(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6099744
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】ウェハを持続的に結合する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20170313BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20170313BHJP
【FI】
H01L21/02 B
H05H1/46 L
H05H1/46 M
【請求項の数】14
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-523424(P2015-523424)
(86)(22)【出願日】2012年7月24日
(65)【公表番号】特表2015-530734(P2015-530734A)
(43)【公表日】2015年10月15日
(86)【国際出願番号】EP2012064545
(87)【国際公開番号】WO2014015899
(87)【国際公開日】20140130
【審査請求日】2015年4月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】508333169
【氏名又は名称】エーファウ・グループ・エー・タルナー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】トーマス プラッハ
(72)【発明者】
【氏名】クアト ヒンゲアル
(72)【発明者】
【氏名】マークス ヴィンプリンガー
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ フレートゲン
【審査官】
井上 弘亘
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−500761(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0038900(US,A1)
【文献】
特開平06−077101(JP,A)
【文献】
特開平05−166690(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/090701(WO,A1)
【文献】
国際公開第2012/026335(WO,A1)
【文献】
特開2005−045231(JP,A)
【文献】
特開平08−064540(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板の第1の接触面を、少なくとも1つの反応層を有する第2の基板の第2の接触面と結合する方法において、次の手順:
− 前記基板を、プラズマチャンバ又はプラズマチャンバに引き続く基板チャンバ中に収容し、前記プラズマチャンバは、少なくとも2つの異なる周波数(f21,f22)で作動可能な、プラズマを発生するための発生器を有する工程、
− 前記第1の接触面を前記プラズマチャンバ中で発生させたプラズマに曝すことにより、前記第1の接触面のリザーバー形成層中にリザーバーを形成させる工程、
− 前記リザーバーを、第1の出発材料又は出発材料の第1の群で少なくとも部分的に満たす工程、
− 予備結合を形成させるために、前記第1の接触面を前記第2の接触面と接触させる工程、
− 前記第1の接触面と前記第2の接触面との間に持続的な結合を形成させ、前記第1の出発材料を、前記第2の基板の前記反応層中に含まれる第2の出発材料と反応させることにより少なくとも部分的に強化する工程
を有する、方法。
【請求項2】
前記異なる周波数(f21,f22)の第1の周波数(f21)は、1Hz〜20MHzであり、及び/又は前記プラズマチャンバが第1及び第2の電極を有し且つ前記第1の電極は、第1の周波数領域の1Hz〜20MHzに調節可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記異なる周波数(f21,f22)の第2の周波数(f22)は、1Hz〜20MHzであり、及び/又は前記プラズマチャンバが第1及び第2の電極を有し且つ前記第2の電極は、第2の周波数領域の1Hz〜20MHzに調節可能である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の電極及び/又は前記第2の電極の電圧振幅は、1V〜1000Vである、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
第1の基板の第1の接触面を、少なくとも1つの反応層を有する第2の基板の第2の接触面と結合する方法において、次の手順:
− 前記基板を誘導結合プラズマチャンバ内に収容する工程、
− コイルの誘導結合を用いて発生させたプラズマに、前記第1の接触面を曝すことにより、前記第1の接触面のリザーバー形成層中にリザーバーを形成させ、その際、プラズマを発生するための第1の発生器に、プラズマ発生の間に、プラズマを発生するための第2の発生器の第2の周波数(f22)とは異なる第1の周波数(f21)を適用する工程、
− 前記リザーバーを、第1の出発材料又は出発材料の第1の群で少なくとも部分的に満たす工程、
− 予備結合を形成させるために、前記第1の接触面を前記第2の接触面と接触させる工程、
− 前記第1の接触面と前記第2の接触面との間に持続的な結合を形成させ、前記第1の出発材料を、前記第2の基板の前記反応層中に含まれる第2の出発材料と反応させることにより少なくとも部分的に強化する工程
を有する、方法。
【請求項6】
前記プラズマを発生するための第1の発生器の前記第1の周波数(f21)が、0.001kHz〜100000kHzであり、及び/又は前記プラズマを発生するための第2の発生器が、0.001kHz〜100000kHzの間の周波数領域に調節可能である、請求項1又は5に記載の方法。
【請求項7】
第1の基板の第1の接触面を、少なくとも1つの反応層を有する第2の基板の第2の接触面と結合する装置において、次の特徴:
− 結合チャンバ、
− 第1の電極及び対向して配置された第2の電極、
− 前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記基板を収容するための収容手段、
− 前記第1及び第2の電極の容量結合によって発生されたプラズマに前記第1の接触面を曝すことにより、前記第1の接触面のリザーバー形成層中にリザーバーを形成するためのリザーバー形成手段、その際、前記第1の電極には、プラズマ発生の間に、前記第2の電極の第2の周波数(f22)とは異なる第1の周波数(f21)が適用可能であり、
− 予備結合を形成するために、前記第1の接触面を前記第2の接触面と接触するための手段
を有する、装置。
【請求項8】
前記第1の周波数(f21)及び/又は前記第2の周波数(f22)が調節可能である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
第1の基板の第1の接触面を、少なくとも1つの反応層を有する第2の基板の第2の接触面と結合する装置において、次の特徴:
− 結合チャンバ、
− コイル、
− 前記コイルの内部に前記第1及び第2の基板を収容する収容手段、
− 前記コイルの誘導結合を用いて発生させたプラズマに前記第1の接触面を曝すことにより、前記第1の接触面のリザーバー形成層中にリザーバーを形成するためのリザーバー形成手段、その際、プラズマを発生するための第1の発生器には、プラズマ発生の間に、プラズマを発生するための第2の発生器の第2の周波数(f22)とは異なる第1の周波数(f21)が適用可能であり、
