(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
とくに定義されていないかぎり、本明細書で用いられる科学技術用語はすべて、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解されているものと同一の意味を有する。矛盾を生じた場合、定義を含む本開示が優先するものとする。また、とくに文脈上必要とされないかぎり、単数形の用語は、複数形を包含するものとし、複数形の用語は、単数形を包含するものとする。本明細書に挙げられた出版物、特許、および他の参照文献はすべて、それらの全体があらゆる目的で参照により組み込まれる。
【0019】
本発明をさらに明確に述べるために、以下の用語および定義を本明細書に提供する。
【0020】
本明細書で用いられる場合、「comprises(〜を含む)」、「comprising(〜を含む)」、「includes(〜を含む)」、「including(〜を含む)」、「has(〜を有する)」、「having(〜を有する)」、「contains(〜を含有する)」、または「containing(〜を含有する)」という用語、または、それらの任意の他の変化形は、明記された完全体または完全体群を包含することを意味すると理解されるものとするが、任意の他の完全体または完全体群を除外するものではない。たとえば、要素のリストを含む組成物、混合物、プロセス、方法、物品、もしくは装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるわけではなく、明示的に列挙されていないまたはそのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品、もしくは装置に固有である他の要素をも包含しうる。さらに、相反する明示的な記載がないがきり、「or(あるいは、または、もしくは)」は、排他的論理和ではなく包含的論理和を意味する。たとえば、条件AまたはBは、次の条件、すなわち、Aが真であり(または存在し)かつBが偽である(または存在しない)という条件、Aが偽であり(または存在せず)かつBが真である(または存在する)という条件、ならびにAおよびBの両方が真である(または存在する)という条件のいずれか1つにより満たされる。
【0021】
本明細書で用いられる場合、本明細書および特許請求の範囲全体を通じて用いられる「consists of(〜で構成される)」という用語または変化形たとえば「consist of(〜で構成される)」もしくは「consisting of(〜で構成される)」は、任意の列挙された完全体または完全体群の組込みを意味するが、追加の完全体または完全体群は、明記された方法、構造、または組成物に追加できない。
【0022】
本明細書で用いられる場合、本明細書および特許請求の範囲全体を通じて用いられる「consists essentially of(〜で本質的に構成される)」という用語または変化形たとえば「consist essentially of(〜で本質的に構成される)」もしくは「consisting essentially of(〜で本質的に構成される)」は、任意の列挙された完全体または完全体群の組込みと、明記された方法、構造、または組成物の基本的または新規な性質を実質的に変化させない任意の列挙された完全体または完全体群の任意選択の組込みと、を意味する。
【0023】
また、本発明に係る要素または成分に先行する不定冠詞「a」および「an」は、事例の数、すなわち、要素または成分の存在数に関して限定しないことが意図される。したがって、「a」または「an」は、1つまたは少なくとも1つを包含すると解釈すべきであり、明らかに数が単数形であることを意味しないかぎり、要素または成分の単数形の語形は、複数形をも包含する。
【0024】
本明細書で用いられる「発明」または「本発明」という用語は、非限定用語であり、特定の発明のいずれかの単一実施形態を意味することが意図されるものではなく、本出願に記載されるすべての可能な実施形態を包含する。
【0025】
本明細書で用いられる場合、利用される本発明に係る成分または反応剤の量を修飾する「約」という用語は、たとえば、実世界で濃縮物または溶液の製造に使用される典型的な測定手順および液体取扱い手順により、これらの手順で偶然の誤差により、組成物の作製または方法の実施に利用される成分の製造、供給源、または純度の差により、および同様の理由により、起こりうる数値量の変動を意味する。「約」という用語はまた、特定の初期混合物から生じる組成物の異なる平衡状態に起因して異なる量を包含する。「約」という用語による修飾の有無を問わず、特許請求の範囲は、量の等価量を包含する。一実施形態では、「約」という用語は、報告された数値の10%以内、他の実施形態では、報告された数値の5%以内を意味する。
【0026】
本明細書で用いられる「アルコール」という用語は、一連のヒドロキシル化合物のいずれかを意味し、その最も単純なものは、飽和炭化水素に由来するものであり、一般式C
nH
2n+1OHを有する。アルコールの例としては、エタノールおよびブタノールが挙げられる。
【0027】
本明細書で用いられる「ブタノール」という用語は、個別に、n−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブチルアルコール、またはそれらの任意の混合物を意味する。たとえば、ブタノールは、生物源由来でありうる(すなわち、バイオブタノール)。
【0028】
本明細書で用いられる「燃料ブレンド」および「ブレンド燃料」という用語は、制御下で機械的仕事を生成するエネルギーを発生するために使用可能である、かつ1種以上のアルコールを含有する、任意の材料を意味する。燃料ブレンドの例としては、ガソリンブレンド、ディーゼル油ブレンド、およびジェット燃料ブレンドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な燃料ブレンドの特定の成分および許容量は、季節的(たとえば、冬グレードまたは夏グレード)および地域的なガイドラインおよび技術規格によって異なりうるし、少なくとも部分的には、アルコールとブレンドされない燃料またはエタノールブレンド燃料に対する許容量、ガイドライン、および/または規格に基づきうると理解される。
【0029】
