(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6100392
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】ヨウ化物塩を吸着させた活性炭を含有する慢性気管支炎治療用医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 33/18 20060101AFI20170313BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20170313BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20170313BHJP
【FI】
A61K33/18
A61P11/00
A61K47/04
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-544033(P2015-544033)
(86)(22)【出願日】2012年11月28日
(65)【公表番号】特表2016-500103(P2016-500103A)
(43)【公表日】2016年1月7日
(86)【国際出願番号】SE2012051313
(87)【国際公開番号】WO2014084763
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2015年11月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】515129489
【氏名又は名称】ファーマルンデンシス アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】PHARMALUNDENSIS AB
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】スコグヴァル、スタファン
【審査官】
砂原 一公
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−504496(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/078782(WO,A1)
【文献】
特公昭49−043197(JP,B1)
【文献】
国際公開第2007/112248(WO,A1)
【文献】
特開2008−238163(JP,A)
【文献】
特開2008−168288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
慢性気管支炎の治療用の医薬組成物であって、ヨウ化カリウムから選択されるヨウ化物塩を吸着させた活性炭を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項2】
吸着されたヨウ化物塩の量が、0.25〜10重量%の範囲内、好ましくは0.5〜5重量%の範囲内にあることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
活性炭が、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウム、臭化アンモニウムおよび臭化カルシウム等の薬学的に許容される臭化物塩をさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
慢性気管支炎の治療薬の製造における、ヨウ化カリウムから選択されるヨウ化物塩を吸着させた活性炭の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は慢性気管支炎の治療に関する。特に、本発明は、慢性気管支炎に起因する痰生成の増加および咳を治療する方法におけるヨウ化物塩を吸着させた活性炭の使用を提供することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
慢性気管支炎は、連続する2年において、1年につき最低3ヵ月間の咳および痰生成の増加により特徴づけられる。気管支炎が肺気腫と共に発症する場合、これは慢性閉塞性肺疾患(COPD)と呼ばれる。最近、慢性気管支炎の有病率は約5〜6%であることが示された(非特許文献1)。
【0003】
慢性気管支炎は主に喫煙、受動喫煙、および大気汚染に起因するが、他の因子も重要である可能性がある。慢性気管支炎の治療における主要な目標は、気道が開いて適切に機能する状態を維持し、気道の粘液の除去を促進して肺の感染を回避し、更なる機能低下を防ぐことである。それにもかかわらず、慢性気管支炎は、西洋諸国において死因の第4位であるCOPDにしばしば進展する。