− 予備結合を形成するために、前記第1の接触面を前記第2の接触面と接触するための手段
を有する、装置。
【請求項10】
前記第1の周波数(f21)及び/又は前記第2の周波数(f22)が調節可能である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記方法を結合チャンバ中で実施し、前記結合チャンバは少なくとも前記リザーバーの形成の際に、0.1〜0.9mbarのチャンバ圧力を印加する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記結合チャンバ中で、少なくとも前記リザーバーの形成の際に、O2ガス及び/又はN2ガス及び/又はArガスが優位を占めている、請求項1から6までのいずれか1項又は請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第1の基板の第1の接触面を、少なくとも1つの反応層を有する第2の基板の第2の接触面と結合する装置において、次の特徴:
− プラズマを発生するためのプラズマチャンバ、前記プラズマチャンバは少なくとも2つの異なる周波数(f21,f22)で作動可能なプラズマを発生するための発生器を有し、
− 前記プラズマチャンバに引き続く結合チャンバ、
− 前記第1の接触面を、前記プラズマチャンバ中で発生させたプラズマに曝すことにより、前記第1の接触面のリザーバー形成層中にリザーバーを形成するためのリザーバー形成手段、
− 予備結合を形成するために、前記第1の接触面を前記第2の接触面と接触するための手段
を有する、装置。
【請求項14】
前記プラズマチャンバと、前記結合チャンバとの間に閉鎖可能な開口が配置されている、請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の第1の基板の第1の接触面を、第2の基板の第2の接触面と結合する方法、並びに請求項7に記載の装置に関する。
【0002】
基板を持続的に又は不可逆に結合する場合の目的は、基板の両方の接触面の間に、できる限り強固でかつ特に最終的な結合を生じさせる、つまり高い結合力を生じさせることである。このために、先行技術においては多様な試み及び製造方法が存在する。
【0003】
公知の製造方法及び今までに行われていた試みは、頻繁に再現性がないか又は再現性が悪く、かつ特に条件を変えて転用可能でない成果が得られる。特に、現在使用されている製造方法は、再現可能な成果を保証するためには、頻繁に高い温度、特に>400℃が利用される。
【0004】
高いエネルギー消費及び基板上に存在する構造の場合による破壊のような技術的問題は、今までに高い結合力のために必要とされる、部分的に300℃をはるかにこえる高い温度により生じる。
【0005】
他の要件は次のものである:
− フロント−エンド−オブ−ライン−適合性。
これは、電気能動素子の製造の間のプロセスへの適合性であると解釈される。この結合プロセスは、構造ウェハ上に既に存在しているトランジスタのような能動素子を、このプロセスの間に損なわず、かつ損傷しないように計画しなければならない。適合性の基準には、特に所定の化学元素に関する純度(特にCMOS構造の場合)、機械的荷重、特に熱応力による機械的荷重が挙げられる。
− 低い汚染。
− 力の導入をしない。
− できる限り低い温度、特に異なる熱膨張率を有する材料の場合。
【0006】
この結合力の低下は、構造ウェハの温和な処理をもたらし、ひいては直接的な機械的荷重による故障の確率を低減する。
【0007】
従って、本発明の課題は、できる限り高い結合力を有する持続的な結合と、同時にできる限り低い温度で温和に製造する方法及び装置を提供することである。
【0008】
上記課題は、請求項1の特徴によって解決される。本発明の好ましい実施態様は、従属請求項に記載されている。明細書、特許請求の範囲及び/又は図面に記載された特徴の少なくとも2つの全体的な組み合わせも本発明の範囲内に入る。記載された値の範囲は、限界値としての記載された限界にある値内にも当てはまり、かつ任意の組み合わせも利用することができる。
【0009】
本発明の基本思想は、容量結合プラズマ又は誘導結合プラズマを用いて、又はリモートプラズマ装置からプラズマを作製し、このプラズマを用いて、第1の出発材料を収容するためのリザーバーを一方の基板中に作製し、基板同士を接触させた後又は基板の間に一時的な結合を製造した後に、第1の出発材料を他方の基板中に存在する第2の出発物質と反応させ、それにより基板の間に不可逆な又は持続的な結合を構成させることにある。第1の接触面のリザーバー形成層中にリザーバーを作製する前後に大抵は、特に洗浄工程により、一方の基板又は両方の基板の清浄化を行う。この清浄化は、大抵は、結合されない箇所が生じることになりかねないパーティクルが表面上に存在しないことを保証する。このリザーバー及びリザーバー中に含まれる出発材料により、一時的な又は可逆的な結合の製造後の接触面に直接、適切にこの持続的結合を強化しかつ結合速度を高める反応(第1の出発材料又は第1の群と第2の出発材料又は第2の群との反応)を、特にこの反応による接触面の少なくとも一方、好ましくはリザーバーに対向する接触面の変形により誘導させる技術的方法が生じる。この対向する第2の接触面に、本発明により成長層が設けられていて、この成長層内で本発明による変形が行われるか又は第1の出発材料(又は第1の群)を、第2の基板の反応層中に存在する第2の出発材料(又は第2の群)と反応させる。第1の出発材料(又は第1の群)と第2の出発材料(又は第2の群)との間の反応を促進するために、本発明の場合に、好ましい実施態様では、第2の基板の反応層とリザーバーとの間にある成長層を、基板との接触の前に薄膜化する、というのも、それにより反応体間の距離は調節可能に短縮され、かつ同時に本発明による成長層の変形及び形成が促されるためである。この成長層は、薄膜化により、少なくとも部分的に、特に大部分、好ましくは完全に除去される。この成長層は、完全に取り除いたとしても、第1の出発材料と第2の出発材料との反応の際に再び成長する。この成長層の薄膜化は、本発明の場合に、特にエッチング、特にドライエッチング、ポリシング、スパッタリング又は酸化物還元によって行うことができる。好ましくは、これらの方法、特にスパッタリングと酸化物還元を組み合わせることも考えられる。
【0010】
本発明の場合に、接触面の接触の前に、特に第2の基板の反応層をパッシベーションすることによる、好ましくはN
2、フォーミングガス又は不活性雰囲気を導入するか又は真空の適用又は非晶質化による、成長層の成長を抑制する手段を予定することができる。この関連で、フォーミングガスを有する、特にほぼフォーミングガスからなるプラズマを用いた処理が、特に適していることが判明した。フォーミングガスとして、ここでは、水素を少なくとも2%、好ましくは4%、理想的には10%又は15%含有するガスであると解釈される。この混合物の残りの割合は、不活性ガス、例えば窒素又はアルゴンからなる。
【0011】
フォーミングガスを使用する場合に、特に、スパッタリング及び酸化物還元に基づくプロセスによる酸化物層を薄膜化することができる。
【0012】
この措置とは別に又はこの措置に加えて更に、本発明の場合には、薄膜化と接触との間の時間を最小化する、特に<2時間、好ましくは<30分、更に好ましくは<15分、理想的には<5分に最小化することが好ましい。それにより、薄膜化後に行われる酸化物成長は最小化される。
【0013】
この薄膜化され、それにより、少なくとも持続的結合の形成の開始時又は反応の開始時には極めて薄い成長層によって、この成長層を通した出発材料の拡散速度は高められる。これにより、同じ温度で、出発物質の短い輸送時間が生じる。
【0014】
