(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記上流側搬送方向導光板部は、硬貨搬送方向上流側よりも下流側が前記搬送面に近づくように傾斜していて前記上流側光源からの前記上流側搬送方向導光板部に沿う光を上流側かつ下側から下流側かつ上側に向けて照射し、
前記一側導光板部は、硬貨搬送方向上流側よりも下流側が前記搬送面に近づくように傾斜する上流側傾斜板部と、前記上流側光路変換部を含み前記搬送面に平行に配置される一側平行板部とを有し、該一側平行板部は前記上流側光源からの前記上流側傾斜板部に沿う光を上面で反射させ、前記上流側光路変換部で変換して、下面で反射させることにより前記一の側方かつ下側から前記他の側方かつ上側に向けて照射し、
前記下流側搬送方向導光板部は、硬貨搬送方向下流側よりも上流側が前記搬送面に近づくように傾斜していて前記下流側光源からの前記下流側搬送方向導光板部に沿う光を下流側かつ下側から上流側かつ上側に向けて照射し、
前記他側導光板部は、硬貨搬送方向下流側よりも上流側が前記搬送面に近づくように傾斜する下流側傾斜板部と、前記下流側光路変換部を含み前記搬送面に平行に配置される他側平行板部とを有し、該他側平行板部は前記下流側光源からの前記下流側傾斜板部に沿う光を上面で反射させ、前記下流側光路変換部で変換して、下面で反射させることにより前記他の側方かつ下側から前記一の側方かつ上側に向けて照射することを特徴とする請求項1記載の硬貨処理装置。
前記一側平行板部の主発光面と、前記他側平行板部の主発光面とが互いに平行をなして硬貨搬送方向の位置を合わせていることを特徴とする請求項2記載の硬貨処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の装置は、硬貨に全方向から光を照射可能なため、判別精度が向上することになるが、光源の数が多くなるため、部品点数が増大するとともに構造が複雑化し、コストが増大してしまう。また、特に通路幅方向における光源の設置スペースが必要となるため、実装する際のスペース効率が悪いという課題があった。
【0005】
したがって、本発明は、コストを低減することができ、スペース効率を向上できる硬貨処理装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、搬送路を構成し上面の搬送面で硬貨を案内する透光性の搬送板と、前記搬送板の下側に設けられて前記搬送面上を移動する硬貨に光を照射する照射部と、前記搬送板の下側に設けられて前記搬送面上を移動する硬貨を識別する識別部と、を有する硬貨処理装置であって、前記照射部は、前記識別部による硬貨識別位置に対して硬貨搬送方向上流側に配置される上流側光源と、前記上流側光源の前記硬貨識別位置側に配置される上流側導光板部と、前記硬貨識別位置に対して搬送方向下流側に配置される下流側光源と、前記下流側光源の前記硬貨識別位置側に配置される下流側導光板部と、を有し、前記上流側導光板部は、前記上流側光源からの光を硬貨搬送方向に沿って導光し前記硬貨識別位置にある硬貨に対して搬送方向上流側から照射する上流側搬送方向導光板部と、該上流側搬送方向導光板部の側部から搬送方向下流側に延出し前記上流側光源からの光を硬貨搬送方向に沿って導光し上流側光路変換部で硬貨搬送方向に対し交差する方向に変換して前記硬貨識別位置にある硬貨に対して一の側方から照射する一側導光板部と、を有し、前記下流側導光板部は、前記下流側光源からの光を硬貨搬送方向に沿って導光し前記硬貨識別位置にある硬貨に対して搬送方向下流側から照射する下流側搬送方向導光板部と、該下流側搬送方向導光板部の側部から搬送方向上流側に延出し前記下流側光源からの光を硬貨搬送方向に沿って導光し下流側光路変換部で硬貨搬送方向に対し交差する方向に変換して前記硬貨識別位置にある硬貨に対して他の側方から照射する他側導光板部と、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記上流側搬送方向導光板部は、硬貨搬送方向上流側よりも下流側が前記搬送面に近づくように傾斜していて前記上流側光源からの前記上流側搬送方向導光板部に沿う光を上流側かつ下側から下流側かつ上側に向けて照射し、前記一側導光板部は、硬貨搬送方向上流側よりも下流側が前記搬送面に近づくように傾斜する上流側傾斜板部と、前記上流側光路変換部を含み前記搬送面に平行に配置される一側平行板部とを有し、該一側平行板部は前記上流側光源からの前記上流側傾斜板部に沿う光を上面で反射させ、前記上流側光路変換部で変換して、下面で反射させることにより前記一の側方かつ下側から前記他の側方かつ上側に向けて照射し、前記下流側搬送方向導光板部は、硬貨搬送方向下流側よりも上流側が前記搬送面に近づくように傾斜していて前記下流側光源からの前記下流側搬送方向導光板部に沿う光を下流側かつ下側から上流側かつ上側に向けて照射し、前記他側導光板部は、硬貨搬送方向下流側よりも上流側が前記搬送面に近づくように傾斜する下流側傾斜板部と、前記下流側光路変換部を含み前記搬送面に平行に配置される他側平行板部とを有し、該他側平行板部は前記下流側光源からの前記下流側傾斜板部に沿う光を上面で反射させ、前記下流側光路変換部で変換して、下面で反射させることにより前記他の側方かつ下側から前記一の側方かつ上側に向けて照射することを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記一側平行板部の主発光面と、前記他側平行板部の主発光面とが互いに平行をなして硬貨搬送方向の位置を合わせていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、硬貨搬送方向において前記主発光面の中央位置が前記硬貨識別位置と一致していることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に係る発明において、前記一側導光板部は前記搬送面の通路幅方向の前記一側導光板部側の端から通路幅の1/4の位置に向けて光を照射することになり、前記他側導光板部は前記搬送面の通路幅方向の前記他側導光板部側の端から通路幅の1/4の位置に向けて光を照射することを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に係る発明において、前記上流側導光板部には、上側に上流側反射板が設けられ下側に上流側光吸収シートが設けられており、前記下流側導光板部には、上側に下流側反射板が設けられ下側に下流側光吸収シートが設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明において、前記上流側光源と前記上流側導光板部と前記上流側反射板と前記上流側光吸収シートとを有する上流側組立体と、前記下流側光源と前記下流側導光板部と前記下流側反射板と前記下流側光吸収シートとを有する下流側組立体と、が共通部品であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、上流側搬送方向導光板部が上流側光源からの光を硬貨搬送方向に沿って導光し硬貨識別位置にある硬貨に対して搬送方向上流側から照射する。また、この上流側搬送方向導光板部の側部から搬送方向下流側に延出する一側導光板部が上流側光源からの光を硬貨搬送方向に沿って導光し上流側光路変換部で硬貨搬送方向に対し交差する方向に変換して硬貨識別位置にある硬貨に対して一の側方から照射する。また、下流側搬送方向導光板部が下流側光源からの光を硬貨搬送方向に沿って導光し硬貨識別位置にある硬貨に対して搬送方向下流側から照射する。また、この下流側搬送方向導光板部の側部から搬送方向上流側に延出する他側導光板部が下流側光源からの光を硬貨搬送方向に沿って導光し下流側光路変換部で硬貨搬送方向に対し交差する方向に変換して硬貨識別位置にある硬貨に対して他の側方から照射する。このように、上流側光源と上流側導光板部と下流側光源と下流側導光板部とによって硬貨に四方向から光を照射することができる。よって、部品点数を低減でき、構造を簡素化できる上、硬貨に四方向から光を照射することによって硬貨の模様が鮮明となり識別部による識別精度を向上させることができる。一側導光板部と他側導光板部とで硬貨に通路幅方向の両側から光を照射するため、この通路幅方向における光源の設置スペースが不要となり、実装する際のスペース効率が向上する。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、上流側搬送方向導光板部が、上流側光源からの光を上流側かつ下側から下流側かつ上側に向けて照射し、一側導光板部が、上流側光源からの光を一の側方かつ下側から他の側方かつ上側に向けて照射することになる。また、下流側搬送方向導光板部が、下流側光源からの光を下流側かつ下側から上流側かつ上側に向けて照射し、他側平行板部が、下流側光源からの光を他の側方かつ下側から一の側方かつ上側に向けて照射することになる。これにより、硬貨への四方向からの光の照射角度を浅くすることが容易に可能になり、硬貨の凹凸により生じる陰影をより際立たせることができる。よって、識別部による識別精度をさらに向上させることができる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、一側平行板部の主発光面と、他側平行板部の主発光面とが互いに平行をなして硬貨搬送方向の位置を合わせているため、照射ムラを抑制しつつ硬貨に通路幅方向両側から良好に光を照射できることになる。よって、識別部による識別精度をさらに向上させることができる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、硬貨搬送方向において主発光面の中央位置が識別部による硬貨の硬貨識別位置と一致しているため、識別部による識別精度をさらに向上させることができる。
【0017】
請求項5に係る発明によれば、一側導光板部は搬送面の通路幅方向の一側導光板部側の端から通路幅の1/4の位置に向けて光を照射することになり、他側導光板部は搬送面の通路幅方向の他側導光板部側の端から通路幅の1/4の位置に向けて光を照射するため、照射ムラを抑制しつつ硬貨の下面の通路幅方向の全体に良好に光を照射することができる。よって、識別部による識別精度をさらに向上させることができる。
【0018】
