特許第6100706号(P6100706)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6100706情報提供装置、情報提供システム、情報提供プログラムおよび情報提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6100706
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供システム、情報提供プログラムおよび情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20170313BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20170313BHJP
【FI】
   G06Q30/02
   G06F13/00 540E
【請求項の数】10
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-18904(P2014-18904)
(22)【出願日】2014年2月3日
(65)【公開番号】特開2015-146128(P2015-146128A)
(43)【公開日】2015年8月13日
【審査請求日】2014年9月19日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】五味 秀仁
【審査官】 佐藤 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−058781(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/041319(WO,A1)
【文献】 特開2012−208856(JP,A)
【文献】 特開2004−013403(JP,A)
【文献】 特開2004−341897(JP,A)
【文献】 特開2004−318409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワーク上のサービスを利用するユーザが前記サービスを利用するために登録したユーザ情報を記憶する情報記憶部と、
前記サービスのアカウント認証が行われて前記サービスの提供を受けることができる状態になったユーザ端末から、実空間の店舗または設備と当該店舗または設備を利用するユーザをそれぞれ特定する情報を含む情報提供要求を受け付ける要求受付部と、
前記要求受付部により情報提供要求を受け付けた場合、前記情報提供要求で特定される前記ユーザに対応するユーザ情報のうち、前記情報提供要求で特定される前記店舗または設備に応じたユーザ情報を前記情報記憶部から取得する情報取得部と、
前記実空間の店舗または設備で利用されるユーザ情報として前記情報取得部により取得されたユーザ情報を含む情報を前記ユーザ端末または前記情報提供要求で特定される前記店舗または設備に設置された通信装置へ送信する情報送信部と、を備える
ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記情報取得部により取得された前記ユーザ情報を含む身分証明書情報を生成する情報生成部を備え、
前記情報送信部は、前記情報生成部によって生成された前記身分証明書情報を前記通信装置へ送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記情報記憶部に記憶される前記ユーザ情報には、前記ユーザの属性を示す複数の属性情報が含まれ、
前記情報取得部は、前記複数の属性情報のうち前記店舗または設備に応じた属性情報を選択して前記情報記憶部から取得し、
前記情報生成部は、前記情報取得部によって取得された前記属性情報を含む前記身分証明書情報を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記ユーザの属性を特定する情報を管理する情報管理装置から前記通信ネットワークを介して送信される情報に基づいて、前記情報取得部によって取得された前記属性情報の正当性を判定する正当性判定部を備え、
前記情報生成部は、前記正当性判定部により前記属性情報の正当性がないと判定された場合に、前記情報管理装置から取得される前記ユーザの属性を特定する情報を含む前記身分証明書情報を生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記情報記憶部は、
ユーザ端末の識別情報を前記ユーザ情報に関連付けて記憶しており、
前記要求受付部は、
前記情報提供要求で特定される前記ユーザに関連付けられた前記ユーザ端末の識別情報が前記情報提供要求に含まれる場合に、前記情報提供要求を受け付ける
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の情報提供装置。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか1つに記載の情報提供装置と、
複数の前記ユーザ端末と、を備え、
前記複数のユーザ端末の各々は、
前記ユーザを特定する情報を記憶する特定情報記憶部と、
前記ユーザを特定する情報と前記店舗または設備を特定する情報とを含む情報提供要求を前記情報提供装置へ送信する提供情報要求部と、
前記情報提供装置から前記身分証明書情報を取得する身分証明書情報取得部と、
前記身分証明書情報取得部によって取得された身分証明書情報を表示する表示部と、
を備える
ことを特徴とする情報提供システム。
【請求項7】
前記店舗または設備に設置されるサービス提供装置を備え、
前記ユーザ端末は、
前記身分証明書情報に含まれる属性情報を前記サービス提供装置へ通知する属性情報通知部を備え、
前記サービス提供装置は、
前記ユーザ端末から前記属性情報を取得する属性情報取得部と、
前記属性情報取得部によって受信された前記属性情報を表示する表示部と、を備える
ことを特徴とする請求項6に記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記店舗または設備に設置されるサービス提供装置を備え、
前記ユーザ端末は、
前記身分証明書情報に含まれる属性情報を前記サービス提供装置へ送信する属性情報送信部を備え、
前記サービス提供装置は、
前記ユーザ端末から前記属性情報を取得する属性情報取得部と、
前記ユーザの属性情報を検出する属性情報検出部と、
前記属性情報取得部で取得された前記属性情報と前記属性情報検出部により検出された前記属性情報とを比較して、前記ユーザ端末から取得される前記属性情報の認証を行う属性情報認証部と、を備える
ことを特徴とする請求項6に記載の情報提供システム。
【請求項9】
通信ネットワーク上のサービスを利用するためにユーザ情報を登録したユーザのユーザ端末であってアカウント認証が行われて前記サービスの提供を受けることができる状態になったユーザ端末から、実空間の店舗または設備と当該店舗または設備を利用するユーザをそれぞれ特定する情報を含む情報提供要求を受け付ける要求受付手順と、
前記要求受付手順により情報提供要求を受け付けた場合、前記情報提供要求で特定される前記ユーザに対応するユーザ情報のうち、前記情報提供要求で特定される前記店舗または設備に応じたユーザ情報を、前記ユーザが前記サービスを利用するために登録した前記ユーザ情報を記憶する情報記憶部から取得する情報取得手順と、
前記実空間の店舗または設備で利用されるユーザ情報として前記情報取得手順により取得されたユーザ情報を含む情報を前記ユーザ端末または前記情報提供要求で特定される前記店舗または設備に設置された通信装置へ送信する情報送信手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報提供プログラム。
【請求項10】
コンピュータが実行する情報提供方法であって、
通信ネットワーク上のサービスを利用するためにユーザ情報を登録したユーザのユーザ端末であってアカウント認証が行われて前記サービスの提供を受けることができる状態になったユーザ端末から、実空間の店舗または設備と当該店舗または設備を利用するユーザをそれぞれ特定する情報を含む情報提供要求を受け付ける要求受付工程と、
前記要求受付工程により情報提供要求を受け付けた場合、前記情報提供要求で特定される前記ユーザに対応するユーザ情報のうち、前記情報提供要求で特定される前記店舗または設備に応じたユーザ情報を、前記ユーザが前記サービスを利用するために登録した前記ユーザ情報を記憶する情報記憶部から取得する情報取得工程と、
前記実空間の店舗または設備で利用されるユーザ情報として前記情報取得工程により取得されたユーザ情報を含む情報を前記ユーザ端末または前記情報提供要求で特定される前記店舗または設備に設置された通信装置へ送信する情報送信工程と、
を有することを特徴とする情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供システム、情報提供プログラムおよび情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サービスを提供する実空間の店舗では、店舗のユーザに関する情報を必要とする場合がある。例えば、酒類やタバコを販売する店舗では、20歳以上であるか否かの年齢を確認するためにユーザは運転免許証などの身分証明書を提示することが要求される。
【0003】
