特許第6100103号(P6100103)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6100103
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】コンソール用ドア装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20170313BHJP
【FI】
   B60R7/04 C
【請求項の数】2
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-124573(P2013-124573)
(22)【出願日】2013年6月13日
(65)【公開番号】特開2015-590(P2015-590A)
(43)【公開日】2015年1月5日
【審査請求日】2015年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】308013436
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 崇裕
(72)【発明者】
【氏名】平位 拓也
【審査官】 森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−216791(JP,A)
【文献】 特開2006−062605(JP,A)
【文献】 特開2010−143514(JP,A)
【文献】 仏国特許出願公開第02948082(FR,A1)
【文献】 特開2009−067105(JP,A)
【文献】 特開2012−101632(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0155787(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 7/00−7/14
B60R 3/00−3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンソール本体に対してコンソールドアが回転操作により開閉できるように組み付けられているコンソール用ドア装置であって、
コンソールドアは、その前後二箇所においてそれぞれ左右一対の支持軸を備えており、コンソール本体は、コンソールドアの前後の支持軸を個別に支持する支持部を備え、
前後の支持軸は、それぞれの支持部による支持を解除することが可能であり、一方の支持軸の支持を解除することにより他方の支持軸を支点としてコンソールドアを回転操作することができ、両支持軸の支持を共に解除することによりコンソールドアをコンソール本体から取外すことができるように構成されており、
コンソールドアが、前後の支持軸の中間位置においてそれぞれ左右一対の摺動部を備え、これらの支持軸は、それぞれの出没操作によってコンソール本体の前後の支持部による支持を解除することが可能に構成され、
コンソール本体は、前後の支持部の間にわたって連続するレールを備え、このレールに対してコンソールドアの摺動部および前後の支持軸が、スライド可能で、かつ、上方へ取外すことが可能に支持され、
少なくとも一方の支持軸に対する支持部の支持を解除することにより、コンソールドアをコンソール本体のレールに沿って前後方向へスライドさせることが可能に構成されているコンソール用ドア装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンソール用ドア装置であって、
コンソールドアが、前後の支持軸の周囲で、かつ、個々の支持軸の軸心と同じ高さの外方位置にそれぞれ設けられた可動ストッパーを備え、これらの可動ストッパーは、それぞれの支持軸の軸心回り方向に関する両側の形状が該支持軸の軸心を通る水平線を基準とした線対称に設定され、
コンソール本体は、それぞれの支持部の近くに設けられた固定ストッパーを備え、これらの固定ストッパーは、コンソールドアが前後の支持軸のいずれかを支点として回転操作されたときに、支点となった支持軸側の可動ストッパーを受止めてコンソールドアの開き角度を規制するように構成されているコンソール用ドア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンソール用ドア装置に関する。詳しくは、コンソールボックス本体(以下、コンソール本体と記す)に対してコンソールドアが回転操作により開閉できるように組み付けられているコンソール用ドア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の一般的なコンソール用ドア装置では、コンソールドアがコンソール本体に対して支持軸を支点として開閉操作されるようになっている。例えば前方開きのコンソールドアの場合、その後端に支持軸が位置しており、この支持軸によってコンソールドアはコンソール本体に結合された構造になっている。
なお、この種のコンソール用ドア装置に関連する先行技術としては、例えば、特許文献1に開示された技術を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−101632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のコンソール用ドア装置では、コンソールドアとコンソール本体とが支持軸によって結合されているため、コンソールドアを前後の両方向から開閉操作することができない。また、コンソールドアをコンソール本体から取外すことができず、リバーシブルで利用可能なコンソールドアには対応することができない。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであって、その目的は、コンソールドアを前後の両方向から開閉操作することができ、尚且つ、リバーシブルで利用可能なコンソールドアにも対応することができるコンソール用ドア装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するためのもので、以下のように構成されている。
