特許第6099594号(P6099594)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6099594
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】横型ブラインド
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/384 20060101AFI20170313BHJP
【FI】
   E06B9/384
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-74598(P2014-74598)
(22)【出願日】2014年3月31日
(65)【公開番号】特開2015-196970(P2015-196970A)
(43)【公開日】2015年11月9日
【審査請求日】2015年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】立川 光威
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−260982(JP,A)
【文献】 実開昭62−182397(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00−9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドボックスから吊り下げられてボトムレールに接続され、操作によって、支持している複数段のスラットの角度調整が可能な複数本のラダーコードと、上記ヘッドボックスから引き出されてボトムレールに接続され、操作によって、上記複数段のスラットを昇降可能な複数本の昇降コードと、上記ラダーコードによって支持されたスラットの長さ方向の移動を規制する横ずれ防止機構とを備える横型ブラインドであって、
上記各スラットを、各ラダーコードの1対の縦糸間に挿入すると共にこれらの縦糸間に設けられた第1の横糸上に載置し、
上記横ずれ防止機構を、一以上の凸部を、スラットのいずれかの面であって、上記複数本のラダーコードのうちの少なくとも一のラダーコードに対応した箇所に配設し、上記一以上の凸部がラダーコードの第1の横糸側のスラット面にある場合には、当該第1の横糸を、上記第1の横糸側のスラット面と交差しないように上記一以上の凸部に係合させ、また、上記一以上の凸部がラダーコードの第1の横糸と反対側のスラット面にある場合には、第2の横糸を上記1対の縦糸間に設け、当該第2の横糸を、上記第1の横糸と反対側のスラット面と交差しないように上記一以上の凸部に係合させることで、構成した、
ことを特徴とする横型ブラインド。
【請求項2】
請求項1に記載の横型ブラインドにおいて、
上記横ずれ防止機構の一以上の凸部を、スラットの幅方向を向く一以上の第1の凸部と、この一以上の第1の凸部と隣り合った状態でスラットの幅方向を向く一以上の第2の凸部とで形成し、
上記一以上の第1及び第2の凸部の双方を、スラットの上記いずれかの面に設け、
上記一以上の第1及び第2の凸部が上記第1の横糸側のスラット面にある場合には、上記第1の横糸を当該一以上の第1及び第2の凸部の間に掛け、また、一以上の第1及び第2の凸部が上記第1の横糸と反対側のスラット面にある場合には、上記第2の横糸を上記一以上の第1及び第2の凸部の間に掛ける、
ことを特徴とする横型ブラインド。
【請求項3】
請求項1に記載の横型ブラインドにおいて、
上記横ずれ防止機構の一以上の凸部を、スラットの幅方向を向く一以上の第1の凸部と、この一以上の第1の凸部と隣り合った状態でスラットの幅方向を向く一以上の第2の凸部とで形成し、
上記一以上の第1の凸部を、スラットの上記一方の面に設けると共に、上記一以上の第2の凸部を、スラットの他方の面に設け、
上記第1の横糸と上記第2の横糸とを、スラットの両面を挟むようにして、上記一以上の第1及び第2の凸部の間に掛ける、
ことを特徴とする横型ブラインド。
【請求項4】
請求項1に記載の横型ブラインドにおいて、
横ずれ防止機構の一以上の凸部を、スラットのいずれかの面であって、複数本のラダーコードのうちの2本のラダーコードに対応した箇所にそれぞれ配設し、
上記一以上の凸部がラダーコードの第1の横糸側のスラット面にある場合には、当該第1の横糸を、当該一以上の凸部に係合させ、上記一以上の凸部がラダーコードの第1の横糸と反対側のスラット面にある場合には、上記第2の横糸を、当該一以上の凸部に係合させる、
ことを特徴とする横型ブラインド。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の横型ブラインドにおいて、
上記一以上の凸部の両端部が、スラットの幅方向の両端部に至らないように、一以上の凸部の両端部間の距離を設定して、スラットの凸部が上又は下のスラットと干渉することを防止する、
ことを特徴とする横型ブラインド。
【請求項6】
ヘッドボックスから吊り下げられてボトムレールに接続され、操作によって、支持している複数段のスラットの角度調整が可能な複数本のラダーコードと、上記ヘッドボックスから引き出されてボトムレールに接続され、操作によって、上記複数段のスラットを昇降可能な複数本の昇降コードと、上記ラダーコードによって支持されたスラットの長さ方向の移動を規制する横ずれ防止機構とを備える横型ブラインドであって、
上記各スラットを、各ラダーコードの1対の縦糸間に挿入すると共にこれらの縦糸間に設けられた横糸上に載置し、
上記横ずれ防止機構を、上記横糸側のスラット面であって、上記複数本のラダーコードのうちの少なくとも一のラダーコードに対応した箇所に、当該スラットの幅方向を向いた状態で凹設された凹部と、当該凹部内に上記スラット面と交差しないように挿通された上記横糸とで構成した、
ことを特徴とする横型ブラインド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スラットの横ずれを防止する機構を備えた横型ブラインドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
横型ブラインドにおいては、ラダーコードと昇降コートとが、上部のヘッドボックスから下部のボトムレールとに張設されている。そして、複数段のスラットがラダーコードによって支持されている。
