(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6099758
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】可視光通信方法、装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04B 10/116 20130101AFI20170313BHJP
H04B 10/516 20130101ALI20170313BHJP
【FI】
H04B10/116
H04B10/516
【請求項の数】19
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-543255(P2015-543255)
(86)(22)【出願日】2013年7月19日
(65)【公表番号】特表2016-503625(P2016-503625A)
(43)【公表日】2016年2月4日
(86)【国際出願番号】CN2013079731
(87)【国際公開番号】WO2013167058
(87)【国際公開日】20131114
【審査請求日】2015年7月17日
(31)【優先権主張番号】201210475220.0
(32)【優先日】2012年11月21日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】500266829
【氏名又は名称】中興通訊股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100125874
【弁理士】
【氏名又は名称】川端 純市
(74)【代理人】
【識別番号】100189544
【弁理士】
【氏名又は名称】柏原 啓伸
(72)【発明者】
【氏名】禹 忠
(72)【発明者】
【氏名】郭 陽
【審査官】
後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】
特表2012−518365(JP,A)
【文献】
特開2006−217492(JP,A)
【文献】
特開2003−318836(JP,A)
【文献】
特開2010−130029(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0069957(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B10/00−10/90
H04J14/00−14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光通信方法であって、
可視光通信を利用する際、異なる波長の光を変調することと、伝送すべき情報の信号波形に応じて変調後の異なる波長の光のエミッタンスを変更することとを含み、
前記可視光の使用可能な波長スペクトルが複数のキャリアに分けられ、各キャリアのフレーム構造が複数のタイムスロットに分けられ、
前記各タイムスロットは、基地局と端末が送信と受信操作を行うことに提供されることができ、且つ、各タイムスロットが切り替え、保留または設定されることができる、前記方法。
【請求項2】
前記変調の過程は、
可視光通信に用いられるN個の送信信号を生成するために、所定数のディメンションで、前記異なる波長の光に対応する各キャリアに生成したN個のデータストリームに対して変調を行うことを含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記変調を行う前に、さらに、情報ソースからのデータストリームに対してエンコードを行うことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
可視光通信を利用する際に発射された可視光は、空間伝送の時に空間多重化されることを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記異なる波長の光に対応する各キャリアの通信条件に対してモニタリングを行うことをさらに含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
受信された、通信に用いられる可視光に対して、強度と頻度で周波数検出を行い、かつ情報ソースからの通信内容を復元するために、受信された光信号から抽出した変調信号に対して復調を行うことをさらに含むことを特徴とする
