい。