【実施例】
【0016】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置27の始動入賞口27a,27bへのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置(図柄表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
【0017】
前記前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、中枠12の上部に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。
【0018】
前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられており、該操作ハンドル16を遊技者が操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置17としては、複数の図柄を周面に形成した複数のドラム(表示部)17aを回転自在に備え(
図2参照)、各ドラム17aを回転することで各種図柄の組み合わせを表示可能なドラム式の図柄表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、液晶式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の図柄表示装置を採用し得る。
【0019】
図1に示す如く、前記上球受け皿14の上面には、操作手段としての操作ボタン26が設けられている。操作ボタン26は、左ボタン26aと右ボタン26bを備え、該ボタン26a,26bの操作によって、後述するようにモードを切替えたり、音量調節を行い得るよう構成される(
図5参照)。
【0020】
前記操作ボタン26は、遊技者の手が届く前枠13の前側に配置されており、遊技者が操作可能な操作手段である。操作ボタン26は、後述するパチンコ機10の状態(待機状態、音量調節モード等)に応じて機能が変更されるように統括制御基板50で制御される。操作ボタン26は、各ボタン26a,26bを操作(押下)したときに操作信号を統括制御基板50の統括制御CPU50aに出力するよう構成される。そして操作ボタン26は、スピーカ19から出力される音量を変更するために操作される音量段階選択手段としても機能するよう設定されている。また、操作ボタン26における左右のボタン26a,26bの内部には、図示しないがLED等の発光体を配設したランプ装置が配設され、該ランプ装置を発光することで、操作ボタン26の操作時期等を知らせ得るよう構成されている。
【0021】
前記パチンコ機10の裏側には、球払出装置42を駆動制御する払出制御基板(払出制御手段)43、前記打球発射装置を駆動制御する発射制御基板等が配設されている。前記払出制御基板43は、前記パチンコ機10の後側に配設されるメイン制御基板(
図3参照)45に配線接続されており、該メイン制御基板45から入力される制御信号に基づいて、払出制御基板76が球払出装置75を制御することで、所要数のパチンコ球を賞球として払い出すよう構成される。
【0022】
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、
図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、始動入賞装置27、特別入賞装置32、普通入賞装置36、球通過ゲート38等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
【0023】
ここで、実施例の前記遊技盤20には、
図2に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して図柄表示装置17のドラム17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘23が設けられると共に、前記枠状装飾体25の左側方に、遊技領域20aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材24が回転自在に支持されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘23や回転案内部材24に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の下方位置に開設された装着口に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口(始動入賞手段)27a,27bを有する始動入賞装置27および特別入賞口(特別入賞手段,入賞口)を有する特別入賞装置(入賞手段)32が取り付けられている。
【0024】
前記枠状装飾体25における表示窓口25aの下側に、遊技に関する演出を表示可能な発光演出装置(表示手段)40が配設されている。この発光演出装置40は、
図2および
図5に示す如く、横方向に並んだ複数(実施例では16個)の発光部41を備え、各発光部41の裏側に配設されたLED等の発光体を発光することで、発光部41が明輝して遊技演出の興趣を向上し得るよう構成される。実施例では、発光部41を明輝するLEDとしてフルカラーLEDが用いられ、発光部41を複数の色で明輝させ得るようにしてある。発光演出装置40は、パチンコ機10の状態(遊技が行われている状態、待機状態、音量調節モード)に応じて機能が変更されるように統括制御基板50で制御される。すなわち、発光演出装置40は、遊技が行われている状態においては図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出することで興趣を向上するべく機能し、待機状態においては発光演出(デモ演出)することで客寄せ効果を得るように機能し、音量調節モードにおいては音量段階の選択状況を表示するように機能する。なお、遊技が行われている状態において発光演出装置40で行う演出として、例えば、図柄表示装置17での図柄変動演出の結果として遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技)が付与される期待度を、発光する発光部41の数や発光色の変化によって報知する演出があるが、これに限らず各種の演出を行わせることが可能である。
【0025】
(始動入賞装置27について)
図2に示すように、前記始動入賞装置27は、前記始動入賞口27a,27bが上下の位置関係で2つ設けられている。ここで、上側に位置する第1始動入賞口(第1始動入賞手段)27aは、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされている。下側に位置する第2始動入賞口(第2始動入賞手段)27bを挟む左右両側には、該第2始動入賞口27bを開閉可能に構成された開閉部材29,29が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド28(
図3参照)の駆動に伴って一対の開閉部材29,29が第2始動入賞口27bを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。
【0026】
前記始動入賞装置27は、前記第1および第2始動入賞口27a,27bに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての始動入賞検出センサ30,31(
図3参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサ30,31は、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板45(
