(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6099764
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】オプトエレクトロニクス半導体部品を製造する方法およびオプトエレクトロニクス半導体部品
(51)【国際特許分類】
H01L 33/54 20100101AFI20170313BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20170313BHJP
H01L 33/60 20100101ALI20170313BHJP
H01L 31/02 20060101ALI20170313BHJP
【FI】
H01L33/54
H01L33/62
H01L33/60
H01L31/02 B
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-548460(P2015-548460)
(86)(22)【出願日】2013年12月17日
(65)【公表番号】特表2016-504770(P2016-504770A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】EP2013076977
(87)【国際公開番号】WO2014095923
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2015年6月19日
(31)【優先権主張番号】102012113003.5
(32)【優先日】2012年12月21日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン プロイス
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ツィツルスペルガー
(72)【発明者】
【氏名】カロリーネ キストナー
【審査官】
百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/160968(WO,A1)
【文献】
特開2012−059939(JP,A)
【文献】
特開2006−179718(JP,A)
【文献】
特開2012−119673(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/093454(WO,A1)
【文献】
国際公開第2012/110147(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/134777(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/015449(WO,A1)
【文献】
特開2011−228703(JP,A)
【文献】
特表2011−515846(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/007245(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オプトエレクトロニクス半導体部品(100、200)の製造方法であって、当該方法は、
・担体(1)を用意するステップを有しており、
・導電性材料によって形成されており、複数の間隙(3)を有している導電性構造体(2)を用意するステップを有しており、
・前記導電性構造体(2)を、前記担体(1)の上面(4)に配置するステップを有しており、当該上面(4)は、前記導電性構造体(2)の複数の間隙(3)において露出されており、
・複数のオプトエレクトロニクス半導体チップ(5)を用意するステップを有しており、
各オプトエレクトロニクス半導体チップ(5)は、少なくとも、各半導体チップの上面(6)において層(7)を含んでおり、
・前記複数のオプトエレクトロニクス半導体チップ(5)を、前記担体(1)の上面(4)に、かつ、前記導電性構造体(2)の複数の間隙(3)内に配置するステップを有しており、
・各オプトエレクトロニクス半導体チップ(5)の接続箇所(9)と、前記導電性構造体(2)との間に電気的接続部分(8)を形成するステップを有しており、
・各オプトエレクトロニクス半導体チップ(5)と前記電気的接続部分(8)とを、成形物(11)によって包囲するステップを有しており、ここで当該成形物(11)は、全オプトエレクトロニクス半導体チップの側面(12)を少なくとも部分的に覆っており、前記オプトエレクトロニクス半導体チップ(5)は、前記担体(1)の上面(4)から離れる方向において前記成形物(11)から突出し、
・前記担体(1)を除去するステップを有しており、ここで前記担体(1)を除去する前に、反射性包囲部(14)を前記成形物(11)の、前記担体(1)とは反対側にある面に被着し、ここで当該反射性包囲部(14)は、前記オプトエレクトロニクス半導体チップ(5)の、前記担体(1)とは反対側にある上面(6)で、前記オプトエレクトロニクス半導体チップ(5)から突出せず、当該反射性包囲部(14)は、前記成形物(11)から突出している領域において、前記オプトエレクトロニクス半導体チップ(5)を包囲し、
・少なくとも前記成形物(11)を、オプトエレクトロニクス半導体部品(101、201)を形成するために個別化するステップを有しており、ここで各オプトエレクトロニクス半導体部品(101、201)は、少なくとも1つのオプトエレクトロニクス半導体チップ(5)を含んでいる、
ことを特徴とする、オプトエレクトロニクス半導体部品(100、200)の製造方法。
【請求項2】
