特許 6099532 ミスト発生装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6099532

(24)【登録日】2017年3月3日

(45)【発行日】2017年3月22日

(54)【発明の名称】ミスト発生装置

(51)【国際特許分類】

   F24F 6/00 20060101AFI20170313BHJP

   F24F 6/16 20060101ALI20170313BHJP

   A61H 33/12 20060101ALN20170313BHJP

【ＦＩ】

   F24F6/00 H

   F24F6/16

   !A61H33/12

【請求項の数】4

【全頁数】11

(21)【出願番号】特願2013-192141(P2013-192141)

(22)【出願日】2013年9月17日

(65)【公開番号】特開2015-59672(P2015-59672A)

(43)【公開日】2015年3月30日

【審査請求日】2016年2月24日

(73)【特許権者】

【識別番号】000000538

【氏名又は名称】株式会社コロナ

(72)【発明者】

【氏名】南雲 佐敏

(72)【発明者】

【氏名】桂 雄輝

【審査官】 岡澤 洋

(56)【参考文献】

【文献】 実開昭５４−１７３５５８（ＪＰ，Ｕ）

【文献】 特開昭６２−２９４８８９（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１２−１２７５８９（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開平０４−３４００４０（ＪＰ，Ａ）

【文献】 実開昭５５−１７２７３５（ＪＰ，Ｕ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｆ２４Ｆ ６／００

Ｆ２４Ｆ ６／１６

Ａ６１Ｈ ３３／１２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

器具本体と、該器具本体内に設置され所定量の水を貯水する貯水室と、前記器具本体内のタンク収納室に設置され所定量の水を貯水可能な給水タンクと、該給水タンクに設置され動作することで前記貯水室内へ水を供給する給水バルブと、前記貯水室の底部に接続され前記貯水室内の水を排水タンクへ案内する排水管と、該排水管の途中に設置され弁を開放することで前記貯水室内の水を排水する排水弁と、前記貯水室内の貯水を破砕してナノミストと負イオンを発生させるミスト発生部と、該ミスト発生部で発生したナノミストと負イオンを含んだ加湿空気を室内に送風する送風ファンと、該送風ファンを駆動させ前記器具本体に形成された送風口から前記ミスト発生部で発生したナノミストと負イオンを含んだ加湿空気を送風するミスト運転を実施する制御部とを備えたミスト発生装置において、前記器具本体内に前記給水バルブの開閉を可能とする開閉手段を備え、前記制御部は、前記ミスト運転が終了したら前記開閉手段によって前記給水バルブを閉止して前記給水タンクから前記貯水室への水の供給を遮断すると共に、前記排水弁を開放して前記貯水室の排水が完了したと判断したら、前記送風ファンを駆動させ前記貯水室を乾燥させる乾燥運転を実施することを特徴とするミスト発生装置。

【請求項2】

前記開閉手段は、前記給水バルブを押圧して動作させる可動突起と、通電のＯＮ／ＯＦＦ状態によって前記可動突起の押圧を制御することが可能なアクチュエータとで構成されたことを特徴とする請求項１記載のミスト発生装置。

【請求項3】

前記排水タンク内の水位が検知可能な排水センサを設置し、前記制御部は、前記ミスト運転終了後に前記排水センサで満水検知されたら、前記排水弁は開放せずエラーを報知することを特徴とする請求項１または２記載のミスト発生装置。

【請求項4】

前記ミスト発生部は、前記貯水室内に下端を水没させ、回転により水を汲み上げて飛散させる筒状の回転体と、該回転体を回転駆動させるミストモータと、前記回転体の回転により飛散された水が衝突する衝突体とで構成されていることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載のミスト発生装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

この発明は、ナノミストと負イオンを含んだ加湿空気を発生させるミスト発生装置に関するものである。

【背景技術】

【0002】

従来、この種のものにおいて、器具本体内に設置されたミスト発生部によって貯水室内の水を破砕することでナノミストと負イオンを発生させ、室内にナノミストと負イオンを含む加湿空気を送風するミスト運転を行うものがあり、ミスト運転終了後に給水タンクを抜いて器具本体に設置された排水レバーを操作し、貯水室内の水を排水タンク内に排水することで、貯水室内に水を残さず菌やカビの発生を防止するものがあった。（例えば、特許文献１）

