【実施例】
【0108】
実験のセクションにおけるすべてのナンバリングは、Kabatによる(Kabat,
E.A. National Institutes of Health (US)
& Columbia University.免疫学的関心のタンパク質の配列、第5版(US Dept. Of Health and Human Services
Public Health Service, National Institues of Health, Bethesda, MD, 1991))。
【0109】
DOM7h−11およびDOM7h−14の変異体の誘導体を記述する。DOM7h−14変異体は、本発明によるものではない。
【0110】
実施例1
Vk親和性成熟
選択:
HSA(ヒト血清アルブミン)およびRSA(ラット血清アルブミン)の抗原をSigmaから入手した(基本的に脂肪酸フリー、約99%(アガロースゲル電気泳動法)、凍結乾燥した粉末、それぞれカタログ番号A3782およびA6414)。
【0111】
上記2種類の抗原のビオチン化産物を、EZ Link Sulfo−NHS−SS−Biotin(Pierce、カタログ番号21331)を用いて作製した。PD10脱塩カラムに試料を2回通して、遊離ビオチン試薬を除去し、続いて4℃で、1000x過剰量のPBSに対して一晩透析を行った。得られた産物を質量スペクトルによって分析したところ、分子あたり1〜2ビオチンが観察された。
【0112】
親和性成熟ライブラリー:
エラープローンおよびCDRの両ライブラリーを、DOM7h−11およびDIM7h−14親dAbを用いて作製した(DOM7h−11およびDOM7h−14の配列に関しては国際公開番号第WO2008/09158号を参照されたい)。CDRライブラリーをpDOM4ベクター中で作製し、エラープローンライブラリーをpDOM33ベクター中で作製した(プロテア−ゼ処理の要否選択を可能にするために)。ベクターpDOM4は、遺伝子IIIシグナルペプチド配列が酵母糖脂質アンカー型表面(GAS)タンパク質シグナルペプチドに置き換えられているFdファージベクターの誘導体である。また、ベクターpDOM4は、リーダー配列と遺伝子IIIの間にc−mycタグを含み、このタグによって遺伝子IIIがインフレームに戻る。このリーダー配列は、ファージディスプレイベクターだけでなく他の原核生物発現ベクターでも十分に機能し、広く一般に使用することができる。pDOM33は、c−mycタグが取り除かれているpDOM4ベクターの修飾型バージョンであり、dAb−ファージ融合体をプロテアーゼトリプシンに耐性にする。これは、プロテアーゼに対してより安定なdAbを選択するファージ選択内で、トリプシンの使用を可能にする(国際公開番号第WO2008/149143号を参照されたい)。
【0113】
エラープローン成熟ライブラリーのために、成熟対象dAbをコードするプラスミドDNAをGENEMORPH(登録商標)II RANDOM MUTAGENESIS KIT(ランダム、ユニーク突然変異生成キット、Stragene)を用いて、PCRによって増幅した。産物は、Sal1およびNot1で消化し、切断ファージベクターpDOM33との連結反応で用いた。
【0114】
CDRライブラリーのために、NNKまたはNNSコドンを含む縮重オリゴヌクレオチドを用いて、PCR反応を行い、親和性成熟対象dAbにおける必要な位置を多様化した。次いで、アセンブリPCRを用いて、完全長の多様な挿入断片を生成した。この挿入断片はSal1およびNot1で消化し、複数残基の突然変異生成のためにpDOM4との連結反応で、および単一残基の突然変異生成のためにpDOM5との連結反応で用いた。
pDOM5ベクターは、タンパク質発現がLacZプロモータによって促進されるpUC119ベース発現ベクターである。GAS1リーダー配列(国際公開番号第WO2005/093074号を参照されたい)は、単離した可溶性dAbが周辺質および大腸菌(E.coli)の培養上清に確実に分泌されるようにする。dAbは、このベクター中でクローン化したSalI/NotIであり、このベクターはAbのC末端にmycタグを付加する。SalIおよびNotIを用いるこのプロトコルは、N末端でSTアミノ酸配列の包含をもたらす。
【0115】
次いで、いずれかの方法によって生成される連結を用いて、大腸菌(E.coli)株TB1を電気穿孔法によって形質転換し、次いで形質転換した細胞を15μg/mLのテトラサイクリンを含む2×TY寒天に播種し、>5×10
7クローンサイズのライブラリーを得た。
【0116】
エラープローンライブラリーは、以下の平均変異率およびサイズを有した:DOM7h−11(1dAbあたり2.5の変異)、サイズ:6.1×10
8、DOM7h−14(1dAbあたり2.9の変異)、サイズ:5.4×10
8。
【0117】
各CDRライブラリーには、4つのアミノ酸多様性がある。CDR1および3のそれぞれに対して2つのライブラリーを生成し、CDR2に対しては1つのライブラリーを生成した。各ライブラリー内の多様化した位置は、以下のとおりである(VKダミーDPK9配列に基づくアミノ酸)。
