(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6099295
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】レーザースパークプラグ
(51)【国際特許分類】
F02P 23/04 20060101AFI20170313BHJP
【FI】
F02P23/04 A
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-261269(P2010-261269)
(22)【出願日】2010年11月24日
(65)【公開番号】特開2011-112049(P2011-112049A)
(43)【公開日】2011年6月9日
【審査請求日】2013年11月21日
(31)【優先権主張番号】10 2009 047 019.0
(32)【優先日】2009年11月23日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ヴァインロッター
(72)【発明者】
【氏名】パスカル ヴェアナー
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン ライマン
(72)【発明者】
【氏名】イェルク エンゲルハルト
【審査官】
寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】
仏国特許出願公開第02873763(FR,A1)
【文献】
特開2009−270540(JP,A)
【文献】
特開昭58−162773(JP,A)
【文献】
特開2006−316715(JP,A)
【文献】
特表2006−503218(JP,A)
【文献】
特開平09−144542(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0107436(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02P 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の内燃機関又は大型ガス機関のためのレーザースパークプラグ(100)であって、点火可能な媒体を収容するための前室(110)と、前室(110)の内室(111)と前室(110)を取り囲む外室(200)との間の流体接続を可能にする少なくとも1つの溢流通路(120)とが設けられている形式のものにおいて、
少なくとも1つの溢流通路(120)が、溢流通路(120)を通って前室(110)の内室(111)に流体が流入する際に、レーザースパークプラグ(100)の長手方向軸線(LA)に対して45°以上の角度を成して位置する渦流軸線(WA)を中心として回転する少なくとも1つの渦流を有する流体流(F)が生じるように配置及び構成されており、
複数の溢流通路(120a,120b,120c,120d,120e)が設けられており、これらの溢流通路(120a,120b,120c,120d,120e)が、少なくとも3つの溢流通路(120a,120c,120e)の長手方向軸線が、前室(110)の内室(111)内に位置する1つの交点(SP)で交差するように配置及び構成されており、
前記交点(SP)は、前室(110)内且つレーザースパークプラグ(100)の長手方向軸線(LA)の半径方向外側の領域に位置しており、前記交点(SP)は、前記長手方向軸線(LA)から前記前室(110)の半径の50%〜70%離れている、ことを特徴とする、レーザースパークプラグ。
【請求項2】
自動車の内燃機関又は大型ガス機関のためのレーザースパークプラグ(100)であって、点火可能な媒体を収容するための前室(110)と、前室(110)の内室(111)と前室(110)を取り囲む外室(200)との間の流体接続を可能にする少なくとも1つの溢流通路(120)とが設けられている形式のものにおいて、
少なくとも1つの溢流通路(120)が、溢流通路(120)を通って前室(110)の内室(111)に流体が流入する際に、レーザースパークプラグ(100)の長手方向軸線(LA)に対して45°以上の角度を成して位置する渦流軸線(WA)を中心として回転する少なくとも1つの渦流を有する流体流(F)が生じるように配置及び構成されており、
