特許第6099897号(P6099897)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6099897
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】飛行機の着陸品質の検出方法
(51)【国際特許分類】
   B64D 45/00 20060101AFI20170313BHJP
   B64F 5/00 20170101ALI20170313BHJP
   B64C 25/00 20060101ALI20170313BHJP
【FI】
   B64D45/00 Z
   B64F5/00 C
   B64C25/00
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-166259(P2012-166259)
(22)【出願日】2012年7月26日
(65)【公開番号】特開2013-28339(P2013-28339A)
(43)【公開日】2013年2月7日
【審査請求日】2015年6月5日
(31)【優先権主張番号】201110211882.2
(32)【優先日】2011年7月27日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512162041
【氏名又は名称】エア チャイナ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(72)【発明者】
【氏名】ディン,フイフェン
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ジアジュ
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ユビン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,イ
(72)【発明者】
【氏名】タン,ミンジエ
(72)【発明者】
【氏名】フアン,ジピン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,レイ
(72)【発明者】
【氏名】ユエン,ジアン
【審査官】 志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/142915(WO,A1)
【文献】 米国特許第08180504(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0046825(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0281967(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/031179(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/060996(WO,A2)
【文献】 特開2008−027178(JP,A)
【文献】 特表2009−505884(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/130984(WO,A1)
【文献】 特表平11−509804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 45/00
B64F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行機(110)の着陸時に垂直速度が第1の所定値を超えたかを判定する第一のステップと、
前記飛行機(110)の着陸時に前記垂直速度が前記第1の所定値を超えていないと前記第一のステップで判定された場合に、前記飛行機(110)の着陸時に垂直加速度が第2の所定値を超えたかを判定する第二のステップと、
着陸データを採集する第三のステップと、
前記飛行機(110)の着陸時に前記垂直速度が前記第1の所定値を超えたと前記第一のステップで判定された場合、又は、前記垂直加速度が前記第2の所定値を超えたと前記第二のステップで判定された場合に前記第三のステップで採集された着陸データに基づいて着陸メッセージを生成する第四のステップと、
前記第四のステップで生成された前記着陸メッセージを記憶又は転送する第五のステップと、
前記第四のステップで生成された前記着陸メッセージにおける前記着陸データに基づいて、前記飛行機(110)の着陸品質を判定する第六のステップと、
を含む、飛行機(110)の着陸品質の検出方法。
【請求項2】
ACMSシステム又はAHMシステムにより前記着陸データを採集し、前記着陸メッセージを生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記着陸データは、飛行機の着地前1秒での電波高度RALTと、垂直速度RALRと、ピッチ角PTCHと、ピッチレートPTCRと、ロール角ROLLと、ロールレートROLRと、ヨーレートYAWと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記着陸データは、飛行機の着地時での電波高度RALTと、垂直速度RALRと、ピッチ角PTCHと、ピッチレートPTCRと、ロール角ROLLと、ロールレートROLRと、ヨーレートYAWと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記着陸データは、着地前1秒から着地時の間での垂直荷重VRTA、縦荷重LONA、横荷重LATAの最大値及び最小値を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記着陸データは、着地前1秒から着地後3秒の間での垂直荷重VRTA、縦荷重LONA、横荷重LATAの最大値及び最小値を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
