特許第6099315号(P6099315)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6099315液晶表示装置及び配向膜
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6099315
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】液晶表示装置及び配向膜
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1337 20060101AFI20170313BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20170313BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20170313BHJP
【FI】
   G02F1/1337 530
   G02F1/1335 505
   G02F1/1368
【請求項の数】23
【全頁数】189
(21)【出願番号】特願2012-74805(P2012-74805)
(22)【出願日】2012年3月28日
(65)【公開番号】特開2013-88803(P2013-88803A)
(43)【公開日】2013年5月13日
【審査請求日】2015年2月3日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0107357
(32)【優先日】2011年10月20日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】李 宅 ▲ジュン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 根 燦
(72)【発明者】
【氏名】李 俊 協
(72)【発明者】
【氏名】金 相 均
(72)【発明者】
【氏名】金 長 玄
(72)【発明者】
【氏名】金 泰 ▲薫▼
【審査官】 磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/025388(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/148099(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/068127(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1337
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上のポリシロキサンに結合した第1プレチルト官能基、第2プレチルト官能基及び第1垂直配向性官能基を含み、
前記第1垂直配向性官能基は、環状化合物を含み、前記基板に対して実質的に垂直方向に配列し、及び
前記第1プレチルト官能基は、前記第2プレチルト官能基と架橋(cross-linking)し、前記基板に対して傾くように配列し、
前記第1プレチルト官能基の鎖長が、前記第2プレチルト官能基の鎖長より大きく、
前記第1プレチルト官能基及び前記第2プレチルト官能基は、以下の構造式XIX−V1、構造式XIX−V2又は構造式XIX−C1で表される単分子または側鎖に由来する構造部分または側鎖部分を含み、

構造式XIX−V1
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構造式XIX−V2
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式中、XVは、アルキル、エーテル又はエステルであり、
YVは、メチル又は水素であり、