請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記復調を行った後、及び情報ソースからの前記通信内容を復元する前に、得た復調信号に対してデコードを行うことをさらに含むことを特徴とする
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
可視光通信方法であって、
受信された、通信に用いられる可視光に対して、強度と頻度で周波数検出を行い、かつ情報ソースからの通信内容を復元するために、受信された光信号から抽出した変調信号に対して、異なる波長の光に対する復調を行うことを含み、
前記可視光の使用可能な波長スペクトルが複数のキャリアに分けられ、各キャリアのフレーム構造が複数のタイムスロットに分けられ、
前記各タイムスロットは、基地局と端末が送信と受信操作を行うことに提供されることができ、且つ、各タイムスロットが切り替え、保留または設定されることができる、前記方法。
【請求項9】
前記復調を行った後、及び情報ソースからの前記通信内容を復元する前に、得た復調信号に対してデコードを行うことをさらに含むことを特徴とする
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
可視光通信装置であって、
可視光通信を利用する際、異なる波長の光を変調するように構成される変調ユニットと、
伝送すべき情報の信号波形に応じて変調後の異なる波長の光のエミッタンスを変更するように構成される発光制御ユニットとを含み、
前記可視光の使用可能な波長スペクトルが複数のキャリアに分けられ、各キャリアのフレーム構造が複数のタイムスロットに分けられ、
前記各タイムスロットは、基地局と端末が送信と受信操作を行うことに提供されることができ、且つ、各タイムスロットが切り替え、保留または設定されることができる、前記装置。
【請求項11】
前記変調ユニットが変調を行う時に、可視光通信に用いられるN個の送信信号を生成するために、所定数のディメンションで、前記異なる波長の光に対応する各キャリアに生成したN個のデータストリームに対して変調を行うように構成されることを特徴とする
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記変調を行う前に、情報ソースからのデータストリームに対してエンコードを行うように構成されるエンコードユニットをさらに含むことを特徴とする
請求項10または11に記載の装置。
【請求項13】
前記発光制御ユニットは、さらに、可視光通信を利用する際、発射された可視光に対して空間多重化を行うように構成されることを特徴とする
請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記発光制御ユニットは、さらに、
前記異なる波長の光に対応する各キャリアの通信条件に対してモニタリングを行うように構成されることを特徴とする
請求項10に記載の装置。
【請求項15】
可視光通信装置であって、
受信された、通信に用いられる可視光に対して、強度と頻度で周波数検出を行うように構成されるフィルタ整形回路と、
情報ソースからの通信内容を復元するために、受信された光信号から抽出した変調信号に対して復調を行うように構成される復調ユニットとを含み、
前記可視光の使用可能な波長スペクトルが複数のキャリアに分けられ、各キャリアのフレーム構造が複数のタイムスロットに分けられ、
前記各タイムスロットは、基地局と端末が送信と受信操作を行うことに提供されることができ、且つ、各タイムスロットが切り替え、保留または設定されることができる、前記装置。
【請求項16】
前記復調を行った後、及び情報ソースからの前記通信内容を復元する前に、得た復調信号に対してデコードを行うように構成されるデコードユニットをさらに含むことを特徴とする
請求項15に記載の装置。
【請求項17】
可視光通信システムであって、
可視光通信を利用する際、異なる波長の光を変調し、伝送すべき情報の信号波形に応じて変調後の異なる波長の光のエミッタンスを変更するように構成される送信装置と、
受信された、通信に用いられる可視光に対して、強度と頻度で周波数検出を行い、かつ情報ソースからの通信内容を復元するために、受信された光信号から抽出した変調信号に対して復調を行うように構成される受信装置とを含み、
前記可視光の使用可能な波長スペクトルが複数のキャリアに分けられ、各キャリアのフレーム構造が複数のタイムスロットに分けられ、
前記各タイムスロットは、基地局と端末が送信と受信操作を行うことに提供されることができ、且つ、各タイムスロットが切り替え、保留または設定されることができる、前記システム。
【請求項18】
