特許第6099196号(P6099196)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ KDDI株式会社の特許一覧

特許6099196電磁波ビームを利用した対象認識システム及び方法
<>
  • 特許6099196-電磁波ビームを利用した対象認識システム及び方法 図000002
  • 特許6099196-電磁波ビームを利用した対象認識システム及び方法 図000003
  • 特許6099196-電磁波ビームを利用した対象認識システム及び方法 図000004
  • 特許6099196-電磁波ビームを利用した対象認識システム及び方法 図000005
  • 特許6099196-電磁波ビームを利用した対象認識システム及び方法 図000006
  • 特許6099196-電磁波ビームを利用した対象認識システム及び方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6099196
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】電磁波ビームを利用した対象認識システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20170313BHJP
   G06Q 50/16 20120101ALI20170313BHJP
   G07C 9/00 20060101ALI20170313BHJP
   G06K 17/00 20060101ALI20170313BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20170313BHJP
【FI】
   G07B15/00 501
   G06Q50/16
   G07C9/00 Z
   G06K17/00
   E05B49/00 J
【請求項の数】16
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-56177(P2013-56177)
(22)【出願日】2013年3月19日
(65)【公開番号】特開2014-182554(P2014-182554A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2015年8月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135068
【弁理士】
【氏名又は名称】早原 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100141313
【弁理士】
【氏名又は名称】辰巳 富彦
(72)【発明者】
【氏名】河合 直樹
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−186922(JP,A)
【文献】 特開2012−078172(JP,A)
【文献】 特開2000−348287(JP,A)
【文献】 再公表特許第2002/041205(JP,A1)
【文献】 特開2008−102844(JP,A)
【文献】 特開平08−307931(JP,A)
【文献】 特開2008−071113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
E05B 49/00
G06K 17/00
G06Q 50/16
G07C 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信対象の有する識別情報を取得して、当該通信対象又は当該通信対象を所持する若しくは付された認識対象を認識する対象認識システムであって、
当該通信対象に対する問合せ情報を含む電磁波ビームを、当該電磁波ビームによる照射領域が刻々と移動させられ特定されるように発信する電磁波ビーム発信部と、
当該電磁波ビームを受信した当該通信対象によって発信される、当該識別情報を含む応答波を受信する応答波受信部と、
受信された当該応答波の発信を引き起こした当該電磁波ビームの発信時点情報又は当該照射領域の位置情報に基づいて、当該応答波を発信した当該通信対象の位置を特定する対象特定部と、
受信された当該応答波から取得された識別情報毎に、当該識別情報を有する当該通信対象の位置であって当該応答波の受信毎に特定された複数の位置を対応付けて記憶する対象位置管理部と
を有することを特徴とする対象認識システム。
【請求項2】
位置を特定された当該通信対象に向けて、特定された当該位置を照射するタイミングで、当該通信対象の有する識別情報に予め対応付けられた通知情報を含む当該電磁波ビームを発信させる通知情報制御部を更に有することを特徴とする請求項1に記載の対象認識システム。
【請求項3】
前記対象認識システムは、入場又は退場を許可するための入場又は退場識別子を有する通信対象としての移動端末を所持する人物による入場又は退場を管理するシステムであり、
当該通知情報は、当該入場又は退場識別子を有する移動端末に対し、入場若しくは退場に係る情報を表示させ、又は入場若しくは退場に係る情報としての音を発生させることによって提供される
ことを特徴とする請求項2に記載の対象認識システム。
【請求項4】
前記対象認識システムは、入場又は退場を許可するための入場又は退場識別子を有する通信対象としての移動端末を所持する人物による入場又は退場を管理するシステムであり、
当該通知情報は、当該入場又は退場識別子を有さない移動端末に対し、警告情報又は勧告情報を表示させ、又は警告若しくは勧告のための音を発生させることによって提供される
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の対象認識システム。
【請求項5】
当該入場又は退場識別子は複数の種別を有しており、
前記通知情報制御部は、位置を特定された当該移動端末の有する入場又は退場識別子の種別に予め対応付けられた通知情報を含む当該電磁波ビームを発信させる
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の対象認識システム。
【請求項6】
前記電磁波ビーム発信部は、当該電磁波ビームを、所定の走査領域内で繰り返し走査させ、
前記対象認識システムは、所定の識別情報を有する通信対象から応答波を受信する毎に特定される当該通信対象の刻々の位置に基づいて、当該通信対象が所定の位置に接近した又は到達したと判断した際、当該所定の位置に設置されており、当該通信対象を所持する若しくは付された認識対象の通過を制御する通過制御装置に対し、当該認識対象を通過させるように指示する対象制御部を更に有する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の対象認識システム。
【請求項7】
前記対象認識システムは、入場又は退場を許可するための入場又は退場識別子を有する通信対象としての移動端末を所持する人物による入場又は退場を管理するシステムであり、
前記電磁波ビーム発信部は、当該電磁波ビームを、所定の入場又は退場エリア内で繰り返し走査させ、
前記対象制御部は、当該移動端末から応答波を受信する毎に特定される当該通信対象の刻々の位置に基づいて、入場又は退場識別子を有する当該通信対象が入場又は退場を制御する通過制御装置の位置に接近した又は到達したと判断した際、当該通過制御装置に対し、当該通信対象を所持する人物を通過させるように指示する
ことを特徴とする請求項6に記載の対象認識システム。
【請求項8】
少なくとも1つの当該通信対象が存在する領域を撮影可能な撮影部を更に有しており、