【0118】
【表6】
【0119】
実施例2
選択戦略:
3つのファージ選択戦略をVk AlbudAb(商標)(抗血清アルブミンdAb)親和性成熟に対して採用した。
1)HSAのみに対する選択:
HSAに対する選択を3回行った。すべての回でエラープローンライブラリーおよび各CDRライブラリーを個別のプールとして選択した。1回目の選択は、1mg/mLをイムノチューブ上に受動的にコーティングしたHSAに対して行った。2回目は、100nMのHSAに対して行い、および3回目は10nM(CDR選択)または20nMまたは100nM(エラープローンの選択)のHSAに対して行った。両選択は、可溶性ライブラリーの選択としてを行った。続いて可溶性ライブラリーの選択として1.5nMのHSAに対するエラープローンライブラリーを用いて4回目の選択を行った。エラープローンライブラリーを0.1Mのグリシン、pH2.0で溶出して、1MのTris、pH8.0で中和した。およびCDRライブラリーを1mg/mLのトリプシンで溶出して、対数期TG1細胞に感染させた。各選択の3回目にスクリーニングのためにpDOM5にサブクローニングした。可溶性ライブラリーの選択には、ビオチン化HSAを使用した。
【0120】
2)HSAに対するトリプシン選択:
親クローンと比較するとプロテアーゼ耐性が増加し、かつ潜在的に生物物理学的特性が改善したdAbを選択するために、ファージ選択でトリプシンを使用した(国際公開番号第WO2008/149143号を参照されたい)。4回の選択をHSAに対して行った。エラープローンライブラリーの1回目の選択を、トリプシンなしで1mg/mLを受動的にコーティングしたHSAに対して行い、2回目の選択を、20μg/mLのトリプシンとともに1mg/mLを受動的にコーティングしたHSAに対して37℃で1時間行い、3回目の選択を、ビオチン化HSAを用いる可溶性選択によって、20μg/mLまたは100μg/mLのトリプシンとともに100nMのHSAに対して37℃で1時間行った。選択の最終回を、ビオチン化HSAを用いる可溶性選択によって、100μg/mLのトリプシンとともに100nMのHSAに対して37℃で終夜行った。
【0121】
3)HSA(1回目)およびRSA(2〜4回回目)に対する交差選択:
1回目の選択は、1mg/mLを受動的にコーティングしたHSAに対して、または1μMのHSA(可溶性選択)に対して行い、続いてビオチン化RSAに対する可溶性選択をさらに3回(1回目は1μMの濃度で、2回目は100nMで、3回目は20nM、10nMまたは1nMで)行った。
【0122】
スクリーニング戦略および親和性の決定:
いずれの場合も選択後、適切な選択の回に由来するファージDNAのプールを、QIAfilter Midiprepキット(Qiagen)を使用して調製し、このファージDNAを制限酵素Sal1およびNot1を用いて消化させ、次いで濃縮したV遺伝子をpDOM5可溶性発現ベクター内の対応する部位に連結する。pDOM5はmycタグを有するdAbを発現する(国際出願番号PCT/EP2008/067789を参照されたい)。連結したDNAを用いて、大腸菌(E.coli)HB2151細胞を電気形質転換させ、次いでこれらの細胞を、抗生物質カルベニシリンを含有する寒天板上で終夜、増殖させる。結果として得たコロニーを抗原結合に関して個別に評価する。いずれの場合にも、HSA、CSA(カニクイザル血清アルブミン)、MSA(マウス血清アルブミン)およびRSAとの結合に関して、少なくとも96コロニーをBIAcore(商標)(表面プラズモン共鳴法)によって調べた。MSA抗原はSigmaから入手し(基本的に脂肪酸フリー、約99%(アガロースゲル電気泳動法)、凍結乾燥粉末カタログ番号A3559)、およびCSAはPrometic blue樹脂(Amersham)を使用して、カニクイザル(Cynomolgus)の血清アルブミンから精製した。可溶性dAb断片を、96ウェルプレート中のONEX培地(Novagen)の細菌培養で、37℃で終夜生成した。高密度HSA,CSA、MSA、およびRSAのCM5チップに結合させるために、可溶性dAbを含む培養上清を遠心して、BIAcoreで分析した。
解離速度スクリーニングによって、クローンがこれらすべての種の血清アルブミンに結合することがわかった。クローンを配列決定して、ユニークなdAb配列を明らかにした。
【0123】
選択したクローンの親(アミノ酸レベルで)に対する最少同一性は、97.2%(DOM7h−11−3:97.2%、DOM7h−11−12:98.2%、DOM7h11−15:96.3%、DOM7h−11−18:98.2%、DOM7h−11−19:97.2%)であった。
【0124】
選択したクローンの親(アミノ酸レベルで)に対する最少同一性は、96.3%(DOM7h−14−10:96.3%、DOM7h−14−18:96.3%、DOM7h−14−19:98.2%、DOM7h−14−28:99.1%、DOM7h−14−36:97.2%)であった。
【0125】