前記オプトエレクトロニクス半導体部品(100、200)の高さは、前記オプトエレクトロニクス半導体チップ(5)の高さに相当する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記各電気的接続部分(8)はコンタクトワイヤー(10)を含んでおり、当該コンタクトワイヤー(10)は前記オプトエレクトロニクス半導体チップ(5)の前記接続箇所(9)を前記導電性構造体(2)と接続する、請求項1から2までのいずれか1項記載の方法。
【請求項4】
前記成形物(11)をビーム透過性に形成する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つのコンタクトワイヤー(10)を部分的に前記成形物(11)内に配置し、少なくとも1つのコンタクトワイヤー(10)を部分的に前記反射性包囲部(14)内に配置する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
オプトエレクトロニクス半導体部品(100、200)であって、当該オプトエレクトロニクス半導体部品は、
・上面(6)で層(7)を含んでいるオプトエレクトロニクス半導体チップ(5)を含んでおり、
・導電性材料によって形成されており、かつ、少なくとも1つの間隙(3)を有している導電性構造体(2)を含んでおり、当該間隙(3)内には、前記オプトエレクトロニクス半導体チップ(5)が配置されており、
・前記オプトエレクトロニクス半導体チップ(5)の接続箇所(9)を前記導電性構造体(2)と接続するコンタクトワイヤー(10)を含んでおり、
・成形物(11)を含んでおり、前記オプトエレクトロニクス半導体チップの側面(12)と前記コンタクトワイヤー(10)とは当該成形物(11)によって、少なくとも部分的に覆われており、
・反射性包囲部(14)を含んでおり、当該反射性包囲部(14)は、前記成形物(11)から突出している領域において、前記オプトエレクトロニクス半導体チップ(5)を包囲し、ここで
・前記オプトエレクトロニクス半導体チップ(5)は前記成形物(11)から突出し、
・前記反射性包囲部(14)は、前記オプトエレクトロニクス半導体チップ(5)の上面(6)から突出していない、
ことを特徴とするオプトエレクトロニクス半導体部品(100、200)。
【請求項7】
前記オプトエレクトロニクス半導体チップ(5)の下面(13)は露出されている、請求項6記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(100、200)。
【請求項8】
前記コンタクトワイヤー(10)は部分的に前記成形物(11)内に配置されており、かつ、前記コンタクトワイヤー(10)は部分的に前記反射性包囲部(14)内に配置されている、請求項6または7記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(100、200)。
【請求項9】
前記接続箇所(9)は、前記オプトエレクトロニクス半導体チップ(5)の上面(6)に配置されている、請求項6から8までの少なくとも1項記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(100、200)。
【請求項10】
前記反射性包囲部(14)はシリコーンまたはシリコーンとエポキシ基との混合物とを含んでいる、請求項6から9までの少なくとも1項記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(100、200)。
【請求項11】
前記反射性包囲部(14)はビーム反射性粒子を含んでおり、当該ビーム反射性粒子は、材料TiO2、BaSO4、ZnO、AlxOyおよびZrO2の少なくとも1つから成る、または、材料TiO2、BaSO4、ZnO、AlxOyおよびZrO2の少なくとも1つを含む、請求項6から10までの少なくとも1項記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(100、200)。
【請求項12】
前記オプトエレクトロニクス半導体部品(5)の側面(12)は、材料除去の痕跡、殊に切断溝(15)または研磨の痕跡を有している、請求項6から11までの少なくとも1項記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(100、200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オプトエレクトロニクス半導体部品を製造する方法およびオプトエレクトロニクス半導体部品に関する。
【0002】
解決されるべき課題は、オプトエレクトロニクス半導体部品を製造する容易な方法を提供することである。解決されるべき他の課題は、特に効率がよく、かつ、特に容易に製造可能なオプトエレクトロニクス半導体部品を提供することである。
【0003】
課題は、請求項1の特徴部分に記載された構成要件を有する方法によって解決される。他の課題は、請求項9の特徴部分に記載された構成要件を有するオプトエレクトロニクス半導体部品によって解決される。有利な構成および発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0004】