コンソール本体に対してコンソールドアが回転操作により開閉できるように組み付けられているコンソール用ドア装置であって、コンソールドアは、その前後二箇所においてそれぞれ左右一対の支持軸を備えており、コンソール本体は、コンソールドアの前後の支持軸を個別に支持する支持部を備えている。コンソールドアの前後の支持軸は、それぞれの支持部による支持を解除することが可能であり、一方の支持軸の支持を解除することにより他方の支持軸を支点としてコンソールドアを回転操作することができる。また、両支持軸の支持を共に解除することによりコンソールドアをコンソール本体から取外すことができるように構成されている。コンソールドアが、前後の支持軸の中間位置においてそれぞれ左右一対の摺動部を備えている。これらの支持軸は、それぞれの出没操作によってコンソール本体の前後の支持部による支持を解除することが可能に構成されている。コンソール本体は、前後の支持部の間にわたって連続するレールを備えている。このレールに対してコンソールドアの摺動部および前後の支持軸が、スライド可能で、かつ、上方へ取外すことが可能に支持され、少なくとも一方の支持軸に対する支持部の支持を解除することにより、コンソールドアをコンソール本体のレールに沿って前後方向へスライドさせることが可能に構成されている。
【0007】
さらに好ましくは、以下のような構成とすることである。
コンソールドアが、前後の支持軸の周囲で、かつ、個々の支持軸の軸心と同じ高さの外方位置にそれぞれ設けられた可動ストッパーを備えている。これらの可動ストッパーは、それぞれの支持軸の軸心回り方向に関する両側の形状が該支持軸の軸心を通る水平線を基準とした線対称に設定されている。
コンソール本体は、それぞれの支持部の近くに設けられた固定ストッパーを備えている。これらの固定ストッパーは、コンソールドアが前後の支持軸のいずれかを支点として回転操作されたときに、支点となった支持軸側の可動ストッパーを受止めてコンソールドアの開き角度を規制するように構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、コンソールドアの前後の支持軸のうち、一方の支持軸の支持を解除することにより他方の支持軸を支点としてコンソールドアを回転操作することができ、両支持軸の支持を共に解除することによりコンソールドアをコンソール本体から取外すことができる。そのため、コンソールドアを前後の両方向から開閉操作することができ、尚且つ、コンソールドアをコンソール本体から取外すことで、リバーシブルで利用可能なコンソールドアにも対応することができる。
【0010】
さらに、本発明では、コンソールドアの開き角度を規制する可動ストッパーが、コンソールドアの支持軸の軸心と同じ高さに設けられ、該支持軸の軸心を通る水平線を基準として線対称に構成されている。そのため、支持軸の軸心を挟んだコンソールドアの上面側と下面側のどちらを意匠面として使用した場合であっても、該コンソールドアの開き角度を一定に規制することができる。それゆえ、リバーシブルで利用可能なコンソールドアにも対応することができる。
【0011】
また、本発明においては、コンソールドアの側部に設けられる支持軸と摺動部が、コンソール本体のレールに沿ってスライドすることを可能とされている。そのため、コンソール本体に対するスライドを可能とされたコンソールドアにおいて、該コンソールドア自身にレール構造を設けることが不要とされ、コンソールドアの構造の簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】センターコンソールの外観斜視図である。
図2】コンソールドアの外観斜視図である。
図3】コンソールドアを構成する各部品の斜視図である。
図4】コンソールドアを構成する各部品の組付け状態を表した上面図である。
図5】ドアレバーとヒンジピンの組付き状態を表した断面図である。
図6】コンソール用ドア装置の作動を表した上面図である。
図7】ドアレバーとヒンジピンの作動を表した断面図である。
図8】ドアレバーと規制バーの作動を表した断面図である。
図9】コンソール用ドア装置の作動を表した図2のIX−IX矢視方向の断面図である。
図10】コンソール用ドア装置の作動を表した図2のX−X矢視方向の断面図である。
図11】コンソール用ドア装置の作動を表した図2のXI−XI矢視方向の断面図である。
図12】コンソールドアを前方にスライドさせた状態を、図11との対応によって表した断面図である。
図13】センターコンソールの後面図と、その一部を拡大して表した図である。
図14】コンソール用ドア装置の作動を表した図13のXIV−XIV矢視方向の断面図である。
図15】コンソールドアを、その前端側から回転操作した状態を表した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。
図1に示すように、コンソールドア10は、車両(主として自動車)のセンターコンソール1におけるコンソール本体2の上部ボックス3に対し、該上部ボックス3の開放上面を開閉するように設置されている。
【0014】
以下、コンソールドア10および上部ボックス3の構成を順次説明していく。
