【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の食品製品の提供方法では、一次産品である所定の食品と略同一条件で前記食品とは別体で成長した代替食品であり、若しくは、前記食品と略同一条件で前記食品とは別体で成長した代替食品と一体に成長した代替一体成長物の前記食品に対応する部分とは異なる部分である付属物本体が、同付属物本体の体積と同量以上の体積の水と共に収容されて構成された付属物、若しくは、同付属物の画像を消費者に選択させるために見せると共に、前記食品と略同一条件で前記食品とは別体で成長した代替食品である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品と略同一条件で前記食品とは別体で成長した代替食品である付属物のDNAの画像、或いは、前記食品と略同一条件で前記食品とは別体で成長した代替食品の粉末である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品と略同一条件で前記食品とは別体で成長した代替食品の加工品である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品と略同一条件で前記食品とは別体で成長した代替食品の粉末加工品である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品と略同一条件で前記食品とは別体で成長した代替食品と一体に成長した代替一体成長物の前記食品に対応する部分とは異なる部分である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品と略同一条件で前記食品とは別体で成長した代替食品の次世代の種子である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品と略同一条件で前記食品とは別体で成長した代替食品から得られた種芋である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の生産に関与した水、海水、海底水、アルカリ水、海底水から採取した塩、若しくは、海藻と略同一条件の水、海水、海底水、アルカリ水、海底水から採取した塩、若しくは、海藻の少なくとも1つである付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の生産の後に同食品に関与した燻蒸剤、消毒剤、殺菌剤、抗菌剤、防かび剤、防腐剤、被膜剤、酸化防止剤、除草剤、殺虫剤、漂白殺菌剤、若しくは、薬剤と略同一条件の燻蒸剤、消毒剤、殺菌剤、抗菌剤、防かび剤、防腐剤、被膜剤、酸化防止剤、除草剤、殺虫剤、漂白殺菌剤、若しくは、薬剤の少なくとも1つである付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の生産の後に同食品に関与した食品添加物、若しくは、成長ホルモン剤と略同一条件の食品添加物、若しくは、成長ホルモン剤の少なくとも1つである付属物、若しくは、同付属物の画像、の少なくとも1つ以上を消費者に選択させるために見せる工程と、前記食品を、2つ以上の前記付属物、若しくは、前記付属物の画像の中から消費者によって選択された1つ以上の前記付属物、若しくは、前記付属物の画像に対応する前記付属物の現物のみ、若しくは、前記付属物の画像のみと、前記略同一条件の意味内容に関する情報を含む情報、または、前記略同一条件の意味内容に関する情報を含む情報に通信回線を介してアクセス可能な情報を含む情報である食品情報と、共に送付する工程とを備える。
【0010】
また、上記の目的を達成するために、本発明の食品製品の提供方法では、一次産品である所定の食品と略同一条件で前記食品とは別体で成長した代替食品である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品と略同一条件で前記食品とは別体で成長した代替食品である付属物のDNAの画像、或いは、前記食品と略同一条件で前記食品とは別体で成長した代替食品の粉末である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品と略同一条件で前記食品とは別体で成長した代替食品の加工品である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品と略同一条件で前記食品とは別体で成長した代替食品の粉末加工品である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品と略同一条件で前記食品とは別体で成長した代替食品と一体に成長した代替一体成長物の前記食品に対応する部分とは異なる部分である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品と略同一条件で前記食品とは別体で成長した代替食品の次世代の種子である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品と略同一条件で前記食品とは別体で成長した代替食品から得られた種芋である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品と略同一条件で前記食品とは別体で成長した代替食品であり、若しくは、前記食品と略同一条件で前記食品とは別体で成長した代替食品と一体に成長した代替一体成長物の前記食品に対応する部分とは異なる部分である付属物本体が、同付属物本体の体積と同量以上の体積の水と共に収容されて構成された付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の生産に関与した水、海水、海底水、アルカリ水、海底水から採取した塩、若しくは、海藻と略同一条件の水、海水、海底水、アルカリ水、海底水から採取した塩、若しくは、海藻の少なくとも1つである付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の生産の後に同食品に関与した燻蒸剤、消毒剤、殺菌剤、抗菌剤、防かび剤、防腐剤、被膜剤、酸化防止剤、除草剤、殺虫剤、漂白殺菌剤、若しくは、薬剤と略同一条件の燻蒸剤、消毒剤、殺菌剤、抗菌剤、防かび剤、防腐剤、被膜剤、酸化防止剤、除草剤、殺虫剤、漂白殺菌剤、若しくは、薬剤の少なくとも1つである付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の生産の後に同食品に関与した食品添加物、若しくは、成長ホルモン剤と略同一条件の食品添加物、若しくは、成長ホルモン剤の少なくとも1つである付属物、若しくは、同付属物の画像、の少なくとも2つ以上を消費者に選択させるために見せる工程と、前記食品を、2つ以上の前記付属物、若しくは、前記付属物の画像の中から消費者によって選択された1つ以上の前記付属物、若しくは、前記付属物の画像に対応する前記付属物の現物のみ、若しくは、前記付属物の画像のみと、前記略同一条件の意味内容に関する情報を含む情報、または、前記略同一条件の意味内容に関する情報を含む情報に通信回線を介してアクセス可能な情報を含む情報である食品情報と、共に送付する工程とを備える。
【0011】
ここで、付属物や付属物の画像によって、消費者は提供される食品(一次産品)の成長過程の実体や、食品(一次産品)が消費者に提供されるまでの過程において影響を受けた要因を把握することができる。
【0012】
なお、ここでの「見せる」とは、付属物の実物を見せることは勿論、付属物の静止画や動画を見せる場合も含む趣旨である。例えば、付属物の写真が掲載された広告やカタログを見せる場合や、付属物の写真や動画が掲載されたウェブサイトを見せる場合等も含まれる。
【0013】
また、付属物が食品と別個に構成された場合には、消費者はより一層安心して食品を選択することができる。
即ち、消費者が安心して食品を選択するためには、[1]付属物を目で見て充分に確認できたり、[2]食品を消費した後においても付属物を証拠品として保管できたり、[3]必要に応じて付属物を検査等に供することができたり、といった点が非常に重要となり、付属物が食品と別個に構成された場合には、これらが実現し易くなし、消費者がより一層安心して食品を選択することができる。
なお、「別個」とは「他と切り離された一つ一つ。べつべつ」を意味することから、「付属物が食品と別個」とは、「付属物と食品とが切り離されて別々であること」を意味する。