地時に垂直速度又は垂直加速度が垂直速度又は垂直加速度の夫々の閾値を超えたか否かによって、重着陸又は硬着陸が発生したかを判断するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記垂直速度又は垂直加速度の閾値は、前記飛行機(110)の着陸重量が最大着陸重量以下である場合に第1の閾値であり、
前記垂直速度又は垂直加速度の閾値は、前記飛行機(110)の着陸重量が最大着陸重量よりも大きい場合に第2の閾値であり、
前記第1の閾値は、前記第2の閾値よりも大きい、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記飛行機(110)が着地したかを判定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
スラットが5度よりも大きく開かれ、飛行高度が3048m(10000フィート未満である場合に、前記飛行機(110)が着地したかを監視できるように配置される第1のトリガーをスタートする、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記飛行機(110)が着地したことに応じて、着地時及び着地前0.5秒間での垂直速度が前記第1の所定値を超えたか、又は、着地時及び着地前0.5秒間での垂直加速度が前記第2の所定値を超えたか、を判断できるように配置される第2のトリガーをスタートするステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
地後0.5秒間での垂直速度が前記第1の所定値を超えたか、又は、着地後0.5秒間での垂直加速度が前記第2の所定値を超えたか、を判断できるように配置される第3のトリガーをスタートするステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記飛行機(110)が着地したことに応じて、着陸前1秒でのRALT、RALR、PTCH、PTCR、ROLL、ROLR及びYAWの数値と、着陸時点でのRALT、RALR、PTCH、PTCR、ROLL、ROLR及びYAWの数値と、が記録されるように配置される第4のトリガーをスタートするステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記飛行機(110)が着地したことに応じて、着陸前1秒から着陸後3秒の間でのVRTA、LONA、LATA、RALRの最大値及び最小値が記録されるように配置される第5のトリガーをスタートするステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記飛行機(110)が2回目着地したかを判断し、かつ、2回目着地した時に垂直加速度が第2所定値を超えたかを判断するステップと、
2回目着地した時に垂直加速度が第2所定値を超えたことに応じて、2回目着地前1秒でのRALT、RALR、PTCH、PTCR、ROLL、ROLR及びYAWの数値と、2回目着地時でのRALT、RALR、PTCH、PTCR、ROLL、ROLR及びYAWの数値と、2回目着地前1秒から着地後3秒の間でのVRTA、LONA、LATA及びRALR最大値と最小値を記録するステップと、
を含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行機の運転状態の検出方法に関し、特に、飛行機の着陸品質の検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
「重着陸(Heavy Landing)」又は硬着陸(Hard Landing)とは、飛行機の着陸時に、垂直方向での速度又は加速度が閾値を超えた降着事件であり、ただし、重着陸は、飛行機の着陸重量が最大着陸重量より大きい場合に閾値を超えることを意味し、硬着陸は、飛行機の着陸重量が最大着陸重量以下である場合に閾値を超えることを意味する。重着陸又は硬着陸は、飛行機の構造、特に、大きな荷重を受ける翼や離着陸装置やエンジンなどの飛行機部品に対して強い衝撃や振動を与えるので、飛行機の構造にダメージを与える可能性がある。そのため、重着陸又は硬着陸が発生すると、航空会社は、航空の安全を確保するために、飛行機に対して厳格な安全検査を行わなければならない。
【0003】
異なる旅客機は、その閾値が異なる。例えば、ボーイングB747-400の着陸垂直加速度の閾値は1.7Gであり、ボーイングB737-600の着陸垂直加速度の閾値は2.1Gであるが、エアバスA320の閾値は2.6Gである。
【0004】
飛行機製造会社の規定により、飛行機が重着陸又は硬着陸事件を起こったことを報告する責任主体は、パイロットである。しかしながら、パイロットにより報告された重着陸又は硬着陸事件には、大きな不確実性がある。パイロットにより報告された重着陸又は硬着陸事件の殆どは、その処理結果は「重着陸又は硬着陸が発生していない」である。しかし、処理工程全体のために、飛行機運転が中断され、メンテナンスリソースが大量に無駄になる。
【0005】
クイックアクセスレコーダー(Quick Access Recorder;QAR)のデータ解読は、飛行に関するオーバーランデータの統計や傾向分析を行うことが可能であるので、危険の排除や飛行の安全確保においてとても効果がある。しかし、重着陸又は硬着陸事件の処理において、QARの解読結果が実際と大きく異なることがしばしばある。QARのデコードデータは、重着陸又は硬着陸事件の判断に直接に適用できない。
【0006】