請求項6に係る発明によれば、上流側導光板部には、上側に上流側反射板が設けられ下側に上流側光吸収シートが設けられているため、上流側光源からの光の上方への拡散を上流側反射板で抑制するとともに、上流側光源からの光が識別部に直接及ぶことを上流側光吸収シートで抑制する。よって、上流側光源からの光を効率良く硬貨に照射することができるとともに、上流側光源からの光で識別部の識別精度に及ぼす影響を低減することができる。同様に、下流側導光板部には、上側に下流側反射板が設けられ下側に下流側光吸収シートが設けられているため、下流側光源からの光の上方への拡散を下流側反射板で抑制するとともに、下流側光源からの光が識別部に直接及ぶことを下流側光吸収シートで抑制する。よって、下流側光源からの光を効率良く硬貨に照射することができるとともに、下流側光源からの光で識別部の識別精度に及ぼす影響を低減することができる。
【0019】
請求項7に係る発明によれば、上流側光源と上流側導光板部と上流側反射板と上流側光吸収シートとを有する上流側組立体と、下流側光源と下流側導光板部と下流側反射板と下流側光吸収シートとを有する下流側組立体とが共通部品であるため、製造効率の向上が図れるとともに部品管理が容易になる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一実施形態に係る硬貨処理装置を図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る硬貨処理装置は、機外から投入されたバラ硬貨を識別しつつ計数して金種別に収納する硬貨処理装置である。
図1に示すように、本実施形態に係る硬貨処理装置1は、外部から硬貨が投入される硬貨投入繰出部10を有している。
【0022】
硬貨投入繰出部10は、水平に配置された回転円盤12と、この回転円盤12の外縁部から鉛直に立ち上がる、一部が切り欠かれた略円筒状の側壁部13と、回転円盤12との間に硬貨一枚分の隙間をもって側壁部13の切欠部分に設けられた分別環14とを有している。
【0023】
硬貨投入繰出部10には、機外からバラ硬貨が投入される。この状態で回転円盤12が
図1における反時計回りに回転すると、その遠心力によって硬貨が側壁部13の内周面に沿って運ばれる。さらに硬貨は、回転円盤12と分別環14との隙間を介して一枚ずつ分離されて硬貨投入繰出部10から外に順次繰出される。
【0024】
硬貨投入繰出部10の硬貨繰出位置には、硬貨投入繰出部10から繰り出された硬貨を一列状に案内する搬送路20と、搬送路20上の硬貨を搬送するフィードユニット21とが設けられている。
【0025】
搬送路20は、回転円盤12の接線方向に沿って配置された第1搬送部23と、この第1搬送部23の回転円盤12とは反対側から直交方向に延出する第2搬送部24と、この第2搬送部24の第1搬送部23とは反対側から直交方向に延出する第3搬送部25とを有している。第1搬送部23には、搬送中の硬貨の金種を識別しつつ計数する識別装置部27が設けられている。
【0026】
第2搬送部24には、硬貨を落下可能であり落下した硬貨を機外に取出可能に案内するリジェクト口28と、識別装置部27で識別不能と識別された硬貨をリジェクト口28に落下させるリジェクト部29とが設けられている。リジェクト口28から落下した硬貨は、図示略のリジェクト箱に排出される。
【0027】
第3搬送部25には、識別装置部27で計数された硬貨を金種別に選別する選別部32が設けられている。この選別部32は、硬貨を落下可能な金種別の選別口32a〜32fを有しており、これら選別口32a〜32fが第3搬送部25の延在方向に並べられて設けられている。これら選別口32a〜32fは、硬貨を小さい外径のものから落下させるようになっており、最も上流側の選別口32aが1円硬貨を、その下流側の選別口32bが50円硬貨を、その下流側の選別口32cが5円硬貨を、その下流側の選別口32dが100円硬貨を、その下流側の選別口32eが10円硬貨を、その下流側の選別口32fが500円硬貨を、それぞれ別々に落下させるようになっている。各選別口32a〜32fの直前位置には硬貨を検知する硬貨検知センサ33a〜33fが設けられており、硬貨検知センサ33a〜33fの隣り合うもの同士の検知枚数の差から、選別口32a〜32fのうちの間にあるものから落下した硬貨の数を計数するようになっている。
【0028】
フィードユニット21は、複数の搬送ベルト35,36を有しており、これらの搬送ベルト35,36が、硬貨投入繰出部10から繰り出された硬貨を上側から搬送路20に押し付けて搬送する。この搬送中、硬貨は、まず、識別装置部27で識別され計数されることになる。識別装置部27で識別不能であった硬貨は、リジェクト部29によってリジェクト口28から落下させられ、それ以外の硬貨は、選別部32の金種別の選別口32a〜32fの対応するものから落下する。
【0029】
なお、図示は略すが、選別口32a〜32fの下側には、選別口32a〜32fから落下した硬貨を機外に返却可能に一時貯留する金種別の一時貯留部と、一時貯留部に貯留された硬貨を出金可能に収納する金種別の出金収納部とが設けられている。
【0030】
識別装置部27は、搬送路20の第1搬送部23に設けられている。第1搬送部23において硬貨搬送方向に対して直交する水平方向を通路幅方向とすると、第1搬送部23は、上面の搬送面39が水平に配置されて回転円盤12の接線方向に直線状に延びる通路部40と、通路部40の通路幅方向両側に立設されて通路部40と同方向に延びる側壁部41,42とを有している。通路部40は、硬貨投入繰出部10から繰り出された硬貨の下面を搬送面39で支持してその移動を案内することになり、側壁部41,42はその際に硬貨が一列状に並ぶように硬貨の外周面を案内する。