提案された方法は、担体と導電性構造体とを用意するステップを含んでいる。この導電性構造体は導電性材料によって形成されており、多数の間隙を有している。さらにこの方法は、導電性構造体を担体の上面に配置することを含んでいる。ここでこの上面は、導電性構造体の間隙において露出している。さらに、この方法は、多数のオプトエレクトロニクス半導体チップを用意することを含んでいる。ここで各オプトエレクトロニクス半導体チップは、少なくとも、各半導体チップの上面に層を含んでいる。この層は、発光材料層であり得る。択一的に、この層は、各半導体チップから放出されたビームを通す、殊に透明な層であり、殊に、取り出し層または入力層である。この層は有利には、各オプトエレクトロニクス半導体チップの半導体本体の一部ではない。
【0005】
さらに、この方法は、多数のオプトエレクトロニクス半導体チップを、担体の上面に、導電性構造体の間隙内に配置することを含んでいる。この導電性構造体は、例えば、導電性リードフレームとして構成される、または、導電性リードフレームを含む。換言すれば、オプトエレクトロニクス半導体チップは、リードフレームのフレーム素子の隣、または、フレーム素子の間の間隙内にそれぞれ配置される。ここでは殊に、オプトエレクトロニクス半導体チップが、部分的または完全に、導電性構造体の上に、および/または、他の導電性素子の上に配置されることはない。ここで、それぞれ少なくとも1つ、または、ちょうど1つのオプトエレクトロニクス半導体チップが、導電性構造体の1つの間隙内に配置され得る。
【0006】
この方法はさらに、各オプトエレクトロニクス半導体チップの接続箇所と導電性構造体との間の電気的接続部分の形成と、成形物による各オプトエレクトロニクス半導体チップとこの電気的接続部分との包囲(Umformen)を含む。ここでこの成形物は、全オプトエレクトロニクス半導体チップの側面を少なくとも部分的に覆い、かつこの成形物は、自身の、担体とは反対側にある上面でオプトエレクトロニクス半導体チップから突出しない。さらにこの方法は、担体を除去すること、および、オプトエレクトロニクス半導体部品を形成するために、少なくとも成形物を個別化することを含んでいる。ここで、各オプトエレクトロニクス半導体部品は、少なくとも1つのオプトエレクトロニクス半導体チップを含んでいる。各オプトエレクトロニクス半導体部品は、個別化の後、成形物の一部を有している。
【0007】
オプトエレクトロニクス半導体部品は、例えば発光ダイオードである。これは、ビームを放射するために設けられている。択一的に、オプトエレクトロニクス半導体部品が、ビーム検出器またはフォトダイオードであってもよい。オプトエレクトロニクス半導体チップは、例えばビーム放射半導体チップであり、これは例えば発光ダイオードチップ、フォトダイオードチップまたはレーザダイオードチップである。
【0008】
用語「ビーム」は、本発明では殊に電磁ビームに関し、これは例えば、可視光、有利に混色光、殊に白色光に関する。
【0009】
担体は、一時的な担体であり、これは例えば、個別化前に除去される。担体は、例えば、プラスチック材料、金属、セラミック材料または半導体材料によって形成されているフィルムまたは一般的にプレートであり得る。
【0010】
導電性構造体とオプトエレクトロニクス半導体チップは、有利には、次のように担体に固定されている。すなわち、オプトエレクトロニクス半導体チップと担体との間に機械的な接続が生じるように固定されている。この機械的な接続は後に、導電性構造体およびオプトエレクトロニクス半導体チップに対して損傷なく、再び解除可能である。このために、付加的にまたは択一的に、導電性構造体ないしはオプトエレクトロニクス半導体チップと担体との間に、接着層または犠牲層が配置され得る。有利には、導電性構造体とオプトエレクトロニクス半導体チップは、担体の上面に接着される。択一的に、担体の上面への固定を他の手段によって行うこともできる。
【0011】
上述した層が発光材料層である場合、これは例えば、ルミネセンス変換材料から成る、または、ルミネセンス変換材料を含む。このルミネセンス変換材料は、発光材料粒子を含み得る。例えば、ルミネセンス変換材料は、Cerがドーピングされたイットリウム・アルミニウム・ガーネット、略してYAGおよび/またはルテチウム・アルミニウム・ガーネット、略してLuAGおよび/またはルテチウム・イットリウム・アルミニウムガーネット、略してLuYAGである。例えば、ルミネセンス変換材料は、相応にドーピングされた半導体材料、例えばII−VI−化合物半導体材料(例えばZnSe)またはIII−V−化合物半導体材料(例えばAlInGaN)も有し得る。同様に、ルミネセンス変換材料は、ドーピングされた窒化ケイ素または酸窒化ケイ素またはケイ酸塩またはアルミン酸塩であり得る。例えば、ルミネセンス変換材料は、Eu
2+によってドーピングされたアルカリ土類窒化ケイ素および/またはアルカリ土類アルミニウム窒化ケイ素である。ここでは、アルカリ土類金属は、例えば、バリウムまたはカルシウムまたはストロンチウムである。
【0012】
さらに、オプトエレクトロニクス半導体チップによって、動作中に生成されたビームはこのルミネセンス変換材料によって吸収され、オプトエレクトロニクス半導体チップが放射する波長領域とは異なる波長領域で再放射される。例えば、オプトエレクトロニクス半導体チップから放射される短波ビームは、ルミネセンス変換材料内への吸収と、これに続く再放射によって、より長い波長のビームに変換される。例えば、オプトエレクトロニクス半導体チップは、動作時に青色の光を放射する。この場合には、発光材料層からは、相応する変換の後に、黄色の光が再放射される。従って、混合色の、殊に白色の光が生じる。発光材料粒子は、ここで、マトリクス材料、例えばシリコーンまたはセラミック内に埋設され得る。
【0013】
上述の層が、透明な層および/または取り出し層または入力層である場合に、これによって有利には、各オプトエレクトロニクス半導体チップは、外部影響から保護されるないしは、オプトエレクトロニクス半導体チップによって放射されるまたは検出されるべきビームが取り出されるまたは入力される。
