(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6100440
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】ストリップ材料をコイルに巻くための装置
(51)【国際特許分類】
B21C 47/30 20060101AFI20170313BHJP
F16C 13/00 20060101ALI20170313BHJP
【FI】
B21C47/30
F16C13/00 Z
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-515968(P2016-515968)
(86)(22)【出願日】2015年4月22日
(65)【公表番号】特表2016-536142(P2016-536142A)
(43)【公表日】2016年11月24日
(86)【国際出願番号】EP2015058665
(87)【国際公開番号】WO2015180894
(87)【国際公開日】20151203
【審査請求日】2016年3月17日
(31)【優先権主張番号】102014210039.9
(32)【優先日】2014年5月26日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102014210036.4
(32)【優先日】2014年5月26日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102014212668.1
(32)【優先日】2014年7月1日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390035426
【氏名又は名称】エス・エム・エス・グループ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】パッツェルト・ウルリヒ
(72)【発明者】
【氏名】ディッケル・ベンヤミーン
【審査官】
池ノ谷 秀行
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭62−275954(JP,A)
【文献】
特開昭60−112554(JP,A)
【文献】
特開昭57−091824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21C 47/00−47/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフト要素(2)とこのシャフト要素(2)に配置された、ストリップ材料を巻くために半径方向に移動可能なセグメント(16)とを有するコイラマンドレル(1)と、操作要素(29)によって半径方向に更に外方へ又は半径方向に更に内方へシャフト要素(2)に対してセグメント(16)を移動するための操作駆動装置(26)と、コイラマンドレルを回転駆動するための回転駆動装置(5)とを備え、操作駆動装置(26)と回転駆動装置(5)が、コイラマンドレル(1)の相対する端面に配置されている、ストリップ材料をコイルに巻くための装置において、
コイラマンドレル(1)と共に操作駆動装置(26)を軸方向に移動するための移動装置(60)が設けられていること、を特徴とする装置。
【請求項2】
シャフト要素(2)をその両側で支持及び回転支承するために、操作駆動装置側と回転駆動装置側の支持軸受(52,54)が設けられていること、を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
コイラマンドレル(1)自身が、その安定性に関して、両側を対称に支承された梁として設計されていること、を特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
回転駆動装置側の支持軸受(54)が、回転駆動装置(5)へのシャフト要素(2)の解離可能な連結もしくは回転駆動装置(5)からのシャフト要素(2)の連結解除のために、カップリング装置を備えること、を特徴とする請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
シャフト要素(2)が、回転駆動装置(5)の側に回転駆動装置ジャーナル部分(8)を備え、この回転駆動装置ジャーナル部分によって、シャフト要素が、回転駆動装置(5)の被動要素に不動に、しかしながら解離可能に連結可能であること、を特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
回転駆動装置ジャーナル部分(8)が、フラットジャーナル又はスプラインジャーナルとして形成されていること、を特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
