【実施例】
【0180】
[実施例1:酵素タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP1B)の阻害剤のスクリーニング]
PTP1Bはインスリンおよびレプチンのシグナル伝達の負の調節物質である。インスリンおよびレプチンに対する耐性はII型真性糖尿病および肥満の指標であり、従ってPTP1Bは糖尿病および肥満の治療のための魅力的な薬剤標的である(Johnson et al.,2002)。2種の油中水エマルジョンを以下の通り作成した。
【0181】
デカン中の1%(w/v)Span60および1%(w/v)コレステロールの溶液(
全てSigma Aldrichから)は、デカン7.84mlにSpan60を80mg、コレステロールを80mg溶解することにより製造する。デカンを45℃に加熱し、界面活性剤およびコレステロールの完全な可溶化を可能とする。界面活性剤/デカンの溶液を200μlのバッチに渡り分割し、37℃のブロックヒーター中に入れる。
【0182】
手操作押し出し装置(Mini extruder,Abanti Polar Lipids Inc,Alabaster,AL,USA)を製造元の取扱説明書に従って組み立てる。押し出しのためには、平均孔径14μmのシングルの19mmのTrack-Etchポリカーボネートフィルター(Whatman Nucleopore,Whatman,Maidstone,UK)をミニ押出機の内部に装着する。2本の気密性1mlハミルトンシリンジ(Gastight#1001、Hamilton Co,Reno,Nevada,USA)を押し出しに使用する。デカン1mlをに
ハミルトンシリンジ1本にロードしてシリンジをミニ押出機の一端に置き押出機の他方上の空のハミルトンシリンジ内にフィルターを経由してそれを押し出すことにより、デカン3×1mlで押出機を前洗浄した。
【0183】
第1のエマルジョンは、PTP1B活性に適合した緩衝液(25mM HEPES、pH7.4、125mM NaCl、10%グリセロール、1mM EDTA)(Doman et al.,2002)中のビス−ジフルオロメチレンホスホネートを有しており公知のPTP1B阻
害剤である100μM化合物2(
図1)50μl(Johnson et al.,2002)、5mU/ml
の標的酵素(ヒト組み換えPTP1B、残基1〜322;Biomol Research Laboratories,Inc.)、蛍光発生PTP1B基質6,8−ジフルオロ−4−メチルウンベリフェリルホ
スホネート(DiFMUP)(Molecular Probes)および100μMテキサスレッド(Sigma;励起/発光最大595/615nm;赤色蛍光)をハミルトンシリンジの1本に、予
備加熱したデカン/界面活性剤混合物を他のハミルトンシリンジにロードすることにより作成する。シリンジを押出機のフィルターホルダーの両側の開口部内に装着する。化合物混合物を強制的にフィルターホルダーを通してデカン/界面活性剤混合物の入った別のシリンジ内に入れ、直接強制的に元のシリンジに戻すことにより、押し出しの1往復を完了する。合計で7.5往復の押し出しを完了する。充填されたシリンジを押出機から取り外し、1.7ml Axygen試験管内にあける(#MCT-175-C、Axygen Scientific,Inc.,Union City,CA,USA)。
【0184】
第2の油中水エマルジョンは化合物2の代わりにPTP1B阻害剤ではない化合物である100μMヒドロケイヒ酸(Aldrich)を、テキサスレッドの代わりに100μMカルセ
イン(Sigma;励起/発光最大470/509nm;緑色蛍光)を含有する以外は上記エ
マルジョンと同一に作成する。
【0185】
1:1000〜1:1(化合物2エマルジョン:ヒドロケイヒ酸エマルジョン)の範囲の比で2種のエマルジョンを振とうすることにより混合し、30分間37℃でインキュベ
ートする。阻害剤は脱ホスホリル化生成物(DiFMU;励起/発光最大358/452nm;青色蛍光)に変換される非蛍光基質(DiFMUP)の量を低減する。
【0186】
次に油中水エマルジョンを以下の通り水中油中水ダブルエマルジョンに変換する。押出機(上記参照)を分解し、石鹸および逆浸透水で十分洗浄し、再度組み立てる。平均孔径8μmのシングルの19mmTrack-Etchポリカーボネートフィルターを装着する。押出機をリン酸緩衝食塩水(PBS)3×1mlで予備洗浄する。0.5%(w/v)Tween80(Sigma Aldrich)を含有するPBS 750μlを1mlの気密性ハミルトンシリ
ンジにロードし、押出機に装着する。油中水エマルジョン250μlを別の1mlハミルトンシリンジにロードし、押出機に装着する。エマルジョンを強制的にフィルターを通してPBS/0.5%Tween80の入った別のシリンジ内に入れ、即座に強制的に元のシリンジに戻すことにより、押し出しの1サイクルを完了する。合計で4.5サイクルの押し出しを完了する。充填されたシリンジを押出機から取り外し、1.7mlAxygen試験管内にあける。形成された水中油中水のダブルエマルジョンを氷上に置く。
【0187】
次にダブルエマルジョンをMoFlo(Cytomation)フローサイトメトリーを用いた多色フロ
ーサイトメトリーにより分析する。主に、緑色蛍光を示す(ヒドロケイヒ酸を含有する)マイクロカプセルがPTP1BによるDiFMUPの脱ホスホリル化により青色蛍光も示す。主に、赤色蛍光を示す(化合物2を含有する)マイクロカプセルがPTP1Bの阻害により青色蛍光は殆どまたは全く示さない。
【0188】
[実施例2]