【0014】
成形物は、自身の、担体と反対側の上面でオプトエレクトロニクス半導体チップから突出することなく、オプトエレクトロニクス半導体チップを包囲するまたは囲む。オプトエレクトロニクス半導体チップの、担体とは反対側の上面は、有利には、層を含んでいる、または、層によって形成されている、オプトエレクトロニクス半導体チップの上面である。
【0015】
換言すれば、成形物は、オプトエレクトロニクス半導体チップの上面で、オプトエレクトロニクス半導体チップと同一平面を成している、または、成形物はオプトエレクトロニクス半導体チップをオプトエレクトロニクス半導体チップの側面で部分的にのみ包囲している、または、囲んでいる。ここで成形物は、オプトエレクトロニクス半導体チップを有利には形状接続で包囲している。
【0016】
この方法の有利な実施形態では、オプトエレクトロニクス半導体チップの接続箇所は、導電性構造体とオプトエレクトロニクス半導体チップの電気的な接続のために、それぞれ、オプトエレクトロニクス半導体チップの上面に配置されている。有利にはこの接続箇所は、それぞれ、層の隣に、オプトエレクトロニクス半導体チップの半導体本体の上面に配置されている。
【0017】
この方法の有利な実施形態では、電気的接続部分は完全に成形物によって、電気的接続部分が成形物から突出しないように包囲される、または、囲まれる。ここで、成形物は電気的接続部分を有利には外部影響から、破壊または破れに対して保護する。成形物は、電気的接続部分を有利には、付加的に絶縁する。
【0018】
複数のオプトエレクトロニクス半導体チップを、電気的接続部分によって導電性構造体と接続することもできる。
【0019】
担体の除去は、例えば、担体の加熱によって、または、担体を徐々に薄くすることによって行われる。加熱は例えば、レーザービームによって行われる。薄くするのは、例えば、担体を粉砕する(Zurueckschleifen)ことによって行われる。さらに、除去を、担体を化学的に引きはがすこと、ないしは、場合によっては担体上に存在する犠牲層または接着層を化学的に引きはがすことによって行うこともできる。担体を除去した後、元来、担体の方を向いていた、オプトエレクトロニクス半導体チップの下面は有利には、自由にアクセスされる、または、露出されている。
【0020】
提示した方法の利点は、コンパクトなオプトエレクトロニクス半導体部品を製造する手法に関する。ここでこのオプトエレクトロニクス半導体部品の高さはできるだけ低い。有利には、提示した方法によって、多数のオプトエレクトロニクス半導体部品が製造される。ここで各オプトエレクトロニクス半導体部品の高さは、層を含めたオプトエレクトロニクス半導体チップの高さよりも高くない。各オプトエレクトロニクス半導体チップは、自身の下面で、コンタクトを有している。これは例えば、導電性材料、例えば金属、有利には金または銀から成る。このコンタクトは、担体を除去した後に露出可能である。
【0021】
本発明によって製造されるオプトエレクトロニクス半導体部品の高さが低いことによって、オプトエレクトロニクス半導体部品内で生じる熱の大部分が、有利には、迅速に、例えば、オプトエレクトロニクス半導体部品の下面を介して導出される。換言すれば、高さが低いので、熱搬送路が比較的短くなる。このような最適な熱導出によって、結果的に、動作時の加熱は僅かになり、これによって、ビーム放射オプトエレクトロニクス半導体部品の場合には、より高い光束ひいてはより高い効率およびより長い寿命が得られる。さらに、加熱が僅かであることによって、各オプトエレクトロニクス半導体部品の効率は、動作時の変動の影響をあまり受けない。オプトエレクトロニクス半導体部品がフォトダイオードである場合、最適な熱搬出は、有利には、熱によって生じる電荷担体の発生ないしはこれによって生じる暗電流の確率を低減させる。
【0022】
この方法の有利な実施形態では、各電気的接続部分は、コンタクトワイヤーを含んでいる。これは、オプトエレクトロニクス半導体チップの接続箇所を導電性構造体と接続する。
【0023】
コンタクトワイヤーは、図示のボンディング方法によって、接続箇所ないしは導電性構造体と接続される。有利には、コンタクトワイヤーは、超音波接続方法によって、ボンディングされる。上述の構成の利点は、チップボンディングプロセスが、製造方法の間、必要ではない、ということである。このようなプロセスでは、チップは安定的に、導体部分上に固定され、これと導電性接続される。このようなチップボンディングプロセスの省略は、さらに、次のような利点を提供する。すなわち、オプトエレクトロニクス半導体部品の製造中の、チップボンディングはんだの銅から生じ、チップを最終的に使用できないものにしてしまい得る銅移動が回避可能である、という利点である。このような銅移動によって、殊に、材料系InGaAlPに基づく発光ダイオードチップの場合には、顕著な明度損失が生じる。さらに、ワイヤーボンディングによる、電気的接続部分を形成する際の、オプトエレクトロニクス半導体チップへの強い熱伝達が回避される。なぜなら、コンタクトワイヤーは、チップボンディングプロセスとは異なり、比較的小さいコンタクト面のみを有し、さらに、ワイヤーボンディング時に、通常は、それほど高い温度を必要としないからである。
【0024】