図3参照)に配線接続されており、該始動入賞検出センサ30,31によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口27a,27bへのパチンコ球の入賞)を契機として所定数の賞球が払い出されるようになっている。また、始動入賞検出センサ30,31によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口27a,27bへのパチンコ球の入賞)に伴って各種情報が取得され、この取得した情報に基づいて特図当り抽選(大当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されると共に、特図表示器(図示せず)において特図変動が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置17での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置17に所定の組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞装置32を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。ここで、実施例では、前記始動入賞検出センサ30,31が始動入賞口27a,27b毎が設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口27aに対応するセンサを第1始動入賞検出センサ30と指称し、第2始動入賞口27bに対応するセンサを第2始動入賞検出センサ31と指称するものとする。また、メイン制御基板45は、第1始動入賞検出センサ30または第2始動入賞検出センサ31からの検出信号を受信すると、前記払出制御基板43に制御信号を出力して、前記球払出装置42に所定数の賞球を払い出させるよう構成される。
【0027】
(特別入賞装置32について)
前記特別入賞装置32は、
図2に示すように、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口(図示せず)を開閉自在に閉成する開閉扉(開閉部材)33を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド34(
図3参照)の駆動に伴って開閉扉33が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。また、前記特別入賞装置32には、前記特別入賞口に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ35(
図3参照)が設けられている。特別入賞検出センサ35は、前記メイン制御基板45に配線接続されており、特別入賞検出センサ35がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板45に出力し、メイン制御基板45は、前記払出制御基板43に制御信号を出力して、前記球払出装置42に予め設定された数の賞球を払い出させるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド34は、前記始動入賞装置27へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞装置32を開放する当り遊技(大当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板45によって駆動制御される。
【0028】
(普通入賞装置36について)
前記普通入賞装置36には、該入賞装置36に設けた普通入賞口に入賞したパチンコ球を検出する普通入賞検出センサ37(
図3参照)が設けられている。この普通入賞検出センサ37は、前記メイン制御基板45に配線接続されており、該普通入賞検出センサ37からメイン制御基板45への球検出信号の入力に伴って所定数の賞球が払い出されるようになっている。この普通入賞検出センサ37によるパチンコ球の検出(すなわち普通入賞装置36に設けた普通入賞口へのパチンコ球の入賞)を契機として所定数の賞球が払い出されるようになっている。
【0029】
(球通過ゲート38について)
図2に示すように、前記枠状装飾体25の左側には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート38が設けられている。前記球通過ゲート38には通過球検出センサ39(
図3参照)が配設されており、該球通過ゲート38を通過するパチンコ球を通過球検出センサ39で検出するよう構成されている。前記通過球検出センサ39は、前記メイン制御基板45に配線接続されており、該通過球検出センサ39からメイン制御基板45への球検出信号の入力(すなわち通過球検出センサ39のパチンコ球の検出(球通過ゲート38のパチンコ球の通過))に伴って各種情報が取得され、この取得した情報に基づいて普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞装置27の始動入賞ソレノイド28が駆動制御されて開閉部材29,29が開閉動作するようになっている。
【0030】
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、
図3に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板45と、該メイン制御基板45からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板50,55とが設けられている。すなわち、メイン制御基板45では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板50,55に出力されるようになっている。
【0031】
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板50と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板55と、パチンコ機10が備える各種ランプ装置(発光演出装置40等)の発光制御を行うランプ制御基板60と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板61とを備えている。すなわち、メイン制御基板45が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板50が表示制御基板55、ランプ制御基板60および音制御基板61を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板55は、統括制御基板50から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17の図柄変動演出を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板60は、統括制御基板50から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種ランプ装置(発光演出装置40等)の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板61は、統括制御基板50から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御するものである。
【0032】
(電源基板62について)
前記パチンコ機10には、遊技場の電源(例えば、AC24V)を、パチンコ機10を構成する各種構成部材に供給する電源基板62が配設されている。この電源基板62には、
図3に示す如く、パチンコ機10に供給する電源のON−OFFを切り替える電源スイッチ63およびメイン制御RAM45cと統括制御RAM50cとを初期化(クリア)させるためのクリアスイッチ64が設けられている。また電源基板62には、前記電源スイッチ63に接続し、該電源スイッチ63のON−OFFの切り替えに応じてメイン制御基板45に電源ON信号、電源OFF信号を出力する電源断監視回路65が設けられると共に、前記クリアスイッチ64に接続するクリアスイッチ回路66が設けられている。実施例では、クリアスイッチ64をON操作した状態で電源スイッチ63をON操作したときに限り、メイン制御基板45および統括制御基板50にクリア信号を出力し、該クリア信号を受けたメイン制御基板45および統括制御基板50が対応するメイン制御RAM45cおよび統括制御RAM50cを初期化するクリア処理を行うよう設定される。すなわち、実施例では電源断監視回路65、電源スイッチ63、クリアスイッチ回路66およびクリアスイッチ64から初期化手段が構成される。なお、クリアスイッチ回路66とクリアスイッチ64とから初期化手段を構成し、クリアスイッチ64をON操作したときにクリアスイッチ回路66からメイン制御基板45および統括制御基板50にクリア信号を出力する構成を採用し得る。