前記対象特定部は、前記撮影部によって生成される、当該通信対象を所持する若しくは付された認識対象を含む画像の情報と、位置を特定した通信対象の位置情報とに基づいて、当該応答波を発信しない認識対象を特定する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の対象認識システム。
【請求項9】
当該応答波を発信しない認識対象における当該画像の情報から特定された位置に向けて、当該応答波を発信しないことに対応した注意情報を提供させる注意情報提供部を更に有することを特徴とする請求項8に記載の対象認識システム。
【請求項10】
前記対象認識システムは、入場又は退場を許可するための入場又は退場識別子を有する通信対象としての移動端末を所持する人物による入場又は退場を管理するシステムであり、
当該注意情報は、入場若しくは退場識別子を有する移動端末を所持しているとされない人物に、投光器を用いてスポット光を当てることによって提供される
ことを特徴とする請求項9に記載の対象認識システム。
【請求項11】
前記対象認識システムは、入場又は退場を許可するための入場又は退場識別子を有する通信対象としての移動端末を所持する人物による入場又は退場を管理するシステムであり、
当該入場若しくは退場識別子を有する移動端末を所持しているとされない人物の位置情報を、場内警備主体に通知させる通報部を更に有することを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の対象認識システム。
【請求項12】
前記電磁波ビーム発信部は、当該電磁波ビームを、所定の走査領域内で繰り返し走査させ、
前記対象認識システムは、所定の識別情報を有する通信対象から応答波を受信する毎に特定される当該通信対象の刻々の位置に基づいて、当該通信対象が所定の位置に接近した又は到達したと判断した際、当該所定の位置に設置されており、当該通信対象を所持する若しくは付された認識対象の通過を制御する通過制御装置に対し、当該認識対象を通過させるように指示する対象制御部を更に有し、
前記対象制御部は、当該識別情報を有する当該通信対象について特定された刻々の位置と、前記撮影部によって刻々生成される当該画像の情報とに基づいて、応答波を発信しない認識対象が当該所定の位置に接近した又は到達したと判断した際、当該所定の位置に設置された前記通過制御装置に対し、当該応答波を発信しない認識対象を通過させないように指示する
ことを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の対象認識システム。
【請求項13】
前記対象認識システムは、入場又は退場を許可するための入場又は退場識別子を有する通信対象としての移動端末を所持する人物による入場又は退場を管理するシステムであり、
前記対象制御部は、当該入場又は退場識別子を有する移動端末について特定された刻々の位置と、前記撮影部によって刻々生成される当該画像の情報とに基づいて、当該入場又は退場識別子を有する移動端末を所持しているとされない人物が入場又は退場を制御する通過制御装置の位置に接近した又は到達したと判断した際、当該通過制御装置に対し、当該入場又は退場識別子を有する移動端末を所持しているとされない人物を通過させないように指示する
ことを特徴とする請求項12に記載の対象認識システム。
【請求項14】
前記通信対象は、当該識別情報を付与可能な電子タグ、又は当該識別情報を送信可能なアプリケーションを搭載した移動端末であり、
前記対象認識システムは、
センチメートル波、ミリ波又はサブミリ波である電磁波をビーム状に形成した電磁波ビームを発信する電磁波ビーム発信部と、当該電磁波ビームを受信した当該電子タグ又は当該移動端末によって発信される、当該識別情報を含む応答波を受信する応答波受信部とを有する無線アクセスポイントと、
前記対象特定部及び前記対象位置管理部を有する対象管理サーバと
を備えていることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の対象認識システム。
【請求項15】
前記電磁波ビーム発信部は、フェーズドアレイアンテナ(Phased Array Antenna)を備えており、位相制御によって当該電磁波ビームを走査させることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の対象認識システム。
【請求項16】
通信対象の有する識別情報を取得して、当該通信対象又は当該通信対象を所持する若しくは付された認識対象を認識する対象認識システムの有するコンピュータにおける対象認識方法であって、
当該通信対象に対する問合せ情報を含む電磁波ビームを、当該電磁波ビームによる照射領域が刻々と移動させられ特定されるように発信する第1のステップと、
当該電磁波ビームを受信した当該通信対象によって発信される、当該識別情報を含む応答波を受信する第2のステップと、
受信された当該応答波の発信を引き起こした当該電磁波ビームの発信時点情報又は当該照射領域の位置情報に基づいて、当該応答波を発信した当該通信対象の位置を特定する第3のステップと、
受信された当該応答波から取得された識別情報毎に、当該識別情報を有する当該通信対象の位置であって当該応答波の受信毎に特定された複数の位置を対応付けて記憶する第4のステップと
を有することを特徴とする対象認識方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波を用いて、識別情報を有する通信対象を認識する対象認識技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スタジアムやアミューズメントパーク、映画館、鉄道駅等における入退場について、人手によらず、自動的に入退場の確認・制御を行う入退場制御機や改札機等のシステムが、種々の技術を用いて開発されてきた。近年では、RFID(Radio Frequency Identification)技術を採用し、非接触ICカードを入退場券として利用する入退場制御システムが実用化している。
【0003】
この非接触ICカードの技術は、国際標準規格であるISO/IEC 10536(密着型)、ISO/IEC 14443(近接型)、ISO/IEC 15693(近傍型)等において規格化されている。このこともあって、非接触ICカードを利用した入退場制御システムは、システム間のカード共通化の流れとともに、現在、広く普及している。
【0004】
さらに、特許文献1に記載された技術のように、携帯端末にダウンロードしておいた入場券情報を用いて入場に関する正当性を自動認証し、その認証結果に応じて入場を許可する入場ゲート装置・情報管理装置も考案されている。この特許文献1の技術においても、携帯端末と入場ゲートとの間では、近距離用の電磁波(赤外線)通信が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−132382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の非接触ICカードを利用した入退場制御システムでは、入退場を短時間で処理できない問題が生じ得る。
【0007】
実際、非接触ICカードの規格ISO/IEC 10536、ISO/IEC 14443及びISO/IEC 15693における通信可能な距離は、それぞれ1mm以下、20cm以下、及び1m以下である。即ち、入退場の際には、非接触ICカードと入退場ゲートとが必ず、このような近距離の通信を実施せねばならない。従って、非接触ICカードを所持した入退場者がリーダ・ライタを備えた入退場ゲートの設置位置に到着して初めて、RFIDの交信ができることになる。
【0008】
