(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弾性要素が、前記リードに含まれるワイヤ又はケーブルの一部分を収容するルーメンのある中空要素であり、第1の静止状態から、前記第1の状態に再変形するように付勢されている第2の緊張状態に弾性的に変形でき、前記第1の状態から前記第2の状態への変形が前記末端を前記繋留要素から引き離すことで発生される請求項1から10までのいずれか一項に記載の装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ペーシングが最早必要の無いときや患者が病棟から搬出される前に、リードの外部部分を静かに引っ張ってリードを心臓から外す。リードが次いで胸部から引っ張り出されて処分される。このように、一方では、ペーシング全期間中に心臓ペーシングの信頼性を十分に保証できるほどリードの心臓への固定が安定でなければならず、他方では、引っ張る際に損傷なく外せるように、固定部が心臓に過度に強く繋留されてはならない。それにも関わらず、埋め込まれたリードの取外しが、リードを引き出すときに心筋及び/又は心臓の異なる部分をダメージ及び/又は破裂させる危険を伴う。これが生命危機状態になり得る深刻な出血及び/又は心タンポナーデの原因となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
いくつかの実施例では、本開示が、電気的に組織(本明細書では時に「第1組織」又は「ターゲット組織」)を刺激し組織から電気信号をモニタリングするのに、及び/又は別の医療目的のために有用な装置を提供する。限定しない実施例が心臓術後の心臓ペーシング用である。いくつかの実施例では、装置がリードを備え、リードが、特に、体の外部の末端とターゲット組織に埋め込まれるかそうでなければ固定される近位端部の電極との間の電気連結の設置のために構成される。また、この種の知られる装置との差異として、本開示の主題のいくつかの実施例のものは繋留要素及び繋留要素とリードの末端との間に設けられた弾性要素を備える。その結果、装置の使用が消耗したときに、知られている装置の場合のように末端を引っ張って電極を組織から離す代わりに、本開示の主題のいくつかの実施例の装置では、繋留要素が用いられてリードをターゲット組織以外の第2組織に繋留し、装置の使用が消耗したときに末端が弾性要素の弾性に抗して繋留要素から引き離され、一旦切断すると切断リードの末端部分が体の中に引っ込む。心臓ペーシングに関する実施例において、これにより近位端部で電極から体の外側に延在するリード付の知られるペーシング装置にしばしば起こる心臓組織への損傷が排除される。
【0009】
1つの態様では、本開示の主題に係り、装置が提供され、装置が、近位端と末端との間に延在するリードを備え、リードが、その近位端部において、第1体組織の中に固定されるために構成された電極要素を備える。リードが、近位端と末端との間に配設され装置を第2組織に繋留するための繋留要素と、繋留要素と末端との間に配設され末端が弾性要素の付勢力に抗して繋留要素から引き離され得るように構成される弾性要素と、をさらに備える。
【0010】
装置のいくつかの実施例において、第1組織が心臓、心筋又は心外膜で、第2組織が隔膜である。
【0011】
装置のいくつかの実施例において、末端がモニタリング機器又は電気刺激機器、たとえば心臓ペーシング装置に接続されるように構成される。
【0012】
装置のいくつかの実施例において、リードに含まれるワイヤ又はケーブルが絶縁される。
【0013】
いくつかの実施例において、装置が電極要素に近端の近位端に針を備える。
【0014】
装置のいくつか実施例において、電極が第1組織に接触する区域を増加させる形状を有する。これらの実施例のいくつかにおいて、電極がジグザグ又は螺旋の形状を有する。
【0015】
いくつかの実施例において、装置がさらに末端に針を有する。
【0016】
装置のいくつかの実施例において、弾性要素が螺旋バネ、又は弾性材料で作られる要素である。
【0017】
装置のいくつかの実施例において、弾性要素が、リードに含まれるワイヤ又はケーブルの第1の点又は区分及びワイヤ又はケーブルの第2の点又は区分に固定され、第2の点又は区分が、弛緩状態の弾性要素の第1の点又は区分と第2の点又は区分との間の長さよりも長いワイヤ又はケーブルに沿って測定された第1の距離だけ第1の点から離れる。
【0018】
装置のいくつかの実施例において、弾性要素が、リードに含まれるワイヤ又はケーブルの一部分を収容するルーメンのある中空要素であり、第1の静止状態から、第1の状態に再変形するように付勢されている第2の緊張状態に弾性的に変形でき、第1の状態から第2の状態への変形は末端を繋留要素から引き離すことで誘発される。
【0019】
装置のいくつかの実施例において、弾性要素がリードに含まれるワイヤ又はケーブルの部片から形成される。
【0020】
装置のいくつかの実施例において、繋留要素がリードに含まれるワイヤ又はケーブルから形成されるループで構成される。
【0021】
装置のいくつかの実施例において、繋留要素がリードに含まれるワイヤ又はケーブルに取り付けられた要素である。
【0022】
別の態様において、本開示の主題に係り、埋込み可能な装置が提供され、装置が、近位端と末端との間に延在するリードを備え、リードが、その近位端部において、対象の心臓の上又は心臓組織の中に固定されるために構成され、リードが、その末端部分に、胸壁及び皮膚を貫通して内部から外部に挿通されるように構成された電極を備え、リードがさらに、装置を患者の隔膜に繋留するために近位端及び末端間に配設された繋留要素と、繋留要素と末端との間に配設され弾性要素の付勢力に抗して末端を繋留要素から引き離せ得るように構成された弾性要素と、を備える。