【0033】
実施例のパチンコ機10では、前記クリアスイッチ64をON操作したときに、統括制御基板50に対してクリア前信号を出力するよう構成されており、該クリア前信号を受けた統括制御基板50では、後述するように統括制御RAM50cに記憶されている音量段階を特定する情報(音量段階記憶情報)を、音量段階バックアップエリアに記憶保持するよう構成される。
【0034】
図3に示す如く、前記電源基板62には、遊技場の電源をパチンコ機10へ供給される電源電圧(例えば、DC30V)に変換処理する電源回路(電源手段)67が設けられている。電源回路67には、各制御基板45,50,55が接続されており、該電源回路67は、変換処理された後の電源電圧を各制御基板45,50,55に対応する供給すベき所定の電源電圧に変換処理し、変換後の電源電圧を対応する制御基板45,50,55に供給するよう構成される。
【0035】
前記電源基板62には、前記電源回路67に接続する前記電源断監視回路65が設けられ、該電源断監視回路65は、電源回路67に供給される電源電圧(以下、監視電源電圧という場合もある)の電圧値を監視するよう構成される。具体的には、電源断監視回路65は、監視電源電圧が所定の電圧(以下、閾値電圧という場合もある)に降下したか否かを判定する。なお、この閾値電圧は、遊技に支障を来たすことなくパチンコ機10を動作させるために最低限必要な電圧(例えば、DC20V)とされる。ここで、監視電源電圧が閾値電圧に降下するのは、例えば、電源断(電源OFF)時や停電時の場合である。この場合、パチンコ機10に電力が供給されなくなってしまうため、監視電源電圧が閾値電圧に降下する。
【0036】
前記電源基板62には、前記電源断監視回路65に接続するリセット信号回路68が設けられている。電源断監視回路65は、判定結果が肯定(すなわち、監視電源電圧が閾値電圧以下となった状態)である場合に、メイン制御基板45、統括制御基板50およびリセット信号回路68に対して監視電源電圧が閾値電圧に降下したことを示す電源断信号を出力するよう構成される。また、リセット信号回路68は、電力供給の開始時(電源投入時や復電時)または電源断信号の入力時に、メイン制御基板45、統括制御基板50および表示制御基板55に対してリセット信号を出力し、メイン制御基板45、統括制御基板50および表示制御基板55の動作を規制するようになっている。
【0037】
前記電源基板62には、コンデンサ等のバックアップ電源69が設けられ、パチンコ機10の主電源が切られて電力の供給が停止した場合(電源スイッチ63のOFF等)には、バックアップ電源69からメイン制御RAM45cおよび統括制御RAM50cに電力が供給されて、両制御RAM45c,50cに記憶されている各種情報を、電力供給が遮断された後も保持し得るよう構成されている。
【0038】
(メイン制御基板45について)
前記メイン制御基板45は、
図3に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU(メイン制御手段)45a、該メイン制御CPU45aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM45b、当該メイン制御CPU45aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM45c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサ30,31、特別入賞検出センサ35、普通入賞検出センサ37、通過球検出センサ39等の各種センサが前記メイン制御CPU45aに接続されている。また、メイン制御CPU45aには、特図表示器や普図表示器等の各種表示器が接続されて、各検出センサ30,31,39の検出を契機としてメイン制御CPU45aで実行された制御処理に基づいて、各表示器の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU45aには、前記始動入賞装置27および特別入賞装置32に設けられたソレノイド28,34が接続されており、該メイン制御CPU45aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド28,34を駆動させることで、対応する開閉部材29,29や開閉扉33が開閉するようになっている。
【0039】
前記メイン制御RAM45cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶される。このメイン制御RAM45cには、前記各種情報を一時的に記憶するためのメモリやエリア(常用記憶エリア)の他に、メインバックアップエリアが設けられている。このメインバックアップエリアは、停電等によって電力供給が遮断された場合において、電力供給の開始時(復電時)にパチンコ機10の状態を電力供給の遮断時の状態に復帰させるべく、電力供給の遮断時の各種情報を記憶しておくためのエリアである。メインバックアップエリアへの記憶(書き込み)は、電力供給の遮断時(電源断信号の入力時)の電源断処理において実行され、該メインバックアップエリアに記憶された各種情報の読み出しは、電力供給の開始時(復電時)の復電処理において実行される。
【0040】
また、メイン制御RAM45cには、前記電源基板62のバックアップ電源69が接続されている。そして、メイン制御RAM45cは、監視電源電圧の遮断時(閾値電圧への降下)において、バックアップ電源69から供給される電源電圧(例えば、DC5V)に基づき、前記メインバックアップエリアに記憶された各種制御情報を電力供給の遮断後も記憶保持可能に構成されている。すなわち、電力供給の遮断時における遊技状態や遊技内容をバックアップすることが可能となっている。
【0041】
(統括制御基板50について)
前記統括制御基板50には、統括制御CPU50aが備えられている。該統括制御CPU50aには、
図3に示す如く、統括制御ROM50bおよび統括制御RAM50cが接続されている。そして、前記操作ボタン26が統括制御CPU50aに接続されている。また、統括制御CPU50aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM50cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。前記統括制御ROM50bには、表示制御基板55、ランプ制御基板60および音制御基板61を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。そして、統括制御CPU50aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行するようになっている。実施例では、統括制御CPU50aが、スピーカ19を制御する音制御手段の機能を有している。
【0042】
前記統括制御RAM50cには、前記各種情報を一時的に記憶するためのメモリやエリア(常用記憶エリア)の他に、統括バックアップエリアが設けられている。この統括バックアップエリアは、停電等によって電力供給が遮断された場合において、電力供給の開始時(復電時)にパチンコ機10の状態を電力供給の遮断時の状態に復帰させるべく、電力供給の遮断時の各種情報を記憶しておくためのエリアである。統括バックアップエリアへの各種情報の記憶(書き込み)は、電力供給の遮断時(電源断信号の入力時)の電源断処理において実行され、該統括バックアップエリアに記憶された各種情報の読み出しは、電力供給の開始時(復電時)の復電処理において実行される。
