(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記筒体(37)は、紙管(37a)により構成され、前記充填材(38)は、発泡樹脂(38a)により構成されて成ることを特徴とする請求項5に記載のマンホールを含む舗装工事における仮蓋の撤去装置。
【背景技術】
【0002】
マンホールを含む道路の舗装工事に関して、本出願人は、「後付工法」(商標登録第4217698号)を提案し、好評を博している。
【0003】
本出願人の「後付工法」によれば、新設舗装工事の場合、路面に設置されたマンホールの開口を中心支持孔付きの仮蓋により閉塞する仮蓋設置工程と、前記仮蓋の上方を含んで路面を舗装する舗装工程と、舗装表面から前記仮蓋上の舗装層に前記中心支持孔に至る通孔を形成する通孔形成工程と、舗装表面から切断機でマンホール周囲の前記舗装層を円形に切断する切断工程と、少なくとも前記通孔を介して前記中心支持孔にリフト装置を連結することにより、前記切断された切断舗装部と仮蓋を撤去する撤去工程と、蓋受枠を舗装表面と合致するようにマンホールに設置する蓋受枠設置工程と、前記蓋受枠の周囲に舗装補修材を充填して周囲の舗装と一体化する充填工程が実施される。
【0004】
また、打換舗装工事の場合、道路に設置された既存のマンホールの蓋受枠と舗装を除去する既存物除去工程と、マンホールの開口を中心支持孔付きの仮蓋により閉塞する仮蓋設置工程と、前記仮蓋の上方を含んで路面を舗装する舗装工程と、舗装表面から前記仮蓋上の舗装層に前記中心支持孔に至る通孔を形成する通孔形成工程と、舗装表面から切断機でマンホール周囲の前記舗装層を円形に切断する切断工程と、少なくとも前記通孔を介して前記中心支持孔にリフト装置を連結することにより、前記切断された切断舗装部と仮蓋を撤去する撤去工程と、蓋受枠を舗装表面と合致するようにマンホールに設置する蓋受枠設置工程と、前記蓋受枠の周囲に舗装補修材を充填して周囲の舗装と一体化する充填工程が実施される。
【0005】
切削オーバーレイ舗装工事の場合、道路に設置された既存のマンホールの周囲の舗装を切断して蓋受枠を除去する既存物除去工程と、マンホールの開口を中心支持孔付きの仮蓋により閉塞する仮蓋設置工程と、前記仮蓋の上方を仮舗装して既存の舗装と同一レベルにする仮舗装工程と、切削機で既存の舗装の表層と前記仮舗装の表面を切削する切削工程と、前記切削面の上にオーバーレイを舗装するオーバーレイ工程と、舗装表面から前記仮蓋上の舗装層に前記中心支持孔に至る通孔を形成する通孔形成工程と、舗装表面から切断機でマンホール周囲の前記舗装層を円形に切断する切断工程と、少なくとも前記通孔を介して前記中心支持孔にリフト装置を連結することにより、前記切断された切断舗装部と仮蓋を撤去する撤去工程と、蓋受枠を舗装表面と合致するようにマンホールに設置する蓋受枠設置工程と、前記蓋受枠の周囲に舗装補修材を充填して周囲の舗装と一体化する充填工程が実施される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願人が提案した「後付工法」は、マンホールの開口を中心支持孔付きの仮蓋により閉塞し、仮蓋の上方を含んで舗装を施した後、舗装表面から切断機でマンホール周囲の舗装層を円形に切断し、切断された切断舗装部と共に仮蓋を撤去する工程が実施される。
【0008】
前記撤去工程は、種々のリフト装置を使用することにより実施可能であるが、少なくとも、仮蓋を引き上げることにより、該仮蓋と切断舗装部を一挙に引き上げ撤去することが好ましい。
【0009】
このため、上述のように、仮蓋に中心支持孔が設けられており、撤去に先立ち、舗装表面から仮蓋上の舗装層に前記中心支持孔に至る通孔を形成し、該通孔を介して前記中心支持孔にリフト装置を連結し、仮蓋を引き上げることにより円形切断された切断舗装部を撤去している。