【0014】
ところで、「食品」には、「動物性の食品」と「植物性の食品」、更に両者の組合せとがあり、「動物性の食品」とは「動物に由来する食品」を意味し、例えば、肉、魚、貝、卵、乳、油脂などが挙げられ、「植物性の食品」とは「植物体に存在する食品」を意味し、米,小麦,大豆,小豆,トウモロコシ等の穀類、芋、豆、野菜、果実、キノコ、油脂、海藻類等が挙げられる。
【0015】
また、「食品と略同一条件で食品とは別体で成長した代替食品」とは、同じ場所で同じ物を食して育った牛や豚や、同じ時期に同じ海域で収穫された魚等を意味する。また、同じ農場で同じ肥料を施して育った野菜や果実を意味する。
即ち、「代替食品」とは、品質を把握するにあたって、食品と同一視できるものを意味している。
【0016】
なお、魚の場合には、漁をする海域が同じであっても荷揚げする港が異なっていれば、魚のブランドが異なるといったことがあり得る。しかしながら、同じ時期に同じ海域で収穫された魚については、品質を把握するにあたって同一視できることから、ブランドが異なっていたとしても、代替食品であると言える。
【0017】
ここで、代替食品としての魚の画像に、漁船が漁をした航路図(魚に対応)を添付することで、荷揚げ違いの漁港であっても、同一海域かどうかの判定ができ、消費者の理解の容易化が実現できる。
【0018】
例えば、一般栽培(化学肥料と農薬を使う農法)、有機栽培(有機肥料と無農薬の農法)、自然栽培(無肥料と無農薬の農法)等、それぞれの農法の食品は、互いに代替食品では無い。ここで、一般栽培から自然栽培に切り替えたからといって、切り替えた後も1年ぐらいでは目に見えるようにはならない。土壌に化学肥料や農薬が残っており、自然栽培と認定するわけにはいかない。なお、切り替えた後、3年〜5年程度が経過すると、自然栽培農法による食品として認定しても構わない。この点については、有機栽培についても同様である。
【0019】
具体的には、食品Aと同一生産人が、食品Aと同一時期に、食品Aと同一の農法で栽培した農作物Bについては、食品Aの代替食品と言える。また、「同一生産人」は農協の部会が同じである場合を含めても良く、「同一農法」とは肥料や農薬が一定の基準を満たす場合を含めても良い。決めるのは生産人である。なお、「部会」とは、「植える土壌は持ち主によって異なるが、共同或いは協働して、できるだけ同一品種の作物を出荷しようという目的を持った複数の生産者の集合体」を意味する。
【0020】
例えば、食品が牛ヒレ肉である場合は、その牛と同じ肉牛牧場で同様の飼料を食した別の牛のヒレ肉部分は「代替食品」に該当する。一方、異なる肉牛牧場の牛のヒレ肉部分や、同じ肉牛牧場であるものの、異なる飼料を食した牛のヒレ肉部分は「代替食品」には該当しない。なお、「異なる飼料」には、一方が遺伝子組換え技術を用いた飼料で、他方が遺伝子組換え技術を用いていない飼料の場合も含まれる。
例えば、食品がリンゴである場合は、そのリンゴと同じ果樹園で同様の育成条件(肥料や農薬の有無)を施して育てた他のリンゴは「代替食品」に該当する。一方、異なる果樹園のリンゴや、同じ果樹園でも異なる育成条件(肥料や農薬の有無)で育てたリンゴは「代替食品」には該当しない。
【0021】
例えば、食品が貝類(しじみ)である場合、同じ海域、湾で成長した代替食品である貝類(しじみ)のDNA情報を掲載することで、採取地が認識でき、しかも、採取地特有の貝類(しじみ)のDNAということとなり、消費者の安心の度合いが高まることとなる。
【0022】
また、「代替食品の粉末」として、例えば、粉末をふりかけ用として用いることができるもの等が挙げられる。
【0023】
また、「代替食品の加工品」とは、例えば、卵を加工した玉子焼きやケーキ、お菓子、小麦を加工した団子、米を加工したおにぎりや煎餅や餅、パン、焼酎、酒、魚を加工したかまぼこ等が挙げられる。
【0024】
また、「代替食品の粉末加工品」とは、例えば、米粉を加工した乾パン、小麦粉を加工したお菓子、小麦粉を加工したういろう、大豆の粉を加工したトースト、きな粉クッキー等をいう。
【0025】
更に、「代替食品と一体に成長した代替一体成長物の食品に対応する部分と異なる部分」とは、食品として採用された部分に対応する部分とは異なる部分であるものの、代替食品と一体に成長した部分を意味する。
【0026】
例えば、食品が豚ロース肉である場合は、食品として採用された豚と同じ養豚場で同じ飼料を食した別の豚のロース肉部分は、「代替一体成長物の食品に対応する部分とは異なる部分」には該当しない。これに対して、食品として採用された豚と同じ養豚場で同じ飼料を食した別の豚の皮や手や足は「代替一体成長物の食品に対応する部分とは異なる部分」に該当する。
【0027】
例えば、食品がリンゴである場合は、食品として採用されたリンゴと同じ果樹園で同様の育成条件(肥料や農薬の有無)を施して育てたリンゴは、「代替一体成長物の食品に対応する部分とは異なる部分」には該当しない。これに対して、食品として採用されたリンゴと同じ果樹園で同様の育成条件(肥料や農薬の有無)を施して育てたリンゴの枝や葉は「代替一体成長物の食品に対応する部分とは異なる部分」に該当する。
【0028】
また、付属物が代替食品の次世代の種子である場合や、付属物が代替食品から得られた種芋である場合には、食品が遺伝子組換え作物であるか否かを把握することができる。
具体的には、例えば、付属物を用いて消費者は作物を栽培することができるが、こうした作物を栽培する過程で遺伝子組換え作物のみが耐性を有する農薬を使用することによって、作物が枯れなければ遺伝子組換え作物であり、作物が枯れてしまうと遺伝子組換え作物ではないとの判断が可能となる。
【0029】
また、例えば、付属物を用いて消費者は作物を栽培することができるが、こうした作物を虫と共に所定の空間(例えば、虫かご等)に配置し、虫の生死によっても遺伝子組換え作物であるか否かを判断することができる。
即ち、付属物を用いて栽培した作物と共に配置した虫が死んだ場合(例えば、作物の葉や茎や枝を食して虫が死んだ場合)には遺伝子組換え作物であり、付属物を用いて栽培した作物と共に配置した虫が生きている場合には遺伝子組換え作物ではないとの判断が可能となる。
【0030】
また、その他の具体的な把握方法としては、例えば、(1)付属物を対象とした汎用の遺伝子組換え食品検査(GMO検査)を行ったり、(2)付属物を用いて次世代の作物を栽培し、こうした作物を対象とした汎用の遺伝子組換え食品検査(GMO検査)を行ったりすることで、食品が遺伝子組換え作物であるか否かを把握することができる。ここで、付属物を対象とした汎用の遺伝子組換え食品検査(GMO検査)を行うにあたって、検査対象の付属物の量が充分でない場合には、付属物と同一品質の種子や種芋を適量加えて食品検査を行う。なお、検査対象に加える種子や種芋が付属物と同一品質であるか否かについては、汎用技術を用いて確認が可能である。
【0031】
なお、付属物が代替食品の次世代の種子や、代替食品から得られた種芋であるために、代替食品が遺伝子組換え作物であるか否かを把握することになるが、上述の様に、品質を把握するにあたって、食品と代替食品とは同一視できるものであることから、結果として、食品が遺伝子組換え作物であるか否かを把握することができる。
【0032】
また、食品(一次産品)を対象とした汎用の遺伝子組換え食品検査(GMO検査)を行うことで、食品が遺伝子組換え作物であるか否かを充分に把握することができれば良いが、種々の事情によって、食品(一次産品)を対象とした汎用の遺伝子組換え食品検査(GMO検査)のみでは充分な確認や判定ができないことがある点を念のために付言する。
【0033】
また、付属物が、付属物本体が、付属物本体の体積と同量以上の体積の水と共に収容されて構成された場合には、食品(一次産品)が消費者に提供されるまでの過程において影響を受けた要因や、食品(一次産品)の成長過程の実体を把握することができる。なお、付属物本体は、植物体に存在するものである(以下、同じである)。
【0034】
ここで、「付属物本体の体積と同量以上の体積の水」が付属物本体と共に収容されたことで、時間の経過に伴う水の変化(例えば、変色)によって、付属物本体の品質を把握することができ、付属物本体の品質を通じて、食品(一次産品)の品質を把握することが可能となる。
なお、付属物本体と共に収容される水の量が不充分である場合には、付属物本体の品質を水の変化を通じて充分に把握することが困難である。