身分証明書が印刷物で作成されている場合、ユーザは身分証明書を携行しなければならない。そこで、予め身分証明書データを認証センターに登録しておき、ユーザが携帯端末から認証センターにアクセスすることで、発行番号を含む身分証明書データを携帯端末に送信する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−330889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の技術では、身分証明書データを認証センターに予め登録しておかなければならず、登録処理に手間がかかる。このことは、店舗のユーザに関する情報が必要となる他の場合も同様である。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、実空間の店舗または設備を利用するユーザのユーザ情報を容易に提供することができる情報提供装置、情報提供システム、情報提供プログラムおよび情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る情報提供装置は、情報記憶部と、要求受付部と、情報取得部と、情報送信部とを備える。前記情報記憶部は、通信ネットワーク上のサービスを利用するユーザのユーザ情報を記憶する。前記要求受付部は、実空間の店舗または設備と当該店舗または設備を利用するユーザをそれぞれ特定する情報を含む情報提供要求を受け付ける。前記情報取得部は、前記要求受付部により情報提供要求を受け付けた場合、前記情報提供要求で特定される前記ユーザに対応するユーザ情報のうち、前記情報提供要求で特定される前記店舗または設備に応じたユーザ情報を前記情報記憶部から取得する。前記情報送信部は、前記情報取得部により取得されたユーザ情報を含む情報を前記情報提供要求に応じた通信装置へ送信する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、実空間の店舗または設備を利用するユーザのユーザ情報を容易に提供することができる情報提供装置、情報提供システム、情報提供プログラムおよび情報提供方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A図1Aは、第1の実施形態に係る情報提供処理を行う情報提供システムの構成図である。
図1B図1Bは、第1の実施形態に係る情報提供システムによる情報提供処理の一例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
図3図3は、ユーザ情報格納部に記憶されるユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
図4図4は、提供対象情報格納部に記憶される提供対象情報テーブルの一例を示す図である。
図5図5は、ユーザ端末の構成例を示す図である。
図6図6は、表示部に表示される情報提示アプリの画面例を示す図である。
図7図7は、表示部に表示される身分証明書画面の一例を示す図である。
図8図8は、第1の実施形態に係るサービス提供装置の構成例を示す図である。
図9図9は、情報提供装置による情報処理フローを説明するための図である。
図10図10は、ユーザ端末による情報処理フローを説明するための図である。
図11図11は、第2の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図12図12は、情報提供装置の機能、ユーザ端末の機能またはサービス提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る情報提供装置、情報提供システム、情報提供プログラムおよび情報提供方法のいくつかの実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本願に係る情報提供装置、情報提供システム、情報提供プログラムおよび情報提供方法が限定されるものではない。
【0011】
[1.第1の実施形態]
[1.1.情報提供システム]
まず、第1の実施形態に係る情報提供処理について説明する。図1Aは、第1の実施形態に係る情報提供処理を行う情報提供システムの構成図である。
【0012】
図1Aに示すように、情報提供システム1は、情報提供装置2と、ユーザ端末31〜3n(以下、ユーザ端末3と総称する場合がある)と、サービス提供装置41〜4n(以下、サービス提供装置4と総称する場合がある)とを備える。サービス提供装置41〜4nのそれぞれは、複数の店舗または設備のそれぞれに設置される。
【0013】
かかる店舗や設備には、例えば、小売店、飲食店、美容院・理容院、病院、ホテル、複合レジャー施設などのほか、コンサートやスポーツなどが行われるイベント会場などがあり、また、例えば、レジャー施設のアトラクション設備や移動販売車などの設備も含まれる。以下、店舗および設備を総称して店舗と記載する。
【0014】
情報提供装置2、ユーザ端末31〜3nおよびサービス提供装置41〜4nは、通信ネットワーク5を介して互いに通信が可能である。通信ネットワーク5は、例えば、インターネットなどのIP(Internet Protocol)ネットワークである。
【0015】
情報提供装置2は、通信ネットワーク5上のサービスを利用するユーザのユーザ情報を記憶する情報記憶部を備える。通信ネットワーク5上のサービスとして、例えば、オンラインショッピング、オンラインバンキング、メール、ネットオークションなどがある。
【0016】
情報提供装置2は、ユーザ端末3からの要求に応じて、情報記憶部に記憶されたユーザ情報を実空間の店舗で利用されるユーザ情報としてユーザ端末3へ提供することができる。ユーザ情報は、例えば、ユーザの氏名、性別、年齢、住所、生体属性、嗜好品などの情報である。また、情報提供装置2が提供するユーザ情報として、例えば、身分証明書情報や会員カード用情報などがある。
【0017】
サービス提供装置4は、実空間の店舗に設置される。かかるサービス提供装置4は、店舗内で提供されるサービスに付随する処理を行う。例えば、サービス提供装置4は、身分確認処理や会員登録処理を実行することができる。かかるサービス提供装置4は、情報提供装置2から提供されるユーザ情報をユーザ端末3経由で取得することができる。
【0018】
ユーザ端末3は、例えば、無線通信を行うことができる無線端末であり、スマートフォン、PC(Personal Computer)またはタブレット端末である。かかるユーザ端末3には、情報提示アプリケーション(以下、情報提示アプリと記載する)のプログラムがインストールされており、かかる情報提示アプリによって、ユーザ端末3の下記処理が実行される。
【0019】
図1Bは、情報提供システム1による情報提供処理の一例を示す図である。図1Bに示すように、ユーザ端末3の制御部は、情報提供装置2との間で認証処理を行う(ステップS1)。
【0020】
かかる認証処理は、ユーザ端末3のユーザ(以下、端末ユーザと記載する)の識別情報をユーザ端末3から送信することによって行われる。端末ユーザの識別情報は、例えば、端末ユーザが登録している通信ネットワーク5上のサービスのアカウントであり、例えば、ユーザIDおよびパスワードが含まれる。
【0021】
認証処理が終了すると、ユーザ端末3の制御部は、情報提供装置2に対して情報提供要求を送信する(ステップS2)。かかる情報提供要求は、端末ユーザによってユーザ端末3の操作部へ所定操作が行われた場合や、サービス提供装置4からの無線信号を受信した場合に行われる。
【0022】
情報提供装置2の制御部は、ユーザ端末3からの情報提供要求を受信すると、かかる情報提供要求に応じたユーザ情報を情報記憶部から取得する(ステップS3)。例えば、情報提供要求が身分証明書情報の要求である場合、情報提供装置2の制御部は、端末ユーザのユーザ情報のうち、身分証明書に必要な情報を取得し、取得した情報に基づいて身分証明書情報を生成する。
【0023】
身分証明書情報には、例えば、端末ユーザの氏名、年齢、性別、住所、顔画像などの情報と、証明書識別番号などが含まれる。また、例えば、情報提供装置2の制御部は、情報提供要求が会員カード用情報の要求である場合、端末ユーザのユーザ情報のうち、会員カードに必要な情報(例えば、氏名、年齢、性別、住所)を取得する。
【0024】
情報提供装置2の制御部は、情報記憶部から取得したユーザ情報に基づいてユーザ端末3に対して情報提供を行う(ステップS4)。例えば、情報提供要求が身分証明書情報の要求である場合、情報提供装置2の制御部は、生成した身分証明書情報をユーザ端末3へ送信する。また、例えば、情報提供要求が会員カード用情報の要求である場合、情報提供装置2の制御部は、会員カードに必要な情報をユーザ端末3へ送信する。
【0025】
ユーザ端末3の制御部は、情報提供装置2から提供される情報を取得する(ステップS5)。例えば、情報提供装置2から提供される情報が身分証明書情報の場合、ユーザ端末3の制御部は、ユーザ端末3の表示部に身分証明書情報を表示する。
【0026】
また、ユーザ端末3の制御部は、情報提供装置2から提供される情報の少なくとも一部をサービス提供装置4へ送信する(ステップS6)。ユーザ端末3は、例えば、近距離無線通信を行う通信部を有しており、サービス提供装置4への送信は、通信部を介して行われる。
【0027】
例えば、情報提供装置2から提供される情報が身分証明書情報の場合、ユーザ端末3の制御部は、身分証明書情報に含まれる属性情報(例えば、顔画像の情報)をサービス提供装置4へ送信する。また、情報提供装置2から提供される情報が会員カード用情報の場合、会員カード用情報に含まれる属性情報(例えば、氏名、年齢、性別、住所)をサービス提供装置4へ送信する。
【0028】
サービス提供装置4の制御部は、ユーザ端末3から情報を受信すると、受信した情報に基づいた処理を行う(ステップS7)。例えば、ユーザ端末3から送信される情報が身分証明書情報に含まれる属性情報である場合、サービス提供装置4の制御部は、属性情報の認証を行う。属性情報の認証は、例えば、サービス提供装置4の撮像部によって撮像された端末ユーザの顔画像とユーザ端末3から受信した顔画像とを比較することによって行われる。
