(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1チャンバが、前記第1衣服部分の前部部分に近接するように寸法付けされ、前記前部部分は、患者が前記上半身部分を身に着けているときに、患者の胸部の前部部分に近接する部分に対応する、請求項1に記載の装置。
前記上半身部分が前記下半身部分に接続された状態で、患者が前記上半身部分および前記下半身部分を身に着けるときに、前記第2チャンバが、患者の下半身の前部部分に近接するように寸法付される、請求項1または2に記載の装置。
前記下半身部分が長さを有し、前記下半身部分の底部は、患者が前記上半身部分に連結される前記下半身部分と共に前記下半身部分を身に着けるときに、前記下半身部分の底部が患者の足に近接する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
前記第2シートおよび前記第3シートの間に複数の接続部をさらに含み、前記複数の接続部は、前記第3シートの前記周辺端部により画定される境界の内側に分配され、これにより、前記第2チャンバが空気で膨張したときに、前記第2シートが、前記第3シートから限られた距離に膨張するように拘束される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
前記下半身部分が、患者が前記上半身部分に連結された前記下半身部分を具備する前記下半身部分を身に着けているときに、前記下半身部分の底部が、患者の足に近接する長さを有する、請求項9または10に記載の装置。
前記第1チャンバが、前記上半身部分の前部部分に近接するように寸法付され、患者が前記上半身部分を身に着けているときに、前記前部部分が、患者の胸部の前部部分に近接する部分に対応する、請求項9〜11のいずれか一項に記載の装置。
各袖の内側部分および遠位部分の間に継ぎ目をさらに含み、前記一組の袖の各袖の前記遠位部分が、前記一組の袖の前記各袖の前記内側部分から取り外し可能である、請求項9〜13のいずれか一項に記載の装置。
前記上半身部分が前記下半身部分に接続され、患者が前記上半身部分および前記下半身部分を身に着けているときに、前記第2チャンバが、患者の下半身の前部部分に近接するように寸法付される、請求項9〜14のいずれか一項に記載の装置。
前記第3シートおよび前記第4シートの間に複数の接続部をさらに含み、前記複数の接続部は、前記第4シートの前記周縁部の端部により画定される境界の内側に分配され、これにより、前記第2チャンバが空気で膨張したときに、前記第3シートが、前記第4シートから限られた距離に膨張するように拘束される、請求項9〜15のいずれか一項に記載の装置。
前記装置が、前記下半身部分から反対側の前記胸部部分に伸長するドレープ部分を含み、前記ドレープ部分が、患者が前記ガウンを身に着けているときに、患者の下端部を越えて伸長するように寸法付される、請求項1〜20のいずれか一項に記載の装置。
前記ドレープ部分が、前記ガウンの外側面上の対応する第2ファスナーと結合するように構成される第1ファスナーを含み、前記第1ファスナーが前記ドレープ部分の遠位端部に近接することで、前記第1ファスナーが前記対応する第2ファスナーと結合するときに、前記ドレープ部分が前記下半身部分に近接して支持される、請求項21に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
患者に加温するためのガウン100、1500が開示される。ガウン100、1500は、手術または他の医科的手順の前、間、後の、受動的な加温および能動的な加温を提供する。一つの構成において、ガウン100は、再分配による低体温を防止し、もう一つの構成において、ガウン1500は、術中の利用に適している。ガウン100、1500は、人間102に
身に
着けられることを意図している。位置の特定を簡単にするために、位置の様々な解剖学用語が使用される。例えば、上下軸は、ガウン100、1500の首部領域から足部領域への軸と一致する。横断面は、上下軸に垂直である。
【0024】
図1は、直立した患者102に身に着けられたガウン100の一態様の側面図を示す。
図2は、ガウン100の背面図を示す。
図1および
図2は、可動である患者102に適した、第1、または、受動的な構造のガウン100を示す。受動的な構造は、患者102が立ち、歩き、座り、もしくは、動き、自分自身を位置づけることができる。
【0025】
ガウン100は、本体部104、ドレープ106および一組の袖108を含む。本体部104は、胸部部分110および脚部部分112を有する。胸部部分110は、患者102の胸部の周りにゆるく適合するように、寸法付され、形状が決められる。胸部部分110は、患者の体を包囲することで、患者102の胴部を取り囲む。胸部部分110は、それを通して患者102の首部が伸びる、開口部114を有する。立っているかまたは座っている場合のような、直立状態の患者102において、ガウン100は、ガウン100の胸部部分110に支持され、患者102の肩の上に乗る。
【0026】
脚部部分112は、患者102の足部に向かって末端に伸長する。示される態様において、脚部部分112は、患者102の足首の所まで伸長する。患者102の足部は、脚部部分102における開口部を通して伸長する。開口部は、脚部部分102の縁部である裾116により画定される。脚部部分112は、患者が歩いているか、または、身動きする場合に、患者102の動きを妨げることなく、患者102の両下肢の一部分を取り囲む。
【0027】
ドレープ106の近位端部は、ガウン100の脚部部分112の裾116の一部分に取り付けられる。ドレープ106は、ドレープ106の遠位端部がガウン100に固定された、格納位置で示される。他の態様において、ドレープ106は、格納位置において、折り畳まれ、巻かれ、または、纏められる。このように、つまずく危険を患者102にもたらすことも、また、ドレープ106が患者102の可動性を妨げることもないように、ドレープ106は、脚部部分112の裾116より下には伸長しない。
【0028】