さらに、従来の入退場ゲートは、非接触ICカードとの間でRFIDの交信を行い、情報センターのサーバとの認証情報の送受信を行った上で、入退場者の物理的な位置を認識して遮断器を開閉させなければならない。即ち、従来の入退場ゲートの通過には所定の時間が必要となる。これらの事情が相まって、相当の数の入退場者が集まった場合には、例えば入退場者の行列ができてしまう等、入退場を短時間で処理することが困難となってしまう。
【0009】
特に、種々の試合やイベントでは、開始時間直前又は終了時間直後に、入退場者が入退場ゲートに殺到することも多く、混雑度が非常に高くなる。さらに、鉄道駅のラッシュアワーでは、特に降車した鉄道利用者が改札ゲート前で列をなす事態も多く発生する。このような場合、入退場の処理には非常に長時間を要してしまう。
【0010】
この点、上述した特許文献1の技術も、携帯端末と入場ゲートとの間で赤外線通信を使用している以上、同様の入退場処理時間の問題を抱えている。
【0011】
また、入退場ではないが、現在様々な流通分野で利用されているように、電子タグを付された製品を識別する場合でも、これらの製品が所定の検査位置に接近する又は到達するのを待って識別する必要がある。従って、上述した従来の入退場システムと同様、多量の製品を識別する際には、その処理に相応の時間を要してしまう。
【0012】
そこで、本発明は、識別情報を有する通信対象の所定位置への接近を待つことなく、短時間で、通信対象又は当該通信対象を所持する若しくは付された認識対象を認識することができる対象認識システム及び対象認識方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、通信対象の有する識別情報を取得して、この通信対象又はこの通信対象を所持する若しくは付された認識対象を認識する対象認識システムであって、
通信対象に対する問合せ情報を含む電磁波ビームを、電磁波ビームによる照射領域が刻々と移動させられ特定されるように発信する電磁波ビーム発信部と、
電磁波ビームを受信した通信対象によって発信される、識別情報を含む応答波を受信する応答波受信部と、
受信された応答波の発信を引き起こした電磁波ビームの発信時点情報又は照射領域の位置情報に基づいて、応答波を発信した通信対象の位置を特定する対象特定部と、
受信された応答波から取得された識別情報毎に、識別情報を有する通信対象の位置であって応答波の受信毎に特定された複数の位置を対応付けて記憶する対象位置管理部と
を有する対象認識システムが提供される。
【0014】
この対象認識システムの一実施形態として、対象認識システムは、位置を特定された通信対象に向けて、特定された位置を照射するタイミングで、通信対象の有する識別情報に予め対応付けられた通知情報を含む電磁波ビームを発信させる通知情報制御部を更に有することも好ましい。
【0015】
また、この通知情報制御部を有する実施形態において、
対象認識システムは、入場又は退場を許可するための入場又は退場識別子を有する通信対象としての移動端末を所持する人物による入場又は退場を管理するシステムであり、
通知情報は、入場又は退場識別子を有する移動端末に対し、入場若しくは退場に係る情報を表示させ、又は入場若しくは退場に係る情報としての音を発生させることによって提供されることも好ましい。
【0016】
さらに、上記の通知情報制御部を有する実施形態において、通知情報は、入場又は退場識別子を有さない移動端末に対し、警告情報又は勧告情報を表示させ、又は警告若しくは勧告のための音を発生させることによって提供されることも好ましい。
【0017】
また、入場又は退場識別子が複数の種別を有していて、通知情報制御部は、位置を特定された移動端末の有する入場又は退場識別子の種別に予め対応付けられた通知情報を含む電磁波ビームを発信させることも好ましい。
【0018】
さらに、本発明による対象認識システムの一実施形態として、
電磁波ビーム発信部は、電磁波ビームを、所定の走査領域内で繰り返し走査させ、
対象認識システムは、所定の識別情報を有する通信対象から応答波を受信する毎に特定される通信対象の刻々の位置に基づいて、通信対象が所定の位置に接近した又は到達したと判断した際、この所定の位置に設置されており、通信対象を所持する若しくは付された認識対象の通過を制御する通過制御装置に対し、認識対象を通過させるように指示する対象制御部を更に有することも好ましい。
【0019】
また、この通過制御装置を使用する実施形態において、
対象認識システムは、入場又は退場を許可するための入場又は退場識別子を有する通信対象としての移動端末を所持する人物による入場又は退場を管理するシステムであり、
電磁波ビーム発信部は、電磁波ビームを、所定の入場又は退場エリア内で繰り返し走査させ、
対象制御部は、移動端末から応答波を受信する毎に特定される通信対象の刻々の位置に基づいて、入場又は退場識別子を有する通信対象が入場又は退場を制御する通過制御装置の位置に接近した又は到達したと判断した際、通過制御装置に対し、通信対象を所持する人物を通過させるように指示することも好ましい。
【0020】
さらに、本発明による対象認識システムの一実施形態として、
少なくとも1つの通信対象が存在する領域を撮影可能な撮影部を更に有しており、
対象特定部は、撮影部によって生成される、通信対象を所持する若しくは付された認識対象を含む画像の情報と、位置を特定した通信対象の位置情報とに基づいて、応答波を発信しない認識対象を特定することも好ましい。
【0021】
また、この撮影部を使用する実施形態において、対象認識システムは、特定された応答波を発信しない認識対象における画像の情報から特定された位置に向けて、応答波を発信しないことに対応した注意情報を提供させる注意情報提供部を更に有することも好ましい。
【0022】
さらに、この撮影部を使用する実施形態において、対象認識システムは、入場又は退場を許可するための入場又は退場識別子を有する通信対象としての移動端末を所持する人物による入場又は退場を管理するシステムであり、注意情報は、入場若しくは退場識別子を有する移動端末を所持しているとされない人物に、投光器を用いてスポット光を当てることによって提供されることも好ましい。
【0023】
さらにまた、この撮影部を使用する実施形態において、
対象認識システムは、入場又は退場を許可するための入場又は退場識別子を有する通信対象としての移動端末を所持する人物による入場又は退場を管理するシステムであり、
入場若しくは退場識別子を有する移動端末を所持しているとされない人物の位置情報を、場内警備主体に通知させる通報部を更に有することも好ましい。
【0024】
さらに、この撮影部を使用する実施形態において、
電磁波ビーム発信部は、電磁波ビームを、所定の走査領域内で繰り返し走査させ、
対象認識システムは、所定の識別情報を有する通信対象から応答波を受信する毎に特定される通信対象の刻々の位置に基づいて、通信対象が所定の位置に接近した又は到達したと判断した際、所定の位置に設置されており、通信対象を所持する若しくは付された認識対象の通過を制御する通過制御装置に対し、認識対象を通過させるように指示する対象制御部を更に有し、
対象制御部は、識別情報を有する通信対象について特定された刻々の位置と、撮影部によって刻々生成される画像の情報とに基づいて、応答波を発信しない認識対象が所定の位置に接近した又は到達したと判断した際、この所定の位置に設置された通過制御装置に対し、応答波を発信しない認識対象を通過させないように指示することも好ましい。
【0025】
この場合、さらに、
対象認識システムは、入場又は退場を許可するための入場又は退場識別子を有する通信対象としての移動端末を所持する人物による入場又は退場を管理するシステムであり、