操作駆動装置(26)が、セグメント(16)の直接的な制御のために、半径方向に移動可能なセグメント(16)に軸方向に隣接して配置されていること、を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
操作駆動装置(26)が、軸方向に操作要素(29)を介挿して、半径方向に移動可能なセグメント(16)に隣接して配置されていること、を特徴とする請求項7に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリップ材料をコイルに巻き上げる又は巻き解くための装置に関する。この装置は、シャフト要素とこのシャフト要素に配置された、半径方向に移動可能なセグメントとを有するコイラマンドレルを有する。セグメントは、半径方向に更に外方へ又は半径方向に更に内方へシャフト要素に対して移動可能であるように、操作駆動装置と操作要素によって制御可能である。更に、装置は、コイラマンドレルを回転駆動するための回転駆動装置を備え、操作駆動装置と回転駆動装置が、コイラマンドレルの相対する端面に配置されている。
【背景技術】
【0002】
一般的なコイラマンドレルと装置が、従来技術から周知である。通常、従来のコイラマンドレルは、駆動されるコイラシャフトから成り、このコイラシャフトは、コイラマンドレルのコイラ面の領域に、セグメント噛合い部を備え、このセグメント噛合い部により、コイラシャフトによって支持された拡開セグメントは、半径方向に移動することができる。この場合、これに関する拡開機構は、コイラマンドレルの回転駆動装置側に位置し、しかも、大抵は拡開シリンダの形態をしている。この拡開シリンダの相応の起動時に、拡開シリンダは、コイラシャフトの空所内に延在する一貫した拡開シャフトを介して、コイラ面上に位置する拡開セグメントに相互作用し、これにより、コイラ面の半径方向の拡大か、コイラ面の半径方向の縮小が行なわれる。この場合、更に、異なった機能方式の間で区別され、即ち、例えば、コイラマンドレルの軸方向の拡開シャフトの引き又は押しによる拡大又は縮小か、その逆で区別される。コイラシャフトへの駆動力の伝達、従って回転の伝達は、駆動ユニットとコイラシャフトの間のコイラマンドレルの回転駆動装置側で行なわれる。駆動ユニットは、大抵は、変速ギヤ装置、カップリング及びモータによる構造的に複雑な組合せである。コイラマンドレルの非駆動側で、この非駆動側もしくはコイラシャフトは、高いコイラ張力及び/又はコイル重量によって惹起される高いモーメント及び負荷を補償するために、適切な支持軸受等に支持される。この場合、拡開機構の拡開シリンダと、回転駆動されるコイラマンドレルの駆動ユニットは、1つのギヤボックスに統合されているので、仕上げ巻きされたコイルの撤去が、駆動側に相対する操作側での引出しによって行なわれる。更に、特に同様の構造の巻解きコイラにおいて付加的に、設備内で慣例のコイルセンタ調心及びコイルセンタ調整を構造的に考慮することが肝要である。この場合、通常は、ギヤ装置全体が、コイル内の巻き帯のズレを補正するために、コイラマンドレル及びコイラマンドレルに巻き上げられたコイルと共に移動される。従って、このように重い構造の場合、これに関する機能を有する幾つかの部品又は部品群も強く形成する必要がある。コイラマンドレルは、負荷計算に関して、片持ち梁として注意すべきであり、これは、負荷モーメントが、完全に軸受箇所としてのギヤ装置に作用することを意味する。これにより、モーメント負荷は、コイラマンドレルの自重からギヤ装置内のその軸受部まで連続的に上昇する。巻き工程中には、コイラマンドレルとギヤ装置内の軸受の設計に関して、付加的に、コイル重量とコイラ張力の負荷を考慮する必要がある。この総負荷により、必然的に従来技術による構造の制限及び欠点が明らかになる。即ち、ギヤ装置でのコイラマンドレルの軸受部は、非常に大きく設計する必要があり、これに関するコイラボックス及びこれに関するギヤ装置が非常に大きくなる。特に、高価で労力を要する回転式オイル供給部を用意する必要がある。
【0003】
一貫したコイラマンドレルによる周知の解決策の多くの場合、それぞれの拡開機構が、コイラマンドレルの駆動装置側の端部に存在し、間接的に拡開シャフトによって拡開要素に作用する。しかしながら、拡開シャフトの必要は、常に、コイル重量及びコイラ張力の負荷を受け止める必要があるコイラシャフトの横断面の脆弱化を生じさせる。これにより、不利なことに、コイラマンドレルの、従って設備全体の技術的な設計が、著しく制限される。
【0004】
