特許第6099723号(P6099723)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6099723
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】ロック封止を有するプラグ要素
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20170313BHJP
【FI】
   H01R13/52 301H
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-217262(P2015-217262)
(22)【出願日】2015年11月5日
(62)【分割の表示】特願2013-501763(P2013-501763)の分割
【原出願日】2011年3月24日
(65)【公開番号】特開2016-35931(P2016-35931A)
(43)【公開日】2016年3月17日
【審査請求日】2015年11月5日
(31)【優先権主張番号】102010013446.5
(32)【優先日】2010年3月30日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100138863
【弁理士】
【氏名又は名称】言上 惠一
(74)【代理人】
【識別番号】100132252
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 環
(74)【代理人】
【識別番号】100156085
【弁理士】
【氏名又は名称】新免 勝利
(72)【発明者】
【氏名】リヒャルト・フォレル
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヒム・シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・ジンベル
【審査官】 前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−067350(JP,A)
【文献】 特開平10−172647(JP,A)
【文献】 特開平04−319271(JP,A)
【文献】 実開平01−054275(JP,U)
【文献】 特開2001−319742(JP,A)
【文献】 特開平03−219578(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0197074(US,A1)
【文献】 米国特許第05928011(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/52,13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁における穴を通過して延在している封止された電気的プラグ−ソケット接続のためのプラグコネクタのプラグ要素であって、プラグ要素が、内側チャンバーを含む保護ハウジングを有し、保護ハウジングが、プラグ要素に補完的である適合プラグ要素のための適合プラグ受容部を少なくとも所定位置に形成し、およびプラグ要素が、ロックデバイスを有し、ロックデバイスが、保護ハウジングの外側から作動可能であり、およびロックしていない位置からロックした位置まで移動可能であり、ロックデバイスが、少なくともロックした位置において内側チャンバー内まで延在し、少なくとも所定位置において適合プラグ受容部と重なり、およびプラグコネクタの少なくとも仕上げプラグ接続位置において保護ハウジングに置かれている少なくとも1つの封止要素を有しており、その封止要素を用いることによって、適合プラグ受容部が、プラグコネクタの外側環境に対して封止することができ、少なくとも1つの封止要素が、少なくともロックした位置において、保護ハウジングとロックデバイスとの間で封止されて配置されており、
少なくとも1つのペグ部材が、ロックデバイス上に形成されており、ペグ部材が、少なくともロックした位置において、保護ハウジングの壁におけるツール孔を通過して外部環境へと突出しており、止め具封止要素がペグ部材とツール孔との間に配置されていることを特徴とする、プラグコネクタのプラグ要素。
【請求項2】
保護ハウジングが、内側チャンバーに対する少なくとも1つの開口を含むこと、および少なくともロックした位置において、少なくとも1つの封止要素が、開口の領域内に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のプラグ要素。
【請求項3】
少なくとも1つの封止要素が、少なくともロックした位置において、開口の周囲部分のまわりに位置していることを特徴とする、請求項1または2に記載のプラグ要素。