【0035】
なお、付属物本体を水と共に収容する方法(付属物の製造方法)として、付属物本体を水の中に入れ、その水を熱することで付属物本体を加熱し、その後、必要に応じて水を加えても良い。付属物本体を加熱することで、より一層、水の変化が生じやすくなり、品質の把握が行い易くなる。
【0036】
ここで、付属物本体である葉を水と共にミキサーで攪拌し、時間の経過とともに観察することで成長過程の原因を推測することができる。例えば、無農薬かつ無化学肥料で育てた作物は腐らず、アンモニアを生ぜず、そのため水が半年、一年と経過しても汚れることなく、きれいなままを保つことができる。
【0037】
なお、動物は水を飲まなければ生きることができず、特に良質の水であればあるほど肉質も向上する。従って、水は大事な生産関与物の1つである。
【0038】
また、付属物が食品(一次産品)の生産に関与した水、海水、海底水、アルカリ水、海底水から採取した塩、若しくは、海藻と略同一条件の水、海水、海底水、アルカリ水、海底水から採取した塩、若しくは、海藻である場合には、食品が消費者に提供されるまでの過程において影響を受けた要因を把握することができる。
【0039】
なお、ここでの「略同一条件」とは、食品の品質を把握するにあたって、食品の生産に関与した水、海水、海底水、アルカリ水、海底水から採取した塩、若しくは、海藻と、同一視できる水、海水、海底水、アルカリ水、海底水から採取した塩、若しくは、海藻を意味する。
【0040】
ここでの「海底水」とは、伏流水と海水とが混合した水を意味している。
具体的には、海岸線の砂浜や、昔砂浜であったところは背後の山々から伏流水が湧き出ている。この伏流水こそミネラルを含んだ天然水である。また、海水もミネラルを含んでいる。この両者(伏流水と海水)が交わる、混合した水を意味している。
なお、海底水の採取方法としては、砂地面から5〜10cm程から口先をつけて取水することができ、また、砂地に井戸を掘っても良いし、ボーリングしても良い。
【0041】
また、「海藻」は海のミネラルを含んでいるので、乾燥させたものを植物の根の周りに載置したり、土壌と混ぜ合わせて使用したりする。
【0042】
なお、海水、海底水、海底水から採取した塩、海藻が食品の生産に関与することで、自然のミネラルだけでの食品の成長が期待できる。更に、アルカリ水(pH7.0以上)を供給することで、土壌の酸性化を食い止めるという効果が期待できる。
【0043】
また、付属物が食品(一次産品)の生産の後に同食品に関与した燻蒸剤、消毒剤、殺菌剤、抗菌剤、防かび剤、防腐剤、被膜剤、酸化防止剤、除草剤、殺虫剤、漂白殺菌剤、若しくは、薬剤と略同一条件の燻蒸剤、消毒剤、殺菌剤、抗菌剤、防かび剤、防腐剤、被膜剤、酸化防止剤、除草剤、殺虫剤、漂白殺菌剤、若しくは、薬剤である場合には、食品の生産の後、食品が消費者に提供されるまで(例えば、食品の収穫の後から販売直前まで)の過程において影響を受けた要因を把握することができる。
【0044】
同様に、付属物が食品(一次産品)の生産の後に同食品に関与した食品添加物、若しくは、成長ホルモン剤と略同一条件の食品添加物、若しくは、成長ホルモン剤である場合には、食品の生産の後、食品が消費者に提供されるまでの過程において影響を受けた要因を把握することができる。
【0045】
なお、ここでの「略同一条件」とは、食品の品質を把握するにあたって、食品の生産の後に同食品に関与した燻蒸剤、消毒剤、殺菌剤、抗菌剤、防かび剤、防腐剤、被膜剤、酸化防止剤、除草剤、殺虫剤、漂白殺菌剤、薬剤、食品添加物、若しくは、成長ホルモン剤と同一視できる燻蒸剤、消毒剤、殺菌剤、抗菌剤、防かび剤、防腐剤、被膜剤、酸化防止剤、除草剤、殺虫剤、漂白殺菌剤、薬剤、食品添加物、若しくは、成長ホルモン剤を意味する。
【0046】
また、2つ以上の付属物(現物)や、付属物の画像を見せることによって、消費者が付属物を選択することができる。
【0047】
更に、付属物(現物)や付属物の画像を見せるのみならず、実際に付属物(現物)や付属物の画像(例えば、付属物の写真が掲載された印刷物)を消費者に送付(提供)することによって、食品が消費者に提供されるまでの過程において影響を受けた要因や、食品の成長過程の実体の把握を、より一層充分に行うことができる。特に、選択された付属物(現物)や付属物の画像を送付(提供)することで、消費者が希望する付属物の現物や付属物の画像の送付(提供)が実現する。また、消費者は付属物の現物や付属物の画像を手に入れることができるので、ゆっくりと時間をかけて観察でき、更には、広く情報を収集することもでき、食品の隠れている部分を発見できる場合がある。
なお、付属物の画像を見ることと、付属物の現物を手にして見ることとは、消費者から得ることができる信頼性は全く異なるものであることを、念のために付言する。
【0048】
また、付属物の現物のみを送付(提供)しても良いし、付属物の画像のみを送付(提供)しても良いし、付属物の現物及び画像の双方を送付(提供)しても良い。
【0049】
なお、「消費者に見せる付属物の画像」と「消費者に送付する付属物の画像」とは、必ずしも一致していなくても良い。例えば、[1]簡略な付属物の画像を消費者に見せ、詳細な付属物の画像を消費者に送付しても良いし、[2]詳細な付属物の画像を消費者に見せ、簡略な付属物の画像を消費者に送付しても良いし、[3]消費者に見せた付属物の画像に、新たに付属物の画像を追加して消費者に送付しても良いし、[4]消費者に見せた付属物の画像の一部のみを消費者に送付しても良い。
但し、消費者が選択していない付属物の現物や画像までも送付するといった趣旨ではない。
【0050】
また、食品情報が、「略同一条件の意味内容に関する情報」を含むことによって、食品(一次産品)と付属物との関係を特定することができる。同様に、食品情報が、「略同一条件の意味内容に関する情報を含む情報」に通信回線を介してアクセス可能な情報を含むことによって、食品(一次産品)と付属物との関係を特定することができる。意味内容を特定することにより、消費者の理解が得られる。
なお、「通信回線を介してアクセス可能な情報」とは、例えば、二次元バーコードやカラーコード等の識別子を意味する。
【0051】
ところで、「略同一条件の意味内容に関する情報を含む情報」とは、意味内容に関する情報の他に存在する情報のことを意味する。例えば、食品の栄養成分や食品成分等であり、このデータを活用することで、消費者自身が食べた食品の食品成分、栄養成分のデータ等を蓄積し、分析、管理、研究することが可能となる。また、食事の管理をも可能となる。また、他にも、食品名、メーカー名、製造年月日、添加物情報、遺伝子組換え情報、農薬情報、原料情報、所定の音声情報等があっても良い。この様な情報(データ)を活用することで(例えば、人工知能ロボットを組み合わせる等)、これまでに無い新しいサービスの提供が期待できる。
【0052】
ここで、食品(一次産品)の品質を把握するためには、付属物の品質を把握することが重要であり、そのため、「略同一条件」の意味内容が非常に大きな意味を持つことになるが、「略同一条件であるか否か」については、生産者以外には見えないものである。この様に、これまで消費者の目には見えていなかった「略同一条件の意味内容に関する情報」を見せることで、食品製品の信頼度の向上を実現することが可能となる。
【0053】
なお、「略同一条件の意味内容に関する情報」としては、例えば、生産者名、生産団体名、圃場地、遺伝子組換え作物であるか否か、有機肥料か化学肥料か、無農薬か農薬使用か、平飼いかゲージか、遺伝子組換え作物を含む飼料か否か、抗生物質を含まない飼料及び養殖用飼料かどうか、等に関して表示したものが挙げられる。このように多量の情報量が記載できるという点で優れた情報開示の能力を持っている。
【0054】
例えば、農協生産者組合の部会で共同出荷する場合がこれにあたる。部会の構成員の全メンバーの氏名、耕作したすべての農地(地番)を公開するためには多量の情報処理能力が要求される。これを正確に詳細に説明できるからこそ消費者の信頼につながるのである。
【0055】
また、「略同一条件の意味内容」に関する情報として、物質の分析表やグラフ、漁船の航路図を用いた説明表が挙げられる。こうした分析表やグラフ、漁船の航路図での表現によって、消費者の理解が容易になることが期待できる。
【0056】
