特許第6099836号(P6099836)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6099836
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】ロータ駆動システム
(51)【国際特許分類】
   B64C 27/605 20060101AFI20170313BHJP
   B64C 27/10 20060101ALI20170313BHJP
【FI】
   B64C27/605
   B64C27/10
【請求項の数】8
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-549603(P2016-549603)
(86)(22)【出願日】2013年10月23日
(65)【公表番号】特表2016-538196(P2016-538196A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(86)【国際出願番号】CN2013085745
(87)【国際公開番号】WO2015058364
(87)【国際公開日】20150430
【審査請求日】2016年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】516122863
【氏名又は名称】シェンチェン ユナイテッド エアクラフト テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】ティアン ガンイン
【審査官】 畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第103318407(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第102658865(CN,A)
【文献】 欧州特許出願公開第1944234(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 27/605
B64C 27/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸双ロータ自律ヘリコプタに利用できるロータ駆動システムであって、前記同軸双ロータ自律ヘリコプタは、
外側シャフト(19)と、
前記外側シャフト(19)の一端の外側で固定される、下側ロータハブ(14)と、
前記下側ロータハブ(14)と連結された少なくとも2つの第1のブレードクランプ体であって、前記第1のブレードクランプ体の各々は、前記下側ロータハブ(14)に対して捻回可能であり、そして第1のブレードクランプ(20)および第2のブレードクランプ(22)を備え、前記第1のブレードクランプ(20)と前記第2のブレードクランプ(22)とは協働して前記下側ロータブレードを締め付ける、第1のブレードクランプ体と、
内側シャフト(15)と、
前記内側シャフト(15)の一端の外側で固定される、上側ロータハブ(16)と、
前記上側ロータハブ(16)と連結された少なくとも2つの第2のブレードクランプ体であって、前記第2のブレードクランプ体の各々は、前記上側ロータハブ(16)に対して捻回可能であり、そして第3のブレードクランプ(17)および第4のブレードクランプ(18)を備え、前記第3のブレードクランプ(17)と前記第4のブレードクランプ(18)とは協働して前記上側ロータブレードを締め付ける、第2のブレードクランプ体と、
歯車列が収容され、上側カバー(26)、箱本体(27)および下側カバー(1)を備える箱であって、前記歯車列は、前記外側シャフト(19)および前記内側シャフト(15)と連結される、箱と、
前記歯車列と連結された同期ベルトホイール(7)であって、前記同期ベルトホイール(7)の回転が、前記外側シャフト(19)および前記内側シャフト(15)を回転させるように前記歯車列を回転させ、前記外側シャフト(19)は、前記内側シャフト(15)に対して逆回転し、前記下側ロータハブ(14)は、前記外側シャフト(19)に対して静止し、前記上側ロータハブ(16)は、前記内側シャフト(15)に対して静止する、同期ベルトホイール(7)と、
を備え、
前記ロータ駆動システムは、上ロータ駆動システムおよび下ロータ駆動システムを備え、
前記下ロータ駆動システムは、
前記下ロータの少なくとも2つのブレードクランプ傾斜アーム(13)であって、前記ブレードクランプ傾斜アーム(13)の各々の一端が、対応する第1のブレードクランプ体の予め設定された取付け面上に固定される、ブレードクランプ傾斜アーム(13)と、
少なくとも2つの下側傾斜アームプルロッド(35)であって、前記下側傾斜アームプルロッド(35)の各々の一端が、前記下ロータの対応する前記ブレードクランプ傾斜アーム(13)の他端と連結される、下側傾斜アームプルロッド(35)と、
前記外側シャフト(19)を囲繞し、前記上側カバー(26)上に一端が固定される、支持タワー(10)と、
非回転式の下ロータ斜板(11)を囲繞し、前記下側傾斜アームプルロッド(35)の各々の他端と連結される、回転式の下ロータ斜板(24)と、
少なくとも2つの下ロータ操舵アセンブリであって、前記下側ロータハブ(14)が前記外側シャフト(19)と共に回転するときに前記回転式の下ロータ斜板(24)を回転させるように、前記下ロータ操舵アセンブリの各々の一端が前記下側ロータハブ(14)と連結され、他端が前記回転式の下ロータ斜板(24)と連結される、下ロータ操舵アセンブリと、
下ロータ継手軸受(57)を介して前記支持タワー(10)を囲繞し、前記下ロータ継手軸受(57)を介して前記回転式の下ロータ斜板(24)と連結される、非回転式の下ロータ斜板(11)であって、前記回転式の下ロータ斜板(24)と前記非回転式の下ロータ斜板(11)とは互いに独立に回転できる、非回転式の下ロータ斜板(11)と、
前記下側カバー(1)と固定して連結されるアクチュエータ取付けベース(2)と、
前記アクチュエータ取付けベース(2)上に取り付けられる少なくとも3つの第1のアクチュエータ(8)であって、前記第1のアクチュエータ(8)の各々は、ハウジング、および前記ハウジングに一端が配置された第1のネジ棒スリーブロッド(65)を備え、前記第1のネジ棒スリーブロッド(65)は上下に入子式に伸縮でき、各第1のネジ棒スリーブロッド(65)のうち前記ハウジングの外に突出する方の端部は、前記第1のネジ棒スリーブロッド(65)が上下に入子式に伸縮されるときに特定の方向に向かって前記非回転式の下ロータ斜板(11)を傾斜させ、したがって特定の方向に向かって前記回転式の下ロータ斜板(24)を傾斜させるように、前記非回転式の下ロータ斜板(11)と連結される、第1のアクチュエータ(8)と、
少なくとも3つの第1のモータ(9)であって、前記第1のモータ(9)の各々は、対応する第1のアクチュエータ(8)と連結され、前記対応する第1のアクチュエータ(8)の前記第1のネジ棒スリーブロッド(65)を上下に入子式に伸縮させるように制御する、第1のモータ(9)と、
第1の回転防止ロッド(25)であって、前記第1の回転防止ロッド(25)の一端が、前記上側カバー(26)上の前記支持タワー(10)の位置以外の位置に固定され、他端が貫通孔を備える、第1の回転防止ロッド(25)と、
前記非回転式の下ロータ斜板(11)が特定の方向に向かって傾斜できて、前記回転式の下ロータ斜板(24)と共に回転可能にならないことを保証するように、前記非回転式の下ロータ斜板(11)上に配置されて、前記第1の回転防止ロッド(25)の前記貫通孔に貫入する、第1の摺動ブロック(44)と、
を備え、
前記上ロータ駆動システムは、
前記上ロータの少なくとも2つのブレードクランプ傾斜アーム(42)であって、前記ブレードクランプ傾斜アーム(42)の各々の一端が、対応する第2のブレードクランプ体の予め設定された取付け面上に固定される、ブレードクランプ傾斜アーム(42)と、
少なくとも2つの上側傾斜アームプルロッド(41)であって、前記上側傾斜アームプルロッド(41)の各々の一端が、前記上ロータの対応する前記ブレードクランプ傾斜アーム(42)の他端と連結される、上側傾斜アームプルロッド(41)と、
