(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6099752
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】オプトエレクトロニクスコンポーネントの製造方法、およびオプトエレクトロニクスコンポーネント
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20170313BHJP
H01L 33/60 20100101ALI20170313BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L33/60
【請求項の数】20
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-533571(P2015-533571)
(86)(22)【出願日】2013年9月25日
(65)【公表番号】特表2015-530755(P2015-530755A)
(43)【公表日】2015年10月15日
(86)【国際出願番号】EP2013069966
(87)【国際公開番号】WO2014048988
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2015年5月22日
(31)【優先権主張番号】102012217533.4
(32)【優先日】2012年9月27日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン ジークフリート
(72)【発明者】
【氏名】フォン マルム ノーヴィン
【審査官】
佐藤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−019217(JP,A)
【文献】
特開2007−157850(JP,A)
【文献】
特開2010−272724(JP,A)
【文献】
特表2010−525585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の半導体層(3)、第2の半導体層(2)、および光を発生させる活性領域(16)を有する層構造体を成長基板(1)上に成長させ、
前記第1の半導体層(3)の前記成長基板とは反対側にミラー層(4)を形成し、
金属箔であるキャリア(10)の第1の面に接続層(8)によって前記層構造体を固定し、
前記キャリアの第2の面を介して前記層構造体用の電気コンタクト部(18,19)を導入し、
前記電気コンタクト部は、1つの方法ステップの一部分として製造され、前記層構造とは反対方向に前記キャリア(10)を越えて突出し、前記キャリア(10)を完全に真っ直ぐ貫通し、
前記第2の半導体層(2)のための前記電気コンタクト部(18)は、前記第2の半導体層(2)から始まり、
前記第1の半導体層(3)のための前記電気コンタクト部(19)は、前記ミラー層(4)または前記ミラー層(4)上に直接形成された導電層(6)から始まり、
成長基板を除去し、
用いられる前記キャリア(10)は、前記接続層に対向する面で鏡面反射性を有するように具現化されるキャリアである、
オプトエレクトロニクスコンポーネントの製造方法。
【請求項2】
前記第1の切欠き部が前記第1の半導体層(3)に隣接するように、前記キャリア(10)、前記接続層(8)、および第2の半導体層(2)内に第1の切欠き部(14)を導入し、
前記第1の半導体層(3)を電気的に接続するための第1のコンタクト部(32)を前記切欠き部内に導入する、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記第1のコンタクト部(32)を導入するステップは、前記第1のコンタクト部が前記キャリア(10)、前記接続層(8)、前記導電層(6)、前記ミラー層(4)および前記第2の半導体層(2)を通って前記第1の半導体層(3)内まで延在するように1回の方法ステップで行われる、
請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
第1の切欠き部が、前記接続層(8)、前記キャリア(10)、および前記第2の半導体層(2)内に導入され、
前記第1の切欠き部は、第1の半導体層(3)に隣接し、
前記第1の切欠き部の側面を絶縁層で被覆し、
前記第1の半導体層を接続するための前記第1の電気コンタクト部(32)を前記第1の切欠き部内に導入し、
第2の切欠き部が、前記キャリア内に導入され、
前記第2の切欠き部は、前記ミラー層に隣接し、
前記第2の切欠き部の側面をさらなる絶縁層で被覆し、
前記第2の半導体層(2)を接続するための第2の電気コンタクト部(33)を前記第2の切欠き部内に導入する、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
a.前記第1および/または前記第2のコンタクト部を導入する前記工程前に、さらなるミラー層を前記第1および/または前記第2の切欠き部の前記側面に形成するか、または、
b.前記活性領域(16)によって発せられる前記光に対して略透過性の接続材料を用いるか、または、
c.前記第1のコンタクト部(32)が、前記第1の半導体層に対向する面で鏡面反射性を有するように具現化される、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第3の絶縁層が、前記キャリアに形成され、