なお、食品情報としては、「略同一条件の意味内容に関する情報」の他、食品成分、栄養成分、あるいは、食品の生産に関与した土壌情報等が考えられる。また、食品情報として、農産物では、種子についての購入先、種類、薬剤処理方法、遺伝子組換えの有無等の情報や、資材についての堆肥、有機肥料、化学肥料、土壌燻蒸剤、土壌消毒剤、除草剤等の情報が挙げられる。更に、食品情報として、畜産物では、飼料と飲料水、飼育密度、抗生物質、ホルモン剤、去勢の有無、畜舎の消毒等の情報が挙げられる。
【0057】
ところで、本発明の「略同一条件」とは、食品(一次産品)の生産者等が自由に自分の意思で決定できる条件を意味している。
例えば、食品(一次産品)であるキャベツの生産者が単数である場合で、生産者が耕作する圃場が複数(例えば、5ヶ所)あったとしても、品種や、使用する化学肥料や、使用する農薬や、出荷時期が同じである場合には、「略同一条件である」と生産者自身が判断し、決定しても良い。
また、例えば、複数の圃場のうちの1つだけ、異なる化学肥料を使用している場合であったとしても、生産者自身が「略同一条件である」と決定した場合には、そうした化学肥料の差異は「略同一条件」の範囲内であるとしても良い。
即ち、本発明の「略同一条件」とは、「一部に差異が存在していたとしても、全部を考慮した場合に、大きな影響を与えるほどの差異ではない」と生産者等が判断した場合には、「略同一条件である」として取り扱うことを認める趣旨である。
【0058】
ここで、「略同一条件の意味内容」については、従前の店頭やカタログ、ウェブ上の画像からは見えないことであるが、食品にとって最も重要なことである。そのため、どういった「略同一条件」が食品と付属物との間に秘められているのかという情報を提供することこそが、食品製品の信頼度の向上を実現することになるのである。
【0059】
また、食品(一次産品)の生産者が複数の場合、例えば、〇〇農協の〇〇部会として食品(一次産品)を生産する場合には、厳密な意味においては食品(一次産品)の生産者が同一であるとは言えない。しかし、同じ品質の食品(一次産品)を提供しようとする農協の部会の意味を考慮して、〇〇農協の〇〇部会として食品(一次産品)を生産した場合であっても、「略同一条件である」と決定しても良い。
即ち、複数の生産者の集合体を単一の生産者と見なしても、全体として大きな影響を与えるものではないと生産者等が判断した場合には、「略同一条件である」として取り扱うことを認める趣旨である。
換言すると、生産者が個人レベルで異なるといった僅かな差異であって、食品(一次産品)の品質を消費者に伝えるという観点において大きな影響を与えないと生産者等が判断した場合に、生産者等の判断で許容範囲を認める趣旨である。
【0060】
なお、「略同一条件の意味内容」に関する情報として、例えば、「〇〇農協の〇〇部会」といった情報に加えて、部会を構成するメンバーの氏名、住所、電話番号等を含むことで、透明性が高まり消費者の信頼度が増すことになる。
【0061】
一方で、特定の生産者(「特定の生産者」は単数の生産者であっても、複数の生産者の集合体であっても良い)が、特定の生産方法にこだわって食品(一次産品)を生産する場合があり、こうした場合には、特定の生産方法(例えば、無農薬肥料にこだわった生産方法等)が同一であるか否かといった点を基準として、「略同一条件であるか否か」を判断しても良い。一般に、生産者がこだわった点は、食品(一次産品)の品質を裏付けることが多く、こうした工夫点を「略同一条件であるか否か」といった判断基準とすることができる点についても、本発明の特徴の1つである。なお、生産者が複数である場合には、生産者に関する情報は何人に関するものでも良い。
【0062】
なお、同一の協同組合中の同一の部会であったとしても、圃場を形成する土壌の違いが明らかな場合がある。例えば、化学肥料と除草剤を使用している圃場と、有機肥料だけで除草剤や除虫剤を使用していない圃場とでは、土壌が全く異なるものであると生産者が考えるのが通常である。そのため、農法が異なり、「略同一条件としては認めない」と生産者が判断した場合においては、同一の協同組合中の同一の部会の生産者が生産したものであっても、「略同一条件ではない」と判断しても良い。
例えば、農薬の使用回数が0回をAグループ、1回〜3回をBグループ、4回以上をCグループとし、同一グループに属する場合には「略同一条件である」と判断するといった具合である。
【0063】
なお、上記では、主として植物性の食品を例に挙げて説明を行っているが、動物性の食品に関しても同様である。
【0064】
ここで、図を用いて、付属物の説明を行う。
付属物として、
図1(A)で示す様に、食品(一次産品)と略同一条件で食品とは別体で成長した代替食品(
図1(A)中符号21で示す)、その粉末(
図1(A)中符号22で示す)、代替食品の加工品(
図1(A)中符号23で示す)、その粉末(
図1(A)中符号24で示す)、代替食品と一体に成長した代替一体成長物の前記食品とは異なる部分(
図1(A)中符号25で示す)が挙げられる。
また、付属物として、
図1(B)で示す様に、食品(一次産品)と略同一条件で食品とは別体で成長した代替食品の種子(
図1(B)中符号26で示す)や、代替食品から得られた種芋(
図1(B)中符号27で示す)が挙げられる。
更に、付属物として、
図1(C)で示す様に、食品(一次産品)と略同一条件で食品と別体で成長した代替食品と水(ここでの水は、代替食品の体積と同量以上の体積である。)とを共に収容したもの(
図1(C)中符号28で示す)や、代替食品と一体に成長した代替一体成長物と水(ここでの水は、代替食品の体積と同量以上の体積である。)とを共に収容したもの(
図1(C)中符号29で示す)が挙げられる。なお、水と共に収容する代替一体成長物については、複数であっても良く、例えば、根、茎、葉、枝等の中から複数を収容しても良い。
【0065】
更に、
図2で示す様に、食品(一次産品)が符号31aで示す果実の部分である場合を例に挙げると、符号31aと一体で成長した葉32aや根33aが一体成長物34aに相当する。また、符号31bや31cで示す果実の部分が、果実31aの代替食品に相当し、果実31bと一体で成長した葉32bや根33bが果実31aの代替一体成長物34bに相当する。同様に、果実31cと一体で成長した葉32cや根33cも果実31aの代替一体成長物34cに相当する。
【0066】
また、上記の目的を達成するために、本発明の食品製品の提供方法は、二次産品である所定の食品の原料と略同一条件で前記食品の原料とは別体で成長した代替原料であり、若しくは、前記食品の原料と略同一条件で前記食品の原料とは別体で成長した代替原料と一体に成長した代替一体成長物の前記食品の原料に対応する部分とは異なる部分である付属物本体が、同付属物本体の体積と同量以上の体積の水と共に収容されて構成された付属物、若しくは、同付属物の画像を消費者に選択させるために見せると共に、前記食品の生産に関与した木樽、瓶、若しくは、漬け床と略同一条件の木樽の木片や瓶の一部や漬け床である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の生産に関与した乳酸菌、ビフィズス菌、麹、麹菌、若しくは、枯草菌と略同一条件の乳酸菌、ビフィズス菌、麹、麹菌、若しくは、枯草菌である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料と略同一条件で前記食品の原料とは別体で成長した代替原料である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料と略同一条件で前記食品の原料とは別体で成長した代替原料である付属物のDNAの画像、或いは、前記食品の原料と略同一条件で前記食品の原料とは別体で成長した代替原料の粉末である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料と略同一条件で前記食品の原料とは別体で成長した代替原料の加工品である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料と略同一条件で前記食品の原料とは別体で成長した代替原料の粉末加工品である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料と略同一条件で前記食品の原料とは別体で成長した代替原料と一体に成長した代替一体成長物の前記食品の原料に対応する部分とは異なる部分である