ユニークなdAbを、2.5L振盪フラスコ中のOnex培地で、250rpmで振盪しながら30℃で48時間、細菌培養上清として発現させた。dAbは、培地から吸収によってタンパク質Lアガロースに精製し、続いて10mMのグリシン、pH2.0を用いて溶出した。HSA、CSA、MSAおよびRSAへの結合を、1μM,500nMおよび50nMnの3濃度で精製タンパク質を用いてBIAcoreによって確認した。各血清アルブミンへのAlbudAbの結合親和性(K
D)を決定するために、精製dAbを、5000nMから39nMのアルブミン濃度の範囲(5000nM、2500nM、1250nM、625nM、312nM、156nM、78nM、39nM)でBIAcoreによって分析した。
【0126】
【表7-1】
【0127】
【表7-2】
【0128】
DOM7h−14由来のすべての変異体はマウス、ラット、ヒトおよびカニクイザルの血清アルブミンに対して交差反応性である。DOM7h−14−10は、親と比較するとラット、カニクザルおよびヒトの血清アルブミンに対する親和性が改善した。DOM7h−14−28は、RSAに対する親和性が改善している。DOM7h−14−36は、RSA、CSAおよびMSAに対する親和性が改善している。
【0129】
DOM7h−11−3は、CSAおよびHSAに対する親和性が改善した。DOM7h−11−12は、RSA、MSAおよびHSAに対する親和性が改善した。DOM7h−11−15は、RSA、MSA、CSAおよびHSAに対する親和性が改善した。DOM7h−11−18およびDOM7h−11−19は、RSA、MSAおよびHSAに対する親和性が改善した。
【0130】
実施例3
主要なDOM7h−11系統クローンのオリジン:
DOM7h−11−3:CDR2ライブラリー(Y49、A50、A51、S53)を使用して、HSAに対して行った親和性成熟に由来する。10nMのHSAでの3回の回収。
【0131】
DOM7h−11−12:エラープローンライブラリーを使用してHSAに対して行った親和性成熟に由来する。100μg/mLトリプシンとともに3回の回収(100nM、HSA)。
【0132】
DOM7h−11−15:HSAに対して1回、続いて1nMのRSAによる3回の選択で、CDR2ライブラリー(Y49、A50、A51、S53)を使用してRSAに対して3回の追加の選択を行った交差選択に由来する。
【0133】
DOM7h−11−18:HSAに対して1回、続いてエラープローンライブラリーを使用してRSAに対して3回の追加の選択を行った交差選択に由来する。20nMのRSAでの3回の回収。
【0134】
DOM7h−11−19:HSAに対して1回、続いてエラープローンライブラリーを使用してRSAに対して3回の追加の選択を行った交差選択に由来する。5nMのRSAでの3回の回収。
【0135】
【表8】
【0136】
実施例4
主要なDOM7h−14系統クローンのオリジン:
DOM7h−14−19:エラープローンライブラリーを使用して、HSAに対して行った親和性成熟に由来する。100μg/mLのトリプシンとともに3回の回収(100nM,HSA)。
DOM7h−14−10、DOM7h−14−18、DOM7h−14−28、DOM7h−14−36:CDR3ライブラリー(Y92、Y93、T94、N96)を使用してHSAに対して行った親和性成熟に由来する。3回の回収。
【0137】
【表9】
【0138】
実施例5
発現特性および生物物理学的特性
2.5Lの振盪フラスコ内のOnex培地で、250rpmで振盪しながら30℃で48時間培養した後、通常の細菌発現レベルを決定した。生物物理学的特性をSEC MALLSおよびDSCによって決定した。SEC MALLS(多角度レーザー光散乱による分子ふるいクロマトグラフィー)は、溶液中の巨大分子の特徴づけのための非侵襲性手法である。手短に言えば、タンパク質(0.5mL/minのダルベッコPBSバッファ中1mg/mLの濃度)を、それらの流体力学的性質によって、分子ふるいクロマトグラフィー(カラム:TOSOH Biosciences製のTSK3000、Pharmacia製のS200)を用いて分離する。分離の後に、光を散乱させるタンパク質の性質を、多角度レーザー光散乱(MALLS)検出器を使用して測定する。タンパク質が検出器を通る間に、散乱した光の強度を、角度関数として測定する。屈折率(RI)検出器を使用して決定されるタンパク質濃度とこの測定との組み合わせは、適切な式(解析ソフトウェアAstra v.5.3.4.12の整数部)を用いてモル質量の算出を可能にする。
【0139】
DSC(示差走査熱測定法):手短に言えば、タンパク質(PBS中1mg/mL)を180℃/時間の定率で加熱し、熱変性に付随する検出可能な熱変化を測定する。遷移中間点(appTm)を決定する。これは、タンパク質の50%がその未変性コンホメーションであり、残りの50%が変性する場合、温度として表される。ここで、試験される大部分のタンパク質は再度十分に折り畳まれないので、見かけの遷移中間点(appTm)がDSCによって決定される。Tmが高ければ高いほど、分子はより安定する。変性曲線を、非二状態方程式によって分析した。使用したソフトウェアパッケージは、Origin(登録商標)v7.0383であった。