前記送信装置は、変調ユニット、及び発光制御ユニットを含み、
前記変調ユニットは、可視光通信を利用する際、異なる波長の光を変調するように構成され、
前記発光制御ユニットは、伝送すべき情報の信号波形に応じて変調後の異なる波長の光のエミッタンスを変更するように構成されることを特徴とする
請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記受信装置は、フィルタ整形回路、復調ユニットを含み、
前記フィルタ整形回路は、受信された、通信に用いられる可視光に対して、強度と頻度で周波数検出を行うように構成され、
前記復調ユニットは、情報ソースからの通信内容を復元するために、受信された光信号から抽出した変調信号に対して復調を行うように構成されることを特徴とする
請求項17または18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信分野に関し、特に可視光通信方法、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
LED技術の発展と伴い、可視光通信(VLC:Visible Light Communication)が新生代無線通信技術の研究ホットスポットの1つとなっている。VLCがLED照明を利用すると同時に、信号をLED光源に変調し、可視光周波数帯を通信ベアラとしてデータ伝送に用いる。現在、可視光通信が固定波長の光波に対する変調に用いる変調モードは、OOK(オン・オフ・キーイング)またはVPPM(可変パルス変調)などモードである。これらの伝送モードは情報伝送キャリアが固定であり、コストが低いが、対応する伝送率と無線伝送モードが単位スペクトル伝送効率よりはるかに低く、かつ符号間干渉及び雑音干渉に対する抵抗能力が弱い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これを鑑みて、本発明実施形態の主な目的は、チャネル条件と雑音環境など変数に悪化条件が生じた場合、タイムリーにホッピング通信することを可能にさせ、符号間干渉と雑音干渉能力を低減し、伝送効率を向上させることができるように、可視光通信方法、装置及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を実現するために、本発明実施形態の技術的解決手段は次のように実現される。
【0005】
可視光通信方法であって、
可視光通信を利用する際、異なる波長の光を変調することと、伝送すべき情報の信号波形に応じて変調後の異なる波長の光のエミッタンスを変更することとを含む。
【0006】
前記変調の過程は、
可視光通信に用いられるN個の送信信号を生成するために、所定数のディメンションで、前記異なる波長の光に対応する各キャリアに生成したN個のデータストリームに対して変調を行うことを含む。
【0007】
前記変調を行う前に、さらに、情報ソースからのデータストリームに対してエンコードを行う。
【0008】
可視光通信を利用する際に発射された可視光は、空間伝送の時に空間多重化される。
【0009】
該方法は、さらに、
前記異なる波長の光に対応する各キャリアの通信条件に対してモニタリングを行うことを含む。
【0010】
該方法は、さらに、
受信された、通信に用いられる可視光に対して、強度と頻度で周波数検出を行い、かつ情報ソースからの通信内容を復元するために、受信された光信号から抽出した変調信号に対して復調を行うことを含む。
【0011】
該方法は、さらに、
前記復調を行った後、及び情報ソースからの前記通信内容を復元する前に、さらに、得た復調信号に対してデコードを行うことを含む。
【0012】
可視光通信方法であって、
受信された、通信に用いられる可視光に対して、強度と頻度で周波数検出を行い、かつ情報ソースからの通信内容を復元するために、受信された光信号から抽出した変調信号に対して復調を行うことを含む。
【0013】
該方法は、さらに、
前記復調を行った後、及び情報ソースからの前記通信内容を復元する前に、さらに、得た復調信号に対してデコードを行うことを含む。
【0014】
可視光通信装置であって、変調ユニット、発光制御ユニットを含み、
前記変調ユニットは、可視光通信を利用する際、異なる波長の光を変調するように構成され、
前記発光制御ユニットは、伝送すべき情報の信号波形に応じて変調後の異なる波長の光のエミッタンスを変更するように構成される。
【0015】
前記変調ユニットが変調を行う時に、可視光通信に用いられるN個の送信信号を生成するために、所定数のディメンションで、前記異なる波長の光に対応する各キャリアに生成したN個のデータストリームに対して変調を行うように構成される。