【0004】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)に起因する気道の閉塞は、水銀結合性の結合体である「ヨウ素化活性木炭」(特許文献1)の投与により軽減可能であることが以前に示唆されたが、より軽症である慢性気管支炎の治療については何も開示されていない。しかしながら、ヨウ素を含浸させた活性炭を投与することの不都合の1つは、それがヒトにとって有害となり得る多量のヨウ素を含むことである。薬剤としてのヨウ素化活性木炭の使用に関する別の問題は、ヨウ素元素は反応性が高いため、結合体を標準的なカプセルや錠剤に調剤できない可能性があることである。
【0005】
したがって、慢性気管支炎の治療用の改善された製剤が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2009/067067号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Pahwaら,J Occup Environ Med.,2012年10月30日[Epub ahead of print]
【発明の概要】
【0008】
慢性気管支炎の治療用の改善された製剤が、本願の請求項1の発明特定事項により得られることがここに判明した。
したがって、第1の態様において、本発明は、慢性気管支炎の治療方法に用いるための、
ヨウ化カリウムから選択されるヨウ化物塩を吸着させた活性炭を提供する。
【0009】
本願において開示される用語「活性炭」は、「活性木炭」を含む。
好ましくは、吸着されたヨウ化物塩の量は0.25〜10重量%の範囲内にあり、好ましくは0.5〜5重量%の範囲内にある
。
【0010】
好ましくは、活性炭には臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化マグネシウム、臭化リチウム、臭化アンモニウムおよび/または臭化カルシウム等の薬学的に許容される臭化物塩も吸着される。臭化物塩の量は、吸着されたヨウ化物塩の重量に対する計算で1〜1000重量%の範囲内とすることができる。
【0011】
第2の態様において、本発明は、慢性気管支炎
の治療
薬の製造における、第1の態様に従うヨウ化物塩を吸着させた活性炭の使用方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上記の背景技術の節で述べた問題点を解決する試みにおいて、活性木炭の水銀結合能力を保持するが、ヒトに対して有害である可能性が低く、かつ反応性の低い何らかの物質を、活性木炭に含浸させることが可能か否かを検討した。ヨウ化カリウムでの含浸が、ヨウ素での含浸に比べ遥かに高い比水銀結合能力をもたらすことが予想外に見出された。実際のところ、1.6%のKIを含浸させた活性木炭は8%のヨウ素を含浸させた活性木炭と同程度の量の水銀と結合することが分かった。さらに、ヨウ化カリウムを含浸させた活性木炭は、I
2を含浸させた活性木炭とは対照的に、カプセル材料と活性成分との間の望ましくない副反応のリスクなしに、標準的なカプセルに入れることができる。
【0013】
典型的には、ヨウ化物塩を含浸させた活性木炭は、その含浸済み活性木炭を薬学的に許容される賦形剤とともに含む医薬組成物として、それを必要とするヒトまたは動物に投与される。賦形剤の選択は重要ではなく、最も一般に使用されている許容される賦形剤をこのような医薬組成物に包含させることができる。
【0014】
好ましくは、医薬組成物は、水性懸濁液、カプセル、および、経口用懸濁液または錠剤の製造用粉末のうちから選択される。例えば、ヨウ化物塩を吸着させた活性炭が錠剤またはカプセルの形態で投与される場合、上記ヨウ化物塩を吸着させた活性炭は、エタノール、グリセロール、水等の経口用かつ非毒性の薬学的に許容される不活性担体と組み合わせることができる。さらに、望ましい場合または必要であれば、適切な結合剤、潤滑剤、崩壊剤および着色剤を混合物に包含させることもできる。適切な結合剤には、限定するものではないが、デンプン、ゼラチン、グルコースやβ−ラクトース等の天然の糖、コーンシロップ、アカシア、トラガカントまたはオレイン酸ナトリウム等の天然および合成のガム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。崩壊剤には、限定するものではないが、デンプン、メチルセルロース、アガー、ベントナイト、キサンタンガム等が挙げられる。
【0015】
医薬組成物は胆汁分泌刺激剤をさらに含むことが好ましい。典型的には、上記胆汁分泌刺激剤は脂質である。