導電性第1のコンタクトパッド(コンタクトエリア)(18)が、前記第3の絶縁層に形成されかつ前記第1のコンタクト部(32)に接続され、
導電性第2のコンタクトパッド(19)が、前記第3の絶縁層に形成されかつ前記第2のコンタクト部(33)に接続され、
前記第1および第2のコンタクトパッドは、互いに電気的に絶縁し、
第4絶縁層が、前記第1のコンタクトパッドに形成され、
前記第2のコンタクトパッドは、少なくとも部分的に前記第4絶縁層に設けられる、
請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記接続層(8)は、電気絶縁材料から形成される、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記接続層(8)は、接着材料から形成される、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記成長基板を除去することによって露出した前記第1の半導体層の表面は粗面化される、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記接続層(8)は、金属で構成される導電材料として具現化され、はんだ接続を用いて前記半導体層(2,3)を前記キャリア(10)の上面(9)に固定する、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
光を発生させる前記活性領域を有する前記第2の半導体層(2)および前記第1の半導体層(3)を含む前記層構造体と、前記ミラー層(4)とを備える前記キャリア(10)を含むオプトエレクトロニクスコンポーネントであって、
前記層構造体(2,3)は、前記接続層(8)を介して前記キャリア(10)の前記第1の面に接続され、
前記層構造体(2,3)を接続するための前記第1の電気コンタクト部(32)および前記第2の電気コンタクト部(33)は、前記キャリア(10)に設けられ、
前記コンタクト部(32,33)は、前記キャリア(10)の前記第1の面から反対側の第2の面に通じ、
前記接続層(8)は、電気絶縁材料から形成される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法で製造するオプトエレクトロニクスコンポーネント(21,34,35)。
【請求項12】
金属箔であるキャリア(10)と、第1の半導体層(3)、第2の半導体層(2)、および光を発生させる活性領域(16)を有する層構造体とを含む、オプトエレクトロニクスコンポーネントであって、
前記層構造体は、接続層(8)を介して前記キャリアの第1の面に接続され、
前記接続層(8)は、電気絶縁材料から形成され、
前記コンポーネントは、前記層構造体を電気的に接続するための第1のコンタクト部(32)および第2のコンタクト部(33)を有し、
前記第1の半導体層(3)を電気的に接続するための前記第1のコンタクト部(32)は、局所的に前記キャリア(10)の裏面から切欠き部(14)を通り前記第1の半導体層(3)まで延在し、
前記切欠き部は、前記キャリア(10)、前記接続層(8)、および前記第2の半導体層(2)内に形成され、
前記第1のコンタクト部(32)は、前記切欠き部内に連続的に具現化され、
前記第1および第2のコンタクト部は、1つの方法ステップの一部分として製造され、前記層構造とは反対方向に前記キャリア(10)を越えて突出し、前記キャリア(10)を完全に真っ直ぐ貫通し、
前記第2の半導体層(2)のための前記第2のコンタクト部は、前記第2の半導体層(2)から始まり、
前記第1の半導体層(3)のための前記第1のコンタクト部は、前記ミラー層(4)または前記ミラー層(4)上に直接形成された導電層(6)から始まり、
前記層構造体の成長基板は除去され、
用いられる前記キャリア(10)は、前記接続層に対向する面で鏡面反射性を有するように具現化されるキャリアである、
オプトエレクトロニクスコンポーネント(21,34,35)。
【請求項13】
前記オプトエレクトロニクスコンポーネントの前記ミラー層(4)、前記接続層(8)、前記第2の半導体層(3)、および前記キャリア(10)には、前記切欠き部(14)を存在し、
前記切欠き部(14)は、前記第1の半導体層(3)に隣接し、
前記第2の半導体層(2)は、前記第1の半導体層(3)と前記キャリア(10)との間に配置され、
前記切欠き部(14)の側面は、絶縁層(17)で被覆され、
前記第1のコンタクト部(32)は、前記切欠き部(14)内に配置され、
さらなる切欠き部(15)が、前記キャリア(10)に導入され、
前記さらなる切欠き部(15)は、前記ミラー層(4)または前記ミラー層を被覆する導電層(6)に隣接し、
前記さらなる切欠き部(15)の側面は、絶縁層(17)で被覆され、
前記第2の電気コンタクト部(33)は、前記さらなる切欠き部(15)内に配置される、
請求項12に記載のオプトエレクトロニクスコンポーネント。
【請求項14】
絶縁層(17)が、前記キャリア(10)に形成され、
導電性第1のコンタクトパッド(コンタクトエリア)(18)が、前記絶縁層(17)に形成されかつ前記第1のコンタクト部(32)に接続され、