少なくとも2つの上側の上ロータ操舵ロッド(40)であって、前記上側の上ロータ操舵ロッド(40)の各々の一端が、対応する前記上側傾斜アームプルロッド(41)の他端と連結される、上側の上ロータ操舵ロッド(40)と、
前記上側の上ロータ操舵ロッド(40)の各々の他端と連結される、上側プルロッドプラグ(39)と、
前記内側シャフト(15)内に配置される少なくとも2つのプルロッド(56)であって、前記プルロッド(56)の各々の一端が、前記上側プルロッドプラグ(39)によって、対応する上側の上ロータ操舵ロッド(40)と連結される、プルロッド(56)と、
下側プルロッドプラグ(64)と、
少なくとも2つの下側の上ロータ操舵ロッド(45)であって、前記下側の上ロータ操舵ロッド(45)の各々の一端が、前記下側プルロッドプラグ(64)と連結され、前記下側プルロッドプラグ(64)を介して対応する前記プルロッド(56)の他端と連結される、下側の上ロータ操舵ロッド(45)と、
少なくとも2つの上ロータ操舵ロッドL字アーム(47)であって、前記上側の上ロータ操舵ロッドL字アーム(47)の各々の一端が、対応する前記下側の上ロータ操舵ロッド(45)の他端と連結される、上ロータ操舵ロッドL字アーム(47)と、
上ロータ斜板の摺動ロッド(46)と、
前記上側ロータハブ(16)が前記内側シャフト(15)と共に回転するときに、前記上ロータ操舵ロッドL字アーム(47)および前記下側の上ロータ操舵ロッド(45)の作用の下で、回転式の上ロータ斜板(4)が回転するように、上ロータ継手軸受(59)によって上ロータ斜板の前記摺動ロッド(46)を囲繞し、前記上ロータ操舵ロッドL字アーム(47)の他端と連結される、回転式の上ロータ斜板(4)と、
前記回転式の上ロータ斜板(4)を囲繞する非回転式の上ロータ斜板(3)であって、前記回転式の上ロータ斜板(4)と前記非回転式の上ロータ斜板(3)とは互いに独立に回転できる、非回転式の上ロータ斜板(3)と、
前記上側カバー(26)上に取り付けられる少なくとも3つの第2のアクチュエータ(58)であって、前記第2のアクチュエータ(58)の各々は、ハウジング、および前記ハウジングに一端が配置された第2のネジ棒スリーブロッド(28)を備え、前記第2のネジ棒スリーブロッド(28)は上下に入子式に伸縮でき、各第2のネジ棒スリーブロッド(28)のうち前記ハウジングの外に突出する方の端部は、前記第2のネジ棒スリーブロッド(28)が上下に入子式に伸縮され、したがって特定の方向に向かって前記回転式の上ロータ斜板(4)を傾斜させるときに、特定の方向に向かって前記非回転式の下ロータ斜板(3)を傾斜させるように、前記非回転式の上ロータ斜板(3)と連結される、第2のアクチュエータ(58)と、
少なくとも3つの第2のモータ(49)であって、前記第2のモータ(49)の各々は、対応する第2のアクチュエータ(58)の第2のネジ棒スリーブロッド(28)と連結され、前記対応する第2のアクチュエータ(58)の前記第2のネジ棒スリーブロッド(28)を上下に入子式に伸縮させるように制御する、第2のモータ(49)と、
第2の回転防止ロッド(29)であって、前記第2の回転防止ロッド(29)の一端が前記アクチュエータ取付けベース(2)に固定され、他端が貫通孔を備える、第2の回転防止ロッド(29)と、
前記非回転式の上ロータ斜板(3)が特定の方向に向かって傾斜できて、前記回転式の上ロータ斜板(4)と共に回転可能にならないように、前記非回転式の上ロータ斜板(3)上に配置されて、前記第2の回転防止ロッド(29)の前記貫通孔に貫入する、第2の摺動ブロック(30)と、
を備える、
ことを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記上ロータ駆動システムは、
前記上側の上ロータ操舵ロッド(40)の各々をそれらの回転に影響を及ぼすことなく支持するように前記上側の上ロータ操舵ロッド(40)の各々と連結される、上側の内側シャフトヘッドフレーム(37)であって、前記上側の内側シャフトヘッドフレーム(37)の一端が、内側シャフト(15)のうち前記上側ロータハブ(16)が取り付けられる方の端部に固定される、上側の内側シャフトヘッドフレーム(37)と、
前記下側の上ロータ操舵ロッド(45)の各々をそれらの回転に影響を及ぼすことなく支持するように前記下側の上ロータ操舵ロッド(45)の各々と連結される、下側の内側シャフトヘッドフレーム(31)であって、前記下側の内側シャフトヘッドフレーム(31)の一端が前記内側シャフト(15)上に固定され、他端が、前記下ロータ傾斜プレートの前記摺動ロッド(46)のうち前記回転式の上ロータ斜板(4)が取り付けられる方の端部と連結される、下側の内側シャフトヘッドフレーム(31)と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記下ロータ駆動システムは、
少なくとも3つの第1のギアボックス本体(5)であって、前記第1のギアボックス本体(5)の各々は、対応する第1のモータ(9)と連結され、前記対応する第1のモータ(9)によって出力される回転速度は、前記第1のギアボックス本体(5)の各々によって調節される、第1のギアボックス本体(5)をさらに備え、
同様に、前記上ロータ駆動システムは、少なくとも3つの第2のギアボックス本体(43)であって、前記第2のギアボックス本体(43)の各々は、対応する第2のモータ(49)と連結され、前記対応する第2のモータ(49)によって出力される回転速度は、前記第2のギアボックス本体(43)の各々によって調節される、第2のギアボックス本体(43)をさらに備える、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のギアボックス本体(5)および前記第2のギアボックス本体(43)は、歯車タイプのギアボックス本体またはチェーンタイプのギアボックス本体であることを特徴とする、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記下ロータの前記ブレードクランプ傾斜アーム(13)のうち前記第1のブレードクランプ体上に固定される方の一端の幅は、前記下ロータの前記ブレードクランプ傾斜アーム(13)の他端の幅よりも大きく、前記上ロータの前記ブレードクランプ傾斜アーム(42)のうち前記第2のブレードクランプ体上に固定される方の一端の幅は、前記上ロータの前記ブレードクランプ傾斜アーム(42)の他端の幅よりも大きいことを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項6】
前記下ロータ操舵アセンブリの各々は、回転防止プレート(21)および下ロータ操舵ロッドL字アーム(23)によって構成され、前記回転防止プレート(21)の一端が、前記下ロータ操舵ロッドL字アーム(23)の一端と連結され、前記回転防止プレート(21)の他端が、前記下側ロータハブ(14)と連結され、前記下ロータ操舵ロッドL字アーム(23)の他端が、前記回転式の下ロータ斜板(24)と連結されることを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の摺動ブロック(44)は、前記第1の回転防止ロッド(25)の前記貫通孔に貫入するが貫通しないか、
または、前記第1の摺動ブロック(44)は、前記第1の回転防止ロッド(25)の前記貫通孔に貫入し、さらに前記貫通孔を貫通する、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2の摺動ブロック(30)は、前記第2の回転防止ロッド(29)の前記貫通孔に貫入するが貫通しないか、
