(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、例示的一実施形態に従って形成されたバッテリコネクタシステム100を示す。バッテリコネクタシステム100は、1個以上のバッテリモジュール102、各バッテリモジュール102に結合されたトレイアセンブリ104、及び各トレイアセンブリ104に電気的に結合された電気コネクタ106を含む。電気コネクタ106はケーブルマウントタイプのコネクタであり、以下、ワイヤハーネスコネクタ106と呼ぶこともある。
【0027】
バッテリコネクタシステム100は、電源コネクタ110(
図1に概略的に表す)に接続されるように構成された少なくとも1個の外部バッテリ接続部108を含む。電源コネクタ110は、バッテリコネクタシステム100内の別のバッテリモジュール又は別の電源、又はコンポーネントに結合されてもよい。
【0028】
電気コネクタ106は、バッテリコネクタシステム100のコンポーネントの動作を監視や制御するバッテリ管理システム112(
図1に概略的に表す)に接続される。電気コネクタ106は、1本以上のワイヤを有する1本以上のケーブルによってバッテリ管理システム112に接続されてもよい。例示的一実施形態では、バッテリ管理システム112は集中型システムであり、かかる中心位置から個々のバッテリモジュール102を管理する。
【0029】
バッテリコネクタシステム100は、バッテリを用いる任意の用途において使用してよい。例示的一実施形態では、バッテリコネクタシステム100は、電気自動車又はハイブリッド自動車等の車両において使用される。
【0030】
図2は、トレイアセンブリ104に結合された他の電気コネクタ116を備えるバッテリコネクタシステム100を示す。図示の実施形態では、電気コネクタ116は、ワイヤハーネスコネクタ106(
図1に示す)ではなく回路基板コネクタである。電気コネクタ116は、以下で回路基板コネクタ116と呼ぶこともある。電気コネクタ116は、バッテリ管理システム112によって実行される監視機能及び制御機能を有することとは対照的に、電気コネクタ116に内蔵された監視部材や制御部材を有することによって分散型制御を可能にする。例示的一実施形態では、電気コネクタ116は、電気コネクタ116に内蔵された監視機能や制御機能を可能にする一方で、バッテリコネクタシステム100の全体的な健全性監視及や制御のためにバッテリ管理システム112に接続されてもよい。例えば、ケーブル実装プラグ(図示せず)が、電気コネクタ116の外部コネクタ118、及びバッテリ管理システム112に配線されたケーブルに結合されてもよい。
【0031】
例示的一実施形態では、回路基板コネクタ116及びワイヤハーネスコネクタ106の両方が、同一のトレイアセンブリ104に結合されてもよい。トレイアセンブリブリ104は、異なる種類の電気コネクタ(例えば、回路基板コネクタ116、ワイヤハーネスコネクタ106、又はその他の種類の電気コネクタ)を選択的にトレイアセンブリ104に結合することを可能にする。トレイアセンブリ104によって、回路基板116による分散型制御を用いるシステムとワイヤハーネスコネクタ106による集中型制御を用いるシステムとの間で互換性が付与される。ワイヤハーネスコネクタ106を使用しているか回路基板コネクタ116を使用しているかに係わらず、バッテリモジュール102に同一のコンポーネントを用いることができる。トレイアセンブリ104を利用してワイヤハーネスコネクタ106と回路基板コネクタ116の両方と接続することによって、バッテリコネクタシステム100のツーリングコストが減少する可能性がある。
【0032】
バッテリコネクタシステム100は、バッテリモジュール102のバッテリ健全性を測定してもよい。バッテリコネクタシステム100は、バッテリモジュール102のバッテリ状態を測定してもよい。バッテリコネクタシステム100は、バッテリモジュール102の過電圧や低電圧状態を監視してもよい。バッテリコネクタシステム100は、バッテリモジュール102の温度を監視してもよい。バッテリコネクタシステム100は、バッテリモジュール102に対して平衡機能を行ってもよい。バッテリコネクタシステム100は、バッテリモジュール102の充電機能を管理してもよい。このような監視機能や制御機能は、バッテリ管理システム112や回路基板コネクタ116によって行われてもよい。
【0033】
図3は、バッテリモジュール102へ取り付けることができる状態のトレイアセンブリ104を示すバッテリコネクタシステム100の分解図である。バッテリモジュール102は、容器122内に収納された複数のバッテリセル120を含む。バッテリセル120は、任意の種類のバッテリセルである。例えば、バッテリセル120は、パウチバッテリセル又は角柱形バッテリセルである。他の実施形態では、その他の種類のバッテリセルが使用されてもよい。任意で、バッテリセル120は積層構成に配置された幅狭プレートでもよい。