構造式XIX−C1
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式中、XCは、アルキル、エーテル、エステル、フェニル、シクロヘキシル、及びフェニルエステルの中のいずれかであり、
YCは、アルキル、フェニル、ビフェニル、シクロヘキシル、ビシクロヘキシル、及びフェニルシクロヘキシルの中のいずれかであり、
前記第1垂直配向性官能基は、以下の構造式XIX−A1、構造式XIX−A2、構造式XIX−A3又は構造式XIX−A4で表される単分子に由来する構造部分、または側鎖部分を含み、
構造式 XIX−A1
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構造式 XIX−A2
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構造式 XIX−A3
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構造式 XIX−A4
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ことを含む配向膜。
【請求項2】
前記第1垂直配向性官能基対前記第1プレチルト官能基のモル%(mol%)比は、1対1.5ないし11であることを特徴とする請求項1に記載の配向膜。
【請求項3】
前記ポリシロキサンとして、オルトシリケート系モノマーによる重合鎖を含むことを特徴とする請求項2に記載の配向膜。
【請求項4】
前記ポリシロキサンに結合したゾルゲル触媒剤(sol-gel catalyst)又は凝集阻害剤(aggregation inhibitor)をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の配向膜。
【請求項5】
前記ポリシロキサンに結合した第2垂直配向性官能基をさらに含み、前記第2垂直配向性官能基は、環状化合物を含まないことを特徴とする請求項4に記載の配向膜。
【請求項6】
前記ポリシロキサンに結合した第2垂直配向性官能基をさらに含み、前記第2垂直配向性官能基は、環状化合物を含まないことを特徴とする請求項3に記載の配向膜。
【請求項7】
前記ポリシロキサンに結合したゾルゲル触媒剤(sol-gel catalyst)又は凝集阻害剤(aggregation inhibitor)をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の配向膜。
【請求項8】
前記ポリシロキサンに結合した第2垂直配向性官能基をさらに含み、前記第2垂直配向性官能基は、環状化合物を含まないことを特徴とする請求項7に記載の配向膜。
【請求項9】
前記ポリシロキサンに結合した第2垂直配向性官能基をさらに含み、前記第2垂直配向性官能基は、環状化合物を含まないことを特徴とする請求項2に記載の配向膜。
【請求項10】
前記第1垂直配向性官能基は、アルキルベンゼン基、コレステリル基、アルキル化脂環式基、及びアルキル化芳香族基の中のいずれかを含むことを特徴とする請求項2に記載の配向膜。
【請求項11】
前記ポリシロキサンとして、オルトシリケート系モノマーによる重合鎖を含むことを特徴とする請求項1に記載の配向膜。
【請求項12】
前記ポリシロキサンに結合したゾルゲル触媒剤(sol-gel catalyst)又は凝集阻害剤(aggregation inhibitor)をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の配向膜。
【請求項13】
前記ポリシロキサンに結合した第2垂直配向性官能基をさらに含み、前記第2垂直配向性官能基は、環状化合物を含まないことを特徴とする請求項12に記載の配向膜。
【請求項14】
前記ポリシロキサンに結合した第2垂直配向性官能基をさらに含み、前記第2垂直配向性官能基は、環状化合物を含まないことを特徴とする請求項11に記載の配向膜。
【請求項15】
前記第1プレチルト官能基と前記第2プレチルト官能基は互いに異なっており、それぞれ、ビニル基、スチレン基、メタクリレート基、シンナメート基及びアクリル基のうちのいずれかを構成モノマー中に含むことを特徴とする請求項11に記載の配向膜。
【請求項16】
前記第1垂直配向性官能基対前記第1プレチルト官能基対第2プレチルト官能基の構成モノマーのモル%(mol%)比は、1対1.5ないし11対1ないし3であることを特徴とする請求項11に記載の配向膜。
【請求項17】
前記ポリシロキサンに結合したゾルゲル触媒剤(sol-gel catalyst)又は凝集阻害剤(aggregation inhibitor)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の配向膜。
【請求項18】
前記ポリシロキサンに結合した第2垂直配向性官能基をさらに含み、前記第2垂直配向性官能基は、環状化合物を含まないことを特徴とする請求項17に記載の配向膜。
【請求項19】
前記ゾルゲル触媒剤又は前記凝集阻害剤が、アミノ基及びチオル基のうちのいずれかの一つを含むことを特徴とする請求項17に記載の配向膜。
【請求項20】
前記第1垂直配向性官能基対前記第1プレチルト官能基対前記凝集阻害剤の構成モノマーのモル%(mol%)比は、1対1.5ないし11対0.5ないし4であることを特徴とする請求項17に記載の配向膜。
【請求項21】
前記ポリシロキサンに結合した第2垂直配向性官能基をさらに含み、前記第2垂直配向性官能基は、環状化合物を含まないことを特徴とする請求項1に記載の配向膜。
【請求項22】
前記第1垂直配向性官能基対前記第2垂直配向性官能基対前記第1プレチルト官能基の構成モノマーのモル%(mol%)比は、1対0.3ないし3対1.5ないし11であることを特徴とする請求項21に記載の配向膜。
【請求項23】
複数の液晶分子を含む液晶層は第1表示板と第2表示板との間にあり、
前記第1表示板と前記第2表示板の中の少なくとも一つに形成された請求項1〜22のいずれかに記載の配向膜は、第1又は第2基板上のポリシロキサンに結合した第1プレチルト官能基、第2プレチルト官能基及び第1垂直配向性官能基を含み、
前記第1垂直配向性官能基は環状化合物を包含し、前記複数の液晶分子の第1液晶分子を、前記第1又は第2基板に対して実質的に垂直方向に配列し、及び
前記第2プレチルト官能基と架橋した前記第1プレチルト官能基は、前記複数の液晶分子の第2液晶分子を、前記第1又は第2基板に対して傾くように配列する
ことを含む液晶表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及び配向膜、並びにこれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示装置は、液晶の特性によって捩れネマティック(Twisted Nematic)方式、水平電界方式、又は垂直配向方式などに区分される。PVA(Patterned Vertically Aligned)モードは垂直配向方式であって、広視野角を具現するために開発されている。一方、PVAモードの側面視認性をより改善するため、微細スリット(micro-slit)モード又はSVA(super vertical alignment)モードが開発されている。更に、SVAモードでは、液晶分子を配向するため、液晶層に反応性メゾゲンが存在する。反応性メゾゲンは、未硬化の状態で液晶層にあり、光照射により硬化されて液晶分子にプレチルト(pretilt)を付与する。液晶分子のプレチルト角によって、液晶表示装置の応答速度が変わり、光漏れの不良が発生し得る。
したがって、液晶分子のプレチルト角を最適化するための配向膜が要求されている。なお、配向膜の特性及び信頼性を向上するため、配向膜を形成する材料は多様な官能基を含まなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国出願公開2011-0018927号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開2007-224369号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、迅速な応答速度の液晶表示装置又は光漏れ不良の減少された液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、さらに、良好な信頼性を有する配向膜を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、上記配向膜は、基板上のポリシロキサンに結合した第1プレチルト官能基、第2プレチルト官能基及び第1垂直配向性官能基を含む。環状化合物を含んだ上記第1垂直配向性官能基は、実質的に上記基板に対して垂直方向に配列される。上記第2プレチルト官能基と架橋した上記第1プレチルト官能基は、上記基板に対して傾くように配列される。
【0006】
本発明において、上記第1垂直配向性官能基対上記第1プレチルト官能基のモル(mol)%比率は、約1対約1.5〜約11であるのが好ましい。
【0007】
本発明において、上記第1垂直配向性官能基は、アルキルベンゼン基、コレステリル基、アルキル化脂環式基、及びアルキル化芳香族基のうちのいずれかの1種を含んでいてもよい。
【0008】
本発明において、上記第1プレチルト官能基の鎖長が上記第2プレチルト官能基の鎖長より大きくてもよい。
【0009】
本発明において、上記第1プレチルト官能基と上記第2プレチルト官能基は、互いに異なっており、それぞれ、ビニル基、スチレン基、メタクリレート基、シンナメート基、及びアクリル基のうちのいずれかを含んでもよい。
【0010】
本発明において、上記第1垂直配向性官能基対上記第1プレチルト官能基対上記第2プレチルト官能基のモル%比は、約1対約1.5〜約11対約1〜約3であるのが好ましい。
【0011】
本発明において、上記配向膜は、ポリシロキサンに結合したゾル−ゲル触媒剤(sol-gel catalyst)又は凝集阻害剤(aggregation inhibitor)をさらに含んでもよい。
【0012】
本発明において、上記ゾル−ゲル触媒剤と上記凝集阻害剤は各々、アミノ基及びチオール基のうちのいずれかを含んでもよい。
【0013】
本発明において、上記第1垂直配向性官能基対上記第1プレチルト官能基対上記凝集阻害剤のモル%比は、約1対約1.5〜約11対約0.5〜約4であるのが好ましい。
【0014】
本発明において、上記配向膜は、ポリシロキサンに結合した第2垂直配向性官能基をさらに含み、上記第2垂直配向性官能基は環状化合物を含まないのが好ましい。
【0015】
本発明において、上記第1垂直配向性官能基対上記第2垂直配向性官能基対上記第1プレチルト官能基のモル%比は、約1対約0.3〜約3対約1.5〜約11であるのが好ましい。
【0016】
本発明において、複数の液晶分子を含む液晶層は、第1表示板と第2表示板との間にあり、上記記第1表示板と上記第2表示板の中の少なくとも一つに形成された配向膜は、第1又は第2基板上のポリシロキサンに結合した第1プレチルト官能基、第2プレチルト官能基及び基第1垂直配向性官能基を含み、
上記基第1垂直配向性官能基は環状化合物を包含し、上記複数の液晶分子の第1液晶分子を、上記第1又は第2基板に対して実質的に垂直方向に配列し、及び
上記第2プレチルト官能基と架橋した上記第1プレチルト官能基は、上記複数の液晶分子の第2液晶分子を、上記第1又は第2基板に対して傾くように配列することを含む液晶表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の液晶表示装置及び配向膜によれば、液晶分子の配向性と配向膜の信頼性が改善されるので、液晶表示装置の表示品質に優れている。以下、本明細書に記載されている多くの利点を有することができるのは、この分野における通常の知識を有する者であれば理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る液晶表示装置のブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の構造と二つの副画素についての構造を示す概略図である。
図3】本発明の一実施形態による液晶表示板組立体の配置図である。
図4a図3に示した液晶表示板組立体のライン4a−4a´に沿った断面図である。
図4b図3に示した液晶表示板組立体のライン4b−4b´に沿った断面図である。
図4c図3に示した液晶表示板組立体のライン4c−4c´に沿った断面図である。
図5a図3に示した第2副画素電極1911の中央部A5を拡大した画素電極の平面図である。
図5b図5aに示した画素電極の平面図の別の実施形態であって、画素電極の拡大平面図である。
図6a図1ないし図5a及び図5bにより製造した下部表示板と上部表示板を用いて、SVAモードで液晶表示板組立体を製造する方法を説明するためのフローチャートである。
図6b図1ないし図5a及び図5bにより製造した下部表示板と上部表示板を用いて、SC-VAモードで液晶表示板組立体を製造する方法を説明するためのフローチャートである。
図6c図1ないし図5a及び図5bにより製造した下部表示板と上部表示板を用いて、UV−VAモードで液晶表示板組立体を製造する方法を説明するためのフローチャートである。
図7a】DC電圧を液晶表示板組立体に供給する波形図である。
図7b】多段階電圧を液晶表示板組立体に供給する波形図である。
図8a】本発明の一実施形態のSC-VAモードにより液晶表示板組立体の表面光硬化剤層と主配向膜が形成される過程を順次に示した断面図である。
図8b】本発明の一実施形態のSC-VAモードにより液晶表示板組立体の表面光硬化剤層と主配向膜が形成される過程を順次に示した断面図である。
図8c】本発明の一実施形態のSC-VAモードにより液晶表示板組立体の表面光硬化剤層と主配向膜が形成される過程を順次に示した断面図である。
図8d】本発明の一実施形態のSC-VAモードにより液晶表示板組立体の表面光硬化剤層と主配向膜が形成される過程を順次に示した断面図である。
図8e】本発明の一実施形態のSC-VAモードにより液晶表示板組立体の表面光硬化剤層と主配向膜が形成される過程を順次に示した断面図である。
図9】表面光硬化剤層が硬化されて光硬化層を形成する段階を示した概念図である。
図10】SC-VAモードの特性を有する液晶表示装置の一つの画素(PX)を経時的に撮影した電子顕微鏡の写真である。
図11】本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の一つの画素についての等価回路図である。
図12】他の実施形態に係る液晶表示装置の基本画素群の画素電極の平面図である。
図13a】従来の液晶表示装置の階調値−輝度比のグラフである。
図13b】本発明の液晶表示装置の階調値−輝度比のグラフである。
図14】他の実施形態に係る液晶表示装置の基本画素群の画素電極の平面図である。
図15a】本発明の2番目のUV−VAモードの実施形態により液晶表示板組立体の配向膜が形成される過程を順次に示した断面図である。
図15b】本発明の2番目のUV−VAモードの実施形態により液晶表示板組立体の配向膜が形成される過程を順次に示した断面図である。
図15c】本発明の2番目のUV−VAモードの実施形態により液晶表示板組立体の配向膜が形成される過程を順次に示した断面図である。
図15d】本発明の2番目のUV−VAモードの実施形態により液晶表示板組立体の配向膜が形成される過程を順次に示した断面図である。
図15e】本発明の2番目のUV−VAモードの実施形態により液晶表示板組立体の配向膜が形成される過程を順次に示した断面図である。
図15f】本発明の2番目のUV−VAモードの実施形態により液晶表示板組立体の配向膜が形成される過程を順次に示した断面図である。
図15g】本発明の2番目のUV−VAモードの実施形態により液晶表示板組立体の配向膜が形成される過程を順次に示した断面図である。
図16a】微細枝又は微細スリットを構成する多数の基本形状である。
図16b】微細枝又は微細スリットを構成する多数の基本形状である。
図16c】微細枝又は微細スリットを構成する多数の基本形状である。
図16d】微細枝又は微細スリットを構成する多数の基本形状である。
図16e】微細枝又は微細スリットを構成する多数の基本形状である。
図16f】微細枝又は微細スリットを構成する多数の基本形状である。
図16g】微細枝又は微細スリットを構成する多数の基本形状である。
図17a図5a及び図5bに示した画素電極の平面図の別の実施形態である。
図17b図5a及び図5bに示した画素電極の平面図の別の実施形態である。
図17c図5a及び図5bに示した画素電極の平面図の別の実施形態である。
図17d図5a及び図5bに示した画素電極の平面図の別の実施形態である。
図17e図5a及び図5bに示した画素電極の平面図の別の実施形態である。
図17f図5a及び図5bに示した画素電極の平面図の別の実施形態である。
図17g図5a及び図5bに示した画素電極の平面図の別の実施形態である。
図18】本発明の別の実施形態による一つの画素の概略的配置図である。
図19a図18に示した画素の配置図の中間部分A19の拡大図である。
図19b】基本画素群に含まれた画素の各々において、図18に示したA19部分を拡大した図面である。
図20a図18に示した画素の配置図を構成する主要層についてのパターンであって、ゲート層導電体のパターンである。
図20b図18に示した画素の配置図を構成する主要層についてのパターンであって、データ層導電体のパターンである。
図20c図18に示した画素の配置図を構成する主要層についてのパターンであって、画素電極層のパターンである。
図20d図18図20cに各々示した画素電極層のパターンについての他の実施形態である。
図20e図18図20cに各々示した画素電極層のパターンについての他の実施形態である。
図20f】本発明の別の実施形態による画素電極の平面図である。
図20g】本発明の別の実施形態による画素電極の平面図である。
図20h】本発明の別の実施形態による画素電極の平面図である。
図20i】本発明の別の実施形態による画素電極の平面図である。
図20j】本発明の別の実施形態による画素電極の平面図である。
図21a図18に示した画素の配置図において、ライン21a−21a´及びライン21b−21b´に沿った断面図である。
図21b図18に示した画素の配置図において、ライン21a−21a´及びライン21b−21b´に沿った断面図である。
図22a図18に示した画素の配置図において、ライン21a−21a´に沿って切断する時の他の実施形態による液晶表示板組立板の断面図である。
図22b図18に示した画素の配置図において、ライン21a−21a´に沿って切断する時の他の実施形態による液晶表示板組立板の断面図である。
図22c図18に示した画素の配置図において、ライン21a−21a´に沿って切断する時の他の実施形態による液晶表示板組立板の断面図である。
図22d図18に示した画素の配置図において、ライン21a−21a´に沿って切断する時の他の実施形態による液晶表示板組立板の断面図である。
図22e図18に示した画素の配置図において、ライン21a−21a´に沿って切断する時の他の実施形態による液晶表示板組立板の断面図である。
図22f図18に示した画素の配置図において、ライン21a−21a´に沿って切断する時の他の実施形態による液晶表示板組立板の断面図である。
図22g図18に示した画素の配置図において、ライン21a−21a´に沿って切断する時の他の実施形態による液晶表示板組立板の断面図である。
図22h図18に示した画素の配置図において、ライン21a−21a´に沿って切断する時の他の実施形態による液晶表示板組立板の断面図である。
図23a】本発明の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための下部表示板の平面図である。
図23b】本発明の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための下部表示板の平面図である。
図23c】本発明の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための下部表示板の平面図である。
図23d】本発明の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための下部表示板の平面図である。
図23e】本発明の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための下部表示板の平面図である。
図23f】本発明の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための下部表示板の平面図である。
図24a】別の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための画素電極層の一部を示した平面図である。
図24b】別の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための画素電極層の一部を示した平面図である。
図24c】別の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための画素電極層の一部を示した平面図である。
図24d】別の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための画素電極層の一部を示した平面図である。
図24e】別の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための画素電極層の一部を示した平面図である。
図24f】別の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための画素電極層の一部を示した平面図である。
図24g】別の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための画素電極層の一部を示した平面図である。
図24h】別の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための画素電極層の一部を示した平面図である。
図24i】別の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための画素電極層の一部を示した平面図である。
図24j】別の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための画素電極層の一部を示した平面図である。
図24k】別の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための画素電極層の一部を示した平面図である。
図24l】別の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための画素電極層の一部を示した平面図である。
図24m】別の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための画素電極層の一部を示した平面図である。
図24n】別の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための画素電極層の一部を示した平面図である。
図24o】別の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための画素電極層の一部を示した平面図である。
図24p】別の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための画素電極層の一部を示した平面図である。
図24q】別の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための画素電極層の一部を示した平面図である。
図24r】別の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための画素電極層の一部を示した平面図である。
図24s】別の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための画素電極層の一部を示した平面図である。
図24t】別の実施形態により液晶表示装置の未復元と光漏れ不良を改善するための画素電極層の一部を示した平面図である。
図25】本発明の別の実施形態による一つの画素の概略配置図である。
図26a図25に示した画素の配置図を構成する主要層についてのパターンであって、ゲート層導電体のパターンである。
図26b図25に示した画素の配置図を構成する主要層についてのパターンであって、データ層導電体のパターンである。
図26c図25に示した画素の配置図を構成する主要層についてのパターンであって、画素電極層のパターンである。
図27a図25に示した画素の配置図におけるライン27a−27a′及びライン27b−27b´に沿った断面図である。
図27b図25に示した画素の配置図におけるライン27a−27a′及びライン27b−27b´に沿った断面図である。
図28】別の実施形態に係る液晶表示装置の基本画素群の画素電極の平面図である。
図29】別の実施形態に係る液晶表示装置の基本画素群の画素電極の平面図である。
図30】別の実施形態に係る液晶表示装置の基本画素群の画素電極の平面図である。
図31】別の実施形態に係る液晶表示装置の基本画素群の画素電極の平面図である。
図32】別の実施形態に係る液晶表示装置の基本画素群の画素電極の平面図である。
図33a】液晶表示装置を構成する画素電極の形状及び画素電極の分割構造である。
図33b】液晶表示装置を構成する画素電極の形状及び画素電極の分割構造である。
図33c】液晶表示装置を構成する画素電極の形状及び画素電極の分割構造である。
図33d】液晶表示装置を構成する画素電極の形状及び画素電極の分割構造である。
図33e】液晶表示装置を構成する画素電極の形状及び画素電極の分割構造である。
図33f】液晶表示装置を構成する画素電極の形状及び画素電極の分割構造である。
図33g】液晶表示装置を構成する画素電極の形状及び画素電極の分割構造である。
図33h】液晶表示装置を構成する画素電極の形状及び画素電極の分割構造である。
図33i】液晶表示装置を構成する画素電極の形状及び画素電極の分割構造である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付した図面と好適な実施形態を参照しながら、本発明の製造及び使用方法について詳細に説明する。
【0020】
本発明の明細書において、同一の部品又は構成要素については、同一の符号を付けることにより重複説明を省略する。なお、本明細書において数値限定が提示されているものの、請求範囲に限定されない限りでは、かかる限定は例示的な限定に過ぎないことを留意しなければならない。
【0021】
図1及び図2を参照しながら、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置について詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る液晶表示装置のブロック図である。図2は、本発明の実施形態に係る液晶表示装置の構造と一つの画素(PX)を成す二つの副画素190h、190lの構造を概略的に示した図面である。図1に示されたように、液晶表示装置は、液晶表示板組立体(liquid crystal panel assembly)300、ゲート駆動部(gate driver)400、データ駆動部(data driver)500、信号制御部600及び階調電圧生成部800からなる。
【0022】
信号制御部600は、ホストから入力される映像信号(R、G、B)とデータイネーブル(Data Enable,DE)信号、水平と垂直同期信号(Hsync、Vsync)及びクリック信号(MCLK)を含む制御信号の入力を受ける。信号制御部600は、データ制御信号(CONT2)と映像データ信号(DAT)をデータ駆動部500に出力し、ゲートラインを選択するためのゲート制御信号(CONT1)をゲート駆動部400に出力する。一方、信号制御部600は、光源を調節するため、光源制御信号を光源発生部(図示せず)に出力し得る。
【0023】
階調電圧生成部800は、画素(PX)に供給される全階調電圧又は限定数の階調電圧(以下、「基準階調電圧」という。)を生成し、データ駆動部500に出力する。基準階調電圧は、共通電圧(Vcom)に対して異なる極性の電圧を有する。
【0024】
データ駆動部500は、階調電圧生成部800から基準階調電圧が入力され、信号制御部600より制御信号(CONT2)と映像データ信号に応答して階調電圧を複数のデータ線(D−D)に出力する。階調電圧生成部800が限定数の基準階調電圧をのみ提供する場合に、データ駆動部500は基準階調電圧を分圧してより数多くの拡張された階調電圧を生成することができる。データ駆動部500は、拡張された階調電圧をデータ線(D−D)に供給する際、共通電圧(Vcom)に対して同じ差の電圧であるが、フレーム(frame)毎に異なる極性の電圧を交互に各画素に印加する反転駆動をする。反転駆動の方法には、一つのフレームで全ての画素に印加されるデータ電圧の極性が同一であり、その次のフレームで全ての画素のデータ電圧の極性を反転するように、データ電圧を供給するフレーム反転(frame inversion)、一つのフレーム内で隣接のデータ線(D1−Dm)上の画素に印加されるデータ電圧の極性が反転するように、データ電圧を供給する熱反転、隣接した画素(PX)の電圧の極性が互いに異なるように、データ電圧を供給する点反転、同一のデータ線(D−D)171に隣接した二つの画素(PX)は同じ極性であり、この二つの同一の極性の画素(PX)に隣接した一つの画素(PX)は、異なる極性のものが反復するように、データ電圧が供給される2+1反転などがある。
【0025】
ゲート駆動部400は、ゲート制御信号(CONT1)に応答して複数のゲート線(G−Gn)にゲート信号を順次に出力する。ゲート信号は、選択されたゲートラインと接続した薄膜トランジスタをターンオンできるゲートオン電圧(Von)と選択されなかったゲートと接続した薄膜トランジスタをターンオフできるゲートオフ電圧(Voff)を有する。
【0026】
液晶表示板組立体300は、下部表示板100と、該下部表示板100と対向する上部表示板200、及びこれらの間に介在した液晶層3から構成される。下部表示板100は、複数の行と列の行列方式で配列した画素(PX)、同一の行にある画素(PX)が各々連結された複数のゲート線(G−Gn)121、及び同一の列にある画素(PX)が各々連結された複数のデータ線(D−D)171を有する。図2は、図1に示した複数の画素(PX)のうちの一つの画素(PX)についての概略的な構造である。一つの画素(PX)は、離隔した一対の第1副画素190hと第2副画素190lに分けられる。第1副画素190hと第2副画素190lの領域には、第1副画素電極191hと第2副画素電極191lがそれぞれ形成されている。各副画素190h、190lはそれぞれ、液晶蓄電器(liquid crystal capacitors)Clch、Clclと維持蓄電器Csth、Cstlを有する。液晶蓄電器Clch、Clclは、それぞれ下部表示板100に形成された副画素電極191h、191lの各々の一つの端子と上部表示板200に形成された共通電極270の一つの端子との間に形成された液晶層3により形成される。本発明の別の実施形態として、各副画素190h、190lはそれぞれ、互いに異なるデータ線(D−D)に連結された薄膜トランジスタの各々に連結され得る。
【0027】
共通電極270は、上部表示板200の全面に形成されており、共通電圧(Vcom)が供給される。これと違って、共通電極270と画素電極191は、下部表示板100に形成されていてもよく、画素電極191の形態によって線状又は棒状に形成されてもよい。
【0028】
液晶層3は、下部表示板100と上部表示板200との間に形成されたシール材(図示せず)内に充填されている。液晶層3は誘電体として機能する。シール材は、下部表示板100及び上部表示板200のうちのいずれかの一つに形成されており、二つの表示板100,200を結合する。下部及び上部表示板100、200は、図4aに示したように、間隔材250又はシール材(図示せず)により、約2.0μm〜5.0μmのセル間隔、即ち、セルギャップ(cell gap)を維持することができ、より好ましくは、約3.3μm〜3.7μmのセルギャップを維持する。本発明の別の実施形態として、薄膜トランジスタが形成された領域は広いので、間隔材が薄膜トランジスタの上に形成され得る。
偏光子(図示せず)は、実質的に偏光子の偏光軸又は透過軸が直交するように、下部表示板100と上部表示板200にそれぞれ配置され得る。即ち、偏光子は上部表示板200の上部又は下部と、下部表示板100の上部又は下部に形成されてもよい。これと違って、偏光子が上部表示板200と下部表示板100のうちの一つの表示板の上部又は下部にのみ形成されてもよい。本発明の一実施形態として、外部光の回折を減らすため、偏光子の屈折率は約1.5が好ましく、ヘイズ値(Haze,曇り度)は約2%〜5%が好ましい。偏光子の屈折率及び後述の他の物質の屈折率は、約550nm〜580nm波長の光源で測定された値である。
【0029】
液晶表示板組立体300に駆動装置400、500、600、800を連結することで液晶表示装置が製造される。駆動装置400、500、600、800は、一つの集積回路チップに形成されて液晶表示板組立体300の上に直接実装されるか、又は可撓性印刷回路膜(flexible printed circuit film)(図示せず)の上に実装することにより、TCP(tape carrier package)の形態で液晶表示板組立体300に付着されるか、又は別途の印刷回路基板(printed circuit board)(図示せず)の上に実装されて液晶表示板組立体300に連結することができる。これと違って、信号線(G〜Gn,D〜D)及び薄膜トランジスタQh,Ql,Qc(図3に図示)を形成する際、これらの駆動装置400、500、600、800の各々又はこれらの組合せが液晶表示板組立体300に形成され得る。
【0030】
以下、液晶表示装置の映像表示の原理について簡略に説明する。液晶表示装置の各画素(PX)の画素電極にデータ電圧が供給されると、各画素(PX)に充電された電圧は、その画素電極と共通電極270との電圧差により、液晶層3に電気場を生成する。液晶層3に形成された電気場のために、液晶層の液晶分子31は傾くか、又は方向性を持ちながら動く。このように、液晶分子31の傾きや方向に応じて、液晶層3を通過する光は位相遅延(phase retardation)を有する。光の位相遅延による位相差に応じて、光は偏光子を透過するか、又は偏光子に吸収される。したがって、画素電極191に供給されるデータ電圧が調整されると、基本色(primary color)に対する光透過率の差が発生し、結果的に、液晶表示装置が映像を表示できる。基本色は、赤色、緑色、青色、シアン、マゼンタ、イエロー及び白色から選ばれた色である。本発明の一実施形態によれば、基本色は赤色、緑色及び青色からなり得る。これとは別に、映像の品質を向上するため、赤色、緑色、青色及びイエローを有する4以上の色が基本色として構成されてもよい。
液晶表示板組立体
<実施形態1>
上部表示板
以下、図3ないし図5a及び図5bに基づいて、本発明の実施形態による液晶表示板組立体300を詳しく説明する。図3は、本発明の実施形態による液晶表示板組立体300を構成する一つの単位画素の配置図であり、図4aは図3に示した液晶表示板組立体300のライン4a−4a´に沿った断面図であり、図4bは図3に示した液晶表示板組立体300のライン4b−4b´に沿った断面図であり、図4cは図3に示した液晶表示板組立体300のライン4c−4c´に沿った断面図であり、図5aは図3に示した第2副画素電極の中央部A5の拡大図であり、図5bは図3に示した画素電極についての別の実施形態であって、画素電極の拡大平面図である。図3に画素の拡大平面図を示したが、複数の行と列の画素がマトリックス状に配列していることに留意すべきである。
【0031】
液晶表示板組立体300は、下部表示板100、上部表示板200、液晶層3及び偏光子を含む。まず、上部表示板200について詳しく説明する。上部表示板200は、上部基板210の上に形成された遮光部材220、蓋膜225、共通電極270及び上板配向膜292からなる。
【0032】
ガラス又はプラスチック材質の透明な上部基板210の上に遮光部材220が形成される。上部基板210の厚さは、約0.2mm〜0.7mmである。上部基板210の屈折率は約1.0〜2.5が好ましく、約1.5がより好ましい。遮光部材220は、ブラックマトリックス(black matrix)とも呼ばれており、酸化クロム(CrOx)のような金属又は不透明の有機膜材料などから作られ得る。金属及び有機膜の遮光部材の厚さはそれぞれ、約300Å〜2000Å及び約2μm〜5μmである。遮光部材220は、光が画素(PX)を通過するように、画素(PX)の形状とほぼ類似した開口部を多数含有している。また、遮光部材220は、画素(PX)同士間の光漏れを防止するため、画素(PX)同士間に形成される。さらに、遮光部材220は、下部表示板100に形成されたゲート線121、データ線171及び薄膜トランジスタQh、Ql,Qcに対応する部分に形成されてもよい。本発明の別の実施形態として、液晶表示板組立体の製造工程を単純化し、液晶表示装置の透過率を向上するため、遮光部材220が、ゲート線121、データ線171及び薄膜トランジスタが形成された下部基板110の内側面又は形成されていない外側面の下部基板110の上に形成されてもよい。つまり、遮光部材220は、薄膜トランジスタ等の構成物が形成された領域に重畳するように、あるいは、画素領域の外側の領域に形成され得る。
【0033】
遮光部材220上には、蓋膜225が形成されている。蓋膜225は、遮光部材220などの下部層の屈曲表面を平坦化するか、又は下部層から不純物の溶出を防止する。蓋膜225の膜厚は約1μm〜3μmであり、より好ましくは、約1.2μm〜1.5μmである。蓋膜225の屈折率は、約1.5〜2.5であり、より好ましくは、約1.8である。別の実施形態として、遮光部材220が下部表示板100に形成される場合、蓋膜225は上部表示板に形成されず、下部表示板100の遮光部材220の上に形成さればよい。本発明に従って、蓋膜225はアクリル系物質を含んでもよい。蓋膜225に含まれたアクリル系物質は、蓋膜225を形成する工程で硬化する。イミド系物質より硬化されたアクリル系物質を含んだ蓋膜225において、短波長の紫外線の透過率が高い。蓋膜225で短波長の紫外線の透過率が高いと、後述の電界露光工程又は蛍光露光工程で光硬化剤又は反応性メゾゲン(RM)を硬化するため、入射する光の強度又は光量が増えるので、架橋率は増加し得る。アクリル系物質は、後述の上板又は下板積層構造に含まれた蓋膜225に含まれてもよい。
【0034】
蓋膜225の上には、複数のスリット(切開部)を有さない共通電極270が形成されている。共通電極270は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)などの透明な導電体又は画素電極191と同一の材料からなってもよい。共通電極270の厚さは、約500Å〜2000Åであり、より好ましくは、約1200Å〜1500Åである。IZOとITOにより形成された共通電極270は、液晶表示装置の透過率を最大化するため、その厚さがそれぞれ、約1200Å〜1500Åである。約500Å〜1500Åであってもよい。また、外部光の回折を減らすため、IZOとITOにより形成された共通電極の屈折率はそれぞれ、約1.5〜2.5と約1.5〜2.3であってもよい。本発明の別の実施形態として、フリンジ電気場(fringe electric field)を最も多く形成するための複数のスリット(切開部)が共通電極270に形成されてもよい。
【0035】
共通電極270の上には、液晶分子31を特定の配列で維持するため、上板配向膜292が形成されている。上板配向膜292は、インクジェット又はロールプリント等の方法で、配向性を有する流体有機物を塗布した後、赤外線、紫外線のような光源により、又は熱的に硬化することにより形成される。上板配向膜292は上板の主配向膜34からなり、上板の光硬化層36をさらに含んでもよい。主配向膜34は、液晶分子31の長軸又は主軸を下部又は上部基板110,210又は主配向膜34に対して実質的に垂直に配向する垂直配向性物質であってもよい。主配向膜34の厚さは、約500Å〜1500Åであり、より好ましくは、約700Å〜1000Åである。液晶表示装置の透過率を向上するための主配向膜34の屈折率は、約1.6が好ましい。主配向膜34は、VAモード又はTNモードなどに一般的に用いられる物質の膜であり得るというのは、この分野における通常の知識を有する者に容易に理解される。光硬化層36は、液晶分子31の長軸又は主軸が下部又は上部基板110,210又は主配向膜34についてプレチルト角を有するように、光により硬化する物質から形成される。光硬化層36を構成する物質は、光硬化剤、反応性メゾゲン(RM)、光反応性高分子物質、光重合性物質、又は光異性化物質であってもよい。
【0036】
上板配向膜292は、ポリイミド系化合物、ポリアミック酸系化合物、ポリシロキサン系化合物、ポリビニルシンナメート系化合物、ポリアクリレート系化合物、ポリメチルメタクリレート系化合物、光硬化剤、反応性メゾゲン(RM)、光反応性高分子物質、光重合性物質及び光異性化物質、及びこれらの混合物から選ばれた少なくとも一つの物質からなっている膜であってもよい。反応性メゾゲン(RM)は、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、オキセタン、ビニル−エーテル、スチレン又はチオレン基であり得る。光反応性高分子物質は、アゾ系化合物、シンナメート系化合物、カルコン系化合物、クマリン系化合物又はマレイミド系化合物であってもよい。光重合性物質は、カルコン又はクマリンであってもよい。光異性化物質は、アゾ又は二重トラン(double tolane)であり得る。上板配向膜292を構成する上板の主配向膜34と上板の光硬化層36は、図6a〜図6cと関連して後述する方法により形成されることができる。
【0037】
上板配向膜292は、チバ・ケミカル・スペシャルティー社製の商品名Irgacure-651であるベンジルジメチルケタール、商品名Irgacure-907であるα−アミノアセトフェノン、商品名Irgacure-184である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、及びこれらの混合物から選択された少なくとも1種の物質からなる光開始剤をさらに包含できる膜であってもよい。
【0038】
本発明の一実施形態による上板配向膜292を構成する物質は、光反応性高分子物質と反応性メゾゲン(RM)のうちのいずれかとポリイミド系高分子との混合物であってもよい。これと違って、上板配向膜292は、光硬化層36を除いた主配向膜34からなってもよい。
【0039】
本発明の一実施形態による反応性メゾゲン(RM)について開示する。本発明による反応性メゾゲン(RM)は配向膜を形成し、光又は熱により硬化されて後述の光硬化層35,36を形成する。本発明による反応性メゾゲン(RM)の化学構造は、下記構造式XVI−Rで表される光反応性ジメタクリレート系単分子であり、より具体的には、構造式XVII−R1、XVII−R2、XVII−R3、XVII−R4、XVII−R5又はXVII−R6で表される単分子であることが好ましい。
構造式XVI−R
[この文献は図面を表示できません]
【0040】
ここで、A,B及びCはそれぞれ、ベンゼン環、シクロヘキサン環及びナフタレン環より選ばれた1種であってもよい。A,B及びCを構成する各環の外郭の水素原子は置換されなくてもよく、又はこれらの水素原子の中で少なくとも一つは、アルキル基、フッ素(F)、塩素(Cl)、又はメトキシ基(OCH)により置換されてもよい。P及びPは各々、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、オキセタン、ビニル−エーテル、スチレン及びチオレン基より選ばれた一種であってもよい。Z、Z及びZはそれぞれ、単一結合、連結基又は連結基の組合わせであってもよい。単一結合は、A,B及びCの間に中間物質がなく、A,B及びCが直接的に結合することを意味する。連結基は、−OCO-、−COO-、アルキル基、−O-、又はこの分野における通常の知識を有する者が容易に用いられる連結基であればよい。
【0041】
本発明の実施形態による反応性メゾゲン(RM)は、より具体的に、下記構造式XVII−R1、XVII−R2、XVII−R3、XVII−R4、XVII−R5又はXVII−R6で表される単分子であることが好ましい。
構造式XVII−R1
[この文献は図面を表示できません]
【0042】
構造式XVII−R2
[この文献は図面を表示できません]
【0043】
構造式XVII−R3
[この文献は図面を表示できません]
【0044】
構造式XVII−R4
[この文献は図面を表示できません]
【0045】
構造式XVII−R5
[この文献は図面を表示できません]
【0046】
構造式XVII−R6
[この文献は図面を表示できません]
【0047】
本発明による反応性メゾゲン(RM)の特性を評価するため、前述の反応性メゾゲン(RM)の中、構造式XVII−R6の反応性メゾゲン(RM)を適用して液晶表示装置を作製した。液晶表示板組立体は、図6aと関連して後述するSVAモードにより作製した。液晶表示装置の画素(PX)の構造は、実質的に図3に示した構造と同様であった。液晶層3のセル間隔は約3.5μmであり、蛍光露光工程に適用した紫外線の照度は、約0.15mW/cmであった。そして、画素電極191の微細枝197の幅、露光電圧、電界露光工程における紫外線の強度及び蛍光露光工程の時間を表1にまとめる。
【0048】
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【0049】
表1に示した全ての実験例において、液晶表示装置のブラック残像は、レベル約2を表し、階調間応答速度は、約0.007秒〜約0.009秒であった。従って、構造式XVII−R6の反応性メゾゲン(RM)は、広範囲の工程条件に適用する際にもよい特性を持つことが分かる。
【0050】
残像の評価方法は、チェックパターンの画面を約1日以上、液晶表示装置に表示し、別の画面に変更した後のチェックパターンを観察してレベル1〜レベル5で評価する。レベル1は側面でチェックパターンが観察されない水準であり、レベル2は側面でチェックパターンが弱く観察される水準であり、レベル3は側面でチェックパターンが強く観察される水準であり、レベル4は正面でチェックパターンが弱く観察される水準であり、レベル5は正面でチェックパターンが強く観察される水準である。ブラック残像は、チェックパターンの画面を表示し、ブラックパターンに変更した後のチェックパターンを観察することである。面残像は、チェックパターンの画面を表示し、階調パターンに変更した後のチェックパターンを観察することである。
下部表示板
以下、下部表示板100について詳しく説明する。下部表示板100は、その上に、ゲート線121、降圧ゲート線123と維持電極線125になるゲート層導電体、ゲート絶縁膜140、半導体154、線形抵抗性接触部材165、データ層導電体171、173,175、177c、第1保護膜181、カーラーフィルタ230、第2保護膜182、画素電極191及び下板配向膜291を含む。
【0051】
ガラス又はプラスチック材質の下部基板110上に、複数のゲート線121、複数の降圧ゲート線123及び複数の維持電極線125からなっているゲート層導電体が形成される。下部基板110の厚さは、約0.2mm〜0.7mmである。下部基板110の屈折率は、約1.0〜2.5であってもよく、より好ましくは、約1.5である。ゲート線121及び降圧ゲート線123は、主に横方向に延びており、ゲート信号を伝達する。ゲート層導電体は、Cr、Mo、Ti、Al、Cu、Ag及びこれらの混合物より選ばれた物質から形成することができる。また、別の実施形態によるゲート層導電体は、2重膜又は3重膜の構造を有することが好ましい。例えば、2重膜の構造は、Al/Mo、Al/Ti、Al/Ta、Al/Ni、Al/TiNx、Al/Co、Cu/CuMn、Cu/Ti、Cu/TiN、又はCu/TiOxであり得る。3重膜の構造は、Mo/Al/Mo、Ti/Al/Ti、Co/Al/Co、Ta/Al/Ta、TiNx/Al/Ti、CuMn/Cu/CuMn、Ti/Cu/Ti、TiNx/Cu/TiNx、又はTiOx/Cu/TiOxであり得る。
【0052】
ゲート線121は、突出した形状の第1ゲート電極124h及び第2ゲート電極124lを含む。降圧ゲート線123は、突出した形状の第3ゲート電極124cを含む。第1ゲート電極124hと第2ゲート電極124lは、相互連結されて一つの突出部を形成する。
【0053】
維持電極線125は、第1及び第2副画素電極191h、191lの周辺を囲むように、横と縦の方向に延びており、予め定められた電圧、例えば共通電圧(Vcom)を伝達する。これとは違って、維持電極線125は、二つ以上の大きさを有する、予め定められたスイング電圧を伝達することができる。維持電極線125は、ゲート線121と略垂直に延びだ複数の維持電極線の縦部128、該維持電極線の縦部128の角を相互連結する維持電極線の横部127及び該維持電極線の横部127から突出した形状の維持電極線の拡張部126を含む。
【0054】
ゲート層導電体上にゲート絶縁膜140が形成される。ゲート絶縁膜140は、無機絶縁物、有機絶縁物又は有無機絶縁物からなる膜であることが好ましい。無機絶縁物は、窒化ケイ素(SiNx)、酸化ケイ素(SiOx)、酸化チタン(TiO)、アルミナ(Al)、又はジルコニア(ZrO)であることが好ましい。有機絶縁物は、ポリシロキサン、フェニルシロキサン、ポリイミド、シルセスキオキサン、シラン又はこの分野における通常の知識を有する者が容易に用いられる有機絶縁物が好ましい。有無機絶縁物は、前述の無機絶縁物と有機絶縁物の各々から選択された少なくとも一つ以上の物質の混合物が好ましい。特に、ポリシロキサン有機絶縁物及びポリシロキサンからなる有無機絶縁物は、約350℃以上で高耐熱性、高い光透過性及び別の層と良好な接着力の特性を有する。
【0055】
無機絶縁物からなるゲート絶縁膜140の厚さは、約2000Å〜4000Åであってもよく、より好ましくは、約3000Åである。有機絶縁物又は有無機絶縁物からなるゲート絶縁膜140の厚さは、約3000Å〜5000Åであってもよく、より好ましくは、約4000Åである。液晶表示装置の透過率を向上するためのゲート絶縁膜140を構成する窒化ケイ素(SiNx)、酸化ケイ素(SiOx)、有機絶縁物又は有無機絶縁物の屈折率はそれぞれ、約1.6〜2.1、約1.35〜1.65、約1.4〜1.7、約1.4〜1.9であってもよく、より好ましくは、約1.85、約1.5、約1.55、又は約1.6である。ゲート絶縁膜140の屈折率が下部基板の屈折率に近接するほど、液晶表示装置の透過率は向上する。
【0056】
ゲート絶縁膜140の上には、水素化非晶質ケイ素、結晶質ケイ素又は酸化物の半導体などから作られる半導体154が形成される。半導体154の上にデータ線171、ソース電極173、そしてドレイン電極175が実質的に重なっている。第1及び第2ゲート電極124h、124lの上に形成された第1及び第2半導体154h、154lと、第3ゲート電極124cの上に形成された第3半導体154cは、互いに分離されて形成されている。半導体154の厚さは、約1000Å〜2500Åであり、より好ましくは、約1700Åである。酸化物の半導体は、AxBxOx又はAxBxCxOxの化学式で表される化合物である。AはZn又はCd、BはGa、Sn又はIn、CはZn、Cd、Ga、In、又はHfであることが好ましい。xは0ではなく、A、B、及びCは互いに異なっている。また、別の実施形態によれば、InZnO、InGaO、InSnO、ZnSnO、GaSnO、GaZnO、GaZnSnO、GaInZnO、HfInZnO、HfZnSnO及びZnOからなる群より選ばれたものであってもよい。このような酸化物の半導体は、水素化非晶質ケイ素に比べて有効移動度(effective mobility)が約2〜100倍に優れており、これによって、画素電極191の充電速度が向上できる。
【0057】
半導体154の上に、線形抵抗性接触部材(ohmic contact)165が形成される。線形抵抗性接触部材165の厚さは、約200Å〜500Åである。第1、第2及び第3半導体154h、154l、154cの上には、第1、第2及び第3線形抵抗性接触部材165h、165l、165c(図示せず)が形成されており、チャンネルの上には形成されていない。
【0058】
線形抵抗性接触部材165の上に、データ線171、第1ソース電極173h、第1ドレイン電極175h、第2ソース電極173l、第2ドレイン電極175l、第3ソース電極173c、及び第3ドレイン電極175cとなるデータ層導電体が形成される。データ層導電体は、前述のゲート層導電体の材料と同一の材料から形成されてもよい。画素電極191の充電率を改善し、データ電圧の伝達遅延を減少するため、データ層導電体は、低抵抗単一膜の金属又は少なくとも一層が金属である2又は3重膜の構成であってもよい。半導体154が酸化物半導体物質から構成される場合、線形抵抗性接触部材165を形成せず、データ層導電体が半導体154のすぐ上に形成され得る。
【0059】
データ線171は、ゲート絶縁膜140を介在してゲート線121又は降圧ゲート線123と交差する。データ線171は、カップ又は∪形の第1ソース電極173h及び帽子又は∩形(図3において逆U字状)の第2ソース電極173lと連結される。第1ドレイン電極175h及び第2ドレイン電極175lの端部はそれぞれ、第1ソース電極173h及び第2ソース電極173lにより部分的に取り囲まれる。第2ドレイン電極175lの他の端部は、第2ソース電極173lにより部分的に取り囲まれた端部から延び、∪字形の第3ソース電極173cと連結される。第3ドレイン電極175cの一端部は、第3ソース電極173cにより部分的に取り囲まれており、他の端部177cは、維持電極線の拡張部126の上で重畳され、これによって、これらの間に降圧蓄電器(Cstd)が形成される。第3ドレイン電極175cの他の端部177cが維持電極線の拡張部126と重畳される面積の大きさに応じて、降圧蓄電器(Cstd)の容量が変わる。本発明の実施形態により、基本画素群を構成する基本色の画素はそれぞれ、異なる降圧蓄電器(Cstd)の容量を有することができる。
【0060】
図19bは、各画素で降圧蓄電器(Cstd)の容量が異なっていることを示すため、基本画素群に含まれた赤色、緑色及び青色の画素(PX−R、PX−G、PX−B)のそれぞれにおいて、図18に示したA19部分を拡大した図面である。赤色、緑色及び青色の画素(PX−R、PX−G、PX−B)は互いに類似であるが、各々の画素で維持電極線の拡張部と重畳する第3ドレイン電極175cの他の端部177cの面積(AOL−B、AOL−G又はAOL−R)の大きさは異なる。後述の第2液晶蓄電器(Clcl)の電圧対第1液晶蓄電器(Clch)の電圧の比を約0.6〜0.9対1に調整するため、この重畳面積は調節することが出来る。後述の黄色っぽい色の発生を減らすため、基本画素群(PS)を構成する各画素によって、第2液晶蓄電器(Clcl)の電圧対第1液晶蓄電器(Clcl)の電圧の比は変わることができる。従って、基本画素群(PS)を成す各画素に対して異なる電圧比を持たせるため、第3ドレイン電極175cの他の端部177cと維持電極線の拡張部126の重畳面積は調節され得る。例えば、液晶表示装置が黄色っぽい色を有することを減らすため、赤色、緑色及び青色の画素からなっている基本画素群において、青色(B)画素の電圧比が緑色(G)画素の電圧比より大きくても、同じであってもよく、緑色(G)画素の電圧比が赤色(R)画素の電圧比より大きくても、同じであってもよい。この際、各画素で電圧比を調整するための重畳面積の大きさは次のようである:
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【0061】
ここで、AOL−B、AOL−G及びAOL−Rは、図19bに示したように、青色(B)、緑色(G)及び赤色(R)の画素で第3ドレイン電極175cの他の端部177cと維持電極線の拡張部126の重畳面積の大きさを表す。
【0062】
第1、第2及び第3ゲート電極124h、124l、124c、第1、第2及び第3ソース電極173h、173l、173c、及び第1、第2及び第3ドレイン電極175h、175l、175cは、第1、第2及び第3半導体154h、154l、154cと共に、一つの画素(PX)を作動するための第1、第2及び第3薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor,TFT)Qh、Ql、Qcを成す。薄膜トランジスタQh、Ql、Qcの動作の際、電荷の移動するチャンネル層は、ソース電極173h、173l、173cとドレイン電極175h、175l、175cとの間の半導体154h、154l、154c層内に形成される。半導体154h、154l、154c層とデータ層導電体を、同一のマスクを用いてエッチングする場合、チャンネル領域を除いてデータ層導電体は、その下に形成された半導体154及び線形抵抗性接触部材165l、165hと実質的に同一のパターンを有すればよい。しかしながら、エッチング手法によって、半導体154膜は、データ層導電体の両側壁から約3μm以下の所定の距離でデータ層導電体により覆われない、延びるように露出された部分を有することができる。
【0063】
本発明の別の実施形態により、チャンネルから接触孔185h、185lまで繋がった第1又は第2ドレイン電極175h、175l線は、微細枝の方向と実質的に同一の方向に形成されることにより、画素領域でテクスチャ(texture)が減少されて液晶表示装置の輝度が増加する。
【0064】
データ層導電体の上に、第1保護膜181が形成される。第1保護膜181は、ゲート絶縁膜140から構成され得る前述の無機絶縁物、有機絶縁物又は有無機絶縁物からなり得る。無機絶縁物からなっている第1保護膜181の厚さは、約300Å〜2000Åであってもよく、より好ましくは、約500Åである。有機絶縁物又は有無機絶縁物からなっている第1保護膜181の厚さは、約25000Å〜35000Åであることが好ましい。液晶表示装置の透過率を向上するための第1保護膜181を構成する窒化ケイ素(SiNx)、酸化ケイ素(SiOx)、有機絶縁物又は有無機絶縁物の屈折率はそれぞれ、約1.6〜2.1、約1.35〜1.65、約1.5〜1.9又は約1.5〜1.9が好ましく、より好ましくは、それぞれ約1.85、約1.5、約1.7〜1.8又は約1.6である。
【0065】
第1保護膜181の上にカラーフィルタ230が形成される。遮光されない画素(PX)領域にカラーフィルタが形成される。カラーフィルタ230の厚さは、約1.5μm〜3μmである。カラーフィルタ230の屈折率は、約1.3〜2.2であってもよく、より好ましくは、約1.6である。
【0066】
各画素(PX)に形成されたカラーフィルタ230は、基本色、例えば、赤色、緑色、青色、シアン、マゼンタ、イエロー及び白色のうちの一つであり得る。赤色、緑色及び青色、又はシアン、マゼンタ及びイエローのような三つの基本色が画素(PX)の形成のための基本画素群(PS)の色として構成され得る。白色画素はカラーフィルタを含有しなくてもよく、白色の外部光は白色画素の領域を通過するので、白色画素は白色を表すことができる。基本画素群(PS)は、カラー画像を表現できる最小の画素集合である。別の実施形態において、基本画素群(PS)が四つ以上の基本色を各々有する画素(PX)からなり得る。一例として、赤色、緑色及び青色の3色と、シアン、マゼンタ、イエロー及び白色のうちのいずれかの一つを含んだ4つの基本色が基本画素群(PS)の色として選択できる。液晶表示装置の画質を改善するため、基本画素群(PS)を構成する基本色は、ごれらに限定されず、多様に選択できるというのは、この技術分野における通常の知識を有する者であれば、容易に理解すべきである。
【0067】
カラーフィルタ230は、接触孔185が位置したところに形成されたカラーフィルタホール233h、233lを除いた大部分の領域に形成され得る。これとは違って、薄膜トランジスタQh、Ql、Qcの不良検出を容易にするため、薄膜トランジスタQh、Ql、Qcが位置したところにカラーフィルタ230が形成されなくてもよい。隣のデータ線171の間に沿って同色のカラーフィルタ230が縦方向に長く延びて形成され得る。本発明の別の実施形態によるカラーフィルタ230は、上部表示板200に形成された遮光部材220と蓋膜225との間に形成されてもよい。
【0068】
カラーフィルタ230又は第1保護膜181の上には、第2保護膜182が形成される。第2保護膜182は、ゲート絶縁膜140より構成され得る、前述の無機絶縁物、有機絶縁物又は有無機絶縁物からなってもよい。無機絶縁物からなっている第2保護膜182の厚さは、約300Å〜1500Åであってもよく、より好ましくは、約400Å〜900Åである。有機絶縁物又は有無機絶縁物からなっている第2保護膜182の厚さは、25000Å〜35000Åであってもよい。液晶表示装置の透過率を向上するための第2保護膜182を構成する窒化ケイ素(SiNx)、酸化ケイ素(SiOx)、有機絶縁物又は有無機絶縁物の屈折率はそれぞれ、約1.6〜2.1、約1.35〜1.65、約1.5〜1.9又は約1.4〜1.9であってもよい。第2保護膜182の屈折率が画素電極191の屈折率に近接するほど、液晶表示装置の透過率は向上する。第2保護膜182は、カラーフィルタ230の浮き上がりを防止し、カラーフィルタ230から溶剤のような有機物の溶出を抑制する。従って、液晶層3の汚染が防止され、これにより液晶表示装置の残像が改善される。また、第1保護膜181のすぐ上に形成された第2保護膜182は、相対的に厚く形成されて平坦化の役割をする。第1保護膜181及び第2保護膜182の接触部位には、第1ドレイン電極175hと第2ドレイン電極175lの端部をそれぞれ露出する接触孔185h、185lが形成される。接触孔185h、185lの幅は、カラーフィルタホール233h、233lの幅より小さくてもよい。
【0069】
図3及び図4a〜図4cに示したように、第2保護膜182の上に画素電極層が形成される。画素電極層は、副画素電極191h、191l、画素電極接触部192h、192l、十字形の幹195h、195l、及び微細枝197h、197lを含む導電層であり、微細スリット199h、199lは、画素電極層から導電層が除去された部分である。画素電極191の厚さは、約300Å〜700Åであってもよく、より好ましくは、約550Åである。
【0070】
画素電極191は、第1副画素190hの領域に形成された第1副画素電極191hと、第2副画素190lの領域に形成された第2副画素電極191からなっている。画素電極191は、酸化インジウムスズ(ITO)又は酸化インジウム亜鉛(IZO)のような透明の伝導性物質により形成され得る。画素電極191の屈折率は約1.5〜2.5であってもよく、IZOとITOの屈折率はそれぞれ、約1.8〜2.3と約1.7〜2.0が好ましい。本発明の一実施形態として、外部光の回折を減らすため、ITO物質で構成された画素電極は、約400Åの厚さで形成されるのが好ましい。また、複数の微細枝197間、即ち、微細スリット199の領域に微細枝の電極又は主配向膜33,34と類似の屈折率を有する物質がさらに形成されていてもよい。
【0071】
微細枝197の電極又は主配向膜33,34と類似の屈折率を有する物質は、TiO、PPV(polyphenylene vinylene)又はPI-TiO(polyfluorinated polyimides TiO)が好ましい。
【0072】
画素電極191の表面で回折又は反射する外部光を減らすため、画素電極191の表面に対してAr、H、O、He又はCl気体の雰囲気でプラズマ工程を行い、画素電極191の表面粗さが増加し得る。また、画素電極191を形成する物質を、画素電極の上部又は下部に形成された物質の屈折率の大きさに似た物質で形成することにより、画素電極191の表面で回折又は反射する外部光は最小化し、透過光は最大化することができる。このように、上部又は下部膜と類似した屈折率を有する透明の画素電極の材料は、ナノワイヤー(nanowire,NW)、酸化亜鉛(ZnO)又は伝導性高分子物質であることが好ましい。このような材料は、約1.8以下の屈折率を有する画素電極から形成されることができる。ナノワイヤーは、約10−9m〜約10−8mの直径と、約10−7m〜約10−6mの長さを有する針状の導電性粒子であり、高分子物質と混合されて画素電極に形成することができる。ナノワイヤーは銀(Ag)を含んでもよく、銀からなっているナノワイヤーを有する画素電極の抵抗は、約50〜250Ωであってもよい。
【0073】
第1及び第2副画素電極191h、191lはそれぞれ、第1及び第2画素電極接触部192h、192l、十字形の幹部195h、195l、各々の副画素電極191h、191lの外郭を取り囲む縦連結部193h、193lと横連結部194h、194lからなる。十字形の幹部195h、195lはそれぞれ、図3中の横方向に延在する横幹部及び縦方向に延在する縦幹部からなる。第1及び第2画素電極接触部192h、192lはそれぞれ、第1及び第2保護膜の接触孔185h、185lを通じて第1及び第2薄膜トランジスタQh,Qlのドレイン電極175h、175lと接触する。
【0074】
本発明の実施形態により、高精密パターン工程、即ち微細枝197や微細スリット199の幅を約5μm以下に形成する工程を簡略に説明する。
【0075】
下部層の上に画素電極層として形成される導電性金属が蒸着又はコーティングされる。導電性金属の上に感光性フォトレジストがコーティングされる。感光性フォトレジスト(PR)は、フォトリソグラフィー(photo lithography)工程により画素電極層のパターンと類似のパターンを有する。微細枝197又は微細スリット199の幅がとても小さいので、このとき形成されたフォトレジスト(PR)のパターンはフォトレジスト(PR)の残渣(residue)を有するか、又は一部不良のパターンを有し得る。これを改善するため、アシング(ashing)工程、又はドライエッチング(Dry Etching)工程が行われる。以後、導電性金属は蝕刻され、フォトレジスト(PR)が除去された後、画素電極層のパターンが形成される。
【0076】
本発明の実施形態により、下部膜との接触性を良好にして高精密パターンを具現するため、感光性フォトレジスト(PR)は、接着増加剤、即ちビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル−4−ピペリジニル)−[[3、5-ビス(1、1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートを含んでもよい。即ち、感光性フォトレジストはマトリックスであって、約15wt%〜25wt%、より好ましくは、約20wt%のクレゾールノボラック樹脂と、約3wt%〜7wt%、より好ましくは、約5wt%の感光剤、及び接着増加剤として、約0.1wt%〜10wt%のビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル−4−ピペリジニル)−[[3、5-ビス(1、1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートを含んだ固型物を溶媒、例えば、約65wt%〜74.95wt%のポリ(2−グリシジルメタクリレート)(PGMEA)に溶解して製造することができる。
【0077】
クレゾールノボラック樹脂は、約7、000重量平均分子量〜約9、000重量平均分子量を有することができ、m−クレゾールとp−クレゾールが約6:4の比率で混合されたクレゾールモノマーとホルムアルデヒドを、シュウ酸触媒の存在下、縮合反応により製造することができる。感光剤は、2,3,4,4´- テトラヒドロキシベンゾフェノンと、ナフトキノン1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド化合物との縮合反応により製造した化合物であるか、又は4,4´,4″−(エチリデン)トリスフェノ−ルと、ナフトキノン1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド化合物との縮合反応により製造した化合物であってもよい。このような組成物を有するフォトレジストは下部膜との密着性がよいので、フォトリソグラフィー工程で高精密パターンが形成され得る。
【0078】
別の実施形態による画素電極191は、第2保護膜182を形成することなく、カラーフィルタ230層や第1保護膜181層の上に形成することができ、三つ以上の副画素電極を有してもよい。
【0079】
画素電極191の上に下板配向膜291が形成される。下板配向膜291は上板配向膜292と実質的に同一であるので、便宜上、説明を省略する。
【0080】
一対の表示板100,200を一定の間隔、即ち、セル間隔で維持する間隔材250と液晶層3が、下部表示板100と上部表示板200との間に形成される。液晶層3を構成する液晶の屈折率は、約1.3〜1.6であってもよく、より好ましくは、約1.48である。
【0081】
液晶表示装置の透過率を向上するため、カラーフィルタ230が下部表示板100に形成された場合、下部表示板100の画素電極の領域に形成された窒化ケイ素(SiNx)の総厚さは、約3500Å〜4000Åであってもよく、カラーフィルタ230が上部表示板200に形成された場合、下部表示板100の画素電極の領域に形成された窒化ケイ素(SiNx)の総厚さは、約4000Å〜5000Åであってもよい。この際、窒化ケイ素(SiNx)の総厚さは、ゲート絶縁膜と保護膜を構成する窒化ケイ素(SiNx)の厚さを合わせたものである。
【0082】
本発明の実施形態において、下部基板、窒化ケイ素(SiNx)からなるゲート絶縁膜、窒化ケイ素(SiNx)からなる第1保護膜、有機絶縁物又は有無機絶縁物からなる第2保護膜及びIZO又はITOからなる画素電極の屈折率はそれぞれ、約1.5、約1.9、約1.9、約1.65〜1.9及び約1.9であり、これらを有する液晶表示装置は、従来の液晶表示装置の透過率より約2%の透過率をもっと向上することができる。なお、液晶分子の平均屈折率は1.7以上であることが好ましい。
【0083】
本発明のさらに別の実施形態として、下部基板、有機絶縁物又は有無機絶縁物からなるゲート絶縁膜、有機絶縁物又は有無機絶縁物からなる第1保護膜及びIZO又はITOからなる画素電極の屈折率はそれぞれ、約1.5、約1.55、約1.55〜1.9、及び約1.9であり、これらを有する液晶表示装置は、従来の液晶表示装置の透過率より約4%の透過率をより向上させることができる。
【0084】
以下、本発明の実施形態による画素電極191の形態について、図3図5a、図5b、図16a〜図16g及び図17a〜図17gを参照しながら詳細に説明する。図5aは、図3に示した第2副画素電極191lの中央部A5を拡大した画素電極の平面図であり、図5b及び図17a〜図17gは、図5aに示した画素電極の平面図の別の実施形態であって、画素電極を拡大した平面図である。また、図16a〜図16gは、微細枝197又は微細スリット199を構成する多数の基本形状である。
【0085】
液晶表示装置の側面視認性と輝度を向上するため、各画素(PX)領域に形成された画素電極191と副画素電極191h、191lの外郭の形状、副画素電極の面積比、画素電極の形状、微細枝197又は微細スリット199の幅と分布及び微細枝197の方向などのような多様のパラメータを考慮すべきである。また、以下に提示した数値は例示的なものであって、液晶層3のセルギャップ、液晶種類及び配向膜の特性などの要素によって変わり得る。
【0086】
画素電極と副画素電極の外郭形状
画素電極191は、第1及び第2副画素電極191h、191lに分離されている。分離された第1及び第2副画素電極191h、191lはそれぞれ、第1液晶蓄電器Clchと第2液晶蓄電器Clclを有し、第1液晶蓄電器Clchと第2液晶蓄電器Clclは互いに異なる大きさを持ってもよい。画素電極191と、これを構成する副画素電極191h、191lの外郭形態は四角形である。別の実施形態による画素電極191と、これを構成する副画素電極191h、191lの外郭形態は、ジグザグ、放射状、又は菱状であってもよい。第1及び第2副画素電極191h、191lは、縦方向に離隔され、ゲート線121と離隔されるので、不要の寄生容量の結合が減少し、キックバック電圧(Kickback Voltage,
Vkb)が減る。別の実施形態による画素(PX)は3個以上の副画素からなり得る。また、別の実施形態による第1副画素電極191hは、実質的に第2副画素電極191lにより囲まれていてもよい。
【0087】
副画素電極の面積比
液晶表示装置の側面視認性を向上し、かつ輝度の損失を減らすため、第2副画素電極191lの広さは、第1副画素電極191hの広さに対して約1倍〜3倍の面積であり、より好ましくは、約1.5倍〜2倍の面積である。図3に示した第2副画素電極191lの面積は、第1副画素電極191hの面積に対して約1.75倍の面積である。側面視認性は、側面の視野角による液晶表示装置の視認性を意味する。側面で視認される映像の画質が正面で視認される映像の画質に近接するほど、側面視認性が最もよい。
【0088】
画素電極の形状
図3を参照すると、第1及び第2副画素電極191h、191lはそれぞれ、十字形の幹部195h、195lを有しており、各副画素電極191h、191lは、十字形の幹部195h、195lにより分れた四つのドメインを有する。各ドメインは、十字形の幹部195h、195lより外向きに斜めに延びる複数の微細枝197h、197lを有する。図5a及び図5bを参照すると、微細枝197h、197lは直線形状又はジグザグ形状である。
【0089】
隣接する微細枝197h、197lの間にある微細スリット199h、199lは、微細枝197h、197lと交互に配列される。微細枝197h、197lはそれぞれ、十字形の幹部195h、195lの横幹部195a及び縦幹部195v中で選択した少なくとも一つに対して対称的に形成され得る。
【0090】
別の実施形態により、十字形の幹部の横幹部195aと縦幹部195vとの交差する部分において、横幹部195aと縦幹部195vのうちの少なくとも一つの幹部と他の幹部が交差する位置から約2〜5μm離れるように各微細枝197h及び197lを形成できる。また、十字形の幹部の横幹部195a又は縦幹部195vに凹又は凸形態の屈曲が形成され得る。このように、横又は縦の幹が交差する位置から移動した形態と、横又は縦の幹に屈曲が形成されると、各ドメインに形成された液晶分子の配列が、他のドメインの液晶分子の配列を干渉しないので、画素領域でテクスチャが減少する。
【0091】
図5aは、図3に示した第2副画素電極の中央部A5を拡大した図面である。ストライプ形状の微細枝197及び微細スリットの電極が図示されている。第2副画素電極の中央部は、図示したように、微細枝の幅はSであり、微細スリットの幅はWである。微細スリット199と微細枝197は交互に配置される。即ち、微細枝197同士間に微細スリット199が位置する。微細スリットの幅(W)は漸次的に変わり、これについての詳細な説明は後述する。
【0092】
以下、図5bを参照しながら、ジグザグ形状の微細枝197及び微細スリット199を説明する。微細枝197h、197lと微細スリット199h、199lの形状は実質的に同じであるので、説明の便宜上、微細枝197h、197lの形状について詳細に説明する。液晶表示装置に入射した外部光が画素電極191に反射されて、虹色のムラが発生することを防止するため、図5bに示したように、ジグザグ形状の微細枝197を有した画素電極191が形成され得る。ジグザグ形状は反復的であり、周期的な谷と峰を有する。
【0093】
以下、液晶表示装置で虹色のムラが発生する原因について簡単に説明する。液晶表示装置に入射した可視光が、液晶表示装置内に回折格子の役割を果たすもの、例えば、微細枝により可視光が回折され、この回折光により液晶表示装置は反射光を帯びる。可視光は互いに異なる波長からなっているので、回折された反射光は回折角度が異なる回折模様を有する。従って、蛍光灯の光が液晶表示装置に入射するとき、回折模様は虹色を有するので、液晶表示装置で虹色のムラが視認される。可視光の回折は、可視光が入射する物質の屈折率の差と回折格子の役割を果たす画素電極の構造により主に発生され得る。従って、液晶表示装置を構成する画素電極、液晶、配向膜及び絶縁物などの屈折率の差を減らすと、可視光の回折は減少して虹色のムラが減少できるというのを、本発明者らは見出した。更に、回折格子の役割を果たす画素電極の構造が調節されると、可視光の回折が分散されて虹色のムラが減少できるというのを、本発明者らは見出した。
【0094】
従って、微細枝の電極が回折格子の役割を果たすのを最小化するため、画素電極の構造が最大限にランダムに形成されなければならない。画素電極の構造をランダムにするため、微細枝の電極の方向、幅、周期、形状及び間隔などがランダムに形成されなければならない。各ドメイン領域で2個以上の方向、又は他のドメイン同士間に異なる方向を有するように、微細枝の電極の方向が形成され得る。隣接の微細枝の電極と異なる大きさの幅に漸次的に変化するように、微細枝の電極の幅が形成され得る。一つのドメインで多数の微細枝の電極の幅が一定の周期を有する一つのグループに形成され、また異なる周期を有する多数のグループが形成されるように、微細枝の電極が周期的に配置され得る。
【0095】
図5a、図5b及び図16a〜図16gを参照すると、微細枝197の電極又は微細スリット199は、ストライプ、バット、ジグザグ、多重折りジグザグ、波、エンタシス(entasis)、対エンタシス、混合エンタシスA、又は混合エンタシスBの形状を有してもよい。
【0096】
図16a〜図16gに示した形状はそれぞれ、周期的な形態を持つ微細枝197又は微細スリット199の基本単位であり、基本単位の画素電極の形状である。基本単位の画素電極の形状の各々又は組合わせにより、微細枝197又は微細スリット199は構成され得る。基本単位の画素電極の形状は、約4μm〜約25μmの基本単位の長さを有してもよく、幅は約1.5μm以上であってもよい。
【0097】
図16aは、θba1角度とθba2角度でそれぞれ折れた多重折りジグザグの形状である。θba1角度とθba2角度は、互いに異なってもよい。図16bはθbb角度で曲がった波の形状である。図16cは、中間部分の厚さが両端部の厚さより小さいエンタシス形状である。エンタシス形状は微細枝197又は微細スリット199の形状に適用され得る。
【0098】
図16dは、対エンタシス形状である。対エンタシス形状はθbd1角度で屈曲した屈曲線と直線からなっている形状と、この形状の対称形状の対より構成される。本発明の別の実施形態により、θbd1角度とθbd2角度は、互いに異なってもよい。
【0099】
図16eは組合わせエンタシスA形状である。組合わせエンタシスA形状の基本単位は、図16Dのエンタシス形状の2つを1組とするものが複数組み合わせられた対エンタシス形状と、ペアエンタシス形状内の2個の曲がった屈曲線の間にダイアモンド形状が連続的に連結された形状である。
【0100】
図16fは組合わせエンタシスB形状を示す。組合わせエンタシスB形状は、図16Dのエンタシス形状の2つを1組とするものが複数組み合わせられた対エンタシス形状と、ペアエンタシス形状内の二つの直線の間にダイアモンド形状が連続的に連結された形状である。
【0101】
図16gは、異なる幅を有するストライプで結合したバット形状を示す。バット形状は、2個以上の幅、例えば、約1.8μm、約3.2μm、約4.5μmの幅が繰り返して連結されたストライプ形状である。ストライプ形状の基本単位の画素電極の形状は、前述の図5aと関連して既に説明しており、ジグザグ形状のものは、図5bと関連して後述する。
【0102】
本発明の実施形態により、基本単位の画素電極の形状のそれぞれ又は組合わせにより、微細枝197又は微細スリット199が構成され得る。また、基本単位の画素電極の形状の各々又は組合わせにより、基本単位の長さが異なるように組み合わされた微細枝197又は微細スリット199が構成され得る。各基本単位の画素電極の形状が画素電極を形成することは詳細に後述する。
【0103】
本発明の実施形態により、基本単位の画素電極の形状からなっている微細枝の電極は、隣接の微細枝の電極と異なる間隔で形成されることができる。
【0104】
また、下部表示板100にカラーフィルタ230が形成される場合、外部可視光が多く入射することにより、外部可視光の入射を減らすため、カラーフィルタ230が上部表示板200に形成さればよい。
【0105】
以下、図5bを参照しながら、虹色のムラを減少するため、ジグザグ形状になった微細枝197について簡略に説明する。ジグザグ形状の微細枝197lは、ジグザグの単位長さ(P5)とジグザグ角度(θ5)で構成される。ジグザグの単位長さ(P5)は、微細枝197h、197lがそれぞれ、直線の長さであって、直線の長さは、約3μm〜25μmであり、より好ましくは、約4μm〜10μmである。
【0106】
各ドメインに形成された微細枝電極197の主方向は、図5bに示したピーク点PK1とPK2を連結した線が延びる方向である。PK1とPK2のピーク点は、一つの微細枝の電極197において、周期的に屈曲する屈曲点において1周期の隣接した点である。
【0107】
ジグザグ角度(θ5)は、微細枝電極197の主方向のラインとジグザグの単位長さ(P5)に対応するライン間の折れ角度であり、ジグザグ角度(θ5)は、約0度〜±40度であり、より好ましくは、約±12度〜±20度である。大きなジグザグ角度(θ5)又は多様なジグザグ角度(θ5)を有する画素電極により回折した回折光は分散されるために、液晶表示装置の虹ムラは減少できる。
【0108】
ジグザグ形状の微細枝197は、十字形の幹の横幹部195aと縦幹部195vの近辺から各副画素電極191h、191lの外郭まで延びる。微細枝197を構成するジグザグ形状が多くほど、ジグザグ形状で回折する回折光の回折点が多いので、液晶表示装置の虹ムラは減少できる。画素電極191の微細枝197lに反射する光は、波長に応じて干渉効果が異なるために、基本色のカラーフィルタの画素電極191に形成された微細枝197は、ジグザグの単位長さ(P5)とジグザグ角度(θ5)を異なるようにしてもよい。このように、基本色の画素によって互いに異なるジグザグ形状の微細枝197lが画素電極に形成されると、液晶表示装置の虹ムラが減少する。
【0109】
他の実施形態により画素電極191を構成する一つの微細枝197が、互いに異なる大きさのジグザグの単位長さ(P5)を有してもよい。このように形成された微細枝197は、高度の不規則性を有するために、微細枝197により回折する回折光は分散され、液晶表示装置の虹ムラは減少され得る。また、別の実施形態として、画素電極191を構成する一つの微細枝197h、197lが直線とジグザグの混合形状から構成され得る。又、別の実施形態として、直線形状の微細枝197h、197lとジグザグ形状の微細枝197h、197lが混合された微細枝電極が一つのドメインとして構成され得る。
【0110】
以下、図17a〜図17gを参照して別の実施形態による微細枝197及び微細スリット199の形状について説明する。微細枝197及び微細スリット199の形状は、実質的に類似であるため、説明の便宜上、微細枝197の形状について主に詳細に説明する。図17a、図17b、図17c及び図17eに示した微細枝197と微細スリット199は、ジグザグ形状を表す。微細枝197の各々の幅(S)と微細スリット199の各々の幅(W)は、図3又は図5aと関連して前述した通りである。
【0111】
図17aに示した画素電極の平面図は、本発明の特徴によって、微細枝197又は微細スリット199の各々の幅が漸次的に変わることを示す。図17aは、4個のドメインDga1、Dga2、Dga3、Dga4からなる画素電極の平面図である。4個のドメインは、互いに異なる方向に延びる微細枝197を有し、これらのドメインは十字形の幹195により区分され、十字形の幹195に連結されている。各ドメインを構成する微細枝197の構造、例えば、形状、長さ、幅及び/又は方向は、十字形の幹195の横幹部195aと縦幹部195vに対して対称である。これと違って、ドメインを構成する微細枝197の構造は、各ドメインによって異なる構造、例えば、十字形の幹195の横幹部195aと縦幹部195vに対して非対称構造で設計されてもよい。
【0112】
更に、ドメインDga1に示したように、ドメインDga1は、複数の微細枝197と複数の微細スリット199からなる複数のサブドメインGga1〜Gganを含む。複数のサブドメインは、微細枝197の幅、微細スリット199の幅、ジグザグ角度、ドメインの主方向(θdga1、θdgan)又はジグザグの単位長さZLa1、ZLanにより、他のサブドメインと区分できる。本発明の一実施形態により、サブドメインは、微細枝197の幅と微細スリット199の幅により区分される。即ち、第1サブドメインGga1を構成する微細枝197の幅又は微細スリット199の幅により区分される。即ち、第1サブドメインGga1を構成する微細枝197の幅又は微細スリット199の幅は同一であり、第nサブドメインGganを構成する微細枝197の幅又は微細スリット199の幅とは異なる。他のドメインDga2、Dga3、Dga4の微細枝197又は微細スリット199は、ドメインDga1で前述した構造と同様であってもよい。
【0113】
本発明の一実施形態により、各ドメインDga1、Dga2、Dga3、Dga4を構成する微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)は、それぞれ約2.0μm〜約6μmであってもよく、図17Aのそれぞれは点線の矢印方向に沿って漸次的に大きくなり得る。点線の矢印が出発する部分、即ち、ドメインDga1に示した第1サブドメインGga1で、微細枝197の幅Sga1と微細スリット199の幅Wga1は、それぞれ約2.5μmであってもよく、点線の矢印が終わる部分、即ち、ドメインDga1に示した第nサブドメインGganで、微細枝197の幅Sganと微細スリット199の幅Wganはそれぞれ、約5μmであってもよい。点線の矢印が通る中間部分のサブドメインで、微細枝197の幅と微細スリット199の幅はそれぞれ、約2.5μm〜約5μmの範囲内の値である。微細枝197の幅と微細スリット199の幅が点線の矢印方向に沿って増加する大きさは、約0.25μmであり得る。
【0114】
また、ドメインDga1、Dga2、Dga3、Dga4の各々を構成し、それに示したジグザグの単位長さPga1、Pganは、約5μm〜20μmであってもよい。ジグザグの単位長さは、十字形の幹195の横幹部195a又は縦幹部195vから遠くなる方向に漸次的に増加できる。
【0115】
なお、各ドメインDga1、Dga2、Dga3、Dga4を構成する微細枝197又は微細スリット199の主方向(θdga)に対する主方向角は、D1方向に対して約±30°〜約±60°が好ましく、約±40°〜約±50°がより好ましい。微細枝197の主方向(θdga)は、ドメインDga1に示した微細枝のピーク点Pga1、Pga2を連結した直線の方向である。偏光子の偏光軸と微細スリット199又は微細ブランチ197との間の角が“主方向角”である。
【0116】
ドメインDga1に示したジグザグ角度θga1、θganは、微細枝197又微細スリット199の主方向に対して約0°〜約±40°が好ましく、より好ましくは、約0°〜約±30°である。図17aに示したジグザグ角度の絶対値は、点線の矢印方向に約2°〜約5°の範囲内のいずれかの値ほど、漸次的に増加できる。即ち、第1サブドメインGga1に形成された第1ジグザグ角度θga1は、0°であってもよく、第nサブドメインGganに形成された第nジグザグ角度θganは、+30°又は−30°であってもよい。
【0117】
なお、微細枝197又は微細スリット199の主方向は、図5bと関連して前述した、即ち、ジグザグのピーク点を連結した直線の方向により決定され得る。このように形成された画素電極の構造は、不規則性を有するため、液晶表示装置の虹ムラは大幅に減少できる。
【0118】
以下、図17b〜図17gと関連した説明では、図5a、図5b及び図17aと関連して既に述べた説明は省略し、図17bないし図17gの特徴について詳細に説明する。図17bを参照すると、4個のドメインDgb1、Dgb2、Dgb3、Dgb4の各々は、複数の第1ないし第nサブドメインGgb1〜Ggbnを有する。ドメインDgb1、Dgb2、Dgb3、Dgb4内の微細枝197と微細スリット199は、十字形の幹195に対して非対称に形成されている。
【0119】
図17bに示した画素電極の平面図は、本発明の特徴により、微細枝197の幅と微細スリット199の幅が多様の周期を有する。4個のドメインDgb1、Dgb2、Dgb3、Dgb4を形成する微細枝197又は微細スリット199は、十字形の幹195に対して非対称に形成されている。
【0120】
ドメインDgb2において、各微細スリット199又は各微細枝197のピーク点を連結した微細スリット199又は微細枝197の主方向θdgbは約±45°であり、ジグザグ角度θgbは、約±7°〜約±20°であってもよく、より好ましくは、約±10°〜±15°である。ドメインDgb1、Dgb2、Dgb3、Dgb4はそれぞれ、同一の微細枝197の主方向とジグザグ角度θgbを有する。
【0121】
サブドメインGgb1、Ggb2〜Ggbnの各々は、予め定められた数の微細枝とこれらの間に微細スリットを含む。隣接した微細枝−微細スリットの対をそれぞれ含んだ微細サブドメインSWgb2が、各サブドメイン内に周期的に形成できる。各微細枝−微細スリットの対を構成する微細スリットと微細枝の幅Wgb1、Sgb1はそれぞれ、約3μmであってもよい。従って、各微細サブドメインSWgb2の幅は、約6μmであってもよい。
【0122】
本発明の実施形態として、各サブドメインが4個の微細枝197と4個の微細スリット199を含有する場合、各サブドメインの幅SWgb1は、約26μmであってもよい。従って、図17bに示したように、ドメインDgb1、Dgb2、Dgb3、Dgb4はそれぞれ、サブドメインGgb1、Ggb2〜Ggbnを有し、サブドメインの各々は、同一の微細サブドメインの幅を有することができる。しかし、各ドメイン内の隣接したサブドメイン間の微細枝の幅(Sgb2)の各々は、各サブドメイン内の微細枝の幅の各々と異なってもよい。例えば、各サブドメイン内の微細枝の幅の各々は、約3μmであってもよく、微細枝の幅Sgb2は、約5μmであってもよい。結局、各ドメイン内の隣接したサブドメイン同士間の微細枝197の幅は、各サブドメイン内の微細枝197の幅と異なっており、ドメイン内に形成される微細枝と微細スリットは、十字形の幹に対して非対称であるため、画素電極構造の不規則性は大きくなり、これにより回折された光の回折点は分散されて、液晶表示装置の虹ムラは大幅に減少できる。各ドメインに含まれたサブドメインの個数は、画素電極の大きさに応じて変わることができる。
【0123】
図17cに示した画素電極の平面図は、本発明の特徴によって各ドメインを構成する微細枝197の主方向が互いに異なることを示す。画素電極は、4個のドメイン、即ち、Dgc1、Dgc2、Dgc3、Dgc4からなっている。ドメインDgc1、Dgc2、Dgc3、Dgc4は、微細枝197の各々のピーク点を連結して定められた微細枝197の主方向θdgc1、θdgc2、θdgc3、θdgc4をそれぞれ有する。ドメインを形成する微細枝と微細スリットの主方向θdgc1、θdgc2、θdgc3、θdgc4の主方向角度は、約30°〜約60°内で互いに異なる値であってもよい。例えば、主方向θdgc1、θdgc2、θdgc3、θdgc4に対する主方向角度はそれぞれ、約50°、約41.3°、約40°及び約48.7°が好ましい。また、微細枝197の主方向における微細枝197のジグザグ角度θgc1、θgc2、θgc3、θgc4は、約±5°〜約±30°範囲内のいずれかの値であってもよく、より好ましくは、約±10°〜約±15°である。
【0124】
本発明の一実施形態により、各ドメインに形成された微細枝197のジグザグ角度は、互いに異なってもよく、一定の方向に漸次的に増加できる。隣接した微細枝197のジグザグ角度の差は、約0.5°〜約5°、より好ましくは、約2°〜約3°である。本発明の別の実施形態により、一つのドメインに形成された微細枝197のジグザグ角度は、同じサブドメイン内に形成された微細枝と同一であっても、他のサブドメインに形成された微細枝と異なってもよい。サブドメイン同士間のジグザグ角度の差は、約0.5°〜約5°、より好ましくは、約2°〜約3°である。これと違って、一つのドメインに形成された微細枝197のジグザグ角度は、同じサブドメイン内に形成された微細枝と異なっても、他のサブドメインに形成された微細枝と対称であってもよい。
【0125】
ドメインDgc1、Dgc2、Dgc3、Dgc4間の対称性、各サブドメインGgc1、Ggc2〜Ggcn間の対称性、各ドメイン内のサブドメインGgc1、Ggc2〜Ggcnを構成する微細枝197と微細スリット199の各々の幅Sgc1、Sgc2、Wgc1及びサブドメインGgc1、Ggc2〜Ggcnの周期性と幅(SWgc1)などは、図17bと関連して前述した説明と実質的に類似である。このように、複数のドメイン中の他の二つのドメインにある微細枝197の主方向とジグザグ角度は、互いに異なって形成されるため、画素電極の構造の不規則性は大きくなり、これにより、回折された光の回折点は分散され、液晶表示装置の虹ムラは大きく減少できる。本実施形態と異なって、各ドメインの主方向θdgc1、θdgc2、θdgc3、θdgc4は、対称の対を成して異なってもよい。
【0126】
図17dに示した画素電極の平面図は、本発明の特徴によってサブドメインGgd1〜Ggdnを構成する微細枝Sgd1、Sgd2、Sgd3の形状と微細スリットWgd1、Wgd2、Wgd3の形状の組合せを示す。画素電極は、4個のドメイン、即ち、Dgd1、Dgd2、Dgd3、Dgd4からなっている。ドメインDgd1、Dgd2、Dgd3、Dgd4はそれぞれ、周期的に繰返したサブドメインGgd1からなっている。更に、各サブドメインGgd1〜Ggdnは、複数の微細枝Sgd1、Sgd2、Sgd3と微細スリットWgd1、Wgd2、Wgd3から構成されており、微細枝197及び微細スリット199は前述の組合わせエンタシスA(図16eを参照)又は組合わせエンタシスB(図16fを参照)と類似した形状を有する。微細枝197は、Sgd1、Sgd2及びSgd3から構成され得る。微細枝Sgd1は、直線とジグザグの組合せから形成された形状を有する。微細枝Sgd2は、微細枝Sgd1と対称の形状を有する。微細枝Sgd3は、菱形又はダイヤモンド連結の形状である。
【0127】
微細枝197の形状は、微細スリット199に適用してもよい。微細スリット199は、Wgd1、Wgd2、Wgd3より構成され得る。微細スリットWgd1は、二つのジグザグの組合せにより形成された形状を有する。微細スリットWgd2は、直線と微細スリットWgd1のジグザグより最も小さいジグザグにより形成された形状を有する。微細スリットWgd3は、微細スリットWgd2と対称の形状を有する。サブドメインの幅SWgdは、約10μm〜約40μmであってもよく、微細枝Sgd1、Sgd2、Sgd3と微細スリットWgd1、Wgd2、Wgd3の各々の幅は、約2μm〜約10μmであってもよい。微細スリット199の形状は微細枝197に適用してもよい。
【0128】
4個のドメインDgd1、Dgd2、Dgd3、Dgd4を構成する微細枝197、微細スリット199及び微細枝197の主方向は、十字形の幹195に対して互いに対称に形成され得る。微細枝197の主方向の中のいずれかの主方向角は、約30°〜約60°であってもよく、より好ましくは、約45°である。
【0129】
本発明の実施形態により、ドメイン内の微細スリットと微細枝は、十字形の幹195に対して対称であるという説明がなされたものの、ドメイン内の微細スリットと微細枝は、非対称に形成されてもよく、各ドメイン内で微細枝197の主方向も非対称方向であってもよい。このように、サブドメインを構成する微細枝197の形状と幅が多様であるため、画素電極の構造の不規則性は大きくなり、これにより、回折された光の回折点は分散し、液晶表示装置の虹ムラは大幅に減少できる。
【0130】
図17eに示した画素電極の平面図は、本発明の特徴によって4個のドメインDge1、Dge2、Dge3、Dge4の各々で、対角線に互いに異なる2方向を有する微細スリット199を含む。画素電極は、4個のドメインDge1、Dge2、Dge3、Dge4からなっている。ドメインDge1は、サブドメインGge1、Gge2を含む。
【0131】
サブドメインGge1は、幅が各々Sge1とWge1である、微細枝197と微細スリット199を有する。サブドメインGge2は幅が各々Sge2とWge2である、微細枝197と微細スリット199を有する。
【0132】
本発明の実施形態により、微細枝の幅Sge1とSge2は異なってもよく、微細スリットの幅Wge1とWge2は異なってもよい。例えば、微細枝の幅Sge2の値は、微細枝の幅Sge1の値より大きくてもよく、又は微細スリットの幅Wge2の値は、微細スリットの幅Wge1の値より大きくてもよい。
【0133】
本発明の実施形態により、サブドメインGge1に形成された微細枝の幅Sge1と隣接した微細スリットの幅Wge1の総合は、サブドメインGge2に形成された微細枝の幅Sge2と隣接した微細スリットの幅Wge2の総合と異なってもよい。例えば、サブドメインGge2に形成された微細枝の幅Sge2と隣接した微細スリットの幅Wge2の総合、例えば、約5.5μm〜約10μmは、サブドメインGge1に形成された微細枝の幅Sge1と隣接した微細スリットの幅Wge1の総合、例えば、約4μm〜約8μmより大きい。
【0134】
サブドメインGge1とサブドメインGge2との間に、微細枝197の幅又は微細スリット199の幅が漸次的に変わる、別のサブドメインがあってもよい。サブドメインGge1とGge2はそれぞれ、主方向θdgeと異なる2方向θge1、θge2を有する微細枝197を包含する。即ち、各サブドメインは、θge1方向の微細枝197からなる領域と、θge2方向の微細枝197からなる領域を有する。θge1とθge2方向の微細枝とD1方向との間の角は、それぞれ約40°〜約50°範囲内のいずれかの値と約30°〜約39°範囲内のいずれかの値であってもよく、より好ましくは、約42°と約37°である。微細枝197の主方向θdgeの主方向角は、約30°〜約60°範囲内のいずれかの値であってもよく、より好ましくは、約45°である。
【0135】
ドメインDge2に示したように、微細枝197がθge1方向からθge2方向へ変更される点を連結した線(Ie)は、楕円の弧又は直線であり得る。前述の微細枝197の構造は、微細スリット199の構造にも適用可能である。ドメインDge1に形成された構造は、他のドメインDge2、Dge3、Dge4に適用してもよく、ドメインの各々に形成された画素電極の構造は、十字形の幹195の横幹部195a又は縦幹部195vに対して対称であってもよい。このように形成された画素電極は、液晶層内の電気場の強さを変化させて液晶表示装置の側面視認性を向上できる。更に、画素電極の構造の不規則性が大きくなり、これにより、外部光の回折点が分散され、液晶表示装置の虹ムラは大きく減少できる。
【0136】
本発明の別の実施形態により、θge2方向を有する微細枝197は、θge1方向を有する微細枝197よりデータ配線により隣接し、データ線171とθge2方向の間の角度は、データ線171とθge1方向の間の角度より大きくてもよい。このように、データ線171に隣接し、θge2方向の微細枝197は、θge1方向の微細枝197よりデータ線171にもっとも垂直するため、データ線171に隣接した液晶分子の主軸又は長軸は、十字形の幹部に隣接した液晶分子よりデータ線171に垂直方向に配列する。従って、データ線171に略垂直方向に配列した液晶分子の主軸又は長軸は、データ線171に垂直の方向から視認される側面視認性を向上させることができる。更に、θge1方向を有する微細枝197は、θge2方向を有する微細枝197よりデータ線171とより平行の方向に配列するため、θge1方向を有する微細枝197によりデータ線171と平行の方向から視認される側面視認性は向上できる。このように、2以上の方向に配列した微細枝197を有する画素電極は、液晶表示装置の側面視認性を向上できる。
【0137】
図17fと図17gに示した微細枝197と微細スリット199は、ストライプ形状を有する。微細枝197の幅(S)と微細スリットの幅(W)は、図3又は図5aと関連して前述した通りである。
【0138】
図17fに示した画素電極の平面図は、本発明の特徴によって微細スリット199の幅が、十字形の幹195の横部195a又は縦部195vから画素電極の外側、即ち縦連結部193又は横連結部194に向かって漸次的に増加する。即ち、微細スリット199が画素電極の外側に延びることで、それらの幅が漸次的に大きくなる。
【0139】
画素電極は、4個のドメイン、即ちDgf1、Dgf2、Dgf3、Dgf4からなっている。ドメインDgf1は、サブドメインGgf1、Ggf2を含む。サブドメインGgf1は、幅が延びる方向に沿って変わる微細枝の幅Sgf1と微細スリットの幅Wgf1を各々有する微細枝197と微細スリット199を有する。
【0140】
更に、サブドメインGgf1は、θdgf1とθdgf2の主方向角を有する微細スリット199又は微細枝197を有する。ここで、微細スリット又は微細枝の主方向角は、微細スリット又は微細枝の幅の重点を連結した直線と偏光子の偏光軸又はD1との間の角を意味する。サブドメインGgf1を構成する微細スリット199の幅Wgf1は、十字形の幹195の横部195a又は縦部195vから画素電極の外側、即ち縦連結部193、横連結部194又は画素電極の外側に向かって漸次的に大きくなる。微細枝197の幅Sgf1は、十字形の幹195の横部195a又は縦部195vから画素電極の縦連結部193、横連結部194又は画素電極の外側に向かって漸次的に大きくなるか、一定であり得る。
【0141】
本発明の別の実施形態により、サブドメインGgf1に示した微細スリット199の主方向θdgf1、θdgf2は互いに異なってもよい。サブドメインGgf1内で、サブドメインGgf2に隣接した微細スリット199の主方向θdgf1の主方向角は、サブドメインGgf2内の他の微細スリット199の主方向θdgf2の主方向角より小さくてもよく、微細スリット199の主方向角は、θdgf1の主方向角からθdgf2の主方向角まで漸次的に増加できる。本発明の実施形態により、微細スリット199の主方向θdgf1、θdgf2についての主方向角は、約30°〜約55°であってもよい。微細枝197の主方向角は、微細スリット199の主方向角と実質的に類似である。
【0142】
サブドメインGgf1に示した微細スリット199の主方向θdgf1、θdgf2についての主方向角のうちのいずれかの一つは、サブドメインGgf2に示した微細スリット199の主方向角より大きくてもよい。サブドメインGgf2は、延びる方向に沿って幅がそれぞれ一定である微細枝の幅Sgf2と微細スリットの幅Wgf2である、微細枝197と微細スリット199を有する。微細枝の幅Sgf2と微細スリットの幅Wgf2の値は実質的に同一であってもよい。これと違って、液晶層に印加される電気場の強さを調節するため、微細枝の幅Sgf2と微細スリットの幅Wgf2は異なってもよい。サブドメインGgf2に示した微細スリット199又は微細枝197の主方向は実質的に同じである。ドメインDgf1に形成された画素電極の構造は、他のドメインDgf2、Dgf3、Dgf4に適用してもよく、各ドメインに形成された画素電極の構造は、十字形の幹195の横部195a又は縦部195vに対して対称であってもよい。このように形成された微細枝197と微細スリット199からなる画素電極は、サブドメインに応じて液晶層に形成された電気場の強さを調節するために、液晶表示装置の側面視認性を向上するか、液晶表示装置の虹ムラを大きく減少できる。
【0143】
図17gに示した画素電極の平面図は、本発明の特徴によって2以上の幅を不連続的に有する複数の微細枝197と複数の微細スリット199を包含する。図17gに示した画素電極は、4個のドメインDgg1、Dgg2、Dgg3、Dgg4からなっている。
【0144】
ドメインDgg1は、階段状の微細枝197と微細スリット199を有する。即ち、微細枝197と微細スリット199は、不連続的な多様の幅から形成されている。図面に示したように、各微細枝197は、Sgg1、Sgg2及びSgg3の幅を有し、各微細枝197の幅は、十字形の幹195の横部195a又は縦部195vから画素電極の外側に向かって、幅Sgg1、Sgg2及びSgg3の順に不連続に増加できる。微細枝の幅Sgg1、Sgg2及びSgg3はそれぞれ、約2.0μm〜約6μm範囲のいずれかの値であってもよい。本発明の実施形態により、微細枝の幅Sgg1、Sgg2及びSgg3はそれぞれ、約1.8μm、約3.2μm及び約4.5μmが好ましい。
【0145】
微細枝の幅Sgg1、Sgg2及びSgg3の各々に隣接した微細スリットの幅は、Wgg1、Wgg2及びWgg3の大きさを有し得る。微細スリットの幅Wgg1、Wgg2及びWgg3の各々は、約2.0μm〜約6μm範囲のいずれかの値であってもよい。本発明の実施形態により、微細スリットの幅Wgg1、Wgg2及びWgg3はそれぞれ、約4.5μm、約3.2μm及び約1.8μmが好ましい。隣接した微細枝−微細スリットの対の各々において、微細枝の幅と微細スリットの幅との総合は、2個以上の値を有してもよい。
【0146】
本発明の実施形態により、ドメインにおいて、対角線に位置した少なくとも一つの微細枝197は、十字形の幹195の横部195a、縦部195v又は画素電極の中心部から画素電極の外側に向かって延びるとき、微細枝の幅Sgg1、Sgg2、Sgg3、Sgg2、Sgg1が不連続に増加し、減少し得る。本発明の実施形態により、少なくとも一つの微細枝197は、十字形の幹195の横部195a又は縦部195vからドメインの中央部に向かっていくとき、不連続の幅が増加し、ドメインの中央部から画素電極の縦連結部193、横連結部194又は画素電極の外側に向かっていくとき、不連続の幅が減少できる。
【0147】
また、他の微細枝197は、十字形の幹195の横部195a又は縦部195vから外側に向かっていくとき、不連続の微細枝の幅が増加し、他の残りの微細枝は、十字形の幹195の横部195a又は縦部195vから外側に向かっていくとき、不連続の微細枝の幅が減少する。
【0148】
ドメインDgg1を構成するサブドメインGgg1内の微細枝197は、同一の微細枝の幅Sgg1であってもよい。サブドメインGgg1は、画素電極の縦連結部193、横連結部194又は画素電極の外側に隣接する部分に形成され得る。ドメインDgg1に形成された微細枝197又は微細スリット199の各々の主方向は、各微細枝197又は各微細スリット199の多数の幅の多数の重点を連結した直線の方向であり、微細枝の主方向又は微細スリットの主方向は互いに平行である。ドメインDgg1に形成された画素電極の構造は、他のドメインDgg2、Dgg3、Dgg4に適用してもよく、各ドメインに形成された画素電極の構造は、十字形の幹195の横部195a又は縦部195vに対して対称であってもよい。このように形成された微細枝197と微細スリット199からなる画素電極は、液晶層の液晶分子を様々な角度で傾斜させるために、液晶表示装置の側面視認性を向上させるか、液晶表示装置の虹ムラを大幅に減少できる。
【0149】
更に、別の実施形態による画素電極は、「V」形の少なくとも一つのノッチを有してもよい。即ち、微細枝197又は十字形の幹部195の電極に「V」形のノッチが陰刻又は陽刻の形態で形成され得る。ノッチが画素電極に形成されると、液晶表示装置の応答速度が大きくなり、輝度が増加する。
【0150】
図3を参照すると、第1及び第2副画素電極191h、191lはそれそれ、左側と右側に縦連結部193h、193lを有する。縦連結部193h、193lは、データ線171と副画素電極191h、191lとの間で発生する寄生容量の結合(capacitive coupling)を遮断する。図4bと図4cを参照すると、隣接する画素で第1副画素電極191hの縦連結部193hは、維持電極線の縦部128とOLL1及びOLR1程度各々重畳する。OLL1とOLR1はそれぞれ、約0.5〜3μm中で選ばれた値であってもよい。隣接する画素で第2副画素電極191lの縦連結部193lは、維持電極線の縦部128とOLL2とOLR2程度各々重畳する。OLL2とOLR2はそれぞれ、約1〜3μm中で選ばれた値であってもよい。第2副画素電極191lに形成された第2液晶蓄電器Clclの変動を減らすため、OLL2及びOLR2はそれぞれ、OLL1及びOLR1より大きくても、又は同じであってもよい。上部表示板200に形成された遮光部材220は、第1副画素電極191hの領域に形成された維持電極線の縦部128とOBL1及びOBR1ほど重畳する。OBL1及びOBR1はそれぞれ、約0.5〜3μmであってもよい。また、上部表示板200に形成された遮光部材220は、第2副画素電極191lの領域に形成された維持電極線の縦部128とOBL2及びOBR2ほど重畳する。OBL2及びOBR2はそれぞれ、約0.5〜3μmであってもよい。OBL1、OBR1、OBL2とOBR2の大きさを工程条件とセルギャップの大きさに合わせると、液晶表示装置の光漏れを改善することができる。
【0151】
微細枝及び微細スリットの幅及び分布
液晶表示装置の透過率と側面視認性を向上させ、虹ムラの発生を軽減するため、液晶層3の厚さ、液晶分子31の種類、最大データ電圧及び第1副画素電極と第2副画素電極の電圧比と面積比などのパラメータによって、微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)(図5aに図示)は様々な形態で形成される。
【0152】
本発明による微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)は、それぞれ、約2μm〜6μmであり、より好ましくは、約2.5μm〜4μmである。本発明の別の実施形態により、微細枝197の面積が、微細スリット199の面積より大きければ、画素電極と共通電極との間の電気場が大きくなるために、液晶表示装置の応答速度と透過率は増加できる。従って、微細枝の幅(S)は、この数値に限定されなくてもよい。