さらに、コンタクトワイヤーとの電気的接続部分の形成中に、オプトエレクトロニクス半導体チップへの熱伝達が低いことによって、オプトエレクトロニクス半導体部品の製造時に例えば、温度の影響を受けやすいプラスチックまたは接着剤を使用することが可能になる。さらに、製造は、コンタクトワイヤーを用いた接触接続によって、次のことに関して容易になる。すなわち、オプトエレクトロニクス半導体部品の製造時の接触接続の間に、担体、オプトエレクトロニクス半導体チップおよび導電性構造体の接合部の加熱時間および冷却時間を短く保つことができる、ということに関して容易になる。これによって、この方法は加速して実行される、ないしは、容易になる。
【0025】
この方法の有利な実施形態では、成形物は、ビーム透過性に形成されている。これによって、次のことが可能である。すなわち、オプトエレクトロニクス半導体チップがビーム形成用に形成されている場合、ビームがオプトエレクトロニクス半導体チップ内で各上面を介してのみ生じるのではなく、オプトエレクトロニクス半導体チップの側面を介しても放射され、オプトエレクトロニクス半導体部品から出ることが可能である。これによって、有利には、オプトエレクトロニクス半導体部品の効率は高くなる。なぜなら、オプトエレクトロニクス半導体チップの側面でビームが吸収されないからである、または、吸収性の成形物の場合と比べて僅かにしかビームが吸収されないからである。オプトエレクトロニクス半導体チップの上面は、オプトエレクトロニクス半導体チップの主放射面であり得る。
【0026】
この方法の有利な構成では、成形物は、オプトエレクトロニクス半導体チップの上面で、オプトエレクトロニクス半導体チップと同一平面を成している。これによって有利には、次のことが実現される。すなわち、成形物がオプトエレクトロニクス半導体チップを、成形物の個別化の前に、できるだけ確実に安定させることが実現される。ここで同時に、オプトエレクトロニクス半導体部品の高さを低くすることができる。
【0027】
この方法の有利な実施形態では、オプトエレクトロニクス半導体チップは、担体の上面から離れる方向において成形物から突出する。この実施形態は、次のような利点を提供する。すなわち、成形物に対して付加的に、他の材料、例えばビーム反射材料が、成形物の上面に、ないしは、オプトエレクトロニクス半導体チップの側面に被着される、ないしは、析出される、という利点を提供する。ここで上述した材料が、オプトエレクトロニクス半導体チップの、担体とは反対側にある上面でオプトエレクトロニクス半導体チップから突出することはない。ここで成形物の上面とは、成形物の、担体とは反対側の面のことである。これは、ビーム反射材料を被着する前に、例えば露出される。
【0028】
この方法の有利な実施形態では、担体を除去する前に、反射性包囲部が、成形物の、担体とは反対側にある面に被着される。ここでこの反射性包囲部は、担体とは反対側にあるオプトエレクトロニクス半導体チップの上面でオプトエレクトロニクス半導体チップから突出しない。換言すれば、反射性包囲部は、全オプトエレクトロニクス半導体チップの側面を少なくとも部分的に覆う。このような構成によって、有利には、オプトエレクトロニクス半導体部品の高さを低く保つことができる。反射性包囲部は、内部に入射した部分を反射するように構成されている。従って、オプトエレクトロニクス半導体チップの側面を介して、ないしは、オプトエレクトロニクス半導体チップの層の側面を介して、および/または、層を介して放射または取り出されたビームは、有利には、反射性包囲部によって次のように反射される。すなわち、オプトエレクトロニクス半導体部品の表面ないしは主放射面を介して放射されるビームの割合が高まるように反射される。従って、これによっても、オプトエレクトロニクス半導体部品の効率が高まる。
【0029】
有利にはこのような構成によって、成形物はオプトエレクトロニクス半導体チップを、層の高さまで、殊に形状接続によって、包囲するまたは囲むことができる。従って、オプトエレクトロニクス半導体チップの側面は、成形物の層まで覆われる。択一的に、成形物はオプトエレクトロニクス半導体チップを次のように包囲するまたは囲むことができる。すなわち、層の側面が部分的に成形物によって囲まれるまたは包囲される、または、オプトエレクトロニクス半導体チップの側面が層の下方の高さまで成形物によって囲まれるまたは包囲されるように、されるようにである。
【0030】
有利には、反射性包囲部は、オプトエレクトロニクス半導体チップの層と同一平面を成す。
【0031】
この方法の有利な実施形態では、少なくとも1つのコンタクトワイヤーが部分的に成形物内に配置されており、かつ、部分的に反射性包囲部内に配置されている。この実施形態では、反射性包囲部はオプトエレクトロニクス半導体チップおよび電気的接続部分を形状接続的に包囲する、囲むまたはカプセル封入する。
【0032】
さらに、オプトエレクトロニクス半導体部品が提供される。このオプトエレクトロニクス半導体部品は、有利には、本願に記載された方法の1つによって製造可能である、または、製造される。殊に、方法に対して開示された全ての特徴はオプトエレクトロニクス半導体部品に対しても開示されており、オプトエレクトロニクス半導体部品に対して開示された全ての特徴は方法に対しても開示されている。オプトエレクトロニクス半導体部品は、ここで、有利には、多数のオプトエレクトロニクス半導体チップを有している。従って、殊に、方法において例えば多数のオプトエレクトロニクス半導体チップに関している特徴は、オプトエレクトロニクス半導体部品の場合でも、相応する素子の1つに関係し得る。
【0033】