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１２−１２７５８９号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかし、この従来のものでは、ミスト運転終了後に使用者が給水タンクを抜いて排水レバーを操作し、貯水室内の水を排水タンク内に排水する必要があることから作業が煩わしく、また、貯水室内の排水を忘れて長期間放置した後にミスト運転を開始すると、汚れた水でミスト運転を行う可能性があるため、不衛生である問題があった。

【課題を解決するための手段】

【0005】

上記課題を解決するために、本発明の請求項１では、器具本体と、該器具本体内に設置され所定量の水を貯水する貯水室と、前記器具本体内のタンク収納室に設置され所定量の水を貯水可能な給水タンクと、該給水タンクに設置され動作することで前記貯水室内へ水を供給する給水バルブと、前記貯水室の底部に接続され前記貯水室内の水を排水タンクへ案内する排水管と、該排水管の途中に設置され弁を開放することで前記貯水室内の水を排水する排水弁と、前記貯水室内の貯水を破砕してナノミストと負イオンを発生させるミスト発生部と、該ミスト発生部で発生したナノミストと負イオンを含んだ加湿空気を室内に送風する送風ファンと、該送風ファンを駆動させ前記器具本体に形成された送風口から前記ミスト発生部で発生したナノミストと負イオンを含んだ加湿空気を送風するミスト運転を実施する制御部とを備えたミスト発生装置において、前記器具本体内に前記給水バルブの開閉を可能とする開閉手段を備え、前記制御部は、前記ミスト運転が終了したら前記開閉手段によって前記給水バルブを閉止して前記給水タンクから前記貯水室への水の供給を遮断すると共に、前記排水弁を開放して前記貯水室の排水が完了したと判断したら、前記送風ファンを駆動させ前記貯水室を乾燥させる乾燥運転を実施するものである。

【0006】

また、請求項２では、前記開閉手段は、前記給水バルブを押圧して動作させる可動突起と、通電のＯＮ／ＯＦＦ状態によって前記可動突起の押圧を制御することが可能なアクチュエータとで構成されたものである。

【0007】

また、請求項３では、前記排水タンク内の水位が検知可能な排水センサを設置し、前記制御部は、前記ミスト運転終了後に前記排水センサで満水検知されたら、前記排水弁は開放せずエラーを報知するものである。

【0008】

また、請求項４では、前記ミスト発生部は、前記貯水室内に下端を水没させ、回転により水を汲み上げて飛散させる筒状の回転体と、該回転体を回転駆動させるミストモータと、前記回転体の回転により飛散された水が衝突する衝突体とで構成されているものである。

【発明の効果】

【0009】

この発明の請求項１によれば、器具本体内に給水バルブの開閉を可能とする開閉手段を備え、ミスト運転が終了したら開閉手段によって給水バルブを閉止して給水タンクから貯水室への水の供給を遮断すると共に、排水弁を開放して貯水室の排水が完了したと判断したら、送風ファンを駆動させ貯水室を乾燥させる乾燥運転を実施するので、ミスト運転が終了したら自動で給水タンクから貯水室内への水の供給を停止させ、タンク収納室から給水タンクを抜くことなく貯水室内の水のみを排水できるため使い勝手が向上し、更に貯水室内の水を確実に排水して貯水室内を乾燥させることが可能となることから、毎回のミスト運転時において確実にきれいな水を用いてミスト運転を衛生的に行うことができる。

【0010】

また、請求項２によれば、開閉手段は、給水バルブを押圧して動作させる可動突起と、通電のＯＮ／ＯＦＦ状態によって可動突起の押圧を制御することが可能なアクチュエータとで構成されたので、アクチュエータへの通電を変化させることで、給水タンクから貯水室への水の供給有無の制御を自動化することができるため、使い勝手が向上する。

【0011】

また、請求項３によれば、排水タンク内の水位が検知可能な排水センサを設置し、ミスト運転終了後に排水センサで満水検知されたら、排水弁は開放せずエラーを報知するので、ミスト運転終了後に満水状態の排水タンク内へ水が流入する事を防止するため、排水タンクから水が漏れだして器具本体の設置箇所周辺が濡れることを防止できる。

【0012】

また、請求項４によれば、ミスト発生部は、貯水室に下端を水没させ、回転により水を汲み上げて飛散させる筒状の回転体と、該回転体を回転駆動させるミストモータと、回転体の回転により飛散された水が衝突する衝突体とで構成されているので、貯水室内の水を回転体で汲み上げて衝突体に衝突させる簡易な構成によってナノミストと負イオンを多量に発生させることができるため、組付けが容易であり低コストでミスト発生部を構成できる。