【0034】
バッテリモジュール102にはバッテリセル120がいくつ設けられてもよい。バッテリセル120は上部124を有する。各バッテリセル120は2つのセルタブ126を含む。セルタブ126は、バッテリセル120の上部124から延出している。一方のセルタブは正極タブとし、他方のセルタブ126は負極セルタブとする。任意で、バッテリセル120は、隣接するバッテリセル120の正極セルタブが互いに隣接や互いに係合するように、且つ隣接するバッテリセルの負極セルタブが互いに隣接や互いに係合するように配置されてもよい。例示的一実施形態では、全てのバッテリセルの正極タブ及び負極タブを前後に反転させ、1個の正極セルタブがその隣接する負極セルタブと整列するようにしている。バッテリセルは直列回路として構成されている。2つのセルタブ126群の間には間隙128が設けられている。第1のセルタブ126群は、間隙128とバッテリモジュール102の第1の側面130との間に設けられている。第2のセルタブ126群は、間隙128とバッテリモジュール102の第2の側面132との間に設けられている。
【0035】
図示の実施形態では、セルタブ126は、上部124から延出している薄い矩形のタブである。セルタブ126は、他の実施形態では他の形状でもよい。セルタブ126は平面状だが、セルタブ126は他の実施形態では非平面状でもよい。
【0036】
トレイアセンブリ104は、バッテリモジュール102の上部に取り付けられるように構成されている。トレイアセンブリ104は、セルタブ126の上方に取り付けられるように構成されている。セルタブ126は、トレイアセンブリ104を貫通して、トレイアセンブリ104のコンポーネントに電気的に接続されるように構成されている。
【0037】
トレイアセンブリ104はトレイ134と、トレイ134によって保持された複数のバスバー135,136とを含む。バスバー135は外部バッテリ接続部108(
図1に示す)としてのポストを有するポストバスバーを表すのに対し、バスバー136はポストバスバー間に配置された中間バスバーを表している。
【0038】
トレイ134は、ワイヤハーネスコネクタ106(
図1に示す)又は回路基板コネクタ116(
図2に示す)と嵌合するように構成されたトレイコネクタ138を含む。バスバー135,136の一部は、ワイヤハーネスコネクタ106又は回路基板コネクタ116に直接的に電気的に接続するようにトレイコネクタ138内に位置するように構成されている。バスバー135,136の一部は、トレイコネクタ138の外部に配置され、対応するセルタブ126に電気的に接続されるように構成される。例えばバスバー135,136は、セルタブ126に溶接又は接合されてもよい。バスバー135,136は、バッテリセル120とワイヤハーネスコネクタ106又は回路基板コネクタ116との間に直接的な電気路を形成する。
【0039】
図4は、バッテリモジュール102(
図3に示す)の温度を監視するために使用されるサーミスタアセンブリ140を示す。サーミスタアセンブリ140は、1個以上のバッテリセル120(
図3に示す)と係合して当該バッテリセル120の温度を監視するように構成されたサーミスタセンサ142を含む。サーミスタセンサ142は複数のバッテリセル120の上部124に跨設されてもよい。或いは、サーミスタセンサ142は、2個の隣接するバッテリセル120間に延設されてもよい。サーミスタセンサ142は、対応するバッテリセル120に沿って容易に設置することができるように薄く可撓性のあるものでもよい。
【0040】
サーミスタアセンブリ140は、サーミスタセンサ142に電気的に接続されたサーミスタコンタクト144を含む。サーミスタコンタクト144は、ワイヤハーネスコネクタ106(
図1に示す)又は回路基板コネクタ116(
図2に示す)がトレイアセンブリ104に嵌合されたときワイヤハーネスコネクタ106又は回路基板コネクタ116に電気的に接続するためにトレイアセンブリ104に結合されるように構成されている。サーミスタコンタクト144は、任意の種類でもよく、電気コネクタ106,116と電気的に接続するように構成された任意の形状でもよい。
【0041】
例示的一実施形態では、サーミスタコンタクト144は、サーミスタコンタクト144とサーミスタセンサ142の間に延在するワイヤ146によってサーミスタセンサ142に接続される。或いは、サーミスタコンタクト144は、直接的に電気的に接続する等、その他の手段によってサーミスタセンサ142に結合されてもよい。任意で、サーミスタコンタクト144は、サーミスタセンサ142と一体的なものでもよい。サーミスタコンタクト144は、サーミスタセンサ142に対して幾つ接続されてもよい。サーミスタアセンブリ140は、サーミスタセンサ142を幾つ含んでもよい。
【0042】
図5は、トレイアセンブリ104(
