(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
洗浄槽挿脱用開口が前部に形成された本体ケーシングと、前記本体ケーシングの内部の洗浄運転用の収納位置と前記本体ケーシングの前方に引き出された引出位置とにわたって前記洗浄槽挿脱用開口を通して出退移動自在な状態で、前記本体ケーシングに支持された洗浄槽とを備え、
前記洗浄槽が前記収納位置に位置する状態において前記洗浄槽挿脱用開口を閉じる扉体が、前記洗浄槽の前部に装着された食器洗浄機であって、
前記洗浄槽と前記扉体との間に位置されて、前記洗浄槽の前部の洗浄槽上下幅方向の全体及び洗浄槽横幅方向の全体を覆う前カバーが、前記洗浄槽の前部に装着され、
前記洗浄槽の前部に、前記洗浄槽を出退移動するための仮把手部が、前記前カバーの後面側に位置させる状態で設けられ、
前記前カバーに、その前カバーの前方側から手指を挿通して、前記仮把手部に接触可能な操作用開口が設けられ、
前記仮把手部が、前記洗浄槽の前部における前記洗浄槽上下幅方向の上端側の箇所に設けられ、
前記仮把手部が、洗浄槽前後幅方向に沿って伸び、且つ、その洗浄槽前後幅方向の前方側の前端部に、前記洗浄槽上下幅方向の下方に屈曲する下向き曲がり部を備えた形状に構成されている食器洗浄機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、扉体の表面を、システムキッチンのキッチンカウンタの下方に配置される複数の収納部や固定パネル等の設置体の表面と、同一の色調で、同一の図柄となるように構成する場合においては、食器洗浄機を設置する施工現場において、洗浄槽に対して扉体を装着することになる。
【0006】
すなわち、食器洗浄機の製造会社にて製造された食器洗浄機が、扉体を装着しない状態で食器洗浄機を設置する施工現場に搬送され、システムキッチンの製造会社等によって製作された扉体が、別途、食器洗浄機を設置する施工現場に搬送されることになり、施工現場において、洗浄槽に対して扉体を装着することになる。そして、その扉体には、洗浄槽を出退移動するための把手部が設けられている。
【0007】
つまり、システムキッチンの購入者が、キッチンカウンタの下方に配置される複数の収納部や固定パネル等の設置体の表面の色調や図柄を選ぶと、システムキッチンの製造会社等によって、設置体の表面の色調や図柄と同一となる表面を備える扉体が施工現場に用意されることになる。
そして、施工者が、施工現場において、扉体を装着していない状態で、食器洗浄機をキッチンカウンタの下方に設置して、洗浄槽を収納位置から引き出したり収納位置に押し込んだりして、各種調整を行った後、扉体を洗浄槽の前部に装着することになる。
【0008】
このように施工者が、施工現場にて、洗浄槽に対して扉体を装着する形態の場合には、食器洗浄機の製造会社にて製造された食器洗浄機が、洗浄槽の前部に扉体を装着しないで施工現場に搬送されていると、施工者が洗浄槽の前部に装備されている機器類に触って損傷させる等、洗浄槽の前部に装備されている機器類が損傷される虞があり、改善が望まれるものであった。
しかも、洗浄槽に対して扉体を装着する以前においても、食器洗浄機の本体ケーシングを組み付ける際等において、洗浄槽を本体ケーシングに対して出退移動させる場合があるが、このような場合において、洗浄槽の前部が露出していると、洗浄槽の前部に装備されている機器類を把持しながら、洗浄槽を出退移動させる虞があり、この点からも改善が望まれるものであった。
【0009】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、洗浄槽の前部に装備されている機器類が損傷されることを回避し、しかも、洗浄槽に対して扉体を装着する前の状態において、洗浄槽を本体ケーシングに対して出退移動させることを良好に行える食器洗浄機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る食器洗浄機は、洗浄槽挿脱用開口が前部に形成された本体ケーシングと、前記本体ケーシングの内部の洗浄運転用の収納位置と前記本体ケーシングの前方に引き出された引出位置とにわたって前記洗浄槽挿脱用開口を通して出退移動自在な状態で、前記本体ケーシングに支持された洗浄槽とを備え、前記洗浄槽が前記収納位置に位置する状態において前記洗浄槽挿脱用開口を閉じる扉体が、前記洗浄槽の前部に装着されたものであって、その第1特徴構成は、
前記洗浄槽と前記扉体との間に位置されて、前記洗浄槽の前部の洗浄槽上下幅方向の全体及び洗浄槽横幅方向の全体を覆う前カバーが、前記洗浄槽の前部に装着され、
前記洗浄槽の前部に、前記洗浄槽を出退移動するための仮把手部が、前記前カバーの後面側に位置させる状態で設けられ、
前記前カバーに、その前カバーの前方側から手指を挿通して、前記仮把手部に接触可能な操作用開口が設けられ
、
前記仮把手部が、前記洗浄槽の前部における前記洗浄槽上下幅方向の上端側の箇所に設けられ、
前記仮把手部が、洗浄槽前後幅方向に沿って伸び、且つ、その洗浄槽前後幅方向の前方側の前端部に、前記洗浄槽上下幅方向の下方に屈曲する下向き曲がり部を備えた形状に構成されている点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、洗浄槽の前部が洗浄槽上下幅方向の全体及び洗浄槽横幅方向の全体にわたって前カバーによって覆われているので、洗浄槽の前部に扉体を装着していない状態で施工作業をする間中、洗浄槽の前部に装備された機器類が露呈しないようにすることができる。
そして、洗浄槽を引き出し操作するときは、前カバーの前方側から操作用開口に手指を挿通して、指先等を仮把手部に接触させてその仮把手部を引っ張ることにより、洗浄槽を引き出すことができる。また、洗浄槽を押し込み操作するときは、前カバーの前方側から操作用開口に手指を挿通して、指先等を仮把手部に接触させてその仮把手部を押すことにより、洗浄槽を押し込むことができる。
つまり、扉体を装着しない状態での洗浄槽の出退移動操作は、洗浄槽の前部に取り付けられた仮把手部を用いて行うことができるので、洗浄槽の出退移動操作を行い易い。
従って、洗浄槽の前部に装備されている機器類が損傷されることを回避し、しかも、洗浄槽に対して扉体を装着する前の状態において、洗浄槽を本体ケーシングに対して出退移動させることを良好に行える食器洗浄機を提供することができる。
【0013】
通常、キッチンカウンタは、凡そ成人の腰の高さに位置するので、そのようなキッチンカウンタの下方に食器洗浄機が設置されると、食器洗浄機は、成人の腰の高さよりもやや下方に位置することになる。
上記特徴構成によれば、仮把手部が洗浄槽の前部における洗浄槽上下幅方向の上端側の箇所に設けられているので、扉体を装着しない状態で、洗浄槽を出退移動操作するに当たって、手指を前カバーの前方側から操作用開口に挿通して仮把手部に接触させる操作が、一層容易なものとなる。
従って、洗浄槽の前部に装備されている機器類が損傷されることを回避しながらも、扉体を装着する前の状態での洗浄槽の出退移動操作を一層良好に行えるようにすることができる。
【0015】
又、上記特徴構成によれば、手のひらを上向きにして、手指を前カバーの前方側から操作用開口に挿通すると、指先を容易に仮把手部の前端部の下向き曲がり部に引っ掛けることができる。そして、指先を下向き曲がり部に引っ掛けた状態で、手を引くことにより、扉体を装着しない状態で、洗浄槽を容易に引き出すことができる。