または、前記第2の摺動ブロック(30)は、前記第2の回転防止ロッド(29)の前記貫通孔に貫入し、さらに前記貫通孔を貫通する、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同軸双ロータ自律ヘリコプタの分野に関し、詳細には、ロータ駆動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる同軸双ロータ自律ヘリコプタは、同じ構造を有する上ロータおよび下ロータと、内側シャフトおよび内側シャフトに対して逆回転する外側シャフトから構成されるメインシャフトとを含むことができ、上ロータは、内側シャフトの一端で取り付けられ、下ロータは、外側シャフトの一端で取り付けられ、上ロータは、下ロータからある一定の距離だけ離間し、上ロータは、内側シャフトと共に回転し、下ロータは、上ロータに対して逆回転できるように外側シャフトと共に回転し、したがって、上ロータおよび下ロータによって発生するトルクが飛行状態で互いにバランスを維持できる。飛行状態では、進路は、テールロータおよびテールビームの組付けなしで安定しており、進路の操作は、上ロータおよび下ロータのコレクティブピッチの差によって発生するアンバランスなトルクによって実現することができる。
【0003】
従来技術では、同軸双ロータ自律ヘリコプタの進路の操作を可能にするロータ駆動システムの構造は、複雑であり、複雑であると工程の生産効率が低下し、試験およびメンテナンスが不便になる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記で説明した課題に基づいて、本発明の実施形態は、ロータ駆動システムの構造を単純化し、したがって、試験およびメンテナンスが不便であるという課題を解決するように、ロータ駆動システムを開示する。技術的解決策を以下に提示する。
【0005】
本発明の実施形態により、同軸双ロータ自律ヘリコプタに利用できるロータ駆動システムであって、同軸双ロータ自律ヘリコプタは、
外側シャフト19と、
外側シャフト19の一端の外側で固定される下側ロータハブ14と、
下側ロータハブ14と連結された少なくとも2つの第1のブレードクランプ体であって、第1のブレードクランプ体の各々は、下側ロータハブ14に対して捻回(twist)でき、第1のブレードクランプ20および第2のブレードクランプ22を備え、第1のブレードクランプ20と第2のブレードクランプ22とは、協働して下側ロータブレードを締め付ける、第1のブレードクランプ体と、
内側シャフト15と、
内側シャフト15の一端の外側で固定される上側ロータハブ16と、
上側ロータハブ16と連結された少なくとも2つの第2のブレードクランプ体であって、第2のブレードクランプ体の各々は、上側ロータハブ16に対して捻回でき、第3のブレードクランプ17および第4のブレードクランプ18を備え、第3のブレードクランプ17と第4のブレードクランプ18とは、協働して上側ロータブレードを締め付ける、第2のブレードクランプ体と、
歯車列が収容され、上側カバー26、箱本体27および下側カバー1を備える、箱であって、歯車列は、外側シャフト19および内側シャフト15と連結される、箱と、
歯車列と連結された同期ベルトホイール7であって、同期ベルトホイール7の回転が、外側シャフト19および内側シャフト15を回転させるように歯車列を回転させ、外側シャフト(19)は、内側シャフト(15)に対して逆回転し、下側ロータハブ14は、外側シャフト19に対して静止し、上側ロータハブ16は、内側シャフト15に対して静止する、同期ベルトホイール7と、
を備え、
ロータ駆動システムは上ロータ駆動システムおよび下ロータ駆動システムを備え、
下ロータ駆動システムは、
下ロータの少なくとも2つのブレードクランプ傾斜アーム13であって、ブレードクランプ傾斜アーム13の各々の一端が、対応する第1のブレードクランプ体の予め設定された取付け面上に固定される、ブレードクランプ傾斜アーム13と、
少なくとも2つの下側傾斜アームプルロッド35であって、下側傾斜アームプルロッド35の各々の一端が、下ロータの対応するブレードクランプ傾斜アーム13の他端と連結される、下側傾斜アームプルロッド35と、
外側シャフト19を囲繞し、上側カバー26上に一端が固定される、支持タワー10と、
非回転式の下ロータ斜板11を囲繞し、下側傾斜アームプルロッド35の各々の他端と連結される、回転式の下ロータ斜板24と、
少なくとも2つの下ロータ操舵アセンブリであって、下側ロータハブ14が外側シャフト19と共に回転するときに回転式の下ロータ斜板24を回転させるように、下ロータ操舵アセンブリの各々の一端が下側ロータハブ14と連結され、他端が回転式の下ロータ斜板24と連結される、下ロータ操舵アセンブリと、
下ロータ継手軸受57を介して支持タワー10を囲繞し、下ロータ継手軸受57を介して回転式の下ロータ斜板24と連結される、非回転式の下ロータ斜板11であって、回転式の下ロータ斜板24と非回転式の下ロータ斜板11とは互いに独立に回転できる、非回転式の下ロータ斜板11と、
下側カバー1と固定して連結されるアクチュエータ取付けベース2と、
アクチュエータ取付けベース2上に取り付けられる少なくとも3つの第1のアクチュエータ8であって、第1のアクチュエータ8の各々は、ハウジング、およびハウジングに一端が配置された第1のネジ棒スリーブロッド65を備えることができ、第1のネジ棒スリーブロッド65は上下に入子式に伸縮でき、各第1のネジ棒スリーブロッド65のうちハウジングの外に突出する方の端部は、第1のネジ棒スリーブロッド65が上下に入子式に伸縮されるときに特定の方向に向かって非回転式の下ロータ斜板11を傾斜させ、したがって特定の方向に向かって回転式の下ロータ斜板(24)を傾斜させるように、非回転式の下ロータ斜板と連結される、第1のアクチュエータ8と、
少なくとも3つの第1のモータ9であって、第1のモータ9の各々は、対応する第1のアクチュエータ8と連結され、対応する第1のアクチュエータ8の第1のネジ棒スリーブロッド65を上下に入子式に伸縮させるように制御する、第1のモータ9と、
第1の回転防止ロッド25であって、第1の回転防止ロッド25の一端が上側カバー26上の支持タワー10の位置以外の位置に固定され、他端が貫通孔を備える、第1の回転防止ロッド25と、
非回転式の下ロータ斜板11が特定の方向に向かって傾斜でき回転式の下ロータ斜板24と共に回転可能にならないことを保証するように、非回転式の下ロータ斜板11上に配設され第1の回転防止ロッド25の貫通孔に貫入する、第1の摺動ブロック44と、
を備えることができ、
上ロータ駆動システムは、
上ロータの少なくとも2つのブレードクランプ傾斜アーム42であって、ブレードクランプ傾斜アーム42の各々の一端が、対応する第2のブレードクランプ体の予め設定された取付け面上に固定される、ブレードクランプ傾斜アーム42と、
少なくとも2つの上側傾斜アームプルロッド41であって、上側傾斜アームプルロッド41の各々の一端が、上ロータの対応するブレードクランプ傾斜アーム42の他端と連結される、上側傾斜アームプルロッド41と、
少なくとも2つの上側の上ロータ操舵ロッド40であって、上側の上ロータ操舵ロッド40の各々の一端が、対応する上側傾斜アームプルロッド41の他端と連結される、上側の上ロータ操舵ロッド40と、
上側の上ロータ操舵ロッド40の各々の他端と連結される、上側プルロッドプラグ39と、
内側シャフト15内に配置される少なくとも2つのプルロッド56であって、プルロッド56の各々の一端が、上側プルロッドプラグ39によって対応する上側の上ロータ操舵ロッド40と連結される、プルロッド56と、
下側プルロッドプラグ64と、
少なくとも2つの下側の上ロータ操舵ロッド45であって、下側の上ロータ操舵ロッド45の各々の一端が、下側プルロッドプラグ64と連結され、下側プルロッドプラグ56によって対応するプルロッド56の他端と連結される、下側の上ロータ操舵ロッド45と、
少なくとも2つの上ロータ操舵ロッドL字アーム47であって、上側の上ロータ操舵ロッドL字アーム47の各々の一端が、対応する下側の上ロータ操舵ロッド45の他端と連結される、上ロータ操舵ロッドL字アーム47と、
上ロータ斜板の摺動ロッド46と、
上側ロータハブ16が内側シャフト15と共に回転するときに、上ロータ操舵ロッドL字アーム47および下側の上ロータ操舵ロッド45の作用の下で、回転式の上ロータ斜板4が回転するように、上ロータ継手軸受59によって上ロータ斜板の摺動ロッド46を囲繞し、上ロータ操舵ロッドL字アーム47の他端と連結される、回転式の上ロータ斜板4、
回転式の上ロータ斜板4を囲繞する非回転式の上ロータ斜板3であって、回転式の上ロータ斜板4と非回転式の上ロータ斜板3とは互いに独立に回転できる、非回転式の上ロータ斜板3と、