【請求項4】
少なくともロックした位置において、ロックデバイスの作動部分が、保護ハウジングの外側から接近可能になるように配置されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラグ要素。
【請求項5】
作動部分が、開口を閉じることを特徴とする、請求項4に記載のプラグ要素。
【請求項6】
壁に対してプラグコネクタを封止するためおよび保護ハウジングと壁との間の配置を意図した、少なくとも1つの封止要素と壁封止要素とが、1つの片に形成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラグ要素。
【請求項7】
ロックデバイスが、滑動形態を成しており、該デバイスが、ロックしていない位置とロックした位置との各々に留められていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のプラグ要素。
【請求項8】
少なくとも1つの封止要素が、少なくとも所定位置において、保護ハウジング上に射出成形されて弾性材料から形成されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のプラグ要素。
【請求項9】
少なくとも1つの封止要素が、少なくとも所定位置において、ロックデバイス上に射出成形されて弾性材料から形成されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のプラグ要素。
【請求項10】
封止要素が、少なくとも所定位置において、開口を通過して突出しているロックデバイスの桁を周囲で包んでいることを特徴とする、請求項9に記載のプラグ要素。
【請求項11】
ツール孔がペグ部材と軸合わせされていることを特徴とする、請求項1に記載のプラグ要素。
【請求項12】
壁における穴を通過して延在している電気的プラグ−ソケット接続のためのプラグコネクタであって、該コネクタが、プラグ要素と、適合プラグ要素とを有しており、プラグ要素が、請求項1〜11のいずれか1項に従って配置されていることを特徴とする、プラグコネクタ。
【請求項13】
プラグコネクタが、少なくとも2つの列の接触要素受容部と、最大で13mmの少なくとも2つの列を横切って測定された幅を有する仕上げプラグ接続位置において穴内に配置されているプラグコネクタの貫通部分とを含むことを特徴とする、請求項12に記載のプラグコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁における穴を通過して延在している封止された電気的プラグ−ソケット接続のためのプラグコネクタのプラグ要素に関し、プラグ要素が、内側チャンバーを含む保護ハウジングを有し、保護ハウジングが、プラグ要素に補完的である適合プラグ要素のための適合プラグ受容部を少なくとも所定位置に形成し、およびプラグ要素が、ロック(または施錠、lock)デバイスを有し、ロックデバイスが、保護ハウジングの外側から作動可能であり、およびロックしていない位置からロックした位置まで移動可能であり、ロックデバイスが、少なくともロックした位置において内側チャンバー内まで延在し、少なくとも所定位置において適合プラグ受容部と重なり、およびプラグコネクタの少なくとも仕上げプラグ接続位置において保護ハウジングに置かれている少なくとも1つの封止要素を有しており、その封止要素を用いることによって、適合プラグ受容部が、プラグコネクタの外側環境に対して封止できる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、更に、壁における穴を通過して延在している電気的プラグ−ソケット接続のためのプラグコネクタに関し、該コネクタは、壁の第1面に配置されることを意図したプラグ要素と、壁の第2面に配置されることを意図した適合プラグ要素とを有する。
【0003】
上述したタイプのプラグ要素およびプラグコネクタは既知である。それらは、例えば、自動車においてボディシートの穴を通過して延在しているプラグ−ソケット接続に用いられている。自動車ボディは、例えば、濡れた、乾いたおよび腐食性のある媒体などの有害な環境影響に暴露されるかもしれないので、車体またはそれに関して形成されている壁においてプラグコネクタのため、および外側環境においてプラグコネクタ内の電気的接触要素のための両方に封止が行われている。
【0004】
Connector Positioning Assurance(CPA)としても知られているロックデバイスは、プラグ要素と適合プラグ要素とを一体に保持しおよび/または望ましくない分離に対してそれらを動かないようにすることによって、仕上げプラグ接続位置にプラグコネクタをロックする。更に、ロックデバイスは、プラグ要素と適合プラグ要素とを1つにまとめるのを更に容易にでき、ロックデバイスの作動に対するプラグコネクタ内に導入される力は、それが差し込む力を越えるようになる場合に有益である。