従って、洗浄槽の前部に装備されている機器類が損傷されることを回避しながらも、扉体を装着する前の状態での洗浄槽の出退移動操作を一段と良好に行えるようにすることができる。
【0016】
第
2特徴構成は、上記第
1特徴構成に加えて、
前記操作用開口が、正面視で、前記洗浄槽上下幅方向の上下の開口縁部分が前記洗浄槽横幅方向に沿う概略四角形状にて、前記洗浄槽上下幅方向において、前記仮把手部の下方に位置する状態で、又は、前記仮把手部を前記操作用開口内の上方側の部分に臨ませる状態で、前記前カバーに設けられ、
前記操作用開口の開口縁における前記洗浄槽横幅方向の両側方夫々の開口縁部分から夫々後方に伸びる左側規制面、右側規制面、及び、前記開口縁における前記洗浄槽上下幅方向の下方の開口縁部分から後方に伸びる下側規制面を形成する規制面形成体が設けられている点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、手のひらを上向きにして、手指を前カバーの前方側から操作用開口に挿通する際に、指先が操作用開口の開口縁のうちの左方の開口縁部分や右方の開口縁部分や下方の開口縁部分に引っ掛かるのが、左側規制面や右側規制面や下側規制面により規制される。
つまり、前部に扉体を装着しない状態で洗浄槽を出退移動操作する際に、誤って手指を前カバーの操作用開口の開口縁部分に引っ掛けた状態で、洗浄槽を引っ張ったり押し込んだりすると、前カバーが破損する不都合が起こる虞があるが、上記特徴構成のように規制面形成体を設けることにより、そのような不都合が起こるのを回避することができるのである。
従って、洗浄槽の前部に前カバーを装着して、洗浄槽の前部に装備されている機器類が損傷されることを回避しながらも、扉体を装着する前に洗浄槽を出退移動操作する際に、前カバーを破損するのを防止することができる。
【0018】
第
3特徴構成は、上記第
2特徴構成に加えて、
前記規制面形成体が、前記左側規制面の後端と前記右側規制面の後端と前記下側規制面の後端とに跨る後側規制面を形成するように構成されている点にある。
【0019】
上記特徴構成によれば、手のひらを上向きにして、手指を前カバーの前方側から操作用開口に挿通する際に、指先が洗浄槽の前部に装備された機器類に触れるのが、後側規制面により規制される。
つまり、前部に扉体を装着しない状態で洗浄槽を出退移動操作する際に、指先が洗浄槽の前部に装備された機器類に触れると、その機器類を破損する不都合が起こる虞があるが、上記特徴構成のように後側規制面を設けることにより、そのような不都合が起こるのを回避することができるのである。
従って、洗浄槽の前部に前カバーを装着して、洗浄槽の前部に装備されている機器類が損傷されることを回避しながらも、扉体を装着する前に洗浄槽を出退移動操作する際に、指先が洗浄槽の前部に装備された機器類に触れるのを防止することができる。
【0020】
第
4特徴構成は、上記第1〜第
3特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記扉体が、その後面に取り付けた係合体を前記洗浄槽の前部に取り付けた係合部に係合させた状態で、前記洗浄槽の前部に装着されるように構成され、
前記仮把手部が、前記係合部を構成する部材に一体的に備えられている点にある。
【0021】
上記特徴構成によれば、扉体は、その後面に取り付けた係合体を洗浄槽の前部に取り付けた係合部に係合させることにより、洗浄槽の前部に頑丈に装着する。
そのような係合部は、本来、洗浄槽に頑丈に取り付けられるものであるので、仮把手部を、係合部を構成する部材(以下、係合部構成部材と記載する場合がある)に一体的に備えるように構成することにより、仮把手部を洗浄槽に頑丈に取り付けることができる。
【0022】
そして、係合部は洗浄槽に比べてかなり小型であるので、洗浄槽に仮把手部を設けるにしても、仮把手部を係合部構成部材に一体的に備えるように構成すると、形状の小さい係合部構成部材を改変するだけの簡単な改変で済む。
一方、洗浄槽は形状が大きく、通常、樹脂成型により構成されるものであるので、仮把手部を洗浄槽そのものに設けるように構成する場合は、洗浄槽成型用の大型で複雑な構造の金型を改変する必要があり、大がかりな改変となる。
つまり、洗浄槽に仮把手部を設けるに当たって、その仮把手部を係合部構成部材に一体的に備えるように構成することにより、仮把手部を洗浄槽に頑丈に取り付けるという本来の条件を満たしながらも、比較的小型な係合部構成部材を改変するという簡単な改変で済むのである。
従って、上記第1から第
3特徴構成のいずれか1つによる作用効果を奏する食器洗浄機を、低廉化を図りながら提供することができる。
本発明に係る食器洗浄機は、洗浄槽挿脱用開口が前部に形成された本体ケーシングと、前記本体ケーシングの内部の洗浄運転用の収納位置と前記本体ケーシングの前方に引き出された引出位置とにわたって前記洗浄槽挿脱用開口を通して出退移動自在な状態で、前記本体ケーシングに支持された洗浄槽とを備え、
前記洗浄槽が前記収納位置に位置する状態において前記洗浄槽挿脱用開口を閉じる扉体が、前記洗浄槽の前部に装着されたものであって、その第5特徴構成は、
前記洗浄槽と前記扉体との間に位置されて、前記洗浄槽の前部の洗浄槽上下幅方向の全体及び洗浄槽横幅方向の全体を覆う前カバーが、前記洗浄槽の前部に装着され、
前記洗浄槽の前部に、前記洗浄槽を出退移動するための仮把手部が、前記前カバーの後面側に位置させる状態で設けられ、
前記前カバーに、その前カバーの前方側から手指を挿通して、前記仮把手部に接触可能な操作用開口が設けられ、
前記扉体が、その後面に取り付けた係合体を前記洗浄槽の前部に取り付けた係合部に係合させた状態で、前記洗浄槽の前部に装着されるように構成され、
前記仮把手部が、前記係合部を構成する部材に一体的に備えられている点にある。
上記特徴構成によれば、洗浄槽の前部が洗浄槽上下幅方向の全体及び洗浄槽横幅方向の全体にわたって前カバーによって覆われているので、洗浄槽の前部に扉体を装着していない状態で施工作業をする間中、洗浄槽の前部に装備された機器類が露呈しないようにすることができる。
そして、洗浄槽を引き出し操作するときは、前カバーの前方側から操作用開口に手指を挿通して、指先等を仮把手部に接触させてその仮把手部を引っ張ることにより、洗浄槽を引き出すことができる。また、洗浄槽を押し込み操作するときは、前カバーの前方側から操作用開口に手指を挿通して、指先等を仮把手部に接触させてその仮把手部を押すことにより、洗浄槽を押し込むことができる。
つまり、扉体を装着しない状態での洗浄槽の出退移動操作は、洗浄槽の前部に取り付けられた仮把手部を用いて行うことができるので、洗浄槽の出退移動操作を行い易い。
従って、洗浄槽の前部に装備されている機器類が損傷されることを回避し、しかも、洗浄槽に対して扉体を装着する前の状態において、洗浄槽を本体ケーシングに対して出退移動させることを良好に行える食器洗浄機を提供することができる。
又、上記特徴構成によれば、扉体は、その後面に取り付けた係合体を洗浄槽の前部に取り付けた係合部に係合させることにより、洗浄槽の前部に頑丈に装着する。