本明細書で用いられる「ガソリンブレンド」および「ブレンドガソリン」という用語は、完成ガソリンを形成する、ガソリンサブグレードと1種以上のアルコールとを含有する混合物を意味する。「ガソリンサブグレード」という用語は、たとえば、分解ナフサ、リフォーメート、バージンナフサ、アイソメレート、および/またはアルキレートなどの液体炭化水素、さらには含酸素化合物および/またはアルコールとブレンドすることが意図された他のガソリンブレンド成分(たとえば、含酸素化合物ブレンディング用のブレンド基材)を包含しうる。好適なガソリンブレンドの特定の成分および許容量は、季節的(たとえば、冬グレードまたは夏グレード)および地域的なガイドラインおよび技術規格によって異なりうるし、少なくとも部分的には、アルコールとブレンドされないガソリンまたはエタノールブレンドガソリンに対する許容量、ガイドライン、および/または規格に基づきうると理解される。
【0030】
本明細書で用いられる「米国材料試験協会(American Society for Testing and Materials)」および「ASTM」という用語は、燃料を含めて、広範にわたる材料、製品、システム、およびサービスに関する自発的合意技術規格を開発および出版する国際規格機構を意味する。
【0031】
本明細書で用いられる「オクタン価」という用語は、火花点火内燃機関での自己点火に対する燃料の耐性の尺度または制御下での燃料の燃焼傾向の尺度を意味する。オクタン価は、リサーチ法オクタン価(RON)またはモーター法オクタン価(MON)でありうる。RONは、制御条件下で可変圧縮比の試験エンジンで燃料を試験して、その結果をiso−オクタンとn−ヘプタンとの混合物の結果と比較することにより、決定される測定値を意味する。MONは、RON試験で使用されるのと類似の試験を用いて、ただし、予備加熱された燃料混合物、より速いエンジン回転速度、および圧縮比に依存して調整される点火時期を用いて、決定される測定値を意味する。
【0032】
本明細書で用いられる「蒸気圧」という用語は、密閉系で凝縮相と熱力学的平衡状態にある蒸気の圧力を意味する。
【0033】
本明細書で用いられる「リード蒸気圧」および「Rvp」という用語は、試験方法ASTM D−323により決定される、100°F(37.8℃)の液体により生じる絶対蒸気圧を意味する。
【0034】
精製所ストリームに関して本明細書で用いられる「直留」という用語は、たとえば、分解、重合、アルキル化などのプロセスにより修飾されていないストリームのことである。
【0035】
「ナフサ」という用語は、炭化水素の多くの異なる引火性液体混合物、たとえば、石油からの蒸留生成物または特定の範囲内で沸騰するかつ特定の炭化水素を含有するコールタールを意味する。ナフサは、たとえば、「軽質ナフサ」または「重質ナフサ」でありうる。重質ナフサは、より高密度タイプのナフサを含有し、典型的にはナフテンおよび芳香族分がより豊富である。軽質ナフサは、より低密度タイプのナフサを含有し、より高いパラフィン含有率を有する。軽質ナフサは、ペンタン、ブタン、またはそれらの任意の混合物を含有しうる。ナフサはまた、たとえば、「アップグレードナフサ」でありうる。アップグレードナフサは、1つ以上のオクタン価アップグレーディングユニットにより処理されたナフサストリームである。
【0036】
「原油」という用語は、ディーゼル油、ガソリン、加熱用油、ジェット燃料、灯油、または他の石油化学製品に精製される天然に存在する炭化水素の混合物を意味する。原油は、その含分および起源に従って命名され、その単位体積重量(比重)に従って分類される。
【0037】
「蒸留塔」は、沸騰性液体混合物中の原油成分の揮発性の差に基づいて原油成分を分離する。「留出油」は、蒸留生成物を含有する。留出油は、「軽質留出油」、「中質留出油」、または「重質留出油」でありうる。軽質留出油は、蒸留塔の塔頂近傍で分留され、蒸留塔のより下側の留分よりも低い沸点を有する。軽質留出油の例は、軽質ナフサである。中質留出油は、蒸留塔の中間近傍で分留され、蒸留塔のより下側の留分よりも低い沸点を有する。中質留出油の例としては、灯油およびディーゼル油が挙げられる。重質留出油は、蒸留塔の塔底近傍で分留され、蒸留塔の上側の留分よりも高い沸点を有する。重質留出油の例としては、重質燃料油、潤滑油、ワックス、およびアスファルトが挙げられる。
【0038】
蒸留塔は、たとえば、「減圧蒸留塔」または「常圧蒸留塔」でありうる。常圧蒸留塔では、蒸留される混合物上の圧力をその蒸気圧未満(大気圧未満)に低下させることにより、最も揮発性の液体(最も低い沸点を有するもの)の蒸発を引き起こす。常圧蒸留は、液体の蒸気圧が周囲圧力を超えた時に沸騰が起こるという原理で動作する。減圧蒸留塔では、温度を上昇させてより高い沸点を有する化合物を沸騰させる代わりに、減圧を用いてそのような化合物が沸騰する圧力を低下させることが可能である。減圧蒸留は、混合物の加熱を行ってまたは行わずに使用される。いくつかの実施形態では、常圧蒸留から得られた重質留分をさらに蒸留するために、減圧蒸留を使用することが可能である。
【0039】
「リフォーマーユニット」は、ナフサおよび/または他の低オクタン価ガソリン留分をより高いオクタン価の基材に変換する。たとえば、直鎖状パラフィンを芳香族物質に変換する。より高いオクタン価の基材を含有する「リフォーメートストリーム」は、リフォーマーユニットの出力である。
【0040】
「ハイドロトリーターユニット」は、たとえば、ベンゼンからシクロヘキサンへの変換、芳香族物質からナフサへの変換、ならびに硫黄および窒素のレベルの低下をはじめとする多くの多様なプロセスを行うことが可能である。本明細書で用いられる場合、ハイドロトリーターユニットは、脱硫を含む。「水素化処理ストリーム」は、ハイドロトリーターユニットの出力である。
【0041】
「コーカーユニット」は、減圧蒸留塔または常圧蒸留塔からの残油を低分子量炭化水素に変換する。「コーカーストリーム」は、コーカーユニットの出力である。
【0042】
「異性化ユニット」は、直鎖状パラフィン(典型的には低オクタン価炭化水素)の分子を分岐状異性体(典型的には高オクタン価炭化水素)に変換および転位する。異性化ユニットは、ベンゼン飽和化ユニットとは別のユニットでありうるか、またはベンゼン飽和化ユニットと同一のユニットでありうる。「アイソメレート」は、異性化ユニットの出力である。