一組のスリーブ108は、ガウン100の本体部104から伸長する。1つの態様において、袖108は、患者102の肩から手首まで、患者102の腕を取り囲むのみ十分な長さを有する。他の態様において、袖108はまた、患者102の手部を取り囲むのに十分な、より長い長さを有する。このような態様において、患者102の指部を含む、手部は、袖108の内側に被包され、ガウン100の加温効果に晒される。
【0029】
ガウン100は、患者の体の前後の大部分を取り囲む。ガウン100は、首部開口部114から脚部部分112の裾116にかけて伸長する、後部開口部202を有する。後部開口部202は、一組のフラップ204から形成される。一組のフラップ204は、ガウン100の後部部分であって、首部開口部114から脚部部分112の裾116まで伸長する。後部開口部202は、1つ以上の位置で、一組のフラップ204の縁部を連結することで、部分的に閉じられる。1つの態様において、フラップ204は、各フラップ204上で、ストラップ208により連結または接続される。第1の組のストラップ208は、ガウン100の首部開口部114を閉じて、第2の組のストラップ208は、ガウン100の内側にある第2の位置を閉じる。他の態様において、フラップ204は、フラップ204を合わせて解除可能に固定する、糸、ボタン、スナップ、フック/ループファスナーおよび/またはコネクタによって、連結または接続される。
【0030】
ガウン100の内側であって、脚部部分112の前部表面の内側に取り付けられるのは、分配器206−Aである。分配器206−Aは一般的に、患者102が足を肩幅に開いて直立している場合に、患者102の脚部が脚部部分112に接触する間に位置する。分配器206−Aは、患者102の股部に向かって伸長する遠位端部を有する。示された構造において、分配器206−Aは収縮され、脚部部分112に実質的に隣接して置かれている。このように、患者201は、分配器206−Aに妨害されることがない。もう一つの態様において、分配器206−Aは、ガウン100の下方または脚部部分112に取り付けられる空気透過性素材のシートである。空気透過性のシートおよびガウン100は、処理された空気を受け取り、その空気を患者102の脚部および下半身に分配する、チャンバを画定する。
【0031】
1つの態様において、ガウン100は、ポリプロピレン等の空気透過性の不織布素材で作られる。1つのそのような態様において、素材は、生分解性である。ドレープ106、袖108、脚部部分112および本体部104の後部部分は、熱反射性の素材を含む。この熱反射性素材は、温風がガウン100のこれらの部分の中へ強制的に入れられる場合に、受動的な加温を提供する。胸部部分110の前部は、熱反射性素材を含まない。熱反射性素材は、患者102の近接する熱が実質的に反射されるか、または、患者102から放射して失われるような、低放射率を有し、熱放射損失による患者102の冷却を防止しやすい。
【0032】
図3は、ドレープ106をガウン100の脚部部分112に締結するための1つの態様の側面図を示す。示された態様において、ドレープ106は、ガウン100の垂直位置における格納位置に纏められる。格納位置において、ドレープ106の近位端部は、ガウン100の脚部部分112の裾116の一部分に取り付けられ、ドレープ106の遠位端部は、ファスナー302を介して、ガウン100の脚部部分112に固定される。
【0033】
示される態様において、ファスナー302は、面ファスナーである。他の態様において、ドレープ106は、ドレープ106を脚部部分112に解除可能に固定する、ストラップ、糸、ボタン、スナップおよび/またはコネクタによって、固定される。ドレープ106が、ガウン100の脚部部分112に固定されるが、ドレープ106が脚部部分112の裾116より下に伸長し、つまずく危険を患者102に齎すようなことはなく、増加された可動性が患者102に利用可能になる。
【0034】
図4は、担架に乗せられた人のような、仰臥位の患者102が身に着けている、ガウン100の側面図を示す。
図5は、ガウン100の上面図を示す。
図4および5は、仰臥位、腹臥位、または、ファウラー位、すなわち、脚部を伸長した姿勢の患者102に適した、第2、または、能動的な構造のガウン100を示す。能動的な構造において、患者の可動性は、主として自身の限られた位置、および、患者102が担架等の上で運ばれる状況に制限される。
【0035】
ガウンは、本体部104、ドレープ106および一組の袖108を含む。本体部は、胸部部分110および脚部部分112を有する。仰臥位において、胸部部分110は、患者の体の一番高い部分で支持される。仰臥位において、胸部部分110は、患者102の胸および首部から吊るされる。胸部部分110は、胴部を取り巻くため、仰臥位の患者102は、ガウン100の後部部分の内側の上に水平に位置する。
【0036】
一組の袖108は、ガウン100の本体部104から伸長する。1つの態様において、袖108は、肩から手首にかけて、患者102の腕部を取り囲むのに十分な長さを有する。仰臥位において、袖108は、肩よりはむしろ腕によって支持される。もう一つの態様において、袖は、患者102の手部を、腕部に加えて取り囲むことができるような、より長い長さを有する。このような仰臥位の態様においては、袖108は、腕部および手部により支持される。
【0037】
脚部部分112は、患者102の足に向かって遠位方向に伸長する。示された態様において、脚部部分112は、患者102の足首に向けて伸長する。仰臥位において、ガウン100の脚部部分112は、脚部および下腹部により支持される。
【0038】
脚部部分112から伸長するドレープ106が、伸長位にある状態で示されている。ドレープ106の近位端部は、ガウン100の脚部部分112の裾116の一部分に取り付けられる。伸長位において、ドレープ106の遠位端部は、ガウン100の脚部部分112から取り外されている。ドレープ106は、脚部部分112の裾116から患者の足部を越えて、遠位方向に伸長している。ドレープ106は、患者の足部を覆い、足部により支持される。ドレープ106の遠位端部は、患者102を支持するベッドまたは他の台に載せられる。