【0005】
上述したタイプのプラグコネクタは、例えば、同じ出願人に属している欧州特許第1 745 528B1号から既知である。このプラグコネクタにおいて、いずれの場合にも適合プラグ要素に留められているロック補助は、プラグ要素における開口を通過しており、いずれの場合にも開口を周囲で包んでいる封止要素は、適用プラグ要素とプラグ要素との間に封止して置かれており、液体が適合プラグ受容部に入ることを防いでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既知のプラグコネクタにおいて、プラグ要素と適合プラグ要素との間の封止要素により占められている空間は、仕上げプラグ接続位置において、穴の中に配置されているプラグコネクタの貫通部分の拡大を不都合的に生じさせている。従って、穴は、封止に適合するのに必要な量において拡げられている。しかしながら、例えば、穴の領域において自動車ボディを弱めることが可能な限りわずかになるように、このような穴を可能な限り小さくすることが望ましい。更なる欠点は、封止要素が保護ハウジングの内側チャンバー内への液体の侵入を防ぐことができないという点にある。従って、液体が、保護ハウジング内に集まる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本発明の目的は、最も小さい可能な外側寸法を有する可能な限り充分に封止されたプラグコネクタを提供することである。
【0008】
上述したプラグ要素に関したこの目的は、少なくともロックした位置における少なくとも1つの封止要素が保護ハウジングとロックデバイスとの間に配置されているという本発明に従って達成される。封止要素は、保護ハウジングとロックデバイスとの間に封止して置かれている。
【0009】
上述したプラグコネクタについての目的は、本発明に従って配置されているプラグ要素により達成される。
【0010】
本発明に係る解決策は、封止要素によって、同じ数の接触要素を保持しながら、従来技術において占められる空間を節約するという利点を有する。従って、全体のプラグコネクタおよび従って穴は、同じ接触補完物を有する従来技術に係るプラグコネクタの場合よりも小さくまたは狭くてよい。保護ハウジングと適合プラグハウジングとの間の代わりに、適合プラグ受容部が、プラグ受容部、適合プラグ受容部または貫通部分に影響を及ぼさずに、ロックデバイスにおける外側環境に対して封止できる。
【0011】
本発明に係る解決策は、更に以下のいずれの場合にもそれ自体好都合な実施形態によって、必要に応じて補足でき、および更に改善できる。
【0012】
例えば、本発明に係るプラグ要素の第1の更なる実施形態によると、内側チャンバーに対して少なくとも1つの開口を含むことは保護ハウジングにおいて可能であり、少なくとも1つの封止要素が、少なくともロックした位置における開口の領域に配置されている。従って、たとえ開口の領域内ですら有害な物質が侵入するのを防ぐことが可能であり、および可能な限り内側チャンバー全体を外側環境に対して封止できる。
【0013】
更なる可能な実施形態によると、少なくとも1つの封止要素は、少なくともロックした位置において、開口の周囲部分のまわりに置かれてよい。この実施形態は、プラグコネクタの仕上げプラグ接続位置内への移動の際にスリップする危険性をもたらさずに開口内に適合した封止要素が内側チャンバー全体の信頼性のある封止を保障できるという利点を有する。
【0014】
少なくともロックした位置において、ロックデバイスの作動部分が保護ハウジングの外側から接近可能になるように配置されている更なる可能な実施形態に従って、本発明に係るプラグ要素の組立ておよび分解を容易にできる。作動部分が開口を閉じるために設置がなされている場合に、ロックデバイスは、二重機能を満たすことができる。
【0015】
本発明に係るプラグ要素の製造は更に容易にでき、壁に対してプラグコネクタを封止するため、およびプラグ要素の保護ハウジングもしくは貫通または差込部分と、壁との間の配置が意図された少なくとも1つの封止要素および壁封止要素を1つの片に形成できる。
【0016】
本発明に係るプラグ要素の取り扱いおよび組立ては更に容易にでき、ロックデバイスが、滑動部として配置されてよく、該ロックデバイスが、組み立てる前の位置においておよびロックした位置において保護ハウジングに留められてよい。
【0017】