飛行機の胴体構造メッセージを重着陸又は硬着陸事件の判断に適用することも可能である。胴体構造メッセージは、飛行機システムメッセージの一種であり、飛行機のデータシステムにより自動的に生成される。しかしながら、実際の応用から、パイロットは重着陸又は硬着陸事件を報告したが、飛行機データシステムは胴体構造メッセージを生成していない場合が多いことが分かった。そのため、システムの胴体構造メッセージも重着陸又は硬着陸事件の判断に直接に適用できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そのため、従来技術では、パイロットが重着陸又は硬着陸事件を報告する場合、保守要員は、オリジナルの飛行データを飛行機メーカーに提供して分析を行わなければならない。このような方法では、費用が高くなるばかりではなく、待機時間も長くなり、飛行機の正常な飛行が影響される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来技術における一つ又は複数の技術的問題点に対して、本発明の一つの側面によれば、飛行機の着陸時に垂直速度が第1の所定値を超えたか、又は、垂直加速度が第2の所定値を超えたかを判定するステップと、着陸データを採集するステップと、飛行機の着陸時に前記垂直速度が前記第1の所定値を超えた、又は、前記垂直加速度が前記第2の所定値を超えたことに応じて、採集された前記着陸データに基づいて着陸メッセージを生成するステップと、前記着陸メッセージを記憶又は転送するステップと、前記着陸メッセージにおける前記着陸データに基づいて、飛行機の着陸品質を判定するステップと、を含む飛行機の着陸品質の検出方法を提出する。
【0009】
本発明のもう一つの側面によれば、飛行機が着地したかを判定するステップと、飛行機が着地したことに応じて、着陸データを採集するステップと、飛行機の着地時にバウンスが発生したかを判定するステップと、飛行機の着地時にバウンスが発生したことに応じて、飛行機の再び着地時における二次着陸データを採集するステップと、採集された前記着陸データ及び前記二次着陸データに基づいて着陸メッセージを生成するステップと、前記着陸メッセージを記憶又は転送するステップと、前記着陸メッセージにおける前記着陸データに基づいて、飛行機の着陸品質を判定するステップと、を含む飛行機の着陸品質の検出方法を提出する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下、図面に基づいて、本発明の好ましい実施形態をさらに詳しく説明する。
図1】本発明の一つの実施形態におけるACMSシステムにより飛行機の着陸データを取得する模式図である。
図2】本発明の一つの実施形態における飛行機の離着陸装置の一部の構成模式図である。
図3】本発明の一つの実施形態における飛行機の重着陸又は硬着陸の検出方法のフロー図である。
図4】本発明の一つの実施形態における飛行機のACMSシステムにより着陸メッセージを生成する方法のフロー図である。
図5】本発明の一つの実施形態におけるACMSシステムにおいて着陸ショートメッセージを生成するトリガーの関係模式図である。
図6】本発明のもう一つの実施形態における飛行機のACMSシステムにより着陸メッセージを生成する方法のフロー図である。
図7】本発明の一つの実施形態におけるACMSシステムにおいて着陸ロングメッセージを生成するトリガーの関係模式図である。
図8】本発明の一つの実施形態における着陸ショートメッセージの例示である。
図9】本発明の一つの実施形態における着陸ロングメッセージの例示である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
飛行機システムがますます複雑になるにつれて、飛行機のデータシステムは大きな発展を遂げた。例えば、エアバス社の飛行状態監視システム (Aircraft Condition Monitoring System;ACMS)や、ボーイング社の飛行のヘルスモニタリングシステム (Aircraft Heath Monitor;AHM)が開発された。
【0012】
エアバス社のACMSシステムを例にすると、ACMSシステムは、飛行機におけるエンジン、乗組員、機上補助電源ユニット(Airborne Auxiliary Power Unit;APU)及びキャビンを含む複数の重要部品の性能を監視する。ACMSシステムは、さらに、重要な航空機性能の監視(Aircraft Performance Monitoring)、データ記録(Date Recording)、特別調査・トラブルシューティング(Special Investigation & Trouble Shooting)などの機能を備える。
【0013】
ACMSシステムは、13, 000以上の飛行データをリアルタイムに監視する。そして、特定のトリガー条件が満たされると、ACMSは、リアルタイムに監視したデータに基づいて、特定のデータを含むメッセージを自動的に生成することができる。
【0014】
ACMSシステムは、飛行統合データシステム(Aircraft Integrated Data System;AIDS)を含む。また、AIDSシステムの核心は、データ管理ユニット(Data Management Unit;DMU)である。DMUは、以下のような2つのとても重要な機能を持っている。
【0015】
飛行機に関する多くのパラメータを採集、処理及び記録すること。これらのパラメータには、ブラックボックスからのデータも含まれている。これらのパラメータは、DMU内部の不揮発性メモリ、又は、外部のレコーダー、例えばデジタルエイズレコーダー(Digital AIDS Recorder;DAR)に保存される。
【0016】
システムメッセージを生成すること。飛行機の状態又はシステムパラメータがメッセージのトリガー条件を満足する場合に、特定のメッセージをトリガーにて生成する。これらのメッセージは、何れもDMUの不揮発性メモリに記憶される。
【0017】