まず、コンソールドア10の構成を説明する。
図2に示すように、コンソールドア10の形は、略直方体で、かつ、前後左右ともに対称形状である。
【0015】
図2および図3に示すように、コンソールドア10は、箱形のドアインナ12を骨格としている。コンソールドア10は、ドアインナ12の上面をドアアウタ14によって被い、さらに、このドアアウタ14の上面にドアパッド16を備えている。
【0016】
ドアインナ12の下面は、その中央部分が凹んでいる(図8および図10参照)。この凹んだ部分は、後述するようにして、ドアインナ12の下面側をコンソールドア10の意匠面として使用した時に、トレイとして使用することができるようになっている。
すなわち、コンソールドア10は、その片側の面にドアパッド16を備え、反対側の面にトレイを備えたリバーシブル構造になっている。
【0017】
ドアインナ12とドアアウタ14の前端と後端は、共に、その左右方向の中央部分が切り欠かれている。そして、図2の組付け状態では、この前後の切り欠き部分の夫々に、後述するドアレバー20の把持部20aが配置されている。
ドアレバー20の把持部20aは、コンソールドア10の上下方向の真ん中に位置している。
【0018】
ドアインナ12の両側の前部および後部には、該ドアインナ12の側壁を厚み方向に貫通した嵌入孔12bが設けられている。図2の組付け状態では、この嵌入孔12b(図3参照)を通じて、後述するヒンジピン23の支持軸25がドアインナ12の外方に突き出している。
嵌入孔12bは、コンソールドア10の上下方向の真ん中となる位置に設けられている。
【0019】
ドアインナ12の両側における前後方向の中央には、該ドアインナ12の外方へ突き出した円筒状の摺動部12aが設けられている。この摺動部12aの内側は、左右方向に貫通されている。図2の組付け状態では、この貫通された部分を通じて、後述するロックピン32の支持棒32aがドアインナ12の外方へ突き出している。
摺動部12aは、コンソールドア10の上下方向の真ん中となる位置に設けられている。
【0020】
コンソールドア10を上部ボックス3に対して閉じた状態(図1参照)にあるとき、コンソールドア10は、外方に突き出した支持軸25および支持棒32aによって、上部ボックス3に対して固定されている。支持軸25および支持棒32aは、上部ボックス3の内壁に設けられている後述する支持部3a(図9乃至図11参照)によって支持されている。
【0021】
ドアアウタ14の両側の前端および後端には、可動ストッパー14aが設けられている。可動ストッパー14aは、後述する上部ボックス3の固定ストッパー3d(図14参照)と接触して、コンソールドア10の上部ボックス3に対する開き角度を規制するように構成されている。
【0022】
図2に示す組付け状態で、可動ストッパー14aは、前後の支持軸25の軸心となる高さに設けられている。また、可動ストッパー14aは、前後の支持軸25の外方位置に設けられている。
【0023】
可動ストッパー14aは、支持軸25の軸心周りの方向に関する両側の形状が、該支持軸25の軸心を通る水平線を基準とした線対称になっている(図2および図14参照)。すなわち、可動ストッパー14aの上面と下面は、コンソールドア10の支持軸25の軸心から上下に同距離だけ離れた位置で、前後に水平に延びている。
【0024】
コンソールドア10の内部には、図3に示すドアレバー20、レバーシャフト22、ヒンジピン23、ヒンジピンリテーナー26、規制バー27、規制バーリテーナー30、ロックピン32、ロックピンリテーナー34、スプリングS1,S2,S3、が備えられている。これらの各部材は、図4に示すようにして、ドアインナ12内で互いに組付けられている。
【0025】
上述した部材のうち、スプリングS3を除く各部材は、コンソールドア10の前後にそれぞれ設けられている。そして、上述した各部材は、ドアインナ12の内部で前後対称に配置されている。そのため、以下ではコンソールドア10の前方側に設けられた各部材の配置と組付けを説明することで、後方側の説明は省略する。
後述するように、規制バー27は、コンソールドア10の前方側に配置されているものと、後方側に配置されているものとで、その形状が一部異なる。その他の部材は、コンソールドア10の前後いずれの側に配置されているものも同じ形状をしている。
【0026】
図4に示すように、ドアインナ12の前端部における左右方向の中央には、ドアレバー20が配置されている。ドアレバー20は、後述する回転支持部20cを介してドアインナ12の係止部に組付けられている。ドアレバー20は、ドアインナ12の係止部によって、回転支持部20cを軸心として上下に回転可能に支持されている。
【0027】
ドアレバー20の前端部分は、左右に延びる把持部20aとなっている(図3参照)。この把持部20aの後方側には、左右に分かれた一対の伝達ブロック20bが形成されている。前述した回転支持部20cは、この両伝達ブロック20bの外側側面に設けられている。
【0028】
ドアレバー20の両伝達ブロック20bにおいて、回転支持部20cの後方側には、後述するレバーシャフト22を左右方向に挿通するための貫通孔20dが設けられている(図3参照)。また、両伝達ブロック20bの後端には、後方へ延びる円筒状の接触子20eが設けられている(図3参照)。両接触子20eは、後述するヒンジピン23のカム部24内に挿入されることによって、ヒンジピン23にドアレバー20の操作力を伝達するように設定されている。
【0029】
