(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の視差画像から複数の画素列を選択・配置された合成画像を表示する映像表示手段と、前記映像表示手段から所定の距離を隔てて配置され、前記映像表示手段に表示された画像に含まれる各視差画像からの画像情報を所定位置で観察できるように分離する映像分離手段とを含む映像表示装置において、
各視差画像から抽出された複数の画像列を交互に並べて配置するとともに、その配置された各視差画像の複数画像列のなす傾き角度と複数画像列幅に応じて開口部が連続して形成されており、前記開口部の形状は、連続して形成された前記開口部の幅が周期的に左右対称で変化するように凹凸を前記開口部のエッジに付加して前記開口部を通して見える画素のぼやけ量・範囲をコントロールするように形成され、前記画素は、複数のサブ画素を含み、前記凹凸の周期は、前記サブ画素の垂直方向の幅より短く、
前記サブ画素の垂直方向の幅を前記凹凸の周期で除算した値は、正の整数Nと(N+1)との中間付近の値であることを特徴とする映像表示装置。
複数の視差画像から複数の画素列を選択・配置された合成画像を表示する映像表示手段と、前記映像表示手段から所定の距離を隔てて配置され、前記映像表示手段に表示された画像に含まれる各視差画像からの画像情報を所定位置で観察できるように分離する映像分離手段とを含む映像表示装置において、
各視差画像から抽出された複数の画像列を交互に並べて配置するとともに、その配置された各視差画像の複数画像列のなす傾き角度に応じて複数画像列幅よりも少ない幅を持つ開口部が連続して形成されており、前記開口部の形状は、連続して形成された前記開口部の幅が周期的に左右対称で変化するように凹凸を前記開口部のエッジに付加して前記開口部を通して見える画素のぼやけ量・範囲をコントロールするように形成され、前記画素は、複数のサブ画素を含み、前記凹凸の周期は、前記サブ画素の垂直方向の幅より短く、
前記サブ画素の垂直方向の幅を前記凹凸の周期で除算した値は、正の整数Nと(N+1)との中間付近の値であることを特徴とする映像表示装置。
複数の視差画像から複数の画素列を選択・配置された合成画像を表示する映像表示手段と、前記映像表示手段から所定の距離を隔てて配置され、前記映像表示手段に表示された画像に含まれる各視差画像からの画像情報を所定位置で観察できるように分離する映像分離手段と、視聴者の頭部または眼の位置を検出する位置検出手段とを含む映像表示装置に
おいて、
視聴者位置に応じて各視差画像から抽出された複数の画像列を交互に並べて配置するとともに、その配置された各視差画像の複数画像列のなす傾き角度と複数画像列幅に応じて開口部が連続して形成されており、前記開口部の形状は、連続して形成された前記開口部の幅が周期的に左右対称で変化するように凹凸を前記開口部のエッジに付加して前記開口部を通して見える画素のぼやけ量・範囲をコントロールするように形成され、前記画素は、複数のサブ画素を含み、前記凹凸の周期は、前記サブ画素の垂直方向の幅より短く、
前記サブ画素の垂直方向の幅を前記凹凸の周期で除算した値は、正の整数Nと(N+1)との中間付近の値であることを特徴とする映像表示装置。
複数の視差画像から複数の画素列を選択・配置された合成画像を表示する映像表示手段と、前記映像表示手段から所定の距離を隔てて配置され、前記映像表示手段に表示された画像に含まれる各視差画像からの画像情報を所定位置で観察できるように分離する映像分離手段と、視聴者の頭部または眼の位置を検出する位置検出手段とを含む映像表示装置において、
視聴者位置に応じて各視差画像から抽出された複数の画像列を交互に並べて配置するとともに、その配置された各視差画像の複数画像列のなす傾き角度に応じて複数画像列幅よりも少ない幅を持つ開口部が連続して形成されており、前記開口部の形状は、連続して形成された前記開口部の幅が周期的に左右対称で変化するように凹凸を前記開口部のエッジに付加して前記開口部を通して見える画素のぼやけ量・範囲をコントロールするように形成され、前記画素は、複数のサブ画素を含み、前記凹凸の周期は、前記サブ画素の垂直方向の幅より短く、
前記サブ画素の垂直方向の幅を前記凹凸の周期で除算した値は、正の整数Nと(N+1)との中間付近の値であることを特徴とする映像表示装置。
複数の視差画像から複数の画素列を選択・配置された合成画像を表示する映像表示手段と、前記映像表示手段から所定の距離を隔てて配置され、前記映像表示手段に表示された画像に含まれる各視差画像からの画像情報を所定位置で観察できるように分離する映像分離手段と、視聴者の頭部または眼の位置を検出する位置検出手段とを含む映像表示装置において、
視聴者位置に応じて各視差画像から抽出された複数の画像列を交互に並べて配置するとともに、その配置された各視差画像の複数画像列のなす傾き角度と複数画像列幅に応じて、光の透過率を可変に制御できる領域の透過率を制御して開口部が連続して形成されており、前記開口部の形状は、連続して形成された前記開口部の幅が周期的に左右対称で変化するように凹凸を前記開口部のエッジに付加して前記開口部を通して見える画素のぼやけ量・範囲をコントロールするように形成され、前記画素は、複数のサブ画素を含み、前記凹凸の周期は、前記サブ画素の垂直方向の幅より短く、
前記サブ画素の垂直方向の幅を前記凹凸の周期で除算した値は、正の整数Nと(N+1)との中間付近の値であることを特徴とする映像表示装置。
複数の視差画像から複数の画素列を選択・配置された合成画像を表示する映像表示手段と、前記映像表示手段から所定の距離を隔てて配置され、前記映像表示手段に表示された画像に含まれる各視差画像からの画像情報を所定位置で観察できるように分離する映像分離手段と、視聴者の頭部または眼の位置を検出する位置検出手段とを含む映像表示装置において、
視聴者位置に応じて各視差画像から抽出された複数の画像列を交互に並べて配置するとともに、光の透過率を可変に制御できる領域の透過率を制御して、その配置された各視差画像の複数画像列のなす傾き角度に応じて複数画像列幅よりも少ない幅を持つ開口部が連続して形成されており、前記開口部の形状は、連続して形成された前記開口部の幅が周期的に左右対称で変化するように凹凸を前記開口部のエッジに付加して前記開口部を通して見える画素のぼやけ量・範囲をコントロールするように形成され、前記画素は、複数のサブ画素を含み、前記凹凸の周期は、前記サブ画素の垂直方向の幅より短く、
前記サブ画素の垂直方向の幅を前記凹凸の周期で除算した値は、正の整数Nと(N+1)との中間付近の値であることを特徴とする映像表示装置。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明における第1の発明である映像表示装置の構成を示す図である。
【
図2】従来の複数視差画像を1画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した例と、3:1の傾きを持つスラントバリア開口部を模式的に示す図である。
【
図3】本発明における第1の発明である映像表示装置における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例1と、3:2の傾きを持つスラントバリア開口部1を模式的に示す図である。
【
図4】本発明における第1の発明である映像表示装置で頭を移動させた場合にスラントバリア開口部1を通して見えてくる隣画素の様子を模式的に示す図である。
【
図5】本発明における第1の別発明である映像表示装置における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例1と、3:2の傾きを持つステップバリア開口部2を模式的に示す図である。
【
図6】本発明における第1の別発明である映像表示装置で頭を移動させた場合にステップバリア開口部2を通して見えてくる隣画素の様子を模式的に示す図である。
【
図7】本発明における第1の発明である映像表示装置における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置1と、3:2の傾きを持ち開口部エッジに凹凸を付加されたバリア開口部3を模式的に示す図である。
【
図8】本発明における第1の発明である映像表示装置のノッチ構造をもつバリアパターンを模式的に示す図である。
【
図9】本発明における第1の発明である映像表示装置のノッチ構造によるモアレ低減化の様子を模式的に示す図である。
【
図10】本発明における第2の発明である映像表示装置における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例2と、3:1の傾きを持つスラントバリア開口部4を模式的に示す図である。
【
図11】本発明における第2の発明である映像表示装置で頭を移動させた場合にスラントバリア開口部4を通して見えてくる隣画素の様子を模式的に示す図である。
【
図12】本発明における第2の発明である映像表示装置における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例2と、3:1の傾きを持ち開口部エッジに凹凸を付加されたバリア開口部5を模式的に示す図である。
【
図13】本発明における第2の発明である映像表示装置における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例2と、3:1の傾きを持つスラントバリア開口部6を模式的に示す図である。
【
図14】本発明における第2の発明である映像表示装置で頭を移動させた場合にバリア開口部6を通して見えてくる隣画素の様子を模式的に示す図である。
【
図15】本発明における第2の発明である映像表示装置における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例2と、3:1の傾きを持ち開口部エッジに凹凸を付加されたバリア開口部7を模式的に示す図である。
【
図16】本発明における第2の発明である映像表示装置における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例2と、3:1の傾きを持ち開口部エッジに左右非対称な凹凸を付加されたバリア開口部8を模式的に示す図である。