対象制御部は、入場又は退場識別子を有する移動端末について特定された刻々の位置と、撮影部によって刻々生成される画像の情報とに基づいて、入場又は退場識別子を有する移動端末を所持しているとされない人物が入場又は退場を制御する通過制御装置の位置に接近した又は到達したと判断した際、通過制御装置に対し、入場又は退場識別子を有する移動端末を所持しているとされない人物を通過させないように指示することも好ましい。
【0026】
さらに、本発明によるシステム構成に係る一実施形態として、
通信対象は、識別情報を付与可能な電子タグ、又は識別情報を送信可能なアプリケーションを搭載した移動端末であり、
対象認識システムは、
センチメートル波、ミリ波又はサブミリ波である電磁波をビーム状に形成した電磁波ビームを発信する電磁波ビーム発信部と、電磁波ビームを受信した電子タグ又は移動端末によって発信される、識別情報を含む応答波を受信する応答波受信部とを有する無線アクセスポイントと、
対象特定部及び対象位置管理部を有する対象管理サーバと
を備えていることも好ましい。
【0027】
また、電磁波ビーム発信部は、フェーズドアレイアンテナ(Phased Array Antenna)を備えており、位相制御によって電磁波ビームを走査させることも好ましい。
【0028】
本発明によれば、さらに、通信対象の有する識別情報を取得して、この通信対象又はこの通信対象を所持する若しくは付された認識対象を認識する対象認識システムの有するコンピュータにおける対象認識方法であって、
通信対象に対する問合せ情報を含む電磁波ビームを、電磁波ビームによる照射領域が刻々と移動させられ特定されるように発信する第1のステップと、
電磁波ビームを受信した通信対象によって発信される、識別情報を含む応答波を受信する第2のステップと、
受信された応答波の発信を引き起こした電磁波ビームの発信時点情報又は照射領域の位置情報に基づいて、応答波を発信した通信対象の位置を特定する第3のステップと、
受信された応答波から取得された識別情報毎に、識別情報を有する通信対象の位置であって応答波の受信毎に特定された複数の位置を対応付けて記憶する第4のステップと
を有する対象認識方法が提供される。
【発明の効果】
【0029】
本発明の対象認識システム及び対象認識方法によれば、識別情報を有する通信対象の所定位置への接近を待つことなく、短時間で、通信対象又は当該通信対象を所持する若しくは付された認識対象を認識することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明による対象認識システムの一実施形態を示す概略図である。
図2】本発明の対象認識システムにおいて、通信対象に向けて通知情報を含む電磁波ビームを発信する実施形態を説明するための概略図である。
図3】本発明の対象認識システムにおいて、通信対象の刻々の位置に基づき、通過制御装置を制御する実施形態を説明するための概略図である。
図4】本発明の対象認識システムにおいて、撮影部を利用して、応答波を発信しない認識対象を特定する実施形態を説明するための概略図である。
図5】本発明の対象認識システムにおいて、撮影部を利用して、応答波を発信しない通信対象の刻々の位置を把握し、通過制御装置を制御する実施形態を説明するための概略図である。
図6】本発明の対象認識技術における、他の用途に係る実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0032】
[対象認識システム]
図1は、本発明による対象認識システムの一実施形態を示す概略図である。
【0033】
図1に示した実施形態の対象認識システムは、
(a)入場エリアの上方であって間に障害物が存在しない位置に設置された無線アクセスポイント1と、
(b)入場エリア内の認識対象である人物(入場者)の認識・識別結果を管理し、人物(入場者)への対応を制御する対象管理サーバ2と
を備えている。
【0034】
本対象認識システムは、通信対象である端末5の有する識別情報(入場券情報)を取得して、端末5を所持する入場者(人物)を認識・識別する。本実施形態において、この端末5を所持する複数の入場者は、会場外の又は会場に隣接する入場エリアにおいて、会場入り口に設けられたゲート42に徒歩で向かっている。ここで、端末5は、例えばスマートフォン、タブレット型コンピュータ、又は携帯電話等とすることができる。
【0035】
無線アクセスポイント1は、構内LAN(Local Area Network)を介して、アクセスネットワーク6を介して、又はアクセスネットワーク6及びインターネット7を介して、対象管理サーバ2と通信接続可能となっている。アクセスネットワーク6は、通信事業者ネットワークであり、無線通信網であってもよく、固定回線通信網であってもよい。
【0036】
ここで、無線アクセスポイント1は、最初に、
(ア)端末5に対する問合せ情報を含む電磁波ビームを、この電磁波ビームによる照射領域を入場エリア内で特定させつつ移動させるように発信する。
この電磁波ビームは、センチメートル波(3〜30GHz)、ミリ波(30〜300GHz)又はサブミリ波(300GHz〜3THz)である電磁波をビーム状に形成したものである。本実施形態では、この電磁波として、無線通信規格のWiGig(Wireless Gigabit Alliance)で規定された60GHz等のミリ波帯を使用している。特定小電力無線局として無免許で利用可能な60GHz帯では、57〜66GHzにおいて帯域幅2.16GHzのチャネルを4つまで使用することができる。ここで、1チャネルでのデータ伝送速度は、例えば最大7Gbps(bits per second)に達し、大容量伝送が可能である。その結果、1つの端末5と無線アクセスポイント1との間で、ごく短時間で大容量のデータ交信が可能となっている。
【0037】
以上に述べたような電磁波は、指向性・直進性が高く、ビーム状に形成されることができ、狭い照射領域(例えば直径0.5〜5mのビームスポット)に向けて発信可能である。尚、無線アクセスポイント1と入場エリアとの距離は、例えば、5〜20mとすることができる。さらに、この狭い照射領域を複数連ねる形で、線上又は面上の広いエリア(図1では入場(退場)エリア)を高速に走査(スキャン)することもできる。この際、走査するエリアを限定し、所望のエリアのみにビームを照射することも可能となる。また、これらの特性から、このような電磁波ビームを用いた交信においては、例えばWi−Fi(登録商標)と比較して、より高い秘匿性が確保される。
【0038】
ここで、電磁波ビームは、フェーズドアレイアンテナ(Phased Array Antenna)を用いて、電気的に任意の方向に向ける、即ちビームステアリングすることが可能である。当然に、発信用アンテナの向きを機械的に変化させて、電磁波ビームを走査させることも可能である。さらに、ビーム半値幅も、2次元アンテナの構成を調整することによって、例えば3〜20°(度)の範囲で任意に設定することができる。
【0039】
以上に述べた電磁波ビームの特徴は、例えばWi−Fi(登録商標)及び携帯電話通信に使用される電波では実現不可能な、電磁波ビーム特有のものである。実際、Wi−Fi(登録商標)や携帯電話通信の電波は広く拡散する性質を有するので、この電波を所定のエリア内に位置する個々の端末に限定して照射することは、アンテナ形状が非常に大きくなるため現実的ではない。さらに、通信速度が相対的に低くチャネル数も限定されるため、例えば所定のエリア内に位置する多数の入場者に対して、短時間で交信することも困難である。
【0040】
また、入場エリアは、照射領域(ビームスポット)で規定されるn×m(例えば5×10)の区画に分割することができる。電磁波ビームは、これらの区画(ビームスポット)を順次走査するが、その経路又は走査パターンとしては、ラスタースキャン状、つづら折り(一筆書き)状、ランダムスキャン状等、様々な形態が可能である。