基板間での一時的又は可逆的結合を作製するための予備結合工程について、基板の接触面の間に弱い相互作用を生じさせる目的で、多様な方法が予定されている。予備結合の強度は、この場合、持続的結合の強度の、少なくとも2〜3分の1、特に5分の1、好ましくは15分の1、更に好ましくは25分の1である。基準値として、純粋な、活性化されていない、親水化されたケイ素の、約100mJ/m
2の予備結合の強度、及び純粋な、プラズマ活性化された、親水化されたケイ素の、約200〜300mJ/m
2の予備結合の強度が言及される。分子で濡れた基板間の予備結合は、主に、異なるウェハ側の分子の間のファン・デル・ワールス相互作用により実現されている。従って、特に不変の双極モーメントを有する分子が、ウェハ間の予備結合を可能にするために適している。結合剤として、次の化合物を例示的に挙げるが、これらに限定されるものではない:
水
チオール、
AP3000,
シラン及び/又は
シラノール
【0015】
本発明による基板として、基板の材料が、出発材料として、他の供給された出発材料と反応してより高いモル体積を有する生成物になり、それによりこの基板上に成長層の形成が生じさせることができるような基板が適している。次の組合せが特に好ましく、その際、それぞれ矢印の左側には出発材料が、矢印の右側には生成物/生成物群が挙げられているが、この出発材料と反応する供給された出発材料又は副生成物は詳細には挙げられていない:
Si → SiO
2、Si
3N
4、SiN
xO
y
Ge → GeO
2、Ge
3N
4
α−Sn → SnO
2
B → B
2O
3、BN
Se → SeO
2
Te → TeO
2、TeO
3
Mg → MgO、Mg
3N
2
Al → Al
2O
3、AlN
Ti → TiO
2、TiN
V → V
2O
5
Mn → MnO、MnO
2、Mn
2O
3、Mn
2O
7、Mn
3O
4
Fe → FeO、Fe
2O
3、Fe
3O
4
Co → CoO、Co
3O
4
Ni → NiO、Ni
2O
3
Cu → CuO、Cu
2O、Cu
3N
Zn → ZnO
Cr → CrN、Cr
23C
6、Cr
3C、Cr
7C
3、Cr
3C
2
Mo → Mo
3C
2
Ti → TiC
Nb → Nb
4C
3
Ta → Ta
4C
3
Zr → ZrC
Hf → HfC
V → V
4C
3、VC
W → W
2C、WC
Fe → Fe
3C、Fe
7C
3、Fe
2C
【0016】
基板として、更に、次の半導体の混合形が考えられる:
III−V: GaP、GaAS、InP、InSb、InAs、GaSb、GaN、AlN、InN、Al
xGa
1-xAs、In
xGa
1-xN
IV−IV: SiC、SiGe
III−VI: InAlP
非線形光学:LiNbO
3、LiTaO
3、KDP(KH
2PO
4)
ソーラーセル: CdS、CdSe、CdTe、CuInSe
2、CuInGaSe
2、CuInS
2、CuInGaS
2
導電性酸化物: In
2-xSn
xO
3-y
【0017】
本発明の場合に、一方のリザーバー(又は両方のリザーバー)は、ウェハの少なくとも一方、詳細にいうと、それぞれの接触面に直接設けられていて、このリザーバー内に、体積増加反応のために供給された少なくとも1の出発材料の所定量を貯蔵可能である。出発材料は、例えばO
2、O
3、H
2O、N
2、NH
3、H
2O
2等であることができる。この増加により、特に酸化物成長による増加によって、反応体の作用に基づいて、システムエネルギーを低減し、場合による間隙、孔、接触面の間の空間を最小化し、基板間の距離を近づけることによる相応する結合力をこの領域で高める。可能な範囲で最善の場合に、存在する間隙、孔、及び空間は完全に閉じられ、全体の結合面は増大し、ひいては結合力は本発明の場合に相応して向上する。
【0018】
この接触面は、通常では、0.2nmの二乗粗さ(R
q)を有する粗さを示す。これは、1nmの範囲内の表面の頂点−頂点−値(Scheitel-Scheitel-Werten)に相当する。この経験値は、原子間力顕微鏡(AFM)で測定された。
【0019】
本発明による反応は、200〜300mmの直径を有する円形のウェハの通常のウェハ面を、1単分子層(ML)の水で0.1〜0.3nmの成長層を成長できるために適している。
【0020】
本発明の場合には、従って、特に、少なくとも2ML、好ましくは少なくとも5ML、更に好ましくは少なくとも10MLの流体、特に水を、リザーバー中に貯蔵することが予定されている。
【0021】
プラズマをかけることによるリザーバーの形成が特に好ましい、それというのも、プラズマをかけることにより、更に接触面の平滑化並びに親水化が相乗効果として生じるためである。プラズマ活性化による表面の平滑化は、主に、リザーバー形成層及び場合による反応層の材料の粘性の流れにより行われる。親水性の向上は、特に、ケイ素ヒドロキシル化合物の増加により、好ましくは表面に存在するSiO化合物、例えばSi−O−Siの分解により、特に次の反応により行われる:
Si−O−Si + H
2O ←→ 2SiOH
【0022】
他の並存する効果、特に上述の効果の結果としての効果は、この予備結合の強度を、特に2〜3倍改善することにある。
【0023】
第1の基板の第1の接触面でのリザーバー形成層中でのリザーバーの形成(及び場合により第2の基板の第2の接触面でのリザーバー形成層の形成)は、例えば、熱による酸化物で覆われた第1の基板のプラズマ活性化により行われる。このプラズマ活性化は、プラズマのために必要な条件を調節するために、真空チャンバ中で実施される。本発明の場合に、プラズマ放電のために、0〜2000eVの範囲内のイオンエネルギー(振幅)を有するN
2ガス、O
2ガス又はアルゴンガスが用いられ、それにより、リザーバーは、処理された表面(この場合第1の接触面)の20nmまで、好ましくは15nmまで、より好ましくは10nmまで、最も好ましくは5nmまでの深さで作製される。
【0024】
真空チャンバ中での所定の圧力の調節により、本発明の場合にプラズマイオンについての平均自由行程の影響又は調節を考慮できる。
【0025】
本発明により、プラズマ発生のために、対向する電極に、特に交流電流又は交流電圧の印加下でプラズマイオンを促進する2つの異なる周波数の使用により、及び/又は誘導結合プラズマ源の使用により、及び/又はリモートプラズマの使用により、一方又は両方の接触面のリザーバーの作製の際に再現可能な成果が可能である。
【0026】
容量結合の場合には、これらの電極がプラズマチャンバ内に配置されている場合が好ましい。
【0027】
この場合に、パラメータの、電極の(多様な)周波数、振幅、特に、好ましくはもっぱら、第2の電極に印加されるバイアス電圧及びチャンバ圧力の調節により、接触面の最適な暴露及びそれによる正確な、特に容量が及び/又は深さが定義されたリザーバーの作製が可能となる。
【0028】
プラズマ活性化装置を2周波容量結合プラズマ装置として構成することは、好ましくは、イオン密度とウェハ表面へのイオンの加速との別個の調節を可能にする。従って、達成可能なプロセス成果は広範囲に調節可能であり、適用の要求に最適に合わせることができる。
【0029】
バイアス電圧は、特に第2の、特に下方の電極のベース電圧の形で、電極の、第2の電極に収容された基板の接触面への衝突(速度)に影響を及ぼすため、特に緩和又は促進するために利用される。
【0030】
上述のパラメータによって、特に、リザーバー中の細孔の密度分布が調節され、この場合次に特に好ましい実施形態が記載される。
【0031】
誘導結合プラズマ源の場合には、磁場の発生のために利用される交流電流に関する容量結合の交流電圧について相応した類似の考察を引き継ぐことができる。本発明の場合には、誘導結合プラズマ源のプラズマを、多様な強度及び/又は周波数の交流電流又は交番磁場によって、プラズマが相応する本発明による特性を有するように操作することが考えられる。