本発明に係るプラグ要素の取り扱いおよび組立ては更に容易にでき、少なくとも1つの封止要素が、少なくとも所定位置において、保護ハウジング上に射出成形されて弾性材料から形成されてよい。代替的に、少なくとも1つの封止要素が少なくとも所定位置においてロックデバイス上に射出成形され弾性材料から形成されることは可能である。これらの実施形態は、封止要素が保護ハウジングまたはロックデバイスに閉じ込められて接続できるという利点を有する。
【0018】
封止要素は、少なくとも所定位置において開口を通過して突出しているロックデバイスのスパーを周囲で包んでよい。開口の周囲領域に適合した封止と同様に、この実施形態は、ロックした位置に達する際の保護ハウジングの同時のロックおよび封止を容易にする。
【0019】
本発明に係るプラグ要素の製造は、ロックデバイスに対する少なくとも1つの閉止め具を形成することによって容易にでき、閉止め具が、少なくともロックした位置において、保護ハウジングの壁におけるツール孔(または、くぼみ、recess)を通過して突出しており、止め具封止要素が閉止め具とツール孔との間に配置されている。ツール孔を用いることにより、プラグ要素を形成するツールは作動でき、または製造工程の完了後に取り出すことができる。ロックデバイスは、ロックすることおよび開口をできる限り包囲すること以外に追加的な機能を満たすことができ、それは、保護ハウジングの壁を通過するツール孔を封止する役割を果たす。この追加的な機能は、とりわけ簡単に達成でき、ツール孔は、例えば、作動方向において開口と軸合わせされている。これに関する設置が、ペグ(または栓、peg)として配置される閉止め具のためになされてよく、その周囲に、少なくとも1つの止め具封止要素が射出成形される。
【0020】
上述したプラグコネクタについて本発明に係る解決策は更に改善でき、プラグコネクタは、少なくとも2つの列の接触受容部を含んでよく、仕上げプラグ接続位置において穴内に配置されているプラグコネクタの貫通部分が最大で13mmの少なくとも2つの列を横切って測定される幅を有しよてい。従って、貫通部分に適合する穴または穴幅は可能な限り狭くされてよい。
【0021】
本発明は、複数の実施形態を用いておよび添付図面を参照して例により以下に更に詳細に説明される。実施形態は、単に可能な配置を表すのみであり、上述したような個々の特徴は、独立して手動で配置されおよび排除されてよい。実施形態の記載において、同じ特徴および要素は、簡単さのために同じ参照符号により提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、プラグ接続される前の壁部分における穴の両面において、互いに向かい合って配置されているプラグと適合プラグ要素とを有する本発明に係るプラグコネクタの概略的な斜視図である。
図2図2は、組み立て前における本発明に係るプラグ要素の概略的な斜視図である。
図3a図3aは、本発明に係るプラグ要素の前面図を示す。
図3b図3bは、図3に示されるプラグ要素の下からの図面を示す。
図3c図3cは、図3に示されるプラグ要素の側面図を示す。
図3d図3dは、図3に示されるプラグ要素の上面図を示す。
図4図4は、組み立てられた状態における本発明に係るプラグ要素の概略的な斜視図を示す。
図5図5は、概略的な斜視図における本発明に係る適合プラグ要素の概略的な斜視図である。
図6図6は、準プラグ接続位置における本発明に係るプラグコネクタの概略的な斜視図を示しており、前記プラグコネクタが、図3dに示されるセクション線Aに沿って切断開放されている。
図7図7は、仕上げプラグ接続位置における本発明に係るプラグコネクタの概略的な斜視図を示しており、前記プラグコネクタが、図3dに示されるセクション線Aに沿って切断開放されている。
図8図8は、仕上げプラグ接続位置における本発明に係るプラグコネクタの概略的な斜視図を示しており、前記プラグコネクタが、図3dに示されるセクション線Bに沿って切断開放されている。
図9a図9aは、本発明に係るプラグコネクタの経路のためにそこに形成されている壁および穴の上面図に示す。
図9b図9bは、図9aに示されるセクション線C−C沿った図aに示される壁の断面図を示す。
図9c図9cは、図9aに示される壁の下から見た図を示す。
図10図10は、組み立てる前における本発明に係るプラグ要素の保護ハウジングおよびロックデバイスの更なる実施形態の概略的な斜視図を示す。
図11図11は、仕上げプラグ接続位置における図10に示される保護ハウジングおよびロックデバイスの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
まず、本発明に係るプラグコネクタ1が、図1を参照して記載される。プラグコネクタ1は、プラグ要素2と適合プラグ要素3とを含む。プラグ要素2と適合プラグ要素3は、壁5における穴4の両面において互いに向かい合って配置されており、プラグ要素2は、壁の第1壁6の上に位置し、および適合プラグ要素3は、壁の第2壁7の上に位置している。