【0039】
脚部部分112の前部部分上には、スリット402、またはガウン100における開口部がある。スリット402は一般的に、患者が足を肩幅に開いた状態で、患者102の脚部がガウン100の脚部部分112に接触する場所の間にあるように位置する。スリット402は、ガウン100の外側から分配器206−Aへのアクセスを提供する。
【0040】
ホース404は、ガウン100のスリット402を通して、分配器206−Aの近位端部に接続される。ホース404は、温風などのガスを、分配器206−Aを通してガウン100の内側に提供する。
【0041】
図6は、ガウン100用の分配器206−Aの一態様の斜視図を示す。
図7は、分配器206−Aの側面図を示す。
図8は、分配器206−Aの前部、または正面を示す。分配器206−Aは、概して楔形の細長い機器である。分配器206−Aは、近位端部、外側面602、および、前部/後部表面604を取り囲む、基部606を含む。1つの態様において、分配器は、基部606、2つの外側面、および、実質的に平行な対応する前部/後部表面604を含む。当然の事ながら、前部および後部表面604は、置き換え可能である。参照を簡単にするために、前部表面は以下のように説明される。後部表面は、その患者102に対する位置を除いては実質的に同じである。
【0042】
分配器206−Aの基部606は、ホース404のノズルを受け入れるためのポート608を含む。ポート608は、ノズルを受け入れるための開口部を具備するカラーを含む。ポート608は、気密シールを提供するために、ガウンのスリット402に締結される。1つの態様において、ポート608は、熱溶接を介してガウン100に締結される。もう1つの態様において、ポート608は、接着を介してガウン100に締結される。
【0043】
基部606は、各外側面602および各前部/後部表面604に対応する縁部を有する。各縁部は、外側面602または前部/後部表面604にそれぞれ、交互に連結される。示された態様において、2つの縁部が外側面602に連結され、2つの他の交互の縁部が前部/後部表面604に連結される。
【0044】
1つの態様において、各外側面602は、分配器206−Aの基部から遠位縦方向に伸長する長方形の織物部材である。外側面602は互いに対向し、分配器206−Aの基部606から遠位方向に離れる方向に伸長する。外側面602の遠位端部は、分配器206−Aの遠位端部において互いに連結される。もう一つの態様において、外側面602は、分配器206−Aの遠位端部で包むように折り返された単一シートで、単一シートの両端部は基部610に接続される。
【0045】
各前部/後部表面604は、基部606に近い第1区域812、および、分配器206−Aの遠位端部に近い第2区域814を有する、織物部材を含む。第1区域812は、患者の下肢間の範囲の形状に適合する、実質的に長方形形状である。第2区域814は、患者の大腿部間の範囲の形状に適合する、実質的に三角形形状である。各前部/後部表面604は、分配器206−Aの基部606から遠位縦方向に伸長する。前部/後部表面604は互いに対向し、2つの外側面602の間に組み入れられる。各前部表面604は、どちらの縁部610も隣接する外側面602と接続する。各前部表面604は、外側面602を前部表面604それぞれの遠位端部に連結する。各外側面602および各前部表面604は、分配器206−Aが膨張した場合に、それぞれに対向する表面から離れる僅かな曲率を有する。
【0046】
分配器206−Aの1つの態様において、各外側面602は、複数の穿孔612を含む。穿孔は、織物において三角、またはV形状のスリットを含む。これにより、空気等のガスをフラップを通して流すことができる、V形状のフラップとなる。もう1つの態様において、穿孔612は、表面602における開口部または孔である。さらにもう1つの態様において、各外側面602は、不織布繊維またはメルトブローンポリプロピレンなどの、空気透過性素材である。分配器206−Aのもう1つの態様において、各外側面602および各前部/後部表面604は、空気透過性素材である。
【0047】
分配器206−Aの1つの態様において、各外側面602および前部/後部表面604は、お互いに接続される素材の別々の一片である。各側面は、実質的に気密性のシールで、隣接する側面に接続される。例えば、側面は一緒に、熱溶接、接着、縫合、および/またはホッチキス止めされる。
【0048】
もう1つの態様において、分配器206−Aは、単一の織物から形成される。単一の織物は、各外側面602が単一の織物の一部分により画定されるように構成される。同様に、各前部/後部表面604は、単一の織物の一部分により画定される。外側面602および前部/後部表面604のそれぞれは、同一の単一の織物内に含まれる。織物の遠位端部は、
図6〜8に示されるような形状に適合するように、形成またはカットされる。
【0049】
分配器206−Aは、外側面602が患者の脚部に隣接して、脚の間に位置するように、ガウン100内で方向付けられる。前部/後部表面604は、患者102の前方および後方それぞれに向けて方向付けられる。分配器206−Aが膨張する場合、外側面602は患者の脚部に向けて伸長し、前部/後部表面604は、患者の前部および後部に対して伸長する。分配器206−Aは、分配器206−Aが実質的に柔軟で患者の脚部が過度に不自由にならないように、各表面が僅かに湾曲するように膨張する。
【0050】
外側面602は、2つの外側面602が、分配器206−Aの長さの部分のためにおおよそ平行になるように構成され、基部606から遠位方向に伸長する。これは、基部606から患者の膝部近くの領域に伸長する、前部/後部表面604の第1区域812に起因する。長さの残りの部分では、外側面602は、分配器206−Aの遠位端部に向かって互いに狭くなる。これは、患者の膝部から患者の股部近くの領域に伸長する、前部/後部表面604の第2区域814に起因する。外側面602の全長は、分配器206−Aが、患者が不快になることなく患者の股部に遠位方向に伸長するようになっている。分配器206−Aは、外側面602がお互いに向かって狭くなることに起因して、遠位端部で狭くなる。これで、患者102の脚部が、股部に向かって共に近くすることができるようになる。
