【実施例】
【0048】
以下、本発明を実施例により説明するが、本実施例によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
【0049】
[製造例1] プルラン脂肪酸エステル(ミリストイル化プルラン)の製造(1)
置換基:ミリストイル基
置換度:2.0
容量1Lの四つ口フラスコにプルラン(株式会社林原、商品名:食品添加物プルラン)100部(ここでは「部」は重量部を意味する;以下同じ)とジメチルホルムアミド(DMF)800部とピリジン101部とを仕込み、溶解させた。この溶液の温度を90℃に保ちながら、そこに塩化ミリストイル305部とトルエン1000部の混合液を1時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌を実施した。その後、メタノールを加えて再沈殿及び洗浄を実施した。洗浄後の沈殿を乾燥させ、ミルミキサーにて粉砕して目的物を得た。
【0050】
こうして得られたミリストイル化プルランにおける置換度(ここでは、プルランを構成するグルコース環1個当たりの、アシル基に置換された水酸基の数を意味する;以下同じ)は、JIS K 0070の試験方法に従って水酸基価を測定し、水酸基価から上述の式に基づいて算出したところ、2.0であった。
【0051】
[製造例2] プルラン脂肪酸エステル(ミリストイル化プルラン)の製造(2)
置換基:ミリストイル基
置換度:2.3
容量1Lの四つ口フラスコにプルラン100部とDMF800部とピリジン116部とを仕込み、溶解させた。この溶液の温度を90℃に保ちながら、そこに塩化ミリストイル350部とトルエン1000部の混合液を1時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌を実施した。その後、メタノールを加えて再沈殿及び洗浄を実施した。洗浄後の沈殿を乾燥させ、ミルミキサーにて粉砕して目的物を得た。
【0052】
こうして得られたミリストイル化プルランにおける置換度は、JIS K 0070の試験方法に従って水酸基価を測定し、水酸基価から上述の式に基づいて算出したところ、2.3であった。
【0053】
[製造例3] プルラン脂肪酸エステル(ミリストイル化プルラン)の製造(3)
置換基:ミリストイル基
置換度:2.4
容量1Lの四つ口フラスコにプルラン100部とDMF800部とピリジン121部とを仕込み、溶解させた。この溶液の温度を90℃に保ちながら、そこに塩化ミリストイル365部とトルエン1000部の混合液を1時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌を実施した。その後、メタノールを加えて再沈殿及び洗浄を実施した。洗浄後の沈殿を乾燥させ、ミルミキサーにて粉砕して目的物を得た。
【0054】
こうして得られたミリストイル化プルランにおける置換度は、JIS K 0070の試験方法に従って水酸基価を測定し、水酸基価から上述の式に基づいて算出したところ、2.4であった。
【0055】
[製造例4] プルラン脂肪酸エステル(ミリストイル化プルラン)の製造(4)
置換基:ミリストイル基
置換度:2.5
容量1Lの四つ口フラスコにプルラン100部とDMF800部とピリジン126部とを仕込み、溶解させた。この溶液の温度を90℃に保ちながら、そこに塩化ミリストイル380部とトルエン1000部の混合液を1時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌を実施した。その後、メタノールを加えて再沈殿及び洗浄を実施した。洗浄後の沈殿を乾燥させ、ミルミキサーにて粉砕して目的物を得た。
【0056】
こうして得られたミリストイル化プルランにおける置換度は、JIS K 0070の試験方法に従って水酸基価を測定し、水酸基価から上述の式に基づいて算出したところ、2.5であった。
【0057】
[製造例5] プルラン脂肪酸エステル(ミリストイル化プルラン)の製造(5)
置換基:ミリストイル基
置換度:2.6
容量1Lの四つ口フラスコにプルラン100部とDMF800部とピリジン131部とを仕込み、溶解させた。この溶液の温度を90℃に保ちながら、そこに塩化ミリストイル396部とトルエン1000部の混合液を1時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌を実施した。その後、メタノールを加えて再沈殿及び洗浄を実施した。洗浄後の沈殿を乾燥させ、ミルミキサーにて粉砕して目的物を得た。