このように、ラダーコードによって支持されているスラットが、1枚でも長尺方向に横ずれをおこすと、ブラインドとしての本質的機能が損なわれるだけでなく、スラットがラダーコートから落下するおそれもある。
そこで、従来は、昇降コードを利用し、昇降コードを、各スラットの幅方向中央に開けた孔に挿通させることで、スラットの横ずれ防止と位置決めとを行っていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭58−013399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した従来の横型ブラインドでは、次のような問題がある。
すなわち、昇降コードを挿通させた孔が、スラットの幅方向中央に設けられているので、全スラットを閉じて、ブラインドを遮光状態にしたときに、光がこれらの孔から漏れるおそれがある。また、スラットを交換する場合には、昇降コードをスラットから抜いて、全てのスラットをばらす必要があるので、交換作業性や組立作業性にも劣るという問題もある。
【0005】
この発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、ブラインドの遮光性を保持しながら、スラットの横ずれを防止することができると共に、スラットの交換作業性及び組立作業性を高めることができる横型ブラインドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、ヘッドボックスから吊り下げられてボトムレールに接続され、操作によって、支持している複数段のスラットの角度調整が可能な複数本のラダーコードと、ヘッドボックスから引き出されてボトムレールに接続され、操作によって、複数段のスラットを昇降可能な複数本の昇降コードと、ラダーコードによって支持されたスラットの長さ方向の移動を規制する横ずれ防止機構とを備える横型ブラインドであって、各スラットを、各ラダーコードの1対の縦糸間に挿入すると共にこれらの縦糸間に設けられた第1の横糸上に載置し、横ずれ防止機構を、一以上の凸部を、スラットのいずれかの面であって、複数本のラダーコードのうちの少なくとも一のラダーコードに対応した箇所に配設し、一以上の凸部がラダーコードの第1の横糸側のスラット面にある場合には、第1の横糸を一以上の凸部に係合させ、また、一以上の凸部がラダーコードの第1の横糸と反対側のスラット面にある場合には、第2の横糸を1対の縦糸間に設け、第2の横糸を一以上の凸部に係合させることで、構成した。
かかる構成により、ラダーコードを操作し、スラットの角度調整をすることで、日射光を調光することができる。また、昇降コードを操作し、スラットを順次昇降することで、ブラインドを全開又は全閉することができる。
ところで、スラットがその長さ方向に移動すると、スラットが、ラダーコードの第1の横糸から外れて、脱落するおそれがある。しかし、この発明では、横ずれ防止機構が設けられているので、スラットがラダーコードから抜け落ちることはない。
すなわち、外力が、何らかの原因で、スラットの長さ方向に加わった場合には、横ずれ防止機構の第1の横糸又は第2の横糸が、スラットに設けられた一以上の凸部に係合し、スラットの横移動を規制する。この結果、スラットの横ずれが横ずれ防止機構によって防止されるので、スラットがラダーコードから抜け落ちることはない。また、横ずれ防止のために、昇降コード挿通用の孔をスラットに開ける必要もないので、ブラインドの遮光性も保持することができる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の横型ブラインドにおいて、横ずれ防止機構の一以上の凸部を、スラットの幅方向を向く一以上の第1の凸部と、この一以上の第1の凸部と隣り合った状態でスラットの幅方向を向く一以上の第2の凸部とで形成し、一以上の第1及び第2の凸部の双方を、スラットのいずれかの面に設け、一以上の第1及び第2の凸部が第1の横糸側のスラット面にある場合には、第1の横糸を一以上の第1及び第2の凸部の間に掛け、また、一以上の第1及び第2の凸部が第1の横糸と反対側のスラット面にある場合には、第2の横糸を一以上の第1及び第2の凸部の間に掛ける構成とした。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1に記載の横型ブラインドにおいて、横ずれ防止機構の一以上の凸部を、スラットの幅方向を向く一以上の第1の凸部と、この一以上の第1の凸部と隣り合った状態でスラットの幅方向を向く一以上の第2の凸部とで形成し、一以上の第1の凸部を、スラットの一方の面に設けると共に、一以上の第2の凸部を、スラットの他方の面に設け、 第1の横糸と第2の横糸とを、スラットの両面を挟むようにして、一以上の第1及び第2の凸部の間に掛ける構成とした。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1に記載の横型ブラインドにおいて、横ずれ防止機構の一以上の凸部を、スラットのいずれかの面であって、複数本のラダーコードのうちの2本のラダーコードに対応した箇所にそれぞれ配設し、一以上の凸部がラダーコードの第1の横糸側のスラット面にある場合には、第1の横糸を、一以上の凸部に係合させ、一以上の凸部がラダーコードの第1の横糸と反対側のスラット面にある場合には、第2の横糸を、一以上の凸部に係合させる構成とした。
かかる構成により、外力がスラットの長さ方向に加わった場合には、第1のラダーコードの第1の横糸又は第2の横糸が、一以上の凸部の一方の側部に係合し、第2のラダーコードの第1の横糸又は第2の横糸が、一以上の凸部の他方の側部に係合して、スラットの横方向の移動を規制し、ラダーコードからの落下を防止する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の横型ブラインドにおいて、一以上の凸部の両端部が、スラットの幅方向の両端部に至らないように、一以上の凸部の両端部間の距離を設定して、スラットの凸部が上又は下のスラットと干渉することを防止する構成とした。
かかる構成により、上下のスラット間に隙間が発生しないので、ブラインドの遮光性がさらに高められる。
【0011】