図4に示すように、ドアインナ12の内部において、ドアレバー20の両伝達ブロック20bの左右には、個々にヒンジピン23が設けられている。両ヒンジピン23は、ドアインナ12の側壁に沿って前後に延び、その後端側がドアインナ12の中央に向けて屈曲している。両ヒンジピン23は、ドアインナ12の左右方向に移動できるようになっている。
【0030】
両ヒンジピン23において、ドアインナ12の前後方向に延びた部分には、ドアインナ12の外方に向けて突き出した支持軸25が形成されている(図3参照)。支持軸25は円筒状に構成されており、その先端には、外方へ突出する球形状の支持端25aが設けられている。支持軸25は、ドアインナ12の側壁に設けられた嵌入孔12bに対して進退自在に嵌入できるように構成されている。
なお、支持軸25の主部は、ドアインナ12の摺動部12aと同様の外形および寸法になっている。
【0031】
両ヒンジピン23において、ドアインナ12の中央に向かう部分の先端には、カム24部が形成されている(図3参照)。カム部24の前面側の中央部分は、凹んでいる。この凹み部分を形成する壁のうち、ドアインナ12の中央寄りの部分は、カム部24における上下方向の中間点から上下方向へ所定の傾斜角度でそれぞれ延びるカム面24a(図7参照)によって構成されている。
【0032】
図4に示す組付け状態において、両ヒンジピン23のカム部24は、夫々、ドアレバー20の両伝達ブロック20b後方に位置している。そして、両カム部24の凹み部分にドアレバー20の接触子20eが挿入されて、該カム部24と該接触子20eとが連結した状態となっている(図5参照)。
【0033】
ドアレバー20の接触子20eとヒンジピン23のカム部24は、次の作動を可能とされた位置関係にある。すなわち、ドアレバー20の把持部20aの回転操作に伴って、該ドアレバー20の接触子20eがヒンジピン23のカム面24aに沿って移動する。
なお、図7の(A)に示すように、ドアレバー20の把持部20aが図5に示す中立位置にあるとき、ドアレバー20の接触子20eは、上下のカム面24aの中間点に位置している。
【0034】
ヒンジピン23において、そのカム部24の後方部分には突起部23aが設けられている(図3参照)。図4に示すように、この突起部23aは、該突起部23aの外方側の位置でドアインナ12に対して固定されているヒンジピンリテーナー26(図3参照)とスプリングS1によって連結されている。これにより、後述するようにしてヒンジピン23がドアインナ12の内方へ移動した場合には、該ヒンジピン23が常に外方へ付勢されて図4もしくは図7の(A)に示す所定位置に戻るようになっている。
【0035】
図4に示すように、ドアインナ12の内部において、ドアレバー20の後方には、ドアインナ12の左右方向の中央を前後に延びる規制バー27が配置されている。規制バー27は、ドアインナ12の前後方向に移動できるようになっている。
【0036】
規制バー27は、その前端に第1カム部28を備えている(図3参照)。この第1カム部28の内側は、左右方向に貫通されている。この貫通された部分の前端部分は、第1カム部28における上下方向の中間点から上下方向へ所定の傾斜角度でそれぞれ延びるカム面28a(図8参照)によって構成されている。
【0037】
図4に示す組付け状態で、規制バー27の第1カム部28は、ドアレバー20の両伝達ブロック20bの間に配置されている。そして、この第1カム部の貫通部分および両伝達ブロック20bの貫通孔20dに対して、レバーシャフト22が左右方向に挿通されている。レバーシャフト22は、両伝達ブロック20bの外側で抜け留めされている。これにより、規制バー27は、レバーシャフト22を介してドアレバー20と連結している。
【0038】
レバーシャフト22は、ドアレバー20の両伝達ブロック20bと一緒に回転支持部20cを支点とした円弧運動が可能である。そして、レバーシャフト22と規制バー27の第1カム部28は次の作動を可能とされた位置関係にある。すなわち、レバーシャフト22は、ドアレバー20の把持部20aの回転操作に伴って、第1カム部28のカム面28aに沿って移動する。
なお、図8の(A)に示すように、ドアレバー20の把持部20aが図5に示す中立位置にあるとき、レバーシャフト22は、第1カム部28の上下のカム面28aの中間点に位置している。
【0039】
規制バー27において、第1カム部28の後方部分には突起部27aが設けられている(図3参照)。図4に示すように、この突起部27aは、該突起部27aの後方の位置でドアインナ12に対して固定されている規制バーリテーナー30とスプリングS2によって連結されている。これにより、後述するようにして規制バー27が前方へ移動した場合には、該規制バー27が常に後方へ付勢されて図4もしくは図8の(A)に示す所定位置に戻るようになっている。
【0040】
規制バー27の後端には、後述するロックピン32を左右方向に移動させるための第2カム部29が設けられている(図3参照)。第2カム部29の下面側の中央部分は、凹んでいる。この凹み部分を形成する壁は、前方へむけて外方へ開く形状に構成されている。詳述すると、この壁は、ドアインナ12の中央側から左右方向へ所定の傾斜角度でそれぞれ延びるカム面29a(図6参照)を備えている。
この第2カム部29に後述するロックピン32(図3参照)の接触子32bが組付けられることによって、ドアレバー20の操作力がロックピン32に伝達されるように設定されている。
【0041】
上述したように、規制バー27は、ドアインナ12の前方側に配置されているものと、後方側に配置されているものとで、その形状が一部異なる(図3参照)。すなわち、ドアインナ12の後方側に設けられている規制バー27では、その第2カム部29が規制バー27本体の下端側に設けられ、この第2カム部29の上面側が凹んでいる。そして、この凹んだ部分に後述するロックピン32の接触子32bが挿入されている。