導電性第2のコンタクトパッド(19)が、前記絶縁層(17)に形成されかつ前記第2のコンタクト部(33)に接続され、
前記第1および第2のコンタクトパッド(18,19)は、互いに電気的に絶縁し、
さらなる絶縁層(23)は、前記第1のコンタクトパッドに形成され、
前記第2のコンタクトパッド(19)は、部分的に前記さらなる絶縁層(23)にも形成される、
請求項11または12に記載のオプトエレクトロニクスコンポーネント。
【請求項15】
充填材料(11)が、横方向において、前記前記導電層(6)とともに前記絶縁層(17)と前記前記ミラー層(4)との間に直接位置し、
前記充填材料(11)は、反射性を有するように具現化され、反射性を高める粒子を含み、
前記接続層(8)は、二液型ポリウレタン、二液型エポキシ樹脂、ポリイミド、アクリレート、またはシリコーンで構成される、
請求項13または14に記載のオプトエレクトロニクスコンポーネント。
【請求項16】
前記接続層(8)の層厚さは、10μm未満であり、
前記キャリア(10)の層厚さは、100μm未満である、
請求項11〜15のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクスコンポーネント。
【請求項17】
前記接続層(8)の層厚さは、1μm未満であり、
前記キャリア(10)の層厚さは、10μm未満である、
請求項11〜16のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクスコンポーネント。
【請求項18】
前記活性領域から発せられる前記光に対して略透過性の前記接続材料が提供される、
請求項11〜16のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクスコンポーネント。
【請求項19】
前記キャリアは、前記接続層上に配置された前記半導体層構造体を超える全ての方向において、横方向に突出する、
請求項12に記載のオプトエレクトロニクスコンポーネント。
【請求項20】
前記コンタクト部のそれぞれは、完全に前記切り欠き部を埋める、
請求項12に記載のオプトエレクトロニクスコンポーネント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オプトエレクトロニクスコンポーネントの製造方法、およびオプトエレクトロニクスコンポーネントに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、オプトエレクトロニクスコンポーネントおよびその製造方法を開示する。
【0003】
特許文献1の方法では、成長基板に光学活性層を成長させる。次いで、光学活性層を開放面(free side)においてパターニングする。この開放面には、電気コンタクト部が組込まれる。電気コンタクト部は、プラスにドープされた層およびマイナスにドープされた層に接続される。パターニング完了後、コンポーネントをキャリア上に取付ける。次いで、成長基板を除去する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第102010025320号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、改良したオプトエレクトロニクスコンポーネントの製造方法および単純な手法で構成したオプトエレクトロニクスコンポーネントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、本特許請求項1に記載の製造方法およびさらなる本特許独立請求項に記載のオプトエレクトロニクスコンポーネントを用いて実現される。
【0007】
本明細書に記載の製造方法およびオプトエレクトロニクスコンポーネントの利点の1つは、キャリアがコンポーネントに組込まれることである。これにより、ビア形成ステップ、ビア充填ステップ、表面にボンディングパッドを形成するステップ等のキャリア製造に追加的に必要となる作業ステップが不要となる。
【0008】
さらに、キャリアをオプトエレクトロニクスコンポーネントに組込むことで、キャリアの構造およびキャリアの大きさをコンポーネントに最適化することができる。
【0009】
従属請求項において、本方法および本コンポーネントのさらなる有利な実施形態を特定する。
【0010】
一実施形態において、使用される接続層は、電気絶縁材料であり、特に接着材料である。電気絶縁材料を接続層として用いると、キャリアとして導電性材料または半導電性材料も使用可能となる利点がある。特に、接着材料を用いる場合、層構造体とキャリアとの安定かつ堅固な接続を薄い層厚さで実現できる可能性がある。さらに、接着材料の使用することで費用を節約し得る。
【0011】
さらなる実施形態において、使用されるキャリアは、半導電性または導電性の材料であり、特に膜の形態である。特に膜の形態のキャリアとして半導電性または導電性の材料を使用することにより、加工を容易に行うことができるという利点がもたらされる。さらに、オプトエレクトロニクスコンポーネントとして十分な安定性を呈する薄いキャリアを形成することができる。特に、薄いキャリアの場合、コンタクト部を形成するためのキャリア内の切欠き部を迅速に導入することができる。その結果、加工時間、したがって費用が節約される。
