【文献】
Journal de Chimie Physique et de Physico-Chimie Biologique,1995年,92(10),p.1823-1828
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の他の特徴、態様、主題及び利益は、以下に続く説明及び実施例を読むとさらによりはっきりと明らかになるであろう。
【0031】
I.3芳香族単位のアゾメチン型化合物
本発明による式(I)の直接染料は、レゾルシノール(メタ−ジヒドロキシベンゼン)に由来する少なくとも1つの単位及びアゾメチン結合を含む。
【0032】
An
−は、たとえば、クロリドなどの、ハロゲン化物イオン、メトサルフェート、硝酸イオン;メチルスルホネートすなわちメシレート及びエチルスルホネートなどのアルキルスルホネート:Alk−S(O)
2O
−;ベンゼンスルホネート及びトルエンスルホネートすなわちトシレートなどのアリールスルホネート:Ar−S(O)
2O
−;シトレート;スクシネート;タータレート;ラクテート;メチルサルフェートなどのアルキルサルフェート:Alk−O−S(O)O−;ベンゼンサルフェート及びトルエンサルフェートなどのアリールサルフェート;ホスフェート;アセテート;トリフレート;並びにテトラフルオロボレートなどのボレートなどの、アニオン又は化粧品として許容されるアニオンの混合物を示す。
【0033】
好ましくは、An
−は、ブロミド、クロリド、メチルサルフェート、トルエンスルホネートイオン又はこれらイオンの混合物から選択されるアニオン性対イオンである。
【0034】
一実施形態によれば、切り離して又は組み合わせて考えられる、本発明によるアゾメチン型直接染料についての式(I)において、
・nは、0、1又は2に等しい整数を意味し;
・Rは、
−1つ又は複数のヒドロキシル又はイミダゾリウム
、An−基(An−は、アニオン又は化粧品として許容されるアニオンの混合物を示す)で任意選択的に置換された、C
1〜C
2アルキル
基;
−C
1〜C
2アルコキシ
基;
−塩素原子
を意味し;
・R
1は、
−水素原子、
−線状又は分岐C
1〜C
9アルキル
基、
−ヒドロキシル
基で置換された、線状又は分岐C
1〜C
3アルキル
基、
−C
1〜C
2アルコキシ
基
を意味し;
・R
2は、
−水素原子、
−線状又は分岐C
3〜C
9アルキル
基、
−C
1〜C
2アルコキシ
基、
−R
1が水素原子以外であるときC
1〜C
2アルキル
基
を意味し;及び/又は
・Xは、
−ヒドロキシル
基、
−−NR
3R
4基(ここで、
・R
3は、水素原子又は1つ又は複数のヒドロキシル又はC
1〜C
2アルコキシ
基で任意選択的に置換された、線状又は分岐C
1〜C
3アルキル
基を意味し;
・R
4は、水素原子又は1つ又は複数のヒドロキシル又はC
1〜C
2アルコキシ
基で任意選択的に置換された、線状又は分岐C
1〜C
3アルキル
基を意味する)
を意味し;
・R
1及びR
2が水素原子を意味し、且つnが0に等しいとき、Xはヒドロキシル又はアミノ−NH
2基を意味しないことが理解される。
【0035】
具体的な実施形態によれば、切り離して又は組み合わせて考えられる、本発明によるアゾメチン型直接染料についての式(I)において、
・nは、0、1又は2に等しい整数を意味し;
・Rは、
−メチル
基、
−塩素原子
を意味し;
・R
1は、
−水素原子、
−メチル、ペンチル又はヘプチル
基、
−ヒドロキシル
基で置換されたメチル
基、
−メトキシ
基
を意味し;
・R
2は、
−水素原子、
−プロピル
基、
−メトキシ
基
−R
1が水素原子以外であるときメチル
基、
を意味し;
及び/又は
・Xは、
−ヒドロキシル
基、
−−NR
3R
4基(ここで、
・R
3は、水素原子又はエチル若しくはイソプロピル
基を意味し、
・R
4は、水素原子又は1つ又は複数のヒドロキシル
基で任意選択的に置換された、線状又は分岐C
1〜C
3アルキル
基を意味する)
を意味し;
・R
1及びR
2が水素原子を意味し、且つnが0に等しいとき、Xはヒドロキシル又はアミノ−NH
2基を意味しないことが理解される。
【0036】
好ましくは、nは、0、1又は2、特に1又は2に等しい整数を意味する。好ましくは、nは、1に等しい整数を意味する。
【0037】
好ましくは、Rは、線状又は分岐C
1〜C
4アルキル
基、特にC
1〜C
2アルキル
基を意味する。特に、Rはメチル
基を意味する。
【0038】
好ましくは、R
1は、水素原子又は線状若しくは分岐C
1〜C
9アルキル
基を意味する。特に、Rは、水素原子又はメチル
基を意味する。
【0039】
本発明による直接染料についての式(I)に従って、R
2は、R
1が水素原子以外であるときC
1〜C
2アルキル
基を意味する。言い換えれば、R
1が水素原子を意味するとき、R
2は、C
1〜C
2アルキル
基以外である。
【0040】
好ましくは、R
2は水素原子を意味する。
【0041】
一実施形態によれば、R
1は
、水素原子又は線状若しくは分岐C
1〜C
9アルキル
基、特にC
1アルキル
基を意味し、R
2は水素原子を意味する。
【0042】
別の実施形態によれば、R
1は水素原子を意味し、R
2はC
1〜C
2アルコキシ
基を意味する。
【0043】
別の実施形態によれば、R
1は、ヒドロキシル
基で置換された、線状又は分岐C
1〜C
3アルキル
基を意味し、R
2は水素原子を意味する。
【0044】
別の実施形態によれば、R
1は水素原子を意味し、R
2は、線状又は分岐C
3〜C
9アルキル
基、特にC
3アルキル
基を意味する。
【0045】
別の実施形態によれば、R
1は、線状又は分岐C
1〜C
9アルキル
基、特にC
1を意味し、R
2は、C
1〜C
2アルキル
基、特にC
1アルキル
基を意味する。
【0046】
好ましくは、Xは、−NR
3R
4基(ここで、R
3は、水素原子又はヒドロキシル
基で任意選択的に置換された、線状又は分岐C
1〜C
3アルキル
基を意味し、R
4は、水素原子又はヒドロキシル
基で任意選択的に置換された、線状又は分岐C
1〜C
3アルキル
基を意味する)を意味する。
【0047】
好ましい実施形態によれば、Xは−NR
3R
4基(ここで、R
3及びR
4は水素原子を表す)を意味する。
【0048】
別の好ましい実施形態によれば、Xは−NR
3R
4基(ここで、R
3及びR
4は水素原子とは異なる)を意味する。
【0049】
好ましくは、本発明による式(I)のアゾメチン型直接染料は、以下の化合物及びそれらの幾何異性体若しくは光学異性体、有機若しくは無機酸とのそれらの塩、又は水和物などのそれらの溶媒和物から選択される:
【0065】
好ましくは、本発明による式(I)の直接染料は、アゾメチン型化合物1、2、3、12、13、17、19、26、28、35、37、44、46、53及び55から選択される。
【0066】
より好ましくは、式(I)の直接染料は、アゾメチン型化合物1、2、3及び13から選択される。
【0067】