【0043】
前記統括制御RAM50cには、電源基板62のバックアップ電源69が接続されている。そして、統括制御RAM50cは、監視電源電圧の遮断時(閾値電圧への降下)において、バックアップ電源69から供給される電源電圧(例えば、DC5V)に基づき各種制御情報を記憶保持可能に構成されている。すなわち、電力供給の遮断時における遊技状態や遊技内容をバックアップすることが可能となっている。
【0044】
前記統括バックアップエリアに、後述する音量段階を特定する情報(音量段階記憶情報)を記憶する音量段階バックアップエリアが設けられ、該音量段階バックアップエリアに記憶された音量段階記憶情報は、電力供給の遮断後も保持し得るようになっている。また、統括制御RAM50cでは、前記クリア信号を受けた際に、音量段階バックアップエリアに記憶されている音量段階記憶情報が初期化されることなく維持するよう構成してある。なお、音量段階バックアップエリアへの音量段階記憶情報の記憶は、電力供給の遮断時(後述する電源断信号の入力時)の電源断処理および前記クリア前信号を受けた時において実行され、該音量段階バックアップエリアに記憶された音量段階記憶情報の読み出しは、電力供給の開始時(復電時)の復電処理およびクリア処理後において実行される。従って、統括制御CPU50aは、復電時において音量段階バックアップエリアに記憶保持されている音量段階記憶情報に基づいて音量段階を停電時の状態に戻すことができると共に、クリア処理後においても音量段階バックアップエリアに記憶保持されている音量段階記憶情報に基づいて音量段階をクリア処理直前の状態に戻すことができる。本実施例では、統括制御RAM50cが、バックアップ記憶手段として機能すると共に、電源復帰後に統括制御RAM50cの記憶情報に基づいて電源が遮断される際の遊技状態に復帰させる復帰手段としての機能も有する。
【0045】
(電源断処理について)
前記メイン制御CPU45aおよび統括制御CPU50aは、前記電源断監視回路65からの電源断信号を入力すると、予め定められた制御プログラムに基づき電源断処理を実行するよう構成される。なお、電源断監視回路65は、監視電源電圧が閾値電圧まで降下したタイミングにおいて、メイン制御CPU45aおよび統括制御CPU50aおよびリセット信号回路68に電源断信号を出力する。これにより、パチンコ機10の各種構成部材が動作不能となる前に、メイン制御CPU45aおよび統括制御CPU50aが夫々電源断処理を実行するようになっている。
【0046】
前記電源断処理では、メイン制御CPU45aおよび統括制御CPU50aは、メイン制御RAM45cおよび統括制御RAM50cの常用記憶エリアに記憶保持されている各種制御情報をメインバックアップエリアおよび統括バックアップエリア(音量段階バックアップエリア)に記憶保持させる。また、メイン制御CPU45aおよび統括制御CPU50aは、メイン制御RAM45cおよび統括制御RAM50cへのアクセスを禁止し、リセット信号回路68からのリセット信号の入力を待機する。そして、メイン制御CPU45aおよび統括制御CPU50aは、リセット信号を入力すると、メイン制御CPU45aおよび統括制御CPU50aの動作を規制する。電力供給が遮断した後は、電源基板62のバックアップ電源69からメイン制御RAM45cおよび統括制御RAM50cに電力が供給され、電力供給の遮断時にメインバックアップエリアおよび統括バックアップエリア(音量段階バックアップエリア)に記憶された各種情報がバックアップデータとして記憶保持される。
【0047】
(電源投入時の処理について)
パチンコ機10へ電源投入(電力供給の開始)された場合は、前記リセット信号回路68は、所定の規制時間が経過するまでの間、メイン制御CPU45a、統括制御CPU50aおよび表示制御CPU55aに対してリセット信号を継続出力する。このとき、メイン制御CPU45aに対するリセット信号の継続出力時間は、統括制御CPU50aおよび表示制御CPU55aに対するリセット信号の継続出力時間より長く設定される。
【0048】
メイン制御CPU45aおよび統括制御CPU50aは、リセット信号の入力が停止すると、メイン制御ROM45bおよび統括制御ROM50bに記憶されている制御用電源投入処理プログラムに基づき、前記クリアスイッチ64が操作されているか否かを判定し、否定であれば前記バックアップエリアに記憶保持されている各種制御情報に基づきパチンコ機10を起動させる。そして、メイン制御CPU45aおよび統括制御CPU50aは、制御用電源投入処理を終了すると共に、電力供給の遮断前の状態に復帰させる。一方、クリアスイッチ64が操作されている場合、すなわちクリア信号がメイン制御CPU45aおよび統括制御CPU50aに入力されている場合は、該メイン制御CPU45aおよび統括制御CPU50aは、各制御RAM45c,50cを初期化するクリア処理を行い、メイン制御CPU45aおよび統括制御CPU50aは初期化された制御情報に基づいてパチンコ機10を起動させる。但し、統括制御RAM50cの音量段階バックアップエリアに記憶されている音量段階記憶情報は初期化されずに保持される。
【0049】
(復電処理について)
電力供給が遮断した後、前記メイン制御CPU45aおよび統括制御CPU50aに電源回路67からの電力供給が開始されたときに実行される復電処理について説明する。この復電処理では、電源回路67からの電力供給が開始されたメイン制御CPU45aおよび統括制御CPU50aは、メイン制御RAM45cのメインバックアップエリアおよび統括制御RAM50cの統括バックアップエリアに記憶されている各種制御情報を、対応する常用記憶エリアに記憶し、この常用記憶エリアに記憶した制御情報に基づいて、パチンコ機10を電力供給の遮断時の状態に復帰させる。例えば、電力供給の遮断時の遊技状態が確変状態であれば、電力供給が開始されたときの復電処理によって遊技状態は確変状態となり、電力供給の遮断時の遊技状態が変短状態であれば、電力供給が開始されたときの復電処理によって遊技状態は変短状態となる。
【0050】
(遊技検出手段について)
本実施例では、パチンコ機10において遊技が行われていることを検出する遊技検出手段が設けられる。遊技検出手段として、遊技盤20に設けられた始動入賞検出センサ30,31、普通入賞検出センサ37、通過球検出センサ39が用いられ、これら検出センサ30,31,37,39による球検出信号がメイン制御基板45に入力されることで、該メイン制御基板45のメイン制御CPU45aが、遊技が行われていると判定するよう設定される。またメイン制御CPU45aは、前記遊技検出手段30,31,37,39からの球検出信号が入力されると同時にメインタイマ手段により時間の計時を開始し、該メインタイマ手段が予め設定された待機移行時間を計時しても新たな球検出信号が入力しないことを条件(所定条件)として、パチンコ機10を待機状態に移行するよう設定される。なお、待機状態は、待機移行時間が経過した際に、前記メイン制御CPU45aから出力される待機状態制御コマンドに基づいて移行するようになっている。すなわち、メイン制御CPU45aは、統括制御CPU50aに対して待機状態制御コマンドを送信し、統括制御CPU50aでは、待機状態制御コマンドに対応する待機発光演出制御コマンドをランプ制御基板72に出力する。これによりランプ制御基板72では、該コマンドで特定される待機発光演出データに基づいて、前記操作ボタン26に内蔵のLEDを発光制御する。実施例では、待機状態においては、前記左右のボタン26a,26bに内蔵のLEDが点灯するよう制御される。また、ランプ制御基板72は、待機発光演出データに基づいて、前記発光演出装置40のLEDを制御して、客寄せ効果が期待できる発光によるデモ演出を実行させる。すなわち、発光演出装置40は、遊技が行われている状態から待機状態に移行することで、遊技に関する演出を表示する状態からデモ演出を表示する状態に切替わる。
【0051】
なお、待機状態において、前記遊技検出手段30,31,37,39からの球検出信号がメイン制御基板45に入力されると、メイン制御基板45から統括制御基板50に対応する制御コマンドが入力されることで、該統括制御基板50は待機状態を終了して入力された球検出信号に基づく演出を行うように各制御基板55,60,61を制御する。
