(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、特許文献1に記載された射出成形用金型にあっては、固定型に対して移動される可動型の内部にホットランナシステムとともにプレートやゲート開閉ピンが配置されているため、可動型の移動時に、これらのホットランナシステムやプレートやゲート開閉ピンが可動型の移動に伴って移動される構造にされており、射出成形用金型の全体の構造の簡素化に支障を来たしてしまう。また、可動型とともにホットランナシステムやプレート等も移動させる構成であるため、その分、可動型側の構造の重量が大きく、移動させるための大きな駆動力が必要になってしまう。
【0009】
一方、特許文献2に記載された射出成形用金型にあっては、ホットランナシステムやプレート等が固定型の内部に配置されているため、射出成形用金型の全体の構造の簡素化が図られるが、固定型の内部にピストンとシリンダを有する駆動部が配置されている。従って、固定型の内部に駆動部が配置されいる分、射出成形用金型が大型になってしまい、射出成形用金型の小型化に支障を来してしまう。
【0010】
また、駆動部としてピストンとシリンダが設けられている射出成形用金型には、プレートが設けられておらず、ピストンとシリンダが各ゲート開閉ピンの軸方向に配置され、各ピストンがそれぞれゲート開閉ピンを軸方向から押圧することによりゲート開閉ピンが一方へ移動され、各ピストンのゲート開閉ピンへの押圧が解除されることによりゲート開閉ピンが他方へ移動される構成にされたものがある。
【0011】
しかしながら、このようなピストンとシリンダが各ゲート開閉ピンの軸方向に配置された射出成形用金型にあっては、各シリンダの外径の内側にそれぞれ一つずつのゲート開閉ピンが位置される構成になるため、複数のゲート開閉ピン間の距離(ピッチ)がシリンダの外径の大きさに依存し、ゲート開閉ピン間のピッチが大きくなり射出成形用金型の小型化に支障を来すおそれがある。
【0012】
また、駆動部がホットランナシステムとともに固定型の内部に配置されている射出成形用金型においては、駆動部に対してホットランナシステムにおいて発生する熱の影響が生じてしまうため、駆動部の動作不良が発生するおそれが生じたり、駆動部に対しての熱の遮断機構や冷却機構を設ける必要が生じる場合がある。
【0013】
そこで、本発明の射出成形用金型は、上記した問題点を克服し、構造の簡素化及び小型化を図ると共に駆動部における動作の信頼性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1に、本発明に係る射出成形用金型は、突き合わされることにより溶融樹脂が充填されるキャビティを形成する固定型と可動型を有する射出成形用金型であって、樹脂供給部から前記溶融樹脂が供給されるスプルと、前記スプルから前記溶融樹脂が流入され前記溶融樹脂が流動される流動路が形成され前記固定型の内部に配置されたマニホールドと、前記流動路において流動された前記溶融樹脂を前記キャビティに向けて吐出するゲートをそれぞれ有する複数のノズルと、軸方向へ移動されて前記ゲートをそれぞれ開閉する複数のゲート開閉ピンと、前記ゲート開閉ピンを軸方向へ移動させ前記固定型における外端部に支持された駆動部とを備え、
前記固定型には前記ゲート開閉ピンを軸方向へ案内するためのガイド軸が設けられ、前記マニホールドと前記駆動部が前記ゲート開閉ピンの移動方向に離隔して並び、前記マニホールドと前記ガイド軸が前記マニホールドと前記駆動部の並び方向に直交する方向に離隔して並び、前記駆動部が前記固定型の外面より外側に配置された駆動源によって駆動され前記駆動部の駆動力が前記複数のゲート開閉ピンに伝達されて前記複数のゲート開閉ピンが軸方向へ移動されるものである。
【0015】
これにより、固定型の外面より外側に配置された駆動源によって駆動される駆動部の駆動力が複数のゲート開閉ピンに伝達されて複数のゲート開閉ピンがそれぞれ軸方向へ移動され、各ノズルのゲートがゲート開閉ピンによって開閉される。
【0016】
第2に、上記した本発明に係る射出成形用金型においては、前記可動型に、前記キャビティにおいて成形された成形品を突き出して前記成形品を前記キャビティから取り出すエジェクタピンが軸方向へ移動自在に支持されることが望ましい。
【0017】
これにより、エジェクタピンとゲート開閉ピンがそれぞれ可動型と固定型に各別に位置される。
【0018】