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料と略同一条件で前記食品の原料とは別体で成長した代替原料の次世代の種子である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料と略同一条件で前記食品の原料とは別体で成長した代替原料から得られた種芋である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料の生産に関与した水、海水、海底水、アルカリ水、海底水から採取した塩、若しくは、海藻と略同一条件の水、海水、海底水、アルカリ水、海底水から採取した塩、若しくは、海藻の少なくとも1つである付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料の生産の後に同食品の原料に関与した燻蒸剤、消毒剤、殺菌剤、抗菌剤、防かび剤、防腐剤、被膜剤、酸化防止剤、除草剤、殺虫剤、漂白殺菌剤、若しくは、薬剤と略同一条件の燻蒸剤、消毒剤、殺菌剤、抗菌剤、防かび剤、防腐剤、被膜剤、酸化防止剤、除草剤、殺虫剤、漂白殺菌剤、若しくは、薬剤の少なくとも1つである付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料の生産の後に同食品の原料に関与した食品添加物、若しくは、成長ホルモン剤と略同一条件の食品添加物、若しくは、成長ホルモン剤の少なくとも1つである付属物、若しくは、同付属物の画像、の少なくとも1つ以上を消費者に選択させるために見せる工程と、前記食品を、2つ以上の前記付属物、若しくは、前記付属物の画像の中から消費者によって選択された1つ以上の前記付属物、若しくは、前記付属物の画像に対応する前記付属物の現物のみ、若しくは、前記付属物の画像のみと、前記略同一条件の意味内容に関する情報を含む情報、または、前記略同一条件の意味内容に関する情報を含む情報に通信回線を介してアクセス可能な情報を含む情報である食品情報と、共に送付する工程とを備える。
【0067】
また、上記の目的を達成するために、本発明の食品製品の提供方法は、二次産品である所定の食品の生産に関与した木樽、瓶、若しくは、漬け床と略同一条件の木樽の木片や瓶の一部や漬け床である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の生産に関与した乳酸菌、ビフィズス菌、麹、麹菌、若しくは、枯草菌と略同一条件の乳酸菌、ビフィズス菌、麹、麹菌、若しくは、枯草菌である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料と略同一条件で前記食品の原料とは別体で成長した代替原料である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料と略同一条件で前記食品の原料とは別体で成長した代替原料である付属物のDNAの画像、或いは、前記食品の原料と略同一条件で前記食品の原料とは別体で成長した代替原料の粉末である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料と略同一条件で前記食品の原料とは別体で成長した代替原料の加工品である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料と略同一条件で前記食品の原料とは別体で成長した代替原料の粉末加工品である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料と略同一条件で前記食品の原料とは別体で成長した代替原料と一体に成長した代替一体成長物の前記食品の原料に対応する部分とは異なる部分である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料と略同一条件で前記食品の原料とは別体で成長した代替原料の次世代の種子である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料と略同一条件で前記食品の原料とは別体で成長した代替原料から得られた種芋である付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料と略同一条件で前記食品の原料とは別体で成長した代替原料であり、若しくは、前記食品の原料と略同一条件で前記食品の原料とは別体で成長した代替原料と一体に成長した代替一体成長物の前記食品の原料に対応する部分とは異なる部分である付属物本体が、同付属物本体の体積と同量以上の体積の水と共に収容されて構成された付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料の生産に関与した水、海水、海底水、アルカリ水、海底水から採取した塩、若しくは、海藻と略同一条件の水、海水、海底水、アルカリ水、海底水から採取した塩、若しくは、海藻の少なくとも1つである付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料の生産の後に同食品の原料に関与した燻蒸剤、消毒剤、殺菌剤、抗菌剤、防かび剤、防腐剤、被膜剤、酸化防止剤、除草剤、殺虫剤、漂白殺菌剤、若しくは、薬剤と略同一条件の燻蒸剤、消毒剤、殺菌剤、抗菌剤、防かび剤、防腐剤、被膜剤、酸化防止剤、除草剤、殺虫剤、漂白殺菌剤、若しくは、薬剤の少なくとも1つである付属物、若しくは、同付属物の画像、或いは、前記食品の原料の生産の後に同食品の原料に関与した食品添加物、若しくは、成長ホルモン剤と略同一条件の食品添加物、若しくは、成長ホルモン剤の少なくとも1つである付属物、若しくは、同付属物の画像、の少なくとも2つ以上を消費者に選択させるために見せる工程と、前記食品を、2つ以上の前記付属物、若しくは、前記付属物の画像の中から消費者によって選択された1つ以上の前記付属物、若しくは、前記付属物の画像に対応する前記付属物の現物のみ、若しくは、前記付属物の画像のみと、前記略同一条件の意味内容に関する情報を含む情報、または、前記略同一条件の意味内容に関する情報を含む情報に通信回線を介してアクセス可能な情報を含む情報である食品情報と、共に送付する工程とを備える。
【0068】
ここで、付属物や付属物の画像によって、消費者は、提供される食品(二次産品)の生産環境の実体を把握することができたり、提供される食品(二次産品)の原料の成長過程の実体を把握することができたり、提供される食品(二次産品)の原料が消費者に提供されるまでの過程において影響を受けた要因を把握することができたりする。
【0069】
なお、ここでの「見せる」とは、付属物の実物を見せることは勿論、付属物の静止画や動画を見せる場合も含む趣旨である。例えば、付属物の写真が掲載された広告やカタログを見せる場合や、付属物の写真や動画が掲載されたウェブサイトを見せる場合等が含まれる。
【0070】
また、付属物が食品と別個に構成された場合には、消費者はより一層安心して食品を選択することができる。
即ち、消費者が安心して食品を選択するためには、[1]付属物を目で見て充分に確認できたり、[2]食品を消費した後においても付属物を証拠品として保管できたり、[3]必要に応じて付属物を検査等に供することができたり、といった点が非常に重要となり、付属物が食品と別個に構成された場合には、これらが実現し易くなり、消費者がより一層安心して食品を選択することができる。
なお、「別個」とは「他と切り離された一つ一つ。べつべつ」を意味することから、「付属物が食品と別個」とは、「付属物と食品とが切り離されて別々であること」を意味する。
【0071】
ここで、「食品の生産に関与した木樽と略同一条件の木樽」とは、食品の生産環境の実体を把握するにあたって、同一視できるものを言う。例えば、同一の木材を使用して構成され、同じ環境下で利用された木樽が該当する。一方で、異なる木材で構成された場合や、異なる環境下で利用された木樽は該当しない。
【0072】
また、「食品の生産に関与した瓶と略同一条件の瓶」とは、食品の生産環境の実体を把握するにあたって、同一視できるものを言う。例えば、同一の材料を使用して作られ、同じ環境下で利用された瓶が該当する。一方で、異なる材料で構成された場合や、異なる環境下で利用された瓶は該当しない。
【0073】
更に、「食品の生産に関与した漬け床と略同一条件の漬け床」とは、食品の生産環境の実体を把握するにあたって、同一視できるものを言う。例えば、同一の材料を使用して作られ、同じ環境下で利用された漬け床が該当する。一方で、異なる材料を使用して作られた場合や、異なる環境下で利用された漬け床は該当しない。