【図面の簡単な説明】

【0013】

【図1】この発明の一実施形態の器具本体の外観を説明する斜視図

【図2】同実施形態の概略構成図

【図3】同実施形態の制御ブロック図

【図4】同実施形態の給水バルブ周辺の構造を説明する要部拡大図

【図5】同実施形態の給水バルブの動作を説明する図

【図6】同実施形態のミスト運転時の制御を説明するフローチャート

【発明を実施するための形態】

【0014】

次に、この発明の一実施形態におけるミスト発生装置を図に基づいて説明する。
１は器具本体であり、該器具本体１の下面を構成する下面ケース２と、上面を構成する上面ケース３とで構成されている。

【0015】

４は器具本体１内で発生した加湿空気を室内に放出する送風口、５は器具本体１の正面に引き出し用の取っ手が形成され、器具本体１内で発生した排水を所定量だけ貯留する排水タンク、６は器具本体１の上面に形成され開閉自在の給水タンク扉、７は各種操作用のスイッチが設置された操作部である。

【0016】

８は器具本体１内に固定された外トレー、９は外トレー８上への装着及び取り外しが可能な内トレーであり、内トレー９内には所定量の水を貯めることができ、外トレー８と内トレー９とで貯水室が構成されている。

【0017】

また、外トレー８上には内トレー９に複数形成された内トレー凹部１０と組み合わせ可能な外トレー凸部１１が複数形成されており、内トレー９を外トレー８から取り外して清掃した後に再度外トレー８上に装着する時、外トレー８上の外トレー凸部１１に対して内ケース９の内トレー凹部１０が組合わさるように装着することで、簡易に内ケース９を外ケース８上の所定位置に装着することが可能となる。

【0018】

１２は所定量の水を内部に貯水可能なカートリッジ式の給水タンク、１３は給水タンク１２の先端に装着された給水蓋、１４は該給水蓋１３の略中央部にある開口１５に設置された給水バルブであり、該給水バルブ１４は、開口１５の周囲に形成された弁座１６と密着することで開口１５からの水の流出を防止する弁部１７と、給水バルブ１４を閉じる方向に弁部１７を付勢する給水バネ１８とを備えている。

【0019】

１９は給水タンク扉６の下部に形成され、給水タンク１２を所定位置に設置可能なタンク収納室であり、該タンク収納室１９に給水タンク１２を設置することで、給水タンク１２内の水を内ケース９内に供給することができる。

【0020】

２０は通電ＯＮ／ＯＦＦ状態によって内部に備えられた可動鉄心２１を上下に動作させることが可能なアクチュエータとしてのソレノイド、２２は前記可動鉄心２１によって上下に動作可能であり、側面にリング状の係止凸部２３を備えた可動突起、２４は前記可動鉄心２１と前記可動突起２２とを内部に備えた突起収納室、２５は該突起収納室２４と内トレー９との接続部にパッキン２６を介して設置され、突起収納室２４内への水の流入を防止するゴム製の突起シール材、２７は前記突起収納室２４内に設置され、内トレー９と外トレー８との接続部から水が流入するのを防止するゴム製のトレーシール材、２８は外ケース８上に形成され、内ケース９を外ケース８上から取り外す時や装着する時、内ケース９から漏れて外ケース８上に落下した水を排水タンク５へ案内する漏水案内口であり、前記ソレノイド２０と前記可動突起２２とで前記給水バルブ１４の開閉を可能とする開閉手段が構成されている。

【0021】

２９は前記内トレー９の貯水に下端を水没させ、駆動軸３０に軸支された筒状の回転体であり、回転体２９は略中央部で駆動軸３０の端部と図示しないナットで固定されており、ナットを外して回転体２９を取り外した後に、前記内トレー９を前記外トレー８から取り外すことができる。

【0022】

前記回転体２９は、中空逆円錐形で上方に向かって径が徐々に拡大するものであり、駆動軸３０に接続され回転体２９を回転駆動させるミストモータ３１を駆動させ、回転体２９が回転することでの回転の遠心力で内トレー９内の貯水を汲み上げ、回転体２９の外壁および内壁を伝わせて水を押し上げて、回転体２９の外壁を伝わせて押し上げた水を周囲に飛散させると共に、回転体２９の内壁を伝わせて押し上げた水を回転体２９の上端に形成された複数の図示しない飛散口から周囲に飛散させる。