【0031】
識別装置部27は、通路部40の一部を構成する搬送板45を有している。搬送板45は、その上面の搬送面46が搬送面39の一部を構成することになり、搬送面39の他の部分と同様、硬貨の下面を案内する。搬送板45は、透光性の材料からなり、具体的にはガラス板からなっている。
【0032】
識別装置部27は、
図2に示すように、搬送板45の上側の通路幅方向の両側にガイド部材48,49を有している。ガイド部材48は、
図1に示す側壁部41の一部を構成しており、ガイド部材49は、
図1に示す側壁部42の一部を構成している。
図2に示すように、搬送板45はその上面のガイド部材48,49の間部分が硬貨Cを案内する搬送面46となっている。
【0033】
識別装置部27は、
図3〜
図5に示すように、上記した搬送板45と、この搬送板45の下側に設けられて、搬送面46上を移動する硬貨Cに光を照射する照射部51と、搬送板45の下側に設けられて搬送面46上を移動する硬貨Cを識別する識別部52とを有している。
【0034】
識別部52は、搬送板45の下側に配置される集光部としてのセルホックレンズ55と、セルホックレンズ55の下側に配置される画像検出部としてのラインセンサ56とを有している。セルホックレンズ55およびラインセンサ56は、搬送面46の通路幅方向に延在するように配置されており、搬送面46における硬貨搬送方向の位置を互いに一致させている。識別部52は、セルホックレンズ55およびラインセンサ56によって、これらの真上の硬貨識別位置にある硬貨Cの通路幅方向に沿う線画像を検出しこの線画像を時系列的につないで硬貨Cの外径および模様を簡易的に検出して、真偽、正損、金種等を識別する。
【0035】
照射部51は、セルホックレンズ55およびラインセンサ56の真上である、識別部52による硬貨の硬貨識別位置(以下、硬貨識別位置と称す)に対して硬貨搬送方向上流側および下流側にそれぞれ配置される共通部品である組立体61,61を有している。以下の説明においては、硬貨識別位置に対して硬貨搬送方向上流側に設けられる組立体61およびその構成部品の符号に(U)を添え、硬貨識別位置に対して硬貨搬送方向下流側に設けられる組立体61およびその構成部品の符号に(L)を添えて、それぞれを区別する。
【0036】
図3に示すように、組立体61(U)は、一対の組立体61(U),61(L)のうち硬貨搬送方向上流側に設けられる上流側組立体である。組立体61(U)は、基板65(U)と、基板65(U)に実装される複数のLED66(U)からなる光源67(U)と、基板65(U)に載置される導光板68(U)と、導光板68(U)の上面に貼着される反射板69(U)と、導光板68(U)の硬貨識別位置側の下側に配置される光吸収シート70(U)とを有しており、これらが組み立てられて一体的に構成されている。反射板69(U)は、組立体61(U),61(L)のうち硬貨搬送方向上流側の組立体61(U)に設けられる上流側反射板であり、光吸収シート70(U)は、硬貨搬送方向上流側の組立体61(U)に設けられる上流側光吸収シートである。
【0037】
上流側組立体61(U)の基板65(U)は、搬送面46に平行な状態から、通路幅方向に平行をなす仮想軸線を中心に硬貨搬送方向上流側よりも下流側が搬送面46に近づくように傾斜させられている。
【0038】
基板65(U)の上面に実装された光源67(U)は、硬貨識別位置に対して硬貨搬送方向上流側に配置される上流側光源となっている。この光源67(U)を構成する複数(具体的には8個)のLED66(U)は、すべて硬貨搬送方向の位置および高さを合わせており、通路幅方向に等間隔で一列状に配置されている。これらLED66(U)は、光軸の方向を基板65(U)の上面に平行かつ平面視で硬貨搬送方向に平行な方向としており、硬貨搬送方向の下流側つまり硬貨識別位置側に向けている。
【0039】
導光板68(U)は、透明アクリル板からなるもので、中間部分に板厚方向に貫通する配置穴91(U)が形成されている。導光板68(U)は、この配置穴91(U)内に複数のLED66(U)を配置するようにして基板65(U)上に載置されて基板65(U)に取り付けられている。導光板68(U)は、基板65(U)上に載置される平板状の平板部92(U)を有している。
【0040】
平板部92(U)は、配置穴91(U)の硬貨搬送方向下流側に位置する前側導光板部93(U)と、配置穴91(U)の通路幅方向両側に位置する側板部94(U),95(U)と、配置穴91(U)の硬貨搬送方向上流側に位置する背板部96(U)とを有している。平板部92(U)は、基板65(U)に載置されることで基板65(U)と同様に傾斜して配置されている。つまり、平板部92(U)は、硬貨搬送方向上流側よりも下流側が搬送面46に近づくように傾斜して配置されている。平板部92(U)は、
図4に示すように、搬送面46とのなす角度θ1(U)が0度よりも大きく15度以下の範囲で傾斜させられており、具体的にはθ1(U)=10度に傾斜させられている。よって、平板部92(U)は、搬送面46に対して鋭角をなしており、硬貨搬送方向の位置が同じならば搬送面46からの距離が等距離となっている。