【0153】
図3を参照すると、第1副画素電極191hでSとWが一定であり、第2副画素電極191lの各ドメインは、SとWの大きさの分布によって第1〜第3領域HA、LA、MAを有している。
【0154】
第1領域HAにおける微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)はそれぞれ、S1とW1であり、S1とW1は同じである。第2領域LAにおける微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)はそれぞれ、S2とW2であり、W2がS2より大きい。第3領域MAにおける微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)はそれぞれ、S3とW3であり、S3は同じであるが、W3が次第に変わる。第3領域MAにおけるW3の大きさは、第1領域HAから第2領域LAに近くなるほど、段々大きくなる。
【0155】
好適の実施形態による第1副画素電極191hにおけるSとWはそれぞれ、約3μmと約3μmであり、第2副画素電極191lにおけるS1とW1、S2とW2、S3とW3はそれぞれ、約3μmと約3μm、約3μmと約4μm、約3μmと約3〜4μmである。微細スリット199の幅(W3)が漸次的に変化する大きさは、約0.15〜0.5μm、好ましくは、約0.2μmである。これと違って、第3領域MAにおけるS3とW3の各々が漸次的に変化されてもよく、第2領域LAにおけるS2とW2はそれぞれ、第1領域HAにおけるS1とW1より大きくてもよい。
【0156】
第2副画素電極191lの各ドメインに形成された第1領域HAの面積は、第2領域LAの面積より広い。本発明の実施形態により、各ドメイン、各副画素又は画素内で全領域の面積、即ちHA領域とLA領域とMA領域を合わせた面積に対して、第1領域HAの面積は約50〜80%であり、より好ましくは、約60〜70%であり、第2領域LAと第3領域MAの面積の総合は、約20〜50%であり、より好ましくは、約30〜40%である。第1〜第3領域HA、LA、MAの面積は、各ドメイン別に異なる分布の大きさを有してもよい。第1〜第3領域HA、LA、MAは、十字形の幹部195h、195lの横幹部及び縦幹部の中で選択された少なくとも一つに対称的に形成され得る。別の実施形態として、第1〜第3領域HA、LA、MAは第1副画素電極191hにも形成されてもよい。
【0157】
微細枝の方向
液晶層3に形成された電気場により、液晶分子31の長軸が、微細枝197h、197lと平行の方向に傾くようになるため、偏光子の偏光軸に対して約45°方向に延びた微細枝197h、197lを有する液晶表示装置は、最大透過率を有する。従って、各副画素電極191h、191lの微細枝197h、197lの方向に沿って、各副画素190h、190l領域を通過する光透過率の変更により液晶表示装置の輝度と側面視認性が変わることができる。
【0158】
各ドメインで微細枝197と微細スリット199の方向は、第1方向D1及び第2方向D2の中で選択された少なくとも一つの方向に対して、約0°〜45°であり、より好ましくは、約30°〜45°である。第1方向D1及び第2方向D2は、下部表示板100又は上部表示板200に付着された偏光子の偏光軸の方向であり得る。
【0159】
図3を参照すると、微細枝197は第1副画素電極191hと第2副画素電極191lで、偏光子の偏光軸に対して各々、θ1とθ2方向に形成され、θ1とθ2はそれぞれ、約40°と約45°である。本発明により、θ1とθ2は約20°以内に異なってもよい。微細枝197h、197lの方向は、十字形の幹部195の横部195a、縦部195v、又はゲート線121の方向に対して約30°〜45°であってもよい。ゲート線121の方向は、画素電極を構成する第1副画素電極191hと第2副画素電極191lの間を通る仮想の線の方向であり得る。図5bに示したピーク点PK1、PK2の周期を有するジグザグ形状の微細枝197である場合、ピーク点PK1、PK2を連結した線が延びる方向が、微細枝197の主方向である。微細枝197h、197lの方向は、ドメイン、画素又は副画素電極191h、191lなどによって異なるように形成され得る。
【0160】
<実施形態2>
以下、図18図21bを参照して本発明の別の実施形態による液晶表示板組立体300について詳細に説明する。液晶表示板組立体300は、本発明の特徴によって、図18図21bに示した画素電極層のパターンを有することで、液晶表示装置の視認性を向上させ、ムラ及び不良を減少させることができる。
【0161】
図18は、本発明の実施形態による液晶表示板組立体300を構成する単位画素の概略的配置図である。図19aは、図18に示した画素配置図における中間部分A19の拡大図である。
【0162】
図20a〜図20dはそれぞれ、図18に示した画素構造を構成する主要層についてのパターンであって、図20aはゲート層導電体のパターンであり、図20bはデータ層導電体のパターンであり、図20cは画素電極層のパターンである。図20dは、図20cに示した画素電極層のパターンについての別の実施形態である。従って、図20a〜図20dに示したゲート層導電体、データ層導電体及び画素電極層のパターンはそれぞれ、図18に示したように、対応する層と同一であることを理解すべきである。
【0163】
図21a及び図21bはそれぞれ、図18に示した画素配置図におけるライン21a−21a´及びライン21b−21b´に沿った断面図である。図21a及び図21bの断面図は、図18で省略した多数の層のパターンをさらに示す。図21a及び図21bに示した液晶表示板組立体300の断面図において、21a´方向及び21b´方向の断面図は、図18の単位画素が多数の行と多数の列のマトリックス状に反復的に配置されるとき、図18に示した切断線に沿って形成された断面図である。
【0164】
図18図21bに示した画素の構造は、図3図4cと関連して前述した説明と類似であるため、説明の便宜上、重複の詳細な説明は省略する。更に、図18に示した画素構造に図面の符号を全て挿入するのは複雑であるために、図面の符号を図18及び図19a〜図20dに分散して表記してもよい。
【0165】
前述のように、液晶表示板組立体300は、下部表示板100、上部表示板200、これらの表示板の間の液晶層3及び上記表示板の外側又は内側に位置した偏光子を含む。以下、液晶表示板組立体300の下部表示板100と上部表示板200の積層構造について詳細に説明する。
【0166】
1)積層構造
上部表示板200は、図21a及び図21bに示したように、上部基板210上に、遮光部材220、蓋膜225、共通電極270、間隔材250及び上板配向膜292の順に積層した構造を有する。遮光部材220、蓋膜225、共通電極270、間隔材250及び上板配向膜292は、図4aないし図4cと関連して説明した製造方法と材料により形成され得る。遮光部材220は、データ線171と重畳できる。遮光部材220の幅は、実質的にデータ線171の幅と同様であるか、約0.5μm〜2μmほど大きくてもよい。
【0167】
本発明の他の実施形態により、遮光部材220は、上部表示板200に形成されず、図22a及び図22bに示したように、下部表示板100のカラーフィルタ230の層と第2保護膜182の層との間に形成されてもよい。また、本発明の他の実施形態により、上部表示板200の製造工程を単純化するため、上部表示板200は蓋膜225を包含しなくてもよい。本発明の実施形態により、間隔材250の高さを減らし、かつ、セルギャップを均一にするため、間隔材250は、遮光部材220、薄膜トランジスタ(TFT)、後述のガス排出口カラーフィルタホール235又はガス排出口孔の蓋187と重畳するように上部表示板200又は下部表示板100に形成され得る。
【0168】
図18図21bに示した下部表示板100は、下部基板110、ゲート層導電体121、123、124h、124l、124c、125、126、127、128、ゲート絶縁膜140、半導体154h、154l、154c、線形抵抗性接触部材165、データ層導電体171、173h、173l、173c、175h、175l、175c、177c、第1保護膜181、カラーフィルタ230、第2保護膜182、画素電極層187、189、191h、191l、192h、192l、193h、193l、194h、194l、195h、195l、196,197h、197l、198h、198l、713h、713l、715h、715l、717h、717l及び下板配向膜291の順に積層された構造を有し得る。これらは、図4aないし図4cと関連して説明した製造方法と材料により形成され得る。
【0169】
ゲート層導電体は、下部基板110上に形成され、パターニングされる。ゲート層導電体は、複数のゲート線121、複数の降圧ゲート線123、複数のゲート電極124、複数の維持電極線125、複数の維持電極線の拡張部126、維持電極線の横部127、維持電極線の縦部128などを含み得る。ゲート層導電体の構成要素は、前述の材料から形成され得る。ゲート絶縁膜140は、ゲート層導電体の上に形成され、パターニングされる。ゲート絶縁膜140は、前述の材料及び構造からなり得る。
【0170】
半導体154は、ゲート絶縁膜140の上に形成され、パターニングされる。半導体154は、第1、第2及び第3半導体154h、154l、154cを有する。半導体154は、前述したように、ゲート電極124の上で互いに分離され得る。更に、半導体154は、前述の材料及び構造からなり得る。線形抵抗性接触部材165は、半導体154の上に形成され、パターニングされる。
【0171】
線形抵抗性接触部材は、第1ソース電極173h、第1ドレイン電極175h、第2ソース電極173l、第2ドレイン電極175l、第3ソース電極173c及び第3ドレイン電極175cの下にそれぞれ形成された第1、第2及び第3線形抵抗性接触部材を有する。本発明の別の実施形態として、線形抵抗性接触部材165は、データ線171の下に形成され得る。更に、線形抵抗性接触部材165は、前述の材料及び構造で形成され得る。データ層導電体は、線形抵抗性接触部材165の上に形成され、パターニングされる。
【0172】
データ層導電体は、データ線171、第1ソース電極173h、第2ソース電極173l、第3ソース電極173c、第1ドレイン電極175h、第2ドレイン電極175l、第3ドレイン電極175c、維持電極線の拡張部126と重畳する第3ドレイン電極の一端部分177cを有する。これらは、前述の材料及び構造で形成され得る。第1、第2及び第3薄膜トランジスタ(TFT)Qh、Ql、Qcは、画素(PX)を作動するため、前述の構造で形成され、前述の方法で動作する。
【0173】
第1保護膜181は、データ層導電体の上に形成され、パターニングされる。第1保護膜181は、前述の材料及び構造で形成でき、前述の機能を発揮する。
【0174】
カラーフィルタ230は、第1保護膜181上に形成され、パターニングされる。ガス排出口カラーフィルタホール235には、カラーフィルタが形成されない。ガス排出口カラーフィルタホール235は、カラーフィルタを形成する工程で発生した異物質やガスが排出できるホールである。ガス排出口カラーフィルタホール235は、薄膜トランジスタ(TFT)、ゲート層導電体又はデータ層導電体のパターンの上に形成され得る。カラーフィルタ工程が終わった後、ガス排出口カラーフィルタホール235は、保護膜又は画素電極層を形成する材料により覆われる。カラーフィルタ230は、前述の材料及び構造で形成され得る。第2保護膜182は、カラーフィルタ230又は第1保護膜181の上に形成され、パターニングされる。第2保護膜182は、前述の材料及び構造で形成され得る。
【0175】
画素電極層は第2保護膜182上に形成され、パターニングされる。画素電極層は、第1副画素と第2副画素190h、190lにそれぞれ形成された第1及び第2副画素電極191h、191l、第1及び第2副画素電極の接触部192h、192l、縦連結部193h、193l、横連結部194h、194l、十字形の幹部195h、195l、微細枝197h、197l、ジグザグ微細枝198h、198l、第1及び第2画素電極の横接続部713h、713l、第1及び第2画素電極の縦接続部715h、715l、第1及び第2画素電極の斜線接続部714h、714l、第2画素電極の接続部連結点717lを有することができ、またガス排出孔の蓋(outgasing hole cover)187、遮蔽共通電極196及び遮蔽共通電極の連結部189を有することができる。
【0176】
図18図21a及び図21bを参照すると、遮蔽共通電極196は、データ線171と重畳する。遮蔽共通電極196は、データ線171に印加される電圧により上板共通電圧が歪曲されることを防止できるか、データ線171と副画素電極191h、191l間で発生する寄生容量結合を減少できる。
【0177】
遮蔽共通電極は、遮蔽共通電極の連結部189により相互連結され、遮蔽共通電極は等電位の状態になり得る。遮蔽共通電極196の幅は、第1副画素領域でデータ線171の両端とOSL3及びOSR3の距離ほど、データ線171の幅より大きくてもよく、第2副画素領域でデータ線171の両端とOSL4及びOSR4の距離ほど、データ線171の幅より大きくてもよい。OSL3、OSR3、OSL4及びOSR4の距離はそれぞれ、約0.5μm〜2μmの範囲内の値が好ましい。また、遮蔽共通電極196は、第1副画素領域でデータ線171の左右側に位置した維持電極線の縦部128の角とOCL3及びOCR3の距離ほど離れてもよく、第2副画素領域でデータ線171の左右側に位置した維持電極線の縦部128の角とOCL4及びOCR4の距離ほど離れてもよい。OCL3、OCR3、OCL4及びOCR4の距離はそれぞれ、約0.5μm〜3μmの範囲内の値が好ましい。遮蔽共通電極196は、浮揚(floating)されて電圧の印加を受けず、又は予め定められた電圧の印加を受けることができる。予め定められた電圧は、共通電圧、上板共通電圧又は維持電極線に印加される電圧であり得る。遮蔽共通電極196は、遮光部材220h、220lと重畳できる。
【0178】
ガス排出孔の蓋187は、ガス排出口カラーフィルタホール235を完全に覆うように形成され得る。ガス排出孔の蓋187は、カラーフィルタ230又は下部膜から発生するガスが、ガス排出口カラーフィルタホール235を通して抜けることを防止する。画素電極の構造を除いた画素電極層を構成した他の構成要素は、前述した説明と実質的に類似であるために、詳細な説明は省略する。画素電極の構造は詳細に後述する。下板配向膜291は、画素電極層の上に形成される。下板配向膜は、前述又は後述の材料及び方法で形成でき、前述又は後述の機能を発揮する。
【0179】
2)画素電極の構造
以下、図18図21a及び図21bを参照して画素電極層の構造とデータ線171の周辺部の断面図について詳細に説明する。第1副画素電極191hは第1副画素190hの領域に、第2副画素電極191lは第2副画素190lの領域に形成される。第1及び第2副画素電極191h、191lを構成する十字形の幹部195h、195l、及び第1及び第2副画素電極191h、191lの縦及び横の外郭を取り囲む縦及び横連結部193h、194h、193l、194lは前述したので、詳細な説明は省略する。
【0180】
図18図20c、図21a及び図21bを参照して、画素電極の縦連結部193h、193lについて詳細に説明する。第1及び第2副画素電極191h、191lの各々において、縦連結部は微細枝197の端部が相互連結され、電極導電体が除去された微細スリット199を孤立化する。このように形成された画素電極の縦連結部193h、193lは、寄生容量の結合を減少できる。
【0181】
第1副画素電極191hにおいて、縦連結部193hは、図21Aに示すようにデータ線171の左側で維持電極線の縦部128と重畳されず、維持電極線の縦部128とOLL3ほど離れており、右側の部分では、維持電極線の縦部128とOLR3ほど重畳する。OLL3とOLR3の値はそれぞれ、約0.5μm〜2μmの範囲内の値であってもよい。このように、データ線171に対して非対称に縦連結部193hを形成することで、他の層との誤整列によって発生する画質不良が減少できる。画質不良は、第2副画素領域より第1副画素領域で、他の層との誤整列によって敏感に発生できる。図21bを参照すると、第2副画素電極191lにおいて、縦連結部193lはデータ線171の左側と右側でそれぞれ維持電極線の縦部128とOLL4とOLR4ほど重畳する。OLL4とOLR4はそれぞれ、約0.5μm〜2μmの範囲内の値であってもよい。
【0182】
図18図19aを参照すると、第1画素電極の上段部と第2画素電極の下段部はそれぞれ、横連結部194h、194lを有する。横連結部194h、194lは、画素電極を構成する複数の微細枝197の端部を互いに連結し、画素電極が除去された複数の微細スリット199を孤立化する。横連結部194h、194lは、維持電極線の横部127と重畳する。
【0183】
第1画素電極の下段部には横連結部194hが形成されないために、この部分に形成された複数の微細枝197は相互連結されない反面、複数の微細スリット199は相互連結されている。第1画素電極の下段部に位置した微細枝197hは、維持電極線125と重畳し得る。第2画素電極の上段部に位置した複数の微細枝197は相互連結されて横連結部194hを有し、複数の微細スリット199は相互連結されていない。一方、第2画素電極の上段部に位置した微細枝197lは、降圧ゲート線123と重畳し得る。このように形成された微細枝197と微細スリット199は、液晶表示装置の応答速度を早くすることができ、テクスチャを減少できる。これと違って、第1画素電極の下段部に位置した複数の微細枝197は相互連結でき、複数の微細スリット199は相互連結され得ない。これと違って、第2画素電極の上段部で、微細枝197は微細スリット199により孤立され得、微細スリット199は相互連結され得る。
【0184】
図18図20cに示したように、第1及び第2副画素電極191h、191lはそれぞれ、ジグザグ形状の微細枝198h、198lからなる4個のドメインを有する。即ち、第1副画素電極191hは、4個のドメインD21h1、D21h2、D21h3及びD21h4を有し、第2副画素電極191lは、4個のドメインD21l1、D21l2、D21l3及びD21l4を有する。
【0185】
ドメインD21h1、D21h2、D21h3、D21h4、D21l1、D21l2、D21l3及びD21l4は、微細枝197の各々のピーク点を連結した直線の方向により定義される微細枝197の主方向θd21h1、θd21h2、θd21h3、θd21h4、θd21l1、θd21l2、θd21l3及びθd21l4(図示せず)をそれぞれ有する。ドメイン内にある微細枝の主方向の主方向角は、D1方向に対して約30°〜約60°範囲内の値であってもよい。
【0186】
十字形の幹の縦部195vと対向するドメイン内の微細枝の主方向は、十字形の幹の縦部195vに対して対称であってもよい。微細枝の主方向θd21l1、θd21l2、θd21l3及びθd21l4の主方向角はそれぞれ、微細枝の主方向θd21h1、θd21h2、θd21h3及びθd21h4の主方向角より大きくてもよい。本発明の実施形態により、微細枝の主方向θd21h1、θd21h2、θd21h3、θd21h4、θd21l1、θd21l2、θd21l3及びθd21l4の主方向角はそれぞれ、約40.8°、約40.8°、約39.2°、約39.2°、約42°、約42°、約41.3°及び約41.3°であってもよい。
【0187】
本発明の実施形態により、各ドメインに形成された微細枝197と微細スリット199はそれぞれ、十字形の幹の縦部195vに対して対称のパターンを有する。
【0188】
ドメインD21h1、D21h2、D21h3、D21h4、D21l1、D21l2、D21l3及びD21l4において、微細枝197のジグザグ角度θ21h1、θ21h2、θ21h3、θ21h4、θ21l1、θ21l2、θ21l3及びθ21l4(図示せず)は、約±7°〜約±30°範囲内の値であってもよく、より好ましくは、約±10°〜約±15°である。第2副画素の各ドメインに形成された微細枝197のジグザグ角度は、第1副画素の各ドメインに形成された微細枝197のジグザグ角度より大きくてもよい。本発明の実施形態により、θ21h1、θ21h2、θ21h3及びθ21h4の値は約10°であってもよく、θ21l1、θ21l2、θ21l3及びθ21l4の値は約15°であってもよい。微細枝197のジグザグ角度は、前述したように、微細枝197の主方向とジグザグとの間の角を意味することを留意すべきである。
【0189】
図18図20cに示した画素電極の微細枝197と微細スリット199はジグザグ形状を有する。画素電極に形成されたジグザグの単位長さは、約5μm〜20μm範囲内の値であってもよい。本発明の実施形態により、第1及び第2副画素電極に形成されたジグザグの単位長さはそれぞれ、約14μm及び約10μmであってもよい。
【0190】
画素電極のドメインに形成された微細枝197と微細スリット199の幅はそれぞれ、約2μm〜約5μm範囲内のいずれかの値であってもよい。各ドメインに含まれた微細枝197と微細スリット199の幅は、各ドメインによって異なってもよい。D21h1、D21h2、D21h3及びD21h4ドメイン内の微細枝197hの幅と微細スリット199hの幅はそれぞれ、約2.8μm〜約3.7μm範囲内のいずれかの値であってもよく、微細枝197の幅と微細スリット199の幅は、各ドメインに示した矢印方向に漸次的に大きくなってもよい。発明の実施形態により、各ドメインで矢印のスタート部分における微細枝197の幅と微細スリット199の幅はそれぞれ、約2.8μmであってもよく、矢印の終了部分における微細枝197の幅と微細スリット199の幅はそれぞれ、約3.3μmであってもよい。発明の別の実施形態により、各ドメインで矢印のスタート部分における微細枝197の幅と微細スリット199の幅はそれぞれ、約3.3μmであってもよく、矢印の終了部分における微細枝197の幅と微細スリット199の幅はそれぞれ、約3.7μmであってもよい。
【0191】
D21l1、D21l2、D21l3及びD21l4ドメインに含まれた微細枝197lの幅と微細スリット199lの幅はそれぞれ、約2.8μm〜約3.9μm範囲のいずれかの値であってもよく、微細枝197の幅と微細スリット199の幅は、各ドメインに示した矢印方向に漸次的に大きくなってもよい。発明の実施形態により、各ドメインで矢印のスタート部分における微細枝197の幅と微細スリット199の幅はそれぞれ、約2.8μmであってもよく、矢印の終了部分における微細枝197の幅と微細スリット199の幅はそれぞれ、約3.9μmであってもよい。
【0192】
各ドメインD21h1、D21h2、D21h3、D21h4、D21l1、D21l2、D21l3、D21l4内の微細枝197の幅と微細スリット199の幅はそれぞれ、約0.2μm〜約1μm範囲内のいずれかの値ほど漸次的に増加することができる。
【0193】
以下、図20d〜図20jを参照して、本発明の別の実施形態による画素電極層の画素電極の構造について詳細に説明する。図20d〜図20jに示した画素電極層のパターンはそれぞれ、図18及び図20cに示した画素電極層のパターンについての他の実施形態である。従って、画素電極層を除いた他の層は、図18図20cに開示したのと類似であるので、説明の重複を避けるため、他の層についての重複説明は省略する。
【0194】
図20dに示した第1又は第2副画素に形成された画素電極は、本発明の特徴によって、データ線171に隣接した微細枝197の端部が互いに連結されない構造を有する。即ち、図20dに示した第1又は第2副画素に形成された画素電極は、図20cに示した画素電極の縦連結部193h、193lを包含しなくてもよい。このように、縦連結部193h、193lを包含しないことで、画素電極がデータ線171とより遠く離れられるために、データ線171に隣接した画素電極で生じるテクスチャは減少できる。本発明の実施形態により、データ線171に隣接した微細枝197の端部から、これらに隣接したデータ線171までの距離は、微細枝197又は微細スリット199の幅より大きくても、又は同じであってもよい。更に、図20dのA20dの領域に示したように、第2副画素の上端の領域で微細枝197の縦末端は、その下の微細枝197の縦末端より最も突出する。このように、上端の領域A20dから突出した微細枝197は、周辺部で発生した電気場を遮断することにより、データ線171に隣接した画素領域で生じるテクスチャを減少できる。角から突出した微細枝197は、第1又は第2副画素の角に形成されてもよい。
【0195】
図20dに示した画素電極は、二つの副画素電極191h、191lを有し、副画素電極はそれぞれ、4個のドメインを有する。第1副画素電極191hは、4個のドメインD20dh1、D20dh2、D20dh3、D20dh4を有し、第2副画素電極191lは、4個のドメインD20dl1、D20dl2、D20dl3、D20dl4を有する。微細枝197と微細スリット199は、十字形の幹195に対して対称構造である。第2副画素電極191lの4個のドメインに形成されたMA20d領域に,位置によって漸次的に変わる幅を有する微細枝197と微細スリット199が形成される。画素電極を構成する微細枝197はストライプ形状である。第1副画素190hと第2副画素190lに形成された微細枝197と微細スリット199の幅はそれぞれ、約2μm〜5μm範囲内の値が好ましく、より好ましくは、約2.5μm〜3.5μm範囲内の値である。微細枝197と微細スリット199の形状が直線であるとき、液晶層に形成された電気場が強いために、液晶表示装置の透過率は大きくなる。また、画素電極に分布された微細枝197の全領域が、微細スリット199の全領域より大きいとき、例えば、微細枝197の幅か大きければ大きいとき、そして、微細スリット199の幅が小さければ小さいとき、画素電極と共通電極との間の電気場が大きいため、液晶表示装置の応答速度は速くなることができ、透過率は向上できる。
【0196】
本発明の実施形態により、図20dに示した第1副画素190hに形成された微細枝197の幅と微細スリット199の幅はそれぞれ、約2.6μmと約2.4μmであってもよく、第2副画素190lに形成された微細枝197の幅と微細スリット199の幅はそれぞれ、LA20d領域で約2.8μmと約3.4μm、MA20d領域で約2.6μm〜2.8μm範囲内の値と、約2.4μm〜3.4μm範囲内の値、HA20d領域で、約2.6μmと約2.4μmであってもよい。MA20d領域において、微細枝197の幅と微細スリット199の幅はそれぞれ、約0.25μmほど漸次的に大きくなってもよく、MA20d領域における幅は、約5μm〜10μm範囲内の値であってもよく、より好ましくは、約6.2μm〜10μm範囲内の値であってもよい。第2副画素190lで、LA20d領域とMA20d領域を合わせた広さとHA20d領域の広さはそれぞれ、約45%と約55%であってもよい。このように形成された微細枝197と微細スリット199の方向は、第1副画素領域で偏光子の偏光軸に対して約40°であってもよく、第2副画素領域で偏光子の偏光軸に対して約45°であってもよい。第1副画素領域と第2副画素領域の面積比は約1:2が好ましい。第2副画素190lの領域に形成されたドメインD20dh1の面積とドメインD20dh2の面積を合わせた値は、ドメインD20dh3の面積とドメインD20dh4の面積を合わせた値より大きくてもよい。
【0197】
本発明の別の実施形態により、図20dに示した第1副画素190hに形成された微細枝197の幅と微細スリット199の幅はそれぞれ、約2.6μmと約3.1μmであってもよく、第2副画素190lに形成された微細枝197の幅と微細スリット199の幅はそれぞれ、LA20d領域で、約2.8μmと約3.4μm、MA20d領域で、約2.6μm〜2.8μm範囲内の値と、約2.4μm〜3.4μm範囲内の値、HA20d領域で、約2.6μmと約2.4μmであってもよい。他の要素の形成条件は、前述した実施形態と同様であってもよい。微細枝197の幅が大きければ大きいとき、液晶表示装置の透過率は向上され、応答速度は速くなる。しかし、微細スリット199の幅が狭いか、0であれば、液晶分子のプレチルト角を形成するのが容易でないため、微細枝197の幅と微細スリット199の幅を適切に組合わせる必要がある。
【0198】
図20eは、本発明の別の実施形態による画素電極の平面図である。図20eに示した画素電極は、本発明の特徴により、微細枝197と微細スリット199の構造によって5領域に分けられ、1以上の領域で微細スリット199の幅は、十字形の幹から画素電極の外郭に向かって延びるとき、漸次的に増加する。このように形成された画素電極は、液晶表示装置の輝度比曲線の屈曲を減少するために、液晶表示装置の視認性がよくなる。輝度比曲線は、図13aと図13bを参照して後述するように、横軸の階調値に応じて縦軸の輝度比が変わることを表す。
【0199】
第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lはそれぞれ、十字形の幹により4個のドメインに分けられる。ドメインの各々に形成された微細枝197と微細スリット199は、十字形の幹に対して対称構造であってもよい。各副画素電極は、ストライプ形状の微細枝197と微細スリット199を有する。第1副画素電極191hは、微細枝197の幅と微細スリット199の幅の分布によって、二つの領域PH1-20e、PH2−20eを有する。PH1-20e領域において、微細枝197の幅と微細スリット199の幅は、各々の延びる方向に沿って実質的に一定であり、各々の幅は約1.5〜4.5μm範囲内の値であってもよく、より好ましくは、約3μmである。更に、微細枝197と微細スリット199の延びる方向の主方向は、図面に示したD1方向又はゲート線121に対して約30°〜45°範囲内の値又は約135°〜150°範囲内の値であってもよく、より具体的には、約38°又は約142°であってもよい。PH2−20e領域において、微細枝197の幅と微細スリット199の幅は、微細枝197の延びる方向に沿って一定であり、微細スリット199の幅は、微細スリット199の延びる方向に沿って十字形の幹から遠くなるとき、又は副画素電極の中央から外郭に向かっていくとき、漸次的に増加する。副画素電極の中心線は、副画素電極をドメインに分離する画素電極、例えば十字形の幹であってもよい。微細枝197の幅は、約1.5〜5μm範囲内の値であってもよく、より具体的には、約2.5μm〜約3.5μm範囲内の値であってもよい。
【0200】
微細枝197と微細スリット199の延びる方向は、PH2−20e領域との境界部では、PH1-20e領域における微細枝197と微細スリット199の延びる方向と類似であり、PH2−20e領域との境界部からだんだん遠くなるとき、微細枝197と微細スリット199の延びる方向の主方向角は、漸次的に大きくなる。微細枝又は微細スリットの延びる方向は、微細枝又は微細スリットの幅の重点を連結した直線の方向を意味し、上記直線とD1方向との間の角が、微細枝又は微細スリットの延びる方向角(主方向角)であることを留意しなければならない。
【0201】
第2副画素電極191lは、微細枝197の幅と微細スリット199の幅の分布によって三つの領域PL1−20e、PL2−20e、PL3−20eを有する。PL1−20e領域において、微細枝197の幅は微細枝197の延びる方向に沿って一定であり、微細スリット199の幅は、微細スリット199の延びる方向に沿って十字形の幹から遠くなるとき、又は副画素電極の中央から外郭に向かっていくとき、漸次的に増加する。微細枝197の幅は、約1.5〜5μm範囲内の値であってもよい。微細枝197と微細スリット199の主方向角は、十字形の幹195の横部195aからPL2−20e領域との境界部に接近するとき、漸次的に大きくなる。PL2−20e領域において、微細枝197の幅と微細スリット199の幅は、各々の長さの方向に沿って実質的に一定であり、各々の幅は、約1.5〜4.5μm範囲内の値であってもよく、より具体的には、約3μmであってもよい。更に、微細枝197と微細スリットの主方向角は、D1方向又はゲート線121の方向に対して約30°〜45°範囲内の値又は約135°〜150°範囲内の値であってもよく、より具体的には、約38°又は約142°であってもよい。PL3−20e領域において、微細枝197の幅の各々は、これらの延びる方向に沿って一定であり、微細スリット199の幅は、微細スリット199の延びる方向に沿って十字形の幹から遠くなるとき、漸次的に増加する。微細枝197の幅は、約1.5〜5μm範囲内の値であってもよく、微細スリット199の幅は隣接した微細枝197の幅より大きくても、又は同じであってもよい。
【0202】
微細枝197と微細スリット199が延びる方向の主方向角は、PL2−20e領域との境界部では、PL2−20e領域における微細枝197と微細スリット199の方向の主方向角と類似であり、PL2−20e領域との境界部から遠くなるとき、漸次的に大きくなる。
【0203】
PL1−20e領域において、微細枝197と微細スリット199の最大主方向角は、PL2−20e領域における主方向角より小さくても、又は同じであってもよく、PL3−20e領域において、微細枝197と微細スリット199の最小主方向角は、PL2−20e領域における主方向角より大きくても、又は同じであってもよい。PL1−20e領域とPL3−20e領域において、微細枝197の最大幅(S)は、PL2−20e領域における微細枝197の幅より大きくても、又は同じであってもよい。PL1−20e領域、PL2−20e領域とPL3−20e領域において、微細枝197の幅(S)は、実質的に類似であってもよい。
【0204】
このように形成された画素電極の構造で、PH2−20e領域とPL3−20e領域に形成された画素電極は、側面から視認される輝度を減らし、PH1-20e領域とPL1−20e領域に形成された画素電極は、側面から視認される輝度を増加させるために、輝度比曲線の屈曲は減少する。輝度比曲線の屈曲が減ると、減るとき、各階調レベルに応じて視認される輝度の変化が小さいために、液晶表示装置の視認性はよくなる。輝度比曲線は、図13aと図13b(後述)に示したように、横軸の階調値に応じて縦軸の輝度比が変わることを表す。
【0205】
図20fは、本発明の別の実施形態による画素電極の平面図である。図20fに示した画素電極は、本発明の特徴により、微細枝197と微細スリット199の構造によって5個の領域を有し、1個以上の領域で微細枝197の幅は、十字形の幹から遠くなるとき、又は副画素電極の中心線から外郭に向かっていくとき、漸次的に増加する。このような画素電極を有する液晶表示装置は、図20eと関連して説明した効果を有する。以下、説明の反復を避けるため、図20eを参照して説明した又は前述した2個の副画素電極の構成、ドメインの構造、微細枝197又は微細スリット199の形状、微細枝197の幅と微細スリット199の幅及び微細枝197と微細スリット199の方向などは省略するか、簡単に説明する。
【0206】
第1副画素電極191hは、微細枝197の幅と微細スリット199の幅の分布によって2個の領域PH1-20f、PH2−20fを有する。PH1-20f領域において、微細スリット199の幅は、微細スリット199の延びる方向に沿って実質的に一定であり、微細枝197の幅(S)は、微細枝197の延びる方向に沿って十字形の幹195から遠くなるとき、又は副画素電極の中心線から外郭に向かっていくとき、漸次的に増加する。PH1-20f領域内にある微細枝197と微細スリット199の主方向角は、PH2−20f領域との境界部に近くなるとき、漸次的に大きくなる。PH2−20f領域における微細枝197の幅と微細スリット199の幅はそれぞれ、これらの延びる方向で実質的に一定である。この領域で微細枝197と微細スリット199の主方向角はそれぞれ、D1又はゲート線121に対して約30°〜45°範囲内の値と、約135°〜150°範囲内の値であってもよく、より好ましくは、約38°又は約142°である。PH1-20f領域における微細枝197の最大幅(S)は、PH2−20f領域における微細枝197の幅より大きくても、又は同じであってもよい。PH1-20f領域における微細スリット199の幅(W)は、PH2−20f領域における微細スリット199の幅と実質的に類似であってもよい。
【0207】
第2副画素電極191lは、微細枝197の幅と微細スリット199の幅の分布によって3個の領域PL1−20f、PL2−20f、PL3−20fを有する。
【0208】
PL1−20f領域における微細スリット199の幅は、微細スリット199の延びる方向に沿って一定であり、微細枝197の幅(S)は、微細枝197の延びる方向に沿って十字形の幹から遠くなるとき、又は副画素電極の中央から外郭に向かっていくとき、漸次的に増加する。微細枝197の幅は、隣接した微細スリット199の幅より大きくても、または同じであってもよい。微細枝197と微細スリット199の方向についての主方向角は、PL2−20f領域の境界部に近くなるほど、漸次的に大きくなる。PL2−20f領域における微細枝197の幅と微細スリット199の幅は、微細枝197と微細スリット199の延びる方向に沿って実質的に一定である。微細枝197と微細スリット199の主方向角はそれぞれ、D1方向又はゲート線121の方向に対して約30°〜45°範囲内の値と、約135°〜150°範囲内の値であってもよく、より具体的には、約38°又は約142°であってもよい。PL3−20領域における微細スリット199の幅は、微細スリット199の延びる方向に沿って一定であり、微細枝197の幅(S)は、微細枝197の延びる方向に沿って十字形の幹から遠くなるとき、漸次的に増加する。微細枝197の幅は、隣接した微細スリット199の幅より大きくても、又は同じであってもよい。微細枝197と微細スリット199の主方向角はそれぞれ、PL2−20f領域との境界部では、PL2−20f領域に形成された微細枝197と微細スリット199の主方向角と類似であり、PL2−20f領域との境界部から遠くなるとき、漸次的に大きくなる。
【0209】
PL1−20f領域における微細枝197と微細スリット199の最大主方向角は、PL2−20f領域における主方向角より小さくても、又は同じであってもよく、PL3−20f領域における微細枝197と微細スリット199の最小主方向角はそれぞれ、PL2−20f領域における微細枝197と微細スリット199の主方向角より大きくても、又は同じであってもよい。PL1−20f領域とPL3−20f領域における微細枝197の最大幅(S)は、PL2−20f領域における微細枝197の幅より大きくても、又は同じであってもよい。PL1−20f、PL2−20f及びPL3−20f領域における微細スリット199の幅(W)は、実質的に類似であってもよい。このように形成された画素電極は、前述したように、液晶表示装置の側面視認性を向上させる。
【0210】
図20gは、本発明の別の実施形態による画素電極の平面図である。図20gに示した画素電極は、本発明の特徴により、微細枝197と微細スリット199の構造によって4個の領域を有し、各領域における微細枝197や微細スリット199は一度折れ曲がる。このように形成された微細枝197は、液晶層に形成された電気場の強さを実質的に減少しないために、液晶表示装置の透過率は減らせず、液晶表示装置の視認性はよくなる。以下、既に前述した説明は省略し、本発明の特徴的なところについて詳細に説明する。
【0211】
第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lの領域に形成された微細枝197と微細スリット199はそれぞれ、これらの延びる方向に沿って実質的に一定の幅を有する。また、各副画素電極の各ドメインを構成する微細枝197の各々は、一度折れ曲がって二つに分岐したストライプ形状の微細枝197を有する。二つに分岐したストライプ形状の微細枝197は、異なる方向に延びる。第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lを構成する微細枝197の各々は、第1直線状微細枝197と第2直線状微細枝197からなる。第1直線状微細枝197は、十字形の幹に連結された微細枝197であり、第2直線状微細枝197は、第1直線状微細枝197に連結された微細枝197である。第1副画素電極191hにおいて、第1直線状微細枝197は、D1方向又はゲート線121方向と約30°〜約39°範囲内の値、より具体的には、約37°を成してもよく、第2直線状微細枝197は、D1方向又はゲート線121方向と約40°〜約50°範囲内の値、より具体的には、約42°を成してもよい。第2副画素電極191lにおいて、第1直線状微細枝197は、D1方向又はゲート線121方向と約30°〜約39°範囲内の値、より具体的には、約37°を成してもよく、第2直線状微細枝197は、D1方向又はゲート線121方向と約40°〜約50°範囲内の値、より具体的には、約42°を成してもよい。
【0212】
第1副画素電極191hは、微細枝197の幅と微細スリット199の幅によって2個の領域PH1-20g、PH2−20gを有する。PH1-20g及びPH2−20g領域の各々で、微細枝197の幅と微細スリット199の幅はそれぞれ一定である。PH1-20g領域における微細枝197の幅は、微細スリット199の幅より大きくてもよい。PH2−20g領域における微細枝197の幅は、微細スリット199の幅と実質的に同じである。PH1-20g領域における微細枝197の幅は、PH2−20g領域における微細枝197の幅より大きくてもよい。PH1-20g領域とPH2−20g領域における微細スリット199の幅は、実質的に同じであってもよい。PH1-20g領域における微細枝197の幅は、PH2−20g領域における微細枝197の幅より大きくてもよい。第2副画素電極191lは、微細枝197の幅と微細スリット199の幅によって2個の領域PL1−20g、PL2−20gを有する。PL1−20g領域における微細スリット199の幅は、微細枝197の幅より大きくてもよい。PL2-20g領域における微細枝197の幅は、微細スリット199の幅と実質的に同じである。PL1−20g領域における微細スリット199の幅は、PL2−20g領域における微細スリット199の幅より大きくてもよい。PL1−20g領域における微細枝197の幅は、PL2−20g領域における微細枝197の幅と実質的に同じである。PL1−20g領域における微細枝197の幅は、PL2−20g領域における微細枝197の幅より大きくてもよい。このように形成された画素電極は、前述したように、液晶表示装置の透過率を減らせず、側面視認性を向上できる。
【0213】
図20hは、本発明の別の実施形態による画素電極の平面図である。図20hに示した画素電極は、ジグザグ形状を有する微細枝197と、第2副画素電極191lに形成された横及び縦連結部193l、194lを除いて、図20eと関連して説明した構造と実質的に同様である。従って、重複した説明は省略する。図20hに示した微細枝197はジグザグ形状を有することによって、前述したように液晶表示装置の虹ムラが減少できる。
【0214】
微細枝197と微細スリット199の構造によって、画素電極は5個の領域PH1-20h、PH2−20h、PL1−20h、PL2−20h、PL3−20hを有し、微細スリット199の幅が、十字形の幹から画素電極の外郭に向かっていくとき、漸次的に増加する。第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lはそれぞれ、十字形の幹により4個のドメインを有する。領域PH1-20h、PH2−20h、PL1−20h、PL2−20h、PL3−20hの各々で、微細枝197の幅と微細スリット199の幅、微細枝197の主方向角と微細スリット199の主方向角などは、図20eと関連して既に説明した。このように形成された画素電極は、液晶表示装置の視認性を良好にし、虹ムラを減少できる。
【0215】
図20iは、本発明の別の実施形態による画素電極の平面図である。図20iに示した画素電極は、ジグザグ形状を有する微細枝197、第2副画素電極191lに形成された横及び縦連結部193l、194l及びPL1−20i領域に形成された微細枝197と微細スリット199の幅を除いて、図20gと関連して説明した構造と実質的に同じである。従って、重複された説明は省略する。図20iに示した微細枝197はジグザグ形状を有することにより、前述のように、液晶表示装置の虹ムラが減少できる。
【0216】
第2副画素電極191lを構成するPL1−20i領域における微細枝197の幅は、微細スリット199の幅より大きくてもよい。PL2−20i領域における微細枝197の幅は、微細スリット199の幅と実質的に同じである。PL1−20i領域における微細枝197の幅は、PL2−20i領域における微細枝197の幅より大きくてもよい。PL1−20i領域における微細スリット199の幅は、PL2−20i領域における微細スリット199の幅と実質的に同じであってもよい。微細枝197と微細スリット199の構造によって、画素電極は4個の領域PH1-20i、PH2−20i、PL1−20i、PL2−20iを有し、微細枝197及び微細スリット199の幅は、延びる方向に沿って同一であり、第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lの各々は、十字形の幹により4個のドメインに分けられる。PL1−20i領域に形成された微細枝197と微細スリット199の幅を除いて、領域PH1-20i、PH2−20i、PL1−20i、PL2−20iの各々で微細枝197の幅と微細スリット199の幅、微細枝197の主方向角と微細スリット199の主方向角などは、図20gと関連して説明した。このように形成された画素電極は、液晶表示装置の視認性を良好にし、虹ムラを減少できる。
【0217】
図20jは、本発明の別の実施形態による画素電極の平面図である。図20jに示した画素電極は、第3領域、即ち、MA20j領域で縦連結部193がないことを除き、図3と関連して説明した画素電極の構造と実質的に類似である。以下、説明の便宜上、重複された説明は省略する。MA20j領域は、図3と関連して説明したMA領域と類似に、微細枝197の幅又は微細スリット199の幅、より好ましくは、微細スリット199の幅が漸次的に変わる領域である。
【0218】
図3に示した画素電極のMA領域、MAとLAとの境界領域又はMAとHAとの境界領域で微細枝197の幅又は微細スリット199の幅が変わるために、画素電極の縦連結部193により形成された電気場の強さと微細枝197と微細スリット199により形成された電気場の強さのバランスが崩れ得る。これにより、これらの領域で液晶分子は不規則的に配列でき、テクスチャが発生できる。これを改善するため、図20jに示したように、画素電極は、データ線171に隣接したMA20j領域で縦連結部193を有さなくてもよい。即ち、データ線171に隣接したMA20j領域で微細スリット199が連結され、微細枝197の末端が閉鎖され得る。MA20j領域では、他の領域(HA20j領域、LA20j領域)に形成された縦連結部193がないために、縦連結部193により形成された電気場がないか、微弱である。従って、データ線171に隣接したMA20j領域で、液晶分子は微細枝197又は微細スリット199により形成された電気場より大きな影響を受けるために、液晶分子は微細枝197の方向に配列できる。このように形成された画素電極は、MA20j領域でテクスチャを減らし、液晶表示装置の透過率を高めることができる。
【0219】
以下、図22a〜図22hを参照して、本発明の別の実施形態による液晶表示板組立体300の構造について詳細に説明する。図22a〜図22hに示した液晶表示板組立体300の各々は、本発明の特徴によって異なる積層構造を有する。このような積層構造は、後に進行する液晶表示板組立体モードの工程で均一の光硬化層35,36を形成させ、又は未硬化の光硬化剤を減少し得る。また、上部表示板200又は下部表示板100に含まれた配向膜を構成する主配向膜33,34と光硬化層35,36が平だな下部膜の上に形成されるために、液晶表示装置の表示品質は向上できる。図22a〜図22hはそれぞれ、図18に示した画素配置図のライン21a−21a´に沿った断面図である。図22a〜図22hに示した液晶表示板組立体300は、積層構造を除き、図3図4c及び図18図21bと関連した説明と類似であるため、説明の便宜上、重複された説明は省略した。従って、図22a〜図22hの構造を有する液晶表示板組立体300は、前述又は後述の画素電極層のパターンを有してもよい。
【0220】
図22a〜図22dに示した液晶表示板組立体300は、下部表示板100に形成された遮光部材220を有する。まず、図22aを参照して、本発明の実施形態により液晶表示板組立体300を製造する方法及び構造について簡略に説明する。上部表示板200は、上部基板210、共通電極270及び上板配向膜292を有する。前述の方法により上部基板210の上に共通電極270が形成され、共通電極270上に後述の液晶表示板組立体のモードにより上板配向膜292が形成される。上板配向膜は主配向膜34と光硬化層36からなり得る。
【0221】
下部表示板100は、後述する説明のように作製する。下部基板110上に維持電極線の縦部128を含んだゲート層導電体が形成される。ゲート層導電体は、前述のパターン121、123、124h、124l、124c、125,126,127を有してもよい。ゲート層導電体上にゲート絶縁膜140が形成される。ゲート絶縁膜140上に半導体154が形成される。半導体154は、前述のパターン154h、154l、154cを有し得る。半導体154上に線形抵抗性接触部材165が形成される。
【0222】
線形抵抗性接触部材165は、前述のパターンを有してもよい。線形抵抗性接触部材165上にデータ線171を含んだデータ層導電体が形成される。データ層導電体は、前述のパターン173h、173l、173c、175h、175l、175c、177cを有してもよい。
【0223】
データ層導電体上に第1保護膜181が形成される。第1保護膜181は、より好ましくは、前述した無機絶縁物、例えば、窒化ケイ素(SiNx)、酸化ケイ素(SiOx)、酸化チタン(TiO)、アルミナ(Al)又はジルコニア(ZrO)であってもよい。第1保護膜181上にカラーフィルタ230が形成される。
【0224】
カラーフィルタ230は、データ線171、データ線171に隣接した維持電極線又はカラーフィルタ230上に形成された遮光部材220と重畳できる。図22aに示したように、隣接した二つの単位画素の間に位置したデータ線171の両側にある維持電極線の縦部128と重畳するカラーフィルタ230の少なくとも側壁とこれらとの間のデータ線171と重畳する遮光部材220が形成される。カラーフィルタ230は、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)からなってもよく、又は赤色(Red)、緑色(Green)、青色(Blue)及びイエロー(Yellow)からなってもよい。カラーフィルタ230上に遮光部材220が形成される。遮光部材220は、データ線171を完全に覆ってもよく、データ線171の両側に位置した縦連結部193hと重畳してもよい。遮光部材220は、薄膜トランジスタのチャンネル上に形成されてもよい。遮光部材220は、接触孔185h、185lの下には形成されなくてもよい。
【0225】
遮光部材220の上に第2保護膜182が形成される。第2保護膜182は、より好ましくは、無機絶縁物、例えば、窒化ケイ素(SiNx)、酸化ケイ素(SiOx)、酸化チタン(TiO)、アルミナ(Al)又はジルコニア(ZrO)である。第2保護膜182上に画素電極層が形成される。画素電極層は、縦連結部193hを含んだ前述又は後述のパターン187、189、191h、191l、192h、192l、193l、194h、194l、195h、195l、196,197h、197l、198h、198l、713h、713l、715h、715l、717h、717lと画素電極の構造を有してもよい。
【0226】
データ線171の両方に形成された縦連結部193hは、維持電極線の縦部128の少なくとも一部分と重畳できる。画素電極層上に間隔材250(図示せず)が形成される。間隔材250は、カラーフィルタを構成する顔料を含んでよく、色を帯びた物質からなってもよい。本発明の実施形態により、間隔材250の色は黒色であってもよい。発明の別の実施形態により、下部表示板の内部領域には間隔材250と、外郭領域には遮光パターンが、同時に形成されてもよい。間隔材250と遮光パターンは黒色であってもよく、遮光パターンは、外郭領域で漏れる(leak)光を遮断できる。
【0227】
間隔材250上に後述の液晶表示板組立体のモードにより下板配向膜291が介在される。下板配向膜291は、主配向膜33と光硬化層35からなり得る。上部表示板200と下部表示板100の間に液晶層3が形成される。
【0228】
このように製造した下部表示板100は、不透明膜又は遮光部材220を含んでいる。即ち、光を遮断又は吸収する膜、例えば、保護膜181,182、カラーフィルタ230又は遮光部材220が下部表示板100に形成されている。しかし、上部表示板200は、光を遮断又は吸収する物質を一般的に含まない。このように製造した上部表示板200は、光を遮断又は吸収する物質が少ないので、液晶表示板組立体のモードの工程を進行するため、上部表示板200に入射された光は、下板配向膜291及び上板配向膜292を形成する材料に均一に入射し得る。均一の下板配向膜291及び上板配向膜292を形成するため、電界又は蛍光の露光工程で照射される光は、配向膜より形成される材料に均一に照射されなければならない。更に、未硬化の硬化剤を減らすため、光が照射されなかった領域を持つべきではない。これにより、下板配向膜291及び上板配向膜292は均一に形成され、未硬化の光硬化剤は大幅に減少され得る。また、上部表示板200が実質的に平坦な層を有するために、液晶分子が均一に配向され得る。従って、液晶表示装置の表示品質は向上できる。
【0229】
以下、図22bを参照して、本発明の実施形態による液晶表示板組立体300の製造方法及び構造について簡略に説明する。図22bに示した液晶表示板組立体300は、本発明の特徴により画素電極層上に遮光部材220と間隔材(図しせず)を同時に形成する工程により製造される。上部表示板200は、図22aを参照して言及した説明と同様に製造される。下部表示板100は、後述の説明と同様に製造する。ゲート層導電体、ゲート絶縁膜140、半導体154、線形抵抗性接触部材165、データ層導電体、第1保護膜181及びカラーフィルタ230は、図22aを参照して前述した説明と同様に形成される。カラーフィルタ230上に第2保護膜182が形成される。第2保護膜182は、カラーフィルタ230の上面を平坦化するため、より好ましくは、有機絶縁物であってもよい。第2保護膜182上に画素電極層が形成される。画素電極層は、図22aを参照して前述した説明と同様に形成し得る。画素電極層上に遮光部材220と間隔材250が同時に形成される。遮光部材220と間隔材250が同一の材料により同時に形成されるために、工程の単純化が得られる。間隔材250は、前述のように、色を帯びてもよい。本発明の実施形態により、遮光部材220と間隔材250は黒色であってもよい。間隔材(図示せず)上に後述の方法により下板配向膜291が形成される。このように形成された下部表示板100と上部表示板200は、図22aを参照して前述した説明と同一の効果を有してもよい。
【0230】
以下、図22cを参照して、本発明の実施形態により、液晶表示板組立体300の製造方法及び構造について簡略に説明する。図22cに示した液晶表示板組立体300は、本発明の特徴により重畳するカラーフィルタの中、下側の一つのカラーフィルタは、凹んだ断面を有する。更に、他のカラーフィルタの側面と重畳する一つのカラーフィルタの重畳部をデータ線上に有し、重畳部上に遮光部材が形成される。上部表示板200は、図22aを参照して前述した説明と同一に製造する。下部表示板100は、後述の説明と同様に製造する。ゲート層導電体、ゲート絶縁膜140、半導体154、線形抵抗性接触部材165、データ層導電体及び第1保護膜181は、図22aを参照して前述した説明と同一に形成される。第1保護膜の上にカラーフィルタ230が形成される。カラーフィルタ230を構成する基本色の中で二つ以上の色をデータ線171上で重畳できる。カラーフィルタ230の基本色が重畳することで、カラーフィルタ230の上部が膨らむことを防止するため、重畳するカラーフィルタ230の中の一つは、フォトリソグラフィ−工程で凹状に形成され得る。例えば、図22Cに示すように、左側のカラーフィルターのデータ線171上に対応する縁部が削り取られるようにエッチングされている。右側のカラーフィルターの縁部は、この左側のカラーフィルターの縁部を覆うように形成され、全体としてカラーフィルター230が平坦に形成される。このように平坦に形成されたカラーフィルタ層は、液晶分子又は光硬化剤の拡散性をよくなるようにする。カラーフィルタ230上に第2保護膜182が形成される。第2保護膜182は、好適に前述した無機絶縁物であってもよい。第2保護膜182の以後に形成される画素電極層、遮光部材220、間隔材250及び下板配向膜は、図22bを参照して言及した説明と同様である。このように形成された下部表示板100と上部表示板200は、図22aを参照して説明した効果と同一の効果を有することができる。
【0231】
以下、図22dを参照して、本発明の実施形態による液晶表示板組立体300の製造方法及び構造について簡略に説明する。図22dに示した液晶表示板組立体300は、本発明の特徴により遮光部材220で画素の境界を取り囲み、遮光部材により取り囲まれた内側に液状のカラーフィルタ230の材料が塗布される工程を含む。上部表示板200は、図22aを参照してなされた説明と同一に形成される。下部表示板100は、後述の説明と同様に製造する。ゲート層導電体、ゲート絶縁膜140、半導体154、線形抵抗性接触部材165、データ層導電体及び第1保護膜181は、図22aを参照してなされた説明と同一に形成される。第1保護膜の上に遮光部材220が形成される。遮光部材220は、画素同士間の境界、例えば、データ線171又はゲート線121に沿って一画素を完全に取り囲む形態で形成され得る。このように、遮光部材220が形成されることにより、以後に行われる液状のカラーフィルタ230の材料が遮光部材220の外側の内に塗布されてもよい。遮光部材220により取り囲まれた内側に液状のカラーフィルタ230の材料が塗布される。液状のカラーフィルタ230の材料は、前述のインクジェット方法により塗布され、形成され得る。インクジェット方法でカラーフィルタ230を形成することにより、カラーフィルタ230のパターンを製造するための工程は単純化できる。カラーフィルタ230上に第2保護膜182が形成される。第2保護膜182は、カラーフィルタ230の上面を平坦化するため、好ましくは、有機絶縁物であってもよい。第2保護膜182上に画素電極層が形成され、画素電極層の上に間隔材250が形成され、間隔材250上に下板配向膜291が形成される。画素電極層、間隔材250及び下板配向膜291は、図22aを参照してなされた説明と同一に形成され得る。このように形成された下部表示板100と上部表示板200は、図22aを参照して説明した効果と同様の効果を有することができる。
【0232】
図22e〜図22hに示した液晶表示板組立体300は、本発明の特徴により上部表示板200に形成された遮光部材220を有する。図22eを参照して、本発明の実施形態により液晶表示板組立体300を製造する方法及び構造について簡略に説明する。
【0233】
上部表示板200は、上部基板210、遮光部材220、カラーフィルタ230、蓋膜225、共通電極270、間隔材(図示せず)及び上板配向膜292を有する。前述の方法により上部基板210上に遮光部材220が形成される。遮光部材220は、データ線171を完全に覆うことができ、データ線171の両方に位置した縦連結部193hの少なくとも一部と重畳できる。遮光部材220は、薄膜トランジスタのチャンネルと重畳するように形成され得る。
【0234】
遮光部材220上に、前述の方法によりカラーフィルタ230が形成される。カラーフィルタ230は、データ線171、データ線171に隣接した不透明膜又はカラーフィルタ230の形成後に形成された遮光部材220と重畳し得る。カラーフィルタ230は、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)からなってもよく、又は赤色(Red)、緑色(Green)、青色(Blue)及びイエロー(Yellow)からなってもよい。カラーフィルタ230上には、下部膜を平坦化するため、蓋膜225が形成される。蓋膜225上には、前述の方法により共通電極270が形成される。共通電極270上に間隔材250が形成されてもよい。間隔材250は、カラーフィルタを構成する顔料を含み、色を帯びた物質から構成され得る。間隔材250の色は黒色であってもよい。これと違って、間隔材250が下部表示板100の下板配向膜291の下に形成され得る。間隔材250上に後述の液晶表示板組立体のモードにより上板配向膜292が形成される。上板配向膜292は、主配向膜33と光硬化層36からなり得る。
【0235】
下部表示板100は、後述の説明と同様に形成される。下部基板110上に維持電極線の縦部128を含んだゲート層導電体が形成される。ゲート層導電体は、前述のパターン121、123、124h、124l、124c、125,126,127を有してもよい。ゲート層導電体上にゲート絶縁膜140が形成される。
【0236】
ゲート絶縁膜140上に半導体154が形成される。半導体154は、前述のパターン154h、154l、154cを有してもよい。半導体154上に線形抵抗性接触部材165が形成される。線形抵抗性接触部材165は、前述のパターンを有してもよい。
【0237】
線形抵抗性接触部材165上にデータ線171を含んだデータ層導電体が形成される。データ層導電体は、前述のパターン173h、173l、173c、175h、175l、175c、177cを有してもよい。
【0238】
データ層導電体上に第1保護膜181が形成される。第1保護膜181は、より好ましくは、前述の無機物からなってもよい。第1保護膜181上に画素電極層が形成される。画素電極層は、縦連結部193hを含んだ前述又は後述のパターン187、189、191h、191l、192h、192l、193l、194h、194l、195h、195l、196,197h、197l、198h、198l、713h、713l、715h、715l、717h、717lと画素電極の構造を有してもよい。データ線171の両方に形成された縦連結部193hは、維持電極線の縦部128と重畳できる。
【0239】
画素電極層上に後述の方法により下板配向膜291が形成される。下板配向膜291は、主配向膜33と光硬化層35からなってもよい。上部表示板200と下部表示板100との間に液晶層3が形成される。このように製造された上部表示板200と下部表示板100は、図22aを参照して説明した効果を有するのが好ましい。即ち、上部表示板200が光を遮断又は吸収する膜220、230、225を含んでおり、下部表示板100は、光を遮断する物質を実質的に含まない。下板配向膜291及び上板配向膜292を形成するため、電界又は蛍光の露光工程で照射される光は、下部表示板100に入射され得る。これにより、下板配向膜291及び上板配向膜292は均一に形成され、未硬化の光硬化剤は大きく減少できる。従って、これを有する液晶表示装置の表示品質は向上できる。
【0240】
図22fに示した液晶表示板組立体300は、画素電極層と第1保護膜181との間に第2保護膜182が形成されることを除き、図22eで前述した説明と実質的に類似である。第2保護膜182は下部膜を平坦化するため、有機物からなってもよい。
【0241】
図22gに示した液晶表示板組立体300は、カラーフィルタ230が形成される方法を除いて、図22fで言及した説明と実質的に類似である。図22gに示した上部表示板のカラーフィルタは、図22dを参照して既に説明したインクジェット方法により形成できる。
【0242】
図22hに示した液晶表示板組立体300は、図22gに示した液晶表示板組立体300に隔壁又は平坦化のため、遮光部材220上に形成した蓋膜225を有する。蓋膜225の形成後、遮光部材220と蓋膜225の側壁の内側には、インクジェット方法によりカラーフィルタ230の層が形成され得る。隔壁は、一画素に形成されたカラーフィルタの色を区分する部分に形成してもよい。以上のように、図22a〜図22hに示した構造を有する上部及び下部表示板100、200は、液晶表示装置の表示品質を向上できる。
【0243】
本発明により、図21a、図21b及び図22aないし図22hに示した蓋膜225は、アクリル系物質を含んでもよい。蓋膜225に含まれたアクリル系物質は、蓋膜を形成する工程で硬化され得る。硬化されたアクリル系物質を含んだ蓋膜は、短波長の紫外線を高く透過させるために、光硬化剤又は反応性メゾゲンに入射される光のエネルギー又は強度は大きくなり得る。従って、光硬化剤又は反応性メゾゲンの反応率(cross-linking rate)は増加できる。
【0244】
3)図18に示したA19領域の拡大図
以下、図18図19a及び図19bを参照して、図18に示したA19領域の構造について詳細に説明する。図19aは、図18に示したA19領域の拡大図である。A19領域に形成された各層のパターン、例えば、第1及び第2画素電極接触部192h、192lと第1及び第2画素電極の接続点連結部のパターンは、液晶表示装置の未復元又は光漏れを改善できる。図23a〜図23f及び図24a〜図24tに示したパターンは、液晶表示装置の未復元又は光漏れを改善するための別の実施形態である。
【0245】
後述するように、本発明者らは、液晶表示装置の未復元と光漏れの現象を見出した。未復元は、ある一つの配列状態、例えば、安定した配列状態から他の配列状態への転移が遅れる現象である。液晶表示装置がユーザにより使用される際、液晶表示装置の表示部が加圧されるか、又は外部の衝撃を受けると、液晶層の液晶分子は再配列する。この際、再配列した液晶分子が元の状態に戻らず、所定時間の間、再配列した状態を維持し得る。更に、画素電極にデータ電圧が印加され、液晶層に電気場が形成されても、安定的な状態で配列した液晶分子は、一部領域で画素電極に形成された電気場に応じて液晶分子が動かず、以前の配列状態、例えば、安定的な状態が続く。このような現象が液晶分子の未復元である。液晶分子の未復元は、テクスチャ不良を発生し得る。
【0246】
図18図19aに示した画素構造で、第1又は第2副画素の十字形の幹部195領域と第1副画素と第2副画素の境界領域(A19)で、液晶分子の配列方向が一致して、液晶分子が安定的な状態で維持しようとする特性のために、未復元現象が起こり得る。加圧又は外部のショックがない状態では、十字形の幹部195領域の液晶分子と境界領域(A19)の液晶分子は、互いに独立した状態を維持するが、ショックがあれば、これらの領域における液晶分子は、同じ方向の安定した配列で再配列できる。未復元を改善するため、即ち、液晶分子が安定的な状態で配列しないように、図18に示したA19領域及びA19領域に隣接した領域で電気場の強度及び方向が調節されなければならない。
【0247】
光漏れは、データ電圧により制御されない液晶層により外部光(図示せず)が液晶表示板組立体300を通過する現象である。例えば、外部ショックにより下部表示板と上部表示板の液晶分子の配列が捩れた場合、液晶表示板組立体300に入射される光は、液晶表示装置により制御されず、液晶表示板組立体を通過し得る。光漏れ現象は、液晶表示装置が駆動されないときにも発生し得る。更に、下部表示板と上部表示板の配列が捩れた場合、遮光部材が正配列から外れるか、液晶層に形成された電気場が歪んで、光漏れが起こり得る。光漏れにより、液晶表示装置は、テクスチャ、ムラ、赤っぽい又は緑っぽい色の不良を生じ得る。光漏れによるテクスチャ又はムラ不良は、画素電極の境界領域で発生する。光漏れによる赤っぽい不良は、液晶表示装置が赤っぽい色を帯びるために、赤色の光漏れが他の色の光漏れより多く視認される場合に発生する。また、緑っぽい不良又は基本画素群を構成する他の色の不良も、赤っぽい不良の発生する過程と同様に、いずれかの一つ以上のカラー光が、他のカラー光より多く視認される場合に発生する。叩きによる光漏れは光漏れの一種であり、液晶表示装置を叩いたときに発生する。液晶表示装置が叩かれたとき、下部表示板100と上部表示板200は、正配列から約10μm〜15μm範囲内の値でずれ、この際、上部表示板200と下部表示板100に形成された層の誤整列により叩きの光漏れが生じ得る。
【0248】
図19aに示した第1及び第2画素電極の接触部192h、192l、第1及び第2画素電極の接続点連結部、画素電極及び他の層のパターンは、未復元と光漏れ不良を改善するための実施形態である。第1及び第2画素電極の接触部192h、192lの各々は、第1及び第2ドレイン電極175h、175lと、第1及び第2画素電極の接続点連結部を電気的に連結する。第1及び第2画素電極の接続点連結部はそれぞれ、第1及び第2画素電極の接触部192h、192lと第1及び第2画素電極191h、191lを電気的に連結する作用をする。第1及び第2画素電極191h、191lはそれぞれ、第1及び第2画素電極の接触部192h、192lと第1及び第2画素電極の接続点連結部によりデータ信号の印加を受ける。第1画素電極の接触部192hと第1画素電極の接続点連結部は、凹形状に形成できる。
【0249】
第1画素電極の接続点連結部は、第1画素電極の横接続部713h、第1画素電極の斜線接続部714h及び第1画素電極の縦接続部715hからなり得る。第1画素電極の縦接続部715hは、第1画素電極の横接続部713hと連結された第1画素電極の斜線接続部714hから傾斜した二つの分枝と連結された、実質的に縦方向に延びる二つの枝からなってもよく、第1画素電極の中央部の微細枝197、より詳しくは、十字形の幹の縦部195vの右側の微細枝197と連結される。
【0250】
本発明の実施形態により第1画素電極の接続部連結点の配線は、図面に示したように、傾斜して形成される第1画素電極の斜線接続部714hであってもよい。図19Aにおいて、第1の画素電極縦接続部715hは、十字状ブランチの縦部195vの伸張方向と同一のD2方向に延在している。第1画素電極の斜線接続部714hは、第1の画素電極縦接続部715hから、縦方向であるD2方向に対して右側方向に斜めに方向に延在しており、第1画素電極の横接続部713hの配線、偏光子の偏光軸又は前述のD1方向に対して約30°〜60°範囲内のいずれかの値で傾けられる。図19A中、第1画素電極の横接続部713hは、実質的に降圧ゲート線123と平行な横方向に延びており、第1画素電極の接触部192hと第1画素電極の斜線接続部714hを電気的に連結した。第1画素電極の横接続部713hと第1画素電極の斜線接続部714hは鈍角で連結され、第1画素電極の横接続部713hと上記傾斜した二つの分枝は、鋭角で連結できる。
【0251】
このように形成された第1画素電極の接続点連結部は、特異点(singular point)を形成することにより、第1副画素と第2副画素との間の領域から発生する電気場を分散するか、又はこの領域から発生した電気場が第1副画素の領域に影響を及ぼすことを減少できる。従って、第1副画素の領域で発生し得る液晶分子の未復元と光漏れ不良が改善できる。
【0252】
本発明の実施形態により、第1画素電極の縦接続部715hと連結された微細枝197は一つ以上であってもよい。本発明の実施形態により、第1画素電極の接続点連結部を構成する配線713h、714h、715hは、1個又は2個以上の配線からなってもよく、これらの幅はそれぞれ、約2μm〜7μm範囲内の値であってもよい。第1画素電極の横接続部713hの幅は、第1画素電極の斜線接続部714hの幅より大きくてもよい。本発明の実施形態により、第1画素電極の接続点連結部は、画素電極の修理を容易にする構造であり得る。従って、第1副画素の製造不良を修理するため、レーザーによりRH1線は溶断され得る。
【0253】
第2画素電極の接続点連結部は、第2画素電極の横接続部713l、第2画素電極の接続部連結点又は第2画素電極の斜線接続部714l、及び第2画素電極の連結部717lからなり得る。第2画素電極の接続部連結点は、横方向に延びる第2画素電極の横接続部713lと連結され、第2画素電極の連結部717lと連結される。
【0254】
本発明の実施形態により、第2画素電極の接続部連結点の配線は、図面に示したように、傾斜して形成された第2画素電極の斜線接続部714lであってもよい。第2画素電極の横接続部713lは、降圧ゲート線123の長方向の長さに沿って降圧ゲート線123の一部と重畳する。このように重畳した第2画素電極の横接続部713lは、降圧ゲート線123の周辺部に存在する電気場を遮断する。更に、第2画素電極の横接続部713lは、第2ドレイン電極175lと第3ソース電極173cを連結する配線と重畳できる。第2画素電極の横接続部713lの横長さは、第2画素電極の横長さと実質的に類似である。
【0255】
第2画素電極の斜線接続部714lは、第2画素電極の横接続部713lに対して傾斜した配線に形成され、第2画素電極の横接続部713lと第2画素電極の連結部717lとを電気的に連結する。第2画素電極の斜線接続部714lは、十字形の幹195の縦部195vの左側の微細枝197と連結される。第2画素電極の斜線接続部714lと第2画素電極の横接続部713lの間の傾斜角は、約30°〜60°範囲内の値であってもよい。第2画素電極の斜線接続部714lの線幅は、約2μm〜7μm範囲内のいずれかの値であってもよく、第2画素電極の微細枝197の幅より大きくてもよい。
【0256】
第2画素電極の連結部717lは、第2画素電極の斜線接続部714lと第2画素電極を電気的に連結する。第2画素電極の連結部717lは、第2画素電極の斜線接続部714lを十字形の幹の縦部195vの一端の二つの微細枝197に電気的に連結するため、第2画素電極191lの中央部に形成されている。第2画素電極の連結部717lは、ハンガー形状を有しており、例えば、図19Aに示すように、十字状ブランチの縦部195vを中心として2個の微細ブランチ197が所定の角度をなして左右に対称に分岐するような形状をしている。本発明の実施形態により、第2画素電極の縦接続部715lと連結される微細枝197は一つ以上であってもよい。
【0257】
本発明の実施形態により、第2画素電極の横接続部713lと隣接して形成された第2画素電極の横連結部194lは、第2画素電極の連結部717lの両側に形成される。第2画素電極の横連結部194lは、第2画素電極の複数の微細枝197を連結する。両側に形成された第2画素電極の横連結部194lは、降圧ゲート線123の延びる方向に沿って降圧ゲート線123の一部と重畳する。このように重畳された第2画素電極の横連結部194lは、降圧ゲート線123の周辺部に存在する電気場を遮断する。これにより、第2画素電極の接続点連結部又は第2画素電極の横連結部194lは、第1副画素と第2副画素との間の領域で発生する電気場を分散するか、この領域で発生した電気場が第2副画素の領域に影響を及ぼすことを減少できる。従って、第2副画素の領域で発生し得る液晶分子の未復元と光漏れ不良が改善できる。
【0258】
本発明の実施形態により、第2副画素は、図19aに示したA19aとA19b領域の構造を有してもよい。A19a領域で第2画素電極の縦連結部193lは、階段形状に延びて維持電極線の縦部128の一部分と重畳する。図19A図21bを参照すると、第2画素電極の縦連結部193lの突出部193aは、データ線171又は遮蔽共通電極196の線幅が減少する部分に形成され得る。A19b領域の構造は、A19a領域の構造と実質的に類似であるので、詳細な説明は省略する。このように形成された構造によりA19aとA19b領域で発生する電気場は遮断でき、これらの領域で光漏れが減少できる。
【0259】
本発明の実施形態により、第2画素電極の連結部717lは、画素電極の修理を容易にする構造であってもよい。従って、第2副画素の製造不良を修理するため、レーザースポットによりRL1線が溶断され得る。
【0260】
以下、図23a〜図23f及び図24a〜図24tを参照して液晶分子の未復元と光漏れ不良を改善するための多様な実施形態について開示する。図23a〜図23f及び図24a〜図24tに示した画素電極を構成する微細枝197はジグザグ形状であるものの、本発明の実施形態により微細枝197は、前述のストライプ形状又は基本単位の画素電極の形状であってもよい。図23a〜図23fには、説明の便宜上、一部の層、例えば、ゲート層導電体、データ層導電体及び画素電極層のパターンを示した。
【0261】
図23aを参照すると、第1画素電極の接続点連結部は、第1画素電極の横接続部713h及び第1画素電極の斜線接続部714hからなる。上記接続部713h、714h又は図23b〜図23f及び図24a〜図24tと関連して説明する画素電極の横接続部713、画素電極の斜線接続部714及び画素電極の縦接続部715は、少なくとも一つの配線からなってもよく、これらの幅はそれぞれ、約2μm〜7μm範囲内の値であればよい。
【0262】
第1画素電極の斜線接続部714hは、第1画素電極の横接続部713hの端部で二つに分岐された枝を有し、二つに分岐された枝の各々は、直線又はストライプ形状を有し、十字形の幹の縦部195vの左側にあるドメインの下段の中間部分から延びる第1画素電極の微細枝と連結される。これにより、液晶分子の未復元を発生する電気場は分散され得る。
【0263】
第1画素電極の斜線接続部714hと第1画素電極の横接続部713hの間の角度は、約30°〜60°範囲内のいずれかの値であってもよい。第1画素電極の横接続部713hは、第1画素電極の斜線接続部714hと鋭角をなすくさび形であってもよい。くさび形の第1画素電極の横接続部713hは、特異点(singular point)を形成して電気場を分散させ得る。特異点は、電気場が集まる領域又は実質的にない領域、例えば、図面に示したSP領域である。第1画素電極の横接続部713hの配線は、第1ドレイン電極175hと重畳できる。第1画素の製造不良の時、RHa線に沿って第1画素電極の斜線接続部714hと連結された微細枝を溶断することにより第1副画素の修理ができる。このように形成された第1画素電極の接続点連結部は、副画素電極の修理を容易にし、前述した理由により、第1副画素領域で発生し得る液晶分子の未復元と光漏れ不良を改善できる。本発明の実施形態により、第1画素電極の横接続部713hの配線幅は、第1画素電極の斜線接続部714hの配線幅より大きくてもよい。
【0264】
第2画素電極の接続点連結部は、第2画素電極の横接続部713l、第2画素電極の縦接続部715l、及び第2画素電極の連結部717lからなる。第2画素電極の縦接続部715lは、十字形の幹195の縦部195vの中央部と連結され、これは電気場が一方に歪曲されることを減少し得る。本発明の実施形態によりRLa線に沿って第2副画素電極を溶断することにより,、第2副画素の修理ができる。このように形成された第2画素電極の接続点連結部は、副画素電極の修理を容易にし、前述した理由により、第2副画素領域で発生し得る液晶分子の未復元と光漏れ不良を改善できる。図23Aでは、第2の画素電極縦接続部715lを介して縦部195vが第2の画素電極横接続部713lに接続されるが、図19Aでは第2の画素電極斜線接続部714lを介して縦部195vが第2の画素電極横接続部713lに接続されている。他の要素と構造は、図19aを参照して前述した説明と重複するので、重複された説明は省略する。図23b〜図23f及び図24a〜図24tに示したRHb、RLb、RHc、RLc1、RLc2、RHd、RLd、RHe、RLe、RHf、RLf、R24a、R24b、R24c、R24d、R24f、R24g、R24h、R24i、R24j、R24k、R24l、R24m、R24n、R24o、R24p、R24q、R24r及びR24s線が前述のレーザースポットにより溶断されて、第1又は第2副画素の修理ができる。
【0265】
図23bを参照すると、第1画素電極の接続点連結部は、第1画素電極の横接続部713hと第1画素電極の斜線接続部714hからなる。第1画素電極の斜線接続部714hの配線がジグザグ形状であることを除き、図23aで前述した説明と実質的に類似であるため、第1画素電極の接続点連結部についての別の詳細な説明は省略する。第2画素電極の接続点連結部は、第2画素電極の横接続部713lと第2画素電極の連結部717lからなる。第2画素電極の連結部717lは、降圧ゲート線123の縦方向に重畳するように延び、第2画素電極の接触部192lと連結された第2画素電極の横接続部713lと電気的に連結される。第2画素電極の連結部717lが伸張され、横方向の第2画素電極の横接続部713lと連結されることにより、第2画素電極の接触部192lと画素電極の領域に形成された電気場は分散され得る。画素電極横接続部713lは、図23Aの形状都比較して、第2画素電極の接触部192lと重畳する部分より右側方向には形成されていない。第2画素電極の接続点連結部についての他の説明は、図23aと関連して詳細に説明したので、省略する。
【0266】
図23cを参照すると、第1画素電極の接続点連結部は、第1画素電極の斜線接続部714h及び第1画素電極の縦接続部715hからなる。十字形の幹の縦部195vの右側の下段で第1画素電極の縦接続部715hと第1画素電極の微細枝197は電気的に連結される。第1画素電極の縦接続部715hに連結された微細枝197は、十字形の幹の縦部195vに連結された微細枝197中の下段部の微細枝197であってもよい。第1画素電極の斜線接続部714hは、第1画素電極の縦接続部715hと第1画素電極の接続部192hの上部を電気的に連結するため、傾斜して延びる。第1画素電極の斜線接続部714hは、第1画素電極の縦接続部715hと約30°〜60°範囲内のいずれかの値で傾斜し得る。このように形成された第1画素電極の接続点連結部は、副画素電極の修理を容易にし、前述した理由により、第1副画素領域で発生し得る液晶分子の未復元と光漏れ不良を改善できる。
【0267】
第2画素電極の接続点連結部は、第2画素電極の横接続部713l及び第2画素電極の縦接続部715lからなる。横方向に延びる第2画素電極の横接続部713lは、第2画素電極の横接続部713lの両端部で第2画素電極の縦接続部715lの端部と電気的に連結され、第2画素電極の縦接続部715lの他の端部は、データ線に隣接した2個のドメインの角で延びる第2画素電極の微細枝197と連結される。このように、第2画素電極の接続点連結部が、第2副画素電極の両端部に形成されることにより、第2画素電極の接触部192lと画素電極の領域に形成された電気場は大きく分散され得る。従って、第2副画素領域で発生できる液晶分子の未復元と光漏れ不良が改善され得る。
【0268】
図23dを参照すると、第1画素電極の接続点連結部は、第1画素電極の斜線接続部714hからなる。十字形の幹の縦部195vの左側の下段にある微細枝197は、第1画素電極の斜線接続部714hと電気的に連結され、第1画素電極の斜線接続部714hは、画素電極の接触部192hと連結される。第1画素電極の斜線接続部714hは、十字状ブランチの縦部195vより延びるジグザグの幹であってもよい。このように形成された第1画素電極の接続点連結部は前述した効果を有する。第2画素電極の接続点連結部は、第2画素電極の横接続部713l、第2画素電極の斜線接続部714l、及び第2画素電極の連結部717lからなる。第2画素電極の連結部717lは、第2副画素の十字形の幹の縦部195vと連結され、第2画素電極の連結部717lの右側の一端は、第2副画素の上段の右側にある微細枝と接続された横連結部194LUrと連結され、横連結部194LUrは傾くように横方向に延びる第2副画素電極の横接続部713lと連結される。このような構成を除いては図19aと関連して前述した説明と類似である。
【0269】
図23eを参照すると、第1画素電極の接続点連結部は、第1画素電極の斜線接続部714h、第1画素電極の縦接続部715h及び第1画素電極の接触部192hからなる。第1画素電極の斜線接続部714hと第1画素電極の横接続部713hが連結される部分が、くさび形であり、例えば図23Eに示すように第1の画素電極横接続部713hの右側先端部が尖る形状をなしていることを除き、図23eに示した第1画素電極の接続点連結部は、図19aを参照して前述した説明と類似である。第2画素電極の接続点連結部は、第2画素電極の横接続部713lと第2画素電極の連結部717l及び第2画素電極の接触部192lからなる。横方向の第2画素電極の横接続部713lは、第2画素電極の接触部192lと第2画素電極の連結部717lを電気的に連結する。第2副画素電極と第2画素電極の連結部717lを構成する微細枝が、ストライプ形状であることを除き、第2画素電極の連結部717lは、図23bと関連して前述した説明と類似である。A22eで表された領域で微細枝197は、第2画素電極の縦連結部193lよりデータ線に隣接するように延びて突出する。このように突出する微細枝は、降圧ゲート線123、維持電極線の縦部128及びデータ線171により形成された電気場を分散又は遮断できる。A22e領域に突出した微細枝の形状は、データ線171に隣接した第1又は第2画素電極191h、191lの角の近傍に形成され得る。第2画素電極の横接続部713lの構造と第2画素電極の接続点連結部の効果は、図19aと関連して前述した効果と実質的に同様である。
【0270】
図23fを参照すると、第1画素電極の接続点連結部は、第1画素電極の縦接続部715hと第1画素電極の連結部717h及び第1画素電極の接触部192hからなる。第1画素電極の連結部717hは、十字形の幹の縦部195vの下段に形成され、第1画素電極の縦接続部715hと連結された第1画素電極の接触部192hを第1画素電極と電気的に連結する。ハンガー形状であり得る第1画素電極の連結部717hに形成された横連結部717hは、縦部195vの下段にある微細枝197と縦部195vの両側で連結される。第1画素電極の連結部717hは、前述の同一な効果を有してもよい。第2画素電極の接続点連結部は、第2画素電極の横接続部713lと第2画素電極の縦接続部715lと第2画素電極の接触部192lからなる。横方向に延びる第2画素電極の横接続部713lは、第2画素電極の接触部192lと第2画素電極の縦接続部715lを電気的に連結する。第2画素電極の縦接続部715lは、データ線171の方向に突出した複数の微細枝と連結される。他の配置は、図23cと関連して述べた説明と類似である。第2画素電極の接続点連結部は前述の同一な効果を有する。
【0271】
上述の通り、第1の画素電極接続部接続点及び第2の画素電極接続部接続点の組み合わせとして、図23a〜図23fが開示されている。その他にも、図23a〜図23fの第1の画素電極接続部接続点と、図23a〜図23fの第2の画素電極接続部接続点と、をそれぞれ多様に組み合わせることができる。例えば、図23aの第1の画素電極接続部接続点と、図23bの第2の画素電極接続部接続点と、組み合わせることができる。また、図23a等において、第1の画素電極接続部接続点の構成と第2の画素電極接続部接続点の構成とを入れ替えることも可能である。
【0272】
以下、図24a〜図24tを参照して液晶分子の未復元と光漏れ不良を改善するための多様な実施形態について説明する。図24a〜図24tは、画素電極の一部と副画素電極の境界部における画素電極層の部分パターンを示す。図24a〜図24tに示した構造は、第1及び第2画素電極の接続点連結部に適用できる。図24aを参照すると、画素電極の接続点連結部は、副画素電極の接触部192、画素電極の横接続部713、画素電極の斜線接続部714及び画素電極の縦接続部715からなる。十字形の幹の縦部195vの右側にある複数の微細枝は、画素電極の縦接続部715と連結される。画素電極の縦接続部715は、二つ以上の微細枝197を共通に連結し、画素電極の斜線接続部714と連結され、画素電極の斜線接続部714は、画素電極の横接続部713を介して副画素電極の接触部192と連結される。副画素電極の接触部192の右側の下端部に連結された画素電極の横接続部713の下端線は、約120°〜150°範囲内のいずれかの値で画素電極の斜線接続部714の形状を構成するラインのうちの二つの斜線と連結される。このように形成された画素電極の接続点連結部は、画素電極斜線接続部714の外郭形状により電界が分散され、液晶分子の未復元と光漏れ不良を改善できる。
【0273】
図24bを参照すると、画素電極の接続点連結部は、画素電極の斜線接続部714からなる。十字形の幹の縦部195vの左側の下段部で延びる複数の微細枝は、画素電極の斜線接続部714と連結され、画素電極の斜線接続部714は副画素電極の接触部192の上部右方向と傾くように連結され、傾斜角は延びる複数の微細枝により決定され得る。ここで、2つに分離された画素電極斜線接続部714が電界を分散する。
【0274】
図24cを参照すると、画素電極の接続点連結部は、画素電極の横接続部713と画素電極の縦接続部715からなる。データ線171に隣接した領域にある画素電極の角にある複数の微細枝197は、画素電極の縦接続部715と連結される。この連結部は、画素電極の横連結部194及び縦連結部193と分離されている。画素電極の横連結部194及び縦連結部193と連結された微細枝と、画素電極の縦接続部715と画素電極の横接続部713及び画素電極の接触部192は、同一の材質で形成された一体化の層であることを留意しなければならない。画素電極縦接続部715が、画素電極の外郭に形成されており、電界を中央ではなく外郭に形成するため、液晶分子の未復元及び光漏れ不良を改善することができる。
【0275】
図24dを参照すると、画素電極の接続点連結部は、画素電極の微細枝197と副画素電極の接触部192を連結するための画素電極の横接続部713と画素電極の縦接続部715からなる。画素電極の縦接続部715が画素電極の縦連結部193と横連結部194の一部と連結されることを除いた他の構造は、図24cと関連して言及した説明と類似である。図24a〜図24tに示したパターン、即ち、画素電極の微細枝197と、微細枝と副画素電極の接触部192を連結するための画素電極の接続点連結部と、副画素電極の接触部192を含むパターンは全て同一の材質を有する単一(intergrated)層である。
【0276】
図24eを参照すると、画素電極の接続点連結部は、画素電極の横接続部713、画素電極の縦接続部715及び画素電極の連結部717からなる。画素電極の連結部717は、十字形の幹の縦部195vの左側に複数の微細枝197とそれぞれ連結された画素電極の縦連結部193と、これと連結された画素電極の横接続部713からなる。画素電極の横接続部713は、画素電極の横連結部194の下から横方向に延びており、延びた複数の微細枝197と連結され、副画素電極の接触部192の上部に連結された画素電極の縦接続部715と連結される。画素電極の縦接続部715の幅は、画素電極の横接続部713の配線幅より大きくてもよい。電気場を分散するため、十字形の幹の縦部195vの下段部に形成された微細枝197は、画素電極の横連結部194と分離された第2横連結部194´と連結されるため、延びるハンガー形状を有する。
【0277】
図24fを参照すると、画素電極の接続点連結部は、画素電極の横接続部713、画素電極の縦接続部715及び画素電極の連結部717からなる。画素電極の連結部717が図24eに示した画素電極の横接続部713と異なって、分離された横接続部713´を有すること以外には、図24eの構成と同一である。
【0278】
図24gと図24hを参照すると、画素電極の接続点連結部は、画素電極の縦接続部715及び画素電極の連結部717からなる。画素電極の連結部717は、十字形の幹の縦部195vの下段部に位置した、前述のようなハンガー形状を有する。電気場を分散するため、画素電極の連結部717は両側に形成された画素電極の横連結部194と分離されている。また、画素電極の連結部717は、両側の画素電極の横連結部194の下向きに突出する第2横連結部194´を有する。図24gに示した画素電極の縦接続部715の一端は、実質的に画素電極の連結部717の第2横連結部194´の一端と連結され、これの他の端は、副画素電極の接触部192と連結される。図24hに示した画素電極の縦接続部715は、十字形の幹の縦部195vにより延びた画素電極の連結部717の中心部と連結されている。
【0279】
図24iを参照すると、画素電極の接続点連結部は、画素電極の斜線接続部714及び画素電極の連結部717からなる。画素電極の連結部717がハンガー形状を有するということは既に言及しており、これの第2横連結部194´は、縦連結部193と連結された画素電極の横連結部194と実質的に一直線上にある。画素電極の斜線接続部714は、第2横連結部194´の中央部から左下斜め方向に約30°〜60°範囲内のいずれかの値の角度で傾くように延びて、副画素電極の接触部192の上部と連結される。
【0280】
図24j、図24k及び図24lを参照すると、画素電極の接続点連結部は、画素電極の縦接続部715及び画素電極の連結部717からなる。画素電極の縦接続部715により画素電極の連結部717と副画素電極の接触部192が連結される。図24jと図24kに示した画素電極の縦接続部715は、ノッチ形状を有してもよい。図24jに示した画素電極の縦接続部715は、凹ノッチ761を有し、凹ノッチの深さは、約2.0μm〜5μm範囲内の値であってもよい。図24kに示した画素電極の縦接続部715の配線は、凸ノッチ763を有し、凸ノッチの高さは、約2.0μm〜5μm範囲内の値であってもよい。図24lに示した画素電極の縦接続部715は、その中に溝765が形成されており、この溝は特異点として作用できる。
【0281】
図24m〜図24qを参照すると、電気場を分散するため、画素電極の接続点連結部はZ形状の配線を有する。Z形状の配線は、二つの第1及び第2画素電極の横接続部713a、713bと、第2画素電極の斜線接続部714bからなる。第1画素電極の横接続部713aは、薄膜トランジスタのドレイン電極線と重畳でき、第2画素電極の横接続部713bは、薄膜トランジスタのドレイン電極及びソース電極と重畳できる。Z形状の横接続部713bは、副画素電極の接触部192の下段と連結される。図24m〜図24oに示した第1画素電極の斜線接続部714aは、十字形の幹の縦部195vの左側下段のドメインにある微細枝197の少なくとも二つの微細枝で延びる二つの分岐状を有し、第1画素電極の横接続部713aに対して傾斜している。第2画素電極の斜線接続部714bは、横方向に延びた第1及び第2画素電極の横接続部713a、713bを第1画素電極の斜線接続部714aと実質的に平行に連結し、第2画素電極の横接続部713bは副画素電極の接触部192の下段と連結される。
【0282】
図24nに示した第1画素電極の斜線接続部714aは、凹ノッチ761を有する。図24oに示した第1画素電極の斜線接続部714aは、凸ノッチ763を有する。ノッチの大きさは前述と同様である。図24pに示したZ形状の配線は、微細枝197が連結された縦連結部193を延ばして連結された第1画素電極の横接続部713aを有することを除けば、前述と同様の配線を有する。図24qに示したZ形状の配線は、左側下段のドメインで横方向に延びる複数の第1画素電極の斜線接続部714aの枝が第1画素電極の横接続部713aと連結されることを除き、前述と同様の配線を有する。
【0283】
図24rを参照すると、画素電極の接続点連結部は、画素電極の横接続部713、第1及び第2画素電極の斜線接続部714a、714b、画素電極の縦接続部715及び画素電極の連結部717からなる。画素電極の連結部717は、前述のハンガー形状を有する。画素電極の連結部717の第2横連結部194´の一端部は、第1画素電極の斜線接続部714aにより傾くように副画素電極の接触部192の一端部に連結され、第2横連結部194´の他の部分は、垂直の画素電極の縦接続部715と傾いた第2画素電極の斜線接続部714bと水平の画素電極の横接続部713を通じて副画素電極の接触部192の右側下段部と連結される。画素電極の横接続部713は、第2画素電極の斜線接続部714bと約30°〜60°範囲内のいずれかの値により傾斜する。
【0284】
図24sを参照すると、画素電極の接続点連結部は、第1及び第2画素電極の斜線接続部714a、714b及び画素電極の連結部717からなる。画素電極の連結部717は、十字形の幹の縦部195vに対して対称である複数の微細枝197からなる。第1画素電極の斜線接続部714aは、複数の微細枝197と連結され、副画素電極の接触部192の上部と傾くように連結された第2画素電極の斜線接続部714bと連結される。第1画素電極の斜線接続部714aと第2画素電極の斜線接続部714bは概ね直角に連結され、第1画素電極の斜線接続部714aには溝765が含まれてもよい。画素電極の斜線接続部714は、十字形の幹の縦部195vに対して対称である。
【0285】
図24tを参照すると、画素電極の接続点連結部は、第1及び第2画素電極の接続点連結部771、773を有する。第1画素電極の接続点連結部771は、第1画素電極の横接続部713a、第1画素電極の斜線接続部714a及び第1画素電極の縦接続部715aからなる。第1画素電極の縦接続部715aは、左側下段のドメインに形成された画素電極の横連結部194と第1画素電極の斜線接続部714aを連結する。第1画素電極の縦接続部715aは、二つの枝からなってもよい。第1画素電極の斜線接続部714aは、画素電極に形成された微細枝197の方向と実質的に同様に傾斜し得る。第1画素電極の斜線接続部714aは、第1画素電極の縦接続部715aと約30°〜60°範囲内のいずれかの値により傾斜し得る。第1画素電極の横接続部713aは、第1画素電極の斜線接続部714aと副画素電極の接触部192の上部を連結する。第2画素電極の接続点連結部773は、第2画素電極の横接続部713b、第2画素電極の斜線接続部714b及び第2画素電極の縦接続部715bからなる。第2画素電極の縦接続部715bは、第1画素電極の接続点連結部が連結されるドメインと隣接した右側下段のドメインに形成された画素電極の横連結部194と第2画素電極の斜線接続部714bを連結する。第2画素電極の縦接続部715bは、二つの枝からなり得る。第2画素電極の斜線接続部714bは、画素電極に形成された微細枝197の方向と実質的に類似に傾斜し得る。第2画素電極の斜線接続部714bは、第2画素電極の縦接続部715bと約30°〜60°範囲内のいずれかの値により傾斜できる。第2画素電極の横接続部713bは、第2画素電極の斜線接続部714bと副画素電極の接触部192の上部を連結する。このように形成された画素電極の接続点連結部は、液晶分子の未復元と光漏れ不良を改善できる。
【0286】
液晶分子の未復元を改善するための他の実施形態として、ドメイン領域に形成された電気場と非ドメイン領域に形成された電気場が、上部表示板と下部表示板に垂直する直線に対して実質的に対称であってもよい。ドメイン領域は、図19aに示したA19領域で微細枝197が形成された領域であり、非ドメイン領域は微細枝197が形成されなかった領域又は遮光部材220が形成された領域であってもよい。また、ドメイン領域と非ドメイン領域との間に形成された配向膜の傾斜方向が、ドメイン領域に形成された液晶分子の方向と実質的に垂直であってもよい。
【0287】
上記では、図24a〜図24tに、様々な画素電極接点接続部が開示されている。これらの構成は、第1の画素電極接続部接続点にも適用可能であり、また、第2の画素電極接続部接続点にも適用可能である。また、第1の画素電極接続部接続点の構成及び第2の画素電極接続部接続点の構成の組み合わせとして、図24a〜図24tを多様に組み合わせ可能である。
【0288】
<実施形態3>
以下、図25図27bを参照して本発明の他の実施形態による液晶表示板組立体300について詳細に説明する。液晶表示板組立体300は、本発明の特徴によりデータ駆動部500を構成する駆動IC(drive IC)の個数を減らすため、単位画素電極の長手方向に平行にゲート線が配置される。これにより、液晶表示板組立体300が前述の液晶表示板組立体の構造と画素電極層のパターンを有することで、液晶表示装置の表示品質はより向上し、製造原価は減少できる。
【0289】
図25は、本発明の実施形態による液晶表示板組立体300を構成する一画素の概略的配置図である。即ち、画素構造を簡略に表すため、図25に示した画素配置図には、ゲート層導電体、データ層導電体、接触孔185、及び画素電極層のパターンが配置されている。
【0290】
図26a〜図26cは、図25に示した画素構造を構成する主要層についてのパターンであって、図26a〜図26cはそれぞれ、図25に示した画素配置図でゲート層導電体のパターン、データ層導電体のパターン及び画素電極を含む画素電極層のパターンである。図27aと図27bはそれぞれ、図25に示した画素配置図のライン27a-27a´及びライン27b-27b´に沿った断面図である。図27aと図27bに示した断面図は、図25で省略した多数の層をさらに開示する。図27aと図27bに示した液晶表示板組立体300の断面図で、27a方向及び27b方向の断面図は、図25の画素構造が複数の行と列のマトリックス形式で配置されたとき、図25に示した切断線に沿った断面図である。以下、図25図27bと関連する説明において、下部表示板100と上部表示板200の積層順序は、図3図4cと関連して前述した説明と同一であるので、これについての詳細な説明は省略する。更に、図3図4c及び図18図21bと関連して説明した部分と重複された説明は、説明の便宜上、省略する。また、説明の便宜のため、単位画素と関連した説明がなされることを留意しなければならない。
【0291】
以下、図25図27bを参照して液晶表示板組立体300を構成する下部表示板100と上部表示板200の配置図について詳細に説明する。ゲート層導電体は、下部基板110上に形成され、複数のゲート線121n、121n+1、降圧ゲート線123及び複数のゲート電極124h、124l、124cからなる。データ層導電体は、線形抵抗性接触部材165上に形成され、データ線171、第1ソース電極173h、第2ソース電極173l、第3ソース電極173c、第1ドレイン電極175h、第2ドレイン電極175l、第3ドレイン電極175c及び第3ドレイン電極の拡張部177cからなる。画素電極層は、第2保護膜182上に形成され、第1及び第2副画素電極191h、191l、第1及び第2副画素電極の接触部192h、192l、縦連結部193h、193l、横連結部194h、194l、十字形の幹部195h、195l、微細枝197h、197l、第1及び第2画素電極の縦接続部715h、715l及びガス排出孔の蓋187からなる。
【0292】
第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lは、n+1番目のゲート線121n+1に連結された薄膜トランジスタQh25、Ql25を通じてデータ線171からデータ電圧の印加を受ける。第1副画素電極191hは、図23bに示した第1画素電極の縦接続部715hの形状により第1副画素電極の接触部192hから画素又は階調電圧の供給を受ける。第2副画素電極191lは、第2副画素電極の接触部192lと連結され、降圧ゲート線123の方向に延びる配線又は線により画素又は階調電圧の供給を受ける。第2副画素電極191lと第2副画素電極の接触部192lを連結した配線は、降圧ゲート線123を実質的に覆うことができ、データ線171の方向に延びることができる。
【0293】
第1副画素電極191h及び第2副画素電極191lの上部の横連結部194h、194lは、n番目のゲート線121nと重畳する。第2副画素電極191lの下部の横連結部194lは、降圧ゲート線123と重畳する。第1及び第2薄膜トランジスタQh25、Ql25を構成するゲート電極124h、124lは、データ線171の方向に延びて第3ドレイン電極の拡張部177cと重畳する。
【0294】
第1副画素電極191hと第2副画素電極191lは互いに隣接し、これらの電極に形成された微細枝197h、197lと微細スリット199h、199lはジグザグ形状を有する。第1副画素電極191hに形成された微細枝197hと微細スリット199hの幅はそれぞれ、約5μm〜6μm範囲内の値であってもよく、更に各々の幅は、約5μmから6μmまで漸次的に変わり得る。ジグザグ微細枝197又は微細スリット199の単位長さは約14μmであってもよい。微細枝197又は微細スリット199の主方向は、十字形の幹の方向に対して約±40°であってもよく、ジグザグ角度は約±7°であってもよい。第2副画素電極191lに形成された微細枝197lと微細スリット199lの幅はそれぞれ、約5μm〜7μm範囲内の値であってもよい。本発明の他の実施形態により微細スリット199lの幅は一定であり、微細枝197lの幅は図面に示した矢印方向に向かって約5μmから7μmまで漸次的に大きくなり得る。これと違って、微細スリット199lの幅が矢印方向に向かって漸次的に大きくなり得る。ジグザグ微細枝197又は微細スリット199の単位長さは約10μmであってもよい。微細枝197又は微細スリット199の主方向は、十字形の幹の方向に対して約±45°であってもよく、ジグザグ角度は約±15°であってもよい。
【0295】
図27aと図27bを参照すると、上部表示板200に形成された遮光部材220は、画素同士間に形成されており、降圧ゲート線123とゲート線121を重畳する。より好ましくは、遮光部材220の一端は、画素電極に隣接した降圧ゲート線123の一端と実質的に一致しており、他の端は画素電極に隣接したゲート線121の一端と実質的に一致する。このように形成された画素構造は、本発明の特徴により図3図18に示した画素構造と異なって、画素電極の長手がゲート線121に平行した方向に形成される。即ち、一つの画素電極を取り囲んでいるゲート線は長く、データ線171は短い。この画素構造を有する液晶表示装置は、より少ない数のデータドライブIC、例えば、一般的な液晶表示装置を構成するデータドライブICの個数の約1/3個数で動作できる。従って、本発明による液晶表示装置の製造原価は減らすことができ、表示品質は向上する。
【0296】
本発明の別の実施形態により基本画素群に形成された基本色のカラーフィルタが、データ線171の方向に反復周期的に形成され得る。即ち、基本色で構成されたグループのカラーフィルタが、データ線171の方向に反復連続的に配置できる。これと違って、図32に示した基本画素群と同様に、互いに異なる4色が配置され得る。図32に示した基本画素群の構造は後述する。
【0297】
液晶表示板組立体のモード
以下、前述の方法で製造した表示板100,200を用いて多様の方法により作製した液晶表示板組立体300について詳細に説明する。図6a、図6b、図6cはそれぞれ、図1ないし図5a及び図5bにより製造された下部表示板100と上部表示板200を用いてSVAモード(Super Vertical Alignment Mode)、SC-VAモード(Surface-Controlled Alignment Mode)及び偏光UV−VAモード(Polarized Ultra-Violet Vertical Alignment Mode)により液晶表示板組立体300を製造する方法を説明するための概略的フローチャートである。各モードで下板配向膜291と上板配向膜292の形成過程は実質的に同様である。従って、説明の重複を避けるため、以下では下板配向膜291の形成過程について詳細に説明する。
【0298】
SVAモード(Super Vertical Alignment Mode)
まず、図6aを参照してSVAモードの液晶表示板組立体300を製造する方法について詳細に説明する。
【0299】
初めのステップS110、S120で、図1ないし図5a及び図5bを参照して前述した方法で、画素電極191を有する下部表示板100と、共通電極270を有する上部表示板200が各々製造される。画素電極191と共通電極270の上に、主配向物質(図示せず)がインクジェット又はロールプリントなどのような方法で塗布される。主配向物質が下部表示板100及び上部表示板200の内部領域に形成され、部分的に外郭領域に塗布され得る。下部表示板100の外郭領域は、データ電圧の印加されげ画素が形成されなかった領域であり、内部領域はデータ電圧の印加されて画素が形成された領域である。上部表示板200の外郭領域と内部領域はそれぞれ、下部表示板100と上部表示板200が合着されたとき、下部表示板100の外郭領域と内部領域に対応する領域である。外郭領域は、画素電極に電圧を印加する信号を生成又は伝達する回路素子を含んでもよい。本発明の実施形態により主配向物質は、一部領域で間隔材、カラーフィルタ又は絶縁膜と直接に接触するように塗布できる。
【0300】
本発明の実施形態により、主配向物質は、側鎖に結合した光吸収剤、例えば、感光剤を含んでもよい。主配向物質に含まれた感光剤は、ステップS154を参照して後述の工程で約300nm〜約400nm波長の紫外線を吸収するために、主配向物質の下部膜、例えば、有機物の絶縁膜が入射光により損傷を受けない。
【0301】
感光剤は、2−ヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾ−ル誘導体であることが好ましい。2−ヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾ−ル誘導体を構成するベンゼン環のヒドロキシ基と、オルト位置でベンゾトリアゾール基の窒素(N)原子が水素結合することにより、約300〜400nm波長の紫外線を吸収しやすい。2−ヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾ−ル誘導体は、2,4-[ジ(2H-ベンゾトリアゾール−2−イル)]−1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、又は2,4-[ジ(2H-ベンゾトリアゾール−2−イル)]−1,3−ジヒドロキシベンゼンであってもよい。2−ヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾ−ル誘導体の構造式は、下記構造式PS−B1〜構造式PS−B7中のいずれかであってもよい。
構造式 PS−B1
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【0302】
構造式 PS−B2
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【0303】
構造式 PS−B3
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【0304】
構造式 PS−B4