【0042】
図4に示すように、この規制バー27の第2カム部29の左右には、ロックピン32が配置されている。ロックピン32は、ドアインナ12中央から両側部に向けて延びている。ロックピン32はドアインナ12に対して固定されているロックピンリテーナー34(図3参照)によって覆われて、左右方向へのみ移動できるようなっている。
【0043】
両ロックピン32のうち、ドアインナ12の外方側の先端には、支持棒32aが設けられている(図3参照)。支持棒32aの先端は、ヒンジピン23の支持端25aと同じ寸法の球形状に構成されている。支持棒32aは、ドアインナ12の摺動部12aに対して進退自在に嵌入できるように構成されている。
なお、ロックピン32の支持棒32aがドアインナ12の摺動部12aから外方に突き出した状態にあるとき(図2参照)に、該支持棒32aと該摺動部12aとが形成する全体物の形状および寸法は、ヒンジピン23の支持軸25と同様の形状および寸法となっている。
【0044】
両ロックピン32のうち、ドアインナ12の内方側の上下には、個々に接触子32bが設けられている。図4に示すように、この上下の接触子32bが、前後の規制バー27における第2カム部29の凹んだ部分に個々に挿入されている。これにより、規制バー27とロックピン32が連結した状態となっている。
【0045】
ロックピン32の接触子32bと規制バー27の第2カム部29は次のような位置関係にある。すなわち、後述するようにして規制バー27がドアインナ12の前後に移動するのに伴って、ロックピン32の接触子32bが、該規制バー27の第2カム部29のカム面29aに常に接触する。
なお、図4もしくは図6に示すように、ドアレバー20の把持部20aが図5に示す中立位置にあるとき、ロックピン32の接触子32bは、規制バー27における第2カム部29のカム面29aの外方端に位置している。
【0046】
左右のロックピン32は、次のようにして、互いに連結されている。すなわち、一方のロックピン32からドアインナ12の内方側に延びる連結棒(図3参照)を、他方のロックピン32の挿入孔が受け入れている。そして、この連結棒には、スプリングS3が巻き付けられている(図4参照)。これにより、後述するようにして、ロックピン32がドアインナ12の内方へ移動した場合には、該ロックピン32が常に外方へ付勢されて図4に示す所定位置に戻るようになっている。
【0047】
上述の組付け状態にある各部材は、図6に示す作動をするように設定されている。すなわち、ドアレバー20の把持部20aを上下に回転操作すると、ヒンジピン23とロックピン32が一緒にドアインナ12の内方側に動くようになっている。
【0048】
図6に示す機構を以下に詳述する。なお、この機構は、コンソールドア10の前方側と後方側とで同一である。すなわち、前方側のドアレバー20を操作すると、前方側のヒンジピン23と一緒にロックピン32が動く。また、後方側のドアレバー20を操作すると、後方側のヒンジピン23と一緒にロックピン32が動く。以下では、この機構をコンソールドア10の前方側によって説明する。
【0049】
まず、ヒンジピン23の作動を主として図7によって説明する。なお、図7の(A)はドアレバー20の把持部20a(図5参照)が中立位置にある状態を、(B)はドアレバー20の把持部20aを下方へ回転操作させた状態を、(C)はドアレバー20の把持部20aを上方へ回転操作させた状態を表している。ロックピン32は、コンソールドア10の左右で対称的に作動するため、図7では左側部分のみを示している。
【0050】
図7に示すように、ドアレバー20の把持部20aを、その中立位置から下方もしくは上方へ回転操作すると、該ドアレバー20の接触子20eがヒンジピン23のカム面24aに沿って上方もしくは下方へ相対的に動いて、ヒンジピン23がドアインナ12の内方側へ案内される。
【0051】
つづいて、規制バー27とロックピン32の作動を主として図6図8によって説明する。なお、図8の(A)はドアレバー20の把持部20aが中立位置にある状態を、(B)はドアレバー20の把持部20aを下方へ回転操作させた状態を、(C)はドアレバー20の把持部20aを上方へ回転操作させた状態を表している。
【0052】
図8に示すように、ドアレバー20の把持部20aを、その中立位置から下方もしくは上方へ回転操作すると、レバーシャフト22が規制バー27の第1カム部28のカム面28aに沿って上方もしくは下方へ相対的に動いて規制バー27がドアインナ12の前方側に案内される。
【0053】
規制バー27が、図4に示す所定位置からドアインナ12の前方側に動くと、該規制バー27の第2カム部29に対するロックピン32の接触子32bの接触位置は、カム面29aの外方端から内方端へと移っていく。そして、図6の矢印によって示すように、ロックピン32がドアインナ12の内方側へと案内される。
【0054】
こうして、ドアレバー20の把持部20aを回転操作すると、ヒンジピン23がドアインナ12の内方側に動き、それと一緒に、ロックピン32がドアインナ12の内方側へと動く。
なお、回転操作されたドアレバー20の把持部20aを自由状態に開放すると、ヒンジピン23と規制バー27とロックピン32は、スプリングS1,S2,S3の付勢力によって、図4に示す所定位置に引き戻される。そして、ドアレバー20の把持部20aは中立位置に戻る。
【0055】
つづいて、コンソールドア10を支持する上部ボックス3の構成を主として図9乃至図14によって説明する。上部ボックス3の構成は、左右対称である。
【0056】