【0052】
(音量調節モードについて)
前記統括制御基板50の統括制御CPU50aは、前記待機状態において前記操作ボタン26からの操作信号が入力されると、スピーカ19から出力される音の大きさ(音量)を遊技者が調節可能な音量調節モードに移行するよう構成されている。実施例では、操作ボタン26における右ボタン26aまたは左ボタン26bの操作信号が統括制御CPU50aに入力された際に、音量調節モードに移行するよう設定される。なお、左右のボタン26a,26bから同時に操作信号が入力された場合においても、統括制御CPU50aは音量調節モードに移行するようになっている。また、統括制御CPU50aは、前記操作ボタン26(左右のボタン26a,26b)からの操作信号が入力されると同時にサブタイマ手段により0から時間の計時を開始し、該サブタイマ手段が予め設定された有効時間を計時するまでの間に新たな操作信号が入力しないことを条件(所定条件)として、パチンコ機10を待機状態に復帰するよう設定されている。
【0053】
前記統括制御ROM50bには、統括制御CPU50aからスピーカ19に出力されるべき音量信号が示す音の大きさが音量値として記憶されている。本実施例では、
図4に示すように、「0」〜「120」までの複数の音量値が統括制御ROM50bに記憶されており、統括制御CPU50aは、パチンコ機10が備える音量調節摘み70(後述)および操作ボタン26の操作に基づいて、該統括制御ROM50bに記憶されている音量値の中から1つの音量値を選択し得るようになっている。なお、音量値は、「0」で最小(無音)で、数値が大きくなる毎に音量が段階的に大きくなり、「120」で最大の音量となるよう設定される。ここで、
図4に示す音量値は、実際の音量を表わすものではなく、各音量値に対して実際にスピーカ19から出力される際の音量が対応して設定される。例えば、音量値の「1」に対してはスピーカ19から出力される音量が48dBとなり、音量値の「120」に対してはスピーカ19から出力される音量が95dBとなるように設定されており、該音量値が大きくなるほど実際にスピーカ19から出力される音量も大きくなる。なお、各音量値に対応して設定される実際の音量は変更可能である。実施例では、統括制御ROM50bは、音量値記憶手段として機能している。
【0054】
前記統括制御基板50上に、音量範囲選択手段としての回動式の音量調節摘み70(
図3参照)が配置されている。この音量調節摘み70は、外枠11に対して中枠12を閉成した状態(遊技を行い得る状態)では遊技者の手が届かない前枠13の後側に配置されており、遊技者が操作不能な操作手段である。すなわち、音量調節摘み70は、遊技店の店員によって中枠12を外枠11に対して開放することで操作可能となるものであって、遊技店の店員のみが操作可能になっている。そして、音量調節摘み70を回動することで、スピーカ19から出力される音量を調節可能な基準音量範囲が設定された範囲設定値を、複数段階で調節可能に構成されている。また、音量調節摘み70は、パチンコ機10の電源のON状態およびOFF状態に関らず範囲設定値を選択可能であって、該範囲設定値で選択されている範囲設定値に対応する基準音量範囲内で統括制御CPU50aが音量値を選択するよう構成される。
【0055】
実施例では、音量調節摘み70によって選択可能な範囲設定値として、基準音量範囲が段階的に変化する「レンジ0」〜「レンジ10」までの11段階が設定されている。なお、範囲設定値の「レンジ0」および「レンジ1」は、遊技者による音量の調節が不能な範囲設定値として設定されると共に、範囲設定値の「レンジ2」〜「レンジ10」は、遊技者による音量の調節が可能な範囲設定値として設定されている。すなわち、
図4に示す如く、範囲設定値の「レンジ0」では、基準音量範囲として音量値の「0」(無音)のみが設定されると共に、範囲設定値の「レンジ1」では、基準音量範囲として音量値の「1」のみが設定されており、該範囲設定値が「レンジ0」または「レンジ1」に設定されている場合は、遊技者がボタン操作を行っても音量調節できないようになっている。これに対し、範囲設定値が「レンジ2」〜「レンジ10」では、音量値の「10」〜「120」の値中の8個の値が、夫々8段階で設定されており、設定された範囲設定値に対応する8段階で遊技者が音量値を選択可能になっている。
【0056】
前記各基準音量範囲には、「音量段階1」〜「音量段階8」までの8段階の音量段階が設定されており、これら8段階の音量段階から1つの音量段階を遊技者がボタン操作によって選択し得るよう構成される。「音量段階1」は、基準音量範囲内における最小の音量値に対応すると共に、「音量段階8」は、基準音量範囲内における最大の音量値に対応するものであって、音量段階は数値が大きくなるのにつれて音量値が段階的に大きくなるよう設定される。具体的には、音量段階が1つ上がる毎に、音量値が5ずつ大きくなるよう設定してある。また、各基準音量範囲内における音量値の最小値および最大値は、範囲設定値の「レンジ2」〜「レンジ10」においては、レンジ数が大きくなるのにつれて段階的に大きくなるよう設定されている。具体的には、レンジ数が1つ上がる毎に、音量値が5ずつ大きくなるよう設定してある。そして、前記統括制御CPU50aは、店側が音量調節摘み70によって選択した範囲設定値(レンジ)と、遊技者が操作ボタン26によって選択した音量段階との組み合わせによって1つ音量値を選択するよう構成される。例えば、
図4に示す如く、範囲設定値が「レンジ3」で音量段階が「音量段階2」であれば、音量値として「25」が選択され、範囲設定値が「レンジ6」で音量段階が「音量段階5」であれば、音量値として「55」が選択され、範囲設定値が「レンジ10」で音量段階が「音量段階8」であれば、音量値として「120」が選択される。
【0057】
前記統括制御CPU50aによる音量段階の変更態様は、操作ボタン26からの操作信号が入力される度に音量段階を1段階ずつ変更するよう設定される。実施例では、左ボタン26aからの操作信号が入力される度に音量段階を1段階ずつ下げるように変更し、右ボタン26bからの操作信号が入力される度に音量段階を1段階ずつ上げるように変更するよう設定される。すなわち、「音量段階5」に設定されている状態で、左ボタン26aからの操作信号が入力される度に音量段階を「音量段階4」→「音量段階3」→「音量段階2」→「音量段階1」の順で変更し、一方右ボタン26bからの操作信号が入力される度に音量段階を「音量段階6」→「音量段階7」→「音量段階8」の順で変更するようになっている。このように、実施例のパチンコ機10では、遊技者が左ボタン26aまたは右ボタン26bを操作(押下)することにより、スピーカ19から出力される音量が段階的に調節される。なお、統括制御CPU50aは、音量段階が最小値まで変更された状態では、左ボタン26aからの操作信号が入力されても音量段階を変更しないと共に、音量段階が最大値まで変更された状態では、右ボタン26bからの操作信号が入力されても音量段階を変更しないよう構成してある。すなわち、統括制御CPU50aは、「音量段階1」の状態で左ボタン26aからの操作信号が入力されても「音量段階1」を維持すると共に、「音量段階8」の状態で右ボタン26bからの操作信号が入力されても「音量段階8」を維持するよう構成されている。なお、統括制御CPU50aは、前記待機状態からボタン操作により移行した音量調節モード中においてのみ、前記操作ボタン26による音量調節を有効とするよう構成される。
【0058】
前記統括制御CPU50aは、前記操作ボタン26によって音量段階が変更されると、前記統括制御RAM50cの音量段階記憶部に記憶されている音量段階を変更後の音量段階に更新するよう構成される。すなわち、音量段階記憶部には、常に最新の音量段階が記憶されている。
【0059】
