(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
紙製筒状体の下端部に内方へ突出するように設けた下部保持部に紙製底板を保持してなる容器本体と、紙製環状体の上端部に内方へ突出するように設けた上部保持部に紙製蓋板を保持してなる蓋体とを有し、容器本体の上部に設けた蓋嵌合部に蓋体を着脱可能にしてなり、
上下に段積み可能にされる紙管容器において、
容器本体の筒状体に設けた下部保持部よりも内方から、該筒状体と同軸をなして該下部保持部よりも下方へ突出する下端突出部を該筒状体に固定的に備え、
上下に段積みされる上側の紙管容器における容器本体の筒状体に設けた下端突出部が、下側の紙管容器における蓋体の環状体に設けた上部保持部の内方に入るように設定されてなるものであり、
前記下端突出部がプラスチック成形体からなり、プラスチック成形体は容器本体の底板と、該容器本体の筒状体に設けた下部保持部との間に挟持されてなることを特徴とする紙管容器。
紙製筒状体の下端部に内方へ突出するように設けた下部保持部に紙製底板を保持してなる容器本体と、紙製環状体の上端部に内方へ突出するように設けた上部保持部に紙製蓋板を保持してなる蓋体とを有し、容器本体の上部に設けた蓋嵌合部に蓋体を着脱可能にしてなり、
上下に段積み可能にされる紙管容器において、
蓋体の環状体に設けた上部保持部よりも内方から、該環状体と同軸をなして該上部保持部よりも上方へ突出する上端突出部を該環状体に固定的に備え、
上下に段積みされる下側の紙管容器における蓋体の環状体に設けた上端突出部が、上側の紙管容器における容器本体の筒状体に設けた下部保持部の内方に入るように設定されてなるものであり、
前記上端突出部がプラスチック成形体からなり、プラスチック成形体は蓋体の蓋板と、該蓋体の環状体に設けた上部保持部との間に挟持されてなることを特徴とする紙管容器。
紙製筒状体の下端部に内方へ突出するように設けた下部保持部に紙製底板を保持してなる容器本体と、紙製環状体の上端部に内方へ突出するように設けた上部保持部に紙製蓋板を保持してなる蓋体とを有し、容器本体の上部に設けた蓋嵌合部に蓋体を着脱可能にしてなり、
上下に段積み可能にされる紙管容器において、
容器本体の筒状体に設けた下部保持部よりも内方から、該筒状体と同軸をなして該下部保持部よりも下方へ突出する下端突出部を該筒状体に固定的に備え、
蓋体の環状体に設けた上部保持部よりも内方から、該環状体と同軸をなして該上部保持部よりも上方へ突出する上端突出部を該環状体に固定的に備え、
上下に段積みされる上側の紙管容器における容器本体の筒状体に設けた下端突出部が、下側の紙管容器における蓋体の環状体に設けた上端突出部に嵌合するように設定されてなるものであり、
前記下端突出部がプラスチック成形体からなり、プラスチック成形体は容器本体の底板と、該容器本体の筒状体に設けた下部保持部との間に挟持されてなるとともに、
前記上端突出部がプラスチック成形体からなり、プラスチック成形体は蓋体の蓋板と、該蓋体の環状体に設けた上部保持部との間に挟持されてなることを特徴とする紙管容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の紙管容器は、店頭での陳列段階で同一形状の他の紙管容器とともに上下に段積みされる。このとき、上下の紙管容器を
図10(A)に示す如くの同軸上にて段積みしようとして、上側の紙管容器における容器本体の筒状体の下端部に設けたカール状の下部保持部を、下側の紙管容器における蓋体の環状体の上端部に設けたカール状の上部保持部の上に載せると、上側の紙管容器の下部保持部が下側の紙管容器の上部保持部に対して横滑りし、横ずれし易く、ひいては地震時等に段積みの荷崩れを生じ易い。下部保持部と上部保持部がカール状をなすとき、その丸み面が上下の横滑り、横ずれを促進する。
【0005】
従って、多数の紙管容器を高く段積みするときには、