第3に、上記した本発明に係る射出成形用金型においては、前記固定型の内部に前記駆動部の動作に応じて前記ゲート開閉ピンの軸方向へ移動可能なバルブ駆動プレートが配置され、前記ゲート開閉ピンは軸方向における一端部が前記ゲートを開閉するゲート開閉部として設けられ軸方向における他端部が前記バルブ駆動プレートに結合された結合部として設けられることが望ましい。
【0019】
これにより、バルブ駆動プレートによって複数のゲート開閉ピンが同時に移動される。
【0020】
第4に、上記した本発明に係る射出成形用金型においては、
前記ガイド軸が複数設けられ前記複数のガイド軸に前記バルブ駆動プレートが前記軸方向へ移動自在に支持され、前記複数のガイド軸が前記バルブ駆動プレートの移動方向に直交する方向において前記マニホールドの外側に配置されることが望ましい。
【0021】
これにより、ガイド軸の距離が大きくされ、バルブ駆動プレートの傾きが抑制される。
【0022】
第5に、上記した本発明に係る射出成形用金型においては、前記駆動部が複数設けられ、前記複数の駆動部が、前記バルブ駆動プレートの中央部を通り前記バルブ駆動プレートの移動方向に延びる軸を中心とする周方向において等間隔に位置されることが望ましい。
【0023】
これにより、バルブ駆動プレートに中央部を基準として駆動部から均等な駆動力が伝達され易くなり、バルブ駆動プレートの傾きが抑制された状態でゲート開閉ピンが軸方向へ移動される。
【0024】
第6に、上記した本発明に係る射出成形用金型においては、前記駆動部が複数設けられ、前記複数の駆動部が、前記バルブ駆動プレートの中央部を通り前記バルブ駆動プレートの移動方向に延びる軸を基準として半径方向において等間隔に位置されることが望ましい。
【0025】
これにより、バルブ駆動プレートに中央部を基準として駆動部から均等な駆動力が伝達され易くなり、バルブ駆動プレートの傾きが抑制された状態でゲート開閉ピンが軸方向へ移動される。
【0026】
第7に、上記した本発明に係る射出成形用金型においては、前記駆動部と前記バルブ駆動プレートの間に前記バルブ駆動プレートと同じ方向へ移動可能とされ前記駆動部の駆動力が伝達される作用プレートが配置され、前記バルブ駆動プレートに前記ゲート開閉ピンの軸方向に直交する支点軸を支点として回転可能な回転体が支持され、前記作用プレートが前記回転体の外周面に接し、前記駆動部の駆動力が前記回転体を介して前記作用プレートから前記バルブ駆動プレートに伝達されることが望ましい。
【0027】
これにより、バルブ駆動プレートの傾きが抑制された状態でゲート開閉ピンが軸方向へ移動される。
【0028】
第8に、上記した本発明に係る射出成形用金型においては、前記駆動部と前記バルブ駆動プレートの間に前記バルブ駆動プレートと同じ方向へ移動可能とされ前記駆動部の駆動力が伝達される作用プレートが配置され、前記作用プレート又は前記バルブ駆動プレートの一方に前記バルブ駆動プレート又は前記作用プレートに接する曲面部を有する伝達突部が設けられ、前記駆動部の駆動力が前記伝達突部を介して前記作用プレートから前記バルブ駆動プレートに伝達されることが望ましい。
【0029】
これにより、バルブ駆動プレートの傾きが抑制された状態でゲート開閉ピンが軸方向へ移動される。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、固定型の外面より外側に配置された駆動源によって駆動される駆動部の駆動力が固定型の内部に配置された複数のゲート開閉ピンに伝達されて複数のゲート開閉ピンがそれぞれ軸方向へ移動され、各ノズルのゲートがゲート開閉ピンによって開閉されるため、構造の簡素化及び小型化を図ることができると共に駆動部における動作の信頼性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明の射出成形用金型を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
【0033】
以下の説明においては、射出成形用金型の固定型と可動型が離接される方向を上下方向として上下前後左右の方向を示す。尚、以下に示す上下前後左右の方向は、説明の便宜上示すものであり、本発明はこれらの方向に限定して適用されることはない。また、各部品の数量、形状、配置等は、本発明の意図を逸脱しない範囲において図示された内容に限定されて適用されることはない。
【0034】
<射出成形用金型の構造>
先ず、射出成形用金型1の構造について説明する(