【
図17】本発明における第2の発明である映像表示装置のより汎用性の広いノッチ構造の様子を示す模式図である。
【
図18】本発明における第3の発明である映像表示装置の構成を示す図である。
【
図19】本発明における第3の発明である映像表示装置の頭部検出手段の構成を示す図である。
【
図20】本発明における第3の発明である映像表示装置の位置検出手段の処理を模式的に示す図である。
【
図21】本発明における第3の発明である立体映像表示装置の位置検出手段の処理を模式的に示す図である。
【
図22】本発明における第3の発明である立体映像表示装置の頭部検出手段のパターンマッチング部の処理を模式的に示す図である。
【
図23】本発明における第3の発明である映像表示装置における視点画素の組み合わせ変更を模式的に示す図である。
【
図24】本発明における第3の発明である映像表示装置における視点画素の組み合わせ変更を模式的に示す
図2である。
【
図25】本発明における第3の発明である映像表示装置における視点画素の組み合わせ変更を模式的に示す
図3である。
【
図26】本発明における第4の発明である映像表示装置の構成を示す図である。
【
図27】本発明における第4の発明である映像表示装置の制御情報決定手段の構成を示す図である。
【
図28】本発明における第4の発明である映像表示装置のバリア調整を模式的に示す図である。
【
図29】従来のななめステップバリア、ななめスラントバリアによるモアレパターン例である。
【
図30】従来の視差バリアによる立体映像表示装置/方法の概要図である。
【
図31】従来例2における視差バリアによる立体映像表示装置/方法の概要図である。
【
図32】従来例2における映像表示装置で、複数視差画像を3画像列ごとに画素単位に交互配置した画素配置例3と、対応した傾きを持つストライプバリア開口部9を模式的に示す図である。
【
図33】従来例2における映像表示装置で頭を移動させた場合にバリア開口部9を通して見えてくる隣画素の様子を模式的に示す図である。
【
図34】本発明の第2の発明である映像表示装置の変形例3を示す図である。
【
図35】本発明の第3の発明である映像表示装置の変形例を示す図である。
【
図36】本発明の第3の発明である映像表示装置において、1行おきに1サブ画素分ずれた矩形の開口部を備えるバリアパターン形状への適用を模式的に示す図である。
【
図37】本発明の第3の発明である映像表示装置において、レンチキュラーレンズを用いた場合への適用を模式的に示す図である。
【
図38】本発明の第3の発明である映像表示装置において、液晶ディスプレイの液晶パネルとバックライトの間に映像分離手段であるパララックスバリアを配置する方式への適用を模式的に示す図である。
【
図39】本発明の第3の発明である映像表示装置において、ストライプ形状の発光部を備える光源を用いた場合の適用を模式的に示す図である。
【
図40】本発明における第5の発明である映像表示装置における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例2と、4:1の傾きを持つスラントバリア開口部を模式的に示す図である。
【
図41】本発明における第5の発明である映像表示装置における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例2と、9:2の傾きを持つスラントバリア開口部を模式的に示す図である。
【
図42】本発明における第5の発明である映像表示装置における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例2と、15:3の傾きを持つスラントバリア開口部を模式的に示す図である。
【
図43】本発明における第5の発明である映像表示装置における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例2と、15:4の傾きを持つスラントバリア開口部を模式的に示す図である。
【
図44】本発明における第5の発明である映像表示装置における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例2と、21:5の傾きを持つスラントバリア開口部を模式的に示す図である。
【
図45】本発明における第5の発明である映像表示装置における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例2と、21:4の傾きを持つスラントバリア開口部1を模式的に示す図である。
【
図46】本発明における第5の発明である映像表示装置における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例2と、27:5の傾きを持つスラントバリア開口部を模式的に示す図である。
【
図47】本発明における第5の発明である映像表示装置における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例2と、27:6の傾きを持つスラントバリア開口部を模式的に示す図である。
【
図48】本発明における第5の発明である映像表示装置における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例2と、27:7の傾きを持つスラントバリア開口部を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の最良の形態としての第1〜第5実施形態について説明する。
【0019】
第1実施形態では、数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置するとともに、3:2の傾きを持つスラントバリア開口部をもつ装置および周期的に開口幅を左右対称で変化させるように細かいノッチ構造をバリアパターンに持たせた装置について説明する。
【0020】
第2実施形態では、複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置するとともに、3:1の傾きを持つスラントバリア開口部をもつ装置および、周期的に開口幅を左右対称で変化させるように細かいノッチ構造をバリアパターンに持たせた装置について説明する。
【0021】
第3実施形態では、第1または第2の発明に加えて、視聴者の頭部または眼の位置を検出する位置検出手段より得られた視聴者位置に応じて各視差画像から抽出された複数の画像列を交互に並べる際の配置の組み合わせを変更する装置について説明する。
【0022】
第4実施形態では、第1または第2の発明に加えて、視聴者の頭部または眼の位置を検出する位置検出手段より得られた視聴者位置に応じて各視差画像から抽出された複数の画像列を交互に並べる配置を変更するとともに、その配置された各視差画像の複数画像列のなす傾き角度と複数画像列幅に応じて、光の透過率を可変に制御できる領域の透過率を制御して開口部形状を形成する装置について説明する。
【0023】
第5実施形態では、第1実施例に加えて、数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置するとともに、15:3(垂直方向に対して11.3度の傾きを持つ)、9:2(垂直方向に対して12.52度の傾きを持つ)、21:5(垂直方向に対して13.39度の傾きを持つ)、4:1(垂直方向に対して14.04度の傾きを持つ)、27:7(垂直方向に対して14.53度の傾きを持つ)、15:4(垂直方向に対して14.93度の傾きを持つ)のいずかの傾きを持つスラントバリア開口部をもつ装置および周期的に開口幅を左右対称で変化させるように細かいノッチ構造をバリアパターンに持たせた装置について説明する。
【0024】
<第1実施形態>
図1から
図9を用いて、本発明の第1実施形態として、数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置するとともに、3:2の傾きを持つスラントバリア開口部を持つ装置について説明する。
【0025】
図1に、本発明の第1実施形態である映像表示装置の構成を示す。また、
図2は、従来例で用いられているように、複数視差画像を1画像列ごとに交互配置した画像配置と3:1の傾きを持つスラントバリア例1を示す。
図3は、数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画像配置例1と、3:2の傾きを持つスラントバリア例1を示し、
図4は、第1実施形態で頭を移動させた場合にスラントバリア開口部を通して見えてくる隣画素の様子を模式的に示す。
図2から
図4は視差数n = 4の場合を示すものであり、パネル側からバリアパターンが生成された面を見た例を示す。
図1に示されるように、表示デバイスや視差バリア等の調整を行う初期調整手段105と、2次元の視差画像を表示する映像表示手段100と、その表示回路107、そして、100からの画像の光を開口や遮蔽をして所定の位置に視差画像を提示するための視差バリアのような映像分離手段101と、その分離手段と映像表手段間の距離や分離手段の位置等を調整するバリア調整回路106、表示回路を介して100に表示される視差合成画像108より構成される。なお、パララックスバリア(視差バリア)101は薄いフィルム膜や透明度の高い物質(ガラス等)で生成される固定バリアでも電圧等をかけることで遮蔽と開口(光の透過率)を変化することができるようなデバイス(例えばTFT液晶パネルなど)をバリアとして用いることも可能である。まず、映像表示を開始する場合や居間等の部屋に初めて設置された時点で表示デバイス、視差バリア等の調整を初期調整手段105が実施する。この場合、TFT液晶パネル等によるアクティブ視差バリアを用いる場合は、所定の最適視聴距離におけるバリアのピッチ幅やバリア位置の調整を実施する(開口部分と遮蔽部分位置の制御が画素もしくがサブピクセル画素単位で実施される)。固定バリアの場合、バリアとディスプレイ間の距離やバリアの傾きを所定の調整画像を用いて行うこととなる。