前記統括制御CPU50aは、音量調節モード中において前記左ボタン26aまたは右ボタン26bからの操作信号が入力されたときに、音量調節摘み70で選択されている範囲設定値に対応する音量段階で特定される音量値に対応する音量の確認音を、前記スピーカ19から出力するように音制御基板61に対して確認音出力コマンドを出力するよう構成される。すなわち、操作ボタン26を操作して音量段階(音量)を変更した際には、変更された音量段階に対応する音量の確認音がスピーカ19から出力されることで、遊遊者が変更した音量を確認し得るようになっている。
【0060】
実施例のパチンコ機10では、前記操作ボタン26による音量の変更中に前記遊技検出手段30,31,37,39からの検出信号がメイン制御基板45に入力され、該メイン制御基板45から検出信号に対応する制御コマンドが統括制御基板50に入力されたときには、該統括制御基板50は音量調節モードを終了し、入力された制御コマンドに対応する演出を行なうように各制御基板55,60,61を制御するよう構成される。また、統括制御RAM50cの音量段階記憶部には、音量調節モードを終了した時点で選択されている音量値が記憶されており、音量調節モードの終了後の遊技中にスピーカ19から出力される音量は、音量調節モードが終了した時点で選択されている音量値に対応する音量となる。
【0061】
前記統括制御CPU50aは、待機状態において前記操作ボタン26からの操作信号が入力されて音量調節モードに移行する際に、前記ランプ制御基板60に対して音量調節モード用の制御コマンドを出力する。これによりランプ制御基板60では、該制御コマンドに基づいて前記発光演出装置40を制御し、デモ演出を表示している状態から音量段階の選択状況を表示する状態に切替えるよう構成される。すなわち、統括制御CPU50aは、音量調節モードにおいて、発光演出装置40によって音量段階の選択状況を、明輝させる発光部41の位置によって表示するようにランプ制御基板60を介して発光演出装置40を制御するよう構成される。実施例では、操作ボタン26が、発光演出装置40による表示様態を、音量段階の選択状況を表示する状態に切替える切替手段として機能する。
【0062】
実施例では、
図5に示す如く、発光演出装置40の発光部41は、操作ボタン26によって選択可能な音量段階の倍の数(16個)が設けられ、隣接する2つの発光部41,41が1つの音量段階に対応している。すなわち、音量調節モードにおいて発光演出装置40の発光部41は、音量段階を示す目盛りとして機能するようになっており、
図5においてNo.1〜No.16で示す発光部41が、「音量段階1」〜「音量段階8」に対応するようになっている。実施例では、「No.1,No.2」が「音量段階1」に対応し、「No.3,No.4」が「音量段階2」に対応し、以後同様に隣接する2つの発光部41,41が各音量段階に対応し、「No.15,No.16」が「音量段階8」に対応する。例えば、統括制御CPU50aから「音量段階3」を特定する制御コマンドがランプ制御基板60に入力されると、該ランプ制御基板60は、「No.5,No.6」に対応するLEDを発光するように発光演出装置40を制御することで、遊技者に音量段階(音量)が変更されたことを視覚によって認識させ得るようになっている。なお、音量調節モード中においては、発光演出装置40のLEDが点滅するよう制御される。
【0063】
前記統括制御CPU50aは、各音量段階に応じてLEDの発光色を変えるようにランプ制御基板60を制御するよう構成される。実施例では、「音量段階1」,「音量段階2」,「音量段階3」,「音量段階4」,「音量段階5」,「音量段階6」,「音量段階7」,「音量段階8」の夫々に、「白色」,「水色」,「青色」,「黄色」,「橙色」,「緑色」,「紫色」,「赤色」が対応している。例えば、統括制御CPU50aから「音量段階3」を特定する制御コマンドがランプ制御基板60に入力されると、該ランプ制御基板60は、「No.5,No.6」に対応するLEDを青色で発光するように発光演出装置40を制御し、「音量段階8」を特定する制御コマンドがランプ制御基板60に入力されると、該ランプ制御基板60は、「No.15,No.16」に対応するLEDを赤色で発光するように発光演出装置40を制御するよう構成される。これにより、音量調節に際して遊技者は、発光演出装置40で表示される発光部41の位置および発光色によって音量の変化を確認し得るようになっている。
【0064】
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。なお、前記音量調節摘み70で設定された範囲設定値が「レンジ5」で、かつ現在の音量段階が「音量段階4」になっているものとする。
【0065】
(待機移行処理について)
前記メイン制御CPU45aが制御プログラムに基づき実行する待機移行処理について、
図6を参照して説明する。メイン制御CPU45aは、前記遊技検出手段30,31,37,39からの検出信号が入力されると(ステップA11)、メインタイマ手段により時間の計時を開始する(ステップA12)。そして、ステップA13で遊技検出手段30,31,37,39からの検出信号が入力されたか否かを判定し、該ステップA13の判定結果が肯定の場合は、ステップA14でメインタイマ手段をリセットして再びメインタイマ手段により時間の計時を開始する(ステップA12)。ステップA13が否定の場合は、メインタイマ手段が予め設定された待機設定時間を計時したか否かを判定し(ステップA15)、否定であればステップA13に戻る。
【0066】
メインタイマ手段が待機設定時間を計時してステップA15が肯定されたときに、メイン制御CPU45aは待機状態制御コマンドを出力し、該コマンドに基づいて統括制御CPU50aが待機状態に移行するように各制御基板55,60,61を制御することで、パチンコ機10は待機状態となる(ステップA16)。この待機状態において、前記統括制御CPU50aから出力された制御コマンドに基づいて、ランプ制御基板60が前記操作ボタン26に内蔵のLEDを点灯するように制御する。
【0067】
(音量調節モード移行処理について)
次に、前記待機状態において統括制御CPU50aが制御プログラムに基づき実行する音量調節モード移行処理について、
図7を参照して説明する。統括制御CPU50aは、遊技検出手段30,31,37,39からの検出信号が入力されたか否かを判定し(ステップB11)、肯定であれば音量調節モード移行処理を終了する。一方、ステップB11が否定であれば、ステップB12に移行して前記操作ボタン26からの操作信号が入力されたか否かを判定し、否定であればステップB11に戻る。ステップB12が肯定されると、統括制御CPU50aは、音量調節モード処理に移行する(ステップB13)。すなわち、統括制御CPU50aは、操作ボタン26からの操作信号を、音量段階を変更するための信号として有効にする。
【0068】
(音量調節処理について)
次に、前記音量調節モードにおいて統括制御CPU50aが制御プログラムに基づき実行する音量調節処理について、
図8を参照して説明する。音量調節モード処理に移行すると、統括制御CPU50aは、統括制御RAM50cの音量段階記憶部に記憶されている音量段階を特定する制御コマンドをランプ制御装置60に対して出力し、該制御コマンドに基づいてランプ制御装置60が発光演出装置40を制御することで、現在の音量段階に対応する発光部41を点滅させる(ステップS11)。すなわち、現在の音量段階は「音量段階4」であるので、該「音量段階4」に対応する「No.7,No.8」の発光部41が黄色の光で点滅する(
図5参照)。このとき、スピーカ19から「音量調節が可能になりました」等の音声を出力するように、統括制御CPU50aが音制御基板61を制御してもよい。また統括制御CPU50aは、サブタイマ手段により時間の計時を開始する(ステップC12)。
【0069】