式(I)の直接染料は、以下に記載される手順:
【化3】
に従って得ることができる。
【0068】
式(I)に相当するアゾメチン型直接染料は一般に、2当量の誘導体1を酸化剤の存在下で1当量のレゾルシノール2と反応させることによって得られる。使用される塩基は好ましくはアンモニアの水溶液であり、酸化剤は好ましくは、過酸化水素、空気及び過硫酸アンモニウムから選択される。
【0069】
この反応スキームに類似の方法は、仏国特許出願公開第2234277号明細書、仏国特許出願公開第2047932号明細書、仏国特許出願公開第2106661号明細書及び仏国特許出願公開第2121101号明細書に記載されている。
【0070】
本発明はまた、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトケラチン繊維を着色するための前に記載されたような式(I)の1つ又は複数のアゾメチン型直接染料の使用に関する。
【0071】
II.染色組成物
本明細書で前に示されたように、本発明はまた、前に定義した式(I)の1つ又は複数の直接染料を、好適な染色媒体中に含む、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトケラチン繊維を染色するための組成物に関する。
【0072】
好ましくは、染色組成物は、アゾメチン型化合物1、2、3、12、13、17、19、26、28、35、37、44、46、53及び55並びにそれらの混合物から選択される式(I)の1つ又は複数の直接染料を含む。
【0073】
より好ましくは、染色組成物は、アゾメチン型化合物1、2、3及び13並びにそれらの混合物から選択される式(I)の1つ又は複数の直接染料を含む。
【0074】
前に定義した直接染料は、染色組成物の総重量に対して、0.001重量%〜10重量%の範囲の含有率で、好ましくは0.005重量%〜6重量%の範囲の含有率で本発明による染色組成物中に存在してもよい。
【0075】
本発明に従って、染色組成物は、前に定義した式(I)の1つ又は複数の直接染料と、任意選択的に、前に定義された式(I)を満たす構造を有するが、式中、R
1及びR
2が水素原子を意味し、nが0に等しいときに、Xがヒドロキシル又はアミノ−NH
2基を意味してもよい1つ又は複数の直接染料とを含有する。
【0076】
言い換えれば、R
1及びR
2が水素原子を意味し、nが0に等しいときに、Xがヒドロキシル又はアミノ−NH
2基を意味しないことを示す式(I)で定義される条件は、本発明による染色組成物がその式(I)が上述の条件を満たすであろういかなるアゾメチン直接染料も含まないことを暗示しない。
【0077】
言い換えれば、上述の条件は、染色組成物中に必然的に存在する式(I)の直接染料のみに塗布され、前記組成物中に任意選択的に存在してもよいものには塗布されない。
【0078】
本発明による染色組成物は、1つ又は複数の酸化染料をさらに含んでもよい。
【0079】
酸化染料は一般に、1つ又は複数のカプラーと任意選択的に組み合わせられた酸化塩基から選択される。
【0080】
例として、酸化塩基は、パラ−フェニレンジアミン類、ビス(フェニル)アルキレンジアン、パラ−アミノフェノール類、オルト−アミノフェノール類及び複素環塩基、並びにそれらの付加塩から選択される。
【0081】
挙げることができるパラ−フェニレンジアミン類としては、たとえば、パラ−フェニレンジアミン、パラ−トルエンジアミン、2−クロロ−パラ−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジプロピル−パラ−フェニレンジアミン、4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチルアニリン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、4−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−メチルアニリン、4−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノ−2−クロロアニリン、2−β−ヒドロキシエチル−パラ−フェニレンジアミン、2−フルオロ−パラ−フェニレンジアミン、2−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミン、N−(β−ヒドロキシプロピル)−パラ−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−3−メチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−(エチル−β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、N−(β,γ−ジヒドロキシプロピル)−パラ−フェニレンジアミン、N−(4’−アミノフェニル)−パラ−フェニレンジアミン、N−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、2−β−アセチルアミノエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、N−(β−メトキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、4−アミノフェニルピロリジン、2−チエニル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−アミノトルエン及び3−ヒドロキシ−1−(4’−アミノフェニル)ピロリジン、並びに酸とのそれらの付加塩がある。
【0082】
上述のパラ−フェニレンジアミン類の中で、パラ−フェニレンジアミン、パラ−トルエンジアミン、2−イソプロピル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチル−パラ−フェニレンジアミン、2−β−ヒドロキシエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、2,6−ジエチル−パラ−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−パラ−フェニレンジアミン、2−クロロ−パラ−フェニレンジアミン及び2−β−アセチルアミノエチルオキシ−パラ−フェニレンジアミン、並びに酸とのそれらの付加塩が特に好ましい。
【0083】
ビス(フェニル)アルキレンジアミンの中では、例として、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)−1,3−ジアミノプロパノール、N,N ’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4’−アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)−N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(4−メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’−ビス(エチル)−N,N’−ビス(4’−アミノ−3’−メチルフェニル)エチレンジアミン、1,8−ビス(2,5−ジアミノフェノキシ)−3,6−ジオキサオクタン及びそれらの付加塩を挙げることができる。