【0024】
壁5は、プラグコネクタ1の垂直方向Zにおいて互いに間隔があけられている3つの壁要素5a〜cから形成されている。壁要素5a〜cは、例えば、動力車体のシートであり得る。
【0025】
図1に示される図において、プラグ要素2および適合プラグ要素3は、接続する前において位置Vにあり、それらは、プラグ要素2の差込方向Sに、または穴4を通過する適合プラグ要素3の適合差込方向Gに接続されるように準備される。このために、プラグ要素2は、差込部分8を有しており、該部分8は、プラグ形態を成し、および差込方向Sにおいてプラグ要素2から突出している。
【0026】
更に、プラグ要素2は、保護ハウジング9を含む。保護ハウジング9は、プラグコネクタ1の縦方向Xに、および差込方向Sおよび垂直方向Zに対して垂直に延在している開口10を有する。ロックデバイス11は、開口10内に突出している。2つのスパータイプのロック部材12が、保護ハウジング9の外側から開口10を通過して保護ハウジング9の内側(ここではまだ図示せず)まで延在している。各々のロック部材12は、ギヤーゲートタイプのガイドの形態をしたロック要素13を含んでおり、該ロック要素13は、別個のロック部材における開口として準備されている。ロックデバイス11の作動部分14は、周囲ショルダー15、カラー16および作動表面17を含む。
【0027】
図1に示される実施形態において、開口10を通過するロックした位置R(ここではまだ図示せず)に関する限り、ロックデバイス11が保護ハウジング9内に導入される場合に、封止18は、開口10の周囲領域内に置かれ、ロックデバイス11に対して保護ハウジング9を封止することが意図され、および封止18は、周囲ショルダー15を封止して包囲しおよびカラー16に対して封止して置かれる。
【0028】
壁封止要素19は、差込方向Sを向いている保護ハウジング9の下側縁を囲んでおり、壁5の第1面6に対して仕上げプラグ接続位置E(ここではまだ図示せず)において保護ハウジング9を封止する。加えて、ケーブル管20は、保護ハウジング9に形成されており、そこを通過して、導電体またはケーブルまたはケーブルルーム(cable loom)が保護ハウジング9内に導入されてよい。
【0029】
適合プラグ要素3は、プラグ受容部21を有しており、該プラグ受容部21は、仕上げプラグ接続位置Eにおいてプラグ要素2の差込部分8を受容するように設計されている。プラグカラー22は、プラグ受容部21を囲んでいる。プラグカラー22の外側面上において、ロック補助23が、プラグコネクタ1の横方向Yにプラグカラー22から離れるように延在しているカム形態で準備される。ロック補助23は、ロックデバイス11の別個のロック要素13と相互作用するように設計されている。穴4を通ってロック補助23を通過するように、穴4にロック補助孔24が形成されており、該孔24は、横方向Yに、幅に関して穴4を拡げる。
【0030】
垂直方向Zにおいて、または適合差込方向Gとは反対において、貫通部分25が、ロック補助23より下に配置されており、および少なくとも仕上げプラグ接続位置Eにおいて、適合差込方向Gに延在している穴4の深さ、または壁の第1面6と第2面7との間の距離を埋めるように設計されている。
【0031】
適合プラグ要素3の壁止め具26が、適合差込方向とは反対に貫通部分25より下に配置され、および適合差込方向Gを向いている。仕上げプラグ接続位置Eにおいて、壁止め具26は、壁5の第2面7の方向を向いて、壁要素5aのベアリング表面(図示せず)に置かれ、適合差込方向Gに、壁5に対して適合プラグ要素を支持するように設計されている。
【0032】
適合プラグ要素3の壁キャッチ27が、適合差込方向Gとは反対において壁止め具26より下に配置されている。壁キャッチ27は、壁ラッチング先端部29と壁ラッチングクリップ30とを有する壁キャッチ突起28を含む。壁キャッチ突起28上で弾性的に移動可能な壁ラッチング先端部29が、適合差込方向Gに穴4を通過する適合プラグ要素3の移動に対して壁要素5bを後ろで留めるように、壁キャッチ27が設計されている。従って、壁ラッチングクリップ30は、壁5の第2面7を向いている壁要素5bの面に接して置かれており、従って、壁キャッチ27は、早ければ準プラグ接続位置Hにおいて、壁要素5bに適合プラグ要素3をロックする。壁ラッチングクリップ30は、追加的に、壁キャッチ突起28の過度の歪みまたは曲げを防ぎ、壁ラッチングクリップ30は、壁キャッチ突起28のための止め具を形成している。
【0033】
図2は、組み立てる前の状態0におけるプラグ要素2を示す。ここで、プラグ要素2の接触ハウジング31は、保護ハウジング9内にまだ挿入されていない。差込部分8が接触ハウジング31上に形成されている。接触ハウジング31は、接触ハウジング31から離れるように横方向Yに延在している突起形態をして取付要素32を有しており、突起は、保護ハウジング9内に接触ハウジング31を拘束するように設計されている。