なお、図9の(A),図10の(A),図11の(A)は、ヒンジピン23の支持軸25およびロックピン32の支持棒32aが上部ボックス3によって支持されている状態を表している。また、図9の(B),図10の(B),図11の(B)は、前方側のドアレバー20を回転操作することによって、前方側の支持軸25および支持棒32aに対する支持が解除されている状態を表している。
【0057】
図9乃至図11に示すように、上部ボックス3の左右両側において、その内壁の前端、中央、後端のそれぞれの部分には、ヒンジピン23の支持軸25およびロックピン32の支持棒32aを個々に支持することができるように構成された支持部3aが設けられている。支持部3aは、上部ボックス3の内側で開放した凹形状をしている。
【0058】
図9の(A),図10の(A),図11の(A)に示すように、ヒンジピン23の支持端25aおよびロックピン32の支持棒32aが、この支持部3aに入り込んだ状態にあるとき、該支持端25aおよび該支持棒32aが支持部3aによって支持されている。これにより、コンソールドア10が上部ボックス3によって支持される状態となる。
【0059】
ドアレバー20の把持部20aを回転操作すると、図9の(B),図10の(B),図11の(B)に示すように、ヒンジピン23およびロックピン32がドアインナ12の内方側に動いて、支持端25aおよび支持棒32aに対する支持部3aの支持が解除される。
【0060】
図9乃至図11に示すように、上部ボックス3の左右両側において、その内壁には、コンソールドア10の前後方向のスライドを可能とするレール3bが設けられている。レール3bは、上部ボックス3における前後の支持部3a間にわたって連続している。
【0061】
レール3bは、支持部3aとの間に所定の段差を持たせた凸部によって構成されており、ロックピン32の支持軸25主部およびドアインナ12の摺動部12aを下から支持できるようになっている。
レール3bは、支持軸25主部およびドアインナ12の摺動部12aを下から支持した状態で、該支持軸25の支持端25aおよびロックピン32の支持棒32aを支持部3aに進入させることができる位置に配置されている。
【0062】
レール3bは、支持部3aの下方にのみ設けられている。そのため、支持部3aによるヒンジピン23の支持軸25とロックピン32の支持棒32aに対する支持が解除されると、後述するようなコンソールドア10の上方へ回転操作、もしくは、コンソールドア10の上方へ取り外しが可能となる。
【0063】
図11乃至図12に示すように、レール3bの前後の両端には、コンソールドア10をスライドさせたときに、該コンソールドア10のスライドを所定位置で規制するための抜止部3cが設けられている。
【0064】
抜止部3cは、前後の支持部3aの外方位置に設けられている。また、抜止部3cは、後述するようにして、ヒンジピン23の支持軸25主部もしくはドアインナ12の摺動部12aの側面を受止めた状態で、ヒンジピン23の支持端25aおよびロックピン32の支持棒32aを支持部3aに進入させることができる位置に配置されている。
【0065】
抜止部3cにおける支持部3a側の側面は、前後に延びるレール3bに対して直交している。これにより、該側面は、レール3b上をスライドするヒンジピン23の支持軸25主部もしくはドアインナ12の摺動部12aの側面を受止めることができるようになっている。
【0066】
抜止部3cにおける支持部3aと反対側の側面は、ドアインナ12の内方へ向けて内に傾斜している。これにより、上部ボックス3から引き出した状態にあるコンソールドア10(図12参照)を、再度、上部ボックス3に押し込むときに、コンソールドア10の支持軸25を上部ボックス3の内方へ円滑に案内することができるようになっている。
【0067】
図13乃至図14に示すように、上部ボックス3の内壁には、回転操作されたコンソールドア10の可動ストッパー14aを受止めて、該コンソールドア10の上部ボックス3に対する開き角度を規制する固定ストッパー3dが設けられている。
【0068】
この固定ストッパー3dは、上部ボックス3の前後における左右両側の内壁に夫々設けられている。ここでは、図13の(B)および図14に拡大して示されている上部ボックス3後方の左側部によって、固定ストッパー3dを説明する。
なお、上部ボックス3の前側に設けられている固定ストッパー3dは、ここで示す固定ストッパー3dと前後対称の形状に構成されている。
【0069】
固定ストッパー3dは、前後方向および上下方向に関して、図14における支持軸25と同じ位置に配置されている支持部3aに近い位置に設けられている。詳述すると、固定ストッパー3dは、支持部3aの前方であって、尚且つ、支持部3aの下方となる位置に設けられている。
【0070】
固定ストッパー3dの後面は、下方へむけて所定の傾斜角度で傾斜している。図14に示すように、この後面の傾斜角度に応じて、回転操作されたコンソールドア10の上部ボックス3に対する開き角度が規制されるように設定されている。
【0071】
つづいて、コンソール用ドア装置の操作について説明する。
コンソールドア10は、その前方側もしくは後方側から開閉操作することができる。
【0072】
図1に示すコンソールドア10の閉じ状態で、ロックピン32の支持棒32aおよび前後のヒンジピン23の支持軸25は、図9の(A),図10の(A),図11の(A)に示すように、個々に上部ボックス3の支持部3aによって支持されている。
【0073】