図1は、本発明の一つの実施形態におけるACMSシステムにより飛行機の着陸データを取得する模式図である。図に示すように、飛行機110は、ACMSシステムと、離着陸装置120(メーン離着陸装置の一部のみが図示されている)とを備える。離着陸装置120におけるセンサーは、飛行機110のACMSシステムに接続されている。飛行機の着陸時に、離着陸装置120におけるセンサーにより飛行機が着地したことが検知されると、ACMSシステムは、それに接続される他のセンサーにより飛行機の着陸データを取得し、飛行機の着陸中に重着陸又は硬着陸が発生したかを判断する。
【0018】
図2は、本発明の一つの実施形態における飛行機の離着陸装置の一部構成の模式図である。図に示すように、離着陸装置200は、ホイール201及び202を備える。ホイール201及び202は、輪軸部203を介して緩衝支柱204に接続されている。緩衝支柱204は、液圧ピストン動作によるテレスコピック構造を備える。ホイール201及び202が着地すると、緩衝支柱204は、伸長状態から圧縮状態に圧縮され、緩衝作用を果たし、着地時における飛行機への衝撃を低減させる。
【0019】
緩衝支柱204には、電気スイッチに接近する位置状態の変化により緩衝支柱204が圧縮状態にあるか伸長状態にあるかを反映することができるセンサーが取り付けられている。緩衝支柱204におけるセンサーにより緩衝支柱204の状態を検知することができるので、飛行機が着地したかを判断することができる。飛行機のACMSシステムは、飛行機が着地したと判断すると、それに接続される他のセンサーにより、飛行機の垂直速度、垂直加速度及び関連する飛行姿勢データを取得する。これらの着陸データは、下記のデータを含むが、これらのデータに限定されない。
【0020】
1. 飛行機の着地前1秒でのRALT(電波高度ft)、RALR(垂直速度ft/sec)、PTCH(ピッチ角deg)、PTCR(ピッチレートdeg/sec)、ROLL(ロール角deg)、ROLR(ロールレートdeg/sec)及びYAW(ヨーレートdeg/sec)の数値、
2. 飛行機の着地時でのRALT(電波高度ft)、RALR(垂直速度ft/sec)、PTCH(ピッチ角deg)、PTCR(ピッチレートdeg/sec)、ROLL(ロール角deg)、ROLR(ロールレートdeg/sec)及びYAW(ヨーレートdeg/sec)の数値、
3. 着地前1秒から着地時の間でのVRTA(垂直荷重)、LONA(縦荷重)、LATA(横荷重)の最大値及び最小値、及び
4. 着地前1秒から着地後3秒の間でのVRTA(垂直荷重)、LONA(縦荷重)、LATA(横荷重)の最大値及び最小値。
【0021】
なお、ACMSシステムにより取得されるデータは、リアルタイムに測定されてデータレジスターに記憶されるものである。設定されたトリガー条件が満たされてトリガーされると、データレジスターからトリガー条件が満たされる前の関連データを取得することが完全に可能であり、実現できる。
【0022】
図3は、本発明の一つの実施形態における飛行機の重着陸又は硬着陸の検出方法のフロー図である。図に示すように、本実施形態における飛行機の重着陸又は硬着陸の検出方法300は、飛行機の着地時における垂直速度が所定値を超えたかを判断するステップ320を含む。所定値を超えていない場合、ステップ330において、着陸メッセージを生成せずに済む。
【0023】
ステップ320において適切な垂直速度の所定値を設定することにより、全ての重着陸かのような事件のデータが記録されることを確保することができる。本発明の一つの実施形態によれば、垂直速度の所定値の絶対値は0.5ft/s(フィート/秒)以下である。この垂直速度の所定値の設定により、飛行機が着地する度に(この度は飛行機が正常に着地する場合であっても)着陸メッセージを採集・生成することを確保することができる。
【0024】
垂直速度の所定値の設定のもう1つのメリットは、着陸メッセージを生成するトリガー条件を柔軟に変更することができることにあり、ユーザは、重着陸又は硬着陸に関連するデータだけを採集・記録したり、飛行機が着地する度にデータを採集・記録したりするのではなく、実際の必要に応じて飛行機の着地状態を採集・記録することができる。例えば、垂直速度の所定値を、例えば垂直速度の閾値より20%〜40%低くなるように低減させてもよい。これにより、着地がやや重くなれば、データが採集・記録されて着陸メッセージが生成される。
【0025】
着陸時の垂直速度が所定値を超えた場合、ステップ340において着陸データを採集する。そして、ステップ350において、採集された着陸データに基づいて着陸メッセージを生成する。ステップ340において、飛行機のACMSシステムにより着陸データを採集してもよい。ACMSシステムのDMUは、特定のトリガー条件に応じて、対応する着陸データ採集工程をスタートする。データの採集が完成すると、ステップ350において、採集された着陸データに基づいて着陸メッセージを生成する。
【0026】
ステップ360において、着陸メッセージを記憶又は転送する。ステップ370において、着陸メッセージにおける着陸データに基づいて、飛行機の着地時に重着陸又は硬着陸が発生したかを判定する。
【0027】
本発明の一つの実施形態によれば、飛行機の着陸時における垂直方向での速度又は加速度が閾値を超えたか否かによって、重着陸又は硬着陸が発生したかを判断する。飛行機の構造強度の限界から考えると、飛行機の垂直速度の閾値は、飛行機の着陸重量と繋がっている。垂直速度(RALR)が閾値を超えたかを判断する時に、飛行機の着陸重量のそれぞれによって比較を行う必要がある。本発明のもう一つの実施形態によれば、飛行機の着陸重量が最大着陸重量より小さい場合に、閾値は−9フィート/秒である。飛行機の着陸重量が最大着陸重量より大きい場合に、閾値は−6フィート/秒である。以上は単なる例示に過ぎず、それぞれの飛行機着陸重量が最大着陸重量よりも小さい又は大きい場合によって、閾値は異なる可能性がある。