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【0305】
構造式 PS−B5
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【0306】
構造式 PS−B6

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【0307】
構造式 PS−B7
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【0308】
また、感光剤は、アミノ基の官能基を有する下記構造式PS−A1又はPS−A2を有してもよい。感光剤がアミノ基を有することで、ポリイミド化反応の可能な側鎖が形成されるので、アミノ基を有する感光剤は、低分子形態の感光剤が持っている短所を改善できる。低分子形態の感光剤は、主配向物質の構成成分になりつつ、工程の進行過程のうち、ガスを発生することができ、主配向物質のコーティングの均一性を低下し得る。
構造式 PS−A1
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【0309】
構造式 PS−A2
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【0310】
ここで、Xは、O又はnが1〜10の整数である(CH)nであってもよい。また、R1〜R5は、それぞれ独立に、水素或いはアルキル基であってもよい。
【0311】
本発明の実施形態により、光吸収剤を含んだ主配向物質は、下記構造式PI−A1を有してもよく、以下のように製造することができる。まず、20モル(mol)の2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物(TCAAH)、12モル(mol)のp−フェニレンジアミン、2モル(mol)のコレステリルジアミン及び2モル(mol)の2−ヒドロキシベンゾトリアゾールジアミン(構造式PS−A1)の混合物は、窒素の雰囲気及び約常温〜100℃で、約48時間の間、DMAc(N,N-ジメチルアセトアミド)溶媒と混合する。このように混合した中間生成物は、約95%以上の純度を有するエタノールと混合して、沈殿されたポリアミック酸を得る。以後、約4〜10重量(wt)%のポリアミック酸、約0.1〜40重量(wt)%の熱硬化剤及び約80〜95重量(wt)%の溶媒を混合して、下記構造式PI−A1の主配向物質を製造し得る。熱硬化剤はエポキシ系低分子化合物であってもよく、溶媒はブチルラクトン、NMP(N−メチルピロリドン)及びブチルセロソルブのそれぞれ約4:約3:約3の比率の混合物であってもよい。
構造式 PI−A1
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【0312】
主配向物質は、後述の工程、例えば、光又は熱により硬化された後、主配向膜33となる。本発明の別の実施形態により、主配向物質は、VAモード又はTNモードなどに一般に用いられる物質であり得るというのは、この分野における通常の知識を有する者に容易に理解されるべきである。
【0313】
ステップS110、S120が進まれた後、次のステップS140では、上部表示板200の配向膜292と下部表示板100の主配向膜34,33の間に液晶分子31と光硬化剤(図示せず)を有する液晶層3が形成され、下部と上部表示板100、200は、シール材(図示せず)により密封されることにより、合着される。下部表示板100と上部表示板200との間に、後述する上板の共通電圧の印加点(図示せず)が形成され得る。シール材は熱硬化されるか、可視光線又は紫外線(UV)により硬化される。光硬化剤は液晶層3に対して約1.0wt%以下であり、より好ましくは、約0.5wt%である。
【0314】
本発明の実施形態により、液晶層3を構成する液晶分子は、本発明の特徴によって、3個のベンゼン環からなる単分子を有する混合物であってもよい。この混合物を構成するLC−A単分子は、約19wt%〜約29wt%であってもよく、より好ましくは、約24wt%である。LC−B単分子は、約2wt%〜約8wt%であってもよく、より好ましくは、約5wt%である。LC-C単分子は、約1wt%〜約5wt%であってもよく、より好ましくは、約3wt%である。LC-D単分子は、約19wt%〜約29wt%であってもよく、より好ましくは、約24wt%である。LC-E単分子は、約23wt%〜約33wt%であってもよく、より好ましくは、約28wt%である。LC-F単分子は、約5wt%〜約11wt%であってもよく、より好ましくは、約8wt%である。LC-G単分子は、約5wt%〜約11wt%であってもよく、より好ましくは、約8wt%である。LC−A単分子の構造式は、

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【0315】
であり、
LC−B単分子の構造式は、
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【0316】
であり、
LC−C単分子の構造式は、
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【0317】
であり、
LC−D単分子の構造式は、
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【0318】
であり、
LC−E単分子の構造式は、
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【0319】
であり、
LC−F単分子の構造式は、
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【0320】
であり、
LC−G単分子の構造式は、
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【0321】
である。
【0322】
ここで、R及びR´はそれぞれ、アルキル基又はアルコキシ基であってもよい。この混合物の回転粘度は約80〜約110mPs*s、屈折率は約0.088〜約0.1080、誘電率は約-2.5〜約-3.7、及び液晶相−等方相転移温度(Tni)は約70〜約90℃であってもよい。このような混合物からなる液晶分子は、4個のベンゼン環を含まないので、液晶分子の復元力は優れている。従って、液晶分子が徐々に復元することによって、発生する光漏れ不良が減少できる。この混合物からなる液晶分子は、後述のSC-VAモードと偏光UV−VAモードに適用することができる。
【0323】
本発明の一実施形態による光硬化剤は、反応性メゾゲン(RM)が好ましい。用語「メゾゲン(mesogen)」とは、液晶性質のメゾゲン基を含む光架橋性低分子又は高分子共重合体を言う。反応性メゾゲン(RM)としては、例えば、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、オキセタン、ビニル−エーテル、スチレン、及びチオレン基などを挙げられるが、上板配向膜の形成に関して前述した反応性メゾゲン(RM)に含まれた材料であってもよい。反応性メゾゲン(RM)は、棒状、バナナ状、ボード状、又はディスク状の構造物であってもよく、液晶相挙動を誘発する能力を有する基である。なお、棒型または板型を有する液晶(LC)化合物はまた、当該分野において、「カラミティック」液晶として知られている。ディスク型基を有する液晶化合物はまた、当該分野において、「ディスコティック」液晶として知られている。なお、液晶層3には、前述の光開始剤(図示せず)がさらに含まれていてもよい。液晶層3に含まれた光開始剤は、光硬化剤の総重量に対して、約0.01重量%〜約1重量%である。光開始剤は、長波長の紫外線(UV)を吸収してラジカルに分解され、光硬化剤の光重合反応を促進する。光開始剤は、約300nm〜400nmの波長を吸収する材料であってもよい。
【0324】
以下、本発明の別の実施形態により、反応性メゾゲン(RM)と液晶分子が混合された新規のRM−液晶混合物、即ち、ZSM−7160混合物を開示する。ZSM−7160混合物を構成するホスト液晶分子は、本発明の特徴に従って、ジシクロヘキシル系単分子とシクロヘキシル−フッ化ターフェニル系単分子又はフッ化ターフェニル系単分子を含む。ZSM−7160混合物は、ホスト液晶分子と反応性メゾゲン(RM)との混合物であり、反応性メゾゲン(RM)は、ホスト液晶分子の総重量に対して、約0.1重量(wt)%〜1重量(wt)%、より好ましくは、約0.2重量(wt)%〜0.5重量(wt)%の量で混合してもよい。ホスト液晶分子が、約20重量(wt)%〜30重量(wt)%であってもよいジシクロヘキシル系単分子、約0重量(wt)%〜10重量(wt)%であってもよいシクロヘキシルフェニル系単分子、約0重量(wt)%〜10重量(wt)%であってもよいジシクロヘキシルフェニル系単分子、約20重量(wt)%〜30重量(wt)%であってもよいシクロヘキシルフェニル−2フッ化フェニル系単分子、約20重量(wt)%〜30重量(wt)%であってもよいシクロヘキシルエチル−2フッ化フェニル系単分子、約5重量(wt)%〜10重量(wt)%であってもよいジシクロヘキシル−2フッ化フェニル系単分子、及び約0重量(wt)%〜10重量(wt)%であってもよいシクロヘキシルフッ化ターフェニル系単分子又はフッ化ターフェニル系単分子を含んでもよい。ホスト液晶分子を構成する単分子の重量(wt)%はそれぞれ、溶媒を除いたホスト液晶分子についての重量(wt)%である。ホスト液晶分子の屈折率は、約0.08〜0.13であってもよい。
【0325】
ジシクロヘキシル系単分子の化学構造は、構造式LC−A1で表す。
構造式 LC−A1

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【0326】
シクロヘキシルフェニル系単分子の化学構造は、構造式LC−A2で表す。
【0327】

構造式 LC−A2

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【0328】
ジシクロヘキシルフェニル系単分子の化学構造は、構造式LC−A3で表す。
構造式 LC−A3

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【0329】
シクロヘキシルフェニル−2フッ化フェニル系単分子の化学構造は、構造式LC−A4で表す。
構造式 LC−A4

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【0330】
シクロヘキシルエチル−2フッ化フェニル系単分子の化学構造は、構造式LC−A5で表すことができ、ホスト液晶分子の誘電率異方性と回転粘度を調節する。
構造式 LC−A5

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【0331】
ジシクロヘキシル−2フッ化フェニル系単分子の化学構造は、構造式LC−A6で表すことができ、ホスト液晶分子の誘電率異方性と回転粘度を調節する。
構造式 LC−A6

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【0332】
シクロヘキシルフッ化ターフェニル系単分子とフッ化ターフェニル系単分子の化学構造は、それぞれ構造式LC−A7−1及びLC−A7−2で表し、ホスト液晶分子の誘電率異方性を調節する。
構造式 LC−A7−1
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【0333】
構造式 LC−A7−2
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【0334】
式中、R1、R2、R及びR´はそれぞれ、炭素数1〜10のアルキル基、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、又は−COO−であってもよい。
【0335】
反応性メゾゲン(RM)は、下記構造式RM−A1で表されるフッ化ビフェニルジメタクリレート単分子であってもよい。
構造式 RM−A1

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【0336】
ホスト液晶分子と反応性メゾゲン(RM)との混合物からなるZSM−7160混合物は、反応性メゾゲン(RM)の総重量に対して、約0〜1.0重量%の光開始剤を含んでもよい。このようなZSM−7160混合物は、従来のRM−液晶混合物と同等の特性を有するので、RM−液晶混合物の材料が多元化されることができ、生産者によるRM−液晶混合物の値上げを抑制することができる。
【0337】
以下、本発明の別の実施形態により、反応性メゾゲン(RM)と液晶分子が混合された新規のRM−液晶混合物、即ちDS-09−9301混合物を開示する。DS-09−9301混合物を構成するホスト液晶分子は、本発明の特徴により、ビフェニル系単分子とキノン誘導体を含む。DS-09−9301混合物を有する液晶表示装置は、迅速な応答速度の特性を有することができる。DS-09−9301混合物は、ホスト液晶分子と反応性メゾゲンとの混合物であり、反応性メゾゲンは、ホスト液晶分子の総重量に対して、約0.1重量(wt)%〜約1重量(wt)%、より好ましくは、約0.2重量(wt)%〜約0.4重量(wt)%で混合されてもよい。ホスト液晶分子は、約10重量(wt)%〜約20重量(wt)%であってもよいビフェニル系単分子、約0重量(wt)%〜約10重量(wt)%であってもよいシクロヘキシルフェニル系単分子、約5重量(wt)%〜約10重量(wt)%であってもよいジシクロヘキシルフェニル系単分子、約15重量(wt)%〜約30重量(wt)%であってもよいシクロヘキシルフェニル−2フッ化フェニル系単分子、約15重量(wt)%〜約30重量(wt)%であってもよいキノン誘導体、約0重量(wt)%〜約5重量(wt)%であってもよいジシクロヘキシル−2フッ化フェニル系単分子及び約0重量(wt)%〜約10重量(wt)%であってもよいシクロヘキシルエチル−2フッ化フェニル系単分子を含むことができる。ホスト液晶分子を構成する単分子の重量(wt)%はそれぞれ、溶媒を除いたホスト液晶分子に対する重量(wt)%である。ホスト液晶分子の屈折率は約0.08〜約0.13であってもよい。
【0338】
ビフェニル系単分子の化学構造は、構造式LC−B1−1又は構造式LC−B1−2で表すことができ、フェニル基を含んでいるので、高屈折率の特性を有する。
【0339】
構造式LC−B1−1

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【0340】
構造式LC−B1−2
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【0341】
キノン誘導体の化学構造は、構造式LC−B7−1又は構造式LC−B7−2で表され、ホスト液晶分子の誘電率異方性と回転粘度を調節する。また、構造式LC−B7−1又は構造式LC−B7−2の高分子物質は、高度の分極性(polarity)を有するので、ホスト液晶分子の応答速度はより大きくなり得る。
【0342】
構造式LC−B7−1

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【0343】
構造式LC−B7−2
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【0344】
式中、R、R´、又はOR´はそれぞれ、炭素数1〜10のアルキル基、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、又は−COO−であってもよい。
【0345】
シクロヘキシルフェニル系単分子の化学構造は、前述の構造式LC−A2で表される。ジシクロヘキシルフェニル系単分子の化学構造は、前述の構造式LC−A3で表される。シクロヘキシルフェニル−2フッ化フェニル系単分子の化学構造は、前述の構造式LC−A4を有し得る。ジシクロヘキシル−2フッ化フェニル系単分子の化学構造は、前述の構造式LC−A6を有し得る。シクロヘキシルエチル−2フッ化フェニル系単分子の化学構造は、前述の構造式LC−A5を有し得る。反応性メゾゲン(RM)は、前述の構造式RM−A1であってもよい。ホスト液晶分子と反応性メゾゲン(RM)との混合物からなるDS−09−9301混合物は、反応性メゾゲン(RM)の総重量に対して、約0〜1.0重量%の光開始剤を含んでもよい。このようなDS−09−9301混合物を有する液晶表示装置は、迅速な応答速度の特性を有することができる。
【0346】
本発明の別の実施形態により、新規のRM−液晶混合物を構成するホスト液晶分子は、炭素2重結合を持つアルケニル系単分子と下記構造式LC−C9で表される単分子を含んでもよい。炭素2重結合を持つアルケニル系単分子は、低粘度の単分子であるので、これを含んだRM−液晶混合物は低粘度の特性を有し、これを含んだ液晶表示装置は、迅速な応答速度の特性を有することができる。炭素2重結合を持つアルケニル系単分子は、ホスト液晶分子の回転粘度を改善するため、炭素2重結合を持つ下記構造式LC−C8−1又は構造式LC−C8−2の単分子であってもよい。炭素2重結合を持つアルケニル系単分子は、溶媒を除いた全体のホスト液晶分子に対して、約1〜60重量%でRM-液晶混合物に含まれ得る。
【0347】
構造式LC−C8−1

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【0348】
構造式LC−C8−2
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【0349】
式中、A、B、及びCはそれぞれ、ベンゼン環又はシクロヘキサン環であってもよい。XとYのうちの少なくとも一つは

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【0350】
又は

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【0351】
の形態の炭素2重結合を有する。A、B、及びCのそれぞれを構成する外郭部の水素原子は、F、Clなどの極性原子により置換されてもよい。
【0352】
構造式LC−C9の単分子は、RM-液晶混合物において、アルケニル系単分子が反応性メゾゲン(RM)と結合することを防ぐ。アルケニル系単分子を構成する2重結合のπ結合が、反応性メゾゲン(RM)のメタクリレート基と結合して反応性メゾゲン(RM)が硬化されないことができる。これによって、液晶表示装置は、反応性メゾゲン(RM)の未硬化による残像不良が起こり得る。構造式LC−C9の単分子は、溶媒を除いた全体のホスト液晶分子に対して、約5重量%以下でRM−液晶混合物に含まれ得る。
【0353】
構造式LC−C9

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【0354】
式中、Z〜Zはそれぞれ、ベンゼン環又はシクロヘキサン環の構造であってもよく、より好ましくは、Z〜Zは、4個のベンゼン環であってもよい。R1及びR2はそれぞれ、炭素数1〜10のアルキル基、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−、−COO−、F又はClであってもよい。また、Z〜Zの外郭部の水素原子は、F、Clなどの極性原子により置換されてもよい。
【0355】
反応性メゾゲン(RM)は、溶媒を除いた全体のホスト液晶分子に対して、約0.05重量(wt)%〜約1重量(wt)%、より好ましくは、約0.2重量(wt)%〜0.4重量(wt)%でホスト液晶分子と混合され得る。反応性メゾゲン(RM)は、前述又は後述の物質であってもよい。このようなアルケニル系単分子と上記構造式LC−C9のRM-液晶混合物は、従来の混合物より低い、約90mPa・s〜108mPa・sの回転粘度の特性を示した。また、この混合物を含んだ液晶表示装置は、従来の混合物より低い、約25ppm〜35ppmの未硬化反応性メゾゲン(RM)を有し、レベル約3以下のブラック残像を有することができた。
【0356】
以下、ステップS140で進行される工程について詳細に説明する。ステップS110及びS120で塗布された主配向物質は、ステップS140において、約80℃〜約110℃で約100秒〜約140秒の間、より好ましくは、約95℃で約120秒の間、一次加熱を行う。一次加熱の間、主配向物質中の溶媒が気化し、イミド化された垂直配向性単分子は、下部膜に対して垂直方向に整列して主配向膜を形成する。
【0357】
一次加熱の後、主配向物質は、約200℃〜約240℃で約1000秒〜約1400秒の間、より好ましくは、約220℃で約1200秒の間、二次加熱を行う。二次加熱の間、主配向物質が硬化されて主配向膜が形成される。
【0358】
二次加熱の後、主配向膜は純水(DIW、Deionized Water)で洗浄し、イソプロピルアルコール(IPA)によりさらに洗浄してもよい。洗浄後、主配向膜は乾燥する。乾燥の後、液晶層は下部表示板100又は上部表示板200に形成される。液晶層は、前述の液晶分子と前述の光硬化剤からなる混合物、ZSM−7160混合物、DS−09−9301混合物又は液晶分子と前述の光硬化剤の化合物を有することができる。下部表示板100と上部表示板200は、液晶分子と光硬化剤を含んだ状態でシール材により合着される。
【0359】
合着の後、液晶分子の拡散性及び均一性を向上するため、下部及び上部表示板は、約100℃〜約120℃のチャンバ中で約60分〜約80分の間、アニーリングを行ってもよい。
【0360】
次のステップS150では、合着の後に、光により硬化された光硬化剤は、光硬化層35となる。光硬化層35と主配向膜33は下板配向膜291を構成する。
【0361】
ステップS150を構成するステップS152において、硬化した下板の光硬化層35が形成される前に、液晶層3に形成された電気場と露光工程について詳細に説明する。下部表示板100の画素電極191と上部表示板200の共通電極270に電圧が供給されると、液晶層3に電気場が形成される。
【0362】
以下、本発明の実施形態により、液晶層3に電気場が形成される方法、即ちDC(Direct Current)電圧を供給する方法と多段階の電圧を供給する方法についてそれぞれ説明する。第1に、図7aを参照して、DC電圧を液晶表示板組立体300に供給する方法を説明する。「TA1」期間の間、液晶表示板組立体300のゲート線121とデータ線171に予め決定された第1電圧(V1)が供給されると、副画素電極191h、191lには予め定められた第1電圧(V1)が供給される。この際、共通電極270に接地電圧又は約0ボルト(0V)電圧が供給される。「TA1」は、約1秒〜300秒、より好ましくは、約100秒である。第1電圧(V1)は、約5V〜20Vであり、より具体的には、約7V〜15Vである。
【0363】
以下、「TA1」の間、液晶層3に生成された電気場により配列された液晶分子31の動きについて詳細に説明する。「TA1」期間は、フリンジ電気場(fringe electric field)の方向に液晶分子を配列する期間を言う。副画素電極191h、191lに供給された電圧と共通電極270に供給された電圧との差により液晶層3に電気場が生成され、これにより屈折率異方性を有する液晶分子が配列される。図3に示した微細枝197h、197lと微細スリット199h、199lの角の画素電極及び縦連結部193h、193lと、横連結部194h、194lの角の画素電極が電気場を歪曲するために、液晶層3にフリンジ電気場が形成される。フリンジ電気場のために、液晶分子31の長軸は、微細枝197の角の垂直方向に傾こうとする。
【0364】
次に、隣接する微細枝197の角197h、197lにより発生したフリンジ電気場の水平成分の方向が互いに反対であって、微細枝197h、197間の間隔(W)、即ち、微細スリット199h、199lの幅(W)が狭いので、液晶分子31が水平成分の電気場の方向に傾こうとする。しかし、画素電極191の縦連結部193h、193l及び横連結部194h、194lの角によるフリンジ電気場の強度が、微細枝197h、197lの角のフリンジ電気場の強度より大きいので、液晶分子31は、結局、微細枝197h、197lの長さ方向に平行に傾く。即ち、液晶分子31は、相対的に大きいフリンジ電気場の法線方向、即ち、微細枝197h、197lの長さ方向に対して平行に傾く。平行の微細枝197のある領域の液晶分子31は、同じ方向に傾斜角をなして1個のドメインを形成する。図3の第1副画素又は第2副画素において、微細枝197が四つの方向に延びるので、画素電極191近傍の液晶分子31は四つの方向に傾くようになり、各々の副画素191h、191lは4個のドメインを有する。一画素(PX)で多数のドメインを有すると、液晶表示装置の側面視認性は良好となる。
【0365】
以後、液晶表示板組立体300に光が照射される「TD1」期間の間、予め定められた露光電圧が供給され、これにより液晶分子が安定した状態で配列し、この期間の間、電界露光工程が進まれる。露光電圧は、「TA1」期間の第1電圧(V1)と同様であってもよい。「TD1」期間は、約50秒〜150秒、より好ましくは、約90秒である。
【0366】
他の実施形態として、画素電極191が接地電圧又は約0Vの電圧供給を受け、共通電極270が予め定められた第1電圧(V1)と露光電圧の供給を受けられる。
【0367】
本発明のさらに別の実施形態による多段階電圧を液晶表示板組立体300に供給する方法について、図7bを参照しながら詳細に説明する。以下の説明において、液晶層3に生成された電気場により、液晶分子31の動きは、図7aの「TA1」の説明と関連して詳細に説明したので、重複を避けるため省略する。
【0368】
「TA2」期間の間、ゲート線121とデータ線171に予め定められた第2電圧(低電圧、V2)が供給されると、副画素電極191h、191lに第2電圧が供給される。そして、共通電極270に接地電圧又は約0ボルト(0V)電圧が供給される。第2電圧は、「TA2」期間の電圧であり、低電圧と高電圧(V2)からなる。第2電圧は、副画素電極191h、191lに交互に供給され、約0.1〜120Hzの周波数を有する。低電圧は接地電圧又は0Vであってもよい。高電圧(V2)は、液晶表示装置の最大駆動電圧より高いのが好ましく、高電圧(V2)は約5V〜60Vであり、より具体的には、約30V〜50Vであってもよい。「TA2」期間は、約1秒〜300秒、より好ましくは、約60秒である。「TA2」期間の間、低電圧又は高電圧(V2)が維持される時間は約1秒である。
【0369】
前述のように、副画素電極191h、191lに供給された電圧と共通電極270に供給された電圧との電圧差のために、液晶層3に電気場が形成される。液晶層3に電気場が形成されると、液晶分子31は、微細枝197h、197lの長さ方向に対して平行の方向に傾き、電気場が形成されないと、液晶分子31は、下部又は上部表示板100,200に対して垂直方向に配列する。副画素電極191h、191lに低電圧と高電圧(V2)を交互に供給するのは、液晶層3の液晶分子31に加える電気場をオン(ON)とオフ(OFF)でスイッチングするために、初期に垂直に配向されている液晶分子31が所望の傾斜方向に均一に整列することができる。
【0370】
以後、「TB2」期間の間、低電圧から高電圧(V2)に徐々に増加する電圧が供給され、これにより液晶分子が順次に配列する。「TB2」期間は、約1秒〜約100秒、より好ましくは、約30秒であってもよい。「TB2」期間の間、液晶分子31が垂直配向の状態で画素電極191の微細枝197の長さ方向に対して平行方向に経時に応じて順次に伏すために、液晶層3に急速な電気場の形成の時に発生する液晶分子31の不規則な移動が防止される。
【0371】
以後、「TC2」期間には、液晶分子31が画素電極191の微細枝197の長さ方向に対して平行方向に傾斜した後、液晶配列が安定化する。「TC2」期間は、約1秒〜600秒であり、より好ましくは、約40秒である。「TC2」期間の間、高電圧(V2)が供給される状態が維持される。
【0372】
以後、液晶表示板組立体300に光が照射される「TD2」期間の間、予め定められた露光電圧が供給され、これにより液晶分子が安定な状態で配列され、この期間の間、電界露光工程が進行される。「TD2」期間は約80秒〜200秒であり、より好ましくは、約150秒である。露光電圧は、第2電圧(V2)の最終電圧と同一であってもよい。露光電圧は約5V〜60Vであり、より好ましくは、約30V〜50Vである。本発明の一実施形態として、液晶層3の厚さが約3.6μmである場合、露光電圧は約20V〜40Vであればよく、液晶層3の厚さが約3.2μmである場合、露光電圧(V3)は約10V〜30Vであればよい。
【0373】
本発明の別の実施形態として、副画素電極191h、191lに接地電圧又は約0Vが供給され、共通電極270に予め定められた第2電圧(0V、V2)が供給されてもよい。
【0374】
次のステップS154では、前述のDC又は多段階電圧が上部表示板200と下部表示板100に供給された後、液晶層3に予め定められた電気場の形成の間、即ち、TD1又はTD2期間の間、液晶層3又は配向反応物を有する下部及び上部表示板に光が照射され、結果的に、光硬化層が形成される。液晶層3に照射される光は、下部基板110又は上部基板210の方向中の一方又は両方から照射され得る。より好ましくは、未硬化の光硬化剤を減少させ、光硬化層を均一に形成するため、光を吸収又は遮断する膜がより少ない部表示板100の基板110又は上部表示板200の基板210の方向に、光が入射され得る。
【0375】
以下、電気場が形成された液晶層3に光が照射される工程、即ち電界露光工程により、下板の光硬化層35が形成される方法について詳細に説明する。液晶層3に電気場が存在する状態で、主配向膜33に隣接した液晶分子31は、微細枝197の方向に対して平行に傾きながら配列される。液晶層3に存在する光硬化剤は、照射される光により主配向膜33上の液晶分子31と実質的に同じ傾斜角を有しながら、硬化されて光硬化層35を形成する。光硬化層35は、主配向膜33上に形成される。液晶層3に形成された電気場の除去後にも、光硬化層35の側鎖高分子は、隣接した液晶分子31の方向性をそのまま維持する。本発明の実施形態によるメゾゲンは、光硬化剤として、紫外線(UV)又は一定の温度でメゾゲンの異方性の誘導により液晶分子31の方向性をそのまま維持する。
【0376】
「TD1」又は「TD2」期間は前述と同様である。液晶層3に照射される光は、平行紫外線(Collimated UV)、偏光紫外線(Polarized UV)又は無偏光紫外線(UV)であり得る。紫外線の波長は約300nm〜400nmであってもよい。光エネルギーは約0.5J/cm2〜40J/cm2であり、より好ましくは、約5J/cm2である。光硬化剤とシール材を硬化する光は、異なる波長及びエネルギーであってもよい。
【0377】
このように、光硬化層35の高分子物質により、液晶分子31が微細枝197の長さ方向に対して平行な方向にプレチルトを維持するようになると、液晶分子31の運動方向の決定により電気場が形成されるとき、液晶分子は迅速に傾くために、液晶表示装置は迅速な応答速度(RT)を有する。光硬化層35の側鎖に近い液晶分子31は、下部表示板100の垂直方向に対してやや一定のプレチルト角を有するものの、光硬化層35から液晶層3の中間部に移動するほど、液晶分子31は一定のプレチルト角を有さないことができる。液晶表示装置のコントラスト比を改善し、無電界状態で光漏れを防止するため、中間部の液晶層の液晶分子が光硬化層に隣接した液晶分子と異なって、プレチルト角を持たないこともできる。
【0378】
本発明の一実施形態として、液晶層3に残っている未硬化の光硬化剤は、残像を誘発するので、液晶3に存在する未硬化の光硬化剤を除去するため、又はプレチルト角を有する光硬化層35,36を安定化するため、液晶層3に形成された電気場がない状態で液晶層3に光が照射される工程、即ち蛍光露光工程が進行されることができる。本発明の一実施形態により、蛍光露光工程は約20分〜約80分、より好ましくは、約40分の間、照射されてもよい。この際、照射される光の波長は約300nm〜約390nmであり、310nmの波長における光の照度は、約0.005mW/cm2〜約0.4mW/cm2である紫外線であり得る。
【0379】
また別の実施形態として、液晶層3に形成された電気場の強度、画素電圧の大きさ、画素(PX)に供給される電圧時間、光エネルギー、光照射量、光照射時間などを各々又はこれらの組合わせにより、多様なプレチルト角の側鎖を有する下板又は上板の光硬化層35,36が形成され得る。一実施形態として、露光電圧が副画素電極191h、191lで互いに異なるように供給された状態で、電界露光により、互いに異なるプレチルト角の光硬化層35を有する第1副画素と第2副画素190h、190lが形成され得る。さらに別の実施形態として、基本画素群(PS)を構成する基本色画素の中で少なくとも一つの画素、例えば、青色画素は、他の画素のプレチルト角と異なるプレチルト角を有する光硬化層を設けるように、露光電圧又は電界露光工程が画素によって異なるように進行されることができる。
【0380】
シール材により合着した下部表示板100と上部表示板200に偏光子(図示せず)が付着される。前述のように、液晶層3に光硬化剤が含まれた状態で作製された液晶表示板組立体300はSVAモード特性を有する。
【0381】
SC-VAモード(Surface-Controlled Alignment Mode)
<実施形態1>
以下、図6b、図8aないし図8e及び図9を参照しながら、SC-VAモードの液晶表示板組立体300の製造方法について詳細に説明する。SVAモードの液晶表示板組立体300の製造方法と重複する詳細な説明は、説明の便宜上、省略し、SC-VAモードを特徴とする液晶表示板組立体300の製造方法について詳細に説明する。
【0382】
図6bは、図1ないし図5a及び図5bにより製造した下部表示板100と上部表示板200を用いて、SC-VAモード方法で液晶表示板組立体300を製造する方法を説明するためのフローチャートである。図8aないし図8eは、SC-VAモードの一実施形態による液晶表示板組立体300の下板配向膜291が形成される過程を順次に示した断面図である。図9は、表面光硬化剤が硬化されて光硬化層35が形成される段階の概略図である。
【0383】
始めのステップS210、S220で、画素電極191を有する下部表示板100と共通電極270を有する上部表示板200の製造は、図1ないし図5a及び図5bを参照して既に説明した。
【0384】
次のステップS231、S232では、表面光硬化剤層35aと主配向膜33が画素電極191と共通電極270の各々の上に形成される。
【0385】
図8aないし図8eを参照しながら、下板主配向膜33と表面光硬化剤層35aを形成する過程について詳細に説明する。図8aを参照すると、表面光硬化剤(図示せず)と表面主配向物質(図示せず)からなる表面配向反応物10が画素電極191の上にインクジェットプリント又はロールプリントなどの方法で形成される。表面配向反応物10は、下部表示板100及び上部表示板200の内部領域に形成され、部分的に外郭領域に塗布され得る。液晶表示装置を製造する工程で発生する熱応力(thermal stress)により、外郭領域に形成された回路素子が損傷(damage)されるのを減らすため、表面配向反応物10は外郭領域に形成されてもよい。画素電極191と共通電極270の他の下部層は、前述と同様であるので、省略した。即ち、表面配向反応物10は、表面光硬化剤と表面主配向物質との混合物又は化合物である。表面主配向物質は、液晶分子31を基板又は画素電極191の平面に対して垂直に配向する垂直配向物質である。表面光硬化剤は硬化されて液晶分子31を基板又は画素電極191の平面に対して一定の傾斜方向にプレチルトするようにする機能性物質を有する。表面主配向物質と表面光硬化剤の材料は後述する。
【0386】
図8bを参照すると、画素電極191の上に形成された表面配向反応物10は、低温で1次加熱する。1次加熱工程は、約100秒〜約140秒、より好ましくは、約120秒の間、約80℃〜約110℃、より好ましくは、約95℃で進まれる。1次加熱で、表面配向反応物10の溶媒が気化される。図8cを参照すると、表面配向反応物10が表面主配向物質を有する表面主配向物質層33aと、表面光硬化剤を有する表面光硬化剤層35aに相分離する。表面配向反応物10は、極性の差により、相対的に高い極性の物質は、画素電極191の周辺に移動して表面主配向物質を有する表面主配向物質層33aとなり、相対的に低い極性の物質は、表面主配向物質層33aの上に移動して表面光硬化剤層35aとなる。表面主配向物質は、相対的に高い極性を有し、液晶分子31を基板又は画素電極191の平面に対して垂直に配向する。表面光硬化剤層35aは、側鎖の極性を弱化させる非極性作用のアルキル化芳香族ジアミン系単分子を含むので、相対的に低い極性を有する。図8dと図8eを参照すると、相分離が生じた表面主配向物質層33aと表面光硬化剤層35aを高温で2次加熱を行うと、下部に相対的に高い極性を有し、かつ液晶分子31を基板又は画素電極191の平面に対して垂直に配向する主配向膜33が形成され、上部に相対的に低い極性の表面光硬化剤層35aが形成される。従って、主配向膜と下部光硬化層は、異なる極性を有する。2次加熱工程は、約1000秒〜約1400秒、より好ましくは、約1200秒の間、約200℃〜約240℃、より好ましくは、約220℃で進行することができる。本発明により、2次加熱工程でイミド化反応により形成されたポリイミド(PI)は、表面主配向物質層33a及び表面光硬化剤層35aの主鎖を形成する。
【0387】
本発明の実施形態として、主配向物質を有する表面主配向物質層33aが下部層に、そして表面光硬化剤層が上部層にそれぞれ分離されて形成される場合、1次加熱過程は省略してもよい。
【0388】
以下、表面光硬化剤と表面主配向物質について詳細に説明する。本発明の実施形態によれば、表面配向反応物10の中、表面主配向物質は約85モル%〜95モル%であり、表面光硬化剤は約5モル%〜15モル%であり、より詳しくは、表面主配向物質は約90モル%であり、表面光硬化剤は約10モル%である。表面主配向物質と表面光硬化剤のモル%組成比はそれぞれ、溶媒を除いた表面配向反応物10に対するモル%であり、主配向膜33と光硬化剤層35aに相分離の後、又は主配向膜33と光硬化剤層35aの形成の後にも、表面主配向物質と表面光硬化剤のモル%組成比は実質的に同一である。本発明の一実施形態として、表面光硬化剤は、前述の反応性メゾゲン(RM)を有する。本発明の一実施形態により、溶媒は、表面配向反応物10を下部又は上部表示板に広く、薄く又はよく拡散して塗布される印刷性を向上するため、表面配向反応物10に追加してもよい。また、溶媒は、表面配向反応物10を構成する物質を容易に溶解又は混合させる。溶媒は、クロロベンゼン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、エチルメトキシブタノール、メチルエトキシブタノール、トルエン、クロロホルム、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビト−ル、テトラヒドロフラン、及びこれらの組合わせからなる群より選択されてもよく、これら以外の他の物質も溶媒として選択できるのは、本発明の利点を一脱することなく可能であることを、この分野における通常の知識を有する者に容易に理解されるべきである。前述及び後述の主配向物質、表面配向反応物10又は偏光配向反応物に前述の溶媒が適用され得る。溶媒は前述又は後述の1次加熱、2次加熱、予備加熱、又は後加熱工程により気化されることができる。
【0389】
表面主配向物質は、2無水物系単分子(モノマー)、例えば、脂環式2無水物系単分子、ジアミン系単分子、例えば、方向族ジアミン系単分子及び脂肪族環置換の芳香族ジアミン系単分子、そして架橋剤の芳香族エポキシド系単分子を含む高分子化合物であってもよい。
【0390】
表面主配向物質に含まれた脂環式2無水物系単分子は、表面配向反応物10の中、約39.5モル%〜49.5モル%であってもよく、芳香族ジアミン系単分子は、表面配向反応物10の中、約30.5モル%〜40.5モル%であってもよく、脂肪族環置換の芳香族ジアミン系単分子は、表面配向反応物10の中、約7.5モル%〜10.5モル%であってもよく、芳香族エポキシド系単分子は、表面配向反応物10の中、約0.5モル%〜1.5モル%であってもよい。
【0391】
脂環式2無水物系単分子は、下記化学式I〜化学式Vのうちのいずれかで表される単分子であってもよい。脂環式2無水物系単分子は、表面主配向物質に含まれた高分子化合物を溶媒によく溶解させ、表面主配向物質の電気光学的特性を強化する。
化学式I

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【0392】
化学式II

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【0393】
化学式III

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【0394】
化学式IV

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【0395】
化学式V

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【0396】
芳香族ジアミン系単分子は、下記化学式VIで表される単分子であり得る。 表面主配向物質の芳香族ジアミン系単分子は、表面主配向物質に含まれた高分子物質が溶媒によく溶解されるようにする。
【0397】
化学式VI

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【0398】
式中、Wは、下記の化学式VII〜化学式IXの中のいずれかであってもよい。
【0399】
化学式VII

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【0400】
化学式VIII

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【0401】
化学式IX

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【0402】
脂肪族環置換の芳香族ジアミン系単分子は、下記化学式Xで表される単分子であってもよい。表面主配向物質の脂肪族環置換の芳香族ジアミン系単分子は、表面主配向物質の耐熱性及び耐化学性を強化する。
【0403】
化学式X

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【0404】
式中、Wは、下記化学式XIと化学式XIIの中のいずれかであってもよい。
【0405】
化学式XI

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【0406】
化学式XII

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【0407】
芳香族エポキシド系単分子は、下記化学式XIIIで表される単分子であってもよい。表面主配向物質の芳香族エポキシド系単分子は架橋構造を形成するので、表面主配向物質に含まれた高分子物質と表面光硬化剤に含まれた高分子物質(反応性メゾゲン(RM))が結合されるようにする。また、芳香族エポキシド系単分子は膜の物性を強化し、耐熱性及び耐化学性を強化する。
【0408】
化学式XIII

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【0409】
式中、Zは、下記の化学式XIVと化学式XVの中のいずれかであってもよい。
【0410】
化学式XIV

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【0411】
化学式XV

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【0412】
一実施形態による表面主配向物質は、高分子系物質、例えば、ポリシロキサン、ポリアミック酸、ポリイミド、ナイロン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルクロリド(PVC)などの物質の中の少なくとも一種を含んでもよい。
【0413】
表面光硬化剤は、2無水物系単分子、例えば、脂環式2無水物系単分子、ジアミン系単分子、例えば、光反応性ジアミン系単分子、アルキル化芳香族ジアミン系単分子及び芳香族ジアミン系単分子を含む。
【0414】
表面光硬化剤に含まれた脂環式2無水物系単分子は、 表面配向反応物10の中、約2.5モル%〜7.5モル%であってもよく、光反応性ジアミン系単分子は、表面配向反応物10の中、約0.75モル%〜2.25モル%であってもよく、アルキル化芳香族ジアミン系単分子は、表面配向反応物10の中、約0.75モル%〜2.25モル%であってもよく、芳香族ジアミン系単分子は、表面配向反応物10の中、約1モル%〜3モル%であってもよい。
【0415】
表面光硬化剤に含まれた脂環式2無水物系単分子と芳香族ジアミン系単分子はそれぞれ、表面主配向物質に含まれた脂環式2無水物系単分子と芳香族ジアミン系単分子と同様であってもよい。
【0416】
光反応性ジアミン系単分子は、反応性メゾゲン(RM)を含む単分子であって、光硬化層35,36のプレチルトと液晶分子のプレチルトの方向を決定する役割をする。光反応性ジアミン系単分子の化学構造は、下記化学式XVIで表される単分子であってもよく、より具体的には、化学式XVIIで表される単分子であってもよい。
【0417】
化学式XVI

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【0418】
式中、Pは反応性メゾゲンであり、Wは芳香族環であって、上記で説明した化学式VII〜化学式IXの中のいずれかであってもよい。
【0419】
化学式XVII

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【0420】
式中、Xは、メチレン(CH)、フェニレン(C)、ビフェニレン(C12)、シクロヘキシレン(C)、ビシクロヘキシレン(C1216)及びフェニル−シクロヘキシレン(C−C)の中のいずれかであってもよく、Yは、メチレン(CH)、エーテル(−O−)、エステル(−O−C=O−又は−O=C−O−)、フェニレン(C)及びシクロヘキシレン(C)の中のいずれかであってもよく、Zは、メチル(CH)又は水素(H)であってもよい。また、nは1〜10の整数であってもよい。光反応性ジアミン系単分子は、ポリスチレンであってもよい。
【0421】
アルキル化芳香族ジアミン系単分子は、下記化学式XVIIIで表される垂直配向性単分子であってもよい。表面光硬化剤に含まれた高分子物質のアルキル化芳香族ジアミン系単分子は、垂直配向成分を有するものの、側鎖に極性を有さないアルキル基を含有しているので、表面光硬化剤層35aの高分子物質が表面主配向物質層33aの高分子物質より相対的に低い極性を有する。
【0422】
化学式XVIII