【0034】
接触モジュール33は、電気的ソケット接触を収容するためにソケット接触受容部の形態をして、接触受容部35の2つの隣接して配置されている列34を有し、前記列は、縦方向Xに延在し、および横方向Yに互いに隣接して配置されている。接触受容部35当たりの1つの接触ラッチング補助36が、孔の形態をして接触モジュール33の外側から別個の接触受容部35内まで延在しており、および本明細書で示されていない接触要素のキャッチバネを接触モジュール33に留める役割を果たす。縦方向Xに延在しているチェック溝37が、差込方向Sを横切って接触受容部35を切断しており、および接触ハウジング31内への接触モジュール33の挿入に対して、接触ハウジング31に形成されているチェックプロファイル(図示せず)を受容する役割を果たし、一方で、接触受容部における接触要素の正確な設置を保障し、および他方で、別個の接触受容部35に接触要素をロックする。チェックピン38は、縦方向Xに接触モジュール33から離れるように延在しており、および接触ハウジング31内への接触モジュール33の挿入に対して、接触ハウジング31に配置されている接触要素(図示せず)の正確な設置をチェック(または検査、check)する役割を果たす。接触モジュール33が、接触ハウジング31内に充分に挿入されるとすぐに、チェックピン38の面方向Xを向いている末端が、接触ハウジング31におけるチェックピン受容部39内に突出する。
【0035】
図3a〜dは、組み立てた状態Mにおけるプラグ要素2を示し、接触モジュール33は、接触ハウジング31内に挿入され、および接触ハウジング31は、保護ハウジング9内に挿入されている。図3によると、壁封止19なしでは、保護ハウジング9は、横方向Yに測定される、例えば、27.2mmであってよい幅bを有する。
【0036】
図3bは、差込部分8が、ピン接触の形態をした、適合プラグ要素3に収容されている電気的な適合接触要素(図示せず)の導入のために複数の接触開口39を含むことを示す。接触開口39は、差込方向Sを向いている。接触ハウジング31の取付要素32を収容するように、または差込ベース41を通過する取付要素32を案内するように、および適合差込方向にそれらをその後ろで拘束するように、同様に差込方向Sに向いている保護ハウジング9の差込ベース41における取付要素孔40が設計されている。プラグ要素2の差込面42は、差込部分8および差込ベース41を含んでおり、ならびに保護ハウジング9の壁43によって囲まれており、保護ハウジング9の適合プラグ受容部45に対して、差込方向Sを向いている差込開口44を形成している。本明細書において、取付要素孔40は、キャッチ補助23の内側チャンバー46内への挿入のために機能するまたは横方向Yに適合プラグ受容部45を拡大させるように機能するので、取付要素孔40は、適合プラグ受容部45の部分を構成する。
【0037】
図3cは、壁封止要素19を含む保護ハウジング9が、縦方向Xに測定される、例えば、60.8mmであってよい長さl、および垂直方向Zに測定される、例えば、32.6mmであってよい高さhを有することをはっきりさせている。
【0038】
図4は、組み立てた状態Mにおけるプラグ要素2の斜視図であり、保護ハウジング9の内側チャンバー46内にケーブル管20を通過した図を与える。内側チャンバー46内に配置された接触ハウジング31があり、その差込部分は、差込方向Sにおいてプラグ要素2から差込開口44の外に突出している。
【0039】
図5は、概略的な斜視図における適合プラグ要素3を示す。プラグ要素2と同様に、適合プラグ要素3は、接触ハウジング31を含み、および接触ラッチング補助36’ とチェック溝37’とを有する複数の接触受容部35’を含む。
【0040】
図6は、準プラグ接続位置Hにおけるプラグコネクタ1を示しており、プラグ受容部21を差込開口44内に挿入し、ならびにいずれの場合にもロック要素13に対して入口47と軸合わせして、差込方向Sおよび適合差込方向Gに平行に、適合プラグ要素のロック補助23を取付要素孔40内に配置するように、プラグ要素2と適合プラグ要素3が組み立てられている。適合プラグ要素3は、内側チャンバー46のプラグ要素形成部分の適合プラグ受容部48内まで突出しており、その受容部は、適合差込方向Gにおいて、保護ハウジング9の壁43と、差込部分8との間の差込開口44の後ろに形成されている。適合プラグ要素3のプラグ受容部21における適合差込ベース49は、差込部分8に向かい合って配置されている。ロックデバイスは、いずれの場合にも適合プラグ受容部48および内側チャンバー46の形成部分に向かって開いているロック部材受容部50内まで、開口10を通過してそのロック部材13とともに突出している。ロック部材受容部50の各々において、縦方向Xに延在しているロックガイド51が、形成されている。