【0023】
別の態様で、本開示の主題に係り、本明細書で開示の実施例のいずれか1つに係る1つ又は複数の装置を備えた心臓ペースメーカ・システムが提供される。
【0024】
別の態様で、本開示の主題に係り、装置を埋め込む方法が提供され、装置が、近位端と末端との間に延在するリードを備え、リードが、弾性要素と、リードの近位端と弾性要素との間の電極要素、電極要素と弾性要素との間の繋留要素を備え、方法には、電極要素を第1組織に固定し、繋留要素を第2組織に固定し、リードの末端を体壁及び皮膚を貫通し内部から外部に挿通することが含まれる。
【0025】
いくつかの実施例で、方法にはさらに、リードの末端を皮膚表面から引っ張って弾性要素を伸長状態にさせ、リードを皮膚表面上で切断して切断部分を体内に延在させたままにしリードを放して、弾性要素の付勢力が弾性部材を弛緩収縮状態に戻し、その結果、切断部分を体内に引っ込めることを可能にすることが含まれる。
【0026】
本開示の主題を理解するためまた実際にどのように実施され得るのかを知るために、ただ限定しない実例を通し添付の図面を参照して実施例を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図示の単純化及び明確化のために、図に示される要素が必ずしも正寸でないことが理解される。たとえば、要素のいくつかの寸法が明確化のために他の要素に対して誇張され得る。さらに、適切と判断されるところでは、参照番号が図の中に繰り返されて同一の又は類似の要素を表してもよい。
【0029】
以降の詳細な説明において、発明の主題が完全に理解されることを提供するために、多くの特別な詳細が記載される。しかしながら、発明の主題のいくつかの実施例が、これらの特別な詳細が無くて実施されてもよいことが当業者に理解されるであろう。他の例では、よく知られている方法、ステージ、特徴、構造、特徴、及び/又は要素が詳細に説明されていなくても発明の主題を不明瞭にするものでない。
【0030】
明細書中の用語、「など(such as)」、「たとえば(e.g.)」、「可能な(possibly)」、「可能である(it is possible)」、「任意に(optionally)」、「たとえば(say)」、「1つの実施例(one embodiment)」、「複数の実施例(embodiments)」、「実施例(an embodiment)」「いくつかの実施例(some embodiments)」「種々の実施例(various embodiments)」、「他の実施例(other embodiments)」、「別の実施例(another embodiment)」、「たとえば(for example)」、「1つの実例(one example)」、「実例(an example)」、「いくつかの実例(some examples)」、「複数の実例(examples)」、「別の実例(another example)」、「種々の実例(various examples)」、「他の実例(other examples)」、「たとえば(for instance)」、「実例(an instance)」、「1つの実例(one instance)」、「いくつかの実例(some instances)」、「別の実例(another instance)」、「他の実例(other instances)」、「種々の実例(various instances)」、「1つの場合(one case)」、「場合(cases)」、「いくつかの場合(some cases)」、「別の場合(another case)」、「他の場合(other cases)」、「種々の場合(various cases)」、又はこれらの変形の使用は、特別な記載の方法、ステージ、特徴、構造、特徴、又は要素が発明の主題の少なくとも1つの限定しない実施例に含まれるが、但しすべての実施例に必ずしも含まれないことを意味する。同じ用語の出現が必ずしも同じ実施例を参照するとは限らない。
【0031】
本明細書で開示されるある方法、ステージ、特徴、構造、特徴、及び/又は要素が、明確化のために別の実施例の内容に記載されるが、1つの実施例に組み合わせてやはり提供されてもよいことを理解されたい。反対に、本明細書で開示される種々の特徴、構造、及び/又は特徴が、簡潔のために1つの実施例の内容に記載されるが、別々に又はいずれの適した下位の組合せでやはり提供されてもよい。
【0032】
本開示の主題の実施例は装置に関する。いくつかの実施例では、装置がリードを設けてもよい。リードが、弾性要素、リードの近位端又はリードの近位端と弾性要素との間に電極要素、及び繋留要素又は弾性要素と電極要素との間に繋留要素を後で追加できるほどの十分な距離を備え得る。さらに詳しくは、これら実施例のいくつかにおける装置が近位端と末端との間に延在するリードを備え、リードが、その近位端部で第1体組織で固定するように構成された電極要素を備え、リードが、さらに、近位端と末端との間に配設され装置を第2組織に繋留する繋留要素、繋留要素と末端との間に配設され弾性要素の付勢力に抗して末端を繋留要素から引き離せ得るように構成された弾性要素とを備え得る。電極要素がリードの近位端部にあると言うとき、これの意味するのは、電極要素が近位端にあってもよいが必ずしもそうではないということである。たとえば、別法では、電極要素が近位端と繋留要素との間のどこか、又は近位端と後に追加される繋留要素の将来の位置との間のどこかにあってもよい。