図1参照)。
【0035】
射出成形用金型1は射出成型機に、その一部の構造として組み付けられ、上下方向において離接される可動型2と固定型3を有している。固定型3には内部空間が形成され、この内部空間が配置空間4とされている。固定型3の下端部には下方に開口された凹部3a、3a、・・・が形成されている。凹部3a、3a、・・・は水平方向において離隔して形成されている。
【0036】
可動型2は固定型3に対して上下方向へ移動されて離接される。可動型2は厚み方向が上下方向にされた略平板状に形成され、上面側に固定型3と突き合わされたときに固定型3に形成された凹部3a、3a、・・・と組み合わされて、それぞれキャビティ5、5、・・・として形成される複数の凸部2a、2a、・・・を有している。凸部2a、2a、・・・は水平方向において離隔して形成されている。
【0037】
可動型2にはそれぞれ凸部2a、2a、・・・に連通された挿通孔2b、2b、・・・が形成されている。挿通孔2bは上下方向に延び、挿通孔2bにはエジェクタピン6が上下方向へ移動自在に支持されている。キャビティ5、5、・・・に後述する溶融樹脂が充填される前の状態においては、エジェクタピン6の上面が凸部2aの上面に一致されている。
【0038】
固定型3は、上下方向を向く平板状の取付板7と、取付板7の下方に位置されたキャビティプレート8と、取付板7の外周部とキャビティプレート8の外周部とを連結する連結板9とを有している。取付板7と連結板9とキャビティプレート8によって固定型3の内部に配置空間4が形成される。
【0039】
取付板7の中央部には上下に貫通されたノズル挿入孔7aが形成されている。取付板7にはノズル挿入孔7aの外側に上下に貫通された、例えば、二つの支持孔7b、7bが左右に離隔して形成されている。取付板7には支持孔7b、7bの外側に下方に開口された、例えば、二つのガイド取付穴7c、7cが左右に離隔して形成されている。
【0040】
取付板7の上面には環状のロケートリング10が取り付けられ、ロケートリング10の中心孔10aがノズル挿入孔7aに一致されている。ロケートリング10は射出成型機に組み付けられるときの射出成形機に対する位置決めを行う機能を有している。
【0041】
取付板7のノズル挿入孔7aには溶融樹脂を供給する樹脂供給部として機能する供給ノズル100が挿入される。取付板7の支持孔7b、7bには駆動部として機能する駆動ロッド11、11が上下方向に移動自在に支持されている。取付板7は固定型3における外端部に位置されているため、駆動部として機能する駆動ロッド11、11も固定型3における外端部に位置される。
【0042】
駆動ロッド11、11はそれぞれ固定型3の上方、即ち、固定型3の外面より外側に配置された駆動源200、200によって駆動され、取付板7に対して上下方向へ移動される。
【0043】
駆動源200としては、例えば、シリンダ及びシリンダに対して空圧又は油圧によって移動されるピストンや電気的なモータ等が用いられる。
【0044】
キャビティプレート8には上下に貫通された配置孔8a、8a、・・・が形成されている。配置孔8aは下側の開口が上側の開口より小さくされている。キャビティプレート8には配置孔8a、8a、・・・の外側に上方に開口された、例えば、二つのガイド取付穴8b、8bが左右に離隔して形成されている。
【0045】
固定型3の配置空間4にはガイド軸12、12が配置されている。ガイド軸12、12は上下両端部がそれぞれ取付板7に形成されたガイド取付穴7c、7cとキャビティプレート8に形成されたガイド取付穴8b、8bに挿入されて結合されている。
【0046】
ガイド軸12、12には上下方向を向くバルブ駆動プレート13が上下方向へ移動自在に支持されている。
【0047】
バルブ駆動プレート13は中央部に上下に貫通されたスプル挿通孔13aを有し、スプル挿通孔13aは取付板7のノズル挿入孔7aの真下に位置されている。バルブ駆動プレート13の外周部には上下に貫通された被支持孔13b、13bが左右に離隔して形成されている。バルブ駆動プレート13は、例えば、第1の結合板14と第2の結合板15が上下で結合されて構成されている。
【0048】
バルブ駆動プレート13は被支持孔13b、13bにそれぞれガイド軸12、12が挿通されることにより、ガイド軸12、12の上端側において支持されている。ガイド軸12、12にはバルブ駆動プレート13の下側にそれぞれ圧縮コイルバネ16、16が支持されている。従って、バルブ駆動プレート13は圧縮コイルバネ16、16によって上方に付勢され、下方への力が付与されていない状態において圧縮コイルバネ16、16の付勢力によって取付板7に下方から押し付けられている。