上側カバー26上に取り付けられる少なくとも3つの第2のアクチュエータ58であって、第2のアクチュエータ58の各々は、ハウジング、およびハウジングに一端が配置された第2のネジ棒スリーブロッド28を備えることができ、第2のネジ棒スリーブロッド28は上下に入子式に伸縮でき、各第2のネジ棒スリーブロッド28のうちハウジングの外に突出する方の端部は、第2のネジ棒スリーブロッド28が上下に入子式に伸縮され、したがって、特定の方向に向かって回転式の上ロータ斜板4を傾斜させるときに、特定の方向に向かって非回転式の上ロータ斜板3を傾斜させるように、非回転式の上ロータ斜板3と連結される、第2のアクチュエータ58と、
少なくとも3つの第2のモータ49であって、第2のモータ49の各々は、対応する第2のアクチュエータ58の第2のネジ棒スリーブロッド28と連結され、対応する第2のアクチュエータ58の第2のネジ棒スリーブロッド28を上下に入子式に伸縮させるように制御する、第2のモータ49と、
第2の回転防止ロッド29であって、一端がアクチュエータ取付けベース2に固定され、他端が貫通孔を備える、第2の回転防止ロッド29と、
非回転式の上ロータ斜板3が特定の方向に向かって傾斜でき回転式の上ロータ斜板4と共に回転可能にならないように、非回転式の上ロータ斜板3上に配設され第2の回転防止ロッド29の貫通孔に貫入する、第2の摺動ブロック30と、
を備えることができる、ロータ駆動システムを提供する。
【0006】
好ましくは、上ロータ駆動システムは、
上側の上ロータ操舵ロッド40の各々をそれらの回転に影響を及ぼすことなく支持するように上側の上ロータ操舵ロッド40の各々と連結される、上側の内側シャフトヘッドフレーム37であって、上側の内側シャフトヘッドフレーム37の一端が、内側シャフト15のうち上側ロータハブ16が取り付けられる方の端部に固定される、上側の内側シャフトヘッドフレーム37と、
下側の上ロータ操舵ロッド45の各々をそれらの回転に影響を及ぼすことなく支持するように下側の上ロータ操舵ロッド45の各々と連結される、下側の内側シャフトヘッドフレーム31であって、下側の内側シャフトヘッドフレーム31の一端が内側シャフト15上に固定され、他端が、下ロータ傾斜プレートの摺動ロッド46のうち回転式の上ロータ斜板4が取り付けられる方の端部と連結される、下側の内側シャフトヘッドフレーム31と、
を備える。
【0007】
好ましくは、下ロータ駆動システムはさらに、
少なくとも3つの第1のギアボックス本体5であって、第1のギアボックス本体5の各々は、対応する第1のモータ9と連結され、対応する第1のモータ9によって出力される回転速度が第1のギアボックス本体5の各々によって調節される、第1のギアボックス本体5を備えることができ、
同様に、上ロータ駆動システムはさらに、少なくとも3つの第2のギアボックス本体43であって、第2のギアボックス本体43の各々は、対応する第2のモータ49と連結され、対応する第2のモータ49によって出力される回転速度が第2のギアボックス本体43の各々によって調節される、第2のギアボックス本体43を備える。
【0008】
好ましくは、第1のギアボックス本体5および第2のギアボックス本体43は、歯車タイプのギアボックス本体またはチェーンタイプのギアボックス本体である。
【0009】
好ましくは、下ロータのブレードクランプ傾斜アーム13のうち第1のブレードクランプ体上に固定される方の一端の幅は、下ロータのブレードクランプ傾斜アーム13の他端の幅よりも大きく、上ロータのブレードクランプ傾斜アーム42のうち第2のブレードクランプ体上に固定される方の一端の幅は、上ロータのブレードクランプ傾斜アーム42の他端の幅よりも大きい。
【0010】
好ましくは、下ロータ操舵アセンブリの各々は、回転防止プレート21および下ロータ操舵ロッドL字アーム23によって構成され、回転防止プレート21の一端が、下ロータ操舵ロッドL字アーム23の一端と連結され、回転防止プレート21の他端が下側ロータハブ14と連結され、下ロータ操舵ロッドL字アーム23の他端が回転式の下ロータ斜板24と連結される。
【0011】
好ましくは、第1の摺動ブロック44は、第1の回転防止ロッド25の貫通孔に貫入するが、この貫通孔を貫通しないか、
あるいは、第1の摺動ブロック44は、第1の回転防止ロッド25の貫通孔に貫入し、さらにこの貫通孔を貫通する。
【0012】
好ましくは、第2の摺動ブロック30は、第2の回転防止ロッド29の貫通孔に貫入するが、この貫通孔を貫通しないか、
あるいは、第2の摺動ブロック30は、第2の回転防止ロッド29の貫通孔に貫入し、さらにこの貫通孔を貫通する。
【0013】
本解決策では、少なくとも3つの第1のアクチュエータ8は、回転式の下ロータ斜板24、下側傾斜アームプルロッド35および下ロータのブレードクランプ傾斜アーム13がいずれも動作状態になり、そうすることで、第1のブレードクランプ体を下側ロータハブ14に対して捻回させるように、互いに(延長、短縮または静止する第1のネジ棒スリーブロッド65と)協働することによって、特定の方向に向かって非回転式の下ロータ斜板11を傾斜させることができ、少なくとも3つの第2のアクチュエータ58は、回転式の上ロータ斜板4、上ロータ操舵ロッドL字アーム47、下側の上ロータ操舵ロッド45、プルロッド56、上側の上ロータ操舵ロッド40、上側傾斜アームプルロッド41、上ロータのブレードクランプ傾斜アーム42がいずれも動作状態になり、そうすることで、第2のブレードクランプ体を上側ロータハブ16に対して捻回させるように、互いに(延長、短縮または静止する第2のネジ棒スリーブロッド28と)協働することによって、特定の方向に向かって非回転式の上ロータ斜板3を押しやることができる。このように、本解決策では、ロータ駆動システムの構造は単純化され、したがって、工程の生産効率が低く試験およびメンテナンスが不便であるという課題を解決する。
【0014】
本発明の実施形態または従来技術の技術的解決策をより明確に説明するために、本発明の実施形態または従来技術のために用いる図面を以下に簡潔に説明する。以下に示される図面は本発明の一部の実施形態にのみ関するものであり、当業者なら創造的な努力なしでこれらの図面に基づいてさらなる図面を得ることもできることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態によって提供されるロータ駆動システムの正面図である。
図2】本発明の実施形態によって提供されるロータ駆動システムの上面図である。
図3】本発明の実施形態によって提供されるロータ駆動システムの左面図である。
図4】本発明の実施形態によって提供されるロータ駆動システムの背面図である。
図5】本発明の実施形態によって提供されるロータ駆動システムの底面図である。
図6】本発明の実施形態によって提供されるロータ駆動システムの右面図である。
図7】本発明の実施形態によって提供されるロータ駆動システムの正面全断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の目的、技術的解決策および利点をより明確にし理解をより簡単にするように、図面および実施形態を参照しながら本発明をさらに詳細に説明する。明らかに、説明する実施形態は、本発明の実施形態の単なる一部分であり、本発明の全ての実施形態ではない。本発明の実施形態に基づいて創造的な努力なしで当業者によって得られる他の実施形態は全て、本発明の保護範囲内にある。
【0017】
ロータ駆動システムの構造を単純化し、したがって、工程の生産効率が低く試験およびメンテナンスが不便であるという課題を解決するために、本発明の実施形態は、ロータ駆動システムを提供する。
【0018】
本発明の実施形態によって提供されるロータ駆動システムを図1図7を参照しながら以下で説明する。ここで、図1は、本発明の実施形態によって提供されるロータ駆動システムの正面図であり、図2は、本発明の実施形態によって提供されるロータ駆動システムの上面図であり、図3は、本発明の実施形態によって提供されるロータ駆動システムの左面図であり、図4は、本発明の実施形態によって提供されるロータ駆動システムの背面図であり、図5は、本発明の実施形態によって提供されるロータ駆動システムの底面図であり、図6は、本発明の実施形態によって提供されるロータ駆動システムの右面図であり、図7は、本発明の実施形態によって提供されるロータ駆動システムの正面全断面図であり、その断面は、内側シャフトの中央線を通り紙面に垂直な平面であり、投影は左方向である。