【0010】
ところで、前記通孔形成工程は、一般的にコアドリルを使用し、舗装層の表面から該舗装層の下方に埋入された仮蓋の中心支持孔に向けて、該舗装層を穿孔することにより行われている。
【0011】
従って、作業者は、通孔を形成するために、時間と労力を伴う作業を強いられ、作業効率の点で改善すべき課題がある。
【0012】
しかも、通常、仮蓋は、鉄製であるため、舗装層の表面から進入させたコアドリルが仮蓋に接すると、ドリル刃を破損する問題がある。このため、舗装層の表面から目視できない仮蓋に向けてコアドリルによる穿孔を行うことは、熟練した技能が要求され、この点でも改善すべき課題がある。
【0013】
例えば、上述の切削オーバーレイ舗装工事について図面に基づき説明すると、
図8(A)に示すように、舗装工事前の道路は、路盤1に筒状のマンホール2を埋設しており、該マンホール2の上に支持手段3を介して蓋受枠4を設置し、該蓋受枠4に開閉蓋5を搭載している。路盤1には既存の舗装6が施されており、前記支持手段3及び蓋受枠4を舗装6に埋入している。尚、図示省略しているが、通常、舗装6は、基層及び表層のような複数層により形成されている。
【0014】
先ず、路面からマンホール2の周囲の舗装6を切断し、切断された舗装部分と蓋受枠4が除去され(既存物除去工程)、
図8(B)に示すように、マンホール6の上方に凹部7が形成される。
【0015】
次いで、
図8(C)に示すように、マンホール2の開口を仮蓋8により閉塞し(仮蓋設置工程)、該仮蓋8の上方を仮舗装する(仮舗装工程)。この際、仮舗装9は、既存の舗装6と同一レベルとなるように前記凹部7に充填される。その後、切削機で既存の舗装6の表層と前記仮舗装9の表面が所定厚さTに相当して切削され(切削工程)、前記切削面の上にオーバーレイ10が舗装される(オーバーレイ工程)。この状態で、道路は、一時的に交通開放が可能である。
【0016】
マンホールを復旧するため、前記仮蓋8には、中心支持孔8aが設けられている。そこで、
図8(D)に示すように、コアドリル11により、舗装表面から前記仮蓋3の上の舗装層(仮舗装9)に前記中心支持孔8aに至る通孔12が形成される(通孔形成工程)。
【0017】
その後、
図8(E)に示すように、舗装表面から切断機でマンホール周囲の前記舗装層を円形に切断し(切断工程)、切断された切断舗装部と仮蓋8が撤去される(撤去工程)。撤去のためには、種々の装置を使用することが可能であるが、少なくとも前記通孔12を介して前記中心支持孔8aにリフト装置(図例の場合、リフトアップバー13)を連結し、仮蓋8が引き上げられる。
【0018】
最後に、
図8(F)に示すように、マンホール2の上に高さ調整可能な支持手段14を介して蓋受枠4を舗装表面と合致するように設置し(蓋受枠設置工程)、該蓋受枠4の周囲に舗装補修材15を充填することにより周囲の舗装と一体化し(充填工程)、該蓋受枠4に開閉蓋5を搭載することにより工事を完了し、交通開放される。尚、支持手段14の具体的構成は、図例の他、種々のものが存在する。
【0019】
上述のように、仮蓋8の撤去を可能にする通孔12は、コアドリル11を使用することにより、舗装層の表面から該舗装層の下方に埋入された仮蓋8の中心支持孔8aに向けて、該舗装層を穿孔することにより形成している。この際、仮蓋8は、鉄製のため、コアドリル11が仮蓋8に接触すると、ドリル刃を破損する問題がある。このため、作業に熟練した技能が求められる。また、アスファルト等から成る分厚い舗装層を手持ち式の電動コアドリル11で穿孔する作業は、労力を伴い、労働条件の点において問題がある。
【0020】