【0049】
バルブ駆動プレート13には駆動ロッド11、11の駆動力が伝達される。駆動ロッド11、11はバルブ駆動プレート13の中央部を通りバルブ駆動プレート13の移動方向に延びる軸Sを中心とする周方向において等間隔に位置されている。具体的には、駆動ロッド11、11は周方向において180°離隔して位置されている。尚、駆動ロッド11は3つ以上が設けられていてもよく、この場合にも複数の駆動ロッド11、11、・・・が周方向において等間隔に位置されていることが望ましい。また、駆動ロッド11は一つのみ設けられていてもよいが、この場合には取付板7の中央部に近い位置に支持されることが望ましい。
【0050】
バルブ駆動プレート13にはゲート開閉ピン17、17、・・・が水平方向において離隔した状態で結合されている。ゲート開閉ピン17は上端部が結合部17aとして設けられ下端部がゲート開閉部17bとして設けられている。ゲート開閉ピン17は結合部17aがバルブ駆動プレート13の内部に配置された状態で結合され、結合部17a以外の部分がバルブ駆動プレート13から下方に突出されている。
【0051】
固定型3の配置空間4にはホットランナシステムを構成するマニホールド18とスプル19とノズル20、20、・・・が配置されている。
【0052】
マニホールド18は上下方向の厚みが薄くされた扁平な形状に形成され、ガイド軸12、12間に位置されている。マニホールド18の内部には溶融樹脂が流動される流動路21が形成され、流動路21は上下方向における中央部に位置する中間部21aと中間部21aの上側に位置された流入部21bと中間部21aの下側に位置された分岐部21c、21c、・・・とから成る。
【0053】
中間部21aは上下方向における幅に対して水平方向における幅が大きくされた空間として形成されている。
【0054】
流入部21bはマニホールド18の中央部に形成され、上側開口がマニホールド18の上面に開口され下側開口が中間部21aの中央部に連通されている。
【0055】
分岐部21c、21c、・・・は水平方向において離隔して形成され、ゲート開閉ピン17、17、・・・と同数が形成されている。分岐部21c、21c、・・・の径はゲート開閉ピン17、17、・・・の径より稍大きくされている。分岐部21cは上側開口が中間部21aに連通され下側開口がマニホールド18の下面に開口されている。
【0056】
マニホールド18には上下に貫通されたピン支持孔18a、18a、・・・が形成されている。ピン支持孔18a、18a、・・・はゲート開閉ピン17、17、・・・と同数が形成され、それぞれゲート23a、23a、・・・の真上に位置されている。
【0057】
マニホールド18は、例えば、環状のスペーサ22を介してキャビティプレート8の上面に取り付けられている。
【0058】
スプル19は上下に延びる円筒状に形成され、内部空間が樹脂流入路19aとして形成されている。スプル19はマニホールド18の中央部における上面に結合され、樹脂流入路19aがマニホールド18の流入部21bに連通されている。スプル19はバルブ駆動プレート13のスプル挿通孔13aに挿通され上端部が取付板7のノズル挿入孔7aに挿入されている。スプル19にはノズル挿入孔7aに挿入される供給ノズル100が結合される。
【0059】
ノズル20、20、・・・は水平方向において離隔して配置され、ゲート開閉ピン17、17、・・・と同数が設けられている。ノズル20は上下に延びる筒状部20aと筒状部20aの上端部から外方に張り出されたフランジ部20bとから形成されて成る。ノズル20は筒状部20aがキャビティプレート8の配置孔8aに上方から挿入されフランジ部20bがキャビティプレート8の上側に位置されている。
【0060】
ノズル20には上下に貫通された流路23が形成されている。流路23は下端部が他の部分より径が小さくされたゲート23aとして形成されている。ゲート23aは配置孔7aの下側開口に略一致して位置されている。流路23の径はゲート23aを除きゲート開閉ピン17の径より稍大きくされている。ゲート23aの径はゲート開閉ピン17の径と略同じにされている。
【0061】
ノズル20、20、・・・はそれぞれマニホールド18の下面に結合され、流路23、23、・・・がそれぞれマニホールド18の分岐部21c、21c、・・・に連通されている。
