特許第6100131号(P6100131)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6100131空気調和機の室内機及びこれを用いた空気調和機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6100131
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】空気調和機の室内機及びこれを用いた空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20170313BHJP
   F24F 11/02 20060101ALI20170313BHJP
【FI】
   F24F1/00 401E
   F24F11/02 103A
   F24F11/02 105Z
   F24F11/02 105B
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-186871(P2013-186871)
(22)【出願日】2013年9月10日
(65)【公開番号】特開2015-55362(P2015-55362A)
(43)【公開日】2015年3月23日
【審査請求日】2015年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】515294031
【氏名又は名称】ジョンソンコントロールズ ヒタチ エア コンディショニング テクノロジー(ホンコン)リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 貴郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】大舘 一夫
(72)【発明者】
【氏名】糸井川 高穂
【審査官】 安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−097766(JP,A)
【文献】 特開2013−170787(JP,A)
【文献】 特開2002−013795(JP,A)
【文献】 特開2000−241003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/20
F24F 11/00−11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内を撮像する撮像手段と光を発する発光手段とを有する基板と、
前記基板の背面側に位置し、光不透過材又は光難透過材で構成される反射板とを備え、
前記撮像手段は前記基板の前面に設置され、前記発光手段は前記基板の背面に設置されている空気調和機の室内機。
【請求項2】
前記基板を覆うカバーを備え、
前記カバーのうち、前記基板の背面側に位置する前記カバーの少なくとも一部が前記反射板であり、
前記カバーのうち、前記基板の前面側に位置する前記カバーの少なくとも一部が光不透過材または光難透過材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機の室内機。
【請求項3】
前記基板は前記撮像手段の光軸が水平線に対して所定角度だけ下方を向くように設置され、
前記発光手段は前記撮像手段よりも上方に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和機の室内機。
【請求項4】
転状態を表示する表示部を複数有する表示ユニットを備え、
前記撮像手段は、前記表示ユニットの近傍に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機の室内機。
【請求項5】
室内の温度を検出する温度検出手段を備え、
前記撮像手段は、前記表示ユニットと前記温度検出手段の間に配置されていることを特徴とする請求項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項6】
室内の温度を検出する温度検出手段と光を発する発光手段とを有する基板と、
前記基板の背面側に位置し、光不透過材又は光難透過材で構成される反射板とを備え、
前記温度検出手段は前記基板の前面に設置され、前記発光手段は前記基板の背面に設置されている空気調和機の室内機。
【請求項7】
運転状態を表示する表示部を複数有する表示ユニットを備え、
前記温度検出手段は、前記表示ユニットの近傍に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の空気調和機の室内機。
【請求項8】
室内を撮像する撮像手段を備え、
前記撮像手段は、前記表示ユニットと前記温度検出手段の間に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の空気調和機の室内機。
【請求項9】
吸込口から吸い込んだ空気を調和する室内熱交換器と、
前記室内熱交換器の上流側に位置するフィルタと、
前記室内熱交換器の下方に位置する露受け皿とを備え、