【0051】
例えば、外側面602は、前部/後部表面604の第1区域812に対応する部分で、患者の脚の下部に近接する。外側面602は、患者の大腿部に近接する狭くなる部分を有し、この部分は、患者の膝部から股部に向けて伸長する領域における狭くなる間隙に収容される、前部/後部表面604の第2区域814に対応する。
【0052】
分配器206−Aの基部606は、ガウン100の脚部部分112の前部表面の内側に取り付けられる。基部606は、スリット402に近接する範囲において、脚部部分112に取り付けられる。1つの態様において、基部606のポート608は、実質的に気密なシールを形成するために、脚部部分112に固定される。例えば、ポート608は、脚部部分112に対して、熱溶着、接着および/またはホッチキスを介して固定される。ポート608がガウン100の脚部部分112に固定されることで、分配器206−Aが、エアホース404を介してアクセス可能になる。
【0053】
受動的な構成において、分配器206−Aは収縮し、ガウン100の脚部部分112の前部表面の内側に寄り掛る。分配器206−Aの遠位端部は、患者の股部に向かって伸長する。分配器206−Aの遠位端部は、ガウン100の脚部部分112の前部表面の内側に取り付けられる。1つの態様において、分配器206−Aの遠位端部は、患者の股部に近接する範囲において、脚部部分112の前部表面の内側につながれる。このように、収縮した分配器206−Aは、つまずく危険性をもたらすことなく、また、患者102の可動性を妨げることなく、 維持される。分配器206−Aが膨張した場合、テザー(tether)によって、分配器206−Aは患者の脚部間の通常位置を獲得することができる。他の態様においては、分配器206−Aの遠位端部は、ストラップ、糸、フック/ループファスナー、ボタン、スナップおよび同類のものを介して、脚部部分112に取り付けられる。
【0054】
もう一つの態様において、分配器206−Aは、ガウン100の下方または脚部部分112に取り付けられる空気透過性素材のシートにより画定されるチャンバである。空気透過性素材のシートは、患者102の両下肢に空気の流れを提供するために寸法付される。分配器206−Aが収縮した場合、空気透過性素材のシートは、ガウン100の脚部部分112の形状に沿ったものになる。このように、分配器206−Aは、患者102の邪魔にならず、ガウン100は、分配器206−Aによる嵩張りは最小となる。膨張した場合、分配器206−Aは枕形状となり、対流的な空気の流れ、および、空気透過性素材のシートを通した伝導により、患者の両下肢を加温できるようにする。
【0055】
図9は、分配器がガウン100のドレープ106を通してアクセス可能である、ガウン100のための分配器206−Bの第2の態様の側面図を示す。
図10は、分配器206−Cが、ガウン100の前面または前部部分を通してアクセス可能な、ガウン100のための分配器206−Cの第3の態様の側面図を示す。
図9および
図10の示された態様において、分配器206−B、206−Cは、ガウン100の裾116に近接する範囲から、患者102の股部に向かって伸長する。受動的な構成において、分配器206−B、206−Cは収縮し、ガウン100の脚部部分112の前部表面の内側に対して寄り掛かる。分配器206−B、206−Cの近位および遠位端部は、脚部部分112の前部表面の内側に取り付けられる。1つの態様において、分配器206−B、206−Cの近位端部は、裾116に近接する範囲において、脚部部分112の前部表面の内側につながれる。
【0056】
図9において、ドレープ106は、足を肩幅に開いた仰臥位における、患者102の脚部間に実質的に位置する、ドレープスリット902を含む。能動的構成において、スリット902は、実質的に患者102の足部の間である。スリット902は、分配器206−Bにアクセスを提供する。
【0057】
能動的な構成において、ホース404は、ガウン100のドレープ106部分において、スリット902を通して伸長する。ホース404のノズルは、患者102の足部の間に伸長し、分配器206−Bの近位端部の基部606において、ポート608の中へ挿入される。
【0058】
図10において、分配器206−Cは、ガウン100の前面において、スリット402を通してアクセス可能である。上記(
図4および
図5参照)のように、スリット402は、患者が足を肩幅に開いた状態で、患者102の脚部がガウン100の脚部部分に接触する所の間に、実質的に位置する。もう1つの態様において、ガウン100の前部部分は、分配器206−C、および、ガウン100の前部部分を通して分配器206−Cから伸長するポート608に取り付けられる。
【0059】
ポート608は、分配器206−Cの前部表面604上に位置する。能動的な構成において、ホース404は、ガウン100の脚部部分112におけるスリット402を通して伸長する。ホース404のノズルは、分配器206−Cの前部表面604上のポート608の中へ挿入される。
【0060】
図11は、ガウン100のための分配器206−Dの第4の態様の側面図を示す。示された態様において、分配器206−Dは、ガウンのドレープ106を通してアクセスされる。分配器206−Dは、ドレープ106から、足部、脚部の間を越えて、患者102の股部領域に向かって伸長する。
【0061】
受動的な構成において、分配器206−Dは収縮し、ドレープ106の部分、および、ガウン100の脚部部分112の前部表面の内側に対して寄り掛かる。分配器206−Dの近位端部における基部606は、ドレープ106の内側表面に取り付けられる。分配器206−Dの遠位端部は、脚部部分112の前部表面の内側に取り付けられる。1つの態様において、分配器206−Dの近位端部は、裾116に近接する範囲において、ドレープ106の内側表面につながれる。ドレープが収容位置にある場合、収縮した分配器206−Dは、ドレープ106を保持または巻く。