【0041】
尚、以上に説明した電磁波ビームを移動(走査)させる実施形態以外の形態として、無線アクセスポイント1は、
(ア’)端末5に対する問合せ情報を含む複数の電磁波ビームを、これらの電磁波ビームによるそれぞれの照射領域を入場エリア内で特定させ且つ固定させて発信する
ことも可能である。例えば、複数のアンテナを、入場エリアの上方に碁盤目状に配置し、各アンテナから、各ビームスポット(照射領域)に1対1で対応する形で、電磁波ビームを固定させて照射することができる。この場合、複数の電磁波ビームの一度の照射によって、例えば入場エリア全体に分布する端末5と一挙に通信することができ、後に説明する端末5の位置特定の処理を、より高速に実施することが可能となる。
【0042】
次いで、無線アクセスポイント1は、
(イ)電磁波ビームを受信した端末5によって発信される、入場識別子である入場券情報(識別情報)を含む応答波を受信する。
ここで、端末5は、入場券情報(識別情報)を付与されたミリ波帯対応の電子タグ50を備え、さらに、電子タグ50を起動させるためのアプリケーションを搭載している。電子タグ50は、セミアクティブタグ(バッテリーアシスト・パッシブタブ)又はアクティブタブとすることができ、所定の問合せ情報を含む電磁波ビームを受信すると、入場券情報(識別情報)を含む応答波を発信する。入場者は、入場エリアに入る際、又は予めその前から、この入場のためのアプリケーションを起動させる。
【0043】
尚、電子タグ50を、パッシブタブとすることも可能である。この場合、電子タグ50は、受信した電磁波ビームによって給電され、当該ビームに含まれる問合せ情報を処理した上で、入場券情報(識別情報)を含む応答波を発信する。従って、電子タグ50自体は電池を必要としない。但し、この場合、発信される応答波は強度において微弱であるので、無線アクセスポイント1の受信部には、相応の高い受信感度を備えたものが使用される。
【0044】
また、他の実施形態として、端末5は、例えばミリ波帯の電磁波を送受信できる移動無線端末であって、受信した電磁波ビームの問合せ情報に対応した応答波を発信するためのアプリケーションを搭載した端末であってもよい。
【0045】
さらに、応答波は、WiGigで規定されているようなミリ波帯等以外の周波数帯における電磁波であってもよい。例えば、端末5の有する、Wi−Fi(登録商標)用、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)用、又はLTE(Long Term Evolution)若しくは3G(3rd Generation)等の携帯電話通信用の通信インタフェースから応答波を送信することも可能である。この場合、無線アクセスポイント1の受信部が対応する通信方式の通信インタフェースを備えていてもよく、または、対応する通信事業者ネットワークを経由して、対象管理サーバ2が、端末5から送信された応答波信号情報を取得してもよい。
【0046】
次いで、対象管理サーバ2は、応答波を受信した無線アクセスポイント1からの応答波情報を受け取り、
(ウ)受信された応答波の発信を引き起こした電磁波ビームの発信時点情報又は照射領域(ビームスポット)の位置情報に基づいて、応答波を発信した端末5の位置を特定する。
ここで、電磁波ビームの走査の際に、このビームの指向角度を制御して把握することによって、交信先の端末5の位置を、照射領域(ビームスポット)の位置として特定することができる。
【0047】
対象管理サーバ2は、さらに、
(エ)受信された応答波から取得された入場識別子である入場券情報(識別情報)毎に、当該入場券情報(識別情報)を有する端末5の特定された位置を対応付けて記憶する。
即ち、電磁波ビームを入場エリア内で高速に走査させた際、対象管理サーバ2は、入場券情報(識別情報)に対応した端末5(を所持した入場者)の刻々の位置を把握することができるのである。
【0048】
尚、入場券情報(識別情報)は、ユーザ(入場者)が予め業者から購入して端末5に格納したものとすることができる。この入場券情報には入場IDが含まれており、業者は、後述する(対象管理サーバ2に設置された)ID蓄積部201に、入場IDをユーザ情報に対応付けて記録しておくことも好ましい。この場合、対象管理サーバ2は、応答波から取得した入場券情報に含まれる入場IDと記録された入場IDとを照合して、入場可否の認証を実施することができる。
【0049】
以上説明したように、本対象認識システムは、照射領域の制御された高い伝送速度を有する電磁波ビームを用いて端末(通信対象)5との通信を実施する。その結果、入場券情報(識別情報)を有する端末(通信対象)5の所定位置への接近を待つことなく、短時間で、端末(通信対象)5又は端末5を所持する入場者(認識対象)を認識することが可能となる。
【0050】
さらに、対象管理サーバ2は、無線アクセスポイント1に対し、
(オ)位置を特定された端末5に向けて、特定された当該位置を照射するタイミングで、端末5の有する入場識別子である入場券情報(識別情報)に予め対応付けられた通知情報を含む電磁波ビームを発信させる
ことも好ましい。ここで、通知情報は、入場に係る情報、例えば、入場可の認証結果又は入場後のルート案内等である。入場可の認証結果を受けた端末5を所持する入場者は、例えば、入場ラインを超えて入場することができる。このような通知情報の提供については、後に図2を用いて詳細に説明される。
【0051】
このように、本実施形態においては、入場者は例えば歩行しながら入場可の認証を受けることができる。さらに、多数の入場者が殺到した場合に混雑を発生させ得るような従来の入場ゲートを用いずに、入場しようとする人物の管理・制御を実施することが可能となる。その結果、多数の正当な入場者が短時間に且つスムーズに入場することができるのである。
【0052】
尚、認識対象は、当然に入場者に限定されるものではない。会場内の又は会場に隣接する退場エリアに位置する退場者を認識対象とすることも可能であり、また、図6を用いて説明するように、電子タグ(通信対象)50’を付された自動車5’等の物品、更には電子タグを付された家畜等の生物としてもよい。
【0053】
[無線アクセスポイント1の機能構成]
同じく図1によれば、無線アクセスポイント1は、発信・受信部100と、通信インタフェース101と、機器インタフェース102と、プロセッサ・メモリとを備えている。ここで、プロセッサ・メモリは、無線アクセスポイント1に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって、その機能を実現させる。
【0054】
さらに、プロセッサ・メモリは、機能構成部として、発信・受信制御部110と、機器制御部111とを有する。
【0055】
発信・受信部100は、
(a)端末(通信対象)5に対する問合せ情報を含む電磁波ビームを、電磁波ビームによる照射領域(ビームスポット)を移動させるように発信する電磁波ビーム発信部と、
(b)電磁波ビームを受信した端末(通信対象)5によって発信される、入場識別子である入場券情報(識別情報)を含む応答波を受信する応答波受信部と
を備えている。特に、電磁波ビーム発信部には、ビームステアリングが可能なフェーズドアレイアンテナが設けられていることも好ましい。
【0056】
通信インタフェース101は、構内LANを介して、アクセスネットワーク6を介して、又はアクセスネットワーク6及びインターネット7を介して、対象管理サーバ2との間で情報データの送受信を行う。発信・受信制御部110は、電磁波ビームの発信及び走査を制御し、また、受信した入場券情報(識別情報)を含む応答波の情報を、通信インタフェース101を介して対象管理サーバ2に送信させる。
【0057】