【0028】
垂直速度が閾値を超えたかを判断する場合の論理と同様に、垂直荷重VRTAが閾値を超えたかを判断する場合にも、飛行機の垂直荷重の閾値は飛行機の着陸重量と繋がっている。本発明の一つの実施形態によれば、飛行機の着陸重量が最大着陸重量より小さい場合に、閾値は2.6Gであり、飛行機の着陸重量が最大着陸重量より大きい場合に、閾値は1.7Gである。以上は単なる例示に過ぎず、それぞれの飛行機着陸重量が最大着陸重量よりも小さい又は大きい場合によって、閾値は異なる可能性がある。
【0029】
飛行機の着陸時における垂直速度及び垂直加速度が閾値を超えたか、それとも、閾値に近いかを総合的に考慮すれば、重着陸又は硬着陸が発生したかを直接に判断できる場合が多い。直接に判断できなくでも、飛行機の着陸時に重着陸が発生したかを判断するために非常に価値のある参考を与える。もしパイロットの報告や他の要因と合わせて飛行機の降着時に重着陸又は硬着陸が発生したかを判定することができれば、元のデータを航空会社に伝送して処理する必要がなくなる。
【0030】
図4は、本発明の一つの実施形態における飛行機のACMSシステムにより着陸メッセージを生成する方法のフロー図である。図に示すように、本実施形態の着陸データ採集方法400は、飛行機が着地したかを判断するステップ410を含む。本発明のもう一つの実施形態によれば、飛行機の左及び/又は右のメーン離着陸装置の緩衝支柱が伸長状態から圧縮状態に変わったかを検出することにより、飛行機が着地したかを判断する。
【0031】
飛行機が着地した場合に、ステップ420において、飛行機の着地時における垂直速度及び垂直加速度が閾値を超えたかを判断する。それと同時に、ステップ430において、飛行機の着地前1秒及び飛行機の着地時での着陸データと、飛行機の着地前1秒から着地後3秒の間での着陸データとを採集する。ステップ440において、垂直速度及び垂直加速度の何れか1つが閾値を超えた場合に、採集された全ての着陸データをフォーマットして着陸ショートメッセージを生成する。そうでないと、着陸メッセージを生成しない。
【0032】
図5は、本発明の一つの実施形態におけるACMSシステムにおいて着陸ショートメッセージを生成するトリガーの関係模式図である。図5に示すトリガーは、図4に示す方法に適用できる。図5に示すように、DMUにおいて、トップサービスTOPSERVは、システムにおいて保留されるトリガーであり、プロセッサーのメインスレッドやオペレーティングシステムにおけるベースサービスに相当する。その他のトリガーは、何れもTOPSERVによりスタート又はアクティブ化される。飛行機が着地する直前に、スラットが5度よりも大きく開かれ、飛行高度が10000フィート未満であるFINAL APPR段階において、DMUにおけるTOPSERVは、飛行機が着地したかを監視するために、トリガーLAND1をアクティブ化する。
【0033】
LAND1が左右のメーン離着陸装置の何れか1つの圧縮の電気スイッチに接近する状態が変わったことを検知すると、「飛行機が着地した」と表記する。それと同時に、LAND1は、トリガーLAND2又はLAND2Bと、LAND3及びLAND4とをアクティブ化する。そのうち、LAND2、LAND2Bは何れも飛行機が着地する時の垂直速度(RALR)及び垂直加速度(VRTA)が閾値を超えたかを判断するために用いられる。LAND1によりアクティブ化されたLAND3及びLAND4は、着陸データを記録する。
【0034】
LAND4が実行すると、ショートメッセージにおける全てのパラメータの採集が完成し、そして、プリント・閲覧しやすくなるようにパラメータのフォーマットを転換し、最後に、着陸ショートメッセージを生成する。
【0035】
本発明の一つの実施形態によれば、LAND1による飛行機の着地に対する判断中において、LAND1は作動すると、左右のメーン離着陸装置の緩衝支柱の電気スイッチに接近する位置状態を読み取る。検出頻度は、1/32秒間内に変化があるかを検出できるように、32回/秒とする。位置状態を表すパラメータ値が0から1になると、何れか1つの緩衝支柱が伸長位置から圧縮位置に戻ったことを意味する。これにより、飛行機が着地したと判断される。これは、飛行機の着陸期間の起点となる。
【0036】
本発明の一つの実施形態によれば、LAND2、LAND2Bは、以下のように、飛行機の垂直速度(RALR)及び垂直加速度(VRTA)が閾値を超えたかを判断する。飛行機の着地状態をより正確に反映するために、着地時点前後0.5秒間でのRALR及びVRTAが閾値を超えたかを判断する必要がある。
【0037】
本実施形態では、まず、LAND2をアクティブ化させる。LAND1は、0〜32の整数であるT0を出力する。LAND2は、T0と値の範囲が0〜5である微調整パラメータCHKとを比較し、T0/2−CHK<0である場合、着地時点がパラメータの測定時点に近すぎて、着地によるデータ変化が測定パラメータに反映されない可能性があるので、LAND2Bをアクティブ化させ、着地時点から1秒内におけるRALR及びVRTAが閾値を超えたかを判断して、LAND2を終了させる。T0/2−CHK>0である場合、LAND2は、着地時点のRALR及びVRTAが閾値を超えたかを判断する。閾値を超えていない場合に、LAND2は、T0と16とを比較し、T0−16>0であるかを判断する。T0−16<0である場合、飛行機の着陸状況をより正確に反映するために、LAND2Bをアクティブ化させ、着地時点から1秒内におけるRALR及びVRTAが閾値を超えたかを判断してLAND2を終了させる。LAND2及びLAND2Bの何れかの比較により着地時点のRALR及びVRTAが閾値を超えたかが判明される場合は、飛行機の着陸状況が着陸メッセージを生成するのに適することを意味する。
【0038】