そのような係合部は、本来、洗浄槽に頑丈に取り付けられるものであるので、仮把手部を、係合部を構成する部材(以下、係合部構成部材と記載する場合がある)に一体的に備えるように構成することにより、仮把手部を洗浄槽に頑丈に取り付けることができる。
そして、係合部は洗浄槽に比べてかなり小型であるので、洗浄槽に仮把手部を設けるにしても、仮把手部を係合部構成部材に一体的に備えるように構成すると、形状の小さい係合部構成部材を改変するだけの簡単な改変で済む。
一方、洗浄槽は形状が大きく、通常、樹脂成型により構成されるものであるので、仮把手部を洗浄槽そのものに設けるように構成する場合は、洗浄槽成型用の大型で複雑な構造の金型を改変する必要があり、大がかりな改変となる。
つまり、洗浄槽に仮把手部を設けるに当たって、その仮把手部を係合部構成部材に一体的に備えるように構成することにより、仮把手部を洗浄槽に頑丈に取り付けるという本来の条件を満たしながらも、比較的小型な係合部構成部材を改変するという簡単な改変で済むのである。
従って、上記作用効果を奏する食器洗浄機を、低廉化を図りながら提供することができる。
第6特徴構成は、上記第5特徴構成に加えて、
前記仮把手部が、前記洗浄槽の前部における前記洗浄槽上下幅方向の上端側の箇所に設けられている点にある。
即ち、通常、キッチンカウンタは、凡そ成人の腰の高さに位置するので、そのようなキッチンカウンタの下方に食器洗浄機が設置されると、食器洗浄機は、成人の腰の高さよりもやや下方に位置することになる。
上記特徴構成によれば、仮把手部が洗浄槽の前部における洗浄槽上下幅方向の上端側の箇所に設けられているので、扉体を装着しない状態で、洗浄槽を出退移動操作するに当たって、手指を前カバーの前方側から操作用開口に挿通して仮把手部に接触させる操作が、一層容易なものとなる。
従って、洗浄槽の前部に装備されている機器類が損傷されることを回避しながらも、扉体を装着する前の状態での洗浄槽の出退移動操作を一層良好に行えるようにすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
(食器洗浄機の構成)
図1に示すように、洗浄槽挿脱用開口Aが前部に形成された直方体状の本体ケーシング1が設けられ、平面視形状が四角状でかつ上部が開口された洗浄槽2が、本体ケーシング1の内部の洗浄運転用の収納位置と本体ケーシング1の前方に引き出された引出位置とにわたって洗浄槽挿脱用開口Aを通して出退移動自在な状態で、本体ケーシング1に支持されて、引出し式の食器洗浄機Sが構成されている。
【0025】
すなわち、引出し式の食器洗浄機Sは、洗浄槽2を本体ケーシング1から引き出した引出し状態において、食器類等の洗浄対象物を洗浄槽2の内部に収納し、洗浄槽2を本体ケーシング1の収納位置に収納した収納状態において、洗浄運転を行うように構成されている。
【0026】
尚、洗浄槽2の下方には、洗浄ポンプ等の機器類が、洗浄槽2に組付けられた状態で配設され、洗浄槽2の内部には、洗浄ノズルや加熱用ヒータ等が配設され、また、洗浄槽2の内部には、食器類等の洗浄対象物を収納する洗浄カゴが、取出し自在に収納されることになるが、それらの構成は周知であるので、本実施形態においては説明を省略する。
【0027】
また、洗浄槽2を本体ケーシング1に収納した状態において洗浄槽2の上面部を閉塞する内蓋部が、洗浄槽2を本体ケーシング1から引き出した引出し状態では洗浄槽2の上面部を開口するように、洗浄槽2の引き出し及び収納に伴って自動的に開閉される形態で設けられることになるが、その構成は周知であるので、本実施形態においては説明を省略する。
【0028】
図1及び
図2に示すように、洗浄槽2の前部には、その洗浄槽2が収納位置に位置する状態において洗浄槽挿脱用開口Aを閉じる扉体3が装着され、その扉体3の前部に把手部4が設けられている。また、
図2及び
図9に示すように、洗浄槽2と扉体3との間に位置されて、洗浄槽2の前部の上下幅方向の全体及び横幅方向の全体を覆う前カバーMが、洗浄槽2の前部に装着される。
本実施形態の扉体3は、洗浄槽2の前部の洗浄槽上下幅方向の全体及び洗浄槽横幅方向の全体を覆うように構成され、扉体3には、出退移動操作用の把手部4が設けられている。
具体的には、扉体3は、その横幅が本体ケーシング1の横幅よりも少し大きく、且つ、その上下幅が本体ケーシング1の上下幅と同じ大きさとなるように構成されている。
【0029】
図23及び
図24に示すように、本実施形態の食器洗浄機Sは、システムキッチンKのキッチンカウンタ8の下方に、引出し式の収納部や固定パネル等の設置体Dと並べる状態で設置されるものであって、扉体3の表面が、設置体Dの前面部の表面と、同一の色調で、同一の図柄となるように構成されている。
尚、
図24においては、食器洗浄機Sの下方に、設置体Dとして、引出し式の収納部が配置される場合を例示する。
【0030】
そして、食器洗浄機Sの扉体3は、食器洗浄機SをシステムキッチンKに設置する際に、その施工現場にて、洗浄槽2の前部に装着されるものである。そこで、
図9に示すように、食器洗浄機Sの洗浄槽2の前部には、上述のように前カバーMが装着されて、洗浄槽2の前部に装備した機器類を覆うように構成されている。
また、
図3及び
図4に示すように、洗浄槽2の前部には、扉体3を装着しない状態において、洗浄槽2を出退移動するための仮把手部20cが備えられている。
さらに、洗浄槽2の前部に対する扉体3の装着位置を、洗浄槽上下幅方向及び洗浄槽横幅方向において調整可能な扉体装着位置調整機構P(
図10及び
図18参照)が設けられている。
【0031】
ちなみに、
図2に示すように、洗浄槽2の前端部の上方箇所、つまり、扉体3の上部側部分の後方側箇所には、洗浄運転に関する種々の情報を指令する操作パネルBが装備されており、洗浄槽2を引出し状態にして、操作パネルBにて洗浄運転に関する情報を入力し、その後、洗浄槽2を収納状態することによって、運転制御部(図示せず)が、操作パネルBにて入力された情報に基づいて、洗浄ポンプや加熱用ヒータ等を作動させて洗浄運転を実行するように構成されている。
【0032】
尚、図示はしないが、洗浄槽2を収納状態にロックするロック装置や、洗浄槽2が収納状態であること検出する収納検出装置が装備されおり、上記運転制御部が、洗浄槽2が収納状態であることを確認しながら、洗浄運転を実行するように構成されている。
【0033】
図1に示すように、洗浄槽2を本体ケーシング1に対して移動自在に支持する左右一対のスライド式レール機構Lが、洗浄槽2の底部の左右両端部に対応する箇所に設けられており、このスライド式レール機構Lを介して、洗浄槽2が収納位置と引出位置とにわたって移動自在な状態で本体ケーシング1に支持されている。ちなみに、引出位置においては、洗浄槽2の大部分を本体ケーシング1の外方に露出させる状態に引き出すことができるように構成されている。
【0034】
つまり、
図3〜
図5及び
図8に示すように、スライド式レール機構Lを構成する洗浄槽側レール部材6に、長尺状の洗浄槽接続部材7が装備され、この洗浄槽接続部材7に、洗浄槽2の底部の左右両端部が取付けられている。
尚、洗浄槽側レール部材6は、本体ケーシング1に設けた本体ケーシング側レール部材(図示せず)に対して、スライド自在に係合されることになる。
【0035】
ちなみに、
図3及び
図4に示すように、洗浄槽2の左右は、それぞれ、側壁2Sにて覆われ、各側壁2Sの下端部には、スライド式レール機構Lを覆う下方張出部2dが延設され、また、