【0084】
パラ−アミノフェノール類の中では、例として、パラ−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−3−フルオロフェノール、4−アミノ−3−クロロフェノール、4−アミノ−3−(ヒドロキシメチル)フェノール、4−アミノ−2−メチルフェノール、4−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)フェノール、4−アミノ−2−(メトキシメチル)フェノール、4−アミノ−2−(アミノメチル)フェノール、4−アミノ−2−[(β−ヒドロキシエチル)アミノメチル]フェノール、4−アミノ−2−フルオロフェノール及び酸とのそれらの付加塩を挙げることができる。
【0085】
オルト−アミノフェノール類の中に、例として、2−アミノフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、2−アミノ−6−メチルフェノール、5−アセトアミド−2−アミノフェノール及びそれらの付加塩を挙げることができる。
【0086】
複素環塩基の中では、例として、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体及びピラゾール誘導体を挙げることができる。
【0087】
ピリジン誘導体の中では、2,5−ジアミノピリジン、2−(4−メトキシフェニル)アミノ−3−アミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン及びそれらの付加塩などの、たとえば、英国特許第1 026 978号明細書及び英国特許第1 153 196号明細書に記載されている化合物を挙げることができる。
【0088】
本発明で有用な他のピリジン酸化塩基は、たとえば、仏国特許出願公開2 801 308号明細書に記載されている3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン酸化塩基又はそれらの付加塩である。例として、ピラゾロ[1,5−a]ピリド−3−イルアミン、2−(アセチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリド−3−イルアミン、2−(モルホリン−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリド−3−イルアミン、3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−カルボン酸、2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリド−3−イルアミン、(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリド−7−イル)メタノール、2−(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリド−5−イル)エタノール、2−(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリド−7−イル)エタノール、(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリド−2−イル)メタノール、3,6−ジアミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン、3,4−ジアミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3,7−ジアミン、7−(モルホリン−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリド−3−イルアミン、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3,5−ジアミン、5−(モルホリン−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリド−3−イルアミン、2−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリド−5−イル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、2−[(3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリド−7−イル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−オール、3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−4−オール、3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−6−オール、3−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−オール及びそれらの付加塩を挙げることができる。
【0089】
ピリミジン誘導体の中では、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、4−ヒドロキシ−2,5,6−トリアミノピリミジン、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジヒドロキシ−5,6−ジアミノピリミジン、2,5,6−トリアミノピリミジン並びにそれらの付加塩及び互変異性平衡が存在するとき、それらの互変異性体などの、たとえば、独国特許第2359399号明細書、特公88−169571号公報、特公2005−63124号公報及び欧州特許第0 770 375号明細書又は国際公開第96/15765号パンフレットに記載されている化合物を挙げることができる。
【0090】