請求項6の発明は、ヘッドボックスから吊り下げられてボトムレールに接続され、操作によって、支持している複数段のスラットの角度調整が可能な複数本のラダーコードと、ヘッドボックスから引き出されてボトムレールに接続され、操作によって、複数段のスラットを昇降可能な複数本の昇降コードと、ラダーコードによって支持されたスラットの長さ方向の移動を規制する横ずれ防止機構とを備える横型ブラインドであって、各スラットを、各ラダーコードの1対の縦糸間に挿入すると共にこれらの縦糸間に設けられた横糸上に載置し、横ずれ防止機構を、横糸側のスラット面であって、複数本のラダーコードのうちの少なくとも一のラダーコードに対応した箇所に、スラットの幅方向を向いた状態で凹設された凹部と、凹部内に挿通された横糸とで構成した。
かかる構成により、外力がスラットの長さ方向に加わった場合には、スラットの凹部に挿通された横糸が、凹部に係合して、スラットの横方向の移動を規制し、ラダーコードからの落下を防止する。
【発明の効果】
【0012】
以上詳しく説明したように、この発明の横型ブラインドによれば、ラダーコードの第1の横糸や第2の横糸が、スラットが設けられた凸部や凹部に係合するので、昇降コードを挿通する孔をスラットに開けることなく、スラットの横ずれを防止することができる。この結果、ブラインドの遮光性を保持しながら、スラットの横ずれを防止することができる、という優れた効果がある。そして、昇降コードをスラットの孔に挿通する必要がないので、全てのスラットをばらすことなく、必要なスラットのみを抜き取るだけで、スラットの交換作業を行うことができ、この結果、スラットの交換作業と組立作業とを迅速に行うことができる、という効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明の第1実施例に係る横型ブラインドを示す斜視図である。
図2】横ずれ防止機構を示す斜視図である。
図3】横ずれ防止機構を示す平面図である。
図4図2の矢視A−A断面図である。
図5】凸部が存在しない面の距離を説明するための断面図である。
図6】横ずれ防止機構の機能を説明するための平面図である。
図7】この発明の第2実施例に係る横型ブラインドの要部をスラットの裏面側から見た斜視図である。
図8】第2実施例の横型ブラインドの要部をスラットの裏面側から示す平面図である。
図9図7の矢視B−B断面図である。
図10】この発明の第3実施例に係る横型ブラインドの要部を示す斜視図である。
図11図10の矢視C−C断面図である。
図12】この発明の第4実施例に係る横型ブラインドの要部をスラットの裏面側から見た斜視図である。
図13図12の矢視D−D断面図である。
図14】第3実施例の変形例を示す平面図である。
図15】この発明の第5実施例に係る横型ブラインドの要部を示す平面図である。
図16】第5実施例の変形例を示す平面図である。
図17】この発明の第6実施例に係る横型ブラインドの要部を示す平面図である。
図18図17の矢視E−E断面図である。
図19】2本の凸部をほぼ無間隔で配設した状態を示す断面図である。
図20】この発明の第7実施例に係る横型ブラインドの要部を示す平面図である。
図21】第7実施例の変形例を示す平面図である。
図22】この発明の第8実施例に係る横型ブラインドの要部を示す平面図である。
図23】第8実施例の変形例を示す平面図である。
図24】この発明の第9実施例に係る横型ブラインドの要部を示す平面図である。
図25図24の矢視G−G断面図である。
図26】この発明の第10実施例に係る横型ブラインドの要部を示す断面図である。
図27】この発明の第11実施例に係る横型ブラインドの要部を示す断面図である。
図28】この発明の第12実施例に係る横型ブラインドの要部を示す平面図である。
図29】この発明の第15実施例に係る横型ブラインドの要部を示す斜視図である。
図30】横ずれ防止機構を示す平面図である。
図31図30の矢視H−H断面図である。
図32】スラットの凹部同士の重なり状態を示す平面図である。
図33】第15実施例の変形例を示す平面図である。
図34】横糸と縦糸との接合部分の変形例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の最良の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
(実施例1)
図1は、この発明の第1実施例に係る横型ブラインドを示す斜視図である。
図1に示すように、この実施例の横型ブラインド1は、ヘッドボックス2から吊り下げられた1対のラダーコード3A,3Bと、ラダーコード3A,3Bに支持された複数段のスラット4と、昇降コード5A,5Bと、横ずれ防止機構6A,6Bとを備えている。
【0016】
ラダーコード3A,3Bは、多数段のスラット4を角度調節可能に支持するものであり、ボトムレール20がその下端に取り付けられている。
具体的には、各ラダーコード3A(3B)は、全体として梯子状をなし、ヘッドボックス2から平行に垂れ下がった1対の縦糸31,32と、縦糸31,32とに接合された破線で示す第1の横糸としての横糸33とで形成されている。
このようなラダーコード3A,3Bの縦糸31,32は、ヘッドボックス2内の図示しない角度調節軸に連結された操作棒10によって操作することができる。すなわち、操作棒10を回転させることで、縦糸31,32の一方が相対的に上下動し、この上下動によって、横糸33が傾き、スラット4が所望角度に傾く。
【0017】
各スラット4は、長さがヘッドボックス2の長さとほぼ等しい長尺状の薄板体である。各スラット4は、ラダーコード3Aの縦糸31,32間とラダーコード3Bの縦糸31,32との間に挿入され、ラダーコード3A,3Bの横糸33,33上に載置されている。
【0018】
昇降コード5A,5Bは、多数段のスラット4を昇降させるためのものである。
具体的には、ヘッドボックス2から引き出された昇降コード5A(5B)が、ラダーコード3A(3B)の縦糸32(31)に沿って配設され、昇降コード5A(5B)下端がボトムレール20に取り付けられている。昇降コード5A(5B)の上端側は、ヘッドボックス2内に導かれ、公知のコードストッパ7を経てヘッドボックス2外へ垂下され、操作部材11を介して操作コード12に接続されている。
これにより、操作コード12を操作して、昇降コード5A,5Bをヘッドボックス2内に引き込むことにより、ボトムレール20が上昇して、スラット4が下段から順次引き上げられる。また、操作コード12を操作をして、昇降コード5A,5Bを緩めれば、昇降コード5A,5Bがヘッドボックス2から引き出され、ボトムレール20と共に下降して、スラット4が上段からラダーコード3A,3Bに支持される。
【0019】