【0062】
ノズル20、20、・・・における筒状部20a、20a、・・・の周囲にはそれぞれヒータ24、24、・・・が配置され、ヒータ24、24、・・・はそれぞれキャビティプレート8の配置孔8a、8a、・・・に配置されている。ヒータ24、24、・・・によってそれぞれノズル20、20、・・・が加熱され、流路23、23、・・・を流動される溶融樹脂の冷却による固化が防止される。
【0063】
尚、マニホールド18とスプル19に対しても図示しないヒータによって加熱が行われ、マニホールド18の流動路21とスプル19の樹脂流入路19aを流動される溶融樹脂の冷却による固化が防止される。
【0064】
ゲート開閉ピン17、17、・・・はそれぞれマニホールド18のピン支持孔18a、18a、・・・を挿通されマニホールド18に上下方向へ移動自在に支持されている。ゲート開閉ピン17、17、・・・はそれぞれピン支持孔18a、18a、・・・を挿通された状態でマニホールド18及びノズル20、20、・・・の流路23、23、・・・とに挿通される。ゲート開閉ピン17、17、・・・の径は流路23、23、・・・の径より小さくされているため、流路23、23、・・・にはゲート開閉ピン17、17、・・・の外周側に溶融樹脂が流動される空間が形成される。
【0065】
<射出成形用金型における動作>
次に、射出成形用金型1において成形品が形成されるときの動作について説明する(
図2乃至
図4参照)。
【0066】
射出成形用金型1において、可動型2が固定型3に対して上方へ移動されて可動型2が固定型3に突き合わされ、可動型2に形成された凸部2a、2a、・・・と固定型3に形成された凹部3a、3a、・・・とによってキャビティ5、5、・・・が形成される(
図2参照)。このときバルブ駆動プレート13は圧縮コイルバネ16、16によって取付板7に下方から押し付けられ、ゲート開閉ピン17、17、・・・が上方の移動端に位置され、ゲート開閉部17b、17b、・・・がそれぞれノズル20、20、・・・のゲート23a、23a、・・・の上側に位置されている。従って、ゲート23a、23a、・・・が開放されている。
【0067】
可動型2が固定型3に突き合わされてキャビティ5、5、・・・が形成されると、供給ノズル100から溶融樹脂300がスプル19に供給される(
図3参照)。スプル19に供給された溶融樹脂300は樹脂流入路19aからマニホールド18の流動路21を流動されて分岐部21c、21c、・・・によって分岐され、ノズル20、20、・・・の流路23、23、・・・へ向けて流動される。このとき溶融樹脂300は分岐部21c、21c、・・・と流路23、23、・・・におけるゲート開閉ピン17、17、・・・の外周側の空間を流動される。溶融樹脂300がスプル19からマニホールド18を経てノズル20、20、・・・へ向けて流動されるときには、ヒータ24、24、・・・等によってそれぞれスプル19、マニホールド18及びノズル20、20、・・・が加熱され、溶融樹脂300の冷却による固化が防止される。
【0068】
溶融樹脂300は流路23、23、・・・のゲート23a、23a、・・・からキャビティ5、5、・・・に流動され、キャビティ5、5、・・・にそれぞれ溶融樹脂300、300、・・・が充填される。
【0069】
キャビティ5、5、・・・にそれぞれ溶融樹脂300、300、・・・が充填されると、駆動源200、200によってそれぞれ駆動ロッド11、11が下方へ移動され、バルブ駆動プレート13が駆動ロッド11、11に押圧されて圧縮コイルバネ16、16の付勢力に反して下方へ移動され、ゲート開閉ピン17、17、・・・がバルブ駆動プレート13の移動に伴って下方へ移動されてゲート開閉部17b、17b、・・・によってそれぞれノズル20、20、・・・のゲート23a、23a、・・・が閉塞される(
図4参照)。従って、ノズル20、20、・・・からの溶融樹脂300、300、・・・のキャビティ5、5、・・・への吐出が停止される。
【0070】
このときバルブ駆動プレート13はマニホールド18の外側に配置されたガイド軸12、12に案内されて移動される。
【0071】
このとき、上記したように、ガイド軸12、12がバルブ駆動プレート13の移動方向に直交する方向においてマニホールド18の外側に配置されているため、ガイド軸12、12の距離が大きくされており、バルブ駆動プレート13の傾きが抑制され、バルブ駆動プレート13が安定した状態で移動され、バルブ駆動プレート13及びゲート開閉ピン17、17、・・・の動作の円滑化を図ることができる。