【0033】
説明の単純化のために、装置の近位端が装置に備えられたリードの近位端に対応し、装置の末端が装置に備えられたリードの末端に対応すると想定する。
【0034】
本明細書で用いるように、弾性要素が、弾性(弾性限界まで)の特性を有する要素である。したがって、弾性要素が弛緩収縮状態(また、緩和状態若しくは静止状態、又はそれの変形と呼ぶ)から、引っ張り力が弾性要素に加わるときの伸長状態(また、緊張状態又はそれの変形と呼ぶ)まで変形する。この引っ張り力が、弾性要素によって加えられる付勢力(また、復元力又はそれのいずれの変形と呼ぶ)に抗する。弾性要素が、伸長状態で、付勢されて緩和状態へ再変形される(また、逆戻り、又はそれのいずれの変形と呼ぶ)場合、引っ張り力が最早加わらないとき、弾性要素によって加えられる付勢力によって弾性要素が弛緩収縮状態に逆戻りする。いくつかの実施例では、弾性要素を弛緩収縮状態に復元する最大付勢力が制限されて、リードの露出部分の体内への引込み(後述)が、内部の損傷の原因にならない。たとえば、フックの法則下の付勢力F=−kx、ここでkが定数でxが位置ずれ、の場合、k及び/又はxの値が制限され、その結果、付勢力がまた制限されてもよい。しかしながら、他の実施例において、最大付勢力に制限が無く、たとえばそのような引込みが内部損傷を引き起こすような可能性を最小にする方法で装置が埋め込まれてもよい。
【0035】
開示が弾性要素の種類を限定しない。弾性要素がたとえばコイルバネ(また、螺旋又はそれのいずれの変形と呼ぶ)、弾性材料で作られた要素(たとえば弾性ファイバ又はケーブル)などでもよい。
【0036】
また、開示が弾性要素の伸長し得る量を制限しない。しかしながら、ただ例示の目的にために、1つの実例が今、提供される。この実例では、内在の弾性要素が弛緩収縮状態から伸長するときに、リードが近位端と末端との間に2〜3cmまで延びてもよい。しかしながら、他の実例ではリードがそれよりも大きいか小さい量だけ伸びてもよい。
【0037】
また、この開示が電極要素の種類を限定しない。いくつかの実施例では、電極要素が第1組織に接触する区域を増やす形状を有してもよい。たとえば、電極要素がジグザグ又は螺旋の形状を有してもよい。他の実施例では、電極要素がそのような形状を有さなくてもよい。
【0038】
また、この開示が繋留要素の種類を限定しない。実施例によっては、装置が最初は繋留要素が有っても無くても製造されてもよい。したがって、最初の装置の製造の後に、繋留要素が必ずしも存在しなくてもよく、装置が体内に埋め込まれるときに繋留要素が存在すればよい。装置が最初に製造されたときに繋留要素を備えない場合、繋留要素が後に加わるのが可能なように装置が構成されるべきである。たとえば、弾性要素と電極要素との間に後で繋留要素を追加するに十分な距離のあることが保証されるように装置が製造されてもよい。この「十分な」距離は弾性要素と繋留要素との間の所望の距離及び繋留要素と電極要素との間の所望の距離の合計と等価か、又は所望の距離の合計よりも大きい距離でもよい。たとえばリードに含まれる弾性要素と電極要素との間を接続するワイヤ又はケーブルの部片が、後述の実施例のいくつかのように、後で繋留要素を形成するために用いられるならば、距離がさらに長くてもよい。
【0039】
また、この開示が装置に含まれる種々の要素との間の距離を限定しないし、実施例によっては、種々の要素との間はいずれの適当な距離でもよい。しかしながら、ただ例示の目的のために、可能な距離の1つの実例を今、提供する。この実例では、リードの末端と弾性要素との間に約6cmの距離、弾性要素と繋留要素との間に約3〜5cmの距離、及び繋留要素と電極要素との間に約5〜10cmの距離がある。しかしながら、他に実例では、これらの距離がそれぞれこれよりも大きくても小さくてもよい。
【0040】
また任意に、リードが、リードの末端と近位端との間に同じ種類(たとえば、追加の電極要素、追加の弾性要素、追加の繋留要素)、及び/又は異なる種類(たとえば、針、ワイヤ、ケーブルなど)の1つ又は複数の他の要素を備えてもよい。
【0041】
たとえば、電極要素に近傍のリードの近位端におそらく円形針などの針、及びリードの末端におそらく直線先鋭針などの針があってもよく、それは埋め込まれる装置に含まれ得るが、装置の最初の製造の間又は後に追加されたものである。
【0042】
リードに含まれ得るいずれのワイヤ及び/又はケーブルについて、それぞれがリードの末端と近位端との間の途中の少なくとも一部分を通ってもよく、上述の繋留、弾性、及び/又は電極の要素がこのようなワイヤ若しくはケーブルに固定され(すなわち、取り付けられ)、及び/又はこのようなワイヤ又はケーブルがこれら要素の1つ若しくは複数に形成されてもよい。たとえば、弾性要素がワイヤ若しくはケーブルに固定されてもよく、又はたとえばワイヤ若しくはケーブルの部片が弾性要素に形成されてもよい。繋留要素がたとえばワイヤ若しくはケーブルに取り付けられてもよく、又はたとえばワイヤ若しくはケーブルの部片が繋留要素に形成されてもよい。電極要素がたとえばワイヤ若しくはケーブルに取り付けられてもよく、又はたとえばワイヤ若しくはケーブルの部片が電極要素に形成されてもよい。電極要素の実例の説明を続けて、リードに含まれるワイヤ又はケーブルが、たとえばポリエチレンなどの生体適合性材料から作られた絶縁の、絶縁されたワイヤ又はケーブルの直径がたとえば約0.45mmである絶縁されたワイヤ又はケーブルと想定して、電極要素がワイヤ又はケーブルの非絶縁部片から形成されてもよいしそうでなくてもよい。これらの実例についてさらなる詳細が次に提供される。