2種の水性混合物を氷上(反応を防止するため)において作成する。第1の混合物はPTP1B活性に適合した緩衝液(25mM HEPES、pH7.4、125mM NaCl、10%グリセロール、1mM EDTA)(Doman et al.,2002)中のビス−ジフル
オロメチレンホスホネートを有しており知られたPTP1B阻害剤である100μM化合物2(
図1)(Johnson et al.,2002)、5mU/mlの標的酵素(ヒト組み換えPTP1
B、残基1〜322;Biomol Research Laboratories,Inc.)、蛍光発生PTP1B基質
6,8−ジフルオロ−4−メチルウンベリフェリルホスホネート(DiFMUP)(Molecular Probes)および100μMテキサスレッド(Sigma;励起/発光最大595/615
nm;赤色蛍光)を含有する。第2の混合物は化合物2の代わりにPTP1B阻害剤ではない化合物である100μMヒドロケイヒ酸(Aldrich)を、テキサスレッドの代わりに1
00μMカルセイン(Sigma;励起/発光最大470/509nm;緑色蛍光)を含有す
る以外は上記と同一に作成する。
【0189】
化合物混合物の各々の50μlを順次、実施例1に記載したとおり作成し37℃に保持したデカン中1%(w/v)Span60および1%(w/v)コレステロールの溶液に添加し、その間5mmの分散ツールでUltra-TurraxT8ホモゲナイザー(IKA)を用いながら25,000r.p.mでホモゲナイズする。ホモゲナイズは第2の小分量を添加した後3分間継続する。次に生成した粗野なエマルジョンを実施例1の通り押し出し、微小な油中水エマルジョンを作成し、30分間37℃でインキュベートする。阻害剤は脱ホスホリル化生成物(DiFMU;励起/発光最大358/452nm;青色蛍光)に変換される非蛍光基質(DiFMUP)の量を低減する。次に油中水エマルジョンを水中油中水ダブルエマルジョンに変換し、実施例1に記載の通り多色フローサイトメトリーで分析する。主に、緑色蛍光を示す(ヒドロケイヒ酸を含有する)マイクロカプセルがPTP1BによるDiFMUPの脱ホスホリル化により青色蛍光も示す。主に、赤色蛍光を示す(化合物2を含有する)マイクロカプセルがPTP1Bの阻害により青色蛍光は殆どまたは全く示さない。
【0190】
[実施例3:化合物ライブラリからのPTP1B阻害剤のスクリーニング]
実施例1に記載の通り100種の油中水エマルジョンを氷上(反応を防止するため)に
おいて作成する。第1のエマルジョンは、ビス−ジフルオロメチレンホスホネートを有しており知られたPTP1B阻害剤である100μM化合物2(
図1)(Johnson et al.,2002)、5mU/mlの標的酵素(ヒト組み換えPTP1B、残基1〜322;Biomol Research Laboratories,Inc.)、蛍光発生PTP1B基質6,8−ジフルオロ−4−メチルウンベリフェリルホスホネート(DiFMUP)(Molecular Probes)および発光最大585nm、655nmおよび705nmを有する予備設定された比のQdot(商標)ストレプトアビジンコンジュゲート(Quantum Dot Corporation,Hayward CA)の混合物をPTP1B活性に適合した緩衝液(25mM HEPES、pH7.4、125mM NaCl、10%グリセロール、1mM EDTA)(Doman et al.,2002)に分散することにより作
成する。99種の他の油中水エマルジョンは、化合物2の代わりにカルボン酸有機ビルディングブロックライブラリ(Aldrich)由来の99種のカルボン酸のうちの1つ、および、
発光最大585nm、655nmおよび705nmを有する異なる比のQdot(商標)ストレプトアビジンコンジュゲートを各々が含有する以外は上記と同一である。全てのエマルジョンにおいて、705nmQdot(商標)ストレプトアビジンコンジュゲートの濃度は100nMであり、585nmおよび655nmQdot(商標)ストレプトアビジンコンジュゲートの濃度は0、11、22、33、44、55、66、77、88または100nMの何れかとする。従って、100(10×10)通りのQdot(商標)ストレプトアビジンコンジュゲートの濃度があることになり、これにより、705nm、585nmおよび655nmにおける蛍光の蛍光比を測定することにより読み取られる独特の蛍光シグネチャーを各化合物を含有するマイクロカプセルが保有できるようになる。
【0191】
100種のエマルジョンを振とう攪拌により等しい比で混合し、温度を30分間25℃まで上昇させる。阻害剤は脱ホスホリル化生成物(DiFMU;励起/発光最大358/45
2nm;青色蛍光)に変換される非蛍光基質(DiFMUP)の量を低減する。次に油中水エマルジョンを水中油中水ダブルエマルジョンに変換し、実施例1に記載の通り多色フローサイトメトリーで分析する。化合物2を含有するマイクロカプセルのQdot蛍光シグネチャーのものを除き、主に、全てのマイクロカプセルはPTP1BによるDiFMUPの脱ホスホリル化により青色蛍光を示す。
【0192】
[実施例4:化合物ライブラリからのPTP1B阻害剤のスクリーニング]
100種の水性混合物を氷上(反応を防止するため)において作成する。第1の混合物は、PTP1B活性に適合した緩衝液(25mM HEPES、pH7.4、125mM
NaCl、10%グリセロール、1mM EDTA)(Doman et al.,2002)中のビス−
ジフルオロメチレンホスホネートを有しており知られたPTP1B阻害剤である100μM化合物2(
図1)(Johnson et al.,2002)、5mU/mlの標的酵素(ヒト組み換えP