【0140】
【表10】
【0141】
我々は、大腸菌(E.coli)において15〜119mg/Lの範囲で、表9のすべてのクローンの発現レベルを観察した。
【0142】
DOM7h−14およびDOM7h−11の変異体の場合、好ましい生物物理学的パラメータ(SEC MALLSによって決定された場合溶液中で単量体の状態、およびDSCによって決定された場合>55℃のappTm)および発現レベルが親和性成熟の間、維持された。単量体状態は、二量体化および細胞表面受容体などの標的と架橋結合し得る産物のリスクを回避するので、有利である。
【0143】
実施例6
ラット、マウスおよびカニクイザルにおける血清半減期の決定:
DOM7h−14−10、DOM7h−14−18、DOM7h−14−19,DOM7h−11、DOM7h−11−12およびDOM7h−11−15のAlbudAbをpDOM5ベクターにクローン化した。各AlbudAb(商標)に対して20〜50mgの量を大腸菌(E.coli)内で発現させ、タンパク質L親和性樹脂を使用して細菌培養上清から精製し、次いで100mMのグリシン、pH2を用いて溶出した。これらのタンパク質をQスピンカラム(Vivascience)を使用して、1mg/mLを超えるまで濃縮し、PBSにバッファ交換し、次いでエンドトキシンを枯渇させた。ラットの薬物動態解析(PK)のために、1化合物あたり3匹のラットを用いて、AlbudAbを2.5mg/kgで単回静脈注入として投与した。血清試料を、0.16時間、1時間、4時間、12時間、24時間、48時間、72時間、120時間、168時間で採取した。血清レベルの分析を、下述の方法により抗myc ELISAによって行った。
【0144】
マウスPKのために、DOM7h−11、DOM7h−11−12およびDOM7h−11−15を3匹の被験マウスからなる用量群ごとに2.5mg/kgで単回静脈注入し、次いで血清試料を10分、1時間、8時間、24時間、48時間、72時間、96時間で採取した。血清レベルの分析を、後述する方法により抗myc ELISAによって行った。
【0145】
カニクイザルPKのために、DOM7h−14−10およびDOM7h−11−15を、1用量群あたり3匹のメスのカニクイザルに2.5mg/kgで単回静脈注入し、次いで血清試料を0.083時間、0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、4時間、8時間、24時間、48時間、96時間、144時間、192時間、288時間、336時間、504時間で採取した。血清レベルの分析を、後述する方法により抗myc ELISAによって行った。
【0146】
抗myc ELISA法
血清中のAlbudAb濃度を抗myc ELISAによって測定した。手短に言えば、ヤギ抗mycポリクローナル抗体(1:500;Abcamカタログ番号ab9132)を,Nunc96ウェルMaxisorpプレート上に終夜コ−ティングし、5%BAS/PBS+1%Tweenでブロックした。血清試料を、既知の濃度の標準溶液と一緒に希釈剤の範囲で加えた。次いで、ウサギポリクローナル抗Vk(1:1000;社内試薬、血液試料をプールし、使用する前にタンパク質A精製を行った)、さらに抗ウサギIgG HRP抗体(1:10,000;Sigma、カタログ番号A2074)を用いて、結合したmycタグ付きAlbudAbを検出した。アッセイの各段階の間に、プレートを3×PBS+0.1%Tween20で、続いて3×PBSで洗浄した。最終的な洗浄の後、TMB(SureBlue TMB1−コンポーネントマイクロウェルペルオキシダーゼ基質、KPL、カタログ番号52−00−00)を加えて、発現を可能にした。
この発現を1MのHClで停止させ、次いで450nmでの吸光度を使用してシグナルを測定した。
【0147】
ELISAの生データから、希釈係数を考慮に入れて標準曲線に対する補間によって未知の試料の濃度を確立した。各時点での平均濃度結果を反復値から決定し、WinNonLin解析パッケージ(たとえばバ−ジョン5.1(Pharsight Corp.,
Mountain View、CA94040, USAから入手可能)に入力した。
ノンコンパートメントモデルを使用してデータフィッティングを行い、PKパラメータをソフトウェアによって推定して、終末半減期を得た。投与情報および時点を選択して、各PKプロファイルの末相に反映させた。
【0148】
【表11】
*ヒストリカルデータ
ラット、マウスおよびカニクイザルの試験に由来する薬物動態パラメータを、ノンコンパートメントモデルを使用して、フィッティングさせた。キー:AUC:投与時間から無限大へ補外される曲線の下面積:CL:クリアランス;t1/2:血中濃度が半減する時間;Vz:終末相に基づく分布量。
【0149】
DOM7h−11−12およびDOM7h11−15は、親と比較するとラットおよびマウスにおいてAUCおよびf1/2が改善した。DOM7h−11−15はまた、親と比較するとカニクイザルにおいてAUCおよびt1/2が改善した。AUC/t1/2におけるこの改善は、血清アルブミンに対するin vitroのKDの改善と相関する。