【0072】
また、上記したように、駆動ロッド11、11は軸Sを中心とする周方向において等間隔に位置されている。
【0073】
従って、バルブ駆動プレート13に中央部を基準として駆動ロッド11、11から均等な駆動力が伝達され易くなり、バルブ駆動プレート13の傾きが抑制された状態でゲート開閉ピン17、17、・・・が軸方向へ移動され、ゲート開閉ピン17、17、・・・の動作の円滑化及びゲート開閉ピン17、17、・・・のゲート23a、23a、・・・に対する高精度の開閉動作を確保することができる。
【0074】
さらに、上記したように、駆動ロッド11、11は軸Sを基準として半径方向において等間隔に位置されている。
【0075】
従って、バルブ駆動プレート13に中央部を基準として駆動ロッド11、11から均等な駆動力が伝達され易くなり、バルブ駆動プレート13の傾きが抑制された状態でゲート開閉ピン17、17、・・・が軸方向へ移動され、ゲート開閉ピン17、17、・・・の一層の動作の円滑化及びゲート開閉ピン17、17、・・・のゲート23a、23a、・・・に対する一層高精度の開閉動作を確保することができる。
【0076】
上記のように、溶融樹脂300、300、・・・のキャビティ5、5、・・・への吐出が停止されると、キャビティ5、5、・・・に充填された溶融樹脂300、300、・・・が冷却されて固化される。
【0077】
キャビティ5、5、・・・に充填された溶融樹脂300、300、・・・が冷却されて固化されると、可動型2が下方へ移動されて固定型3から離隔され、エジェクタピン6、6、・・・によって固化された溶融樹脂300、300、・・・がそれぞれ突き出され、固化された溶融樹脂300、300、・・・がそれぞれ成形品400、400、・・・としてキャビティ5、5、・・・から取り出される。
【0078】
<射出成形用金型における変形例>
次に、射出成形用金型1における各変形例について説明する(
図5乃至
図11参照)。
【0079】
尚、以下に示す各変形例は、上記した構成に対し、駆動ロッドとバルブ駆動プレートの間に作用プレートが配置され、駆動ロッドの駆動力が作用プレートを介してバルブ駆動プレートに伝達されることのみが異なる。従って、以下の変形例については上記した構成と異なる部分のみ詳細に説明をし、その他の部分については上記した構成における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0080】
第1の変形例は作用プレート25と回転体26、26が設けられ、一つの駆動ロッド11が取付板7に移動自在に支持された例である(
図5参照)。
【0081】
作用プレート25は固定型3の配置空間4において駆動ロッド11とバルブ駆動プレート13の間に位置されている。作用プレート25は上下方向を向く平板状に形成され、ガイド軸12、12に移動自在に支持され、駆動ロッド11が下方へ移動されたときに駆動ロッド11によって押圧される。作用プレート25の中央部にはスプル19が挿通される図示しない挿通孔が形成されている。
【0082】
回転体26、26はバルブ駆動プレート13の中央部を挟んで、例えば、前後方向において反対側に位置され、バルブ駆動プレート13に回転自在に支持されている。回転体26としては、例えば、ベアリングが用いられている。回転体26は水平方向に延びる支点軸27と支点軸27を支点として回転され外周が円形状の回転部28とを有している。
【0083】
回転体26、26はそれぞれ支点軸27、27がバルブ駆動プレート13に連結され、回転部28、28が支点軸27、27を支点としてバルブ駆動プレート13に対して回転される。
【0084】
回転部28、28の外周面28a、28aには作用プレート25が上方から接している。従って、駆動ロッド11の駆動力が作用プレート25から回転体28、28に伝達され、回転体28、28からバルブ駆動プレート13に伝達される。
【0085】
駆動ロッド11が駆動源200によって下方へ移動されると、作用プレート25が駆動ロッド11に押圧されて下方へ移動される。このとき作用プレート25の中央部以外の部分が駆動ロッド11に押圧されるため、作用プレート25に水平方向に対して傾く方向への力が生じるが、作用プレート25に生じた傾く方向への力によって回転部28、28が支点軸27、27を支点として回転される(