図3に示す)のトレイ134を上方から見た斜視図である。トレイ134は、トレイ134の第1の側面152と第2の側面154との間に延在する基部150を含む。基部150は、プラスチック材料等の誘電材料から製造される。基部150は、トレイ134の第1及び第2の縁156,158間に延在している。図示の実施形態では、基部150は略矩形状であるが、他の実施形態では他の形状を有してもよい。第1及び第2の側面152,154は互いに略平行に延在しているが、他の実施形態では非平行でもよい。第1及び第2の縁156,158は互いに平行に延在しているが、他の実施形態では非平行でもよい。
【0043】
基部150は、第1及び第2の縁156,158に平行な長手軸160に沿って延在している。例示的一実施形態では、トレイコネクタ138は、長手軸160に沿って第1の側面152と第2の154との間の略中心に位置している。任意で、トレイコネクタ138は、第1の縁156と第2の縁158との間で基部150を完全に横断するように延在していてもよい。トレイコネクタ138は、他の実施形態では基部150の他の部分に沿って配置されていてもよい。
【0044】
例示的一実施形態では、複数のチャネル162が基部150を貫通している。チャネル162は長手軸160の方向に細長い。チャネル162は基部150を完全に貫通している。チャネル162は、トレイ134がバッテリモジュール102に取り付けられた時にセルタブ126(
図3に示す)を受容するように構成されている。任意で、チャネル162はバスバー135,136(
図3に示す)の一部を受容してもよい。例示的一実施形態では、チャネル162は、トレイコネクタ138と第1の側面152との間及びトレイコネクタ138と第2の側面154の間等、トレイコネクタ138の両側に設けられている。チャネル162は、セルタブ126やバスバー135,136を受容するような大きさ及び形状に設定されている。
【0045】
トレイ134は、第2の側面154に近接する取付プラットフォーム164を有する。任意で、トレイ134は、第2の側面154側の取付プラットフォーム164に加えて、又は第2の側面154側の取付プラットフォーム164の代わりに、第1の側面152に近接する取付プラットフォーム164を含んでもよい。取付プラットフォーム164は略平面状である。取付プラットフォーム164に沿って1個以上のシュラウド壁166が延在している。例示的一実施形態では、隣接する取付プラットフォーム164間に1個以上のシュラウド壁166が設けられる。図示の実施形態では、取付プラットフォーム164とチャネル162の間にシュラウド壁166が設けられている。
【0046】
トレイコネクタ138は、基部150から上方に延出するシュラウド壁168を含む。シュラウド壁168は複数の室170を画定する。室170はワイヤハーネスコネクタ106又は回路基板コネクタ116を受容するように構成された開口上部172を有する。シュラウド壁168は、外側シュラウド壁174と内側シュラウド壁176の両方を含む。内側シュラウド壁176は外側シュラウド壁174間に延在する。例示的一実施形態では、各室170は、少なくとも1枚の外側シュラウド壁174及び少なくとも1枚の内側シュラウド壁176によって画定される。
【0047】
例示的一実施形態では、室170は断面が矩形であるが、他の実施形態では室170は異なる形状でもよい。シュラウド壁168は、上部172が先細りして室170への引込部となるようにしてもよい。例示的一実施形態では、室170は複数の列に並べられている。図示の実施形態では、室170は、第1及び第2の側面152,154に平行に延びる2列に並べられている。
【0048】
外側シュラウド壁174は、外側シュラウド壁174を貫通するスロット178を含む。例示的一実施形態では、各室170は、各室170に対して開口した対応するスロット178を有する。スロット178は、第1の側面152及び第2の側面154に対向する外部シュラウド壁174に設けられている。スロット178は、バスバー135,136(
図3に示す)を受容するように構成され、バスバー135,136がトレイコネクタ138の内側及びトレイコネクタ138の外側の両方に配置されることができるようにする。任意で、スロット178は、対応するチャネル162と整列し、且つ対応するチャネル162に対して開口していてもよい。バスバー135,136は、スロット178を通ってチャネル162から対応する室170内に延出してもよい。
【0049】
図6は、中間バスバー136を側方から見た斜視図である。バスバー136は、第1の端部202と第2の端部204との間に延在する本体200を含む。バスバー136は、第1の側面206及び第2の側面208を有する。任意で、第1及び第2の側面206,208は略平面状でもよい。第1及び第2の側面206,208は互いに略平行でもよい。任意で、バスバー136は、打ち抜き工程と曲げ工程によって形成されてもよい。バスバー136は本体200によって画定されるピン210を含む。図示の実施形態では、ピン210は第1の端部202に設けられる。他の実施形態では、ピン210は第1の端部202から離れた位置にあってもよい。バスバー136は、本体200によって画定されたプレート212を含む。任意で、プレート212は第2の端部204に設けられてもよい。開口214によってピン210がプレート212から離間している。