【0032】
リモートプラズマの場合に、本来使用されるべきプラズマを外部ソースで発生させ試料チャンバ内へ導入する。特に、このプラズマの成分、特にイオンが、試料チャンバ内へ輸送される。ソースから基板チャンバ内へのプラズマの移動は、多様な構成要素、例えばゲート、加速器、磁気及び/又は電気レンズ、絞りなどによって保証することができる。電場及び/又は磁場の周波数及び/又は強度に関する容量結合プラズマ及び/又は誘導結合プラズマに通用する全ての考察は、プラズマの発生及び/又はソースから基板チャンバ内のプラズマの移動を保証する全体の構成要素についても当てはまる。例えば、プラズマを、ソースチャンバ内で本発明によるパラメータにより容量結合又は誘導結合によって製造し、その後で上述された構成要素によって基板チャンバ内へ導入することも考えられる。
【0033】
本発明の場合には、リザーバーを製造するために適している全ての粒子種、原子及び/又は分子を使用することができる。好ましくは、必要な特性を有するリザーバーを製造する原子及び/又は分子が使用される。重要な特性は、特に細孔サイズ、細孔分布及び細孔密度である。これとは別に、本発明によるガス混合物、例えば空気又は、Ar 95%及びH
2 5%からなるフォーミングガスを使用することができる。使用されたガスに依存して、リザーバー中にはプラズマ処理の間に、特に次のイオンが存在する:N
+、N
2+、O
+、O
2+、Ar
+。一方のリザーバー/両方のリザーバーのふさがれていない自由空間内には、第1の出発材料を収容することができる。リザーバー形成層及び相応するリザーバーは、反応層内にまで伸びることができる。
【0034】
好ましくは、これは、反応層と反応することができかつ少なくとも部分的に、好ましくはほとんど第1の出発材料からなる多様な種類のプラズマ種である。第2の出発材料がSi/Siである場合には、O
xプラズマ種が好ましい。
【0035】
一方のリザーバー/両方のリザーバーの形成は、次の考察を基礎として行う:
細孔サイズは、10nm未満、好ましくは5nm未満、更に好ましくは1nm未満、更に好ましくは0.5nm未満、最も好ましくは0.2nm未満である。
【0036】
細孔密度は、好ましくは、細孔を衝突作用によって形成する粒子の密度に正比例し、最も好ましくは、衝突種の分圧によって変更可能であり、並びに処理時間及び特に使用されるプラズマ系のパラメータに依存する。
【0037】
細孔分布は、好ましくは、重なり合って1つの好ましくはプラトー形の領域になる複数の領域のパラメータの変化によって、表面の下に最も高い細孔濃度の少なくとも1つの領域を有する(
図8参照)。この細孔分布は、厚さが増大すると共にほぼゼロに低下する。表面近傍の領域は、衝撃の間に、表面近くの細孔密度とほとんど同じ細孔密度を有する。プラズマ処理の完了後に、表面の細孔密度は、緊張緩和メカニズムに基づいて低下することができる。厚さ方向の細孔分布は、表面に関して急峻な勾配を有し、バルクに関して比較的平坦であるが、連続的に低下する勾配を有する(
図8参照)。
【0038】
細孔サイズ、細孔分布及び細孔密度について、プラズマを用いないで製造する全ての方法と同様の考察が当てはまる。
【0039】
このリザーバーは、プロセスパラメータの適切な使用及び組合せによりデザインすることができる。
図8は、酸化ケイ素層中への侵入深さを関数とした、プラズマによって打ち込まれた窒素原子の濃度のグラフを示す。物理的パラメータの変更によって、2つのプロフィールを作成することができた。第1のプロフィール11は、強く加速された原子によって酸化ケイ素内でより深く作成され、それに対してプロフィール12は、プロセスパラメータの変更により僅かな密度で作成された。この2つのプロフィールの重なりが、リザーバーのために特徴付けられる合計曲線13を生じさせる。打ち込まれる原子及び/又は分子種の濃度の間の関係は明白である。より高い濃度は、より多くの欠陥構造を有する領域を表し、つまり引き続く出発材料を収容する空間が多くなることを表す。プラズマ活性化の間でのプロセスパラメータの連続的変更、特に適切に制御された連続的変更が、深さに関して打ち込まれたイオンのできる限り均質な分布を有するリザーバーを達成することを可能にする。
【0040】
プラズマによって製造されるリザーバーとは別に、リザーバーとして、基板の少なくとも一方に、少なくとも第1の基板に、TEOS(テトラエチルオルトケイ酸塩)−酸化物層を使用することも考えられる。この酸化物は、一般に、熱による酸化物よりも密度が低く、それにより本発明の場合に緻密化が好ましい。この緻密化は、リザーバーの定義された気孔率を調節する目的で、熱処理により行われる。
【0041】
特に好ましくは、本発明による1実施態様の場合に、リザーバーを第1の基板上に被覆として塗布し、この被覆が第1の出発材料を既に有していることにより、リザーバーの形成と同時にリザーバーを満たすことを行うことができる。
【0042】
リザーバーは、ナノメータ領域の気孔率を有する多孔性の層として又は通路の太さが10nm未満の、好ましくは5nm未満の、更に好ましくは2nm未満の、特に好ましくは1nm未満の、最も好ましくは0.5nm未満の通路を有する層として考慮することができる。
【0043】
リザーバーを第1の出発材料又は出発材料の第1の群で満たす工程のために、本発明の場合に次の実施態様が考えられ、その組み合わせも考えられる:
− リザーバーを周囲雰囲気に曝す、
− 水、特に脱イオン水で洗浄する、
− 出発材料を含有するか又は出発材料からなる流体、特にH
2O、H
2O
2、NH
4OHで洗浄する、
− リザーバーを任意のガス雰囲気、特に原子状のガス、分子状のガス、ガス混合物に曝す、
− リザーバーを水蒸気又は過酸化水素蒸気を含む雰囲気に曝す、及び
− 第1の基板上にリザーバー形成層として出発材料で満たされたリザーバーを堆積する。
【0044】
出発材料として、次の化合物が挙げられる:O
x+、O
2、O
3、N
2、NH
3、H
2O、H
2O
2及び/又はNH
4OH。
【0045】
水の使用に並んで、上述の過酸化水素蒸気の使用は、好ましい態様と見なされる。過酸化水素は、更に、比較的大きな酸素対水素の比率を有するという利点を有する。更に、過酸化水素は所定の温度及び/又はMHz領域の高周波フィールドの使用で分解して水素と酸素になる。
【0046】
他方で、H
2Oは、小さな分子サイズを有するという利点を有する。H
2O分子のサイズは、O
2分子のサイズよりも小さく、それにより、H
2O分子は、気孔内に容易に貯蔵でき、並びに成長層を通して容易に拡散することができるという利点を有する。
【0047】
特に熱膨張率の異なる材料を使用する場合に、上述の種の、重大な温度上昇を引き起こさないか又は必要な場合に局所的/特異的な温度上昇を引き起こす分解方法を適用することが好ましい。特に、少なくとも分解を助長し、好ましくは分解を生じさせるマイクロ波照射が予定される。
【0048】
本発明の好ましい実施態様の場合に、第1の出発材料の反応層への拡散による成長層の形成及び不可逆な結合の強化を行うことが予定される。
【0049】
本発明の他の好ましい実施態様の場合には、不可逆な結合の形成を、一般に300℃未満の、好ましくは200℃未満の、より好ましくは150℃未満の、更に好ましくは100℃未満の温度で、最も好ましくは室温で、特に最大12日間、好ましくは最大1日間、更に好ましくは最大1時間、最も好ましくは最大15分間で行うことが予定される。他の好ましい熱処理法は、マイクロ波による絶縁加熱である。
【0050】
この場合、不可逆な結合が、1.5J/m
2より大きい、特に2J/m