機器インタフェース102は、撮影部30、スピーカ40、投光器41、及び通過制御装置であるゲート42に対し、動作・制御信号の入出力を行う。機器制御部111は、撮影部30の撮影動作を制御し、撮影部30からの撮影された画像(動画像又は静止画像)信号を、機器インタフェース102を介して入力し、通信インタフェース101を介して対象管理サーバ2に送信させる。また、対象管理サーバ2から通信インタフェース101を介して、動作指示信号を受信し、この動作指示信号に基づき、スピーカ40、投光器41、又はゲート42を動作させ、制御する。撮影部30、スピーカ40、投光器41及びゲート42を用いた対象認識処理については、後に図3〜5を用いて詳細に説明する。
【0058】
[対象管理サーバ2の機能構成]
同じく図1によれば、対象管理サーバ2は、通信インタフェース200と、ID蓄積部201と、提供情報蓄積部202と、プロセッサ・メモリとを備えている。ここで、プロセッサ・メモリは、対象管理サーバ2に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって、その機能を実現させる。
【0059】
さらに、プロセッサ・メモリは、機能構成部として、対象特定部210と、対象位置管理部211と、通知情報制御部212と、注意情報提供部213と、対象制御部214と、通報部215とを有する。
【0060】
通信インタフェース200は、構内LANを介して、アクセスネットワーク6を介して、又はアクセスネットワーク6及びインターネット7を介して、無線アクセスポイント1との間で情報データの送受信を行う。また、会場内外の警備員(警備主体)に向けて、構内LANを介して、アクセスネットワーク6を介して、又はアクセスネットワーク6及びインターネット7を介して、入場識別子である入場券情報(識別情報)を有する端末5を所持しているとされない人物に係る情報を送信する。
【0061】
ID蓄積部201は、(入場券取得のために)登録したユーザに割り当てられたユーザIDを蓄積する。ユーザIDは、例えばユーザの氏名等のユーザ情報に対応付けられて記憶される。また、提供情報蓄積部202は、端末5(を所持する人物(入場者))に提供する通知情報を、入場識別子としての入場券情報(識別情報)に対応付けて蓄積する。
【0062】
対象特定部210は、受信された応答波の発信を引き起こした電磁波ビームの発信時点情報又は照射領域(ビームスポット)の位置情報に基づいて、応答波を発信した通信対象の位置を特定する。また、他の実施形態として、少なくとも1つの通信対象が存在する領域(図1では入場エリア)を撮影可能なカメラ等の撮影部30を用いて、応答波を発信しない認識対象である人物(入場者)を特定することも好ましい。この場合、対象特定部210は、具体的に、
(a)撮影部30によって生成された、端末5を所持する人物(入場者)を含む画像の情報と、
(b)位置を特定した端末5の位置情報と
に基づいて、応答波を発信しない認識対象である人物(入場者)を特定する。
【0063】
対象位置管理部211は、受信された応答波から取得された入場券情報(識別情報)毎に、当該入場券情報(識別情報)を有する端末5の特定された位置を対応付けて蓄積し管理する。
【0064】
通知情報制御部212は、位置を特定された端末5に向けて、特定された当該位置を照射するタイミングで、端末5の有する入場券情報(識別情報)に予め対応付けられた通知情報を含む電磁波ビームを発信させる指示信号を、発信・受信制御部110に向けて送信させる。ここで、端末5の有する入場券情報(識別情報)に予め対応付けられた通知情報は、提供情報蓄積部202から取得される。
【0065】
注意情報提供部213は、対象特定部210が撮影部30を用いて応答波を発信しない認識対象である人物(入場者)を特定する実施形態において、特定された当該人物(入場者)における画像の情報から特定された位置に向けて、応答波を発信しないことに対応した注意情報を提供させる。ここで、この注意情報は、例えば、入場券情報(識別情報)を有する端末5を所持しているとされない人物に、投光器41を用いてスポット光を当てることによって提供される。
【0066】
対象制御部214は、電磁波ビームが所定の走査領域(入場エリア)内で繰り返し走査させられる実施形態において、入場券情報(識別情報)を有する端末5から応答波を受信する毎に特定される端末5の刻々の位置に基づいて、端末5が所定の位置(ゲート42の設置位置)に接近した又は到達したと判断した際、ゲート42に対し、入場券情報(識別情報)を有する端末5を所持する入場者を通過させるように指示する。ここで、ゲート42は、端末5を所持する入場者の通過を制御する機能を果たし、例えば、一人のみ通過可能な通路を形成して当該通路に開閉する門(又は遮断器)を備えている。
【0067】
さらに、対象制御部214は、後に図5を用いて説明するように、撮影部30から取得される撮影された画像情報に基き、入場券情報(識別情報)を有する端末5を所持しているとされない人物(入場者)を、通過させないようにゲート42に指示することも好ましい。また、通報部215は、入場券情報(識別情報)を有する端末5を所持しているとされない人物(入場者)の位置情報を、場内警備主体に通知させる。
【0068】
以上、本実施形態では、対象認識システムは、無線アクセスポイント1と対象管理サーバ2とを備えているが、他の実施形態として、対象認識システム全体を1つの装置(対象認識装置)とすることも可能である。さらに、(入場券取得のために)登録したユーザに割り当てられたユーザIDを蓄積するID蓄積部201を、ネットワーク内のサーバに設置し、本対象認識システム又は対象認識装置がこのサーバにアクセスしてユーザIDを照会する実施形態も可能である。
【0069】
また、対象認識システムにおける通信対象は、端末5のような移動端末に限定されるものではなく、識別情報(例えば製品ID)を付与可能な電子タグであってもよい。この場合、発信・受信部100は、電磁波ビームを受信した電子タグによって発信される、製品IDといった識別情報を含む応答波を受信することになる。また、認識対象は、電子タグ(通信対象)を付された製品とすることができる。または、電子タグ(通信対象)そのものを認識対象としてもよい。
【0070】
[通知情報]
図2は、本発明の対象認識システムにおいて、通信対象に向けて通知情報を含む電磁波ビームを発信する実施形態を説明するための概略図である。
【0071】
図2によれば、無線アクセスポイント1は、最初に、問合せ情報を含む電磁波ビームを、照射領域(ビームスポット)を移動させるように発信する。次いで、電磁波ビームを受信した端末5によって発信される入場券情報(識別情報)を含む応答波を受信する。
【0072】
この際、無線アクセスポイント1は、受信された応答波の発信を引き起こした電磁波ビームの発信時点から、当該電磁波ビームの照射領域(ビームスポット)の(入場エリア内での)位置を決定することができる。さらに、端末5がこの照射位置の電磁波ビームを受信したことからして、この照射領域を、応答波を発信した端末5の位置として特定することができる。電磁波ビームの照射領域は、例えば直径0.5〜5mのビームスポットとすることが可能であり、この直径程度の位置精度をもって、端末5(を所持する入場者)の位置を特定することができる。
【0073】
次いで、無線アクセスポイント1は、位置を特定した端末5に向けて、特定した当該位置を照射するタイミングで、端末5の有する入場券情報(識別情報)に予め対応付けられた通知情報を含む電磁波ビームを発信させる。この際、その照射領域(ビームスポット)位置で端末5からの応答波を受け、その位置でさらに、通知情報を含む電磁波ビームを端末5に向けて発信することができる。即ち、電磁波ビームは、ミリ波帯等の電磁波を使用しており、例えばGbpsオーダの伝送速度が実現可能である。従って、無線アクセスポイント1は、入場エリア内にある多数の端末5とスポット単位で高速に交信することができ、入場可否を認証した上で、認証結果を通知情報として瞬時に通知することができる。