本発明は、上記の仮蓋撤去に関して、コアドリルの使用が不要であり、手持ちの治具等により簡単容易に通孔を形成することができるようにした方法及び装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
そこで、本発明の方法が手段として構成したところは、上述のような新設舗装工事、打換舗装工事、切削オーバーレイ舗装工事において、前記仮蓋設置工程は、前記舗装工程又は仮舗装工程で形成される舗装又は仮舗装の表面近傍に至る高さを有する柱状体を前記仮蓋の中心支持孔の上に立設する通孔準備工程を含み、前記通孔形成工程は、前記舗装工程又は仮舗装工程により前記舗装層に埋入された状態の柱状体を舗装表面から崩壊又は引抜くことにより通孔を形成する点にある。
【0022】
切削オーバーレイ舗装工事に関する実施形態において、前記柱状体は、前記切削機で切削可能な素材により形成され、前記仮蓋に立設したとき、該柱状体の上端を前記仮舗装工程で形成される仮舗装の表面から深さDだけ離間させた状態で設置される。
【0023】
そして、本発明の装置が第1の手段として構成したところは、前記舗装工事における仮蓋の撤去方法に使用される装置であり、前記柱状体は、仮蓋の上に中心支持孔を囲んで立設される耐熱保形性及び耐圧保形性を有する筒体と、該筒体に充填される崩壊自在な充填材から成り、前記通孔形成工程において、舗装表面を崩壊することにより前記筒体の上端を露出させると共に、該筒体の上端開口から前記充填材を掻き取ることにより、該筒体の内部空間を介して前記通孔を形成するように構成されて成る点にある。
【0024】
この際、前記筒体は、紙管により構成され、前記充填材は、発泡樹脂により構成されていることが好ましい。
【0025】
また、本発明の装置が第2の手段として構成したところは、前記舗装工事における仮蓋の撤去方法に使用される装置であり、前記柱状体は、仮蓋の上に中心支持孔を囲んで立設される耐熱保形性及び耐圧保形性を有する筒体と、該筒体の上部開口を閉塞する除去自在なキャップ部材から成り、前記通孔形成工程において、舗装表面を崩壊することにより前記キャップを露出させると共に、該キャップを除去することにより、該筒体の内部空間を介して前記通孔を形成するように構成されて成る点にある。
【0026】
更に、本発明の装置が第3の手段として構成したところは、前記舗装工事における仮蓋の撤去方法に使用される装置であり、前記柱状体は、耐熱保形性及び耐圧保形性を有する円柱部材から成り、前記通孔形成工程において、舗装表面を崩壊することにより前記円柱部材の上端部を露出させると共に、該円柱部材を引抜くことにより前記通孔を形成するように構成されて成る点にある。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、予め仮蓋設置工程において仮蓋23の中心支持孔23aの上に柱状体24を立設する構成であるから、その後、舗装工程により形成される舗装25(新設舗装工事及び打換細工事の場合)又は仮舗装工程により形成される仮舗装35(切削オーバーレイ舗装工事の場合)には、該舗装25又は仮舗装35の表層近傍から中心支持孔23aに至り前記柱状体24が埋入された状態となる。
【0028】
従って、通孔形成工程において、従来のようにコアドリルを使用することは必要でなく、簡易な治具により、前記舗装25又は仮舗装35の舗装表面を崩壊することにより柱状体24の上端部を露出させ、該舗装表面から該柱状体24を崩壊又は引抜くことにより、簡単容易に通孔26を形成することができるという優れた効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0031】
<新設舗装工事>
図1は、本発明装置を使用することにより本発明方法を実施する新設舗装工事を工程順に示している。