図3及び
図6に示すように、洗浄槽2の左右の側壁2Sの前端部には、洗浄槽2の前面部に設けた機器類を覆う前方張出部2fが延設されている。
尚、各側壁2Sは、下方張出部2dと前方張出部2fとを一連に連なる板状で備える形態に、樹脂成型(例えば、PP樹脂)にて形成されている。
【0036】
(扉体の装着構成)
上述したように、食器洗浄機Sの扉体3は、食器洗浄機SをシステムキッチンKに設置する際に、その施工現場にて、洗浄槽2の前部に装着されるものであり、以下、扉体3を洗浄槽2の前部に装着する構成について説明する。
【0037】
図10に示すように、扉体3の後面には、係合体Eが取付けられ、そして、洗浄槽2の前部には、
図3〜
図5に示すように、係合部Fが設けられている。
従って、扉体3の後面に取付けた係合体Eが、洗浄槽2の前部に設けた係合部Fに係合された状態で、扉体3が洗浄槽2の前部に装着されることになる。
【0038】
係合体Eは、上方側の左右一対の係合作用部Eu、及び、下方側の左右一対の係合作用部Esを備えるように構成され、そして、係合部Fが、係合体Eに合わせて、上方側の左右一対の係合作用部Euの夫々が各別に係合する上方側の左右一対の係合部分Fu、及び、下方側の左右一対の係合作用部Esの夫々が各別に係合する下方側の左右一対の係合部分Fsを備えるように構成されている。
【0039】
つまり、
図18に示すように、上方側の左方の係合作用部Euと上方側の左方の係合部分Fuとが係合する上方側左方連結部UL、上方側の右方の係合作用部Euと上方側の右方の係合部分Fuとが係合する上方側右方連結部UR、下方側の左方の係合作用部Esと下方側の左方の係合部分Fsとが係合する下方側左方連結部SL、及び、下方側の右方の係合作用部Esと下方側の右方の係合部分Fsとが係合する下方側右方連結部SRの夫々が設けられている。
【0040】
そして、後述するように、上方側左方連結部UL、上方側右方連結部UR、下方側左方連結部SL及び下方側右方連結部SRの夫々が、係合作用部Eu、Esと係合部分Fu、Fsとを洗浄槽前後幅方向での相対移動を阻止した状態に係合させ、かつ、係合部分Fu、Fsに対する係合作用部Eu、Esの洗浄槽前後幅方向での位置を変更調節自在に構成されている。
【0041】
係合体Eについて説明を加えると、本実施形態においては、
図10に示すように、上方側の左方の係合作用部Eu及び下方側の左方の係合作用部Esを上下両端に備える金属製の左方側係合体形成体10L、及び、上方側の右方の係合作用部Eu及び下方側の右方の係合作用部Esを上下両端に備える金属製の右方側係合体形成体10Rが、扉体3の後面に設けられている。
【0042】
そして、左方側係合体形成体10Lを扉体3に取付ける左方取付け機構JL及び右方側係合体形成体10Rを扉体3に取付ける右方取付け機構JRの夫々が設けられて、左方側係合体形成体10Lが、左方取付け機構JLによって扉体3に取付けられ、右方側係合体形成体10Rが、右方取付け機構JRによって扉体3に取付けられている。
本実施形態においては、左方取付け機構JLが、左方側係合体形成体10Lにおける上下の2箇所の夫々に設けられ、また、右方取付け機構JRが、右方側係合体形成体10Rにおける上下の2箇所の夫々に設けられている。
【0043】
左方取付け機構JL及び右方取付け機構JRの夫々は、扉体3の洗浄槽横幅方向の位置を調節自在に構成されるものであって、具体的には、左方側係合体形成体10L及び右方側係合体形成体10Rを、扉体3の後面にビス11dにて止着される支持金具11に対して、扉体3の横幅方向(洗浄槽横幅方向)に沿って位置調節自在な状態で取付けるように構成されている。
【0044】
左方側係合体形成体10L及び右方側係合体形成体10Rは、左右対称に構成されるものであり、また、左方取付け機構JL及び右方取付け機構JRは、同様に構成されるものであるため、以下、右方側係合体形成体10R及び右方取付け機構JRを代表にして、その構成について説明し、左方側係合体形成体10L及び左方取付け機構JLについては、必要に応じて適宜説明を加える。
【0045】
図10及び
図11に示すように、右方側係合体形成体10Rは、扉体3の上下幅方向(洗浄槽上下幅方向)に伸びる断面形状L型の軸状部10aの上下両端に、上方側の係合作用部Euを形成する上方板状部10u、及び、下方側の係合作用部Esを形成する下方板状部10sを備えるものであって、扉体3の横幅方向視において、U字状に構成されている。
つまり、断面形状L型の軸状部10aは、その長手方向視にて、一辺側部分を扉体3の後面に当て付けた状態に装着されるものであって、軸状部10aにおける扉体3から起立姿勢となる他辺側部分に、上方板状部10u及び下方板状部10sが連設されている。
【0046】
軸状部10aにおける上下の支持金具11に対応する箇所には、扉体3の横幅方向に伸びる二股状の中間板状部10mが、軸状部10aにおける扉体3の後面に当て付けられる一辺側部分から連なる状態で形成され、それら中間板状部10mが、支持金具11に対して、扉体3の横幅方向に移動自在にかつ扉体3の上下幅方向での移動を規制された状態に係合するように構成されている。
つまり、支持金具11は、扉体3の厚さ方向視(前後幅方向視)にて、帯板状に構成されるものであって、支持金具11の上下の縁部に対して、中間板状部10mの内縁部が摺接する状態となるように構成されている。
【0047】
軸状部10aにおける上下の支持金具11に対応する箇所には、扉体3の横幅方向に伸びる逆U字状の連結片10rが、軸状部10aにおける扉体3から起立姿勢となる他辺側部分に連なる状態で形成されている(
図12及び
図13参照)。
【0048】
支持金具11は、
図12及び
図13に明示するように、扉体3の後面にビス11dにて止着される板部分11aと、逆U字状の接続部分11bとを、扉体3の横幅方向に並ぶ状態で備える形態に構成されている。
そして、接続部分11bには、接続体12が装備され、接続部分11bにおける上壁に相当する部分には、扉体3の横幅方向に沿う長孔13が形成されている。
【0049】
接続体12は、
図12〜
図14に示すように、支持金具11における接続部分11bと扉体3の後面との間に配置される本体部分12aと、本体部分12aから上方に突出する突出部分12bとを備える状態に形成されている。
本体部分12aが、支持金具11の接続部分11bに形成した長孔13の横幅よりも大きな横幅を有する状態に形成され、そして、突出部分12bが、支持金具11の接続部分11bに形成した長孔13の横幅よりも小さな横幅となる状態に形成されて、長孔13を通して、接続部分11bの外方に突出するように構成されている。
つまり、接続体12は、扉体3の横幅方向に移動自在な状態で、支持金具11の接続部分11bに装着されている。
【0050】
接続体12における突出部分12bが、扉体3の横幅方向に沿って二股状となるように形成されている。
そして、右方側係合体形成体10Rにおける連結片10rの先端が、接続体12に係合するように構成され、かつ、連結片10rを貫通する頭付ボルト14が、接続体12に螺合する状態で設けられている。
【0051】
すなわち、頭付ボルト14は、連結片10rと接続体12とに亘って架設されることになり、締め込みに伴って、接続体12の本体部分12aを支持金具11の接続部分11bに圧接させて、接続体12の支持金具11に対する移動を固定し、かつ、連結片10rを接続体12に向けて押圧して、接続体12に対する連結片10rの離脱を阻止する状態に固定するように構成されている。