【0026】
それと合わせて、最適視聴距離からのテスト画像を用いた立体映像視認評価を行い、見易さやぼけ/融像程度をもとに、表示回路での階調特性のチューニング等を実施する。なお、状況に応じて視差画像内の視差量制御(線形係数での強弱制御や水平方向シフト量調整)を実施してもよい。映像表示手段100で表示された視差合成画像108は、映像分離手段101により所定位置で所定視差画像が観察できるように分離されることで、観察者のいる位置で異なる視差画像を左眼と右眼で観察することで立体映像を観察することができる。映像分離手段101は、開口部分と遮蔽部分より構成されており、
図2左図のように開口部分は所定ピッチ間で配置された斜め方向に傾いたスラントバリアやサブ画素サイズに合わせた矩形構造をしたステップバリア構造とすることが多い。バリア間ピッチbpについては、サブ画素ピッチspと適視聴距離L、パネルとバリア間の距離d、視差数nnで幾何学的に決定されるものである。さらに、眼間距離Eに対して、
図2の従来の複数視差画像を1画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した例の適視距離L1と
図3の第1実施例における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した例の適視距離L2は(数式1)のようになる。
【0028】
この(数式1)より、L2=L1×0.5となり、パネルとバリア間の距離dが同じ場合、適視距離を1/2にまで短くすることができる。さらに、開口部の大きさ(水平方向の視差を考える場合は、幅)を調整することで、モアレパターン低減と隣り合う視差画像が混在することで発生するクロストーク・ぼけの低減化を図るが、モアレの強度とクロストーク量の関係は、トレードオフの関係にあり、片方を改善するともう片方の課題が大きくなる可能性が高い。つまり、
図2のようなスラントバリアを用いた場合にモアレを薄くするために開口幅bhをサブ画素spのk倍(k > 1)にすることが用いられるが、その一方で隣の視差画像に含まれる画素が見える弊害を示すクロストーク量も大きくなる。それに対して、
図3のように複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した例では、2画像列が見えるように開口幅bhをbh=2×spとした場合でも、従来よりも大きな開口幅を持つこととなりモアレが従来よりも低減される可能性が高い。それに対して、bh=2×spでは隣の視差画像に含まれる画素の割合は従来例1における開口幅がサブ画素サイズspと同じ場合と同程度であり、クロストーク量は増加しない。また、1視点ピクセルが、RG+BR+GBで構成されるので、カラーバランスの崩れも発生しない。また、観察者が少し左右に移動したときにも、
図4のように隣の視点ピクセルのB+G+Rが同時に見えてくる(
図4の白丸)ので、従来例2の場合(
図31)とは異なり、色モアレが発生する可能性は少ない。
【0029】
なお、開口幅bhをbh=sp×1.5のように2サブ画素より小さくした場合、隣視点画像が見える割合は従来例1における開口幅がサブ画素サイズspよりも小さくなりクロストーク量が減り、開口幅bh= sp×1.5を持つことから、従来例1における開口幅がサブ画素サイズspの場合よりもモアレが薄くなる。
【0030】
さらに、nn視差数の各1画素を構成するグループ単位の水平方向の画素サイズと垂直方向の画素サイズの比(縦横比)は、
図2の1画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した場合には9:nnになるのに対して、
図3の第1実施例における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した場合には9:(2×nn)になる。nn=4の場合、
図2では縦横比が9:4になるのに対して、
図3の例では9:8になり、縦横の画素配列のバランスが良くなるため、輪郭等のストライプ感が低減して見えるというメリットもある。
【0031】
(変形例1)
前述の第1実施例の変形例1として、
図1、
図5、
図6を用いて、複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置(画素配置例1)するとともに、3:2の傾きを持つステップバリア開口部2をもつ装置を示す(4視差の場合)。この装置の構成は
図1のようになる。画素配置の様子が
図5のようになり、複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置する。ステップバリアは、サブ画素sp×2の水平開口幅bhと画素幅sp×3の垂直開口幅を持つ開口部が階段状に配置された構造である。この場合、傾きは3:2となる。第1実施例と同じように、適視距離はパネルとバリア間距離dが従来例1と同じ場合、その1/2になるとともに、
図6より明らかなように、“1視点ピクセルが、RG+BR+GBで構成されるので、カラーバランスは崩れない”、“観察者が少し左右に移動したときにも、隣の視点ピクセルのB+G+Rが同時に見えてくる(白丸)ので、色モアレは生じない”が成立する。さらに、2サブ画素分の開口幅があるので、モアレも薄くなると思われる。また、4視差の場合、1視差分の画素グループ単位では、水平と垂直方向の割合が近くなるので、ストライプ感も薄れるメリットがある。なお、この場合も、従来の1サブ画素単位で交互配列されて、3:1の傾きをもつステップバリアと比較した場合とクロストークはあまり変化しないと考える。
【0032】
(変形例2)
前述の第1実施例の変形例2として、
図1、
図7から
図9を用いて、周期的に開口幅を左右対称で変化させるように細かいノッチ構造を3:2の傾きを持つバリアパターンに持たせ、開口エッジに凹凸を付加してバリアを通して見える画素のぼやけ量・範囲をコントロールするようにした装置について説明する。このバリア開口部3の形状を
図8のようなスラントバリア構造に所定の細かさで決定される凹凸構造(ここでノッチ構造と定義する)を付加させることで、クロストークを増やすことなくモアレのコントラストを減少させるようにしたものである。
図8は、周期的に開口幅が最大開口幅hmaxから最小開口幅hminの間を線形的に変化するように三角形構造が最小開口幅をもつスラントバリアの開口部に付加された例を示しており、左右における三角形はバリア中心軸にある点Cを中心とした点対称な形状(ノッチRとノッチLを参照)を示している。このパターンは、
図8で示されているように、バリア中心軸の垂直方向に対する傾き角度αと、ノッチ構造(三角形)部分の水平軸に対する傾き角度β、ノッチ構造の周期(高さ)ds、ノッチ構造の幅dwの4つより定義されている。dsを1画素幅pにおけるノッチ構造の繰返し回数nを用いれば、ds=p/nとあらわすことも可能である。ここで、pは通常R、G、Bの3サブ画素で1つの画素が構成されている場合は、サブ画素サイズspを用いてp=3×spとあらわすことも可能である。
図9はこの凹凸構造による効果概要を示す。これらの図に従い、本発明の第1実施形態である映像表示装置の変形例について説明する。ノッチ構造の幅dwは例えば(数式2)のようになる。
【0034】
なお、
図9ではスラントバリア構造をもとに説明したが、通常の縦ストライプバリア構造でも同様に成り立つと考える。従来のストライプ構造のバリアを用いた場合、
図9(a)のように、開口部を通して観察される画素面積が大きい場合は明るく見える(明部)が、開口部を通して観察される画素面積が小さくなるとその見えは暗くなる(暗部)。通常、バリアピッチは所定の最適視聴距離で画像全体における所定視差方向の画素が集まるため、バリアピッチはサブピクセル画素サイズの視差数nn倍より少し小さな値になるため、このようにある観察位置から見た場合の、バリアと見える画素位置の関係に変化が生じる。そのため、
図9(a)のように明暗パターンが発生することとなり、この明暗部パターンがモアレとして観察され、この明暗の強さがモアレ強度として認識されると考える。ここれに対して、
図9(b)のように、光を拡散する拡散板や拡散フィルムを用いて光の明暗をぼかしてやることによって、ブラックマトリックス部(PDPではリブ部とも言う)や補助電極の影響を少なくし、明暗の振れ幅を小さくすることでモアレを目立たなくすることもできるが、拡散が開口部中心に対して水平方向にガウス分布のように変化する特性を持っていることが多く、視差画像のぼけやクロストークを輪郭付近で発生することとなり、画質的に好ましいとは言えない。一方、
図9(c)で示されるようにノッチ構造を持たした場合、例えば明るい部分にはノッチ構造により隠れる画素領域を増やし、暗い部分にはノッチ構造により見える画素領域を増やすように、開口部エッジに凹凸構造を付加することで、ぼやけ量や範囲をコントロールすることができる。つまり、
図9(c)サブ画素断面図のように、
図9(a)サブ画素断面図の矩形分布の両端部分をカットして台形分布になるように調整することが可能となる。
【0035】
この場合、この特性からノッチ構造の幅はある程度細かい方がこの効果が得られると考えられる(ノッチ構造の周期はある程度大きい方がよい)。しかし、このノッチ構造の幅(つまり周期)の適性値は画素構造(特に画素を垂直方向に分割するようなメタルの補助電極等)に依存しており、例えば、1画素がm分割される場合は、ノッチ構造の繰返し数nはmのk整数倍付近、つまりn=k×m付近でモアレ低減の効果が高くなる傾向もある。しかし、製造誤差による影響を考慮するとサブ画素の垂直方向サイズpをノッチ周期dsで除算した際の値nndが整数近傍から離れた値であることが好ましい。できれば、連続する整数比nn1とnn1+1もしくはnn1-1とnn1の中間付近に位置するノッチ周期となることが、製造誤差の影響を受ける可能性がほぼなくなることからより好ましい。
【0036】