【0029】
また、ユーザ端末3から送信される情報が会員カード用情報に含まれる属性情報である場合、サービス提供装置4の制御部は、受信した属性情報に基づいて端末ユーザの会員登録処理を行う。
【0030】
サービス提供装置4の制御部は、ステップS7で行った処理の結果をユーザ端末3へ送信する(ステップS8)。例えば、サービス提供装置4の制御部は、身分確認が終了したことを示す情報や会員カードの情報などをユーザ端末3へ送信する。
【0031】
このように、第1の実施形態に係る情報提供システム1では、通信ネットワーク5上のサービスを利用するユーザのユーザ情報を記憶する情報提供装置2から、実空間の店舗を利用するユーザのユーザ情報を提供することができる。
【0032】
そのため、端末ユーザは、実空間の店舗においてユーザ情報を容易に取得することができる。例えば、端末ユーザは、身分証明書を忘れた場合であっても、認証センターへの身分証明書データの事前登録などを行うことなく、身分証明書情報を取得することができる。また、端末ユーザは、店舗の会員サービスへ登録する際に、ユーザ情報の記入などの手間を省くことができる。そのため、端末ユーザの負担を軽減することができ、店舗での取引を円滑に行うことができ、店舗での取引促進を図ることが可能となる。
【0033】
以下、情報提供システム1を構成する情報提供装置2、ユーザ端末3およびサービス提供装置4の具体的構成および具体的処理の一例について図面を参照して説明する。
【0034】
[1.2.情報提供装置2]
図2は、実施形態に係る情報提供装置2の構成例を示す図である。図2に示すように、情報提供装置2は、通信部20と、記憶部21と、制御部22とを備える。通信部20は、通信ネットワーク5に接続された装置と制御部22との間で通信を行うための通信インターフェイスであり、例えば、TCP/IPやUDPなどのプロトコルによる通信を行う。制御部22は、通信部20を介して通信ネットワーク5に接続された装置との間の通信を行う。
【0035】
記憶部21は、ユーザ情報格納部31および提供対象情報格納部32を有する。記憶部21は、例えば、ハードディスク、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置である。ユーザ情報格納部31には、ユーザ情報テーブルが記憶され、提供対象情報格納部32には提供対象情報テーブルが記憶される。
【0036】
制御部22は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。また、制御部22は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部21に記憶されているプログラムが図示しない内部RAMを作業領域として実行されることにより後述する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0037】
具体的には、制御部22は、記憶部21に記憶される情報提供プログラムを実行することによって、アカウント管理部33、アカウント認証部34、要求受付部35、情報取得部36、情報生成部37および情報送信部38として機能する。なお、制御部22の構成は、かかる構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0038】
以下、アカウント管理部33、アカウント認証部34、要求受付部35、情報取得部36、情報生成部37および情報送信部38についてユーザ情報格納部31および提供対象情報格納部32を説明しつつ、具体的に説明する。
【0039】
[1.2.1.アカウント管理部33]
アカウント管理部33は、ユーザ端末3から送信されるユーザ登録要求を受け付け、かかるユーザ登録要求に含まれる情報をユーザ情報テーブルに設定する。また、アカウント管理部33は、ユーザ端末3から送信される情報提示アプリ登録要求を受け付け、かかる情報提示アプリ登録要求に含まれるユーザ端末3の識別情報をユーザ情報テーブルに設定する。
【0040】
ユーザ登録要求は、例えば、端末ユーザの氏名、年齢、性別、住所、顔画像などのユーザ情報やユーザ端末3の識別情報などが含まれる。端末ユーザは、例えば、通信ネットワーク5上のサービス(例えば、オンラインショッピングやオンラインバンク)を利用する場合に、ユーザ端末3を用いて情報提供装置2にユーザ登録を行う。
【0041】
図3は、ユーザ情報格納部31に記憶されるユーザ情報テーブルの一例を示す図である。図3に示すように、ユーザ情報テーブルは、「ユーザID」毎に、「パスワード」、「属性情報」および「登録端末」が対応付けられた情報である。
【0042】
「ユーザID」は、端末ユーザ毎に割り当てられる固有のIDである。「パスワード」は認証用の情報であり、端末ユーザまたはアカウント管理部33によって割り当てられる。「ユーザID」および「パスワード」は、通信ネットワーク5上のサービスのアカウントであり、端末ユーザは、「ユーザID」および「パスワード」を含む認証要求をユーザ端末3から情報提供装置2へ送信させることで通信ネットワーク5上のサービスを利用できる。
【0043】
「属性情報」は、ユーザ端末3のユーザ属性を示す情報であり、「デモグラフィック属性」の情報と、「生体属性」の情報と、「サイコグラフィック属性」の情報とを含む。
【0044】
「デモグラフィック属性」は、人口統計学的な属性であり、端末ユーザの「性別」、「年齢」、「名前」、「住所」などに区分分けされる。図3に示す例では、端末ユーザの性別、年齢、名前、住所を一例として記載しているが、端末ユーザの職業、家族構成、年収、学歴など様々な区分種別を「デモグラフィック属性」とすることができる。
【0045】
「生体属性」は、端末ユーザの生体情報であり、例えば、端末ユーザの顔、指紋、虹彩、声紋などの端末ユーザの身体的特徴を示す情報である。かかる「生体属性」は、「ユーザID」および「パスワード」に代えて、通信ネットワーク5上のサービスのアカウントとして用いることができる。なお、生体属性は、例えば、端末ユーザの身長、体重、髪型、手の形、ほくろの位置、鼻の形、眼の形、耳の形、爪の形、ひげの形などの情報であってもよい。
【0046】
「サイコグラフィック属性」は、ユーザの価値観、ライフスタイル、性格、嗜好などを示す情報である。ここでは、「サイコグラフィック属性」として、図3に示すように、「パソコン」、「ケーキ」などに区分分けされる。図3に示す例では、区分毎に、ユーザの嗜好が相対的に高い場合に「1」が対応付けられ、それ以外の場合には「0」が対応付けられる。なお、「サイコグラフィック属性」は、端末ユーザが通信ネットワーク5上のサービスを利用した履歴に基づいて、情報提供装置2の制御部22によって設定することもできる。
【0047】
「登録端末」は、ユーザ端末3の識別情報であり、例えば、ユーザ端末3の個体識別番号(例えば、製造番号)やユーザ端末3のMACアドレス(Media Access Control address)である。かかる「登録端末」は、情報提示アプリ登録要求に含まれるユーザ端末3の識別情報(以下、端末識別情報と記載する場合がある)であり、アカウント管理部33によって設定される。なお、端末識別情報は、可変な識別情報であってもよい。
【0048】
また、アカウント管理部33は、ユーザ端末3から情報提示アプリ登録要求を受け付けると、情報提供アプリ登録要求に含まれるユーザIDおよびパスワードが、ユーザ情報テーブルに設定されているか否かを判定する。
【0049】
情報提供アプリ登録要求に含まれるユーザIDおよびパスワードが、ユーザ情報テーブルに設定されている場合、アカウント管理部33は、ユーザ端末3に対して登録受付応答を送信する。一方、ユーザIDおよびパスワードが、ユーザ情報テーブルに設定されていない場合、アカウント管理部33は、ユーザ端末3に対して登録許否応答を送信する。
【0050】
[1.2.2.アカウント認証部34]
アカウント認証部34は、ユーザ端末3から送信される認証要求を受け付け、かかる認証要求に含まれる端末ユーザの識別情報に基づいて、端末ユーザの認証処理を行う。端末ユーザの識別情報は、ユーザIDおよびパスワードであるが、その他のユーザ認証情報であってもよい。
【0051】
例えば、アカウント認証部34は、認証要求に含まれる端末ユーザの識別情報がユーザ情報テーブルに設定されている情報と一致する場合に、端末ユーザの認証ができたと判定し、ユーザ端末3にアクセス許可応答を送信する。これにより、ユーザ端末3は、情報提供装置2によるサービス提供(例えば、オンラインショッピングサービス)や情報提供を受けることができる状態になる。
【0052】
一方、認証要求に含まれる端末ユーザの識別情報がユーザ情報テーブルに設定されている情報と一致しない場合には、端末ユーザの認証ができないと判定し、ユーザ端末3にアクセス許否応答を送信する。
【0053】
[1.2.3.要求受付部35]
要求受付部35は、アカウント認証部34により認証済みのユーザ端末3から送信される情報提供要求を受け付ける。ユーザ端末3から送信される情報提供要求は、例えば、身分証明書情報の要求や会員カード用情報の要求である。
【0054】
かかる情報提供要求には、実空間の店舗を利用する端末ユーザを特定する情報が含まれる。端末ユーザを特定する情報は、記憶部21に記憶された情報であり、例えば、ユーザIDやHTTP(HyperText Transfer Protocol)クッキーなどの情報であるが、端末ユーザを特定する情報であれば他の情報であってもよい。ユーザ情報テーブルにおいて、アカウント認証部34により認証済みであって情報提供要求を送信したユーザ端末3の端末ユーザの識別情報に対応付けて「登録端末」が設定されているとする。この場合、要求受付部35は、ユーザ端末3の識別情報がユーザ情報テーブルの「登録端末」に設定された情報と同じであれば、情報提供要求を受け付ける。