【0050】
ピン210は、幅216及び厚さ218によって画定された矩形の横断面を有する。幅216は厚さ218にほぼ等しくてもよい。任意で、幅216は厚さ218よりも僅かに大きくてもよい。プレート212は、幅220及び厚さ222によって画定される矩形の横断面を有する。任意で、厚さ222は厚さ218とほぼ等しくてもよい。例示的一実施形態では、幅220は厚み222よりも大幅に大きい。
【0051】
ピン210は、トレイコネクタ138(
図5に示す)に受容されるように構成され、ワイヤハーネスコネクタ106又は回路基板コネクタ116(夫々
図1及び
図2に示す)に直接電気的に接続されるように構成されている。プレート212は、セルタブ126(
図3に示す)に直接電気的に接続されるように構成されている。
【0052】
バスバー136は、複数のピン位置決め機能部224を含む。位置決め機能部224は、トレイ134(
図3に示す)に対してバスバー136を位置決めするように構成されている。図示の実施形態では、ピン位置決め機能部224の一つがプレート212を貫く開口である。バスバー136は1個以上のプレート位置決め機能部226を含む。位置決め機能部224,226を使用してトレイ134に対するバスバー136の垂直姿勢や水平姿勢を保持するようにしてもよい。
【0053】
例示的一実施形態では、バスバー136は、ピン210に近接する頸状部228を含む。頸状部228はピン210よりも薄い。頸状部228により、バスバー136は、頸状部228の領域において、バスバー136の他の部分よりも高い可撓性を有することができる。頸状部228により、例えばワイヤハーネスコネクタ106又は回路基板コネクタ116と嵌合するようにピン210を位置決めするため、ピン210が横方向に動くことができるようになる。
【0054】
図7は、ポストバスバー135を側方から見た斜視図である。バスバー135は、バッテリコネクタシステム100の外部バッテリ接続部108(
図1に示す)となる。バスバー135は、第1の端部242と第2の端部244との間に延在する本体240を含む。
【0055】
任意で、本体240は、2個以上の部品によって画定されてもよい。例えば、本体240は、ポストセクション246及びピンセクション248によって画定されてもよい。ポストセクション246は第2の端部244に設けられている。ピンセクション248は第1の端部242に設けられている。ポストセクション246は外部バッテリ接続部108となる。ピンセクション248は、バスバー135のワイヤハーネスコネクタ106(
図1に示す)又は回路基板コネクタ116(
図2に示す)との嵌合部となる。
【0056】
ピンセクション248は、例えばピンセクション248をポストセクション246に溶接するなどして、ポストセクション246に結合してもよい。他の実施形態では、他の手段によって、例えばピンセクション248をポストセクション246にリベット締め又は加締めをするなどして、ピンセクション248をポストセクション246に接続してもよい。
【0057】
ピンセクション248は、ピン250及びプレート252を含む。ピン250とプレート252との間には開口254が設けられている。ピンセクション248はバスバー136(
図6に示す)と類似のものでもよい。ピンセクション248は、トレイ134(
図3に示す)に対してバスバー135を位置決めするために使用されるピン位置決め機能部256を含む。図示の実施形態では、ピン位置決め機能部256は、プレート252から延出する一対のタブを含み、この一対のタブ間には間隙が設けられている。この間隙は、シュラウド壁168(
図5に示す)を受容してトレイ134に対してバスバー135を位置決めするように構成されている。
【0058】
ポストセクション246は、アーム260と、アーム260から延出する取付基部262とを含む。アーム260は、プレート264及びプレート264と取付基部262の間に延在する接続壁266によって画定された少なくとも2つのセクションを有する。任意で、プレート264は接続壁266に対して略垂直でもよい。取付基部262は接続壁266に対して略垂直でもよい。任意で、取付基部262、プレート264、及び接続壁266は、取付基部262と接続壁266の間で曲げられ、且つプレート264と接続壁266との間で曲げられた1個のワークピースから打ち抜き工程と曲げ工程によって形成されてもよい。他の実施形態では、アーム260は、他の屈曲部又は他の部分を有してもよい。ピンセクション248は、取付基部262とは反対側のアーム260の先端に結合されている。取付基部262は、取付プラットフォーム164(