【0043】
ただ例示の目的のために心臓向けについて装置を次に説明すると、第1組織が心臓又は心臓組織(たとえば心外膜又は心筋)及び第2組織が心臓組織以外である。しかしながら、必要な変更が加えられ以降に開示することに類似した説明で、装置が他の用途に用いられてもよく、第1組織が心臓又は心臓組織でないところでもよいことは読者には明白であろう。
【0044】
心臓用途において、装置の埋込みの間、リードに含まれる電極要素が、患者(たとえば対象)の心臓の上又は心臓組織たとえば心外膜若しくは心筋の中に固定される。繋留要素が、心臓組織以外たとえば隔膜に繋留され、リードの末端が、モニタリング機器、電気刺激機器(たとえば、また心臓ペーシング装置として知られるペースメーカ)又は他のいずれの医療機器に接続されるためにたとえば胸壁及び皮膚を貫通して内部から外部へ挿通される。
【0045】
装置が最早必要でないときに、リードの露出された末端が胸壁の皮膚表面から引き離され、弾性要素が延びる。弾性要素が、弾性要素の付勢力に抗して繋留要素から末端を引き離すことを可能にする。しかしながら、繋留要素により、結果として、引っ張り力が電極要素にわずかに加わるか又は全く加わらない。このリードが皮膚表面上で、たとえば鋏で切断される。リードを切断することで、弾性要素が収縮状態に自発的に戻る。これによって、リードの露出した(末端)部分が皮膚及び胸壁を介して体の中に引っ込む。先端の切られたリードが体内に残り得、電極要素は、そうと望まない限り、心臓から外す必要が無い。
【0046】
医療システムが、1つ又は複数の装置、及び任意に、装置が接続され得るなどいずれの医療機器などの他の要素を備えてもよい。たとえば、心臓ペースメーカ・システムが1つ又は複数の装置を備えてもよい。また任意に、心臓ペースメーカ・システムが、ペースメーカ(たとえば心臓ペーシング装置)やいずれの他の電気刺激機器などの他の要素を備えてもよい。モニタリング装置が、たとえば、1つ又は複数の装置を備えてもよい。また任意に、モニタリング装置が、モニタリング機器などの他の要素を備えてもよい。
【0047】
ここで、図面を参照すると、
図1が、本開示の主題のいくつかの実施例に係るリード100を備えた装置を示す。図示を簡略化するために、リード100が、末端105と近位端195との間の1つの弾性要素110及び1つの電極要素180を含めるように示されるが、いくつかの実施例では、リード100が複数の弾性要素及び/又は電極要素を含んでもよい。さらに、例示の単純化のために、リード100が弾性要素110と電極要素180との間に1つの繋留要素又は繋留要素を後で追加できる十分な距離140を含むように示される。いくつかの実施例では、しかしながら、複数の繋留要素、又は複数の繋留要素を後で追加できる十分な距離があってもよい。弾性要素110、繋留要素/十分な距離140、及び電極要素180が
図1に破線で接続されて示され、これらの要素が、リード100の末端105と近位端195との間に配置されることを、示される順、すなわち近位端195又は近位端195と弾性要素110との間の電極要素180、及び弾性要素110と電極要素180との間の繋留要素/十分な距離140、で示される。任意に、リード100が、上述のように、1つ又は複数の他の要素を含んでもよい。
【0048】
図2Aが、本開示の主題のいくつかの実施例に係る、弛緩収縮状態の弾性要素210の実例を示す。弾性要素210が
図1の示す弾性要素110の実例である。
図2Aに示すように、弾性要素210が、ワイヤ又はケーブル204の第1の点又は区分218、及びワイヤ又はケーブル204の第2の点又は区分220の、リード100に含まれるワイヤ又はケーブル204に取り付けられるコイルバネである。ワイヤ又はケーブル204が、弾性要素210を超えて両方向、近位端方向及び末端方向に続くが、近位端195と末端105との間の途中すべてに必ずしも必要ではない。弾性要素210の端部がワイヤ又はケーブル204に取り付けられて示されるが、いくつかの実施例では、弾性要素210の端部以外の異なる点又は区分が別に取り付けられることが可能である。ワイヤ又はケーブル204の第1及び第2の点又は区分、218及び220が、弾性要素210が緩和状態であるときの点/区分、218と220との間の弾性要素210の長さよりも長い、ワイヤ又はケーブルに沿って計測された距離だけ互いに離れる。したがって、ワイヤ又はケーブル204が弾性要素が弛緩収縮状態にあるときに点/区分、218と220との間の弾性要素210の周りに膨出して示される。弾性要素210の端部が取り付けられる実施例で、ワイヤ又はケーブル204の第1及び第2の点又は区分、218及び220が、緩和状態の弾性要素210の2つの端部との間の距離よりも長いワイヤ又はケーブル204に沿って計測された距離だけ互いに離れる。
図2Bが、本開示の主題のいくつかの実施例に係る、伸長状態の
図2Aの弾性要素210を示す。
【0049】
図3Aが、本開示の主題のいくつかの実施例に係る、弛緩収縮状態の弾性要素310の別の実例を示す。弾性要素310が
図1の示される弾性要素110の実例である。