複数の溢流通路(120a,120b,120c,120d,120e)が設けられており、これらの溢流通路(120a,120b,120c,120d,120e)が、少なくとも3つの溢流通路(120a,120c,120e)の長手方向軸線が、前室(110)の内室(111)内に位置する1つの交点(SP)で交差するように配置及び構成されており、
渦流軸線(WA)と長手方向軸線(LA)との間の角度が、80°〜90°であり、
前記複数の溢流通路(120)が、溢流通路の長手方向軸線(KLA)が半径方向で、レーザースパークプラグ(100)の長手方向軸線(LA)に対して、10°以下である角度(β)をなしており、
互いに隣接する溢流通路(120)の長手方向軸線が、最大20°の角度(γ)をなしている、ことを特徴とする、レーザースパークプラグ。
【請求項3】
前記角度が90°である、請求項2記載のレーザースパークプラグ。
【請求項4】
前記角度(γ)が最大10°である、請求項2又は3記載のレーザースパークプラグ。
【請求項5】
前室(110)の内室(111)内で、その長手方向軸線が互いに交差する溢流通路(120a,120c,120e)の、外室(200)へと開口する開口(120a′,120c′,120e′)が、互いにかつ/又はレーザースパークプラグ(100)の長手方向軸線(LA)から均一な間隔をおいて位置していて、n≧3である仮想n角形の角隅の領域に位置している、請求項1記載のレーザースパークプラグ。
【請求項6】
少なくとも1つの流れガイドエレメント(130)が設けられており、このエレメント(130)は、流体流(F)を支援し、燃焼室窓(140)の、前室(110)に面した表面(140a)に接線状に沿って通過させるように構成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のレーザースパークプラグ。
【請求項7】
燃焼室窓(140)が設けられていて、燃焼室窓の、前室(110)に面した表面(140a)が少なくとも所定の領域で、前室(110)の内壁(110a)と同一平面に位置するように配置されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のレーザースパークプラグ。
【請求項8】
レーザースパークプラグ(100)が、レーザービーム(20)が前室(110)内に位置する1つの点火点(ZP)に向かって入射するように構成されていて、該点火点(ZP)と燃焼室窓(140)との間隔(d1)が、該点火点(ZP)と前室(110)の燃焼室に面した端部領域(110a)との間隔(d2)よりも小さい、請求項1から7までのいずれか1項記載のレーザースパークプラグ。
【請求項9】
前記間隔(d1)が、前記間隔(d2)よりも少なくとも50%小さい、請求項8記載のレーザースパークプラグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車の内燃機関又は大型ガス機関のためのレーザースパークプラグであって、点火可能な媒体を収容するための前室と、前室の内室と前室を取り囲む外室との間の流体接続を可能にする少なくとも1つの溢流通路とが設けられている形式のものに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の課題は、冒頭で述べた形式のレーザースパークプラグを改良して、確実な運転及びより長い耐用期間を保証するようなレーザースパークプラグを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
この課題を解決するために本発明の構成では、少なくとも1つの溢流通路が、溢流通路を通って前室の内室に流体が流入する際に、レーザースパークプラグの長手方向軸線に対して約45°以上の角度を成して位置する渦流軸線を中心として回転する少なくとも1つの渦流を有する流体流が生じるように配置及び構成されているようにした。
【発明の効果】
【0004】
特に有利には、少なくとも1つの溢流通路が長手方向軸線の外側に配置されている。
【0005】
本発明によれば、このような形式の流体流により有利には、レーザースパークプラグの燃焼室窓の表面の領域におけるよどみ点の流れが回避される。その結果、前室における燃焼の際に生じる灰化オイル又はその他の粒子は、燃焼室窓の表面にごく僅かな量しか生じず、これにより、前室を備えた従来のレーザー点火システムよりも確実なレーザー点火及び長い耐用期間が保証されている。
【0006】
本発明のレーザースパークプラグの特に有利な構成では、渦流軸線と長手方向軸線との間の角度が、約80°〜90°であり、有利にはほぼ90°である。レーザースパークプラグの長手方向軸線に関してこのような角度条件を満たす流体流は、いわゆるタンブル流とも言われる。