【0023】

３２は回転体２９の上部外周に所定間隔を離間させて位置し、回転体２９と共に回転する円筒状の多孔体で、該多孔体３２には、その全周壁に多数のスリットや金網やパンチングメタル等から成る衝突体としての多孔部３３が設置されており、前記回転体２９、前記ミストモータ３１及び前記多孔部３３でミスト発生部が構成されている。

【0024】

前記ミスト発生部を構成するミストモータ３１を駆動させ、回転体２９を回転させることで発生する遠心力で内トレー９内の水を汲み上げると共に空気を飛散させ、多孔部３３を通過した水滴が破砕されることで、水の粒子を微細化してナノメートル（ｎｍ）サイズのミストが生成すると共に、水の粒子の微細化によるレナード効果で負イオンを多量に発生させるものである。

【0025】

３４は所定の回転数で駆動する送風ファンであり、器具本体１の背面にある図示しない吸い込み口から吸い込んだ室内空気を吹き出して、内トレー９を通過させて送風口４から送風することで、内トレー９内で発生させたナノミストと負イオンを含んだ加湿空気を室内に供給する。

【0026】

３５は内トレー９の底部に設置され、内トレー９内の貯水を間接的に加熱する加熱ヒータであり、内トレー９の底面に貯水バネ３６によって押し当てられ、内トレー９内の水の温度を検知する貯水温度センサ３７での検知値が所定値となるよう、ＯＮ／ＯＦＦ状態を適宜切り替えて貯水温度を調節する。

【0027】

３８は内トレー９内に設置され、フロートが上下することで水位を検知する貯水センサであり、内トレー９内の水位が低下して所定水位以下になったらＯＮ信号を出力し、水位が上昇して所定水位以上になったらＯＦＦ信号を出力することで、内トレー９内の水位を確認する。

【0028】

３９は内トレー９の底部に形成された排水口であり、略円筒状の筒部４０と、該筒部４０の外周に形成された略鍔状のリング部４１とで構成されており、前記筒部４０内部に設置された排水バルブ４２が上下方向に動作することで内トレー９内の水の排水を制御することができ、内トレー９を外トレー８から外した時に、排水バルブ４２が下方向に動作してリング部４１に当接して排水口３９を塞ぐことで、内トレー９から水が漏れるのを防止することができる。

【0029】

４３は外トレー８の下部と接続し、内トレー９が外トレー８上に装着された時に排水バルブ４２を上方向に持ち上げる排水突起４４を略中央に備えた排水口ガイドであり、内トレー９が外トレー８上に装着されることで、排水バルブ４２が排水突起４４に当接して上方向に持ち上げられ、内トレー９内の水が排水口ガイド４３内に流入する。

【0030】

４５は排水口ガイド４３と接続され、配管途中に電気的に駆動される排水弁４６が設置された排水管であり、内トレー９を外トレー８上に装着すると排水突起４４によって排水バルブ４２が上方向に持ち上げられ、内トレー９内の水が排水口ガイド４３から排水管４５内に流入して、前記排水弁４６を開放すると、排水管４５の端部から内トレー９内の水を排水タンク５内に回収することができる。

【0031】

４７は排水タンク５の側面に対向する位置で器具本体１に形成された壁部に設置された近接センサ方式の排水センサであり、排水タンク５内の水位に応じて上下方向に動作するフロートに設置された排水マグネット４８によってＯＮ／ＯＦＦ状態を切り替えることで、排水タンク５内が満水かを判断可能であり、排水タンク５内に所定量以上の排水が流入して排水マグネット４８を設置したフロートが浮き上がり、排水マグネット４８が排水センサ４７から離れたらＯＮ信号を出力することで満水を検知し、排水弁４６を閉止して排水管４５からの水の流入を防止することで、排水タンク５から水が溢れることを防止することができるため、器具本体１の設置面を濡らすことがない。

【0032】

４９は外トレー８の下部にあり、排水管４５に沿って平行に設置された排水案内板であり、排水口３９と排水口ガイド４３との間から溢れ出した水を回収して、排水タンク５まで案内可能な構成にしたことで、器具本体１の設置面を濡らすことがない。