図3Aに示すように、弾性要素310がΩ形状、U字状、又はいずれの他の適当な形状である。弾性要素310が中空であってもそうでなくてもよい。弾性要素310が、ワイヤ又はケーブル304の第1の点又は区分318及びワイヤ又はケーブル304の第2の点又は区分320でリード100のワイヤ又はケーブル304に取り付けられる。ワイヤ又はケーブル304が、弾性要素310を超えて、両方向、近位端及び末端方向に続くが、近位端195と末端105との間の途中すべてに必ずしも必要ではない。弾性要素310の端部がワイヤ又はケーブル304に取り付けられて示されるが、いくつかの実施例では、弾性要素310上の端部以外の異なる点又は区分が別に取り付けられることが可能である。ワイヤ又はケーブル304の第1及び第2点又は区分、318及び320が、弾性要素310が緩和状態であるときの点/区分、318と320との間の弾性要素310の長さよりも長い、ワイヤ又はケーブル304に沿って計測された距離だけ互いに離れる。したがって、ワイヤ又はケーブル304が、弾性要素が弛緩収縮状態にあるときに点/区分、318と320との間の弾性要素310の周りに膨出して示される。弾性要素310の端部が取り付けられる実施例で、ワイヤ又はケーブル304の第1及び第2の点又は区分、318及び320が、緩和状態の弾性要素310の2つの端部間の距離よりも長い、ワイヤ又はケーブル304に沿って計測された距離だけ互いに離れる。
図3Bが、本開示の主題のいくつかの実施例に係る、伸長状態の
図3Aの弾性要素310を示す。
【0050】
図4Aが、本開示の主題のいくつかの実施例に係る、弛緩収縮状態の弾性要素410の別の実例を示す。弾性要素410が
図1の示される弾性要素110の実例である。
図4Aに示すように、弾性要素410がΩ形状、U字状、又はいずれの他の適当な形状である。弾性要素410が中空で、弾性要素410のルーメンがリード100に含まれるワイヤ又はケーブル404の一部分を収容する。ワイヤ又はケーブル404が弾性要素410を超えて、両方向、近端及び末端方向に続くが、近位端195及び末端105間の途中すべてに必ずしも必要ではない。これらの実施例のいくつかでは、弾性要素410が、ワイヤ又はケーブル404の第1の点又は区分、及びワイヤ又はケーブル404の第2の点又は区分でワイヤ又はケーブル404に取り付けられてもよいが、他の実施例では取付けは必要でない可能性がある。
図4Bが、本開示の主題のいくつかの実施例に係る、伸長状態の
図4Aの弾性要素410を示す。
【0051】
図5Aが、本開示の主題のいくつかの実施例に係る、弛緩収縮状態の弾性要素510の別の実例を示す。弾性要素510が
図1に示す弾性要素110の実例である。
図5Aに示されるように、弾性要素510がリード100に含まれるワイヤ又はケーブル504の部片からワイヤ又はケーブル504の部片を巻きつけることで形成される。ワイヤ又はケーブル504が弾性要素を超えて、両方向、近端及び末端方向に続くが、近位端195と末端105との間の途中すべてに必ずしも必要ではない。他のいくつかの実例では、弾性要素510が、ワイヤ又はケーブル504の部片からいずれの他の適当な方法で形成されてもよい。
図5Bが、本開示の主題のいくつかの実施例に係る、伸長状態の
図5Aの弾性要素510を示す。
【0052】
図2A、
図2B、
図2C、
図2D、
図3A、
図3B、
図4A、
図4B、
図5A、
図5Bに示される実例が、ただ図示のために提供され、弾性の特性を有する(弾性)要素のいずれの種類がリード100に用いられてもよい。上述のように、実施例によっては、リード100が1つ又は複数の弾性要素を含み得る。複数の弾性要素のいくつかの実施例では、弾性要素がすべて同じ種類であり得るか、弾性要素が2つ以上の異なる種類である。たとえば、弾性要素の1つ又は複数の種類が
図2A、
図2B、
図2C、
図2D、
図3A、
図3B、
図4A、
図4B、
図5A、
図5Bに図示の弾性要素のいずれの実例を含んでもよいし、及び/又は他のいずれの実例を含んでもよい。複数の弾性要素の実施例において、互いに対する弾性要素の構成がいずれの適当な構成でもよい。たとえば、構成が連続の弾性要素及び/又は平行な弾性要素を含んでもよく、但し必ずしもそれに限らない。
【0053】
図6Aが、本開示の主題のいくつかの実施例に係る、繋留要素6401の実例を示す。繋留要素6401が
図1に示される繋留要素140の実例である。
図6Aに示されるように、繋留要素6401がリード100に含まれるワイヤ又はケーブル6041から形成されたループによって(たとえば、ワイヤ又はケーブル6041に固定ループを生成することによって)構成される。ワイヤ又はケーブル6041が、繋留要素6401を超えて、両方向、末端及び近端方向に続き、よって、弾性要素110と電極要素180との間の途中の一部を少なくとも通る。
【0054】
図6Bが、本開示の主題のいくつかの実施例に係る、繋留要素6402の実例を示す。繋留要素6402が
図1に示される繋留要素140の実例である。
図6Bに示されるように、繋留要素6402がリード100に含まれるワイヤ若しくはケーブル6042の1つの点に取り付けられるか、又はリード100に含まれるワイヤ又はケーブル6042の区分に取り付けられるループの形状の要素である。ワイヤ又はケーブル6042が、繋留要素6402を超えて、両方向、末端及び近端方向に続き、よって、弾性要素110及び電極要素180間の途中の一部を少なくとも通る。
【0055】
図6Cが、本開示の主題のいくつかの実施例に係る、繋留要素6403の実例である。繋留要素6403が
図1に示される繋留要素140の実例である。