【0012】
さらなる実施形態において、一般的な方法ステップで各コンタクト部を個別にまたは一体的に形成する。特にコンタクト部はいずれも、切欠き部を完全に充填し、切欠き部はキャリア内および特に追加的には半導体層内まで延在する。半導体層を電気的に接続するためのコンタクト部は、例えばキャリアと接続すべき半導体層との間(両端層を含む)で連続的に具現化され得る。このことは、コンタクト部が継ぎ目なく具現化され、はんだ層または接着層等の接続層を有しないことを意味する。特に、コンタクト部は、金属または金属合金であり得る導電材料を含むのみである。一例として、コンタクト部は、1つの方法ステップの一部分として製造される。
【0013】
さらなる実施形態において、反射特性を向上させるために電気コンタクト部にミラー層を設ける。
【0014】
さらなる実施形態において、コンポーネントのキャリア側の反射特性を向上させるために、コンポーネントが出射する光に対して略透過性の接続材料を用いる。さらに、キャリアの面が接続層と対向し、かつ、鏡面反射性を有するように形成されたキャリアを使用する。活性領域がキャリア方向に出射する光は、したがって、キャリアの鏡面反射面で反射される。その結果、発光面を介して発せられる光束は増加する。
【0015】
さらなる実施形態において、マイナスにドープされた半導体層と対向する面において第1のコンタクト部が鏡面反射性を有するように、第1のコンタクト部は具現化される。このことによっても、出射光の発光面方向への反射が増大する。
【0016】
さらなる実施形態において、異質物を含有する充填材料を用いる。充填材料は、例えば感光性材料を含む。このように容易な加工を実現し得る。さらに、コンタクト部を導入するため、DRIE処理等によって迅速かつ容易に充填材料を除去することができる。
【0017】
一例として、レーザーアブレーションによって接続層内に切欠き部を形成することができ、キャリアにおける開口(opening)はこの場合、開口部(aperture)として機能し得る。このことによっても、迅速かつ容易な加工が可能となる。
【0018】
本発明の上記性質、特徴、および利点、ならびにそれらの実現方法は、図面に関連して詳細に説明される例示的な実施形態の下記記述に関連してさらに明らかとなり、またさらに明確に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図12】
図11に示す第1実施形態のキャリアの平面図を示す図である。
【
図13】第6方法ステップに記載の第2実施形態のキャリアの平面図を示す図である。
【
図14】第3実施形態のキャリアの図を示す図である。
【
図19】薄膜化ウェハをキャリアとして使用した光学コンポーネントの模式図を示す図である。
【
図20】コンバータおよびレンズを有するコンポーネントを示す図である。
【
図21】キャリア構造体を有するコンポーネントを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、第1方法ステップを示しており、成長基板1上にマイナスにドープされた半導体層2を成長させる。マイナスにドープされた半導体層2上にプラスにドープされた半導体層3を成長させる。活性領域は、マイナスにドープされた半導体層2とプラスにドープされた半導体層3との間に設けられ、この活性領域は光を発生させるように設計される。マイナスにドープされた半導体層2は以下第1の半導体層2といい、またプラスにドープされた半導体層3は以下第2の半導体層3という。あるいは、第1の半導体層2はp型ドープということもでき、第2の半導体層はn型ドープということができる。第1および第2の半導体層2,3は、例えば薄膜ダイオードを形成する。第1および第2の半導体層2,3は、層構造体を形成する。
【0021】
成長基板1は、サファイアまたは結晶シリコンの形態で具現化することができる。さらに、成長基板1は、炭化ケイ素または窒化ガリウムから構成することができる。成長基板1上に第1および第2の半導体層2,3をエピタキシャル成長させる。選択される実施形態に応じて、成長基板1上に中間層を設けることもできる。この中間層は、成長させる層構造体と略同一の格子構造を有する。これにより、第1の半導体層2の成長を改良することができ、その結果、成長中の第1の半導体層2の格子構造にほとんどまたはまったく欠陥が生じない。
【0022】
次いで、
図2に示すように、第2の半導体層3上にミラー層4を設ける。ミラー層4は、銀および/またはチタン等の反射率の高い金属を含むことができる。さらに、
図2に示すように、ミラー層4を設けた後に開口部5の領域においてプラスにドープされた半導体層3の表面が露出するように、ミラー層4に開口部5を設ける。開口部5の形成は、ミラー層4を設ける時と同時でもよいし、後からミラー層4内に導入してもよい。
図3に示す次の方法ステップでは、ミラー層4上に導電層6を設ける。選択される実施形態に応じて導電層6を不要とすることもできる。導電層6は、ミラー層4と同様に開口部5を有する。この開口部5は、ミラー層4内の開口部とは別に形成することも、一緒に形成することもできる。したがって、2つの層4および6内の開口部5には、同じ切欠き部が形成されてもよくまたは異なる切欠き部が形成されてもよい。
【0023】