統括制御CPU50aは、操作ボタン26からの操作信号が入力されたか否かを判定し(ステップC13)、否定であればステップC19に移行してサブタイマ手段が予め設定された有効時間を計時したか否かを判定し、否定であればステップC13に戻る。ステップC13が肯定であれば、サブタイマ手段をリセッとして再び計時を開始する(ステップC14)。そして、統括制御CPU50aは、ステップS15で操作信号が左ボタン26aからの操作信号か否かを判定し、肯定であればステップC16で現在の音量段階が最小値でないか否かを判定し、否定であれば(音量段階が最小値であれば)ステップC19に移行する。前述したように現在の音量段階は「音量段階4」であるので、ステップC16は肯定され、統括制御CPU50aはステップC17で音量段階を1段階下げる。すなわち、音量段階を「音量段階3」とし、該変更した音量段階を統括制御RAM50cの音量段階記憶部に記憶する。また、統括制御CPU50aは、音量段階を1段階下げた際に、音制御基板61を制御してスピーカ19から確認音を出力させる(ステップC18)。すなわち、現在の範囲設定値である「レンジ5」で「音量段階3」に対応する音量値である「45」に対応する音量の確認音がスピーカ19から出力される(
図4参照)。また、統括制御CPU50aから出力された「音量段階3」を特定する制御コマンドがランプ制御基板60に入力され、該ランプ制御基板60によって発光演出装置40の「No.7,No.8」の発光部41に対応するLEDが消灯されると共に「No.5,No.6」の発光部41に対応するLEDを青色で発光する。
【0070】
ステップC18からステップC19に移行し、サブタイマ手段が予め設定された有効時間を計時したか否かを判定し、否定であればステップC13に戻る。このステップC19が肯定されると、統括制御CPU50aは、音量調節処理を終了して待機状態に復帰させる。前記有効時間が経過する前に遊技者が左ボタン26aを連続して操作した場合は、ステップC13〜C18が繰返され、発光演出装置40の点滅している発光部41が「No.4,No.3」→「No.2,No.1」の順で移行し、内部的には音量段階が「音量段階2」→「音量段階1」の順で変化する。そして、「音量段階1」が選択された後は、左ボタン26aを操作しても音量は変更されない。
【0071】
図8においてステップC15が否定された場合、すなわち統括制御CPU50aに入力された操作信号が右ボタンaのものであった場合は、ステップC20で現在の音量段階が最大値でないか否かを判定し、否定であれば(音量段階が最大値であれば)ステップC19に移行する。左ボタン26aが1回も操作されていない場合で説明すると、現在の音量段階は「音量段階4」であるので、ステップC20は肯定され、統括制御CPU50aはステップC21で音量段階を1段階上げる。すなわち、音量段階を「音量段階5」とし、該変更した音量段階を統括制御RAM50cの音量段階記憶部に記憶する。また、統括制御CPU50aは、音量段階を1段階上げた際に、音制御基板61を制御してスピーカ19から確認音を出力させる(ステップC18)。すなわち、現在の範囲設定値である「レンジ5」で「音量段階5」に対応する音量値である「65」に対応する音量の確認音がスピーカ19から出力される(
図4参照)。また、統括制御CPU50aから出力された「音量段階5」を特定する制御コマンドがランプ制御基板60に入力され、該ランプ制御基板60によって発光演出装置40の「No.7,No.8」の発光部41に対応するLEDが消灯されると共に「No.9,No.10」の発光部41に対応するLEDを橙色で発光する(
図5参照)。
【0072】
ステップC18からステップC19に移行し、サブタイマ手段が予め設定された有効時間を計時したか否かを判定し、否定であればステップC13に戻る。このステップC19が肯定されると、統括制御CPU50aは、音量調節処理を終了して待機状態に復帰させる。前記有効時間が経過する前に遊技者が右ボタン26bを連続して操作した場合は、ステップC13,C14,C15,C20,C21,C18が繰返され、発光演出装置40の点滅している発光部41が「No.11,No.12」→「No.13,No.14」→「No.15,No.16」の順で移行し、内部的には音量段階が「音量段階6」→「音量段階7」→「音量段階8」の順で変化する。そして、「音量段階8」が選択された後は、右ボタン26bを操作しても音量は変更されない。
【0073】
ここで、停電等によって電源供給が遮断した場合、実施例のパチンコ機10では、電源断処理によってメイン制御CPU45aおよび統括制御CPU50aは、メイン制御RAM45cおよび統括制御RAM50cの常用記憶エリアに記憶保持されている各種制御情報をメインバックアップエリアおよび統括バックアップエリアに記憶保持させる。このとき、統括制御RAM50cの音量段階記憶部に記憶されている音量段階記憶情報が、統括バックアップエリアの音量段階バックアップエリアに記憶保持される。そして、電力供給が遮断した後は、電源基板62のバックアップ電源69からメイン制御RAM45cおよび統括制御RAM50cに電力が供給され、電力供給の遮断時にメインバックアップエリアおよび統括バックアップエリア(音量段階バックアップエリア)に記憶された各種情報がバックアップデータとして記憶保持される。
【0074】
そして、前記メイン制御CPU45aおよび統括制御CPU50aに電源回路67からの電力供給が開始されると、メイン制御CPU45aおよび統括制御CPU50aは、前記復電処理によってメイン制御RAM45cのメインバックアップエリアおよび統括制御RAM50cの統括バックアップエリアに記憶されている各種制御情報を、対応する常用記憶エリアに記憶し、この常用記憶エリアに記憶した制御情報に基づいて、パチンコ機10を電力供給の遮断時の状態に復帰させる。すなわち、統括制御RAM50cの音量段階バックアップエリアに記憶されている音量段階記憶情報が常用記憶エリアの音量段階記憶部に記憶されることで、停電等によって電源供給が遮断した後に復電したときには、スピーカ19から出力される音量は、電源供給が遮断した時の状態となり、遊技者は再び音量を調節する必要はない。
【0075】
また、実施例のパチンコ機10では、何らかの事情によってメイン制御RAM45cおよび統括制御RAM50cを初期化する必要が生じた場合に、前記クリアスイッチ64の操作によって統括制御RAM50cが前記クリア前信号を受けると、統括制御RAM50cの音量段階記憶部に記憶されている音量段階記憶情報が音量段階バックアップエリアに記憶される。その後にクリア信号を受けた統括制御CPU50aは、統括制御RAM50cにおける音量段階バックアップエリア以外のエリアに記憶されている情報を初期化する。そして、クリア処理後において統括制御CPU50aは、統括制御RAM50cの音量段階バックアップエリアに記憶されている音量段階記憶情報を常用記憶エリアの音量段階記憶部に記憶し、この音量段階記憶に記憶した音量段階記憶情報に基づいて、スピーカ19から出力される音量を制御する。すなわち、クリア処理が実行された場合においても、遊技者は再び音量を調節する必要はなく、クリア処理前に選択した音量で遊技を楽しむことができる。
【0076】
本実施例のように音量調節モードを備えたパチンコ機10によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) 音量調節摘み70によって範囲設定値を変更することで、遊技者が音量を調節可能な範囲を変えることができると共に、選択された範囲設定値に対応する基準音量範囲を超えて音量が大きくされたり小さくされるのを防ぐことができる。すなわち、状況に応じて遊技店が設定した基準音量範囲内でのみ遊技者による音量調節を可能としたので、遊技店が意図しない音量に設定されてしまうのを防止し得る。
(2) 基準音量範囲内において8段階の音量段階を設定しているので、遊技者が調節可能な音量が基準音量範囲内に限定されていても、遊技者の好みに合った音量調節が可能であり、遊技者個々の趣向に合わせた音量で遊技を楽しむことができる。
(3) 遊技者が操作ボタン26(左ボタン26aまたは右ボタン26b)を操作して音量(音量段階)を変更したときには、スピーカ19から変更した音量の確認音が出力されるので、遊技者は実際に変更された音量の大きさを確認しつつ調節することができ、好みの音量に適確に調節し得る。
(4) 遊技中の演出を表示する発光演出装置40によって音量段階の選択状況を表示し得るよう構成したので、部品点数を増加することなく音量段階の選択状況を視覚によって確認することができる。
(5) 本実施例では、音量調節摘み70によって選択可能な範囲設定値として、無音となる「レンジ0」を設定しているので、遊技店やメーカーにおいて効果音を出力しない状態で検査等を行うことができる。