【0032】
(舗装工事前)
図1(A)に示すように、舗装工事前の道路は、路盤21に筒状のマンホール22を埋設しており、該マンホール22の上部を開口している。
【0033】
(仮蓋設置工程)
図1(B)に示すように、前記マンホール22の開口は、鉄製その他の金属製の仮蓋23により閉塞される(仮蓋設置工程)。仮蓋23は、後に撤去するために使用する中心支持孔23aを設けている。
【0034】
(通孔準備工程)
前記仮蓋設置工程は、後に通孔を形成するために、後述する舗装工程で形成される舗装25(
図1(C)参照)の表面近傍に至る高さを有する柱状体24を前記仮蓋23の中心支持孔23aの上に立設する通孔準備工程を含んでいる。柱状体24の具体的構成については後述する。
【0035】
(舗装工程)
図1(C)に示すように、路盤21の上には、前記仮蓋23の上方を含んで路面が舗装される(舗装工程)。アスファルト等により成層された舗装25は、通常、基層及び表層のような複数層により形成され、前記仮蓋23と共に柱状体24を埋入する。この状態で、舗装道路は、一時的に交通開放が可能であり、柱状体24は、舗装表面から突出しないように埋入されていることが好ましい。
【0036】
(通孔形成工程)
図1(D)に示すように、前記仮蓋23を撤去するため、舗装表面から仮蓋23の中心支持孔23aに至る通孔26が形成される(通孔形成工程)。通孔26は、舗装25に埋入された状態の柱状体24を舗装表面から崩壊又は引抜くことにより、簡単容易に形成される。従って、コアドリルは、使用しない。
【0037】
(切断工程及び撤去工程)
舗装表面から切断機でマンホール周囲の前記舗装層25を円形に切断し(切断工程)、その後、
図1(E)に示すように、少なくとも前記通孔26を介して前記中心支持孔23aにリフト装置27を連結することにより、前記切断された切断舗装部Pと仮蓋23を撤去する(撤去工程)。撤去は、種々の装置を使用することが可能であるが、少なくとも前記通孔26を介して前記中心支持孔23aにリフト装置27(図例の場合、リフトアップバー)を連結し、仮蓋23を引き上げることにより行われる。
【0038】
(蓋受枠設置工程及び充填工程)
最後に、
図1(F)に示すように、マンホール2の2上に高さ調整可能な支持手段28を介して蓋受枠29を舗装表面と合致するように設置し(蓋受枠設置工程)、該蓋受枠29の周囲に舗装補修材30を充填して周囲の舗装と一体化し(充填工程)、該蓋受枠29に開閉蓋31を搭載することにより工事を完了し、交通開放される。尚、支持手段14の構成は、本発明の目的でないので、図面に詳細を省略しているが、種々の構成が採用可能であることを諒解されたい。
【0039】
<打換舗装工事>
図2は、本発明装置を使用することにより本発明方法を実施する打換舗装工事を工程順に示している。
【0040】
(舗装工事前)
図2(A)に示すように、舗装工事前の道路は、路盤21に筒状のマンホール22を埋設しており、該マンホール22の上に支持手段32を介して蓋受枠29を設置し、該蓋受枠29に開閉蓋31を搭載している。路盤21には既存の舗装33が施されており、前記支持手段32及び蓋受枠29を舗装33に埋入している。
【0041】
(既存物除去工程)
打換舗装のため、前記マンホール22を残して、路盤21が露出するように、既存の舗装33が除去され、支持手段32を含んで蓋受枠29が除去される(既存物除去工程)。
【0042】
(仮蓋設置工程)
図2(B)に示すように、前記マンホール22の開口は、鉄製その他の金属製の仮蓋23により閉塞される(仮蓋設置工程)。仮蓋23は、後に撤去するために使用する中心支持孔23aを設けている。
【0043】
(通孔準備工程)