TP1B、残基1〜322;Biomol Research Laboratories,Inc.)、蛍光発生PTP1
B基質6,8−ジフルオロ−4−メチルウンベリフェリルホスホネート(DiFMUP)(Molecular Probes)および発光最大585nm、655nmおよび705nmを有する予備設定された比のQdot(商標)ストレプトアビジンコンジュゲート(Quantum Dot Corporation,Hayward CA)を含有する。99種の他の水性混合物は、化合物2の代わりにカルボン酸有機ビルディングブロックライブラリ(Aldrich)由来の99種のカルボン酸のうち
の1つ、および、発光最大585nm、655nmおよび705nmを有する異なる比のQdot(商標)ストレプトアビジンコンジュゲートを各々が含有する以外は上記と同一である。全ての混合物において、705nmQdot(商標)ストレプトアビジンコンジュゲートの濃度は100nMであり、585nmおよび655nmQdot(商標)ストレプトアビジンコンジュゲートの濃度は0、11、22、33、44、55、66、77、88または100nMの何れかとする。従って、100(10×10)通りのQdot(商標)ストレプトアビジンコンジュゲートの濃度があることになり、これにより、705nm、585nmおよび655nmにおける蛍光の蛍光比を測定することにより読み取られる独特の蛍光シグネチャーを各化合物を含有するマイクロカプセルが保有できるよう
になる。
【0193】
化合物混合物の各々0.5μlを順次、実施例1に記載したとおり作成し37℃に保持したデカン中1%(w/v)Span60および1%(w/v)コレステロールの溶液に添加し、その間5mmの分散ツールでUltra-TurraxT8ホモゲナイザー(IKA)を用いながら25,000r.p.mでホモゲナイズする。ホモゲナイズは第2の小分量を添加した後3分間
継続する。次に生成した粗野なエマルジョンを実施例1の通り押し出し、微小な油中水エマルジョンを作成し、30分間37℃でインキュベートする。阻害剤は脱ホスホリル化生成物(DiFMU;励起/発光最大358/452nm;青色蛍光)に変換される非蛍光基質(DiFMUP)の量を低減する。次に油中水エマルジョンを水中油中水ダブルエマルジョンに変換し、実施例1に記載の通り多色フローサイトメトリーで分析する。化合物2を含有するマイクロカプセルのQdot蛍光シグネチャーのものを除き、主に、全てのマイクロカプセルはPTP1BによるDiFMUPの脱ホスホリル化により青色蛍光を示す。
【0194】
[実施例5:微小流体システムにおけるマイクロカプセルを使用したPTP1B阻害剤のスクリーニング]
微小チャンネルはポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)(McDonald and Whitesides,2002)中の急速なフォトタイピングを用いて長方形の断面を有するように加工し、Song and Ismagilov,2003に記載の通り疎水性を付与する。シリンジポンプを用いて流動を起こ
した(Harvard Apparatus PHD2000 Infusionポンプ)。水溶液については、取り外し可能な27ゲージ針のついた50μlのハミルトンガスタイトシリンジ(1700シリーズ、TLL)を30ゲージのテフロン(登録商標)チューブ(Weico Wire and Cable)と共に使用した。キャリア流体に対しては、1mlハミルトンガスタイトシリンジ(1700シリーズ、TLL)をハミルトンの1ハブを有する30ゲージのテフロン(登録商標)針と共に使用した(Song and Ismagilov,2003)。キャリア流体はパーフルオロデカリン(PFD
)中9%(v/v)のC
6F
11C
2H
4OHとする(Song et al.,2003)。全ての水溶性試薬
はPTP1B活性に適合した緩衝液(25mM HEPES、pH7.4、125mM NaCl、1mM EDTA)中に溶解した。
【0195】
50mU/mlの標的酵素(ヒト組み換えPTP1B、残基1〜322;Biomol Research Laboratories,Inc.)の溶液、および、a)ビス−ジフルオロメチレンホスホネート
を有しており知られたPTP1B阻害剤である100μM化合物2(
図1)(Johnson et al.,2002)またはb)PTP1B阻害剤ではない化合物である100μMヒドロケイヒ酸(Aldrich)を不活性の中心ストリーム(25mM HEPES、pH7.4、125mM NaCl、1mM EDTA)を有する2本の層流ストリームとしてのマイクロチャンネル中を流動させることにより、これらを分離し、酵素と化合物が液滴マイクロカプセル形成よりも前に接触することを防止する(Song et al.,2003)。これらの3ストリームを連続的に水不混和性のフッ化炭素キャリア流体(PFD中9%(v/v)C
6F
11C
2H
4OH
)中に注入する。水溶液用の導入チャンネルは50μm
2の広さとし、PFD用チャンネ
ルは28μm幅とする。0.6:0.3、1.0:0.6、12.3:3.7、10:6および20:6を含む種々のPFD/水の計量的流量(μ/分)を使用でき、得られる流量はそれぞれ10、19、190、190および300mm/秒となる。チャンネルの全幅を占有する水性マイクロカプセルはPFDストリーム中の液滴の破壊により形成する(Song et al.,2003)。化合物2またはヒドロケイヒ酸の何れかを含有するマイクロカプセルは、化合物2およびヒドロケイヒ酸を含有するシリンジを用いた注入を切り替えながら行うことにより形成できる。