前記撮像手段は、前記フィルタの下方であって、前記露受け皿の前面側に位置することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の空気調和機の室内機。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の空気調和機の室内機と、
圧縮機、膨張機構、室外熱交換器を有する室外機とを備える空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ケースホルダーに向かって光を照射する発光手段と、発光手段が照射した光の一部が、ケースホルダーに入射した後、ホルダー窓の周縁から出射されることにより、可動式の赤外線センサと運転状況を表示する表示手段との両方を装備する空気調和機の室内機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−027378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1は、センサの基板と別に発光手段の基板が必要となり、コストが増加する。
【0005】
本発明は、撮像手段と発光手段のコストを低減する空気調和機の室内機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の空気調和機の室内機は、室内を撮像する撮像手段と光を発する発光手段とを有する基板と、基板の背面側に位置し、光不透過材又は光難透過材で構成される反射板とを備え、撮像手段は基板の前面に設置され、発光手段は基板の背面に設置されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、撮像手段と発光手段のコストを低減する空気調和機の室内機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る空気調和機の外観図である。
図2】第1実施形態に係る空気調和機の室内機の断面図である。
図3】第1実施形態に係る撮像ユニットの側面図である。
図4】第1実施形態に係る撮像ユニットの正面図である。
図5】撮像ユニット、温度検出ユニット、表示ユニット及びリモコン受光部の拡大図である。
図6】撮像ユニット、温度検出ユニット、表示ユニット及びリモコン受光部の拡大図である。
図7】表示ユニットの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0010】
図1は、第1実施形態に係る空気調和機の外観図である。図1に示すように、空気調和機は、室内機1、室外機2及びリモコン3を備えている。室内機1は、後述するように、室内熱交換器9を備え、室外機2は、圧縮機(図示せず)、膨張機構(図示せず)、室外熱交換器(図示せず)、電装品(図示せず)などを備えている。室内機1と室外機2は冷媒配管で接続され、周知の冷媒サイクルによって、室内機1が設置されている室内を空調する。また、室内機1と室外機2とは、通信ケーブル(図示せず)を介して互いに情報を送受信するようになっている。
【0011】
リモコン3はユーザによって操作され、リモコン3の送信部から室内機1のリモコン受光部4に対して赤外線信号を送信する。当該信号の内容は、運転要求、設定温度の変更、タイマ、運転モードの変更、停止要求などの指令である。空気調和機は、これらの信号に基づいて、冷房モード、暖房モード、除湿モードなどの空調運転を行う。また、リモコン3は、時刻、カレンダ、エアコンの据付位置を制御部へ出力する。
【0012】
撮像ユニット24及び温度検出ユニット25は、前面パネル15の左右方向中央の下部に設置されている。なお、撮像ユニット24及び温度検出ユニット25は、同一の画角で部屋のより広い範囲を見られるよう、前面パネル15の上端にあってもよい。
【0013】
図2は、第1実施形態に係る空気調和機の室内機の断面図である。室内機1の筐体ベース8は、室内熱交換器9、送風ファン10、電装品11などの構造体を内部に収容している。室内熱交換器9は、複数本の伝熱管とフィンを有し、送風ファン10により室内機1に取り込まれた空気を、伝熱管を通流する冷媒と熱交換させ、空気を加熱又は冷却するように構成されている。なお、伝熱管は、前記した冷媒配管(図示せず)に連通し、周知の冷媒サイクル(図示せず)の一部を構成している。
【0014】
露受け皿12は、室内熱交換器9の下方に位置し、室内熱交換器9で冷やされた空気から結露した水が室内に漏れるのを防いでいる。
【0015】
左右風向板13は、室内機1のマイコン(図示せず)からの指示に従い、下部に設けた回動軸(図示せず)を支点にして左右風向板13用モータ(図示せず)により回動される。
【0016】
上下風向板14は、室内機1のマイコン(図示せず)からの指示に従い、回動軸(図示せず)を支点にして上下風向板14用モータ(図示せず)により回動される。
【0017】
前面パネル15は、室内機1の前面を覆うように設置されており、下端を軸として前面パネル15用モータ(図示せず)により回動可能な構成となっている。なお、前面パネル15は、下端に固定されるものとして構成してもよく、回動できない構成であってもよい。
【0018】