前記仮蓋設置工程は、後に通孔を形成するために、後述する舗装工程で形成される舗装25(
図2(C)参照)の表面近傍に至る高さを有する柱状体24を前記仮蓋23の中心支持孔23aの上に立設する通孔準備工程を含んでいる。柱状体24の具体的構成については後述する。
【0044】
(舗装工程)
図2(C)に示すように、路盤21の上には、前記仮蓋23の上方を含んで路面が舗装される(舗装工程)。アスファルト等により成層された舗装25は、通常、基層及び表層のような複数層により形成され、前記仮蓋23と共に柱状体24を埋入する。この状態で、舗装道路は、一時的に交通開放が可能であり、その際、柱状体24は、舗装表面から突出しないように埋入されていることが好ましい。
【0045】
(通孔形成工程)
図2(D)に示すように、前記仮蓋23を撤去するため、舗装表面から仮蓋23の中心支持孔23aに至る通孔26が形成される(通孔形成工程)。通孔26は、舗装25に埋入された状態の柱状体24を舗装表面から崩壊又は引抜くことにより、簡単容易に形成される。従って、コアドリルは、使用しない。
【0046】
(切断工程及び撤去工程)
舗装表面から切断機でマンホール周囲の前記舗装層25を円形に切断し(切断工程)、その後、
図2(E)に示すように、少なくとも前記通孔26を介して前記中心支持孔23aにリフト装置27を連結することにより、前記切断された切断舗装部Pと仮蓋23を撤去する(撤去工程)。撤去は、種々の装置を使用することが可能であるが、少なくとも前記通孔26を介して前記中心支持孔23aにリフト装置27(図例の場合、リフトアップバー)を連結し、仮蓋23を引き上げることにより行われる。
【0047】
(蓋受枠設置工程及び充填工程)
最後に、
図2(F)に示すように、マンホール22の上に高さ調整可能な支持手段28を介して蓋受枠29を舗装表面と合致するように設置し(蓋受枠設置工程)、該蓋受枠29の周囲に舗装補修材30を充填して周囲の舗装と一体化し(充填工程)、該蓋受枠29に開閉蓋31を搭載することにより工事を完了し、交通開放される。蓋受枠29及び開閉蓋31は、
図2(A)に示す既存物を撤去後に再利用することが好ましいが、新たなものを使用しても良い。尚、支持手段14の構成は、本発明の目的でないので、図面に詳細を省略しているが、種々の構成が採用可能であることを諒解されたい。
【0048】
<切削オーバーレイ舗装工事>
図3は、本発明装置を使用することにより本発明方法を実施する切削オーバーレイ舗装工事を工程順に示している。
【0049】
(舗装工事前)
図3(A)に示すように、舗装工事前の道路は、路盤21に筒状のマンホール22を埋設しており、該マンホール22の上に支持手段32を介して蓋受枠29を設置し、該蓋受枠29に開閉蓋31を搭載している。路盤21には既存の舗装33が施されており、前記支持手段32及び蓋受枠29を舗装33に埋入している。
【0050】
(既存物除去工程)
路面からマンホール22の周囲の舗装33を切断し、切断された舗装部分と、支持手段32を含んで蓋受枠29が除去される(既存物除去工程)。従って、マンホール22の上方に、
図3(B)に示すような凹部34が形成される。
【0051】
(仮蓋設置工程)
図3(B)に示すように、前記マンホール22の開口は、鉄製その他の金属製の仮蓋23により閉塞される(仮蓋設置工程)。仮蓋23は、後に撤去するために使用する中心支持孔23aを設けている。
【0052】
(通孔準備工程)
前記仮蓋設置工程は、後に通孔を形成するために、後述する仮舗装工程で形成される仮舗装35(
図3(C)参照)の表面近傍に至る高さを有する柱状体24を前記仮蓋23の中心支持孔23aの上に立設する通孔準備工程を含んでいる。柱状体24の具体的構成については後述する。