横ずれ防止機構6A,6Bは、各スラット4の横ずれ(長さ方向のずれ)を防止するための機構であり、ラダーコード3A,3Bと各スラット4との間に設けられている。
図2は、横ずれ防止機構6A(6B)を示す斜視図であり、図3は、横ずれ防止機構6A(6B)を示す平面図であり、図4は、図2の矢視A−A断面図である。
【0020】
図1及び図3に示すように、横ずれ防止機構6Aは、スラット4の左端部側に設けられ、横ずれ防止機構6Bは、スラット4の右端部側に設けられている。
この実施例では、図2に示すように、各横ずれ防止機構6A(6B)が、各スラット4に形成された一以上の第1の凸部としての凸部61−1と、一以上の第2の凸部としての凸部62−1と、これら凸部61−1,62−1間に係合させた第2の横糸としての横糸34とで構成されている。
各横ずれ防止機構6A(6B)の2本の凸部61−1,62−1は、ラダーコード3A(3B)に対応する箇所に設けられている。具体的には、スラット4の表面(スラット面)4A上であって、裏面(スラット面)4B側の横糸33と対応する箇所、すなわち、横糸33のほぼ真上の位置にされている。
これら2本の凸部61−1,62−1は、スラット4の幅方向(図3の上下方向)を向くように平行に隣り合う長状の凸部であり、平面視においてほぼ長方形を成す。
横糸34は、横糸33とは別体の横糸であり、縦糸31,32の間に接合されている。具体的には、横糸34の前端が、縦糸31と横糸33との接合部P1で縦糸31と接合され、横糸34の後端が、縦糸32と横糸33との接合部P2で縦糸32と接合されている。そして、横糸34が、スラット4の表面4A側に位置され、2本の凸部61−1,62−1の間に掛けられている。
図4に示すように、横糸34が掛けられた各凸部61−1(62−1)の高さHは、横糸34の直径よりも高く設定され、横糸34が各凸部61−1(62−1)に外れることなく確実に係合するようになっている。
また、図3に示すように、凸部61−1,62−1は、スラット4の幅方向の両端部4a,4bには至らないようにスラット4の幅方向に延びており、その長さLが、スラット4の幅よりも短くなるように設定されている。
すなわち、各凸部61−1(62−1)の前端とスラット4の端部4aとの間には、凸部が存在しない距離L1の面が設けられ、凸部が存在しない距離L2の面が、各凸部61−1(62−1)の後端とスラット4の端部4bとの間に設けられている。これらの面の距離L1,L2は、スラット4とその上又は下のスラット4,4の凸部61−1(62−1)とが干渉しないような大きさに設定されている。
図5は、凸部が存在しない面の距離を説明するための断面図である。
すなわち、図5の(a)に示すように、各凸部61−1(62−1)の長さLが長く設定され、凸部が存在しない面の距離L1,L2が短いと、各スラット4を下方に傾けて閉じたときに、上のスラット4−1の距離L1の面が下のスラット4−2の凸部61−1(62−1)に接触してしまう。この結果、スラット4の傾きが制限され、スラット4による遮光性が低下するおそれがある。
したがって、この実施例では、各スラット4において、凸部が存在しない面の距離L1,L2を長くとり、図5の(b)に示すように、各スラット4を下方に傾けて閉じたときに、上のスラット4−1の距離L1の面と下のスラット4−2の距離L2の面とが重なるようにした。これにより、スラット4による遮光性を保つことができる。
【0021】
次に、この実施例の横型ブラインドが示す作用及び効果について説明する。
図1において、操作コード12を操作して昇降コード5A,5Bをヘッドボックス2から引き出すことにより、スラット4を下段から順次引き上げることができ、昇降コード5A,5Bをヘッドボックス2内に引き込ませることにより、スラット4を上段からラダーコード3A,3Bに支持させることができる。
また、操作棒10を回転操作して、ラダーコード3A,3Bの縦糸31,32の一方を相対的に上下動させるによって、全てのスラット4を所望角度に傾けることにより、遮光調整を行うことができる。
このとき、図3に示したように、各スラット4の各凸部61−1(62−1)の長さが短く、凸部が存在しない面の距離L1,L2を長くとっているので、各スラット4を下方に傾けて閉じたときに、図5の(a)に示したような各凸部61−1(62−1)とスラット4との干渉は生じない。図5の(b)に示したように、上のスラット4−1の距離L1の面と下のスラット4−2の距離L2の面とが重なり、スラット4−1,4−2間の遮光性は保持される。
【0022】
ところで、図1において、スラット4が横(スラット4の長さ方向)に移動すると、スラット4が、ラダーコード3A(3B)の横糸33から外れて、脱落するおそれがある。
しかし、この実施例では、横ずれ防止機構6A,6Bを設けているので、スラット4がラダーコード3A(3B)から抜け落ちることはない。
図6は、横ずれ防止機構6A,6Bの機能を説明するための平面図である。
図6に示すように、右方向への外力Fが、何らかの原因で、スラット4に加わった場合には、横ずれ防止機構6A(6B)の横糸34が、凸部61−1に係合し、スラット4が右方向に移動することを規制する。この結果、スラット4の横ずれが横ずれ防止機構6A,6Bによって防止されるので、スラット4がラダーコード3A(3B)から抜け落ちることはない。また、左方向への外力が、スラット4に加わった場合には、横ずれ防止機構6A(6B)の横糸34が、凸部62−1に係合し、スラット4が左方向に移動することを規制して、ラダーコード3A(3B)からの脱落を防止する。
【0023】
(実施例2)
次に、この発明の第2実施例について説明する。
図7は、この発明の第2実施例に係る横型ブラインドの要部をスラットの裏面側から見た斜視図であり、図8は、この実施例の横型ブラインドの要部をスラットの裏面側から示す平面図であり、図9は、図7の矢視B−B断面図である。
この実施例の横型ブラインドは、各横ずれ防止機構6A(6B)の構成箇所が上記第1実施例と異なる。
すなわち、図7に示すように、横ずれ防止機構6A(6B)の凸部61−2,62−2が、スラット4の裏面4B側に形成されており、横糸33が、これら凸部61−2,62−2の間に係合されている。
図8に示すように、これら2本の凸部61−2,62−2も、スラット4の幅方向を向くように平行に隣り合う長状の凸部であり、スラット4の裏面4Bに形成されている点を除き、長さL、凸部のない面の距離L1,L2等は、上記第1実施例の凸部61−1,62−1とほぼ同じ設定である。