【0007】
本発明により得られるタンブル流の構成により特に有利には、レーザースパークプラグの燃焼室窓の表面が、燃焼生成物の堆積から保護される。何故ならば、燃焼室窓に向けられる流体速度の垂直成分が著しく減じられる若しくはなくなるからである。
【0008】
本発明のタンブル流の構成は、本発明の別の構成により、少なくとも1つの溢流通路が、溢流通路の長手方向軸線が半径方向で、レーザースパークプラグの長手方向軸線に対して、約25°以下である、有利には約10°以下である角度をなしていることにより得られる。
【0009】
特に有利には別の構成により、複数の溢流通路が設けられており、互いに隣接する溢流通路の長手方向軸線が、最大20°の角度、有利には最大10°の角度をなしている。
【0010】
有利にはこのような本発明による構成は、溢流通路の開口が、前室の、燃焼室に面した端部側の領域に配置されている溢流通路において採用される。
【0011】
特に有利な本発明の流体流は、本発明の別の構成により、複数の溢流通路が設けられており、これらの溢流通路が、少なくとも3つの溢流通路の長手方向軸線が、前室の内室内に位置する1つの交点で交差するように配置及び構成されていることにより得られる。この場合に行われる、個々の溢流通路を流れる部分流の加算は、タンブル流のためには特に強力な流体流の構成のために有利である。
【0012】
前記交点が前室の半径方向外側の領域に位置していて、この場合、この交点が、レーザースパークプラグ若しくは前室の長手方向軸線から、前室の半径の少なくとも50%〜70%離れていることにより、特に確実に前室内にタンブル流が得られる。
【0013】
本発明の別の構成により、前室の内室内で、その長手方向軸線が互いに交差する溢流通路の、外室へと開口する開口が、互いにかつ/又はレーザースパークプラグの長手方向軸線からほぼ均一な間隔をおいて位置していて、特に、n≧3である仮想n角形の角隅の領域に位置しているならば、効果的な点火のために必要なできるだけ均一な、前室から出る点火火炎の分布が保証される。
【0014】
本発明の別の有利な構成では、少なくとも1つの流れガイドエレメントが設けられており、このエレメントは、流体流を支援し、特に、燃焼室窓の、前室に面した表面に接線状に沿って通過させるように構成されている。このために少なくとも1つの流れガイドエレメントは、理想的であるタンブル流若しくはその渦流のほぼ外側輪郭にほぼ相応した形状を有する流れガイドする表面を有する。
【0015】
このような形式のタンブル流の最適な構成は、本発明の別の有利な構成によれば、燃焼室窓が設けられていて、燃焼室窓の、前室に面した表面が少なくとも所定の領域で、前室の内壁と同一平面に位置するように配置されていることにより得られる。
【0016】
前室にある点火可能な混合物の最適な燃焼は、本発明の別の有利な構成によれば、レーザースパークプラグが、レーザービームが前室内に位置する1つの点火点に向かって入射するように構成されていて、該点火点と燃焼室窓との間隔が、該点火点と前室の燃焼室に面した端部領域との間隔よりも小さい、特に、少なくともほぼ50%小さいことにより得られる。これにより有利には、レーザー点火の際に、点火点で生じる火炎コアが、本発明により形成されるタンブル流によって連行され、前室の燃焼室側の端部領域へとガイドされる。この領域における火炎フロントをさらに改善することにより、前室から外室若しくは燃焼室へと流出する未燃焼混合物は少なくなり、これにより、前室におけるレーザー点火の効率が上昇するという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明によるレーザースパークプラグの第1実施例を示した部分横断面図である。
【
図2】燃焼室窓と前室の内壁との間の境界領域に、最適な流れガイドを備えた本発明によるレーザースパークプラグの別の構成を示した図である。
【
図3A】本発明によるレーザースパークプラグの別の構成を示した図である。
【
図3B】本発明によるレーザースパークプラグのさらに別の構成を示した図である。
【
図4】別の構成の本発明によるレーザースパークプラグの、燃焼室に面した端部を示した正面図である。
【
図5】別の構成の本発明によるレーザースパークプラグの、燃焼室に面した端部領域を示した斜視図である。
【