挙げることができるピラゾール誘導体としては、4,5−ジアミノ−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4−ジアミノピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(4’−クロロベンジル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1,3−ジメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−フェニルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−メチル−3−フェニルピラゾール、4−アミノ−1,3−ジメチル−5−ヒドラジノピラゾール、1−ベンジル−4,5−ジアミノ−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−第三ブチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−第三ブチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−(4’−メトキシフェニル)ピラゾール、4,5−ジアミノ−1−エチル−3−ヒドロキシメチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−メチルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−ヒドロキシメチル−1−イソプロピルピラゾール、4,5−ジアミノ−3−メチル−1−イソプロピルピラゾール、4−アミノ−5−(2’−アミノエチル)アミノ−1,3−ジメチルピラゾール、3,4,5−トリアミノピラゾール、1−メチル−3,4,5−トリアミノピラゾール、3,5−ジアミノ−1−メチル−4−メチルアミノピラゾール、3,5−ジアミノ−4−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−1−メチルピラゾール、及びそれらの付加塩などの、独国特許第3843892号明細書、独国特許第4133957号明細書及び国際公開第94/08969号パンフレット、国際公開第94/08970号パンフレット、仏国特許出願公開第A−2 733 749号明細書及び独国特許出願公開第195 43 988号明細書に記載されている化合物がある。4,5−ジアミノ−1−(β−メトキシエチル)ピラゾールがまた使用されてもよい。
【0091】
好ましくは4,5−ジアミノピラゾール、さらにより好ましくは4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)ピラゾール及び/又はその塩の1つが使用されるであろう。
【0092】
ピラゾール誘導体として、ジアミノ−N,N−ジヒドロピラゾロピラゾロン並びに特に、以下の化合物及びそれらの付加塩:2,3−ジアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン、2−アミノ−3−エチルアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン、2−アミノ−3−イソプロピルアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン、2−アミノ−3−(ピロリジン−1−イル)−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン、4,5−ジアミノ−1,2−ジメチル−1,2−ジヒドロピラゾール−3−オン、4,5−ジアミノ−1,2−ジエチル−1,2−ジヒドロピラゾール−3−オン、4,5−ジアミノ−1,2−ジ(2−ヒドロキシエチル)−1,2−ジヒドロピラゾール−3−オン、2−アミノ−3−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン、2−アミノ−3−ジメチルアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン、2,3−ジアミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−1H,6H−ピリダジノ[1,2−a]ピラゾール−1−オン、4−アミノ−1,2−ジエチル−5−(ピロリジン−1−イル)−1,2−ジヒドロピラゾール−3−オン、4−アミノ−5−(3−ジメチルアミノピロリジン−1−イル)−1,2−ジエチル−1,2−ジヒドロピラゾール−3−オン又は2,3−ジアミノ−6−ヒドロキシ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オンなどの、仏国特許出願公開第A−2 886 136号明細書に記載されているものも挙げることができる。
【0093】
2,3−ジアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン及び/又はその塩の1つが好ましくは使用されるであろう。
【0094】
複素環塩基として、4,5−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチル)ピラゾール及び/又は2,3−ジアミノ−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1−オン及び/又はそれらの塩の1つが好ましくは使用されるであろう。
【0095】
染色組成物は、ケラチン繊維を染色するのに通常使用されるものから有利に選択される1つ又は複数のカプラーを任意選択的に含んでもよい。
【0096】
これらのカプラーの中では、メタ−フェニレンジアミン類、メタ−アミノフェノール類、メタ−ジフェノール類、ナフタレンカプラー、複素環カプラー及びそれらの付加塩を特に挙げることができる。
【0097】
たとえば、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン、4−クロロ−1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,4−ジアミノ−1−(β−ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2−アミノ−4−(β−ヒドロキシエチルアミノ)−1−メトキシベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,3−ビス(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、3−ウレイドアニリン、3−ウレイド−1−ジメチルアミノベンゼン、セサモール、1−β−ヒドロキシエチルアミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン、α−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、6−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシインドール、4−ヒドロキシ−N−メチルインドール、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、6−ヒドロキシベンゾモルホリン、3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン、1−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ−3,4−メチレンジオキシベンゼン、2,6−ビス(β−ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、6−ヒドロキシインドリン、2,6−ジヒドロキシ−4−メチルピリジン、1−H−3−メチルピラゾール−5−オン、1−フェニル−3−メチルピラゾール−5−オン、2,6−ジメチルピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾール、2,6−ジメチル[3,2−c]−1,2,4−トリアゾール及び6−メチルピラゾロ[1,5−a]ベンズイミダゾール、酸とのそれらの付加塩、並びにそれらの混合物を挙げることができる。