図5に示す)に取り付けられるように構成されている。任意で、取付プラットフォーム262は略水平に延在してもよい。
【0059】
取付基部262は、取付基部262から上方に延出するポスト268を含む。ポスト268は、バッテリコネクタシステム100の外部バッテリ接続部108となる。ポスト268は、本体240に電気的に接続され、ポスト268とピン250の間に電気路を形成する。取付基部262は、取付基部262から延出した取付タブ270を含む。取付タブ270は、取付基部262を取付プラットフォーム164に固定するために使用される。
【0060】
プレート266は、本体240をセルタブ126(
図3に示す)の一つに溶接又は電気的に接続するための表面となる。プレート266は、トレイ134に対してバスバー135を位置決めするためのプレート位置決め機能部272を有する。図示の実施形態では、プレート位置決め機能部272は、プレート266を貫通する開口である。他の実施形態では、その他の種類の位置決め機能部が使用されてもよい。
【0061】
図8は、トレイ134に結合された中間バスバー136を示すトレイアセンブリ104の一部の平面図である。バスバー136は、対応するチャネル162に受容される。バスバー136は、ピン210が対応する室170に位置するように、シュラウド壁168に挿通される。ピン位置決め機能部224は、シュラウド壁168と係合し、室170内にピン210を位置決めする。図示の実施形態では、ピン位置決め機能部224は一対のタブ280を含む。タブ280は、タブ280間にシュラウド壁168を捕捉する。
【0062】
バスバー136は、バスバー136の一部が室170内に位置し、バスバー136の一部がトレイコネクタ138の外側に位置するように、対応するスロット178に挿通される。トレイコネクタ138の外側に位置するバスバー136の一部は、セルタブ126(
図3に示す)に電気的に接続されるように構成されている。
【0063】
頸状部228はピン210に隣接している。頸状部228はピン210よりも薄い。ピン210は、頸状部228によって頸状部228の領域においてより高い可撓性を有し、室170内で曲がったり動いたりすることが可能になる。例えば、ピン210を横方向、例えば矢印Aの方向に動かし、ワイヤハーネスコネクタ106(
図1に示す)又は回路基板コネクタ116(
図1に示す)と嵌合するためにピン210を配置するようにしてもよい。
【0064】
図9は、トレイアセンブリ104の一部を示す部分の断面図である。
図9は、トレイ134に結合されたバスバー135,136を示す。バスバー135,136の一部は、シュラウド壁168の対応するスロット178に挿通する。トレイ134は、プレート位置決め機能部226,272と相互作用してバスバー135,136を夫々トレイ134内に固定する固定機能部282を含む。固定機能部282は、図示の実施形態では、プレートラッチ固定機能部226,272となる開口内に延出するラッチ又はタブを構成している。固定機能部282は、例えば矢印Bの方向への、トレイ134に対するバスバー135,136の動きに抵抗する。例示的一実施形態では、トレイのチャネル162とバスバー136又は135との間には間隙283が設けられ、バスバー135又は136が水平方向に動けるようになり、その結果、バスバー135又は136の位置が水平方向に調整可能である。
【0065】
図10は、バッテリモジュール102に結合されたトレイアセンブリ104を示すバッテリコネクタシステム100を示す。任意で、バスバー135,136は、トレイアセンブリ104がバッテリモジュール102に結合される前にトレイ134に結合される。バスバー135,136は、位置決め機能部224,226,256,272(
図6及び
図7に示す)を用いて、トレイ134上にスナップ結合されてもよい。バスバー135,136は、チャネル162内に位置され、例えばトレイ134に対してバスバー135,136の水平姿勢を調整するために、バスバー135,136をトレイ134に対して僅かに動かすことができるようにトレイ134に保持される。トレイアセンブリ104は、セルタブ126が対応するチャネル162に挿通するようにバッテリモジュール102の上部に結合される。バスバー135,136は、対応するセルタブ126に沿って延在し、対応するセルタブ126に係合する。バスバー135,136は、対応するセルタブ126に電気的に接続される。例えば、バスバー135,136は、セルタブ126に溶接されてもよい。任意で、バスバー135,136は、セルタブ126に超音波溶接されてもよい。他の実施形態では、バスバー135,136は、他の手段又は処理によって、例えば、可撓性スプリングビームによる機械的干渉を使用することによって、リベット締め又は加締めによって、又はその他の処理によって、セルタブ126に電気的に接続されてもよい。バスバー135,136がトレイ134によって保持されて予め配置されることによって、セルタブに対するバスバー135,136の振動の影響が減少され、バスバー135,136とセルタブ126の間の接続状態を長持ちさせることができる。