【0055】
また、情報提供要求には、実空間の店舗を特定する情報が含まれる。店舗を特定する情報は、例えば、店舗の識別情報であり、以下においては、店舗を特定する情報が店舗IDであるものとして説明する。なお、店舗を特定する情報は、店舗を特定できる情報であればよく、店舗の識別情報以外の情報であってもよい。
【0056】
[1.2.4.情報取得部36]
情報取得部36は、要求受付部35により受け付けた情報提供要求に応じたユーザ情報をユーザ情報格納部31から取得する。具体的には、情報取得部36は、情報提供要求で特定されるユーザに応じたユーザ情報のうち、情報提供要求で特定される店舗に応じたユーザ情報をユーザ情報格納部31から取得する。
【0057】
情報取得部36は、例えば、情報提供要求が身分証明書情報の要求である場合、端末ユーザのユーザ情報のうち、要求に係る身分証明書に必要な情報を取得する。また、情報取得部36は、例えば、情報提供要求が会員カード用情報の要求である場合、端末ユーザのユーザ情報のうち、会員カードに必要な情報を取得する。
【0058】
情報取得部36は、例えば、提供対象情報テーブルに記憶された情報に基づいて情報提供要求で特定されるユーザに応じたユーザ情報をユーザ情報格納部31から取得する。図4は、提供対象情報格納部32に記憶される提供対象情報テーブルの一例を示す図である。
【0059】
図4に示すように、提供対象情報テーブルは、「店舗ID」、「提供種別」および「提供情報」が互いに対応付けられた情報である。「店舗ID」は、店舗に割り当てられる固有の情報である。
【0060】
「提供種別」は、情報提供装置2によりユーザ端末3へ提供する情報提供の種別を示す。図4に示す例では、「提供種別」として、身分証明書または会員カード用情報が設定されるが、「提供種別」は、これらの情報に限られない。
【0061】
「提供情報」は、要求受付部35により受け付けた情報提供要求に対して提供するユーザ情報(以下、提供ユーザ情報と記載する場合がある)の内容を特定する情報である。提供ユーザ情報は、情報提供要求に対して提供するユーザ属性の情報である。図4に示す例では、区分毎に、提供ユーザ情報である場合に「1」が対応付けられ、提供ユーザ情報でない場合には「0」が対応付けられる。
【0062】
「提供形式」は、要求受付部35により受け付けた情報提供要求に対して提供する情報(以下、提供情報と記載する場合がある)の形式を示す情報である。かかる「提供形式」に基づいた形式で提供情報が生成される。
【0063】
情報取得部36は、情報提供要求で特定される店舗および提供種別に対応付けられた提供ユーザ情報を提供対象情報テーブルから取得する。例えば、提供対象情報テーブルが図4に示す状態であり、かつ、提供情報要求が店舗ID「L001」の店舗および提供種別「身分証明書」を特定するものであるとする。
【0064】
この場合、情報取得部36は、提供情報要求で特定される端末ユーザのユーザ情報のうち、性別、年齢、氏名、住所、顔などの属性情報をユーザ情報テーブルから取得する。なお、本実施形態において、顔の属性情報は、顔画像であるものとして説明するが、顔の特徴を示す情報であってもよい。
【0065】
また、提供対象情報テーブルが図4に示す状態であり、かつ、提供情報要求が店舗ID「L001」の店舗および提供種別「会員カード用情報」を特定するものであるとする。この場合、情報取得部36は、提供情報要求で特定される端末ユーザのユーザ情報のうち、性別、年齢、氏名、住所などのデモグラフィック属性の情報および「1」が設定されたサイコグラフィック属性の情報をユーザ情報テーブルから取得する。
【0066】
なお、提供ユーザ情報をユーザ情報テーブルから取得する方法は、上述の例に限定されない。例えば、提供情報要求で提供ユーザ情報が特定される場合には、提供情報要求で特定される情報に基づいて提供ユーザ情報をユーザ情報テーブルから取得することもできる。
【0067】
[1.2.5.情報生成部37]
情報生成部37は、情報取得部36により取得されたユーザ情報を含む提供情報を生成する。かかる情報生成部37は、例えば、提供対象情報テーブルに設定された「提供形式」に基づく形式の提供情報を生成する。
【0068】
例えば、提供対象情報テーブルが図4に示す状態であり、かつ、提供情報要求が店舗ID「L001」の店舗および提供種別「身分証明書」を特定するものであるとする。この場合、情報生成部37は、提供形式「2」に対応する形式で提供情報を生成する。
【0069】
提供形式「2」は、身分証明書の表示形式である第1の形式であり、端末ユーザの顔画像を特定属性情報とする形式である。第1の形式で生成される身分証明書は、端末ユーザの氏名、住所、年齢、性別と、証明書発行元、証明書発行先、証明書識別番号などの発行情報とを含む。特定属性情報は、例えば、ユーザ端末3からサービス提供装置4へ送信される情報である。
【0070】
また、提供対象情報テーブルが図4に示す状態であり、かつ、提供情報要求が店舗ID「L002」の店舗および提供種別「身分証明書」を特定するものであるとする。この場合、情報生成部37は、提供形式「3」に対応する形式で提供情報を生成する。
【0071】
提供形式「3」は、身分証明書の表示形式である第2の形式であり、端末ユーザの指紋情報を特定属性情報とする形式である。第2の形式で生成される身分証明書は、端末ユーザの氏名、住所と、証明書発行元、証明書発行先、証明書識別番号などの発行情報とを含む。
【0072】
また、提供対象情報テーブルが図4に示す状態であり、かつ、提供情報要求が店舗ID「L001」の店舗および提供種別「会員カード用情報」を特定するものであるとする。この場合、情報生成部37は、提供形式「1」に対応する形式で提供情報を生成する。
【0073】
提供形式「1」は、端末ユーザの氏名、住所、年齢、性別の情報と、「1」が設定されたサイコグラフィック属性の情報とを特定属性情報とする形式である。かかる提供形式「1」には、ユーザ端末3に表示する情報は含まない。
【0074】
また、情報生成部37は、ユーザ情報テーブルに「登録端末」の情報が設定されている場合、提供情報にユーザ端末3の識別情報を含ませる。
【0075】
情報生成部37は、例えば、生成した提供情報から電子署名の情報を生成し、かかる電子署名の情報と電子証明書の情報とを提供情報に含める。具体的には、情報生成部37は、生成した提供情報のハッシュ値を演算し、かかるハッシュ値を公開鍵暗号方式の秘密鍵で暗号化することにより電子署名の情報を生成する。なお、情報生成部37は、暗号化は共通鍵暗号方式でハッシュ値を暗号化した電子署名を生成し、かかる電子署名の情報と電子証明書の情報とを提供情報に含めることもできる。
【0076】
また、情報生成部37は、特定属性情報を秘密鍵や共通鍵で暗号化することもでき、また、生成した提供情報そのものを暗号化することもできる。
【0077】
[1.2.6.情報送信部38]
情報送信部38は、情報生成部37によって生成された提供情報を情報提供要求の送信元のユーザ端末3へ送信する。ユーザ端末3へ送信される提供情報には電子署名が含まれる。なお、提供情報は、情報生成部37により暗号化される場合もある。
【0078】
[1.3.ユーザ端末3]
図5は、ユーザ端末3の構成例を示す図である。図5に示すように、ユーザ端末3は、通信部40と、表示部41と、操作部42と、通信部43と、記憶部44と、制御部45とを備える。
【0079】
通信部40は、通信ネットワーク5に接続された装置と制御部45との間で通信を行うための通信インターフェイスであり、例えば、TCP/IPやUDPなどのプロトコルによる通信を行う。制御部45は、通信部40を介して通信ネットワーク5に接続された装置との間の通信を行う。
【0080】
表示部41は、例えば、タッチパネル式のディスプレイである。端末ユーザは、表示部41の画面上を指などで操作することで、表示部41に表示された情報提示アプリの操作画面に対する操作が可能である。かかる表示部41は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイである。
【0081】
操作部42は、文字、数字およびスペースを入力するためのキー、エンターキーおよび矢印キーなどを含むキーボードや電源ボタンなどである。
【0082】
通信部43は、例えば、Felica、ISO/IEC14443(MIFARE)、Bluetooth(登録商標)などの通信方式を採用した装置である。通信部43による通信は、電波に限定されるものではなく、例えば、赤外線通信、可視光通信、音波などを用いることもできる。また、通信部43は、サービス提供装置4との間で通信することができるものであればよく、通信部43による通信は、例えば、無線LAN通信やその他の通信であってもよい。また、通信部43をユーザ端末3に設けないこともでき、この場合、ユーザ端末3は、通信部40によりサービス提供装置4との間で通信を行う。
【0083】
記憶部44は、例えば、ハードディスク、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置である。かかる記憶部44は、設定情報格納部51と提供情報格納部52とを備える。
【0084】
制御部45は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。また、制御部45は、例えば、CPUやMPU等によって、記憶部44に記憶されているプログラムが図示しない内部RAMを作業領域として実行されることにより後述する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0085】