【0062】
図9で上記に示されたように、ドレープ106は、足を肩幅に開いた仰臥位における、患者102の脚部の間に実質的に位置する、ドレープスリット902を含む。能動的な構成において、スリット902は、患者102の足部の間に実質的にある。スリット902は、分配器206−Dへのアクセスを提供する。能動的な構成において、ホース404のノズルは、ドレープ106のスリット902を通して伸長し、分配器206−Dの近位端部において、ポート608の中へ挿入される。もう1つの態様において、ポート608は、基部606がドレープ106に取り付けられ、ドレープ106を通して分配器206−Dの基部606から伸長する。
【0063】
図12は、ガウン100のための分配器206−Eの第5の態様の側面図を示す。示された態様において、分配器206−Eは、継ぎ目1206において連結される、第1区域1202および第2区域1204を有する。第1区域1202は、ガウン100に対して実質的に外付けであり、空気透過性ではない。第2区域1204は、ガウン100に内在し、空気透過性である。
【0064】
分配器206−Eの第1区域1202の近位端部は、ガウン100の裾116に近接する、脚部部分112の前部表面の外側に取り付けられる。分配器206−Eの第1区域1202は、スリット1208を通してガウン100の内側に伸長する。スリット1208は、ガウン100の脚部部分112における裾116に近接して位置し、患者が足を肩幅に開いた状態で、患者102の脚部がガウン100の脚部部分に接触する場所の間に実質的にあるように位置する。分配器206−Eの第2区域は、ガウン100の範囲内に位置し、継ぎ目1206から患者102の股部に向けて伸長する。
【0065】
受動的な構成において、分配器206−Eは収縮し、ガウン100の脚部部分112の前部表面の内側に対して部分的に、および、外側に対して部分的に寄り掛かる。分配器206−Eの第2区域1204の遠位端部は、脚部部分112の前部表面の内側に取り付けられる。1つの態様において、分配器206−Eの第2区域1204の遠位端部は、脚部部分112の前部表面の内側に繋げられる。ドレープ106が収容位置にある場合、第1区域1202は、ドレープ106で覆われる。
【0066】
能動的な構成において、ホース404のノズルは、分配器206−Eの第1区域1202のポート608の中へ挿入される。1つの態様において、ホース404は、患者102の足部の上に寄り掛る。このような態様は、ホース404および分配器206−Eの重さの分配を提供し、患者102のつま先の上へのストレスを最小限にする。
【0067】
図13は、ガウン100のための分配器206−Fの第6の態様の側面図を示す。示された態様において、ガウン100は、ドレープ106および脚部部分112に隣接する内層1302を含む。内層1302は空気透過性である。内層1302の周辺縁部は、分配器またはチャンバ206−Fを作り出すために、空気透過性でないガウン100のドレープ106および脚部112に連結される。内層1302は、ドレープ106の遠位端部に近接するドレープ106に連結される。内層1302は、患者102の腰部に向けて伸長する。1つの態様において、内層1302は、患者102の股部領域に近接する脚部部分112に連結される。1つの態様において、チャンバ206−Fは、患者102の脚部の間にあり、ドレープ106の遠位端部に近接する範囲から、患者102の股部領域に向かって伸長する。もう1つの態様において、分配器206−Fは、分配器206−Fが患者102の両下肢を覆うように、患者102の脚部を越して伸長する幅を有する。
【0068】
示された態様において、チャンバ206−Fは、ガウンのドレープ106を通してアクセスされる。チャンバ206−Fは、ドレープ106から、足部、脚部の間を越えて、患者102の股部領域に向かって伸長する。受動的な構成において、チャンバ206−Fは収縮し、内層1302は、ドレープ106の部分、および、ガウン100の脚部部分112の前部表面の内側に対して寄り掛かる。ドレープが収容位置にある場合、収縮したチャンバ206−Fは、ドレープ106を保持または巻く。
【0069】
図9で上記に示したように、ドレープ106は、足を肩幅に開いた仰臥位における、患者102の脚部の間に実質的に位置する、ドレープスリット902を含む。能動的な構成において、スリット902は実質的に患者102の足部の間にある。スリット902は、チャンバ206−Fへのアクセスを提供する。能動的な構成において、ホース404のノズルは、ドレープ106のスリット902を通して伸長し、チャンバ206−Fに連結されるポート608の中へ挿入される。
【0070】
図14は、ガウン100のための分配器206−Gの第7の態様の側面図を示す。示された態様において、ガウン100は、脚部部分112に隣接する内層1402を含む。内層1402は空気透過性である。内層1402の周辺縁部は、分配器またはチャンバ206−Gを作り出すために、ガウン100の脚部部分112に連結される。空気透過性でないガウンの脚部部分112の一部分は、チャンバ206−Gの外層を形成する。内層1402は、ガウン100の裾116に近接する脚部部分112に連結される。内層1402は、患者102の腰部に向かって伸長する。1つの態様において、内層1402は、患者102の股部領域に近接する脚部部分112に連結される。1つの態様において、チャンバ206−Gは、患者102の脚部の間にあり、裾116に近接する範囲から、患者102の股部領域に向かって伸長する。
【0071】
示された態様において、チャンバ206−Gは、ガウン100の前面におけるスリット402を通してアクセスされる。スリット402は、患者が足を肩幅に開いた状態で、患者102の脚部がガウン100の脚部部分に接触する場所の間に実質的にあるように位置する。もう1つの態様において、ガウン100の前部部分は、分配器206−G、および、ガウン100の前部部分を通して分配器206−Gから伸長するポート608に取り付けられる。
【0072】