なお、このノッチ構造の場合、開口幅は変化するため、クロストークの基準として使用される、サブピクセルサイズに対する開口幅の比率(開口率)rHも変動することとなるが、ここでは所定範囲内(たとえば、uピクセルサイズ分とか)での平均開口率Ave_rHで規定され、細かいノッチ構造の特性を考慮すれば、この平均開口率をもち、バリア中心軸の傾き角度αをもつ斜めスラントバリアと同じ程度のクロストーク特性をもつと推測される。このことから、平均開口率を所定の値ThAve_rHに設定して、凹凸によるノッチ構造を用いた場合のぼやけ量を制御することで、クロストーク量増加をできるだけ抑えながら見える画素面積の平均化を行うことも可能となる。このような凹凸部分を開口部エッジに付加することで、第1実施例よりもモアレを抑えることができるとともに、平均開口率rHを2より小さくすることで(サブ画素サイズspに対して)、クロストークもより抑えることができる。
【0037】
さらに、
図9では、ノッチ構造として三角形を用いたが、台形であっても、曲線的に変化する楕円弧であってもよいし、平行四辺形であってもよい。また、本実施例では、スラントバリア構造で説明したが、縦ストライプバリアの場合にも適用することが可能である。また、ノッチ構造は
図2のように水平方向の持たせるのではなく、バリア中心軸に垂直になる方向にノッチ構造を付加してもよい。また、スラントバリアを例として説明したが、本実施例では、縦ストライプバリアやサブ画素の矩形形状を斜め方向に配置したステップバリアに関しても同様に適用することが可能である。
【0038】
なお、ノッチ構造の幅dw、1ピクセル画素サイズpであるとき、1ピクセル内のノッチ構造の開口面積dSnと、最小開口幅hminをもつ斜めスラントバリアの1ピクセル内開口面積dSoは以下のようになる。
【0040】
この式より、1ピクセル内の分割数が増えても開口面積S=dSo+dSnは変化しない。
【0041】
また、ピクセルサイズでの平均開口率Ave_rhをThAve_rHに保持する際に、最大開口幅hmaxがサブ画素サイズsp=p/3に対して所定の大きさLWMax = sp×dmax内になるように抑えることでも、クロストーク低減を満足することができる。その場合、最小開口幅がサブ画素サイズ×0.5程度以下になると、急激な開口幅変動による弊害や視聴位置(水平・垂直)の変動による影響を受ける可能性があるので、最小開口幅がサブ画素サイズ×0.7程度以上あることが好ましい。このような部分を加えることで、平均開口率だけでなく、最大の開口幅も視差画像配置の基準であるサブ画素spに対して制御できることとなり、よりクロストーク低減を満足しながらモアレパターンを抑えることのできるバリアパターン設計が可能となる。
【0042】
<第2実施形態>
図1と
図10から
図17を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態として、複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例2と、3:1の傾きを持つスラントバリア開口部4をもつ立体映像表示を説明する。
【0043】
本発明の構成は
図1に示される通りであり、この動作は第1実施例の場合と同様である。
図10は、第2実施形態例における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例2と、3:1の傾きを持つスラントバリア開口部4を模式的に示す。さらに、
図11は、この映像表示装置で頭を移動させた場合にスラントバリア開口部4を通して見えてくる隣画素の様子を模式的に示す。スラントバリアの垂直方向に対する傾き角度が18.435°(3:1)となっており、第1実施例における傾き角度33.69°(3:2)となっていることが大きな相違点である。通常、スラントバリア構造では、20°から30°でモアレが薄くなる消える傾向があるが、画素サイズの縦横比が3:1であることから、角度が3:1より深くなるほど、隣画素が見える面積が大きくなりクロストークが増大化する傾向がある。本実施例のように、複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置し開口幅をサブ画素×2付近を用いることでモアレを低減できることを考慮すると、バリアの傾き角度が3:1になるようにすることがより好ましい。本実施例はこのことを示すものであり、観察者が少し左右に移動したときに、
図11のように隣の視点ピクセルのB+G+Rが同時に見えてくるので、従来例2の場合(
図31)とは異なり、色モアレが発生する可能性は少なく、また1視点ピクセルにおけるカラーバランスも崩れる恐れが少ない。さらに、nn視差数の1画素を実現するグループ単位の縦横比は、
図10の1画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した場合には9:nnになるのに対して、
図10の第1実施例における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した場合には9:(2×nn)になり、nn=4の場合、縦横の画素配列のバランスが良くなるメリットがあるのも第1実施例と同様である。
【0044】
(変形例1)
その変形例1として、周期的に開口幅を左右対称で変化させるように細かいノッチ構造をバリアパターンに持たせ、開口エッジに凹凸を付加してバリアを通して見える画素のぼやけ量・範囲をコントロールするようにした例5を
図12により説明する。これは第1実施例における変形例2と同じように、
図8、
図9で説明された凹凸構造(ノッチ構造)を開口エッジに付加することでモアレ低減を進めたものである。この方式を用いることで、平均開口率Ave_rhをサブ画素sp×2よりも小さい値(例えばsp×1.2〜sp×1.6)にしながら、モアレ低減をすることができるので、クロストーク低減も同時に実現できる。さらに、ピクセルサイズでの平均開口率Ave_rhをThAve_rHに保持する際に、最大開口幅hmaxがサブ画素サイズsp=p/3に対して所定の大きさLWMax = sp×dmax内になるように抑えることでも、さらなるクロストーク低減を満足することができる。その場合、最小開口幅がサブ画素サイズ×0.5程度以下になると、急激な開口幅変動による弊害や視聴位置(水平・垂直)の変動による影響を受ける可能性があるので、最小開口幅がサブ画素サイズ×0.7程度以上あることが好ましい。このような部分を加えることで、平均開口率だけでなく、最大の開口幅も視差画像配置の基準であるサブ画素spに対して制御できることとなり、よりクロストーク低減を満足しながらモアレパターンを抑えることのできるバリアパターン設計が可能となる。
【0045】
(変形例2)
さらに、第2実施例に対して開口幅をサブ画素spからサブ画素sp×2より小さい値に抑えた変形例2を示す。
図13はこのバリア形状例6を模式的に示す。このように本実施例2におけるバリア開口幅をサブ画素sp×2よりも小さい(例えばsp×1からsp×1.4程度)にすることで、原理的にそのバリアを通して対象とする視点画像列の隣視点画像列が漏れて見えることはほぼ発生しなくなるため、クロストークが非常に小さくなるメリットを持つ。また、
図14に示すように、観察者が少し左右に移動したときに、隣の視点ピクセルのB+G+Rが同時に見えてくるので、従来例2の場合(
図31)とは異なり、色モアレが発生する可能性は少なく、また1視点ピクセルにおけるカラーバランスも崩れない。ただ、開口幅が小さくなるのでモアレ低減が不十分になることがある。それを解消する方法として
図15や
図16、
図17の方式が考えられる。
図15は、変形例2に周期的に開口幅を左右対称で変化させるように細かいノッチ構造をバリアパターンに持たせ、開口エッジに凹凸を付加してバリアを通して見える画素のぼやけ量・範囲をコントロールするようにしたバリア形状例7を示す。さらに、
図16は、変形例3の別発明として、左右のノッチ構造の位相ずれやノッチ構造間の間隙、最大開口幅の変化パラメータを加えたことでより調整の幅を広げた
図17をノッチ構造に使ったバリア形状例8を示す。まず、
図15のようにすることで、第1実施例の変形例で示したように変形例2におけるバリアパターンにモアレ低減効果を持たせることができる。さらに、ピクセルサイズでの平均開口率Ave_rhをThAve_rHに保持する際に、最大開口幅hmaxがサブ画素サイズsp=p/3に対して所定の大きさLWMax = sp×dmax内になるように抑えることでも、よりクロストーク低減を進めることができる。その場合、最小開口幅がサブ画素サイズ×0.5程度以下になると、急激な開口幅変動による弊害や視聴位置(水平・垂直)の変動による影響を受ける可能性があるので、最小開口幅がサブ画素サイズ×0.7程度以上あることが好ましい。このような部分を加えることで、平均開口率だけでなく、最大の開口幅も視差画像配置の基準であるサブ画素spに対して制御できることとなり、よりクロストーク低減を満足しながらモアレパターンを抑えることのできるバリアパターン設計が可能となる。
【0046】
さらに、
図17のような非対称ノッチ構造を用いることで、よりクロストークの観点で優れつつモアレが同程度レベルのバリアパターン設計が可能となる。これは、左右のノッチ構造の位相ずれdpやノッチ構造間の間隙dds、右側のノッチ構造高さの変化パラメータkdsRを加えたものである。この場合の効果は、
図9(c)と同様に例えば明るい部分にはノッチ構造により隠れる画素領域を増やし、暗い部分にはノッチ構造により見える画素領域を増やすように、開口部エッジに凹凸構造を付加することで、ぼやけ量や範囲をコントロールすることができることにあり、その調整範囲を広げたものである。また、こうすることで、バリアパターンを製造する際に発生する製造誤差を予め許容誤差として考慮したバリアパラメータ評価や、各パラメータの調整を行うことも可能となる。なお、最小開口幅hminのように誤差が生じやすい個所に所定の製造誤差err(%)を考慮して、モアレ推定評価時にその分を加算してモアレパターンを推定することでも製造誤差を考慮したバリアパラメータ評価は可能となる。
【0047】
なお、第1実施例の場合と同様に、ノッチ構造として三角形を用いたが、台形であっても、曲線的に変化する楕円弧であってもよいし、平行四辺形であってもよい。また、ノッチ構造は