【0041】
ロック部材キャッチ52は、ラッチング突起53を含んでおり、ラッチング突起53は、垂直方向Zに弾性的に移動可能であり、および保持要素54とラッチング先端部55とを含んでおり、ラッチング先端部55は、ロック部材受容部50内にカムの形態をしたキャッチ補助56と相互作用する。図6に示されるロックデバイス11のロックしていない位置Tにおいて、保持要素54は、ロックデバイス11の作動方向Bとは反対に、ラッチング補助56に置かれ、縦方向Xと平行に延在しており、および従って、ロックデバイス11が、作動方向Bとは反対に、ロック部材受容部50から引き出されるのを防ぐ。従って、ロックデバイス11は、保護ハウジング9内に閉じ込められて収容される。同時に、ラッチング先端部55は、キャッチ補助56の後ろにおいて、作動方向Bとは反対に、保持要素54に対してキャッチ補助56の向かい合った面と係合しており、ロックデバイス11は、ロックしていない位置Tにおいて拘束され、および所定量の力により作動方向Bのみに動くことができ、該所定量の力は、ラッチング先端部55がキャッチ補助56の上を作動方向Bに滑るようにラッチング突起53のバネ力を超える必要がある。図6は、図1を参照して記載されるように、適合プラグ要素3が、その壁キャッチ27により壁5の上で留められていることを付加的に明らかにしている。
【0042】
図7は、図6と同じ斜視図からプラグコネクタ1を示す。図6の図面とは違って、図7においてプラグコネクタ1は、仕上げプラグ接続位置E内にある。仕上げプラグ接続位置Eにおいて、ロックデバイス11は、ロックしていない位置Tから、ロックした位置R内まで動く。ラッチング突起53は、保持要素54によって解放される。ロック補助23が、差込方向Sにまたは適合差込方向Gに平行の移動、および縦方向Xまたは作動方向Bとは反対の移動に対して、ロック要素13の止め領域57に固定されるように、ロック補助23は、適合差込方向Gに、ロック要素13に沿って移動する。取付要素32が、作動方向Bとは反対の移動に対してロックデバイス11を固定するように、プラグ要素2の接触ハウジング31における取付要素32は、ラッチング手段として作動するロック要素13の入口47に設置されている。
【0043】
図7に示される仕上げプラグ接続位置において、壁封止要素19は、壁の第1面6に置かれており、および壁5とプラグ要素2との間の封止をもたらす。ロック部材12におけるロック止め具58は、プラグ要素2におけるロック補助56に対して、作動方向Bに置かれている。ロックデバイス11の作動部分14は、開口10に位置しており、封止要素18が置かれている開口の内側周囲に対して、カラー59は、ロックデバイス11のカラー16を包囲している。従って、封止要素18は、開口カラー59とカラー56との間に封止して圧縮されており、および作動部分14は、開口10を閉じ、それは、保護ハウジング9の外側壁の部分を形成している。
【0044】
図8は、仕上げプラグ接続位置Eにおいてプラグコネクタ1を示す。それは、どのようにして差込部分8がプラグ受容部21内まで突出するかを明らかにし、差込部分8が適合差込ベース49に置かれている。それは、接触ハウジング31のチェック要素60が、チェック溝37を通過して接触受容部35内まで突出することを付加的に明らかにする。
【0045】
図9aは、平面図において壁5を示す。壁要素5aにおいて、ロック補助孔24なしでは、穴4は、幅bを有し、例えば、13mmであってよい。ロック補助孔24を有すると、壁要素5aにおける穴4は、幅bを有し、例えば、20mmであってよい。壁要素5aにおける穴4の長さlは、例えば、49mmであってよい。
【0046】
図9bは、壁要素5bと壁要素5cの間の垂直方向Zにおいて測定される距離dが、壁要素5と壁要素5bの間で垂直方向Zにおいて測定される距離dよりも小さいことを示し、距離dは、例えば、3mmであり、距離dは、例えば、9mmであってよい。
【0047】
図9cは、下から見た壁5を示す。この図から、壁要素5bおよび5cにおける穴の横方向において測定される幅が、幅bと等しくてよいことは明らかである。壁要素5aにおける穴4の縦方向Xにおいて測定される長さIは、例えば、53mmであってよい。壁要素5cにおける穴4の長さIは、例えば、57mmであってよい。
【0048】
図10は、本発明に係るプラグ要素2’の代替的な実施形態を示す。ロックデバイス11’の代替的な実施形態は、封止要素18’の代替的な実施形態とともに示され、スパーとして配置されているロック部材12に適合する。