【0033】

５０は各センサで検知された検知値や操作部７上に備えられた各スイッチでの設定内容に基づき、運転内容や給水バルブ１４及び排水弁４６の弁の開閉を制御するマイコンで構成された制御部であり、ミストモータ３１を所定の回転数で駆動させるミストモータ制御手段５１と、送風ファン３４を所定の回転数で駆動させる送風ファン制御手段５２と、内トレー９内の水の排水時に排水弁４６を開放していから経過した時間等をカウントする計時手段５３とが備えられている。

【0034】

次に、通電ＯＮ／ＯＦＦ状態でのソレノイド２０による各部の動作について詳述する。
まず、ソレノイド２０への通電がＯＦＦ状態の時は、図５の（ａ）で示すように可動鉄心２１は動作せず、可動突起２２も所定位置で停止している。よって、給水タンク１２の給水蓋１３内に備えられた給水バルブ１４は自重と給水バネ１８の弾性によって付勢されて低下し、弁座１６に給水バルブ１４の弁部１７が密着して閉止するため、給水タンク１２内の水が開口１５から流出することなく、内トレー９への水の供給を防止することができる。

【0035】

また、ソレノイド２０への通電がＯＮ状態の時は、図５の（ｂ）で示すように可動鉄心２１が上方向に動作し、可動鉄心２１の動作によって可動突起２２が上方向に動作することで、給水バルブ１４の底面に可動突起２２の上面が当接して上方向に押圧する。そして、給水バルブ１４が所定の高さまで持ち上げられたら、係止凸部２３の上面とパッキン２６の下面とが接触して可動突起２２が停止することで、弁座１６と弁部１７との間から給水タンク１２内の水が流出して、開口１５から内トレー９内に給水タンク１２内の水を供給することが可能となる。

【0036】

次に、本実施形態でのミスト運転での制御に関して図６のフローチャートに基づいて説明する。
まず、操作部７上にある図示しない運転スイッチをＯＮ状態にして運転を開始すると、制御部５０は、排水弁４６が閉止されているか確認し（ステップＳ１０１）、排水弁４６が閉止されていれば次のステップへ進み、排水弁４６が閉止されていなければ排水弁４６を閉止して（ステップＳ１０２）、内トレー９内の水が排水タンク５内に流入しないようにする。

【0037】

排水弁４６を閉止したら、制御部５０は、ソレノイド２０への通電をＯＮ状態に切り替えて可動鉄心２１を上方向に動作させ（ステップＳ１０３）、可動鉄心２１によって動作する可動突起２２によって給水バルブ１４を上方向に押圧し、給水タンク１２内の水を開口１５から内トレー９内に流入させる。

【0038】

ステップＳ１０３でソレノイド２０への通電をＯＮ状態に切り替えたら、制御部５０は、貯水センサ３８がＯＦＦ状態に切り替わったか判断して（ステップＳ１０４）、貯水センサ３８がＯＦＦ状態に切り替わっていれば、内トレー９内に所定量以上の水が流入してミスト運転が開始可能となったと判断して、ミストモータ制御手段５１及び送風ファン制御手段５２でミストモータ３１と送風ファン３４とを所定の回転数で駆動させてミスト運転を開始する（ステップＳ１０５）。

【0039】

ステップＳ１０５でミスト運転を開始したら、制御部５０は、操作部７上にある図示しない運転スイッチが再度操作されたことや、給水タンク１２内の水が無くなり貯水センサ３８がＯＮ状態になった等によって、ミスト運転の停止条件が満たされたか判断して（ステップＳ１０６）、ミスト運転の停止条件が満たされていれば、ソレノイド２０への通電をＯＦＦ状態に切り替えることで可動鉄心２１を元の位置まで低下させ、可動鉄心２１が低下することで可動突起２２も同様に低下し、給水バルブ１４が自重と給水バネ１８の弾性で付勢して低下することで閉止され、給水タンク１２の開口１５から水が流出する事を防止する（ステップＳ１０７）。

【0040】

ステップＳ１０７でソレノイド２０への通電をＯＦＦ状態に切り替えたら、制御部５０は、排水センサ４７のＯＮ／ＯＦＦ状態を確認し、排水センサ４７がＯＦＦ状態か判断して（ステップＳ１０８）、排水センサ４７がＯＦＦ状態であれば次のステップへ進み、排水センサ４７がＯＮ状態であれば、排水タンク５内が満水だとしてエラーを報知する（ステップＳ１０９）