図2のように水平方向の持たせるのではなく、バリア中心軸に垂直になる方向にノッチ構造を付加してもよい。
【0048】
なお、ノッチ構造の幅dw、1ピクセル画素サイズpであるとき、1ピクセル内のノッチ構造の開口面積dSnと、最小開口幅minhをもつ斜めスラントバリアの1ピクセル内開口面積dSoは第1実施例と同様に(数式2)のようになる。これは、間隙等があっても問題ない。また、左右のノッチ幅dwLとdwRが変化したとしても、dwL+dwR=dw×2を満足するかぎり、1垂直方向画素内での開口面積Sは変化しない。
【0049】
さらに、ノッチ構造の周期は、第1実施例と同様の方法で調整された値の候補より決定される。つまり、このモアレ低減効果は、サブ画素の垂直方向の画素構造に依存しており、サブ画素がt分割されている場合、開口部の左側もしくは右側ではt(画素領域数)+2(ブラックマトリックス領域)+t-1(補助電極領域)の分割数nnより得られるサイズ以下の周期が好ましいと考えるが、第1実施例で示したように、製造誤差による影響を考慮するとサブ画素の垂直方向サイズpをノッチ周期dsで除算した際の値nndが整数近傍から離れた値であることが好ましい。できれば、連続する整数比nn1とnn1+1もしくはnn1-1とnn1の中間付近に位置するノッチ周期となることが、製造誤差の影響を受ける可能性がほぼなくなることからより好ましい。
【0050】
また、選択・決定されたノッチ構造の周期dsoを用いて、各バリアパラメータにより得られるノッチ構造バリアパターンの評価をシミュレーション等により評価することも可能である。まず、ノッチ構造をもつバリアパターンの各パラメータvp[i]=(α[i],β[i], ds[i], hmax[i], hmin[i], dp[i], dds[i], kdsR[i], Ave_rh[i])に対して、所定の観察位置U(xc、yc)より見えるモアレパターン(明暗パターン)の推定を行う。なお、適視距離dlenとバリア−パネル間距離gap、画素サイズp, サブ画素サイズsp、視差数numは初期設定されているものとする。また、目的とする1画素サイズ(垂直方向)内の平均開口率Ave_rh[i] = Aveh0、バリア傾き角度α[i]=α0、最小開口幅hmin[i]=hmin0のようにいくつかのパラメータはパネル画素構造や設計値として固定されることが多いが、可変パラメータとしてもよい。また、最大開口幅hmax、つまりノッチ構造の幅dwは変化してもよく、たとえばその変化率をkdwのようにパラメータとして加えることも可能である。バリアパラメータにおけるノッチ周期ds[i]は調整されたdsoに設定されるものであり調整対象外となる。こうして得られた対象パラメータvpを用いて、所定の数値演算(光の軌跡推定を計算することができるツールなどを用いた)によりモアレ(明暗)パターンの推定・評価を行い、バリアパターン自身の最適化を行うことで、同程度のクロストーク量であってもさらなるモアレ低下を実現するパターン設計をすることが可能となる。
【0051】
(変形例3)
前述の第1実施例の変形例1と同様の構成として、
図1、
図34を用いて、複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置(画素配置例1)するとともに、3:1の傾きを持つステップバリア開口部2をもつ装置を示す(4視差の場合)。この装置の構成は
図1のようになる。画素配置の様子が
図34のようになり、複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置するとともに、サブ画素sp×2の水平開口幅bhと画素幅sp×3と同じ垂直方向の開口幅を持つステップバリアを開口部に持つ。この場合、傾きは3:1となる。第1実施例と同じように、適視距離はパネルとバリア間距離dが従来例1と同じ場合、その1/2になるとともに、
図34より明らかのように、“1視点ピクセルが、RG+GB+BRで構成されるので、カラーバランスは崩れない”、“観察者が少し左右に移動したときにも、隣の視点ピクセルのB+G+Rが同時に見えてくる(非図示)ので、色モアレは生じない”が成立する。さらに、2サブ画素分の開口幅があるので、モアレも薄くなると思われる。また、4視差の場合、1視差分の画素グループ単位では、水平と垂直方向の割合が近くなるので、ストライプ感も薄れるメリットがある。なお、この場合も、従来の1サブ画素単位で交互配列されて、3:1の傾きをもつステップバリアと比較した場合とクロストークはあまり変化しないと考える。
【0052】
<第3実施形態>
図18から
図25を用いて、本発明の第4実施形態を説明する。この実施例では、第1または第2の発明に加えて、視聴者の頭部または眼の位置を検出する位置検出手段より得られた視聴者位置に応じて各視差画像から抽出された複数の画像列を交互に並べる際の配置の組み合わせを変更する装置について説明する。
【0053】
図18に,本発明の第3実施形態である映像表示装置の構成を示す。また、
図19は、本発明の実施形態例である映像表示装置内の位置検出手段の構成を示し、
図20は位置検出手段内の頭部検出手段の構成を示す。これらの図に従い,本発明の第3実施形態である映像表示装置について説明する。
【0054】
図18に示されるように,視聴者の存在する領域の画像が撮影するカメラ300、その画像をもとに視聴者の位置変動を検出する位置検出手段301と、居間等に初めて設置された時点での位置検出のためのパラメータ調整や表示デバイス、視差バリア等の調整を行う初期調整手段105と、2次元の視差画像を表示する2次元表示手段100と、その表示回路107、そして、100からの画像の光を開口や遮蔽をして所定の位置に視差画像を提示するためのバリア形成手段101と、そのバリアを制御するバリア制御回路106、102の結果をもとに100に表示される視差画像の配置を最適化制御する視差配置制御手段103、表示回路を介して100に表示される複数視差画像108より構成される。なお、パララックスバリア(視差バリア)101が薄いフィルム膜で構成されているような場合、固定バリアとなるため、105の初期調整手段でバリア位置やピッチ調整は実施されないものとする。その場合、106のバリア制御回路ではフィルム全面で透過にするかバリア(開口と遮蔽を実施)を有効にするかの制御を行うこととなる。また、電圧等をかけることで遮蔽と開口(光の透過率)を変化することができるようなデバイス(例えばTFT液晶パネルなど)をバリアとして用いることも可能である。
【0055】
まず、カメラ300で撮影された画像と位置検出手段301の結果をもとに、居間等の部屋に初めて設置された時点での位置検出のためのパラメータ調整表示デバイス、視差バリア等の調整を初期調整手段105が実施する。この場合、TFT液晶パネル等によるアクティブ視差バリアを用いる場合は、所定の最適視聴距離におけるバリアのピッチ幅やバリア位置の調整が実施される(開口部分と遮蔽部分位置の制御が画素もしくがサブピクセル画素単位で実施される)。位置検出に関するパラメータ調整としては、所定距離の正面を向いた人物を撮影したカメラ画像を用いて、その顔部分抽出ができるように、撮影画像内の輝度分布/色分布調整や後述のパターンマッチング内のしきい値パラメータ調整を実施する。さらに、複数視聴者間の距離を算出するための基準値調整として、画像データベース(テンプレート記憶メモリ)314内の基準顔画像の大きさFLENと抽出された正面顔画像の大きさlenの間の相対比量RFaceを求めることも実施する。
【0056】
それと合わせて、最適視聴距離からのテスト画像を用いた立体映像視認評価を行い、見易さやぼけ/融像程度をもとに、表示回路での階調特性のチューニングや代表LR視差画像内の視差量制御(線形係数での強弱制御や水平方向シフト量調整)を実施する。
図21における基準点での基準視差画像Aの視聴が可能になるように調整することに相当する。
【0057】
このような調整を実施するために、特に位置検出精度を上げるために実施される位置検出処理は、
図21のように実施される。まず、カメラ300で視聴者のいると思われる領域の画像が撮影される。その領域(例えば、居間の場合はTVから視野角100度、視聴距離は1.5mから6,7m以内)が撮影できるような画角を満たす必要がある。その画像をもとに頭部検出手段304が、画像内の人物頭部を抽出する(
図21(a))。それに対して基準点設定手段306は画像内で相対的な大きさを検出する際の基準点を設定する(
図21(b))。次に、
図21(c)のように、視聴者位置検出手段305が、A・Bの2人の頭部検出を行い、視聴者Aと視聴者Bの間の距離Len_ABと、視聴者Aと基準点の間の距離Len_A、視聴者Bと基準点の間の距離Len_Bを求める。この場合、(c)にあるように画像データベース内188に保持された基本顔画像の大きさFLENと、抽出された人物Aの大きさslen_Aと人物Bの大きさslne_Bの代表値とを比較して、相対比量RFaceを求め、その値を画像内で得られたslen_AB,slen_A,slen_Bへの係数として(数式4)のように算出する。ここで、FLENと比較する抽出された人物の大きさであるが、予め用意された基準顔画像Aを用いた場合は、対応する抽出されたslen_Aを比較に用いればよい。また、slen_Aとslen_Bの平均値をFLENと比較してもよい。
【0059】
最後に位置移動判断手段307が、所定の時刻前の視聴者AとBの位置情報であるLen_AB,Len_A,Len_Bの変化量dLenAB,dLenA,dLenBをもとに動いたかどうかの判断をする。この場合、視差画像間距離が眼間距離Leyeであることから、クロストークが発生しにくい大きさとしてしきい値をLeye/2に設定した。つまり、変化量dLenAB,dLenA,dLenBのうちの2つ以上がLeye/2より大きい場合には位置移動があったとして判断を行い、その視聴者位置情報(Len_ABとLen_A,Len_B)とその視差画像配置制御の実施を指示する信号を301が出力するのである。
【0060】
頭部検出手段304では、例えば、
図20に示すように構成される。なお、