図6参照)。尚、
図6においては、説明の理解を容易にするために、作用プレート25が水平方向に対して傾いた状態を仮想的に示している。
【0086】
従って、駆動ロッド11の駆動力は作用プレート25を介して回転体26、26の支点軸27、27に伝達され、支点軸27、27に生じる真下へ移動される分力が支点軸27、27からバルブ駆動プレート13に真下へ移動される方向への力として付与され、バルブ駆動プレート13は水平方向に対して傾きが抑制された状態で移動される。
【0087】
このように一つの駆動ロッド11が設けられた構成において作用プレート25と回転体26、26を介してバルブ駆動プレート13に駆動ロッド11の駆動力が付与されるようにすることにより、バルブ駆動プレート13の傾きが抑制された状態でゲート開閉ピン17、17、・・・が軸方向へ移動され、ゲート開閉ピン17、17、・・・の動作の円滑化及びゲート開閉ピン17、17、・・・のゲート23a、23a、・・・に対する高精度の開閉動作を確保することができる。
【0088】
第2の変形例は作用プレート29が設けられ、一つの駆動ロッド11が取付板7に移動自在に支持された例である(
図7参照)。
【0089】
作用プレート29は固定型3の配置空間4において駆動ロッド11とバルブ駆動プレート13の間に位置されている。作用プレート29は上下方向を向く平板状に形成された平面部30と平面部30から下方に突出された伝達突部31、31とを有し、伝達突部31、31の先端面がそれぞれ曲面部31a、31aとして形成されている。伝達突部31、31は平面部30の中央部を挟んで、例えば、前後方向において反対側に位置されている。
【0090】
作用プレート29は平面部30がガイド軸12、12に移動自在に支持され、駆動ロッド11が下方へ移動されたときに駆動ロッド11によって押圧される。平面部30の中央部にはスプル19が挿通される図示しない挿通孔が形成されている。
【0091】
伝達突部31、31の曲面部31a、31aはバルブ駆動プレート13に上方から接している。従って、駆動ロッド11の駆動力が作用プレート29からバルブ駆動プレート13に伝達される。
【0092】
駆動ロッド11が駆動源200によって下方へ移動されると、作用プレート29が駆動ロッド11に押圧されて下方へ移動される。このとき作用プレート29の中央部以外の部分が駆動ロッド11に押圧されるため、作用プレート29に水平方向に対して傾く方向への力が生じるが、作用プレート29に生じた傾く方向への力によって伝達突部31、31がバルブ駆動プレート13の上面に対して摺動される(
図8参照)。尚、
図8においては、説明の理解を容易にするために、作用プレート29が水平方向に対して傾いた状態を仮想的に示している。
【0093】
従って、駆動ロッド11の駆動力は作用プレート29の伝達突部31、31に伝達され、伝達突部31、31に生じる真下へ移動される分力が伝達突部31、31からバルブ駆動プレート13に真下へ移動される方向への力として付与され、バルブ駆動プレート13が水平方向に対して傾きが抑制された状態で移動される。
【0094】
このように一つの駆動ロッド11が設けられた構成において作用プレート29の伝達突部31、31を介してバルブ駆動プレート13に駆動ロッド11の駆動力が付与されるようにすることにより、バルブ駆動プレート13の傾きが抑制された状態でゲート開閉ピン17、17、・・・が軸方向へ移動され、ゲート開閉ピン17、17、・・・の動作の円滑化及びゲート開閉ピン17、17、・・・のゲート23a、23a、・・・に対する高精度の開閉動作を確保することができる。
【0095】
尚、上記には、第2の変形例において伝達突部31、31がバルブ駆動プレート13の上面に接した例を示したが、
図9に示すように、バルブ駆動プレート13に曲面状の凹面13cを形成し、伝達突部31、31が凹面13cに接するように構成することも可能である。
【0096】
このようにバルブ駆動プレート13に凹面13cを形成して伝達突部31、31をバルブ駆動プレート13の凹面13cに接触させることにより、バルブ駆動プレート13と作用プレート29の距離が小さくなり、射出成形用金型1の小型化を図ることができる。
【0097】
また、上記には、作用プレート29に伝達突部31、31が設けられた例を示したが、逆に、