【0016】
前記装置は、さらに、エンコードユニットを含み、前記変調を行う前に、情報ソースからのデータストリームに対してエンコードを行うように構成される。
【0017】
前記発光制御ユニットは、さらに、可視光通信を利用する際、発射された可視光に対して空間多重化を行うように構成される。
【0018】
前記発光制御ユニットは、さらに、
前記異なる波長の光に対応する各キャリアの通信条件に対してモニタリングを行うように構成される。
【0019】
可視光通信装置であって、フィルタ整形回路、復調ユニットを含み、
前記フィルタ整形回路は、受信された、通信に用いられる可視光に対して、強度と頻度で周波数検出を行うように構成され、
前記復調ユニットは、情報ソースからの通信内容を復元するために、受信された光信号から抽出した変調信号に対して復調を行うように構成される。
【0020】
この装置は、さらに、前記復調を行った後、及び情報ソースからの前記通信内容を復元する前に、さらに、得た復調信号に対してデコードを行うように構成されるデコードユニットを含む。
【0021】
可視光通信システムであって、送信装置と受信装置を含み、
前記送信装置は、可視光通信を利用する際、異なる波長の光を変調し、伝送すべき情報の信号波形に応じて変調後の異なる波長の光のエミッタンスを変更するように構成され、
前記受信装置は、受信された、通信に用いられる可視光に対して、強度と頻度で周波数検出を行い、かつ情報ソースからの通信内容を復元するために、受信された光信号から抽出した変調信号に対して、異なる波長の光に対する復調を行うように構成される。
【0022】
前記送信装置は、変調ユニット、発光制御ユニットを含み、
前記変調ユニットは、可視光通信を利用する際、異なる波長の光を変調するように構成され、
前記発光制御ユニットは、伝送すべき情報の信号波形に応じて変調後の異なる波長の光のエミッタンスを変更するように構成される。
【0023】
前記受信装置は、フィルタ整形回路、復調ユニットを含み、
前記フィルタ整形回路は、受信された、通信に用いられる可視光に対して、強度と頻度で周波数検出を行うように構成され、
前記復調ユニットは、情報ソースからの通信内容を復元するために、受信された光信号から抽出した変調信号に対して復調を行うように構成される。
【発明の効果】
【0024】
本発明実施形態によれば、1つまたは複数の発射装置を通じて発射光波を若干のサブ波長伝送キャリアに分け、各キャリアのチャネル条件、雑音環境など通信条件に対してモニタリングを行い、次の伝送スロットの異なる波長でホッピングするホッピング通信チャネルは、前の伝送スロットにより指定され、且つ1つまたは複数の受信装置でデコードを行って伝送情報を復元する。本発明実施形態によれば、チャネル条件と雑音環境など変数に悪化条件が生じた場合、タイムリーにホッピング通信できるので、符号間干渉と雑音干渉能力を大幅に下げ、効果的に伝送効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明実施形態による可視光通信原理を示す図である。
【
図2】本発明実施形態による可視光通信システムの構造を示す図である。
【
図3】本発明実施形態による可視光通信システムの作動原理を示す図である。
【
図4】本発明実施形態による可視光通信フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
実際の応用において、可視光通信を行う際、発光ダイオード(LED)などの発光素子を光源として利用してよく、かつ異なる波長の光を変調し、伝送すべき情報の信号波形に応じて変調後の異なる波長の光のエミッタンスを変更する。説明必要なのは、これらの波長光が紅(R)、緑(G)、青(B)の三原色に組み合わせることができ、且つ最終的に白色光になり、照明のためだけでなく、通信のために用いられることもできる。
【0027】
上記操作は、
図2に示されるような可視光通信システムによって実現でき、前記可視光通信システムが、送信装置と受信装置を含む可能である。ここで、送信装置は、可視光照明を行い、また、可視光通信を行うことができるように構成される1つまたは1つ以上の発光素子と、変調ユニットで生成されたN個の送信信号に応じて発光制御ユニットを制御して発光するように構成される発光制御ユニットと、所定数のディメンションで、各キャリアに生成したN個のデータストリームに対して変調を行って、それによって発光制御ユニットへ送信すべきN個の送信信号を生成するように構成される変調ユニットと、情報ソースからのデータストリームに対してエンコードを行い、そしてエンコード完成後のデータストリームを変調ユニットへ送信するように構成されるエンコードユニットとを含む。説明必要なのは、発光素子によって発射された可視光が、空間伝送の際に、空間多重化されることができることである。