横糸33が掛けられた各凸部61−2(62−2)の高さHも、図9に示すように、横糸33の直径よりも高く設定され、横糸33各凸部61−2(62−2)に確実に係合するようになっている。
【0024】
かかる構成により、図8に示すスラット4において、右方向(左方向)への外力が、スラット4に加わった場合には、横ずれ防止機構6A(6B)の横糸33が、凸部61−2(62−2)に係合し、スラット4の横ずれを規制する。この結果、スラット4がラダーコード3A(3B)から抜け落ちることはない。
その他の構成,作用及び効果は上記第1実施例と同様であるので、その記載は省略する。
【0025】
(実施例3)
次に、この発明の第3実施例について説明する。
図10は、この発明の第3実施例に係る横型ブラインドの要部を示す斜視図であり、図11は、図10の矢視C−C断面図である。
これらの図に示すように、この実施例は、上記第1実施例に対応するもので、第1実施例の横ずれ防止機構6A,6Bの長状の凸部61−1(62−1)を長さが短い複数の凸部61−3,61−3(62−3,62−3)に代えたものである。
この実施例では、各横ずれ防止機構6A(6B)が、各スラット4に列設された一以上の第1の凸部としての2つの凸部61−3,61−3と、一以上の第2の凸部としての2つの凸部62−3,62−3と、これら2つの凸部61−3,61−3と2つの凸部62−3,62−3との間に掛けられた横糸34とで構成されている。
具体的には、2つの凸部61−3,61−3が、スラット4の幅方向に並ぶように、スラット4の表面4Aに列設され、2つの凸部62−3,62−3が、2つの凸部61−3,61−3と隣り合うようにスラット4の幅方向に列設されている。
各凸部61−3(62−3)は、短状の凸部であり、平面視においてほぼ矩形に設定され、その高さは、上記第1実施例で適用された長状の凸部61−1(62−1)の高さH(図4参照)とほぼ同値に設定されている。また、2つの凸部61−3,61−3(62−3,62−3)の距離は、第1実施例で適用された長状の凸部61−1(62−1)の長さL(図3参照)とほぼ同値に設定されている。そして、各凸部61−3(62−3)とスラット4の端部4a(端部4b)との間の面の距離も、第1実施例の凸部61−1(62−1)の距離L1(L2)(図3参照)とほぼ同値に設定されている。
【0026】
かかる構成により、長さ方向の外力が、スラット4に加わった場合には、横ずれ防止機構6A(6B)の横糸34が、2つの凸部61−3,61−3に係合し、又は、横糸34が、2つの凸部62−3,62−3に係合して、スラット4の横ずれを防止する。
その他の構成,作用及び効果は上記第1実施例と同様であるので、その記載は省略する。
【0027】
(実施例4)
次に、この発明の第4実施例について説明する。
図12は、この発明の第4実施例に係る横型ブラインドの要部をスラットの裏面側から見た斜視図であり、図13は、図12の矢視D−D断面図である。
この実施例は、上記第2実施例に対応するもので、第2実施例の横ずれ防止機構6A,6Bの長状の凸部61−2(62−2)を長さが短い複数の凸部61−4,61−4(62−4,62−4)に代えたものである。
すなわち、図12及び図13に示すように、横ずれ防止機構6A(6B)が、スラット4の裏面4B側に形成した一以上の第1の凸部としての2つの短状の凸部61−4,61−4と、一以上の第2の凸部としての2つの凸部62−4,62−4と、これら2つの凸部61−4,61−4と2つの凸部62−4,62−4との間に掛けた横糸33とで構成されている。
具体的には、2つの凸部61−4,61−4が、スラット4の幅方向に並ぶように、スラット4の裏面4Bに列設され、2つの凸部62−4,62−4が、2つの凸部61−4,61−4と隣り合うようにスラット4の幅方向に列設されている。
その他の構成,作用及び効果は上記第2及び第3実施例と同様であるので、その記載は省略する。
【0028】
(変形例1)
次に、第3及び第4実施例の変形例について説明する。
図14は、第3実施例の変形例を示す平面図である。
上記第3実施例では、横ずれ防止機構6A(6B)を2つの凸部61−3と2つの凸部62−3とで構成したが、凸部61−3(62−3)の数は、「一以上」、すなわち1つ以上であればよい。
したがって、図14の(a)に示すように、横ずれ防止機構6A(6B)を2つの凸部61−3と1つの凸部62−3とで構成したり、逆に、1つの凸部61−3と2つの凸部62−3とで構成したりすることもできる。また、図14の(b)に示すように、1つの凸部61−3と1つの凸部62−3とで構成することもできる。
【0029】
また、第4実施例の変形例として、図14の(a)及び(b)において、凸部61−3(62−3)をスラット4の裏面4Bに設ける態様もある。
【0030】
(実施例5)
次に、この発明の第5実施例について説明する。
図15は、この発明の第5実施例に係る横型ブラインドの要部を示す平面図である。
図15に示すように、この実施例の横ずれ防止機構は、上記第1実施例の横ずれ防止機構と第3実施例の横ずれ防止機構の混成型であり、各横ずれ防止機構6A(6B)が一以上の第1の凸部としての1本の長状の凸部61−5と、一以上の第2の凸部としての2つの短状の凸部62−5,62−5と、これら1本の凸部61−5と2つの凸部62−5,62−5との間に掛けられた横糸34とで構成されている。
【0031】
具体的には、1本の長状の凸部61−5が、スラット4の幅方向に延びるように、スラット4の表面4Aに配設され、2つの短状の凸部62−5,62−5が、1本の凸部61−5と隣り合うようにスラット4の幅方向に列設されている。
凸部61−5と凸部62−5の形状や高さは、第1実施例の凸部61−1と第3実施例の61−3の形状や高さとほぼ同値に設定されている。1本の凸部61−5の長さは、第1実施例の凸部61−1の長さとほぼ同値に設定され、2つの凸部61−5,61−5の距離は第3実施例の61−3の距離とほぼ同値に設定されている。そして、凸部61−5の端部とスラット4の端部4a(端部4b)との間の面の距離や2つの凸部62−5とスラット4の端部4a(端部4b)との間の面の距離も、上記第1及び第3実施例で適用した距離L1(L2)とほぼ同値に設定されている。
その他の構成,作用及び効果は上記第1及び第3実施例と同様であるので、その記載は省略する。
【0032】
(変形例2)