有利な実施形態では、オプトエレクトロニクス半導体部品はオプトエレクトロニクス半導体チップと導電性構造体とを含んでいる。オプトエレクトロニクス半導体チップは、上面に層を含んでおり、導電性構造体は導電性材料によって形成されており、少なくとも1つの間隙を有している。この間隙内には、オプトエレクトロニクス半導体チップが配置されている。さらに、オプトエレクトロニクス半導体部品は、コンタクトワイヤーを含んでいる。このコンタクトワイヤーは、オプトエレクトロニクス半導体チップの接続箇所を導電性構造体と接続する。さらに、オプトエレクトロニクス半導体部品は、成形物と反射性包囲部とを含んでいる。ここで、オプトエレクトロニクス半導体チップの側面と、コンタクトワイヤーは、成形物によって少なくとも部分的に覆われている。反射性包囲部は、成形物から突出している領域において、オプトエレクトロニクス半導体チップを包囲する。オプトエレクトロニクス半導体部品では、オプトエレクトロニクス半導体チップは、成形物から突出する。ここで反射性包囲部は、オプトエレクトロニクス半導体チップの上面で、オプトエレクトロニクス半導体チップから突出しない。
【0034】
オプトエレクトロニクス半導体チップは、リードフレームの1つのフレーム素子の隣、または、リードフレームの複数のフレーム素子の間に間隙内に配置されている。ここでは殊に、オプトエレクトロニクス半導体チップは部分的に、導電性構造体上に配置されていない。
【0035】
オプトエレクトロニクス半導体部品の有利な構成では、コンタクトワイヤーが部分的に成形物内に配置されており、かつ、部分的に反射性包囲部分内に配置されている。これによって、コンタクトワイヤーは、反射性包囲部分によって、有利には、領域において、外部影響から、例えば、破壊または破れに対して保護されるまたは絶縁される。ここで成形物は、コンタクトワイヤーを包囲しない、または、囲まない。さらに、オプトエレクトロニクス半導体チップと導電性構造体とを同時に安定化させる場合には、重要なビーム成分が反射性包囲部によって次のように反射されることが成形物によって実現される。すなわち、オプトエレクトロニクス半導体部品の、表面ないしは主放射面を介して放射されるビームの割合が高められるように反射されることが実現される。
【0036】
オプトエレクトロニクス半導体部品の有利な実施形態では、接続箇所は、オプトエレクトロニクス半導体チップないしはオプトエレクトロニクス半導体チップの半導体本体の上面に配置されている。これによって、有利には、オプトエレクトロニクス半導体チップの上面では、例えば、ダイオードのpまたはnコンタクトが、電気的接続部分を介して導電性構造体と接続されている。
【0037】
オプトエレクトロニクス半導体部品の有利な構成では、反射性包囲部は、シリコーンまたはシリコーンとエポキシ基との混合物とを含んでいる。このような材料によって、有利には、反射性包囲部の付加的なビーム反射性またはビーム散乱性のコンポーネントに対するマトリクス材料が提供可能である。
【0038】
オプトエレクトロニクス半導体部品の有利な構成では、反射性包囲部はビーム反射性粒子を含んでいる。これは、少なくとも材料TiO
2、BaSO
4、ZnO、Al
xO
yおよびZrO
2から成る、または、これらの上述した材料のうちの少なくとも1つを含んでいる。このような構成によって、有利には、ビームが、反射性包囲部の上述した粒子によって散乱される、または、反射される。
【0039】
オプトエレクトロニクス半導体部品の有利な構成では、オプトエレクトロニクス半導体部品、殊に成形物の側面は、材料除去の痕跡、殊に、切断溝または研磨の痕跡を有する。材料除去のこのような痕跡は、成形物の個別化から生じる。材料除去のこの痕跡は、オプトエレクトロニクス半導体部品ないしは成形物の側面の粗面化を意味する。このような粗面化によって、有利には、オプトエレクトロニクス半導体チップの側面を介して放射されるビームを容易に、オプトエレクトロニクス半導体部品から取り出すことができる、または、オプトエレクトロニクス半導体部品から放射させることができる。なぜなら、側面でのビームの全反射が、材料除去のこの痕跡を介して低減されるからである。
【0040】
オプトエレクトロニクス半導体部品の有利な構成では、オプトエレクトロニクス半導体チップの下面は、露出されている。このような構成によって、有利には、オプトエレクトロニクス半導体部品の高さが低く抑えられる。さらに、これによって、オプトエレクトロニクス半導体部品の下面での接触接続箇所がアクセス可能になる。
【0041】
オプトエレクトロニクス半導体部品の有利な構成では、導電性構造体の下面も露出している。従って、オプトエレクトロニクス半導体部品の動作に必要な2つのコンタクトが、オプトエレクトロニクス半導体部品の同じ面で露出している。殊にこのようにして、有利には、表面実装可能なオプトエレクトロニクス半導体部品が製造可能になる。
【0042】
本発明の別の利点、有利な構成および目的適合性は、図面に関連した、実施例の以降の説明に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】概略的な断面図に基づく、上述した方法の第1の実施例である。
【
図2】概略的な断面図に基づく、上述した方法の第2の実施例の部分ステップであり、
図2Bは概略的な断面図に基づいて示されたオプトエレクトロニクス半導体部品である。
【実施例】
【0044】
同じ素子、同種の素子および同じ作用を有する素子には、図面において、同じ参照番号が付与されている。図面および図面に示されている素子間の大きさの比は、縮尺通りではない。むしろ、幾つかの素子は、より良い描写ために、および/または、より良い理解のために、過度に大きく示されていることがある。
【0045】