図2に示すように、送風ファン10が回転することによって、空気吸込み口17及びフィルタ16を介して室内空気を取り込み、室内熱交換器9で熱交換された空気が吹出し風路18に導かれる。吹出し風路18に導かれた空気は、左右風向板13及び上下風向板14によって風向きを調整され、空気吹出し口19から外部に送り出されて室内を空調する。
【0019】
室内機1における各種センサは、室内の温度を測る室温センサ、室内の湿度を測る湿度センサ、照度センサ、臭いセンサ、気圧センサを備えてもよい。
【0020】
撮像ユニット24及び温度検出ユニット25は、前面側に位置するフィルタ16の下方であって、露受け皿12の前面側に配置されている。このような位置に配置することで、室内機1の吸込み風路及び吹出し風路18の障害になることを防ぐことができる。
【0021】
また、撮像ユニット24は、CCD(Charge Coupled Device)カメラである撮像手段24aを有している。撮像ユニット24を前面側に位置するフィルタ16の下方であって、露受け皿12の前面側に配置することで、前面側に障害がないようにし、撮像範囲が狭まるのを防ぐことができる。
【0022】
なお、撮像手段24aは、空調室内を経時的に撮像して、撮像した画像を画像情報としてA/D変換器に出力する。A/D変換器は、撮像手段24aからアナログ信号として入力される画像情報をデジタル信号に変換し、出力する電子回路である。なお、A/D変換器を撮像手段24aに内蔵することとしてもよい。
【0023】
図3は、第1実施形態に係る撮像ユニットの側面図である。図4は、第1実施形態に係る撮像ユニットの正面図である。撮像ユニット24は、撮像手段24aと発光手段5を有する基板6と、撮像手段24aを覆う撮像ケース22と、反射板21aを有する撮像ケース22を備える。
【0024】
撮像手段24aを有する基板6は、撮像手段24aのレンズの光軸が水平線に対して所定角度だけ下方を向くように設置されており、室内機1が設置されている室内を適切に撮像できるようになっている。
【0025】
発光手段5は、撮像手段24aと同一の基板6に取り付けられている。ここで、仮に発光手段5を撮像手段24aと同様に基板6の前面側の取り付けた場合、直接、発光手段5から発せられた光が撮像手段24aに入り、撮像手段24aの感度を落としてしまい、撮像手段24aが適切に室内を撮像することができなくなる。
【0026】
そこで、本実施形態では、発光手段5を、基板6の背面側に取り付けている。撮像手段24aは基板6の前面側と発光手段5の逆側に取り付けている。そのため、本実施形態によれば、基板6が壁となり、発光手段5から発せられた光が撮像手段24aに直接入ることはない。
【0027】
しかし、そもそも発光手段5は、撮像手段24aの稼動中であることを使用者が把握できるよう室内機1から光を発する役割を担っており、発光手段5を基板6の反対側に設置した場合、発光手段5は室内に向けて光を発することができなくなる。
【0028】
そこで、本実施形態では、基板6の背面側に発光手段5から発せられた光を反射する反射板21aを設けている。
【0029】
本実施形態によれば、撮像手段24aとは別に発光手段5に基板6を設ける必要がないため、撮像ユニット24のコストを低減することができる。また、撮像ユニット24の大きさも小型化することができるため、露受け皿12の前面側の限られたスペースに撮像ユニット24を配置させることができる。つまり、撮像ユニット24のためにスペースを確保する必要がなく、その分、室内熱交換器9を大きくすることができ、空気調和機の省エネルギー化に寄与することができる。
【0030】
また、本実施形態によれば、発光手段5の光で照度を誤検出することを防ぐことができるため、照度を検出するたびに発光手段5の発光を停止する必要がない。撮像手段24aは、照度によってゲインやシャッター速度を変化させることが一般的である。本実施形態は、撮像手段24aに発光手段5の光が入らない構造であるため、撮像対象である室内空間の明るさによって、ゲインやシャッター速度を変化させることができるため、正しい画像を取得することができる。
【0031】
さらに、本実施形態では、台座21が反射板21aを有する構成としている。具体的には、台座21を光不透過材または光難透過材で構成している。そのため、台座21と反射板21aをそれぞれ、撮像ユニット24に配置する必要がないため、さらに撮像ユニット24の小型化を図ることができる。
【0032】
図3及び図4に示すように、反射板21aを基板6の背面側に設けることに加え、基板6の前面側以外の面(上面、下面及び側面)に設けてもよい。背面側に位置する反射板6から反射した光は、例えば、上面側に位置する反射板6でさらに反射して、室内に向けて光を発することができるため、光の放射量を増加させることができる。
【0033】
本実施形態では、発光手段5を撮像手段24aよりも上方に位置させている。本実施形態では、上述したように、基板6を撮像手段24aのレンズの光軸が水平線に対して所定角度だけ下方を向くように設置されている。そのため、発光手段5で発せられた光は、主に、背面に位置する反射板21aで反射し、上面に位置する反射板21aでさらに反射して、室内に向けて放射される。このときに、撮像手段24aを光の放射経路から離すことで、さらに、発光手段5から発せられた光が撮像手段24aを入る量を低減することができる。