図10(B)に示す如く、上段側の1個の紙管容器が下段側で相並ぶ2個の紙管容器の上に跨って乗るピラミッド状の段積み形態が採用されるものになる。このため、陳列台の単位床面積当たりの紙管容器の段積み陳列個数が少なく、陳列性が悪い。
【0006】
本発明の課題は、上下の紙管容器を同軸上にて安定的に段積み可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、紙製筒状体の下端部に内方へ突出するように設けた下部保持部に紙製底板を保持してなる容器本体と、紙製環状体の上端部に内方へ突出するように設けた上部保持部に紙製蓋板を保持してなる蓋体とを有し、容器本体の上部に設けた蓋嵌合部に蓋体を着脱可能にしてなり、上下に段積み可能にされる紙管容器において、容器本体の筒状体に設けた下部保持部よりも内方から、該筒状体と同軸をなして該下部保持部よりも下方へ突出する下端突出部を該筒状体に固定的に備え、上下に段積みされる上側の紙管容器における容器本体の筒状体に設けた下端突出部が、下側の紙管容器における蓋体の環状体に設けた上部保持部の内方に入るように設定されてなる
ものであり、前記下端突出部がプラスチック成形体からなり、プラスチック成形体は容器本体の底板と、該容器本体の筒状体に設けた下部保持部との間に挟持されてなるようにしたものである。
【0008】
請求項2に係る発明は、紙製筒状体の下端部に内方へ突出するように設けた下部保持部に紙製底板を保持してなる容器本体と、紙製環状体の上端部に内方へ突出するように設けた上部保持部に紙製蓋板を保持してなる蓋体とを有し、容器本体の上部に設けた蓋嵌合部に蓋体を着脱可能にしてなり、上下に段積み可能にされる紙管容器において、蓋体の環状体に設けた上部保持部よりも内方から、該環状体と同軸をなして該上部保持部よりも上方へ突出する上端突出部を該環状体に固定的に備え、上下に段積みされる下側の紙管容器における蓋体の環状体に設けた上端突出部が、上側の紙管容器における容器本体の筒状体に設けた下部保持部の内方に入るように設定されてなる
ものであり、前記上端突出部がプラスチック成形体からなり、プラスチック成形体は蓋体の蓋板と、該蓋体の環状体に設けた上部保持部との間に挟持されてなるようにしたものである。
【0009】
請求項3に係る発明は、紙製筒状体の下端部に内方へ突出するように設けた下部保持部に紙製底板を保持してなる容器本体と、紙製環状体の上端部に内方へ突出するように設けた上部保持部に紙製蓋板を保持してなる蓋体とを有し、容器本体の上部に設けた蓋嵌合部に蓋体を着脱可能にしてなり、上下に段積み可能にされる紙管容器において、容器本体の筒状体に設けた下部保持部よりも内方から、該筒状体と同軸をなして該下部保持部よりも下方へ突出する下端突出部を該筒状体に固定的に備え、蓋体の環状体に設けた上部保持部よりも内方から、該環状体と同軸をなして該上部保持部よりも上方へ突出する上端突出部を該環状体に固定的に備え、上下に段積みされる上側の紙管容器における容器本体の筒状体に設けた下端突出部が、下側の紙管容器における蓋体の環状体に設けた上端突出部に嵌合するように設定されてなる
ものであり、前記下端突出部がプラスチック成形体からなり、プラスチック成形体は容器本体の底板と、該容器本体の筒状体に設けた下部保持部との間に挟持されてなるとともに、前記上端突出部がプラスチック成形体からなり、プラスチック成形体は蓋体の蓋板と、該蓋体の環状体に設けた上部保持部との間に挟持されてなるようにしたものである。
【0014】
請求項
4に係る発明は、請求項1〜
3のいずれかに係る発明において更に、前記容器本体が筒状体に挿嵌した印籠を構成する中筒を有し、中筒の筒状体より上方へ突出する部分が蓋嵌合部とされてなるようにしたものである。
【発明の効果】
【0015】
(請求項1)