したがって、頭付ボルト14を操作しながら、右方側係合体形成体10Rの扉体3に対する横幅方向での位置を調節できるように構成されており、左方側係合体形成体10Lも同様である。
【0052】
つまり、頭付ボルト14を緩めた状態において、接続体12の支持金具11に対する扉体3の横幅方向での位置を変更しながら、右方側係合体形成体10Rの扉体3に対する横幅方向での位置を変更することができ、かつ、頭付ボルト14を締め付けた状態において、接続体12の支持金具11に対する扉体3の横幅方向での移動を固定することによって、右方側係合体形成体10Rの扉体3に対する横幅方向での移動を固定することができるように構成され、左方側係合体形成体10Lについても同様に構成されている。
【0053】
以上の説明から明らかな如く、本実施形態においては、右方取付け機構JRが、扉体3に固定した支持金具11に対して洗浄槽横幅方向に移動自在に且つ扉体3の後面から離間する方向への移動を阻止された状態に支持された接続体12に対して、右方側係合体形成体10Rから連設した連結片10rを洗浄槽横幅方向に一体移動するように係合させ、且つ、連結片10rと接続体12とに亘って架設される一つの締付け具としての頭付ボルト14によって、支持金具11に対する接続体12の移動を固定しかつ接続体12に対する連結片10rの離脱を阻止する状態に固定するように構成されている。
【0054】
また、左方取付け機構JLが、右方取付け機構JRと同様に、扉体3に固定した支持金具11に対して洗浄槽横幅方向に移動自在に且つ扉体3の後面から離間する方向への移動を阻止された状態に支持された接続体12に対して、左方側係合体形成体10Lから連設した連結片10rを洗浄槽横幅方向に一体移動するように係合させ、且つ、連結片10rと接続体12とに亘って架設される一つの締付け具としての頭付ボルト14によって、支持金具11に対する接続体12の移動を固定しかつ接続体12に対する連結片10rの離脱を阻止する状態に固定するように構成されている。
【0055】
そして、本実施形態においては、左方取付け機構JLが、左方側係合体形成体10Lの上下2箇所に対応して設けられるものであるから、左方側係合体形成体10Lの扉体3に対する横幅方向での位置を調節する際には、上下2箇所の頭付ボルト14を操作しながら行うことになる。
同様に、右方取付け機構JRが、右方側係合体形成体10Rの上下2箇所に対応して設けられるものであるから、右方側係合体形成体10Rの扉体3に対する横幅方向での位置を調節する際には、上下2箇所の頭付ボルト14を操作しながら行うことになる。
【0056】
尚、扉体3を洗浄槽2の前部に装着した状態においては、左方側係合体形成体10Lや右方側係合体形成体10Rは、洗浄槽2の前部の係合部Fに支持された状態になるものであるから、扉体3を洗浄槽2の前部に装着した状態においては、左方側係合体形成体10Lや右方側係合体形成体10Rに対して、扉体3に取付けた支持金具11の洗浄槽横幅方向での位置が調節されることになり、この調節によって、洗浄槽2に対する扉体3の洗浄槽横幅方向での位置が調節されることになる。
【0057】
ちなみに、扉体3を洗浄槽2に装着した状態、つまり、扉体3の後面に取付けた係合体Eを洗浄槽2の前部に設けた係合部Fに係合させて、扉体3を洗浄槽2の前部に装着した状態においては、左方側係合体形成体10L及び右方側係合体形成体10Rが、洗浄槽2における左右の前方張出部2fの間に位置するものとなるが、
図2及び
図6に示すように、洗浄槽2における左右の前方張出部2fには、頭付ボルト14を操作するためのボルト操作用孔15が形成されているため、扉体3を洗浄槽2に装着した状態においても、頭付ボルト14を操作しながら、洗浄槽2に対する扉体3の洗浄槽横幅方向での位置を調節できるようになっている。
【0058】
次に、係合体Eにおける上方側の左右一対の係合作用部Eu及び下方側の左右一対の係合作用部Es、並びに、係合部Fにおける上方側の左右一対の係合部分Fu及び下方側の左右一対の係合部分Fsを説明する。
尚、上方側の左右一対の係合作用部Euは同様に構成され、下方側の左右一対の係合作用部Esも同様に構成されるものであるため、以下、右方側係合体形成体10Rが備える上方側の右方の係合作用部Eu、及び、下方側の右方の係合作用部Esを代表として説明し、左方側係合体形成体10Lが備える上方側の左方の係合作用部Eu、及び、下方側の左方の係合作用部Esについては、必要に応じて説明を加える。
【0059】
また、上方側の左右一対の係合部分Fuは同様に構成され、下方側の左右一対の係合部分Fsも同様に構成されるものであるため、係合部Fについても、右方側係合体形成体10Rが備える上方側の右方の係合作用部Euが係合する上方側の右方の係合部分Fu、及び、下方側の右方の係合作用部Esが係合する下方側の右方の係合部分Fsを代表として説明し、上方側の左方の係合部分Fu及び下方側の左方の係合部分Fsについては必要に応じて説明を加える。
【0060】
図2、
図10及び
図15に示すように、上方側の右方の係合作用部Euを形成する右方側係合体形成体10Lの上方板状部10uには、上方側の右方の係合部分Fuが備える前後位置調整用回転体16に上方より係合する下向き開口状の係合孔17、及び、固定用ボルト18が挿通する4角状の挿通孔19が形成されている。
【0061】
上方側の右方の係合部分Fuは、
図3、
図5及び
図7に示すように、洗浄槽2の前部の上方箇所にビス止めされる横長状の固定受け金具20の端部に装備されている。
すなわち、固定受け金具20は、横長枠体状の本体部20aと、その本体部20aの両端部の前後方向に沿う姿勢の板状部20bとから構成され、その板状部20bに、前後位置調整用回転体16が回転自在に支持され、また、固定用ボルト18が螺合する連結孔21が形成されている。
【0062】
前後位置調整用回転体16は、
図17に示すように、マイナスドライバーの先端が係合する係合溝22を備えた円盤状の頭部16Aと、円柱状の軸部16Bとを備えるものであり、軸部16Bが、頭部16Aの中心に対して偏心する状態で、頭部16Aに対して接続されて、いわゆる偏心式のカム操作体として構成されている。
そして、前後位置調整用回転体16の軸部16Bが板状部20bに回転自在に嵌合されており、前後位置調整用回転体16の頭部16Aを回転操作することにより、右方側係合体形成体10Lの上方板状部10uを洗浄槽前後幅方向(扉体3の厚さ方向)に移動させることができるように構成されている。
【0063】
したがって、上方側の右方の係合作用部Euは、上方側の右方の係合部分Fuが備える前後位置調整用回転体16に対して下向き開口状の係合孔17が係合することにより、上方側の右方の係合部分Fuに対する洗浄槽前後幅方向の移動が阻止され、かつ、洗浄槽上下幅方向の移動が許容されることになり、かつ、前後位置調整用回転体16の回転操作により、上方側の右方の係合部分Fuに対する洗浄槽前後幅方向での位置が調節されることになる。
【0064】
