【課題を解決するための手段】
【0006】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
請求項1に記載の本発明に係る河川敷用防水マット39は、下面側が凹凸面となる遮水性を備えた合成樹脂シートよりなる止水シート13と、
前記止水シート13よりも重ね代の分だけ小さく形成されて前記止水シート13の上面に積層される通水により繊維が膨張する高吸収性ポリマーの繊維からなる吸水不織布19と、
前記吸水不織布19に外形状が一致して形成され前記吸水不織布19の上面に積層されるクッション性を備えた合成樹脂シートよりなる不織布21と、の接合構造になり、
前記不織布21は、平布35を挟んだ上下の不織布21,21の接合により形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の本発明に係る河川敷用防水マット39は、上記請求項1に記載の河川敷用防水マットにおいて、
前記止水シート13と前記吸水不織布19とは直接固定され、前記吸水不織布19と平布35を挟んだ上下の不織布21,21とは、ニードルパンチ加工によって接合されて一体に積層されていることを特徴とする。
本発明の河川敷用防水マット11は、下面側が凹凸面13となる止水シート15と、
前記止水シート15よりも重ね代17の分だけ小さく形成されて前記止水シート15の上面に積層される吸水不織布19と、
前記吸水不織布19に外形状が一致して形成され前記吸水不織布19の上面に積層されるクッション性を備えた不織布21と、
を具備することを特徴とする。
【0007】
この河川敷用防水マット11では、吸水不織布19が、重ね代17を除く止水シート15の全面に設けられる。任意の位置でアンカーピン27が貫通すると、吸水不織布19が止水シート15にあけられたアンカーピン27の貫通孔29の周囲に不織布21を介して押圧される。通水により吸水不織布19の繊維が膨張すると、貫通孔周囲の押圧部分が高密度となり、貫通孔29が更に高い水密性で塞がれる。
上下の不織布21,21が、中間の平布35を介して固定されることで、平布35と一体の積層体となって剛性が高められる。
【0008】
本発明の河川敷用防水マット31は、下面側が凹凸面13となる止水シート15と、
前記止水シート15よりも重ね代17の分だけ小さく形成されて前記止水シート15の上面に積層されるクッション性を備える第1の不織布21と、
前記第1の不織布21に外形状が一致して形成され前記第1の不織布21の上面に積層される吸水不織布19と、
前記吸水不織布19に外形状が一致して形成され前記吸水不織布19の上面に積層されるクッション性を備えた第2の不織布21と、
を具備することを特徴とする。
【0009】
この河川敷用防水マット31では、吸水不織布19が、重ね代17を除く止水シート15の全面に設けられる。任意の位置でアンカーピン27が貫通すると、第1の不織布21が止水シート15にあけられたアンカーピン27の貫通孔29の周囲に第2の不織布21と吸水不織布19とを介して押圧される。通水により吸水不織布19の繊維が膨張すると、貫通孔周囲の押圧部分が高密度となり、貫通孔29が更に高い水密性で塞がれる。また、吸水不織布19と止水シート15との間に不織布21が介在する分、外力が吸収され易くなる。
【0010】
本発明の河川敷用防水マット33は、上記の河川敷用防水マット11であって、
前記不織布21が、ニードルパンチ加工によって平布35に一体に積層されていることを特徴とする。
【0011】
この河川敷用防水マット33では、不織布21が、剛性の高い平布35とニードルパンチ加工によって固定されることで、平布35と一体の積層体となって剛性が高められる。
【0012】
本発明の河川敷用防水マット33は、上記の河川敷用防水マット11であって、
前記吸水不織布19が、ニードルパンチ加工によって基布37に一体に積層されていることを特徴とする。
【0013】
この河川敷用防水マット33では、吸水不織布19と基布37とが重ね合わされた状態で、ニードルパンチ加工が施されることで双方の繊維が絡まり合って、接着剤等の他の接合材料を不要にして、吸水不織布19と基布37のみでの固定が可能となる。
【0014】