これに関する欠点を回避するために、二重拡開ヘッドコイラを有する、ストリップ材料をコイルに巻くための装置による別の設備コンセプトが存在する。この場合、ライン内でのコイルの取扱いは、ストリップガイドによって行なうことができる。しかしながら、この物流及び設備技術上の利点は、幾つかの技術的及び構造的欠点を負ってしか得られない。例えば、装置の完全な機能を満足するためには、全ての設備部分を、二重拡開ヘッドコイラの両側に2重に配置する必要がある。両駆動装置の最低の技術的不連続がある場合、コイルの中心部に、しばしば反りが生じ、これが、更にまた、しばしば瑕疵のある巻上げを生じさせる。この技術的欠点は、曲げ感度を制限するために、ストリップをスリーブに巻き上げること又はストリップ厚さを厚いストリップに限定することが、通常は必要であることを意味する。この場合に設けられるコイラマンドレルの構造は、実質的に前記の機能及び欠点を有する一貫したコイラマンドレルの構造に一致する。これにより、設備の柔軟性及び設計が小さくなり、同時に装備のためのコストが上昇する。この場合、例えばスリーブ操作システムのような補助装置が、絶対的に必要である。二重拡開ヘッドコイラの一方の側だけを駆動するとの二重拡開ヘッドコイラに関する設備コンセプトの背景にあるアイディアも、例えば箔圧延時に生じるような小さいコイラ張力の時にしか、有効に実現できない。薄板圧延時に既に、コイラ張力は、両側の駆動装置が必要であるほど高くなる。
【0005】
一般的な一貫したコイラマンドレルは、例えば以下の文献から公知である。
【0006】
欧州特許出願公開第1 157 757号明細書から、コイラマンドレルを拡開するための拡開機構が、コイラマンドレルのコイラマンドレル駆動装置側に配置され、拡開シャフトが、中空シャフトの外側に支承された拡開要素を相応に半径方向に更に外方へ又は半径方向に更に内方へ移動できるようにするために、拡開機構の拡開駆動装置から始まり中空シャフトを経て案内されている、拡開可能なコイラマンドレルが公知である。特に拡開駆動装置は、コイラマンドレル駆動装置側に存在する。これにより、前記の欠点が生じる。
【0007】
更に、独国特許出願公告第698 00 408号明細書には、特に拡開機構の拡開駆動装置、即ちシリンダもコイラマンドレル駆動装置側に配置されている、ストリップ状のものを巻き上げるための拡開可能なコイラマンドレルが示されているので、このコイラマンドレルの場合も、前で説明した欠点が、効果を発揮する。
【0008】
コイラマンドレルの拡開要素を油圧により半径方向に更に外方へ又は半径方向に更に内方へ移動できるようにするために、拡開機構の拡開駆動装置が、コイラマンドレルの駆動装置側の端部において、柔軟なホースラインによって2つの盲穴に接続されている、独国特許出願公開第27 23 964号明細書に開示されたコイラマンドレルに関しても同様である。しかしながら、そこに記載されたコイラマンドレルは、相当に費用をかけて構成されている。加えて、そこでも、前記の欠点が生じる。
【0009】
更に、特開平1−138019号公報(要約)には、拡開要素を拡開するためのその拡開機構も、コイラマンドレル駆動装置側に位置するコイラマンドレルが記載されている。従って、そこでも前記の欠点が生じる。
【0010】
同じことが、特開昭56−136744号公報(要約)に示されたコイラマンドレルに当て嵌まる。何故なら、そこでも、コイラマンドレルを拡開するための拡開機構の拡開駆動装置が、コイラマンドレル駆動装置側に配置されているからである。
【0011】
また、独国特許出願公告第698 00 408号明細書からは、コイラマンドレルの回転駆動装置と、拡開可能もしくは収縮可能なマンドレル部分の操作駆動装置も、同じコイラマンドレル端部に設けられている、拡開可能もしくは収縮可能なマンドレル部分を有するストリップ製品を巻き上げるためのコイラマンドレルも公知である。
【0012】
更に、欧州特許出願公開第0 140 872号明細書から、駆動可能なコイラシャフトと、このコイラシャフトと結合された中空の巻きドラムとから成り、巻きドラムが、巻きドラムの貫通穴を経て突出する半径方向に変位可能な加圧部材を有する、アクチュエータによって操作可能な拡開装置を包囲する、板ストリップを巻き上げるためのコイラが公知である。この場合、選択的に、アクチュエータは、コイラの回転駆動装置に相対するコイラ端部に配置されている。しかしながら、コイラの構造的構成並びに特に巻きドラムに巻かれたコイルの撤去も、比較的複雑に形成される。
【0013】
独国実用新案第88 06 889号明細書からは、更に、拡開可能な締付けセグメントを有する巻きドラムを有する、金属の平ストリップ材料用の巻上げ装置が公知である。巻上げ装置は、更に、巻きドラムと連結可能な駆動シャフトを有する駆動ユニットを有するので、巻きドラムの交換を簡素化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1 157 757号明細書
【特許文献2】独国特許出願公告第698 00 408号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第27 23 964号明細書