2より大きい、好ましくは2.5J/m
2より大きい結合力を有する場合が特に好ましい。
【0051】
この結合力は、特に好ましくは、本発明の場合に、この反応の際に、反応層中の第2の出発材料のモル体積よりも高いモル体積を有する反応生成物を形成させることによって高めることができる。これにより第2の基板での成長が生じ、それにより、接触面間の間隙を本発明による化学反応によって閉じることができる。結果として、接触面の間の距離、つまり平均距離は短くなり、デッドスペースは最小化される。
【0052】
リザーバーの形成を、プラズマ活性化による、特に10kHz〜20000kHz、好ましくは10kHz〜5000kHz、更に好ましくは10kHz及び1000kHz、最も好ましくは10kHz〜600kHzの活性化周波数で、及び/又は0.075〜0.2ワット/cm
2の出力密度で、及び/又は0.1〜0.6mbarの圧力の圧力印加下でのプラズマ活性化により行う場合には、接触面の平滑化のような付加的な効果も、接触面の明らかに高い親水性も生じる。
【0053】
これとは別に、リザーバーの形成を、本発明の場合に、リザーバー形成層として、特に制御された所定の気孔率に緻密化されたテトラエトキシシラン−酸化物層の使用により行うことができる。
【0054】
本発明の他の好ましい実施態様の場合に、リザーバー形成層が主に、特にほぼ完全に、殊に非晶質の、殊に熱酸化により製造された二酸化ケイ素からなり、かつ反応層が酸化可能な材料、殊に主に、好ましくはほぼ完全に、Si、Ge、InP、GaP又はGaN(又は他の、上述の選択的に挙げた材料)からなることが予定される。酸化により、特に安定でかつ存在する間隙を特に効果的に閉じる反応が可能となる。
【0055】
この際、本発明の場合には、第2の接触面と反応層との間に、特に主に自然二酸化ケイ素(又は他の、上述の選択肢に挙げた材料)からなる成長層が生じることが予定される。この成長層は、本発明の反応により引き起こされる成長が行われる。この成長は、移行部Si−SiO
2(7)から出発して、特に反応層に対する界面での、ひいては特に第1の接触面と第2の接触面との間の間隙の領域内での、非晶質SiO
2の新生及びそれにより引き起こされる成長層の変形、特に間隙修復により行われる。これにより両方の接触面の間の距離が短くなりかつデッドスペースが減少し、それにより、両方の基板間の結合力は高められる。この場合、200〜400℃、好ましくは約200℃〜150℃の温度、殊に150℃〜100℃の間の温度で、最も好ましくは100℃〜室温の間の温度が、特に好ましい。成長層は、この場合複数の成長領域に分けることができる。成長層は、同時に、第2の基板のリザーバー形成層であることができ、この中に、反応を促進する他のリザーバーが形成される。
【0056】
この場合、成長層は、不可逆な結合を形成する前に、0.1nm〜5nmの間の平均厚さAを有する場合が特に好ましい。成長層が薄くなればそれだけ、この成長層を通した、第1の出発材料と第2の出発材料との間の反応は、特に第1の出発材料が成長層を通して反応層へ拡散することにより、より迅速かつより簡単に行われる。この薄膜化され、それにより、少なくとも持続的結合の形成の開始時又は反応の開始時には、極めて薄い成長層によって、この成長層を通した出発材料の拡散速度は高められる。これにより、同じ温度で、出発物質の短い輸送時間が生じる。
【0057】
この場合、本発明による薄膜化は重要な役割がある、というのも反応がこの薄膜化により更に促進され及び/又は温度を更に低減できるためである。この薄膜化は、特にエッチングにより、好ましくは湿った雰囲気中で、更に好ましくはin-situで行うことができる。これとは別に、この薄膜化は特にドライエッチングによって、好ましくはin-situで行われる。in-situとは、少なくとも1つの先行する工程及び/又は少なくとも1つの後続する工程が、1つの及び同じチャンバ中で実施されることを意味する。ここに使用されたin-situの概念に入る他の装置構成は、個々のプロセスチャンバ間での基板の輸送を、制御された調節可能な雰囲気中で、例えば不活性ガスの使用下で、特に真空の環境下で行うことができる装置である。ウェットエッチングは、蒸気相の薬品を用いて行い、ドライエッチングは、液状状態の薬品を用いて行う。成長層が二酸化ケイ素からなる場合、フッ酸又は希フッ酸を用いてエッチングすることができる。成長層が純粋なSiからなる場合、KOHを用いてエッチングすることができる。
【0058】
好ましくは、本発明の一実施態様の場合に、リザーバーの形成を真空中で実施することが予定される。従って、リザーバーの不所望な材料又は化合物による汚染は避けることができる。
【0059】
本発明の他の実施態様の場合には、好ましくは、リザーバーを満たすことを次に記載の1つ又は複数の工程で行うことが予定される:
− リザーバーを満たすために、第1の接触面を、空気湿度及び/又は空気中に含まれる酸素を有する雰囲気に曝す、
− 第1の接触面を、特に主に、好ましくはほぼ完全に、特に脱イオンされた、H
2O及び/又はH
2O
2からなる流体に曝す、
− 第1の接触面を、特に0〜2000eVの範囲内のイオンエネルギーを有する、N
2ガス及び/又はO
2ガス及び/又はArガス及び/又はフォーミングガス、特にAr 95%及びH
2 5%からなるフォーミングガスに曝す、
− リザーバーを満たすために、任意の既に挙げられた出発材料を蒸着する。
【0060】
リザーバーが、好ましくは0.1nm〜25nm、好ましくは0.1nm〜15nm、更に好ましくは0.1nm〜10nm、最も好ましくは0.1nm〜5nmの厚さRで形成される場合に、この方法の経過にとって特に効果的である。更に、本発明の一実施態様の場合には、リザーバーと反応層との間の平均距離Bは、不可逆な結合の形成の直前で、0.1nm〜15nm、特に0.5nm〜5nm、好ましくは0.5nm〜3nmである。この距離Bは、本発明の場合に、薄膜化によって影響が及ぼされるか又は作り出される。
【0061】
この方法を実施するための装置は、本発明の場合に、リザーバーを形成するためのチャンバ及び、特にリザーバーを満たすために予定された別個のチャンバ及び、特に予備結合を形成するために予定された別個のチャンバから構成されていて、これらのチャンバは真空系を介して相互に直接接続されている。
【0062】
他の実施態様の場合には、リザーバーを満たすことは、雰囲気を介して直接行うことも、雰囲気に向けて開放することができるチャンバ中で行うことも、又はジャケットなしであるが、ウェハをセミオートマチック及び/又はフルオートマチックに処理できる構造で簡単に行うことができる。
【0063】
本発明の他の利点、特徴及び細部は、好ましい実施例の次の記載から並びに図面により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1a】本発明による方法の、第1の基板と第2の基板との接触直後の第1の工程を示す。
【
図1b】本発明による方法の、第1の基板と第2の基板との接触直後の別の第1の工程を示す。
【
図2】本発明による方法の、接触前に行われる工程、つまり第2の基板の薄膜化を示す。
【
図3a】本発明による方法の、より高い結合強度を形成するための更なる工程を示す。
【
図3b】本発明による方法の、より高い結合強度を形成するための更なる工程を示す。
【
図4】本発明による方法の、
図1a又は1b、
図2並びに
図3a及び3bによる工程に引き続く、基板の接触する接触面についての更なる工程を示す。
【
図5】基板間の不可逆的/持続的結合を形成するための本発明による工程を示す。
【
図6】
図4及び
図5による工程の間に両方の接触面で進行する化学的/物理的現象を示す拡大図を示す。
【
図7】
図4及び