【0043】
「ベンゼン飽和化ユニット」は、ベンゼンをシクロヘキサンに変換する。ベンゼン飽和化ユニットは、異性化ユニットと一体化することが可能である。
【0044】
「デブタナイザー/デペンタナイザーユニット」は、炭化水素混合物からペンタンおよびより軽質の留分を除去するための分留塔である。「脱ブタン/脱ペンタンストリーム」は、脱ブタン/脱ペンタンユニットの出力である。
【0045】
「分解ユニット」は、前駆体中の炭素−炭素結合の切断により、複雑な重質炭化水素を軽質炭化水素などのより単純な分子に分解する装置である。分解は、たとえば、流動接触分解ユニット(FCCユニット)、ハイドロクラッカーユニット、または熱分解(水蒸気分解)ユニットにより、実施可能である。「分解ストリーム」は、分解ユニットの出力である。
【0046】
FCCユニットは、典型的には、高温、中圧、および流動粉末触媒を用いて、複雑な重質炭化水素を分解する装置である。「FCCストリーム」は、FCCユニットの出力である。
【0047】
ハイドロクラッカーユニットは、典型的には、炭化水素鎖の転位および切断ならびに芳香族物質およびオレフィンへの水素付加によりナフテンおよびアルカンの製造を可能にする、中温、高圧、および二元機能触媒を用いて、重質炭化水素を分解する装置である。水素化分解中に水素が消費される。水素化分解により、硫黄および窒素ヘテロ原子の入力ストリームの精製が行われる。「水素化分解ストリーム」は、ハイドロクラッカーユニットの出力である。
【0048】
「カットポイント」および「カットポイント温度」という用語は、(i)より軽質の留出生成物留分(すなわち、より低い沸騰温度範囲を有する生成物留分)の最終の沸騰温度および(ii)より重質の留出生成物留分(すなわち、より高い沸騰温度範囲を有する留分)の最初の沸騰温度の両方に対応する、原油または原油由来供給原料の分留時の温度または温度範囲を意味する。原油または原油由来供給原料の分留は、限定されるものではないが蒸留技術をはじめとする当業者に公知の任意の方法により、実施可能である。
【0049】
本発明は、燃料およびアルコールとの燃料ブレンドを製造するためのシステムおよびプロセスを提供する。
【0050】
エタノールやブタノールなどのアルコールは、ガソリン中に典型的に見いだされる他の成分と比較して、比較的高いオクタン価を有する。したがって、本発明に係るシステムおよびプロセスの実施形態は、改質プロセス、異性化プロセス、および/またはベンゼン飽和化プロセスなどの精製所でのオクタン価アップグレーディングプロセスの要件を低減するので、燃料とアルコールとをブレンドすることを含まないシステムおよびプロセスよりも優れた利点を有する。精製所でのオクタン価アップグレーディングプロセスのる要件の低減の例としては、たとえば、1つ以上のオクタン価アップグレーディングユニットのスループットの低減および/または1つ以上のオクタン価アップグレーディングユニットの過酷度の低減が挙げられる。そのような要件の低減により、精製所運転コストの削減、たとえば、エネルギー、プロセス触媒、および補助プロセス(たとえば、水および廃棄物の処理)のコストの削減ならびにユニット保守頻度の低減がもたらされ、結果として、稼働率の増大(たとえば、1年間あたりより多くの稼働日数を有する精製所)がもたらされる。
【0051】
ガソリンとして販売されるエタノール燃料ブレンドは、多くの場合、5%〜10%のエタノールを含有する。ガソリン中のブタノールの濃度は、エタノールの濃度よりも約60%高くすることが可能であり、このことは、等価なガソリンが、約8%〜約16%のブタノール、またはそれ以上(たとえば、約24%)を含有しうることを意味する。いくつかの実施形態では、アルコールと燃料とをブレンドすることにより燃料が希釈され、それにより、完成燃料で原油中に見いだされる望ましくない規制物質の量が低減されるので、本発明に係るシステムおよびプロセスは、アルコールと燃料とをブレンドすることを含まないシステムおよびプロセスよりも優れた利点を有する。いくつかの実施形態では、ブタノールのより高い許容ブレンディング濃度により、完成燃料で原油中に見いだされるガソリン中の望ましくない規制物質の量がさらに低減されるので、ブタノール燃料ブレンドは、エタノール燃料ブレンドと比較してさらなる利点を有する。そのような望ましくない物質としては、たとえば、硫黄およびベンゼンが挙げられる。燃料中のそのような望ましくない物質の量を低減することは、排出規制(たとえば、排気ガスおよび/または蒸発ガス)に有利である。それに加えて、硫黄の量を低減することは、硫黄を除去する精製所ユニットたとえばナフサ水素化処理ユニットの過酷度およびスループットを低減するというさらなる利点を有する。硫黄を除去する精製所ユニットでの硫黄量および過酷度およびスループットの低減は、水素消費量、プロセス触媒、および精製所によるエネルギー消費量の低減という利点を有する。たとえば、異性化ユニットおよびベンゼン飽和化ユニットの運転に関連する本発明に係る実施形態で、類似の利点を実現することが可能であることを理解すべきである。
【0052】
いくつかの実施形態では、本発明に係るシステムおよびプロセスは、燃料規格を満たしつつより多量の軽質ナフサ生成物を燃料(たとえばガソリン)中にブレンドしうるという利点を有する。たとえば、ガソリンの最大蒸気圧は、既知の規格により、典型的には比較的低い蒸気圧レベルに規制される。そのような規制は、精製所の柔軟性に制約を加える。比較的高い蒸気圧を有する燃料成分、たとえば、軽質ナフサ、ペンタン、ブタンなどは、最大規制蒸気圧限界を超えることなくそのような成分と燃料とをブレンドすることができないので、精製所プロセスに制約を加える。したがって、そのような燃料成分は、典型的には精製所プロセスの廃棄副生成物とみなされ、最良であれば、他の目的で精製所に低値で販売可能である。エタノールは、ブタノール(約5〜6psi)と比較して、比較的高いブレンディング蒸気圧(約19psi)を有する。ブタノールブレンディングでは、最大規制蒸気圧限界を超えることなく、より多くの軽質ナフサ生成物とガソリンとをブレンドすることが可能であるので、比較的低いブレンディング蒸気圧のブタノールは、燃料ブレンディングシステムおよびプロセスでエタノールよりも優れた利点を有する。したがって、本発明に係るブタノール燃料ブレンディングプロセスおよびシステムは、エタノール燃料ブレンディングと比較して、最大規制蒸気圧限界を超えることなく、比較的高い蒸気圧を有するより多量の燃料成分の利用を可能にするという追加の利点を有する。したがって、本発明に係るブタノール燃料ブレンディングプロセスおよびシステムは、そのような燃料成分を廃棄副生成物(精製所ではより価値が低いものとみなされる)と考えるのではなく、ガソリンブレンディング用として(精製所ではより価値が高いものとみなされる)、比較的高い蒸気圧を有するより多量の燃料成分の利用を可能にするという追加の利点を有する。