図1Aは、オプトエレクトロニクス半導体部品100の概略的な断面図に基づいて、第1のステップを示している。まずは、担体1と、間隙3を有する導電性構造体2とが提供される。導電性構造体2は金属製リードフレームとして構成可能である。導電性構造体2はさらに、担体1の上面4に配置される。ここで、この上面4は平らであり、導電性構造体の間隙3において露出されている。導電性構造体2は、例えば、導電性リードフレームとして、殊に金属製リードフレームとして構成可能である。これは有利には、金メッキまたは銀メッキが施された銅を含んでいる、または、これから成る。さらに、多数のオプトエレクトロニクス半導体チップ5が提供される。各オプトエレクトロニクス半導体チップ5は、上面6を有している。この上面6に、オプトエレクトロニクス半導体チップ5は、それぞれ層7を有している。この層7は80〜300μmの厚さを有し得る。有利には層7は、半導体チップ5の各上面6にのみ配置されており、半導体チップ5の上面6に対して平行な方向において、半導体チップ5から突出しない。この層7は、有利には発光材料層である。択一的に、層7は、別の層であってもよく、これは例えば、各オプトエレクトロニクス半導体チップ5によって放出されたビームを通す、殊に、透明の層であってもよく、殊に取り出し層または入力層であってもよい。このような場合には、層は、ガラスまたはシリコーンを有し得る。層7は有利には、各オプトエレクトロニクス半導体チップ5の半導体本体の一部ではない。各半導体本体は、その上に配置されている各層7とともに、各オプトエレクトロニクス半導体チップ5を形成する。
【0046】
ここに示されている実施例では、オプトエレクトロニクス半導体チップ5は、有利には、LEDチップである。これは、担体1の上面4で、導電性構造体2の間隙3内に配置されている。しかし、フォトダイオードチップまたはレーザダイオードチップもオプトエレクトロニクス半導体チップとして使用可能である。オプトエレクトロニクス半導体チップ5はここで、平面内に配置されている。例えば、導電性構造体2と、オプトエレクトロニクス半導体チップ5とは、次のように、担体1に固定されている。すなわち、機械的な接続が、オプトエレクトロニクス半導体チップ5と担体1との間に生じるように、固定されている。これは、後に、導電性構造体2およびオプトエレクトロニクス半導体チップ5に対して、損傷なく解除可能である。このために、付加的にまたは択一的に、導電性構造体2ないしはオプトエレクトロニクス半導体チップ5と担体1との間に、接着層または犠牲層を配置することが可能である。有利には、導電性構造体2とオプトエレクトロニクス半導体チップ5とは、担体1の上面4に接着される。択一的に、担体1の上面での固定は、他の手段によっても行われる。
【0047】
ここに示された実施例では、例示的に、多数のオプトエレクトロニクス半導体チップ5に対して、3つのオプトエレクトロニクス半導体チップないしは半導体部品が、断面図で示されている。示された図は、さらに、次のように解釈されるべきである。すなわち、オプトエレクトロニクス半導体チップないしは半導体部品が、二次元に、担体1の上面4上に配置されていると、解釈されるべきである。
【0048】
図1Bは、オプトエレクトロニクス半導体部品100の概略的な断面図に基づいて、別のステップとして、各オプトエレクトロニクス半導体チップ5の接続箇所9と導電性構造体2との間の電気的接続部分8の形成を示している。電気的接続部分8は、コンタクトワイヤー10を含んでいる。これは、オプトエレクトロニクス半導体チップ5の接続箇所9を導電性構造体2と接続する。コンタクトワイヤー10を有する電気的接続部分は、例えば、適切なワイヤーボンディング方法または超音波ボンディング方法を用いて形成される。有利には、コンタクトワイヤー10は金から成る。
【0049】
図1Cは、オプトエレクトロニクス半導体部品100の概略的な断面図に基づいて、別のステップを示している。ここでは、オプトエレクトロニクス半導体チップ5と電気的接続部分8とが、成形物11によって包囲される。成形物11は、全オプトエレクトロニクス半導体チップ5の側面12を少なくとも部分的に覆っている。側面12は、オプトエレクトロニクス半導体チップ5の上面6を、オプトエレクトロニクス半導体チップ5の、上面6とは反対側にある下面13と接続する。成形物11は、オプトエレクトロニクス半導体チップ5の層7と同一平面を成す。従って、オプトエレクトロニクス半導体チップ5は、自身の、担体1とは反対の側にある上面6で成形物11から突出しない。ここで、成形物11は、オプトエレクトロニクス半導体チップ5の側面12、さらには電気的接続部分8を包囲する、囲むまたはカプセル封入する。例えば、成形物11は、側面12と直接的に接触し、側面12を完全に覆う。成形物11は、オプトエレクトロニクス半導体部品100に対して付加的に、機械的に安定した特性を有している。
【0050】
この包囲または囲みは、例えば、射出成形、スパッタリング、キャスティング、プリンティング、フィルムの積層等の方法によって行われる。ここで成形物11は、機械的に安定させる材料、例えばプラスチック、溶融ガラス、溶融ガラスセラミック、エポキシ樹脂、シリコーン、エポキシ基とシリコーンとのハイブリッド材料、ガラスまたはガラスセラミックを含んでいる、または、これらの材料から成る。
【0051】
図1Dは、オプトエレクトロニクス半導体部品100の概略的な断面図に基づいて、担体1の除去を示している。担体の除去は、例えば、担体を加熱すること、または、段階的に薄くすることによって行われる。ここで、担体は有利には完全に除去される。
【0052】
本発明の枠内では、さらに、担体の除去は、化学的な剥離によって、または、担体とオプトエレクトロニクス半導体チップとの間に配置されている犠牲層または接着層(図示されていない)の化学的な剥離によって行われる。担体1の除去の後、オプトエレクトロニクス半導体チップ5の、元来、担体1の方を向いていた下面13は、自由にアクセス可能である、または、露出されている。