図5による工程の間に両方の接触面の間の界面で進行する化学的/物理的現象を示す更なる拡大図を示す。
【
図8】本発明によるリザーバーの形成のためのグラフを示す。
【
図9】真空を適用可能な容量結合プラズマチャンバの略図を示す。
【
図10】真空を適用可能な誘導結合プラズマチャンバの略図を示す。
【
図11】真空を適用可能なリモートプラズマチャンバの略図を示す。
【
図12】2つの電極の周波数の、周波数経過時間に対するグラフ。
【0065】
これらの図中で、同じ特徴又は同等に作用する特徴は、同じ符号で示されている。
【0066】
図1では、予備結合工程の際又は予備結合工程の直後に第1の基板1の第1の接触面3と第2の基板2の第2の接触面4との間で進行する化学反応の一部だけを示す状態が示されている。これらの表面は、極性OH基を末端に有し、相応して親水性である。この第1の基板1及び第2の基板は、表面に存在するOH基とH
2O分子との間の並びにH
2O分子同士の間の水素架橋の引力によって保持されている。少なくとも第1の基板1の親水性は、先行する工程において、プラズマ処理により高められている。
【0067】
このプラズマ処理は、プラズマ及び真空及び/又は定義されたガス雰囲気を供給可能な、
図9によるプラズマチャンバ20内で行われる。真空及び/又は定義されたガス雰囲気が供給可能とは、1mbarを下回る圧力を調節可能及び制御可能であることを意味する。ガスとして、ここに記載された実施例では、N
2が0.3mbarの圧力で使用される。容量結合及び誘導結合の本発明による実施態様の場合には、プラズマチャンバ20及び基板チャンバは同一である。
図11によるリモートプラズマの本発明による実施態様の場合には、プラズマチャンバ20″(より適切には:プラズマ発生チャンバ)は、基板を収容する基板チャンバ27とは分かれている。
【0068】
図9に示された容量結合プラズマチャンバ20は、ガス体積のイオン化のための(上側に配置された又は上側の)第1の電極21を有し、このイオン化は、上記第1の電極21に印加された、0.001kHz〜100000kHz、好ましくは0.01kHz〜10000kHz、更に好ましくは0.1kHz〜1000kHz、最も好ましくは250〜550kHzの周波数f
21及び1V〜1000V、特に100V〜800V、好ましくは200V〜600V、好ましくは300V〜500Vの振幅を有する交流電圧によって引き起こされる。この場合に重要なファクタは、上述の真空により定義された平均自由行程である。
【0069】
第1の電極21に対向する、他の(下側に配置された又は下側の)第2の電極22は、第1の電極21の周波数に結合した、第1の接触面3の印加を予定するだけでなく、更にプラズマイオンの衝突を緩和又は促進するバイアス電圧をベース電圧として有する。バイアス電圧は、一般に交流電圧又は直流電圧であることができる。好ましくは、プラズマ活性化プロセスの間に、記憶された/設定された形状(式)で定義された曲線に関して動的に変更することができる直流電圧が使用される。第2の電極22は、ここに示した実施態様の場合に、0.001kHz〜100000kHz、好ましくは0.01kHz〜10000kHz、更に好ましくは0.1kHz〜1000kHz、最も好ましくは15〜55kHzの周波数f
22で、1V〜1000V、特に100V〜800V、好ましくは200V〜600V、更に好ましくは300V〜500Vの振幅で作動される。この第2の交流電圧は、表面3に当たるイオンのイオンエネルギーの変化も生じさせ、それによりイオンの均質な深さ分布を達成することができる。
【0070】
この第2の電極22は、更に、第1の接触面3とは反対側に支持面を有する第1の基板1のための支持部として用いられる。従って、第1の基板(第2の基板は図示せず)は、第1の電極21と第2の電極22との間に配置されている。電極21、22用のホルダは図示されていない。
【0071】
各電極21,22は、好ましくは、第1の電極21用の発生器23の形で、及び第2の電極22用の、このために別個に制御可能な第2の発生器24の形で、自前の電源に接続されている。第1の発生器23は、特に1ワット〜100000ワット、好ましくは25ワット〜10000ワット、更に好ましくは30ワット〜1000ワット、極めて好ましくは50ワット〜200ワット、最も好ましくは70ワット〜130ワットで作動される。第2の発生器24は、同様に、1ワット〜100000ワット、好ましくは25ワット〜10000ワット、更に好ましくは30ワット〜1000ワット、極めて好ましくは50ワット〜200ワット、最も好ましくは70ワット〜130ワットの出力で作動される。
【0072】
図10による誘導結合プラズマチャンバ20′は、このプラズマチャンバ20′を取り囲むコイル26を有し、このコイル26に振幅を有する電流が流される。基板1は、試料ホルダ25上に載置されている。好ましい実施態様の場合には、プラズマチャンバ20′は、正確に2つの発生器23及び24を有している。
【0073】
この誘導結合プラズマチャンバ20′は、コイル26の一方の側に第1の電流発生器23を有する。コイル26に流れる電流は、この第1の発生器23によって発生され、0.001kHz〜100000kHz、好ましくは0.01kHz〜10000kHz、更に好ましくは0.1kHz〜1000kHz、最も好ましくは正確に400kHzの周波数f
21及び0.001A及び10,000A、好ましくは0.01A〜1000A、更に好ましくは0.1A〜100A、最も好ましくは1A〜10Aの振幅を有する。
【0074】
好ましくは、コイル26又はプラズマチャンバ20′は、第2の電流発生器24を有する。この第2の電流発生器24は、0.001kHz〜100000kHz、好ましくは0.01kHz〜10000kHz、更に好ましくは0.1kHz〜1000kHz、最も好ましくは正確に400kHzの周波数f
22及び0.001A〜10,000A、好ましくは0.01A〜1000A、更に好ましくは0.1A〜100A、最も好ましくは1A〜10Aの振幅を有する。
【0075】
図11による他の実施態様の場合に、生じさせるべきプラズマは、(リモート)プラズマチャンバ20″内で発生される。容量結合プラズマ及び/又は誘電結合プラズマ用に開示された全てのパラメータが同様に通用する。
【0076】
図12は、2つの異なる周波数のための深さを関数とした本発明により発生されたプラズマの細孔密度を図示している。周波数の変化によって、密度プロフィールを適切に調節可能であることは明らかである。
【0077】
特に好ましくは、別の実施態様の場合に、更に、第2の基板2又は第2の接触面4が、特に第1の基板のプラズマ処理と同時に、プラズマ処理に曝される。
【0078】
このプラズマ処理により、本発明の場合に、リザーバー5が、熱的な二酸化ケイ素からなるリザーバー形成層6中に形成され、並びに
図1bによる別の実施態様の場合には、第2の対向するリザーバー5′がリザーバー形成層6′中に形成される。リザーバー形成層6,6′には、それぞれ直接的な反応層7、7′が引き続き、これらの反応層7,7′は、第2の出発材料又は出発材料の第2の群を含む。上述のイオンエネルギーを有するN
2イオンを用いたプラズマ処理により、リザーバー5の、約15nmの平均厚さRが達成され、この場合にイオンが、リザーバー形成層6中に通路又は細孔を作り出す。
【0079】
リザーバー形成層6と反応層7との間には、第2の基板2での成長層8成長層が予定され、この成長層8は、同時に少なくとも部分的にリザーバー形成層6′であることができる。相応して、更に、リザーバー形成層6′と反応層7′との間に他の成長層が予定されていてもよい。
【0080】
同様に、
図1に示された工程の前でかつプラズマ処理の後に、リザーバー5(及び場合によりリザーバー5′)は、少なくとも主に、第1の出発材料としてのH