具体的には、制御部45は、記憶部44に記憶される情報提示アプリのプログラムを実行することによって、表示制御部53、認証処理部54、提供情報要求部55、提供情報取得部56、提供情報検証部57および属性情報通知部58として機能する。なお、制御部45の構成は、かかる構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。情報提示アプリのプログラムは、例えば、制御部45が情報提供装置2などの外部装置から取得し、記憶部44に記憶する。
【0086】
以下、表示制御部53、認証処理部54、提供情報要求部55、提供情報取得部56、提供情報検証部57および属性情報通知部58について設定情報格納部51と提供情報格納部52を説明しつつ、具体的に説明する。なお、端末ユーザが表示部41のタッチパネルや操作部42等を操作することをユーザ操作と記載する。
【0087】
[1.3.1.表示制御部53]
表示制御部53は、記憶部44の設定情報格納部51に記憶された設定データやレイアウトデータに基づいて、情報提示アプリのプログラムの表示画像を生成し、表示部41に表示する。設定データには、例えば、表示画面を生成するための画像データや各種のID情報が含まれる。ID情報は、例えば、端末ユーザが利用する店舗に対応する店舗IDである。
【0088】
図6(a)は、表示部41に表示される情報提示アプリの初期設定画面の一例を示す図である。図6(a)に示すように、初期設定画面70は、アカウント入力設定領域71と、情報提供条件設定領域72とを有する。かかるアカウント入力設定領域71において、ユーザ操作によりユーザIDおよびパスワードを入力することができる。かかるユーザIDおよびパスワードは、通信ネットワーク5上で提供されるサービスのアカウントであり、上述の様に情報提供装置2で管理される情報である。
【0089】
また、情報提供条件設定領域72において、ユーザ操作により、情報提供対象を設定することができる。図6(a)に示す例では、自装置(ユーザ端末3)のみに情報提供を許可するか否かの条件が選択できる。端末ユーザは、チェックボックスに対するユーザ操作によって、ユーザ端末3のみに情報提供を許可する設定か、他のユーザ端末3にも情報提供を許可可能とする設定かを選択することができる。
【0090】
図6(b)は、表示部41に表示される情報提示アプリの店舗リスト表示画面の一例を示す図である。図6(b)に示すように、店舗リスト表示画面74には、「XXX書店(会員登録)」、「XXX居酒屋(会員登録)」および「XXX居酒屋(身分証明書)」のそれぞれに対する選択ボタン75〜77が表示される。ユーザは、選択ボタン75〜77のいずれかを選択することで、情報提供装置2からの提供情報を取得することができる。
【0091】
図7は、表示部41に表示される身分証明書画面の一例を示す図である。図7に示すように、身分証明書画面78においては、端末ユーザの氏名、住所、年齢、性別を示す情報と、発行情報と、端末ユーザの顔画像が表示される。なお、端末ユーザの顔画像に代えて、または、加えて、例えば、端末ユーザの身長、体重、髪型などの他の身体的特徴を示す情報を身分証明書画面78に表示することもできる。
【0092】
発行情報には、証明書発行元、証明書発行先、証明書発行時刻、証明書有効期限および証明書識別情報などが含まれる。
【0093】
[1.3.2.認証処理部54]
認証処理部54は、初期設定画面70(図6(a)参照)に対する入力や選択が行われた後に、ユーザ操作により登録ボタン73(図6(a)参照)が選択された場合、ユーザ設定情報を含む情報提示アプリ登録要求を情報提供装置2へ送信する。ユーザ設定情報は、初期設定画面70においてユーザ操作によって入力された情報や選択された情報である。
【0094】
認証処理部54は、情報提供装置2から登録受付応答を受信すると、ユーザ設定情報を設定データとして設定情報格納部51に記憶する。一方、認証処理部54は、情報提供装置2から登録許否応答を受信すると、設定データの設定は行わず、表示制御部53によりエラー画面が表示部41に表示される。
【0095】
また、認証処理部54は、ユーザ設定情報が設定データとして設定情報格納部51に記憶されている状態で、選択ボタン75〜77のいずれかが選択された場合、情報提供装置2に対して端末ユーザの識別情報を含む認証要求を行う。端末ユーザの識別情報は、ユーザIDおよびパスワードであるが、その他のユーザ認証情報であってもよい。
【0096】
[1.3.3.提供情報要求部55]
提供情報要求部55は、認証処理部54が情報提供装置2からアクセス許可応答を受信した場合、選択ボタン75〜77のうち選択されたボタンに対応する店舗IDを設定情報格納部51から取得し、取得した店舗IDや端末識別情報を含む情報提供要求を情報提供装置2に送信する。
【0097】
例えば、「XXX居酒屋」の店舗IDが「L001」であり、かつ、選択ボタン76がユーザ操作により選択された場合、提供情報要求部55は、店舗ID「L001」の情報を含む会員カード用情報の要求を情報提供装置2に送信する。
【0098】
また、「XXX居酒屋」の店舗IDが「L001」であり、かつ、選択ボタン77がユーザ操作により選択された場合、提供情報要求部55は、店舗ID「L001」の情報を含む身分証明書情報の要求を情報提供装置2に送信する。
【0099】
[1.3.4.提供情報取得部56]
提供情報取得部56は、情報提供装置2からユーザ端末3に送信される提供情報を取得し、提供情報格納部52に記憶する。例えば、提供情報要求部55から行った情報提供要求が会員カード用情報の要求である場合、提供情報取得部56は、会員カード用情報を情報提供装置2から取得する。また、提供情報要求部55から行った情報提供要求が身分証明書情報の要求である場合、提供情報取得部56は、身分証明書情報を情報提供装置2から取得する。
【0100】
[1.3.5.提供情報検証部57]
提供情報検証部57は、提供情報取得部56により取得された提供情報の正当性を検証する。提供情報検証部57は、例えば、提供情報に含まれる電子署名の情報を公開鍵により復号化した情報と、電子署名の情報や電子証明書を除く提供情報をハッシュ関数によりハッシュした結果とを比較することにより、提供情報の正当性を検証する。なお、提供情報検証部57は、提供情報全体が暗号化されている場合には、暗号鍵(公開鍵や共通鍵)によって提供情報を復号化する。
【0101】
提供情報検証部57は、提供情報が正当であると判定すると、選択された選択ボタンに対応する店舗の店舗IDに対応付けて提供情報を提供情報格納部52に格納する。提供情報格納部52に記憶される提供情報が身分証明書情報である場合、表示制御部53は、提供情報格納部52に記憶された身分証明書情報を表示部41に表示する。これにより、端末ユーザは、選択した選択ボタンに対応する店舗の店員等に対して端末ユーザの身分証明書情報を提示することができる。
【0102】
また、提供情報検証部57は、提供情報取得部56により取得された提供情報に端末識別情報が含まれる場合、かかる端末識別情報が自装置(ユーザ端末3)の識別情報であるか否かを判定する。提供情報検証部57は、端末識別情報が自装置の識別情報であると判定すると、提供情報が正当であると判定し、身分証明書情報を提供情報格納部52に格納する。
【0103】
一方、提供情報検証部57は、端末識別情報が自装置の識別情報ではないと判定すると、提供情報が正当ではないと判定し、表示制御部53に対し、表示部41に身分証明書情報を表示できない旨の情報を表示させる。この場合、提供情報検証部57は、身分証明書情報を提供情報格納部52には格納しない。
【0104】
なお、イントラネットなどのようにセキュリティが何らかの手段によって担保されているなどの所定の環境や状況下においては、提供情報検証部57は、提供情報の正当性を検証しないこともできる。
【0105】
[1.3.6.属性情報通知部58]
属性情報通知部58は、サービス提供装置4から送信される特定属性情報要求を通信部43経由で受信すると、提供情報格納部52に記憶した提供情報の中から、特定属性情報要求に含まれる店舗IDに対応する特定属性情報を取得する。属性情報通知部58は、通信部43を介し、提供情報格納部52から取得した特定属性情報をサービス提供装置4へ送信する。
【0106】
属性情報通知部58は、特定属性情報の送信に対してサービス提供装置4から送信される情報を通信部43経由で取得する。属性情報通知部58は、例えば、身分証明書情報に含まれる特定属性情報の送信に対してサービス提供装置4から送信される身分確認が終了したことを示す情報を通信部43経由で取得する。この場合、表示制御部53は、身分確認が終了したことを示す情報を表示部41に表示する。
【0107】
また、属性情報通知部58は、例えば、会員カード用情報に含まれる特定属性情報の送信に対してサービス提供装置4から送信される会員カード情報を通信部43経由で取得し、提供情報格納部52に記憶する。表示制御部53は、ユーザ操作により提供情報格納部52に記憶した会員カード情報を表示部41に表示することができる。
【0108】
[1.4.サービス提供装置4]
図8は、実施形態に係るサービス提供装置4の構成例を示す図である。図8に示すように、サービス提供装置4は、通信部80と、属性情報検出部81と、通信部82と、表示部83と、記憶部84と、制御部85とを備える。
【0109】
通信部80は、通信ネットワーク5に接続された装置と制御部85との間で通信を行うための通信インターフェイスであり、例えば、TCP/IPやUDPなどのプロトコルによる通信を行う。制御部85は、通信部80を介して通信ネットワーク5に接続された装置との間の通信を行う。
【0110】