第1および第2の半導体層2,3は、エピタキシャル層積層体、すなわちエピタキシャル成長させた層構造体として具現化することができる。この場合、半導体層2,3は例えばInGaAlNをベースとして具現化することができる。InGaAlNをベースとする層構造体としては、特に、III−V族化合物半導体材料系InxAlyGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)の材料を含む少なくとも1層の個別層を有するさまざまな個別層で構成される積層体を一般的に含む、エピタキシャル成長により形成された層構造体が含まれる。InGaAlNをベースとする少なくとも1層の活性層または活性領域を含む層構造体は、例えば、好ましくは紫外線波長から緑色波長の範囲の電磁放射を出射する。
【0024】
代替または追加として、半導体層2,3または半導体チップをInGaAlPベースとすることもできる。すなわち、層構造体は、さまざまな個別層を含むことが可能であり、個別層のうちの少なくとも1層はIII−V族化合物半導体材料系InxAlyGa1−x−yP(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)の材料を含む。InGaAlPをベースとする少なくとも1層の活性層または活性領域を含む層構造体は、例えば、好ましくは緑色波長から赤色波長の範囲内で1種または複数種のスペクトル成分を有する電磁放射を出射することができる。
【0025】
代替または追加として、半導体層2,3は他のIII−V族化合物半導体材料系、例えばAlGaAsをベースとする材料、またはII−VI族化合物半導体材料系を含むこともできる。特に、AlGaAsをベースとする材料を含む活性層は、赤色波長から赤外線波長の範囲で1種または複数種のスペクトル成分を有する電磁放射を出射することに適し得る。
【0026】
II−VI族化合物半導体材料系は、Be、Mg、Ca、Sr等の第II族のうちの少なくとも1種類の元素、およびO、S、Se等の第VI族のうちの元素を含み得る。特に、II−VI族化合物半導体材料系は、第II族の少なくとも1種類の元素および第VI族の少なくとも1種類の元素を含む二元化合物、三元化合物、または四元化合物を含む。さらに、このような二元化合物、三元化合物、および四元化合物は、1種または複数種のドーパントおよび追加構成要素を含み得る。一例として、II−VI族化合物半導体材料系としては、ZnSe、ZnTe、ZnO、ZnMgO、ZnS、CdS、ZnCdS、MgBeOが挙げられる。
【0027】
この場合、成長基板1は、上述の化合物半導体材料系等の半導体材料を含み得る。特に、成長基板1は、サファイア、GaAs、GaP、GaN、InP、SiC、Si、および/またはGeを含むことができ、また同材料で構成され得る。
【0028】
半導体層2,3は、活性領域として、例えば従来のpn接合、ダブルヘテロ構造、単一量子井戸構造(SQW構造)、または多重量子井戸構造(MQW構造)を有し得る。本特許出願においては、量子井戸構造の用語は、閉じ込めによって電荷キャリアのエネルギ状態が量子化され得る任意の構造を包摂する。特に量子井戸構造の用語は、量子化の次元についての指定を含まない。したがって、量子井戸構造には、特に、量子井戸、量子細線、および量子ドットと、これらの構造の任意の組合せとが含まれる。半導体層2,3は活性領域に加えて、p型またはn型ドープ電荷キャリア輸送層(すなわち電子またはホール輸送層);非ドープまたはp型あるいはn型にドープされた閉じ込め層、クラッディング層、または導波層;障壁層;平坦化層;緩衝層;保護層;コンタクト層および/または電極;ならびにこれらの組合せ等のさらなる機能層および機能領域を含むことができる。活性領域またはさらなる機能層および機能領域に関する上記のような構造は、特に構成、機能、および構造について、当業者に知られており、したがって本明細書中では詳細に説明しない。
【0029】
図4に示す次の方法ステップでは、溝7を第1および第2の半導体層2,3内に導入する。この溝は、第1および第2の半導体層2,3からなる層構造体の一部分と層構造体の残部とを分離する。溝7は、層構造体2,3の一部分の周囲に形成されかつ成長基板1まで達している。
【0030】
選択される実施形態に応じて、より広い面積の成長基板1上に
図1〜
図3の方法ステップを行う。この時、
図2および
図3の方法ステップにおいて、複数のオプトエレクトロニクスコンポーネント用として、広い面積の第1および第2の半導体層2,3上に複数のコンポーネントに対応する互いに離間するミラー層4と互いに離間する導電層6とを設ける。
図4に示す方法ステップにおいて、広い面積の層構造体の領域にコンポーネントごとの個別の部分領域のパターンを形成する。
【0031】
図5は、反転させた
図4に基づく配置体を示す。
図5に示す配置体を接続層8によってキャリア10の上面9に固定する。開口部5の領域にも接続層の材料を充填する。選択された実施形態に応じて、開口部5をさらなる充填材料11で充填してもよい。
図6および