【特許文献4】特開平1−138019号公報
【特許文献5】特開昭56−136744号公報
【特許文献6】欧州特許出願公開第0 140 872号明細書
【特許文献7】独国実用新案第88 06 889号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の根底にある課題は、従来技術の前記欠点を少なくとも部分的に克服し、特に構造を簡素化するように、一般的な装置を構造的に更に発展させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
装置は、コイラマンドレルと共に操作駆動装置を軸方向に移動するための移動装置を有する。
【0017】
装置が、コイラマンドレルと共に操作駆動装置を軸方向に移動するための移動装置を有することにより、コイラマンドレルは、典型的に位置不動の回転駆動装置から切離されている。このように可能にされたコイラマンドレルと一緒の操作駆動装置の軸方向の移動は、有利には、巻上げ装置、例えばロータコイラのための全く新しいコンセプトを可能にする。
【0018】
“巻き”との概念は、本コイラマンドレル上でストリップ材料をコイルに巻き上げること、及び、このようなコイラマンドレルからコイルを巻き解くことを表す。
【0019】
その点で、本発明によるコイラマンドレルは、例えば圧延設備等の出側でストリップ材料をコイルに巻き上げるためだけでなく、圧延設備等の入側でコイルからストリップを巻き解くためにも配置することができる。その点で、本コイラマンドレルは、製造設備の異なった場所に及び異なった目的のために使用することができる。
【0020】
“操作駆動装置”との概念は、本発明の意味では、本セグメントが、−操作要素を介挿して−移動することができる装置を表す。例えば、操作駆動装置は、油圧シリンダユニット及び/又は電動モータを有する。
【0021】
“操作要素”との概念は、本発明の意味では、操作駆動装置と半径方向に移動可能なセグメントの間の結合子としての部品を表し、(外側の)面要素とも呼ばれる。
【0022】
半径方向に移動可能なセグメントは、多様に形成できることがわかる。好ましくは、その長手方向軸が、好ましくは軸方向にコイラマンドレルの長手方向軸の方向に延在する縦長の拡開要素として形成されている。
【0023】
“ストリップ材料”との概念は、本発明の意味では、その製造プロセスの経過においてコイル、結束物等に巻き上げられる帯状の平製品を表す。この帯状の平製品は、好ましくは鋼又は非鉄金属から成るストリップとすることができる。
【0024】
セグメント用の操作駆動装置及びシャフト要素用の回転駆動装置が通常はコイラマンドレルの同じ側に配置され、この場合、セグメント用の操作機構が回転駆動装置もしくはこれに付設されたギヤ装置を経て案内されなければならない従来技術による装置と比べ、一方で、回転駆動装置とセグメント用の操作駆動装置の必要とされる完全な空間的切離によって、両駆動装置の構造は、非常に簡単に設計することができる。他方で、適切に構成された移動装置によって、コイラマンドレルの構造は、著しく変更及び簡素化することができる。これは、一方でコストを削減し、他方で整備費用がわずかになる。
【0025】
本発明の第1の実施例によれば、装置が、駆動装置側の支持軸受以外に、コイラマンドレル用の操作駆動装置側の支持軸受を備える。これは、両支持軸受のどちらも、−設定もしくは計画された全負荷において−それぞれ約半分の全負荷
に対してしか設計する必要がない。また、コイラマンドレル自身は、もはや片持ち梁としてではなく、
対称に両側を支承されていることから、たわみ梁として設計する必要がある。これは、構造を簡素化し、コストを低減する。選択的に、コイラマンドレルの伝統的に安定した構造を維持しつつ、コイラ張力及びコイル重量に関する許容可能な負荷を、両側の対称な荷重分布に基づいて著しく大きくすることができる。
【0026】
コイラマンドレルのシャフト要素を回転駆動装置に対する解離可能な連結をするためのカップリング装置を設けることは、装置の組立て及び整備を簡素化し、加えて、一方の直接駆動装置のコイラマンドレルからの空間的な分離を、他方の操作駆動装置によって可能にする。有利には、カップリング装置は、回転駆動装置側の支持軸受に統合されるか、そのような支持軸受として形成される。
【0027】
コイラマンドレルは、迅速交換のために、カップリング装置を介して回転不能に、しかしながら解離可能に作用結合することができる。このため、シャフト要素が、その回転駆動装置側の端面に回転駆動装置
ジャーナル部分を備え、この回転駆動装置
ジャーナル部分によって、コイラマンドレルもしくはシャフト要素が、回転駆動装置の被動要素に不動に、しかしながら解離可能に連結可能である場合が有効である。
【0028】
ここで説明したコイラマンドレルと回転駆動装置の被動要素の間の迅速に解離可能なカップリング結合を提供できるようにするために、回転駆動装置