【0196】
液滴形成地点のすぐ下流のチャンネルは1mmの距離に渡りピーク間の距離50μmで旋廻している。これにより混乱移流によるマイクロカプセルの内容物の急速な混合が起こ
る(Song et al.,2003)。この地点の後、マイクロカプセルは長さ60cmのマイクロチャンネルを経由して1分間まで流動する(これにより阻害剤の結合を可能とする)。次にこのマイクロチャンネルを上記した通り形成したPFD中9%(v/v)C
6F
11C
2H
4O
H中に水性マイクロカプセルを含有する60×50μm
2マイクロチャンネルと合流させ
る。これらのより大きいマイクロカプセルは25mM HEPES、pH7.4、125mM NaCl、1mM EDTA中の蛍光発生PTP1B基質6,8−ジフルオロ−4−メチルウンベリフェリルホスホネート(DiFMUP)(Molecular Probes)を含有する。マイクロチャンネルの間の注入の後、拡張した主チャンネルは100×50μm
2であ
り、マイクロカプセルはチャンネルをブロックせず、大型のマイクロカプセル(DiFMUPを含有)が小型のマイクロカプセル(PTP1Bおよび化合物を含有)と合体するまで異なる速度で移動する(Song et al.,2003)。大型および小型のマイクロカプセルの生成の頻度は、各大型マイクロカプセルが融合すべき小型マイクロカプセルを有するように、等しくする。融合したマイクロカプセルは長さ60cmのマイクロチャンネルを経由して2分間まで流動する。DiFMUP(励起/発光最大358/452nm;青色蛍光)の生成によるマイクロカプセルの蛍光はエピ蛍光顕微鏡を用いて測定する。主に、青色蛍光を示すマイクロカプセルがヒドロケイヒ酸を含有するものであり、化合物2を含有するマイクロカプセルはPTP1Bの阻害により低い蛍光を示す。
【0197】
[実施例6:マイクロビーズへの化合物ライブラリの結合]
表面上にカルボキシレート官能基を有する直径5.5μmのポリスチレンマイクロビーズはオレンジ色(585nm)および赤色(>650nm)の蛍光色素の厳密な比の取り込みの結果として光学的にタグ付けされた形態で市販されている(www.luminexcorp.com)(Fulton et al.,1997)。各々が独特の光学的シグネチャー(www.luminexcorp.com)を有するこのようなビーズ100個のセットを過剰なエチレンジアミンおよびEDC(塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(Pierce))でHermanson,1996に記載の通り修飾し、表面に第1アミノ基を形成した。次に上記した通りEDCを用いてアミド結合を形成することにより、光分解性のリンカー4−(4−ヒドロキシメチル−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ)ブタン酸(NovaBiochem)(Holmes and Jones,1995)をビーズに結合させる。次に、リンカーアルコールと反応させることによりカルボン酸有機ビルディングブロックライブラリ(Aldrich)由来の100種の異なるカルボン酸をビーズ
にカップリングさせてカルボキシレートエステルを形成し、100種の異なる光学的にタグ付けされたビーズの各々が異なるカルボン酸にカップリングし、そして各ビーズがカルボン酸〜10
6分子で誘導体化されるようにする。B100AP354nmUVランプ(
UVP)を用いて〜5cmの距離から氷上4分間照射することによりカルボン酸としてビーズから化合物を放出させる。
【0198】
[実施例7:マイクロビーズに結合した化合物を用いた酵素タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP1B)の阻害剤のスクリーニング]
PTP1Bはインスリンおよびレプチンのシグナル伝達の負の調節物質である。インスリンおよびレプチンに対する耐性はII型真性糖尿病および肥満の指標であり、従ってPTP1Bは糖尿病および肥満の治療のための魅力的な薬剤標的である(Johnson et al.,2002)。表面上にカルボキシレート官能基を有する直径5.5μmのポリスチレンマイクロビ
ーズはオレンジ色(585nm)および赤色(>650nm)の蛍光色素の厳密な比の取り込みの結果として光学的にタグ付けされた形態で市販されている(www.luminexcorp.com)(Fulton et al.,1997)。まず、マイクロビーズ上のカルボキシレート官能基を実施例6
の場合と同様にエチレンジアミンおよびEDCを用いて第1アミンに変換する。次にPTP1Bのホスホペプチド基質であるウンデカペプチドEGFR
988-998(DADEpYL
IPQQG)(Zhang et al.,1993)をEDCを用いて表面アミノ基を介してマイクロビー
ズの両方のセットにカップリングさせる。このペプチドはカルボキシレート−O−アリルエステルを用いた側鎖カルボキシレート基上の直角保護を用いてSieber Amide樹脂(9−
Fmoc−アミノ−キサンテン−3−イルオキシ−Merrifield樹脂)(Novabiochem)上の
固相合成により作成する。テトラデカンジ酸からなるリンカーをN末端にカップリングし、1%TFAを用いてビーズからペプチドを脱離させ、C末端アミドを有するペプチドを得る。ペプチドをリンカーを介してビーズにカップリングさせ(EDC使用)、ビーズ当たり〜10
5ペプチドを得る。次に実施例6に記載の通り光化学分解性リンカー4−(4