(a)同一形状の紙管容器を店頭での陳列段階で同軸上にて上下に段積みするとき、上側の紙管容器における容器本体の筒状体に設けた下端突出部が、下側の紙管容器における蓋体の環状体に設けた上部保持部の内方に入るように設定される。従って、上側の紙管容器の下部保持部が下側の紙管容器の上部保持部の上に接して載り、それらの下部保持部と上部保持部がカール状をなす丸味面をもつ等によって互いに僅かに横滑りしたとしても、或いは上側の紙管容器の下端突出部が下側の紙管容器の蓋板の上に接して載った状態で僅かに横滑りしたとしても、上側の紙管容器の下端突出部が下側の紙管容器の上部保持部の内周面に衝合して横ずれ防止される。このため、複数の紙管容器を同軸上にて安定的に高く段積みでき、地震時等における段積みの荷崩れを回避し、陳列台の単位床面積当たりの段積み陳列個数を多くでき、陳列性を向上できる。
【0016】
(b)容器本体に設けた下端突出部はその筒状体に固定的に備えられる。従って、使用者は、陳列の前後で、下端突出部を容器本体に着脱する必要がなく、使い勝手が良い。
【0017】
(c)容器本体に設けた下端突出部が、その筒状体の下端部に設けた下部保持部よりも下方へ突出している。従って、紙管容器をテーブル面等に置いたとき、容器本体が下端突出部の存在分だけ底上げされ、テーブル面上の水分等が容器本体の内部に及びにくく、内容物を湿気にくくする。この効果は、下端突出部がプラスチック成形体からなるとき、より顕著になる。
【0018】
(請求項2)
(d)同一形状の紙管容器を店頭での陳列段階で同軸上にて上下に段積みするとき、下側の紙管容器における蓋体の環状体に設けた上端突出部が、上側の紙管容器における容器本体の筒状体に設けた下部保持部の内方に入るように設定される。従って、上側の紙管容器の下部保持部が下側の紙管容器の上部保持部の上に接して載り、それらの下部保持部と上部保持部がカール状をなす丸味面をもつ等によって互いに僅かに横滑りしたとしても、或いは上側の紙管容器の底板が下側の紙管容器の上端突出部の上に接して載った状態で僅かに横滑りしたとしても、下側の紙管容器の上端突出部が上側の紙管容器の下部保持部の内周面に衝合して横ずれ防止される。このため、複数の紙管容器を同軸上にて安定的に高く段積みでき、地震時等における段積みの荷崩れを回避し、陳列台の単位床面積当たりの段積み陳列個数を多くでき、陳列性を向上できる。
【0019】
(e)蓋体に設けた上端突出部はその環状体に固定的に備えられる。従って、使用者は、陳列の前後で、上端突出部を蓋体に着脱する必要がなく、使い勝手が良い。
【0020】
(請求項3)
(f)同一形状の紙管容器を店頭での陳列段階で同軸上にて上下に段積みするとき、上側の紙管容器における容器本体の筒状体に設けた下端突出部が、下側の紙管容器における蓋体の環状体に設けた上側突出部に嵌合するように設定される。従って、上側の紙管容器の下部保持部が下側の紙管容器の上部保持部の上に接して載り、それらの下部保持部と上部保持部がカール状をなす丸味面をもつ等によって互いに僅かに横滑りしたとしても、或いは上側の紙管容器の下端突出部が下側の紙管容器の上端突出部の内側凹み面の上に接して載った状態で僅かに横滑りしたとしても、上側の紙管容器の下端突出部が下側の紙管容器の上端突出部の内周面に衝合して横ずれ防止される。このため、複数の紙管容器を同軸上にて安定的に高く段積みでき、地震時等における段積みの荷崩れを回避し、陳列台の単位床面積当たりの段積み陳列個数を多くでき、陳列性を向上できる。
【0021】
(g)容器本体と蓋体のそれぞれに設けた下端突出部と上端突出部はそれらの筒状体と環状体に固定的に備えられる。従って、使用者は、陳列の前後で、下端突出部と上端突出部を容器本体と蓋体に着脱する必要がなく、使い勝手が良い。
【0022】
(h)容器本体に設けた下端突出部が、その筒状体の下端部に設けた下部保持部よりも下方へ突出している。従って、紙管容器をテーブル面等に置いたとき、容器本体が下端突出部の存在分だけ底上げされ、テーブル面上の水分等が容器本体の内部に及びにくく、内容物を湿気にくくする。この効果は、下端突出部がプラスチック成形体からなるとき、より顕著になる。
【0023】
(請求項
1、3)