次に、第5実施例の変形例について説明する。
図16は、第5実施例の変形例を示す平面図である。
上記第5実施例では、横ずれ防止機構6A(6B)における短状の凸部62−5を2つ設けた例を示したが、図16に示すように、横ずれ防止機構6A(6B)を1本の長状の凸部61−5と1つの短状の凸部62−5とで構成することもできる。また、上記第5実施例では、各横ずれ防止機構6A(6B)において、1本の長状の凸部61−5を横糸34の左側に配し、2つの短状の凸部62−5,62−5を横糸34の右側に配した例を示したが、各横ずれ防止機構6A(6B)において、1本の長状の凸部62−5を横糸34の右側に配し、1つ又は2つの短状の凸部61−5を横糸34の左に配した構成とすることもできる。
【0033】
さらに、図15図16の横ずれ防止機構6A(6B)において、長状の凸部61−5と短状の凸部62−5をスラット4の裏面4Bに設けて、上記第2実施例や第4実施例に対応した実施例を提案することもできる。
【0034】
(実施例6)
次に、この発明の第6実施例について説明する。
図17は、この発明の第6実施例に係る横型ブラインドの要部を示す平面図であり、図18は、図17の矢視E−E断面図である。
この実施例の横型ブラインドは、各横ずれ防止機構6A(6B)の凸部の形成面が上記第1及び第2実施例と異なる。
すなわち、図17及び図18に示すように、各横ずれ防止機構6A(6B)の一以上の第1の凸部としての凸部61−6が、スラット4の一方の面である表面4Aに形成され、一以上の第2の凸部としての凸部62−6が、スラット4の他方の面である裏面4Bに形成されている。そして、横糸33,34が、スラット4を上下から挟むようにして、これら凸部61−6,62−6の間に配されており、上の横糸34が、右側から凸部61−6に掛けられ、下の横糸33が、左側から凸部62−6に掛けられている。
【0035】
かかる構成により、図17に示すスラット4において、右方向への外力が、スラット4に加わった場合には、横ずれ防止機構6A(6B)の横糸34が、表面4A側の凸部61−6に係合し、左方向への外力が、スラット4に加わった場合には、横糸33が、裏面4B側の凸部62−6に係合し、スラット4の横ずれを防止する。
【0036】
図19は、2本の凸部をほぼ無間隔で配設した状態を示す断面図である。
図18に示したように、この実施例では、凸部61−6,62−6の間隔dを横糸33,34の直径とほぼ等しく設定した例を示したが、凸部61−6,62−6をスラット4の別々の面に配する限り、図19に示すように、凸部61−6,62−6の間隔dをほぼゼロに設定しても、同様の作用及び効果を得ることができる。
【0037】
また、この実施例では、図17に示したように、横ずれ防止機構6A,6Bの双方の機構において、左側の凸部61−6をスラット4の表面4Aに配し、右側の凸部62−6を裏面4Bに配したが、横ずれ防止機構6A,6Bの一方又は双方の機構において、左側の凸部61−6をスラット4の裏面4Bに配し、右側の凸部62−6を表面4Aに配することもできる。
その他の構成,作用及び効果は上記第1及び第2実施例と同様であるので、その記載は省略する。
【0038】
(実施例7)
次に、この発明の第7実施例について説明する。
図20は、この発明の第7実施例に係る横型ブラインドの要部を示す平面図である。
この実施例は、上記第6実施例の横ずれ防止機構6A,6Bの長状の凸部61−6(62−6)を短状の凸部61−7,61−7(62−7,62−7)に代えたものである。
すなわち、図20に示すように、各横ずれ防止機構6A(6B)の2つの短状の凸部61−7,61−7が、スラット4の表面4Aに列設され、他の2つの短状の凸部62−7,62−7が、スラット4の裏面4Bに列設されている。そして、横糸33,34が、スラット4を上下から挟むようにして、これら2つの凸部61−7,61−7と2つの凸部62−7,62−7の間に配され、横糸34が、右側から2つの凸部61−7,61−7に掛けられ、横糸33が、左側から2つの凸部62−7,62−7に掛けられている。
【0039】
なお、この実施例においても、図19に示したように、2つの凸部61−7,61−7と2つの凸部62−7,62−7の間隔をほぼゼロに設定しても、上記と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0040】
また、この実施例では、図20に示すように、横ずれ防止機構6A,6Bの双方の機構において、左側の2つの凸部61−7,61−7をスラット4の表面4Aに配し、右側の2つの凸部62−7,62−7を裏面4Bに配したが、横ずれ防止機構6A,6Bの一方又は双方の機構において、左側の2つの凸部61−7,61−7をスラット4の裏面4Bに配し、右側の2つの凸部62−7,62−7を表面4Aに配することもできる。
その他の構成,作用及び効果は上記第6実施例と同様であるので、その記載は省略する。
【0041】
(変形例3)
次に、第7実施例の変形例について説明する。
図21は、第7実施例の変形例を示す平面図である。
上記第7実施例では、横ずれ防止機構6A(6B)を表面4A側の2つの凸部61−7と裏面4B側の2つの62−7とで構成したが、凸部61−7(62−7)の数は、1つ以上であればよい。
したがって、図21の(a)及び(b)に示すように、横ずれ防止機構6A(6B)を表面4A側の2つの凸部61−7と裏面4B側の1つの凸部62−7とで構成したり、1つの凸部61−7と2つの凸部62−7とで構成したり、1つの凸部61−7と1つの凸部62−7とで構成することもできる。
また、例えば、図21の(a)において、2つの凸部61−7,61−7をスラット4の裏面4B側に、1つの凸部62−7を表面4A側に設ける等、凸部61−7と凸部62−7の形成面を、図21の(a)及び(b)に表示された面と逆にすることもできる。
【0042】
(実施例8)
次に、この発明の第8実施例について説明する。
図22は、この発明の第8実施例に係る横型ブラインドの要部を示す平面図である。
図22に示すように、この実施例の横ずれ防止機構は、上記第6実施例と第7実施例の混成型である。
具体的には、各横ずれ防止機構6A(6B)が、スラット4の表面4Aに配設された1本の長状の凸部61−8と、裏面4Bに列設された2つの短状の凸部62−8,62−8と、1本の凸部61−8に掛けた横糸34と、2つの凸部62−8,62−8に掛けた横糸33とで構成されている。