−ヒドロキシメチル−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ)ブタン酸を結合することにより残余の表面アミノ基を修飾する。次にペプチドの側鎖カルボキシレート上の保護基をPd(Ph
3)
4/CHCl
3/HOAc/N−メチルモルホリンを用いて脱離させる。第
1のセットのマイクロビーズを知られたPTP1B阻害剤である化合物である3−(4−ジフルオロホスホノメチルフェニル)プロパン酸(化合物1、
図1)で誘導体化する(Johnson et al.,2002)。第1のセットのビーズとは別の光学的タグを有する第2のセットの
ビーズはPTP1B阻害剤ではない化合物であるヒドロケイヒ酸(Aldrich)で誘導体化す
る。各々の場合において、実施例6に記載の通り、化合物はリンカーアルコールと反応させることによりカップリングしてカルボキシレートエステルを形成する。各マイクロビーズは〜10
6分子で誘導体化する(Fulton et al.,1997)。
【0199】
次にマイクロビーズを
図2に示す方法を用いてスクリーンする。2セットのマイクロビーズを1:100〜1:1(化合物1ビーズ:ヒドロケイヒ酸ビーズ)の範囲の比で混合し、合計10
8マイクロビーズをPTP1B活性に適合した緩衝液(25mM HEPE
S、pH7.4、125mM NaCl、10%グリセロール、1mM EDTA)(Doman et al.,2002)中、氷上(反応を防止するため)で、10nMの濃度の標的酵素(ヒト
組み換えPTP1B、残基1〜322;Biomol Research Laboratories,Inc.)と混合す
る。次にシングルのビーズおよび標的酵素(PTP1B)を、油中水エマルジョンを形成(やはり氷上)することによりマイクロカプセル内に共局在化させる。ビーズの濃度は大部分のマイクロカプセルが1個または0個のビーズを含有するようにする。化合物を光化学的(実施例6に記載)に放出させ、温度を25℃に上昇させる。阻害剤は生成物(脱ホスホリル化ペプチド)に変換される基質の量を低減する。エマルジョンを4℃に冷却し、Griffiths and Tawfik,2003に記載の通り破壊して100μMバナジン酸塩中にいれ、反
応を停止させる(Harder et al.,1994)。製造元の取扱説明書に従って緑色(530nm)蛍光色素フルオレセインイソチオシアネートで標識した抗基質(抗ホスホチロシン)抗体(マウスモノクローナルIgG
2bPY20,(Santa Cruz))で標識した後、FACScan(Becton-Dickinson)、FACScalibur(Becton-Dickinson)またはMoFlo(Cytomation)フローサイト
メトリーを用いて3色フローサイトメトリーによりビーズを分析し、阻害の程度およびビーズ上の化合物を同時に測定する。主に、PTP1B阻害剤でコーティングされたマイクロビーズ上のみペプチドの脱ホスホリル化が観察され、他のマイクロビーズでは観察されなかった。
【0200】
[実施例8:マイクロビーズに結合した化合物ライブラリからのPTP1B阻害剤のスクリーニング]
表面上にカルボキシレート官能基を有し、各々がオレンジ色(585nm)および赤色(>650nm)の蛍光色素の厳密な比の取り込み(Fulton et al.,1997)の結果として独特の光学的シグネチャーを有する(www.luminexcorp.com)直径5.5μmのポリスチレン
マイクロビーズ100個のセットをPTP1Bのホスホペプチド基質であるウンデカペプチドEGFR
988-998(DADEpYLIPQQG)(Zhang et al.,1993)および光化学的に切断できるリンカーを介して各々結合した100種の異なるカルボン酸を用いて、実施例7に記載の通り誘導体化する。これらのカルボン酸の1つは知られたPTP1B阻害剤である化合物である3−(4−ジフルオロホスホノメチルフェニル)プロパン酸(化合物1、
図1)である(Johnson et al.,2002)。他の99種のカルボン酸は実施例6と同様に
カルボン酸有機ビルディングブロックライブラリ(Aldrich)由来である。次に100ビー
ズセットの各々の等しい数量を混合し、実施例7に記載の通りスクリーニングする。主に
、PTP1B阻害剤の3−(4−ジフルオロホスホノメチルフェニル)プロパン酸(化合物1、
図1)でコーティングされたマイクロビーズ上のみペプチドの脱ホスホリル化が観察され、他の化合物でコーティングされたマイクロビーズでは観察されなかった。
【0201】
[実施例9:エマルジョンマイクロカプセル中の二次化合物の合成および微小流体システム中のPTP1Bの阻害剤に関するスクリーニング]
微小チャンネルはポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)(McDonald and Whitesides,2002)中の急速なフォトタイピングを用いて長方形の断面を有するように加工し、Song and Ismagilov,2003に記載の通り疎水性を付与する。シリンジポンプを用いて流動を起こ
した(Harvard Apparatus PHD 2000 Infusionポンプ)。水溶液については、取り外し可
能な27ゲージ針のついた50μlのハミルトンガスタイトシリンジ(1700シリーズ、TLL)を30ゲージのテフロン(登録商標)チューブ(Weico Wire and Cable)と共に使用した。キャリア流体に対しては、1mlハミルトンガスタイトシリンジ(1700シリーズ、TLL)をハミルトンの1ハブを有する30ゲージのテフロン(登録商標)針と共に使用した(Song and Ismagilov,2003)。キャリア流体はパーフルオロデカリン(PF