【0150】
実施例7
AlbudAb(商標)IFN融合体:
クローン化および発現
単一AlbudAbならびに親和性成熟したVk AlbudAbをインターフェロンα2b(IFNα2b)に連結させて、AlbudAbの有用なPKが融合タンパク質として維持されているかどうかを決定した。
インターフェロンα2bアミノ酸配列:
CDLPQTHSLGSRRTLMLLAQMRRISLFSCLKDRHDFGFPQEEFGNQFQKAETIPVLHEMIQQIFNLFSTKDSSAAWDETLLDKFYTELYQQLNDLEACVIQGVGVTETPLMKEDSILAVRKYFQRITLYLKEKKYSPCAWEVVRAEIMRSFSLSTNLQESLRSKE(配列番号374)
インターフェロンα2bヌクレオチド配列:
TGTGATCTGCCTCAAACCCACAGCCTGGGTAGCAGGAGGACCTTGATGCTCCTGGCACAGATGAGGAGAATCTCTCTTTTCTCCTGCTTGAAGGACAGACATGACTTTGGATTTCCCCAGGAGGAGTTTGGCAACCAGTTCCAAAAGGCTGAAACCATCCCTGTCCTCCATGAGATGATCCAGCAGATCTTCAATCTCTTCAGCACAAAGGACTCATCTGCTGCTTGGGATGAGACCCTCCTAGACAAATTCTACACTGAACTCTACCAGCAGCTGAATGACCTGGAAGCCTGTGTGATACAGGGGGTGGGGGTGACAGAGACTCCCCTGATGAAGGAGGACTCCATTCTGGCTGTGAGGAAATACTTCCAAAGAATCACTCTCTATCTGAAAGAGAAGAAATACAGCCCTTGTGCCTGGGAGGTTGTCAGAGCAGAAATCATGAGATCTTTTTCTTTGTCAACAAACTTGCAAGAAAGTTTAAGAAGTAAGGAA (配列番号375)
【0151】
TVAAPSリンカー領域を介してIFNα2bをAlbudAbに連結させた(国際公開番号第WO2007/085814号を参照されたい)。この構築体を、SOE−PCR(Horton et al.Gene, 77, p61(1989)による単一オーバーラップ伸長)によってクローン化した。AlbudAbおよびIFN配列のPCR増幅を、TVAAPSリンカー領域で約15塩基対のオーバーラップを有するプライマーを使用して、別々に行った。使用したプライマーは、以下の通りである.
【0152】
【表12】
【0153】
断片を別々に精製し、続いてフランキングプライマーだけを用いてSOE(単一オーバーラップ伸長)PCR伸長反応で構築した。
【0154】
【表13】
【0155】
構築したPCR産物は制限酵素BamHIおよびHindIIIで消化し、その遺伝子をpDOM50内の対応する部位に連結した。pDOM50は哺乳類発現ベクターであり、細胞培地への発現を促進するために導入されたN末端V−J2−CマウスIgG分泌リーダー配列を有するpTT5誘導体である。
リーダー配列(アミノ酸):
METDTLLLWVLLLWVPGSTG (配列番号382)
リーダー配列(ヌクレオチド):
ATGGAGACCGACACCCTGCTGCTGTGGGTGCTGCTGCTGTGGGTGCCCGGATCCACCGGGC (配列番号383)
【0156】
プラスミドDNAをQIAfilter megaprep(Qiagen)を用いて調製した。293−Fectinによって1μgDNA/mLをHEK293E細胞にトランスフェクトして、無血清培地で増殖させた。タンパク質を培地中で5日間発現させ、次いでタンパク質L親和性樹脂を用いて培養上清から精製し、100mMグリシン、pH2で溶出させた。Qスピンカラム(Vivascience)を使用して、これらのタンパク質を1mg/mLを超えるまで濃縮し、PBSにバッファ交換し、次いでエンドトキシンを枯渇させた。
【0157】
【表14-1】
【0158】
【表14-2】
【0159】
【表14-3】
【0160】
【表14-4】
【0161】
【表14-5】
【0162】
【表14-6】
【0163】
【表14-7】
【0164】
【表14-8】
【0165】
【表14-9】
【0166】
【表14-10】
【0167】
【表14-11】
【0168】
【表14-12】
【0169】
【表14-13】
【0170】
【表14-14】
太文字で強調したアミノ酸およびヌクレオチドの配列はクローニング部位およびmycタグを表す。*は、遺伝子の終端の終止コドンを表す。
【0171】
親和性の決定および生物物理学的特徴づけ:
AlbudAb−IFNα2b融合タンパク質の各血清アルブミンに対する結合親和性(K
D)を決定するために、HBS−EP BIAcoreバッファ中、5000nM〜39nM(5000nM、2500nM、1250nM、625nM、312nM、156nM、78nM、39nM)の濃度の融合タンパク質を使用することによって、アルブミン(一級アミンカップリングによってCM5チップ上に固定化した;BIAcore)上で、精製した融合タンパク質をBIAcoreによって分析した。