示された態様において、ポート608は、スリット402に近接し、ガウン100の脚部部分112の前部表面上に位置する。能動的な構成において、ホース404は、ガウン100の脚部部分112におけるスリット402を通して伸長する。ホース404のノズルは、チャンバ206−Gの外層である、脚部部分112の前部表面上のポート608の中へ挿入される。受動的な構成において、チャンバ206−Gは収縮し、内層1402は、ガウン100の脚部部分112の前部表面の内側に対して寄り掛かる。
【0073】
動作において、患者102は、手術または他の医科的手術に先立ち、ガウン100を着せられる。これは通常、直立位の患者に起こる。フラップ204は、ガウンの後部開口部202を閉じるために連結される。ドレープ106は、格納位置に収納される。ホース404は、分配器206−Aには接続されない。分配器206−Aは膨張し、脚部部分106の前部部分に実質的に隣接して位置する。直立位において、患者102は、手術の開始を待つ間、必要に応じて、歩き回るも座るも自由である。
【0074】
患者102が最初にガウン100を着る場合、ガウン100は可動構成である。この構成においては、ガウンの受動的な加温が働く。袖108、脚部部分112および後部胸部部分110の反射性素材は、患者102の体温の損失を低減する。前部胸部部分110は、熱反射性素材を有しておらず、患者の胴部により生じた体温は、前部胸部部分110を通して放射される。このように、ガウン100は、患者が可動である場合に、再分配による低体温を防止する。
【0075】
手術のために、患者102は一般的に、仰臥位、腹臥位、または、ファウラー位のどれかの状態にある。図示するために、患者102は、担架上で仰臥位であるとして述べられる。ドレープ106は、ガウン100の脚部部分112から取り外されている。ドレープ106は、ドレープ106の遠位端部が担架上に寄り掛るように、患者102の足部を覆うために伸長される。ホース404のノズルは、スリット402を通して、分配器206−Aの入口ポート608の中へ挿入される。強制的な温風は、ホース404に取り付けられた送風機によって生じる。
【0076】
強制的な温風は、ホース404から分配器206−Aに入る。強制的な温風が分配器206−Aに入ると、分配器206−Aの内側の空気圧が増加し、分配器206−Aを膨張させるため、外側面602および前部表面604は離れる。温風は、分配器206−Aの表面を通して、ガウン100の残りの部分の中へ排出される。
【0077】
能動的な構成において、ガウン100は、分配器206−Aを通して能動的な加温を、そして、反射性素材により受動的な加温を提供する。温風は、分配器206−Aを通して、ガウン100の残りの部分に渡って流れる。ドレープ106、袖108、脚部部分112、および、本体104の後部部分は、すべて熱反射性素材を含むため、熱の放射損失は低減される。背中および四肢における熱損失が低減される。いくらかの温風は、首部開口部114、袖108の端部、後部開口部202、および、ドレープ106の縁部を通してガウンから徐々に放出される。
【0078】
ガウン100の胸部部分110の前部範囲は、熱反射性の特性は有さない。患者102の胸部、または、胸の範囲は、熱がガウン100の胸部部分を通して逃げるようにできるので、多くの加温は起こらない。このように、患者102の中核温度は、不必要に増加することがない。
【0079】
温風は、分配器206−Aを通してガウン100の内側に提供される。空気の温度は、四肢に望ましいレベルに維持される一方、胸または前部胸部が不快なレベルに上昇することを防止する。患者102の周りの空気の温度は、手術または他の医科的手術の前、間、後で、ガウン100の内部で維持される。
【0080】
図15は、一態様の予熱ガウン1500を見に付けた患者102の正面図を示す。予熱ガウン1500は、患者102のかなりの部分を覆うように構成された衣服である。予熱ガウン1500は、患者102を覆うその多層構成ゆえに、能動的な加温を提供する。予熱ガウン1500は、対流加温を提供する一体型膨張式空気チャンバによって、能動的な加温を提供する。
【0081】
予熱ガウン1500は、上半身部分1502および下半身部分1504を有する。下半身部分1504は、例えば、面ファスナーシステムのような、解除可能で再取り付け可能な機構1506によって、上半身部分1502に解除可能に取り付けられる。上半身部分1502および下半身部分1504のそれぞれは、予熱ガウン1500が患者102の能動的な加温に利用される場合に、空気供給のための接続が可能な、空気入口1512、1514を有する。
【0082】
上半身部分1502は、患者102の上半身に身に着けられるように構成された衣服である。上半身部分1502は、主本体部および2つの袖1508を有する。示された態様において、袖1508は、上半身1502の残りの部分から分離される。肩の近くの継ぎ目1510は、各袖1508を取り除けるようにする。一つの態様において、継ぎ目1510は、袖1508を取り除けるような穿孔である。他の態様において、継ぎ目1510は、袖1508が取り除かれ、好適に再配置できるような、スナップまたは面ファスナーシステムを含む。
【0083】
下半身部分1504は、下半身部分1504を上半身部分1502に接続する、取り付け機構1506を有する。1つの態様において、取り付け機構1506は、下半身部分1504を上半身部分1502から分離できるような穿孔である。他の態様において、取り付け機構1506は、下半身部分1504を取り外し、好適に再配置することができる、スナップまたは面ファスナーシステムを含む。1つの態様において、患者102の周りを一周する下方位置に伸長するガウンを形成するための取り付け機構1506において、底部および上部が対になるように、上半身部分1502の底部の長さまたは幅は、下半身部分1504の上部の長さまたは幅と実質的に同じである。もう1つの態様において、下半身部分1504の上部の長さは、上半身部分1502の底部の長さより短いため、下半身部分1502は、患者102の脚部の周りを完全には包まない。