D)中9%(v/v)のC
6F
11C
2H
4OHとする(Song et al.,2003)。全ての水溶性試
薬はPTP1B活性に適合した緩衝液(25mM HEPES、pH7.4、125mM
NaCl、1mM EDTA)中に溶解した。
【0202】
50mU/mlの標的酵素(ヒト組み換えPTP1B、残基1〜322;Biomol Research Laboratories,Inc.)の溶液、第1アミンである化合物の溶液およびアルデヒドであ
る化合物の溶液を2つの不活性の分離ストリーム(25mM HEPES、pH7.4、125mM NaCl、1mM EDTA)を有する3本の層流ストリームとしてのマイクロチャンネル中を流動させることにより、酵素と化合物が液滴マイクロカプセル形成よりも前に接触することを防止する(Song et al.,2003)。これらの5ストリームを連続的に水不混和性のフッ化炭素キャリア流体(PFD中9%(v/v)C
6F
11C
2H
4OH)中
の流れに注入する。アミンおよびアルデヒドはa)ジフルオロメチレンホスホネート部分(
図6、化合物AおよびB)を含有するか、または、b)ジフルオロメチレンホスホネート部分を含有しないのいずれかであり得る。
【0203】
水溶液用の導入チャンネルは50μm
2の広さとし、PFD用チャンネルは28μm幅
とする。0.6:0.3、1.0:0.6、12.3:3.7、10:6および20:6を含む種々のPFD/水の計量的流量(μ/分)を使用でき、得られる流量はそれぞれ10、19、190、190および300mm/秒となる。チャンネルの全幅を占有する水性マイクロカプセルはPFDストリーム中の液滴の破壊により形成する(Song et al.,2003)。ジフルオロメチレンホスホネート部分を有するまたは有さない化合物を含有するマイクロカプセルは、ジフルオロメチレンホスホネート部分を有するまたは有さないアミンまたはアルデヒドを含有するシリンジを用いた注入を切り替えながら行うことにより形成できる。
【0204】
液滴形成地点のすぐ下流のチャンネルは1mmの距離に渡りピーク間の距離50μmで旋廻している。これにより混乱移流によるマイクロカプセルの内容物の急速な混合が起こる(Song et al.,2003)。この地点の後、マイクロカプセルは長さ60cmのマイクロチャンネルを経由して1分間まで流動する。これによりアミンとアルデヒドは、シッフ塩基の形成により共に反応し、二次化合物を生成し、阻害剤がPTP1Bに結合できるようにする。次にこのマイクロチャンネルを上記した通り形成したPFD中9%(v/v)C
6F
11C
2H
4OH中に水性マイクロカプセルを含有する60×50μm
2マイクロチャンネルと合流させる。これらのより大きいマイクロカプセルは25mM HEPES、pH7.4、125mM NaCl、1mM EDTA中の蛍光発生PTP1B基質6,8−ジフルオロ−4−メチルウンベリフェリルホスホネート(DiFMUP)(Molecular Probes)を
含有する。マイクロチャンネルの間の注入の後、拡張した主チャンネルは100×50μm
2であり、マイクロカプセルはチャンネルをブロックせず、大型のマイクロカプセル(
DiFMUPを含有)が小型のマイクロカプセル(PTP1Bおよび化合物を含有)と合体するまで異なる速度で移動できる(Song et al.,2003)。大型および小型のマイクロカプセルの生成の頻度は、各大型マイクロカプセルが融合すべき小型マイクロカプセルを有するように、等しくする。融合したマイクロカプセルは長さ60cmのマイクロチャンネルを経由して2分間まで流動する。DiFMU(励起/発光最大358/452nm;青色蛍光)の生成によるマイクロカプセルの蛍光はエピ蛍光顕微鏡を用いて測定する。
【0205】
主に、アミンおよびアルデヒドの濃度が低い(<100μM)場合は、PTP1B活性の阻害はジフルオロメチレンホスホネート部分を有するアミン(化合物A、
図6)およびジフルオロメチレンホスホネート部分を有するアルデヒド(化合物B、
図6)の両方を含有するマイクロカプセルにおいて観察されるのみである。これはこれらのマイクロカプセル内に形成されたシッフ塩基(化合物C、
図6)がビス−ジフルオロメチレンホスホネートを含有しており、単一のジフルオロメチレンホスホネート部分を有する分子よりもはるかに強力なPTP1B阻害剤であるためである(
図1参照)。
【0206】
主に、アミンおよびアルデヒドの濃度が高い(>100μM)場合は、PTP1B活性の阻害はジフルオロメチレンホスホネート部分を有するアミン(化合物A、
図6)またはジフルオロメチレンホスホネート部分を有するアルデヒド(化合物B、
図6)の何れか、または両方を含有するマイクロカプセルにおいて観察されるが、他のマイクロカプセルでは観察されない。これは、単一のジフルオロメチレンホスホネート部分またはビス−ジフルオロメチレンホスホネート(化合物C、
図6)の何れかを有するより高濃度の分子がPTP1Bを阻害できるためである(
図1参照)。
【0207】
[実施例10:エマルジョンマイクロカプセル中の二次化合物の合成およびマイクロビーズに結合した化合物を用いたPTP1Bの阻害剤に関するスクリーニング]
表面上にカルボキシレート官能基を有する直径5.5μmのポリスチレンマイクロビーズはオレンジ色(585nm)および赤色(>650nm)の蛍光色素の厳密な比の取り込みの結果として光学的にタグ付けされた形態で市販されている(www.luminexcorp.com)(Fulton et al.,1997)。まず、マイクロビーズ上のカルボキシレート官能基を実施例6の