医薬組成物は好ましくは食間に、例えば食事の1時間後、2時間後または3時間後および食事の1時間前、2時間前または3時間前あるいはそれよりも前に投与される。組成物は朝食前に投与されてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態において、吸着されたアルカリ金属ヨウ化物またはアルカリ土類金属ヨウ化物を担持する粒子状の活性木炭が、軟質または硬質のゼラチンカプセル、植物性またはプルランカプセルに詰められた状態で、あるいは、吸着されたアルカリ金属ヨウ化物またはアルカリ土類金属ヨウ化物を担持する粒子状の活性木炭および適切な薬学的に許容される結合剤から形成された錠剤の形態で投与されてもよい。結合剤は、錠剤を消化管液中で崩壊させる種類のものとすべきである。適切な結合剤は、カルボキシメチルセルロース等の化学的に修飾されたセルロースおよびポリビニルピロリドンを含む。活性炭は壊れやすい性質であるため、錠剤を形成する際には炭粒子を破砕しないように、ほんの僅かな圧縮を適用すべきである。
【0017】
好ましくは、吸着されたアルカリ金属ヨウ化物またはアルカリ土類金属ヨウ化物を担持する活性炭は薬学的に有効な量で毎日投与され、これは1〜3回の毎日の投与を含み得る。しかしながら、投与は1日おき、2日おき、または週に1度以上の投与を含む断続的なものとしてもよい。
【0018】
〔実験研究〕
実施例1:アルカリ金属ヨウ化物またはアルカリ土類金属ヨウ化物を担持させた活性炭試料の調製。
【0019】
材料:
活性炭(シグマ(Sigma)C7606)、ヨウ化カリウム(シグマP7744)、脱イオン水。
【0020】
器具:
マグネチックスターラー IKA RTCベーシック、オイルバス、還流冷却器、天秤 XP−300(デンバー・インスツルメンツ(Denver instruments))、パイレックス(登録商標)ガラスフラスコ(2L)、ポリマーに包まれた磁石棒、吸引ろ過フラスコ(2L)、OOHろ紙(ワットマン(Whatman))、理化学用乾燥器 TS80000、テルマクス(Termaks)。
【0021】
方法:
吸着実験において、8.0gのKIを1Lの水に溶解した。活性炭(92g)を加えた。懸濁液を12時間室温(21〜23℃)で撹拌した。活性炭生成物を減圧下でのろ過によりKI溶液から分離し、75℃で12時間乾燥させた。これにより、約1.6重量%のKIが含浸された活性炭からなる試料を得た。他の特定量のKIで覆われた活性炭調製物は、他の量の活性炭およびKIを用いて実施例1を繰り返すことにより得られた。活性炭に吸着されたKIの量の測定は、3つの方法、すなわち導電率測定法、重量分析および元素分析により行った。
【0022】
実施例2:KIを含浸させた活性炭試料への水銀取込みの分析
材料:
KI含浸炭試料。トリズマ(Trizma)、シグマT1503−100G。塩化ナトリウム:シグマ、S988−500G。塩化カリウム:フルカ(Fluka)60130−1000G。脱イオン水。塩酸:シグマ84422−1L。塩化水銀(II)99.5%min.、アルファ・エイサー(Alfa Aesar)。硝酸:シグマ30702、最低69%、puriss。
【0023】
器具:
独国IKAのスターラーおよびサーモスタットRCT Bを備えたウォーターバス。磁気撹拌棒。ガラス製メスフラスコ、500ml。ストッパー付き丸底ガラスフラスコ、1000ml、安全ピペット、25ml。ろ紙00Hグレード、直径150mm、ワットマン。
【0024】
塩溶液の調製:
0.01M トリズマ、140mM NaClおよび4mM KClを含有する緩衝液を調製し、HClでpH7.4に調整した。緩衝液に蓋をし、予め37℃に加熱して維持した。
【0025】
塩化水銀(II)原液(約10
−3M)の調製:
約0.027gのHgCl
2を化学天秤で量り取った。正確な重量を記録した。HgCl
2を100mlメスフラスコに移し、10
−3Mの濃度になるまで脱イオン水で希釈した。
【0026】
塩化水銀(II)の試験溶液(10
−5M)の調製:
自動ピペットを用いて5mlのHgCl
2原液を500mlの定容フラスコに入れた。予め加熱しておいた37℃の緩衝液を500mlの印まで加えた。試験溶液を1000ml丸底フラスコに移した。フラスコをストッパーで塞ぎ、37℃のウォーターバスに入れた。
【0027】
試験溶液からKIを担持させた活性炭への水銀の結合:
KIを担持させた50mgの活性炭を10
−5Mの塩化水銀(II)を含有する試験溶液に加え、300rpmで撹拌しながら30分間、含浸炭に水銀を吸収させた。吸収が完了したら、安全ピペットで20mlの試料を取り出し、ろ過した。その試料を、2% HNO
3を含有する褐色瓶に入れ、分析した。
【0028】
分析:
試料を原子蛍光分光法により分析した。水銀(Hg)の分析結果はmg/Lで報告された。
【0029】
結果:
このモデルでは、1.6重量%のKIを含浸させた活性炭は利用可能なHgCl
2の98%と結合することが判明した。
【0030】
実施例3.ヨウ素化活性炭の調製
材料:シグマC7606からの活性炭;USP検査規格に適合する。シグマアルドリッチ(Sigma−Aldrich)03002からのヨウ素元素;USP検査に適合する。ケメチル(Kemetyl)からの非変性エタノール;水分含量0.5%未満、USPおよびEP検査規格に適合する。
【0031】
器具:
混合シリンダー 500ml、メスシリンダー 500ml、E−フラスコ 50ml、ブフナー漏斗 デュラン(Duran) 直径105mlおよびブレード付き撹拌モータ、ハイドルフ(Heidolph)製RZR1。ムンクテル(Munktell)製ろ紙グレード00H。ホウケイ酸ガラス製の蒸発皿。
【0032】
方法:バッチサイズに応じて、活性炭、ヨウ素元素およびエタノールの量を計算する。ヨウ素化炭50gのバッチサイズについては、4.5gのヨウ素、45.5gの活性炭および450mlのエタノールを使用する。活性炭をメスシリンダー内で410mlのエタノールに懸濁させ、ヨウ素元素をE−フラスコ内で40mlのエタノールに溶解させる。ヨウ素を添加し、2分間撹拌し、炭に1時間含浸させる。その後、ヨウ素化された活性炭を減圧下でのろ過によりエタノール溶液から分離し、150℃で5時間乾燥させる。これにより、9重量%のI
2が含浸されたヨウ素化活性炭が得られる。吸着されたヨウ素の量は元素分析により決定される。
【0033】
実施例4.ヨウ化カリウムまたはヨウ素を吸着させた活性炭の水銀取込みの更なる分析
実施例2の実験を繰り返したが、活性炭に吸着させるヨウ化カリウムの量は変化させた。実施例2と同様に、水銀は脱イオン水に溶解したHgCl
2として存在した。溶解した水銀の残量は、実施例2と同じ方法で原子蛍光により決定した。さらに、結果を、活性炭に同程度の量のヨウ素を吸着させて得られた結果と比較した。異なる量のヨウ化カリウムを担持させた活性炭試料の調製は、実施例1に従って行った。ヨウ素を吸着させた活性炭は実施例3の方法を用いて調製したが、ヨウ素の量は変化させた。
【0036】
KIをヨウ素に代えてこれらの実験を繰り返した。下記の結果が得られた。
【0038】
得られた結果に基づき、下記の結論が導かれた:
含浸溶液に溶解させたI
2の全て(溶液が8重量%を含有する時ですら)が活性炭に吸着された。活性炭を8重量%のKIを含有する溶液に曝露した時、驚くべきことに、活性木炭に吸着されたのは僅か1.62重量%であった。しかしながら、この少量のKIは活性木炭の水銀結合能力を10倍以上に高める。これは、活性木炭に8%のI
2を含浸させた場合に得られる水銀結合能力と同等である。これは予想外であり、ヨウ素は多量ではヒトや動物にとって有害である可能性があり、また、KIはヨウ素よりも反応性が低いことからも、非常に有益である。ヨウ素をヨウ化カリウムに置換することは、使用されるカプセルや錠剤等の薬理学的投与剤形中の成分との望ましくない反応のリスクの低下とともに、ヒトおよび動物における有毒な副作用の危険性の大幅な低下をもたらす。
【0039】
実施例5:慢性気管支炎患者の治療のためのKI含浸木炭の使用
ある60歳のコーカサス系男性では、数年にわたり、長期に及ぶ咳と粘液生成の問題が深刻化していた。彼は慢性気管支炎であると診断された。彼は、コルチコステロイド、抗コリン薬、β2刺激薬、およびアセチルシステイン等の粘液溶解薬を含む標準的な治療を受けた。しかし、これは咳または粘液生成をあまり減少させなかった。
【0040】
慢性気管支炎がかなりの不都合を引き起こしていたため、彼は症状を軽減させるための代替法を検討した。00植物性カプセルに入った1.6%KI含浸活性木炭を300mg/日で1ヵ月間服用したところ、咳と痰生成の両方が大幅に減少した。
【0041】
この改善が活性炭に起因したものなのかを明らかにするため、彼はヨウ素を含まない300mgの活性炭を1ヵ月間服用した。ところが、これは咳および痰生成をもとの状態に悪化させる結果となった。
【0042】
KI含浸活性木炭による慢性気管支炎の改善がヨウ化物に起因したものなのかを明らかにするため、彼は次に1日当たり10mg(この量はKI含浸活性木炭中のヨウ化物量、300mg×1.62%=4.9mgよりもかなり多い)KIのカプセルを1ヵ月間服用した。これは咳および痰生成を全く減少させなかった。
【0043】
最後に、彼はもう一度00植物性カプセルに入った300mgの1.6%KI含浸活性木炭を1ヵ月間服用した。今回も、咳および痰生成は大幅に減少した。
ヨウ化カリウムはこれまで慢性閉塞性肺疾患の治療に使われてきた(Bernecker,C.Intermittent therapy with potassium iodide in chronic obstructive disease of the airways.Acta Allergologica,1969,216−225)。しかしながら、遥かに多い量が与えられた(1.5〜3g以上)。アンモニア処理したヨウ化カリウム混合物(1用量当たり150〜300mg)も使用された。これらは上記の実施例で使用した約5mg/日よりも遥かに多量である。また、上記の実施例においてKIのみを含むカプセルを使用した場合、咳または痰生成の改善はみられなかった。したがって、慢性気管支炎を改善するためにはKIおよび活性木炭の両方を同時に投与することが必須であると考えられる。