【0084】
1つの態様において、下半身部分1504は、下半身部分1504が膨れ上がることを防止する、複数の接続部1516を含む。以下に示されるように、下半身部分1504は、膨張式チャンバを形成する、外側シート1602、および、内側シート1604から形成される。接続部1516は、2つのシート1602、1604を、シート1602、1604の周囲の内側のいくつかの位置に接続した状態で保持することで、チャンバが枕形状に伸長することを防止する。
【0085】
図16は、予熱ガウン1500の上半身部分1502の1つの態様の分解図を示す。上半身部分1502は、膨張式チャンバを形成する、外側シート1602および内側シート1604を含む。外側シート1602は、胸部部分1606を具備するガウンとして構成される。上半身部分1502は、患者102が上半身部分1502を着用できるように、胸部部分1606を垂直に分割する後部開口部202を有する。
【0086】
袖1508は、ロング袖1508のそれぞれを、外側シート1602の胸部部分1606に取り付けられたショート袖1608に連結する、継ぎ目または接続部を有する。内側シート1604は、外側シート1602のショート袖1608の内側に適合する、対応するショート袖1610を有する。内側シート1604は、外側シート1602の胸部部分1606の内側に適合する対応する胸部部分1612を有する。外側シート1602の周辺縁部は、気密性ボンドで内側シート1604に接続される。
【0087】
もう一つの態様において、内側シート1604は、外側シート1602より小さな寸法を有する。例えば、内側シート1604は、ショート袖1610を有さず、および/または、胸部部分1612は、外側シート1602の胸部部分1606の範囲までは、下向きに伸長しない。このような態様において、内側シート1604は、内側シート1604の周囲、または周辺縁部において、外側シート1602に接続される。1つのそのような態様において、内側シート1604は、下方の裾および首部開口部間の、胸部部分1606の前部部品に隣接して適合するように寸法付けられる。このように、膨張式チャンバは、患者102の前部胸部だけに隣接する。このような態様において、外側シート1604の後部部品は、膨張式チャンバから排出される空気が、予熱ガウン1500の上半身部分1502の後部を通してさらに排出されるような、空気透過性素材である。
【0088】
内側シート1604と外側シート1602の周辺接続に加えて、内側シート1604および外側シート1602は、周辺縁部から離れた接続部1516によって連結される。接続部1516は、外側および内側シート1602、1604が、お互いに強制的に離されることを防止し、実質的に大きな枕を形成する。接続部1516は、上半身部分1502が、限られた厚さで膨張した覆いを形成するようにする。
【0089】
外側シート1602は、空気透過性素材であり、予熱ガウン1500の上半身部分1502の外側表面を形成する。外側シート1602は、患者102の下半身の周りを包むのに十分な幅を有する。1つの態様において、
図2に示されるように、1組のストラップ208が上半身部分1502に固定される。ストラップ208は、予熱ガウン1500が装着された場合に、上半身部分1502の後部部分が共に締結されるようにする。他の態様においては、ボタン、スナップ、面ファスナーシステム、または、他の締結機構が、ストラップ208の代わりに利用される。
【0090】
外側シート1602は、入口1512のための補強リングを具備する開口部を有する。1つの態様において、開口部は、空気供給ノズルが開口部に挿入される場合に壊れる、1つ以上の穿孔を含む。当業者には理解できるように、入口1612は、調節された空気を予熱ガウン1500の上半身部分1502に供給するための空気供給ノズルに適合するように構成される。
【0091】
1つの態様において、外側シート1602は、熱反射性の性質を有する部分を有する。上半身部分1502が、受動的加温モードで利用される場合、外側シート1602の熱反射性の性質は、外側シート1602の熱反射性部分に覆われる、患者102の選択された部分の体温を維持することを補完する。1つの態様において、ロング袖1508、ショート袖1608、および、胸部部分1606の前部部品は、熱反射性である。胸部部分1606の後部部品は、熱反射性ではない。様々な態様において、熱反射性は、表面上にコーティングするか、または、本質的に熱反射性の素材を利用することで得られる。例えば、基板に接着されるアルミめっき層は、熱反射性である。
【0092】
内側シート1604は、空気透過性素材であり、予熱ガウン1500の上半身部分1502の内側表面を形成する。1つの態様において、内側シート1604は、多孔質で、加圧された空気を通過させる、不織布素材である。他の態様において、内側シート1604は、穿孔しているか、または、空気がそこから逃げる複数の開口部またはスリットを有する。
【0093】
図17は、予熱ガウン1500の下半身部分1504の一態様の分解図を示す。下半身部分1504は、膨張式チャンバを形成するために、気密性ボンドで周辺縁部において接続される、外側シート1702および内側シート1704を含む。もう1つの態様において、内側シート1704は、寸法的に外側シート1702より小さい。このような態様において、内側シート1704は、内側シート1704の周囲または周辺縁部において、外側シート1702に接続される。このような態様において、内側シート1704は、予熱ガウン1500の下半身部分1504の前部部品に隣接するように寸法付けられる。さらに、外側シート1702の後部部品は、空気を膨張式チャンバから排出し、予熱ガウン1500の下半身部分1504の後部を通してさらに排出する、空気透過性素材である。
【0094】
内側シート1704を外側シート1702に接続する、周囲部の接合に加えて、内側シート1704および外側シート1702は、周囲から離れる接続部1516を有する。接続部1516は、外側および内側シート1702、1704が互いに離れることを防止し、実質的に大きな枕を形成する。接続部1516は、下半身部分1504が膨張可能な覆いを形成するようにする。