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【0423】
式中、R´及びR”はそれぞれ以下の通りである:
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【0424】
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【0425】
また、Wは、下記化学式XIXで表され得る。
【0426】

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【0427】
芳香族ジアミン系単分子は、上記化学式VI〜化学式IXで表される単分子であってもよい。芳香族ジアミン系単分子は、表面光硬化剤を構成する高分子物質が溶媒によく溶解されるようにする。表面光硬化剤に、前述の光開始剤を添加してもよい。
【0428】
2次加熱の後、表面配向反応物10は、純水で洗浄し、イソプロピルアルコール(IPA)でさらに洗浄してもよい。洗浄後、表面配向反応物10は乾燥する。
【0429】
ステップS240では、表面光硬化剤層35aと主配向膜33がそれぞれ形成された下部表示板100と上部表示板200との間に、上板の共通電圧印加点(図示せず)、シール材と液晶層3が形成され、これらの表示板100,200が合着される。乾燥の後、下部表示板100の上にシール材が形成される。シール材は、接着力を向上させるため、表面配向反応物10が形成されない下部表示板100の外郭領域に形成され得る。これと違って、シール材は、表面配向反応物10と一部重なるように、下部表示板100又は上部表示板200の外郭領域に形成されてもよい。シール材は、約300nm〜約400nmの波長の紫外線により硬化される光開始剤を含んでもよい。約300nm〜約400nmの波長で硬化される光開始剤は、ベンジルジメチルケタル(Irgacure-651)であっても、前述の光開始剤であってもよい。
【0430】
乾燥の後、上部表示板200の上に上板の共通電圧印加点(図示せず)と液晶層が形成される。上板の共通電圧印加点は、外部、例えば、データ駆動部500より供給された共通電圧(Vcom)を受け、上部表示板200に形成された共通電極270に共通電圧(Vcom)を供給する。上板の共通電圧印加点は、下部表示板100に形成された共通電圧の印加パターン(図示せず)と上部表示板200に形成された共通電極270を直接接触することができる。共通電圧の印加パターンは、データ駆動部500に連結されて共通電圧(Vcom)の供給を受け、画素電極層が形成されるとき、同時に形成され得る。上板の共通電圧印加点は、表面配向反応物10が形成されなかった上部表示板の外郭領域に形成されてもよい。上板の共通電圧印加点は導電特性を有し、直径が約4μm以下の球状の導電体からなってもよい。液晶層は、上部表示板200の表面配向反応物10が形成された領域に形成されるか、又はシール材が形成された内側に形成される。上板の共通電圧印加点と液晶層を形成する工程は同時に進行されてもよい。本発明の別の実施形態により、上板の共通電圧印加点を形成する導電体をシール材と混合すること、即ち伝導性シール材により、シール材と上板の共通電圧印加点が一つの工程の同一材料で形成され得る。この際、伝導性シール材が形成される下部表示板100の領域は、伝導性シール材の下部層に実質的にデータ層導電体のパターンを有さなくてもよい。従って、伝導性シール材とデータ層導電体のパターンが短絡(short)されることが防止できる。
【0431】
シール材と液晶層が形成された後、下部表示板100と上部表示板200は、真空チャンバでシール材により合着される。
【0432】
ステップS250では、合着された表示板100,200に露光電圧が供給され、光が照射されること、即ち電界露光工程により、下板の主配向膜33の上に下板の光硬化層35が形成され、上板の主配向膜34の上に上板の光硬化層36が形成される。主配向膜33、34と光硬化層35、36は、配向膜291,292を構成する。
【0433】
合着の後、シール材は、約300nm〜約400nmの波長の紫外線又は約400nm以上の可視光線により照射されて約80%が硬化される。紫外線又は可視光線は、下部表示板の外部方向から入射されてシール材に照射され得る。遮断マスク(shield mask)は、シール材と紫外線の光源との間に位置し、シール材以外の部分に紫外線が照射されないように紫外線を遮断する。シール材に照射された紫外線が外れてシール材の周辺の光硬化剤を硬化する場合、シール材の周辺の光硬化剤が予め硬化されるために、液晶表示装置はシール材の周辺で縁ムラの不良を招くこともある。シール材の周辺の光硬化剤は、配向膜を形成する光硬化剤や液晶層に存在する光硬化剤であり得る。遮断マスクを使わず、シール材に可視光線が照射されることができる。
【0434】
以後、シール材は約100℃で約70分間、熱硬化する。
【0435】
合着の後、液晶分子の拡散性及び均一性を向上するため、下部及び上部表示板は、約100℃〜約120℃のチャンバの中で、約60分〜約80分間アニーリングする。
【0436】
アニーリングの後、合着された表示板100,200に露光電圧が供給され、液晶層3に電気場が形成される過程(ステップS252)は、SVAモード製造方法のステップS152と実質的に同一であるので、説明を省略する。
【0437】
次のステップS254で,電気場が形成されている間、合着された液晶表示板組立体に光が照射される電界露光工程により、光硬化層35が形成される過程を説明する。本発明により、電界露光工程の以後、主配向膜33の主鎖であるポリイミドに、側鎖である垂直配向成分の脂肪族環置換の芳香族ジアミン系単分子が結合され、光硬化層35の主鎖であるポリイミドに、側鎖のアルキル化芳香族ジアミン系単分子と光反応性ジアミン系単分子が結合される。ステップS254で、光が照射されることと、光硬化層35が液晶分子を配向する過程は、SVAモードのステップS154と同一であるので、詳細な説明を省略する。未硬化の光硬化剤を減らし、光硬化層を均一に形成するため、光硬化剤層35aに照射される光は、光を吸収又は遮断する膜がより少ない下部表示板100の基板110又は上部表示板200の基板210の方向に入射し得る。
【0438】
以下、図9を参照して、主配向膜33の上に形成された表面光硬化剤層35aが受光した際、光硬化層35になる過程について詳細に説明する。液晶層3に電気場が形成されると、表面光硬化剤層35aの表面光硬化剤43が周辺の液晶分子31と実質的に同一の方向に配列し、この際、入射した紫外線により表面光硬化剤43が周辺の液晶分子31と実質的に同一の方向に硬化される。このように配列し、硬化された表面光硬化剤43は、光硬化層35を形成し、これにより光硬化層35に隣接した液晶分子は、プレチルト角を有する。図9A図9Bに示した表面光硬化剤43は、表面主配向物質を構成する垂直配向の単分子41と反応性メゾゲン(RM)を含んだ単分子が化学的に結合している高分子化合物である。紫外線が照射されたとき、反応性メゾゲン(RM)を有するか、又は有さない表面光硬化剤43は、紫外線(UV)により2重結合が解かれ、側鎖のネットワーク40がさらに形成される。このような反応により、表面光硬化剤43は紫外線照射による硬化で光硬化層35を形成する。従って、液晶分子31を垂直配向する主配向膜33の上に、下部基板110の法線方向に対してやや傾いた方向に配列した光硬化層35が形成される。未硬化の光硬化剤を硬化し、光硬化層を安定化するため、前述の蛍光露光工程が進行され得る。
【0439】
SVAモードの説明で前述したように、光硬化層35は液晶分子31の傾斜方向に沿って配列した状態で硬化されるので、液晶層3に電気場が印加されなかった状態でも、液晶分子31は画素電極191の微細枝197の長さ方向に対して平行な傾斜方向にプレチルト角を有する。
【0440】
このように製造した液晶表示板組立体300は、SC-VAモードの特性を有する。SC-VAモードにより液晶表示装置が製造されると、光硬化剤が液晶層3に存在せず、主配向膜33の周辺に存在するので、液晶層3に残留する未硬化の光硬化剤が大きく減少する。従って、SC-VAモード特性の液晶表示装置は、残像不良が改善され、良好な品質を有する。また、未硬化の光硬化剤を硬化するため、無電界状態で光を照射する過程が省略できるので、液晶表示装置の製造費用が減少される。
【0441】
以下、図10と表2及び表3を参照しながら、SC-VAモードにより製造した液晶表示装置の特性を詳細に説明する。表2は、表面配向反応物10に含まれた表面主配向物質と表面光硬化剤の成分比の変化によるSC-VAモードの液晶表示装置の特性を示す。この実験に適用した表面主配向物質を構成する脂環式2無水物系単分子は、トリシクロヘキシル2無水物であり、芳香族ジアミン系単分子は、ターフェニルジアミンであり、脂肪族環置換の芳香族ジアミン系単分子は、コレステリルベンゼンジアミンであり、芳香族エポキシド系単分子は、ヘキサエポキシベンゼン誘導体であった。また、この実験で適用した表面光硬化剤を構成する脂環式2無水物系単分子は、トリシクロヘキシル2無水物であり、光反応性ジアミン系単分子は、モノメタクリル酸ベンゼンジアミンであり、アルキル化芳香族ジアミン系単分子は、モノアルキル化フェニルシクロヘキシルベンゼンジアミンであり、芳香族ジアミン系単分子は、ヘキサエポキシベンゼン誘導体であった。
【0442】
画素(PX)の構造は、実質的に図3の構造と同様である。画素電極191の微細枝197の幅は約3μmであり、液晶層3のセル間隔は約3.6μmであった。露光電圧は約7.5Vであり、電界露光で紫外線の強度は約5J/cm2であった。そして、液晶表示装置の動作は、図11を参照しながら後述する電荷共有方式の1G1D駆動で動作した。他の条件は、前述のSC-VAモードの液晶表示装置に適用した条件と同様である。
【0443】
【表2】
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【0444】
表2を参照すると、実験例2より理解できるように、表面配向反応物10の中、表面主配向物質は約85モル%〜95モル%であり、表面光硬化剤は約5モル%〜15モル%であったとき、液晶表示装置の応答速度が約0.0079秒であり、残像は168時間まで発生しなかったので、他の実験例に比べてよりよい結果が得られた。
【0445】
表3は、表面光硬化剤に含まれた光反応ジアミン系反応性メゾゲン(RM)とアルキル化芳香族ジアミン系垂直配向単分子の成分比の変化による、SC-VAモードの液晶表示装置の特性を示す。この実験に適用した反応性メゾゲン(RM)は、モノメタクリル酸ベンゼンジアミンであり、垂直配向単分子は、モノアルキル化フェニルシクロヘキシルベンゼンジアミンであった。他の条件は、上記表2の液晶表示装置に適用したのと同様である。
【0446】
【表3】
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【0447】
表3を参照すると、実験例7より理解できるように、表面配向反応物10の中、反応性メゾゲン(RM)と垂直配向単分子がそれぞれ、約0.75モル%〜2.25モル%と約0.75モル%〜2.25モル%であったとき、液晶表示装置の応答速度が約0.0079秒であり、ブラック状態で光漏れが発生しなかった。従って、実験例7が他の実験例に比べて優秀な特性を有することが分かることができた。
【0448】
図10は、SC-VAモード特性を有する液晶表示装置の一画素(PX)を経時的に撮影した電子顕微鏡の写真である。図10に示した液晶表示装置の製造に適用した表面配向反応物10の組成は次の通りである:
表面主配向物質に含まれた脂環式2無水物系単分子、即ち、トリシクロヘキシル2無水物は約45モル%であり、芳香族ジアミン系単分子、即ち、ターフェニルジアミンは約36モル%であり、脂肪族環置換の芳香族ジアミン系単分子、即ち、コレステリルベンゼンジアミンは約9モル%であり、芳香族エポキシド系単分子、即ち、ヘキサエポキシベンゼン誘導体は約1.25モル%であった。表面光硬化剤の脂環式2無水物系単分子、即ち、トリシクロヘキシル2無水物は、約5モル%であり、光反応性ジアミン系単分子、即ち、モノメタクリル酸ベンゼンジアミンは、約1.5モル%であり、アルキル化芳香族ジアミン系単分子、即ち、モノアルキル化フェニルシクロヘキシルベンゼンジアミンは、約1.5モル%であり、そして、芳香族ジアミン系単分子、即ち、ヘキサエポキシベンゼン誘導体は、約2モル%であった。その他の条件は、上記表2の液晶表示装置に適用したのと同様である。表2、表3及び図10の液晶表示装置に適用した各成分のモル%は、表面配向反応物10に対するモル%であり、溶媒は、表面配向反応物10の成分比に包含されなかった。
【0449】
図10より分かれるように、0秒から0.0048秒まで撮影した画素(PX)の写真にテクスチャが発生されなかった。また、液晶表示装置の階調間応答速度は、約0.008秒であった。このように、前述のSC-VAモードで製造した液晶表示装置は迅速な応答速度を有し、残像及び光漏れを長時間発生しなかったので、よい品質特性を有する。
【0450】
<実施形態2>
本発明の一実施形態にかかる液晶表示装置の配向膜は、負の電気特性を有する。配向膜を構成する光硬化層35、36は、負の電気特性を有し、負の電気特性の光硬化層35、36は、表面配向反応物10が硬化して形成される。フッ素原子(F)などのような物質が前述の光硬化剤を構成する分子の一部分に結合しているので、表面配向反応物10は負の電気特性を有することができる。光硬化層35、36が負の電気特性を有するので、光硬化層35、36を構成する負の電気特性の高分子物質と液晶層の液晶分子は、液晶層に形成された電気場により同時に整列され得る。従って、光硬化層35、36は、より均一のプレチルト角を有することができる。また、液晶表示装置が駆動されるとき、液晶層の液晶分子と負の電気特性の光硬化層が、電気場により同時に動くので、液晶表示装置は迅速な応答速度を有することができる。
【0451】
本発明の実施形態が、前述のSC-VAモードの製造方法と実質的に異なる点は、表面配向反応物10を構成する材料と図8cと違って、表面配向反応物10が配向膜を形成する過程で相分離が発生できないことである。本実施形態の特徴的なことを除いた他のことは、前述のSC-VAモードにより製造される方法と実質的に類似であるので、以下の説明では、便宜上、重複された説明は簡略に説明するか、省略する。上板及び下板配向膜292、291を形成する方法は実質的に類似であるので、これらの配向膜292、291を区分せず、本発明の実施形態による配向膜の形成過程について詳細に説明する。
【0452】
以下、負の電気特性を有する配向膜の形成過程を詳細に説明する。画素電極191を有する下部表示板100と共通電極270を有する上部表示板200はそれぞれ、前述した又は後で説明する方法などにより製造する。
【0453】
本発明の実施形態により、後述の負の電気特性を有する表面配向反応物10が前述の方法により画素電極191及び共通電極270の上に塗布される。表面配向反応物10は、下部表示板100及び上部表示板200の内部領域に形成され、部分的に外郭領域に塗布されてもよい。
【0454】
表面配向反応物10は、負の電気特性を有する物質で結合された光硬化剤と主配向膜を形成する物質が化学的に結合した化合物であって、負の電気特性を有することを特徴とする。光硬化剤は、前述と同様に硬化されて、液晶分子31を基板110、210又は画素電極191の平面に対して一定の傾斜方向にプレチルトするようにする物質として光硬化層35、36を形成する。光硬化剤は、主配向膜を形成する物質の側鎖に結合され得る。光硬化剤は、前述の光反応性高分子物質、反応性メゾゲン(RM)、光重合性物質、光異性化物質及びこれらの化合物又は混合物の中で選択した少なくとも一種の物質であってもよい。本発明の一実施形態により、負の電気特性を有する反応性メゾゲン(RM)は、後述の光反応性フッ化ジアミン系単分子である。
【0455】
主配向膜を形成する物質は、前述のように、液晶分子31を基板110,210又は画素電極191の平面に対して垂直方向に配向する垂直配向物質である。主配向膜を形成する物質は、脂環式2無水物系単分子と脂肪族環置換の芳香族ジアミン系単分子の化合物であってもよい。主配向膜を形成する物質はまた、芳香族ジアミン系単分子又は架橋剤を含んでもよい。また、主配向膜を形成する物質は、前述の表面主配向物質32aであってもよい。
【0456】
以下、本発明の一実施形態による、負の電気特性を有する表面配向反応物10について詳細に説明する。負の電気特性を有する表面配向反応物10は、脂環式2無水物系単分子のような2無水物系単分子、光反応性フッ化ジアミン系単分子、アルキル化芳香族ジアミン系単分子、芳香族ジアミン系単分子、及び脂肪族環置換の芳香族ジアミン系単分子のようなジアミン系単分子、そして、芳香族エポキシド系単分子のような架橋剤を含む高分子物質であってもよい。
【0457】
本発明の一実施形態により、負の電気特性を有する表面配向反応物10は、ポリイミド(PI)系化合物と架橋剤との混合物である。ポリイミド(PI)系化合物は、2無水物系単分子と、ジアミン系単分子を構成する単分子とが化学的に結合した化合物である。ポリイミド(PI)系化合物は、2無水物系単分子とジアミン系単分子に含まれた単分子を極性溶媒で溶解すると、ジアミン系単分子に含まれた単分子のアミノ基が、2無水物系単分子の酸無水物基を求核攻撃(nucleophlic attack)するイミド化反応により製造することができる。ジアミン系単分子を構成する単分子、即ち、光反応性フッ化ジアミン系単分子、アルキル化芳香族ジアミン系単分子、芳香族ジアミン系単分子及び脂肪族環置換の芳香族ジアミン系単分子は、イミド化反応の前に混合されている。
【0458】
負の電気特性を有する表面配向反応物10は、約44モル%〜約54モル%であってもよく、より好ましくは、約49モル%の脂環式2無水物系単分子と、約0.5モル%〜約1.5モル%であってもよく、より好ましくは、約1モル%の光反応性フッ化ジアミン系単分子と、約12モル%〜約18モル%であってもよく、より好ましくは、約15モル%のアルキル化芳香族ジアミン系単分子と、約25モル%〜約35モル%であってもよく、より好ましくは、約30モル%の
芳香族ジアミン系単分子と、約2モル%〜約6モル%であってもよく、より好ましくは、約4モル%の脂肪族環置換の芳香族ジアミン系単分子と、約0.5モル%〜約1.5モル%であってもよく、より好ましくは、約1モル%の芳香族エポキシド系単分子からなる。表面配向反応物10のモル%組成比は、溶媒を除いたモル%である。
【0459】
脂環式2無水物系単分子は、図6bと関連して前述した説明と同様である。脂環式2無水物系単分子は、表面配向反応物10に含まれた高分子物質が溶媒によく溶解されるようにし、配向膜の電気光学特性、例えば、電圧維持率(VHR,voltage holding ratio)を向上し、残留DC(RDC,Residual Direct Current)電圧を低くする。電圧維持率は、画素電極にデータ電圧が印加されない間、液晶層が充電された電圧を維持する程度をいい、電圧維持率が100%に近いほど理想的である。電圧維持率が大きいほど、液晶表示装置の画質特性はよくなる。残留DC電圧は、イオン化した液晶層の不純物が配向膜に吸着され、外部から印加された電圧がなくても液晶層にかかれている電圧をいい、残留DC電圧が低いほど、液晶表示装置の画質特性はよくなる。
【0460】
光反応性フッ化ジアミン系単分子は、紫外線により硬化されて光硬化層35、36を形成する。フッ素原子(F)がベンゼンの特定方向に結合するので、光反応性フッ化ジアミン系単分子は、負の電気特性を有する。本発明の実施形態により、光反応性フッ化ジアミン系単分子の化学構造は、下記構造式XVI-Fで表される単分子であってもよく、より具体的には、構造式XVI-Fで表されるモノメタクリル酸フッ化ベンゼンジアミン系単分子であってもよい。
【0461】
構造式XVI-F

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【0462】
式中、P2は、フッ化アリールアクリレート系反応性メゾゲン(RM)であり、下記構造式XVI-F-P2-11、XVI-F-P2-21、XVI-F-P2-22、XVI-F-P2-23、XVI-F-P2-31、XVI-F-P2-32、XVI-F-P2-41及びこれらの混合物から選択されるものであってもよい。また、Wは、芳香族環であって、図6bと関連して説明した構造式VII〜構造式IXの中のいずれかであってもよい。R´は図6bと関連して説明した。
構造式XVI-F-P2-11

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【0463】
構造式XVI-F-P2-21

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【0464】
構造式XVI-F-P2-22


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【0465】
構造式XVI-F-P2-23

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【0466】
構造式XVI-F-P2-31

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【0467】
構造式XVI-F-P2-32

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【0468】
構造式XVI-F-P2-41

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【0469】
式中、フッ素(F)原子がベンゼンと結合してP2は負の電気特性を帯びる。
【0470】
モノメタクリル酸フッ化ベンゼンジアミン単分子は、下記構造式XVII−Fで表される。
【0471】
構造式XVII−F

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【0472】
式中、nは1〜6の整数であってもよい。
【0473】
モノメタクリル酸フッ化ベンゼンジアミン系単分子は、モノメタクリル酸ヒドロキシフッ化ビフェニル中間体とブロモアルキルベンゼンジアミン誘導体とを極性溶媒中に混合すると、ビフェニル中間体のヒドロキシ基がジアミン誘導体のブロモ基を求核攻撃して、ブロモ基が離脱することにより製造され得る。モノメタクリル酸ヒドロキシフッ化ビフェニル中間体は、メタクリル酸クロリドとジヒドロキシフッ化ビフェニル分子とを極性溶媒中で混合すると、エステル化反応により合成され得る。
【0474】
アルキル化芳香族ジアミン系単分子は、図6bと関連して前述した物質と同様である。表面配向反応物10に含まれたアルキル化芳香族ジアミン系単分子は、垂直配向性単分子である。アルキル化芳香族ジアミン系単分子は、無極性の特性を有してもよい。
【0475】
芳香族ジアミン系単分子は、図6bと関連して前述した物質と同様である。芳香族ジアミン系単分子は、表面配向反応物10に含まれた高分子物質が溶媒によく溶解されるようにする。
【0476】
脂肪族環置換の芳香族ジアミン系単分子は、図6bと関連して前述した物質と同様である。脂肪族環置換の芳香族ジアミン系単分子は、下部表示板又は上部表示板に対して液晶分子を垂直に配向する垂直配向性単分子である。
【0477】
芳香族エポキシド系単分子は、図6bと関連して前述した物質と同様である。芳香族エポキシド系単分子は、架橋構造を形成するので、2無水物系単分子とジアミン系単分子とが結合できるようにするか、ジアミン系単分子が結合された2無水物系単分子と2無水物系単分子とが結合できるようにする。芳香族エポキシド系単分子は、膜の物性を向上させ、耐熱性及び耐化学性を向上させる。
【0478】
負の電気特性を有する表面配向反応物10は、光開始剤を含んでもよい。光開始剤は、前述したものであってもよく、又はα−ヒドロキシケトン(Irgacure-127、Ciba社製,Swiss)、メチルベンゾイルホルマート(Irgacure-754、Ciba社製,Swiss)、アクリロホスフィンオキシド(Irgacure-819, Ciba社製,Swiss)、チタノせン(Irgacure-784, Ciba社製, Swiss)、α−アミノアセトフェノン(Irgacure-369, Ciba社製, Swiss)、α−アミノケトン(Irgacure-379, Ciba社製,Swiss)、α−ヒドロキシケトン(Irgacure-2959, Ciba社製, Swiss)、オキシムエステル(Irgacure-OXE01、Ciba社製, Swiss)、オキシムエステル(Irgacure-OXE02, Ciba社製, Swiss)、又はアクリロホスフィンオキシド(Irgacure-TPO, Ciba社製, Swiss)であってもよい。
【0479】
本発明の一実施形態により、負の電気特性を有する表面配向反応物10は、塩素原子(Cl)又は塩素分子(Cl)が結合した負の電気特性の反応性メゾゲン(RM)を含んでもよい。
【0480】
本発明の一実施形態により、負の電気特性を有する表面配向反応物10は、2無水物系単分子とジアミン系単分子とが化学的に結合した化合物からなってもよい。
【0481】
本発明の一実施形態により、架橋剤と負の電気特性を有する表面配向反応物10との混合により表面配向反応物10が構成され得る。
【0482】
本発明の一実施形態により、表面配向反応物10は、負の電気特性を有する反応性メゾゲン(RM)と主配向膜を形成する物質との混合物であってもよい。
【0483】
本発明の一実施形態により、表面配向反応物10は、一部の領域で間隔材、カラーフィルタ又は絶縁膜と直接接触するように塗布することができる。
【0484】
塗布した負の電気特性を有する表面配向反応物10は、前述の1次加熱工程により加熱する。1次加熱の間、表面配向反応物10を構成する反応性メゾゲン(RM)成分と主配向膜を形成する垂直配向成分の単分子は、下部膜に対して垂直方向に整列する。なお、表面配向反応物10を構成する物質の側鎖に連結された反応性メゾゲン(RM)分子が表面配向反応物10の表面で発現できる。1次加熱の間、負の電気特性を有する表面配向反応物10は、図8cと関連して前述した相分離現象を有しないことができる。
【0485】
1次加熱の後、負の電気特性を有する表面配向反応物10は、前述の2次加熱工程により加熱する。2次加熱の間、表面配向反応物10の溶媒が蒸発され、架橋剤は架橋構造を形成して主配向膜が形成される。
【0486】
2次加熱の後、負の電気特性を有する表面配向反応物10は、純水(DIW)により洗浄し、イソプロピルアルコール(IPA)によりさらに洗浄し得る。洗浄後、表面配向反応物10は乾燥する。
【0487】
乾燥の後、下部表示板100の上にシール材を形成する。シール材は、前述の方法と同様に、下部表示板100の外郭領域、表面配向反応物10と一部重なるように、下部表示板100又は上部表示板200の外郭領域に形成され得る。シール材は、前述した材料であってもよく、約300nm〜約400nm波長の紫外線又は後述の約400nm以上の可視光線により硬化することができる。
【0488】
乾燥の後、上部表示板200の上に、前述の方法と同様に、上板の共通電圧印加点(図示せず)と液晶層が形成される。
【0489】
シール材と液晶層が形成された後、下部表示板100と上部表示板200は、真空チャンバでシール材により合着される。
【0490】
合着の後、シール材は前述したように、約300nm〜約400nm波長の紫外線又は後述の約400nm以上の可視光線により照射され、約80%が硬化される。以後、シール材は、約100℃で約70分間熱硬化する。
【0491】
合着の後、液晶分子の拡散性及び均一性を向上するため、下部及び上部表示板は、約100℃〜約120℃のチャンバの中で、約60分〜約80分間アニールする。
【0492】
アニールした後、図7a及び図7bと関連して前述したDC電圧供給又は多段階の電圧供給により、表示板100、200の画素電極と共通電極に電圧が供給される。液晶層に電気場が形成される過程は、また、図7aと図7bと関連して前述した説明と類似である。負の電気特性を持たない反応性メゾゲン(RM)は、液晶分子と相互作用を通じて電気場で傾くように配列される。しかし、本発明による反応性メゾゲン(RM)分子は、負の電気特性を有するので、液晶分子と同時に電気場で傾くように配列される。従って、負の電気特性を有する反応性メゾゲン(RM)は、より容易に、かつ均一に傾くように整列できるという利点を有する。
【0493】
液晶分子と反応性メゾゲン(RM)高分子物質が一定の傾斜角で配列している間、液晶表示板組立体に光が照射される電界露光工程が進行される。電界露光工程と、光硬化層35、36が液晶分子31のプレチルトを形成する方法は、前述したステップS254と実質的に類似であるので、簡略に説明する。
【0494】
反応性メゾゲン(RM)高分子と液晶分子が傾斜して配列している間、紫外線が入射すると、入射した紫外線により反応性メゾゲン(RM)は、周辺の液晶分子31と実質的に類似の方向に硬化される。反応性メゾゲン(RM)のアクリレート反応基が紫外線により、架橋又は硬化して光硬化層35、36を形成する方法は、前述と同様である。このように配列した状態で硬化された反応性メゾゲン(RM)は、主配向膜の上に光硬化層35、36を形成し、光硬化層35、36に隣接した液晶分子は、硬化された反応性メゾゲン(RM)によりプレチルト角を有する。2次加熱工程で形成された主配向膜と光硬化により形成された光硬化層35、36は配向膜を構成する。
【0495】
本発明の一実施形態により前述した蛍光露光工程が進行され得る。
【0496】
このように製造した液晶表示板組立体300は、図6bと関連して前述したSC-VAモードの特性を有し、より均一なプレチルト角の光硬化層35、36を有する。即ち、従来技術の非極性光硬化層より本発明の光硬化層35、36は、液晶分子のプレチルト角を均一に形成する利点を有する。また、液晶表示装置が駆動されるとき、液晶層に形成された電気場により負の電気特性の光硬化層が制御され、制御された光硬化層は液晶分子を制御するために、液晶分子の応答速度が速くなる。従って、本発明の液晶表示装置は、テクスチャの発生を減らし、高速駆動による動映像の特性を向上できる。また、反応性メゾゲン(RM)が負の電気特性を有するので、低い露光電圧により光硬化層35、36が形成され得る。
本発明の一実施形態により、主配向膜を形成する垂直配向成分の高分子、例えば、ジアミン系単分子を構成するアルキル化芳香族ジアミン系単分子が、負の電気特性を有することができる。負の電気特性を有する垂直配向性高分子は、電気場により制御される液晶分子の動きを速くする。従って、これを有する液晶表示装置は、迅速な応答速度の特性を有することができる。
【0497】
本発明の一実施形態により、光硬化層を形成する単分子又は主配向膜を形成する垂直配向成分の単分子は、正の電気特性を有してもよい。正の電気特性を有する配向膜は、前述した負の電気特性を有する配向膜と同一の効果を有する。
【0498】
本発明の一実施例により、光硬化層を形成する単分子又は主配向膜を形成する垂直配向成分の単分子は、負又は正の誘電率異方性の特性を有することができる。
負又は正の誘電率異方性は、液晶層に形成された電気場により分極される物質を含むために、発生することができる。負又は正の誘電率異方性の特性を有する配向膜は、前述の負の電気特性を有する配向膜と同一の効果を現す。
【0499】
以下、前述した方法により製造された負の電気特性の配向膜を有する液晶表示装置の特性について説明する。負の電気特性を有する配向膜は、フッ素原子(F)が結合された反応性メゾゲン(RM)を有する表面配向反応物10により形成された。
【0500】
液晶表示装置を製造するため、負の電気特性を有する表面配向反応物10は、脂環式2無水物系単分子として、約49モル%のトリシクロヘキシル2無水物と、光反応性フッ化ジアミン系単分子として、約1モル%のモノメタクリル酸フッ化ベンゼンジアミンと、アルキル化芳香族ジアミン系単分子として、約15モル%のモノアルキル化フェニルシクロヘキシルベンゼンジアミン系単分子と、芳香族ジアミン系単分子として、約30モル%のターフェニルジアミンと、脂肪族環置換の芳香族ジアミン系単分子として、約4モル%のコレステリルベンゼンジアミンと、及び、芳香族エポキシド系単分子として、約1モル%のヘキサエポキシベンゼン誘導体からなっている。成分のモル%は、表面配向反応物10に対するモル%であり、溶媒は表面配向反応物10の成分比に含まれていない。
【0501】
液晶表示装置の画素(PX)の構造は、実質的に図3の構造と同様であった。画素電極191の微細枝197の幅は約3μmであり、液晶層3のセル間隔は、約3.6μmであった。露光電圧は約20Vであり、電界露光工程における紫外線の強度は、約6.55J/cm2であった。蛍光露光工程に適用した紫外線の照度は、約0.15mW/cmであり、照射時間は約40分であった。そして、液晶表示装置の動作は、図11を参照しながら前述の電荷共有方式の1G1D駆動で動作された。
【0502】
本発明の実施形態により、負の電気特性の配向膜を有する液晶表示装置は、良好な水準のテクスチャを有し、240hzの高速駆動にもテクスチャの発生がなく、良好な品質特性を示した。
【0503】
<実施形態3>
本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の配向膜は、リジッド(rigid)垂直配向の側鎖を有する。リジッド(rigid)垂直配向の側鎖は、配向膜291、292を構成する主配向膜33、34に含まれる。リジッド(rigid)垂直配向の側鎖を有する主配向膜は、配向膜の近傍で液晶分子が過度にプレチルトするのを防止する。配向膜の近傍で液晶分子が過度にプレチルト角を有すると、液晶表示装置はブラック映像で光漏れ不良を有し、液晶表示装置のコントラスト比又は画質の鮮明度は低下する。本発明の実施形態により製造したリジッド(rigid)垂直配向の側鎖を有する配向膜は、液晶表示装置の光漏れ不良を減少し、液晶表示装置の画質を向上させる。
【0504】
本実施形態が、前述した負の電気特性を有する配向膜の製造方法と実質的に異なる点は、表面配向反応物10を構成する材料と側鎖に連結されたリジッド垂直配向成分の構造である。また、液晶表示板組立体に照射される紫外線の強度が、図6bと関連して前述したSC-VAモードの方法でより大きくてもよい。本実施形態の特徴的な点を除いた他のことは、前述した負の電気特性を有する配向膜の製造方法と実質的に類似であるので、以下の説明において便宜上、重複された説明は簡略に説明するか、省略する。しかし、本実施形態の特徴的な点、即ち表面配向反応物10を構成する材料、垂直配向成分の構造及び液晶表示板組立体に照射される紫外線の強度について詳細に説明する。
【0505】
以下、リジッド垂直配向成分を有する配向膜の形成過程について詳細に説明する。前述の説明と同様に、リジッド垂直配向性分を有する表面配向反応物10が、画素電極191及び共通電極270の上に塗布される。
リジッド垂直配向性分を有する表面配向反応物10は、光反応性単分子を有する光硬化剤とリジッド垂直配向成分を有し、主配向膜を形成する物質が化学的に結合した化合物である。光硬化剤は、前述した光反応性高分子物質、反応性メゾゲン(RM)、光重合性物質、光異性化物質及びこれらの化合物又は混合物から選択された少なくとも1種の物質であって、硬化されて光硬化層35、36を形成する。また、光硬化剤は、主配向膜を形成する物質の側鎖に結合され得る。主配向膜を形成する物質は、前述したように、液晶分子31を基板110、210又は画素電極191の平面に対して垂直方向に配向する垂直配向物質である。本発明により、主配向膜を形成する物質は、後述の脂環式2無水物系単分子とアルキル化芳香族ジアミン系単分子の化合物であり得る。アルキル化芳香族ジアミン系単分子は、垂直配向を堅固に(リジッド)するようにし、ベンゼンに結合した板状形のサイクリック環を有してもよい。主配向膜を形成する物質は、芳香族ジアミン系単分子又は架橋剤を含むことができる。また、主配向膜を形成する物質は、前述した表面主配向物質32aであってもよい。
【0506】
以下、リジッド垂直配向成分の側鎖を有する表面配向反応物10について詳細に説明する。リジッド垂直配向成分の側鎖の配向膜を形成する表面配向反応物10は、
脂環式2無水物系単分子のような2無水物系単分子、光反応性ジアミン系単分子、アルキル化芳香族ジアミン系単分子及び芳香族ジアミン系単分子のようなジアミン系単分子、そして芳香族エポキシド系単分子のような架橋剤を含む高分子物質であってもよい。
【0507】
本発明の一実施形態により、リジッド垂直配向成分の側鎖を有する表面配向反応物10は、ポリイミド(PI)系化合物と架橋剤との混合物である。ポリイミド(PI)系化合物は、2無水物系単分子とジアミン系単分子とが化学的に結合した化合物である。ポリイミド(PI)系化合物は、前述したように、2無水物系単分子とジアミン系単分子に含まれた単分子のイミド化反応により製造され得る。ジアミン系単分子を構成する単分子、即ち光反応性ジアミン系単分子、アルキル化芳香族ジアミン系単分子及び芳香族ジアミン系単分子は、イミド化反応の前に混合されている。
【0508】
リジッド垂直配向の側鎖の配向膜を形成する表面配向反応物10は、約38モル%〜約48モル%であってもよく、より好ましくは、約43モル%の脂環式2無水物系単分子と、約5モル%〜約11.5モル%であってもよく、より好ましくは、約8.5モル%の光反応性ジアミン系単分子と、約3.5モル%〜約9.5モル%であってもよく、より好ましくは、約6.5モル%のアルキル化芳香族ジアミン系単分子と、約23モル%〜約33モル%であってもよく、より好ましくは、約28モル%の芳香族ジアミン系単分子と、約11モル%〜約17モル%であってもよく、より好ましくは、約14モル%の芳香族エポキシド系単分子からなる。表面配向反応物10のモル%組成比は、溶媒を除いたモル%である。
【0509】
脂環式2無水物系単分子は、表面配向反応物10に含まれた高分子が溶媒によく溶解されるようにし、配向膜の電気光学特性、例えば、電圧維持率(VHR)を増加し、残留DC電圧を減らす。脂環式2無水物系単分子の化学構造は、下記構造式XVI−RCAで表されるシクロブチル2無水物単分子であってもよい。
【0510】
構造式 XVI−RCA

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【0511】
光反応性ジアミン系単分子は、反応性メゾゲン(RM)を包含し、紫外線により硬化されて光硬化層35、36を形成する。また、光反応性ジアミン系単分子は、光硬化層35、36のプレチルトと光硬化層35、36に近接する液晶分子のプレチルトを決定する役割を果たす。光反応性ジアミン系単分子の化学構造は、下記構造式XVI−RC又はXVI−RAで表される単分子であってもよく、より具体的には、構造式XVI−RC1、XVI−RC2、XVI−RC3、XVI−RC4、XVI−RA1、XVI−RA2、XVI−RA3、XVI−RA4、XVI−RA5又は XVI−RA6で表される単分子であってもよい。
【0512】
構造式XVI−RC

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【0513】
式中、XRCは、アルキル、エーテル、エステル、フェニル、シクロヘキシル、及びフェニルエステルの中のいずれかであってもよい。YRCは、アルキル、フェニル、ビフェニル、シクロヘキシル、ビシクロヘキシル、及びフェニルシクロヘキシルの中のいずれかであってもよい。
【0514】
構造式XVI−RA

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【0515】
式中、ZRAは、アルキル、アルキルエーテル、アルキルエステル、アルキルフェニルエステル、アルキルフェニルエーテル、アルキルビフェニルエステル、アルキルビフェニルエーテル、フェニルエーテル、フェニルエーテルアルキル、ビフェニルエーテル、ビフェニルエーテルアルキル、シクロヘキシルアルキル、ビシクロヘキシルアルキル、及びシクロヘキシルアルキルエステルの中のいずれかであってもよい。
【0516】
構造式XVI−RC1

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【0517】
構造式XVI−RC2

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【0518】
構造式XVI−RC3

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【0519】
構造式XVI−RC4

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【0520】
構造式XVI−RA1

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【0521】
構造式XVI−RA2

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【0522】
構造式XVI−RA3

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【0523】
構造式XVI−RA4

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【0524】
構造式XVI−RA5

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【0525】
構造式XVI−RA6

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【0526】
光反応性ジアミン系単分子は、デシルシンナモイルベンゼンジアミン単分子又はモノメタクリル酸ベンゼンジアミン単分子であり得る。デシルシンナモイルベンゼンジアミン単分子は、デシルシンナモイルフェノール中間体とジアミノベンゾイルクロリド誘導体とを極性溶媒に混合し、この混合物のエステル化反応により製造することができる。デシルシンナモイルフェノール中間体は、ヒドロキシベンゼンシンナモイルクロリドとデシルアルコールを極性溶媒中で混合し、この混合物のエステル化反応により製造することができる。モノメタクリル酸ベンゼンジアミン単分子は、ヒドロキシアルキルベンゼンジアミン誘導体とメタクリル酸クロリドを極性溶媒中で混合し、この混合物のエステル化反応により製造することができる。
【0527】
他の実施形態により、光反応性ジアミン系単分子は、構造式XVI−RDで表されるアクリルシンナモイルハイブリッドベンゼンジアミン単分子であり得る。アクリルシンナモイルハイブリッドベンゼンジアミン単分子は、アクリレート反応基とシンナメート反応基を共に有する。アクリレート反応基は側鎖と架橋を形成し、シンナメート反応基は、互いに結合してプレチルト角を大きくする。
【0528】
構造式XVI−RD

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【0529】
式中、Xは、炭素数1〜10のアルキル基、エーテル及びエステルの中のいずれかであってもよく、Yは、アルキル、フェニル、ビフェニル、シクロヘキシル、ビシクロヘキシル、及びフェニルシクロヘキシルの中のいずれかであってもよい。
【0530】
アルキル化芳香族ジアミン系単分子は、垂直配向成分の単分子である。ベンゼンに結合したサイクリック環は、垂直配向を堅固に(リジッド)するようにする。アルキル化芳香族ジアミン系単分子と隣接した液晶分子は、垂直方向に整列する。サイクリック環は、板状形分子であり得る。アルキル化芳香族ジアミン系単分子の化学構造は、構造式XVIII−RCA1で表されるオクタデシルシクロヘキシルベンゼンジアミン又は構造式XVIII−RCA2で表されるアルキル化脂肪族芳香族ベンゼンジアミンであってもよい。
【0531】
構造式XVIII−RCA1

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【0532】
構造式XVIII−RCA2

[この文献は図面を表示できません]
【0533】
式中、XR2は、エーテル又はエステルである。YR2は、エーテルであってもよい。n2は、10〜20であってもよい。a2及びb2は、0〜3であってもよく、a2とb2が両方とも0であることはない。
【0534】
オクタデシルシクロヘキシルベンゼンジアミン単分子は、オクタデシルシクロヘキサノール中間体とジアミノベンゾイルクロリド誘導体を極性溶媒中で混合し、この混合物のエステル化反応により製造することができる。オクタデシルシクロヘキサノール中間体は、ブロモオクタデカンとシクロヘキサンジオルを極性溶媒中で混合し、この混合物でシクロヘキサンジオルのヒドロキシ基が、ブロモオクタデカンのブロモ基を求核攻撃してブロモ基が離脱することにより製造できる。
【0535】
芳香族ジアミン系単分子は、表面配向反応物10に含まれた高分子物質が溶媒によく溶解されるようにする。芳香族ジアミン系単分子の化学構造は、構造式VI−RCAで表されるジフェニルジアミンであってもよい。
【0536】
構造式VI−RCA

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【0537】
式中、Xは、脂肪族化合物であってもよい。
【0538】
芳香族エポキシド系単分子は、架橋構造を形成して熱安定性と耐化学性を向上させる。芳香族エポキシド系単分子の化学構造は、構造式XIII−RVAで表されるエポキシベンゼン誘導体であってもよい。
【0539】
構造式XIII−RVA

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【0540】
表面配向反応物10に前述の光開始剤を添加してもよい。リジッド垂直配向成分を有する表面配向反応物10は、負の電気特性を有する表面配向反応物10と異なって、負の電気特性の高分子物質を持たなくてもよい。
【0541】
塗布されたリジッド垂直配向成分を有する表面配向反応物10は、前述の方法により1次加熱する。1次加熱しながら、表面配向反応物10を構成する光反応性ジアミン系を構成する反応性メゾゲン(RM)と主配向膜を形成する垂直配向成分のアルキル化芳香族ジアミン系単分子は、下部膜に対して垂直に整列する。1次加熱の間、表面配向反応物10は、図8cと関連して前述した相分離現象を現さなくてもよい。
【0542】
1次加熱した表面配向反応物10は、前述の方法により2次加熱する。2次加熱されつつ、表面配向反応物10の溶媒が蒸発する。2次加熱で、反応性メゾゲン(RM)の側鎖が表面配向反応物10の表面で形成され得る。2次加熱の後、表面配向反応物10は、前術の方法により洗浄され、乾燥される。
【0543】
乾燥の後、前述の方法によりシール材が形成される。シール材は、前述のように、約300nm〜約400nm波長の紫外線により硬化されるか、約400nm以上の波長で硬化され得る。以後、前述した方法により、上板の共通電圧印加点(図示せず)と液晶層が形成され、下部表示板100と上部表示板200は合着される。シール材は、前述のように、光又は熱により硬化される。
【0544】
合着された表示板は、前述の方法によりアニールし、DC電圧供給又は多段階電圧供給により電圧供給が行われる。
【0545】
供給された電圧により、液晶分子と反応性メゾゲン(RM)が、一定の傾斜角で配列されている間、合着された液晶表示板組立体に前述の方法により電界露光工程が進行される。反応性メゾゲン(RM)は、負の電気特性を有する配向膜を形成する方法とは異なって、液晶分子と相互作用をして、一定の傾斜角で配列され得る。本発明の実施形態によるリジッド垂直配向成分を有する液晶表示板組立体には、前述の紫外線の強度より大きい強度の紫外線が照射されてもよい。本発明の一実施形態により液晶層に電界が形成されている間、液晶表示板組立体に照射される紫外線の強度は、約6J/cm2〜17.5J/cm2であってもよく、より好ましくは、約12J/cm2であってもよい。反応性メゾゲン(RM)は、光により硬化されて主配向膜の上に光硬化層35、36を形成し、前述のように、光硬化層35、36はプレチルト角を有する。しかし、本発明による主配向膜は、リジッド垂直配向成分を有するので、光硬化層35、36のプレチルト角は小さくてもよい。光硬化層35、36のプレチルト角が小さいと、ブラック映像より光漏れが減るので、液晶表示装置の画質は改善され、コントラスト比は大きくなる。
【0546】
以後、前述のような蛍光露光工程が進行され得る。
【0547】
このように進行すると、リジッド垂直配向成分を有する表面配向反応物10は、配向膜を形成し、液晶表示板組立体300が製造される。本発明により製造したリジッド垂直配向の側鎖を有する配向膜は、液晶表示装置のブラック光漏れの不良を減少することができる。
【0548】
本発明の実施形態により、リジッド垂直配向の側鎖を有する主配向膜33、34を含む配向膜291、292を有する液晶表示装置が製造された。リジッド垂直配向の側鎖を有する表面配向反応物10は、脂環式2無水物系単分子として、約43モル%のシクロブチル2無水物と、光反応性ジアミン系単分子として、約8.5モル%のモノメタクリル酸ベンゼンジアミンと、アルキル化芳香族ジアミン系単分子として、約6.5モル%のオクタデシルシクロヘキシルベンゼンジアミンと、芳香族ジアミン系単分子として、約28モル%のジフェニルジアミンと、芳香族エポキシド系単分子として、約14モル%のエポキシベンゼン誘導体からなっている。各成分のモル%は、表面配向反応物10に対するモル%であり、溶媒は表面配向反応物10の成分比に含まれなかった。
【0549】
液晶表示板組立体は、前述の方法により製造した。液晶表示装置の画素(PX)の構造は、実質的に図3の構造と類似した。液晶層3のセル間隔は、約3.6μmであり、画素電極191の微細枝197の幅は、3μmであり、露光電圧はDC電圧供給方式により、約7.5V、10V、20V、30V及び40Vであり、電界露光工程における紫外線の強度は、約7J/cm2、9J/cm2、11J/cm2,12J/cm2及び15J/cm2であった。このように製造した液晶表示装置の動作は、図11と関連して前述した電荷共有方式の1G1D駆動で動作された。
【0550】
このように製造した液晶表示装置の応答速度は、約0.01秒〜約0.014秒であり、ブラック残像はレベル約2で良好であった。
<実施形態4>
本発明の一実施形態により、配向膜を形成する表面配向反応物10は、光硬化剤と架橋剤とが結合した化合物を有する。光硬化剤が架橋剤と結合した状態で表面配向反応物10が構成されるので、液晶表示板組立体を製造する過程で発生する未硬化の光硬化剤が減少する。未硬化の光硬化剤は、液晶表示装置で残留DCを増加させ、残像不良を生じる。本発明の実施形態により、光硬化剤と架橋剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10により製造された配向膜は、液晶表示装置の残像を減らす。
【0551】
本発明の実施形態は、表面配向反応物10を構成する材料と、光硬化剤と結合した架橋剤が主配向膜の側鎖と結合するのを除いて、前述の負の電気特性の配向膜191、192を有する液晶表示板組立体を製造する方法と実質的に類似である。以下、説明の便宜上、重複された説明は簡略に説明するか、省略する。
【0552】
以下、光硬化剤と架橋剤とが結合した化合物で配向膜を形成する過程について詳細に説明する。前述の方法により、光硬化剤と架橋剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10が、画素電極191を有する下部表示板100と共通電極270を有する上部表示板200に塗布される。
【0553】
光硬化剤と架橋剤とが結合した化合物は、主配向膜を形成する物質と混合されて表面配向反応物10を構成する。光硬化剤は、架橋剤と化学的に結合しているために、イオン性不純物の発生を減らす。光硬化剤は、前述の光反応性高分子物質、反応性メゾゲン(RM)、光硬化剤、光重合性物質又は光異性化物質であってもよく、光硬化層を形成する。主配向膜を形成する物質は、前述した物質であればよく、液晶分子31を基板110、210又は画素電極191の平面に対して垂直方向に配向する。
【0554】
以下、光硬化剤と架橋剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10の材料について詳細に説明する。本発明の一実施形態により、光硬化剤と架橋剤とが結合した化合物を有する表面配向反応物10は、ポリイミド(PI)系化合物と架橋剤との混合物である。ポリイミド(PI)系化合物は、2無水物系単分子とジアミン系単分子が化学的に結合した化合物である。ポリイミド(PI)系化合物は、前述のように、2無水物系単分子とジアミン系単分子に含まれた単分子のイミド化反応により製造されることができる。ジアミン系単分子を構成する単分子、即ち、アルキル化芳香族ジアミン系単分子及び芳香族ジアミン系単分子は、イミド化反応の前に混合される。
【0555】
本発明の一実施形態により、光硬化剤は反応性メゾゲン(RM)である。従って、反応性メゾゲン(RM)と架橋剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10は、脂環式2無水物系単分子のような2無水物系単分子、アルキル化芳香族ジアミン系単分子及び芳香族ジアミン系単分子のようなジアミン系単分子、そして芳香族アクリルエポキシド系単分子のような架橋剤を含む高分子物質であってもよい。本発明の実施形態により、芳香族アクリルエポキシド系単分子は、反応性メゾゲン(RM)と架橋剤が結合した化合物である。
反応性メゾゲン(RM)と架橋剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10は、約31モル%〜約41モル%であってもよく、より好ましくは、約36モル%の脂環式2無水物系単分子と、約3モル%〜約9モル%であってもよく、より好ましくは、約6モル%のアルキル化芳香族ジアミン系単分子と、約25モル%〜約35モル%であってもよく、より好ましくは、約30モル%の芳香族ジアミン系単分子と、約23モル%〜約33モル%であってもよく、より好ましくは、約28モル%の芳香族アクリルエポキシド系単分子からなる。表面配向反応物10のモル%組成比は、溶媒を除いたモル%である。
【0556】
脂環式2無水物系単分子は、表面配向反応物10に含まれた高分子が溶媒によく溶解されるようにし、配向膜の電気光学特性、例えば、電圧維持率(VHR)を増加し、残留DC電圧を減らす。脂環式2無水物系単分子の化学構造は、前述の構造式XVI−RCAで表されるシクロブチル2無水物の単分子であり得る。
アルキル化芳香族ジアミン系単分子は、垂直配向成分の単分子である。ベンゼンに結合したサイクリック環は、垂直配向を堅固に(リジッド)するようにする。サイクリック環は、板状形の分子であってもよい。アルキル化芳香族ジアミン系単分子の化学構造は、前述の構造式XVIII−RCA1又はXVIII−RCA2で表されるオクタデシルシクロヘキシルベンゼンジアミン又はアルキル置換の脂肪族芳香族ベンゼンジアミンであってもよい。
【0557】
芳香族ジアミン系単分子は、表面配向反応物10に含まれた高分子物質が溶媒によく溶解されるようにする。芳香族ジアミン系単分子の化学構造は、前述の構造式VI−RCAで表されるジフェニルジアミンであってもよい。
【0558】
芳香族アクリルエポキシド系単分子は、架橋構造を形成して熱安定性と耐化学性を向上させ、紫外線により硬化されてプレチルト角を有する光硬化層を形成する。芳香族アクリルエポキシド系単分子は、架橋剤であるエポキシ分子と、光硬化剤であるアクリレート分子が化学的に結合した化合物である。光硬化剤が架橋剤と結合しているので、イオン性不純物の発生が減少され得る。芳香族アクリルエポキシド系単分子の化学構造は、構造式XIII−Cで表されるアクリルエポキシハイブリッドベンゼン誘導体であってもよい。
【0559】
構造式XIII−C

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【0560】
式中、YCは、フェニル誘導体であってもよい。
【0561】
アクリルエポキシハイブリッドベンゼン誘導体は、エポキシ置換のフェノール誘導体とメタクリル酸クロリドを極性溶媒中で混合し、この混合物のエステル化反応により製造することができる。
【0562】
表面配向反応物10に前述の光開始剤を添加してもよい。光硬化剤と架橋剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10は、負の電気特性を有する表面配向反応物10と異なって、負の電気特性の高分子物質を持たなくてもよい。
【0563】
塗布の後、反応性メゾゲン(RM)と架橋剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10は、前述の方法により1次加熱する。1次加熱しながら、反応性メゾゲン(RM)成分と主配向膜を形成する垂直配向成分の単分子は、下部膜に対して垂直に整列する。1次加熱の間、反応性メゾゲン(RM)と架橋剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10は、図8cと関連して前述した相分離現象を有さないことができる。
【0564】
1次加熱した表面配向反応物10は、前述の方法により2次加熱する。2次加熱により、表面配向反応物10の溶媒が蒸発する。更に、反応性メゾゲン(RM)と結合した架橋剤が、主配向膜を形成する高分子物質の側鎖に結合される。従って、反応性メゾゲン(RM)の側鎖が、表面配向反応物10の表面に形成される。
2次加熱の後、表面配向反応物10は、前術の方法により洗浄した後、乾燥する。乾燥の後、前述の方法によりシール材が形成される。シール材は、前述のように、約300nm〜約400nm波長の紫外線により硬化されるか、又は約400nm以上の波長で硬化され得る。以後、前述した方法により、上板の共通電圧印加点(図示せず)と液晶層が形成され、下部表示板100と上部表示板200は合着される。シール材は、前述のように、光又は熱により硬化される。
【0565】
合着された表示板は、前述の方法によりアニールされ、DC電圧供給又は多段階電圧供給により電圧の供給を受ける。液晶層に電気場が形成される過程は、前述した過程と実質的に類似である。垂直に整列したメゾゲン(RM)は、負の電気特性を有する配向膜を形成する方法と異なって、液晶分子との相互作用により電気場で傾くように配列される。供給された電圧により、液晶分子と反応性メゾゲン(RM)が一定の傾斜角で配列されている間、合着された液晶表示板組立体に前述の方法により電界露光工程が進行される。光により反応性メゾゲン(RM)のアクリレート反応基が硬化され、反応性メゾゲン単分子間のネットワークが形成される。ネットワークで形成された反応性メゾゲン(RM)は、プレチルト角を有し、主配向膜の上に光硬化層35、36を構成する。本発明による光硬化剤、即ち、反応性メゾゲン(RM)は架橋剤と結合されているので、未硬化の反応性メゾゲン(RM)は非常に少ない。また、イオン性不純物の発生が少なくなる。イオン性不純物が少なく、残留DCが少ないので、液晶表示装置の残像は改善できる。
【0566】
以後、前述のような蛍光露光工程が進行され得る。
【0567】
このようにして反応性メゾゲン(RM)と架橋剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10は配向膜を形成し、液晶表示板組立体300が製造される。本発明により架橋剤と結合した化合物により製造された配向膜は、液晶表示装置の残像不良を減らすことができる。
【0568】
本発明の実施形態により、反応性メゾゲン(RM)と架橋剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10により形成された配向膜291、292が製造され、更に、これを有する液晶表示装置が製造された。本発明の実施形態により、配向膜として形成される表面配向反応物10は、脂環式2無水物系単分子として、約36モル%のシクロブチル2無水物と、アルキル化芳香族ジアミン系単分子として、約6モル%のオクタデシルシクロヘキシルベンゼンジアミンと、芳香族ジアミン系単分子として、約30モル%のジフェニルジアミンと、芳香族アクリルエポキシド系単分子として、約28モル%のアクリルエポキシハイブリッドベンゼン誘導体からなった。各成分のモル%は、表面配向反応物10に対するモル%であり、溶媒は表面配向反応物10の成分比に含まれなかった。
【0569】
液晶表示板組立体は前述の方法により製造した。液晶表示装置の画素(PX)の構造は、実質的に図3の構造と類似であった。液晶層3のセル間隔は約3.6μmであり、画素電極191の微細枝197の幅は3μmであり、露光電圧はDC電圧供給方式により、約30V、40V及び50Vであり、電界露光工程における紫外線の強度は、約9J/cm2、約12J/cm2及び17J/cm2であった。このように製造した液晶表示装置の動作は、図11と関連して前述した電荷共有方式の1G1D駆動で動作された。
【0570】
このように製造した液晶表示装置は、約336時間動作され、ブラック残像はレベル約2で良好であった。
<実施形態5>
本発明の別の実施形態により、配向膜を形成する表面配向反応物10は、無機物系物質と光硬化剤が結合した化合物を有する。即ち、光硬化剤と結合した無機物系物質からなった表面配向反応物10は、 配向膜を形成する。
【0571】
配向膜を形成する無機物系物質は、有機物系物質と異なって、液晶内のイオン不純物を吸着せず、物性変化が少なく、そして、高温で酸化されるか、又はイオン性不純物を発生することがないために、光硬化剤と結合した無機物系物質により形成された配向膜は、物性変化が少なく、安定なプレチルト角の光硬化層を有するだけでなく、長時間の動作でも、液晶表示装置の残像及びムラを減らし、電圧維持率を低下しない。なお、無機物系物質は、低温工程でも配向膜を形成できるので、配向膜の下部層を構成する材料を多様に選択できる。無機物系物質は、オルトシリケート系単分子又はシロキサン系単分子が好ましい。有機物系物質より形成された配向膜は、イミド化できなかった多量のカルボキシ基が、液晶層内のイオン不純物を吸着するので、電圧維持率を低下し、残像、ムラ、DC電圧などを発生する。ここで、イミド化とは、2無水物系と芳香族ジアミンを縮重合したポリアミック酸を熱的脱水環化したものである。
【0572】
本発明の別の実施形態により、無機物系物質は、ケイ素、アルミニウム、又はチタニウムなどを含む。無機物系物質は、SiO又はSiOなどのシリコン酸化物(SiOx)、又はMgO、ITOなどの金属酸化物であってもよい。
【0573】
本発明の実施形態は、表面配向反応物10を構成する材料と主配向膜を形成する2次加熱を除いて、前述した負の電気特性の配向膜291,292を有する液晶表示板組立体を製造する方法と実質的に類似である。以下、説明の便宜上、重複された説明は簡略に説明するか、省略する。
【0574】
以下、無機物系物質と光硬化剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10が、前述の方法により画素電極191を有する下部表示板100と、共通電極270を有する上部表示板200の上に塗布される。無機物系物質と光硬化剤は、化学的に結合できる。本発明の別の実施形態によれば、表面配向反応物10は、化学気相蒸着(CVD,Chemical Vapor Deposition)のような気相蒸着により画素電極191及び共通電極270の上に蒸着できる。
【0575】
以下、無機物系物質と光硬化剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10の材料について詳細に説明する。本発明の一実施形態により、無機物系物質と光硬化剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10は、オルトシリケート系単分子とアルコキシド系単分子に含まれたアルキルアルコール系単分子と、ビニルアルコール系単分子とが化学的に結合した化合物である。表面配向反応物10は、オルトシリケート系単分子、アルキルアルコール及びビニルアルコール単分子を極性溶媒に混合し、この混合物を酸又は塩基触媒からなった水分(HO)と攪拌すると、アルキルアルコールとビニルアルコール単分子のヒドロキシ基がオルトシリケートのシリコン原子を求核攻撃して、加水分解及び凝縮重合反応が生じることによって製造することができる。
【0576】
本発明の一実施形態により、無機物系物質は、オルトシリケート系単分子である。従って、無機物系物質と光硬化剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10は、約30モル%〜約60モル%、より好ましくは、約44モル%のオルトシリケート系単分子と光硬化剤を含む約40モル%〜約70モル%、より好ましくは、約56モル%のアルコキシド系単分子からなった高分子化合物であってもよい。オルトシリケート系単分子は、テトラアルコキシオルトシリケート単分子であってもよい。アルコキシド系単分子は、約1モル%〜約10モル%、より好ましくは、約6モル%のアルキルアルコール系単分子と、約40モル%〜約60モル%、より好ましくは、約50モル%の光硬化剤を含む単分子からなり得る。表面配向反応物10の各モル%組成比は、溶媒を除いた表面配向反応物10中のモル%である。本発明による光硬化剤を含む単分子は、ビニルアルコール系単分子、アクリル系単分子、シンナモイル系単分子及びこれらの混合物又は化合物から選ばれた少なくとも1種の物質であってもよい。
【0577】
オルトシリケート系単分子は、主配向膜の主鎖を形成し、表面配向反応物10に含まれた単分子が溶媒によく溶解されるようにし、配向膜の電気光学特性、例えば、電圧維持率(VHR)を増す。本発明の実施形態によるオルトシリケート系単分子は、テトラアルコキシオルトシリケート系単分子であってもよい。テトラアルコキシオルトシリケート系単分子の化学構造は、下記構造式XIX−T1で表されるテトラエチルオトルシリケート単分子、アルキル系単分子、又はヒドロキシ系単分子を含んでもよい。
【0578】
構造式XIX−T1