【0041】
前側導光板部93(U)は、硬貨識別位置に対して硬貨搬送方向上流側に配置されている。前側導光板部93(U)は前端面98(U)および後端面99(U)が板厚方向に平行をなしかつ通路幅方向に平行をなしている。
【0042】
導光板68(U)は、
図3に示すように、前側導光板部93(U)の硬貨搬送方向下流側の通路幅方向の一側部から硬貨搬送方向下流側に延出する延出導光板部100(U)を有している。前側導光板部93(U)と延出導光板部100(U)とが、光源67(U)の硬貨識別位置側に配置される上流側の導光板部101(U)となっている。
【0043】
延出導光板部100(U)は、前側導光板部93(U)と同一平面に配置されることで硬貨搬送方向上流側よりも下流側が搬送面46に近づくように傾斜する基端側の基端板部102(U)と、搬送面46に対して平行をなすように基端板部102(U)に対して屈曲する先端側の先端板部103(U)とを有している。基端板部102(U)は、上流側の導光板68(U)において搬送面46に対し傾斜する上流側傾斜板部となっている。先端板部103(U)は通路幅方向の一側で搬送面46に対して平行をなす一側平行板部となっている。
【0044】
延出導光板部100(U)の先端板部103(U)には、通路幅方向の外側に、板厚方向に平行をなすとともに平面視で硬貨搬送方向に対して傾斜する傾斜面105(U)が形成されている。先端板部103(U)には、通路幅方向の内側に板厚方向に平行をなすとともに平面視で硬貨搬送方向に対して平行をなす端面106(U)が形成されている。端面106(U)は、延出導光板部100(U)の中で主に発光する主発光面となっている。硬貨搬送方向において端面106(U)の中央位置が、セルホックレンズ55およびラインセンサ56の位置、つまり硬貨識別位置と一致している。
【0045】
光源67(U)を構成する複数のLED66(U)のうち、最も延出導光板部100(U)側の一つのLED66(U)は、この延出導光板部100(U)と通路幅方向の位置を合わせており、残りの複数(具体的には7個)のLED66(U)は、前側導光板部93(U)の延出導光板部100(U)が形成されていない部分と通路幅方向の位置を合わせている。前側導光板部93(U)は、複数のLED66(U)つまり光源67(U)と、硬貨識別位置との間に配置されている。
【0046】
前側導光板部93(U)は、これと通路幅方向の位置を合わせている複数のLED66(U)からの光を硬貨搬送方向に沿って導光し前側導光板部93(U)の硬貨搬送方向下流側の
図4に示す前端面98(U)から発光させて、硬貨識別位置にある硬貨Cに対して搬送方向上流側から照射する。前側導光板部93(U)は、硬貨識別位置よりも上流側の上流側搬送方向導光板部となっている。
【0047】
前側導光板部93(U)は、その板厚方向に直交する方向かつ平面視で硬貨搬送方向に平行する方向に、複数のLED66(U)のそれぞれの光軸上の光を導光することになる。前側導光板部93(U)は、硬貨搬送方向上流側よりも下流側が搬送面46に近づくように傾斜していることから、複数のLED66(U)のそれぞれからの光軸上の光を平面視で硬貨搬送方向に平行に、上流側かつ下側から下流側かつ上側に向けて照射する。このときの照射角度は、前側導光板部93(U)の傾斜と同様に、搬送面46に対し0度より大きく15度以下(具体的には10度)となっている。
【0048】
図3に示すように、延出導光板部100(U)は、この延出導光板部100(U)と通路幅方向の位置を合わせているLED66(U)からの光軸上の光を、基端板部102(U)が前側導光板部93(U)と同様、板厚方向に直交しかつ平面視で硬貨搬送方向に平行をなすように導光し(
図6〜
図9に示す光路X1,X2参照)、その後、先端板部103(U)がこれに設けられた傾斜面105(U)で反射させることで硬貨搬送方向に対し交差する方向に変換して硬貨識別位置にある硬貨Cに対して一の側方の下側から通路幅方向に沿って他の側方の上側に向けて照射する(
図6〜
図9に示す光路X3〜X5参照)。つまり、延出導光板部100(U)は通路幅方向一側に位置する一側導光板部となっており、傾斜面105(U)は、上流側の導光板68(U)の延出導光板部100(U)に形成された上流側光路変換部となっている。
【0049】
より詳しくは、先端板部103(U)はLED66(U)からの基端板部102(U)に沿う平面視で搬送方向に平行な光軸上の光(
図6〜
図9に示す光路X1参照)を上面107(U)で反射させ(
図6〜
図9に示す光路X2参照)、傾斜面105(U)によって平面視で通路幅方向に平行な方向に変換して(
図6〜
図9に示す光路X3参照)、下面108(U)で反射させることにより(
図6〜
図9に示す光路X4参照)、端面106(U)から、平面視で通路幅方向に沿う姿勢のまま通路幅方向の一の側方かつ下側から他の側方かつ上側に向けて照射する(
図6〜
図9に示す光路X5参照。光路X5は硬貨搬送方向に直交する平面内に配置される)。なお、端面106(U)から大気へ出射する際の屈折率の違いから出射後は出射直前よりもさらに上向きに傾斜する。