その他の構成,作用及び効果は上記第6及び第7実施例と同様であるので、その記載は省略する。
【0043】
(変形例4)
次に、第8実施例の変形例について説明する。
図23は、第8実施例の変形例を示す平面図である。
上記第8実施例では、横ずれ防止機構6A(6B)における短状の凸部62−8を2つ設けた例を示したが、図23に示すように、横ずれ防止機構6A(6B)を1本の長状の凸部61−8と1つの短状の凸部62−8とで構成したり、図示しないが、各横ずれ防止機構6A(6B)において、1本の長状の凸部62−8を横糸34の右側に配し、1つ又は2つの短状の凸部61−8を横糸33の左に配した構成とすることもできる。
さらに、図22図23の横ずれ防止機構6A(6B)において、長状の凸部61−8をスラット4の裏面4Bに設け、短状の凸部62−8をスラット4の表面4Aに設けることもできる。
【0044】
(実施例9)
次に、この発明の第9実施例について説明する。
図24は、この発明の第9実施例に係る横型ブラインドの要部を示す平面図であり、図25は、図24の矢視G−G断面図である。
上記第1〜第8実施例では、各横ずれ防止機構6A(6B)の凸部を、一以上の第1の凸部とこれと隣り合う一以上の第2の凸部とで形成したが、この実施例では、各横ずれ防止機構6A(6B)の凸部を、1組の一以上の凸部で形成した点が、上記第1〜第8実施例と異なる。
すなわち、図24及び図25に示すように、横ずれ防止機構6A,6Bが、2本のラダーコード3A,3Bにそれぞれ設けられ、各横ずれ防止機構6A(6B)が、一以上の凸部としての1本の長状の凸部61−4と横糸34とで構成されている。
各凸部61−9は、スラット4の表面4Aであって、各ラダーコード3A(3B)に対応する箇所に形成されている。そして、横ずれ防止機構6Aにおいては、ラダーコード3Aの横糸34が凸部61−9の右側部61aに掛けられ、横ずれ防止機構6Bにおいては、ラダーコード3Bの横糸34が凸部61−9の左側部61bに掛けられている。
【0045】
かかる構成により、図24に示すスラット4において、右方向への外力が、スラット4に加わった場合には、横ずれ防止機構6Aの横糸34が、その凸部61−9の側部61aに係合し、左方向への外力が、スラット4に加わった場合には、横ずれ防止機構6Bの横糸34が、その凸部61−9の側部61bに係合して、スラット4の横ずれを防止する。
その他の構成,作用及び効果は上記第1〜第8実施例と同様であるので、その記載は省略する。
【0046】
(実施例10)
次に、この発明の第10実施例について説明する。
図26は、この発明の第10実施例に係る横型ブラインドの要部を示す断面図である。
この実施例の横型ブラインドは、各横ずれ防止機構6A(6B)の凸部形成面が上記第9実施例と異なる。
すなわち、図26に示すように、各横ずれ防止機構6A(6B)の1本の長状の凸部61−10が、スラット4の裏面4Bに形成されている。そして、横ずれ防止機構6Aにおいては、ラダーコード3Aの横糸33が凸部61−10の右側部61aに掛けられ、横ずれ防止機構6Bにおいては、ラダーコード3Bの横糸33が凸部61−10の左側部61bに掛けられている。
その他の構成,作用及び効果は上記第9実施例と同様であるので、その記載は省略する。
【0047】
(実施例11)
次に、この発明の第11実施例について説明する。
図27は、この発明の第11実施例に係る横型ブラインドの要部を示す断面図である。
この実施例の横型ブラインドは、横ずれ防止機構6Aの凸部形成面と横ずれ防止機構6Bの凸部形成面が異なる。
すなわち、図27に示すように、横ずれ防止機構6Aの凸部61−11が、スラット4の表面4Aに形成され、横ずれ防止機構6Bの凸部61−11が、スラット4の裏面4Bに形成されている。そして、横ずれ防止機構6Aにおいては、ラダーコード3Aの横糸34が凸部61−11の右側部61aに掛けられ、横ずれ防止機構6Bにおいては、ラダーコード3Bの横糸33が凸部61−11の左側部61bに掛けられている。
【0048】
なお、この実施例では、図27に示すように、横ずれ防止機構6Aの凸部61−11をスラット4の表面4Aに配し、横ずれ防止機構6Bの凸部61−11を裏面4Bに配したが、横ずれ防止機構6Aの凸部61−11をスラット4の裏面4Bに配し、横ずれ防止機構6Bの凸部61−11を表面4Aに配してもよい。
その他の構成,作用及び効果は上記第9及び第10実施例と同様であるので、その記載は省略する。
【0049】
(変形例5)
次に、第9〜第11実施例の変形例について説明する。
図25に示したように、第9実施例では、横ずれ防止機構6Aにおいて、横糸34を凸部61−9の右側部61aに掛け、横ずれ防止機構6Bにおいて、横糸34を凸部61−9の左側部61bに掛けた。つまり、横糸34を、横ずれ防止機構6A,6Bの凸部61−9,61−9の側部のうち、スラット4の中央部に近い側部に掛けた例を示したが、横糸34を、横ずれ防止機構6A,6Bの凸部61−9,61−9の側部のうち、スラット4の中央部から遠い側部に掛けた構成とすることもできる。すなわち、横糸34を凸部61−9の左側部61bに掛け、横ずれ防止機構6Bにおいて、横糸34を凸部61−9の右側部61aに掛けることもできる。
【0050】
同様に、第10(第11)実施例においても、図示しないが、横糸33(34)を凸部61−10(61−11)の左側部61bに掛け、横ずれ防止機構6Bにおいて、横糸33(33)を凸部61−9の右側部61aに掛けることもできる。
【0051】
(実施例12)
次に、この発明の第12実施例について説明する。
図28は、この発明の第12実施例に係る横型ブラインドの要部を示す平面図である。
この実施例は、上記第9実施例に対応するもので、第9実施例の横ずれ防止機構6A,6Bの長状の凸部61−9,61−9を短状の凸部61−10,61−10に代えたものである。
すなわち、図28に示すように、各横ずれ防止機構6A(6B)が、2つの短状の凸部61−12と横糸34とで構成されている。
具体的には、横ずれ防止機構6A,6Bが、共にスラット4の表面4Aに形成されている。そして、横ずれ防止機構6Aにおいては、横糸34が2つの凸部61−12,61−12の右側部に掛けられ、横ずれ防止機構6Bにおいては、横糸34が2つの凸部61−12,61−12の左側部に掛けられている。
その他の構成,作用及び効果は上記第9実施例と同様であるので、その記載は省略する。
【0052】
(実施例13,14)