【0053】
いくつかの実施形態では、本発明に係るシステムおよびプロセスは、石油精製所からのディーゼル油などの留出生成物の収量を増大させる。いくつかの実施形態では、アルコール燃料ブレンド(たとえば、ブタノール燃料ブレンドまたはイソブタノール燃料ブレンド)を含む本発明に係るシステムおよびプロセスは、アルコール燃料ブレンドを含まないシステムおよびプロセスと比較して、留出油収量を少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.6%、少なくとも約0.7%、少なくとも約0.8%、少なくとも約0.9%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約11%、少なくとも約12%、少なくとも約13%、少なくとも約14%、少なくとも約15%、少なくとも約16%、少なくとも約17%、少なくとも約18%、少なくとも約19%、または少なくとも約20%増大させる。いくつかの実施形態では、アルコール燃料ブレンドを含む本発明に係るシステムおよびプロセスは、アルコール燃料ブレンドを含まないシステムおよびプロセスと比較して、本明細書に記載の値の任意の範囲内に、たとえば、約0.1%〜約20%、約0.1%〜約15%、約0.1%〜約10%、約0.1%〜約5%、約0.1%〜約1%、約1%〜約20%、約1%〜約15%、約1%〜約10%、約1%〜約5%、約5%〜約20%、約5%〜約10%、または約4%〜約7%の範囲内に、留出油収量を増大させる。いくつかの実施形態では、得られる燃料ブレンドは、夏グレードまたは夏グレード等価物である。いくつかの実施形態では、得られる燃料ブレンドは、冬グレードまたは冬グレード等価物である。いくつかの実施形態では、得られる燃料ブレンドは、従来のガソリン、リフォーミュレートガソリン(RFG)、Californiaリフォーミュレートガソリン(CARB)、またはそれらの等価物である。いくつかの実施形態では、石油精製所は、米国の湾岸地域、米国の中西部地域、米国のCalifornia地域、または欧州北西部に存在する。
【0054】
いくつかの実施形態では、本発明に係るシステムおよびプロセスは、アルコール燃料ブレンドを含まないシステムおよびプロセスと比較して、ディーゼル油収量を少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.6%、少なくとも約0.7%、少なくとも約0.8%、少なくとも約0.9%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約11%、少なくとも約12%、少なくとも約13%、少なくとも約14%、少なくとも約15%、少なくとも約16%、少なくとも約17%、少なくとも約18%、少なくとも約19%、または少なくとも約20%増大させる。いくつかの実施形態では、本発明に係るシステムおよびプロセスは、アルコール燃料ブレンドを含まないシステムおよびプロセスと比較して、ディーゼル油収量を本明細書に記載の値の任意の範囲内に、たとえば、約0.1%〜約20%、約0.1%〜約15%、約0.1%〜約10%、約0.1%〜約5%、約0.1%〜約1%、約1%〜約20%、約1%〜約15%、約1%〜約10%、約1%〜約5%、約5%〜約20%、約5%〜約10%、または約4%〜約7%の範囲内に、増大させる。いくつかの実施形態では、得られる燃料ブレンドは、夏グレードまたは夏グレード等価物である。いくつかの実施形態では、得られる燃料ブレンドは、冬グレードまたは冬グレード等価物である。いくつかの実施形態では、得られる燃料ブレンドは、従来のガソリン、RFG、CARB、またはそれらの等価物である。いくつかの実施形態では、石油精製所は、米国の湾岸地域、米国の中西部地域、米国のCalifornia地域、または欧州北西部に存在する。
【0055】
いくつかの実施形態では、留出油とブタノール(たとえばイソブタノール)とをブレンドすることを含む本発明に係るシステムおよびプロセスは、留出油とエタノールとをブレンドすることを含むシステムおよびプロセスの留出油収量と比較して、留出油収量を少なくとも0.1%、少なくとも0.2%、少なくとも0.3%、少なくとも0.4%、少なくとも0.5%、少なくとも0.6%、少なくとも0.7%、少なくとも0.8%、少なくとも0.9%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、または少なくとも20%増大させる。いくつかの実施形態では、留出油とブタノールとをブレンドすることを含む本発明に係るシステムおよびプロセスは、留出油とエタノールとをブレンドすることを含むシステムおよびプロセスと比較して、留出油収量を本明細書に記載の値の任意の範囲内に、たとえば、約0.1%〜約20%、約0.1%〜約15%、約0.1%〜約10%、約0.1%〜約5%、約0.1%〜約1%、約1%〜約20%、約1%〜約15%、約1%〜約10%、約1%〜約5%、約5%〜約20%、約5%〜約10%、または約4%〜約7%の範囲内に、増大させる。いくつかの実施形態では、得られる燃料ブレンドは、夏グレードまたは夏グレード等価物である。いくつかの実施形態では、得られる燃料ブレンドは、冬グレードまたは冬グレード等価物である。いくつかの実施形態では、得られる燃料ブレンドは、従来のガソリン、RFG、CARB、またはそれらの等価物である。いくつかの実施形態では、得られる燃料は、Euro−5ガソリンまたはその等価物である。いくつかの実施形態では、石油精製所は、米国の湾岸地域、米国の中西部地域、米国のCalifornia地域、または欧州北西部に存在する。
【0056】