図10に示すように、バルブ駆動プレート13に伝達突部32、32を設け伝達突部32、32の曲面部32a、32aが作用プレート29の下面に接するようにしてもよい。この場合には、駆動ロッド11の駆動力が作用プレート29から伝達突部32、32を有するバルブ駆動プレート13に伝達される。
【0098】
尚、バルブ駆動プレート13に伝達突部32、32が設けられた場合において、作用プレート29に曲面状の凹面29aを形成し、伝達突部32、32が凹面29aに接するように構成することも可能である(
図11参照)。この場合にも、バルブ駆動プレート13と作用プレート29の距離が小さくなり、射出成形用金型1の小型化を図ることができる。
【0099】
<まとめ>
以上に記載した通り、射出成形用金型1にあっては、駆動ロッド11が固定型3における外端部に配置され、駆動ロッド11が固定型3の外面より外側に配置された駆動源200によって駆動され駆動ロッド11の駆動力がゲート開閉ピン17に伝達されてゲート開閉ピン17が軸方向へ移動される。
【0100】
従って、駆動ロッド11が固定型3における外端部に配置されると共に固定型3の外面より外側に駆動源200が配置されるため、射出成形用金型1の構造の簡素化及び小型化を図ることができる。
【0101】
尚、一般に、射出成形用金型においては、ゲート開閉ピンとゲート開閉ピンを移動させるための機構とが固定型に配置されているため、ゲート開閉ピン17、17、・・・とゲート開閉ピン17、17、・・・を移動させるためのバルブ駆動プレート13とが固定型3に配置されることにより、既存の構造を大幅に変更することなく射出成形用金型1を設計することが可能になり、射出成形用金型1の設計コストの大幅な増大を回避することが可能である。
【0102】
また、射出成形用金型1にあっては、ゲート開閉ピン17、17、・・・の軸方向に配置された各シリンダに支持された各ピストンによってゲート開閉ピン17、17、・・・が軸方向へ押圧される構成にされていないため、ゲート開閉ピン17、17、・・・間の距離(ピッチ)がシリンダの外径の大きさに依存せず、ゲート開閉ピン17、17、・・・間のピッチを小さくして射出成形用金型1の一層の小型化を図ることができる。
【0103】
さらに、固定型3の内部にホットランナシステムを構成するマニホールド18、スプル19及びノズル20、20、・・・が配置され、固定型3の外部に駆動源200が配置されているため、駆動源200に対してホットランナシステムにおいて発生する熱の影響が生じ難く、駆動源200に対しての熱の遮断機構や冷却機構を設ける必要がない。
【0104】
従って、駆動源200に対してホットランナシステムにおいて発生する熱の影響が生じ難いため駆動源200の動作の信頼性の向上を図ることができると共に駆動源200に対しての熱の遮断機構や冷却機構を設ける必要がないため射出成形用金型1の小型化及び製造コストの低減を図ることができる。
【0105】
さらにまた、駆動源200が固定型3の外部に配置されているため、成形品400の成形時に射出成形用金型1の内部に発生するガスの影響が駆動源200に及ぶことがなく、駆動源200の動作の信頼性、駆動源200の長寿命化及び駆動源200に対するメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0106】
また、可動型2に成形品400を突き出してキャビティ5から取り出すエジェクタピン6が支持され、固定型3の内部にゲート開閉ピン17の軸方向へ移動されるバルブ駆動プレート13が配置されている。
【0107】
従って、同じ方向へ移動されるエジェクタピン6とバルブ駆動プレート13及びゲート開閉ピン17とがそれぞれ可動型2と固定型3に各別に位置されているため、射出成形用金型1の構造の簡素化及び同じ方向へ移動される各部に対する制御の容易化を図ることができる。
【0108】
さらに、バルブ駆動プレート13によって複数のゲート開閉ピン17、17、・・・が同時に移動されるため、各ゲート開閉ピン17、17、・・・毎に駆動ロッド11や駆動源200を設ける必要がなく、射出成形用金型1の構造の簡素化及び製造コストの低減を図ることができる。
【0109】
尚、上記には、可動型2が固定型3に突き合わされたときに複数のキャビティ5、5、・・・が形成される例を示したが、射出成形用金型1にあっては、可動型2が固定型3に突き合わされたときに一つのキャビティ5が形成されてもよい。この場合には、一つのキャビティ5に複数のノズル20、20、・・・から溶融樹脂が吐出され、一つのキャビティ5に充填された溶融樹脂によって一つの成形品400が成形される。