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【0579】
本発明によるオルトシリケート系単分子は、シラン化合物を重合するか、アルコキシシラン化合物を重合したポリシロキサン系高分子物質であってもよい。
【0580】
アルキルアルコール系単分子は、主鎖を成すオルトシリケート系高分子物質の側鎖に連結された垂直配向成分の単分子である。従って、アルキルアルコール系単分子は、長鎖アルキル系高分子物質を含んでもよい。アルキルアルコール系単分子の化学構造は、下記構造式XIX−A1で表されるドデカノール単分子、構造式XIX−A2で表されるコレステリル系単分子、構造式XIX−A3で表されるアルキル化脂環式系単分子、構造式XIX−A4で表されるアルキル化芳香族系単分子又はアルキル系単分子であってもよい。
【0581】
構造式 XIX−A1

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【0582】
構造式 XIX−A2

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【0583】
構造式 XIX−A3

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【0584】
構造式 XIX−A4

[この文献は図面を表示できません]
【0585】
ビニルアルコール系単分子は、ビニル系単分子であって、紫外線により硬化されてプレチルト角を有する光硬化層を形成する。ビニルアルコール系単分子は、主鎖を形成するオルトシリケート系高分子物質の側鎖に連結される。ビニルアルコール系単分子の化学構造は、構造式XIX−V1で表されるヒドロキシアルキルアクリレート系単分子又は構造式XIX−V2で表されるアルキル化ビニル系単分子であってもよい。
【0586】
構造式XIX−V1

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【0587】
構造式XIX−V2

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【0588】
式中、XVは、アルキル、エーテル又はエステルであってもよく、YVは、メチル又は水素であってもよい。シンナモイル系単分子は、主鎖をなすオルトシリケート系高分子物質の側鎖に連結され、紫外線により硬化されてプレチルト角を有する光硬化層を形成する。ヒドロキシアルキルアクリレート系単分子は、アルカンジオルとアクリル酸クロリドを極性溶媒に混合し、この混合物のエステル化反応により製造することができる。
【0589】
シンナモイル系単分子の化学構造は、構造式XIX−C1で表されるアルキル化シンナモイル系単分子であってもよい。
【0590】
構造式XIX−C1

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【0591】
式中、XCは、アルキル、エーテル、エステル、フェニル、シクロヘキシル、及びフェニルエステルの中のいずれかであってもよい。YCは、アルキル、フェニル、ビフェニル、シクロヘキシル、ビシクロヘキシル、及びフェニルシクロヘキシルの中のいずれかであってもよい。光硬化剤は、前述の光反応性高分子物質、反応性メゾゲン(RM)、光硬化剤、光重合性物質又は光異性化物質であり得る。無機物系物質と光硬化剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10に前述の光開始剤を添加してもよい。
【0592】
塗布された無機物系物質と光硬化剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10は、前述の方法により1次加熱する。1次加熱しながら、オルトシリケート系単分子の側鎖に連結された垂直配向成分のアルキルアルコール系分子と光硬化層35、36を形成する光硬化剤は、下部膜に対して垂直に整列する。1次加熱の間、無機物系物質と光硬化剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10は、図8cと関連して前述した相分離現象を有さないことができる。
【0593】
1次加熱した表面配向反応物10は、前述の2次加熱の温度より低い温度、即ち、約150℃〜約200℃、より好ましくは、約180℃で2次加熱する。2次加熱は、約1000秒〜約1400秒、より好ましくは、約1200秒間行ってもよい。2次加熱の温度が低いために、表面配向反応物10の下部膜を構成する材料は、幅広く選択することができる。本発明の一実施形態により、表面配向反応物10の下部に形成されたカラーフィルタ材料は、低い温度で工程の可能な染料であり得る。2次加熱の間、表面配向反応物10の溶媒は蒸発し、主鎖を構成するオルトシリケート系単分子と側鎖に連結された垂直配向成分のアルキルアルコール系単分子は、主配向膜を形成する。無機物系物質と光硬化剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10により形成された主配向膜は、イオン性不純物を吸着せず、高温で酸化するか、イオン性不純物を生じることがないために、液晶表示の残像及びムラを減らし、電圧維持率が増加する。
2次加熱の後、無機物系物質と光硬化剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10は、前述の方法により洗浄した後に乾燥する。本発明の実施形態による表面配向反応物10は、洗浄又は乾燥などの工程により物質の特性が低下しない。
【0594】
乾燥の後、前述の多数の方法によりシール材が形成される。シール材は、前述のように、約300nm〜約400nm波長の紫外線で硬化又は約400nm以上の波長で硬化され得る。次に、前述の方法により上板の共通電圧印加点(図示せず)と液晶層が形成され、下部表示板100と上部表示板200は合着される。シール材は、前述のように、光又は熱により硬化される。
【0595】
合着された表示板は、前述の方法によりアニールされ、DC電圧供給又は多段階電圧供給により電圧の供給を受ける。液晶層に電気場が形成される過程は、前述した過程と実質的に類似である。垂直整列した光硬化剤又は反応性メゾゲン(RM)は、負の電気特性を有する配向膜を形成する方法とは異なって、液晶分子と相互作用により電気場で傾くように配列される。供給された電圧により、液晶分子と反応性メゾゲン(RM)が一定な傾斜角で配列している間、合着された液晶表示板組立体に前述の方法により電界露光工程が進行される。電界露光工程における紫外線の強度は、約6J/cm2〜20J/cm2であってもよく、より好ましくは、約12J/cm2であってもよい。
光により反応性メゾゲン(RM)のアクリレート反応基が硬化され、反応性メゾゲン(RM)単分子間のネットワークが形成される。ネットワークとして形成された反応性メゾゲン(RM)は、主配向膜の上にプレチルト角を有する光硬化層35、36を構成する。前の工程で形成された主配向膜と光硬化層は、配向膜を構成する。無機物系物質と光硬化剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10により形成された光硬化層は、無機物系物質と結合しているために、信頼性及び安定性に優れている。
【0596】
以後、前述のような蛍光露光工程が進行され得る。
【0597】
このようにして無機物系物質と光硬化剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10は、主配向膜33、34と光硬化層35、36からなる配向膜を形成し、これを有する液晶表示板組立体300が製造される。
【0598】
本発明の実施形態により、無機物系物質と光硬化剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10により形成された配向膜は、安定なプレチルト角の光硬化層を有し、配向膜の耐熱性、長期信頼性、耐化学性及び均一性に優れている。更に、無機物系物質と光硬化剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10は、静電気の消去性がよいので、追加工程が不要となり、液晶表示装置を製造する時間が短縮できる。
【0599】
本発明の実施形態により、無機物系物質と光硬化剤が結合した化合物を有する表面配向反応物10により形成された配向膜291、292が製造され、更に、これを有する液晶表示装置が製造された。本発明の実施形態により配向膜として形成される表面配向反応物10は、テトラアルコキシオルトシリケート単分子として、約44モル%のテトラエトキシオルトシリケート単分子と、アルキルアルコール系単分子として、約6モル%のドデカノール単分子と、ビニルアルコール系単分子として、約50モル%のヒドロキシアルキルアクリレート単分子からなった。各成分のモル%は、溶媒を除いた表面配向反応物10に対するモル%である。
【0600】
液晶表示板組立体は、前述の方法により製造した。液晶表示装置の画素(PX)の構造は、実質的に図3の構造と類似であった。液晶層3のセル間隔は、約3.6μmであり、画素電極191の微細枝197の幅は3μmであり、露光電圧はDC電圧供給方式により、約20V及び24Vであり、電界露光工程における紫外線の強度は、約5J/cm2、約10J/cm2及び20J/cm2であった。このように製造した液晶表示装置の動作は、図11と関連して前述した電荷共有方式の1G1D駆動で行われた。
【0601】
このように製造した液晶表示装置において、電圧維持率は約90.5%以上であり、イオン密度は約5pC/cm2以下であり、ブラック残像は、168時間の駆動でレベル約2.5として良好であった。
<実施形態6>
本発明により配向膜を形成する表面配向反応物10は、官能基が結合された無機物の混合物である。無機物系物質を含んだ配向膜は、下部層との接着性が良好であるか、液晶層に存在するイオン不純物との結合力が小さいか、高温、酸化雰囲気又は長時間の使用でよい信頼性を有することができる。
【0602】
まず、官能基が結合した無機物系化合物を混合して製造した表面配向反応物10の材料について詳細に説明する。無機物系化合物が混合された表面配向反応物10は、第1無機物系物質を含んだ第1表面配向化合物(図示せず)と第2無機物系物質を含んだ第2表面配向化合物(図示せず)との混合物である。本発明により、第1無機物系物質と第2無機物系物質は、シロキサンであってもよい。第1表面配向化合物は、配向膜の信頼性と物性を強化する官能基を有し得る。第2表面配向化合物は、液晶分子を配向する多様の官能基を有することができる。官能基については後述する。第1表面配向化合物と第2表面配向化合物を混合可能な溶媒は、へキシレングリコール(HG)、ブチルセロソルブ(BCS)、1,3−ブタンジオル(1,3−BD)、又はプロピレングリコールモノブチルエーテルであってもよい。溶媒は、第1表面配向化合物と第2表面配向化合物を溶解できる前述の物質以外の他の物質であってもよい。
【0603】
表面配向反応物10に含まれた第1表面配向化合物と第2表面配向化合物の総合は、約2重量%〜約4重量%が好ましく、溶媒は約96重量%〜約98重量%が好ましい。本発明により、第1表面配向化合物と第2表面配向化合物は、約6〜約8対約2〜約4の重量比、より好ましくは、約7対約3の重量比で混合する。重量比には溶媒が含まれない。
【0604】
本発明の一実施形態により、表面配向反応物10に含まれた溶媒は、約45重量%〜約65重量%のヘキシレングリコール(HG)、約10重量%〜約30重量%のブチルセロソルブ(BCS)、及び約15重量%〜約35重量%のプロピレングリコールモノブチルエーテルを含む。本発明の一実施形態により、表面配向反応物10に含まれた溶媒は、約25重量%〜約45重量%のヘキシレングリコール、約8重量%〜約28重量%のブチルセロソルブ、約3重量%〜約11重量%の1,3−ブタンジオル、及び約30重量%〜約50重量%のプロピレングリコールモノブチルエーテルを含む。
【0605】
本発明の一実施形態により、表面配向反応物10は、約2.1重量%の第1表面配向化合物、約0.9重量%の第2表面配向化合物、約65重量%のヘキシレングリコール、約30重量%のブチルセロソルブ、及び約5重量%の1,3−ブタンジオルを含んでもよい。本発明により、表面配向反応物10には、第1表面配向化合物と第2表面配向化合物が混合されているので、配向膜を形成する過程で表面配向反応物10は、第1表面配向化合物を含む物質と第2表面配向化合物を含む物質に容易に相分離することができる。
【0606】
本発明により、第1表面配向化合物は、下記構造式IM1を含む。構造式IM1は、無機物系物質のシロキサン系単分子とIM−R6官能基が結合したものである。第1表面配向化合物は、下部膜と安定的に結合することができる。第1表面配向化合物は、無機物の特性を有するために、第1表面配向化合物を含んだ配向膜291、292は、優れた信頼性を有することができる。第1表面配向化合物は、下部膜と同一の極性、例えば、親水性又は疎水性を含むために、後述の加熱工程で異なる極性の第2表面配向化合物と容易に相分離することができる。第1表面配向化合物に含まれたIM−R6官能基は、実質的に親水性の特性を有してもよい。
【0607】
構造式IM1

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【0608】
上記構造式IM1において、IM−R6は、アルキル系単分子又はヒドロキシ系単分子を含んでもよい。アルキル系単分子は、約0〜約5個の炭素を含んでもよい。
【0609】
本発明の一実施形態により、第1表面配向化合物は、下記反応式IM1−M1に従って合成することができる。テトラエチルオルトシリケートを極性溶媒に混合した後、この混合物を酸(例えば、塩酸、HCl)又は塩基触媒を含んだ水(HO)と攪拌することにより、第1表面配向化合物を製造することができる。
【0610】
反応式IM1−M1

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【0611】
以下、第2表面配向化合物について詳細に説明する。本発明により、第2表面配向化合物は、下記構造式IM2を含む。構造式IM2は、無機物系物質のシロキサン系単分子とIM−T1、IM−T2及びIM−T3官能基が結合した構造である。IM−T1、IM−T2及びIM−T3官能基はそれぞれ、主鎖を構成するシロキサン系単分子に結合して側鎖を形成し得る。
【0612】
IM−T1官能基は、液晶分子を下部膜に対して垂直に配列できる垂直配向性官能基である。IM−T1官能基は、液晶分子と相互作用をすることができる。IM−T2官能基は、光、例えば、紫外線又は熱により重合反応を行うことができる。IM−T2官能基は、架橋、又は重合するか、硬化されて液晶分子を傾くように配向できるプレチルト官能基である。IM−T3官能基は、第2表面配向化合物により形成される配向膜の信頼性を向上することができ、物性を強化することができる官能基である。
【0613】
第2表面配向化合物は、約5モル%〜約15モル%、より好ましくは、約10モル%のIM−T1官能基、約40モル%〜約60モル%、より好ましくは、約50モル%のIM−T2官能基、及び約30モル%〜約50モル%、より好ましくは、約40モル%のIM−T3官能基を含む。各官能基のモル%は、シロキサンと溶媒を除いた第2表面配向化合物中のモル%である。
【0614】
このような多様の官能基を含む第2表面配向化合物は、配向膜を形成する工程で容易に相分離することができる。多様な官能基は、液晶分子を下部膜に対して垂直又は一定の角度で傾くように配列できるために、液晶表示装置の特性を向上することができる。第2表面配向化合物に含まれたIM−T1及びIM−T2官能基は、実質的に疎水性の特性を有することができる。第2表面配向化合物は、前述の光開始剤を含んでもよい。
【0615】
構造式IM2

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【0616】
IM−T1官能基は、液晶層の液晶分子を垂直に配向する前述の垂直配向成分の単分子を含んでもよい。IM−T1官能基は、前述の構造式XIX−A1、構造式XIX−A2、構造式XIX−A3又は構造式XIX−A4で表される単分子を含んでもよい。IM−T1官能基は、約5〜20個の炭素を含むアルキルアルコール系単分子を含んでもよい。
【0617】
IM−T2官能基は、配向膜を形成する工程で、光、例えば、紫外線又は熱エネルギーにより重合反応及び架橋反応を行い、プレチルト角を有する光硬化層を形成することができる。IM−T2官能基は、ビニル基、アクリル基、アクリレート基、シンナメート基又はメタクリレート基を含んでもよい。ビニル基又はアクリル基は、炭素数1〜18の脂肪族アルキル基を含んでもよい。IM−T2官能基は、前述の構造式XIX−V1、構造式XIX−V2又は構造式XIX−C1で表される単分子を含んでもよい。本発明の一実施形態により、IM−T2官能基は、前術の光反応性高分子物質、反応性メゾゲン、光硬化剤、光重合性物質又は光異性化物質を含んでもよい。
【0618】
IM−T3官能基は、IM−R6を参照して前述した物質を含んでもよい。
【0619】
本発明の一実施形態により、第2表面配向化合物は、下記反応式IM2−M1に従って合成することができる。テトラエチルオルトシリケートを極性溶媒(THF、テトラヒドロフラン)に混合した後、この混合物、長鎖アルキル及びアルキル化アクリレートを酸(例えば、塩酸、HCl)又は塩基触媒を含んだ水(HO)と攪拌することにより、第2表面配向化合物を形成することができる。長鎖アルキル基は、IM−T1官能基の役割を果たすことができる。アクリレート基は、IM−T2官能基の役割を果たすことができる。第2表面配向化合物は、親核性加水分解及び凝縮重合反応により製造することができる。
【0620】
反応式IM2−M1

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【0621】
以下、官能基が結合された無機物系化合物を混合して製造した前述の表面配向反応物10を用いて、配向膜291、292及び液晶表示板組立体300を製造する過程について詳細に説明する。この表面配向反応物10は、前述したように、配向膜の信頼性と物性を強化する第1表面配向化合物と液晶分子を配向する官能基を有する第2表面配向化合物を含む。無機物系化合物が混合された表面配向反応物10は、実質的にSC-VAモードの方法により液晶表示板組立体300の配向膜を形成することができる。
【0622】
以下、図8a〜図8eを参照して配向膜291,292を形成する方法について詳細に説明し、図8a〜図8eを参照して前述の説明と重複する説明は、便宜上、省略する。以下、前述のSC-VAモードの方法及び配向膜を形成する方法と本発明の一実施形態との間の相違について詳細に説明する。
【0623】
まず、前述又は後述の方法で、画素電極191を有する下部表示板100と共通電極270を有する上部表示板200が製造される。以下、官能基が結合された無機物系化合物の混合物を含んだ前述の表面配向反応物10を用いて配向膜を形成する方法について詳細に説明する。説明の重複を避けるため、上板配向膜292を形成する方法は省略し、下板配向膜291を形成する方法について説明する。
【0624】
図8aを参照すると、官能基が結合された無機物系化合物の混合物を含んだ前述の表面配向反応物10が画素電極191の上に前述の方法により形成される。
【0625】
図8bを参照すると、 前述の第1表面配向化合物と前述の第2表面配向化合物との混合物を含んだ表面配向反応物10は1次加熱する。1次加熱工程は、前述の方法で進行され得る。1次加熱工程で、表面配向反応物10の溶媒が除去され得る。
【0626】
図8cを参照すると、表面配向反応物10は、表面無機物層33aと表面機能層35aに相分離される。表面無機物層33aは画素電極191と接触する層であり、表面機能層35aは空気と接触する層である。表面配向反応物10が相分離されて、表面無機物層33aは実質的に第1表面配向化合物を包含し、表面機能層35aは実質的に第2表面配向化合物を包含する。1次加熱工程で、表面無機物層33aと表面機能層35aに含まれたシロキサンは結合してポリシロキサンを形成する。ポリシロキサンは、表面無機物層33aと表面機能層35aで主鎖を形成する。表面機能層35aに含まれたIM−T1官能基は、空気と接触する方向にあり、基板又は画素電極191の平面に対して垂直方向に配列することができる。表面機能層35aに含まれたIM−T2官能基は、空気と接触する方向にあり得る。第1表面配向化合物は親水性の特性を有することができ、第2表面配向化合物は疎水性の特性を有することができる。第1表面配向化合物と第2表面配向化合物はそれぞれ、前述の物質であってもよい。
【0627】
相分離した表面無機物層33aと表面機能層35aは、図8dを参照して前述した方法で2次加熱する。2次加熱工程で、相分離した表面無機物層33aと表面機能層35aは硬化される。表面無機物層33aと表面機能層35aに含まれたポリシロキサンは、さらに架橋して安定なマトリックスを形成する。2次加熱工程により、表面無機物層33aは表面無機配向膜33を形成する。表面無機物層33aに含まれたポリシロキサンは、表面機能層35aに含まれたポリシロキサンと架橋することができる。2次加熱工程で、表面無機物層33aと表面機能層35aに残留する水酸基イオンは除去可能である。本発明の一実施形態により、図面符号33a、33及び35aは、表面主配向物質層33a、主配向膜33及び光硬化剤層35aと部分的に異なる機能を有するので、別の名称、即ち表面無機物層33a、表面無機配向膜33及び表面機能層35aとして命名した。本発明の別の実施形態により、1次加熱工程が省略され、2次加熱工程で1次及び2次加熱工程を参照して前述した反応が生じ得る。
【0628】
以後、表面無機配向膜33又は表面機能層35aは、純水(DIW)により洗浄し、イソプロピルアルコール(IPA)によりさらに洗浄してもよい。以後、表面無機配向膜33又は表面機能層35aは乾燥する。
【0629】
ステップS240で前述したように、シール材、上板の共通電圧印加点及び液晶層3が形成され、下部表示板100と上部表示板200が合着される。合着した下部表示板100と上部表示板200は、前述の方法でアニールしてもよい。
【0630】
ステップS250で、合着した表示板100、200に露光電圧が供給され、光が照射される。ステップS250で、表面機能硬化層35が形成される。表面無機配向膜33と表面機能硬化層35は、下板配向膜291を形成する。上板配向膜292に含まれた表面無機配向膜34と表面機能硬化層36は、前述又は後述の方法により形成することができる。
【0631】
以下、ステップS250を参照して表面機能硬化層35を形成する方法について詳細に説明する。まず、ステップS252で、液晶層3に電気場が形成される。液晶層3で電気場は、ステップS152を参照して前述した方法で形成することができる。次のステップS254で、液晶層3に電気場が形成されている間、合着された表示板100、200に光が照射される電界露光工程が進行される。電界露光工程は、前述の方法で行われる。
【0632】
電界露光工程により、表面機能層35aに含まれたIM−T2官能基は硬化される。硬化されたIM−T2官能基は、表面機能硬化層35を形成する。IM−T2官能基は、図9を参照して前述の方法で入射された紫外線により周辺の液晶分子31と実質的に同一の方向に傾斜しながら、硬化する。複数のIM−T2官能基は、相互重合反応を行うことにより、複数のIM−T2官能基は、相互結合したネットワークを形成し得る。例えば、紫外線(UV)によりIM−T2官能基に含まれたアルケンの2重結合が解かれ、これによりIM−T2官能基は、隣接したIM−T2官能基と結合してネットワークを形成するか、架橋し得る。硬化されたIM−T2官能基により、IM−T2官能基に隣接した液晶分子31は、実質的に一定のプレチルト角で配列する。
【0633】
前述したように、液晶層3に電気場が形成されなかった状態で液晶分子31は、実質的に一定の前述したプレチルト角で配列する。本発明の一実施形態により、液晶分子が有するプレチルト角の平均は、前述の光硬化層のプレチルト角であってもよい。プレチルト角は、画素電極191の微細枝197の長さ方向に平行な傾斜方向であり得る。硬化されたIM−T2官能基、IM−T1官能基及びIM−T3官能基は、表面機能層35aに含まれたシロキサンにより形成されたポリシロキサンの側鎖に結合され得る。本発明により前述した蛍光露光工程は、進行されなくてもよい。本発明により、第2表面配向化合物を前述の1次又は2次加熱して形成されたポリシロキサンは、第1表面配向化合物により形成されたポリシロキサンの上に形成されている。本発明により前述した蛍光露光工程は、進行されなくてもよい。上板の表面機能硬化層36は、下板の表面機能硬化層35を形成する方法により形成できる。
【0634】
このように官能基が結合された無機物系化合物を混合して得た表面配向反応物10により作製した液晶表示板組立体300は、SC-VAモードの特性を有する。表面配向反応物10が無機物系物質と結合した化合物で混合されるので、配向膜291、292を形成する工程で相分離が容易に行われ得る。液晶分子を垂直又はプレチルト角で配向する高分子が無機物系物質と結合されているために、これにより製造された液晶表示装置は、高電圧維持率を有することができ、イオン性不純物により液晶表示装置の品質が低下されない。無機物系物質と多様な官能基を有する高分子が結合(例えば、第2表面配向化合物)されているので、配向膜を形成する工程で静電気を消去する工程が省略できる。従って、液晶表示装置を製造する方法は単純化できる。
<実施形態7>
本発明の別の実施形態により配向膜を形成する表面配向反応物10は、鎖長の異なる二つ以上の光硬化剤を含む。表面配向反応物10が互いに異なる鎖長の光硬化剤を含むので、光硬化剤の架橋率が増加することができる。
【0635】
まず、鎖長の異なる光硬化剤を含んだ表面配向反応物10の材料について詳細に説明する。鎖長の異なる光硬化剤を含んだ表面配向反応物10は、第3表面配向化合物と第4表面配向化合物との混合物である。本発明による表面配向反応物10は混合物であるので、配向膜を形成する工程で表面配向反応物10は、容易に相分離できる。第3表面配向化合物は、前述の第1表面配向化合物と同様に、配向膜の信頼性と物性を強化することができる。第4表面配向化合物は、液晶分子を配向する多様の官能基を含む。第4表面配向化合物は、前述の第2表面配向化合物に含まれたプレチルト官能基であって、鎖長の異なる2種の光硬化剤を含む。鎖長の異なる光硬化剤は、配向膜を形成する過程で光硬化剤の架橋率を増加し得る。
【0636】
本発明により、表面配向反応物10に含まれた第3表面配向化合物と第4表面配向化合物は、約6〜約8対約2〜約4の重量比、より好ましくは、約7対約3の重量比で混合する。この重量比には溶媒が含まれない。表面配向反応物10に含まれた第3表面配向化合物、第4表面配向化合物及び溶媒は、第1表面配向化合物及び第2表面配向化合物を参照して前述した比率で混合し得る。
【0637】
前述した各成分の混合比率において、第1表面配向化合物は第3表面配向化合物に代替されてもよく、第2表面配向化合物は第4表面配向化合物に代替されてもよい。溶媒は、無機物系物質を含んだ化合物の混合により形成された表面配向反応物10の材料と共に、前述した溶媒であってもよい。
【0638】
本発明により、第3表面配向化合物は、前述の構造式IM1又は下記構造式IM3を含む。構造式IM3は、主鎖を形成するシロキサン系単分子と、側鎖を形成するIM−R6及びIM−M6官能基が結合したものである。シロキサン系単分子の構造式IM3を有する第3表面配向化合物は、下部に形成された膜と安定的に結合することができる。第3表面配向化合物は、約5モル%〜約15モル%、より好ましくは、約10モル%のIM−M6官能基、及び約80モル%〜約95モル%、より好ましくは、約90モル%のIM−R6官能基を含んでもよい。各官能基のモル%は、シロキサンと溶媒を除いた第3表面配向化合物中のモル%である。IM−M6官能基は、相分離改善剤であってもよい。相分離改善剤は、第3表面配向化合物に含まれた物質、例えば、ケイ素と、第4表面配向化合物に含まれた物質、例えば、ケイ素とが、混合物中で相互結合することを抑制することにより、相分離を容易に行うことができる。IM−M6官能基は、第3表面配向化合物により形成される表面無機配向膜の密度を低めることができるので、配向膜の再作業が容易になり得る。表面無機配向膜の密度が低くなると、配向膜の再作業のために用いられる溶液が、表面無機配向膜をより容易に浸透できる。IM−M6官能基は、メチル基を含んでもよい。IM−R6官能基は構造式IM1を参照して前述した。第3表面配向化合物に含まれたIM−M6及びIM−R6官能基は、親水性の特性を有してもよい。
構造式IM3
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【0639】
本発明の一実施形態により、第3表面配向化合物は、下記反応式IM1−M3に従って合成することができる。テトラエチルオルトシリケートを極性溶媒(THF、テトラヒドロフラン)に混合した後、この混合物とメチル基を酸(例えば、塩酸、HCl)又は塩基触媒を含んだ水(HO)と攪拌することにより、第3表面配向化合物を形成することができる。
【0640】
反応式 IM1−M3

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【0641】
以下、第4表面配向化合物について詳細に説明する。第4表面配向化合物は、光又は熱により硬化される二つの官能基、例えば、硬化剤を含む。硬化特性を有する二つの官能基は、互いに異なる鎖長を有する。硬化される二つの官能基は、第2表面配向化合物を参照して前述したプレチルト官能基と実質的に同様の役割を果たすことができる。第4表面配向化合物に含まれたプレチルト官能基が、互いに異なる鎖長を有するので、第4表面配向化合物に含まれたプレチルト官能基の密度と架橋率は増加することができる。硬化剤又はプレチルト官能基の架橋率が増加すると、液晶表示装置の表示品質は改善できる。
【0642】
本発明により、第4表面配向化合物は、下記構造式IM4を含む。構造式IM4は、主鎖を形成するシロキサン系単分子と、側鎖を形成するIM−T1、IM−T2、IM−T21及びIM−T3官能基が結合した構造である。第4表面配向化合物は、約5モル%〜約15モル%、より好ましくは、約10モル%のIM−T1官能基、約30モル%〜約50モル%、より好ましくは、約40モル%のIM−T2官能基、約5モル%〜約15モル%、より好ましくは、約10モル%のIM−T21官能基及び約30モル%〜約50モル%、より好ましくは、約40モル%のIM−T3官能基を含んでもよい。各官能基のモル%は、シロキサンと溶媒を除いた第4表面配向化合物中のモル%である。第4表面配向化合物に含まれたIM−T1、IM−T2及びIM−T21官能基は、実質的に疎水性の特性を有することができる。
【0643】
構造式IM4

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【0644】
IM−T1、IM−T2及びIM−T3官能基は、構造式IM2を参照して前述した。IM−T21官能基は、光、例えば、紫外線又は熱により重合反応又は架橋が可能なプレチルト官能基である。IM−T21官能基は、前述のIM−T2官能基と同様に、配向膜を形成する工程でプレチルト角を有する光硬化層を形成し得る。IM−T21官能基は、ビニル基、スチレン基、メタクリレート基、シンナメート基又はアクリル基を含んでもよい。IM−T21官能基は、前述の構造式XIX−V1、構造式 XIX−V2又は 構造式XIX−C1で表される単分子を含んでもよい。IM−T21官能基は、前述の光反応性高分子物質、反応性メゾゲン(RM)、光硬化剤、光重合性物質又は光異性化物質であってもよい。本発明により、第4表面配向化合物に含まれたプレチルト官能基の特性をそれぞれ有するIM−T2官能基対IM−T21官能基のモル%比率は、約2〜約10対1であってもよい。本発明により、第4表面配向化合物に含まれた垂直配向性官能基の特性を有するIM−T1官能基対プレチルト官能基の特性を有するIM−T21官能基のモル%比は、約1〜約3対約1〜約3であってもよい。本発明により、第4表面配向化合物に含まれた垂直配向性官能基の特性を有するIM−T1官能基対プレチルト官能基の特性を有するIM−T2官能基対プレチルト官能基の特性を有するIM−T21官能基対第3表面配向化合物に含まれた相分離改善剤のモル%比は、約1〜約3対約2〜約10対約1〜約3対約1〜約3であってもよい。
【0645】
第4表面配向化合物は、触媒、例えば、アミンを含んでもよく、又は光開始剤、例えば、チオル基を含んでもよい。第4表面配向化合物に含まれた触媒又は光開始剤は、約1モル%〜約7モル%であってもよい。触媒又は光開始剤のモル%は、シロキサンと溶媒を除いた第4表面配向化合物中のモル%である。本発明により第4表面配向化合物に含まれた光開始剤は、炭素数1〜5のアルキル化チオル基であってもよい。光開始剤は、シロキサン系単分子の側鎖に結合され得る。光開始剤は、IM−T2官能基及びIM−T21官能基の硬化を促進できる。光開始剤は、絶縁膜のような物質から発生した残留ラジカルと反応することで、ラジカルを減少できるために、液晶表示装置の表示品質は向上できる。本発明により、第4表面配向化合物に含まれた触媒は、炭素数1〜5のアルキル化アミンであってもよい。後述の2次加熱工程で触媒は、ポリシロキサンの架橋を促進できる。触媒は、シロキサン系単分子の側鎖に結合できる。触媒は、極性を有さない物質であるのが好ましい。極性を有する物質は不純物を集めるので、液晶表示装置の画質を不良にする可能性がある。
【0646】
以下、本発明によりIM−T2官能基及びIM−T21官能基について詳細に説明する。IM−T2官能基及びIM−T21官能基は、硬化剤を含む。本発明により、IM−T2官能基の鎖長は、IM−T21官能基の鎖長と異なる。IM−T2官能基の鎖長は、IM−T21官能基の鎖長より長くてもよい。IM−T21官能基の鎖長がIM−T2官能基の鎖長より短いので、重合反応又は架橋が可能な官能基又は硬化剤の密度は増加し得る。光又は熱により重合反応又は架橋を形成する工程で、複数のIM−T2官能基の間にあるIM−T21官能基が重合反応又は架橋を増加し得るので、硬化剤、即ちIM−T2官能基とIM−T21官能基の架橋率は増加できる。鎖長とは、IM−T2官能基又はIM−T21官能基に含まれたアルケンから主鎖まで最短距離で結合した多数の結合の長さを合わせた値である。鎖長を計算するとき、原子と原子間の結合長さは同じであると仮定する。例えば、炭素と炭素間の結合長さ、炭素と酸素間の結合長さ及び炭素とケイ素間の結合長さは同じであると仮定する。本発明の一実施形態より、IM−T2官能基の鎖長は、IM−T21官能基の鎖長より約3倍〜約7倍長くてもよい。IM−T2官能基の鎖長が、IM−T21官能基の鎖長より約7倍を超過する場合、液晶分子を配向する力が減少されるので、液晶分子の配列が不均一となり得る。液晶分子の不均一性は、液晶表示装置の画質を低下する可能性がある。
【0647】
本発明により、IM−T2官能基の結合数は、IM−T21官能基の結合数と異なる。IM−T2官能基の結合数は、IM−T21官能基の結合数より大きくてもよい。結合数とは、IM−T2官能基又はIM−T21官能基に含まれたアルケンから主鎖まで最短距離で結合した多数の結合の個数である。本発明により、結合数は、IM−T2官能基又はIM−T21官能基に含まれたアルケンから主鎖まで最短距離で結合した多数の結合の中で単一結合の個数であってもよい。
【0648】
本発明の一実施形態により、IM−T2官能基の結合数は、IM−T21官能基の結合数より約3倍〜約7倍大きくてもよい。IM−T2官能基の結合数が、IM−T21官能基の単一結合数より約7倍超過する場合、液晶分子を配向する力が減少されるので、液晶分子の配列が不均一となる可能性がある。
【0649】
本発明の一実施形態により、IM−T2官能基に含まれたスペーサー(spacer)の個数は、IM−T21官能基に含まれたスペーサーの個数と異なる。IM−T2官能基に含まれたスペーサーの個数は、IM−T21官能基に含まれたスペーサーの個数より多くてもよい。IM−T2官能基に含まれたスペーサーの個数は、IM−T21官能基に含まれたスペーサーの個数より約2倍〜約5倍多くてもよい。本発明の一実施形態により、IM−T2官能基に含まれたスペーサーの個数は、約1個〜5個であってもよく、IM−T21官能基に含まれたスペーサーの個数は、0〜約4個であってもよい。本発明の一実施形態により、スペーサーはアルキル基であってもよく、スペーサーの個数は炭素の個数である。本発明の一実施形態により、IM−T21官能基は、スペーサーを含まなくてもよい。
【0650】
本発明の一実施形態により、IM−T2官能基はアルキル化メタクリレート基を含み、IM−T21官能基はビニル基を含む。アルキル化メタクリレート基に含まれたアルキル基は、約2個〜4個の炭素を含んでもよい。(CH)のアルキル基を含んだアルキル化メタクリレート基がシロキサンと結合する場合、IM−T2官能基の鎖長は、炭素とケイ素との結合の単位長さの約6倍であり、スペーサー個数は3個である。IM−T21官能基に含まれ、スペーサー個数が0であるビニル基がシロキサンと結合する場合、IM−T21官能基の鎖長は、炭素とケイ素との結合の単位長さの約1倍である。従って、IM−T2官能基の鎖長は、IM−T21官能基の鎖長の約6倍である。(CH)のアルキル基を含んだアルキル化メタクリレート基のIM−T2官能基において、炭素と炭素の単一結合数は3個であり、炭素と酸素の単一結合数は2個であり、炭素とケイ素の単一結合数は1個である。ビニル基のIM−T21官能基において、炭素とケイ素の単一結合数は1個である。IM−T2官能基の単一結合数は、IM−T21官能基の単一結合数より約6倍である。本発明により、IM−T2官能基とIM−T21官能基は、互いに同じ又は異なる材料の硬化部分を有し、IM−T2官能基の鎖長又は結合数は、IM−T2官能基の鎖長又は結合数と異なる。
【0651】
本発明の一実施形態により、第4表面配向化合物は、下記反応式IM2−M4に応じて合成することができる。テトラエチルオルトシリケートを極性溶媒(THF、テトラヒドロフラン)に混合した後、この混合物、長鎖アルキル、ビニル基及びアルキル化アクリレートを酸(例えば、塩酸、HCl)又は塩基触媒を含んだ水(HO)と攪拌することにより、第4表面配向化合物を形成することができる。長鎖アルキル基はIM−T1官能基の役割を、アクリレート基はIM−T2官能基の役割を、ビニル基はIM−T21官能基の役割を、ヒドロキシ基はIM−T3官能基の役割を果たすことができる。第4表面配向化合物は、親核性加水分解及び凝縮重合反応により製造することができる。
反応式IM2−M4

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【0652】
以下、鎖長の異なるプレチルト官能基を含んだ前述の表面配向反応物10を用いて配向膜291、292及び液晶表示板組立体300を製造する過程について詳細に説明する。鎖長の異なるプレチルト官能基、例えば、光硬化剤を含んだ表面配向反応物10は、実質的に前述のSC-VAモードの方法により液晶表示板組立体300の配向膜を形成する。鎖長の異なるプレチルト官能基、例えば、光硬化剤を含んだ表面配向反応物10は、電界露光工程で増加された架橋率を有することができる。
【0653】
以下、官能基が結合された無機物系化合物が混合された表面配向反応物10を用いて、配向膜291、292を形成する前述の方法を参照して、前述の説明と重複される説明は、便宜上、省略し、鎖長の異なる光硬化剤を含んだ表面配向反応物10が配向膜291、292を形成する方法について説明する。説明の重複を避けるため、上板配向膜292を形成する方法は省略し、下板配向膜291を形成する方法について説明する。
【0654】
まず、前述又は後述の方法で、画素電極191を有する下部表示板100と共通電極270を有する上部表示板200が製造される。鎖長の異なるプレチルト官能基、例えば、光硬化剤を含んだ前述の表面配向反応物10が画素電極191の上に前述の方法により形成される。第3表面配向化合物と第4表面配向化合物との混合物を含んだ表面配向反応物10に対して1次加熱工程を進行し、これにより表面配向反応物10の溶媒が除去される。
【0655】
1次加熱工程で、表面配向反応物10は表面無機物層33aと表面機能層35aに相分離される。表面無機物層33aは実質的に第3表面配向化合物を包含し、表面機能層35aは実質的に第4表面配向化合物を包含する。表面機能層35aに含まれた第4表面配向化合物のIM−T1官能基、IM−T2官能基及びIM−T21官能基は、ポリシロキサンの側鎖に連結されることができ、基板又は画素電極191の平面に対して実質的に垂直方向に配列しても、空気と接触する方向に配列してもよい。本発明により、第3表面配向化合物は相分離改善剤を含んでもよい。相分離改善剤、例えば、メチル基を含む表面配向反応物10は、前述の理由により容易に相分離することができる。1次加熱工程で、表面無機物層33aと表面機能層35aに含まれたシロキサンは、前述のように、ポリシロキサンを含んだ主鎖を形成し得る。1次加熱の後に形成された表面無機物層33aと表面機能層35aが不良に形成された場合、配向膜の再作業が進行されることができる。配向膜の再作業は、不良に形成された表面無機物層33aと表面機能層35aを除去し、表面配向反応物10を画素の上に再び形成し、1次加熱工程を再び進行する工程である。
【0656】
相分離した表面無機物層33aと表面機能層35aを含んだ表面配向反応物10は、前述の方法で2次加熱する。2次加熱工程で、表面機能層35aは前述の方法で硬化され、表面無機物層33a及び表面機能層35aに含まれたポリシロキサンは架橋し得る。表面無機物層33aは、ポリシロキサンがさらに結合して表面無機配向膜33を形成する。本発明の別の実施形態により、1次加熱工程が省略され、2次加熱工程で1次及び2次加熱工程を参照して前述した反応が生じ得る。
【0657】
以後、表面無機配向膜33又は表面機能層35aは、純水(DIW)により洗浄し、イソプロピルアルコールによりさらに洗浄してもよい。以後、表面無機配向膜33又は表面機能層35aは乾燥する。
【0658】
以後、前述したように、シール材、上板の共通電圧印加点及び液晶層3が形成され、下部表示板100と上部表示板200が合着される。合着した下部表示板100と上部表示板200は、前述の方法でアニールしてもよい。
【0659】
以後、前述の方法により、合着した表示板100、200に露光電圧を供給した状態で光が照射される。これにより、表面機能層35aは表面機能硬化層35を形成する。表面無機配向膜33と表面機能硬化層35は、下板配向膜291を形成する。
【0660】
表面機能硬化層35を形成する方法は、構造式IM2のIM−T2官能基を参照して前述した方法と類似であるので、前述の方法との相違点について詳細に説明する。前述の方法により液晶層3に電気場が形成されている間、前述の方法により電界露光工程が進行される。
【0661】
電界露光工程により、表面機能層35aに含まれたIM−T2官能基とIM−T21官能基は、互いに架橋し、硬化される。IM−T2官能基は、IM−T2官能基又はIM−T21官能基と前述の方法により架橋してネットワークを形成し得る。本発明により、IM−T2官能基に含まれたアルケンとIM−T21官能基に含まれたアルケンは、光エネルギーにより2重結合が解けて、IM−T2官能基とIM−T21官能基が互いに架橋する。IM−T2官能基とIM−T21官能基に含まれたアルケンは、架橋のための反応部分となる。IM−T2官能基とIM−T21官能基は互いに架橋して、IM−T2官能基の反応部分はIM−T2官能基の架橋部分となり、IM−T21官能基の反応部分はIM−T21官能基の架橋部分となる。電界露光工程で硬化されたIM−T2官能基及びIM−T21官能基は、表面機能硬化層35を形成する。
【0662】
IM−T1官能基は、前述の垂直配向性官能基の垂直配向単分子の特性を有する。IM−T2官能基、IM−T21官能基、IM−T1官能基及びIM−T3官能基は、第4表面配向化合物を前述の1次又は2次加熱して形成されたポリシロキサンの側鎖に連結され得る。前述のように、IM−T2官能基は、IM−T21官能基と異なる鎖長を有する。これにより、IM−T2官能基とIM−T21官能基の架橋率は増加し得る。架橋率が増加すると、未硬化のIM−T2官能基又はIM−T21官能基が減少できる。
【0663】
液晶表示装置を製造する工程で、未硬化のIM−T2官能基又はIM−T21官能基は、不純物を発生するか、以後に硬化されてプレチルト角を不均一にする可能性がある。架橋率の増加は、液晶表示装置の信頼性又は画質を改善することができる。架橋率が増加すると、前述の蛍光露光工程は進行されなくてもよい。架橋により硬化されたIM−T2官能基とIM−T21官能基は、前述の方法により周辺の液晶分子31を実質的に同一の方向に傾斜するように配列する。硬化されたIM−T2官能基とIM−T21官能基に隣接した液晶分子31は、前述のように、液晶層に電界場が印加されなかった状態で実質的に一定のプレチルト角で配列することができる。
【0664】
上板配向膜292に含まれた表面無機配向膜34と表面機能硬化層36は、下板配向膜291を形成する前述又は後述の方法により形成され得る。本発明の別の実施形態により、IM−T2官能基は、IM−T21官能基と異なる結合数、又は異なるスペーサー個数を有してもよい。本発明により、第4表面配向化合物を前述の1次又は2次加熱して形成されたポリシロキサンは、第3表面配向化合物により形成されたポリシロキサンの上に形成されている。
【0665】
このように鎖長の異なる光硬化剤を含む表面配向反応物10により製造された液晶表示板組立体300は、SC-VAモードの特性を有する。表面配向反応物10が鎖長の異なる光硬化剤を含むので、硬化剤の架橋率は増加することができ、液晶表示装置の品質は向上することができる。
【0666】
本発明の実施形態により、鎖長の異なる光硬化剤を含んだ表面配向反応物10により形成された配向膜291、292が製造され、また、これを有する液晶表示装置が製造された。本発明の実施形態により配向膜を形成する表面配向反応物10は、後述の材料を有する第3表面配向化合物と第4表面配向化合物が、約7対約3の重量比で混合された混合物であった。第3表面配向化合物は、約10モル%のメチル基と約90モル%のヒドロキシ基を含んだ。第4表面配向化合物は、約10モル%の炭素数が約17のアルキル基、約40モル%の(CH)を有するメタクリレート基、約10モル%のビニル基及び約40モル%のヒドロキシ基を含んだ。各成分のモル%は、溶媒を除いた第3表面配向化合物又は第4表面配向化合物に対するモル%である。IM−T2官能基の鎖長は、IM−T21官能基の鎖長の約6倍である。IM−T2官能基の結合数は、IM−T21官能基の結合数の約6倍である。
【0667】
液晶表示板組立体は、鎖長の異なる光硬化剤を含んだ表面配向反応物10を用いて配向膜291、292を製造する方法と関連して前述した方法により製造した。液晶表示板組立体を製造する工程で、表面無機配向膜33又は表面機能層35aは、純水(DIW)とイソプロピルアルコール(IPA)により洗浄した。液晶表示装置の画素(PX)の構造は、実質的に図3の構造と類似した。液晶層3のセル間隔は約3.0μmであった。画素電極191の微細枝197の幅は5μmであり、微細スリットの幅は約3μmであった。多段階電圧供給方式により進行された露光電圧のV2は、約15Vであった。電界露光工程における紫外線の強度は、約6.5J/cm2であった。このように製造した液晶表示装置は、図11と関連して前述した電荷共有方式の1G1D駆動で動作された。液晶表示板組立体の積層構造は、図21a又は図21bに示した。上板に形成された蓋膜225は、アクリル系物質を含んだ。このように製造した液晶表示装置において、架橋率は80%以上で増加し、ブラック残像は、168時間の駆動でレベル約2.5として良好であった。
<実施形態8>
本発明により、新規の表面配向反応物10について開示する。なお、これを用いて形成した配向膜及び配向膜を形成する方法、並びにこれを用いて製造した液晶表示装置及び液晶表示装置を形成する方法について詳細に説明する。本発明により配向膜を形成する表面配向反応物10は、リジッド分子を含む垂直配向性官能基により無機物系物質の側鎖に結合された単分子を包含する。リジッド分子を含む垂直配向性官能基は、液晶分子の垂直配向の特性を向上することができる。液晶分子の垂直配向力が増加すると、使用初期又は長時間の駆動の後でも、液晶表示装置の光漏れ(light leak)が減少できるので、液晶表示装置の表示品質が向上されることができる。
【0668】
リジッド分子―含有垂直配向性官能基を有する表面配向反応物10は、第5表面配向化合物と第6表面配向化合物との混合物である。前述のように、化合物などで混合された表面配向反応物10は、配向膜を形成する工程で容易に相分離され得る。第5表面配向化合物は、前述の第1又は第3表面配向化合物と実質的に類似である。第6表面配向化合物は、プレチルト官能基又は垂直配向性官能基を含んでもよい。本発明により、第6表面配向化合物は無機物系物質の側鎖に結合し、リジッド分子―含有垂直配向性官能基を有する。本発明により、第5表面配向化合物と第6表面配向化合物は、約6〜約8対約2〜約4の重量比で混合し得る。第5表面配向化合物と第6表面配向化合物の重量比には溶媒が含まれない。表面配向反応物10に含まれた固形分の重量、即ち、第5表面配向化合物と第6表面配向化合物を合わせた重量は、約2重量%〜約4重量%であってもよく、溶媒は約96重量%〜約98重量%であってもよい。溶媒は、前述した溶媒の中のいずれかであってもよい。第5表面配向化合物と第6表面配向化合物は、約7対約3の重量比で混合され得る。表面配向反応物10に含まれた第5表面配向化合物と第6表面配向化合物を合わせた重量は、約3重量%であってもよく、溶媒は約97重量%であってもよい。
【0669】
本発明により、第5表面配向化合物は、前述の構造式IM1又は下記構造式IM5を含む。構造式IM5は、主鎖を形成するシロキサン系単分子と、側鎖を形成するIM−R6及びIM−A6官能基が結合したものである。第5表面配向化合物は、約80モル%〜約97モル%のIM−R6官能基及び約3モル%〜約20モル%のIM−A6官能基を含んでもよい。各官能基のモル%は、シロキサンと溶媒を除いた第5表面配向化合物中のモル%である。第5表面配向化合物に含まれた官能基は、実質的に疎水性の特性を有することができる。本発明により、第5表面配向化合物は、約5モル%のIM−A6官能基及び約95モル%のIM−R6官能基を含んでもよい。構造式IM1は前述した。
構造式IM5

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【0670】
IM−A6官能基は、凝集阻害剤であってもよい。凝集阻害剤は、複数の化合物が各自に(separately)凝集することを防止することができる。例えば、IM−A6官能基は、第5表面配向化合物と第6表面配向化合物が過度に分離すること、例えば、第6表面配向化合物が互いに固まって第5表面配向化合物と分離されることを減らすことができる。IM−A6官能基は、炭素数が約1〜5のアルキル化アミンを含んでもよい。IM−A6官能基は、疎水性の特性を有することができる。IM−A6官能基は、アミノ基又はチオル基を含んでもよい。IM−R6官能基は、構造式IM1を参照して前述した。
【0671】
本発明の一実施形態により、構造式IM5の化合物は、後述の方法で合成することができる。まず、IM−R6部分の単分子とIM−A6部分の単分子を後述の方法で製造する。以後、IM−R6部分の単分子とIM−A6部分の単分子を前述の組成比で溶媒と混合し、約60℃で加熱すると、単分子同士の重合反応により構造式IM5の化合物を合成することができる。溶媒は、第1表面配向化合物と第2表面配向化合物を混合可能な前述の溶媒の中のいずれかであってもよい。IM−R6部分の単分子は、オルトケイ酸(Si(OH))であってもよい。オルトケイ酸(Si(OH))は、テトラエチルオルトシリケートを極性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン(THF)に混合した後、この混合物を酸(例えば、塩酸(HCl))又は塩基触媒を含んだ水(HO)と攪拌することにより製造することができる。IM−A6部分の単分子は、シロキサンの一つの結合がアルキル化アミンで置換されたものであってもよい。シロキサンの一つの結合がアルキル化アミンで置換されたシロキサンは、テトラエチルオルトシリケートを極性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン(THF)に混合した後、この混合物及びアルキル化アミンを酸(例えば、塩酸(HCl))又は塩基触媒を含んだ水(HO)と攪拌することにより製造することができる。
【0672】
以下、第6表面配向化合物について詳細に説明する。第6表面配向化合物は、リジッド分子―含有垂直配向性官能基を有する。本発明により、第6表面配向化合物は、下記構造式IM6を含む。構造式IM6は、主鎖を形成するシロキサン系単分子と側鎖を形成するIM−T11、IM−T2、IM−T21、IM−R6及びIM−T4官能基が結合した構造である。第6表面配向化合物は、約5モル%〜約25モル%のIM−T11官能基、約35モル%〜約55モル%のIM−T2官能基、約5モル%〜約15モル%のIM−T21官能基、約25モル%〜約40モル%のIM−R6官能基及び約1モル%〜約5モル%のIM−T4官能基を含む。各官能基のモル%は、シロキサンと溶媒を除いた第6表面配向化合物中のモル%である。第6表面配向化合物に含まれたIM−T11、IM−T2及びIM−T21官能基は、実質的に疎水性の特性を有することができる。本発明により、第6表面配向化合物は、約8モル%のIM−T11官能基、約45モル%のIM−T2官能基、約10モル%のIM−T21官能基、約34モル%のIM−R6官能基、及び約3モル%のIM−T4官能基を含んでもよい。
【0673】
構造式IM6

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【0674】
IM−T11官能基は、リジッド分子を含み、液晶分子と相互作用をして液晶分子を下部膜に対して垂直に配向する垂直配向成分の単分子である。リジッド分子を含むIM−T11官能基は、より堅固に液晶分子を垂直方向に配向することができる。IM−T11官能基が液晶分子の垂直配向力を向上できるので、これを含む液晶表示装置のブラック光漏れは減少できる。IM−T11官能基は、リジッド分子とアルキル基の結合したものである。リジッド分子は、環状化合物(cyclic compound)であってもよい。本発明により、リジッド分子は、ベンゼン、シクロヘキサン、ビフェニル、又はこれらの組合わせからなる物質を含んでもよい。本発明により、アルキル基の炭素数は約16個以下であってもよい。
【0675】
IM−T11官能基は、下記構造式、即ち、構造式XIX−A5、構造式XIX−A6、構造式XIX−A7、構造式XIX−A8又は構造式XIX−A9を含んでもよい。
構造式XIX−A5