【0066】
トレイアセンブリ104が組み付けられる際、バスバー135,136がトレイ134に結合される。ポストバスバー135は、取付基部262が取り付けプラットフォーム164上に配置されるように第1及び第2の端部156,158に沿って延在する。アーム260は、取付基部262からトレイコネクタ138に向かって延出する。アーム260のプレート264が対応するセルタブ126に沿って延在し、かかるセルタブ126はプレート264に直接電気的に接続される。ピンセクション248は、ピン250が対応する室170に受容されるように、アーム260から前方に延出する。ポスト268は、取付プラットフォーム164の上方で延出し、バッテリモジュール102の外部バッテリ接続部108となる。例示的一実施形態では、一方のポスト268が正極のバッテリ接続部となり、他方のポスト268が負極のバッテリ接続部となる。ポスト268間にはシュラウド壁166が延在する。シュラウド壁166は、ポスト268とセルタブ126との間にも延在する。
【0067】
図11は、ワイヤハーネスコネクタ106(
図1に示す)用の端子300を示す。端子300は、嵌合端部304及び終端接続部306を有する本体302を含む。嵌合端部304は、対応するピン210又は250(夫々
図6及び
図7に示す)と嵌合するように構成されている。終端接続部306は、ワイヤ308に対して終端接続するように構成される。例えば、終端接続部306はワイヤ308に圧着されてもよい。他の実施形態では、終端接続部306は、他の手段又は処理によって、例えば、半田付け、圧接等によって、ワイヤ308に対して終端接続されてもよい。端子300は、ワイヤ308に対して圧着するために終端接続部306にクリンプバレル310を含む。任意で、本体302は2つの部品からなる本体でもよい。
【0068】
端子300は、端壁312,314と、端壁312,314間に延在する側壁316を含む。任意で、端子300は、側壁316の反対側にもう1個の側壁を含んでもよい。端子300は、クリンプバレル310を有する本体の部分からほぼ端壁312,314に沿って延出するビーム318を含む。ビーム316は、ピン210,250と係合するように構成された嵌合面を有する。ビーム318同士は互いに対向し、可撓性を有する。
【0069】
例示的一実施形態では、端子300はビーム318の外側に配置された補強部320を含む。補強部320は、ビーム318と係合し、ビーム318に対して内向きの法線力を与え、ビーム318同士を互いに向かって押進させる。ピン210又は250が端子300と嵌合する際、補強部320は、対応するピン210又は250に対してビーム318を押し付ける。
【0070】
例示的一実施形態では、嵌合端部304は側面が開口し、ビーム318間に開口側面322,324を有する。開口側面322,324により、ピン210又は250が開口側面322や324を通って外側に延出することができる。
【0071】
端子300は、端壁312,314から延出する返し326を含む。返し326を使用して端子300がワイヤハーネスコネクタ106に保持される。返し326は可撓性を有する。他の実施形態では、その他の種類の保持機能部を使用して端子300をワイヤハーネスコネクタ106に保持してもよい。
【0072】
図12は、ワイヤハーネスコネクタ106を上方から見た斜視図である。
図13は、ワイヤハーネスコネクタ106を下方から見た斜視図である。ワイヤハーネスコネクタ106は、トレイコネクタ138(
図10に示す)に結合されるように構成されている。ワイヤハーネスコネクタ106は、嵌合端部332とワイヤ端部334との間に延在するハウジング330を含む。嵌合端部332は、トレイコネクタ138に嵌合されるように構成される。ワイヤ308はワイヤ端部334から延出する。ハウジング330は、嵌合端部332とワイヤ端部334との間にハウジング330を貫通する複数の開口336を有する。開口336は端子300(
図11に示す)を受容する。例示的一実施形態では、端子300がワイヤ端部334を通って開口336に装着される。
【0073】
ハウジング330は複数のタワー338を含む。タワー338同士は空間340によって離間されている。各タワー338は対応する開口336を有する。端子300は対応するタワー338に受容される。タワー338の端部は、傾斜し且つその端部においてタワー338の大きさが減少した引込面342を有する。引込面342は、タワー338をトレイコネクタ138の対応する室170(
図10に示す)内に案内する。空間340は、タワー338が室170に受容されると対応するシュラウド壁168(