コンソールドア10の前方側を開閉する場合は、前方側のドアレバー20を回転操作する。これにより、図9の(B),図10の(B),図11の(B)に示すように、前方側のヒンジピン23の支持軸25およびロックピン32の支持棒32aについては、支持部3aによる支持が解除される。このとき、後方側のヒンジピン23の支持軸25は、支持部3aによって支持された状態にある。この後方側のヒンジピン23の支持軸25をヒンジ軸として、コンソールドア10の前方側を開閉操作することができる(図15参照)。
【0074】
コンソールドア10の後方側を開閉する場合は、後方側のドアレバー20を回転操作すると、後方側のヒンジピン23の支持軸25およびロックピン32の支持棒32aの支持が解除される。このとき、前方側のヒンジピン23の支持軸25は、支持されたままであるから、この前方側のヒンジピン23の支持軸25をヒンジ軸として、コンソールドア10の後方側を開閉操作することができる。
【0075】
前方側もしくは後方側のドアレバー20を回転操作し、コンソールドア10の自由端となった側を開き方向に回転させていくと、回転操作の支点となった支持軸25側の可動ストッパー14aを上部ボックス3の固定ストッパー3dが受止めて、コンソールドア10の上部ボックス3に対する開き角度が規制される(図14参照)。
【0076】
前方および後方のドアレバー20を共に回転操作すると、前後のヒンジピン23の支持軸25およびロックピン32の支持棒32aに対する支持部3aによる支持が一斉に解除される。これにより、コンソールドア10を上部ボックス3から取外すことができる。
【0077】
コンソールドア10を上部ボックス3から取外すと、上部ボックス3の上面開放口を最大限に開放した状態で該上部ボックス3を使用することができる。
また、コンソールドア10を上部ボックス3から取外すことで、コンソールドア10の上面と下面とを反転させ、該コンソールドア10の意匠面を上面から下面へ、もしくは下面から上面へと入れ替えて、該コンソールドア10を使用することができる。
【0078】
コンソールドア10の可動ストッパー14aは、該コンソールドア10の支持軸25の軸心と同じ高さに設けられ、該支持軸25の軸心を通る水平線を基準として線対称に設定されている。そのため、コンソールドア10の上面と下面のどちらを意匠面として使用した場合であっても、該コンソールドア10の開閉操作に伴う開き角度を一定に規制することができる。
【0079】
取外されたコンソールドア10を上部ボックス3に対して上方から押し込むと、コンソールドア10を上部ボックス3に対して閉じた状態に戻すことができる。
このとき、コンソールドア10から外方へ突き出した状態にあるヒンジピン23の支持軸25およびロックピン32の支持棒32aは、一端、上部ボックス3の内壁によって内方に押しこまれる。そして、ヒンジピン23の支持軸25およびロックピン32の支持棒32aは、上部ボックス3の支持部3aの位置で、スプリングS1,S3の付勢力によって外方へ戻されて、図9の(A)および図10の(A)のように支持部3aに入り込んだ状態となる。
【0080】
図9および図10に示すように、上部ボックス3の左右両側の上端には、下方にむけて内方に傾斜する傾斜面3eが形成されている。そのため、コンソールドア10を上部ボックス3に対して上方から押し込むときに、ヒンジピン23の支持軸25とロックピン32の支持棒32aが、該傾斜面3eによって、上部ボックス3の内側へ円滑に案内される。
【0081】
また、ヒンジピン23の支持軸25の支持端25a、および、ロックピン32の支持棒32aの先端は、球形状に構成されている(図3参照)。そのため、コンソールドア10を上部ボックス3に対して上方から押し込むときに、該支持端25aおよび該支持棒32aと上部ボックス3の内壁との間に働く摩擦抵抗を低減することができる。
【0082】
コンソールドア10は、該コンソールドア10が上部ボックス3の上面全域を塞いだ状態(図1参照)から、前方もしくは後方にスライドさせることができる。
【0083】
図11の(A)に示すように、コンソールドア10が上部ボックス3の上面全域を塞いだ状態にあるとき、前後のヒンジピン23の支持端25aおよびロックピン32の支持棒32aは上部ボックス3の支持部3aによって支持されている。また、ヒンジピン23の支持軸25主部は上部ボックス3の抜止部3cによって前後方向への抜け取れるのを防止されている。これによって、コンソールドア10が前後にスライドすることができないようになっている。
【0084】
コンソールドア10前方のドアレバー20を回転操作すると、図11の(B)に示すようにして、前方側のヒンジピン23の支持軸25およびロックピン32の支持棒32aに対する支持部3aによる支持が解除される。このとき、前方側のヒンジピン23の支持軸25は、コンソールドア10をスライドさせても上部ボックス3の抜止部3cとぶつからない位置まで後退している。
この状態で、コンソールドア10を前方側に引き出すことで、コンソールドア10のスライドが実現される。
【0085】
なお、コンソールドア10における後方側のヒンジピン23の支持端25aは、コンソールドア10を前方側に引っ張ると、上部ボックス3後端の支持部3aから抜けるようになっている。このヒンジピン23の支持端25aは、球形状に構成されている。そのため、支持端25aは支持部3aから円滑に抜ける。
【0086】
コンソールドア10の前方へのスライド時には、図10の(B)に示すようにして、ドアインナ12の摺動部12aがレール3bによって下から支持されている。また、後方側のヒンジピン23の支持軸25が、上部ボックス3の内壁によってコンソールドア10の内方にやや押し込まれた状態で、レール3bによって下から支持されている。