【0019】
本発明の実施形態によって提供されるロータ駆動システムは、同軸双ロータ自律ヘリコプタに利用できることに留意されたい。ここで、図1図7に示すように、同軸双ロータ自律ヘリコプタは、
外側シャフト19と、
外側シャフト19の一端の外側で固定される下側ロータハブ14と、
下側ロータハブ14と連結された、少なくとも2つの第1のブレードクランプ体であって、第1のブレードクランプ体の各々は、下側ロータハブ14に対して捻回(twist)でき、第1のブレードクランプ20および第2のブレードクランプ22を備え、第1のブレードクランプ20と第2のブレードクランプ22とは協働して下側ロータブレードを締め付ける、第1のブレードクランプ体と、
内側シャフト15と、
内側シャフト15の一端の外側で固定される上側ロータハブ16と、
上側ロータハブ16と連結された、少なくとも2つの第2のブレードクランプ体であって、第2のブレードクランプ体の各々は、上側ロータハブ16に対して捻回でき、第3のブレードクランプ17および第4のブレードクランプ18を備え、第3のブレードクランプ17と第4のブレードクランプ18とは協働して上側ロータブレードを締め付ける、第2のブレードクランプ体と、
歯車列が収容され、上側カバー26、箱本体27および下側カバー1を備えることができる、箱であって、歯車列は外側シャフト19および内側シャフト15と連結される、箱と、
歯車列と連結された同期ベルトホイール7であって、同期ベルトホイールの回転が、外側シャフト19および内側シャフト15を回転させるように歯車列を回転させ、外側シャフト19は内側シャフト15に対して逆回転し、下側ロータハブ14は外側シャフト19に対して静止し、上側ロータハブ16は内側シャフト15に対して静止する、同期ベルトホイール7と
を備えることができる。
【0020】
ここで、第1のブレードクランプ体の各々は、下側ロータハブ14に対して捻回することができ、第2のブレードクランプ体の各々は、第2のブレードクランプ体が上側ロータハブ16に対して捻回するのを可能にする、第2のブレードクランプ体内に設けられたブレードクランプシャフト、例えば、ブレードクランプシャフト55の作用の下で、上側ロータハブ16に対して捻回することができる。
【0021】
さらに、具体的には、同軸双ロータ自律ヘリコプタの動力装置としてのエンジンの作用下で、他の要素による影響を受けずに、同期ベルトホイール7が滑らかに回転できるように、箱本体27の延長端部6が同期ベルトホイール7と連結される。さらに、箱に収容された歯車列は、円錐歯車軸52、上側円錐歯車54および下側円錐歯車50を備えることができ、同期ベルトホイール7は円錐歯車軸52と連結され、円錐歯車軸52の各々は上側円錐歯車54および下側円錐歯車50に連結され、上側円錐歯車54は外側シャフト19と係合し、下側円錐歯車50は内側シャフト15と連結される。さらに、歯車軸端部カバー53を設けることができ、歯車軸端部カバー53は、箱本体27の延長端部6上に配設され、円錐歯車軸52の軸方向の配置のために働く。
【0022】
図1図7の組み合わせでは、本発明の実施形態によって提供される、同軸双ロータ自律ヘリコプタに利用できるロータ駆動システムは、上ロータ駆動システムおよび下ロータ駆動システムを備えることができ、
下ロータ駆動システムは、
下ロータの少なくとも2つのブレードクランプ傾斜アーム13であって、ブレードクランプ傾斜アーム13の各々の一端が、対応する第1のブレードクランプ体の予め設定された取付け面上に固定され、下ロータのブレードクランプ傾斜アーム13の各々は、1つの第1のブレードクランプ体に一意に対応する、ブレードクランプ傾斜アーム13と、
少なくとも2つの下側傾斜アームプルロッド35であって、下側傾斜アームプルロッド35の各々の一端が、下ロータの対応するブレードクランプ傾斜アーム13の他端と連結され、下側傾斜アームプルロッドの各々は、下ロータの1つのブレードクランプ傾斜アーム13に一意に対応する、下側傾斜アームプルロッド35と、
外側シャフト19を囲繞し、上側カバー26上に一端が固定され、支持タワー10が外側シャフト19の回転に干渉しないように支持タワー10の内壁は外側シャフト19の外壁からある一定の距離だけ離間される、支持タワー10と、
非回転式の下ロータ斜板11を囲繞し、下側傾斜アームプルロッド35の各々の他端と連結され、支持タワー10に対して回転できる、回転式の下ロータ斜板24と、
少なくとも2つの下ロータ操舵アセンブリであって、下側ロータハブ14が外側シャフト19と共に回転するときに回転式の下ロータ斜板24を回転させるように、下ロータ操舵アセンブリの各々の一端は下側ロータハブ14と連結され、他端は回転式の下ロータ斜板24と連結される、下ロータ操舵アセンブリと、
下ロータ継手軸受57を介して支持タワー10を囲繞し、下ロータ継手軸受57を介して回転式の下ロータ斜板24と連結される、非回転式の下ロータ斜板11であって、回転式の下ロータ斜板24と非回転式の下ロータ斜板11とは互いに独立に回転でき、非回転式の下ロータ斜板11は支持タワー10に対して回転できる、非回転式の下ロータ斜板11と、
下側カバー1と固定して連結されるアクチュエータ取付けベース2と、
アクチュエータ取付けベース2上に取り付けられる少なくとも3つの第1のアクチュエータ8であって、第1のアクチュエータ8の各々は、ハウジング、およびハウジングに一端が配置された第1のネジ棒スリーブロッド65を備えることができ、第1のネジ棒スリーブロッド65は上下に入子式に伸縮でき、各第1のネジ棒スリーブロッド65のうちハウジングの外に突出する方の端部は、第1のネジ棒スリーブロッド65が上下に入子式に伸縮されるときに特定の方向に向かって非回転式の下ロータ斜板11を傾斜させ、したがって特定の方向に向かって回転式の下ロータ斜板24を傾斜させるように、非回転式の下ロータ斜板11と連結され、非回転式の下ロータ斜板11は、少なくとも3つの第1のネジ棒スリーブロッド65の延長長さが異なるときに特定の方向に向かって傾斜できる、第1のアクチュエータ8と、
少なくとも3つの第1のモータ9であって、第1のモータ9の各々は、対応する第1のアクチュエータ8と連結され、対応する第1のアクチュエータ8の第1のネジ棒スリーブロッド65を上下に入子式に伸縮させるように制御する、第1のモータ9と、
第1の回転防止ロッド25であって、第1の回転防止ロッド25の一端が、上側カバー26上の支持タワー10の位置以外の位置に固定され、他端が貫通孔を備える、第1の回転防止ロッド25と、
非回転式の下ロータ斜板11が特定の方向に向かって傾斜でき回転式の下ロータ斜板24と共に回転可能にならないことを保証するように、非回転式の下ロータ斜板11上に配設され第1の回転防止ロッド25の貫通孔に貫入する、第1の摺動ブロック44と、
を備えることができ、
上ロータ駆動システムは、
上ロータの少なくとも2つのブレードクランプ傾斜アーム42であって、ブレードクランプ傾斜アーム42の各々の一端が、対応する第2のブレードクランプ体の予め設定された取付け面上に固定され、上ロータのブレードクランプ傾斜アーム42の各々は、1つの第2のブレードクランプ体に一意に対応する、ブレードクランプ傾斜アーム42と、
少なくとも2つの上側傾斜アームプルロッド41であって、上側傾斜アームプルロッド41の各々の一端が、上ロータの対応するブレードクランプ傾斜アーム42の他端と連結され、上側傾斜アームプルロッド41の各々は、上ロータの1つのブレードクランプ傾斜アーム42に一意に対応する、上側傾斜アームプルロッド41と、
少なくとも2つの上側の上ロータ操舵ロッド40であって、上側の上ロータ操舵ロッド40の各々の一端が、対応する上側傾斜アームプルロッド41と連結され、上側の上ロータ操舵ロッド40の各々は、1つの上側傾斜アームプルロッド41に一意に対応する、上側の上ロータ操舵ロッド40と、
上側の上ロータ操舵ロッド40の他端と連結される、上側プルロッドプラグ39と、