ジャーナル部分は、種々の形態とすることができることがわかる。構造的に簡単で、しかしながらそれにもかかわらず効果的に、回転駆動装置要素は、例えばフラット
ジャーナル又はスプライン
ジャーナルの形態で形成することができる。
【0029】
回転駆動装置とセグメント用の操作駆動装置の要求される空間的な切離は、操作駆動装置が、操作要素を介するセグメントの直接的な制御のために、半径方向に移動可能なセグメントに軸方向に隣接して、好ましくは直接的に隣接して配置されていることを可能にする。おそらく介挿される操作要素によって中断されることがあるセグメントに対する操作駆動装置のこの大いなる、好ましくは直接的な空間的な近傍は、有利にはセグメントの簡単な制御だけでなく特に効果的な制御も可能にする。セグメントの効果的もしくは直接的な制御は、特に、操作駆動装置からセグメントへの力もしくはトルクの非常に短い伝達経路に起因する。
【0030】
操作駆動装置が、完全に、半径方向に移動可能なセグメントに軸方向に隣接して配置されている場合、これは、コイラマンドレルの直径が、セグメント用の操作機構の構造に依存せずに選択できるとの利点を提供する。
【0031】
セグメント用の操作要素が、シャフト要素外に配置されている場合、シャフト要素は、操作要素を少なくとも部分的に収容するために、もはや強制的に中空シャフトとして形成する必要はない。従って、シャフト要素は、選択的に、中実材料体の形態で形成することもできる。これは、コイラマンドレルの直径が同じ場合に、大きいコイラ張力、コイル重量及び/又はストリップ幅を支配できるとの利点を有する。
【0032】
予織りには、セグメント用の操作駆動装置は、油圧シリンダユニット及び/又は電動モータの形態で形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の対象を、以下で
図1に関する実施例の形態で説明する。
【0035】
図1は、ストリップ材料をコイルに巻くための本発明による装置を示す。装置は、このため、シャフト要素2とこのシャフト要素に配置された半径方向に移動可能なセグメント16とを有するコイラマンドレル1を有する。コイラマンドレルの回転運動時に、ストリップ材料は、セグメント16上でコイルに巻き上げることができる、又は、ストリップ材料をコイルから巻き解くことができる。
【0036】
更に、装置は、操作要素29によってシャフト要素2に対してセグメント16を移動するための操作駆動装置26を有する。セグメントの移動は、セグメントの拡開中、即ちシャフト要素に対するセグメント要素の更に外方への半径方向の移動中に行なうか、縮小中、即ちシャフト要素2に対するセグメント要素16の半径方向に更に内方への移動中に行なうことができる。最後に、装置は、コイラマンドレル1を回転駆動するための回転駆動装置5を備える。
図1で認められるように、操作駆動装置26と回転駆動装置5は、コイラマンドレル1の相対する端面に配置されている。
【0037】
図1は、更に、コイラマンドレルもしくは特にそのシャフト要素2が、その両端でそれぞれ支持されていることを示す。このため、操作駆動装置側の支持軸受52と回転駆動装置側の支持軸受54が設けられている。所定の全負荷において、両支持軸受は、有利にはそれぞれ約半分の全負荷のためにしか設計する必要がない。また、コイラマンドレルもしくはシャフト要素は、所定の同じ全負荷に対して片持ち梁として設計する必要がある場合よりも弱く設計することもできる。
【0038】
回転駆動装置5は、典型的にギヤ装置と共に位置不動に基礎状に固定されている。回転駆動装置側の支持軸受54は、好ましくは、回転駆動装置5へのシャフト要素2の解離可能な連結もしくは回転駆動装置5からのシャフト要素2の連結解除のためのカップリング装置の形態で形成されている。回転駆動装置5からシャフト要素2へトルクを伝達するために、その回転駆動装置側のシャフト
ジャーナル、即ち回転駆動装置
ジャーナル部分8は、例えば矩形又は多角形の横断面を有するフラット
ジャーナル又はスプライン
ジャーナルとして形成されている。
【0039】
図1で認められるように、操作駆動装置26は、半径方向に移動可能なセグメントに軸方向に隣接、好ましくは直接的に隣接して配置されている。これは、セグメントが半径方向の移動のために非常に直接的に制御できるとの利点を有する。
【0040】
更に、コイラマンドレル1を操作駆動装置26と操作要素29と共に特に軸方向、即ち
図1に示した二重矢印の方向に移動するための移動装置60が認められる。
【符号の説明】
【0041】
1 コイラマンドレル
2 シャフト要素
5 回転駆動装置
8 回転駆動装置
ジャーナル部分
16 セグメント
26 操作駆動装置
29 操作要素
52 操作駆動装置側の支持軸受
54 回転駆動装置側の支持軸受
60 移動装置