2Oで満たされている。リザーバー5内で、プラズマプロセス中に存在するイオンの還元された種、特にO
2、N
2、H
2、Arが存在していてもよい。
【0081】
一方の/両方のリザーバー5,5′の形成の前又は形成の後に、どちらの場合も、基板1,2の接触の前に、成長層8(及び場合による他の成長層)はエッチングにより薄膜化される(ここでは、リザーバー5の形成の後、
図2参照)。それにより、第2の接触面4と反応層7との間の平均距離Bは短くなる。同時に、第2の接触面4は、好ましくはより平坦化される。
【0082】
これらの接触面3,4は、
図1a又は1bに示された状態での接触の後で、特にこれらの接触面3,4の間に存在する水が原因で、まだ比較的離れた距離を有する。従って、存在する結合力は比較的低く、ほぼ100mJ/cm
2〜300mJ/cm
2の間にあるか、特に200mJ/cm
2を越える程度である。この場合、事前のプラズマ活性化は、特にプラズマ活性化された第1の接触面3の高い親水性並びにプラズマ活性化により引き起こされる平滑化効果のために、重要な役割がある。
【0083】
図1に示した、予備結合といわれる過程は、好ましくは周囲温度又は最大50℃で進行することができる。
図3a及び3bは、親水性結合を示し、この場合、Si−O−Si架橋が−OH末端の表面によって水の脱離下で実現する。
図3a及び3bの過程は、室温で約300時間、50℃では約60時間続く。
図3bの状態は、リザーバー5(又は両方のリザーバー5,5′)の製造なしでは上述の温度で生じない。
【0084】
接触面3,4の間に、H
2O分子が形成され、このH
2O分子は少なくとも部分的に、まだ自由空間が存在する限り、リザーバー5中を更に満たす。残りのH
2O分子は除去される。
図1の工程では、OH基又はH
2O分子のほぼ3〜5の単分子層が存在し、
図1から
図3aまでの工程では、H
2Oの1〜3の単分子膜が除去されるか又はリザーバー5中に吸収される。
【0085】
図3a中に示した段階では、水素架橋結合がシロキサン基の間で直接形成され、それにより強い結合力が生じる。それにより、接触面3,4は互いにより強く引き合い、接触面3,4の間の距離は短くなる。従って、もはや接触面1,2の間に1〜2の単分子膜のOH基が存在するだけである。
【0086】
図3bに示された段階では、またも、後続して行われる反応によるH
2O分子の脱離下で、接触面3,4の間にシラノール基の形で共有結合が形成され、この共有結合は明らかにより強い結合力を生じさせ、より少ないスペースを必要とし、その結果、接触面3,4の間の距離は更に短くなり、最終的に接触面3,4が互いに直接出会うことに基づく最短の距離に達する:
Si−OH + OH−Si ←→ Si−O−Si + H
2O
【0087】
段階3に至るまで、特にリザーバー5(及び場合により付加的なリザーバー5′)の形成のために、温度を過度に高める必要ななく、むしろ室温で進行させることができる。このように、
図1a又は1b〜
図4までの方法工程の特に温和な進行が可能である。
【0088】
図5中に示された方法工程では、第1の接触面と第2の接触面との間に不可逆な又は持続的な結合を製造するために、温度を、好ましくは最大500℃に、更に好ましくは最大300℃に、より更に好ましくは最大200℃に、極めて好ましくは最大100℃に、最も好ましくは室温を超えないよう高める。先行技術とは反対のこの比較的低い温度が可能である、というのもリザーバー5(及び場合により付加的にリザーバー5′)が、
図6及び7において示された反応のための第1の出発材料を含むためである:
Si + 2H
2O → SiO
2 + 2H
2
【0089】
モル体積の増大及びH
2O分子の拡散により、特に、リザーバー形成層6′と反応層7との間の界面で(及び場合により更にリザーバー形成層6と反応層7′との間の界面で)、成長層8の形の体積が成長し、ギブスの自由エンタルピーの最小化の目的のため、接触面3,4の間の間隙9が存在している領域で著しい成長が行われる。成長層8の体積増加により、間隙9は閉じられる。これについて、詳細を次に記載する:
【0090】
上述の、僅かに高められた温度で、H
2O分子は第1の出発材料としてリザーバー5(又はリザーバー5,5′)から反応層7(及び場合により7′)に拡散する。この拡散は、酸化物層として形成されたリザーバー形成層6,6′とそれぞれの反応層7,7′(又は成長層8)との直接接触により、又は酸化物層の間に存在する間隙9を介して又はこの間隙9から行われる。そこに、反応層7から、上述の反応の反応生成物10として二酸化ケイ素、つまり純粋なケイ素よりもより大きなモル体積を有する化合物が形成される。この二酸化ケイ素は、反応層7と成長層8及び/又はリザーバー形成層6,6′との界面で成長し、それにより特に自然酸化物として構成された成長層8が、間隙9の方向に向かって形成される。この場合でも、リザーバーからのH
2O分子が必要とされる。
【0091】
ナノメータ範囲の間隙の存在により、成長層8の間隙修復の可能性が生じ、それにより、接触面3,4の応力を低減できる。それにより、接触面3,4の間の距離は短くなり、それにより有効な接触面、ひいては結合力が更に高められる。このように実現された、ウェハ全体にわたって形成された全ての細孔を閉じる溶接結合は、先行技術の場合の部分的にしか溶接しない製品とは反対に、基本的に、結合力の向上に寄与する。両方の互に溶接された非晶質の二酸化ケイ素表面の間の結合タイプは、共有結合部分とイオン結合部分との混合型である。
【0092】
反応層7中で第1の出発材料(H
2O)と第2の出発物質(Si)との上述の反応は、第1の接触面3と反応層7との間の平均距離Bができる限り短くなるまで、特に急速に又はできる限り低い温度で行われる。
【0093】
従って、重要なのは、第1の基板の前処理並びに第2の基板の選択/前処理であり、この第2の基板はケイ素からなる反応層7を有しかつ成長層8としてできる限り薄い自然酸化膜を有することである。できる限り薄い自然酸化膜は、2つの理由から本発明の場合に予定されている。成長層8は極めて薄く、特に本発明の場合に予定された薄膜化によって極めて薄くされていて、それによりこの成長層8は、成長層7に新たに形成される反応生成物10によって、対向する基板1の、酸化物層として構成されたリザーバー形成層6の方向へ、ひいては主にナノ間隙9の領域内で間隙修復を行うことができる。更に、望ましい効果をできる限り迅速かつできる限り低い温度で達成するために、できる限り短い拡散経路が望ましい。第1の基板1も同様に、ケイ素層と、その上に形成された、リザーバー形成層6としての酸化物層とからなり、このリザーバー形成層6内に、少なくとも部分的に又は完全にリザーバー5が形成される。
【0094】
リザーバー5(又はリザーバー5,5′)内には、本発明の場合に少なくとも、ナノ間隙9を閉じるために必要な量の第1の出発材料が満たされていて、それにより、できる限り短時間で及び/又はできる限り低温でナノ間隙9を閉じるために、成長層8の最適な成長を行うことができる。
[実施態様1]
第1の基板(1)の第1の接触面(3)を、少なくとも1つの反応層(7)を有する第2の基板(2)の第2の接触面(4)と結合する方法において、次の手順:
− 前記基板(1,2)を、プラズマチャンバ(20,20′)又はプラズマチャンバ(20″)に引き続く基板チャンバ(27)中に収容し、前記プラズマチャンバ(20,20′,20″)は、少なくとも2つの異なる周波数(f21,f22)で作動可能な、特に異なる周波数(f21,f22)で作動する、プラズマを発生するための発生器(23,24)を有する工程、
− 第1の接触面(3)をプラズマチャンバ(20,20′,20″)中で発生させたプラズマに曝すことにより、第1の接触面(3)のリザーバー形成層(6)中にリザーバー(5)を形成させる工程、