本発明の河川敷用防水マット11は、上記の河川敷用防水マット11であって、
前記止水シート15と、前記止水シート15に接する直近上層の前記吸水不織布19、前記不織布21、または前記基布37のいずれか一つとが、接着剤による複数の点状接着部によって接合されていることを特徴とする。
【0015】
この河川敷用防水マット11では、止水シート15の止水性が低下せずに、吸水不織布19、不織布21、または基布37が止水シート15に固定される。接着剤が点状接着部に使用されるので、使用量が少なくて済む。
【0016】
本発明の河川敷用防水マット11は、上記の河川敷用防水マットであって、
前記不織布21と前記吸水不織布19とが、ニードルパンチ加工によって一体に積層されていることを特徴とする。
【0017】
この河川敷用防水マット11では、不織布21と吸水不織布19とが重ね合わされた状態で、ニードルパンチ加工が施されることで双方の繊維が絡まり合って、接着剤等の他の接合材料を不要にして、不織布21と吸水不織布19とが一体構造となり、不織布21と吸水不織布19のみでの固定が可能となる。
【0018】
本発明の河川敷用防水マット11の敷設方法は、上記の河川敷用防水マット11を用いた河川敷用防水マット11の敷設方法であって、
前記河川敷用防水マット11と隣接する他の前記河川敷用防水マット11とが、前記河川敷用防水マット11の前記重ね代17の上に、隣接する他の前記河川敷用防水マット11が重ねられて地面23に敷かれ、
それぞれの前記河川敷用防水マット11が、異形鉄筋よりなるアンカーピン27によって貫通されて前記地面23に固定されることを特徴とする。
【0019】
この河川敷用防水マット11の敷設方法では、止水シート15の上層の少なくとも一層が吸水不織布19による吸水層となり、地面23へのマット敷設後、アンカーピン27が貫通されると、異形鉄筋よりなるアンカーピン27に繊維が絡められて、止水シート15の貫通孔29の周囲に押圧され、貫通孔29が塞がれる。通水によって吸水不織布19が膨張すると、貫通孔周囲の押圧部分が高密度となり、貫通孔29がより確実に塞がれる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る請求項1
又は2記載の河川敷用防水マットによれば、全面にわたって吸水不織布が積層配置されているので、アンカーピンの打設位置が限定されず、どの位置にでもアンカーピンを打設でき、施工性が向上する。また、吸水不織布により、打設されたアンカーピンの貫通穿孔があっても、
アンカーピンの外周に吸水不織布の繊維が絡みつくようにして吸水膨張し、その穿孔部分からの漏水が極微小、若しくは漏水することがないものとなる。
本願では、上下の不織布が、中間の平布を介して固定されることで、平布と一体の積層体となって剛性が高められ、下層の吸収性不織布の損傷が防止される。また、不織布の素材として薄手の不織布シートを用いることができ、経済性の点でも向上する。
【0021】
本発明に係る河川敷用防水マットによれば、全面にわたって吸水不織布が積層配置されているので、アンカーピンの打設位置が限定されず、どの位置にでもアンカーピンを打設できる。また、吸水不織布が一対の不織布によって挟まれる構成とすることにより、緩衝作用が高まる。
【0022】
本発明に係る河川敷用防水マットによれば、ニードルパンチ加工によって不織布を基布に固定させることにより、不織布の拡がりを抑止できる。また、強度が増し、こしのある層を形成できる。
【0023】
本発明に係る河川敷用防水マットによれば、接着工程を不要にすることが可能であり、吸水不織布と基布とを安価に固定できる。吸水不織布の拡がりを抑止できる。また、強度が増し、こしのある層を形成できる。
【0024】
本発明に係る河川敷用防水マットによれば、不織布自体の通水性を低下させることなく、止水シートの止水性を低下させずに、緩衝層や吸水層を止水シートに固定できる。
【0025】
本発明に係る河川敷用防水マットによれば、接着工程を不要にして、不織布と吸水不織布とを安価に固定でき、一体化させることが可能となる。
【0026】
本発明に係る河川敷用防水マッ
トによれば、アンカーピンの異形鉄筋に、吸水不織布の繊維が絡み、止水シートの貫通孔を塞いだ繊維が膨張して止水性が向上する。