(i)プラスチック成形体からなる下端突出部が、容器本体の製作時に、底板とともに組み込まれ、容器本体の筒状体に設けた下部保持部と底板との間に挟持され、容器本体の筒状体に簡易に固定化される。
【0024】
(請求項
2、3)
(j)プラスチック成形体からなる上端突出部が、蓋体の製作時に、蓋板とともに組み込まれ、蓋体の環状体に設けた上部保持部と蓋板との間に挟持され、蓋体の環状体に簡易に固定化される。
【0027】
(請求項
4)
(k)印籠式紙管容器においては、容器本体の筒状体と蓋体の環状体とが同一径になり、結果として容器本体の下部保持部と蓋体の上部保持部とが同一径となる。これにより、容器本体の下部保持部から下方に突出するように設けた下端突出部の外径と、蓋体の上部保持部の内径との隙間Gは可及的に小となる。また、蓋体の上部保持部から上方に突出するように設けた上端突出部の外径と、容器本体の下部保持部の内径との隙間Gは可及的に小となる。従って、印籠式紙管容器の段積み時には、上側の紙管容器の下端突出部が下側の紙管容器の上部保持部の内周面に衝合するまでの横ずれ量、もしくは上側の紙管容器の下部保持部が下側の紙管容器の上端突出部の外周面に衝合するまでの横ずれ量が上記小隙間Gの範囲で最小化され、段積み安定性を向上できる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(実施例1)(
図1〜
図4)
図1に示した紙管容器1は、内容物が収容された容器本体10の開口部10Aに蓋体20を着脱可能にするものである。
【0030】
容器本体10は、円筒状をなす紙製筒状体11の下端部に内方へ突出するように設けたカール状の下部保持部11Aに紙製底板(面子)12を落とし込んで保持する。下部保持部11Aは筒状体11の下端エッジをカール状に丸め成形したものである。尚、容器本体10は、筒状体11の上端エッジをカール状に丸め成形した上端縁部11Bとしている。
【0031】
蓋体20は、円環状をなす紙製環状体21の上端部に内方へ突出するように設けたカール状の上部保持部21Aに紙製蓋板(面子)22を落とし込んで保持する。上部保持部21Aは環状体21の上端エッジをカール状に丸め成形したものである。
【0032】
紙管容器1は、容器本体10の上部(筒状体11の上端部を含む一定長範囲)外周に定めた蓋嵌合部11Cに、蓋体20を着脱可能に嵌合できる。尚、容器本体10と蓋体20は、それらの筒状体11と環状体21の紙板厚を同一にしている。
【0033】
紙管容器1は、店頭での陳列段階で、同一形状の他の紙管容器1とともに上下に段積みされる(
図10(A))。このとき、紙管容器1は、他の紙管容器1と同軸上にて安定的に段積み可能になるように、以下の構成を具備する。
【0034】
紙管容器1は、容器本体10の筒状体11に設けた下部保持部11Aよりも内方(内径側)から、該筒状体11と同軸をなして該下部保持部11Aよりも下方へ突出する下端突出部31を該筒状体11に固定的に備える。
【0035】
下端突出部31は、
図3に示す如くのプラスチック成形体30にて形成される。プラスチック成形体30は、円板状をなす平板の外縁側を環状フランジ部30Fとし、フランジ部30Fの内周側にて環状をなす突条部30Pを突出形成するとともに、突条部30Pの内周側に凹み面30Lを形成し、この突条部30Pを下端突出部31とする。
【0036】
プラスチック成形体30は、フランジ部30Fが容器本体10の底板12と、該容器本体10の筒状体11に設けた下部保持部11Aとの間に挟持され、筒状体11に組み込み一体化される。プラスチック成形体30の突条部30Pが筒状体11の下部保持部11Aよりも内方から、該下部保持部11Aよりも下方へ突出して下端突出部31を形成する。このとき、底板12の外周面が筒状体11の筒内面に軽圧入され、及び/又は、筒状体11の筒内面に接着される。プラスチック成形体30のフランジ部30Fの上下面が底板12の下面と筒状体11の下部保持部11Aの上面に接着されても良い。
【0037】
そして、複数の紙管容器1の段積み状態では、