【0034】
本実施形態の撮像ユニット24は、ステッピングモータによって左右方向に回動可能な構成であり、撮像ケース22によって撮像手段24aと発光手段5を有する基板6を覆い、撮像ケース22を台座21で支えている。このように、撮像ユニット24を一体化するには、基板6を撮像ケース22で覆う必要がある。
【0035】
このような本実施形態においては、発光手段5から発せられた光は撮像ケース22を介して反射板21aに入り、反射板21aで反射された光は撮像ケース22を介して室内に向けて光が発せられる。すなわち、発光手段5から発せられた光を複数回の撮像ケース22を通過させなければならない。そこで、本実施形態では、撮像ケース22を光透過材で構成している。
【0036】
なお、発光手段5から発せられる光を光透過材である撮像ケース22を介して室内に発することで、光が間接照明となり、意匠性の向上を図ることができる。
【0037】
さらに、撮像ケース22のうち、撮像手段24aの前面側に位置する部分に窓(穴)20を設け、窓20部分に光の屈折率が低い素材で構成されたケースを嵌めこんでいる。本実施形態では、光の屈折率が低い素材として、撮像ケース22とは別の素材を用いているが、撮像ケース22と同じ素材であって厚みを薄くすることで構成してもよい。
【0038】
撮像手段24aと発光手段5を有する基板6が別であって、撮像手段24aのみが回動する構成である場合、回動角度によっては、発光手段5によって放たれた光が撮像手段24aに入ってしまう可能性がある。本実施形態では1つの基板6に撮像手段24aと発光手段5を設置しているため、撮像ユニット24の左右方向における角度によって、発光手段5と反射板21aの位置をずれることがないため、撮像ユニット24の左右方向における角度によって、発光手段5から室内に向けて発せられる光の量が変化するのを防いでいる。
【0039】
本実施形態における撮像手段24aの視野角は、およそ60°である。正面を中央として左右方向に撮像手段24aを45°回動可能な構成としており、合計150°の視野角を実現している。撮像手段24aの回動は、ステッピングモータにより行い、左、中、右の順に行い、右を検出したら中を経由して左に戻る。撮像手段24aの回動に用いるステッピングモータは、その他の検出手段とは独立して設けられている。撮像手段24aとステッピングモータは、ギアやアームで接続され、あるいは、撮像手段24aに直接接続されても良い。
【0040】
本実施形態では、撮像ユニット24について説明したが、温度検出ユニット25aを有する温度検出ユニット25についても、撮像ユニット24と同様な構成とすることができる。
【0041】
温度検出手段25aは、例えば、横×縦が1×1画素、4×4画素、1×8画素で構成されるサーモパイルであり、前面パネル15の左右方向中央の下部に設置されている。なお、温度検出手段25aは、同一の画角で部屋のより広い範囲を見られるよう、前面パネル15の上端にあってもよい。また、温度検出手段25aは、赤外線センサや赤外線カメラで構成してもよい。
【0042】
温度検出手段25aと撮像手段24aの水平方向の視野角は略同じ角度である。あるいは、一方が他方より大きく、回動することにより視野角を変更することでほぼ同等の視野角を得ても良い。
【0043】
温度検出手段25aの視野角は、横1画素×縦8画素の場合、横5°×縦45°程度となる。この温度検出手段27を左右方向に、検出範囲が重ならないよう30回回動させることで、合計150°の視野角を構成している。
【0044】
温度検出手段25aが下方を向く角度は、撮像手段24aが下方を向く角度とほぼ同じである。撮像手段24aと温度検出手段25aの鉛直方向の検出範囲が異なる場合、上端をそろえる。あるいは、下端をそろえても良い。撮像手段24aと温度検出手段25aの水平方向の視野角は略同じ角度である。あるいは、一方が他方より大きく、回動することにより視野角を変更することでほぼ同等の視野角を得ても良い。
【0045】
そして、撮像ユニット24は、温度検出手段25aと水平方向または上下方向に並んで配列される。さらに、撮像ユニット24と温度検出ユニット25は、室内機1の前面中央部や前面上部など空間の検出が可能な位置に近接して設置される。
【0046】
撮像ユニット24は、温度検出ユニット25と独立した駆動機構によって構成されているが、撮像ユニット24の駆動のタイミングは、温度検出ユニット25の駆動のタイミングと同期させてもよい。具体的には、撮像手段24aの撮像する範囲と温度検出手段25aの検出する範囲が重なるタイミングで、撮像ユニット24と温度検出ユニット25を駆動させてもよい。
【0047】
温度検出ユニット25の回動はステッピングモータにより行う。温度検出ユニット25の回動に用いるステッピングモータは、撮像ユニット24とは独立して設けられている。温度検出ユニット25とステッピングモータは、ギアやアームで接続される。あるいは、温度検出手段25aとステッピングモータは、直接接続されても良い。