なお、漬け床としては、例えば、塩、しょう油、味噌、麹、米ぬか、酒かす、酢、もろみ、辛子、みりん等が挙げられる。
【0074】
また、「食品の生産に関与した乳酸菌、ビフィズス菌、麹、麹菌、若しくは、枯草菌と略同一条件の乳酸菌、ビフィズス菌、麹、麹菌、若しくは、枯草菌」とは、食品の状態の実体を把握するにあたって、同一視できるものを言う。
例えば、ヨーグルトに含まれている生きた乳酸菌の数は、時間の経過に伴って変化するが、ヨーグルト(食品)に含まれている乳酸菌と略同一数量の乳酸菌を付属物とすることで、食品中の乳酸菌の数量を把握することができる。具体的には、食品と付属物とが、同一工場で、同一日に生産されたといった関係が略同一条件の意味内容になる。なお、ヨーグルト(食品)に添付する付属物については、生きている乳酸菌を含む糖分であっても、ヨーグルトであっても良い。
【0075】
例えば、食品1個に含まれている乳酸菌の数は2日目、3日目、4日目と日が経つに従って減ってしまう。10日も経てば乳酸菌は死滅して、乳酸菌の効果は無くなってしまうのである。そこで、消費者が本発明を利用して何日目の乳酸菌の数を知りたければ、生産者側が制作した毎日の当該食品の乳酸菌の死滅状況サイトにアクセスすれば良いことになる。
【0076】
ところで、「食品の原料」には、「動物性の原料」と「植物性の原料」、更に両者の組合せとがあり、「動物性の原料」とは「動物に由来する原料」を意味し、例えば、肉、魚、貝、卵、乳、油脂などが挙げられ、「植物性の原料」とは「植物体に存在する原料」を意味し、米,小麦,大豆,小豆,トウモロコシ等の穀類、芋、豆、野菜、果実、キノコ、油脂、海藻類等が挙げられる。
【0077】
また、「食品の動物性の原料と略同一条件で食品の動物性の原料とは別体で成長した代替原料」とは、同じ場所で同じ物を食して育った牛や豚や、同じ時期に同じ海域で収穫された魚等を意味する。即ち、「代替原料」とは、品質を把握するにあたって、食品の原料と同一視できるものを意味している。
【0078】
なお、魚の場合には、漁をする海域が同じであっても荷揚げする港が異なっていれば、魚のブランドが異なるといったことがあり得る。しかしながら、同じ時期に同じ海域で収穫された魚については、品質を把握するにあたって同一視できることから、ブランドが異なっていたとしても、代替原料であると言える。
【0079】
ここで、代替原料としての魚の画像に、漁船が漁をした航路図(魚に対応)を添付することで、荷揚げ違いの漁港であっても、同一海域かどうかの判定ができ、消費者の理解の容易化が実現できる。同様に、代替原料としての貝類の画像に、貝類を収穫した湾や湾内の区域図を添付することで、荷揚げ違いの漁港であっても、同一湾で収穫したかどうかの判定ができ、消費者の理解の容易化が実現できる。
【0080】
例えば、食品の動物性の原料が牛ヒレ肉である場合は、その牛と同じ肉牛牧場で同様の飼料を食した別の牛のヒレ肉部分は「代替原料」に該当する。一方、異なる肉牛牧場の牛のヒレ肉部分や、同じ肉牛牧場であるものの、異なる飼料を食した牛のヒレ肉部分は、同一条件、同一環境では無いと考えられるために、「代替原料」には該当しない。なお、「異なる飼料」には、一方が遺伝子組換え技術を用いた飼料で、他方が遺伝子組換え技術を用いていない飼料の場合も含まれる。
【0081】
例えば、食品の原料が貝類(しじみ)である場合、同じ海域、湾で成長した代替原料である貝類(しじみ)のDNA情報を掲載することで、採取地が認識でき、しかも、採取地特有の貝類(しじみ)のDNAということとなり、消費者の安心の度合いが高まることとなる。
【0082】
また、「代替原料の粉末」として、例えば、粉末をふりかけ用として用いることができるもの等が挙げられる。
【0083】
また、「代替原料の加工品」とは、例えば、卵を加工した玉子焼きやケーキ、お菓子、小麦を加工した団子、米を加工したおにぎりや煎餅や餅、パン、焼酎、酒、魚を加工したかまぼこ等が挙げられる。
【0084】
また、「代替原料の粉末加工品」とは、例えば、米粉を加工した乾パン、パン、小麦粉を加工したお菓子、小麦粉を加工したういろう、大豆の粉を加工したトースト、きな粉クッキー等をいう。
【0085】
更に、「代替原料と一体に成長した代替一体成長物の食品の動物性の原料に対応する部分とは異なる部分」とは、食品の動物性の原料として採用された部分に対応する部分とは異なる部分であるものの、代替原料と一体に成長した部分を意味する。
【0086】
例えば、食品の原料が豚ロース肉である場合は、食品の原料として採用された豚と同じ養豚場で同じ飼料を食した別の豚のロース肉部分は、「代替一体成長物の食品の動物性の原料に対応する部分とは異なる部分」には該当しない。これに対して、食品の原料として採用された豚と同じ養豚場で同じ飼料を食した別の豚の皮や手や足は「代替一体成長物の食品の動物性の原料に対応する部分とは異なる部分」に該当する。
【0087】
また、「食品の植物性の原料と略同一条件で食品の植物性の原料とは別体で成長した代替原料」とは、同じ農場で同じ肥料を施して育った野菜や果実を意味する。即ち、「代替原料」とは、品質を把握するにあたって、食品の原料と同一視できるものを意味している。
【0088】
具体的には、食品原料Aと同一生産人が、食品原料Aと同一時期に、食品原料Aと同一の農法で栽培した農作物Bについては、食品原料Aの代替原料と言える。また、「同一生産人」は農協の部会が同じである場合を含めても良く、「同一農法」とは肥料や農薬が一定の基準を満たす場合を含めても良い。なお、「部会」とは、「植える土壌は持ち主によって異なるが、共同或いは協働して、できるだけ同一品種の作物を出荷しようという目的を持った複数の生産者の集合体」を意味する。
【0089】
例えば、食品の植物性の原料がリンゴである場合は、そのリンゴと同じ果樹園で同様の育成条件(肥料や農薬の有無)を施して育てた他のリンゴは「代替原料」に該当する。一方、異なる果樹園のリンゴや、同じ果樹園でも異なる育成条件(肥料や農薬の有無)や異なる条件若しくは環境で育てたリンゴは「代替原料」には該当しない。
なお、一般栽培(化学肥料と農薬を使う農法)、有機栽培(有機肥料と無農薬の農法)、自然栽培(無肥料と無農薬の農法)等、それぞれの農法の食品は、互いに代替原料では無い。ここで、一般栽培から自然栽培に切り替えたからといって、切り替えた後も1年ぐらいは土壌に化学肥料や農薬が残っており、自然栽培と認定するわけにはいかない。なお、切り替えた後、3年〜5年程度が経過すると、自然栽培農法による食品として認定しても構わない。この点については、有機栽培についても同様である。
【0090】
更に、「代替原料と一体に成長した代替一体成長物の食品の植物性の原料に対応する部分と異なる部分」とは、食品の原料として採用された部分に対応する部分とは異なる部分であるものの、代替原料と一体に成長した部分を意味する。
【0091】
例えば、食品の原料がリンゴである場合は、食品の原料として採用されたリンゴと同じ果樹園で同様の育成条件(肥料や農薬の有無)を施して育てたリンゴは、「代替一体成長物の食品の植物性の原料に対応する部分とは異なる部分」には該当しない。これに対して、食品の原料として採用されたリンゴと同じ果樹園で同様の育成条件(肥料や農薬の有無)を施して育てたリンゴの枝や葉は「代替一体成長物の食品の植物性の原料に対応する部分とは異なる部分」に該当する。
【0092】
また、付属物が代替原料の次世代の種子である場合や、付属物が代替原料から得られた種芋である場合には、食品の原料が遺伝子組換え作物を用いているか否かを把握することができる。
具体的には、例えば、付属物を用いて消費者は作物を栽培することができるが、こうした作物を栽培する過程で遺伝子組換え作物のみが耐性を有する農薬を使用することによって、作物が枯れなければ遺伝子組換え作物であり、作物が枯れてしまうと遺伝子組換え作物ではないとの判断が可能となる。
【0093】
また、例えば、付属物を用いて消費者は作物を栽培することができるが、こうした作物を虫と共に所定の空間(例えば、虫かご等)に配置し、虫の生死によっても遺伝子組換え作物であるか否かを判断することができる。
即ち、付属物を用いて栽培した作物と共に配置した虫が死んだ場合(例えば、作物の葉や茎や枝を食して虫が死んだ場合)には遺伝子組換え作物であり、付属物を用いて栽培した作物と共に配置した虫が生きている場合には遺伝子組換え作物ではないとの判断が可能となる。