【0058】
こうして得られたミリストイル化プルランにおける置換度は、JIS K 0070の試験方法に従って水酸基価を測定し、水酸基価から上述の式に基づいて算出したところ、2.6であった。
【0059】
[製造例6] プルラン脂肪酸エステル(ミリストイル化プルラン)の製造(6)
置換基:ミリストイル基
置換度:2.7
容量1Lの四つ口フラスコにプルラン100部とDMF800部とピリジン136部とを仕込み、溶解させた。この溶液の温度を90℃に保ちながら、そこに塩化ミリストイル411部とトルエン1000部の混合液を1時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌を実施した。その後、メタノールを加えて再沈殿及び洗浄を実施した。洗浄後の沈殿を乾燥させ、ミルミキサーにて粉砕して目的物を得た。
【0060】
こうして得られたミリストイル化プルランにおける置換度は、JIS K 0070の試験方法に従って水酸基価を測定し、水酸基価から上述の式に基づいて算出したところ、2.7であった。
【0061】
[製造例7] プルラン脂肪酸エステル(ミリストイル化プルラン)の製造(7)
置換基:ミリストイル基
置換度:2.8
容量1Lの四つ口フラスコにプルラン100部とDMF800部とピリジン141部とを仕込み、溶解させた。この溶液の温度を90℃に保ちながら、そこに塩化ミリストイル426部とトルエン1000部の混合液を1時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌を実施した。その後、メタノールを加えて再沈殿及び洗浄を実施した。洗浄後の沈殿を乾燥させ、ミルミキサーにて粉砕して目的物を得た。
【0062】
こうして得られたミリストイル化プルランにおける置換度は、JIS K 0070の試験方法に従って水酸基価を測定し、水酸基価から上述の式に基づいて算出したところ、2.8であった。
【0063】
[製造例8] プルラン脂肪酸エステル(パルミトイル化プルラン)の製造(1)
置換基:パルミトイル基
置換度:1.5
容量1Lの四つ口フラスコにプルラン100部とDMF800部とピリジン76部とを仕込み、溶解させた。この溶液の温度を90℃に保ちながら、そこに塩化パルミトイル255部とトルエン1000部の混合液を1時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌を実施した。その後、メタノールを加えて再沈殿及び洗浄を実施した。洗浄後の沈殿を乾燥させ、ミルミキサーにて粉砕して目的物を得た。
【0064】
こうして得られたパルミトイル化プルランにおける置換度は、JIS K 0070の試験方法に従って水酸基価を測定し、水酸基価から上述の式に基づいて算出したところ、1.5であった。
【0065】
[製造例9] プルラン脂肪酸エステル(パルミトイル化プルラン)の製造(2)
置換基:パルミトイル基
置換度:2.3
容量1Lの四つ口フラスコにプルラン100部とDMF800部とピリジン116部とを仕込み、溶解させた。この溶液の温度を90℃に保ちながら、そこに塩化パルミトイル390部とトルエン1000部の混合液を1時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌を実施した。その後、メタノールを加えて再沈殿及び洗浄を実施した。洗浄後の沈殿を乾燥させ、ミルミキサーにて粉砕して目的物を得た。
【0066】
こうして得られたパルミトイル化プルランにおける置換度は、JIS K 0070の試験方法に従って水酸基価を測定し、水酸基価から上述の式に基づいて算出したところ、2.3であった。
【0067】
[製造例10] プルラン脂肪酸エステル(パルミトイル化プルラン)の製造(3)
置換基:パルミトイル基
置換度:2.4
容量1Lの四つ口フラスコにプルラン100部とDMF800部とピリジン121部とを仕込み、溶解させた。この溶液の温度を90℃に保ちながら、そこに塩化パルミトイル407部とトルエン1000部の混合液を1時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌を実施した。その後、メタノールを加えて再沈殿及び洗浄を実施した。洗浄後の沈殿を乾燥させ、ミルミキサーにて粉砕して目的物を得た。
【0068】
こうして得られたパルミトイル化プルランにおける置換度は、JIS K 0070の試験方法に従って水酸基価を測定し、水酸基価から上述の式に基づいて算出したところ、2.4であった。
【0069】