本実施形態において、2つのトリガーが異なる時期に作動することで、着地時点の前後の0.5秒の範囲内における着陸のRALR及びVRTAが閾値を超えたかが正確に判定されることが確保される。
【0039】
本発明の一つの実施形態において、垂直荷重、即ち、垂直加速度VRTAが閾値を超えたかの判断を行うには条件がある。トリガーは、前の垂直速度RALRが閾値を超えていない場合にのみ、垂直荷重VRTAが閾値を超えたかを判断する。垂直速度RALRが既に閾値を超えた場合には、垂直荷重(VRTA)が閾値を超えたかの判断はスキップされ、ショートメッセージが直接に生成される。
【0040】
本発明の一つの実施形態において、LAND2及びLAND2Bは以下の方法により垂直速度(RALR)を算出する。飛行機において、RALRの採集レートは16回/秒である。実際のRALRをより正確に反映するためには、測定されたRALRを補正、即ち、ADIRU(上空データ慣性基準装置)に検知された垂直速度であるIVVをもとに飛行機のピッチ・ロール姿勢、3軸加速度及び定数に基づいて補正する必要がある。
【0041】
本発明の一つの実施形態において、以下のようなプログラムブロックによりRALRを算出するようにしてもよい。
【0042】
IVV = IVV actual sample n (垂直速度の現在値)
IVV1 = IVV previous sample n-1 (垂直速度の1つ前のサンプル値)
PTCHACC = PTCHACC actual sample n (ピッチ加速度の現在値;中間変数)
PTCHACC1 = PTCHACC previous sample n-1 (ピッチ加速度の1つ前のサンプル値;中間変数)
PTCHACC2 = PTCHACC previous sample n-2 (ピッチ加速度の2つ前のサンプル値;中間変数)
PTCR:ピッチレート
PTCR1:ピッチレートの1つ前のサンプル値
PTCHRAW:ピッチ(中間変数)
PTCHRAW1:ピッチの1つ前のサンプル値(中間変数)
VACC:垂直加速度(慣性航法による)
RALT:電波高度
PTCH:ピッチ
【0043】
Constants(定数):
D geometrical correction factor for ROLR ft/deg (ロールレートの幾何学的補正値;「0」と黙認)
DX lever arm correction (x-axis) for R/A RALT ft (高度のX軸のレバーアーム補正;321飛行機:28.8 / 320飛行機:18 / 319飛行機:18.5 / 318飛行機:16.8)
DZ lever arm correction (z-axis) for R/A RALT ft (高度のZ軸のレバーアーム補正;321飛行機:7.8 / 320飛行機:7.1 / 319飛行機:7.2 / 318飛行機:7.6)
DXTPIR lever arm correction (x-axis) for PTCH ft (ピッチのX軸のレバーアーム補正;321飛行機:53.1 / 320飛行機:39 / 319飛行機:33.8 / 318飛行機:29.5)
FC filter frequency Hz (フィルターの周波数;「0.3」と黙認)
K1 filter constant (フィルターの定数;「5.2」と黙認)
K2 filter constant (フィルターの定数;「25」と黙認)
K3 filter constant (フィルターの定数;「5」と黙認)
THETA0 average PTCH at touchdown deg (着地時でのピッチ平均値;321飛行機:4.5 / 320飛行機:6 / 319飛行機:2 / 318飛行機:6)
【0044】
パラメータの初期化:
PTCHRAW1 = 0.0
PTCHACC1 = 0.0
PTCHACC2 = 0.0
PTCR1 = 0.0
EN1 = 0.0
VZN1 = IVV/60.0
ZN1 = RALT
【0045】
PTCHRAW = (PTCR-PTCR1)/T (T = 1/16)
PTCHACC = PTCHACC1+T*(2*PI*FC)*(PTCHRAW+PTCHRAW1-PTCHACCI-PTCHACC2)/2
(PI=3.14159265)
NZTCOR = VACC*9.81/0.3048-DXTPIR*PTCHACC/57.3*cos(PTCH/57.3)
HRACOR = RALT+DX*(sin(PTCH/57.3)-sin(THEATA0/57.3))-DZ*(cos(PTCH/57.3)-cos(THEATA0/57.3))
EPSN = ZN1-HRACOR
EN = EN1+T*( K3*EPSN)
VZN = VZN1+T*( ZTCOR-EN-*EPSN)
VZNU = VZN-D*ABS (ROLR)
RALR = VZNU
ZN = ZN1 + T*(VZN - K1 * EPSN)
【0046】
以上は、1つのRALRのサンプル値を算出するプロセスであるが、その他のサンプル値は、初めてのサンプルを算出した後、循環逐次代入法により算出され、初めてのサンプルを算出した後の逐次代入法は、下記の通りである。
【0047】
EN1 = EN
VZN1 = VZN
ZN1 = ZN
PTCHACC2 = PTCHACC1
PTCHACC1 = PTCHACC
PTCHRAW1 = PTCHRAW
PTCR1 = PTCR
【0048】
本発明の一つの実施形態において、LAND2及びLAND2Bは、ACMSシステムから得られる垂直荷重から、垂直加速度を直接に取得できる。
【0049】
本発明の一つの実施形態において、LAND3は以下のように機能する。
a) 着陸前1秒でのRALT、RALR、PTCH、PTCR、ROLL、ROLR及びYAWの数値を記録すること、
b) 着陸時点のRALT、RALR、PTCH、PTCR、ROLL、ROLR及びYAWの数値を記録すること。
【0050】