場合と同様にエチレンジアミンおよびEDCを用いて第1アミンに変換する。次にPTP1Bのホスホペプチド基質であるウンデカペプチドEGFR
988-998(DADEpYLI
PQQG)(Zhang et al.,1993)をEDCを用いて表面アミノ基を介してマイクロビーズ
の両方のセットにカップリングさせ、ペプチドの側鎖カルボキシレート上の保護基を実施例7に記載するとおり除去する。第1のセットのマイクロビーズ(セット1)をスクシンイミジルp−ホルミルベンゾエートと反応させることにより表面アミノ基をアルデヒドに変換する。第1のセットのマイクロビーズとは別の光学的タグを有する第2のセットのマイクロビーズ(セット2)は未反応のままとする(即ち表面上第1アミンを有する)。
【0208】
次に第1のセットのマイクロビーズ(セット1)を表面アルデヒド基との反応を介してジフルオロメチレンホスホネート部分をおよび第1アミンを含有する化合物(化合物A、
図6)と反応させ、シッフ塩基を形成する。第1のセットのビーズとは別の光学的タグを有する第2のセットのマイクロビーズ(セット2)は表面アミン基とのアルデヒドの反応を介してジフルオロメチレンホスホネート部分およびアルデヒドを含有する化合物(化合物B、
図6)と反応させ、シッフ塩基を形成する。シッフ塩基の形成はアルカリpH(即ちpH9〜10)における反応により増強される。種々の密度で化合物をコーティングしたマイクロビーズを生成する。
【0209】
2セットのマイクロビーズをPTP1B活性に適合した緩衝液(25mM HEPES
、pH7.4、125mM NaCl、10%グリセロール、1mM EDTA)(Doman
et al.,2002)中、氷上(反応を防止するため)で10nMの濃度の標的酵素(ヒト組み
換えPTP1B、残基1〜322;Biomol Research Laboratories,Inc.)と混合する。
ビーズおよび標的酵素(PTP1B)は油中水エマルジョン(やはり氷上)を形成することによりマイクロカプセル内に即座にコンパートメント化される。
【0210】
マイクロビーズの数は一端において大部分のマイクロカプセルが1個または0個のビーズを含み、もう一端においてはマイクロカプセルの大部分がマイクロビーズ2個以上を含むように変動させる。温度を25℃に上昇させる。シッフ塩基は比較的不安定な可逆性の相互作用であり、中性pHにおいて容易に加水分解され、ビーズから化合物を放出させる。セット1およびセット2の両方に由来するマイクロビーズを含有するマイクロカプセルにおいては、マイクロビーズから放出された化合物は相互に反応することができ、シッフ塩基を形成し、溶液中に新しい分子を生成する。この新しい分子(
図6、化合物C)はビス−ジフルオロメチレンホスホネート部分を含有し、単一のジフルオロメチレンホスホネート部分を有する化合物よりもPTP1B阻害剤として有意に高い力価を有する(
図1参照)。阻害剤は生成物(脱ホスホリル化ペプチド)に変換される基質の量を低減する。エマルジョンを4℃に冷却し、Griffiths and Tawfik,2003に記載の通り破壊して100μ
Mバナジン酸塩中にいれ、反応を停止させる(Harder et al.,1994)。製造元の取扱説明書に従って緑色(530nm)蛍光色素フルオレセインイソチオシアネートで標識した抗基質(抗ホスホチロシン)抗体(マウスモノクローナルIgG
2bPY20,(Santa Cruz))で標識した後、FACScan(Becton-Dickinson)、FACScalibur(Becton-Dickinson)またはMoFlo(Cytomation)フローサイトメトリーを用いて3色フローサイトメトリーによりビーズを
分析し、阻害の程度およびビーズ上の化合物を同時に測定する。少ないマイクロビーズ数では、大部分のマイクロカプセルは僅か単一のマイクロビーズを含むか全く含まず、各マイクロカプセル中の溶液内に放出された阻害剤の濃度が有効な阻害のために十分高値である場合に、PTP1B阻害は高密度の阻害剤でコーティングされたビーズ上でのみ検出される。これとは対照的に、ビーズ数がより多ければ、マイクロビーズが低い密度で阻害剤によりコーティングされている場合であっても、僅かな基質が生成物に変換されていれば、多くのマイクロビーズが検出される。これは、セット1およびセット2の各々に由来するマイクロビーズを含有するマイクロカプセル内にビス−ジフルオロメチレンホスホネート部分を含む高力価のPTP1B阻害剤(
図6、化合物C)が形成されるためである。
【0211】
[実施例11:エマルジョンマイクロカプセル内のライブラリ2500二次化合物の合成およびマイクロビーズに結合した化合物を用いたPTP1B阻害のスクリーニング]
表面上にカルボキシレート官能基を有し、各々がオレンジ色(585nm)および赤色(>650nm)の蛍光色素の厳密な比の取り込み(Fulton et al.,1997)の結果として独特の光学的シグネチャーを有する(www.luminexcorp.com)直径5.5μmのポリスチレン
マイクロビーズ100個のセットを実施例6に記載の通り修飾してカルボキシレート官能基を第1アミンに変換し、次に、PTP1Bのホスホペプチド基質であるウンデカペプチドEGFR
988-998(DADEpYLIPQQG)(Zhang et al.,1993)で実施例10に記載の通り誘導体化する。最初の50セットのマイクロビーズを実施例10に記載の通り反応させて表面カルボキシル基のある割合をアルデヒドに変換する。第2の50セットのマイクロビーズは未反応のままとする(即ち表面上第1アミンを有する)。
【0212】