このように、コンソールドア10は、該コンソールドア10自身にレール構造を備えることなく、簡略化された構造によって、上部ボックス3のレール3b上をスライドする。
【0087】
コンソールドア10における前方側の支持軸25が上部ボックス3前端の抜止部3cを越える位置までコンソールドア10をスライドさせると、後は、ドアレバー20の把持部20aから手を離した状態でもコンソールドア10を引き出すことができる。このとき、ロックピン32の支持棒32aが上部ボックス3の内壁によって摺動部12a内に押し込まれた状態で、スライドが継続される。
ただし、ドアレバー20の把持部20aを回転操作したままでも、コンソールドア10のスライドを継続できるのは当然のことである。
【0088】
図12に示すように、コンソールドア10を、その摺動部12aが上部ボックス3前端に到達する位置までスライドさせると、該摺動部12aが上部ボックス3の抜止部3cによって受止められて、コンソールドア10のスライドが停止する。
それと同時に、スプリングS3の付勢力によって、ロックピン32の支持棒32aが外方に戻されて、該支持棒32aが上部ボックス3前端の支持部3aに入り込む。また、スプリングS1の付勢力によって、後方側のヒンジピン23の支持端25aが外方に戻されて、該支持端25aが上部ボックス3中央の支持部3aに入り込む。
【0089】
ヒンジピン23の支持端25a、および、ロックピン32の支持棒32aの先端は、球形状に構成されている。そのため、該支持端25aおよび該支持棒32aの上部ボックス3内壁側から支持部3aへの進入が円滑となる。また、コンソールドア10のスライド中における、該支持端25aおよび該支持棒32aと上部ボックス3の内壁との間に働く摩擦抵抗を低減することができる。
【0090】
図12に示すように、コンソールドア10のスライドを完了させて、ロックピン32の支持棒32aおよび後方側のヒンジピン23の支持端25aが、上部ボックス3の支持部3aによって支持される状態となったとき、上部ボックス3の開放上面は、その前方側の略半分がコンソールドア10によって被われている。
【0091】
前方にスライドさせたコンソールドア10を上部ボックス3に向けて後方へスライドさせると、再び、コンソールドア10によって上部ボックス3の開放上面全体を被う状態とすることができる。
なお、上部ボックス3における抜止部3cの前端は、ドアインナ12の内方へ向けて内に傾斜している(図12参照)。そのため、コンソールドア10の前方側の支持軸25は、上部ボックス3の外側から内側へ円滑に案内される。
【0092】
コンソールドア10を後方側へスライドさせる場合は、つぎのような操作を行う。
コンソールドア10後方のドアレバー20を回転操作すると、後方側のヒンジピン23の支持軸25およびロックピン32の支持棒32aに対する支持部3aによる支持が解除される。このとき、後方側のヒンジピン23の支持軸25は、コンソールドア10をスライドさせても上部ボックス3の抜止部3cとぶつからない位置まで後退している。
この状態で、コンソールドア10を後方側に引き出すことで、コンソールドア10のスライドが実現される。
【0093】
なお、コンソールドア10における前方側のヒンジピン23の支持端25aは、コンソールドア10を後方側に引っ張ると、上部ボックス3後端の支持部3aから抜けるようになっている。
【0094】
コンソールドア10の後方へのスライド時には、ドアインナ12の摺動部12aがレール3bによって下から支持されている。また、前方側のヒンジピン23の支持軸25が、上部ボックス3の内壁によってコンソールドア10の内方にやや押し込まれた状態で、レール3bによって下から支持されている。
【0095】
コンソールドア10を、その摺動部12aが上部ボックス3後端に到達する位置までスライドさせると、該摺動部12aが上部ボックス3の抜止部3cによって受止められて、コンソールドア10のスライドが停止する。
それと同時に、スプリングS3の付勢力によって、ロックピン32の支持棒32aが外方に戻されて、該支持棒32aが上部ボックス3後端の支持部3aに入り込む。また、スプリングS1の付勢力によって、前方側のヒンジピン23の支持端25aが外方に戻されて、該支持端25aが上部ボックス3中央の支持部3aに入り込む。
【0096】
コンソールドア10のスライドを完了させて、ロックピン32の支持棒32aおよび前方側のヒンジピン23の支持端25aが、上部ボックス3の支持部3aによって支持される状態となったとき、上部ボックス3の開放上面は、その後方側の略半分がコンソールドア10によって被われている。
【0097】
後方にスライドさせたコンソールドア10を上部ボックス3に向けて前方へスライドさせると、再び、コンソールドア10によって上部ボックス3の開放上面全体を被う状態とすることができる。
【0098】
本発明において、コンソールドア10の前後の支持軸25は、それぞれの支持部3aによる支持と支持を解除することが可能であり、一方の支持軸25の支持を解除することにより他方の支持軸25を支点としてコンソールドア10を回転操作することができる。そのため、コンソールドア10を上部ボックス3に対して閉じた状態にロックするためのロック部材とヒンジ軸とが支持軸25によって統一化されて、コンソールドア10および上部ボックス3の構造の簡略化を図ることができる。
【符号の説明】
【0099】
2 コンソール本体
3a 支持部
10 コンソールドア
25 支持軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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