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【0676】
構造式XIX−A6

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【0677】
構造式XIX−A7

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【0678】
構造式XIX−A8

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【0679】
構造式XIX−A9

[この文献は図面を表示できません]
【0680】
式中、xは約1〜約20であってもよく、yは約1〜約10であってもよい。Rは、−CH、HCOO−、CH=CH−、CHS−、CHO−、CHS−又はCHCH−COO−であってもよい。BとCは、H、F、Cl、Br、I、CN、SCN、SFH又はNOであってもよい。
【0681】
IM−T11官能基は、前述の構造式XIX−A2で表されるコレステリル系単分子、構造式XIX−A3で表されるアルキル化脂環式系単分子、構造式XIX−A4で表されるアルキル化芳香族系単分子を含んでもよい。リジッド分子は、ケイ素(Si)とアルキル基の間で結合され得る。本発明により、IM−T11官能基は、炭素数約6〜約12のアルキルベンゼン基を含んでもよい。
【0682】
IM−T4官能基は、ゾルーゲル反応、例えば、脱水反応の触媒剤であってもよい。IM−T4官能基は、ポリシロキサンの架橋密度を増加できる。IM−T4官能基は、IM−A6官能基を参照して前述した物質を含んでもよい。アルキル化アミンは、実質的に無極性の特性を有するので、アルキル化アミノ基を含んだ表面配向反応物10により形成された配向膜は、不純物を集めないことができる。これにより、液晶表示装置の画質はよくなり得る。IM−T4官能基は、構造式IM5を参照して前述したIM−A6官能基の役割を果たすことができる。複数の表面配向化合物が各自に(separately)凝集して、表面配向化合物が過度に相分離することを減らすため、IM−T4官能基とIM−A6官能基の中のいずれかの一つのみが第5又は第6表面配向化合物に含まれ得る。本発明により、IM−T4官能基は、第6表面配向化合物に含まれず、IM−A6官能基が第5表面配向化合物に含まれ得る。IM−T2、IM−T21及びIM−R6官能基は、構造式IM1、構造式IM2及び構造式IM4を参照して前述した。
【0683】
本発明の一実施形態により、構造式IM6の化合物は、後述の方法で合成することができる。まず、IM−T11部分の単分子、IM−T2部分の単分子、IM−T21部分の単分子、IM−R6部分の単分子 及びIM−T4部分の単分子を後述の方法で製造する。次いで、IM−T11部分の単分子、IM−T2部分の単分子、IM−T21部分の単分子、IM−R6部分の単分子 及びIM−T4部分の単分子を前述の組成比で溶媒と混合し、約50℃ないし約70℃で加熱すると、単分子同士の重合反応により構造式IM6の化合物を合成することができる。溶媒は、第1表面配向化合物と第2表面配向化合物を混合可能な前述の溶媒の中のいずれかであればよい。
【0684】
本発明の一実施形態により、IM−T11部分の単分子は、シロキサンの一つの結合がアルキルベンゼンで置換されたものであってもよい。シロキサンの一つの結合かアルキルベンゼンで置換されたシロキサンは、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)を極性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン(THF)に混合した後、この混合物及びアルキルベンゼンを酸(例えば、塩酸(HCl))又は塩基触媒を含んだ水(HO)と攪拌することにより製造することができる。アルキル基の炭素数は約6個〜約12個であってもよい。本発明の別の実施形態により、アルキルベンゼンは、IM−T11官能基に含まれた前述の複数の分子の中のいずれかに代替され得る。
【0685】
本発明の一実施形態により、IM−T2部分の単分子は、シロキサンの一結合がアルキル化メタアクリレートで置換されたものであってもよい。シロキサンの一結合かアルキル化メタアクリレートで置換されたシロキサンは、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)を極性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン(THF)に混合した後、この混合物及びアルキル化メタアクリレートを酸(例えば、塩酸(HCl))又は塩基触媒を含んだ水(HO)と攪拌することにより製造することができる。アルキル基の炭素数は約1個〜約7個であってもよい。本発明の別の実施形態により、アルキル化メタアクリレートは、IM−T2官能基に含まれた前述の複数の分子の中のいずれかに代替可能である。
【0686】
本発明の一実施形態により、IM−T21部分の単分子は、シロキサンの一つの結合がビニル基で置換されたものであってもよい。シロキサンの一つの結合がビニル基で置換されたシロキサンは、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)を極性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン(THF)に混合した後、この混合物及びビニル基を酸(例えば、塩酸(HCl))又は塩基触媒を含んだ水(HO)と攪拌することにより製造することができる。ビニル基に結合したスペーサー個数、例えば、アルキル基の炭素数は、0ないし4個であってもよい。本発明の別の実施形態により、ビニル基は、IM−T21官能基に含まれた前述の複数の分子の中のいずれかに代替できる。
【0687】
本発明の一実施形態により、IM−R6部分の単分子は、シロキサンの一つの結合がヒドロキシ基で置換されたものであってもよい。本発明の一実施形態により、シロキサンの一つの結合がヒドロキシ基で置換されたシロキサンは、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)を極性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン(THF)に混合した後、この混合物及びヒドロキシ基を酸(例えば、塩酸(HCl))又は塩基触媒を含んだ水(HO)と攪拌することにより製造することができる。本発明の別の実施形態により、ヒドロキシ基は、IM−R6官能基に含まれた前述の複数の分子の中のいずれかに代替できる。
【0688】
本発明の一実施形態により、IM−T4部分の単分子は、シロキサンの一つの結合がアルキル化アミノ基で置換されたものであってもよい。本発明の一実施形態により、シロキサンの一つの結合がアルキル化アミノ基で置換されたシロキサンは、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)を極性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン(THF)に混合した後、この混合物及びアルキル化アミノ基を酸(例えば、塩酸(HCl))又は塩基触媒を含んだ水(HO)と攪拌することにより製造することができる。アルキル基の炭素数は、約1個ないし約5個であってもよい。本発明の別の実施形態により、アルキル化アミノ基は、IM−T4官能基に含まれた前述の複数の分子の中のいずれかに代替できる。
【0689】
以下、前述の無機物系物質の側鎖に結合したリジッド特性の単分子を含んだ表面配向反応物10を用いて、配向膜291、292及び液晶表示板組立体300を製造する過程について詳細に説明する。本発明により、無機物系物質の側鎖に結合したリジッド特性の単分子を含んだ表面配向反応物10は、前述のように、無機物系物質より形成された主鎖と無機物系物質の側鎖に結合したリジッド分子を含んだ垂直配向性官能基を包含する。無機物系物質の側鎖に結合したリジッド特性の単分子を含んだ表面配向反応物10は、実質的に前述のSC-VAモード方法により配向膜及び液晶表示板組立体300を形成する。前述のように、リジッド特性の分子を含む垂直配向性官能基は、液晶分子の垂直配向性を向上させることができる。
【0690】
以下、官能基が結合した無機物系化合物で混合された表面配向反応物10を用いて、配向膜291,292及び液晶表示板組立体300を形成する前述の方法を参照して(説明の便宜上、前述の説明と重複される説明は省略)、無機物系物質の側鎖に結合したリジッド特性の単分子を含んだ表面配向反応物10が、配向膜291,292の上に、及び液晶表示板組立体300の内に形成される方法について説明する。説明の重複を避けるため、上板配向膜292を形成する方法は省略し、下板配向膜291を形成する方法について説明する。
【0691】
まず、前述又は後述の方法により、画素電極191を有する下部表示板100と共通電極270を有する上部表示板200を製造する。
【0692】
無機物系物質の側鎖に結合したリジッド特性の単分子を含んだ前述の表面配向反応物10を、画素電極191の上に前述の方法により形成する。前述の第5表面配向化合物と前述の第6表面配向化合物との混合物を含んだ表面配向反応物10について、前述の方法で1次加熱工程を行い、これにより表面配向反応物10の溶媒が除去される。1次加熱工程で、表面配向反応物10は、第5表面配向化合物を含む表面無機物層33aと、第6表面配向化合物を含む表面機能層35aに相分離される。第5表面配向化合物は画素電極191又は共通電極270と近い方向に形成され、第6表面配向化合物は疎水性を有する官能基であるので、空気層のある方向に移動する。第5表面配向化合物に含まれたIM−A6官能基は、第5表面配向化合物と第6表面配向化合物が完全に相分離されて各自に凝集するのを減らすことができる。また、1次加熱工程で脱水反応が一部発生し、第5表面配向化合物と第6表面配向化合物に含まれたシロキサン中の一部は、重合してポリシロキサンを形成する。
【0693】
相分離した表面配向反応物10は、前述の方法で2次加熱する。2次加熱工程で脱水反応が主に生じ、表面無機物層33aと表面機能層35aに含まれたシロキサン及びポリシロキサンが、互いに架橋して硬化される。シロキサン又はポリシロキサンが架橋するか、硬化されて、表面無機物層33aは表面無機配向膜33を形成する。本発明の一実施形態により、IM−T4官能基は、1次及び/又は2次加熱工程で脱水反応を加速化し、シロキサン同士の架橋を増加し得る。シロキサン同士の架橋が増加するによって、表面無機配向膜33及び表面機能層35aに含まれたヒドロキシ基の量は減少する。表面無機配向膜33及び表面機能層35aにより形成された配向膜291がより少ない量のヒドロキシ基を含むと、極性を有するヒドロキシ基が少ないので、配向膜291は、不純物を集めるのが少なくなる。従って、不純物により発生する液晶表示装置のムラは減少できる。本発明の別の実施形態により、1次及び2次加熱工程の中のいずれかが省略され、他の加熱工程で1次及び2次加熱工程を参照して前述した反応が生じ得る。
【0694】
以後、表面無機配向膜33又は表面機能層35aは、純水(DIW)により洗浄し、イソプロピルアルコールによりさらに洗浄してもよい。以後、表面無機配向膜33又は表面機能層35aは乾燥する。
【0695】
以後、前述したように、シール材、上板の共通電圧印加点及び液晶層3が形成され、下部表示板100と上部表示板200が合着される。合着した下部表示板100と上部表示板200は、前述の方法でアニールしてもよい。
【0696】
以後、前述の方法により、合着した表示板100,200に露光電圧を供給した状態で光が照射される。これにより、表面機能層35aは表面機能硬化層35を形成する。表面無機配向膜33と表面機能硬化層35は、下板配向膜291を形成する。表面機能硬化層35を形成する方法は、構造式IM4を参照して前述した方法と類似であるので、前述の方法との相違について詳細に説明する。
【0697】
前述した方法により液晶層3に電気場が形成されている間、前述の方法で電界露光工程が進行される。電界露光工程により、表面機能層35aに含まれたIM−T2官能基とIM−T21官能基は、前述の方法によりネットワークを形成して表面機能硬化層35を設ける。ネットワークを形成した官能基は、前述のように、プレチルト角を有し、周辺の液晶分子31をプレチルト角の方向と実質的に平行の方向に傾くように配列する。垂直配向特性を有する前述のIM−T11官能基は、液晶分子31が過度に傾くように配列することを防ぐことができる。液晶分子が過度に傾斜して配列されると、ブラック光漏れが発生するために、液晶表示装置の表示品質が悪くなる恐れがある。前述のように、IM−T11官能基は垂直配向特性を有し、リジッド分子を含んでいるので、傾いて配列された液晶分子31をより傾かないように配列し得る。IM−T11官能基により、液晶分子はより堅固に配列し、液晶分子の傾斜角が調節され得る。IM−T11、IM−T2及びIM−T21官能基により、液晶分子31は、前述のように、液晶層に電界場が印加されなかった状態で、予め定められたプレチルト角で配列できる。予め定められたプレチルト角は前述と同様である。
【0698】
このように形成された下板配向膜291は、ポリシロキサンと前述の官能基が結合した構造を有する。本発明により、ポリシロキサンと結合したIM−T11官能基対IM−T2官能基のモル%比は、約1対約1.5〜約11であってもよい。本発明により、ポリシロキサンと結合したIM−T11官能基対IM−T2官能基対IM−T21官能基のモル%比は、約1対約1.5〜約11対約1〜約3であってもよい。本発明により、ポリシロキサンと結合したIM−T11官能基対IM−T2官能基対IM−T4官能基のモル%比は、約1対約1.5〜約11対約0.5〜約4であってもよい。本発明により、ポリシロキサンと結合したIM−T11、IM−T2、IM−T21及びIM−T4官能基の中のいずれかの相対的な比は、第5及び第6表面配向化合物に含まれた各々のモル%を比較したものであってもよい。上板配向膜292に含まれた表面無機配向膜34と表面機能硬化層36は、下板配向膜291を形成する前述又は後述の方法で形成することができる。
【0699】
このように無機物系物質の側鎖に結合したリジッド特性の単分子を含む表面配向反応物10により製造された液晶表示板組立体300は、SC-VAモードの特性を有することができる。垂直配向性官能基がリジッド特性の分子を含むので、液晶表示装置の光漏れ不良を減少できる。無極性のアミノ基は、ポリシロキサンの架橋密度を増加させるので、配向膜の信頼性を向上することができ、不純物を集めないので、液晶表示装置の画質を向上することができる。
【0700】
本発明により、無機物系物質の側鎖に結合したリジッド特性の単分子を含む表面配向反応物10で配向膜291,292を製造し、また、これを有する液晶表示装置を製造した。本発明の実施形態により、無機物系物質の側鎖に結合したリジッド特性の単分子を含む表面配向反応物10は、約97対約3の重量比で混合した溶媒と固形分を含んだ。
【0701】
固形分は、約7対約3の重量比で混合した第5表面配向化合物と第6表面配向化合物を包含した。溶媒は、約55重量%のヘキシレングリコール、約20重量%のブチルセロソルブ(BCS)、及び約25重量%のプロピレングリコールモノブチルエーテル(PB)を包含した。
【0702】
第5表面配向化合物は、構造式IM5を含んだ。第5表面配向化合物は、約5モル%のIM−A6官能基及び約95モル%のIM−R6官能基を含んだ。IM−R6官能基はヒドロキシ基であり、IM−A6官能基は、約3個の炭素を有するアルキル化アミンであった。第6表面配向化合物は構造式IM6を包含した。
【0703】
第6表面配向化合物は、約10モル%のIM−T11官能基、約45モル%のIM−T2官能基、約10モル%のIM−T21官能基、約32モル%のIM−R6官能基、及び約3モル%のIM−T4官能基を含んだ。IM−T11官能基は、約10個の炭素を有するアルキルベンゼンであり、IM−T2官能基は、約5個の炭素を有するアルキル化メタクリレートであり、IM−T21官能基は、約3個の炭素を有するアルキル化ビニルであり、IM−R6官能基はヒドロキシ基であり、IM−T4官能基は、3個の炭素を有するアルキル化アミンであった。
【0704】
無機物系物質の側鎖に結合したリジッド特性の単分子を含む表面配向反応物10を用いて、液晶表示板組立体を前述の方法により製造した。液晶表示板組立体を製造する前述の工程において、表面無機配向膜33又は表面機能層35aは、純水(DIW)とイソプロピルアルコールにより洗浄した。液晶表示装置の画素(PX)の構造は、実質的に図3の構造と類似であった。液晶表示板組立体の積層構造は、図21a又は図21bに示した。上板に形成された蓋膜225は、アクリル系物質を含んだ。液晶層3のセル間隔は、約3.0μmであった。画素電極191の微細枝197の幅は約5μmであり、微細スリットの幅は約3μmであった。多段階の電圧供給方式により進行された露光電圧のV2は、約22Vであった。電界露光工程における紫外線の強度は、約6.5J/cm2であった。このように製造した液晶表示装置は、図11と関連して前述した電荷共有方式の1G1D駆動で動作された。このように製造した液晶表示装置でブラック光漏れは改善された。
【0705】
本発明により、新規の表面配向反応物10と、これを用いて形成した配向膜又は液晶表示装置について開示する。本発明により、配向膜を形成する表面配向反応物10は、互いに異なる3種の化合物を混合したものである。3種の化合物の中で選択した1種の化合物は、フレキシブル分子―含有第1垂直配向性官能基を含み、他の1種の化合物は、リジッド分子―含有第2垂直配向性官能基を含み、残りの1種の化合物は、垂直配向性官能基を含まない。第1垂直配向性官能基を含む化合物と第2垂直配向性官能基を含む化合物をそれぞれ製造することにより、第1垂直配向性官能基の量と第2垂直配向性官能基の量を容易い調節することができる。第1垂直配向性官能基の量と第2垂直配向性官能基の量に応じて、液晶分子のプレチルト角と応答速度が変わってくるので、これを含む液晶表示装置は、バランスよく調節された応答速度とブラック光漏れの特性を有することができる。
【0706】
3種の化合物からなる混合物を含む表面配向反応物10は、第7表面配向化合物、第8表面配向化合物及び第9表面配向化合物の混合物である。第8表面配向化合物は、フレキシブル分子―含有第1垂直配向性官能基を包含する。第9表面配向化合物は、リジッド分子―含有第2垂直配向性官能基を包含する。表面配向反応物10に含まれた固形分の重量、即ち、第7表面配向化合物、第8表面配向化合物及び第9表面配向化合物の総重量は、約2重量%〜約4重量%であってもよく、溶媒は約96重量%〜約98重量%であってもよい。本発明により、第7表面配向化合物、第8表面配向化合物及び第9表面配向化合物は、約6〜約8.5対約0.5〜約2対約1〜約2の重量比で混合するのが好ましい。第9表面配向化合物の重量は、第8表面配向化合物の重量に対する比率で、約0.5倍〜約4倍であってもよい。
【0707】
以下、第7表面配向化合物、第8表面配向化合物及び第9表面配向化合物について開示する。本発明により、第7表面配向化合物は、前述の構造式IM1又は構造式IM5を含んでもよく、この構造式と関連して前述した特徴を有する。構造式IM1又は構造式IM5は、前述の方法で合成することができる。
【0708】
本発明により、第8表面配向化合物は、フレキシブル分子ー含有第1垂直配向性官能基を包含する。本発明により、第8表面配向化合物は、下記構造式IM7を含む。構造式IM7は、主鎖を形成するシロキサン系単分子と、側鎖を形成するIM−T12、IM−T2、IM−T21、IM−R6及びIM−T4官能基が結合したものである。第8表面配向化合物は、約5モル%〜約30モル%のIM−T12官能基、約40モル%〜約60モル%のIM−T2官能基、約5モル%〜約15モル%のIM−T21官能基、約20モル%〜約40モル%のIM−R6官能基、及び約1モル%〜約5モル%のIM−T4官能基を含んでもよい。各官能基のモル%は、シロキサンと溶媒を除いた第8表面配向化合物中のモル%である。第8表面配向化合物に含まれたIM−T12、IM−T2、及びIM−T21官能基は、実質的に疎水性の特性を有してもよい。本発明により、第8表面配向化合物は、約10モル%のIM−T12官能基、約50モル%のIM−T2官能基、約10モル%のIM−T21官能基、約27モル%のIM−R6官能基、及び約3モル%のIM−T4官能基を含んでもよい。
構造式IM7
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【0709】
IM−T12官能基は、フレキシブル分子よりなる第1垂直配向性官能基である。IM−T12官能基又は第1垂直配向性官能基は、液晶分子と相互作用をして液晶分子を下部膜に対して垂直に配向する垂直配向成分の単分子である。フレキシブル分子よりなるIM−T12官能基又は第1垂直配向性官能基と相互作用をする液晶分子は、より速く動けるので、これを有する液晶表示装置は、迅速な応答速度の特性を有することができる。IM−T12官能基に含まれたフレキシブル分子は、前述の構造式XIX−A1又は長鎖アルキル基を含んでもよい。IM−T12官能基は、約5〜約20個の炭素を含んでもよい。IM−T2、IM−T21、IM−R6及びIM−T4官能基は、構造式IM1、構造式IM2、構造式IM4及び構造式IM6を参照して前述しており、前述の効果を有することができる。
【0710】
本発明の一実施形態により、構造式IM7の化合物は、後述の方法で合成することができる。まず、IM−T12部分の単分子、IM−T2部分の単分子、IM−T21部分の単分子、IM−R6部分の単分子、及びIM−T4部分の単分子は、後述の方法で製造する。以後、IM−T12部分の単分子、IM−T2部分の単分子、IM−T21部分の単分子、IM−R6部分の単分子、及びIM−T4部分の単分子を前述の組成比で溶媒と混合し、約50℃〜約70℃で加熱すると、単分子同士の重合反応により構造式IM7の化合物が合成できる。溶媒は、第1表面配向化合物と第2表面配向化合物を混合可能な前述の溶媒中のいずれかであればよい。本発明の一実施形態により、IM−T12部分の単分子は、シロキサンの一つの結合がアルキル基により置換されたものであってもよい。シロキサンの一つの結合がアルキル基により置換されたシロキサンは、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)を極性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン(THF)に混合した後、この混合物及びアルキル基を酸(例えば、塩酸(HCl))又は塩基触媒を含んだ水(HO)と攪拌することにより製造することができる。アルキル基の炭素数は、約5個〜約20個であってもよい。本発明の別の実施形態により、アルキル基は、IM−T12官能基に含まれた前述のフレキシブル分子中のいずれかに代替してもよい。IM−T2部分の単分子、IM−T21部分の単分子、IM−R6部分の単分子、及びIM−T4部分の単分子は、構造式IM6を参照して前述した方法で製造することができる。
【0711】
本発明により、第9表面配向化合物は、リジッド分子―含有第2垂直配向性官能基を包含する。第9表面配向化合物は、前述の構造式IM6を含んでもよく、前述の特徴を有する。構造式IM6は、前述の方法で合成することができる。第7、第8及び第9表面配向化合物は、後述の方法により配向膜291,292を形成する。第7、第8及び第9表面配向化合物により形成された配向膜291は、ポリシロキサンと前述の官能基が結合した構造を有する。ポリシロキサンと結合したIM−T11、IM−T12、IM−T2、IM−T21及びIM−T4官能基の中のいずれかの相対的な比は、第7、第8及び第9表面配向化合物に含まれた各々のモル%を比較したものであり得る。本発明により、ポリシロキサンと結合したIM−T11官能基対IM−T2官能基のモル%比は、約1対約1.5〜約11であってもよい。本発明により、ポリシロキサンと結合したIM−T11官能基対IM−T2官能基対IM−T21官能基のモル%比は、約1対約1.5〜約11対約1〜約3であってもよい。本発明により、ポリシロキサンと結合したIM−T11官能基対IM−T2官能基対IM−T4官能基のモル%比は、約1対約1.5〜約11対約0,5〜約4であってもよい。本発明により、ポリシロキサンと結合したIM−T11官能基対IM−T12官能基対IM−T2官能基のモル%比は、約1対約0.3〜約3対約1.5〜約11であってもよい。
【0712】
以下、前述した3種の化合物の混合物を含む表面配向反応物10を用いて、配向膜291,292及び液晶表示板組立体300を製造する過程について詳細に説明する。本発明により、3種の化合物からなる混合物を含む表面配向反応物10を用いて、配向膜291,292及び液晶表示板組立体300を製造する方法は、無機物系物質の側鎖に結合したリジッド特性の単分子を含んだ表面配向反応物10を用いて配向膜291,292及び液晶表示板組立体300を製造する前述の方法と実質的に類似である。
【0713】
無機物系物質の側鎖に結合したリジッド特性の単分子を含んだ表面配向反応物10を用いて配向膜291,292及び液晶表示板組立体300を製造する前述の方法により、後述の表面配向反応物10を用いて配向膜291,292及び液晶表示板組立体300を製造した。以下、これらの製造過程を詳細に説明する。説明の重複を避けるため、上板配向膜292を形成する方法は省略し、下板配向膜291を形成する方法について説明する。
【0714】
まず、前述又は後述の方法により画素電極191を有する下部表示板100と共通電極270を有する上部表示板200を製造した。画素電極と共通電極を含む画素(PX)は、前述した図3の構造を包含し、図21a又は図21bの積層構造を包含した。画素電極191の微細枝197の幅は約5μmであり、微細スリットの幅は約3μmであった。上部表示板200に形成された蓋膜225は、アクリル系物質を含んだ。以後、3種の化合物の混合物を含む後述の表面配向反応物10をインクジェット方法により画素電極191の上に形成した。
【0715】
本発明の一実施形態により、3種の化合物の混合物を含む表面配向反応物10は、約3重量%の固形分と約97重量%の溶媒との混合物であった。固形分は、約80重量%の第7表面配向化合物、約5重量%の第8表面配向化合物、及び約15重量%の第9表面配向化合物を包含した。
【0716】
第7表面配向化合物は、構造式IM5の特徴を有し、シロキサン系単分子の側鎖を構成する約5モル%のIM−A6官能基及び約95モル%のIM−R6官能基を含んだ。IM−R6官能基は、ヒドロキシ基であり、IM−A6官能基は、約3個の炭素を有するアルキル化アミンであった。
【0717】
第8表面配向化合物は、前述の構造式IM7を含んだ。即ち、第8表面配向化合物は、約14モル%のIM−T12官能基、約46モル%のIM−T2官能基、約10モル%のIM−T21官能基、約27モル%のIM−R6官能基及び約3モル%のIM−T4官能基を含んだ。IM−T12官能基は、第1垂直配向性官能基であって、フレキシブル分子の長鎖アルキル基を含んだ。長鎖アルキル基は、約16個の炭素を有した。IM−T2官能基は、アルキル化メタクリレート基を含んだ。アルキル化メタクリレート基に含まれたアルキル基は、約3個の炭素を有した。IM−T21官能基は、ビニル基を含んだ。ビニル基に結合したスペーサー個数は0であった。IM−R6官能基は、ヒドロキシ基であった。IM−T4官能基は、アルキル化アミンであった。アルキル化アミンに含まれたアルキル基は、約3個の炭素を有した。
【0718】
第9表面配向化合物は、前述の構造式IM6を包含した。即ち、第9表面配向化合物は、約14モル%のIM−T11官能基、約46モル%のIM−T2官能基、約10モル%のIM−T21官能基、約27モル%のIM−R6官能基及び約3モル%のIM−T4官能基を含んだ。IM−T11官能基は、第2垂直配向性官能基であって、リジッド分子であるベンゼンを含むアルキルベンゼンを含んだ。アルキルベンゼンに含まれたアルキル基は、約10個の炭素を有した。IM−T2官能基、IM−T21官能基、IM−R6官能基及びIM−T4官能基は、第8表面配向化合物に含まれた官能基とそれぞれ同様であった。溶媒は、約55重量%のヘキシレングリコール(HG)、約20重量%のブチルセロソルブ(BCS)、及び約25重量%のプロピレングリコールモノブチルエーテル(PB)を含んだ。
【0719】
画素電極191の上に形成された表面配向反応物10に1次加熱工程を行った。1次加熱工程は、約95℃で約120秒の間行われた。1次加熱工程で溶媒が除去され、表面配向反応物10は、表面無機物層33aと表面機能層35aに相分離された。画素電極191に近接して形成された表面無機物層33aは、主に第7表面配向化合物を包含し、空気層に近接して形成された表面機能層35aは、主に第8表面配向化合物と第9表面配向化合物を包含する。IM−T11、IM−T12、IM−T2及びIM−T21官能基は、疎水性の特性を有するので、第8又は第9表面配向化合物は、空気層のある方向に形成される。表面機能層35aに含まれた第8表面配向化合物と第9表面配向化合物は、無秩序に混合された状態であり得る。第9表面配向化合物に含まれたIM−T11官能基が、第8表面配向化合物に含まれたIM−T12官能基より疎水性を有するので、第9表面配向化合物が第8表面配向化合物より空気層に近接して位置し得る。また、1次加熱工程で表面配向反応物10は脱水反応をする。
【0720】
1次加熱した表面配向反応物10は2次加熱した。2次加熱工程は、約220℃で約1000秒の間行われた。2次加熱工程で脱水反応が完了し、表面無機物層33aと表面機能層35aに含まれたシロキサン及びポリシロキサンが架橋する。これにより、表面無機物層33aは表面無機配向膜33を形成する。各官能基は、前述のように作用する。
【0721】
以後、表面無機配向膜33又は表面機能層35aは純水により洗浄した後、イソプロピルアルコールにより洗浄し、続いて、乾燥した。
【0722】
以後、シール材、上板の共通電圧印加点及び液晶層3が形成され、下部表示板100と上部表示板200が真空状態で合着された。シール材は紫外線により硬化された。合着した表示板100、200は、約110℃で約2時間、アニーリングした。アニーリング工程の間、シール材は熱硬化された。
【0723】
以後、露光電圧を印加し、光を照射した。露光電圧は、多段階の電圧供給方式により印加され、露光電圧のV2は、約15ボルト(V)であり、電界露光工程における紫外線の強度は、約6.5J/cm2であった。蛍光露光工程は省略した。これにより、表面機能層35aは表面機能硬化層35を形成した。即ち、第8及び第9表面配向反応物に含まれたIM−T2官能基とIM−T21官能基は、ネットワークを形成してプレチルト角を有した。前術の工程により表面無機配向膜33と表面機能硬化層35を含む下板配向膜291が形成された。このように形成された下板配向膜291で、フレキシブル分子を有する垂直配向性官能基よりリジッド分子を有する垂直配向性官能基が、空気層又は液晶層に近接して分布し得る。上板配向膜292に含まれた表面無機配向膜34と表面機能硬化層36は、下板配向膜291を形成する前述の方法により形成された。液晶表示装置のセル間隔は約3.0μmであった。液晶表示装置は、図11を参照して前述した電荷共有方式の1G1D駆動で動作された。
【0724】
このように形成された下板及び上板配向膜291,292は、液晶分子のプレチルト角を調節してブラック光漏れを改善し、かつ、液晶分子の動きをより速くすることができた。フレキシブル垂直配向基とリジッド垂直配向基を含む配向膜は、バランスよく液晶分子の応答速度とプレチルト角を調節するので、液晶表示装置の表示品質が向上された。
【0725】
本発明により、新規の表面配向反応物10、これを用いて形成した配向膜又は液晶表示装置について開示する。本発明により、配向膜を形成する表面配向反応物10は、液晶分子を垂直方向に配向する、互いに異なる2種の単分子を有する化合物を包含する。一つの化合物に含まれた、互いに異なる2種の単分子の中のいずれかの一つは、フレキシブル分子を含む第1垂直配向性官能基であり、他の1種は、リジッド分子を含む第2垂直配向性官能基である。フレキシブル第1垂直配向性官能基と、リジッド第2垂直配向性官能基を含む配向膜は、前述のように、第1垂直配向性官能基の量と第2垂直配向性官能基の量に応じて、液晶分子のプレチルト角と応答速度を調節可能であるので、そのような配向膜を含む液晶表示装置は、バランスよく調節された応答速度とブラック光漏れの特性を有することができる。一つの化合物がフレキシブル第1垂直配向性官能基と、リジッド第2垂直配向性官能基を含むことができるので、液晶分子がより均一の角度で配列するか、配向膜を形成する工程が単純化できる。
【0726】
垂直方向に液晶分子を配向する、互いに異なる2種の単分子を有する化合物を含む表面配向反応物10は、第10表面配向化合物と第11表面配向化合物との混合物である。第11表面配向化合物は、垂直方向に液晶分子を配向する、互いに異なる2種の単分子を含む。表面配向反応物10に含まれた第10表面配向化合物と第11表面配向化合物の混合比率、固形分と溶媒との混合比率及び化合物を混合する溶媒は、第5表面配向化合物と第6表面配向化合物を参照して前述したのと同様である。
【0727】
本発明により、第10表面配向化合物は、前述の構造式IM1又は構造式IM5を含んでもよく、そのような構造式と関連して前述した特徴を有する。構造式IM1又は構造式IM5は、前述の方法で合成することができる。
【0728】
本発明により、垂直方向に液晶分子を配向する、互いに異なる2種の単分子を含む第11表面配向化合物は、下記構造式IM8を含む。構造式IM8は、主鎖を形成するシロキサン系単分子と、側鎖を形成するIM−T12、IM−T11、IM−T2、IM−T21、IM−R6及びIM−T4官能基が結合したものである。第11表面配向化合物は、約5モル%〜約15モル%のIM−T12官能基、約5モル%〜約15モル%のIM−T11官能基、約35モル%〜約55モル%のIM−T2官能基、約5モル%〜約15モル%のIM−T21官能基、約20モル%〜約40モル%のIM−R6官能基、及び約1モル%〜約5モル%のIM−T4官能基を含んでもよい。各官能基のモル%は、シロキサンと溶媒を除いた第11表面配向化合物中のモル%である。第11表面配向化合物に含まれたIM−T12、IM−T11、IM−T2、及びIM−T21官能基は、実質的に疎水性の特性を有してもよい。本発明により、第11表面配向化合物は、約10モル%のIM−T12官能基、約10モル%のIM−T11官能基、約45モル%のIM−T2官能基、約10モル%のIM−T21官能基、約22モル%のIM−R6官能基、及び約3モル%のIM−T4官能基を含んでもよい。
構造式IM8

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【0729】
IM−T12官能基は、構造式IM7を参照して前述したフレキシブル分子を含む。IM−T11官能基は、構造式IM6を参照して前述したリジッド分子を含む。IM−T12官能基とIM−T11官能基は、前述のように、液晶分子と相互作用をして液晶分子を下部膜に対して垂直に配向する垂直配向成分の単分子である。IM−T12官能基は、前述の第1垂直配向性官能基であってもよく、IM−T11官能基は、前述の第2垂直配向性官能基であってもよい。前述したように、一定の比率又は量で組み合わせたIM−T12官能基とIM−T11官能基を含む配向膜は、液晶表示装置の表示品質を向上することができる。一つの化合物で、IM−T12官能基とIM−T11官能基が均一に分布できるので、液晶分子の配向は均一であり得る。IM−T2、IM−T21、IM−R6及びIM−T4官能基は、構造式IM1、構造式IM2、構造式IM4及び構造式IM6を参照して前述し、前述の効果を有することができる。
【0730】
本発明の一実施形態により、構造式IM8の化合物は、後述の方法により合成することができる。まず、IM−T12部分の単分子、IM−T11部分の単分子、IM−T2部分の単分子、IM−T21部分の単分子、IM−R6部分の単分子、及びIM−T4部分の単分子を後述の方法で製造する。以後、IM−T12部分の単分子、IM−T11部分の単分子、IM−T2部分の単分子、IM−T21部分の単分子、IM−R6部分の単分子、及びIM−T4部分の単分子を前述の組成比で溶媒と混合し、約50℃〜約70℃で加熱すると、単分子同士の重合反応により構造式IM8の化合物を合成することができる。溶媒は、第1表面配向化合物と第2表面配向化合物を混合可能な前述の溶媒の中のいずれかであってもよい。本発明の一実施形態により、IM−T12部分の単分子は、シロキサンの一つの結合がアルキル基で置換されたものであってもよい。シロキサンの一つの結合がアルキル基で置換されたシロキサンは、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)を極性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン(THF)に混合した後、この混合物及びアルキル基を酸(例えば、塩酸(HCl))又は塩基触媒を含んだ水(HO)と攪拌することにより製造することができる。アルキル基の炭素数は、約5個〜約20個であってもよい。本発明の別の実施形態により、アルキル基は、IM−T12官能基に含まれた前述のフレキシブル分子中のいずれかに代替し得る。IM−T11部分の単分子、IM−T2部分の単分子、IM−T21部分の単分子、IM−R6部分の単分子、及びIM−T4部分の単分子は、構造式IM4を参照して前述した方法で製造することができる。
【0731】
垂直方向に液晶分子を配向する、互いに異なる2種の単分子を有する化合物を含む表面配向反応物10は、第5表面配向化合物と第6表面配向化合物を含む表面配向反応物10を用いて配向膜291、292及び液晶表示板組立体300を形成する前述の方法により、配向膜291、292及び液晶表示板組立体300を形成することができる。このように形成された配向膜291、292で、フレキシブル分子を有する垂直配向性官能基と、リジッド分子を有する垂直配向性官能基は、互いに分離されず、分布することができる。第10及び第11表面配向化合物により形成された配向膜291は、ポリシロキサンと前述の官能基が結合した構造を有する。ポリシロキサンと結合した各官能基の相対的な比は、第7、第8及び第9表面配向化合物を用いて配向膜を形成する方法を参照して前述した各官能基の相対的な比と実質的に類似であってもよい。ポリシロキサンと結合したIM−T11、IM−T12、IM−T2、IM−T21及びIM−T4官能基中のいずれかの相対的な比は、第10及び第11表面配向化合物に含まれたそれぞれのモル%を比較したものであってもよい。
【0732】
本発明の一実施形態によるシール材は、約400nm以上の波長の光で硬化される。約400nm以上の波長の光により、シール材が硬化され、下部又は上部表示板の内部領域に存在する光硬化剤は硬化されないので、シール材の周辺で発生する縁ムラ不良が減少する。約300nm〜約400nm波長の紫外線で硬化されるシール材は、配向膜の形成材料又は液晶に含まれた光硬化剤を硬化する光により硬化されるので、シール材を硬化するとき、シール材の周辺の光硬化剤が硬化されて液晶表示装置は、縁ムラ不良を有し得る。これを改善するため、シール材と光硬化剤が、異なる波長の光で硬化されるのが必要となった。
【0733】
本発明の実施形態による約400nm以上の波長の光で硬化されるシール材は、シール材の材料とシール材を硬化する方法を除いて、前述した工程と実質的に類似に適用される。従って、前述のシール材の工程と重複される詳細な説明は、説明の便宜上、省略し、本実施形態の特徴的なことについて詳細に説明する。
【0734】
本発明の実施形態による約400nm以上の波長の光で硬化されるシール材は、図6a、図6b及び図6cと関連して前述又は後述の液晶表示板組立体を製造する方法、即ち、SVAモード、SC-VAモード及び偏光UV−VAモードにより、下部表示板又は上部表示板に塗布し得る。塗布したシール材は、約400nm以上の波長で硬化される。本発明による約400nm以上の波長の光は、可視光線であってもよい。
【0735】
本発明によるシール材は、約400nm以上の波長で硬化されるので、シール材に照射された光がシール材の周辺部に外れても、配向膜を形成する又は液晶層に含まれた光硬化剤は硬化されない。従って、シール材に照射された光が、シール材の周辺部に外れることを遮断するため、必要であった遮断マスクが不要となり得る。これにより、液晶表示板組立体の製造工程は単純化され、液晶表示装置はシール材の周辺で発生する縁のムラ不良を有さないことができる。
【0736】
以下、約400nm以上の波長で硬化されるシール材の材料について詳細に説明する。約400nm以上の波長で硬化されるシール材は、アクリルエポキシハイブリッド樹脂、アクリル樹脂及びエポキシ樹脂からなる樹脂、ジアミンからなる硬化剤、シランからなるカップリング剤、オキシムエステルからなる光開始剤、及びシリカとアクリル粒子からなる充填剤を有する。本発明の実施形態により、約400nm以上の波長で硬化されるシール材は、オキシムエステル系光開始剤を有してもよい。
【0737】
アクリルエポキシハイブリッド樹脂、アクリル樹脂、及びエポキシ樹脂は、シール材の基本骨格を構成し、プレポリマーの役割を果たす。アクリルエポキシハイブリッド樹脂は、下記構造式S−Iで表されるジフェニルプロピルアクリル−エポキシハイブリッド樹脂であってもよく、アクリル樹脂は、下記構造式S−IIで表されるジフェニルプロピルアクリル樹脂であってもよく、エポキシ樹脂は、下記構造式S−IIIで表されるジフェニルプロピルエポキシハイブリッド樹脂であってもよい。
【0738】
構造式S−I

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【0739】
構造式S−II

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【0740】
構造式S−III
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【0741】
ジアミンは、エポキシ樹脂と反応して硬化され、シール材の汚染を減らす。ジアミンは、オキタンジヒドラジドであってもよく、下記化学式S−IVで表され得る。
【0742】
化学式S−IV

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【0743】
シランは、充填剤、有機物又は無機物の接着力を向上させる。シランは、 [3−(オキシラニルメトキシ)プロピル] トリメトキシシランであってもよく、下記構造式S−Vで表され得る。
【0744】
構造式S−V

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【0745】
オキシムエステルは、プレポリマーを硬化する光重合開始剤である。オキシムエステルは、4−アセチルジフェニルスルフィドオキシムエステル(Ciba社製、IRGACURE OXE01、OXE02)であってもよく、下記構造式S−VIで表され得る。
オキシムエステルは、約400nm以上の波長で硬化され、また、可視光線により硬化され得る。
【0746】
構造式S−VI

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【0747】
本発明の別の実施形態によるオキシムエステルは、下記構造式S−VIIで表され得る。
【0748】
構造式S−VII

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【0749】
式中、Xは、4−アセチルジフェニルスルフィド、N−エチルカルバゾール及び2´−メチルフェノニールN−エチルカルバゾールのうちのいずれか一つであってもよく、各々は、下記構造式S−VII−X1、S−VII−X2及びS−VII−X3で表され得る。YとZはそれぞれ、アルキル基(C2n+1)であってもよい。nは1〜12の整数であってもよい。また、Zはフェニルであってもよい。
【0750】
構造式S−VII−X1

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【0751】
構造式S−VII−X2

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【0752】
構造式S−VII−X3

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【0753】
アクリル粒子は、シール材の内部応力を減少し、接着強度を増加し、樹脂の液晶溶出を防止する。アクリル粒子はアクリル樹脂であってもよく、下記構造式S−VIIIで表され得る。
【0754】
構造式S−VIII
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【0755】
シリカは、シール材の熱膨張係数と吸湿性を減少し、シール材の強度を増加させる。シリカは二酸化ケイ素(SiO)であってもよい。
【0756】
本発明の一実施形態により、約400nm以上の波長の光で硬化されるシール材は、約13wt%〜約19wt%であってもよく、より好ましくは、約16wt%のジフェニルプロピルアクリル−エポキシハイブリッド樹脂と、約39wt%〜約49wt%であってもよく、より好ましくは、約44wt%のジフェニルプロピルアクリル樹脂と、約2wt%〜約7wt%であってもよく、より好ましくは、約4.5wt%のジフェニルプロピルエポキシハイブリッド樹脂と、約2wt%〜約6wt%であってもよく、より好ましくは、約4wt%のオキタンジヒドラジドと、約0.75wt%〜約1.75wt%であってもよく、より好ましくは、約1.25wt%の [3−(オキシラニルメトキシ)プロピル]トリメトキシシランと、約0.75wt%〜約1.75wt%であってもよく、より好ましくは、約1.25wt%の4−アセチルジフェニルスルフィドオキシムエステル(Ciba社製、IRGACURE OXE01、OXE02)と、約13wt%〜約19wt%であってもよく、より好ましくは、約16wt%の二酸化ケイ素(SiO)と、約10wt%〜約16wt%であってもよく、より好ましくは、約13wt%のアクリル樹脂からなり得る。
【0757】
本発明により、約400nm以上の波長の光で硬化されるシール材を含む液晶表示板組立体の製造工程は単純化される。また、液晶表示装置は、シール材の周辺で発生する縁のムラ不良を生じないことができる。また、縁のムラを減らすため、シール材を表示板100,200の内部領域から離れて形成する必要がなく、シール材を表示板100,200の内部領域に、又は内部領域の近くに形成し得るので、液晶表示装置の外郭領域の幅が、既存の幅より約0.3mm〜約1.5mm狭く形成できる。
本発明の実施形態により、約400nm以上の波長の光で硬化されるシール材は、図6a、図6b及び図6cと関連して前述又は後述の液晶表示板組立体を製造する方法、即ち、SVAモード、SC-VAモード及び偏光UV−VAモードに適用し得る。
本発明の一実施形態により、下部及び上部マザーガラス(図示せず)表示板により製造された液晶表示板組立体について詳細に説明する。本発明により多数の液晶表示板組立体が含まれたマザーガラス組立体に露光電圧を安定的に供給するので、液晶表示板組立体の生産時間が短縮され、大量生産が可能である。
本発明の実施形態による下部マザーガラス表示板は、多数の下部表示板100を有し、上部マザーガラス表示板は、多数の上部表示板200を有する。下部又は上部マザーガラス表示板はそれぞれ、下部又は上部表示板の大きさによって異なる個数の表示板を有することができるというのは、この分野における通常の知識を有する者に容易に理解される。一つの合着されたマザーガラス表示板が多数の液晶表示板組立体を有することを除いて、一つの液晶表示板組立体を製造する方法は、図6a及び図6bと関連して前述したSVAモード又はSC-VAモードの製造方法と実質的に類似である。従って、マザーガラス表示板を用いた液晶表示板組立体を製造するための説明において、SVAモード又はSC-VAモードの製造方法と重複した詳細な説明は、説明の便宜上、省略するか、簡略に説明し、本実施形態の特徴を有する製造方法について詳細に説明する。
多数の下部表示板100を有する下部マザーガラス表示板と多数の上部表示板200を有する上部マザーガラス表示板は、前述の下部表示板100と上部表示板200の製造方法と実質的に類似に製造する。図6a及び図6bと関連して前述したSVAモード又はSC-VAモードの製造方法により製造され、合着したマザーガラス表示板は、前術の説明のようにアニーリングする。合着したマザーガラス表示板は、下部マザーガラス表示板と上部マザーガラス表示板からなり、多数の合着した液晶表示板を含む。
アニーリングの後、多数の合着した液晶表示板の画素電極と共通電極に露光電圧を印加するため、合着したマザーガラス表示板の中の下部マザーガラス表示板は、1個以上の辺から一部切断される。即ち、下部マザーガラス表示板の大きさが、上部マザーガラス表示板の大きさより約10mm小さく下部マザーガラス表示板の横又は縦の辺が切断される。従って、上部マザーガラス表示板は、下部マザーガラス表示板より約10mm大きいので、上部マザーガラス表示板に形成された共通電極層が露出される。露出した共通電極層は、共通電圧印加トリミングパターン(trimming pattern)と画素電圧印加トリミングパターンを有する。共通電圧印加トリミングパターンと画素電圧印加トリミングパターンは、以前の工程でレーザートリミングなどのような方法で形成され得る。供給電圧印加トリミングパターンは、合着した液晶表示板の共通電極にそれぞれ連結されている。画素電圧印加トリミングパターンは、合着した液晶表示板の画素電極にそれぞれ連結されている。
【0758】
露出した共通電極層のトリミングパターンに露光電圧、即ち共通電圧印加トリミングパターンには共通電極の電圧が、画素電圧印加トリミングパターンには画素電圧が印加される。露光電圧は、図6aと関連して前述したDC電圧供給又は多段階の電圧供給方法により供給する。本発明の別の実施形態により、共通電圧印加トリミングパターンと画素電圧印加トリミングパターンには、約0V電圧と約9V〜25V電圧が交互に供給され得る。即ち、約0V電圧と約9V〜25V範囲内の一つの値の電圧は、約0.05Hz〜約5Hzでスウィングしながら、共通電圧印加トリミングパターンと画素電圧印加トリミングパターンに印加される。より好ましくは、約0V電圧と約10V電圧は、約0.05Hz〜約1Hz内の一つの値でスウィングし、約0V電圧と約20V電圧は、約0.05Hz〜約5Hz範囲内の一つの値でスウィングできる。一周期間の時間は約0ms〜5ms範囲内の一つの値であってもよい。印加された露光電圧は、多数の液晶表示板を構成する画素電極と共通電極に同時に供給される。従って、多数の液晶表示板組立体の画素電極と共通電極に連結されたマザーガラス表示板のトリミングパターンに露光電圧を印加するので、工程が簡単であり、均一の露光電圧が多数の液晶表示板組立体に印加され得る。以後、液晶表示板組立体に紫外線を照射してプレチルト角の光硬化層35,36を形成する方法が行われ、これらの方法は、図6a及び図6bと関連して前述したSVAモード又はSC-VAモードの製造方法と実質的に類似である。完成された液晶表示板組立体はそれぞれ、マザーガラス表示板から分離される。
【0759】
このような本発明の実施形態により、マザーガラス表示板に露光電圧を供給することにより、液晶表示板組立体の画質特性は均一であり、液晶表示板組立体を迅速の時間に多量製造することができる。
【0760】
本発明の一実施形態により、マザーガラス表示板に形成され、合着された液晶表示板組立体の画素電極と共通電極に入力される電圧の偏差と信号遅延を減らすため、下部マザーガラス表示板の切断部分は、対向する二つ以上の辺であってもよい。例えば、切断部分が表示板の中心線に対して対称に2つ配置されている場合には、両サイドから電圧を供給可能であり片方から電圧を供給する場合よりも信号遅延が減少し、また、対称でああるために両サイドの電圧の偏差を小さくすることができる。
【0761】
本発明の一実施形態により、画素電圧印加トリミングパターンは、上板の共通電圧印加点を形成するとき、適用する導電体により上板の共通電圧印加点を形成する工程と同時に画素電極と電気的に連結され得る。
偏光UV−VAモード(Polarized Ultra-Violet Vertical-Alignment Mode)
<実施形態1>
以下、図6cを参照して偏光UV−VAモードを有する液晶表示板組立体300の製造方法について説明する。図6cは、図1ないし図5a及び図5bにより製造した下部表示板100と上部表示板200を用いて偏光UV−VAモードの液晶表示板組立体300を製造する方法を説明するための概略的フローチャートである。偏光UV−VAモードの液晶表示板組立体300を製造する方法は、配向膜291,292を形成する方法を除いて前述したSVAモードとSC-VAモードの液晶表示板組立体300を製造する方法と類似である。従って、配向膜291,292を形成する方法を除いた、重複される詳細な説明は、説明の便宜上、省略し、偏光UV−VAモードの相違点について詳細に説明する。また、下板配向膜291と上板配向膜292の形成過程は、実質的に同一であるので、重複説明を避けるため、下板配向膜291の形成過程について詳細に説明する。
【0762】
始めの段階、即ち、ステップS310とステップS320において、画素電極191を有する下部表示板100と共通電極270を有する上部表示板200を製造する方法は、図1ないし図5a及び図5bを参照して説明したのと実質的に同様である。画素電極191と共通電極270は、前述の微細枝又は微細スリットを有さなくてもよい。
【0763】
次の段階、ステップS331、ステップS332では、偏光配向反応物(図示せず)が画素電極191と共通電極270の上にそれぞれ塗布された後、熱により垂直光配向物質層(図示せず)と偏光主配向物質層(図示せず)にマイクロ相分離(MPS:micro phase separation)される。そして、マイクロ相分離された偏光配向反応物に偏光紫外線が照射された後、方向性を有する下板配向膜291と上板配向膜292が形成される。以下、下板配向膜291の形成過程をより詳細に説明する。
【0764】
偏光配向反応物は、垂直光配向物質と偏光主配向物質からなる。偏光配向反応物は、インクジェット又はロールプリントなどのような方法で、電極191,270の上に塗布された後、後述の硬化によりマイクロ相分離(MPS)される。マイクロ相分離(MPS)のための硬化は、2段階で行われる。まず、予備加熱、例えば、約60〜90℃、より好ましくは、80℃で約1〜5分、より好ましくは、約2〜3分の間、予備硬化工程が行われて、偏光配向反応物の溶媒が除去された後、次の後過熱、例えば、約200℃〜240℃、より好ましくは、約220℃で約10〜60分、より好ましくは、約10〜20分の間、後硬化工程が進行され、これによりマイクロ相分離(MPS)構造が形成される。偏光配向反応物がマイクロ相分離(MPS)された後、垂直光配向物質は、主に液晶層3に近い方に垂直光配向物質層(図示せず)を形成し、偏光主配向物質は、主に画素電極191に近い方に偏光主配向物質層(図示せず)を形成する。硬化によりマイクロ相分離された偏光主配向物質層は主配向膜33、34となる。下板主配向膜33は、約1000Åの厚さであってもよい。従って、液晶層3に近いほど、偏光主配向物質のモル濃度に対する垂直光配向物質のモル濃度は大きくなる。
【0765】
偏光配向反応物を構成する垂直光配向物質と偏光主配向物質の混合重量%比率は、約5:95〜50:50であってもよく、より好ましくは、約10:90〜30:70である。溶媒は、偏光配向反応物の成分比に含まれなかった。偏光配向反応物に混合された垂直光配向物質が少ないほど、未硬化の光反応性基が少ないので、液晶表示装置の残像が減少するだけではなく、光反応性基の反応効率が高くなる。従って、垂直光配向物質が約50重量%以下で混合されるのが好ましい。また、垂直光配向物質が約5重量%以上で混合される場合、プレチルトの均一性がよくなって液晶表示装置のムラが減少する。垂直光配向物質と偏光主配向物質の表面張力はそれぞれ、約25〜65dyne /cmである。マイクロ相分離がより鮮明に形成すされるため、垂直光配向物質の表面張力は、偏光主配向物質の表面張力と同一であるか、それより小さければならない。
【0766】
垂直光配向物質は、重量平均分子量が約1,000〜1,000,000となる高分子物質であって、フレキシブル基、熱可塑性官能基、光反応性基,垂直配向性官能基などを含む側鎖が主鎖に少なくとも一つ以上結合した化合物である。
【0767】
フレキシブル基又は熱可塑性官能基は、高分子主鎖に連結されている側鎖が容易に配向できるようにする官能基であり、炭素数が約3〜20である置換又は非置換のアルキル基又はアルコキシ基からなり得る。
【0768】
光反応性基は、紫外線などの光照射により直接光重合反応又は光異性化反応が生じる官能基である。例えば、光反応性基は、アゾ系化合物、シンナメート系化合物、カルコン系化合物、クマリン系化合物、マレイミド系化合物及びこれらの混合物の中で選択した少なくとも一つ以上の物質からなる。
【0769】
垂直配向性官能基は、基板110、210と平行に位置した主鎖に対して垂直方向に側鎖の全体を移動させる作用をする基であり、炭素数が約3〜20のアルキル基又はアルコキシ基で置換されたアリール基又は炭素数が約3〜10のアルキル基又はアルコキシ基で置換されたシクロヘキシル基からなり得る。
【0770】
フレキシブル基、光反応性基,垂直配向性官能基などが結合しているジアミンなどの単量体が酸無水物などと共に、高分子重合して垂直光配向物質を製造することができる。一例として、フッ素(F)、アリール基とシンナメートを含む側鎖が少なくとも一つ以上置換されているジアミンと酸無水物が重合して、垂直光配向物質を形成する。フッ素は、垂直光配向物質を検出するための標識子である。
【0771】
他の実施形態による垂直光配向物質は、熱可塑性官能基、光反応性基、垂直配向性官能基などが結合している化合物を、ポリイミド、ポリアミック酸などに添加して製造することができる。この場合、熱可塑性官能基が高分子主鎖に直接結合することにより、側鎖は熱可塑性官能基、光反応性基、垂直配向性官能基などを含む。
【0772】
一方、偏光主配向物質は、高分子主鎖を含むことができ、重量平均分子量は、約10,000〜1,000,000である。偏光主配向物質が約50〜80モル%濃度のイミド基を含む場合、液晶表示装置のムラと残像が減少する。マイクロ相分離がより鮮明に形成され、液晶表示装置の残像を減少するため、偏光主配向物質は、高分子主鎖に結合した垂直配向性官能基を約5モル%以下で含んでもよい。
【0773】
主鎖は、ポリイミド、ポリアミック酸、ポリアミド、ポリアミック酸イミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン及びこれらの混合物の中で選択した少なくとも1種の物質からなり得る。主鎖がイミド基の環状構造を多く含むほど、例えば、好ましくは、イミド基を約50モル%以上含む場合、主鎖の強直度がもっとも大きくなる。従って、液晶表示装置を長期間駆動したときに発生するムラが減少し、液晶分子の配向安定性がよくなる。
【0774】
偏光主配向物質は、前述のSC-VAモードの表面主配向物質であってもよい。また、偏光主配向物質は、VAモード又はTNモードなどに一般的に用いられる物質であり得るというのは、この分野における通常の知識を有する者に容易に理解される。
【0775】
マイクロ相分離された垂直光配向物質層に紫外線(UV)が照射されると、光反応性基が光硬化され、これにより、光硬化層35が形成される。熱硬化により形成された主配向膜33と紫外線により形成された光硬化層35は、下板配向膜291を構成する。
【0776】
垂直光配向物質層に照射される光は、偏光紫外線、平行紫外線、又は傾いた光が好ましい。偏光紫外線は、線偏光紫外線(linearly polarized ultraviolet, LPUV)又は部分偏光の紫外線であってもよい。照射波長は約270nm〜360nmであり、照射エネルギーは約10mJ〜5,000mJであってもよい。光を透過する開口部と遮光する遮光部が備えられたマスクが、下部又は上部表示板100,200の光硬化領域又は非硬化領域に対応するように配置された後、光が照射される。本発明の一実施形態により、線偏光紫外線は、表示板の基板110,210に対して予め定められた傾斜角度、例えば、約20°〜70°で照射される。マスクの開口部を通過した光により垂直光配向物質層は、2量体化反応、シス−トランス異性化反応、又は光分解反応を行う。従って、線偏光紫外線の方向と偏光方向によって光硬化された光硬化層35の高分子物質は、基板110に垂直の方向に対してやや斜めに傾いた方向性を有する。
【0777】
これは、配向膜291,292の表面が一定の方向にラビングされたのと同様の効果を有し、光硬化層35に隣接した液晶分子31は、光硬化層35の高分子物質と類似に傾いて一定の角度のプレチルト角を有する。従って、偏光紫外線の傾斜角に応じて液晶分子31のプレチルト角の方向が決まり、一定のプレチルト方向の液晶分子を有するドメインが形成される。本発明の実施形態により、下部表示板100と上部表示板200のそれぞれに二つのプレチルト方向を有する光硬化層35、36が形成され、液晶表示装置の液晶層3は、光硬化層35,36のプレチルト方向でベクター合により互いに異なる方位角を有する四つのドメインを有する。これと違って、下部表示板100と上部表示板200の中のいずれかの一つに四つの互いに異なる方向を有する光硬化層35,36が形成されて、液晶層3が四つのドメインを有することができる。4ドメインの方位角は、偏光軸に対して約45°傾いていてもよい。
【0778】
次のステップS340では、下板配向膜291と上板配向膜292が形成された下部表示板100と上部表示板200との間に液晶層3とシール材が形成され、両表示板が密封されると、液晶表示板組立体300が製造される。このように製造された液晶表示板組立体300は、偏光UV−VAモードの特性を有する。偏光UV−VAモードにより液晶表示装置を製造すると、未硬化の光反応性基が減少されて液晶表示装置の残像が減少する。また、偏光紫外線の方向によりドメインが形成されるので、液晶表示装置の工程性が改善される。即ち、SVAモードやSC-VAモードで液晶分子31は、露光電圧により液晶層3に形成された電気場と微細枝197の方向に沿ってプレチルト角を有するが、偏光UV−VAモードでは、微細枝197の有無及び方向に関係なく、そして両表示板の密封の前に光硬化層35が形成されるので、工程性が改善される。
【0779】
<実施形態2>
本発明の他の実施形態による液晶表示装置の配向膜は、混合光配向物質48を有する偏光配向反応物により形成される。本発明による偏光配向反応物に含まれた混合光配向物質48は、相分離過程で容易に偏光配向反応物の表面に移動するので、未硬化の光反応性高分子物質が減少し、液晶表示装置の生産原価、残留DC電圧又は残像は減少する。本発明の一実施形態による混合光配向物質48は、熱反応部48a、光反応部48b及び垂直機能部48cを含み、これらにより構成された化合物であってもよい。
【0780】
本発明の実施形態は、偏光配向反応物を構成する材料と熱硬化工程でマイクロ相分離(MPS)過程を除いて前述した偏光UV−VAモードにより製造された液晶表示板組立体と実質的に類似である。以下の説明で、説明の便宜上、重複した説明は簡略に説明するか、省略する。そして、上板及び下板配向膜292,291を形成する方法は、実質的に類似であるので、これらの配向膜292,291を区分せずに、本発明の実施形態による配向膜の形成過程について詳細に説明する。
【0781】
以下、図15a〜図15gを参照して本発明の実施形態により、混合光配向物質48を有する偏光配向反応物47により形成される配向膜の形成過程について詳細に説明する。図15a〜図15gは、本発明の2番目のUV−VAモード実施形態により液晶表示板組立体の配向膜が形成される過程を順次に示した断面図である。図15aを参照して、混合光配向物質48を有する偏光配向反応物47は、前述のように画素電極191及び共通電極270の上に塗布される。混合光配向物質48を有する偏光配向反応物47は、下部表示板100と上部表示板200の内部領域に形成され、又は外郭領域に一部重なって塗布されてもよい。混合光配向物質48を有する偏光配向反応物47は、偏光主配向物質37、光配向垂直物質49、混合光配向物質48及び溶媒の混合物であってもよい。画素電極191と共通電極270は、前述の微細枝又は微細スリットを持たなくてもよい。
【0782】
以下、混合光配向物質48を有する偏光配向反応物47を構成する偏光主配向物質37、光配向垂直物質49、混合光配向物質48及び溶媒の構成比について詳細に説明する。
【0783】
光配向垂直物質49、偏光主配向物質37及び混合光配向物質48を含んで製造された固形分は、溶媒に溶解されて混合光配向物質48を有する偏光配向反応物47を形成する。偏光配向反応物47中の溶媒は、約85重量%〜約98重量%であってもよく、より好ましくは、約93.5重量%であり、溶媒を除いた固形分、即ち、偏光主配向物質37と光配向垂直物質49と混合光配向物質48との混合物は、偏光配向反応物47中の約2重量%〜約15重量%であってもよく、より好ましくは、約6.5重量%である。固形分の含量が約2重量%以上であると、下部又は上部表示板に塗布するとき、偏光配向反応物47の印刷性を良好とすることができる。固形分の含量が約15重量%以下であると、溶媒に固形分が溶解されなくて形成される析出物の生成を防止でき、偏光配向反応物47の印刷性を良好とすることができる。
【0784】
偏光主配向物質37は、固形分の中、約34重量%〜約89.55重量%であってもよく、より好ましくは、約70重量%であり、光配向垂直物質49は、固形分の中、約8.5重量%〜約59.7重量%であってもよく、より好ましくは、約30重量%であり、混合光配向物質48は、固形分の中、約0.5重量%〜約15重量%であってもよく、より好ましくは、約5重量%である。固形分は、偏光配向反応物47から溶媒を除いたものである。固形分の全重量の約0.5重量%以上の含量を有する混合光配向物質48は、光配向垂直物質49と反応して、光配向垂直物質49に最小限の光反応性を導入できる。また、固形分の全重量の約15重量%以下の含量を有する混合光配向物質48は、偏光配向反応物47により形成された配向膜の配向特性が減少されるのを最小化することができる。
【0785】
光配向垂直物質49と偏光主配向物質37の重量比は、約1:9〜約6:4であってもよく、より好ましくは、約1:9〜約5:5であってもよい。このような重量比を有する偏光配向反応物47は、前述の予備加熱又は後加熱によりマイクロ相分離が容易に生じることができ、混合光配向物質48は、空気と接触する偏光配向反応物47の表面に容易に移動され得る。光配向垂直物質49と偏光主配向物質37は、物質の保管性と印刷性のため、それぞれ約10,000〜約900,000の重量平均分子量を有してもよい。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した単分散ポリスチレンの換算値である。
【0786】
以下、混合光配向物質48を有する偏光配向反応物47を構成する偏光主配向物質37、光配向垂直物質49、混合光配向物質48及び溶媒をそれぞれ詳細に説明する。
【0787】
偏光主配向物質37は、側鎖を含有しない約95モル%〜約100モル%の単分子と、側鎖を含有する約0モル%〜約5モル%の単分子からなる化合物であり、これらの組成を有する偏光主配向物質37は、水平配向性を有する。側鎖を含有しない単分子は、偏光主配向物質37の中、約100モル%であるのが好ましいものの、水平配向性を減らさない組成範囲、即ち、約95モル%〜約100モル%であってもよい。また、側鎖を含有する単分子は、水平配向性を減らさない組成範囲、即ち、偏光主配向物質37の中、約0モル%〜約5モル%であってもよい。偏光主配向物質37を構成する単分子の側鎖は、−Hを除いた全ての官能基を含んでもよい。表面主配向物質37を構成する単分子の側鎖が、光配向垂直物質49を構成する単分子の側鎖と実質的に同一であってもよいものの、側鎖を含有する単分子の組成比が小さいので、偏光主配向物質37は水平配向性を有することができる。
【0788】
偏光主配向物質37は、ポリイミド系化合物、ポリアミック酸系化合物、ポリシロキサン系化合物、ポリビニルシンナメート系化合物、ポリアクリレート系化合物、ポリメチルメタクリレート系化合物及びこれらの混合物の中で選ばれた少なくとも1種の物質であってもよい。
【0789】
本発明の一実施形態により、偏光主配向物質37がポリイミド系化合物であれば、この主鎖はイミド結合を有する単分子であり得る。
【0790】
光配向垂直物質49は、末端に疎水性基を含有する側鎖と結合した単分子と、側鎖を含有しない単分子からなる化合物である。光配向垂直物質49を構成する側鎖を含有する単分子は、10モル%〜70モル%であってもよく、より好ましくは、約20モル%〜約60モル%であってもよく、側鎖を含有しない単分子は、30モル%〜90モル%であってもよく、より好ましくは、約40モル%〜約80モル%であってもよい。これらの組成を有する光配向垂直物質49は、垂直配向性を有する。
【0791】
光配向垂直物質49を構成する側鎖を含有する単分子と側鎖を含有しない単分子はそれぞれ、ポリイミド系化合物を構成するイミド結合の単分子、ポリアミック酸系化合物を構成するアミック酸系単分子、ポリシロキサン系化合物を構成するシロキサン系単分子、ポリビニルシンナメート系化合物を構成するビニルシンナメート系単分子、ポリアクリレート系化合物を構成するアクリレート系単分子、ポリメチルメタクリレート系化合物を構成するメチルメタクリレート系単分子、及びこれらの混合物の中で選ばれた少なくとも1種の物質であってもよい。
【0792】
光配向垂直物質49の主鎖は、ポリイミド系化合物又はポリアミック酸系化合物であってもよい。本発明の実施形態により、イミド結合の単分子からなる光配向垂直物質49は、主鎖として、ポリイミド系化合物を包含し、主鎖に側鎖が結合した構造を有する。イミド結合の単分子からなる光配向垂直物質49は、ポリアミック酸系化合物の一部をイミド化して製造し得る。光配向垂直物質49の主鎖は、側鎖を除いた複数の単分子の連結部分として定義される。本発明の実施形態により、主鎖として、ポリアミック酸系化合物を含む光配向垂直物質49は、ジアミン系化合物と酸無水物との反応により製造することができる。ジアミン系化合物は、側鎖と実質的に同一の官能基を有するジアミンであってもよい。
【0793】
光配向垂直物質49の側鎖は、第1官能基、該第1官能基と連結され、多数の環状炭素を含む第2官能基、及び該第2官能基と連結された垂直配向性官能基49cを有する。第1官能基は、炭素数1〜10のアルキル基又はアルコキシ基を含んでもよい。第2官能基は、第1官能基により主鎖に結合され、垂直配向性官能基49cと結合する。第2官能基は、シクロヘキサン、ベンゼン、クロマン、ナフタレン、テトラヒドロピラン、ジオキサン又はステロイド誘導体を含んでもよい。図15cに示した垂直配向性官能基49cは、側鎖の末端に連結される疎水性基である。垂直配向性官能基49cは、炭素数1〜12の直鎖状又は直鎖状に側鎖が結合した分枝状のアルキル基又は炭素数2〜12のアルケニル基を含んでもよい。垂直配向性官能基49cにおいて、複数の水素はそれぞれ、F又はClで置換されてもよい。
【0794】
本発明の実施形態により、光配向垂直物質49の側鎖は、下記化学式X−UV1〜X−UV4で表される単分子であってもよい。
【0795】
化学式X−UV1

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【0796】
化学式X−UV2

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【0797】
化学式X−UV3

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【0798】
化学式X−UV4


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【0799】
本発明の一実施形態により、光配向垂直物質49の側鎖は、光反応性基を有する光反応部を含んでもよい。光配向垂直物質49の側鎖に結合した光反応性基は、光により硬化されてプレチルト角を有する光硬化層を形成することができる。光反応部は、第2官能基と置換されて、即ち、第1官能基と垂直配向性官能基49cとの間に配置されて第1官能基及び垂直配向性官能基49cと結合され得る。これと異なり、光反応部は、第1官能基と第2官能基との間に配置されて第1及び第2官能基とそれぞれ結合され得る。光配向垂直物質49の側鎖に連結された光反応部は、下記化学式X−UV5〜X−UV9で表される単分子であってもよい。
【0800】
化学式X−UV5
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【0801】
化学式X−UV6
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【0802】
化学式X−UV7
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【0803】
化学式X−UV8
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【0804】
化学式X−UV9
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【0805】
光配向垂直物質49の側鎖に連結された光反応部は、前述の光反応性高分子物質、反応性メゾゲン(RM)、光重合性物質、光異性化物質及びこれらの化合物又は混合物の中で選ばれた少なくとも1種の物質であってもよい。
【0806】
本発明による混合光配向物質48は、下記化学式X−UP1で表される化合物を有する。混合光配向物質48は、熱反応部48a、光反応部48b、連結部及び垂直機能部48cからなる。熱反応部48aは、熱により炭素間の結合が切られ、光配向垂直物質49と混合光配向物質48を容易に結合する。光反応部48bは、光により別の光反応部と結合する。連結部は、光反応部48bと熱反応部48a及び垂直機能部48cを連結する。垂直機能部48cは、混合光配向物質48の垂直配向性を向上する。
化学式X−UP1
B1-X-A-Y-D
式中、Aは、図15cに示した混合光配向物質48の光反応部48bである。 光反応部48bは、照射される光を受けて隣接の光反応部48bと重合又は硬化し得る。Aは、シンナメート、クマリン又はカルコンであってもよい。
【0807】
及びYはそれぞれ、連結部であり、光反応部(A)と熱反応部(B1)及び垂直機能部(D)を連結する。X及びYはそれぞれ、単結合又は−C2n−(nは、1〜6の整数)であってもよい。X及び/又はYが−C2n−の場合、X及び/又はYは、直鎖状又は分枝状の炭化水素を有してもよい。X又はYを構成する一つ以上の−CH−は、それぞれ−O−又は−Si−で置換されてもよい。本発明の実施形態により、X及び/又はYは、−CH−、−CH−CH−、−O−CH−、−CH−Si−又は−O−Si−O−であってもよい。
【0808】
B1は、図15cに示した熱反応部(48a)である。B1は、熱により切れやすい炭素間の結合又は炭素と酸素の結合からなり、光配向垂直物質49と容易に結合できる。 B1は、
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【0809】