【0049】
ロックデバイス11’の上に、閉止め具61が、別個のロック部材12から離れるように作動方向Bに延在しているペグの形態をして形成されており、ペグは、止め具封止要素62によって周囲で配置されている。作動方向Bにおいて、閉止め具は、それぞれ、保護ハウジング9’の壁8におけるツール孔63と軸合わせされている。
【0050】
図11は、ロックした位置Rにおけるロックデバイス11’を有するプラグ要素2’を示す。 封止要素18’は、保護ハウジング9’の開口10内に置かれており、より明確にするために、部分的に切断されている。封止要素18’は、封止溝64に位置しており、開口10の内側周囲上に形成されている。閉止め具61は、ツール孔63内に置かれ、およびそれを閉じ、止め具封止要素62は、ツール孔63と閉止め具61との間の封止をもたらす。より明確にするために、ツール開口63は、部分的に切断されている。
【0051】
上述した実施形態の修正は、本発明の概念の範囲内で可能になる。例えば、プラグコネクタ1、プラグ要素2、2’、適合プラグ要素3および穴4の輪郭は、特定の要件に合わせることができる。壁5は、特定の要件に対応して任意の所望の数の壁要素5a〜cから形成されてよい。差込部分8、壁封止要素19、プラグ受容部21、プラグカラー22、壁止め具26、壁キャッチ27および貫通部分25は、特定の要件に従って互いに適合できる。
【0052】
絶対必要というわけでないが、ロックデバイス11、11’が滑動形態を成すことは好都合である。しかしながら、これは、ロックデバイス11、11’の補助を伴って穴10の包囲を容易にし、その周囲ショルダー15が単に穴内に押し込まれてよく、封止要素18がそのまわりに封止して係合するが、カラー16は、封止要素18に追加的に置かれてよく、およびそれを機械的干渉から保護する。
【0053】
取付要素32が、本願と同じように突起としてそれらを配置することは好都合であるけれども、取付要素32は、特定の要件に従って配置されてよく、単に差込方向Sとは反対に、保護ハウジング9内に挿入されてよく、および従って作動方向Bまたは縦方向Xに、接触ハウジング31の変位による差込方向Sへの動作に対して固定できる。接触モジュール31は、特定の要件に対応して、所定数の接触受容部34を伴って設置されてよく、および必要に応じて接触モジュール32と適合できる。接触受容部34、34’は、必要に応じてソケットまたはピン接触に入れられてよく、接触受容部34、34’、接触ラッチング補助36、36’およびチェック溝37とともに、特定の要件に従って配置される。
【0054】
取付要素孔40は、取付要素32の特定の配置に適合できる。取付要素孔40がロックした位置Rにおいてロックデバイス11、11’を留めるための二重機能を満たすことはとりわけ好都合である。
【0055】
更に、差込ベース41、差込面42、保護ハウジング43壁、差込開口44および適合プラグ受容部45は、特定の要件に従って形成できる。内側チャンバー46は、特定の要件に従って、適合プラグ受容部48およびロック部材受容部50に再分割されてよい。 しかしながら、このような再分割は、絶対必要ではない。そうする限り、プラグコネクタをロックするのに、適合プラグ受容部45は、ロック部材受容部50と相互作用すべきであり、またはロックデバイス11、11’およびロック補助23が、差込方向Sまたは適合差込方向Gに、突出において互いに重なるおよび係合できるように、それらは、結合されるべきである。
【0056】
ロック部材受容部50およびロックガイド51は、特定の要件に従って配置されてよく、作動方向Bおよび差込方向Sにより規定される平面において、ロックデバイス11、11’の作動に対していくら遅くともロックした位置Rに達したときに、それらが、プラグ要素2、2’と適合プラグ要素3とを結び付けて仕上げプラグ接続位置Eにする。従って、ロックした位置Rが好都合的に達する同時に、仕上げプラグ接続位置Eが達成される。
【0057】
絶対必要というわけではないが、ロックデバイス11、11’が、ロックしていない位置Tに留められ、および保護ハウジング9、9’内に閉じ込められて保持されるように、ロック部材キャッチ52、キャッチ補助56、止め領域57およびロック止め具58を形成することは追加的に好都合である。
【0058】
最後に、絶対必要というわけではないが、ロックデバイス11、11’を用いて可能なツール孔63を閉じることは好都合である。とはいえ、これは、プラグコネクタ1の取り扱いを容易にし、およびロックした位置Rに達するとプラグコネクタにおける開口または孔全てが封止状態で閉じ込められることを保障する。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図9c
図10
図11