【0028】
前記可視光通信システムにおける受信装置は、前記送信装置からの可視光を受信し、強度と頻度で周波数検出を行うように構成される光受信素子と、受信された光信号から抽出した変調信号に対して復調を行い、復調信号をデコードユニットへ送信するように構成される復調ユニットと、受信された復調信号に対して復調を行って情報ソースからの通信内容を復元するように構成されるデコードユニットとを含んでよい。
【0029】
以下は、図面を合わせながら、本発明実施形態を説明する。
【0030】
図1を参照し、
図1には、4つの基地局(101、102、103、104)が含まれており、前記基地局が光源として使われる固定ドームライトである。ここで、基地局101がマスター基地局とされ、基地局が可視光を使って通信を行う。
図1には、さらに、若干の端末が含まれており、端末が任意1つの基地局と双方向通信を行ってよく、基地局が特定の端末に対して放送通信を行うこともできる。隣接基地局が直接通信を行うことができる。
【0031】
図2を参照し、
図2における発光素子は、発光ダイオード、レーザダイオード(LD)、またはスーパールミネッセントダイオードなどであってよい。変調ユニットの変調モードは、オン・オフ・キーイング(OOK)、可変パルス位置変調(VPPM)、直交周波数分割多重(OFDM)またはDSSS(直接スペクトラム拡散)などであってよい。
【0032】
光受信素子は、フォトダイオード、CCD(電荷結合素子)またはCMOS(相補型金属酸化膜半導体)などであってよい。
【0033】
表1には、可視光通信基準に従って信号を伝送するフレームとタイムスロット構造が示されている。通信の際、使用可能な波長スペクトル(380−680)は、複数のキャリアに分けられることができ、例えば、10個のキャリア(例えば、F0、F2〜F9)に分けられ、各キャリアが40nmの波長スペクトルを有する。
【0034】
また、各キャリアのフレーム構造が若干のタイムスロット(例えば均等タイムスロット)に分けることができる。ここで、ダウンリンクに前X個のタイムスロットを提供することができ、アップリンクに後のY個のタイムスロット(前記XとYの数が等しいことができる)を提供することもできる。さらに、二重通信のためにいくつかのタイムスロットペアを構造することもでき、各フレームの最後のタイムスロットで次のフレームを指示する。
【表1】
【0035】
初期化段階において、基地局と端末がバンドF0〜F9の10個の波長周波数を含む範囲内のホッピングシーケンスに同期され、ホッピングシーケンスにおける各タイムスロットは、基地局と端末が送信と受信操作を行うことに提供されることができ、且つ、各タイムスロットが切り替え、保留または設定されることができる。
【0036】
端末が基地局へデータを送信しようとする場合、端末が次の提供可能なタイムスロット/周波数スロットAが空になるまで待ち、このタイムスロット/周波数スロットの期間でデータ送信を行ってよく、且つ、次のタイムスロット/周波数スロットBで基地局からの確認(ACK)を待つ。
【0037】
タイムスロット/周波数スロットBで確認を受信しなかった場合、端末は、基地局がタイムスロット/周波数スロットAで送信されたデータを正確に受信しなかったと仮定する。
【0038】
端末が送信と受信の記録を保留することができ、そのなかにバンドF0〜F9中の各バンドの送信回数Rを含んでよく、さらに、伝送成功の回数Rnも含んでもよく、端末は、対応する基地局に干渉指数を報告することができる。例えば、上述した可視光通信システムのチャネルメトリックの絶対値は、チャネル性能が予定された閾値より低いことを示すと仮定した場合、該チャネルは、雑音キャリアチャネルとみなされてアップロードする必要がない。アップロードされるバンドの数は、基地局が端末に対する送信性能メトリックの絶対値が予定された閾値より低いことによって確定できる。
【0039】
このように、各端末が評価期間TでチャネルにおけるバンドF0〜F9が受けた干渉のグラフを構築し、このグラフは、前記干渉指数に含まれている。
【0040】