図6Cに示されるように、繋留要素6403が、ループの形状でない要素であって、リード100に含まれるワイヤ又はケーブル6043の1つの点に取り付けられるか、リード100に含まれるワイヤ又はケーブル6043の区分に取り付けられる。繋留要素6403が1つ又は複数の片を含み得る。ワイヤ又はケーブル6043が、繋留要素6403を超えて、両方向、末端及び近端方向に続き、よって、弾性要素110及び電極要素180間の途中の一部を少なくとも通る。
【0056】
図6Dが、本開示の主題のいくつかの実施例に係る、リード100の弾性要素110と電極要素180との間に繋留要素を後で追加できる十分な距離6404のある実例を示す。十分な距離6404が
図1に示される十分な距離140の実例である。後で追加されてもよい繋留要素が
図6A、
図6B、
図6Cに図示されるような繋留要素、又は他のいずれの適当な繋留要素であってもよい。たとえば、後で追加される繋留要素が弾性要素110と電極要素180との間の途中の部分を少なくとも通るリード100に含まれるワイヤ又はケーブルから形成されると想定する。この場合、このようなループを形成させ得る「十分な」距離は、たとえば、ループを形成するために用いられるワイヤ又はケーブル、ループと弾性要素110との間の所望の距離、及びループと電極要素180との間の所望の距離の量の総計に等しいか、それよりも大きくてもよい。
【0057】
図6A、
図6B、
図6Cに示される実例がただ図示の目的で提供され、弾性要素110と電極要素180との間のリード100の点又は区分にしっかり固定されるのを可能とするいずれの種類の繋留要素が用いられてもよく、引っ張り力がリード100の末端105に加わるとき、固定が維持されると想定すると、固定の点又は区分から近傍のリード100の任意の要素(たとえば電極要素180)は、引っ張り力をわずかしか受けないか又は受けない。上述のように、実施例によっては、リード100が1つ若しくは複数の繋留要素、及び/又は1つ若しくは複数の繋留要素が後で追加できる十分な距離を含んでもよい。複数の繋留要素のいくつかの実施例では、繋留要素がすべて同じ種類でもよく、又は繋留要素が2つ以上の異なる種類でもよい。たとえば、1つ又は複数の種類の繋留要素が
図6A、
図6B、
図6Cに図示される繋留要素の実例のいずれかを含んでもよく、及び/又はいずれの他の実例を含んでもよい。複数の繋留要素の実施例では、繋留要素の構成が互いに対していずれの適当な構成であってもよい。たとえば、構成が連続の繋留要素及び/又は平行の繋留要素を含んでもよく、但しこれに必ずしも限定されない。
【0058】
図示及び説明の簡潔化のため、リード2を備えた装置の実施例が、
図7、
図8、
図9A、
図9B、
図10A、
図10Bに図示される。リード2が
図1に示されるリード100の実例である。リード2が
図2A、及び
図2Bに図示の実施例に係る弾性要素16、並びに
図6Aに図示の実施例に係る繋留要素15を有し、よって、弾性素子16が弾性要素110(
図1)の実例であり、繋留要素15が繋留要素/十分な距離140(
図1)の実例である。しかしながら、これらの図が、リード100の異なる実施例を図示できたことは読者には明らかであり、実施例には、たとえば上述のいずれの実例のように、追加的又は別法で、弾性要素のいずれの他の実例、繋留要素のいずれの他の実例、及び/又は繋留要素を追加する十分な距離が含まれる。
【0059】
図7、
図8が本開示の主題のいくつかの実施例に係るリード2を備える装置を示す。リード2が末端6及び近位端8を有する絶縁ワイヤ又はケーブル4を備える。ワイヤ又はケーブル4の末端6がリード100の末端105の実例であり、ワイヤ又はケーブル4の近位端8がリード100の近位端195の実例である(
図1参照)。ワイヤ又はケーブル4の絶縁がたとえばポリエチレンなどの生体適合性材料から作られてもよい。絶縁ワイヤ又はケーブルの直径がたとえば約0.45mmでもよい。ワイヤ又はケーブル4の近位端8に取り付けられるのは湾曲縫合針10である。近位端8に隣接するのは、ワイヤ又はケーブル4の非絶縁部片から形成される電極12である。電極12が電極要素180(
図1)の実例であり、第1組織、たとえば心臓又は心臓組織(たとえば、心筋又は心外膜組織)に固定される(すなわち、埋め込まれる)ように構成される。
図7及び
図8に示される実施例では、電極12が当技術分野に知られるような「ジグザグ」か又は螺旋の形状の電極である。ワイヤ又はケーブル4が直線先鋭針14の末端6で終わる。
【0060】
リード2が、たとえばコイルバネ又は弾性ファイバ若しくはケーブルでもよい弾性要素16をさらに備える。弾性要素16が、ワイヤ又はケーブル4の第1の点18、及びワイヤ又はケーブル4の第2の点20で、ワイヤ又はケーブル4に取り付けられる。
図7で、緩和、収縮の構成にある弾性要素16が示される。弾性要素16の端部が第1及び第2の点、18及び20に取り付けられると想定する。第1及び第2の点、18及び20は、弛緩収縮状態の弾性要素16の2つの端部間の距離よりも長いワイヤ又はケーブル4に沿って測定される距離だけ互いに離れる。したがって、弾性要素16が弛緩緊縮状態のとき、ワイヤ又はケーブル4は、点18と20との間の弾性要素16の周りに膨出して示される。
図8において、伸長した後の弾性要素16が示される。弾性要素16と電極12と間には、たとえばワイヤ又はケーブル4に固定ループを生成することで形成されてもよい繋留要素15が存する。繋留要素が、装置を非心臓組織(たとえば、隔膜17)などの第2組織に繋留させるためである。