そして、上方側の左方の係合作用部Euも、上方側の右方の係合作用部Euと同様に、上方側の左方の係合部分Fuに対する洗浄槽前後幅方向の移動が阻止され、かつ、洗浄槽上下幅方向の移動が許容されることになり、かつ、前後位置調整用回転体16の回転操作により、上方側の左方の係合部分Fuに対する洗浄槽前後幅方向での位置が調節されることになる。
【0065】
固定用ボルト18は、右方側係合体形成体10Rの上方板状部10uの挿通孔19を覆う大きさの頭部を備える又は挿通孔19を覆う大きさの座金を介在させて装着されるものであって、固定受け金具20の板状部20bの連結孔21に螺合させて締め付けることにより、右方側係合体形成体10Rの上方板状部10uを固定受け金具20の板状部20bに密着させた状態に固定するように構成されている。
【0066】
図2、
図10及び
図16に示すように、下方側の右方の係合作用部Esを形成する右方側係合体形成体10Rの下方板状部10sには、下方側の右方の係合部分Fsが備える前後位置調整用回転体23に上方より係合する下向き開口状の係合孔24、下方側の右方の係合部分Fsが備える上下位置調整用回転体25に対して上方から接当する接当部26、及び、固定用ボルト27が挿通する4角状の挿通孔28が形成されている。
【0067】
下方側の右方の係合部分Fsは、
図5及び
図8に示すように、洗浄槽側レール部材6に装備した洗浄槽接続部材7の前端部に設けられている。
すなわち、洗浄槽接続部材7の前端部に、前後方向に沿う姿勢の板体29が上方に向けて起立する状態で設けられ、その板体29に、前後位置調整用回転体23及び上下位置調整用回転体25が回転自在に支持され、また、固定用ボルト27が螺合する連結孔30が形成されている。
【0068】
前後位置調整用回転体23及び上下位置調整用回転体25は、上方側の係合部分Fuが備える前後位置調整用回転体16と同様に、いわゆる偏心式のカム操作体として構成されて、板体29に回転自在に支持されている。
つまり、前後位置調整用回転体23を回転操作することにより、右方側係合体形成体10Rの下方板状部10sを洗浄槽前後幅方向(扉体3の厚さ方向)に移動させることができ、また、上下位置調整用回転体25を回転操作することにより、右方側係合体形成体10Rを洗浄槽上下幅方向(扉体3の上下幅方向)に移動させることができるように構成されている。
【0069】
したがって、下方側の右方の係合作用部Esは、下方側の右方の係合部分Fsが備える前後位置調整用回転体23に対して下向き開口状の係合孔24が係合することにより、下方側の右方の係合部分Fsに対する洗浄槽前後幅方向の移動が阻止され、かつ、洗浄槽上下幅方向の移動が許容されることになり、かつ、前後位置調整用回転体23の回転操作により、下方側の右方の係合部分Fsに対する洗浄槽前後幅方向での位置が調節されることになる。
【0070】
そして、下方側の左方の係合作用部Esも、下方側の右方の係合作用部Esと同様に、下方側の左方の係合部分Fsに対する洗浄槽前後幅方向の移動が阻止され、かつ、洗浄槽上下幅方向の移動が許容されることになり、かつ、前後位置調整用回転体23の回転操作により、上方側の左方の係合部分Fuに対する洗浄槽前後幅方向での位置が調節されることになる。
【0071】
さらに、以上の説明から明らかな如く、上方側の右方の係合作用部Eu及び下方側の右方の係合作用部Esが、上下位置調整用回転体25の回転操作により、上方側の右方の係合部分Fu及び下方側の右方の係合部分Fsに対する洗浄槽上下幅方向での位置が変更調節されることになる。
同様に、上方側の左方の係合作用部Eu及び下方側の左方の係合作用部Esが、上下位置調整用回転体25の回転操作により、上方側の左方の係合部分Fu及び下方側の左方の係合部分Fsに対する洗浄槽上下幅方向での位置が変更調節されることになる。
【0072】
固定用ボルト27は、上方側の右方の係合部分Fuの固定用ボルト18と同様に、右方側係合体形成体10Rの下方板状部10sの挿通孔28を覆う大きさの頭部を備える又は挿通孔28を覆う大きさの座金を介在させて装着されるものであって、板体29の連結孔30に螺合させて締め付けることにより、右方側係合体形成体10Rの下方板状部10sを板体29に密着させた状態に固定するように構成されている。
【0073】
また、左方側係合体形成体10Lの上方板状部10uが、固定受け金具20の板状部20bの横外方側に位置し、かつ、右方側係合体形成体10Rの上方板状部10uが、固定受け金具20の板状部20bの横外方側に位置するように構成され、また、左方側係合体形成体10Lの下方板状部10sが、洗浄槽接続部材7に装備した板体29の横外方側に位置し、かつ、右方側係合体形成体10Rの下方板状部10sが、洗浄槽接続部材7に装備した板体29の横外方側に位置するように構成されることによって、扉体3が洗浄槽横幅方向に移動することが規制されている。
【0074】
以上の通り、本実施形態においては、上方側左方連結部UL、上方側右方連結部UR、下方側左方連結部SL、及び、下方側右方連結部SRの夫々が、係合作用部Eu、Esと係合部分Fu、Fsとを、洗浄槽上下幅方向での相対移動を許容する状態で係合させるように構成されている。
【0075】
そして、下方側の左方の係合部分Fsに、左方側係合体形成体10Lの洗浄槽上下幅方向での位置を調節すべく、下方側の左方の係合作用部Esを洗浄槽上下幅方向での位置を変更調節自在に受止め支持する左方側の受止め支持体として、上下位置調整用回転体25が設けられることになる。
同様に、下方側の右方の係合部分Fsに、右方側係合体形成体10Rの洗浄槽上下幅方向での位置を調節すべく、下方側の右方の係合作用部Esを洗浄槽上下幅方向での位置を変更調節自在に受止め支持する右方側の受止め支持体として、上下位置調整用回転体25が設けられることになる。
【0076】
ちなみに、扉体3を洗浄槽2に装着するために、扉体3に取付けた係合体Eを洗浄槽2の前部に設けた係合部Fに係合させた状態においては、左方側係合体形成体10L及び右方側係合体形成体10Rが、洗浄槽2における左右の前方張出部2fの間に位置するものとなるが、
図2、
図15及び
図16に示すように、洗浄槽2における右方側の前方張出部2fには、上方側操作用窓31及び下方側操作用窓32が形成されている。
【0077】
そして、上方側操作用窓31を通して、上方側の右方の係合作用部Euと上方側の右方の係合部分Fuとの係合状態の確認や、上方側の右方の係合部分Fuが備える前後位置調整用回転体16の回転操作を行うことができ、加えて、固定用ボルト18の装着作業を行えるように構成されている。
また、下方側操作用窓32を通して、下方側の右方の係合作用部Esと下方側の右方の係合部分Fsとの係合状態の確認や、下方側の右方の係合部分Fsが備える前後位置調整用回転体23及び上下位置調整用回転体25の回転操作を行うことができ、加えて、固定用ボルト27の装着作業を行えるように構成されている。
【0078】
ちなみに、図示は省略するが、上方側操作用窓31及び下方側操作用窓32は、左方側の前方張出部2fにも形成されて、上方側の左方の係合作用部Euと上方側の左方の係合部分Fuとの係合状態の確認や、下方側の左方の係合作用部Esと下方側の左方の係合部分Fsとの係合状態の確認等の作業を行えるように構成されている。
【0079】