図5に示すように、この出射光の搬送面46に対する角度θ2(U)が0度より大きく20度以下(具体的には15度)となるように設定されている。延出導光板部100(U)は、搬送面46の通路幅方向の延出導光板部100(U)側の端から通路幅Wの1/4の位置つまりW/4の位置に向けてLED66(U)からの光軸上の光を照射するようになっている。
【0050】
図3に示す反射板69(U)は、導光板68(U)の平板部92(U)の上面全体を覆っており、配置穴91(U)の上部開口を塞いでいる。延出導光板部100(U)は反射板で覆われてはいない。また、光吸収シート70(U)は、図示略の支持部材を介して基板65(U)に取り付けられており、前側導光板部93(U)の硬貨識別位置側の下側にこれと平行に配置され、延出導光板部100(U)の下方に配置されている。
【0051】
組立体61(L)は、一対の組立体61(U),61(L)のうち硬貨搬送方向下流側に設けられる下流側組立体である。組立体61(L)は、基板65(L)と、基板65(L)に実装される複数のLED66(L)からなる光源67(L)と、基板65(L)に載置される導光板68(L)と、導光板68(L)の上面に貼着される反射板69(L)と、導光板68(L)の硬貨識別位置側の下側に配置される光吸収シート70(L)とを有しており、これらが組み立てられて一体的に構成されている。反射板69(L)は、組立体61(U),61(L)のうち硬貨搬送方向下流側の組立体61(L)に設けられる下流側反射板であり、光吸収シート70(L)は、硬貨搬送方向下流側の組立体61(L)に設けられる下流側光吸収シートである。
【0052】
下流側組立体61(L)の基板65(L)は、搬送面46に平行な状態から、通路幅方向に平行な仮想軸線を中心に硬貨搬送方向下流側よりも上流側が搬送面46に近づくように傾斜させられている。
【0053】
基板65(L)の上面に実装された光源67(L)は、硬貨識別位置に対して硬貨搬送方向下流側に配置される下流側光源となっている。この光源67(L)を構成する複数(具体的には8個)のLED66(L)は、すべて硬貨搬送方向の位置および高さを合わせており、通路幅方向に等間隔で一列状に配置されている。これらLED66(L)は、光軸の方向を基板65(L)の上面に平行かつ平面視で硬貨搬送方向に平行な方向としており、硬貨搬送方向の上流側つまり硬貨識別位置側に向けている。
【0054】
導光板68(L)は、透明アクリル板からなるもので、中間部分に板厚方向に貫通する配置穴91(L)が形成されている。導光板68(L)は、この配置穴91(L)内に複数のLED66(L)を配置するようにして基板65(L)上に載置されて基板65(L)に取り付けられている。導光板68(L)は、基板65(L)上に載置される平板状の平板部92(L)を有している。
【0055】
平板部92(L)は、配置穴91(L)の硬貨搬送方向上流側に位置する前側導光板部93(L)と、配置穴91(L)の通路幅方向両側に位置する側板部94(L),95(L)と、配置穴91(L)の硬貨搬送方向下流側に位置する背板部96(L)とを有している。平板部92(L)は、基板65(L)に載置されることで基板65(L)と同様に傾斜して配置されている。つまり、平板部92(L)は、硬貨搬送方向下流側よりも上流側が搬送面46に近づくように傾斜して配置されている。平板部92(L)は、
図4に示すように搬送面46とのなす角度θ1(L)が0度よりも大きく15度以下の範囲で傾斜させられており、具体的にはθ1(L)=10度に傾斜させられている。よって、平板部92(L)は、搬送面46に対して鋭角をなしており、硬貨搬送方向の位置が同じならば搬送面46からの距離が等距離となっている。
【0056】
前側導光板部93(L)は、硬貨識別位置に対して硬貨搬送方向下流側に配置されている。前側導光板部93(L)は前端面98(L)および後端面99(L)が板厚方向に平行をなしかつ通路幅方向に平行をなしている。
【0057】
図3に示すように、導光板68(L)は、前側導光板部93(L)の硬貨搬送方向上流側の通路幅方向の一側部(延出導光板部100(U)とは反対側の側部)から硬貨搬送方向上流側に延出する延出導光板部100(L)を有している。前側導光板部93(L)と延出導光板部100(L)とが光源67(L)の硬貨識別位置側に配置される下流側の導光板部101(L)となっている。
【0058】
延出導光板部100(L)は、前側導光板部93(L)と同一平面に配置されることで硬貨搬送方向下流側よりも上流側が搬送面46に近づくように傾斜する基端側の基端板部102(L)と、搬送面46に対して平行をなすように基端板部102(L)に対して屈曲する先端側の先端板部103(L)とを有している。基端板部102(L)は、下流側の導光板68(L)において搬送面46に対し傾斜する下流側傾斜板部となっている。先端板部103(L)は通路幅方向の先端板部103(U)とは反対の他側で
図4に示すように搬送面46に対して平行をなす他側平行板部となっている。
【0059】
図3に示すように、延出導光板部100(L)の先端板部103(L)には、通路幅方向の外側に、板厚方向に平行をなすとともに平面視で硬貨搬送方向に対して傾斜する傾斜面105(L)が形成されている。先端板部103(L)には、通路幅方向の内側に板厚方向に平行をなすとともに平面視で硬貨搬送方向に対して平行をなす端面106(L)が形成されている。端面106(L)は、延出導光板部100(L)の中で主に発光する主発光面となっている。硬貨搬送方向において端面106(L)の中央位置が、セルホックレンズ55およびラインセンサ56の位置、つまり硬貨識別位置と一致している。先端板部103(L)の端面106(L)と、先端板部103(U)の端面106(U)とが互いに平行をなして硬貨搬送方向の位置を合わせている。言い換えれば、端面106(L)と端面106(U)とは通路幅方向において対向している。