【0053】
(仮舗装工程)
図3(C)に示すように、仮蓋23の上方が仮舗装される(仮舗装工程)。仮舗装35は、既存の舗装33と同一レベルとなるように前記凹部34に充填される。その際、柱状体24は、仮舗装35の表面から突出しないように埋入されていることが好ましい。
【0054】
(切削工程及びオーバーレイ工程)
その後、切削機で既存の舗装33の表層と前記仮舗装35の表面が所定厚さTに相当して切削され(切削工程)、前記切削面の上にオーバーレイ36が舗装される(オーバーレイ工程)。従って、道路は、一時的に交通開放が可能である。尚、前記切削の所定厚さTは、通常50mm程度とされ、その上に舗装されるオーバーレイ36の表面は、既設のGL(グラウンドレベル)よりも若干高くされる場合と、同一高さとされる場合と、若干低くされる場合との3つの態様がある。
【0055】
(通孔形成工程)
図3(D)に示すように、前記仮蓋23を撤去するため、舗装表面から仮蓋23の中心支持孔23aに至る通孔26が形成される(通孔形成工程)。通孔26は、仮舗装35及びオーバーレイ36に埋入された状態の柱状体24を舗装表面から崩壊又は引抜くことにより、簡単容易に形成される。従って、コアドリルは、使用しない。
【0056】
(切断工程及び撤去工程)
舗装表面から切断機でマンホール周囲の前記舗装層を円形に切断し(切断工程)、その後、
図3(E)に示すように、少なくとも前記通孔26を介して前記中心支持孔23aにリフト装置27を連結することにより、前記切断された切断舗装部Pと仮蓋23を撤去する(撤去工程)。撤去は、種々の装置を使用することが可能であるが、少なくとも前記通孔26を介して前記中心支持孔23aにリフト装置27(図例の場合、リフトアップバー)を連結し、仮蓋23を引き上げることにより行われる。
【0057】
(蓋受枠設置工程及び充填工程)
最後に、
図3(F)に示すように、マンホール22の上に高さ調整可能な支持手段28を介して蓋受枠29を舗装表面と合致するように設置し(蓋受枠設置工程)、該蓋受枠29の周囲に舗装補修材30を充填して周囲の舗装と一体化し(充填工程)、該蓋受枠29に開閉蓋31を搭載することにより工事を完了し、交通開放される。蓋受枠29及び開閉蓋31は、
図3(A)に示す既存物を撤去後に再利用することが好ましいが、新たなものを使用しても良い。尚、支持手段14の構成は、本発明の目的でないので、図面に詳細を省略しているが、種々の構成が採用可能であることを諒解されたい。
【0058】
<装置の実施形態>
以下、前記柱状体24の実施形態に関して、
図4に示す第1実施形態と、
図5に示す第2実施形態と、
図6に示す第3実施形態と、
図7に示す第4実施形態をそれぞれ説明する。
【0059】
図4ないし
図7は、柱状体24の各実施形態に関して、切削オーバーレイ工事を例示しているが、柱状体24は、同様に、新設舗装工事及び打換舗装工事にも利用可能であることを理解されたい。
【0060】
<第1実施形態>
図4に示す第1実施形態において、柱状体24は、耐熱保形性及び耐圧保形性と切削容易性を有する筒体37と、該筒体37に充填される崩壊自在な充填材38により構成されている。
【0061】
この際、前記の「耐熱保形性」とは、高温のアスファルト合材により仮舗装35及びオーバーレイ36(新設舗装工事及び打換舗装工事の場合は舗装25)が実施されるとき、例えば、塩ビ管等のように容易に熱変形するものではないという意味であり、熱に耐え保形性を持続する材質の特性を意味している。
【0062】
また、前記の「耐圧保形性」とは、仮舗装35及びオーバーレイ36(新設舗装工事及び打換舗装工事の場合は舗装25)の上から転圧が実施されるとき、容易に座屈変形するものではないという意味であり、圧力に耐え保形性を持続する材質の特性を意味している。