[製造例11] プルラン脂肪酸エステル(パルミトイル化プルラン)の製造(4)
置換基:パルミトイル基
置換度:2.5
容量1Lの四つ口フラスコにプルラン100部とDMF800部とピリジン125部とを仕込み、溶解させた。この溶液の温度を90℃に保ちながら、そこに塩化パルミトイル423部とトルエン1000部の混合液を1時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌を実施した。その後、メタノールを加えて再沈殿及び洗浄を実施した。洗浄後の沈殿を乾燥させ、ミルミキサーにて粉砕して目的物を得た。
【0070】
こうして得られたパルミトイル化プルランにおける置換度は、JIS K 0070の試験方法に従って水酸基価を測定し、水酸基価から上述の式に基づいて算出したところ、2.5であった。
【0071】
[製造例12] プルラン脂肪酸エステル(パルミトイル化プルラン)の製造(5)
置換基:パルミトイル基
置換度:2.6
容量1Lの四つ口フラスコにプルラン100部とDMF800部とピリジン131部とを仕込み、溶解させた。この溶液の温度を90℃に保ちながら、そこに塩化パルミトイル440部とトルエン1000部の混合液を1時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌を実施した。その後、メタノールを加えて再沈殿及び洗浄を実施した。洗浄後の沈殿を乾燥させ、ミルミキサーにて粉砕して目的物を得た。
【0072】
こうして得られたパルミトイル化プルランにおける置換度は、JIS K 0070の試験方法に従って水酸基価を測定し、水酸基価から上述の式に基づいて算出したところ、2.6であった。
【0073】
[製造例13] プルラン脂肪酸エステル(パルミトイル化プルラン)の製造(6)
置換基:パルミトイル基
置換度:2.7
容量1Lの四つ口フラスコにプルラン100部とDMF800部とピリジン136部とを仕込み、溶解させた。この溶液の温度を90℃に保ちながら、そこに塩化パルミトイル457部とトルエン1000部の混合液を1時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌を実施した。その後、メタノールを加えて再沈殿及び洗浄を実施した。洗浄後の沈殿を乾燥させ、ミルミキサーにて粉砕して目的物を得た。
【0074】
こうして得られたパルミトイル化プルランにおける置換度は、JIS K 0070の試験方法に従って水酸基価を測定し、水酸基価から上述の式に基づいて算出したところ、2.7であった。
【0075】
[製造例14] プルラン脂肪酸エステル(パルミトイル化プルラン)の製造(7)
置換基:パルミトイル基
置換度:2.8
容量1Lの四つ口フラスコにプルラン100部とDMF800部とピリジン141部とを仕込み、溶解させた。この溶液の温度を90℃に保ちながら、そこに塩化パルミトイル476部とトルエン1000部の混合液を1時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌を実施した。その後、メタノールを加えて再沈殿及び洗浄を実施した。洗浄後の沈殿を乾燥させ、ミルミキサーにて粉砕して目的物を得た。
【0076】
こうして得られたパルミトイル化プルランにおける置換度は、JIS K 0070の試験方法に従って水酸基価を測定し、水酸基価から上述の式に基づいて算出したところ、2.8であった。
【0077】
[製造例15] プルラン脂肪酸エステル(ステアロイル化プルラン)の製造
置換基:ステアロイル基
置換度:2.5
容量1Lの四つ口フラスコにプルラン100部とDMF800部とピリジン126部とを仕込み、溶解させた。この溶液の温度を90℃に保ちながら、そこに塩化ステアロイル467部とトルエン1000部の混合液を1時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌を実施した。その後、メタノールを加えて再沈殿及び洗浄を実施した。洗浄後の沈殿を乾燥させ、ミルミキサーにて粉砕して目的物を得た。
【0078】
こうして得られたステアロイル化プルランにおける置換度は、JIS K 0070の試験方法に従って水酸基価を測定し、水酸基価から上述の式に基づいて算出したところ、2.5であった。
【0079】
[製造例16] プルラン脂肪酸エステル(ラウロイル化プルラン)の製造
置換基:ラウロイル基
置換度:2.5