本発明の一つの実施形態において、LAND4は4秒間作動し、着陸前1秒から着陸後3秒の間でのVRTA、LONA、LATA及びRALRの最大及び最小値を記録する。
【0051】
図6は、本発明のもう一つの実施形態における飛行機のACMSシステムにより着陸メッセージを生成する方法のフロー図である。飛行機は着地すると、地面からの反発力によりバウンスして再び地面に落ちる可能性がある。この現象は、飛行機の「バウンス」と呼ばれている。このような飛行機の着地時におけるバウンスは、1回発生する可能性もあれば、複数回発生する可能性もある。飛行機の着地時におけるバウンスは、重着陸又は硬着陸である可能性が高いので、それを検出する必要がある。通常の着陸メッセージは、着陸ショートメッセージであるのに対し、このような飛行機の着地時でのバウンスに関する着陸メッセージは、着陸ロングメッセージである。
【0052】
図6に示すように、本実施形態における着陸ロングメッセージの生成方法は、飛行機が着地したかを判定するステップ610と、飛行機の着地前1秒及び飛行機の着地時点での着陸データと、着地前1秒から着地後3秒の間での着陸データとを採集するステップ620と、飛行機の着陸時にバウンスが発生したかを判断するステップ630とを含む。バウンスが発生していない場合に、ステップ640において、飛行機の着陸時での垂直速度及び垂直加速度が所定値を超えたかを判断し、所定値を超えた場合には、ステップ650において、着陸ショートメッセージを生成し、そうでない場合には、着陸メッセージを生成しない。
【0053】
バウンスが発生した場合に、ステップ660において、飛行機の再び着地前1秒及び着地後3秒間での着陸データを採集するとともに、ステップ670において、再び着地時での垂直加速度が閾値を超えたかを判断し、閾値を超えた場合に、ステップ680において、閾値、閾値を超えた時の最大値、トリガーコード及びトリガー原因を記録する。ステップ690において、二次着陸データをフォーマットして着陸ロングメッセージを生成する。
【0054】
本発明の一つの実施形態において、2つのメーン離着陸装置が圧縮されて十分な時間維持したか、そして、左右のメーン離着陸装置が再び伸長状態になったかを判断することにより、飛行機の着陸時にバウンスが発生したかを判断する。さらに、左右のメーン離着陸装置が再び伸長状態になった継続時間が10秒未満であるかを判断することにより、再び着地したかを確認し、バウンスの発生をさらに確認することもできる。
【0055】
図7は、本発明の一つの実施形態におけるACMSシステムにおいて着陸ロングメッセージを生成するトリガーの関係模式図である。図7に示すトリガーは、図6に示す方法に適用できる。図7に示すように、DMUにおいて、トップサービスTOPSERVは、システムにおいて保留されるトリガーである。飛行機の着地直前のスラットが5度よりも大きく開かれ飛行高度が10000フィート未満であるFINAL APPR段階において、DMUにおけるTOPSERVはトリガーBOUNCE1及びLAND1をアクティブ化させる。BOUNCE1は、2つのメーン離着陸装置が圧縮され且つ十分な時間保持されたかを検知する。
【0056】
BOUNCE1は、メーン離着陸装置が圧縮され十分な時間保持されたかを確認した場合に、トリガーBOUNCE2及びBOUNCE3をアクティブ化させ、左右のメーン離着陸装置が再び伸長状態になったかを検知する。そして、BOUNCE2及びBOUNCE3は、対応するトリガーBOUNCE4又はBOUNCE5をアクティブ化させて、飛行機の飛行状態をさらに確認する。BOUNCE4及びBOUNCE5は、左右のメーン離着陸装置の緩衝支柱の伸長状態を継続に検知し、ある条件が満たされる場合に、飛行機がバウンスを起こったと判断する。
【0057】
BOUNCE4及びBOUNCE5はそれぞれトリガーBOUNCE6及びBOUNCE7をアクティブ化させて、再び着地前1秒及び着地後3秒間における飛行機の着陸データを検索、比較、採集する。
【0058】
BOUNCE7は、さらに、バウンス後の再び着地の垂直加速度が閾値より大きいかを検索、比較し、閾値を超えた場合に、メッセージ内に閾値、閾値を超えた時の最大値、トリガーコード及びトリガー原因を記録する。
【0059】
BOUNCE6及びBOUNCE7により着陸データを取得する方法はLAND3及びLAND4に似ているので、ここでは省略する。
【0060】
LAND1は、飛行機が着地したかを監視するために用いられる。着地した場合に、LAND1はトリガーBOUNCE8をアクティブ化させる。BOUNCE8は、飛行機の着地にバウンスが発生したかに基づいて、着陸ロングメッセージを生成するか着陸ショートメッセージを生成するかを判定する。最後に、メッセージに記録された数値が閲覧・プリントしやすいように二回の着地における着陸関連パラメータのフォーマットを変換し、対応の着陸メッセージを生成する。
【0061】
本発明の一つの実施形態において、以下のように、飛行機の着地時にバウンスが発生したかを検知する。BOUNCE1は、1/32秒内に変化があるかを検出できるように、32回/秒の頻度で、左右のメーン離着陸装置の緩衝支柱の電気スイッチに接近する位置状態を継続に読み取る。その状態が「0」から「1」に変わると、BOUNCE1はカウンタをスタートしてカウントアップする。BOUNCE1は、カウンタが16より大きい場合にのみ、BOUNCE2及びBOUNCE3をアクティブ化させる。これは、2つのメーン離着陸装置が既に圧縮され且つ少なくとも0.5秒保持されたことを意味する。条件が満たされない場合、カウンタはクリアし、再カウントアップする。
【0062】
次に、左のメーン離着陸装置を例に説明する。右のメーン離着陸装置は、同じ方法で処理できる。
【0063】