【0060】
光源67(L)を構成する複数のLED66(L)のうち、最も延出導光板部100(L)側の一つのLED66(L)は、この延出導光板部100(L)と通路幅方向の位置を合わせており、残りの複数(具体的には7個)のLED66(L)は、前側導光板部93(L)の延出導光板部100(L)が形成されていない部分と通路幅方向の位置を合わせている。前側導光板部93(L)は、複数のLED66(L)つまり光源67(L)と、硬貨識別位置との間に配置されている。
【0061】
前側導光板部93(L)は、これと通路幅方向の位置を合わせている複数のLED66(L)からの光を硬貨搬送方向に沿って導光し前側導光板部93(L)の硬貨搬送方向上流側の前端面98(L)から発光させて、硬貨識別位置にある硬貨Cに対して搬送方向下流側から照射する。前側導光板部93(L)は、硬貨識別位置よりも下流側の下流側搬送方向導光板部となっている。
【0062】
前側導光板部93(L)は、その板厚方向に直交する方向かつ平面視で硬貨搬送方向に平行する方向に、複数のLED66(L)のそれぞれの光軸上の光を導光することになる。硬貨搬送方向下流側よりも上流側が搬送面46に近づくように傾斜していることから、前側導光板部93(L)は、複数のLED66(L)のそれぞれからの光軸上の光を平面視で硬貨搬送方向に平行に、下流側かつ下側から上流側かつ上側に向けて照射する。このときの照射角度は、前側導光板部93(L)の傾斜と同様に搬送面46に対し0度より大きく15度以下(具体的には10度)となっている。
【0063】
延出導光板部100(L)は、この延出導光板部100(L)と通路幅方向の位置を合わせているLED66(L)からの光軸上の光を、基端板部102(L)が前側導光板部93(L)と同様、板厚方向に直交しかつ平面視で硬貨搬送方向に平行をなすように導光し(
図6〜
図9に示す光路X1,X2参照)、その後、先端板部103(L)がこれに設けられた傾斜面105(L)で反射させることで硬貨搬送方向に対し交差する方向に変換して硬貨識別位置にある硬貨Cに対して延出導光板部100(U)とは反対側の他の側方の下側から通路幅方向に沿って延出導光板部100(U)側の一の側方の上側に向けて照射する(
図6〜
図9に示す光路X3〜X5参照)。つまり、延出導光板部100(L)は通路幅方向において延出導光板部100(U)とは反対の他側に位置する他側導光板部となっており、傾斜面105(L)は下流側の導光板68(L)の延出導光板部100(L)に形成された下流側光路変換部となっている。
【0064】
より詳しくは、先端板部103(L)はLED66(L)からの基端板部102(L)に沿う平面視で搬送方向に平行な光軸上の光(
図6〜
図9に示す光路X1参照)を上面107(L)で反射させ(
図6〜
図9に示す光路X2参照)、傾斜面105(L)によって平面視で通路幅方向に平行な方向に変換して(
図6〜
図9に示す光路X3参照)、下面108(L)で反射させることにより(
図6〜
図9に示す光路X4参照)、端面106(L)から、平面視で通路幅方向に沿う姿勢のまま通路幅方向の他の側方かつ下側から一の側方かつ上側に向けて照射する(
図6〜
図9に示す光路X5参照。光路X5は硬貨搬送方向に直交する平面内に配置される)。なお、端面106(L)から大気へ出射する際の屈折率の違いから出射後は出射直前よりもさらに上向きに傾斜する。
図5に示すように、この出射光の搬送面46に対する角度θ2(L)が0度より大きく20度以下(具体的には15度)となるように設定されている。延出導光板部100(L)は、搬送面46の通路幅方向の延出導光板部100(L)側の端から通路幅Wの1/4の位置つまりW/4の位置に向けてLED66(L)からの光軸上の光を照射するようになっている。
【0065】
図3に示す反射板69(L)は、導光板68(L)の平板部92(L)の上面全体を覆っており、配置穴91(L)の上部開口を塞いでいる。延出導光板部100(L)は反射板で覆われてはいない。また、光吸収シート70(L)は、図示略の支持部材を介して基板65(L)に取り付けられており、前側導光板部93(L)の硬貨識別位置側の下側に配置され、延出導光板部100(L)の下方に配置されている。
【0066】
以上に述べた本実施形態によれば、
図1に示す硬貨投入繰出部10に投入された硬貨は、硬貨投入繰出部10から繰り出され、フィードユニット21で駆動されて搬送路20で一列状に並べられて搬送される。すると、識別装置部27においては、
図3に示すように、硬貨Cが搬送中に搬送面46上を移動することになり、識別部52が硬貨識別位置においてラインセンサ56により硬貨Cの下面の画像を取り込むことになる。
【0067】