【0048】
図5及び図6は、撮像ユニット、温度検出ユニット、表示ユニット及びリモコン受光部の拡大図である。図7は、表示ユニットの拡大図である。表示ユニット26は、図7に示すように、複数の表示部から構成されている。そして、例えば、撮像手段24aが人体を検出している場合、表示ユニット26のうち「在室モニター」の表示部が点灯する。在室者は、どの表示部が点灯しているか確認するために、空気調和機の運転状態を表示する表示ユニット26に顔を向ける傾向がある。特に、本実施形態の表示ユニット26は複数の表示部から構成され、単に運転ON・OFFを表示するだけでなく、表示ユニット26のうち「在室モニター」、「クリーン」や「ミスト」など具体的な運転状態を表示する。そのため、在室者はどの表示部が点灯しているか確認するために、空気調和機の運転状態を表示する表示ユニット26に顔を向ける傾向となる。
【0049】
本実施形態では、撮像ユニット24及び温度検出ユニット25を表示ユニット26の近傍に配置している。そのため、在室者が表示ユニット26に顔を向けた際に、その近傍に配置された撮像ユニット24の撮像手段24aでは、高精度でチューニングされる正面向きの在室者を検出することができる。従って、在室者の大きさ、性別、年齢などの属性、及び、在室者までの距離の推定の精度が高めることができる。特に、室内機1の下方に在室者がいる場合、在室者の頭頂部から在室者を検出することが難しいが、室内機1の下方にいる在室者が表示ユニット26を見るために顔をあげることで、高精度で人体を検出することができる。
【0050】
在室者の大きさ、性別、年齢などの属性を検出するためには、在室者の有無や位置を検出する以上に、より高い精度で在室者の画像を検出する必要がある。そこで、本実施形態では、撮像手段24aを表示ユニット26と温度検出手段25aの間に配置している。本実施形態によれば、撮像手段24aを高精度でチューニングされる正面向きの在室者を検出する効果を優先することで、在室者の大きさ、性別、年齢などの属性の推定の精度をより高めることができる。
【0051】
また、温度検出ユニット25の温度検出手段25aについても、在室者が表示ユニット26に顔を向けた際に、投影面積が大きい状態で在室者の顔や頭を検出することができ、高精度で在室者の温度を検出することができる。特に、アフロヘアーのように頭皮から髪の外側までの距離が大きい場合には、髪の表面温度は空調空気の冷気・暖気に冷やされ・暖められるため、真に検出したい温度の検出精度を下げる危険性がある。そのため、投影面積が大きい状態で在室者の顔や頭を検出できる本実施形態の効果は大きい。
【0052】
さらに、温度検出ユニット24、撮像ユニット25及び表示ユニット26を横並びに配置することで、室内機1の前面において、左右方向及び上下方向の連続性が生まれ、バラバラに配置されることによる乱雑さを低減でき、意匠性が高くなる。特に、温度検出ユニット24、撮像ユニット25及び表示ユニット26が黒帯内など室内機1の前面パネル15を略貫く意匠部分に配置されることで、より高い意匠性を得ることができる。
【0053】
さらに、リモコンからの信号を受信するリモコン受光部4を表示ユニット26の近傍に配置してもよい。本実施形態では、表示ユニット26とリモコン受光部4の間に温度検出ユニット24及び撮像ユニット25を配置する構成としている。
【0054】
なお、本実施形態では、温度検出ユニット24及び撮像ユニット25を表示ユニット26の横に配置しているが、表示ユニット26の上下方向に配置してもよい。
【0055】
本実施形態では、空気調和機の室内機に用いる撮像ユニット24及び温度検出手段25について説明してきたが、この撮像ユニット24及び温度検出手段25は、ビル空調用の空気調和機やその他家電製品、監視用カメラや室内環境を見張るセンサ機能全般に使用することができる。
【0056】
特に、撮像手段24aが、撮像した画像から照度を検出し、また、撮像手段24aで撮像した画像のホワイトバランスによって、太陽光や人工光を判別する機能を有する場合、発光手段5から発せられた光で誤検出することを防ぐ重要性が高い。
【0057】
また、本実施形態では、必ずしも基板6の前面以外の面全体を反射板21aで覆う必要がなく、基板6の背面だけ、又は、基板6の背面に加えて上面、下面及び側面の一部を覆う構成としてもよい。また、反射板21aを有するカバーを球状に構成してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 室内機
2 室外機
3 リモコン
4 リモコン受光部
5 発光手段
6 基板
8 筐体ベース
9 熱交換器
10 送風ファン
11 電装品
12 露受け皿
13 左右風向板
14 上下風向板
15 前面パネル
16 フィルタ
17 吸込み口
18 吹出し風路
19 空気吹出し口
20 撮像ケース
21 カバー
22 窓
23 センサ視野
24 撮像ユニット
24a 撮像手段
25 温度検出ユニット
25a 温度検出手段
26 表示ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7