容量1Lの四つ口フラスコにプルラン100部とDMF800部とピリジン126部とを仕込み、溶解させた。この溶液の温度を90℃に保ちながら、そこに塩化ラウロイル337部とトルエン1000部の混合液を1時間かけて滴下し、さらに5時間撹拌を実施した。その後、メタノールを加えて再沈殿及び洗浄を実施した。洗浄後の沈殿を乾燥させ、ミルミキサーにて粉砕して目的物を得た。
【0080】
こうして得られたラウロイル化プルランにおける置換度は、JIS K 0070の試験方法に従って水酸基価を測定し、水酸基価から上述の式に基づいて算出したところ、2.5であった。
【0081】
[実施例1]
製造例1〜16で得られたプルラン脂肪酸エステル15部に各種油剤85部を添加し、70℃で攪拌後の溶液の状態を観察した。特にプルラン脂肪酸エステルの添加による油剤の粘性の変化(増粘効果)を観察した。増粘効果の評価は以下のようにして行った。
【0082】
まず、プルラン脂肪酸エステルの添加前の油剤と、プルラン脂肪酸エステルの添加後の油剤(プルラン脂肪酸溶解液)の粘度(単位:cP:センチポアズ)、)を、B型粘度計を用いて測定した。ローターおよび回転数は、適宜選択した。B型粘度計を用いて測定した粘度に基づきプルラン脂肪酸溶解液の粘度と油剤の粘度の差(cP)を算出し、その粘度差から以下の基準に従って増粘効果を判断した。
・粘度差500cP以上 → A:増粘効果が大きい
・粘度差50cP以上500cP未満 → B:増粘効果あり
・粘度差10cP以上50cP未満 → C:増粘効果僅かにあり
・粘度差10cP未満 → D:増粘効果殆ど無し
なお後述の実施例における増粘効果の評価もこれと同様の方法で行った。
【0083】
表1に製造例1〜7で得たプルラン脂肪酸エステル、表2に製造例8〜14で得たプルラン脂肪酸エステルを用いて観察された結果をそれぞれ示す。
【0084】
表1に示される通り、ミリストイル基を置換基として有する製造例3〜6で得られたプルラン脂肪酸エステル(置換度2.4〜2.7)は、各種油剤に対して増粘作用を示した。一方、製造例1、2、7で得られたミリストイル化プルラン(置換度2.3以下又は2.8以上)は、油剤に対する増粘作用は、弱いか又は認められなかった。
【表1】
【0085】
また表2に示される通り、パルミトイル基を置換基として有する製造例10〜13で得られたプルラン脂肪酸エステル(置換度2.4〜2.7)は、各種油剤に対して、増粘作用を示した。一方、それらと比較すると、製造例8、9、14で得られたパルミトイル化プルラン(置換度2.3以下又は2.8以上)では、油剤に対する増粘作用は、弱いか又は認められず、十分な増粘作用を示さなかった。
【表2】
【0086】
また表3には、製造例4、11で得たミリストイル化プルラン及びパルミトイル化プルランについての本実施例の観察結果を、製造例15、16で得たステアロイル化プルラン及びラウロイル化プルランのものと比較して示した。これらのプルラン脂肪酸エステルは、いずれも置換度は2.5であるが、置換基が異なっている。
【0087】
表3に示すように、製造例4で得たミリストイル化プルラン及び製造例11で得たパルミトイル化プルランは、油剤に対する増粘作用を示した。それらの増粘作用と比較すると、製造例15で得たステアロイル化プルラン及び製造例16で得たラウロイル化プルランでは、油剤に対する増粘作用は、弱いか又は認められず、十分な増粘作用を示さなかった。
【表3】
【0088】
[実施例2] サンスクリーンの増粘
製造例4で得られたプルラン脂肪酸エステル(ミリストイル化プルラン、置換度2.5)を用い、表4に示す処方に従って、サンスクリーン組成物の被験サンプルを調製した。まず、成分(2)と(16)を70℃で混合攪拌し、そこに成分(1)、(3)〜(11)を順次添加した後、80℃で混合攪拌した。さらに、成分(12)、(13)、(15)を別途混合攪拌したものを添加し、80℃で混合攪拌することにより、被験サンプル1を調製した。
【0089】
比較のため、製造例4で得られたプルラン脂肪酸エステル[成分(16)]に代えて、製造例1で得られたプルラン脂肪酸エステル(ミリストイル化プルラン、置換度2.0)[成分(17)]及び製造例7で得られたプルラン脂肪酸エステル(ミリストイル化プルラン、置換度2.8)[成分(18)]をそれぞれ用いて、同様の処方及び手順で比較サンプル1及び2を調製した。
【0090】
さらに陰性対照として、プルラン脂肪酸エステルを含有せず、かつ増粘剤である無水ケイ酸を含有するサンプルを調製した。この陰性対照サンプルの調製では、成分(11)に続いて無水ケイ酸[成分(14)]を添加した後、80℃で混合攪拌した。
【表4】
【0091】