【0098】
一般に、本発明との関連で使用することができる酸化塩基及びカプラーの付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシレート、ベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩及び酢酸塩などの、酸との付加塩から特に選択される。
【0099】
酸化塩基はそれぞれ有利には、組成物の総重量に対して0.001重量%〜10重量%、好ましくは0.005重量%〜6重量%を表す。
【0100】
カプラーの含有率は、それが(それらが)存在する場合、それぞれ有利には組成物の総重量に対して0.001重量%〜10重量%、好ましくは染色組成物の総重量に対して0.005重量%〜6重量%を表す。
【0101】
本発明による染色組成物はまた、前に定義されたアゾメチン型直接染料以外に1つ又は複数の追加の直接染料を含んでもよい。
【0102】
本発明による追加の直接染料は、中性、酸性又はカチオン性ニトロベンゼン染料、中性、酸性又はカチオン性アゾ直接染料、中性、酸性又はカチオン性キノン及び特にアントラキノン直接染料、アジン直接染料、トリアリールメタン直接染料、アゾメチン直接染料、並びに天然直接染料から選択される。
【0103】
本発明に従って使用されてもよいベンゼン直接染料の中では、非限定的に以下の化合物を挙げることができる:
− 1,4−ジアミノ−2−ニトロベンゼン
− 1−アミノ−2−ニトロ−4−β−ヒドロキシエチルアミノベンゼン
− 1−アミノ−2−ニトロ−4−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン
− 1,4−ビス(β−ヒドロキシエチルアミノ)−2−ニトロベンゼン
− 1−β−ヒドロキシエチルアミノ−2−ニトロ−4−ビス(β−ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン
− 1−β−ヒドロキシエチルアミノ−2−ニトロ−4−アミノベンゼン
− 1−β−ヒドロキシエチルアミノ−2−ニトロ−4−(エチル)(β−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン
− 1−アミノ−3−メチル−4−β−ヒドロキシエチルアミノ−6−ニトロベンゼン
− 1−アミノ−2−ニトロ−4−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−クロロベンゼン
− 1,2−ジアミノ−4−ニトロベンゼン
− 1−アミノ−2−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−ニトロベンゼン
− 1,2−ビス(β−ヒドロキシエチルアミノ)−4−ニトロベンゼン
− 1−アミノ−2−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ−5−ニトロベンゼン
− 1−ヒドロキシ−2−アミノ−5−ニトロベンゼン
− 1−ヒドロキシ−2−アミノ−4−ニトロベンゼン
− 1−ヒドロキシ−3−ニトロ−4−アミノベンゼン
− 1−ヒドロキシ−2−アミノ−4,6−ジニトロベンゼン
− 1−β−ヒドロキシエチルオキシ−2−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−ニトロベンゼン
− 1−メトキシ−2−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−ニトロベンゼン
− 1−β−ヒドロキシエチルオキシ−3−メチルアミノ−4−ニトロベンゼン
− 1−β,γ−ジヒドロキシプロピルオキシ−3−メチルアミノ−4−ニトロベンゼン
− 1−β−ヒドロキシエチルアミノ−4−β,γ−ジヒドロキシプロピルオキシ−2−ニトロベンゼン
− 1−β,γ−ジヒドロキシプロピルアミノ−4−トリフルオロメチル−2−ニトロベンゼン
− 1−β−ヒドロキシエチルアミノ−4−トリフルオロメチル−2−ニトロベンゼン
− 1−β−ヒドロキシエチルアミノ−3−メチル−2−ニトロベンゼン
− 1−β−アミノエチルアミノ−5−メトキシ−2−ニトロベンゼン
− 1−ヒドロキシ−2−クロロ−6−エチルアミノ−4−ニトロベンゼン
− 1−ヒドロキシ−2−クロロ−6−アミノ−4−ニトロベンゼン
− 1−ヒドロキシ−6−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノ−3−ニトロベンゼン
− 1−β−ヒドロキシエチルアミノ−2−ニトロベンゼン及び
− 1−ヒドロキシ−4−β−ヒドロキシエチルアミノ−3−ニトロベンゼン。
【0104】
本発明に従って使用されてもよいアゾ直接染料の中では、それらの内容が本発明の不可欠な部分を形成する、国際公開第95/15144号パンフレット、国際公開第95/01772号パンフレット及び欧州特許出願公開第714954号明細書に記載されているカチオン性アゾ染料を挙げることができる。
【0105】
これらの化合物の中に、以下の染料:
− 1,3−ジメチル−2−[[4−(ジメチルアミノ)フェニル]アゾ]−1H−イミダゾリウムクロリド、
− 1,3−ジメチル−2−[(4−アミノフェニル)アゾ]−1H−イミダゾリウムクロリド、
− 1−メチル−4−[(メチルフェニルヒドラゾノ)メチル]ピリジニウムメチルサルフェート
を非常に特に挙げることができる。
【0106】
また挙げることができるアゾ直接染料としては、Colour Index International、第3版に記載されている、以下の染料:Disperse Red 17、Acid Yellow 9、Acid Black 1、Basic Red 22、Basic Red 76、Basic Red 51、Basic Yellow 57、Basic Brown 16、Acid Yellow 36、Acid Orange 7、Acid Red 33、Acid Red 35、Basic Brown 17、Acid Yellow 23、Acid Orange 24、Disperse Black 9がある。
【0107】
1−(4’−アミノジフェニルアゾ)−2−メチル−4−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン及び4−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェニルアゾ)−1−ナフタレンスルホン酸もまた挙げることができる。