【0063】
また、前記の「切削容易性」とは、切削機により仮舗装35の表面が切削される際、もしも、筒体37の上端が切削機の切削刃に接触する場合でも、該切削機により筒体37が埋入状態から引抜かれることはないという意味であり、埋入状態を保持しつつ切削機により切削される材質の特性を意味している。
【0064】
更に、前記の「崩壊自在」とは、金属製の治具(例えば、バールの先端等)により、容易に崩壊し、掻き取ることができる材質の特性を意味している。
【0065】
前記の耐熱保形性及び耐圧保形性と切削容易性の条件に適合させるため、筒体37は、紙管37aにより形成されている。
【0066】
従って、
図4(A)に示すように、紙管37aを切断することにより、所定長さLの筒体37が形成される。この際、前記所定長さLは、
図4(B)に示すように、筒体37を仮蓋23の上に立設したとき、該筒体37の上端が舗装25の表面よりも所定深さDの部分に位置する長さとなるように設定されている。
【0067】
図4(B)に示すように、仮蓋設置工程において、紙管37aから成る筒体37を仮蓋23の中心支持孔23aを囲むようにして立設すると共に、該筒体37の内部に崩壊自在な充填材38を充填することにより、通孔準備工程が実施される。
【0068】
充填材38は、発泡樹脂38aにより構成することが好ましく、例えば、建築用断熱材として市販されているスプレー式の発泡ウレタンを使用することが可能であり、ポリジフェニルメタンジイソシアネート系プレンポリマーを主剤とするスプレー缶の場合、噴出の前後及び噴出中に霧吹き等で水を吹きかけながら細い棒で撹拌することにより、膨張しながら好適に発泡する。尚、本発明の充填材38がこのような発泡樹脂38aに限定されないことは勿論であり、要するに、後述のように、電動工具等を使用することなく、治具等により手動で崩壊することにより掻き出すことが可能な材質のものであれば良い。
【0069】
その後、
図4(C)に示すように、仮舗装35が行われ(仮舗装工程)、切削機で既存の舗装33の表層と仮舗装35の表面が所定厚さTに相当して切削される(切削工程)。
【0070】
仮舗装に際して、筒体37は、上述のように、耐熱保形系と耐圧保形性を備えているので、筒状の形状を好適に保持する。
【0071】
切削に際して、筒体37の上端の所定深さDは、図示のように、D>Tとなるように設定されていることが好ましく、これにより、切削機の切削刃が筒体37の上端に接触することはない。しかも、もしも、切削刃が筒体37の上端に接触した場合でも、筒体37は、上述のように、切削容易性を備えているので、切削刃により切削される。つまり、切削刃により筒体37が埋入状態から引抜かれることはなく、埋入状態を保持する。
【0072】
その後、オーバーレイ36が舗装された後、
図4(D)に示すように通孔形成工程が実施される。通孔26を形成する際、作業者は、手持ちの治具(例えばバール等)により、筒体37の上の薄いオーバーレイ36を含む舗装層を破壊しつつ剥離させ、該筒体37の上端を露出させた後、該筒体37の内部の充填材38を崩壊しつつ掻き出せば良い。
【0073】
これにより、充填材38が掻き出された筒体37の内部の空洞部により、舗装面から仮蓋23の中心支持孔23aに至る通孔26が形成される。
【0074】
<第2実施形態>
図5に示す第2実施形態において、柱状体24は、耐熱保形性及び耐圧保形性と切削容易性を有する筒体37と、該筒体37に充填される崩壊自在な充填材38により構成され、筒体37を紙管37aにより形成し、充填材38を発泡樹脂により形成しており、これらの点は、上記第1実施形態と同様である。
【0075】
第2実施形態の筒体37は、