上記のようにして調製したサンスクリーン組成物サンプルの粘性を評価した。粘度は上記と同様にB型粘度計により測定した。結果を表5に示した。
【0092】
表5から明らかなように、製造例4で得られたプルラン脂肪酸エステルを添加したサンスクリーン組成物(被験サンプル1)の粘度は、比較サンプル1及び2、並びに対照サンプルのサンスクリーン組成物と比べて優れていた。
【表5】
【0093】
また、上記のようにして調製したサンスクリーン組成物サンプルを用いて、耐水性試験を実施した。まず、スライドガラスにサンスクリーン組成物サンプルを塗布し、乾燥後、重量を測定した。これに流水を一定時間当てた後、乾燥させて再度重量を測定した。流水処理後の乾燥重量の、流水処理前の乾燥重量に対する比率(流水処理後のサンプル残存割合)によって、サンスクリーン組成物の耐水性を評価した。結果を表6に示した。
【0094】
表6から明らかなように、製造例4で得られたプルラン脂肪酸エステルを添加したサンスクリーン組成物(被験サンプル1)は流水処理後も9割近くが残存しており、その耐水性は比較サンプル1及び2、並びに対照サンプルのサンスクリーン組成物と比べて格段に優れていた。
【表6】
【0095】
さらに、これらのサンスクリーン組成物サンプルについて、使用感、その持続性、均一性における官能試験を行った。その結果、被験サンプル1は、その何れについても、比較サンプル1及び2、並びに陰性対照サンプルよりも良好な結果を示した。
【0096】
[実施例3] マスカラの増粘
製造例11で得られたプルラン脂肪酸エステル(パルミトイル化プルラン、置換度2.5)を用い、表7に示す処方に従って、マスカラ用組成物の被験サンプルを調製した。まず、成分(1)と(4)を60℃で混合攪拌し、そこに成分(5)、(6)及び(8)(10)を順次添加して60℃で混合攪拌することにより、被験サンプル2を調製した。
【0097】
比較のため、製造例11で得られたプルラン脂肪酸エステル[成分(1)]に代えて、製造例9で得られたプルラン脂肪酸エステル(パルミトイル化プルラン、置換度2.3)[成分(2)]及びパルミトイル化デキストリン[成分(3)]をそれぞれ用いて、同様の処方及び手順で比較サンプル3及び4を調製した。比較サンプル4以外は、増粘剤である無水ケイ酸[成分(7)]を含有していない。比較サンプル4の調製においては、成分(6)に続いて無水ケイ酸[成分(7)]を添加した。
【表7】
【0098】
上記のようにして調製したマスカラ用組成物サンプルの粘性をB型粘度計により測定し、評価した。結果を表8に示した。
【0099】
表8から明らかなように、製造例11で得られたプルラン脂肪酸エステルを添加したマスカラ用組成物(被験サンプル2)の粘度は、比較サンプル3及び4と比べて優れていた。
【表8】
【0100】
また、上記のようにして調製したマスカラ用組成物サンプルを用いて、耐水性試験を実施した。まず、毛束にマスカラサンプルを塗布し、乾燥後、重量を測定した。これを脱塩水中で一定時間攪拌した後、乾燥させて再度重量を測定した。この流水処理後の乾燥重量の、流水処理前の乾燥重量に対する比率(流水処理後のサンプル残存割合)によって、マスカラ用組成物の耐水性を評価した。結果を表9に示した。
【0101】
表9から明らかなように、製造例11で得られたプルラン脂肪酸エステルを添加したマスカラ用組成物(被験サンプル2)は流水処理後も8割以上が残存しており、その耐水性は比較サンプル3及び4よりも優れていた。
【表9】
【0102】
さらに、これらのマスカラ用組成物サンプルについて、使用感、その持続性、均一性における官能試験を行った。その結果、被験サンプル2は、その何れについても、比較サンプル3及び4よりも良好な結果を示した。
【0103】
[実施例4]
製造例10で得られたプルラン脂肪酸エステル(パルミトイル化プルラン、置換度2.4)を用い、表10に示す処方に従って、ファンデーション用組成物の被験サンプルを調製した。まず、成分(3)、(4)、(17)を60℃で混合攪拌し、そこに成分(1)、(2)、(5)〜(9)を順次添加した後、60℃で混合攪拌した。そこに、成分(10)〜(16)を別途60℃で混合攪拌したものを添加して、60℃で混合攪拌することにより、被験サンプル3を調製した。なお油剤として成分(3)のジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、成分(4)のイソドデカンを用いた。
【0104】
こうして得られた被験サンプル3について、使用感、その持続性、均一性における官能試験を行った結果、何れも良好であった。
【表10】