図7では、開口部5は完全に充填材料11で充填されている。この場合、充填材料は、第2の半導体層3、導電層6、およびミラー層4と接する。第1の切欠き部14を形成するために、充填材料および第2の半導体層3を局所的に除去し、第1の切欠き部14において第1の半導体層2を露出させる。特に、残りの充填材料11は、横方向において第1の切欠き部14を包囲する。この場合、残りの充填材料11は、横方向において第1の切欠き部14とミラー層3との間に位置している。充填材料11は、反射性を有するように具現化することができる。一例として、充填材料は、酸化チタン粒子等の反射性を高める粒子を含む。ミラー層4および導電層6を有する第1および第2の半導体層2,3を、接続層8を用いてキャリア10の上面9に固定する。一実施形態では、空隙および/またはフィラーおよび/または散乱粒子等の異質物を有する充填材料11を用いる。さらに、充填材料11を例えば感光性材料として具現化することができる。これにより、容易な加工を実現することができる。
【0032】
接続層8を接着性材料から形成することができ、例えば非導電性の接着剤として具現化することができる。さらなる実施形態では、接続層8を、例えば金属で構成される導電材料として具現化することもでき、この接続層の場合、半導体層2,3は、はんだ接続を用いてキャリア10の上面9に固定する。
【0033】
以下の材料は、接着剤としての接続層の実施に適している:サーモプラスチック(Brewer Science社製Waferbond等)、二液型ポリウレタン(DELO-PUR 9604)、二液型エポキシ樹脂(ビスフェノールA、ノボラック等をベースとするジエポキシドまたはポリエポキシド、硬化剤であるポリアミン、メルカプタン)、ポリイミド(Dupont/HD Microsystems社製Adhesives HD 3007/HD 7010)、アクリレート、シリコーン(ジメチルシリコーン)。
【0034】
図6に示す接着剤による接合工程は、膜ボンダ(membrane bonder)で行う。選択される実施形態に応じて、キャリア10の上面と、開放ミラー層の開放上面または導電層6の開放上面との間の接続層について、層厚さを10μm未満の範囲とすることができる。また、接続層8の厚さは、例えば1μm未満とすることもできる。
【0035】
非導電性の接続層8を用いることによって、金属(Mo、W、C、CuW、AlSi、AlSiC)等の導電性材料またはSi、Ge、GaAs等の半導電性材料をキャリア10として用いることもできる。キャリア10は膜の形態で具現化することもでき、その層厚さを例えば100μmの範囲内とすることもでき、また10μmの範囲内まで薄くすることもできる。金属で構成されるキャリア10の実施形態では、ALDプロセス、CVDプロセス、またはPVDプロセス等を用いてキャリアに電気絶縁層を設けることができる。また、キャリア10は特に膜の形態、例えばプラスチック膜の形態で、電気絶縁層として具現化することもできる。
【0036】
さらに、接着剤による接合工程前に、開口部5を充填材料11で充填することができる。適した充填材料11は、例えば感光性材料(ProTEK(R))、またはDRIE処理を用いて再度除去可能な被覆材である。
【0037】
キャリア10を膜形態、特に金属膜形態で設けることにより、
図6に示す接続工程時にロールツーロール方式の製造を用いることができる。さらに、本工程順序により、キャリア10と半導体層2,3との接続を平坦に、非常に薄く、かつ均一に具現化することができる。さらに、例えばキャリアの下面のコンタクトパッド間にESDダイオードをシステム内に直接組込むことができる。シリコンの形態でキャリア10を実施する場合、ESDダイオードをシリコン内に直接組込むことができる。これは、局所的埋設によって行うことができ、接続はボンディングパッドメタライゼーションまたはボンディングパッドメタライゼーションに接続される再分散配線面によって行われる。
【0038】
不動態化されたシリコン製キャリア10に、接続層としてはんだ接続を用いる場合、溝7によるパターン形成(メサ状パターン形成)を成長基板1の剥離後に行う。不動態化は、ミラー層4のエッチバック後に例えばALD法によって行われる。
【0039】
図7に示す次の方法ステップでは、ミラー層4の開口部5の領域においてキャリア10の下面13から第1の切欠き部14を導入する。さらに、ミラー層の領域において第2の切欠き部15を導入する。第1および第2の切欠き部14,15は、キャリア10の材料に応じた方法により導入する。半導体材料のキャリア10の実施形態の場合、例えばエッチングを用いることができる。金属のキャリア10の実施形態の場合、レーザーアブレーション等の金属除去法を用いることができる。この工程の状態を
図7に示す。
【0040】
次いで、次の方法ステップでは、切欠き部14が活性領域16上方のマイナスにドープされた半導体層2に接するように、第1の切欠き部14上方の接続層8と、適当な場合は充填材料11とを除去する。さらに、第2の切欠き部15が導電層6まで、または導電層6がない場合はミラー層4まで達するように、第2の切欠き部15の領域において接続層8を除去する。この工程の状態を
図8に示す。
【0041】
充填材料11および接続層8の種類に応じて、接続層8および充填材料11を除去するために例えばDRIE処理を用いることができる。また、充填材料11および接続層8は、例えばレーザーアブレーション法によって除去することができる。この場合、キャリア10に既に設けられている第1および/または第2の切欠き部14,15は開口として用いられる。
【0042】