このとき、照射部51は、導光板68(U)の前側導光板部93(U)が光源67(U)からの光を硬貨搬送方向に沿って導光し硬貨識別位置にある硬貨Cに対して搬送方向上流側かつ下側から搬送方向下流側かつ上側に向け斜めに照射する。これとともに、この前側導光板部93(U)の側部から搬送方向下流側に延出する延出導光板部100(U)が光源67(U)からの光を硬貨搬送方向に沿って導光し傾斜面105(U)で硬貨搬送方向に対し交差する方向に変換して同じく硬貨識別位置にある硬貨Cに対して一の側方かつ下側から他の側方かつ上側に向けて斜めに照射する。また、導光板68(U)の前側導光板部93(L)が光源67(L)からの光を硬貨搬送方向に沿って導光し同じく硬貨識別位置にある硬貨Cに対して搬送方向下流側かつ下側から搬送方向上流側かつ上側に向けて斜めに照射する。これとともに、この前側導光板部93(L)の側部から搬送方向上流側に延出する延出導光板部100(L)が光源67(L)からの光を硬貨搬送方向に沿って導光し傾斜面105(L)で硬貨搬送方向に対し交差する方向に変換して同じく硬貨識別位置にある硬貨Cに対して他の側方かつ下側から一の側方かつ上側に向けて斜めに照射する。
【0068】
このように、光源67(U)と、前側導光板部93(U)および延出導光板部100(U)からなる導光板部101(U)と、光源67(L)と、前側導光板部93(L)および延出導光板部100(L)からなる導光板部101(L)とによって、硬貨識別位置にある硬貨Cに対して搬送方向の前後方向(縦方向)および左右方向(横方向)の四方向の斜め下側から光を照射することができる。よって、部品点数を低減でき、構造を簡素化できる上、硬貨Cに四方向から光を照射することによって硬貨Cの全周に光が回って硬貨Cの凹凸による模様が鮮明となり識別部52による識別精度を向上させることができる。延出導光板部100(U)と延出導光板部100(L)とで硬貨Cに通路幅方向の両側から光を照射するため、この通路幅方向における光源の設置スペースが不要となり、実装する際のスペース効率が向上する。
【0069】
また、前側導光板部93(U)が、光源67(U)からの光を上流側かつ下側から下流側かつ上側に向けて照射し、延出導光板部100(U)が、光源67(U)からの光を一の側方かつ下側から他の側方かつ上側に向けて照射することになり、前側導光板部93(L)が、光源67(L)からの光を下流側かつ下側から上流側かつ上側に向けて照射し、延出導光板部100(L)が、他の側方かつ下側から一の側方かつ上側に向けて照射することになる。これにより、前側導光板部93(U)および延出導光板部100(U)からなる導光板部101(U)と、前側導光板部93(L)および延出導光板部100(L)からなる導光板部101(L)の硬貨Cへの四方向からの光の照射角度を浅くすることが容易に可能になり、硬貨Cの凹凸により生じる陰影をより際立たせることができる。よって、識別部52による識別精度をさらに向上させることができる。
【0070】
また、先端板部103(U)の主に発光する端面106(U)と、先端板部103(L)の主に発光する端面106(L)とが互いに平行をなして硬貨搬送方向の位置を合わせているため、照射ムラを抑制しつつ硬貨Cに通路幅方向両側から良好に光を照射できることになる。よって、識別部52による識別精度をさらに向上させることができる。
【0071】
また、硬貨搬送方向において先端板部103(U),103(L)の端面106(U),106(L)の中央位置が識別部52による硬貨Cの硬貨識別位置と一致しているため、識別部52による識別精度をさらに向上させることができる。
【0072】
また、延出導光板部100(U)は搬送面46の通路幅方向の延出導光板部100(U)側の端から通路幅の1/4の位置に向けて光を照射することになり、延出導光板部100(L)は搬送面46の通路幅方向の延出導光板部100(L)側の端から通路幅の1/4の位置に向けて光を照射するため、照射ムラを抑制しつつ硬貨Cの下面の通路幅方向の全体に良好に光を照射することができる。よって、識別部52による識別精度をさらに向上させることができる。
【0073】
また、導光板部101(U)には、上側に反射板69(U)が設けられ下側に光吸収シート70(U)が設けられているため、光源67(U)からの光の上方への拡散を反射板69(U)で抑制するとともに、光源67(U)からの光が識別部52に直接及ぶことを光吸収シート70(U)で抑制する。よって、光源67(U)からの光を効率良く硬貨Cに照射することができるとともに、光源67(U)からの光で識別部52の識別精度に及ぼす影響を低減することができる。同様に、導光板部101(L)には、上側に反射板69(L)が設けられ下側に光吸収シート70(L)が設けられているため、光源67(L)からの光の上方への拡散を反射板69(L)で抑制するとともに、光源67(L)からの光が識別部52に直接及ぶことを光吸収シート70(L)で抑制する。よって、光源67(L)からの光を効率良く硬貨Cに照射することができるとともに、光源67(L)からの光で識別部52の識別精度に及ぼす影響を低減することができる。
【0074】
また、導光板部101(U)を含む導光板68(U)と光源67(U)と反射板69(U)と光吸収シート70(U)とを有する組立体61(U)と、導光板部101(L)を含む導光板68(L)と光源67(L)と反射板69(L)と光吸収シート70(L)とを有する組立体61(L)とが共通部品であるため、製造効率の向上が図れるとともに部品管理が容易になる。