以上の通り、上方側左方連結部UL、上方側右方連結部UR、下方側左方連結部SL、及び、下方側右方連結部SRの夫々が、係合作用部Eu、Esと係合部分Fu、Fsとを、洗浄槽上下幅方向での相対移動を許容する状態で係合させるように構成されて、洗浄槽2に対する扉体3の洗浄槽上下幅方向での位置を変更調整自在に構成されている。また、左方取付け機構JL及び右方取付け機構JRの夫々が、左方側係合体形成体10L及び右方側係合体形成体10Rを、扉体3の後面に止着される支持金具11に対して、扉体3の横幅方向(洗浄槽横幅方向)に沿って位置調節自在な状態で取付けるように構成されて、扉体3の洗浄槽横幅方向の位置を調節自在に構成されている。
従って、上方側左方連結部UL、上方側右方連結部UR、下方側左方連結部SL、及び、下方側右方連結部SR、並びに、左方取付け機構JL及び右方取付け機構JRにより、扉体装着位置調整機構Pが構成されている。
【0080】
(前カバー及び仮把手部の構成)
前カバーMは合成樹脂製であり、
図9に示すように、正面視形状が概略長方形状に構成されるものであって、
図2にも示すように、その左右両端縁夫々の上部側に、後面側に突出する状態で、ネジ挿通孔を備えた後方突起部39が設けられ、また、
図6にも示すように、左右両端縁夫々における後方突起部39の下方には、後面側に突出する状態で、板状の被せ部40が各端縁に沿って設けられている。
さらに、
図20及び
図22に示すように、前カバーMの後面部には、後方に突出する補強リブ41が、前カバーMにおける前カバー横幅方向の全幅にわたって直線状に伸びて、左右の後方突起部39に架け渡された状態で設けられている。
そして、
図2及び
図9に示すように、前カバーMは、その左右の後方突起部39及び被せ部40を洗浄槽2の左右の前方張出部2fに被せた状態で、その上部側における左右の後方突起部39を介して、樹脂製の装着ネジ33にて洗浄槽2に止着されている。
【0081】
前カバーMには、
図9及び
図21に示すように、係合体Eにおける上方側の左右一対の係合作用部Eu及び下方側の左右一対の係合作用部Esを挿通させるために、上下方向に沿う4つのスリット状開口34が形成されている。
また、前カバーMには、
図6にも示すように、左方側係合体形成体10Lや右方側係合体形成体10Rにおける支持金具11との接続部分を挿通させる4つの窓状の挿通開口35が形成されており、扉体3を洗浄槽2の前部に装着した状態において、前カバーMを、扉体3と洗浄槽2の間に位置させることができるように構成されている。
【0082】
本発明では、
図19及び
図20に示すように、洗浄槽2を出退移動するための仮把手部20c(
図3及び
図4参照)が、前カバーMの後面側に位置させる状態で、洗浄槽2の前部に設けられ、
図9、
図19及び
図20に示すように、前カバーMに、その前カバーMの前方側から手指を挿通して、仮把手部20cに接触可能な仮把手部操作用開口36(操作用開口に相当する)が設けられている。
【0083】
図3、
図7及び
図19に示すように、本実施形態では、仮把手部20cは、洗浄槽2の前部の上方箇所に取り付けられる固定受け金具20の洗浄槽横幅方向の中央部に、その固定受け金具20と一体的に備えられている。
説明を加えると、
図7及び
図19に示すように、仮把手部20cは概略長方形の板状に構成され、その板状の仮把手部20cが、長辺を洗浄槽横幅方向に沿わせ且つ短辺を洗浄槽前後幅方向に沿わせた姿勢で、固定受け金具20の本体部20aの前面部における洗浄槽横幅方向の中央部に、洗浄槽前後幅方向の前方に突出する状態で備えられている。
更に、仮把手部20cは、洗浄槽前後幅方向の前端部に、洗浄槽上下幅方向の下方に屈曲する下向き曲がり部20dを備えた形状に構成されている。
【0084】
つまり、食器洗浄機SがシステムキッチンKに設置された状態では、板状の仮把手部20cは、その板面が略水平方向に沿った姿勢で、洗浄槽横幅方向に伸びる状態で洗浄槽2の前部に備えられることになる。
【0085】
つまり、固定受け金具20は、洗浄槽2の前部における洗浄槽上下幅方向の上端側箇所に設けられるものであるので、本実施形態では、仮把手部20cが、洗浄槽2の前部における洗浄槽上下幅方向の上端側の箇所に設けられていることになる。
また、仮把手部20cが、洗浄槽前後幅方向に沿って伸び、且つ、その洗浄槽前後幅方向の前方側の前端部に、洗浄槽上下幅方向の下方に屈曲する下向き曲がり部20dを備えた形状に構成されていることになる。
さらに、固定受け金具20は、係合部Fにおける上方側の左右一対の係合部分Fuを構成するものであるので、仮把手部20cが、係合部Fを構成する部材である固定受け金具20に一体的に備えられていることになる。
【0086】
図19及び
図20に示すように、仮把手部操作用開口36は、前カバーMを洗浄槽2の前部に装着したときに、仮把手部20cに対して仮把手部操作用開口36が洗浄槽上下幅方向のやや下方に位置する状態となるように、位置を定めて前カバーMに形成されている。そのように位置を定めて仮把手部操作用開口36が前カバーMに形成されると、仮把手部操作用開口36は、補強リブ41の下方に位置する状態となる。
【0087】
また、
図9、
図19及び
図21に示すように、仮把手部操作用開口36は、正面視で、概略長方形状に構成され、その概略長方形状の仮把手部操作用開口36が、洗浄槽横幅方向に伸びる板状の仮把手部20cに対応させて、長辺に対応する開口縁部を洗浄槽横幅方向に沿わせた配置形態で、前カバーMに形成されている。
【0088】
つまり、仮把手部操作用開口36が、正面視で、洗浄槽上下幅方向の上下の開口縁部分が洗浄槽横幅方向に沿う概略四角形状にて、洗浄槽上下幅方向において、仮把手部20cの下方に位置する状態で、前カバーMに設けられていることになる。
【0089】
また、
図20〜
図22に示すように、前カバーMには、仮把手部操作用開口36の開口縁における洗浄槽横幅方向の両側方夫々の開口縁部分から夫々後方に伸びる左側規制面51s、右側規制面52s、及び、仮把手部操作用開口36の開口縁における洗浄槽上下幅方向の下方の開口縁部分から後方に伸びる下側規制面53sを形成する規制面形成体50が設けられている。
【0090】
この規制面形成体50は、左側規制面51sを形成する左側壁部51、右側規制面52sを形成する右側壁部52、及び、下側規制面53sを形成する底壁部53を、正面視でU字状になる状態に備えた形状に構成されている。
さらに、規制面形成体50は、左側壁部51の後端縁及び右側壁部52の後端縁部夫々の下方側分の夫々と、底壁部53の後端縁部とに連なる状態で、後壁部54を備え、その後壁部54により、左側規制面51sの後端と右側規制面52sの後端と下側規制面53sの後端とに跨る後側規制面54sが形成される。
つまり、規制面形成体50が、左側規制面51sの後端と右側規制面52sの後端と下側規制面53sの後端とに跨る後側規制面54sを形成するように構成されていることになる。
【0091】
そして、
図20及び
図22に示すように、上述の如く左側壁部51、右側壁部52及び底壁部53をU字状に備えた形状に構成された規制面形成体50が、左側壁部51の上端縁部と右側壁部52の上端縁部とを補強リブ41の下面に連ねた状態で、前カバーMに備えられている。
このように規制面形成体50が前カバーMに備えられた状態では、左側壁部51の後端縁部、右側壁部52の後端縁部、後壁部54の上端縁部及び補強リブ41の後端縁部により、後面視で、洗浄槽横幅方向に長い長方形状の仮把手部挿通開口55が形成される。
【0092】