【0172】
【表15-1】
【0173】
【表15-2】
【0174】
IFNα2bがAlbudAb変異体に連結するとき、すべての場合、血清アルブミンへのAlbudAb結合の親和性は減少する。DOM7h−14−10およびDOM7h−11−15は、親と比較すると種にかかわらず血清アルブミンへの改善された結合親和性を保持する。DOM7h−11−12も、親と比較すると種にかかわらず血清アルブミンへの改善された結合親和性を示す。
【0175】
【表16】
SEC MALLSによって検出された場合、M/Dは単量体/二量体の平衡を示す。
我々は、表16のすべてのクローンに関してHEK293において17.5〜54mg/Lの範囲で発現を観察した。
IFNα2b−DOM7h−14およびIFNα2b−DOM7h−11の変異体の場合、好ましい生物物理学的パラメータおよび発現レベルが親和性成熟の間、維持された。
【0176】
AlbudAb−IFNα2b融合体に対するPKの決定
AlbudAb−IFNα2b融合体であるDMS7321(IFNα2b−DOM7h−14)、DM7322(IFNα2b−DOM7h−14−10)、DMS7323(IFNα2b−DOM7h−14−18)、DM7324(IFNα2b−DOM7h−14−19)、DMS7325(IFNα2b−DOM7h−11)、DM7326(IFNα2b−DOM7h−11−12)、DM7327(IFNα2b−DOM7h−11−15)を、HEK293細胞中で20〜50mgの量でmycタグを用いて発現させ、次いでタンパク質L親和性樹脂を用いて培養上清から精製して、100mMグリシン、pH2を用いて溶出した。Qスピンカラム(Vivascience)を使用して、これらのタンパク質を1mg/mLを超えるまで濃縮して、ダルベッコPBSにバッファ交換し、次いでエンドトキシンを枯渇させた。
【0177】
ラットPKのために、IFN−AlbudAbを1化合物あたり3匹のラットを用いて2.0mg/kgで単回静脈注入した。血清試料を、0.16時間、1時間、4時間、8時間、24時間、48時間、72時間、120時間、168時間で採取した。血清レベルの分析は、製造業者の説明書(GE Healthcare、カタログ番号RPN5960)に従って、EASY ELISAによって行った。
【0178】
マウスPKのために、mycタグを有するDMS7322(IFNα2B−DOM7h−14−10)、DMS7325(IFNα2b−DOM7h−11)、DMS7326(IFNα2b−DOM7h−11−12)、DMS7327(IFNα2b−DOM7h−11−15)を、3匹の被験マウスからなる用量群ごとに2.0mg/kgで単回静脈注入し、次いで血清試料を10分、1時間、8時間、24時間、48]時間、72時間、96時間で採取した。血清レベルの分析は、製造業者の説明書(GE Healthcare、カタログ番号RPN5960)に従ってEASY ELISAによって行った。
【0179】
【表17-1】
【0180】
【表17-2】
ラットおよびマウスの試験に由来する薬物動態パラメータを、ノンコンパートメントモデルを使用して、フィッティングさせた。キー:AUC:投与時間から無限大へ補外した曲線の下面積;CL:クリアランス;t1/2:血中濃度が半減する時間;Vz:終末相に基づく分布量。
【0181】
IFNα2b−AlbudAbをラットおよびマウスで試験した。ラットおよびマウスの両方においてすべてのIFNα2b−DOM7h−11変異体融合タンパク質が、親と比較するとt1/2が改善している。t1/2におけるこの改善は、血清アルブミンに対するin vitroのK
Dの改善と相関する。IFNα2b−DOM7h−14−10の変異体の場合、血清アルブミンに対するin vitroのK
Dにおけるこの改善も、ラットにおけるt1/2の改善と相関する。
【0182】
すべてのIFNα2b−AlbudAb融合タンパク質が、単一AlbudAbと比較するとRASへの結合において5〜10倍の減少を示す。この効果は、DOM7h−11シリーズ(わずかに5倍の減少)よりもDOM7h−14シリーズに対してより明白(すなわち、10倍の減少)である。
【0183】
実施例8
タンパク質、ペプチドおよびNCEとのAlbudAbのさらなる融合体:
他の化学物質、すなわち、ドメイン抗体(dAB)、ペプチドおよびNCEに融合した種々のAlbudAbを試験した。結果を表18に示す。
【0184】
【表18-1】
【0185】
【表18-2】
キー:DOM1m−21−23は抗TNFR1dAbであり、エキセンディン−4は39個のアミノ酸長からなるペプチド(GLP−1作動薬)である。NCE、NCE−GGGGSCおよびNCE−TVAAPSCは後述する。
【0186】
以前、我々はin vivoで抗TNFR1のPK半減期を延ばすために、アルブミン結合dAb(AlbudAb)を有する遺伝子融合体の使用を説明した(たとえば、国際公開番号第WO04/003019号、第WO2006/038027号、第WO2008/149148号を参照されたい)。これらのPCT出願におけるプロトコルを参照する。上記の表では、DOM1m−21−23は抗マウスTNFR1dAbである。