属性情報検出部81は、撮像部および音声入力部を備える。属性情報検出部81は、例えば、端末ユーザの顔、指紋および虹彩を撮像部により撮像して顔画像、指紋画像および虹彩画像を検出属性情報として出力する。また、属性情報検出部81は、音声入力部により端末ユーザの音声情報を取得し、音声情報に含まれる声紋情報を検出属性情報として出力する。なお、属性情報検出部81による検出対象は、画像・音声などに限定されず、他の情報であってもよい。
【0111】
通信部82は、例えば、Felica、ISO/IEC14443、Bluetooth(登録商標)などの通信方式を採用した装置であり、ユーザ端末3の通信部43との間で通信を行うことができる。通信部82による通信は、電波に限定されるものではなく、例えば、赤外線通信、可視光通信、音波などを用いることもできる。また、通信部43による通信は、例えば、無線LAN通信やその他の通信であってもよい。表示部83は、例えば、LCDや有機ELディスプレイである。
【0112】
記憶部84は、会員情報格納部91を有する。記憶部84は、例えば、ハードディスク、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置である。
【0113】
制御部85は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。また、制御部85は、例えば、CPUやMPU等によって、記憶部84に記憶されているプログラムが図示しない内部RAMを作業領域として実行されることにより後述する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0114】
具体的には、制御部85は、記憶部84に記憶されるサービス提供プログラムを実行することによって、特定属性情報要求部92、特定属性情報取得部93、属性情報検証部94および情報処理部95として機能する。なお、制御部85の構成は、かかる構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0115】
以下、特定属性情報要求部92、特定属性情報取得部93、属性情報検証部94および情報処理部95について会員情報格納部91を説明しつつ、具体的に説明する。
【0116】
[1.4.1.特定属性情報要求部92]
特定属性情報要求部92は、ユーザ端末3を検出すると、通信部82経由で特定属性情報要求をユーザ端末3に送信する。特定属性情報要求には自装置(サービス提供装置4)が設置された店舗に対応する店舗IDが含まれる。
【0117】
[1.4.2.特定属性情報取得部93]
特定属性情報取得部93は、通信部82経由でユーザ端末3から送信される特定属性情報を取得する。
【0118】
[1.4.3.属性情報検証部94]
属性情報検証部94は、特定属性情報取得部93により取得される特定属性情報が身分証明書情報に含まれる特定属性情報である場合、かかる特定属性情報の正当性を検証する。
【0119】
具体的には、属性情報検証部94は、特定属性情報取得部93により取得される特定属性情報と属性情報検出部81から出力される検出属性情報とを比較することにより、ユーザ端末3から送信された特定属性情報の正当性を検証する。
【0120】
例えば、属性情報検出部81から出力される検出属性情報が端末ユーザの顔画像である場合、かかる顔画像と会員情報格納部91に記憶された端末ユーザの顔画像とを比較して、端末ユーザから取得される属性情報の認証を行う。
【0121】
なお、属性情報検証部94は、例えば、特定属性情報が顔画像である場合、表示部83に表示することができる。これにより、店舗の店員等は、表示部83に表示された端末ユーザの顔画像により端末ユーザが提示した身分証明書の正当性を判定することもできる。
【0122】
[1.4.4.情報処理部95]
情報処理部95は、属性情報検証部94の検証により身分証明書が正当であると判定されると、身分確認が終了したことを示す情報を通信部82経由でユーザ端末3へ送信する。
【0123】
また、情報処理部95は、特定属性情報取得部93により取得される特定属性情報が会員カード用情報に含まれる特定属性情報と整合する場合、会員情報格納部91に記憶された会員情報テーブル(図示せず)に特定属性情報を設定することにより、会員登録処理を行う。
【0124】
具体的には、特定属性情報には、端末ユーザの氏名、住所、年齢、性別の情報やサイコグラフィック属性の情報が含まれており、情報処理部95は、これらの情報を新たな会員番号に関連付けて会員情報テーブルに設定する。情報処理部95は、会員登録処理を終了すると、会員番号の情報を含む会員カード情報をユーザ端末3へ送信する。
【0125】
[1.5.情報提供システム1の処理]
次に、実施形態に係る情報提供システム1による情報処理の手順について説明する。
【0126】
図9は、情報提供装置2による情報処理フローを説明するための図である。図9に示すように、情報提供装置2の制御部22は、ユーザ端末3からユーザ登録要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS20)。ユーザ登録要求を受け付けたと判定した場合(ステップS20;Yes)、制御部22は、ユーザ登録要求に含まれる情報をユーザ情報格納部31のユーザ情報テーブルに設定することにより、ユーザ情報テーブルを更新する(ステップS21)。
【0127】
ステップS21の処理が終了した場合、または、ユーザ登録要求を受け付けていないと判定した場合(ステップS20;No)、制御部22は、ユーザ端末3からの情報提供アプリ登録要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS22)。
【0128】
情報提供アプリ登録要求を受け付けたと判定した場合(ステップS22;Yes)、制御部22は、情報提供アプリ登録要求に含まれるユーザ端末3の識別情報を登録端末としてユーザ情報テーブルに登録し、ユーザ情報テーブルを更新する(ステップS23)。
【0129】
ステップS23の処理が終了した場合、または、情報提供アプリ登録要求を受け付けていないと判定した場合(ステップS22;No)、制御部22は、認証要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS24)。認証要求を受け付けたと判定した場合(ステップS24;Yes)、制御部22は、認証処理を行う(ステップS25)。
【0130】
ステップS25の処理が終了した場合、または、認証要求を受け付けていないと判定した場合(ステップS24;No)、制御部22は、ユーザ端末3から情報提供要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS26)。
【0131】
ユーザ端末3から情報提供要求を受け付けたと判定すると(ステップS26;Yes)、制御部22は、情報提供要求に応じた情報提供を行う。具体的には、制御部22は、情報提供要求で特定される端末ユーザに対応するユーザ情報のうち、情報提供要求で特定される店舗に応じたユーザ情報を含む提供情報をユーザ端末3に送信する(ステップS27)。ステップS27の処理、または、ユーザ端末3から情報提供要求を受け付けていないと判定した場合(ステップS26;No)、制御部22は処理を終了する。
【0132】
図10は、ユーザ端末3による情報処理フローを説明するための図である。図10に示すように、ユーザ端末3の制御部45は、情報提供アプリの初期設定画面70が表示部41に表示されている状態で、登録ボタン73へのユーザ操作があったか否かを判定する(ステップS30)。
【0133】
制御部45は、登録ボタン73へのユーザ操作があったと判定した場合(ステップS30;Yes)、情報提供アプリ登録要求を情報提供装置2へ送信する(ステップS31)。ステップS31の処理が終了した場合、または、登録ボタン73へのユーザ操作がないと判定した場合(ステップS30;No)、制御部45は、情報提供アプリの店舗リスト表示画面74が表示部41に表示されている状態で、選択ボタン75〜77のいずれかが選択されたか否かを判定する(ステップS32)。
【0134】
制御部45は、選択ボタン75〜77のいずれかが選択されたと判定した場合(ステップS32;Yes)、情報提供装置2に対して認証要求を送信することにより認証処理を行う(ステップS33)。認証処理が終了すると、制御部45は、ステップS32において選択されたと判定した選択ボタンに対応する店舗ID等を含む情報提供要求を情報提供装置2へ送信する(ステップS34)。なお、制御部45は、通信環境などに応じて、ステップS32の認証要求を省略することもできる。
【0135】
制御部45は、情報提供要求に対して情報提供装置2から送信される提供情報を取得し(ステップS35)、提供装置に含まれる特定属性情報をサービス提供装置4へ送信する(ステップS36)。なお、ユーザ操作により、事前に情報提供アプリによる情報提供を端末ユーザが同意する選択をした場合、制御部45は、自動取得モードを実行することができる。自動取得モードにおいて、制御部45は、選択ボタン75〜77へのユーザ操作のような確認処理を行うことなく、自動的に情報提供要求を情報提供装置2へ送信し、提供情報を取得する。
【0136】
ステップS36の処理が終了した場合、または、選択ボタン75〜77のいずれも選択されていないと判定した場合(ステップS32;No)、制御部45は、その他のユーザ操作があったか否かを判定する(ステップS37)。その他のユーザ操作があったと判定した場合(ステップS37;Yes)、制御部45は、ユーザ操作に応じた処理を行う(ステップS38)。
【0137】