図20に示すように、前カバーMが洗浄槽2の前部に装着された状態では、洗浄槽2の前部に取り付けられた仮把手部20cが、前カバーMの後面側から仮把手部挿通開口55に挿通されて、その仮把手部20c前端部が前カバーMの後面部における仮把手部操作用開口36のやや上方に相当する箇所に近接する状態となる。
【0093】
次に、洗浄機SをシステムキッチンKに設置した後、洗浄槽2の前部に扉体3を装着しない状態で、洗浄槽2を出退移動操作するときの操作形態について、説明する。
作業者は、手のひらを上向きにした状態で、手先を前カバーMの前方側から仮把手部操作用開口36に挿通すると、指先を仮把手部20cの下面に接触させて下向き曲がり部29dに引っ掛けることができる。
そして、指先を仮把手部20cの下向き曲がり部29dに引っ掛けた状態で仮把手部20cを手前に引っ張ることにより、洗浄槽2を引出し操作することができる。
また、洗浄槽2を押し込むときは、指先を仮把手部20cの下面に接触させた状態で、仮把手部20cを押すことにより、洗浄槽2を押し込み操作することができる。
【0094】
作業者が手先を仮把手部操作用開口36に挿通するときには、左側規制面51sや右側規制面52sや下側規制面53sにより、指先が仮把手部操作用開口36の開口縁部に引っ掛かるのが規制され、また、後側規制面54sにより、指先が洗浄槽2の前部に装備された機器類に触れるのも規制される。
【0095】
次に、扉体3を前カバーMが装着された状態の洗浄槽2に装着する手順について説明を加える。
図2に示すように、扉体3を前カバーMが装着された状態の洗浄槽2に装着するときは、前カバーMが装着された状態の洗浄槽2の上端箇所に、扉体3の後面と接当するシール部材37が装備される。このシール部材37は、前カバー横幅方向の全長にわたる長さのテープ状に構成されている。
【0096】
先ず、扉体3の後面に装着した係合体Eにおける上方側の左右一対の係合作用部Eu及び下方側の左右一対の係合作用部Esを、前カバーMのスリット状開口34を通して、前カバーMの内部に挿入し、次に、上方側の左右一対の係合作用部Eu及び下方側の左右一対の係合作用部Esを、上方側の左右一対の係合部分Fu及び下方側の左右一対の係合部分Fsに係合させることになる(
図18参照)。
【0097】
具体的には、左方側係合体形成体10Lや右方側係合体形成体10Rにおける上方板状部10uの係合孔17を、上方側の係合部分Fuの前後位置調整用回転体16に係合させる。
同様に、左方側係合体形成体10Lや右方側係合体形成体10Rにおける下方板状部10sの係合孔24を、下方側の係合部分Fuの前後位置調整用回転体23に係合させ、かつ、下方板状部10sの接当部26を下方側の係合部分Fsの上下位置調整用回転体25に接当する状態に載せ付ける。
【0098】
次に、係合体Eにおける上方側の左右一対の係合作用部Eu及び下方側の左右一対の係合作用部Esを、上方側の左右一対の係合部分Fu及び下方側の左右一対の係合部分Fsに係合させた状態において、扉体3の洗浄槽上下幅方向での位置、扉体3の洗浄槽前後幅方向での位置、及び、扉体3の洗浄槽横幅方向での位置を調節することになり、加えて、扉体3の前後方向での傾きや左右方向での傾きを調節することになる。
【0099】
具体的には、左右一対の下方側の係合部分Fsに装備した上下位置調整用回転体25を回転操作することにより、扉体3の洗浄槽上下幅方向での位置を調節する。
また、上方側の左右一対の係合部分Fuに装備した前後位置調整用回転体16及び下方側の左右一対の係合部分Fsに装備した前後位置調整用回転体23の回転操作により、扉体3の洗浄槽前後幅方向での位置を調節することになる。
この際、左右の前後位置調整用回転体16及び左右の前後位置調整用回転体23の回転操作により、扉体3の上方側の左右両側部分及び下方側の左右両側部分についての洗浄槽前後幅方向での位置を調節することにより、扉体3の前後方向での傾きや左右方向での傾きを調節することができる。
【0100】
また、必要に応じて、頭付ボルト14を操作しながら、左方側係合体形成体10Lや右方側係合体形成体10Rの扉体3に対する横幅方向での位置を調節することによって、扉体3の洗浄槽横幅方向での位置を調節することができる。
【0101】
そして、扉体3の洗浄槽2に対する位置調節が終了すると、上方側の左右一対の係合部分Fuに対応する固定用ボルト18及び下方側の左右一対の係合部分Fsに対応する固定用ボルト27を締結し、また、4つの頭付ボルト14を締結する締結作業を行う。
【0102】
ちなみに、扉体3を洗浄槽2の前部に装着する作業を行う際には、装着ネジ33を少し緩めて、前カバーMを前後に揺動できる状態にしておき、上述した締結作業が終了した段階で、前カバーMを扉体3後面に密着させるように揺動させ、その後、装着ネジ33を締め付けて、前カバーMを固定することになる。
【0103】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 洗浄槽2の前部に対する仮把手部20cの設置位置は、上記の実施形態において例示した洗浄槽上下幅方向の上端側の箇所に限定されるものではない。
また、仮把手部20cの形状や洗浄槽2の前部に対する配置姿勢も、上記の実施形態において例示した形状や配置姿勢、即ち、長方形板状の形状とし、長方形板状の長辺を洗浄槽横幅方向に沿わせ且つ短辺を洗浄槽前後幅方向に沿わせた配置姿勢とする場合に限定されるものではない。
例えば、長方形板状の仮把手部20cを、長辺を洗浄槽上下幅方向に沿わせ且つ短辺を洗浄槽前後幅方向に沿わせた配置姿勢で設けても良い。
また、前カバーMに設ける仮把手部操作用開口36の形状や配置姿勢は、仮把手部20cの形状や洗浄槽2の前部に対する配置姿勢に応じて、設定することになる。
【0104】
(ロ) 上記実施形態のように、仮把手部20cを洗浄槽2の前部における洗浄槽上下幅方向の上端側の箇所に設けると共に、仮把手部20cの前端部に下向き曲がり部20dを備える場合、上記の実施形態では、仮把手部操作用開口36を、洗浄槽上下幅方向において、仮把手部20cの下方に位置する状態で、前カバーMに設けたが、仮把手部操作用開口36を、仮把手部20cをその仮把手部操作用開口36内の上方側の部分に臨ませる状態で、前カバーMに設けても良い。
【0105】
(ハ) 仮把手部操作用開口36に規制面形成体50を設けるに当たって、仮把手部操作用開口36の開口縁において規制面を設ける開口縁部分は、仮把手部20cの形状や仮把手部20cに対する仮把手部操作用開口36の配置位置等に応じて、設定することになる。
例えば、仮把手部操作用開口36を、洗浄槽上下幅方向において、仮把手部20cの上方に位置する状態で、又は、仮把手部20cを仮把手部操作用開口36内の下方側の部分に臨ませる状態で、前カバーMに設ける場合は、仮把手部操作用開口36の開口縁において、洗浄槽横幅方向の両側方夫々の開口縁部分、及び、洗浄槽上下幅方向の上方の開口縁部分の夫々から後方に伸びるように規制面を形成すべく、規制面形成体50を構成することになる。
また、仮把手部20cを前方に突出する棒状に構成し、また、仮把手部操作用開口36を、仮把手部20cをその仮把手部操作用開口36内の中央に臨ませる状態で、前カバーMに設ける場合、仮把手部操作用開口36の開口縁の全周にわたって、開口縁から後方に伸びるように規制面を形成すべく、規制面形成体50を構成することになる。