図20に示すように、テンプレート記憶メモリ314は、頭部検出手段304外の外部メモリにより構成されるものであってもよいが、テンプレート記憶メモリ314は、頭部検出手段304内に含まれるものであってもよい。
【0061】
輪郭検出部311では、入力されたカラー画像信号(画像データ)から、輪郭情報が取得される。輪郭検出部311での処理について、以下詳細に説明する。
【0062】
輪郭検出部311では、(数式5)で示される3×3の大きさをもつ2次元フィルタによる2次元フィルタ処理により、(数式6)により、画像内の各画素(i,j)の微分ベクトルvd(i,j)(xd(i,j),yd(i,j))を求める。また、微分ベクトルvd(i,j)の大きさstv(i,j)を、
stv(i,j) = ( xd(i,j)×xd(i,j) + yd(i,j)×yd(i,j) )^0.5により求める。
【0063】
輪郭検出部311では、各画素( i,j )stv( i,j )を、所定のしきい値TH2を使って、(数式7)のように比較することで、輪郭画素抽出を行う。なお(数式7)は、カラー画像信号により形成される画像上の画素が、輪郭に含まれる画素であるか否かを示すための2値化を行うものであり、E( i,j )=1は画素( i,j )が輪郭に含まれる画素であることを表している。
【0067】
このようにして、輪郭検出部314より求められた輪郭情報E(i,j)(以下では、単に「輪郭情報Ei」と表記することもある。)は、特徴量抽出部186へ出力される。一方、色度合い検出部310では、色分布でクラスタ分類された後、各クラスタ内画素の肌色度合いを計算する。そして、この肌色度合いの高い画素が多く含まれるクラスタ領域ほど出力1.0となるように変換した情報を求める。312へはこの色度合い情報も渡され、輪郭情報と肌色度合い量からの特徴量をもとに人物らしさ度合いFHi(i,j)を求める。その算出は、2つの特徴量の線形結合であっても、非線形変換であってもよい。また、輪郭情報Eiで肌色度の高いところはそのままEiを人物らしさ度合いFHi(i,j)として、肌色度の低いところは輪郭情報Eiを弱める係数を乗算して人物らしさ度合いFHi(i,j)として出力してもよい。また、肌色度合いを用いずに、輪郭情報Eiのみで人物らしさ度合いFHi(i,j)を求めてもよい。パターンマッチング部313では、特徴量抽出部312により得られた人物らしさ度合いFHiを、予め用意されたテンプレート記憶メモリ314内の対象領域の形状データとパターンマッチング処理を行い、対象領域抽出を行う。対象領域抽出を行う対象領域としては、たとえば、顔領域や、人物領域(上半身、全身)や、目・鼻・口のような顔パーツ領域等が挙げられる。対象領域を顔領域とする場合、テンプレート記憶メモリ314には、顔領域の標準形状データ(複数であってもよい。また、複数の方向の形状データであってもよい。)を保持しておく。対象領域を人物領域とする場合、テンプレート記憶メモリ314には、人物領域の標準形状データ(複数であってもよい。また複数の方向の形状データであってもよい。また上半身でも全身でもよい。)を保持しておく。対象領域を目・鼻・口のパーツ領域とする場合、テンプレート記憶メモリ314には、各パーツ領域の標準形状データを保持しておく。このように、テンプレート記憶メモリ314で保持する形状データTp[ k, s ]( p = 1,・・・, Pnum )( k = 0,1, ・・・, Wp-1 )( s=0,1, ・・・, Hp-1 )と各画素( i, j )の特徴量情報FH(i,j)のパターンマッチング処理を行うことで、パターンマッチング部313により、該当領域(対象領域情報)が抽出される。なお、Pnumはテンプレート数であり、Wp、Hp は矩形テンプレートの水平画素数、垂直画素数である。
【0068】
パターンマッチング部313で実行されるパターンマッチング処理の手法としては、多くの方法があるが、簡易な方法としては、
図22に示すような方法がある。これについて説明する。なお、
図22は、パターンマッチ法の一例を説明するための模式図である。
【0069】
テンプレートp に対して、画素( i,j )を中心とした水平幅 Wp、垂直幅 Hp をもつ矩形領域候補 SR[ i, j, Wp, Hp ]を設定する。
【0070】
そして、矩形領域候補SR[ i, j, Wp, Hp ]内の輪郭情報 E( i,j )とテンプレート記憶メモリ314に保持されている形状データTp[ k, s ]( ( k = 0,.., Wp-1 ) ( s = 0,1, ・・・,Hp-1 ) )をもとに、(数式8)のような評価関数 R( i, j, p )を求める。
【0071】
次に、(数式9)に示されるように、テンプレートp、および画素( i, j )に対して最大の評価関数 R( i, j, p )となるMRを求める。(数式9)において、MAXは、画素( i, j )及びテンプレート p に対して、R( i, j, p )の最大値を求めることを示す。そして、その最大値 MRが所定のしきい値THMR以上であれば、最大値 MRに該当する矩形領域候補 SR[ i, j, Wp, Hp ]を求める対象領域情報 BestSR[ i,j, W, H ]として抽出する。
【0072】
このように所定のしきい値THMRと比較することで、ノイズ等へのマッチングを抑えることができる。なお、しきい値THMRより最大値MRが小さい場合は、対象領域がないものとして、対象領域情報BestSR[ i, j, W, H ]として、入力画像の情報[ width/2, height/2, width, height ]が出力される。ここで、width は入力画像の水平画素数を示し、height は入力画像の垂直画素数を示す。
【0075】
以上のようにして、パターンマッチング部313により取得された対象領域情報BestSR[ i, j, W, H ]は、対象領域情報として304より出力される。
【0076】
このようにして、位置検出手段301で、位置移動の判断を示す信号が出力された場合、視差配置制御手段302では、2次元表示手段100に表示される視差画像の最適配置を実施する。
図23がその様子を示す。ここで、
図23から
図25は視差数nn=2の場合について示すが、多視点への拡張も可能である。
図23では、本発明の第1実施形態における2視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置するとともに、3:2の傾きを持つスラントバリア開口部をもつ場合を例に示す。右上図では、視点画素の組み合わせ1を用いることで固定バリアを通して所定位置にある左眼と右眼に各々対応した左眼画像L(L1とL2)と右眼画像R(R1とR2)が届く様子を示す。ここで、2視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に配置しているため、L1は(x,y)における左眼用画素を示し、L2は(x+1,y)における左眼用画素を示す。同様に、R1は(x,y)における右眼用画素を示し、R2は(x+1,y)における右眼用画素を示す。一方、
図23の右下図では、頭部が左に移動して、左眼がL’に移動し、右眼がR’に移動した場合を示す。つまり、適視位置で設計された左眼と右眼位置の中間になるように頭部を移動させた場合に相当する。この場合、右上図のような視点画素の組み合わせ1のままでは、右眼には右眼用画素R1と左眼用画素L2が同時に入ることとなる。また、左眼には左眼用画素L1と右眼用画素R2が同時に入ることとなり、うまく3次元映像を見ることができなくなる。そこで、視点画素の組み合わせ2のように画素配置を変えることで、右下図のような右眼R’と左眼L’の位置でも対応する視差画像を見ることができるようになる。この302では、この2つの視差画素の配置組み合わせを頭部位置に応じて切り替えることで、2視差画像の場合で自然な立体表示を見ることができるようになる。この機能を第1実施例または第2実施例に組みわせることで、以下(1)から(3)の効果を持ちながらも、頭部移動による映像の歪みを改善することが可能となる。
【0077】
(1)バリアとパネル間の距離dが同じ値であった場合、適視距離適視距離Lが通常よりも短くできる。
【0078】
(2)開口幅bh=2×spとした場合、従来の1画像列ごとに交互配置した場合と比べて、隣の視差画像に含まれる画素が見える割合は同程度であるのに対して、2画素分の開口幅によりモアレが薄くなる可能性が高い。さらに、平均開口幅Avebhを2×spよりも小さい場合(例えば、Avebh=1.6×sp)となるようにノッチ構造を付加することで、クロストークを抑えながらモアレも開口幅の広い場合(例として開口幅bh=2×sp)と同程度まで薄くすることが可能となる。
【0079】
(3)1視点ピクセルのカラーバランスは崩れないと考える。また、観察者が少し左右に移動したときにも、色モアレが発生する可能性は少ない。
【0080】
さらに、本実施例の変形として
図24のような第2実施形態における2視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置するとともに、3:1の傾きを持つスラントバリア開口部をもつ場合も可能である。この場合も、
図23と同じように視差画素の組み合わせ1と視差画素の組み合わせ2を頭部位置に応じて切り替えることとなる。この場合、バリア傾き角度を3:1にすることで実施例1の場合よりもクロストークを減らすことができる。逆に多少のモアレ増加はあるが、ノッチ構造と組みわせることで低減が可能である。また、実施例の変形2で説明したように、(最大)開口幅bhmax=2×spを超えないようなノッチ構造を持たせることで、隣の視差画像に含まれる画素が見えることによるクロストークは非常に少なくなり、またノッチによる効果でモアレも薄くすることができる。
【0081】