ステップS38の処理が終了した場合、または、その他のユーザ操作がないと判定した場合(ステップS37;No)、制御部45は、処理を終了する。
【0138】
[2.第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る情報処理システムについて説明する。第2の実施形態に係る情報処理システムは、ユーザの属性を特定する情報を管理する情報管理装置から通信ネットワーク5を介して送信される情報に基づいて、情報提供装置に記憶されている属性情報の正当性を判定する点で第1の実施形態に係る情報提供システム1とは異なる。なお、以下においては、第1の実施形態に係る情報提供システム1と同様の要素については同一符号を付して説明を適宜省略するものとする。
【0139】
図11は、第2の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。図11に示すように、第2の実施形態に係る情報提供システム1Aは、情報提供装置2Aと、ユーザ端末3と、サービス提供装置4と、ユーザ情報管理装置6とを備える。
【0140】
情報提供装置2Aは、正当性判定部39を備える点で、上述した情報提供装置2と構成が異なる。正当性判定部39は、要求受付部35により情報提供要求を受け付けた場合に、情報提供要求で特定される端末ユーザに応じたユーザ情報のうち、情報提供要求で特定される店舗に応じた端末ユーザの属性情報の正当性を判定する。
【0141】
具体的には、正当性判定部39は、ユーザ情報管理装置6に対して、属性情報要求を送信する。属性情報要求には、情報提供要求で特定される端末ユーザの識別情報と、情報提供要求で特定される店舗に応じた端末ユーザの属性の種別を示す情報(以下、判定対象属性情報と記載する)とを含む。正当性判定部39は、ユーザ情報格納部31から判定対象属性情報を取得する。
【0142】
ユーザ情報管理装置6は、ユーザの属性を特定する情報(以下、ユーザ属性特定情報と記載する)を管理しており、情報提供装置2Aから属性情報要求を受信すると、属性情報要求に含まれる端末ユーザの識別情報と判定対象属性情報とに応じたユーザ属性特定情報を、情報提供装置2Aへ送信する。正当性判定部39は、ユーザ情報管理装置6からユーザ属性特定情報を取得する。そして、正当性判定部39は、ユーザ情報格納部31から取得した判定対象属性情報と、ユーザ情報管理装置6から取得したユーザ属性特定情報とが整合性しているか否かを判定する。正当性判定部39は、整合性(正当性)があると判定した場合には、情報送信部38は、ユーザ情報格納部31に記憶された判定対象属性情報を含む提供情報をユーザ端末3へ送信する。一方、整合性(正当性)がなければ、情報生成部37は、ユーザ情報管理装置6から取得したユーザ属性特定情報を含む提供情報を生成することができ、情報送信部38は、情報生成部37が生成した提供情報をユーザ端末3へ送信する。なお、整合性がない場合に、情報提供装置2Aの要求受付部35は、情報提供要求を拒否する応答をユーザ端末3へ送信することもできる。
【0143】
例えば、ユーザ情報管理装置6が大学の学生情報を管理しているとする。この場合、ユーザ情報管理装置6は、属性情報要求で特定される端末ユーザの学生情報を管理していれば、端末ユーザの学生情報を情報提供装置2Aへ送信する。正当性判定部39は、ユーザ情報格納部31に記憶している学生情報とユーザ情報管理装置6から送信される学生情報との整合性を判定し、整合性があれば、ユーザ情報格納部31に記憶している学生情報を提供情報に含める。一方、整合性がなければ、情報生成部37は、ユーザ情報管理装置6から取得した学生情報を提供情報に含める。
【0144】
また、例えば、ユーザ情報管理装置6が運転免許証の情報を管理しているとする。この場合、ユーザ情報管理装置6は、属性情報要求に含まれる端末ユーザの運転免許証の情報を管理していれば、端末ユーザの運転免許証がある旨の情報を情報提供装置2Aへ送信する。一方、情報生成部37は、ユーザ情報管理装置6から取得した運転免許証に含まれる情報を含む提供情報を含める。
【0145】
このように、第2の実施形態に係る情報提供システム1Aでは、情報提供装置2Aにおいて記憶されている端末ユーザの属性情報の正当性を担保できない場合であっても、ユーザ情報管理装置6で管理されている情報に基づいて、提示情報に含む属性情報の正当性を担保することができる。
【0146】
[3.変形例]
上述した実施形態では、提供情報の送受信は、ユーザ端末3と情報提供装置2(2A)との間で行われるが、提供情報の送受信を情報提供装置2(2A)とサービス提供装置4との間で行うこともできる。この場合、情報提供装置2(2A)の情報送信部38は情報提供要求に含まれる店舗IDに対応するサービス提供装置4に対して提供情報を送信する。
【0147】
また、上述した実施形態では、ユーザ端末3の認証処理部54は、選択ボタン75〜77が選択された場合に、情報提供装置2(2A)に対して認証要求を行うが、アカウント認証部34は、例えば、情報提示アプリの起動時などに情報提供装置2(2A)に対して認証要求を行うこともできる。
【0148】
また、上述した実施形態では、ユーザ端末3とサービス提供装置4との間の通信を近距離無線通信で行うが、人体通信などによってユーザ端末3とサービス提供装置4との間の通信を行うようにしてもよい。また、ユーザ端末3とサービス提供装置4との間の通信は、情報提供装置2から提供される電子証明書を用いた暗号化を施して行うこともできる。
【0149】
また、上述した実施形態では、提供情報要求部55は、選択ボタン75〜77が選択された場合に、情報提供要求を情報提供装置2(2A)に送信するが、提供情報要求部55は、近距離無線通信によりサービス提供装置4からユーザ端末3へ情報提供要求が送信された場合に、情報提供要求を情報提供装置2(2A)へ送信することもできる。サービス提供装置4から目的に応じた情報提供要求を行うことで、端末ユーザの手間を省くことができる。
【0150】
また、提供情報要求部55は、店舗や設備に表示された二次元バーコードなどの情報に基づいて、情報提供要求を情報提供装置2(2A)に送信することもできる。なお、この場合、二次元バーコードには、店舗IDや提供種別の情報が含まれており、かかる情報がユーザ端末3の撮像部(図示せず)によって取得される。提供情報要求部55は、二次元バーコードから取得された店舗IDや提供種別の情報など情報提供要求に含めて送信する。
【0151】
また、上述したユーザ端末3の制御部45は、有効期限付きの身分証明書情報を提供情報格納部52に格納するが、制御部45は、有効期限が経過した身分証明書情報を提供情報格納部52から消去することもできる。
【0152】
[4.ハードウェア構成]
第1および第2の実施形態における情報提供装置2(2A)、ユーザ端末3およびサービス提供装置4は、例えば図12に示すような構成のコンピュータ100によって実現することができる。図12は、情報提供装置2の機能、ユーザ端末3の機能、または、サービス提供装置4の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ100は、CPU101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、通信インターフェイス(I/F)105、入出力インターフェイス(I/F)106、およびメディアインターフェイス(I/F)107を備える。なお、図示していないが、コンピュータ100には撮像部なども有する場合がある。
【0153】
CPU101は、ROM103またはHDD104に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM103は、コンピュータ100の起動時にCPU101によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ100のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0154】
HDD104は、CPU101によって実行されるプログラムおよび当該プログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス105は、通信部20、40、43、80、82に対応し、通信ネットワーク5を介して他の機器からデータを受信してCPU101へ送り、CPU101が生成したデータを、通信ネットワーク5を介して他の機器へ送信する。
【0155】
CPU101は、入出力インターフェイス106を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU101は、入出力インターフェイス106を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU101は、生成したデータを、入出力インターフェイス106を介して出力装置へ出力する。
【0156】
メディアインターフェイス107は、記録媒体108に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM102を介してCPU101に提供する。CPU101は、当該プログラムを、メディアインターフェイス107を介して記録媒体108からRAM102上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体108は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0157】
コンピュータ100が情報提供装置2として機能する場合、コンピュータ100のCPU101は、RAM102上にロードされたプログラムを実行することにより、アカウント管理部33、アカウント認証部34、要求受付部35、情報取得部36、情報生成部37および情報送信部38の各機能を実現する。また、HDD104は、記憶部21の機能を実現し、ユーザ情報テーブルおよび提供対象情報テーブルなどが格納される。