【0108】
キノン直接染料の中では、以下の染料:Disperse Red 15、Solvent Violet 13、Acid Violet 43、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Blue 1、Disperse Violet 8、Disperse Blue 3、Disperse Red 11、Acid Blue 62、Disperse Blue 7、Basic Blue 22、Disperse Violet 15、Basic Blue 99、及びまた以下の化合物:
− 1−N−メチルモルホリニウムプロピルアミノ−4−ヒドロキシアントラキノン
− 1−アミノプロピルアミノ−4−メチルアミノアントラキノン
− 1−アミノプロピルアミノアントラキノン
− 5−β−ヒドロキシエチル−1,4−ジアミノアントラキノン
− 2−アミノエチルアミノアントラキノン
− 1,4−ビス(β,γ−ジヒドロキシプロピルアミノ)アントラキノン
を挙げることができる。
【0109】
アジン染料の中では、以下の化合物:Basic Blue 17及びBasic Red 2を挙げることができる。
【0110】
本発明に従って使用されてもよいトリアリールメタン染料の中に、以下の化合物:Basic Green 1、Acid Blue 9、Basic Violet 3、Basic Violet 14、Basic Blue 7、Acid Violet 49、Basic Blue 26及びAcid Blue 7を挙げることができる。
【0111】
本発明に従って使用することができるアゾメチン染料の中に、以下の化合物:
− 2−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−[ビス(β−4’−ヒドロキシエチル)アミノ]アニリノ−1,4−ベンゾキノン
− 2−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−(2’−メトキシ−4’−アミノ)アニリノ−1,4−ベンゾキノン
− 3−N−(2’−クロロ−4’−ヒドロキシ)フェニルアセチルアミノ−6−メトキシ−1,4−ベンゾキノンイミン
− 3−N−(3’−クロロ−4’−メチルアミノ)フェニルウレイド−6−メチル−1,4−ベンゾキノンイミン
− 3−[4’−N−(エチルカルバミルメチル)アミノ]フェニルウレイド−6−メチル−1,4−ベンゾキノンイミン
を挙げることができる。
【0112】
本発明に従って使用されてもよい天然直接染料の中では、ローソン、ユグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシン及びアピゲニジンを挙げることができる。これらの天然染料を含有する抽出物又は煎じ汁、特にパップ剤又はヘナベースの抽出物がまた使用されてもよい。
【0113】
追加の直接染料は、組成物の総重量に対して、0.001重量%〜10重量%の範囲の含有率で、好ましくは0.005重量%〜6重量%の範囲の含有率で染色組成物中に存在してもよい。
【0114】
好ましくは、染色組成物は、前に定義されたものなどの、式(I)の1つ又は複数の直接染料と本発明の直接染料とは異なる1つ又は複数の追加のアゾメチン直接染料とを含む。
【0115】
染料支持体としてもまた知られる、染色用に好適である媒体は、水又は水の及び少なくとも1つの有機溶媒の混合物から一般に形成される化粧品媒体である。挙げることができる有機溶媒の例には、エタノール及びイソプロパノールなどの、C
1〜C
4低級アルコール;ポリオール及びポリオールエーテル、たとえば2−ブトキシエタノール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル及びモノメチルエーテル、そしてまた芳香族アルコール、たとえばベンジルアルコール又はフェノキシエタノール、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0116】
それらが存在するとき、溶媒は、染色組成物の総重量に対して好ましくはおおよそ1重量%〜99重量%、さらに優先的にはおおよそ5重量%〜95重量%の割合で存在する。
【0117】
染色組成物はまた、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性界面活性剤又はそれらの混合物、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性ポリマー又はそれらの混合物、無機又は有機増粘剤、特にアニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性ポリマー会合性増粘剤、酸化防止剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、可溶化剤、香料、緩衝剤、分散剤、品質改良剤、たとえば、アミノシリコ−ンなどの揮発性又は不揮発性の、変性又は非変性シリコーン、フィルム形成剤、セラミド、保存剤、乳白剤などの、毛髪染料組成物に通常使用される様々な補助剤を含有してもよい。
【0118】
上記の補助剤は一般に、それらのそれぞれについて、組成物の重量に対して0.01重量%〜20重量%の量で存在する。
【0119】
言うまでもなく、当業者は、本発明に従った染色組成物に本質的に関連した有利な特性が、想定される添加によって悪影響を受けない、又は実質的に受けないようにこの又はこれらの任意選択の追加化合物を注意深く選択するであろう。
【0120】
本発明に従った染色組成物のpHは一般に、おおよそ3〜12、好ましくはおおよそ5〜11、さらにより特に6〜8.5である。それは、ケラチン繊維の染色に習慣的に使用される酸性化剤又はアルカリ化剤を用いて、又は標準緩衝系を使用して所望の値に調整されてもよい。
【0121】
酸性化剤の中では、例として、無機又は有機酸、例えば酸、オルトリン酸、硫酸、酢酸、酒石酸、クエン酸又は乳酸などの、カルボン酸、又はスルホン酸を挙げることができる。
【0122】
アルカリ化剤の中では、例として、水性アンモニア、アルカリ金属炭酸塩、モノ−、ジ−及びトリエタノールアミン及びそれらの誘導体などの、アルカノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム並びに下記の式(III):
【化4】
(式中、Wは、ヒドロキシル基又はC
1〜C
4アルキル
基で任意選択的に置換されたプロピレン残基であり;同一であっても異なってもよい、R
a、R
b、R
c及びR
dは、水素原子又はC
1〜C
4アルキル若しくはC
1〜C
4ヒドロキシアルキル
基を意味する)
の化合物を挙げることができる。
【0123】
本発明による染色組成物は、液体、クリーム若しくはゲルの形態に、又はケラチン繊維、とりわけヒトの毛髪を染色するために好適である任意の他の形態になどの、様々な形態にあってもよい。
【0124】
前に示されたように、本発明はまた、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトケラチン繊維を着色するための前に定義した染色組成物の使用に関する。