内側シャフト15内に配置される少なくとも2つのプルロッド56であって、プルロッド56の各々の一端が、上側プルロッドプラグ39によって対応する上側の上ロータ操舵ロッド40と連結され、プルロッドの各々は1つの上側の上ロータ操舵ロッド40に一意に対応する、プルロッド56と、
下側プルロッドプラグ64と、
少なくとも2つの下側の上ロータ操舵ロッド45であって、下側の上ロータ操舵ロッド45の各々の一端が、下側プルロッドプラグ64と連結され、下側プルロッドプラグ64を介して対応するプルロッド56の他端と連結され、下側の上ロータ操舵ロッド45の各々は1つのプルロッド56に一意に対応する、下側の上ロータ操舵ロッド45と、
少なくとも2つの上ロータ操舵ロッドL字アーム47であって、上ロータ操舵ロッドL字アーム47の各々の一端が、対応する下側の上ロータ操舵ロッド45の他端と連結され、上側の上ロータ操舵ロッドL字アーム47の各々は1つの下側の上ロータ操舵ロッド45に一意に対応する、上ロータ操舵ロッドL字アーム47と、
上ロータ斜板の摺動ロッド46と、
上側ロータハブ16が内側シャフト15と共に回転するときに、上ロータ操舵ロッドL字アーム47および下側の上ロータ操舵ロッド45の作用の下で、回転式の上ロータ斜板4が回転するように、上ロータ継手軸受59によって上ロータ斜板の摺動ロッド46を囲繞し、上ロータ操舵ロッドL字アーム47の他端と連結され、上ロータ斜板の摺動ロッド46に対して回転できる、回転式の上ロータ斜板4と、
回転式の上ロータ斜板4を囲繞する非回転式の上ロータ斜板3であって、回転式の上ロータ斜板4と非回転式の上ロータ斜板3とは互いに独立に回転でき、非回転式の上ロータ斜板3は上ロータ斜板の摺動ロッド46に対して回転できる、非回転式の上ロータ斜板3と、
上側カバー26上に取り付けられる少なくとも3つの第2のアクチュエータ58であって、第2のアクチュエータ58の各々は、ハウジング、およびこのハウジングに一端が配置された第2のネジ棒スリーブロッド28を備えることができ、第2のネジ棒スリーブロッド28は上下に入子式に伸縮でき、各第2のネジ棒スリーブロッド28のうちハウジングの外に突出する方の端部は、第2のネジ棒スリーブロッド28が上下に入子式に伸縮され、したがって、特定の方向に向かって回転式の上ロータ斜板4を傾斜させるときに、特定の方向に向かって非回転式の上ロータ斜板3を傾斜させるように、非回転式の上ロータ斜板3と連結され、少なくとも3つの第2のネジ棒スリーブロッド28の長さが異なるときに特定の方向に向かって傾斜できる、第2のアクチュエータ58と、
少なくとも3つの第2のモータ49であって、第2のモータ49の各々は、対応する第2のアクチュエータ58の第2のネジ棒スリーブロッド28と連結され、対応する第2のアクチュエータ58の第2のネジ棒スリーブロッド28を上下に入子式に伸縮させるように制御する、第2のモータ49と、
第2の回転防止ロッド29であって、一端がアクチュエータ取付けベース2に固定され、他端が貫通孔を備える、第2の回転防止ロッド29と、
非回転式の上ロータ斜板3が特定の方向に向かって傾斜でき回転式の上ロータ斜板4と共に回転可能にならないように、非回転式の上ロータ斜板3上に配設され第2の回転防止ロッド29の貫通孔に貫入する、第2の摺動ブロック30と、
を備えることができる。
【0023】
下ロータ操舵アセンブリは2つの要素によって構成でき、例えば、下ロータ操舵アセンブリは、図3および図6に示すように回転防止プレート21および下ロータ操舵ロッドL字アーム23によって構成でき、回転防止プレート21の一端が、下ロータ操舵ロッドL字アーム23の一端と連結され、回転防止プレート21の他端が下側ロータハブ14と連結され、下ロータ操舵ロッドL字アーム23の他端が回転式の下ロータ斜板24と連結されることに留意されたい。もちろん、下ロータ操舵アセンブリは1つの要素によって構成することもでき、この要素の一端が下側ロータハブ14と連結され、他端が回転式の下ロータ斜板24と連結されるか、あるいは、下ロータ操舵アセンブリが少なくとも3つの要素によって構成でき、それらの要素によって下側ロータハブ14と回転式の下ロータ斜板24とを互いに連結することも可能であることを当業者なら理解することができる。
【0024】
ここで、第1の回転防止ロッド25の貫通孔の長さに関しては、非回転式の下ロータ斜板11が特定の方向に向かって確実に滑らかに傾斜できることが必要であり、第2の回転防止ロッド29の貫通孔の長さに関しては、非回転式の上ロータ斜板3が特定の方向に向かって確実に滑らかに傾斜できることが必要である。
【0025】
ここで、第1の摺動ブロック44および第2の摺動ブロック30の長さは、実際の条件に応じて設定することができる。例えば、第1の摺動ブロック44は、第1の回転防止ロッド25の貫通孔に貫入できるが、貫通孔を貫通しないか、あるいは、第1の摺動ブロック44は、第1の回転防止ロッド25の貫通孔に貫入し、さらに貫通できることも可能であり、第2の摺動ブロック30は、第2の回転防止ロッド29の貫通孔に貫入できるが、貫通孔を貫通しないか、あるいは、第2の摺動ブロック30は、第2の回転防止ロッド29の貫通孔に貫入し、さらに貫通できることも可能である。
【0026】
また、本発明の実施形態で説明した要素間の連結は、限定されるものではないが、実際の用途の要件に応じて軸受による連結またはネジ山による連結を利用することができる。例えば、非回転式の下ロータ斜板11と回転式の下ロータ斜板24との間の連結および非回転式の上ロータ斜板3と回転式の上ロータ斜板4との間の連結はいずれも軸受による連結を利用でき、下ロータ操舵アセンブリは、回転式の下ロータ斜板24に連結されたL字アームロッドエンドの軸受座12と連結でき、したがって、回転式の下ロータ斜板24との連結を可能にし、下側の上ロータ操舵ロッド45は、下側プルロッド継手軸受32によって下側プルロッドプラグ64と連結でき、上側傾斜アームプルロッド41は、上ロータのブレードクランプ傾斜アーム42に連結された傾斜アーム上側ロッドエンドの軸受座36に連結でき、したがって、上ロータのブレードクランプ傾斜アーム42との連結を可能にし、上側プルロッドプラグ39は、上側の上ロータ操舵ロッド40に連結されたプルロッド上側接続部の軸受座38に連結でき、したがって、上側の上ロータ操舵ロッド40との連結を可能にし、第1のネジ棒外側スリーブロッド65は、ロッドエンド軸受座33によって非回転式の下ロータ斜板11と連結でき、下側傾斜アームプルロッド35は、傾斜アーム下側ロッドエンドの軸受座34によって回転式の下ロータ斜板24と連結でき、同様に、下側継手軸受48、下ロータ継手軸受57、上ロータ継手軸受59および軸受51は、対応する要素間の連結部品として働くこともできる。
【0027】
本発明の実施形態によって提供されるロータ駆動システムは、第1の連結点60、第2の連結点61、第3の連結点62および第4の連結点63によって同軸双ロータ自律ヘリコプタのフレームと連結できることに留意されたい。もちろん、本発明はこれに限定されない。
【0028】
本解決策では、少なくとも3つの第1のアクチュエータ8は、回転式の下ロータ斜板24、下側傾斜アームプルロッド35および下ロータのブレードクランプ傾斜アーム13がいずれも動作状態になり、そうすることで、第1のブレードクランプ体を下側ロータハブ14に対して捻回させるように、互いに(延長、短縮または静止する第1のネジ棒スリーブロッド65と)協働することによって、特定の方向に向かって非回転式の下ロータ斜板11を傾斜させることができ、少なくとも3つの第2のアクチュエータ58により、回転式の上ロータ斜板4、上ロータ操舵ロッドL字アーム47、下側の上ロータ操舵ロッド45、プルロッド56、上側の上ロータ操舵ロッド40、上側傾斜アームプルロッド41、上ロータのブレードクランプ傾斜アーム42がいずれも動作状態になり、そうすることで、第2のブレードクランプ体を上側ロータハブ16に対して捻回させるように、互いに(延長、短縮または静止する第2のネジ棒スリーブロッド28と)協働することによって、非回転式の上ロータ斜板3が特定の方向に向かって傾斜することができる。このように、本解決策では、ロータ駆動システムの構造は単純化され、単純化されることで工程の生産効率が低く試験およびメンテナンスが不便であるという課題を解決することができる。