【0041】

ステップＳ１０８で排水センサ４７がＯＦＦ状態であれば、制御部５０は、排水弁４６を開放して内トレー９内の水を排水する排水動作を開始し（ステップＳ１１０）、計時手段５３でカウントして排水弁４６を開放してから経過した時間が所定時間以上経過したか、もしくは貯水センサ３８がＯＮ状態に切り替わったら、内トレー９内の排水が完了したと判断して、送風ファン３４を所定の回転数で駆動させて内トレー９やその周辺を乾燥させる乾燥運転を開始し（ステップＳ１１１）、計時手段５３でカウントした送風ファン３４を駆動してから経過した時間が所定時間以上経過したと判断したら、送風ファン３４を停止させて運転を終了する。

【0042】

なお、ステップＳ１０９で排水タンク５内が満水だとしてエラーを報知したら、制御部５０は、操作部７上にある図示しない運転スイッチが操作されたか判断し、運転スイッチが操作されたらエラー報知を停止させる。その後、再度運転スイッチが操作されたら排水センサ４７がＯＦＦ状態か判断して、排水センサ４７がＯＦＦ状態であれば、排水タンク５は満水ではないとして排水弁４６を開放してステップＳ１１０の排水動作を行い、以降のステップへ順次進む。

【0043】

以上のように、ミスト運転開始時にソレノイド２０への通電をＯＮ状態に切り替えて給水バルブ１４を上方向へ押圧して、給水タンク１２内の水を内トレー９内に供給し、ミスト運転が終了したらソレノイド２０への通電をＯＦＦ状態に切り替えて給水バルブ１４を元の位置に戻して、給水タンク１２からの水の供給を防止すると共に、排水弁４６を開放して内トレー９内の水を排水するので、ミスト運転が終了したら給水タンク１２から内トレー９内に流入する水を確実に止めて、内トレー９内の水を排水タンク５内に排水することができるため、排水動作の時に給水タンク１２をタンク収納室１９から取り出す必要がなく使い勝手が向上し、毎回のミスト運転時において確実にきれいな水を用いてミスト運転を行うことができるので、衛生的である。

【0044】

また、ミスト運転終了後に排水センサ４７がＯＮ状態であれば、排水タンク５内が満水だとして排水弁４６は開放せずエラーを報知するため、満水状態の排水タンク５に内トレー９内の水が流入せず、排水タンク５から水が溢れ出す事態を防止でき、器具本体１の設置面付近が濡れることがない。

【0045】

なお、給水バルブ１４の開閉手段として通電することで可動鉄心２１を動作させるソレノイド２０と可動突起２２とを用いた構成で説明したが、これに限らず例えば、通電することで駆動するモータによって可動突起２２を押圧することが可能な機構を設置し、ミスト運転開始時に前記モータへの通電をＯＮ状態にして可動突起２２を押圧し、給水バルブ１４を押圧することで給水タンク１２内の水を内トレー９内に供給し、ミスト運転が終了したら、前記モータへの通電をＯＦＦ状態にして可動突起２２を元の位置に戻し、給水バルブ１４が低下して給水タンク１２からの水の流出を防止するようなものであってもよく、その他、通電ＯＮ／ＯＦＦによって給水バルブ１４の動作を変化させる事が可能なアクチュエータであればよい。

【0046】

また、器具本体１の操作部７上に使用者が操作することで排水弁４６を開放して内トレー９内の水を排水タンク５内に流入させることが可能な排水スイッチを設け、ミスト運転終了後に排水スイッチが操作されたら、ソレノイド２０への通電をＯＦＦ状態に切り替えてから排水弁４６を開放する制御であってもよく、排水スイッチが操作された時、給水バルブ１４を元の位置に戻してから排水弁４６を開放して内ケース９内の水を排水するため、給水タンク１２内の水が排水タンク５に流入する虞がなく、排水タンク５から水が溢れ出して器具本体１の設置面が濡れる事態を確実に防止することができる。

【0047】

また、本実施形態の説明で用いたソレノイド２０の構造や、ソレノイド２０への通電をＯＮ／ＯＦＦ状態にするタイミング等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において各構造や数値は変更可能である。

【符号の説明】

【0048】

１ 器具本体
５ 排水タンク
８ 外トレー
９ 内トレー
１２ 給水タンク
１４ 給水バルブ
１９ タンク収納室
２０ ソレノイド
２２ 可動突起
２９ 回転体
３１ ミストモータ
３３ 多孔部
３４ 送風ファン
４５ 排水管
４６ 排水弁
４７ 排水センサ
５０ 制御部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】