最初の50セットのマイクロビーズを各々、表面アルデヒド基との反応を介して第1アミンを含有する独特の化合物と反応させることによりビーズに化合物を連結させるシッフ塩基を形成する。これらの化合物の1つ(化合物A、
図6)はジフルオロメチレンホスホネート部分を含む。第2のセットのマイクロビーズは各々表面アミン基との反応を介してアルデヒドを含有する独特の化合物と反応させることによりビーズに化合物を連結するシッフ塩基を形成する。これらの化合物の1つ(化合物B、
図6)はジフルオロメチレンホ
スホネート部分を含む。シッフ塩基の形成はアルカリpH(即ちpH9〜10)における反応により増強される。
【0213】
2セットのマイクロビーズをPTP1B活性に適合した緩衝液(25mM HEPES、pH7.4、125mM NaCl、10%グリセロール、1mM EDTA)(Doman
et al.,2002)中、氷上(反応を防止するため)で10nMの濃度の標的酵素(ヒト組み
換えPTP1B、残基1〜322;Biomol Research Laboratories,Inc.)と混合する。
ビーズおよび標的酵素(PTP1B)は油中水エマルジョン(やはり氷上)を形成することによりマイクロカプセル内に即座にコンパートメント化される。
【0214】
マイクロビーズの数はマイクロカプセル当たりのマイクロカプセルの最頻数が2となるようにする。温度を25℃に上昇させる。シッフ塩基は比較的不安定な可逆性の相互作用であり、中性pHにおいて容易に加水分解され、ビーズから化合物を放出させる。第1の50セットの1つに由来するマイクロビーズおよび第2の50セットの1つに由来するマイクロビーズを含有するマイクロカプセルにおいては、マイクロビーズから放出された化合物は相互に反応することができ、シッフ塩基を形成し、溶液中に新しい分子を生成する。阻害剤は生成物(脱ホスホリル化ペプチド)に変換される基質の量を低減する。エマルジョンを4℃に冷却し、Griffiths and Tawfik,2003に記載の通り破壊して100μMバ
ナジン酸塩中にいれ、反応を停止させる(Harder et al.,1994)。製造元の取扱説明書に従って緑色(530nm)蛍光色素フルオレセインイソチオシアネートで標識した抗基質(抗ホスホチロシン)抗体(マウスモノクローナルIgG
2bPY20,(Santa Cruz))で標識した後、FACScan(Becton-Dickinson)、FACScalibur(Becton-Dickinson)またはMoFlo(Cytomation)フローサイトメトリーを用いて3色フローサイトメトリーによりビーズを分析
し、阻害の程度およびビーズ上の化合物を同時に測定する。それ自体PTP1B阻害剤であるか、または別の共コンパートメント化されたビーズから放出された別の一次化合物と反応して第2の阻害剤を形成する一次化合物でコーティングされたビーズは僅かな基質が生成物に変換されているため、識別される。僅かな基質が生成物に変換されている識別されたビーズは、ジフルオロメチレンホスホネート部分を含む化合物を担持するものを包含する。マイクロビーズが低い密度で化合物にコーティングされる場合、マイクロカプセル内にジフルオロメチレンホスホネート部分を含有する放出された化合物の濃度はPTP1Bを効率的に阻害するには不十分である(実施例7参照)。しかしながら、1つが第1のセットの50ビーズに由来し、もう1つが第2のセットの50ビーズに由来する2つのマイクロビーズを含み、各マイクロビーズがジフルオロメチレンホスホネート部分を有する部分を担持しているマイクロカプセルにおいては、放出された分子は生成物へのPTP1B基質の変換を阻害するマイクロカプセル内のビス−ジフルオロメチレンホスホネート部分を含む高力価のPTP1B阻害剤(化合物C、
図6)を形成できる。
【0215】
[実施例12:フッ化炭素中水エマルジョンにおける小型分子のコンパートメント化]
95%(v/v)パーフルオロオクチルブロミド、溶液中目的の分子を含有する5%(v/v)リン酸塩緩衝食塩水、および、界面活性剤としての2%(w/v)C
8F
17C
11
H
22OP(O)[N(CH
2CH
2)
2O]
2(F8H11DMP)を含有するフッ化炭素中水エマルジョンを14μフィルター(Osmonics)を通過させる押し出し(15回)によるか、または、5mmの分散ツールでUltra-TurraxT8ホモゲナイザー(IKA)を用いながら25,000r.p.mで5分間ホモゲナイズすることにより、本質的にSadtler et al.,1996に記載の通り形成した。100μm〜2mMの濃度で水相中に溶解した一連の小型蛍光分子を含有するエマルジョンを作成した。カルセイン、テキサスレッド、フルオレセイン、クマリン102、7−ヒドロキシクマリン−3−カルボン酸および7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン(クマリン1)を含むこれらの分子は、分子量203〜625DaおよびSRCのLogKow/KowWinプログラム(Meylan and Howard,1995)を用いて計算した場合に0.
49〜4.09の範囲のLogP値を有していた。異なる色の蛍光色素を含むエマルジョ
ンを振とう攪拌により混合した。混合されたエマルジョンのエピ蛍光顕微鏡観察によればコンパートメント化が観察された。混合後24時間にはコンパートメント間の交換は観察されなかった(
図5参照)。
【0216】
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【0217】
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