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【0810】


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【0811】

又は
[この文献は図面を表示できません]
【0812】
であってもよい。
【0813】
Dは、図15cに示した垂直配向性を有する混合光配向物質48の垂直機能部48cであり、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数2〜12のアルケニル基である。混合光配向物質48の垂直機能部48cは、垂直配向性を向上する。即ち、光配向垂直物質49の側鎖に結合された垂直配向性官能基49c以外に、混合光配向物質48が垂直機能部48cを有することにより、偏光配向反応物47を構成する垂直配向性官能基は多くなる。従って、垂直機能部48cを有する混合光配向物質48と垂直配向性官能基49cを有する光配向垂直物質49は、熱硬化過程で結合されて垂直配向性官能基の密度を増加させ、配向膜の垂直配向性を向上することができる。化学式X−UP1でB1を除いた複数の水素原子はそれぞれ、F又はClで置換されてもよい。
【0814】
本発明の実施形態により、化学式X−UP1で表される混合光配向物質48は、
を構成するシンナメート、X1及びYをそれぞれ構成する−O−Si−O−、B1を構成する
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【0815】
、及び
Dを構成する
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【0816】
を有する。
【0817】
本発明の別の実施形態により、混合光配向物質48は、下記化学式X−UP2で表される化合物を有してもよい。
【0818】
化学式X−UP2
B2−X−A
式中、Aは、前述の混合光配向物質48の光反応部48bを構成する物質であってもよい。Xは、前述の混合光配向物質48の連結部を構成する物質であってもよい。B2は、前述の混合光配向物質48の熱反応部48aを構成する物質であってもよい。B、X、Aの物質は、それぞれB、X、Aと同様であり得る。また、化学式X−UP2でB2を除いた複数の水素原子はそれぞれ、F又はClで置換されてもよい。
【0819】
化学式X−UP2で表される混合光配向物質48は、化学式X−UP1で表される混合光配向物質48に比べて垂直機能部48cを持たない。化学式X−UP2で表される混合光配向物質48は、垂直機能部48cを持たないが、大容積の光反応部48bにより光配向垂直物質49の側鎖を安定的に配置するようにする。
【0820】
溶媒は、光配向垂直物質49、偏光主配向物質37及び混合光配向物質48を容易に溶解又は混合できる化合物又は印刷性を向上できる化合物であってもよい。溶媒は、有機溶媒であってもよく、前述の物質であってもよい。
【0821】
偏光配向反応物47は、光硬化反応を向上するため、前述の光開始剤をさらに含んでもよい。
【0822】
図15b〜図15eを参照すると、塗布後、偏光配向反応物47は、前述のように、予備加熱(図15a)又は後加熱(図15d)の熱処理により熱硬化される。熱硬化により偏光配向反応物47は、マイクロ相分離(MPS)される。本発明の実施形態により、偏光配向反応物47は、予備加熱段階で相分離され、後加熱段階で相分離が完了される。以下、偏光配向反応物47の相分離過程について詳細に説明する。
【0823】
図15bを参照して、偏光配向反応物47を予備加熱する。予備加熱した偏光配向反応物47は、偏光主配向物質層37aと垂直光配向物質層46aにマイクロ相分離され、偏光配向反応物47の溶媒は気化する。偏光主配向物質層37aは、画素電極又は共通電極に近いところに形成され、主に偏光主配向物質37を含む。偏光主配向物質層37aは、光配向垂直物質49と混合光配向物質48を含んでもよい。垂直光配向物質層46aは、空気と接触する表面の近いところに形成され、主に偏光主配向物質37と混合光配向物質48を含む。垂直光配向物質層46aは、偏光主配向物質37を含んでもよい。偏光主配向物質層37aと垂直光配向物質層46aの界面は、実質的に光配向垂直物質49と偏光主配向物質37が混合された状態であり得る。
【0824】
図15cを参照すると、 偏光配向反応物47が相分離する過程は、以下のようである。本発明の実施形態により、偏光配向反応物47を構成する光配向垂直物質49は、偏光主配向物質37に比べ相対的に無極性でり、偏光主配向物質37は、光配向垂直物質49に比べ相対的により極性を有する。そして、空気は、画素又は共通電極を構成する物質に比べ相対的に無極性であり、画素又は共通電極を構成する物質は、空気に比べより極性を有する。従って、予備加熱工程で偏光配向反応物47を構成する光配向垂直物質49は、偏光主配向物質37より空気との親和力が最も大きいので、大部分空気と接触する表面方向に移動する。そして、極性特性を有する偏光主配向物質37が混合光配向物質48を押し出すので、混合光配向物質48は、光配向垂直物質49と共に移動して光配向垂直物質49と混合されている。従って、予備加熱段階で表面方向を移動した混合光配向物質48と光配向垂直物質49は、前述の垂直光配向物質層46aを形成する。従って、偏光主配向物質37と光配向垂直物質49の相分離過程により、混合光配向物質48を空気と接触する表面に容易に移動できるので、偏光配向反応物47に含まれた混合光配向物質48の含量を減らすことができる。反面、偏光配向反応物47を構成する偏光主配向物質37は、光配向垂直物質49より偏光配向反応物47の下部に形成された物質、即ち、画素電極又は共通電極との親和力がより大きいので、電極層の方向に移動する。電極層の方向に移動した偏光主配向物質37と一部の光配向垂直物質49は、前述の偏光主配向物質層37aを形成する。光配向垂直物質49の垂直配向性官能基49cは、1次加熱で垂直配向を有することができる。混合光配向物質48は、熱反応部48a、光反応部48b及び垂直機能部48cからなり得る。
【0825】
図15d〜図15eを参照すると、偏光配向反応物47の相分離した層46a、37aは、前述のように、後加熱する。後加熱した偏光配向反応物47の相分離した層46a、37aは、主配向膜33と垂直配向を形成する。主配向膜33は、主に偏光主配向物質37の硬化により形成される。また、後加熱工程で混合光配向物質48を構成する熱反応部48aの化学結合は容易に切られ、切られた熱反応部48aは、光配向垂直物質49と化学結合する。従って、垂直光配向物質層46aを構成する光配向垂直物質49と混合光配向物質48の熱反応部48aは化学結合をし、光反応部48b及び垂直機能部48cは、垂直光配向物質層46aの表面で垂直配向を形成する。これにより、光配向垂直物質49が光反応性を持たなくても、混合光配向物質48の熱反応部48aと結合して光配向垂直物質49は光反応性を持ち得る。混合光配向物質48と結合した光配向垂直物質49又は偏光主配向物質37は、光反応性を持ち得るので、偏光配向反応物47に含まれた混合光配向物質48は、最も減少され得る。後加熱工程で、偏光配向反応物47の溶媒は、さらに気化されてもよい。また、後加熱工程で、光配向垂直物質49に含まれた垂直配向性官能基49cが垂直配向され得る。
【0826】
後加熱工程が済んだ偏光配向反応物47は、純水(DIW)により洗浄し、イソプロピルアルコール(IPA)によりさらに洗浄してもよい。洗浄の後、偏光配向反応物47は乾燥する。
【0827】
以後、図15f〜図15gを参照すると、垂直光配向物質層46aに光を照射すると、混合光配向物質48の光反応部48bが硬化されて、図15gに示したように、主配向膜の上に光硬化層35が形成される。熱硬化により形成された主配向膜33と紫外線により形成された光硬化層35は、下板配向膜291を構成する。図15fに示した垂直光配向物質層46aに照射された光及び光硬化工程は、偏光UV−VAモードと関連して前述したのと同様である。非接触方式の光硬化工程により、光硬化層はプレチルト角を有する。光硬化層のプレチルト角は、表示板100,200の基板に対して約80°〜約90°であってもよく、より好ましくは、89.5°〜約87.5°であってもよい。前述の光照射の方法により画素電極が微細スリット又は微細枝を持たなくても、本発明の実施形態による液晶表示装置は、液晶層を多数のドメインに分ける多数のドメインを有することができる。
【0828】
以後、ステップS340と関連して前述したように、下板配向膜291と上板配向膜292が形成された下部表示板100と上部表示板200の間に液晶層3とシール材が形成される。シール材により合着された表示板は、アニーリングする。シール材の材料、シール材を硬化する過程及びアニーリングは、リジッド垂直配向側鎖の主配向膜33,34に関して前述したのと同様である。このように製造した液晶表示板組立体300は、偏光UV−VAモードの特性を有する。
【0829】
本発明のより偏光配向反応物47に含まれた混合光配向物質48は、配向膜を形成する工程で光が照射される表面に容易に移動できるので、偏光配向反応物47に含まれた混合光配向物質48の含量を減らすことができる。従って、液晶表示装置の生産原価が減少する。
【0830】
また、混合光配向物質48との結合により、光配向垂直物質49又は偏光主配向物質37は光反応性を有し得るので、偏光配向反応物47に含まれた混合光配向物質48は、最も減少され得る。
【0831】
また、混合光配向物質48が反応せず、配向膜に残留する量を最小化できるので、液晶表示装置の残留DC電圧又は残像は減少する。
【0832】
本発明の実施形態により、混合光配向物質48を有する偏光配向反応物47により主配向膜33,34が形成され、これを有する液晶表示装置が製造された。
本発明の実験に適用した偏光配向反応物47は、偏光主配向物質37、光配向垂直物質49及び混合光配向物質48を有する固形分と溶媒を含んだ。偏光配向反応物47を構成する固形分は、約6.5重量%であり、溶媒は約93.5重量%であった。また、固形分を構成する光配向垂直物質49は、固形分の中、約30重量%であり、偏光主配向物質37は、固形分の中、約70重量%であり、混合光配向物質48は、固形分の中、約5重量%であった。
光配向垂直物質49は、
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【0833】


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【0834】
及び
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【0835】
がそれぞれ、約1:0.4:0.6の比率で構成された2酸無水物とジアミンの化合物(JSR,PI-37)であった。上記式中、Wは、
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【0836】
であり、
は、
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【0837】
である。
偏光主配向物質37は、
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【0838】


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【0839】
がそれぞれ、約1:1の比率で構成された2酸無水物とジアミンの化合物(JSR,PA−4)であった。ここで、W1は、

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【0840】
である。
【0841】
混合光配向物質48は、下記化学式X−UP3で表される化合物(JSR、P_A(std.))であった。
化学式X−UP3
[この文献は図面を表示できません]
【0842】
溶媒は、約45重量%のN−メチルピロリドンと約55重量%のブチルセロソルブの混合物であった。
【0843】
17インチの液晶表示板に塗布した前述の成分比を有する偏光配向反応物47は、約80℃で予備加熱した後、約220℃で約20分の間、後加熱した。以後、直線偏光の紫外線が、上部表示板を構成する共通電極の上に形成された偏光配向反応物47に表示板の基板面に対して約50°の傾斜角を持ちながら、相反対(anti-parrllel)の方向から照射された。また、下部表示板を構成する画素電極の上に形成された偏光配向反応物47に対しても、上記のように、直線偏光の紫外線が照射された。
【0844】
照射された紫外線により、下板光硬化層35と上板光硬化層36はそれぞれ、相反対のプレチルト角を有した。従って、光硬化層35,36のプレチルト方向は、互いに異なる4方向であり、液晶表示装置の液晶層3は、互いに異なる4方向のプレチルト角を有する光硬化層35,36により互いに異なる方位角からなる四つのドメインを有した。四つのドメインの方位角は、4方向のプレチルト角のベクター合によるものである。直線偏光の紫外線の強度は、約20mJ/cmであった。このように製造した液晶表示板組立体は、図11と関連して前述した電荷共有方式の1G1D駆動で動作された。
【0845】
このように製造した液晶表示装置で、光硬化層に隣接した液晶分子は、液晶表示板の基板面に対して約88.2°のプレチルト角を有した。そして、チェックフリッカー(check flicker)パターンの映像で、約50℃の高温チャンバ中、24時間動作された液晶表示装置の面残像は、レベル約3として良好であった。
【0846】
液晶表示装置の駆動
以下、図11を参照して液晶表示装置の一つの画素(PX)に対する等価回路の構造と動作について説明する。図11は、本発明の実施形態により図3に示した一つの画素(PX)についての電荷共有(CS、charge sharing)充填方式1G1Dの等価回路図である。液晶表示装置の一つの画素(PX)についての等価回路は、ゲート線121、維持電極線125、降圧ゲート線123及びデータ線171からなる信号線と、これに連結された画素(PX)からなる。
【0847】
一つの画素(PX)は、第1、第2及び第3薄膜トランジスタQh、Ql、Qc、第1及び第2液晶蓄電器Clch、Clcl、第1及び第2維持蓄電器Csth、Cstl、降圧蓄電器Cstdからなる。
【0848】
下部表示板100に形成された第1及び第2薄膜トランジスタQh、Qlは3端子素子であって、第1及び第2薄膜トランジスタQh、Qlのゲート電極、即ち、制御端子はゲート線121と連結され、これらのソース電極、即ち、入力端子は、データ線171と連結され、これらのドレイン電極、即ち、出力端子はそれぞれ、第1及び第2液晶蓄電器Clch、Clclと、第1及び第2維持蓄電器Csth、Cstlとそれぞれ連結される。
【0849】
第3薄膜トランジスタQcは3端子素子であって、薄膜トランジスタQcのゲート電極、即ち、制御端子は降圧ゲート線123と連結され、これらのソース電極、即ち、入力端子は、第2液晶蓄電器Clcl又は第2薄膜トランジスタQlの出力端子と連結され、これのドレイン電極、即ち、出力端子は、降圧蓄電器Cstdと連結される。
【0850】
画素電極191を構成する第1及び第2副画素電極191h、191lは、それぞれ第1及び第2薄膜トランジスタQh、Qlのドレイン電極、即ち、出力端子と連結される。第1及び第2液晶蓄電器Clch、Clclの電極はそれぞれ、第1及び第2副画素電極191h、191lと連結され、これらの他の電極はそれぞれ、上部表示板200の共通電極270と連結される。第1及び第2維持蓄電器Csth、Cstlの電極はそれぞれ、第1及び第2副画素電極191h、191lと連結され、これらの他の電極はそれぞれ、下部表示板100の維持電極線125又は維持電極線に連結された部分126,127,128と連結される。降圧蓄電器Cstdの一電極は、第3薄膜トランジスタQcの出力端子と連結され、他の電極は、維持電極線125と連結される。第1及び第2維持蓄電器Csth、Cstlは、それぞれ第1及び第2液晶蓄電器Clch、Clclの電圧維持能力を強化する。蓄電器Clch、Clcl、Csth、Cstl、Cstdの電極は、これらの間に絶縁体3,140,181,182を置いて重畳する。
【0851】
以下、画素(PX)の充電原理について詳細に説明する。n番目のゲート線(Gn)にゲートオン電圧(Von)が供給されると、これに連結された第1及び第2薄膜トランジスタQh、Qlがターンオンされ、n番目の降圧ゲート線(An)には、ゲートオフ電圧(Voff)が供給される。これにより、n番目のデータ線(Dn)のデータ電圧は、ターンオンされた第1及び第2薄膜トランジスタQh、Qlを通じて第1及び第2副画素電極191h、191lに同一に供給される。この際、第1及び第2液晶蓄電器Clch、Clclは、それぞれ共通電極270の共通電圧(Vcom)と第1及び第2副画素電極191h、191lの電圧差ほど、電荷を充電するために、第1液晶蓄電器Clchの充電電圧値と第2液晶蓄電器Clclの充電電圧値は同一である。
【0852】
以後、n番目のゲート線(Gn)にゲートオフ電圧(Voff)が供給され、n番目の降圧ゲート線(An)にゲートオン電圧(Von)が供給される。即ち、第1及び第2薄膜トランジスタQh、Qlはそれぞれ、ターンオフされ、第3薄膜トランジスタQcは、ターンオンされる。これにより、第2薄膜トランジスタQlの出力端子に連結された第2副画素電極191lの電荷が降圧蓄電器Cstdに流れて第2液晶蓄電器Clclの電圧が下がる。従って、同一のデータ電圧が各副画素電極191h、191lに供給されるが、第1液晶蓄電器Clchの充電電圧が第2液晶蓄電器Clclの充電電圧より大きくなる。第2液晶蓄電器Clclの電圧対第1液晶蓄電器Clchの電圧の比は、約0.6〜0.9対1であってもよく、より好ましくは、約0.77対1である。このように、第1及び第2副画素電極191h、191lが同一のデータ電圧の供給を受け、第2副画素電極191lの第2液晶蓄電器Clclと降圧蓄電器Cstdが電荷を共有して第1及び第2液晶蓄電器Clch、Clclの容量値を互いに異なるようにするのが電荷共有(CS)方式の充電である。
【0853】
従って、第1副画素電極191hの液晶分子31が、第2副画素電極191lの液晶分子31より最も高強度の電気場を受けるので、第1副画素電極191hの液晶分子31がより大きく傾くようになる。電荷共有(CS)方式により充電された第1及び第2副画素190h、190lの液晶分子31は、それぞれ互いに異なる傾斜角を有すると、光の位相遅延を補うために、本発明の液晶表示装置はよい側面視認性と大きい基準視野角を有する。基準視野角は、正面コントラスト比に対する側面コントラスト比が、約1/10の限界角度又は階調間輝度の反転限界角度である。基準視野角が大きければ大きいほど、液晶表示装置の側面視認性がよりよくなる。また、1個の画素(PX)に1個のゲート線121と1個のデータ線171が連結されることにより、1個の画素(PX)を構成する副画素190h、190lが動作するので、液晶表示装置の開口率が増加する。このように、1個の画素(PX)に1個のゲート線121と1個のデータ線171が連結されているのが、1G1D方式である。
【0854】
本発明の一実施形態として、ゲートオン電圧の信号遅延によってn番目のゲート線(Gn)に供給されるゲートオン電圧(Von)とn番目の降圧ゲート線(An)に供給されるゲートオン電圧(Von)が重畳すると、画素電極で充電不良が発生するので、それを改善するため、n番目の降圧ゲート線(An)は、n+1番目以上のゲート線121中の一つに連結されてゲートオン電圧(Von)の供給を受けることができ、より好ましくは、n+4番目のゲート線121に連結され得る。
【0855】
別の実施形態による一つの画素(PX)の回路図は、2個の薄膜トランジスタと2データ線が、一つの画素(PX)に連結された2T(2TFT)充電方式の1G2Dである。即ち、第1及び第2副画素電極191h、191lは、それぞれ同一のゲート線に連結されたゲート電極を有する第1及び第2薄膜トランジスタの出力端子に連結されており、第1及び第2薄膜トランジスタの入力端子にそれぞれ、互いに異なる二つのデータ線に連結される。異なる二つのデータ線を通して第1及び第2副画素電極191h、191lに供給される他のデータ電圧は、一つの映像に該当する電圧の分割電圧である。2T充電方式の1G2D駆動は、各副画素電極191h、191lに任意のデータ電圧を印加できるので、液晶表示装置の側面視認性がより改善され得る。
【0856】
本発明のもう一つの実施形態は、スウィング電圧電極線の駆動方式である。この駆動方式の画素はそれぞれ、2個の薄膜トランジスタ、一つのゲート線、一つのデータ線及び2個のスウィング電圧電極線を有する。第1及び第2薄膜トランジスタのゲート電極は、ゲート線に連結され、これらのソース電極はデータ線に連結され、これらのドレイン電極はそれぞれ、第1及び第2副画素電極と第1及び第2維持蓄電器とそれぞれ連結される。第1及び第2液晶蓄電器の電極は、それぞれ第1及び第2副画素電極と連結され、これらの他の電極はそれぞれ、上部表示板に形成された共通電極と連結される。第1及び第2維持蓄電器の電極はそれぞれ、第1及び第2副画素電極と連結され、これらの他の電極はそれぞれ、スウィング電圧電極線に連結される。画素の動作中にスウィング電圧電極線には、一定周期の電圧の大きさを有するパルス熱が印加され、第1副画素のスウィング電圧電極線と第2副画素のスウィング電圧電極線には、互いに反対の位相電圧が同時に印加される。スウィング電圧電極線に供給されるパルス熱の電圧は、2個の異なる電圧からなり得る。従って、第1副画素の液晶蓄電器に充電された電圧と第2副画素の液晶蓄電器に充電された電圧の大きさが互いに異なるので、液晶表示装置の側面視認性はよくなる。
【0857】
本発明のまた別の実施形態は、維持電極線の電荷共有駆動方式である。この駆動方式の画素はそれぞれ、3個の薄膜トランジスタ、一つのゲート線、一つのデータ線及び一つの維持電極線を有する。第1及び第2薄膜トランジスタのゲート電極はゲート線に連結され、これらのソース電極はデータ線に連結され、これらのドレイン電極はそれぞれ、第1及び第2副画素の液晶蓄電器に連結される。第1及び第2副画素の液晶蓄電器の他の端はそれぞれ、上板共通電極に連結される。第3薄膜トランジスタのゲート電極は維持電極線に連結され、このソース電極は、第2薄膜トランジスタのドレイン電極に連結された第2液晶蓄電器の電極に連結され、このドレイン電極は、維持電極線の対向電極又は第3薄膜トランジスタのドレイン電極の拡張部に連結される。第2副画素の液晶蓄電器の充電電圧は、維持電極線の電圧により第3薄膜トランジスタのドレイン電極の拡張部と電荷を共有するので、第2副画素の充電電圧は、第1副画素の充電電圧より低い。維持電極線に供給される電圧は、共通電極の電圧と実質的に同様であり得る。
【0858】
以下、前述の方法により製造された液晶表示装置の動作について詳細に説明する。液晶表示装置は、図3に示した画素(PX)の構造を有し、図11を参照して説明した方法で動作する。液晶表示板組立体300を製造するモード、即ち、SVA、SC-VA及び偏光UV−VAモードはそれぞれ、配向膜291,292を形成する方法によって区別された。しかし、液晶表示板組立体300が製造された後、各モードに関係なく、液晶表示装置は実質的に同一に動作する。従って、後述の液晶表示装置の動作は、配向膜を形成するモードに関係なく説明する。
【0859】
図3の画素(PX)を有する下部表示板100と上部表示板200を用いてSVA、SC-VAモード及び偏光UV−VAモードにより液晶表示板組立体300が組立てられる。液晶表示板組立体300に、図1に示したように、駆動部400,500、信号制御部600及び階調電圧生成部800を形成することにより液晶表示装置が製造される。液晶表示装置の画素(PX)に電圧が供給されない状態で、配向膜291,292に隣接した液晶分子31は、下部表示板100と上部表示板200に対して垂直方向にやや斜めに傾いた一定のプレチルト角を有する。画素電極191にデータ電圧が供給されると、同一のドメインの液晶分子31は同じ傾斜方向に動く。第1と第2副画素電極191h、191lの微細枝197の方向はそれぞれ、偏光子の透過側又は偏光軸に対して互いに異なり、微細スリットの幅によってフリンジ電気場の強度が異なり、また、液晶蓄電器の電圧が異なるので、各副画素190h、190lの輝度は異なる。このように、各副画素の液晶傾斜角を調整すると、液晶表示装置の側面視認性が改善される。そして、第2副画素電極191lは、前述のように、MA領域を有するので、液晶分子31の配列が連続的に変わるために、液晶分子31が非連続的に配列されるとき発生するテクスチャが減少する。
【0860】
液晶表示装置の基本画素群
<実施形態1>
以下、図12図14及び図28図32を参照して、本発明の実施形態により、基本色を考慮して前述したパラメータを基本画素群(PS)の各画素(PX)に適用した際、液晶表示装置の品質特性について詳細に説明する。この基本画素群(PS)は、液晶表示装置の視認性を向上し、虹ムラ又は黄色っぽい現象を減らす。従って、これを有する液晶表示装置の品質は改善できる。図12図14及び図28図32は、本発明の実施形態による液晶表示装置を構成する基本画素群(PS)の画素電極191の平面図である。図12図14及び図28図32は、下部表示板100に形成された基本画素群(PS)の画素電極の平面図をのみ示す。画素電極191の平面図を除いた他のものは、前述のように同様であるので、省略し、以下の説明でも説明の便宜上、重複された説明を省略する。
【0861】
図12に示したように、基本画素群(PS)は、赤、緑及び青色の基本色に該当する画素電極191R、191G、191Bからなる。赤色と緑色の画素(PX)の画素電極191R、191Gの構造は同様であるものの、青色の画素(PX)の画素電極191Bの構造は、他の画素電極191R、191Gの構造と部分的に異なる。基本画素群(PS)は、3種の基本色、即ち、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)に該当する赤色、緑色及び青色の画素(PX)からなった。赤色、緑色及び青色の画素(PX)はそれぞれ、赤色、緑色及び青色の画素電極191R、191G、191Bを有する。基本色を表す基本色のカラーフィルタは、下部表示板又は上部表示板に形成され得る。
【0862】
各画素電極191R、191G、191Bは、二つの副画素領域に形成された二つの副画素電極191h、191lに分けられた。赤色の画素電極191Rは、赤色画素の第1副画素領域に形成された第1赤色副画素電極191Rhとこの第2副画素領域に形成された第2赤色副画素電極191Rlを有する。緑色の画素電極191Gは、緑色画素の第1副画素領域に形成された第1緑色副画素電極191Ghと、この第2副画素領域に形成された第2緑色副画素電極191Glを有する。青色の画素電極191Bは、青色画素の第1副画素領域に形成された第1青色副画素電極191Bhと、この第2副画素領域に形成された第2青色副画素電極191Blを有する。
【0863】
赤色の第1副画素電極191Rhと緑色の第1副画素電極191Ghそれぞれの微細枝の幅と微細スリットの幅はそれぞれ、約3μmと約3μmであり、青色の第1副画素電極191Bhの微細枝の幅と微細スリットの幅はそれぞれ、約3μmと約4μmであった。赤色の第2副画素電極191Rl、緑色の第2副画素電極191Gl及び青色の第2副画素電極191Blそれぞれの微細枝の幅と微細スリットの幅はそれぞれ、約3μmと約3μmであった。本発明の特徴により、青色画素にある第1副画素電極191Bhの微細スリットの幅を他の画素にある第1副画素電極191Rh、191Gh及び第2副画素電極191Rl、191Gl、191Blの微細スリットの幅より大きいので、青色画素の第1副画素の輝度は減少する。
【0864】
赤色、緑色及び青色の第1副画素電極191Rh、191Gh、191Bhそれぞれの微細枝の方向はθ3である。θ3は約40°である。赤色、緑色及び青色の第2副画素電極191Rl、191Gl、191Blそれぞれの微細枝の方向はθ4である。θ4は約45°である。θ3とθ4はそれぞれ、偏光子の偏光軸に対してなす角度である。このように、第1副画素電極191Rh、191Gh、191Bhと第2副画素電極191Rl、191Gl、191Blの微細枝の方向を異なるようにすると、第1副画素の輝度と第2副画素の輝度が調節される。基本画素群を構成する画素それぞれで、第1副画素の面積は、第2副画素の面積より約1.75倍の大きさである。
【0865】
以下、図12の基本画素群(PS)の画素電極191を有する液晶表示装置の光学的特性及び効果について説明する。図13aは、基本画素群(PS)をなす画素電極がすべて同一の構造を有する従来技術の液晶表示装置で測定した階調値−輝度比のグラフであり、図13bは、本発明により図12に示した基本画素群(PS)の画素電極191を有する液晶表示装置で測定した階調値−輝度比のグラフである。なお、本発明の液晶表示装置は、SVAモードの方法で製造され、電荷共有充電の1G1D方式で動作された。また、本発明の第2副画素電極に充電された電圧は、第1副画素電極に充電された電圧に対して約0.77倍であり、液晶層のセル間隔は、約3.55μmであった。
【0866】
階調値−輝度比のグラフにおける横軸は、画素電極191h、191lに供給された電圧に対応する階調値であり、縦軸は、分光器を通じて右側面の約60°で測定した液晶表示装置の輝度比である。縦軸の輝度比は、右側面の約60°で測定した各色の最大輝度に対する階調値の輝度である。一例として、図13aに示した青色輝度のグラフ(B1)を参考すると、一番高い階調、即ち、250階調で青色画素の輝度が100cd(カンデラ)であり、150階調で青色画素の輝度が50cdであれば、青色輝度のグラフ(B1)の輝度比は、約0.5である。図13aに示したグラフR1、G1、B1及びW1はそれぞれ、従来技術の液晶表示装置で測定した赤色光、緑色光、青色光及び白色光の輝度比のグラフであり、図13bに示したグラフR2、G2、B2及びW2はそれぞれ、本発明の液晶表示装置で測定した赤色光、緑色光、青色光及び白色光の輝度比のグラフである。白色光の輝度W1、W2は、赤色光の輝度R1、R2、緑色光の輝度G1、G2及び青色光の輝度B1、B2を合わせたものであり、白色光の輝度で赤色光、緑色光及び青色光の輝度はそれぞれ、約55%〜65%、約20%〜30%、及び約10%〜20%を占める。
図13aのグラフから分かるように、楕円で表された中間階調部分A8で従来技術の赤色光の輝度比の曲線R1は、傾きが急激に増加して青色光の輝度比の曲線B1と交差する。赤色光の輝度比の曲線R1と青色光の輝度比の曲線B1が交差する点を通ると、赤色光の輝度比が青色光の輝度比を逆転する。このように、青色光の輝度比が逆転する階調A8部分で、液晶表示装置は黄色っぽい色を側面から帯びる。黄色っぽい色が視認されると、画質が鮮明でなく、元の映像の色が狂うので、液晶表示装置の表示品質は落ちる。従って、黄色っぽい色が視認される点は、改善が要求される。高階調の特定の階調でも基本色光の輝度比が交差するが、高階調では、階調間の輝度の差が大きいので、黄色っぽい色があまり観察されない。
【0867】
しかし、図13bで示したように、本発明の基本画素群(PS)の画素電極を有する液晶表示装置は、従来の液晶表示装置で観察される赤色光の輝度比の曲線R1と青色光の輝度比の曲線B1が交差する点を有さない。図13bに楕円で表された中間階調部分A8で赤色光の輝度比の曲線R2の傾きと青色光の輝度比の曲線B2の傾きは類似であるので、赤色光と青色光の輝度比が逆転する部分を有さない。従って、本発明の液晶表示装置では、黄色っぽい色の発生が改善された。
【0868】
また、別の基本色の輝度比が特定の階調で逆転しながら、基本色間の輝度の大きさが変わる場合、液晶表示装置は、また別の色不良や色座標の移動などを発生し得る。これを改善するため、基本画素群(PS)を構成する基本色の画素間の輝度がバランスよく設計される必要がある。
<実施形態2>
図14は、本発明のさらに別の実施形態による液晶表示装置を構成する基本画素群(PS)の画素電極191の平面図である。図14は、下部表示板100に形成された基本画素群(PS)の画素電極191の平面図をのみ示す。画素電極191の平面図を除いた他のものは、図12で前述したように、同一であるので省略し、以下重複される説明は、説明の便宜上、省略し、相違点について詳細に説明する。基本画素群(PS)は、3種の基本色、即ち、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)に該当する赤色、緑色及び青色の画素(PX)からなった。各画素には、画素電極が形成されており、各画素電極は、第1及び第2副画素電極からなる。
【0869】
赤色の第1副画素電極191Rhと緑色の第1副画素電極191Ghそれぞれの微細枝の幅と微細スリットの幅はそれぞれ、約3μmと約3μmであり、青色の第1副画素電極191Bhの微細枝の幅と微細スリットの幅はHA領域で、約3μmと約3μm、LA領域で、約3μmと約4μm、MA領域で、約3μmと約3μm〜4μmである。各ドメインに形成された微細枝197は、横及び縦の十字形の幹195に対して対称的に形成される。このように、青色の第1副画素電極191Bhが形成されると、青色の第1副画素は、他の画素の第1副画素の輝度より最も低い輝度を有する。
【0870】
赤色の第2副画素電極191Rl、緑色の第2副画素電極191Gl及び青色の第2副画素電極191Blそれぞれの微細枝の幅と微細スリットの幅は、HA領域で、約3μmと約3μm、LA領域で、約3μmと約4μm、MA領域で、約3μmと約3μm〜4μmである。青色の第1及び第2副画素電極191Bh、191Bl、赤色の第2副画素電極191Rl及び緑色の第2副画素電極191Glそれぞれに含まれたMA領域は、微細枝の幅が約3μmとして一定であり、微細スリットの幅は、約3μmから4μmに漸次的に変わる領域である。各ドメインでHA領域の面積は、全領域の面積、即ち、HA領域とLA領域とMA領域を合わせた面積に対して61%である。また、各ドメインでMA領域の面積は、HA領域の面積に対して約30〜35%である。各副画素内で各ドメインに形成された微細枝197は、横と縦の十字形の幹195に対して対称に形成される。このように、第2副画素の画素電極を形成することにより、第1副画素に対する第2副画素の輝度を調節できる。また、MA領域が第2副画素電極に形成されるので、テクスチャ発生が減少し、第2副画素の輝度は増加する。
【0871】
赤色、緑色及び青色の第1副画素電極191Rh、191Gh、191Bhそれぞれの微細枝の方向は同一であり、θ5である。θ5は約40°である。赤色、緑色及び青色の第2副画素電極191Rl、191Gl、191Blそれぞれの微細枝の方向は同一であり、θ6である。θ6は約45°である。θ5とθ6はそれぞれ、偏光子の偏光軸に対してなす角度である。θ5とθ6の角度が異なるように形成されるので、第1副画素と第2副画素の輝度が調節されて液晶表示装置の側面視認性が改善される。
【0872】
図14に示したように、青色の画素電極191Bの第1副画素電極191Bhの微細スリットの幅を他の画素の第1副画素電極と異なるようにすることにより、液晶表示装置の黄色っぽい色の現象が改善され得る。
【0873】
図12図14に示した実施形態と異なり、青色の画素電極を除いた一つの画素電極の構造が他の画素電極の構造と異なるように形成され得る。
【0874】
本発明の別の実施形態として、各ドメインに形成された微細枝197は、横又は縦の十字形の幹195中の一つに対して対称的に形成されてもよく、より好ましくは、横の十字形の幹195に対して対称的に微細枝197が形成され得る。
【0875】
本発明のさらに別の実施形態として、基本画素群(PS)は、イエローをはじめ、4以上の色からなり得る。液晶表示装置の色品質を向上するため、4以上の基本色からなる基本画素群(PS)から二つ以上の基本色の画素電極191の構造が、他の一つの基本色の画素電極191の構造と異なるように形成され得る。
【0876】
<実施形態3>
以下、図28図32を参照して基本画素群(PS)の画素電極の構造について詳細に説明する。図28図32に示した微細枝197と微細スリット199は、ジグザグ形状である。第1副画素電極191h28と第2副画素電極191l28の面積比は、約1:2〜約1:1.5範囲内の値であってもよい。説明の便宜上、前述した説明は簡略に説明するか、省略する。
【0877】
図28に示した基本画素群(PS)は、本発明の特徴により、基本色の画素(PX)に該当する画素電極の構造が互いに異なるものを含む。基本色は、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)であり、これらはそれぞれ、赤色、緑色及び青色の画素(PX)を構成する。赤色の画素(PX)には赤色の画素電極191R28が形成されており、赤色の画素電極191R28は、第1副画素電極191Rh28と第2副画素電極191Rl28からなる。緑色の画素(PX)には、緑色の画素電極191G28が形成されており、緑色の画素電極191G28は、第1副画素電極191Gh28と第2副画素電極191Gl28からなる。青色の画素(PX)には、青色の画素電極191B28が形成されており、青色の画素電極191B28は、第1副画素電極191Bh28と第2副画素電極191Bl28からなる。基本画素群の画素電極、即ち、赤色、緑色及び青色の画素電極191R28,191G28、191B28の第1副画素電極191Rh28、191Gh28、191Bh28のそれぞれは、4個のドメイン領域Dh1、Dh2、Dh3、Dh4を有し、また、これらの第2副画素電極191Rl28,191Gl28,191Bl28はそれぞれ、4個のドメイン領域をDl1、Dl2、Dl3、Dl4を有する。
【0878】
基本色の画素電極を構成する微細枝197の幅と、微細スリット199の幅は、基本色の各画素電極で異なる幅を有してもよい。例えば、赤色の画素電極191R28の第1副画素電極191Rh28と第2副画素電極191Rl28に形成された八つのドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4、Dl1、Dl2、Dl3、Dl4で、微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)はそれぞれ、図面に示した矢印方向に向かって約3.4μmから約4.2μmまで約0.2μm〜0.5μm範囲内の一つの値ほど漸次的に増加する。緑色の画素電極191G28の第1副画素電極191Gh28と第2副画素電極191Gl28に形成された八つのドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4、Dl1、Dl2、Dl3、Dl4で、微細枝197の幅(S)と微細スリットの幅(W)はそれぞれ、図面に示した矢印方向に向かって約3μmから約3.8μmまで約0.2μm〜0.5μm範囲内の一つの値ほど漸次的に増加する。青色の画素電極191B28の第1副画素電極191Bh28と第2副画素電極191Bl28に形成された八つのドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4、Dl1、Dl2、Dl3、Dl4で、微細枝197の幅(S)と微細スリットの幅(W)はそれぞれ、図面に示した矢印方向に向かって約2.5μmから約4μmまで約0.2μm〜0.5μm範囲内の一つの値ほど漸次的に増加する。本発明の実施形態により、ドメインDh1〜Dh4、Dl1〜Dl4はそれぞれ、複数のグループに分割され、そのグループはそれぞれ、同一のグループ内では同一の幅(S)の微細枝と同一の幅(W)の微細スリットを有し、各グループ内の微細枝と微細スリットの幅は矢印方向のグループによって増加する幅を有してもよい。
【0879】
以下、ジグザグ形状の微細枝197に対する微細枝197の主方向、ジグザグ角度及びジグザグの単位長さについて説明する。基本画素群の画素電極191R28,191G28,191B28の第1副画素電極191Rh28,191Gh28、191Bh28に形成されたDh1及びDh2ドメインで、ジグザグの単位長さは約20μmであり、微細枝197の主方向角は約40°であり、ジグザグ角度は、図面に示した矢印方向に向かった約±0から±12まで約0.5°〜1°範囲内の一つの値ほど漸次的に増加する。
【0880】
基本画素群の画素電極191R28、191G28、191B28の第1副画素電極191Rh28、191Gh28、191Bh28に形成されたDh3及びDh4ドメインで、ジグザグの単位長さは約7μmであり、微細枝197の主方向角は約40°であり、ジグザグ角度は約±15°である。
【0881】
赤色の画素電極191R28、緑色の画素電極191G28及び青色の画素電極191B28の第2副画素電極191Rl28,191Gl28,191Bl28に形成されたDl1及びDl2ドメインで、ジグザグの単位長さは約20μmであり、微細枝197の主方向角は約45°であり、ジグザグ角度は約±15°である。
【0882】
基本画素群の画素電極191R28,191G28,191B28の第2副画素電極191Rl28,191Gl28,191Bl28に形成されたDl3及びDl4ドメインで、ジグザグの単位長さは約14μmであり、微細枝197の主方向角は約40°であり、ジグザグ角度は、図面に示した矢印方向に向かって約±0から±15まで約0.5°〜1°範囲内の一つの値ほど漸次的に増加する。
【0883】
緑色の画素電極191G28を構成するDh1、Dh2、Dh3、Dh4、Dl1、Dl2、Dl3、Dl4ドメインのそれぞれに形成された微細枝197の主方向、ジグザグ角度及びジグザグの単位長さは、赤色の画素電極191R28と青色の画素電極191B28を構成するドメインのそれぞれに形成された微細枝197の主方向、ジグザグ角度及びジグザグの単位長さと同一である。
【0884】
本発明の実施形態により、基本画素群の画素電極191R28、191G28、191B28において、十字形の幹の縦部195vの左側に形成されたドメインDh1、Dh4、Dl1、Dl4の画素電極の構造は、十字形の幹の縦部195vに対して右側に形成されたドメインDh2、Dh3、Dl2、Dl3の画素電極の構造と縦部195vに対して対称となり得る。このような画素電極からなる基本画素群は、液晶表示装置の視認性を向上し、黄色っぽい色が視認されるのを減らし、液晶表示装置で回折された光の回折点を分散して、虹ムラを大きく減らすことができる。
【0885】
第1副画素電極191Rh28、191Gh28、191Bh28に形成された画素電極の接続点連結部は、第1画素電極の接触部192hと十字形の幹の縦部195vを連結する画素電極の縦接続部715hを有する。第2副画素電極191Rl28,191Gl28,191Bl28に形成された画素電極の接続点連結部は、第2画素電極の接触部192lと連結された画素電極の横接続部713l及び該画素電極の横接続部713lと十字形の幹の縦部195vを連結する画素電極の斜線接続部714lを有する。このような画素電極の接続点連結部は、液晶分子の未復元と光漏れ不良を減らす。
<実施形態4>
図29に示した基本画素群(PS)を構成する画素電極のそれぞれに形成されたドメインはそれぞれ、本発明の特徴によって異なる主方向を有し、同一のジグザグ角度を有する。図29に示した微細枝197の幅と微細スリット199の幅は同じ副画素に形成されたドメインでは同様に形成されている。
【0886】
即ち、第1副画素に形成されたDh1、Dh2、Dh3、Dh4ドメインで微細枝197の幅と微細スリット199の幅は、上記ドメイン毎に同一に分布し、第2副画素に形成されたDl1、Dl2、Dl3、Dl4ドメインで微細枝197の幅と微細スリット199の幅は、ドメイン毎に同一に分布する。しかし、第1副画素のドメインに形成された微細枝197の幅又は微細スリット199の幅は、第2副画素のドメインに形成されたものとは異なって形成されている。
【0887】
例えば、基本画素群の画素電極191R29,191G29,191B29の第1副画素電極191Rh29、191Gh29、191Bh29に形成されたドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4で微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)は、図面に示した矢印方向に沿って約2.5μmから約3.2μmまで約0.2μm〜0.5μm範囲内の一つの値ほど漸次的に増加する。そして、基本画素群の画素電極191R29、191G29、191B29の第2副画素電極191Rl29,191Gl29、191Bl29に形成されたドメインDl1、Dl2、Dl3、Dl4で微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)はそれぞれ、図面に示した矢印方向に沿って約2.5μmから約3.5μmまで約0.2μm〜0.5μm範囲内の一つの値ほど漸次的に増加する。本発明の実施形態により、ドメインDh1〜Dh4、Dl1〜Dl4はそれぞれ、複数のグループに分割され、グループはそれぞれ、同一のグループ内では同一の幅の微細枝と同一の幅の微細スリットを有し、各グループ内の微細枝と微細スリットの幅は、矢印方向のグループによって増加する幅を有してもよい。
【0888】
以下、ジグザグ形状の微細枝197についての微細枝197の主方向、ジグザグ角度及びジグザグの単位長さについて説明する。基本画素群の画素電極191R29,191G29,191B29の第1副画素電極191Rh29、191Gh29、191Bh29に形成されたドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4で、ジグザグの単位長さは、約14μmであり、第2副画素電極191Rl29,191Gl29、191Bl29に形成されたドメインDl1、Dl2、Dl3、Dl4で、ジグザグの単位長さは、約10μmである。赤色の画素電極191R29及び緑色の画素電極191G29の第1副画素電極191Rh29、191Gh29に形成されたドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4のそれぞれと青色の画素電極191B29の第2副画素電極191Bl29に形成されたDl1、Dl2、Dl3、Dl4ドメインのそれぞれで、微細枝197の主方向角は約50°、約48°、約40°、約41.3°であり、ジグザグ角度は、各ドメインで約±15°である。赤色の画素電極191R29及び緑色の画素電極191G29の第2副画素電極191Rl29、191Gl29に形成されたDl1、Dl2、Dl3、Dl4ドメインのそれぞれと青色の画素電極191B29の第1副画素電極191Bh29に形成されたDh1、Dh2、Dh3、Dh4ドメインのそれぞれで、微細枝197の主方向角は、約42°、約40.8°、約48°、約49.2であり、ジグザグ角度は、各のドメインで約±15である。
【0889】
基本色からなる基本画素群(PS)、第1副画素電極191Rh29、191Gh29、191Bh29と第2副画素電極191Rl29,191Gl29、191Bl29からなる各画素電極191R29、191G29,191B29、ドメイン領域Dh1、Dh2、Dh3、Dh4、Dl1、Dl2、Dl3、Dl4に分れる画素電極、ジグザグ形状の微細枝197、及び第1副画素電極と第2副画素電極の面積比は、前述の説明又は図28と関連して成された説明と実質的に類似である。このような画素電極からなる基本画素群は、図28と関連して説明した効果を有する。第1及び第2副画素電極191Rh29,191Gh29,191Bh29,191Rl29,191Gl29、191Bl29に形成された画素電極の接続点連結部は、図23cと図24cと関連してなされた説明と類似である。
<実施形態5>
図30に示した基本画素群(PS)を構成する画素電極は、本発明の特徴により、第2副画素電極191Rl30、191Gl30,191Bl30のドメインDl1、Dl2、Dl3、Dl4はそれぞれ、複数のサブドメインを有し、各サブドメイン内の微細枝の幅と微細スリットの幅は同一の幅を有し、隣接したサブドメイン間の幅は、各サブドメイン内の微細枝の幅又は微細スリットの幅より最も大きい。
【0890】
しかし、第1副画素電極191Rh30、191Gh30、191Bh30のドメインDh1〜Dh4のそれぞれで、微細枝の幅と微細スリットの幅は、矢印方向に沿って漸次的に増加する。例えば、赤色の画素電極191R30及び緑色の画素電極191G30の第1副画素電極191Rh30、191Gh30に形成されたドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4で微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)は、図面に示した矢印方向に沿って約2.8μmから約3.3μmまで約0.2μm〜0.5μm範囲内の一つの値ほど漸次的に増加する。そして、青色の画素電極191B30の第1副画素電極191Bh30に形成されたドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4で図面に示した矢印方向に沿って、微細枝197の幅(S)は、約2.8μmから約3.3μmまで約0.2μm〜0.5μm範囲内の一つの値ほど漸次的に増加し、微細スリット199の幅(W)は、約3.8μmから約4.0μmまで増加する。本発明の実施形態により、ドメインDh1〜Dh4、Dl1〜Dl4はそれぞれ、複数のグループに分割され、グループはそれぞれ、同一のグループ内では同一の幅の微細スリットを有してもよい。
【0891】
基本画素群の画素電極191R30,191G30,191B30の第2副画素電極191Rl30、191Gl30,191Bl30のドメインDl1、Dl2、Dl3、Dl4のそれぞれのサブドメインで、微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)はそれぞれ、約3.0μmであり、各ドメイン内の各サブドメインの幅は約27μmであり、各ドメイン内の隣接したサブドメイン間の間隔は約4.5μmである。また、第2副画素電極191Rl30、191Gl30,191Bl30に形成されたドメインDl3、Dl4で、大部分の微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)はそれぞれ、約3.0μmであり、そして、一定の距離、例えば、約27μm間隔で微細スリット199は、隣接した微細スリット199の幅と異なる幅、例えば、約4.5μmの幅(S)を含んだサブドメインを有してもよい。本発明の別の実施形態により、一定の距離、即ち、周期的に隣接した微細枝197又は微細スリット199の幅より大きな幅を有する微細枝197又は微細スリット199が、第1副画素電極又は第2副画素電極を構成するドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4、Dl1、Dl2、Dl3、Dl4に形成され得る。基本画素群の画素電極191R30、191G30,191B30の第1副画素電極191Rh30、191Gh30、191Bh30に形成されたDh1、Dh2、Dh3、Dh4ドメインで、ジグザグの単位長さは約10μmであり、第2副画素電極191Rl30、191Gl30,191Bl30に形成されたDl1、Dl2、Dl3及びDl4ドメインで、ジグザグの単位長さは約7μmである。各基本画素群のドメインに形成された微細枝197の主方向とジグザグ角度は、図29と関連して前述した説明と同様である。
【0892】
基本色からなる基本画素群(PS)、第1副画素電極191Rh30、191Gh30、191Bh30と第2副画素電極191Rl30、191Gl30,191Bl30からなる各画素電極191R30,191G30,191B30、ドメイン領域Dh1、Dh2、Dh3、Dh4、Dl1、Dl2、Dl3、Dl4に分けられた画素電極、ジグザグ形状の微細枝197、及び第1副画素電極と第2副画素電極の面積比は、前述の説明又は図28と関連して前述した説明と類似である。このような画素電極からなる基本画素群は、図28を参照して説明した効果を有する。第1及び第2副画素電極191Rh30、191Gh30、191Bh30、191Rl30、191Gl30,191Bl30に形成された画素電極の接続点連結部は、図23fと図24cと関連して前述した説明と類似である。
<実施形態6>
図31に示した基本画素群(PS)で、微細枝197の主方向角は、本発明の特徴により第1副画素電極191Rh31,191Gh31、191Bh31に形成されたドメインより、第2副画素電極191Rl31,191Gl31、191Bl31に形成されたドメインでより大きい。
【0893】
基本画素群(PS)の画素電極191R31、191G31、191B31の第1副画素電極191Rh31,191Gh31、191Bh31のDh1及びDh2ドメインで、ジグザグの単位長さは約14μmであり、微細枝197の主方向角は約40.8°であり、ジグザグ角度は約10°である。そして、これらのDh3及びDh4ドメインで、ジグザグの単位長さは約14μmであり、微細枝197の主方向角は約39.2°であり、ジグザグ角度は約10°である。基本画素群(PS)の画素電極191R31、191G31、191B31の第2副画素電極191Rl31,191Gl31、191Bl31のDl1及びDl2ドメインで、ジグザグの単位長さは約10μmであり、微細枝197の主方向角は約42°であり、ジグザグ角度は約15°である。そして、これらのDl3及びDl4ドメインで、ジグザグの単位長さは約10μmであり、微細枝197の主方向角は約41.3°であり、ジグザグ角度は約15°である。微細枝197の主方向角は、D1に対する角度であり得る。
【0894】
赤色の画素電極191R31及び緑色の画素電極191G31の第1副画素電極191Rh31、191Gh31に形成されたドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4で、微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)は、図面に示した矢印方向に沿って約2.8μmから約3.3μmまで約0.2μm〜0.5μm範囲内の一つの値ほど漸次的に増加する。そして、青色の画素電極191B31の第1副画素電極191Bh31に形成されたドメインDh1、Dh2、Dh3、Dh4で、図面に示した矢印方向に沿って、微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)は、約3.3μmから約3.7μmまで約0.2μm〜0.5μm範囲内の一つの値ほど漸次的に増加する。
【0895】
画素電極191R31、191G31、191B31の第2副画素電極、191Rl31,191Gl31、191Bl31のドメインDl1、Dl2、Dl3、Dl4で、微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)は、図面に示した矢印方向に沿って、約2.8μmから約3.9μmまで約0.2μm〜0.5μm範囲内の一つの値ほど漸次的に増加する。
【0896】
発明の実施形態により、ドメインDh1〜Dh4、Dl1〜Dl4はそれぞれ、複数のグループに分割され、グループはそれぞれ、同一のグループ内では同一の幅の微細枝と同一の幅の微細スリットを有し、各グループ内の微細枝と微細スリットの幅は、矢印方向のグループによって増加する幅を有してもよい。他の構成要素は、図28と関連した説明と類似であるので、これについての説明は省略する。第1及び第2副画素電極191Rh31、191Gh31、191Bh31、191Rl31、191Gl31,191Bl31に形成された画素電極の接続点連結部は、図20cと関連して前述した説明と類似である。
<実施形態7>
本発明の別の実施形態により、図32に示した基本画素群(PS)を構成する画素(PX)は4個である。また、これらの画素(PX)は、図25〜27bと関連して説明した構造、即ち、画素電極の長手がゲート線121に平行な方向に形成される構造を有する。
【0897】
本発明の実施形態により、図32に示した4個の画素(PX)はそれぞれ、基本色、即ち、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)及び白色(W)からなる赤色の画素電極191R32、緑色の画素電極191G32、青色の画素電極191B32及び白色の画素電極191W32を有する。画素電極191R32、191G32、191B32、191W32はそれぞれ、第1副画素電極191Rh32、191Gh32、191Bh32,191Wh32と第2副画素電極191Rl32、191Gl32、191Bl32,191Wl32からなる。第1副画素電極はそれぞれ、4個のドメイン領域Dh1、Dh2、Dh3、Dh4を有し、第2副画素電極はそれぞれ、4個のドメイン領域Dl1、Dl2、Dl3、Dl4を有する。
【0898】
赤色の画素電極191R32、緑色の画素電極191G32及び白色の画素電極191W32の第1副画素電極は同一の構造であり、青色の画素電極191B32の第1副画素電極は、他の色の画素電極の第1副画素電極と異なる。第1副画素電極の191Rh32、191Gh32及び191Wh32のドメインに形成された微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)はそれぞれ、約5μm〜5.6μm範囲内の一つの値であってもよく、それぞれの幅は一つのドメインで異なる大きさを有してもよい。本発明の実施形態により、第1副画素電極191Rh32、191Gh32及び191Wh32のドメインに形成された微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)はそれぞれ、図面に示した矢印方向に沿って漸次的に大きくなり得る。青色の画素電極の第1副画素電極191Bh32のドメインに形成された微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)はそれぞれ、約6μm〜6.8μm範囲内の一つの値であってもよく、それぞれの幅は異なる大きさを有してもよい。
【0899】
本発明の実施形態により、青色の画素電極の第1副画素電極191Bh32のドメインに形成された微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)はそれぞれ、図面に示した矢印方向に沿って漸次的に大きくなり得る。本発明の実施形態により、青色の画素電極の第1副画素電極191Bh32のドメインに形成された微細枝197の幅(S)は、他の第1副画素電極191Rh32、191Gh32及び191Wh32のドメインに形成された微細枝197の幅(S)より大きい。青色の画素電極の第1副画素電極191Bh32のドメインに形成された微細スリット199の幅(W)は、他の第1副画素電極191Rh32、191Gh32及び191Wh32のドメインに形成された微細スリット199の幅(W)より大きい。
【0900】
赤色の画素電極191R32、緑色の画素電極191G32及び白色の画素電極191W32の第2副画素電極は同一の構造である。第2副画素電極191Rl32、191Gl32、191Bl32及び191Wl32のドメインに形成された微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)はそれぞれ、約5μm〜6.8μm範囲内の一つの値であってもよく、それぞれの幅は、一つのドメインで異なる大きさを有してもよい。微細枝197の幅(S)と微細スリット199の幅(W)は、図面に示した矢印方向に沿って漸次的に大きくなり得る。
【0901】
ジグザグ形状の微細枝197についての微細枝197の主方向、ジグザグ角度及びジグザグの単位長さについて説明する。基本画素群の画素電極191R32、191G32、191B32、191W32の第1副画素電極191Rh32、191Gh32、191Bh32,191Wh32に形成されたDh1、Dh2、Dh3、Dh4ドメインで、ジグザグの単位長さは約14μmであり、微細枝197の主方向角は、約40.8°又は約39.2°であってもよく、ジグザグ角度は約±7°であってもよい。第2副画素電極191Rl32、191Gl32、191Bl32、191Wl32に形成されたDl1、Dl2、Dl3、Dl4ドメインで、ジグザグの単位長さは約10μmであり、微細枝197の主方向角は約42°又は約41.3°であってもよく、ジグザグ角度は約±5°であってもよい。
【0902】
このような画素電極からなる基本画素群は、図28と関連して説明した効果を有するだけではなく、液晶表示装置の透過率を向上できる。第1副画素電極191Rh32、191Gh32、191Bh32,191Wh32に形成された画素電極の接続点連結部は、図23bと関連して前述した説明と類似である。そして、第2副画素電極191Rl32、191Gl32、191Bl32,191Wl32に形成された画素電極の接続点連結部は、ゲート線の方向に延びる画素電極の接触部に連結されており、図23aと関連して前述した説明と実質的に類似である。本発明の別の実施形態により、基本色は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)及びイエロー(Y)からなり得る。
【0903】
以下、図33a〜図33iを参照して画素電極の形状、画素電極の分割、ドメインの分割及び基本画素軍の構造について詳細に説明する。図33a〜図33iに示した画素電極の形状は、説明の便宜のため、画素電極の外郭線又は画素電極の分割により表示し得る。画素電極を構成する他の因子、例えば、画素電極の接触部、微細枝197又は微細スリット199は、図33a〜図33lで省略する。従って、図3図5図12図14図16図17図18図20図23図24図25及び図28図32と関連して前述した構造又は方法が、図33a〜図33iの画素電極に適用されてもよい。
【0904】
まず、図33a〜図33fを参照して画素電極の形状と分割について詳細に説明する。図33a〜図33fに示した単位画素電極は、第1副画素電極191hと第2副画素電極191lからなっている。副画素電極191h、191lはそれぞれ、前述の方法によりデータ電圧の印加を受けてもよく、第1副画素電極191hは、第2副画素電極191lより高い充電電圧を有してもよい。図33aを参照すると、第1副画素電極191hは、四つのドメインを有し、第2副画素電極191lは、8つのドメインを有する。即ち、第1副画素電極191hは、Dha、Dhb、Dhc及びDhdドメインを有し、第2副画素電極191lは、Dla、Dlb、Dlc、Dld、Dle、Dlf、Dlg、Dlhドメインを有する。このように形成された第2副画素電極191lの構造は、液晶表示装置の視認性を向上できる。第2副画素電極191lの面積は、第1副画素電極191hの面積より大きくてもよい。各ドメインは、前術の画素電極の構造を有してもよい。
【0905】
図33b〜33fを参照すると、第1及び第2副画素電極191h、191lはそれぞれ、四つのドメインからなり得る。そして、第1副画素電極191hは、Dha、Dhb、Dhc及びDhdドメインを有し、第2副画素電極191lは、Dla、Dlb,Dlc及びDldドメインを有する。
【0906】
図33bに示した第1副画素電極191hと第2副画素電極191lの辺は、データ線171の方向に延びる斜線であってもよい。斜線は、偏光子の透過軸と実質的に平行の方向であり得る。第1副画素電極191hと第2副画素電極191lを構成するドメインは、平行四辺形の形状である。このように形成された画素電極は、液晶表示装置の視認性と効果率を向上することができる。
【0907】
図33c〜図33fに示した第1及び第2副画素電極191h、191lは、斜線方向に形成された副画素電極の辺により隣接する。斜線方向は、偏光子の透過軸と実質的に並行であってもよい。このように形成された画素電極の構造は、液晶表示装置の視認性と透過率を向上することができる。
【0908】
図33d〜図33fに示した画素電極の構造は、第1副画素電極191hと第2副画素電極191lの中のいずれかの一つが他の一つを実質的に受容する。このように副画素電極が他の副画素の辺を最大限に多く隣接するか、第1副画素電極191hと第2副画素電極191lが等しく分布すると、液晶表示装置の視認性は向上できる。図33dに示した第1副画素電極191hは、分離されながら、第2副画素電極191lと隣接している。図33eに示した第2副画素電極191lは、第1副画素電極191hを実質的に取り囲んでおり、図33fに示した第1副画素電極191hは、第2副画素電極191lを実質的に取り囲んでいる。図33fに示した第1副画素電極191hは、菱形である。第1副画素電極191hを構成するドメインは、三角形の形状を有する。
【0909】
以下、図33g〜図33iを参照して、基本画素群(PS)の構造について詳細に説明する。図33g〜図33iに示した基本画素群(PS)は、4種の基本色からなる四つの画素PXa、PXb、PXc、及びPXdを有する。4種の基本色は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)及びイエロー(Y)又は白色(W)からなり得る。PXa画素は、赤色、PXb画素は緑色、PXc画素は青色、PXd画素はイエロー又は白色を有してもよい。このように形成された基本画素群(PS)は、液晶表示装置の色再現性、透過率及び視認性を向上することができる。本発明の別の実施形態により、基本色は前述のように、多様な色からなってもよい。
【0910】
図33gに示した画素PXa、PXb、PXc、及びPXdは、順次にそれぞれ、赤色、緑色、青色及び白色を有することにより、液晶表示装置の透過率は向上する。図33hに示した画素PXa、PXb、PXc、及びPXdは、順次にそれぞれ、赤色、緑色、青色及びイエローを有することにより、液晶表示装置の色再現性と表示品質が向上される。また、液晶表示装置の色再現性と表示品質を大幅に向上するため、赤色、緑色、青色及びイエローの各々に該当する画素の面積比率は、約1.4〜1.8:1.0〜1.3:1.4〜1.8:1、より好ましくは、約1.6:1.1:1.6:1であってもよい。図33iに示した画素PXa、PXb、PXc、及びPXdからなる基本画素群(PS)は、図32と関連して前述した説明と類似である。画素の面積比は、実質的に同一であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0911】
本発明によれば、液晶表示装置の側面視認性が改善され、表示品質が向上される。
【符号の説明】
【0912】
PX:画素
3:液晶層
31:液晶分子
33:主配向膜
35:光硬化層
100:下部表示板
110:下部基板
121:ゲート線
123:降圧ゲート線
125:維持電極線
126:維持電極線拡張部
140:ゲート絶縁膜
154:半導体
165:線形抵抗性接触部材
171:データ線
173:ソース電極
175:ドレイン電極
181,182:第1、第2保護膜
185:接触孔
191:画素電極
195:十字形幹部
197:微細枝
198:ジグザグ微細枝
199:微細スリット
200:上部表示板
210:上部基板
220:遮光部材
225:蓋膜
230:カラーフィルタ
270:共通電極
291,292:下板、上板配向膜
300:液晶表示板組立体
400:ゲート駆動部
500:データ駆動部
600:信号制御部
800:階調電圧生成部
図1
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図2
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図3
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図4a
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図4b
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図4c
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図5a
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図5b
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図6a
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図6b
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図6c
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図7a
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図7b
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図8a
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図8b
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図8d
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図8e
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図9
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図10
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図11
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図12
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図13a
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図13b
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図14
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図15a
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図15b
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図15c
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図15d
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図15e
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図15f
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図15g
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図16a
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図16b
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図16c
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図16d
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図16e
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図16f
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図16g
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図17a
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図17b
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図17f
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図17g
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図18
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図19a
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図19b
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図20a
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図20b
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図20e
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図20f
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図20g
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図20i
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図21a
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図21b
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図22a
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図22b
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図22f
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図23a
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図23b
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図23e
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図23f
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図24a
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図24b
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図24f
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図25
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図26a
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図26b
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図26c
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図27a
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図27b
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図28
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図29
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図30
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図31
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図32
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図33a
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図33b
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図33c
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図33d
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図33g
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