いくつかの実施形態では、ブタノールディーゼル油ブレンド(たとえばイソブタノール)を含む本発明に係るシステムおよびプロセスは、エタノールディーゼル油ブレンドを含むシステムおよびプロセスのディーゼル油収量と比較して、ディーゼル油収量を少なくとも0.1%、少なくとも0.2%、少なくとも0.3%、少なくとも0.4%、少なくとも0.5%、少なくとも0.6%、少なくとも0.7%、少なくとも0.8%、少なくとも0.9%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、または少なくとも20%増大させる。いくつかの実施形態では、ブタノールディーゼル油ブレンド(たとえばイソブタノール)を含む本発明に係るシステムおよびプロセスは、エタノールディーゼル油ブレンドを含むシステムおよびプロセスと比較して、留出油収量を本明細書に記載の値の任意の範囲内に、たとえば、約0.1%〜約20%、約0.1%〜約15%、約0.1%〜約10%、約0.1%〜約5%、約0.1%〜約1%、約1%〜約20%、約1%〜約15%、約1%〜約10%、約1%〜約5%、約5%〜約20%、約5%〜約10%、または約4%〜約7%の範囲内に、増大させる。いくつかの実施形態では、得られる燃料ブレンドは、夏グレードまたは夏グレード等価物である。いくつかの実施形態では、得られる燃料ブレンドは、冬グレードまたは冬グレード等価物である。いくつかの実施形態では、石油精製所は、米国の湾岸地域、米国の中西部地域、米国のCalifornia地域、または欧州北西部に存在する。
【0057】
エタノールの比較的高いブレンディング蒸気圧をさらに補償するために、精製所では、典型的には、FCCナフサ(ガソリンに使用される)とサイクル油(ディーゼル油に使用される)との蒸留カットポイントを上昇させる。カットポイントの上昇により、より多くの低蒸気圧材料がFCC重質ナフサに投入されるようになり、それにより、エタノールの高い蒸気圧が相殺されてガソリンが規格限界未満に維持される。FCCナフサ/サイクル油カットポイントの上昇には、いくつかの欠点がある。すなわち、(i)ディーゼル油のほうがガソリンよりも価値があるので、ディーゼル油生成物量が低減されると精製所の生成物の全体的価値が低下し、(ii)FCC重質ナフサに添加される低蒸気圧材料は、オクタン価が低く、それにより、以上で考察したオクタン価処理の利点のいくつかが相殺されるので、オクタン価処理が増大し、そして(iii)より多量の比較的高硫黄の材料が処理されてFCC重質ナフサに導入されるので、FCCナフサハイドロトリーターのスループットおよび過酷度が増大される。本明細書に提示されたいくつかの実施形態によれば、ガソリンまたはガソリンサブグレードは、ブタノールとのブレンディング用として製造され、ブタノールの比較的低い蒸気圧により、FCC重質ナフサから低蒸気圧材料を調達する必要性が軽減される。したがって、いくつかの実施形態では、FCCユニットは、他の場合、たとえば、ガソリンまたはガソリンサブグレードがエタノールとのブレンディング用として製造される場合に許容されうるよりも低いFCCカットポイントで運転される。より低いFCCカットポイントであることは、より多くの炭化水素材料がFCC軽質サイクル油(ディーゼル油)に、かつより少ない炭化水素材料がFCC重質ナフサ(ガソリン)に、投入されるという利点を有する。したがって、ブタノールと燃料とをブレンドすることを含む本発明に係るシステムおよびプロセスの実施形態は、ディーゼル燃料量を増加し、オクタン価処理を低減し、かつナフサ水素化処理の要件を低減するので、非アルコール燃料およびエタノール燃料のブレンディングシステムおよびプロセスよりも優れた精製上の利点を有する。
【0058】
一実施形態では、石油精製所の留出生成物収量を増大させるプロセスは、(a)石油精製所を運転して原油から軽質留出生成物および中質留出生成物を製造することと、ただし、石油精製所は、流動接触クラッカー(FCC)ユニットを備える、(b)FCCユニットに供給原料を供給することと、ただし、供給原料は、原油に由来し、FCCユニットは、供給原料を分留して第1のFCC生成物と第2のFCC生成物とを含む生成物を製造するように第1のカットポイント温度で運転され、軽質留出生成物は、第1のFCC生成物を含み、かつ中質留出生成物は、第2のFCC生成物を含む、(c)軽質留出生成物と一定量のブタノールとをブレンドしてブタノールブレンドガソリンを製造することと、を含む。自動車グレードのブレンドガソリンを製造すべく一定量のエタノールとのブレンディング用として異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転される場合、FCCユニットは、第2のカットポイント温度で運転される。第1のカットポイント温度は、第2のカットポイント温度よりも低い。FCCが第1のカットポイント温度で運転された時の中質留出生成物の量は、FCCユニットが第2のカットポイント温度で運転された時の中質留出生成物の量よりも多い。いくつかの実施形態では、中質留出生成物は、ディーゼル燃料を含む。いくつかの実施形態では、軽質留出生成物は、ガソリンを含む。いくつかの実施形態では、第1のカットポイント温度は、少なくとも約300°F、少なくとも約305°F、少なくとも約310°F、少なくとも約315°F、少なくとも約320°F、少なくとも約325°F、少なくとも約330°F、少なくとも約335°F、少なくとも約340°F、少なくとも約341°F、少なくとも約342°F、少なくとも約343°F、少なくとも約344°F、少なくとも約345°F、少なくとも約346°F、少なくとも約347°F、少なくとも約348°F、少なくとも約349°F、少なくとも約350°F、少なくとも約351°F、少なくとも約352°F、少なくとも約353°F、少なくとも約354°F、少なくとも約355°F、少なくとも約356°F、少なくとも約357°F、少なくとも約358°F、少なくとも約359°F、少なくとも約360°F、少なくとも約361°F、少なくとも約362°F、少なくとも約363°F、少なくとも約364°F、少なくとも約365°F、少なくとも約366°F、少なくとも約367°F、少なくとも約368°F、少なくとも約369°F、少なくとも約370°F、少なくとも約371°F、少なくとも約372°F、少なくとも約373°F、少なくとも約374°F、少なくとも約375°F、少なくとも約376°F、少なくとも約377°F、少なくとも約378°F、少なくとも約379°F、少なくとも約380°F、少なくとも約385°F、少なくとも約390°F、少なくとも約395°F、少なくとも約400°F、少なくとも約405°F、少なくとも約410°F、少なくとも約415°F、または少なくとも約420°Fである。