BOUNCE2は、作動後に、32回/秒の頻度で、左のメーン離着陸装置の圧縮隣接スイッチの位置状態を継続に検知する。パラメータ値が「0」である場合に、カウンタはカウントアップし始める。カウンタのカウント値が32より大きい場合にのみ、BOUNCE4をアクティブ化させるこの場合、左のメーン離着陸装置の緩衝支柱は伸長状態にあり、また、継続時間は1秒より長いである。条件が満たされない場合、カウンタはクリアし、再カウントアップする。
【0064】
BOUNCE4の検知原理はBOUNCE2に類似し、パラメータ値が「0」である場合に、カウンタはカウントアップし始める。パラメータ値が「1」である場合に、カウンタの累算値を判断する。カウンタの累算値が320未満である場合、左のメーン離着陸装置がバウンスを起こったと判断する。この場合、左のメーン離着陸装置の緩衝支柱が伸長状態を保持する時間、即ち空中滞在時間は10秒未満である。そして、再び圧縮状態になる。
【0065】
以上のように、本実施形態においてバウンスを判断する方法における3つの条件は、以下の通りである。
1. 左右のメーン離着陸装置が圧縮状態になり且つ0.5秒以上維持したかを判定すること。
2. 左右のメーン離着陸装置の何れか1つが再び伸長状態になり且つ1秒以上維持したかを判定すること。
3. 左右のメーン離着陸装置の何れか1つが再び伸長状態になり且つ10秒ほど短く維持したかを判定すること。
【0066】
上記条件が満たされると、飛行機の着陸中にバウンスが発生したと考えられる。
【0067】
本発明の一つの実施形態において、BOUNCE8が30秒作動した後に、BOUNCED、LONGLRPT及びBRPTCODEのパラメータ値に基づいて、ロングメッセージを生成するか、それとも、ショートメッセージを生成するかを判断する。
【0068】
ただし、
BOUNCED :状態のパラメータであり、飛行機のブウンスが発生したことを示す。トリガーBOUNCE4又はBOUNCE5によりブウンスのことを検知した場合に、値を付与する。
LONGLRPT:状態のパラメータであり、ロングメッセージが生成され得たことを示す。初めての着地垂直荷重が閾値を超えると、トリガーLAND2/2Bにより垂直荷重が閾値を超えたことを検知した場合に、値を付与する。
BRPTCODE :メッセージのトリガーコードであり、二次着地の場合に閾値を超えると値を付与する。トリガーBOUNCE7により閾値を超えたことを検知した場合に、値を付与する。
【0069】
BOUNCE8は場合に応じて上記パラメータを利用して、ロングメッセージを生成するか、それとも、ショートメッセージを生成するかを判定する。
【0070】
具体的には、下記の表を参照されたい。
【0071】
【表1】
【0072】
図8は、本発明の一つの実施形態における着陸ショートメッセージの例示である。図に示すように、今回の着陸において、垂直速度RALRがわずか1.8フィート/秒であることが分かる。垂直加速度VRTAも、正常な着陸範囲にある1.64Gである。しかし、横加速度はやや高く、0.21Gである。この場合、例えパイロットが着陸がやや重いと報告しても、着陸ショートメッセージから、今回の着陸が正常であり、重着陸又は硬着陸が発生していないことが容易に分かる。
【0073】
図9は、本発明の一つの実施形態における着陸ロングメッセージの例示である。図に示すように、今回の着陸において飛行機がバウンスを起こったことが分かる。1回目の着地において、垂直速度RALRは7.2フィート/秒であり、垂直加速度VRTAは2.07Gである。垂直速度は正常な範囲にあり、垂直加速度も閾値以下である。2回目の着地において、垂直速度RALRは1.5フィート/秒であり、垂直加速度VRTAは2.65Gである。これにより、飛行機は、着陸中においてバウンスを起こり、さらに、二次着地時に垂直荷重が閾値を超えた。
【0074】
飛行機の保守員は、DMUの不揮発性メモリから着陸メッセージを取得したり、コックピットで飛行機の着陸メッセージをプリントしたりすることができ、或いは、性能監視要員は、地上局で、空地データリンクを介してダウンロードした着陸メッセージを読み取り、飛行機の着陸性能を監視して、飛行機の着陸性能の異常をすぐに正確に発見することが確保される。そうすると、飛行機が重着陸又は硬着陸を起こったかを判定するために行う重着陸又は硬着陸の報告後における大量データの処理や検査作業が省かれ、飛行機のエーオージー時間が節約され、飛行機の利用率が向上するとともに、飛行機がセキュリティ上のリスクがある状態で運転することが回避され、飛行機運転のセキュリティリスクが排除される。記録されたデータは、運航業務品質保証部門がパイロットの操作技術品質を評価するにも寄与できる。
【0075】
本発明は、エアバス社のACMSシステムを例に説明したが、本発明の適用は、エアバス社の飛行機に限定されない。本発明は、ボーイング社のAHMシステムを利用してボーイング社の飛行機に適用することもできる。
【0076】
従来技術に比べると、本発明の実施形態は、ACMSシステムが飛行機の着地瞬間に飛行機の着地前後の着陸データを採集し着陸メッセージを生成することにより、飛行機が重着陸又は硬着陸を起こったかを判断する。そうすると、生データを飛行機製造会社に送って分析することなく正確な処置を取ることができるので、事件の処理時間が節約され、航空会社のメンテナンスやランニングコストが大幅に低減される。それと同時に、本発明の実施形態はその検出精度が高く、飛行機の安全性を向上させることができ、乗客の安全を保障できる。また、採集・記録されたデータは、運航業務品質保証部門がパイロットの操作技術品質を評価するにも寄与できる。
【0077】
上記実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく各種の変化又は変更を実施できるので、均等の技術案も全て本発明の開示範囲に属すものと理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9