【0094】
また、その他の具体的な把握方法としては、例えば、(1)付属物を対象とした汎用の遺伝子組換え食品検査(GMO検査)を行ったり、(2)付属物を用いて次世代の作物を栽培し、こうした作物を対象とした汎用の遺伝子組換え食品検査(GMO検査)を行ったりすることで、食品の原料が遺伝子組換え作物を用いているか否かを把握することができる。ここで、付属物を対象とした遺伝子組換え食品検査(GMO検査)を行うにあたって、検査対象の付属物の量が充分でない場合には、付属物と同一品種の種子や種芋を適量加えて食品検査を行う。なお、検査対象に加える種子や種芋が付属物と同一品質であるか否かについては、汎用技術を用いて確認が可能である。
【0095】
なお、付属物が代替原料の次世代の種子や、代替原料から得られた種芋であるために、代替原料が遺伝子組換え作物であるか否かを把握することになるが、上述の様に、品質を把握するにあたって、食品の原料と代替原料とは同一視できるものであることから、結果として、食品の原料が遺伝子組換え作物であるか否かを把握することができる。
【0096】
また、食品(二次産品)を対象とした汎用の遺伝子組換え食品検査(GMO検査)を行うことで、食品の原料が遺伝子組換え作物を用いているか否かを充分に把握することができれば良いが、種々の事情によって、食品(二次産品)を対象とした汎用の遺伝子組換え食品検査(GMO検査)のみでは充分に確認や判定ができないことがある点を念のために付言する。なお、食品(二次産品)の原料を対象にした方が、食品(二次産品)を対象にするより、遺伝子組換え食品検査(GMO検査)の精度は高い。
【0097】
また、付属物が、付属物本体が、付属物本体の体積と同量以上の体積の水と共に収容されて構成された場合には、食品(二次産品)の原料が消費者に提供されるまでの過程において影響を受けた要因や、食品(二次産品)の原料の成長過程の実体を把握することができる。
【0098】
ここで、「付属物本体の体積と同量以上の体積の水」が付属物本体と共に収容されたことで、時間の経過に伴う水の変化(例えば、変色)によって、付属物本体の品質を把握することができ、付属物本体の品質を通じて、食品(二次産品)の原料の品質を把握することが可能となる。
なお、付属物本体と共に収容される水の量が不充分である場合には、付属物本体の品質を水の変化を通じて充分に把握することが困難である。
【0099】
なお、付属物本体を水と共に収容する方法(付属物の製造方法)として、付属物本体を水の中に入れ、その水を熱することで付属物本体を加熱し、その後、必要に応じて水を加えても良い。付属物本体を加熱することで、より一層、水の変化が生じやすくなり、品質の把握が行い易くなる。
【0100】
ここで、付属物本体である葉を水と共にミキサーで攪拌し、時間の経過とともに観察することで成長過程の原因を推測することができる。例えば、無農薬かつ無化学肥料で育てた作物は腐らず、アンモニアを生ぜず、そのため水が半年、一年と経過しても汚れることなく、きれいなままを保つことができる場合がある。
【0101】
なお、動物は水を飲まなければ生きることはできず、特に良質の水であればあるほど肉質も向上する。従って、水は大事な生産関与物の1つである。
【0102】
また、付属物が食品(二次産品)の原料の生産に関与した水、海水、海底水、アルカリ水、海底水から採取した塩、若しくは、海藻と略同一条件の水、海水、海底水、アルカリ水、海底水から採取した塩、若しくは、海藻である場合には、食品の原料が消費者に提供されるまでの過程において影響を受けた要因を把握することができる。
【0103】
なお、ここでの「略同一条件」とは、食品の原料の品質を把握するにあたって、食品の原料の生産に関与した水、海水、海底水、アルカリ水、海底水から採取した塩、若しくは、海藻と、同一視できる水、海水、海底水、アルカリ水、海底水から採取した塩、若しくは、海藻を意味する。
【0104】
また、付属物が食品(二次産品)の原料の生産の後に同食品の原料に関与した燻蒸剤、消毒剤、殺菌剤、抗菌剤、防かび剤、防腐剤、被膜剤、酸化防止剤、除草剤、殺虫剤、漂白殺菌剤、若しくは薬剤と略同一条件の燻蒸剤、消毒剤、殺菌剤、抗菌剤、防かび剤、防腐剤、被膜剤、酸化防止剤、除草剤、殺虫剤、漂白殺菌剤、若しくは薬剤である場合には、食品の原料の生産の後、食品の原料が消費者に提供されるまで(例えば、食品の原料の生産後(収穫後)、原料の加工、つまり、二次産品材料投入直前まで)の過程において影響を受けた要因を把握することができる。
【0105】
同様に、付属物が食品(二次産品)の原料の生産の後に同食品の原料に関与した食品添加物、若しくは、成長ホルモン剤と同一条件の食品添加物、若しくは、成長ホルモン剤である場合には、食品の原料の生産の後、食品の原料が消費者に提供されるまでの過程において影響を受けた要因を把握することができる。
【0106】
なお、ここでの「略同一条件」とは、食品の原料の品質を把握するにあたって、食品の原料の生産の後に同食品の原料に関与した燻蒸剤、消毒剤、殺菌剤、抗菌剤、防かび剤、防腐剤、被膜剤、酸化防止剤、除草剤、殺虫剤、漂白殺菌剤、薬剤、食品添加物、若しくは、成長ホルモン剤と同一視できる燻蒸剤、消毒剤、殺菌剤、抗菌剤、防かび剤、防腐剤、被膜剤、酸化防止剤、除草剤、殺虫剤、漂白殺菌剤、薬剤、食品添加物、若しくは、成長ホルモン剤を意味する。
【0107】
また、2つ以上の付属物(現物)や、付属物の画像を見せることによって、消費者が付属物を選択することができる。
【0108】
更に、付属物(現物)や付属物の画像を見せるのみならず、実際に付属物(現物)や付属物の画像(例えば、付属物の写真が掲載された印刷物)を消費者に送付(提供)することによって、食品の原料が消費者に提供されるまでの過程において影響を受けた要因や、食品の原料の成長過程の実体の把握を、より一層充分に行うことができる。特に、選択された付属物(現物)や付属物の画像を送付(提供)することで、消費者が希望する付属物の現物や付属物の画像の送付(提供)が実現する。また、消費者は付属物の現物や付属物の画像を手に入れることができるので、ゆっくりと時間をかけて観察でき、更には、広く情報を収集することもでき、食品の隠れている部分を発見できる場合がある。
なお、付属物の画像を見ることと、付属物の現物を手にして見ることとは、消費者から得ることができる信頼性は全く異なるものであることを、念のために付言する。
【0109】
また、付属物の現物のみを送付(提供)しても良いし、付属物の画像のみを送付(提供)しても良いし、付属物の現物及び画像の双方を送付(提供)しても良い。
【0110】
なお、「消費者に見せる付属物の画像」と「消費者に送付する付属物の画像」とは、必ずしも一致していなくても良い。例えば、[1]簡略な付属物の画像を消費者に見せ、詳細な付属物の画像を消費者に送付しても良いし、[2]詳細な付属物の画像を消費者に見せ、簡略な付属物の画像を消費者に送付しても良いし、[3]消費者に見せた付属物の画像に、新たに付属物の画像を追加して消費者に送付しても良いし、[4]消費者に見せた付属物の画像の一部のみを消費者に送付しても良い。
但し、消費者が選択していない付属物の現物や画像までも送付するといった趣旨ではない。
【0111】
また、食品情報が、「略同一条件の意味内容に関する情報」を含むことによって、食品(二次産品)の原料と付属物との関係を特定することができる。同様に、食品情報が、「略同一条件の意味内容に関する情報を含む情報」に通信回線を介してアクセス可能な情報を含むことによって、食品(二次産品)の原料と付属物との関係を特定することができる。意味内容を特定することにより、消費者の理解が得られる。
なお、「通信回線を介してアクセス可能な情報」とは、例えば、二次元バーコードやカラーコード等の識別子を意味する。
【0112】
ところで、「略同一条件の意味内容に関する情報を含む情報」とは、意味内容に関する情報の他に存在する情報のことを意味する。例えば、食品や食品の原料の栄養成分や食品成分等であり、このデータを活用することで、消費者自身が食べた食品や食品の原料の食品成分、栄養成分のデータ等を蓄積し、分析、管理、研究することが可能となる。また、食事の管理をも可能となる。また、他にも、食品名、メーカー名、製造年月日、添加物情報、遺伝子組換え情報、農薬情報、原料情報、所定の音声情報等があっても良い。この様な情報(データ)を活用することで(例えば、人工知能ロボットを組み合わせる等)、これまでに無い新しいサービスの提供が期待できる。