図10に示す)を受容するような大きさに設定されて位置決めされている。図示の実施形態では、ワイヤハーネスコネクタ106は2列のタワー338を含む。他の実施形態では、タワー338は何列設けられてもよい。ハウジング330は、ワイヤ端部334に近接するハウジング330から外方に延出した縁344を含む。縁344を使用してワイヤハーネスコネクタ106をバッテリモジュール102に固定する。
【0074】
図1に戻ると、バッテリコネクタシステム100は、バッテリモジュール102及びトレイアセンブリ104に結合されるカバー350を含む。カバー350は、トレイアセンブリ104の上方に延在する。カバー350はワイヤハーネスコネクタ106をトレイアセンブリ104に固定するために使用される取付機能部352を含む。図示の実施形態では、取付機能部352は、ハウジング330上の縁344に係合するラッチを構成している。他の実施形態では、他の種類の他の種類の取付機能部が使用されてもよい。取付機能部352は、トレイアセンブリ104との嵌合時にワイヤハーネスコネクタ106を案内するためのガイド壁又はその他の位置決め機能部を含んでもよい。
【0075】
例示的一実施形態では、カバー350は、各ポスト268周囲に延在するポストシュラウド354を含む。ポストシュラウド352は、ポスト268が不用意に接触することを防止する。電源コネクタ110は、ポスト268に取り付けるためにポストシュラウド354によって画定された領域内に嵌入する。
【0076】
図14は、トレイアセンブリ104に結合されたワイヤハーネスコネクタ106の横断面図である。
図14は、対応するピン210に嵌合した端子300を示す。端子300とピン210の接点により、バスバー136又は135とワイヤハーネスコネクタ106の端子300が直接係合することができる。ビーム318はピン210の両側に係合する。補強部320は、ビーム318をピン210に対して押圧する。端子300は、ひとつのタワー338の開口336内に示されている。タワー338は室170内に装着される。シュラウド壁168は空間340に受容される。タワー338の引込面342は、シュラウド壁168の面取り端部と共に、タワー338が室170に案内されるように補助する。
【0077】
ピン210は、シュラウド壁168から離間し、端子300のための空間を持たせている。開口336は、嵌合端部332において、ピン210を開口336内に案内する案内機能部360を含む。ピン210は、開口336と整列するように僅かに動くことができるようになっている。図示の実施形態では、案内機能部360は、端子300と嵌合するために開口336の中心に向かってピン210を案内する傾斜面である。任意で、ワイヤハーネスコネクタ106とトレイアセンブリ104の接点には防湿シールが設けられてもよい。
【0078】
図15は、回路基板コネクタ116(
図2に示す)用の端子400を示す。端子400は端子300(
図11に示す)と類似していてもよいが、端子400は終端接続部306(
図11に示す)とは異なる終端接続部406を有してもよい。端子400は、ワイヤではなく回路基板に対して終端接続するように構成されている。
【0079】
端子400は、嵌合端部404及び終端接続部406を有する本体402を含む。嵌合端部404は、対応するピン210又は250(夫々
図5及び
図7に示す)と嵌合するように構成される。終端接続部406は、回路基板に対して終端接続するように構成される。例えば、終端接続部406は、回路基板のめっきバイアに受容されるコンプライアント部を有してもよい。図示の実施形態では、終端接続部406は折り畳まれて、回路基板のめっきバイアと確実に電気接触するようにめっきバイアに対して付勢される両側スプリングアームとなる。他の実施形態では、終端接続部は、回路基板に半田付けするための半田テールを有してもよい。他の実施形態では、終端接続部406は、その他の手段又は処理によって回路基板に対して終端接続されてもよい。
【0080】
端子400は、端壁412,414と、端壁412,414間に延在する側壁416を含む。任意で、端子400は、側壁416の反対側に他の側壁を含んでもよい。端子400は、半田テールから延出するビーム418を含む。ビーム418は、端壁412,414と整列する。ビーム418は、ピン210,250に係合するように構成された嵌合接点を有する。ビーム418同士は互いに対向し、可撓性を有する。
【0081】
例示的一実施形態では、端子400は、端壁412,414から延出する補強部420を含む。補強部420はビーム418の外側に配置されている。補強部420は、ビーム418と係合し、対応するピン210,250に対してビーム418を押圧する。例示的一実施形態では、嵌合端部404は側面が開口し、ビーム418間に開口側面422,424を有する。開口側面422,424により、ピン210,250が開口側面422や424を通って外方に延出することができる。
【0082】
端子400は、端壁412,414から延出する返し426を含む。返し426を使用して回路基板コネクタ116に端子400が保持される。返し426は可撓性を有する。他の実施形態では、その他の種類の保持機能部を使用して回路基板コネクタ116に端子400を保持してもよい。