図1、
図2に示す如く、上下に段積みされる上側の紙管容器1における容器本体10の筒状体11に設けた下端突出部31が、下側の紙管容器1における蓋体20の環状体21に設けた上部保持部21Aの内方に入るように設定される。上側の紙管容器1の下部保持部11Aが下側の紙管容器1の上部保持部21Aの上に接して載っても良いし、上側の紙管容器1の下端突出部31が下側の紙管容器1の蓋板22の上に接して載っても良い。
【0038】
従って、本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)同一形状の紙管容器1を店頭での陳列段階で同軸上にて上下に段積みするとき、上側の紙管容器1における容器本体10の筒状体11に設けた下端突出部31が、下側の紙管容器1における蓋体20の環状体21に設けた上部保持部21Aの内方に入るように設定される。従って、上側の紙管容器1の下部保持部11Aが下側の紙管容器1の上部保持部21Aの上に接して載り、それらの下部保持部11Aと上部保持部21Aがカール状をなす丸味面をもつ等によって互いに僅かに横滑りしたとしても、或いは上側の紙管容器1の下端突出部31が下側の紙管容器1の蓋板22の上に接して載った状態で僅かに横滑りしたとしても、上側の紙管容器1の下端突出部31が下側の紙管容器1の上部保持部21Aの内周面に衝合して横ずれ防止される。このため、複数の紙管容器1を同軸上にて安定的に高く段積みでき、地震時等における段積みの荷崩れを回避し、陳列台の単位床面積当たりの段積み陳列個数を多くでき、陳列性を向上できる。
【0039】
(b)容器本体10に設けた下端突出部31はその筒状体11に固定的に備えられる。従って、使用者は、陳列の前後で、下端突出部31を容器本体10に着脱する必要がなく、使い勝手が良い。
【0040】
(c)容器本体10に設けた下端突出部31が、その筒状体11の下端部に設けた下部保持部11Aよりも下方へ突出している。従って、紙管容器1をテーブル面等に置いたとき、容器本体10が下端突出部31の存在分だけ底上げされ、テーブル面上の水分等が容器本体10の内部に及びにくく、内容物を湿気にくくする。この効果は、下端突出部31がプラスチック成形体からなるとき、より顕著になる。
【0041】
(d)プラスチック成形体30からなる下端突出部31が、容器本体10の製作時に、底板12とともに組み込まれ、容器本体10の筒状体11に設けた下部保持部11Aと底板12との間に挟持され、容器本体10の筒状体11に簡易に固定化される。
【0042】
(実施例2)(
図4)
実施例2の紙管容器2が実施例1の紙管容器1と異なる点は、
図4に示す如く、蓋体20の側に上端突出部41を設けたことにある。尚、紙管容器2において、紙管容器1におけると同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
即ち、紙管容器2は、蓋体20の環状体21に設けた上部保持部21Aよりも内方(内径側)から、該環状体21と同軸をなして該上部保持部21Aよりも上方へ突出する上端突出部41を該環状体21に固定的に備える。
【0044】
上端突出部41はプラスチック成形体40にて形成される。プラスチック成形体40は、実施例1のプラスチック成形体30と同様であり、環状フランジ部40Fと凹み面40Lと突条部40Pを備える。
【0045】
プラスチック成形体40は、フランジ部40Fが蓋体20の蓋板22と、該蓋体20の環状体21に設けた上部保持部21Aとの間に挟持され、環状体21に組み込み一体化される。プラスチック成形体40の突条部40Pが環状体21の上部保持部21Aよりも内方から、該上部保持部21Aよりも上方へ突出して上端突出部41を形成する。このとき、蓋板22の外周面が環状体21の環内面に軽圧入され、及び/又は、環状体21の環内面に接着される。プラスチック成形体40のフランジ部40Fの上下面が蓋板22の上面と環状体21の上部保持部21Aの下面に接着されても良い。
【0046】