図9に示す次の方法ステップでは、下面13および第1および第2の切欠き部14,15の側壁に絶縁層17を設ける。選択される実施形態に応じて、切欠き部14の側壁の絶縁層17は、ミラー層の形態で具現化することができる。絶縁層17を設けて絶縁層17のパターン形成を行った後、第1の切欠き部14は依然として第1の半導体層2に直接接している。また、第2の切欠き部15は導電層6に、または導電層6がない場合はミラー層4に接している。絶縁層17は、ALD法またはTEOSベースのCVD法等を用いて堆積させることができる。さらなる実施形態において、第1のコンタクト部を形成するための導電性材料導入前に、第1の切欠き部14の領域におけるマイナスにドープされた半導体層2の開放領域および絶縁層17の開放領域に導電性かつ鏡面反射性の金属層を形成する。
【0043】
次の方法ステップでは、めっき法を用いて第1および第2の切欠き部14,15に金属等の導電性材料を充填し、次いで第1および第2のコンタクトパッド18,19それぞれを絶縁層17の下面に形成する。キャリア10の実施形態に応じて、コンタクトパッド18,19を設ける前または設けた後にCMP等による平坦化ステップを行うことができる。この工程の状態を
図10に示す。
【0044】
第1の切欠き部14内に第1のコンタクト部32を形成する。第2の切欠き部15内に第2のコンタクト部33を形成することができる。第1のコンタクト部32または第2のコンタクト部33の導入は、例えば、特にめっき法を用いて導電材料を切欠き部14または15に充填することによって1回の方法ステップで行うことができる。
【0045】
第1のコンタクト部32は、キャリア10、接続層8、ミラー層4、および第2の半導体層3を通り第1の半導体層2内に延在する。したがって、キャリア10内と第2の半導体層3内とに同時に、第1の半導体層2を電気的に接続するための第1のコンタクト部32を形成する。第1の切欠き部14内において、第1のコンタクト部32を、特に第1の半導体層2と第1のコンタクトパッド18との間に連続的に形成する。これは、第1の切欠き部内の第1のコンタクト部32が、第1の半導体層2と第1のコンタクトパッド18との間に略一体化して形成されることを意味する。一例として、第1のコンタクト部32は、第1の半導体層2と第1のコンタクトパッド18との間の第1の切欠き部14を充填する方法ステップで用いられる導電材料のみを含む。具体的には、キャリア10によって横方向に囲まれるコンタクト部32の第1の部分と、第2の半導体層3によって横方向において囲まれるコンタクト部32のさらなる部分とを接続するような接続層であって、コンタクト部32の第1の部分またはさらなる部分とは異なる材料を含むような接続層は、コンタクト部32には存在しない。
【0046】
第2のコンタクト部33は、キャリア10および接続層8を通り延在する。特に第2の切欠き部15内において、第2のコンタクト部33を連続的に形成する。一例として、第2のコンタクト部33は、第2の切欠き部15を充填する方法ステップにおいて用いられる導電材料のみを含む。
図10では、第2のコンタクト部33は、ミラー層4および導電層6によって第2の半導体層3に電気的に接続される。派生形態として、第2のコンタクト部33を第2の半導体層3と直接電気的に接続してもよい。
【0047】
さらに、例えばシリコンウェハの形態で半導体材料から構成されるキャリアを用いる場合、絶縁層17は二酸化ケイ素層として具現化することができる。
【0048】
次いで、成長基板1を除去する。この目的のために、成長基板1を例えばレーザーリフトオフ法によって剥離するかまたはCMP法によって除去することができる。次いで、第1の半導体層2の上側表面20を粗面化する。この工程の状態を
図11に示す。
図11では、第1の半導体層2の厚さは拡大されて示されている。さらに、個々のコンポーネントを個片化する。
【0049】
図12は、第1のコンポーネント21の第1および第2のコンタクトパッド18,19の平面図を示す。第1および第2のコンタクトパッド18,19は、第2の溝22によって電気的に絶縁される。さらに、図示の実施形態では複数の第1および第2の切欠き部14,15が設けられ、この切欠き部は導電材料で充填され、それぞれ第1および第2の電気コンタクト部32,33を構成する。マイナスにドープされた半導体層2用の第1の電気コンタクト部は、4×4の配列で配置される。プラスにドープされた半導体層3用の第2の電気コンタクト部は、4つの第2の電気コンタクト部を1列に配置する。
【0050】
図13は、第2のコンポーネント34の実施形態を示しており、この実施形態では、4つの角領域に配置される第2のコンタクトパッド19が提供される。第2のコンタクトパッド19はいずれも、第2の溝22によって第1のコンタクトパッド18と離間する。第2のコンタクトパッド19の配置と同様に、第2の電気コンタクト部33も四角形の角領域に配置される。第1のコンタクトパッド18の実施形態と同様に、第1の電気コンタクト部32は、第1のコンタクトパッド18のエリア一面に均一に分布させて配置する。
【0051】