図5(A)に示すように、軸方向に所定間隔をあけて周溝39を形成することにより折損自在に構成されている。周溝39は、間隔を密にして連続的に形成されている。
【0076】
従って、第2実施形態の場合、現場において長い紙管37aを簡単に折り切断することにより、容易に所定長さLの筒体37を形成できる利点がある。
【0077】
しかも、
図5(C)に示すように、既存の舗装33の表層と仮舗装35の表面が切削機により切削されるとき、もしも、切削刃が筒体37の上端に接触した場合でも、筒体37は、上述のような切削容易性により切削されるだけでなく、周溝37により折損容易なため、接触する刃に追従して折損片39pを分離させるので、切削刃により筒体37が埋入状態から引抜かれることはなく、埋入状態を確実に保持するという利点がある。
【0078】
<第3実施形態>
図6に示す第2実施形態において、柱状体24は、耐熱保形性及び耐圧保形性と切削容易性を有する所定長さLの筒体37と、該筒体37の上部開口を閉塞する崩壊自在なキャップ部材40により構成されている。
【0079】
筒体37は、紙管37aにより形成することが好ましい。また、キャップ部材40は、崩壊容易性の他、耐熱保形性及び耐圧保形性と切削容易性を有する紙材により形成することが好ましい。
【0080】
従って、第3実施形態の場合、
図6(D)に示す通孔形成工程において、通孔26を形成する際、作業者は、手持ちの治具(例えばバール等)により、柱状体24の上の薄いオーバーレイ36を含む舗装層を破壊しつつ剥離させ、筒体37の上端を露出させた後、前記キャップ部材40を崩壊すれば良い。図例の場合、キャップ部材40を破壊しているが、筒体37からキャップ部材40を取外しても良い。従って、前記の「除去自在」とは、破壊と取外しの両方の意味を含んでいる。
【0081】
これにより筒体37の内部の空洞部により、舗装面から仮蓋23の中心支持孔23aに至る通孔26が形成される。
【0082】
<第4実施形態>
図7に示す第4実施形態において、柱状体24は、耐熱保形性及び耐圧保形性と切削容易性を有する所定長さLの円柱部材41により構成されている。
【0083】
例えば、円柱部材41は、例えば、所定の弾性硬度を有するゴムにより成形することが可能であり、これによれば、耐熱保形性及び耐圧保形性と切削容易性を備えることができ、この場合、底部に嵌合突起41aを一体成形することが可能である。
【0084】
従って、
図7(B)に示すように、仮蓋設置工程において、前記嵌合突起41aを中心支持孔23aに嵌入することにより円柱部材41を仮蓋23に立設することにより、通孔準備工程が実施される。
【0085】
その後、
図7(C)に示すように、仮舗装35が行われ(仮舗装工程)、切削機で既存の舗装33の表層と仮舗装35の表面が所定厚さTに相当して切削される(切削工程)。
【0086】
仮舗装に際して、円柱部材41は、上述のように、耐熱保形系と耐圧保形性を備えているので、円柱状の形状を好適に保持する。
【0087】
切削に際して、もしも、切削機の切削刃が円柱部材41の上端に接触した場合でも、ゴム製等の円柱部材41は、切削刃により切削され、従って、切削刃により円柱部材41が埋入状態から引抜かれることはなく、埋入状態を保持する。
【0088】
その後、オーバーレイ36が舗装された後、
図7(D)に示すように通孔形成工程が実施される。通孔26を形成する際、作業者は、手持ちの治具(例えばバール等)により、円柱部材41の上の薄いオーバーレイ36を含む舗装層を破壊しつつ剥離させ、該円柱部材41の上端を露出させた後、該円柱部材41を舗装層から引抜けば良い。
【0089】
これにより、円柱部材41が引抜かれた空洞部により、舗装面から仮蓋23の中心支持孔23aに至る通孔26が形成される。