【0125】
III.染色方法
本発明による染色方法は、前に定義した染色組成物を、所望の色を得るのに十分な時間にわたりケラチン繊維に塗布した後、繊維をすすぎ、任意選択によりシャンプーで洗浄し、再度すすいでから、乾燥させるか、放置して乾燥させるものである。
【0126】
染色組成物は、一般に、室温、好ましくは25〜55℃でケラチン繊維に塗布する。
【0127】
一実施形態によれば、所望の明色化を得るのに十分な時間にわたり、1つ又は複数の酸化剤の存在下で、本発明による染色組成物をケラチン繊維に塗布する。
【0128】
酸化剤は、染色組成物中に存在してもよいし、化粧品組成物中に個別に用いてもよい。
【0129】
好ましくは、酸化剤は、化粧品組成物中に個別に用いる。
【0130】
したがって、本発明はまた、ケラチン繊維、特に毛髪などのヒトケラチン繊維を明色化する方法であって、(i)酸化剤非含有の上に定義した染色組成物と、(ii)1つ又は複数の酸化剤を含む化粧品組成物とを前記繊維に塗布し;組成物(i)及び(ii)を、順次又は同時に、所望の明色化を得るのに十分な時間にわたり前記ケラチン繊維に塗布した後、繊維をすすぎ、任意選択によりシャンプーで洗浄し、再度すすいでから、得られた繊維を乾燥させるか、放置して乾燥させる方法に関する。
【0131】
本発明の意味では、「順次に」は、酸化性組成物を染色組成物の前に又は後に、すなわち、前処理又は後処理として塗布することを意味すると理解される。
【0132】
使用される酸化剤は、過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属臭素酸塩、過ホウ酸塩及び過硫酸塩などの過塩、過酸及びオキシダーゼ酵素(それらの任意選択の補因子とともに)から選択され、それらの中では、ペルオキシダーゼ、ウリカーゼなどの2電子酸化還元酵素、及び4電子オキシゲナーゼ、たとえばラッカーゼを挙げることができる。
【0133】
酸化剤は好ましくは過酸化水素である。
【0134】
酸化性組成物はまた、毛髪を染色するために組成物に通常使用される、そして上に定義されたような様々な補助剤を含有してもよい。
【0135】
酸化剤を含有する酸化性組成物のpHは、染色組成物と混合した後に、ケラチン繊維に塗布される得られた組成物のpHが好ましくはおおよそ3〜12、さらにより好ましくは5〜11、さらにより良好には6〜9.5の範囲であるようなものである。それは、ケラチン繊維を染色するのに通常使用される、そして上に定義されたような酸性化剤又はアルカリ化剤を用いて所望の値に調整されてもよい。
【0136】
V.ロイコ型化合物
さらに、本発明は、下記の式(II)
【化5】
(式中、n、R、R
1、R
2及びXは、式(I)で示されたのと同じ意味を有する)
を有するロイコ型化合物、酸とのそれらの有機若しくは無機塩、それらの互変異性体、光学異性体、幾何異性体及び/又はそれらの溶媒和物に関する。
【0137】
特に、ロイコ型化合物についての式(II)におけるn、R、R
1、R
2及びXについての好ましい変形形態は、直接染料についての式(I)で示されたものに相当する。
【0138】
式(II)を満たすロイコ型化合物は一般に、式(I)のアゾメチン型化合物を下の反応スキーム:
【化6】
に従って還元剤と反応させることによって得られる。
【0139】
この反応スキームに類似の合成方法は、仏国特許出願公開第2056799号明細書、仏国特許出願公開第2047932号明細書、仏国特許出願公開第2165965号明細書及び仏国特許出願公開第2262023号明細書に記載されている。
【0140】
式(II)のロイコ型化合物は、式(I)の直接染料の前駆体として使用される。
【0141】
好ましくは、式(II)のロイコ型化合物は、前に述べられたアゾメチン型直接染料1〜61の還元形態に相当する化合物から選択される。
【0142】
言い換えれば、式(II)のロイコ型化合物は、アゾメチン型直接染料1〜61の前駆体から選択される。
【0143】
さらにより好ましくは、式(II)のロイコ型化合物は、アゾメチン直接染料1、2、3、12、13、17、19、26、28、35、37、44、46、53及び55の前駆体から選択される。
【0144】
より好ましくは、式(II)のロイコ型化合物は、直接染料1、2、3及び13の前駆体から選択される。
【0145】
特に、本発明は、前に定義した式(II)の1つ又は複数のロイコ型化合物を、化粧品として許容される媒体中に含む化粧品組成物に関する。
【0146】
本発明はまた、1つ又は複数の酸化剤の存在下での前に定義した式(II)の1つ又は複数のロイコ型化合物を含む化粧品組成物を、所望の色を発現させるのに十分な時間にわたりケラチン繊維に塗布した後、繊維をすすぎ、任意選択によりシャンプーで洗浄し、再度すすいでから、得られた繊維を乾燥させるか、放置して乾燥させる染色方法に関する。
【0147】
酸化剤は、空気からの酸素であっても、又は前に定義した酸化剤から選択されてもよい。
【0148】
特に、酸化剤が空気からの酸素であるとき、ロイコ型化合物を含む組成物で処理されたケラチン繊維を空気に単に曝すと、着色化学種を発生させ、その結果として、繊維を着色することができる。
【0149】
一変形形態によれば、酸化剤は、ロイコ型化合物を含む化粧品組成物と同時に又は順次にケラチン繊維に塗布されてもよい。
【0150】
したがって、酸化剤を含む化粧品組成物は、本発明による式(II)のロイコ型化合物を含む化粧品組成物の前に、同時に又は後に、ケラチン繊維に塗布されてもよい。
【0151】
別の変形形態によれば、前述の式(II)の1つ又は複数のロイコ型化合物を含む化粧品組成物と、1つ又は複数の酸化剤を含む化粧品組成物とを混合することによって生じる、すぐに使用できる組成物をケラチン繊維に塗布する。
【0152】
ケラチン繊維に最終的に塗布される、すぐに使用できる組成物は、液体、クリーム若しくはゲルの形態に、又はケラチン繊維の、特にヒトの毛髪の染色を実施するために適切な任意の他の形態になどの、様々な形態にあってもよい。
【0153】
組成物の放置時間は、1〜60分、好ましくは5〜40分、さらにより好ましくは10〜30分と変わる。
【0154】
かかるロイコ型化合物を含む化粧品組成物は一般に、室温、好ましくは25〜55℃でケラチン繊維に塗布する。
【0155】
したがって、本発明はまた、任意選択的に1つ又は複数の酸化剤の存在下で、前に定義した式(II)の1つ又は複数のロイコ型化合物を、化粧品として許容される媒体中に含む、特に毛髪などのヒトケラチン繊維を染色するための、化粧品組成物に関する。
【0156】
VI.染色デバイス
最後に、本発明は、前述の式(I)の1つ又は複数の直接染料又は前述の式(II)の1つ又は複数のロイコ型化合物を含む化粧品組成物を含有する第1コンパートメントと、任意選択的に、1つ又は複数の酸化剤を含む化粧品組成物を含有する第2コンパートメントとを含むマルチコンパートメントデバイス又は染色キットに関する。