【0187】
エキセンディン−4の遺伝子融合体または血清アルブミンに結合するDOM7h−14(もしくは他のAlbudAb)を有する遺伝子融合体を作製するために、エキセンディン−4−リンカーAlbudAb配列を、pTT−5ベクター(CNRC,Canadaから入手可能)にクローン化した。いずれの場合にも、エキセンディン−4はこの構築体の5’末端にあり、dAbは3’末端にあった。リンカーは、(G
4S)
3リンカーであった。エンドトキシンフリーDNAを大腸菌(E.coli)内でアルカリ法(エンドトキシンフリープラスミドGigaキット、Qiagen,CAから入手可能)を使用して調製し、それを用いてHEK293E細胞(CNRC,Canadaから入手可能)をトランスフェクトした。トランスフェクションは1.75×10
6細胞/mLでHEK293E細胞を含む250mL/フラスコに、フラスコあたり333uLの293フェクチン(Invotrogen)および250μgのDNAを用いて行い、30℃で5日間発現させた。上清を遠心によって収集し、次いでタンパク質L上で親和性精製によって精製を行った。タンパク質を樹脂にバッチ結合させ、カラムに充填し、次いで10カラム容量のPBSで洗浄した。タンパク質を50mLの0.1Mグリシン、pH2で溶出し、次いでTris、pH8で中和した。期待されるサイズのタンパク質は、SDS−PAGEゲル上で特定した。
【0188】
NCEのAlbudAb融合体:
新規化学物質(NCE)のAlbudAb融合体を試験した。NCE、小分子ADAMTS−4阻害剤をPEGリンカー(PEG4リンカー、すなわち、マレイミドの前の4PEG分子)と、AlbudAbへの抱合のためのマレイミド基とを用いて合成した。AlbudAbへのNCEの抱合は、アミノ酸のR108C位で設計されたシスチン残基、またはAlbudAbの末端で設計された5アミノ酸(GGGGSC)もしくは6アミノ酸(TVAAPSC)スペーサを介して行った。手短に言えば、このAlbudAbをTCEP(Pierce、カタログ番号77720)で還元し、PD10カラム(GE Healthcare)を使用して25mMのBis−Tris、5mMのEDTA、10%(v/v)グリセロール、pH6.5により脱塩した。5倍モル過剰のマレイミド活性NCEを、10%(v/v)最終濃度を超えないようにDMSOに加えた。この反応を室温で終夜、インキュベートし、20mMのTris、pH7.4になるように徹底的に透析した。
PEGリンカー:
【化1】
【0189】
配列:
DOM7h−14R108C:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQWIGSQLSWYQQKPGKAPKLLIMWRSSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCAQGLRHPKTFGQGTKVEIKC (配列番号412)
ヌクレオチド:
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTAGGAGACCGTGTCACCATCACTTGCCGGGCAAGTCAGTGGATTGGGTCTCAGTTATCTTGGTACCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCATGTGGCGTTCCTCGTTGCAAAGTGGGGTCCCATCACGTTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCTGAAGATTTTGCTACGTACTACTGTGCTCAGGGTTTGAGGCATCCTAAGACGTTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAAATGC (配列番号413)
DOM7h−14−10/TVAAPSCおよびDOM7h−14−10/GGGGSC(すなわち、DOM7h−14−10/G4SC)の配列については表5を参照されたい。
【0190】
NCE−AlbudAb DOM7h−1410GGGGSCおよびDOM7h−14−10TVAAPSCは、この化学物質に融合されるとき、BIAcoreによって決定した場合、RSAへのin vitroの親和性(K
D)において5〜10倍の減少を示す。これらの分子に関するPKデータは、まだ得られていない。
【0191】
dAb−AlbudAb融合体:未融合AlbudAbと比較すると、治療用ドメイン抗体に融合するとき、RSAに対して最も高い親和性を有する2つのDOM7h−11 AlbudAbは、BIAcoreによる場合、RSAへの親和性において2倍の減少する。DOM7h−11クローンは、融合されるとき(2.8μM)も未融合のとき(約5μM)も、マイクロモルK
Dを示す。
【0192】