【0029】
さらに、安定した構造を実現するために、上ロータ駆動システムは、
上側の上ロータ操舵ロッド40の各々をそれらの回転に影響を及ぼすことなく支持するように上側の上ロータ操舵ロッド40の各々と連結される、上側の内側シャフトヘッドフレーム37であって、上側の内側シャフトヘッドフレーム37の一端が、内側シャフト15のうち上側ロータハブ16が取り付けられる方の端部に固定される、上側の内側シャフトヘッドフレーム37と、
下側の上ロータ操舵ロッド45の各々をそれらの回転に影響を及ぼすことなく支持するように下側の上ロータ操舵ロッド45の各々と連結される、下側の内側シャフトヘッドフレーム31であって、下側の内側シャフトヘッドフレーム31の一端が内側シャフト15上に固定され、他端が、下ロータ傾斜プレートの摺動ロッド46のうち回転式の上ロータ斜板4が取り付けられる方の端部と連結される、下側の内側シャフトヘッドフレーム31と、
を含むことができる。
【0030】
上側の内側シャフトヘッドフレーム37を追加し、したがって構造上の安定性を改善することによって、上側の上ロータ操舵ロッド40および上側傾斜アームプルロッド41が内側シャフト15と共に回転するときに生じる振動を避けることができ、下側の内側シャフトヘッドフレーム31を追加し、したがって構造上の安定性を改善することによって、下側の上ロータ操舵ロッド45が内側シャフト15と共に回転する時に生じる振動を避けることができると理解することができる。
【0031】
さらに、下ロータ駆動システムはさらに、
少なくとも3つの第1のギアボックス本体5であって、第1のギアボックス本体5の各々は、対応する第1のモータ9と連結され、対応する第1のモータ9によって出力される回転速度が第1のギアボックス本体5の各々によって調節される、第1のギアボックス本体5を備えることができる。
【0032】
同様に、上ロータ駆動システムはさらに、
少なくとも3つの第2のギアボックス本体43であって、第2のギアボックス本体43の各々は、対応する第2のモータ49と連結され、対応する第2のモータ49によって出力される回転速度が第2のギアボックス本体43の各々によって調節される、第2のギアボックス本体43を備えることもできる。第1のギアボックス本体5および第2のギアボックス本体43は、限定されるものではないが、歯車タイプのギアボックス本体またはチェーンタイプのギアボックス本体でよいことを当業者なら理解することができる。
【0033】
第1のモータ9に第1のギアボックス本体5を設けることによって第1のモータ9の選択度が改善され、第2のモータ49に第2のギアボックス本体43を設けることによって第2のモータ49の選択度が改善されることを理解することができる。
【0034】
さらに、下ロータのブレードクランプ傾斜アーム13のうち第1のブレードクランプ体上に固定される方の一端の幅は、下ロータのブレードクランプ傾斜アーム13の他端の幅よりも大きくすることができ、上ロータのブレードクランプ傾斜アーム42のうち第2のブレードクランプ体上に固定される方の一端の幅は、上ロータのブレードクランプ傾斜アーム42の他端の幅よりも大きくすることができ、幅の差は、下ロータのブレードクランプ傾斜アーム13および上ロータのブレードクランプ傾斜アーム42の体積を減らすように、同じ強度を実現するように下ロータのブレードクランプ傾斜アーム13および上ロータのブレードクランプ傾斜アーム42を作製することが意図される。
【0035】
さらに、上記で説明したロータ駆動システムに対応するロータを駆動する方法が、
ステップa:飛行制御コマンドが受信されること、
を含むことができる。
ステップaでは、ロータシステムを駆動する必要があるときに、操作インターフェースを介して操作者によって飛行制御コマンドを送信することができ、同軸自律ヘリコプタのフレーム上の飛行制御装置が、その飛行制御コマンドを受信し、受信した飛行制御コマンドに従って後続の工程を実行する。
【0036】
飛行制御コマンドは、離陸コマンド、ホバーコマンド、前進コマンド、後退コマンド、左操舵コマンドまたは右操舵コマンドとすることができると当業者なら理解できる。飛行制御コマンドは遠隔制御器によって送信できるか、あるいは、飛行制御コマンドは地上制御ステーションによって送信できることが可能である。
【0037】
ステップb:下ロータ駆動システムの少なくとも3つの第1のアクチュエータ8に対応する第1のモータ9の現在の回転状態と、上ロータ駆動システムの少なくとも3つの第2のアクチュエータ58に対応する第2のモータ49の現在の回転状態が取得される。
【0038】
飛行制御コマンドを受信した後に、飛行制御装置は、下ロータ駆動システムの少なくとも3つの第1のアクチュエータ8に対応する第1のモータ9の現在の回転状態と、上ロータ駆動システムの少なくとも3つの第2のアクチュエータ58に対応する第2のモータ49の現在の回転状態を取得でき、したがって、後続の工程を実行することができる。さらに、第1のアクチュエータ8の各々は、1つの第1のモータ9に一意に対応し、第2のアクチュエータ58の各々は、1つの第2のモータ49に一意に対応し、第1のモータ9の各々は、1つの現在の回転状態に一意に対応し、第2のモータ49の各々は、1つの現在の回転状態に一意に対応する。
【0039】
モータの回転状態はモータが回転する角度とすることができると当業者なら理解することができる。
【0040】
ステップc:第1のモータ9の必要な第1の回転状態は、飛行制御コマンドおよび第1のモータ9の現在の回転状態に応じて判定され、
第1のモータ9の必要な第1の回転状態は、飛行制御コマンドおよび第1のモータ9の現在の回転状態を取得した後で判定することができ、その後第1のモータ9は第1の回転状態に応じて制御される。ここで、第1のモータ9の各々は、1つの第1の回転状態に一意に対応する。様々な第1のモータ9の必要な第1の回転状態は同じであることも異なることもある。
【0041】
ステップd:第2のモータ49の必要な第2の回転状態は、飛行制御コマンドおよび第2のモータ49の現在の回転状態に応じて判定され、
第2のモータ49の必要な第2の回転状態は、飛行制御コマンドおよび第2のモータ49の現在の回転状態を取得した後で判定することができ、その後第2のモータ49は第2の回転状態に応じて制御される。ここで、第2のモータ49の各々は、1つの第2の回転状態に一意に対応する。様々な第2のモータ49の必要な第2の回転状態は同じであることも異なることもある。
【0042】
ステップe:第1のモータ9は、第1のアクチュエータ8の各々の第1のネジ棒外側スリーブロッド65が、対応する第1のモータ9の回転を用いて延長するか、短縮するか、または静止したままになるように、対応する第1の回転状態で回転するように制御され、
第1のアクチュエータ8の各々の第1のネジ棒外側スリーブロッド65は、対応する第1のモータ9の回転を用いて延長するか、短縮するか、または静止したままになり、そうすることで、特定の方向に向かって下ロータ駆動システムの非回転式の下ロータ斜板11を傾斜させ、したがって、回転式の下ロータ斜板24、少なくとも2つの下側傾斜アームプルロッド35および少なくとも2つの下ロータのブレードクランプ傾斜アーム13を動かすことができ、したがって、第1のブレードクランプ体が下側ロータハブ14に対して捻回されることが可能になる。
【0043】
第1のモータ9の第1の回転状態とその現在の回転状態とが同じになるときは、第1のモータ8の第1のネジ棒外側スリーブロッド65は、対応する第1のモータ9の回転を用いて静止したままになり(すなわち、延長も短縮もせず)、第1のモータ9の第1の回転状態とその現在の回転状態とが異なるときは、第1のモータ8の第1のネジ棒外側スリーブロッド65は、対応する第1のモータ9の回転を用いて延長するかまたは短縮することに留意されたい。
【0044】
ステップf:第2のモータ49は、第2のアクチュエータ58の各々の第2のネジ棒外側スリーブロッド28は、対応する第2のモータ49の回転を用いて延長するか、短縮するか、または静止したままになるように、対応する第2の回転状態で回転するように制御される。
【0045】