【0157】
このデバイスは、ケラチン繊維を染色するために好適である。
【0158】
特に、本発明は、前述の式(I)の1つ又は複数の直接染料又は前述の式(II)の1つ又は複数のロイコ型化合物を含む化粧品組成物を含有する第1コンパートメントと、1つ又は複数の酸化剤を含む化粧品組成物を含有する第2コンパートメントとを含むマルチコンパートメントデバイス又は染色キットに関する。
【0159】
したがって、本発明は、酸化剤非含有の前述の式(I)の1つ又は複数の直接染料を含む化粧品組成物を含有する第1コンパートメントと、1つ又は複数の酸化剤を含む化粧品組成物を含有する第2コンパートメントとを含むマルチコンパートメントデバイス又は染色キットに関する。
【0160】
さらに、本発明は、前述の式(II)の1つ又は複数のロイコ型化合物を含む化粧品組成物を含有する第1コンパートメントと、1つ又は複数の酸化剤を含む化粧品組成物を含有する第2コンパートメントとを含むマルチコンパートメントデバイス又は染色キットに関する。
【0161】
具体的な実施形態によれば、デバイスは、前述の式(II)の1つ又は複数のロイコ型化合物を含む化粧品組成物を含有する少なくとも1つのコンパートメントを含む。
【0162】
この場合には、本明細書で前に定義したロイコ型化合物を含む組成物がケラチン繊維に塗布され、ケラチン繊維は、それらが空気に曝されるときに着色する。
【0163】
着色の評価は、目視により又はL
*、a
*、b
*測色測定のための分光比色計(ミノルタ CM3600d、光源D65、角度10°、SCI値などの)での読みで行うことができる。このL
*、a
*、b
*システムでは、L
*は色の強度を表し、a
*は緑/赤色軸を示し、b
*は青/黄色軸を示す。Lの値が低いほど、色はより暗いか又はより非常に強い。a
*の値が高いほど、色合いはより赤色であり;b
*の値が高いほど、色合いはより黄色である。
【0164】
未処理の天然白髪の着色髪房(対照)と処理又は着色後との間の着色の差異は、以下の方程式:
【数1】
に従って、ケラチン繊維上での染料の取込みに相当する、ΔE
*で定義される。
【0165】
この方程式で、L
*、a
*及びb
*は、90%の白髪を含む天然毛髪を染色した後に測定される値を表し、L
0*、a
0*及びb
0*は、90%の白髪を含む未処理の天然毛髪について測定された値を表す。
【0166】
ΔEの値が大きいほど、対照髪房と染色髪房との間の色の差がより大きく、染料の取込みもより大きい。CIE L
*、a
*、b
*比色分析システムでの色度は、以下の方程式:
【数2】
に従って計算される。
【0167】
C
*の値が大きいほど、色度はより大きい。
【0168】
以下に記載する実施例を用いて、本発明を説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【実施例】
【0169】
I.合成の実施例
実施例1:2−[4−(エチルイソプロピルアミノ)−フェニルアミノ]−4−[4−(エチルイソプロピルアミノ)フェニルイミノ]−5−ヒドロキシ−3−メチルシクロヘキサ−2,5−ジエノン(化合物1)の合成
【化7】
20%水性アンモニアの溶液で9.5のpHにされた2mlの水及び6mlのエタノール中の0.002モル(429mg)のN−エチル−N−イソプロピル−4−アミノアニリン塩酸塩及び0.001モル(124mg)のオルシノールの溶液に、1mlの水に溶解させた0.002モル(456mg)の過硫酸アンモニウムを滴加する。温度は、添加の間ずっと30℃よりも下に保持する。添加の終わりに、形成された沈澱物を濾過し、水で洗浄する。
こうして化合物1に相当する125mgの黒色粉末が得られる。
分子イオン475(ES+)が質量で検出される。
【0170】
実施例2:2−{4−[エチル(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]−2−メチルフェニルアミノ}−4−{4−[エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−メチルフェニルイミノ}−5−ヒドロキシ−3−メチルシクロヘキサ−2,5−ジエノン(化合物2)の合成
【化8】
20%水性アンモニアの溶液で9.5のpHにされた2mlの水及び2mlのエタノール中の0.002モル(573mg)の2−[(4−アミノ−3−メチルフェニル)エチルアミノ]エタノール硫酸塩及び0.001モル(124mg)のオルシノールの溶液に、1mlの水に溶解させた0.002モル(456mg)の過硫酸アンモニウムを滴加する。温度は、30℃よりも下に保持する。添加の終わりに、形成された沈澱物を濾過し、水で洗浄する。
化合物2に相当する108mgの黒色粉末が得られる。
分子イオン507(ES+)が質量で検出される。
【0171】
実施例3:2−(4−アミノ−3(又は2)−メチルフェニルアミノ)−4−[4−アミノ−3(又は2)−メチルフェニルイミノ]−5−ヒドロキシ−シクロヘキサ−2,5−ジエノン(化合物13)の合成
【化9】
室温での空気を、500mlの水及び50mlの20%水性アンモニア中の0.2モル(39g)の2−メチルベンゼン−1,4−ジアミン二塩酸塩、0.1モル(11g)のレゾルシノールの溶液を通して4時間バブリングさせる。沈澱物を濾過し、水及び次にエタノールで洗浄した後、化合物13に相当する190mgの黒色粉末が得られる。
分子イオン349(ES+)が質量で検出される。
【0172】
実施例4:2−(4−アミノ−2,3−ジメチルフェニルアミノ)−4−[(Z)−4−アミノ−2,3−ジメチルフェニルイミノ]−5−ヒドロキシ−3−メチルシクロヘキサ−2,5−ジエノン(化合物3)の合成
【化10】
20%水性アンモニアの溶液で9.5のpHにされた20mlの水及び30mlのエタノール中の0.02モル(4.23g)の2,3−ジメチルベンゼン−1,4−ジアミン二塩酸塩及び0.01モル(1.24g)のオルシノールの溶液に、10mlの水に溶解させた0.01モル(2.28g)の過硫酸アンモニウムを滴加する。温度は、30℃よりも下に保持する。添加の終わりに、形成された沈澱物を濾過し、水で洗浄する。
化合物3に相当する110mgの黒色粉末が得られる。
分子イオン391(ES+)が質量で検出される。
【0173】
II.合成された化合物の染色評価
以下の着色ベースを調製する:
−78.5グラムの水、
−15グラムのエタノール、
−5グラムのベンジルアルコール、
−1.5グラムのオレオセチルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド
【0174】
着色ベースのpHを、20重量%でのアンモニア水で9.5の値に調整する。合成実施例1、2及び4に記載された6.25mgの染料を混合する。
【0175】
得られた組成物のそれぞれを、90%の白髪を含む白髪交じりの0.25グラムの房に塗布する。30分の放置時間後に、毛髪の房をすすぎ、標準的シャンプーで洗浄し、再度すすいでから乾燥させる。
【0176】
結果を以下の表にまとめる:
【0177】
【表16】