なお、ノッチ構造の周期(対称の場合は左右同じになり、非対称では左右の周期が異なる)は、サブ画素の垂直方向の画素構造に依存している。サブ画素がt分割されている場合、開口部の左側もしくは右側ではt(画素領域数)+2(ブラックマトリックス領域)+t-1(補助電極領域)の分割数nnより得られるサイズ以下の周期が好ましいと考えるが、製造誤差による影響を考慮するとサブ画素の垂直方向サイズpをノッチ周期dsで除算した際の値nndが整数近傍から離れた値であることが好ましい。できれば、連続する整数比nn1とnn1+1もしくはnn1-1とnn1の中間付近に位置するノッチ周期となることが、製造誤差の影響を受ける可能性がほぼなくなることからより好ましい。
【0082】
また、これまでと同様にノッチ構造として三角形を用いたが、台形であっても、曲線的に変化する楕円弧であってもよいし、平行四辺形であってもよい。また、ノッチ構造は
図6のように水平方向の持たせるのではなく、バリア中心軸に垂直になる方向にノッチ構造を付加してもよい。
【0083】
また、斜めスラントバリアを例として説明したが、第1実施例の変形例のように、サブ画素の矩形形状を斜め方向に配置したななめステップバリアに関しても同様に適用することが可能であり、
図25はその様子を示す。
図23と同じように視差画素の組み合わせ1と視差画素の組み合わせ2を頭部位置に応じて切り替えることとなる。
【0084】
また、斜めスラントバリアを例として説明したが、第2実施例の変形例のように、サブ画素の矩形形状を斜め方向に配置したななめステップバリアに関しても同様に適用することが可能であり、
図35はその様子を示す。
図24と同じように視差画素の組み合わせ1と視差画素の組み合わせ2を頭部位置に応じて切り替えることとなる。
【0085】
<第4実施形態>
図26から
図28を用いて、本発明の第5実施形態を説明する。この実施例は、第1から第3の発明に加えて、視聴者の頭部または眼の位置を検出する位置検出手段より得られた視聴者位置に応じて各視差画像から抽出された複数の画像列を交互に並べる配置を変更するとともに、その配置された各視差画像の複数画像列のなす傾き角度と複数画像列幅に応じて、光の透過率を可変に制御できる領域の透過率を制御して開口部形状を形成するものである。
【0086】
図26は、本発明の第4実施形態である映像表示装置の構成を示す。また、
図27は、制御情報決定手段400の構成を示す。
図28は、分離手段としてスラントバリアを用いた場合でのバリア調整を模式的に示す。これらの図に従い、本発明の第4実施形態である映像表示装置について説明する。
【0087】
図26に示されるように、本実施例4は、表示デバイスや視差バリア等の調整を行う初期調整手段105と、2次元の視差画像を表示する映像表示手段100と、その表示回路107、そして、100からの画像の光を開口や遮蔽をして所定の位置に視差画像を提示するための視差バリアのような映像分離手段101と、その分離手段と映像表手段間の距離や分離手段の位置等を調整するバリア調整回路106、表示回路107を介して100に表示される視差合成画像108、視聴者の存在する領域の画像が撮影するカメラ300、その画像をもとに視聴者の位置変動を検出する位置検出手段301、液晶等によりバリア幅等を調整する際の情報を決定する制御情報決定手段400より構成される。さらに、400は
図27における開口部1および開口部2の幅を決定する410、水平方向の位置を初期化する411、現対象の水平位置が
図26における領域0、領域1、領域2のどれに属するかを判断する412、各領域に応じて透過率x%を決定する413、水平方向で全位置での透過率が判断されていない場合に水平方向の対象位置を更新する414より構成される。なお、410では、開口部1や2の幅はデフォルト値2つを設定してもよいし、予め視聴環境の条件で選択された2つの値を設定しても良い。
【0088】
本実施例では映像分離手段であるパララックスバリアは、遮蔽状態(光の透過率100%である状態)と透過状態(光の透過率0%である状態)を切換えることができる領域0、1と、光の透過率を可変に制御できる領域2を備えている。領域0、1及び領域2は共に印加電圧により遮蔽率と開口率(光の透過率)を変化することができるようなデバイス(例えばTFT液晶等)でできている。領域0は透過状態(透過率100%)の領域になるように印加電圧が調整されており、領域1は遮蔽状態(透過率0%)の領域になるように印加電圧が調整されているものとする。それに対して一方、領域2は、印加する電圧によって遮蔽率(T%)を変えることができる領域に相当する。
【0089】
図28において、領域2の透過率T=0%(遮蔽状態)の時、開口部1の状態となりモアレが生じる状態1である。さらに、領域2の透過率Tが100%(透過状態)の時、開口部2の状態となりモアレが生じる状態2である。そして、領域2に印加する電圧を変化させることで透過率が変化し、モアレの状態1とモアレの状態2の間を遷移させることができ、領域2に印加する電圧を変化させてTを適切な値とすると、モアレが除去できる状態、もしくは大幅に低減した状態を実現することが可能となる。例えば、開口部1の幅がサブ画素ピッチに等しく、開口部2の幅がサブ画素ピッチ×2であった場合、領域2の透過率TをT=50%とすると、平均開口幅はサブ画素ピッチ×1.5の大きさになる。このように、領域2の透過率T%を制御することで、モアレを除去する開口部の幅を正確に導出することができなくても、パララックスバリアを作製した後に、印加電圧を制御することでモアレを除去もしくは大幅に低減することができる。また、最適な開口部の幅が正確に導出されても製造において設計した幅が正しく再現されない場合であっても、製造精度を考慮して開口幅1と開口幅2となるようパララックスバリアを作製し、印加電圧を制御することでモアレを除去もしくは大幅に低減することができる。
【0090】
この機能を第3実施例に持たせることで、第1から第3実施例における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置する際に頭部移動に応じてその配置を繰り換えるとともに、バリア幅をも変えることでモアレ・クロストークの低減ができるように調整することができる。なお、この400ではバリア幅のみを調整することを示したが、バリア自体の位置も頭部位置の移動に応じて、水平方向における左右へ移動するようにしてもよい。この場合、バリア間のピッチは保持してバリア位置は水平方向に移動されることとなり、この場合、視差数nnが2より大きくなっても実現することが可能となる。
【0091】
また、本実施例では映像表示手段としてプラズマディスプレイを例にして説明したが、液晶ディスプレイやELディスプレイ等を用いてもよい。
【0092】
また、T%の部分を実現する領域2のみが液晶のように電圧をかけることで変化できるデバイスで構成されていてもよく、この場合、領域0は常時透過状態になるように開口しており、領域1は常時遮蔽状態になるように固定デバイス(マスキングされたガラスやフィルム等)が配置されることとなる。
【0093】
なお、バリア構造としてスラント(ななめ)バリア形状をもとに説明したが、縦ストライプバリア形状であってもよい。
【0094】
<第5実施形態>
図1と
図10、
図40から
図48を用いて、本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態として、
図10で示された第2実施例における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例2と、10度から15度における傾きを持つスラントバリア開口部を組み合わせた立体映像表示装置を示す。
【0095】
本発明の構成は
図1に示される通りであり、この動作は第1実施例の場合と同様である。また、
図10は、第2実施例で示されたように複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例を示す。
【0096】
図40は、第2実施形態例における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例に、4:1(垂直方向に対して14.04度の傾きを持つ)スラントバリアを組み合わせた例を示す。ここで、サブ画素の垂直方向サイズspvはサブ画素の水平方向サイズsphの3倍になるものとする。
【0097】
図41は、第2実施形態例における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例に、9:2(垂直方向に対して12.52度の傾きを持つ)スラントバリアを組み合わせた例を示す。
【0098】
図42は、第2実施形態例における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例に、15:3(垂直方向に対して11.31度の傾きを持つ)スラントバリアを組み合わせた例を示す。
【0099】
図43は、第2実施形態例における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例に、15:4(垂直方向に対して14.93度の傾きを持つ)スラントバリアを組み合わせた例を示す。
【0100】
図44は、第2実施形態例における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例に、21:5(垂直方向に対して13.39度の傾きを持つ)スラントバリアを組み合わせた例を示す。
【0101】
図45は、第2実施形態例における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例に、21:4(垂直方向に対して10.78度の傾きを持つ)スラントバリアを組み合わせた例を示す。
【0102】
図46は、第2実施形態例における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例に、27:5(垂直方向に対して10.49度の傾きを持つ)スラントバリアを組み合わせた例を示す。
【0103】
図47は、第2実施形態例における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例に、27:6(垂直方向に対して12.52度の傾きを持つ)スラントバリアを組み合わせた例を示す。
【0104】