【0053】
オプトエレクトロニクス半導体部品100の高さは、
図1Dでは、オプトエレクトロニクス半導体チップ5の高さ(層7を含む)に相応する。すなわち殊に、担体1の上面4から離れる方向において、担体1および/または成形物11および/またはコンタクトワイヤー10の部分は、半導体チップ5から突出しない。本発明では、さらに、オプトエレクトロニクス半導体チップ5は、下面13で、有利には金または銀から成る電気的なコンタクトを、例えばコンタクト層(図示されていない)の形態で有している。
【0054】
図1Eは、オプトエレクトロニクス半導体部品100の概略図に基づいて、オプトエレクトロニクス半導体部品101を形成するための、成形物11の個別化を示している。これはそれぞれ、電気的接続部分8を介して導電性構造体2と接続されている半導体チップ5を含んでいる。
【0055】
図2Aは、概略的な断面図に基づいて、記載されている方法の別の実施例のステップを示している。このステップは、
図1Cに示されているものに相応する。しかし、ここで成形物11は、次のようにオプトエレクトロニクス半導体チップ5を包囲している。すなわち、オプトエレクトロニクス半導体チップ5が、担体1の上面4から離れる方向において、成形物11から突出するように包囲している。さらにここでは、担体1の除去の前に、反射性包囲部14が、成形物11の、担体1とは反対側の面に接着されている。ここでこの反射性包囲部14は、その上面6で、オプトエレクトロニクス半導体チップ5から突出しない。反射性包囲部14は、半導体チップ5の上面6に沿って、オプトエレクトロニクス半導体チップ5の層7と同一平面を成す。反射性包囲部14は、シリコーンまたはシリコーンとエポキシ基の混合物を含んでおり、さらにビーム反射性粒子を含んでいる。この粒子は、材料TiO
2、BaSO
4、ZnO、Al
xO
yおよびZrO
2から成る、または、上述した材料の少なくとも1つを含んでいる。
【0056】
「反射性」とはこの関連において次のことを意味している。すなわち、反射性包囲部14が、オプトエレクトロニクス半導体チップ5から、および/または、発光材料層7から、反射性包囲部に入射するビームに対して、少なくとも80%の反射率、有利には90%を越える反射率を有していることを意味している。
【0057】
図2Aの実施例において、担体1は、
図1Dに示されているステップと同様に、反射性包囲部14の取り付け後に除去される。担体1の除去後、オプトエレクトロニクス半導体チップ5の、元来、担体1の方を向いていた下面13は、自由にアクセス可能である、または、露出されている(
図2Bを参照)。オプトエレクトロニクス半導体部品200の高さは、担体1は含まないが、層7は含む、オプトエレクトロニクス半導体チップ5の高さに相当する。
【0058】
図2Bは、概略的な断面図に基づいて、本発明のオプトエレクトロニクス半導体部品201ないしは、多数の半導体部品を示している。この多数の半導体部品は、成形物11の個別化によって、
図2Aに示された実施例に則して、担体1の除去後に形成される。この個別化は、ここでは、
図1Eに示されたステップと同様に行われる。ここでは、成形物11の他に、付加的に、反射性包囲部14が個別化される。従って多数のオプトエレクトロニクス半導体部品201が形成される。これはそれぞれ成形物11と、反射性包囲部14とを含んでいる。オプトエレクトロニクス半導体チップ5およびコンタクトワイヤー10の側面12は、成形物11によって、部分的に覆われている。反射性包囲部14は、成形物11から突出している領域において、オプトエレクトロニクス半導体チップ5を、包囲するまたは囲む。ここで、オプトエレクトロニクス半導体チップ5は、成形物11から突出し、反射性包囲部14は、その上面6でオプトエレクトロニクス半導体チップ5から突出しない。
【0059】
オプトエレクトロニクス半導体部品101および201の動作のための接触接続は、図示の実施例に従って、オプトエレクトロニクス半導体チップ5の下面13を介して、並びに、導電性構造体2を介して行われる。
【0060】
択一的に、オプトエレクトロニクス半導体部品が、複数のオプトエレクトロニクス半導体チップを含んでいてもよい。ここで各オプトエレクトロニクス半導体チップは、電気的接続部分を介して、個別のまたは共通の導電性構造体と接続されている。
【0061】
成形物11によって形成されるオプトエレクトロニクス半導体部品201の側面12は、材料除去の痕跡15を有している。材料除去は、個別化に由来する。材料除去の痕跡15は、個別化方法に応じて、切断溝または研磨の痕跡であり得る。
【0062】
本発明は、実施例に基づく記載に制限されない。むしろ、本発明は、新たな特徴並びに特徴の組み合わせを含む。これは殊に、特許請求の範囲における特徴の組み合わせを含む。これはこの特徴またはこれらの組み合わせ自体が明確に、特許請求項または実施例に記載されていない場合にも当てはまる。
【0063】
本発明は、独国特許出願公開第102012113003.5の優先権を主張する。この文献の開示内容は、これによって本願に参照として組み込まれる。
【符号の説明】
【0064】
1 担体、 2 導電性構造体、 3 間隙、 4 担体の上面、 5 オプトエレクトロニクス半導体チップ、 6 オプトエレクトロニクス半導体チップの上面、 7 層、 8 電気的接続部分、 9 接続箇所、 10 コンタクトワイヤー、 11 成形物、 12 側面、 13 下面、 14 反射性包囲部、 15 材料除去の痕跡、 100、101、200、201 オプトエレクトロニクス半導体部品