【0074】
これは、言い換えると、このような電磁波ビームによって、1つのビームスポットに対し、1ミリ秒(ms)のオーダ又はそれ未満の時間しかかからない走査が可能であることになる。この時間は、歩行速度からして人物が移動したとはほとんど認識されない時間である。そのため、位置を特定された端末5が、概ね同位置で通知情報を受信することができる。
【0075】
尚、変更態様として、電磁波ビームが端末5に向けて発信された後、入場エリアを走査して次に、又はそれ以降に、再び端末5の位置に向けて発信されるタイミングで、通知情報を含む電磁波ビームを端末5に向けて発信してもよい。
【0076】
同じく図2によれば、端末5によって受信された通知情報は、端末5のディスプレイ等の表示部に、入場に係る情報として表示される。この入場に係る情報としては、例えば、入場許可の通知、入場後のルート案内、空いている入場ゲートへの案内、場内展示物等に関する資料、入場券の種類(クラス)の変更要領、関連する他の催事の案内等が挙げられる。ここで、電磁波ビームは、ミリ波帯等の電磁波を使用しており、例えばGbpsオーダの伝送速度を実現する。その結果、端末5が電磁波ビームに照射される短時間においても、展示物等に関する説明動画といった大容量の又はリッチなコンテンツの伝送(配布)が可能となる。
【0077】
また、端末5から取得される入場識別子としての入場券情報(識別情報)が複数の種別、例えば観覧席のクラス(グレード)等、を有している場合、入場券情報の種別に予め対応付けられた通知情報を含む電磁波ビームを発信させることも好ましい。例えば、入場券情報の種別(クラス)に応じて、入場後の異なるルートを案内する情報を端末5に送信し、表示させることができる。
【0078】
さらに、入場者が、端末5に内蔵する形で又は自ら所持する形で、互いに異なる複数種の電子タグ・チケットを有する場合でも、本対象認識システムは、端末5又はこれらの電子タグ・チケットから発信される応答波を解析し、入場対象となる電子タグ・チケットの識別情報のみを選別して認証を行い、対応する通知情報をこの端末5に送信することも可能となる。
【0079】
また、通知情報は、端末5に内蔵されたスピーカから発生させる入場に係る音(例えば音声によるガイダンス)とすることもできる。また、通知情報として、端末5に搭載されたバイブレータを駆動させたり、所定の発光部を発光させたりすることも可能である。
【0080】
さらに、通知情報は、応答波を発信したが当該応答波に入場券情報(識別情報)を含まない端末5に対し、入場の認証不可との結果を受けて、入場券情報を有していないことへの警告、又は入場券(情報)取得、(入場券購入)窓口への問い合わせ若しくは退去の勧告を表示させることによって提供されてもよい。または、警告若しくは勧告のための音を発生させることによって提供されてもよい。さらに、変更態様として、本対象認識システムは、入場券情報を有さない入場希望者が入場エリアにおいて入場券(情報)を購入することができるように、端末5からの購入要求を応答波として受け付け、発行した入場券情報を含む電磁波ビームを、端末5に向けて送信することも好ましい。
【0081】
[端末5の位置に基づく通過制御]
図3は、本発明の対象認識システムにおいて、通信対象の刻々の位置に基づき、通過制御装置を制御する実施形態を説明するための概略図である。
【0082】
図3によれば、最初に、電磁波ビームは、所定の入場エリア(走査領域)内で繰り返し走査させられる。ここで、刻々と移動する電磁波ビームが端末5(を所持する入場者)を照射する度に、端末5から入場券情報(識別情報)を含む応答波を受信する。
【0083】
次いで、本対象認識システムは、所定(正規)の入場券情報(識別情報)を有する端末5から応答波を受信する毎に特定されるこの端末5の刻々の位置に基づいて、この端末5が所定の位置に接近した又は到達したか否かを判断する。本実施形態においては、この所定の位置は、通過制御装置であるゲート42の設置位置となっている。また、入場者は入場エリア内を徒歩で移動し、入場するべくこのゲート42に向かっている。
【0084】
ここで、端末5の位置特定を担うビームスポット(照射領域)同士は、重畳せずに離隔していてもよいが、互いに重畳部分を有することも好ましい。このようにビームスポット同士が互いに重畳している場合、端末5の位置によっては、それぞれのビームスポット位置に対応する電磁波ビームの各々に、端末5が応答する。その結果、端末5の位置特定の精度が向上する。例えば、ビームスポットが互いにスポット半径程度重畳している場合、この位置特定精度は、スポット半径のオーダにまで高まる。さらに、ビームスポットをより密に重畳させることにより、より高い位置特定精度を得ることも可能となる。このように、端末5の位置特定精度を高める方法として、ビームスポット径を小さくすることの他に、ビームスポット同士を重畳させることも有効である。特に、ビームスポット径を小さくできない物理的条件(無線アクセスポイント1を設置すべき天井が高い位置にある、アンテナ形状によって電磁波を絞ることに限界がある等)が存在する場合、ビームスポット同士を重畳させる方法が好適となる。
【0085】
尚、端末5が所定の位置に接近した又は到達したか否かを判断する際の「接近した」とは、例えば、端末5と所定の位置(通過制御装置)との距離が、上記の位置特定精度の値、又はその定数倍になった状況と定義されてもよい。
【0086】
ここで、端末5(を所持する入場者)がゲート42の設置位置に接近した又は到達したと判断した際、対象制御部214は、ゲート42に対し、この端末5を所持する入場者を通過させるように指示する。具体的には、例えば、ゲート42の構成する通路の門(又は遮断器)が開いている場合はそのままとし、この門(又は遮断器)が閉じている場合には開かせるように指示する。
【0087】
尚、応答波を発信しはするが当該応答波に所定(正規)の入場券情報(識別情報)を含まない端末5に対しても、以上に説明した方法と同様にして、この端末5の刻々の位置を把握することができる。この場合、この端末5(を所持する人物)がゲート42の設置位置に接近した又は到達したと判断した際、対象制御部214は、ゲート42に対し、この端末5を所持する人物を通過させないように指示する。具体的には、例えば、ゲート42の構成する通路の門(又は遮断器)が閉じている場合はそのままとし、この門(又は遮断器)が開いている場合には閉じるように指示する。
【0088】
このように、ゲート42は、対象制御部214からの動作指示に従って開閉動作を実施するのみであり、対象管理サーバ2から例えば入場ID等の情報を取得して認証を実施する必要がない。また、入場者の接近を待って、入場者との間で入場券情報のやり取りをする必要もない。その結果、ゲート42での動作処理時間は短くて済み、正当な入場者は、例えば通常の歩行速度でスムーズにゲート42を通過することができる。
【0089】
[注意情報]
図4は、本発明の対象認識システムにおいて、撮影部30を利用して、応答波を発信しない認識対象を特定する実施形態を説明するための概略図である。
【0090】
図4によれば、無線アクセスポイント1から発信された電磁波ビームが入場エリア内を走査している。また、カメラ等である撮影部30が、少なくとも1つの端末(通信対象)5が存在する領域(本実施形態では入場エリアを含む領域)を撮影している。これにより、例えば電磁波ビームが入場エリア内を一通り走査する毎に、
(a)電磁波ビームに対する応答波に基づいて、位置を特定した端末(通信対象)5の位置情報と、