図14は、第3のコンポーネント35の一実施形態を示しており、この実施形態では、ただ1つの第2のコンタクトパッド19を角領域に配置する。この第2のコンタクトパッドは、略正方形に具現化される第1のコンタクトパッドから第2の溝22によって電気的に絶縁される。第2のコンタクトパッド19と同様に、プラスにドープされた半導体層3との接続のための1つのみの第2の電気コンタクト部33が設けられる。さらに、第1の電気コンタクト部32は、第1のコンタクトパッド18のエリア一面に均一に分布させる。
【0052】
図12〜
図14に示した実施形態は、第1および第2のコンタクトパッド18,19、ならびに対応する第1および第2の電気コンタクト部32,33の可能な分割の例示にすぎない。
【0053】
図15は、さらなる実施形態を示す。この実施形態は
図11に従ってほぼ構成されるが、第1のコンタクトパッド18の第2のコンタクトパッド19との隣接領域に部分的に、追加絶縁層23が設けられる。さらに、第2のコンタクトパッド19は、追加絶縁層23を横方向に越えて形成される。また、第1のコンタクトパッド18は、2層の形態で具現化され、第1の層は絶縁層17上にあり、第2の層は第1の層およびさらなる絶縁層23上にある。追加絶縁層23は、第1の切欠き部14の領域に凹部(depression)を有しており、このくぼみ部は平坦化工程を行わない結果生じる。同様に、第1のコンタクトパッド18は、第2の層の領域においてくぼみ部24を有する。このようなくぼみ部は、切欠き部15の領域においても生じ得る。次いで、第1および第2のコンタクトパッド18,19は、その構造が
図16に示すようになるように、平坦化され得る。
【0054】
図17は、第1および第2のコンタクトパッド18,19の図を示す。追加絶縁層23が設けられることにより、第1および第2のコンタクトパッド18,19の幾何学配置をより柔軟に変形することができ、第1および第2のコンタクトパッド18,19を第1および第2のコンタクト部の実際の配置とは切り離すことができる。
【0055】
図18は、半導体ウェハの形態のキャリア10を示し、キャリア10は、中心領域36よりも厚くかつリング状に周囲に延在する縁部24を有する。一例として、当該ウェハは、シリコンウェハとして具現化される。この形態のキャリアは、ウェハの内側領域を薄層化し、より厚い周囲縁部領域が残存することにより実現される。これにより、ウェハの機械的安定性が維持される。
図18に示すキャリアは、例えばDisco社のTaiko法によって製造される。シリコンウェハの厚さは、中心領域36において例えば10μmである。
【0056】
図18に示すキャリアは、
図6に示すキャリア10として用いられる。次いで、対応するパターン形成を行う。
図19は、
図8に対応する工程の状態を示す。
図19に示される配置と同様に、多数のコンポーネントを
図19に示すキャリア上に形成することができる。
【0057】
図20は、
図16に示すコンポーネントの2つがキャリア10に配置されている工程の状態を示しており、ここでは、フレームの形態の外周部の分離構造25が各コンポーネント21間に例えばフォトレジストを用いて設けられている。さらに、フレーム内のマイナスにドープされた半導体層2上に変換層26およびレンズ27を設けた。
【0058】
フレームの形態の分離構造25は、例えばフォトレジストプロセスを用いて形成される。フレーム構造は、ベンゾシクロブテン等のプラスチックから形成され得る。変換層26は、例えばシリコンを含み、シリコンにはYAG:Ce等のルミネセンス変換物質または他の物質が埋め込まれている。
【0059】
図20では、適当なドーピングによってキャリア10に設けたESDダイオード28が模式的に示される。さらに、ESDダイオードは、コンタクトパッド18,19間等のキャリア10の下面に導入することもできる。
【0060】
次いで、
図20に示すコンポーネントを、
図21の模式的な断面図に示すとおり、ビア30およびさらなるコンタクト部31を備えるさらなるキャリア構造体29に設置する。さらなるコンタクト部31は、キャリア構造体29の下面に配置され、コンポーネント21はキャリア構造体29の上面に配置される。
【0061】
さらなるコンタクト部は、キャリア構造体29の下面に配置され、ビア30によってコンポーネントの各コンタクトパッド18,19に接続される。
【0062】
好ましい例示的な実施形態に基づき本発明をより詳細に例示し、記述してきたが、本発明は開示した例に限定されることはなく、当業者によって、他の変化形態が本発明の保護範囲から逸脱することなく、開示した例から派生し得る。
【0063】
本特許出願は、独国特許出願第102012217533.4号の優先権を主張し、この開示内容は参照によって本明細書に援用される。
【符号の説明】
【0064】
1 成長基板
2 マイナスにドープされた半導体層
3 プラスにドープされた半導体層
4 ミラー層
5 開口部
6 導電層
7 溝
8 接続層
9 上面
10 キャリア
11 充填材料
13 下面
14 第1の切欠き部
15 第2の切欠き部
16 活性領域
17 絶縁層
18 第1のコンタクトパッド
19 第2のコンタクトパッド
20 上面
21 第1のコンポーネント
22 第2の溝
23 追加絶縁層
24 縁部
25 分離構造
26 変換層
27 レンズ
28 ESDダイオード
29 キャリア構造体
30 ビア
31 さらなるコンタクト部
32 第1の電気コンタクト部
33 第2の電気コンタクト部
34 第2のコンポーネント
35 第3のコンポーネント
36 中心領域