いくつかの実施形態では、第1のカットポイント温度は、本明細書に記載の任意の値の範囲、たとえば、約300°F〜約420°F、約320°F〜約420°F、約330°F〜約420°F、約340°F〜約420°F、約350°F〜約420°F、約300°F〜約400°F、約310°F〜約400°F、約320°F〜約400°F、約330°F〜約400°F、約340°F〜約400°F、約350°F〜約400°F、約300°F〜約390°F、約310°F〜約390°F、約320°F〜約390°F、約330°F〜約390°F、約340°F〜約390°F、約350°F〜約390°F、約300°F〜約380°F、約310°F〜約380°F、約320°F〜約380°F、約330°F〜約380°F、約340°F〜約380°F、約350°F〜約380°F、または約351°F〜約373°Fである。本発明に係るそのようなシステムおよびプロセスのいくつかの実施形態では、留出生成物は、ブタノール(たとえばイソブタノール)とブレンドされる。いくつかの実施形態では、得られる燃料ブレンドは、夏グレードまたは夏グレード等価物である。いくつかの実施形態では、得られる燃料ブレンドは、冬グレードまたは冬グレード等価物である。いくつかの実施形態では、石油精製所は、米国の湾岸地域、米国の中西部地域、米国のCalifornia地域、または欧州北西部に存在する。いくつかの実施形態では、第2のカットポイント温度と第1のカットポイント温度との差は、少なくとも約5の°F、少なくとも約10°F、少なくとも約15°F、少なくとも約20°F、少なくとも約21°F、少なくとも約22の°F、少なくとも約23°F、少なくとも約24°F、少なくとも約25°F、少なくとも約26°F、少なくとも約27°F、少なくとも約28°F、少なくとも約29°F、少なくとも約30°F、少なくとも約31°F、少なくとも約32°F、少なくとも約33の°F、少なくとも約34°F、少なくとも約35°F、少なくとも約36°F、少なくとも約37°F、少なくとも約38°F、少なくとも約39°F、少なくとも約40°F、少なくとも約41°F、少なくとも約42°F、少なくとも約43°F、少なくとも約44°F、少なくとも約45°F、少なくとも約46の°F、少なくとも約47°F、少なくとも約48°F、少なくとも約49°F、少なくとも約50°F、少なくとも約51°F、少なくとも約52°F、少なくとも約53°F、少なくとも約54°F、少なくとも約55°F、少なくとも約56°F、少なくとも約57の°F、少なくとも約58°F、少なくとも約59°F、少なくとも約60°F、少なくとも約61°F、少なくとも約62°F、少なくとも約63°F、少なくとも約64°F、少なくとも約65°F、少なくとも約66°F、少なくとも約67°F、少なくとも約68の°F、少なくとも約69°F、少なくとも約70°F、少なくとも約71°F、少なくとも約72°F、少なくとも約73°F、少なくとも約74°F、少なくとも約75°F、少なくとも約76°F、少なくとも約77°F、少なくとも約78°F、少なくとも約79°F、少なくとも約80°F、少なくとも約81°F、少なくとも約82°F、少なくとも約83°F、少なくとも約84°F、少なくとも約85°F、少なくとも約86°F、少なくとも約87°F、少なくとも約88°F、少なくとも約89°F、少なくとも約90°F、少なくとも約95°F、または少なくとも約100°Fである。いくつかの実施形態では、第2のカットポイント温度と第1のカットポイント温度との差は、本明細書に記載の任意の値の範囲、たとえば、約5°F〜約100°F、約10°F〜約100°F、約15°F〜約100°F、約20°F〜約100°F、約25°F〜約100°F、約30°F〜約100°F、約5°F〜約90°F、約10°F〜約90°F、約15°F〜約90°F、約20°F〜約90°F、約30°F〜約90°F、約5°F〜約80°F、約10°F〜約80°F、約15°F〜約80°F、約20°F〜約80°F、約30°F〜約80°F、または約31°F〜約78°Fである。本発明に係るそのようなシステムおよびプロセスのいくつかの実施形態では、留出生成物は、ブタノール(たとえばイソブタノール)とブレンドされる。いくつかの実施形態では、得られる燃料ブレンドは、夏グレードまたは夏グレード等価物である。いくつかの実施形態では、得られる燃料ブレンドは、冬グレードまたは冬グレード等価物である。いくつかの実施形態では、石油精製所は、米国の湾岸地域、米国の中西部地域、米国のCalifornia地域、または欧州北西部に存在する。
【0059】
いくつかの実施形態では、本発明は、流動接触クラッカー(FCC)ユニットを備えた石油精製所を運転して軽質留出生成物とブタノールとを含むブレンドを製造する方法に関する。この方法は、(a)石油精製所を運転して原油から軽質留出生成物および中質留出生成物を製造することと、(b)FCCユニットに供給原料を供給することと、ただし、供給原料は、原油に由来し、FCCユニットは、第1のFCC生成物と第2のFCC生成物とを含む生成物を製造するように約350°F〜約420°Fの第1のカットポイント温度で運転され、軽質留出生成物は、第1のFCC生成物を含み、かつ中質留出生成物は、第2のFCC生成物を含む、(c)軽質留出生成物と一定量のブタノールとをブレンドしてブタノールブレンドガソリンを製造することと、を含む。いくつかの実施形態では、第1のカットポイント温度は、本明細書に開示される第1のカットポイント温度、たとえば、約350°F〜約400°F、約350°F〜約390°F、約350°F〜約380°F、または約351°F〜約373°Fである。
【0060】
いくつかの実施形態では、本発明は、含酸素ガソリンブレンドを製造する石油精製所の効率および収益性を増大させる方法に関する。この方法は、ブタノールとガソリンブレンド基材とをブレンドしてブタノール−ガソリンブレンドを形成することを含み、ガソリンブレンド基材は、本明細書に開示される流動接触クラッカー(FCC)カットポイント、たとえば、約350°F〜約420°F、約350°F〜約400°F、約350°F〜約390°F、約350°F〜約380°F、または約351°F〜約373°Fを用いて製造される。