(6) 本実施例では、音量調節摘み70によって選択可能な範囲設定値として、一定の音量値のみが設定された「レンジ1」を設定している。すなわち、遊技店側の事情によっては、遊技者に音量調節をさせたくない状況があり、この場合には範囲設定値を「レンジ1」に設定することで、効果音を一定の音量とすることができる。すなわち、無音、一定音量、調節可能な複数段階の範囲設定値等、遊技店が選べる選択肢を多く備えることで、遊技店にニーズに沿った遊技演出が可能となる。
【0077】
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、音量調節摘み(音量範囲選択手段)の操作によって選択可能な範囲設定値を11段階とすると共に、操作ボタン(音量段階選択手段)の操作によって選択可能な音量段階を8段階としたが、選択可能な範囲設定値および音量段階の段階数は、11段階や8段階に限らず任意に設定することができる。
(2) 実施例では、音量調節摘み(音量範囲選択手段)で選択される各段階の範囲設定値に設定される基準音量範囲の最小値および最大値の変化幅が、「5」ずつ変化するよう構成したが、該変化幅は任意に設定することができる。また、操作ボタン(音量段階選択手段)で選択される各段階の音量値についても、各段階の変化幅が、「5」ずつ変化するよう構成したが、該変化幅についても任意に設定することができる。
(3) 実施例では、待機状態から音量調節モードに移行することで音量調節を行い得るよう構成したが、遊技を行っている状態(図柄変動演出中等)において音量調節モードに移行し得るよう構成することができる。すなわち、パチンコ機において遊技者が操作可能な位置に切替えスイッチ(切替手段)を配設し、該切替えスイッチの操作信号が統括制御基板に入力された際に、該統括制御基板が音量調節モードに移行するよう構成する。この場合に、発光演出装置の表示態様も音量段階の選択状況を表示する態様に切替えるようにする。このように遊技を行なっている状態において音量調節を可能とすることで、実際の遊技中の効果音を聞きながら遊技者が好みの音量に調節することができる。なお、遊技を行なっている状態においての音量調節に際しては、確認音の出力を中止するようにしてもよい。
(4) 実施例では、音量段階の選択状況を表示する手段として、演出に関する表示を行う発光演出装置を兼用するよう構成したが、音量段階の選択状況のみを表示する専用の表示手段を設けるようにしてもよい。この場合に、表示手段の配設位置は、遊技盤面上である必要はなく、遊技者が視認可能な位置であれば、操作ボタン(音量段階選択手段)に隣接した上球受け皿に配設したり、その他の部位であってもよい。
(5) 実施例では、待機状態において操作ボタンの操作信号に基づいて音量調節モードに移行すると共に、発光演出装置による表示態様を音量段階の選択状況を表示可能な態様に切替えるよう構成したが、待機状態となってからカウントを開始するタイマ(切替手段)に設定されている音量調節モード移行時間の経過によって発光演出装置の表示態様を切替える構成を採用し得る。
【0078】
(6) 実施例では、音量段階に応じて発光部で明輝する色(LEDの発光色)を変化するよう構成したが、範囲設定値の段階(レンジ)によっても発光部で明輝する色(LEDの発光色)を変化させるようにしてもよい。また、各音量値毎に発光部で明輝する色(LEDの発光色)を変化させるようにしてもよく、この場合は、変化する色の種類によって、どの範囲設定値であるのかを推測することができる。すなわち、統括制御ROM(発光色記憶手段)に、各音量値に対応する発光色を記憶しておき、音量段階が変更されたときに、変更された音量段階に対応する音量値に対して設定された発光色で発光部を明輝するようにLEDを発光させるように制御する。例えば、「10」,「20」,「30」,「40」,「50」の5種類の音量値に対し、「白色」,「水色」,「青色」,「黄色」,「橙色」の発光色を対応して設定すると共に、範囲設定値の「レンジ2」では、「10」,「20」,「30」の3段階の音量段階を選択可能とし、「レンジ3」では「20」,「30」,「40」の3段階の音量段階を選択可能とし、範囲設定値の「レンジ4」では、「30」,「40」,「50」の3段階の音量段階を選択可能とする。この構成では、店側で設定される範囲設定値が「レンジ2」では、遊技者のボタン操作によって発光体の色が「白色」,「水色」,「青色」と変化するのに対し、「レンジ3」では「水色」,「青色」,「黄色」と変化し、「レンジ3」では「青色」,「黄色」,「橙色」と変化する。従って、遊技者は、調節可能な音量値の最小値や最大値に対応して発光する色によって、パチンコ機において音量を調節することが可能な全体の範囲の内のどの範囲で調節可能になっているかを推測することができる。
(7) 実施例では、音量段階の選択状況を表示する手段として発光演出装置を挙げたが、液晶式の表示装置やドットマトリックス式の表示装置等のように、音量段階の変更に伴って表示を変化させ得る各種の表示装置を採用することができる。例えば、図柄表示装置として液晶式の図柄表示装置を採用している場合は、該図柄表示装置で音量段階の選択状況を表示すようにしてもよい。なお、液晶式の図柄表示装置を用いて音量段階の選択状況を表示する場合は、LEDに比べて多くの色を表示し得るので、音量値に対して設定可能な色を多種類とすることができる。
(8) 音量調節に関し、パチンコ機の異常や不正行為を報知するためのエラー報知音に関しては、店側および遊技者が設定した音量値に関らず、スピーカから最大音量で出力するようにすることが好ましい。またエラー報知音は、遊技に関する演出音やBGMに優先して出力されるようになっていることが好ましい。すなわち、パチンコ機に配設した各種の異常検出スイッチからの信号が統括制御CPUに入力された場合は、統括制御CPUが最大音量でエラー報知音を出力するように音制御基板にコマンドを送るようにすればよい。
(9) パチンコ機において、音量の調節のみでなく、各種ランプ装置の光量を遊技者が調節可能に構成することができる。例えば、待機状態において音量調節モードと光量調節モードとを選択可能に構成し、光量調節モードを選択した場合は、操作ボタンによってランプ装置の光量を段階的に調節可能に構成すればよい。このとき、実施例で示した発光演出装置により音量段階の選択状況を表示する場合と同様に、発光部の明輝する位置によって光量の設定段階を表示するようにすることができる。
【0079】
(10) 実施例では、遊技球が一定の確率で入賞可能な第1始動入賞手段と、遊技球の入賞確率を可変可能な第2始動入賞手段とを始動入賞手段として備え、各始動入賞手段毎に検出手段を設けて個別に遊技球の入賞を検出するよう構成したが、該第1および第2始動入賞手段の入賞検出手段を共通にしてもよい。すなわち、第1始動入賞手段への入賞と、第2入賞手段への入賞とを区別しないよう構成してもよい。
(11) 実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に、別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部また一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(12) また、実施例において統括制御手段(統括制御CPU)が備える機能の全部または一部を表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段が備える機能の全部または一部を統括制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、統括制御基板(統括制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における統括制御手段および表示制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、統括制御手段が兼用することができる。
(13) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。