図3に示されるように、基地局は、そのカバレッジ内の各端末により提供される干渉指数を取得し、配置して送信を行う。基地局は、タイムスロット/周波数スロットで照会コマンドを放送でき、この照会コマンドは、対応する端末にアドレッシングし、この端末が次のタイムスロットでローカルの干渉指数を送信するように指示する。基地局が、各端末のローカル干渉指数を成功に受信できるまで、上述した照会過程を繰り返すことができる。
【0041】
端末からの干渉指数によって、基地局がチャネル中の各バンドのシステム性能を計算し、それによって最も性能が悪いバンドを確定し、さらに、2つまたは若干の性能が最も悪い周波数を含むブラックリストを生成することができる。基地局は、配置タイムスロットでブラックリストに登録された周波数を示す制御パケットを繰り返し放送する。前記制御パケットは、全ての端末が受信できるように、繰り返し放送されることができる。
【0042】
いったん、1つの波長のバンドがブラックリストに登録され、ホッピングライブラリを形成した場合、ブラックリストに登録されたバンドは一定の時間内でシステムに使用されることがない。例えば、チャネル中のバンド数が10とする。しかし、実際のシステムでは、より多くのバンドからなるホッピングキャリアを含むことが可能である。
【0043】
ブラックリストの生成は、異なる頻繁程度を有することができ、この頻繁程度がシステム稼働の環境によって決められる。例えば、1つの端末で、初期化後、ブラックリストの生成が1回のみ行われ、または、1時間ごとに新しいブラックリストが1回生成される。たくさんの干渉源を有する雑音厳重の環境で、比較的によいスペクトル利用を保証するために、定期的に(例えば、1秒ごとに1回)ブラックリストを再生成して、ホッピングライブラリを形成する必要がある。
【0044】
各送信フレームの最後の1つのタイムスロットで、基地局はシステム負荷及びカラーバランス指数によって、対応する端末が次の送信フレームで使用する波長バンドを指定することができる。複数のホッピングキャリアから別のキャリアを配分し、全てのキャリアが任意の隣接の繰り返し使用されるキャリアと時間上で同期される。ホッピングライブラリには、さらに、制御とカップリングを行うことに用いられるキャリアを含むことも可能である。
【0045】
上記説明を合わせてわかるように、本発明実施形態における可視光通信は
図4に示されるようなフローが示されてよく、このフローは、次のステップを含む。
【0046】
ステップ410において、可視光通信を利用する際、異なる波長の光を変調する。
【0047】
ステップ420において、伝送すべき情報の信号波形に応じて変調後の異なる波長の光のエミッタンスを変更する。
【0048】
説明必要なのは、本発明実施形態で提供された可視光通信システムにおける送信装置と受信装置は、いずれが既知のホッピングシーケンスが確立されており、且つ、異なる波長のチャネルの間でキャリアを切り替えることによって信号を伝送することができ、可視光通信システムの幾つかの確定されたチャネル条件、雑音環境など通信条件に対してモニタリングを行うことができ、特に、可能な雑音キャリアチャネルが現れるかどうかをモニタリングし、そしてこれによって前記ホッピングシーケンスをマッチングすることができ、ホッピングシーケンスにおいて干渉影響に最も敏感なバンドに対して追跡でき、干渉に最も敏感な、将来雑音影響を最も受けやすいバンドを避けるような対策を取ることができ、相応なバンドに対してブラックリストを確立でき、基地局がブラックリストに登録されたバンドの情報を隣接基地局へ送信し、隣接基地局がブラックリストを共有でき、タイムリーにホッピングライブラリからホッピングシーケンスを削除、修正することができる。
【0049】
以上は、本発明の最適的な実施例に過ぎなく、本発明の保護範囲を限定するものでない。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係る可視光通信方法、装置及びシステムは、可視光通信を利用する際、異なる波長の光を変調し、伝送すべき情報の信号波形に応じて変調後の異なる波長の光のエミッタンスを変更する。また、受信された、通信に用いられる可視光に対して、強度と頻度で周波数検出を行い、かつ情報ソースからの通信内容を復元するために、受信された光信号から抽出した変調信号に対して復調を行う。本発明によれば、チャネル条件と雑音環境など変数に悪化条件が生じた場合、タイムリーにホッピング通信できるので、符号間干渉と雑音干渉能力を大幅に下げ、効果的に伝送効率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0051】
101、102、103、104・・・基地局。