【0095】
外側シート1702は、空気透過性素材であり、予熱ガウン1500の下半身部分1504の外側表面を形成する。外側シート1702は、患者102の下半身の周りを包むのに十分な幅を有する。示された態様において、一組のストラップ208が、外側シート1702に固定される。ストラップ208は、予熱ガウン1500が装着された場合に、下半身部分1504の後部部分が一緒に締結されるようにする。他の態様において、ボタン、スナップ、面ファスナーシステム、または、他の締結機構が、ストラップ208の代わりに利用される。
【0096】
外側シート1702は、入口1514の部分を形成する開口部1714を有する。1つの態様において、開口部1714は1つ以上の穿孔を含み、それは、空気供給ノズルが開口部1714に挿入される場合に壊れる。補強リング1712は、入口1514のもう一つの部分として開口部1714の周りに固定される。当業者には理解できるように、入口1714は、調節された空気を予熱ガウン1500の下半身部分1504に送るための空気供給ノズルと適合するように構成される。
【0097】
1つの態様において、外側シート1702は、熱反射性の特性を具備する部分を有する。下半身部分1504が受動加温モードで利用される場合、外側シート1702の熱反射性の特性は、患者102の覆われた部分の体温を維持することを補完する。もう一つの態様において、外側シート1702の前部部分は、熱反射性素材で覆われ、外側シート1702の後部部分は、熱反射性素材で覆われない。
【0098】
面ファスナーシステム1506の半分が、外側シート1702の上部端部に取り付けられる。面ファスナーシステム1506の半分が、上半身部分1502の下部に取り付けられる。このように、上半身部分1502および下半身部分1504は、解除可能に接続可能である。もう一つの態様において、上半身部分1502および下半身部分1504は、穿孔のある接続部または弱化線に取り付けられ、これらは上半身部分1504を下半身部分1502から分離して引き裂くようにしやすい。他の態様において、下半身部分1504は、スナップ、ボタン、テープまたは他の解除可能な接続部によって、上半身部分1502に接続される。
【0099】
示された態様は、予熱ガウン1500の下半身部分1504の下方縁部に取り付けられる、両面テープ片1708を示す。テープ片1708は、粘着部を露出するために取り外し可能な、保護カバーを有する。テープ片1708は、患者102の下半身を露出させる必要がある場合に、下半身部分1504が上半身部分1502に固定されるように位置付けさられる。
【0100】
内側シート1704は、空気透過性素材であり、予熱ガウン1500の下半身部分1504の内側表面を形成する。1つの態様において、内側シート1704は、多孔質で、加圧された空気を通過させる、不織布素材である。他の態様において、内側シート1704は、穿孔しているか、または、空気がそこから逃げる複数の開口部またはスリットを有する。
【0101】
予熱ガウン1500は、多目的の衣服である。手術の前に、患者102は、上半身部分1502が下半身部分1504に取り付けられた予熱ガウン1500を身に着ける。予熱ガウン1500は、素材0602、1604、0702、0704および熱反射性の予熱ガウンの部分の2つの層によって、受動的に患者を加温する。能動的な加温のために、温風送風機が、下半身部分1504の入口1514に接続される。
【0102】
手術室に移送する間、患者102は、上半身部分1502が下半身部分1504に取り付けられた予熱ガウン1500を身に着け続ける。予熱ガウン1500は、素材0602、1604、0702、0704および熱反射性の予熱ガウン1500の部分の2つの層によって、受動的に患者を加温する。
【0103】
患者102が手術室にいる場合、予熱ガウン1500は、医療スタッフの要求に叶うように適合される。例えば、温風送風機は、上半身部分1502の入口1512に接続され、下半身部分1504は、接続部1506において取り外されるか、または、そこに置かれる。もう1つの例では、下半身部分1504が温風送風機に接続され、上半身部分1502が、接続部1506において取り外されるか、または、そこに置かれる。さらにもう1つの例では、予熱ガウン1500は患者102から取り除かれ、温風送風機が、入口1512、1514の1つまたは両方に接続された加温毛布として、患者102の上に置かれる。もう一つの方法として、上半身部分1502は、接続部1506において、下半身部分1504から分離され、上半身部分1502または下半身部分1504のどちらかが、温風送風機が入口1512、1514の適した方に接続された加温毛布として、患者102の上に置かれる。
【0104】
手術室から移送するために、上半身部分1502および下半身部分1504の両方が共に接続され、予熱ガウン1500は、上記のように手術室に移送される場合に示したように、受動的な加温を提供する。
【0105】
手術後または回復期のために、予熱ガウン1500は、温風送風機を入口1512、1514の1つまたは両方に接続することで、受動的加温または能動的加温を提供する。
【0106】
前述の詳細な説明から、当業者には、患者を能動的に加温しながら、熱放射損失を受動的に減少させるシステムおよび方法が提供されたことが分かる。システムおよび方法は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、手術の前、間、後に利用することができる。
【0107】
本発明がいくつかの態様の詳細な説明によって示され、示された態様も詳しく説明されたが、出願人は、添付の特許請求の範囲をこれらに限定または制限する意図はない。付加的利点および変更は、当業者には容易である。したがって、より広い本発明の側面は、示され、説明された、詳細な説明、代表的な装置および方法、ならびに、説明に役立つ実例に限定されない。同様に、発明の発展は、本出願人の一般的な発明概念の精神と範囲から逸脱することなく、詳細な説明から行うことができる。