(b)撮影部30によって生成された端末(通信対象)5を所持する人物(認識対象)を含む画像の情報と
が取得される。
【0091】
対象特定部210は、上記の通信対象位置情報(a)と画像情報(b)とに基づいて、応答波を発信しない入場者(認識対象)を特定する。具体的には、画像情報(b)に含まれている人物画像のうちで、通信対象位置情報(a)における対応する位置に(応答波を発信した)端末が検出されていない人物画像を、応答波を発信しない入場者(認識対象)として特定する。ここで、通信対象位置情報(a)の位置座標と、画像情報(b)の位置座標との間には、予め一対一の対応関係が設定されている。また、人物画像の認識は、例えば、特開2011−248525号公報に開示されているような従来の人認識技術を利用して実施可能である。
【0092】
次いで、注意情報提供部213は、応答波を発信しない人物(認識対象)における、画像情報(b)から特定された位置に向けて、応答波を発信しないことに対応した注意情報を提供させる。例えば、この注意情報として、入場券情報(識別情報)を有する端末を所持しているとされない人物(応答波を発信しない人物、及び入場券情報(識別情報)を含まない応答波を発信する人物)に、投光器41を用いてスポット光を当てることが挙げられる。
【0093】
さらに、通報部215は、入場券情報(識別情報)を有する端末を所持しているとされない人物の位置情報を、場内警備主体である警備員に通知させる。この際、例えば、無線ネットワークを介して警備員の所持する移動端末に当該人物の位置情報を表示し、当該移動端末において警報を鳴らすことが可能である。
【0094】
[撮影画像を利用した通過制御]
図5は、本発明の対象認識システムにおいて、撮影部30を利用して、応答波を発信しない通信対象の刻々の位置を把握し、通過制御装置を制御する実施形態を説明するための概略図である。
【0095】
図5によれば、対象特定部210は、例えば電磁波ビームが入場エリア内を一通り走査する毎に、刻々と取得される上記の通信対象位置情報(a)と画像情報(b)とに基づいて、応答波を発信しない人物(認識対象)の刻々の位置を特定する。具体的には、刻々に得られる画像情報(b)に含まれている人物画像のうちで、対応する時刻における通信対象位置情報(a)における対応する位置に(応答波を発信した)端末が検出されていない人物画像を、応答波を発信しない人物(認識対象)として認識し、その刻々の位置を特定する。
【0096】
次いで、対象制御部214は、応答波を発信しない人物(認識対象)における、特定された刻々の位置に基づいて、当該人物が所定の位置に接近した又は到達したか否かを判断する。本実施形態においては、この所定の位置は、通過制御装置であるゲート42の設置位置となっている。また、入場券情報を有する入場者とともに、入場券情報を取得していない不正な入場者も、入場エリア内を徒歩で移動してこのゲート42に向かっている。
【0097】
ここで、応答波を発信しない人物(認識対象)がゲート42の設置位置に接近した又は到達したと判断した際、対象制御部214は、ゲート42に対し、当該人物を通過させないように指示する。具体的には、例えば、ゲート42の構成する通路の門(又は遮断器)が閉じている場合はそのままとし、この門(又は遮断器)が開いている場合には閉じるように指示する。
【0098】
尚、応答波を発信しはするが当該応答波に所定(正規)の入場券情報(識別情報)を含まない端末5(を所持する人物)に対しても、図3を用いて説明したようにゲート42を通過させないように制御することができる。これにより、入場券情報(識別情報)を有する端末を所持しているとされない人物、即ち、
(a)所定(正規)の応答波を発信しない人物(所定のアプリケーションを起動させていない端末の所持者を含む)、及び
(b)入場券情報(識別情報)を含まない応答波を発信する人物
に対し、不正な入場をさせないように対処することが可能となるのである。
【0099】
[自動車5’の認識システム]
図6は、本発明の対象認識技術における、他の用途に係る実施形態を示す概略図である。
【0100】
図6によれば、本対象認識システムにおける認識対象は、料金所エリアで通行料金精算の順番を待つ多数の自動車5’であり、通信対象は、自動車5’に付された、通行券情報(発券地点・時刻情報等)を有する電子タグ50’である。本実施形態においても、対象認識システムは、
(a)電子タグ50’に対する問合せ情報を含む電磁波ビームを、電磁波ビームによる照射領域(ビームスポット)を移動させるように発信し、
(b)電磁波ビームを受信した無線タグ50’によって発信される、通行券情報(識別情報)を含む応答波を受信し、
(c)受信された応答波の発信を引き起こした電磁波ビームの発信時点情報又は照射領域の位置情報に基づいて、応答波を発信した無線タグ50’(自動車5’)の位置を特定し、
(d)受信された応答波から取得された通行券情報毎に、当該通行券情報を有する電子タグ50’(自動車5’)の特定された位置を対応付けて記憶する。
【0101】
また、本実施形態においても、さらに、蓄積された電子タグ50’
(自動車5’)の位置情報に基づいて、電子タグ50’又は自動車5’に対し種々の通知情報(料金精算情報等)又は注意情報(有人の料金所ゲート42′に誘導する情報等)を提供することができる。また、通行券情報を有する電子タグ50’を付された自動車5’を通過させるように料金所ゲート42′に指示することもできる。さらには、撮影部30を利用して、通行券情報(識別情報)を有するとされない自動車5’の位置を特定し、当該自動車5’を通過させないように料金所ゲートに指示することも可能である。
【0102】
このように、本発明の対象認識技術は、人物の入退場だけではなく、自動車等の交通手段の管理・制御にも適用可能である。さらに、電子タグを貼付された物品の仕分け作業又は流通管理にも適用され得る。また、所定の識別情報(例えばユーザID)を有する電子タグ又は端末を所持している人物が多数集合している状況において、ごく短時間で、例えば集合写真を撮る間に、これらの人物の識別情報を取得し、特定することにも応用され得る。特に、本発明の対象認識技術は、多数の認識対象が二次元的に分布している状況、さらには分布しつつ移動している状況において、個々の認識対象を短時間で認識し、管理・制御することに好適である。
【0103】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、照射領域の制御された高い伝送速度を有する電磁波ビームを用いて通信対象との通信を実施する。その結果、識別情報を有する通信対象の所定位置への接近を待つことなく、短時間で、通信対象又は通信対象を所持する若しくは付された認識対象を認識することができるのである。
【0104】
以上に述べた本発明の種々の実施形態において、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0105】
1 無線アクセスポイント
100 発信・受信部
101 通信インタフェース
102 機器インタフェース
110 発信・受信制御部
111 機器制御部
2 対象管理サーバ
200 通信インタフェース
201 ID蓄積部
202 提供情報蓄積部
210 対象特定部
211 対象位置管理部
212 通知情報制御部
213 注意情報提供部
214 対象制御部
215 通報部
30 撮影部
40 スピーカ
41 投光器
42 ゲート(通過制御装置)
42’ 料金所ゲート(通過制御装置)
5 端末
5’ 自動車
50、50’ 電子タグ
6 アクセスネットワーク
7 インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6