【0113】
ここで、食品(二次産品)の原料の品質を把握するためには、付属物の品質を把握することが重要であり、そのため、「略同一条件」の意味内容が非常に大きな意味を持つことになるが、「略同一条件であるか否か」については、生産者以外には見えないものである。この様に、これまで消費者の目には見えていなかった「略同一条件の意味内容に関する情報」を見せることで、食品製品の信頼度の向上を実現することが可能となる。
【0114】
なお、「略同一条件の意味内容に関する情報」としては、例えば、生産者名、生産団体名、圃場地、遺伝子組換え作物であるか否か、有機肥料か化学肥料か、無農薬か農薬使用か、平飼いかゲージか、遺伝子組換え作物を含む飼料か否か、抗生物質を含まない飼料及び養殖用飼料かどうか、等に関して表示したものが挙げられる。このように多量の情報が記載できるという点で優れた情報開示の能力を持っている。
【0115】
例えば、農協生産者組合の部会で共同出荷する場合がこれにあたる。部会の構成員の全メンバーの氏名、耕作したすべての農地(地番)を公開するためには多量の情報処理能力が要求される。これを正確に詳細に説明できるからこそ消費者の信頼につながるのである。
【0116】
また、「略同一条件の意味内容」に関する情報として、物質の分析表やグラフ、漁船の航路図を用いた説明表が挙げられる。こうした分析表やグラフ、漁船の航路図での表現によって、消費者の理解が容易になることが期待できる。
【0117】
なお、食品情報としては、「略同一条件の意味内容に関する情報」の他、食品成分、栄養成分、あるいは、食品に添加されている食品添加物情報等が考えられる。また、食品情報として、農産物では、種子についての購入先、種類、薬剤処理方法、遺伝子組換えの有無等の情報や、資材についての堆肥、有機肥料、化学肥料、土壌燻蒸剤、土壌消毒剤、除草剤等の情報が挙げられる。更に、食品情報として、畜産物では、飼料と飲料水、飼育密度、抗生物質、ホルモン剤、去勢の有無、畜舎の消毒等の情報が挙げられる。
【0118】
ところで、本発明の「略同一条件」とは、食品(二次産品)の原料の生産者等が自由に自分の意思で決定できる条件を意味している。
例えば、食品(二次産品)の原料であるキャベツの生産者が単数である場合で、生産者が耕作する圃場が複数(例えば、5ヶ所)あったとしても、品種や、使用する化学肥料や、使用する農薬や、出荷時期が同じである場合には、「略同一条件である」と生産者自身が判断し、決定しても良い。
また、例えば、複数の圃場のうち1つだけ、異なる化学肥料を使用している場合であったとしても、生産者自身が「略同一条件である」と決定した場合には、そうした化学肥料の差異は「略同一条件」の範囲内であるとしても良い。
即ち、本発明の「略同一条件」とは、「一部に差異が存在していたとしても、全部を考慮した場合に、大きな影響を与えるほどの差異ではない」と生産者等が判断した場合には、「略同一条件である」として取り扱うことを認める趣旨である。
【0119】
ここで、「略同一条件の意味内容」については、従前の店頭やカタログ、ウェブ上の画像からは見えないことであるが、食品にとって最も重要なことである。そのため、どういった「略同一条件」が食品や食品の原料と付属物との間に秘められているのかという情報を提供することこそが、食品製品の信頼度の向上を実現することになるのである。
【0120】
また、食品(二次産品)の原料の生産者が複数の場合、例えば、〇〇農協の〇〇部会として食品(二次産品)の原料を生産する場合には、厳密な意味においては食品(二次産品)の原料の生産者が同一であるとは言えない。しかし、同じ品質の食品(二次産品)の原料を提供しようとする農協の部会の意味を考慮して、〇〇農協の〇〇部会として食品(二次産品)の原料を生産した場合であっても、「略同一条件である」と決定しても良い。
即ち、複数の生産者の集合体を単一の生産者と見なしても、全体として大きな影響を与えるものではないと生産者等が判断した場合には、「略同一条件である」として取り扱うことを認める趣旨である。
換言すると、生産者が個人レベルで異なるといった僅かな差異であって、食品(二次産品)の原料の品質を消費者に伝えるという観点において大きな影響を与えないと生産者等が判断した場合に、生産者等の判断で許容範囲を認める趣旨である。
【0121】
なお、「略同一条件の意味内容」に関する情報として、例えば、「〇〇農協の〇〇部会」といった情報に加えて、部会を構成するメンバーの氏名、住所、電話番号等を含むことで、透明性が高まり消費者の信頼度が増すことになる。
【0122】
一方で、特定の生産者(「特定の生産者」は単数の生産者であっても、複数の生産者の集合体であっても良い)が、特定の生産方法にこだわって食品(二次産品)の原料を生産する場合があり、こうした場合には、特定の生産方法(例えば、無農薬肥料にこだわった生産方法等)が同一であるか否かといった点を基準として、「略同一条件であるか否か」を判断しても良い。一般に、生産者がこだわった点は、食品(二次産品)の原料の品質を裏付けることが多く、こうした工夫点を「略同一条件であるか否か」といった判断基準とすることができる点についても、本発明の特徴の1つである。なお、生産者が複数である場合には、生産者に関する情報は何人に関するものでも良い。
【0123】
なお、同一の協同組合中の同一の部会であったとしても、圃場を形成する土壌の違いが明らかな場合がある。例えば、化学肥料と除草剤を使用している圃場と、有機肥料だけで除草剤や除虫剤を使用していない圃場とでは、土壌が全く異なるものであると生産者が考えるのが通常である。そのため、農法が異なり、「略同一条件としては認めない」と生産者が判断した場合においては、同一の協同組合中の同一の部会の生産者が生産したものであっても、「略同一条件ではない」と判断しても良い。
例えば、農薬の使用回数が0回をAグループ、1回〜3回をBグループ、4回以上をCグループとし、同一グループに属する場合には「略同一条件である」と判断するといった具合である。
【0124】
また、上記では、主として植物性の食品の原料を例に挙げて説明を行っているが、動物性の食品の原料に関しても同様である。
【0125】
なお、
図1及び
図2を用いて、食品が一次産品である場合の付属物について説明を行っているが、「食品」を「食品の原料」に置き換え、「代替食品」を「代替原料」と置き換えることで、二次産品についても、同様に考えることができる。
【0126】
ところで、ここでの「食品」とは、栄養素の摂取や嗜好を目的とした飲食物(生鮮食品、動物性食品、植物性食品、加工食品、嗜好食品、調味用材料、健康食品、サプリメント、飲料、加工材料等)を含むことは勿論のこと、医薬品や医薬部外品をも含む趣旨である。例えば、漢方薬も含まれる。また、ペットフード、家畜の飼料、養殖魚の飼料等、動物を対象としたものも含む趣旨である。
【0127】
なお、「食品」がペットフード、家畜の飼料、養殖魚の飼料等である場合、付属物との間の「略同一条件の意味内容」としては、例えば、「成長ホルモンを使用していません」等が挙げられる。
【0128】
また、ここでの「一次産品」とは、加工前の生鮮食品、動物性食品、植物性食品そのものであり、例えば、大根やキャベツ等の野菜、果物、あるいは鶏肉や牛肉等の生肉やホルモンそのものが該当する。
【0129】
更に、ここでの「二次産品」とは、未加工の生鮮食品、未加工の動物性食品、未加工の植物性食品を加工した産品である。また、多種類の二次産品等を加工して生産した食品をも含むものである。具体的には、酒、炭酸飲料、ごはん、冷凍食品、ペットフード、うどん、味噌汁、缶詰、お菓子、ラーメン、パン、漬物、野菜炒め、ステーキ、弁当、ハンバーグ等が該当する。更に、レストランで提供されるひと皿ひと皿の料理が該当する。
【0130】
また、ここでの「画像」とは、付属物の中身や性質等を説明することを趣旨としており、付属物に付帯しているあらゆる情報を含んでも良い。なお、画像の詳細を説明するための文字情報があっても良い。例えば、何が、いつ、どの段階、どうしたものであるのか、といった情報があれば、消費者の理解の容易化が実現する。
更に、付属物を単一の画像で充分に表現することが困難な場合もあり、その場合には、複数の画像を用いて表現しても良い。また、付属物の画像のみならず、付属物の容器や箱、袋といった画像を、付属物の画像と共に用いて表現しても良い。