次に、この発明の第13実施例として、上記第10実施例の横ずれ防止機構6A,6Bの長状の凸部61−10を短状の凸部に代えた横型ブラインドを提案することができる。
また、この発明の第14実施例として、上記第11実施例の横ずれ防止機構6A,6Bの長状の凸部61−11,61−11を短状の2つの凸部に代えた横型ブラインドも提案することができる。
その他の構成,作用及び効果は上記第10及び第11実施例と同様であるので、その記載は省略する。
【0053】
(変形例6)
次に、第12〜第14実施例の変形例について説明する。
上記第12〜第14実施例では、横糸33や横糸34を、横ずれ防止機構6A,6Bの2つの凸部61−12,61−12(61−13,61−13及び61−14,61−14)の側部のうち、スラット4の中央部に近い側部に掛けた例を示したが、横糸33や横糸34を、横ずれ防止機構6A,6Bの2つの凸部61−12,61−12(61−13,61−13及び61−14,61−14)の側部のうち、スラット4の中央部から遠い側部に掛けた構成とすることもできる。
【0054】
(実施例15)
次に、この発明の第15実施例について説明する。
図29は、この発明の第15実施例に係る横型ブラインドの要部を示す斜視図であり、図30は、横ずれ防止機構を示す平面図であり、図31は、図30の矢視H−H断面図である。
【0055】
この実施例の横ずれ機構では、凸部でなく、凹部を構成要素とした点が、上記第1〜第14実施例と異なる。
図29に示すように、横ずれ防止機構6A(6B)は、ラダーコード3A(3B)の横糸33と、この横糸33の箇所に設けられた凹部61−15とで構成されている。
図30に示すように、凹部61−15は、スラット4の裏面4Bに凹設されている。そして、凹部61−15は、スラット4の幅方向を向き、スラット4の幅方向の端部4aから端部4bに至るように延びている。したがって、図29に示すように、凹部61−15の両端61c,61dが大きく凹んで開口し、スラット4の中央に向かうに従って、凹みが浅くなっている。そして、下方の横糸33が、両端の開口を通じて、凹部61−15内に挿通されている。
【0056】
かかる構成により、図30において、右方向(左方向)への外力が、スラット4に加わった場合には、横ずれ防止機構6A(6B)の横糸33が、凹部61−15に内部から係合し、スラット4の横ずれを防止する。
また、スラット4間の遮光性も保持される。
図32は、スラットの凹部61−15同士の重なり状態を示す平面図である。
すなわち、各凹部61−15の両端61c,61dが開口しているので、図32に示すように、スラット4(4−1,4−2)を閉じると、上のスラット4−1の凹部61−15の端部と下のスラット4−2の凹部61−15の端部とが重なり合い、上下のスラット4−1,4−2間の遮光性が保持されることとなる。
その他の構成,作用及び効果は上記第1〜第14実施例と同様であるので、その記載は省略する。
【0057】
(変形例7)
次に、第15実施例の変形例について説明する。
図33は、第15実施例の変形例を示す平面図である。
図29で示した第15実施例の横ずれ防止機構に適用された凹部61−15は、図32で示したように、スラット4を閉じると、重なり合い、遮光性を保持するようになっている。
しかし、スラット4に多少の横ずれが生じた場合には、上下のスラット4の凹部61−15同士が重ならず、漏光するおそれがある。
そこで、図33の(a)に示すように、凹部61−15の両端部を削除し、切り欠き4c,4dを凹部61−15の前後に設けて、スラット4を閉じたときに、上下のスラット4の切り欠き4c,4d同士が重なるようすることができる。
これにより、スラット4が横ずれして、上下の凹部61−15,61−15が一致しない場合でも、スラット4の遮光性は保持される。
【0058】
また、図33の(a)に示すような切り欠き4c,4dでなく、図33の(b)に示すように、切り込み線4e,4fを凹部61−15の前後に設けても良い。これにより、遮光性がさらに向上する。
【0059】
なお、この発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記実施例では、ラダーコード3A,3Bの双方に横ずれ防止機構6A,6Bをそれぞれ設けた例を示したが、ラダーコード3A,3Bのいずれか一方にのみ横ずれ防止機構6A(又は6B)を設け、他方には設けない横型ブラインドも、この発明の範囲に含まれる。
但し、第9〜第14実施例のように、各横ずれ防止機構6A(6B)が、1本の長状の凸部や1つ以上の短状の凸部でのみ構成されている場合には、ラダーコード3A,3Bの双方に横ずれ防止機構6A,6Bをそれぞれ設ける必要があることはいうまでもない。
【0060】
また、上記実施例では、例えば、凸部61−3,62−3等、1つ又は2つの短状の凸部について例示したが、短状の凸部は、スラット4の一方の面又は双方の面に3つ以上で列設することもできるは勿論である。
【0061】
また、上記実施例では、図2図3に示したように、横糸33,34の一方端を共に1カ所の接合部P1で接合すると共に、横糸33,34の他方端を共に1カ所の接合部P2で接合した例を示したが、例えば、図34に示すように、横糸33の一方端33aを横糸34の一方端34aよりも下方に配した状態で、横糸33,34の一方端33a,34aを縦糸31に編み込むと共に、横糸33の他方端33bを横糸34の他方端34bよりも上方に位置するようにクロスさせた状態で、横糸33,34の他方端33b,34bを縦糸32に編み込んだ構造の横糸33,34も、この発明の横型ブラインドに適用することができることは勿論である。
【符号の説明】
【0062】
1…横型ブラインド、 2…ヘッドボックス、 3A,3B…ラダーコード、 4,4−1,4−2…スラット、 4A…表面、 4B…裏面、 4a,4b…端部、 4c,4d…切り欠き、 4e,4f…切り込み線、 5A,5B…昇降コード、 6A,6B…横ずれ防止機構、 7…コードストッパ、 10…操作棒、 11…操作部材、 12…操作コード、 20…ボトムレール、 31,32…縦糸、 33,34…横糸、 61−1〜61−14,62−1〜62−14…凸部、 61−15…凹部、 61a…右側部、 61b…左側部、 H…高さ、 L…長さ、 L1,L2…距離、 P1,P2…接合部、 d…間隔。
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