エキセンディン4−AlbudAb融合体:結合においてわずか4倍の減少を示すDOM7h−14−10は別として、RSAへの結合能に関して、AlbudAbをペプチドに融合する効果は、約10倍である。しかし、この効果は、DOM7h−11シリーズに対して現れるよりも、DOM7h−14シリーズ(DOM7h−14−10を除く)に対してより明白である。
【0193】
上記のすべてのデータに関して、融合体のT1/2は、種のSAへの親和性の改善を増加させた。
【0194】
血清アルブミン結合に関してAlbudAb−薬物融合体が0.1nM〜10nMの親和性範囲(K
D)を示すとき、我々は通常、そのAlbudAb治療薬を治療的に受け入れられる(疾患、状態または徴候の治療および/または予防のために)ものとして分類する。
【0195】
我々は、AlbudAbおよびAlbudAb融合体(タンパク質−AlbudAb、たとえばIFNα2b−DOM7h−14−10;ペプチド−AlbudAb、たとえばエキセンディン4−DOM7h−14−10;dAb−AlbudAb、たとえばDOM1m21−23−DOM7h−11−15;NCE−AlbudAb、たとえばADAMTS−4−DOM7h−14−10)の治療域を以下のように定義する。慢性または急性の状態、疾患もしくは徴候の治療に有用である親和性(K
D)の範囲が示される。また、「中間」として区分される親和性範囲も示され。この範囲内のAlbudAbおよび融合体は、慢性または急性の疾患、状態もしくは徴候に対して有用である。このように、血清アルブミンに対するAlbudAbまたは融合体の親和性を、治療を施されるべき疾患、状態または徴候に合わせて調整または選択することができる。上述のように、本発明は種々の親和性を有するAlbudAbを提供することにより、各AlbudAbを「高親和性」、「中親和性」または「低親和性」と分類するのを可能にするので、当業者は治療に本発明の適切なAlbudAbを選択できるようになる。
図2を参照されたい。
【0196】
実施例9
DOM7h−11−15S12Pの配列:DOM7h−11−15
S12Pのアミノ酸配列
DIQMTQSPSSLPASVGDRVTITCRASRPIGTMLSWYQQKPGKAPKLLILAFSRLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCAQAGTHPTTFGQGTKVEIKR (配列番号414)
【0197】
本発明のある態様は、DOM7h−11−15
S12Pのヌクレオチド配列、または当該選択された配列と少なくとも80%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。DOM7h−11−15
S12Pは、以下の核酸配列(下線を引いたCは(DOM7h−11−15をコードする核酸に対する)変化、すなわち12位でプロリンになる変化を意味する)を用いて作製した。
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTG
CCTGCATCTGTAGGAGACCGTGTCACCATCACTTGCCGGGCAAGTCGTCCGATTGGGACGATGTTAAGTTGGTACCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGCTCCTGATCCTTGCTTTTTCCCGTTTGCAAAGTGGGGTCCCATCACGTTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCTGAAGATTTTGCTACGTACTACTGCGCGCAGGCTGGGACGCATCCTACGACGTTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAAACGG (配列番号415)
【0198】
プライマーを用いてS12P変異を導入し、PCRでの鋳型としてDOM7h−11−15を用いることでDOM7h−11−15
S12Pを構築した。このプライマー配列は以下のとおりである。
GCAACAGCGTCGACGGACATCCAGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGCCTGCATCTGTAGG (配列番号416).
【0199】
本発明の代替態様は、配列番号415のヌクレオチド配列を含む核酸、または当該選択された配列と少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を提供する。一実施形態では、DOM7h−11−15
S12Pは、インラインタンパク質の融合産物を作製するために、リンカー領域と、タンパク質またはペプチド薬物または単一可変ドメインまたは他の抗体断片をコードするC末端配列とを含むベクターによってコードされ、そのベクターから発現される。一実施形態では、リンカーはアミノ酸配列TVA、たとえばTVAAPSを含む。本発明の他の態様は、核酸を含むベクター、およびそのベクターを含む単離された宿主細胞である。本発明はまた、患者の疾患または障害を治療または予防する方法を提供し、該方法はその患者にDOM7h−11−15
S12Pの少なくとも1用量を投与するステップを含む。