図6】A〜Dは、本発明によるレーザースパークプラグのそれぞれ異なる運転段階を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1には、本発明によるレーザースパークプラグ100の第1の実施例の部分横断面図が示されている。レーザースパークプラグ100は、組み込まれたレーザー装置105を有しており、このレーザー装置105は、レーザービーム20を発生させ、レーザースパークプラグ100の前室110に位置する点火点ZPに集束させることができる。
【0019】
前室110の内室は、レーザースパークプラグ100の、燃焼室とは反対側の部分100aから、燃焼室窓140によって分離されている。
【0020】
さらに、レーザースパークプラグ100もしくはその前室110は、溢流通路120を有しており、この溢流通路120により、前室110と、内燃機関へのレーザースパークプラグ100の組み込み状態では、例えば内燃機関の燃焼室である外側領域200との間の流体接続が可能である。
【0021】
本発明によれば少なくとも1つの溢流通路120が、流体が溢流通路120を通って前室110の内室111に流入する際に流体流Fが生じるように配置及び形成されている。この流体流Fは、レーザースパークプラグ100の長手方向軸線LAに対して約45°以上の角度を成す渦流軸線WAを中心として回転する少なくとも1つの渦流を有している。
【0022】
特に有利には、溢流通路120は長手方向軸線LAの外側に配置されており、このことは、本発明による流体流Fの形成をさらに改善する。
【0023】
本発明により形成された流体流Fは、ここでは矢印Fにより示されている。相応の渦流軸線は
図1では図平面に対して垂直に立っている。この場合、従って、渦流軸線WAは、レーザースパークプラグ100の長手方向軸線LAに対して直角を成している。この場合、本発明により設けられた流体流Fは、いわゆるタンブル流とも言われる。
【0024】
タンブル流Fは、有利には、燃焼室窓140の表面140aに関して接線状の流れ速度成分しか有していないので、表面140a上への燃焼生成物の付着は有利には回避される。
【0025】
タンブル流Fをさらに助成するために、少なくとも1つの流れガイドエレメント130を前室110に設けることもできる。
【0026】
本発明の特に有利な構成では、少なくとも1つの溢流通路120が、その長手方向軸線KLAが、レーザースパークプラグ100の長手方向軸線LAに関して半径方向で、レーザースパークプラグ100の長手方向軸線LAに対して所定の角度βを形成し、この角度βが約25°、有利には約10°以下であるように配置されている。
【0027】
本発明の別の構成ではさらに、複数の溢流通路120が、互いに隣接して位置する溢流通路の長手方向軸線LAが最大20°の角度γを、有利には最大10°の角度γを成すように、方向付けられている。このことは、長手方向軸線LAに関して半径方向で見ても、軸方向で見てもあてはまる。
【0028】
図2には、本発明によるレーザースパークプラグ100の別の構成の部分横断面図が示されている。この構成では、前室110が、相応に丸くされた内壁区分110aに基づき、最適にされた流れガイドを保証するように成形されている。この場合、
図1に示したような別個の流れガイドエレメント130は必要ない。
【0029】
図3Aには、本発明による前室110のさらに別の構成が示されている。この構成では、ほぼT字型の横断面を有する燃焼室窓140′が設けられている。これにより、レーザースパークプラグ100のここには詳しく示されていない相応の受容手段における燃焼室窓140′の改善されたはめ込みが可能である。さらに、燃焼室窓140′は前室110に関して、燃焼室窓140′の、前室110に面した表面140a′が、前室110の内壁区分110aと同一平面を成すように配置されているとさらに有利である。
【0030】
図3Bには、本発明によるレーザースパークプラグのための前室110の別の構成が示されている。この構成では、燃焼室窓140が前室110の内室111に関して、所定の間隔だけ後方へずらされている。このことによっても、燃焼室窓140における燃焼生成物の堆積を減じることができる。
【0031】
図4には、本発明によるレーザースパークプラグの別の構成の正面図が示されている。この構成では、前室110は全部で5つの溢流通路を有しており、これらの通路のうちそれぞれ、前室110を取り囲む外室200に開口している開口120a′,120b′,120c′,120d′,120e′だけが図示されている。
【0032】
図4により、外室200への溢流通路若しくはその上記開口120a′,120b′,120c′,120d′,120e′の長手方向軸線LA(