【0061】
いくつかの実施形態では、石油精製所はさらに、FCCハイドロトリーターユニットを備える。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、FCCハイドロトリーターユニットで第1のFCC生成物を処理して第1のFCC生成物の硫黄含有率を低減することを含む。いくつかの実施形態では、FCCハイドロトリーターのスループットは、一定量のエタノールとのブレンディング用として異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転される場合のFCCハイドロトリーターのスループットよりも少ない。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、第2のFCC生成物を処理して第2のFCC生成物の硫黄含有率を低減することを含む。いくつかの実施形態では、石油精製所はさらに、1つ以上のオクタン価アップグレーディングユニットを備える。ただし、オクタン価アップグレーディングユニットのスループットは、一定量のエタノールとのブレンディング用として異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転される場合のオクタン価アップグレーディングユニットのスループットよりも少ない。
【0062】
いくつかの実施形態では、本発明は、ガソリンを製造するためのシステムおよびプロセスを提供する。一実施形態では、このプロセスは、(a)石油精製所を運転して原油から軽質留出生成物を製造することと、(b)軽質留出生成物と一定量のブタノールとをブレンドしてブタノールブレンドガソリンを製造することと、を含む。いくつかの実施形態では、軽質留出生成物は、ペンタン、ブタン、またはそれらの混合物を含む一定量の軽質ナフサ生成物を含む。いくつかの実施形態では、軽質ナフサ生成物の量は、アルコール燃料を含まない、または自動車グレードのブレンドガソリンを製造するために一定量のエタノールとブレンドするための、自動車グレードのガソリンである異なる軽質留出生成物に含まれる軽質ナフサ生成物の量よりも多い。いくつかの実施形態では、軽質留出生成物は、ガソリンを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、本発明に係るシステムおよびプロセスは、軽質ナフサおよび/またはブタンの利用を増大させる。いくつかの実施形態では、ブタノール(たとえばイソブタノール)燃料ブレンドを含む本発明に係るシステムおよびプロセスは、エタノール燃料ブレンドを含むシステムおよびプロセスまたはアルコール燃料ブレンドを含まないシステムおよびプロセスと比較して、軽質ナフサおよび/またはブタンの利用を増大させる。いくつかの実施形態では、ブタノール(たとえばイソブタノール)ガソリンブレンドを含む本発明に係るシステムおよびプロセスは、エタノールガソリンブレンドを含むシステムおよびプロセスまたはアルコール燃料ブレンドを含まないシステムおよびプロセスと比較して、軽質ナフサおよび/またはブタンの利用を増大させる。いくつかの実施形態では、本システムおよびプロセスで得られる燃料ブレンドは、夏グレードまたは夏グレード等価物である。いくつかの実施形態では、得られる燃料ブレンドは、冬グレードまたは冬グレード等価物である。いくつかの実施形態では、得られる燃料ブレンドは、従来のガソリン、RFG、CARB、またはそれらの等価物である。いくつかの実施形態では、得られる燃料は、Euro−5ガソリンまたはその等価物である。いくつかの実施形態では、石油精製所は、米国の湾岸地域、米国の中西部地域、米国のCalifornia地域、または欧州北西部に存在する。ブタノール燃料ブレンドを含むシステムおよびプロセスは、精製所により製造される燃料でより多量の軽質ナフサおよび/またはブタンの使用を可能にすることにより、完全に精製所副生成物として販売してより低価格を実現するのではなく、より高価格を実現するので、ブタノール燃料ブレンドを含む本発明に係るシステムおよびプロセスは、たとえば、アルコール燃料ブレンドを含まないシステムおよびプロセスまたはエタノール燃料ブレンドを含むシステムおよびプロセスよりも経済的である。
【0064】
いくつかの実施形態では、軽質ナフサの利用は、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約11%、少なくとも約12%、少なくとも約13%、少なくとも約14%、少なくとも約15%、少なくとも約16%、少なくとも約17%、少なくとも約18%、少なくとも約19%、少なくとも約20%、少なくとも約21%、少なくとも約22%、少なくとも約23%、少なくとも約24%、少なくとも約25%、少なくとも約26%、少なくとも約27%、少なくとも約28%、少なくとも約29%、または少なくとも約30%増大される。いくつかの実施形態では、軽質ナフサの利用は、本明細書に記載の任意の値の範囲、たとえば、約1%〜約30%、約2%〜約30%、約3%〜約30%、約5%〜約30%、約10%〜約30%、約20%〜約30%、約1%〜約25%、約2%〜約25%、約3%〜約25%、約5%〜約25%、約10%〜約25%、約1%〜約20%、約2%〜約20%、約3%〜約20%、約5%〜約20%、約10%〜約20%、約1%〜約15%、約2%〜約15%、約3%〜約15%、約5%〜約15%、約10%〜約15%、または約3%〜約13%増大される。
【0065】
いくつかの実施形態では、ブタンの利用は、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約11%、少なくとも約12%、少なくとも約13%、少なくとも約14%、少なくとも約15%、少なくとも約16%、少なくとも約17%、少なくとも約18%、少なくとも約19%、少なくとも約20%、少なくとも約21%、少なくとも約22%、少なくとも約23%、少なくとも約24%、少なくとも約25%、少なくとも約26%、少なくとも約27%、少なくとも約28%、少なくとも約29%、または少なくとも約30%増大される。
【0066】