− 前記リザーバー(5)を、第1の出発材料又は出発材料の第1の群で少なくとも部分的に満たす工程、
− 予備結合を形成させるために、第1の接触面(3)を第2の接触面(4)と接触させる工程、
− 第1の接触面(3)と第2の接触面(4)との間に持続的な結合を形成させ、第1の出発材料を、第2の基板(2)の反応層(7)中に含まれる第2の出発材料と反応させることにより少なくとも部分的に強化する工程
を有する、方法。
[実施態様2]
第1の周波数(f21)は、1Hz〜20MHz、特に1kHz〜1MHz、好ましくは10kHz〜800kHz、更に好ましくは300kHz〜500kHzであり、及び/又は前記プラズマチャンバが第1及び第2の電極を有し且つ前記第1の電極(21)は、第1の周波数領域の1Hz〜20MHz、特に1kHz〜1MHz、好ましくは10kHz〜800kHz、更に好ましくは300kHz〜500kHzに調節可能である、実施態様1に記載の方法。
[実施態様3]
第2の周波数(f22)は、1Hz〜20MHz、特に1kHz〜1MHz、好ましくは10kHz〜800kHz、更に好ましくは30kHz〜50kHzであり、及び/又は前記プラズマチャンバが第1及び第2の電極を有し且つ前記第2の電極(21)は、第2の周波数領域の1Hz〜20MHz、特に1kHz〜1MHz、好ましくは10kHz〜800kHz、更に好ましくは30〜50kHzに調節可能である、実施態様1又は2に記載の方法。
[実施態様4]
第1の電極(21)及び/又は第2の電極(22)の電圧振幅は、1V〜1000V、特に100V〜800V、好ましくは200V〜600V、更に好ましくは300V〜500Vである、実施態様1から3までのいずれか1項に記載の方法。
[実施態様5]
第1の基板(1)の第1の接触面(3)を、少なくとも1つの反応層(7)を有する第2の基板(2)の第2の接触面(4)と結合する方法において、次の手順:
− 前記基板を誘導結合プラズマチャンバ内に収容する工程、
− コイル(26)の誘導結合を用いて発生させたプラズマに、第1の接触面(3)を曝すことにより、第1の接触面(3)のリザーバー形成層(6)中にリザーバー(5)を形成させ、その際、第1の発生器(23)に、プラズマ発生の間に、第2の発生器(24)の第2の周波数(f22)とは異なる第1の周波数(f21)を適用する工程、
− 前記リザーバー(5)を、第1の出発材料又は出発材料の第1の群で少なくとも部分的に満たす工程、
− 予備結合を形成させるために、第1の接触面(3)を第2の接触面(4)と接触させる工程、
− 第1の接触面(3)と第2の接触面(4)との間に持続的な結合を形成させ、第1の出発材料を、第2の基板(2)の反応層(7)中に含まれる第2の出発材料と反応させることにより少なくとも部分的に強化する工程
を有する、方法。
[実施態様6]
第1の発生器(23)の第1の周波数(f21)が、0.001kHz〜100000kHz、好ましくは0.01kHz〜10000kHz、更に好ましくは0.1kHz〜1000kHz、最も好ましくは正確に400kHzであり、及び/又は第2の発生器(24)は、0.001kHz〜100000kHz、好ましくは0.01kHz〜10000kHz、更に好ましくは0.1kHz〜1000kHzの間の周波数領域に調節可能である、実施態様1又は5に記載の方法。
[実施態様7]
第1の基板(1)の第1の接触面(3)を、少なくとも1つの反応層(7)を有する第2の基板(2)の第2の接触面(4)と結合する装置において、次の特徴:
− 結合チャンバ(20,20′,27)、
− 第1の電極(21)及び対向して配置された第2の電極(22)、
− 第1の電極(21)と第2の電極(22)との間に前記基板(2,3)を収容するための収容手段、
− 前記電極(21,22)の容量結合によって発生されたプラズマに第1の接触面(3)を曝すことにより、第1の接触面(3)のリザーバー形成層(6)中にリザーバー(5)を形成するためのリザーバー形成手段、その際、第1の電極(21)には、プラズマ発生の間に、第2の電極(22)の第2の周波数(f22)とは異なる第1の周波数(f21)が適用可能であり、
− 予備結合を形成するために、第1の接触面(3)を第2の接触面(4)と接触するための手段
を有する、装置。
[実施態様8]
第1の周波数(f21)及び/又は第2の周波数(f22)が調節可能である、実施態様7に記載の装置。
[実施態様9]
第1の基板(1)の第1の接触面(3)を、少なくとも1つの反応層(7)を有する第2の基板(2)の第2の接触面(4)と結合する装置において、次の特徴:
− 結合チャンバ(20,20′,27)、
− コイル(26)
− 前記コイル(26)の内部に基板(2,3)を収容する収容手段、
− 前記コイルの誘導結合を用いて発生させたプラズマに第1の接触面(3)を曝すことにより、第1の接触面(3)のリザーバー形成層(6)中にリザーバー(5)を形成するためのリザーバー形成手段、その際、プラズマを発生するための第1の発生器には、プラズマ発生の間に、プラズマを発生するための第2の発生器の第2の周波数(f22)とは異なる第1の周波数(f21)が適用可能であり、
− 予備結合を形成するために、第1の接触面(3)を第2の接触面(4)と接触するための手段
を有する、装置。
[実施態様10]
第1の周波数(f21)及び/又は第2の周波数(f22)が調節可能である、実施態様9に記載の装置。
[実施態様11]
前記方法を結合チャンバ中で実施し、前記結合チャンバは少なくともリザーバー(5)の形成の際に、0.1〜0.9mbarの、特に0.7mbar未満の、好ましくは0.5mbar未満の、更に好ましくは0.3mbar未満のチャンバ圧力を印加する、実施態様1から6までのいずれか1項に記載の方法。
[実施態様12]
前記結合チャンバ中で、少なくとも前記リザーバー(5)の形成の際に、O2ガス及び/又はN2ガス及び/又はArガスが優位を占めている、実施態様1から6までのいずれか1項又は実施態様11に記載の方法。
[実施態様13]
第1の基板(1)の第1の接触面(3)を、少なくとも1つの反応層(7)を有する第2の基板(2)の第2の接触面(4)と結合する装置において、次の特徴:
− プラズマを発生するためのプラズマチャンバ(20″)、前記プラズマチャンバ(20″)は少なくとも2つの異なる周波数(f21,f22)で作動可能な、特に異なる周波数(f21,f22)で作動する、プラズマを発生するための発生器(23,24)を有し、
− 前記プラズマチャンバに引き続く結合チャンバ(27)、
− 第1の接触面(3)を、前記プラズマチャンバ(20″)中で発生させたプラズマに曝すことにより、第1の接触面(3)のリザーバー形成層(6)中にリザーバー(5)を形成するためのリザーバー形成手段、
− 予備結合を形成するために、第1の接触面(3)を第2の接触面(4)と接触するための手段
を有する、装置。
[実施態様14]
前記プラズマチャンバ(20″)と、前記結合チャンバ(27)との間に閉鎖可能な開口が配置されている、実施態様13に記載の装置。
【符号の説明】
【0095】
1 第1の基板
2 第2の基板
3 第1の接触面
4 第2の接触面
5,5′ リザーバー
6,6′ リザーバー形成層
7,7′ 反応層
8 成長層
9 ナノ−間隙
10 反応生成物
11 第1のプロフィール
12 第2のプロフィール
13 合計曲線
20,20′,20″ プラズマチャンバ
21 第1の電極
22 第2の電極
23 第1の発生器
24 第2の発生器
25 基板ホルダ
26 コイル
27 リモートプラズマの場合の基板チャンバ
28 誘導結合プラズマ
29 交流電圧源
A 平均厚さ
B 平均距離
R 平均厚さ
f
21 第1の周波数
f
22 第2の周波数