図1参照)に関してほぼ非対称的な配置も、本発明によるタンブル流を形成するために適していることが示されている。
【0033】
図5には、本発明によるレーザースパークプラグの斜視図が示されている。この場合さらに、5つの溢流通路120a,120b,120c,120d,120eも示されている。
【0034】
溢流通路120a,120b,120c,120d,120eは本発明では、長手方向軸線が少なくとも3つの溢流通路120a,120c,120eと、前室110の内室111(
図1参照)において交差し、即ち、交点SPで交差し、これにより個々の部分流は有利には、タンブル流F(
図1参照)に加わるように配置及び構成されている。
【0035】
交点SPが前室110の半径方向外側の領域に位置していて、交点SPが特に、レーザースパークプラグ100の長手方向軸線LAに対して、前室110の半径の約50%〜70%の間隔を有しているならば、前室110の内室における本発明による流体流Fの特に有利な構成が保証されている。
【0036】
本発明の有利な構成によれば、前室110の内室111において、その長手方向軸線が互いに交差する溢流通路120a,120c,120eの、外室200内に開口する開口120a′,120c′,120e′(
図5)が、互いに及び/又はレーザースパークプラグ100の長手方向軸線LAからほぼ均一に間隔をおいて、特に仮想のn角形(n≧3)の角隅の領域に位置しているならば、前室110から流出する点火火炎によって外室若しくは燃焼室200がほぼ均一に負荷されることが保証される。
【0037】
このような構成により有利には、前室110の内室111に外室200からの流体が流入する際に同時に、互いに交差する3つの溢流通路の部分流の有利な付加が行われ、これにより溢流通路の交点の領域における流出端部で、本発明による増強された流体流Fが得られる。
【0038】
図6A〜
図6Dには、本発明によるレーザースパークプラグ100の種々異なる運転段階が示されている。
【0039】
前室110に位置する1つの点火点ZPと燃焼室窓140との間隔d1が、点火点ZPと前室110の燃焼室に面した端部領域110aとの間隔d2よりも僅かであるような点火点ZPにレーザービーム20を入射させる、本発明によるレーザースパークプラグ100の構成により有利には、点火点ZPに形成される火炎コアが、本発明による流体流Fにより連行されて、この結果、前室110の内室111を通る、時計回りで続く火炎コアの運動が生じる(
図6B〜
図6D参照)。
【0040】
レーザー点火後、本発明による流体流Fは、前室110の、燃焼室に面した側の端部領域110a(
図6A)の方向で時計回りで、火炎コアを連行し、次いで火炎はここから、前室容積の残留部分に点火する。従って、炎先端が、燃焼室窓から、燃焼室に面した側の端部領域110aの方向で燃焼する、タンブル流のない従来の前室と比べて、前室110内の圧力が燃焼により上昇した場合に、前室110から主燃焼室200への未燃焼混合物の流出は少なくなる。前室容積は、本発明の原理を使用すると、従来のレーザースパークプラグよりも効果的に使用される。
【0041】
これにより有利には、点火効率を損なうことなく、該当する構成部分、特に前室110を、従来のシステムよりも小さく設計することができる。
【0042】
本発明によるレーザースパークプラグのいくつかの構成では、溢流通路120が非対称的に配置されていることにより、目的のシステムのシリンダヘッドに関して本発明によるレーザースパークプラグ100を方向付けて組み付ける必要がある場合もある。
【0043】
湾曲された溢流通路を設けることにより、有利には、前室110から燃焼室200へと流出する点火火炎を所望の方向に変向させ、燃焼室200内で特に均一に分配することができる。
【符号の説明】
【0044】
20 レーザービーム、 100 レーザースパークプラグ、 100a 燃焼室とは反対側の部分、 105 レーザー装置、 110 前室、 110a 内壁区分、 111 内室、 120,120a,120b,120c,120d,120e 溢流通路、 120a′,120b′,120c′,120d′,120e′ 開口、 130 流れガイドエレメント、 140,140′ 燃焼室窓、 140a,140a′ 表面、 200 外側領域、主燃焼室、 ZP 点火点、 F 流体流、 LA レーザースパークプラグの長手方向軸線、 WA 渦流軸線、 KLA 溢流通路の長手方向軸線、 SP 交点、 d1,d2 間隔