ここで、第2のアクチュエータ58の各々の第2のネジ棒外側スリーブロッド28は、対応する第2のモータ49の回転を用いて延長するか、短縮するか、または静止したままになり、そうすることで、特定の方向に向かって上ロータ駆動システムの非回転式の上ロータ斜板3を傾斜させ、したがって、回転式の上ロータ斜板4、少なくとも2つの上ロータ操舵ロッドL字アーム47、少なくとも2つの下側の上ロータ操舵ロッド45、内側シャフト15内の少なくとも2つのプルロッド56、少なくとも2つの上側の上ロータ操舵ロッド40、少なくとも2つの上側傾斜アームプルロッド41および少なくとも2つの上ロータのブレードクランプ傾斜アーム42を動かすことができ、したがって、第2のブレードクランプ体が上側ロータハブ16に対して捻回されることが可能になる。
【0046】
第2のモータ58の第2の回転状態とその現在の回転状態とが同じになるときは、第2のモータ58の第2のネジ棒外側スリーブロッド28は、対応する第2のアクチュエータ58の回転を用いて静止したままになり(すなわち、延長も短縮もせず)、第2のモータ58の第2の回転状態とその現在の回転状態とが異なるときは、第2のモータ58の第2のネジ棒外側スリーブロッド28は、対応する第2のアクチュエータ58の回転を用いて延長または短縮することに留意されたい。
【0047】
ここで、下側ロータハブ14が外側シャフト19と共に回転すると、下ロータ駆動システムの少なくとも2つの下ロータ操舵アセンブリの作用の下で、回転式の下ロータ斜板24が回転し、上側ロータハブ16が内側シャフト15と共に回転すると、上ロータ操舵ロッドL字アーム47および下側の上ロータ操舵ロッド45の作用の下で、回転式の上ロータ斜板4が回転する。
【0048】
非回転式の下ロータ斜板11は、下ロータ駆動システムの第1の回転防止ロッド25および第1の摺動ブロック44の作用の下で、回転式の下ロータ斜板24と共に回転可能ではなく、非回転式の上ロータ斜板3は、上ロータ駆動システムの第2の回転防止ロッド29および第2の摺動ブロック30の作用の下で、回転式の上ロータ斜板4と共に回転可能ではない。
【0049】
具体的には、飛行制御コマンドおよび第1のモータ9の現在の回転状態に応じて第1のモータ9の必要な第1の回転状態を判定するステップは、
(1)第1のブレードクランプ体の各々が下側ロータハブ14に対して回転する現在の捻回角度が、第1のモータ9の現在の回転状態に応じて判定されること、を含むことができ、
第1のブレードクランプ体の各々は、1つの現在の捻回角度に一意に対応する。
【0050】
第1のモータ9の現在の回転状態を判定した後に、第1のブレードクランプ体の各々が下側ロータハブ14に対して回転する捻回角度と、第1のモータ9の回転状態との間に予め構築した対応関係に応じて、第1のブレードクランプ体の各々が下側ロータハブ14に対して回転する現在の捻回角度を判定することが可能であると当業者なら理解することができる。ここで、第1のブレードクランプ体の各々が下側ロータハブ14に対して回転する捻回角度と、第1のモータ9の回転状態との間の対応関係は、計算によって取得することができる。
【0051】
ここで、様々な第1のブレードクランプ体が下側ロータハブ14に対して回転する現在の捻回角度は、同じであることも異なることもある。
【0052】
(2)第1のブレードクランプ体の各々が下側ロータハブ14に対して回転する必要な第1の捻回角度は、飛行制御コマンドおよび第1のブレードクランプ体の各々が下側ロータハブ14に対して回転する現在の捻回角度に応じて判定され、
第1のブレードクランプ体の各々は、第1の現在の捻回角度に一意に対応する。
【0053】
取得済みの飛行制御コマンドと、第1のブレードクランプ体の各々が下側ロータハブ14に対して回転する取得済みの現在の捻回角度との組み合わせによって、第1のブレードクランプ体の各々が下側ロータハブ14に対して回転する必要な第1の捻回角度を取得し、次いで、後続の工程を実行することが可能である。
【0054】
ここで、様々な第1のブレードクランプ体が下側ロータハブ14に対して回転する第1の捻回角度は、同じであることも異なることもある。
【0055】
(3)第1のモータ9の各々の必要な第1の回転状態は、第1のブレードクランプ体の各々が下側ロータハブ14に対して回転する必要な第1の捻回角度に応じて判定される。
【0056】
第1のモータ9の各々の必要な第1の回転状態は、第1のブレードクランプ体の各々が下側ロータハブ14に対して回転する必要な第1の捻回角度を判定した後に、第1のブレードクランプ体の各々が下側ロータハブ14に対して回転する捻回角度と、第1のモータ9の回転状態との間の予め構築した対応関係に応じて判定することができる。ここで、様々な第1のモータ9の必要な第1の回転状態は、同じであることも異なることもある。
【0057】
同様に、飛行制御コマンドおよび第2のモータ10の現在の回転状態に応じて第2のモータ49の必要な第2の回転状態を判定するステップは、
(1)第2のブレードクランプ体の各々が上側ロータハブ16に対して回転する現在の捻回角度が、第2のモータ49の現在の回転状態に応じて判定されること、を含むことができ、
第2のブレードクランプ体の各々は1つの現在の捻回角度に一意に対応する。
【0058】
第2のモータ49の現在の回転状態を判定した後に、第2のブレードクランプ体の各々が上側ロータハブ16に対して回転する捻回角度と、第2のモータ49の回転状態との間の予め構築した対応関係に応じて、第2のブレードクランプ体の各々が上側ロータハブ16に対して回転する現在の捻回角度を判定することが可能であると当業者なら理解することができる。ここで、第2のブレードクランプ体の各々が上側ロータハブ16に対して回転する捻回角度と、第2のモータ49の回転状態との間の対応関係は、計算によって取得することができる。
【0059】
ここで、様々な第2のブレードクランプ体が下側ロータハブ16に対して回転する現在の捻回角度は、同じであることも異なることもある。
【0060】
(2)第2のブレードクランプ体の各々が上側ロータハブ16に対して回転する必要な第2の捻回角度は、飛行制御コマンドおよび第2のブレードクランプ体の各々が上側ロータブレード16に対して回転する必要な現在の捻回角度に応じて判定され、
第2のブレードクランプ体の各々は第2の捻回角度に一意に対応する。
【0061】
取得済みの飛行制御コマンドと、第2のブレードクランプ体の各々が上側ロータブレード16に対して回転する取得済みの現在の捻回角度との組み合わせによって、第2のブレードクランプ体の各々が上側ロータハブ16に対して回転する必要な第2の捻回角度を取得し、次いで、後続の工程を実行することが可能である。
【0062】
ここで、様々な第2のブレードクランプ体が下側ロータハブ16に対して回転する第2の捻回角度は、同じであることも異なることもある。
【0063】
(3)第2のモータ49の各々の必要な第2の回転状態は、第2のブレードクランプ体の各々が上側ロータハブ16に対して回転する必要な第2の捻回角度に応じて判定される。
【0064】
第2のモータ49の各々の必要な第2の回転状態は、第2のブレードクランプ体の各々が上側ロータハブ16に対して回転する必要な第2の捻回角度の後に、第2のブレードクランプ体の各々が上側ロータハブ16に対して回転する捻回角度と、第2のモータ49の回転状態との間の予め確立された対応関係に応じて判定することができる。ここで、様々な第2のモータ49の第2の回転状態は、同じであることも異なることもある。
【0065】
本発明の実施形態によって提供されるロータ駆動方法により、ネジ棒スリーブロッドとブレードクランプ体との間の様々な要素が、部レートクランプ体をハブに対して捻回させるように相互作用できるように、ロータと連結されたアクチュエータのネジ棒スリーブロッドの入子能力を制御でき、したがって、ロータ駆動工程の複雑さを低減し、現行のロータ駆動システムのロータ駆動方法に存在する複雑な駆動工程の欠点を解決することを理解することができる。
【0066】
上記の説明は単なる好ましい本発明の実施形態であり、本発明を限定するものではなく、本発明の精神および原理の範囲内で行われるどんな修正、等価な置換および改良なども本発明の保護範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7