図48は、第2実施形態例における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例に、27:7(垂直方向に対して14.53度の傾きを持つ)スラントバリアを組み合わせた例を示す。
【0105】
図44から
図48は図面の関係上、矢印の方向に画面垂直方向の上側があるものとしているので、サブ画素構造としては
図40から
図43等と同じように通常の水平に対して縦方向に3倍のサイズをもつ画素構造をしているものを示す。
【0106】
なお、これらの図が示すように、スラントバリアの傾き角度は垂直方向に対して10度から15度に含まれるとともに、垂直方向サイズと水平方向サイズの比に相当する位置のサブ画素中心をバリア開口部中心が通過するような構成になっている。
【0107】
通常、スラントバリア構造では、バリアの傾き角度に応じてモアレが薄くなるが、画素サイズの縦横比が3:1であることから、角度が3:1より深くなるほど、隣画素が見える面積が大きくなりクロストークが増大化する傾向がある。本実施例では、複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置し開口幅をサブ画素×1〜2付近を用いることでCTを低減させるとともに、バリアの傾き角度でモアレを低減することがより好ましい。本実施例はこのことを示すものである。
【0108】
なお、スラントバリアの傾き角度はこれらに限定されるのではなく、10度から15度内における角度をもつものであって、バリア開口部中心がサブ画素中心に一致する間隔が、所定の整数比(間隔をその間の垂直方向サイズnvと水平方向サイズnhの比でしめした場合に整数比になる)になる場合であればよい。通常、分離手段と表示手段に表示される複数画像の関係で表示手段ではサブ画素単位でしか配置することができず、サブ画素単位より小さい任意単位で配置することを求める場合、1視差画像の1サブ画素を表示手段における複数サブ画素で担当するような工夫が必要となる。サブ画素中心とバリア開口部中心が一致する割合が不規則で少ないような角度で傾ける場合、配置されたサブ画素と開口部の関係が大きくずれる箇所が発生するため前記のような工夫が必要となるが、分離性能が悪くなるためモアレを薄くするがクロストークの増大を招く。それに対して、本発明のようにバリア開口部中心がサブ画素中心に一致する間隔が所定の整数比にした場合、前記のような工夫する箇所が少なくなるかまたは必要なくなるため、クロストーク増大を抑えることができる。なお、この整数比nv:nhであるが、間隔が狭いほどよいように思われるが、サブ画素単位配置において急激に配置されたサブ画素と開口部の関係がずれる箇所が発生する危険性があるので、このサブ画素配置における急激な変化を抑えるためには、整数比による間隔が広くなるほど緩やかな変化になる。
【0109】
なお、第2実施形態例における複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例以外に、nn(nn>2)を用いることも可能である。
【0110】
また、第1実施例の場合と同じように、本実施例においても、観察者が少し左右に移動したときに、隣の視点ピクセルのB+G+Rの組が複数同時に見えてくるので色モアレが発生する可能性は少なく、また1視点ピクセルにおけるカラーバランスも崩れる恐れが少ない。なお、ここではバリア開口部中心がサブ画素中心に一致する間隔が所定の整数比になる場合について示したが、分離手段がレンチキュラーである場合、レンズ中心がサブ画素中心に一致する間隔が所定の整数比(間隔をその間の垂直方向サイズnvと水平方向サイズnhの比でしめした場合に整数比になる)になる場合であればよい。
【0111】
<その他>
上記実施形態において説明した本発明の映像表示装置では、視差画像を表示する映像表示手段100は、バックライト光源を用いる液晶パネルでも自発光するPDPや有機ELパネルでもよく、視差画像の画素列を表示できる表示手段であれば適用可能である。
【0112】
また、ここでは、各複数視差画像から2画像列を抽出して交互配置する画素配置を中心に説明したが、各複数視差画像から2より多い画像列nnnを抽出して交互配置する画素配置でも適用が可能となる。その際、nn視点分のピクセルグループにおける水平サブ画素数と垂直画素数の比は均等にならないことが発生する。また、第2実施例に変形例2のように(平均)開口幅を抽出された画像列数nnn×サブ画素サイズよりもずっと小さいような場合(例えば、サブ画素サイズ×画像列数×0.5からサブ画素サイズ×画像列数×1.5)では、かくして画像の明るさがかなり低下することが発生するので、デバイスに応じた適切なnnnを用いることが好ましい。
【0113】
さらに、第3または第4実施例ではカメラ画像1枚における頭部位置検出を示したが、2つ以上の複数カメラ画像を用いて頭部位置検出した結果と組合せることも可能である。また、画像を用いる以外に、LED光源のような照明光を対象物体に照射して戻ってくるまでの時間TOF(Time Of Flight)を計測することで距離を測定するTOF法や、電磁力等を用いて3次元位置測定を行う有線接続された手法を用いたトラッキングをすることも可能である。また、所定のテストパターンを常に、視聴者撮影内に含めて表示してそのテストパターン部分の大きさや画素値のモアレ変化等をもとに幾何学測量をしてトラッキングする手法を用いることも可能である。また、位置検出する際に、人物頭部の検出を前提としたが、人物全体像であっても、瞳孔や眼領域抽出を行い、その結果を用いることでもよい。
【0114】
頭部位置に応じて複数視差画像の画素列配置を制御する際に、CPUやGPU等を用いてリアルタイム算出制御することも可能であるし、また予め用意されたLUTテーブルより選択して制御することも可能である。
【0115】
また、第1実施例における、周期的に開口幅を左右対称で変化させるように細かいノッチ構造をバリアパターンに持たせた例において、第2実施例の変形例のように左右のノッチ構造の位相ずれやノッチ構造間の間隙、最大開口幅の変化パラメータを加えたことでより調整の幅を広げることも可能である。
【0116】
また、第1から第4実施例では、スラントバリアもしくは斜めステップバリア例について説明したが、先行例2のような縦ストライプバリアを用いた場合にも適用が可能である。
【0117】
また、本発明はレンチキュラー方式におけるレンズ境界からの光漏れを抑えるためのバリアパターン形状にも適用が可能であるし、縦ストライプ構造のバリアパターン形状にも適用することができる。また、本発明は、
図36のように、1行おきに1サブ画素分ずれた矩形の開口部を備えるバリアパターン形状にも適用が可能である。以上のように、本発明は開口部の形状や配置に限定されず、適用が可能である。
【0118】
また、本発明は、サブ画素サイズの縦横比が3:1の場合を例に説明したが、サブ画素サイズの縦横比には限定されず、3:1とは異なるサブ画素サイズにおいても適用が可能である。例えば、縦横比が5:1のサブ画素の場合は、スラントバリアやステップバリアの角度はそれに伴って変更される。第1実施形態では5:2になり、第2実施形態では5:1となる。
【0119】
また、本発明は、映像分離手段としてパララックスバリアを用いた例について説明したが、
図37のように、レンチキュラーレンズを用いた場合にも適用が可能である。
【0120】
また、本実施例では映像分離手段を映像表示手段の前面に配置する方式を例に説明したが、
図38のように、液晶ディスプレイの液晶パネルとバックライトの間に映像分離手段であるパララックスバリアを配置する方式を用いてもよい。また、液晶ディスプレイの液晶パネルとバックライトの間に映像分離手段であるパララックスバリアを配置するのに替えて、
図39のように、ストライプ形状の発光部を備える光源を用いることで、同様の効果を得ることができる。また、光源の発光部の形状は、矩形、ノッチ構造など、液晶ディスプレイの液晶パネルとバックライトの間に映像分離手段であるパララックスバリアの開口部と同じ形状とすることで、同様の効果を得ることができる。
【0121】
さらに、第1から第4の実施例における凹凸部(ノッチ)構造に関して、ノッチ構造自体による弊害が発生しないようにノッチ周期を判断する機構を設けて、バリア開口エッジにノッチ構造を付加することも可能である。特に、また、第1から第4の実施例で、凹部と凸部を持つノッチ構造をもとに示してきたが、鋸波状、蒲鉾状、階段状、サインカーブ等の正弦・余弦・正接関数のような三角関数状、矩形状、台形状、平行四辺形状、くの字状、三日月状であっても同じように成立する。また、凹部と凸部を持つノッチ構造において凸部の高さもしくは幅が均一でない(不均一である)ことを示したが、例えば複数の高さの凸部が混在する状態、もしくは複数の幅の凸部が混在する状態を示すものである。また、第1から第4の実施例では、サブピクセルの構造を基準にノッチ構造を決定する手法を示したが、これに限らず、画像を構成する最小単位の構造を基準にすればよく、例えば、複数のサブピクセルより構成されるピクセルの構造を基準にしてもよい。
【0122】
また、本実施例では映像分離手段を映像表示手段の前面に配置する方式を例に説明したが、
図Eのように、液晶ディスプレイの液晶パネルとバックライトの間に映像分離手段であるパララックスバリアを配置する方式を用いてもよい。また、液晶ディスプレイの液晶パネルとバックライトの間に映像分離手段であるパララックスバリアを配置するのに替えて、
図Fのように、ストライプ形状の発光部を備える光源を用いることで、同様の効果を得ることができる。また、光源の発光部の形状は、矩形、ノッチ構造など、液晶ディスプレイの液晶パネルとバックライトの間に映像分離手段であるパララックスバリアの開口部と同じ形状とすることで、同様の効果を得ることができる。
【0123】
さらに、映像分離手段であるパララックスバリアを配置するのに替えて、ストライプ形状の発光部を備える光源を用いることでもよい。その場合、ストライプ形状の発光部の傾き角度を10度から15度以内にするとともに、表示手段において複数視差画像を2画像列ごとにサブ画素単位に交互配置した画素配置例を用いることで、第5実施例と同様の効果を得ることができる。