【0083】
図16は、回路基板コネクタ116を上方から見た斜視図である。回路基板コネクタ116は、トレイコネクタ138(
図10に示す)に結合されるように構成される。回路基板コネクタ116は、ワイヤハーネスコネクタ106及びカバー350(両方とも
図1に示す)と交換可能としてもよい。
【0084】
回路基板コネクタ116は、ハウジング430内に受容される回路基板428を含む。ハウジング430は、嵌合端部432と外側端部434との間に延在する。嵌合端部432は、トレイコネクタ138と嵌合するように構成されている。端子400は、回路基板428に結合され、ハウジング430によって保持される。回路基板428は、外側端部434を通ってハウジング430に受容される。任意で、外側端部434に蓋を被せてもよい。
【0085】
ハウジング430は、
図2に示すように、バッテリモジュール102とトレイアセンブリ104に結合されるように構成される。ハウジング430はトレイアセンブリ104の上方に延在する。例示的一実施形態では、ハウジング430は、各ポスト268の周囲に延在するポストシュラウド454を含む。ポストシュラウド454は、ポスト268が不用意に接触することを防止する。電源コネクタ110(
図1に示す)は、ポスト268に取り付けるためにポストシュラウド454によって画定された領域に嵌入するように構成されている。
【0086】
図17は、回路基板428と、回路基板428に取り付けられた端子400とを示す。回路基板428には、バッテリモジュール102(
図2に示す)を監視や制御するために使用される各種の電気部品が結合されてもよい。かかる電気部品は、1個以上の端子400に電気的に接続されてもよい。かかる電気部品や端子400は、回路基板428に取り付けられる外部のコネクタ118に電気的に接続されてもよい。
【0087】
図18は、ハウジング430を上方から見た斜視図である。
図19は、ハウジング430を下方から見た斜視図である。ハウジング430は、嵌合端部432と外側端部434との間にはハウジング430を貫通する複数の開口436を有する。開口436は、回路基板428(
図17に示す)がハウジング430に装着される際に端子400(
図17に示す)を受容する。
【0088】
ハウジング430は複数のタワー438を含む。タワー438同士は空間440によって離間されている。各タワー438は対応する開口436を有する。端子400は対応するタワー438に受容される。タワー438の端部は、傾斜し且つその端部においてタワー438の大きさが減少した引込面442を有する。引込面442は、タワー438をトレイコネクタ138の対応する室170(
図10に示す)内に案内する。空間440は、タワー438は室170に受容されると対応するシュラウド壁168(
図10に示す)を受容するような大きさに設定されて位置決めされている。図示の実施形態では、回路基板コネクタ116は2列のタワー438を含む。他の実施形態では、タワー438は何列設けられてもよい。タワー438の大きさ、形状、及び配置は、タワー338(
図13に示す)の大きさ、形状、及び配置に実質的に類似しており、回路基板コネクタ116とワイヤハーネスコネクタ106の両方がトレイコネクタ138(
図3に示す)に対して交換可能に且つ選択的に結合されるようにしている。
図19は、ハウジング430に結合された蓋444を示す。
【0089】
図20は、トレイアセンブリ104に結合された回路基板コネクタ116の横断面図である。
図20は、対応するピン210と嵌合した端子400の一つを示す。ビーム418はピン210の両側に係合する。補強部420は、ビーム418をピン210に対して押圧する。
【0090】
端子400は、ひとつのタワー438の開口436内に示されている。タワー438は室170内に装着される。シュラウド壁168は空間440に受容される。タワー438の引込面442は、シュラウド壁168の面取り端部と共に、タワー438が室170に案内されるように補助する。開口436は、嵌合端部432において、ピン210を開口436内に案内する案内機能部460を含む。図示の実施形態では、案内機能部460は、端子400と嵌合するために開口436の中心に向かってピン210を案内する傾斜面である。
【0091】
例示的一実施形態では、トレイアセンブリ104が、室170の底面に防湿シール470を含む。シール470は、回路基板コネクタ116とトレイアセンブリ104の接点を封止する。シール470は、ガスケット、フォームインサート、エポキシ充填剤、又はその他の種類のシールでもよい。シール470はピン210の周囲を封止する。タワー438は、シール470への当接やシール470の圧縮を行い、シール470と確実に封止係合する。シール470によって回路基板428及び対応するコンポーネントに防湿性が付与される。