【0061】
図9Aが本開示の主題のいくつかの実施例に係る、リード2を備える装置の埋め込みを示す。
図9Aで、弾性要素16が
図7に示す収縮状態で、湾曲縫合針10が心外膜又は心筋26を貫通し輪になる。電極12が、心臓に又は心臓組織の中、たとえば右心室又は右房の心外膜又は心筋26などに固定される。繋留要素15が隔膜17などの非心臓組織へ縫合される。直線針14が胸壁22及び皮膚を貫通して内部から外部に挿通される。好適には、電極12と繋留要素15との間で、ワイヤ又はケーブル4が張らずに、ワイヤ又はケーブル4によって心外膜又は心筋26に引っ張り力が加わらない。繋留要素15の隔膜17への縫合が十分に確実なので、妥当又はそれより少ない割合の引っ張り力が末端6に加わっても繋留要素15が隔膜17へ繋留され続ける。妥当な割合が実施例によって変わり得る。たとえば、妥当な割合の引っ張り力が、
図9Bを参照して後述するような末端6が皮膚表面から引き離されるときに予想される引っ張り力と等価かそれより大きくてもよい。
【0062】
図9Bが、本開示の主題のいくつかの実施例に係る、埋込みの完了後の装置を示す。湾曲縫合針10がワイヤ又はケーブル4から切断された後に胸壁22を閉じる。また、直線針14の先端が切断されて、モニタリング機器、電気刺激機器(たとえばペースメーカ)、又はいずれの他の医療機器(表示せず)に接続され得る直線ブラント・プローブを生成する。
【0063】
上述のように、医療システムが本明細書で記載の1つ又は複数の装置を備えると考えてもよい。任意に、医療システムがやはり他の要素、たとえば装置が接続可能ないずれの医療機器(たとえば、モニタリング機器、電気刺激機器、又はいずれの他の医療機器)などを備えてもよい。
【0064】
では、本開示の主題のいくつかの実施例に係る、埋め込まれた装置の弾性要素16の伸長を示す
図10A、及びリードの端部を切断した後のリードの露出部分の体内への引込みを示す
図10Bを参照する。
【0065】
先ず、
図10Aを参照し、装置が最早必要ないときに、ワイヤ又はケーブル4の末端6が接続されていた電気刺激機器、モニタリング機器、又はいずれの他に医療機器から外され得る。ワイヤ又はケーブル4の末端6が次いで胸壁22の皮膚表面から引き離される。これにより、弾性要素16が
図10Aに示されるように伸長される。弾性要素16が、弾性要素16の付勢力に抗して繋留要素15から末端6を引き離すことを可能にする。しかしながら、繋留要素15の隔膜17への繋留のため、末端6の引っ張りと弾性要素16の伸長により、心外膜又は心筋26への引っ張り力はわずかか又は無い。次いで、
図10Bに示されるように、ワイヤ又はケーブル4が皮膚表面上でたとえば鋏で切断される。ワイヤ又はケーブル4の切断によって、弾性要素16が収縮状態に自発的に戻る。これにより、ワイヤ又はケーブル4の切断端の露出した(末端)部分が皮膚及び胸壁22を貫通して体内に引っ込む。先端の切られたリードが体内に残ることができ、望まれれば、このように電極12を心外膜又は心筋26から外す必要が無い。
【0066】
図11が、本開示の主題のいくつかの実施例に係る、装置埋込みの方法1100のフローチャートである。
【0067】
埋込みのために設けられた装置がいくつかの実施例が本明細書で説明されるリード100を備えると想定される。
【0068】
ステージ1102で、電極要素180が第1組織に固定される。心臓向けと想定すると、第1組織がたとえば患者の心臓又は心外膜若しくは心筋などの心臓組織でもよい。たとえば、リード100の近位端に取り付けられる湾曲縫合針などの針がリード100の末端195を第1組織に縫合するために用いられてもよい。
【0069】
ステージ1104で、繋留要素140が第2組織に固定される。心臓向けと再び想定し、第2組織が患者の隔膜などの非心臓組織でもよい。たとえば、リード100に取り付けられないような針が繋留要素140を第2組織に縫合するために用いられてもよい。
【0070】
別法では、ステージ1102及び1104が逆でもよい。
【0071】
ステージ1106で、リード100の末端105が、患者の体壁(たとえば胸壁)及び皮膚を貫通し、内部から外部に挿通される。たとえば、リード100の近位端で取り付けられる直線針などの針が挿通に用いられてもよい。
【0072】
任意に、リード100の近位端195に針があった場合、針が患者の胸壁を閉じる前に切り離されてもよい。任意に、針がリード100の末端105にある場合、針の先端が切断されて、ペースメーカ又は他の医療機器に接続されてもよい直線ブラント・プローブを生成してもよい。
【0073】
図12が、本開示の主題のいくつかの実施例に係る、埋込み装置が最早必要の無くなった後に実行される方法1200のフローチャートである。装置が、いくつかの実施例が本明細書に記載されるリード100を備えると想定される。
【0074】
ステージ1202で、リード100の末端105が皮膚表面から引き離され、よってリード100の弾性要素110が伸長状態になる。しかしながら、繋留要素140によって繋留されるために、その結果、引っ張り力は第1組織にわずかしか加わらないか全く加わらない。
【0075】
ステージ1204で、リード100が皮膚表面の上で切断されて切断部分が体内に延在したままになる。リード100が切断又は他の方法で解放される。リード100の解放によって、弾性要素110の付勢力が弾性要素110を弛緩収縮状態に戻し、その結果、リード100の切断部分を体内に引っ込めることが可能になる。