そして、複数の紙管容器2の段積み状態では、
図4に示す如く、上下に段積みされる下側の紙管容器2における蓋体20の筒状体21に設けた上端突出部41が、上側の紙管容器2における容器本体10の筒状体11に設けた下部保持部11Aの内方に入るように設定される。上側の紙管容器2の下部保持部11Aが下側の紙管容器2の上部保持部21Aの上に接して載っても良いし、上側の紙管容器2の蓋板22が下側の紙管容器2の上端突出部41の上に接して載っても良い。
【0047】
従って、本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)同一形状の紙管容器2を店頭での陳列段階で同軸上にて上下に段積みするとき、下側の紙管容器2における蓋体20の環状体21に設けた上端突出部41が、上側の紙管容器2における容器本体10の筒状体11に設けた下部保持部11Aの内方に入るように設定される。従って、上側の紙管容器2の下部保持部11Aが下側の紙管容器2の上部保持部21Aの上に接して載り、それらの下部保持部11Aと上部保持部21Aがカール状をなす丸味面をもつ等によって互いに僅かに横滑りしたとしても、或いは上側の紙管容器2の底板12が下側の紙管容器2の上端突出部41の上に接して載った状態で僅かに横滑りしたとしても、下側の紙管容器2の上端突出部41が上側の紙管容器2の下部保持部11Aの内周面に衝合して横ずれ防止される。このため、複数の紙管容器2を同軸上にて安定的に高く段積みでき、地震時等における段積みの荷崩れを回避し、陳列台の単位床面積当たりの段積み陳列個数を多くでき、陳列性を向上できる。
【0048】
(b)蓋体20に設けた上端突出部41はその環状体21に固定的に備えられる。従って、使用者は、陳列の前後で、上端突出部41を蓋体20に着脱する必要がなく、使い勝手が良い。
【0049】
(c)プラスチック成形体40からなる上端突出部41が、蓋体20の製作時に、蓋板22とともに組み込まれ、蓋体20の環状体21に設けた上部保持部21Aと蓋板22との間に挟持され、蓋体20の環状体21に簡易に固定化される。
【0050】
(実施例3)(
図5)
実施例3の紙管容器2は、
図5に示す如く、実施例1の紙管容器1における下端突出部31と実質的に同形態の下端突出部31を容器本体10に設けるとともに、実施例2の紙管容器2における下端突出部41と実質的に同形態の上端突出部41を蓋体20に設けた。尚、紙管容器3において、紙管容器1におけると同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。但し、実施例1、2、3の紙管容器1、2、3が同一サイズをなすとき、紙管容器3の下端突出部31は紙管容器1の下端突出部31より小径とされ、紙管容器3の上端突出部41は紙管容器2の上端突出部41より大径とされる等の変形があっても良い。
【0051】
そして、複数の紙管容器3の段積み状態では、
図5に示す如く、上下に段積みされる上側の紙管容器3における容器本体10の筒状体11に設けた下端突出部31が、下側の紙管容器3における蓋体20の環状体21に設けた上端突出部41の内側(内周側)に嵌合するように設定される。下端突出部31が上端突出部41の外側(外周側)に嵌合するように設定されても良い。上側の紙管容器3の下部保持部11Aが下側の紙管容器3の上部保持部21Aの上に接して載っても良いし、上側の紙管容器3の下端突出部31が下側の紙管容器3のプラスチック成形体40の内側凹み面40Lの上に接して載っても良い。
【0052】