【0158】
また、コンピュータ100がユーザ端末3として機能する場合、コンピュータ100のCPU101は、RAM102上にロードされたプログラムを実行することにより表示制御部53、認証処理部54、提供情報要求部55、提供情報取得部56、提供情報検証部57および属性情報通知部58の各機能を実現する。
【0159】
また、コンピュータ100がサービス提供装置4として機能する場合、コンピュータ100のCPU101は、RAM102上にロードされたプログラムを実行することにより特定属性情報要求部92、特定属性情報取得部93、属性情報検証部94および情報処理部95の各機能を実現する。また、HDD104は、記憶部84の機能を実現し、会員情報テーブルなどが格納される。
【0160】
コンピュータ100のCPU101は、これらのプログラムを、記録媒体108から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信ネットワーク5を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0161】
[5.効果]
実施形態に係る情報提供装置2は、ユーザ情報格納部31(情報記憶部の一例)と、要求受付部35と、情報取得部36と、情報送信部38とを備える。ユーザ情報格納部31は、通信ネットワーク5上のサービスを利用する端末ユーザのユーザ情報を記憶する。要求受付部35は、実空間の店舗と当該店舗を利用する端末ユーザをそれぞれ特定する情報を含む情報提供要求を受け付ける。情報取得部36は、要求受付部35により情報提供要求を受け付けた場合、情報提供要求で特定される端末ユーザに対応するユーザ情報のうち、情報提供要求で特定される店舗に応じたユーザ情報をユーザ情報格納部31から取得する。情報送信部38は、情報取得部36により取得されたユーザ情報を含む情報を情報提供要求に応じた通信装置(ユーザ端末3またはサービス提供装置4)へ送信する。
【0162】
これにより、通信ネットワーク5上のサービスを利用する端末ユーザのユーザ情報を記憶する情報提供装置2からユーザ端末3またはサービス提供装置4へ、実空間の店舗を利用する端末ユーザのユーザ情報を提供することができる。そのため、端末ユーザは、実空間の店舗においてユーザ情報を容易に取得することができる。これにより、端末ユーザの負担を軽減することができることから、店舗での取引を円滑に行うことができ、店舗での取引促進を図ることが可能となる。
【0163】
また、情報提供装置2は、さらに、情報生成部37を備える。情報生成部37は、情報取得部36により取得されたユーザ情報を含む身分証明書情報を生成する。情報送信部38は、情報生成部37によって生成された身分証明書情報をユーザ端末3またはサービス提供装置4へ送信する。
【0164】
これにより、通信ネットワーク5上のサービスを利用する端末ユーザのユーザ情報を用いて、実空間の店舗で利用される身分証明書情報を端末ユーザまたは店舗に対して提供することができる。そのため、端末ユーザは、身分証明書を忘れた場合であっても、認証センターへの身分証明書データの事前登録などを行うことなく、身分証明書情報を取得することができる。また、身分証明書情報に、端末ユーザの身長、体重、顔画像などの身体的特徴を示す情報を含めることにより、店舗の店員等は、身分証明書情報によって表示される端末ユーザの身体的特徴の情報により端末ユーザの本人確認を精度よく行うことができる。
【0165】
また、ユーザ情報格納部31に記憶されるユーザ情報には、端末ユーザの属性を示す複数の属性情報が含まれる。また、情報取得部36は、複数の属性情報のうち店舗に応じた属性情報を選択してユーザ情報格納部31から取得する。また、情報生成部37は、情報取得部36によって取得された属性情報を含む身分証明書情報を生成する。
【0166】
これにより、端末ユーザは店舗に応じて必要となる身分証明書情報を取得することができることから、店舗での身分証明に不要な属性情報まで提示することを回避することが可能となる。そのため、端末ユーザのプライバシーの漏洩を抑制することができる。また、端末ユーザは、実空間の店舗の店員等に対し、身分証明書情報を提示することで、その場で本人であると主張できる。また、店舗の店員等は、身分証明書情報により端末ユーザの本人確認を行うことができる。これにより、なりすましなどを防止することができる。
【0167】
また、情報提供装置2Aは、さらに、正当性判定部39を備える。正当性判定部39は、端末ユーザの属性を特定する情報を管理するユーザ情報管理装置6から通信ネットワーク5を介して送信される情報に基づいて、情報取得部36によって取得された属性情報の正当性を判定する。情報生成部37は、正当性判定部39により属性情報の正当性がないと判定された場合に、ユーザ情報管理装置6(情報管理装置の一例)から取得されるユーザの属性を特定する情報を含む身分証明書情報を生成する。
【0168】
これにより、情報提供装置2Aにおいて記憶されている端末ユーザの属性情報の正当性を担保できない場合には、ユーザ情報管理装置6で管理されている情報に基づいて、提示情報に含む属性情報の正当性を担保することができる。
【0169】
また、ユーザ情報格納部31は、ユーザ端末3の識別情報をユーザ情報に関連付けて記憶している。要求受付部35は、情報提供要求で特定されるユーザに関連付けられたユーザ端末3の識別情報が情報提供要求に含まれる場合に、情報提供要求を受け付ける。
【0170】
これにより、端末ユーザから指定されたユーザ端末3以外の装置に対して身分証明書情報の配布を制限することができることから、端末ユーザのプライバシーの漏洩を抑制することができる。
【0171】
また、実施形態に係るユーザ端末3は、記憶部44(特定情報記憶部の一例)と、提供情報要求部55と、提供情報取得部56(身分証明書情報取得部の一例)と、表示部41とを備える。記憶部44は、端末ユーザの識別情報(端末ユーザを特定する情報の一例)を記憶する。提供情報要求部55は、端末ユーザの識別情報と店舗の識別情報とを含む情報提供要求を情報提供装置2へ送信する。提供情報取得部56は、情報提供装置2から身分証明書情報を取得する。表示部41は、提供情報取得部56によって取得された身分証明書情報を表示する。
【0172】
これにより、端末ユーザは、身分証明書を忘れた場合であっても、認証センターへの身分証明書データの事前登録などを行うことなく、ユーザ端末3により身分証明書情報を取得することができる。
【0173】
また、ユーザ端末3は、さらに、属性情報通知部58(属性情報通知部の一例)を備える。属性情報通知部58は、身分証明書情報に含まれる特定属性情報をサービス提供装置4へ通知する。また、サービス提供装置4は、特定属性情報取得部93(属性情報取得部の一例)と、表示部83とを備える。特定属性情報取得部93は、ユーザ端末3から特定属性情報を取得する。表示部83は、特定属性情報取得部93によって受信された特定属性情報を表示する。
【0174】
これにより、店舗の店員等は、表示部83に表示された特定属性情報と、端末ユーザの特定属性の状態とを比較することにより、端末ユーザが提示した身分証明書の正当性を判定することができる。例えば、特定属性情報が顔画像である場合、店舗の店員等は、表示部83に表示された端末ユーザの顔画像により端末ユーザが提示した身分証明書の正当性を判定することができる。
【0175】
また、サービス提供装置4は、属性情報検出部81と、属性情報検証部94とを備える。属性情報検出部81は、端末ユーザの属性情報を検出する。属性情報検証部94は、特定属性情報取得部93で取得された特定属性情報と属性情報検出部81により検出された属性情報とを比較して、ユーザ端末3から取得される属性情報の認証を行う。
【0176】
これにより、サービス提供装置4は、端末ユーザが提示した身分証明書の正当性を判定することができる。また、身分証明書の正当性が判定された端末ユーザ(以下、認証端末ユーザと記載する)以外の端末ユーザが、認証端末ユーザの身分証明書を自己のユーザ端末3に格納したり、利用することを防止できる。
【0177】
[6.その他]
上述した情報提供装置2およびサービス提供装置4は、それぞれ複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0178】
また、図3および図4に示すIDの情報は、理解を容易にするために付した情報であり、これらの図に示す情報に限定されない。
【0179】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0180】
1、1A 情報提供システム
2、2A 情報提供装置
3 ユーザ端末
4 サービス提供装置
5 通信ネットワーク
6 ユーザ情報管理装置
20、40、43、80、82 通信部
21、44、84 記憶部
22、45、85 制御部
31 ユーザ情報格納部
32 提供対象情報格納部
33 アカウント管理部
34 アカウント認証部
35 要求受付部
36 情報取得部
37 情報生成部
38 情報送信部
39 正当性判定部
41、83 表示部
42 操作部
51 設定情報格納部
52 提供情報格納部
53 表示制御部
54 認証処理部
55 提供情報要求部
56 提供情報取得部
57 提供情報検証部
58 属性情報通知部
81 属性情報検出部
91 会員情報格納部
92 特定属性情報要求部
93 特定属性情報取得部
94 属性情報検証部
95 情報処理部
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12