【0076】
尚、本開示は、弾性要素110がステージ1202で伸長される量、又はステージ1204で切断されるリード100の量について制限を課すものでないことを理解されたい。しかしながら、いくつかの実施例では、切断の後で、リード100の露出される部分が、ステージ1202で弾性要素110が伸長した後のリード100の長さと伸長前(すなわち、弾性要素110がステージ1202前の弛緩収縮状態であったとき)のリード100の長さとの間の差異よりも大きくてはならず、その結果、切断されたリード100の露出部分が体内に引っ込む。
【0077】
ステージ1206後の体内に残っている先端の切られたリードは、そうすることを望まないならば、患者の体から除去する必要が無い。
【0078】
図13が本開示のいくつかの実施例に係る、リードを備える装置を製造する方法1300のフローチャートである。リードが、本明細書でいくつかの実施例が説明されたリード100であると想定される。
【0079】
任意のステージ1302で、ワイヤ又はケーブルが、たとえば絶縁されるが、中空の弾性要素のルーメン、たとえば
図4A及び
図4Bに図示の弾性要素410を貫通して供給される。
【0080】
任意のステージ1304で、弾性要素110の2つの点又は区分(たとえば2端)がワイヤ又はケーブルの2つの点又は区分に取り付けられる。取付けが冷間溶接又は熱溶接、結束、注入(すなわち、鋳造)、接着剤、上記のいずれの組合せなどのいずれの手順を用いてもよい。弾性要素がたとえば
図2A、
図2B、
図3A、
図3B、
図4A、
図4Bのいずれに図示の弾性要素でもよい。
【0081】
尚、
図5A及び
図5Bに図示する弾性要素などの弾性要素に、ステージ1302及び1304のどちらも実行せずに、代わりに、製造する間にワイヤ又はケーブルがたとえば巻かれて弾性要素に形成されてもよいことを理解されたい。
【0082】
ステージ1304が、
図4A及び
図4Bに図示の弾性要素410などの弾性要素用に、任意でもよいしそうでなくてもよい。
【0083】
ステージ1304及び1306の順番は、別には、両方が実行されるとき逆であってもよい。
【0084】
任意のステージ1306で、絶縁がリード100の近位端195で又はリード100の弾性要素110と近位端195との間でワイヤ又はケーブルの部片から外されて、電極要素180を形成する。電極要素180が、たとえば弾性要素110から近傍の十分な距離に存し、繋留要素140を見込んでもよい。(尚、繋留要素140は、製造方法1300の間、リード100にその前に含まれていてもよいし、又は製造方法1300でリード100に後で追加されてもよいし、若しくは製造方法1300が終了した後で追加されてもよいことを理解されたい)。
【0085】
いくつかの実施例で、ステージ1306が、方法1300の中で、より早く実行されてもよく、たとえば、むしろ
図13に図示の順番でない、ステージ1302又は1304よりも前でもよい。いくつかの実施例では、たとえば、ワイヤ又はケーブルの部片から絶縁を除去することにより電極要素180が形成されない場合、ステージ1306が省略されてもよい。
【0086】
任意には、製造方法1300が次の手順のいずれかを含んでもよく、電極を取り付ける、繋留要素を形成する及び/若しくは取り付ける、並びに/又は針を取り付けるなどである。実施例によっては、これらの手順のいずれもステージ1302、1304、及び/又は1306のいずれの前又は後に実行されてもよい。
【0087】
任意に、製造方法1300が追加の弾性要素及び/若しくは電極要素に対してステージ1302、1304及び/若しくは1306を実行するのを含み、並びに/又はリードのワイヤ及び/若しくはケーブルから追加の弾性要素及び/若しくは電極を形成するのを含んでもよい。
【0088】
製造方法1300が繋留要素140をワイヤ及び/又はケーブルに取付けすることを含む実施例において、いずれの繋留要素140が、妥当な割合以下の引っ張り力がリード100の末端105に加わるときに繋留要素140がそのままでいられるほどに強いいずれの材料で作られてもよい。いずれの繋留要素140が、リード100に含まれるワイヤ又はケーブルにいずれの適当な取付け方法を用いて取り付けられて、繋留要素140が、妥当な割合以下の引っ張り力がリード100の末端105に加わっても取り付けられたままであってもよい。たとえば、取付け方法が結束、接着剤、熱溶接及び/若しくは冷間溶接、上記のいずれの組合せ、又は繋留要素140が、妥当な割合以下の引っ張り力がリード100の末端105に加わってもワイヤ又はケーブルに取り付けられたままでいられるようないずれの他の方法を含んでもよい。妥当な割合は実施例に依存して変わってもよい。たとえば、妥当な割合の引っ張り力が、上述の方法1200のステージ1202などにおいてリード100の末端105が皮膚表面から引き離されるときに予想された引っ張り力と等価又はそれより大きくてもよい。
【0089】
上述のいずれの方法1100、1200及び1300に対して別法では、いくつかの実施例で、装置を埋め込む方法、埋め込まれた装置が最早必要でなくなった後で実行される方法、及び/又は措置を製造する方法が、本明細書で説明したものよりも少ないか多いか及び/又はそれとは異なるステージを含んでもよい。
【0090】
本開示の主題を特別な実施例に関して示し説明したが、本開示の主題はこれによって限定されない。本開示の主題の範囲で、多くの変形、変更及び改善が読者に今、現出するであろう。