従って、本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)同一形状の紙管容器3を店頭での陳列段階で同軸上にて上下に段積みするとき、上側の紙管容器3における容器本体10の筒状体11に設けた下端突出部31が、下側の紙管容器3における蓋体20の環状体21に設けた上側突出部に嵌合するように設定される。従って、上側の紙管容器3の下部保持部11Aが下側の紙管容器3の上部保持部21Aの上に接して載り、それらの下部保持部11Aと上部保持部21Aがカール状をなす丸味面をもつ等によって互いに僅かに横滑りしたとしても、或いは上側の紙管容器3の下端突出部31が下側の紙管容器3の上端突出部41の内側凹み面40Lの上に接して載った状態で僅かに横滑りしたとしても、上側の紙管容器3の下端突出部31が下側の紙管容器3の上端突出部41の内周面に衝合して横ずれ防止される。このため、複数の紙管容器3を同軸上にて安定的に高く段積みでき、地震時等における段積みの荷崩れを回避し、陳列台の単位床面積当たりの段積み陳列個数を多くでき、陳列性を向上できる。
【0053】
(b)容器本体10と蓋体20のそれぞれに設けた下端突出部31と上端突出部41はそれらの筒状体11と環状体21に固定的に備えられる。従って、使用者は、陳列の前後で、下端突出部31と上端突出部41を容器本体10と蓋体20に着脱する必要がなく、使い勝手が良い。
【0054】
尚、本実施例によれば実施例1の(c)、(d)、実施例2の(c)の作用効果も奏する。
【0055】
(実施例4、5)(
図6、
図7、
図8)
実施例4、5の紙管容器4、5が実施例1の紙管容器1と異なる点は、
図6、
図8に示す如く、容器本体10が筒状体11に軽圧入及び/又は接着剤を介して挿嵌した印籠を構成する円筒状の紙製中筒13を有し、中筒13の筒状体11より上方へ突出する部分を蓋嵌合部11Cとしたことにある。紙管容器4、5は印籠式となり、容器本体10の中筒13からなる蓋嵌合部11Cに蓋体20を嵌合したとき、容器本体10の筒状体11と蓋体20の環状体21は同一径をなす。尚、紙管容器4、5において、紙管容器1におけると同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】
従って、この印籠式紙管容器4、5においては、容器本体10の筒状体11と蓋体20の環状体21とが同一径になり、結果として容器本体10の下部保持部11Aと蓋体20の上部保持部21Aとが同一径となる。これにより、容器本体10の下部保持部11Aから下方に突出するように設けた下端突出部31の外径と、蓋体20の上部保持部21Aの内径との隙間Gは可及的に小となる。また、蓋体20の上部保持部21Aから上方に突出するように設けた上端突出部41の外径と、容器本体10の下部保持部11Aの内径との隙間Gは可及的に小となる。従って、印籠式紙管容器4、5の段積み時には、
図6、
図7、
図8に示す如く、上側の紙管容器4の下端突出部31が下側の紙管容器4の上部保持部21Aの内周面に衝合までの横ずれ量、もしくは上側の紙管容器5の上部保持部21Aが下側の紙管容器5の上端突出部41の外周面に衝合するまでの横ずれ量が上記小隙間Gの範囲で最小化され、段積み安定性を向上できる。
【0057】
(
参考例1)(図
9)
参考例1の紙管容器6が実施例1の紙管容器1と異なる点は、
図9に示す如く、容器本体10の筒状体11に設けられる下端突出部31が該容器本体10の底板12と一体成形されたことにある。本
参考例では、底板12がパルプ成形され、円板状をなす平板の外縁側を環状フランジ部12Fとし、フランジ部12Fの内周側にて環状をなす突条部12Pを突出形成するとともに、突条部12Pの内周側に凹み面12Lを形成し、この突条部12Pを下端突出部31とする。
【0058】
従って、下端突出部31が、容器本体10の底板12に一体成形され、簡易に形成される。
【0059】
尚、実施例2の紙管容器2における蓋体20の環状体21に設けられる上端突出部41を、蓋体20の蓋板22と一体成形することもできる。
【0060】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。前述した紙管容器1〜
5は容器本体10、蓋体20が円筒状をなす丸管容器としたが、容器本体10、蓋体20が四角筒等の角筒状をなす(底板12、蓋板22の面子を四角板等とする)角管容器としても良い。