いくつかの実施形態では、ブタンの利用は、本明細書に記載の任意の値の範囲、たとえば、約1%〜約30%、約2%〜約30%、約3%〜約30%、約5%〜約30%、約10%〜約30%、約20%〜約30%、約1%〜約25%、約2%〜約25%、約3%〜約25%、約5%〜約25%、約10%〜約25%、約1%〜約20%、約2%〜約20%、約3%〜約20%、約5%〜約20%、約10%〜約20%、約1%〜約15%、約2%〜約15%、約3%〜約15%、約5%〜約15%、約10%〜約15%、または約3%〜約13%増大される。
【0067】
いくつかの実施形態では、本発明は、(a)石油精製所を運転して原油から軽質留出生成物を製造することと、ただし、石油精製所は、少なくとも1つのオクタン価アップグレーディングユニットを備える、(b)ナフサ供給原料をオクタン価アップグレーディングユニットに供給して、ナフサ供給原料をナフサ供給原料のオクタン価よりも高いオクタン価を有するアップグレードナフサ生成物に変換することと、ただし、軽質留出生成物は、アップグレードナフサ生成物を含む、(c)軽質留出生成物と一定量のブタノールとをブレンドしてブタノールブレンドガソリンを製造することと、ただし、ブタノールブレンドガソリン中のアップグレードナフサ生成物の量は、本明細書に開示される任意の量、たとえば、ガソリンの約10体積%〜約50体積%、ガソリンの約10体積%〜約45体積%、ガソリンの約15体積%〜約45体積%、ガソリンの約20体積%〜約45体積%、ガソリンの約25体積%〜約45体積%、ガソリンの約30体積%〜約45体積%、またはガソリンの約30体積%〜約43体積%である、を含む、ブタノールブレンドガソリンの製造方法に関する。
【0068】
いくつかの実施形態では、本発明は、(a)石油精製所を運転して原油から軽質留出生成物を製造することと、(b)精製所を運転してアップグレードナフサ生成物を製造することと、ただし、軽質留出生成物は、アップグレードナフサ生成物を含む、(c)少なくとも軽質留出生成物と一定量のブタノールとのブレンドを形成してブタノールブレンドガソリンを製造することと、ただし、ブタノールブレンドガソリン中のアップグレードナフサ生成物の量は、本明細書に開示される任意の量、たとえば、ガソリンの約10体積%〜約50体積%、ガソリンの約10体積%〜約45体積%、ガソリンの約15体積%〜約45体積%、ガソリンの約20体積%〜約45体積%、ガソリンの約25体積%〜約45体積%、ガソリンの約30体積%〜約45体積%、またはガソリンの約30体積%〜約43体積%である、を含む、ブタノールブレンドガソリンの製造方法に関する。
【0069】
いくつかの実施形態では、本発明に係るシステムおよびプロセスは、ブレンドガソリンを製造することを含む。いくつかの実施形態では、このシステムおよびプロセスは、(a)石油精製所を運転してガソリンを製造することと、(b)ガソリンと一定量のブタノールとをブレンドしてブタノールブレンドガソリンを製造することと、を含む。いくつかの実施形態では、このプロセスは、石油精製所からリテールバルクターミナルステーションまでブタノールブレンドガソリンを輸送することを含む。いくつかの実施形態では、ブタノールブレンドガソリンは、パイプラインまたは船舶により輸送される。
【0070】
いくつかの実施形態では、本発明に係るシステムおよびプロセスは、石油精製所から留出生成物を製造することを含む。いくつかの実施形態では、このプロセスは、(a)石油精製所を運転して原油から軽質留出生成物を製造することと、ただし、石油精製所は、少なくとも1つのオクタン価アップグレーディングユニットを備える、(b)ナフサ供給原料をオクタン価アップグレーディングユニットに供給して、ナフサ供給原料をナフサ供給原料のオクタン価よりも高いオクタン価を有するアップグレードナフサ生成物に変換することと、ただし、軽質留出生成物は、アップグレードナフサ生成物を含む、(c)軽質留出生成物と一定量のブタノールとをブレンドしてブタノールブレンドガソリンを製造することと、を含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、オクタン価アップグレーディングユニットのスループットは、アルコールを含まない、または自動車グレードのブレンドガソリンを製造するために一定量のエタノールとブレンドするための、自動車グレードのガソリンである異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転された時のオクタン価アップグレーディングユニットのスループットよりも少ない。いくつかの実施形態では、軽質留出生成物は、ガソリンを含む。いくつかの実施形態では、ブタノールは、イソブタノールを含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、オクタン価アップグレーディングユニットのスループットは、アルコールを含まない自動車グレードのガソリンである異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転された時のオクタン価アップグレーディングユニットのスループットよりも約1%減、約5%減、約10%減、約11%減、約12%減、約13%減、約14%減、約15%減、約16%減、約17%減、約18%減、約19%減、約20%減、約21%減、約22%減、約23%減、約24%減、約25%減、約26%減、約27%減、約28%減、約29%減、約30%減、約31%減、約32%減、約33%減、約34%減、約35%減、約36%減、約37%減、約38%減、約39%減、約40%減、約41%減、約42%減、約43%減、約44%減、約45%減、約46%減、約47%減、約48%減、約49%減、約50%減、約55%減、または約60%減である。いくつかの実施形態では、オクタン価アップグレーディングユニットのスループットは、本明細書に記載の任意の値の範囲、たとえば、アルコールを含まない自動車グレードのガソリンである異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転された時のオクタン価アップグレーディングユニットのスループットよりも約1%〜約60%減、約5%〜約60%減、約10%〜約60%減、約15%〜約60%減、約1%〜約55%減、約5%〜約55%減、約10%〜約55%減、15%〜約55%減、約1%〜約50%減、約5%〜約50%減、約10%〜約50%減、約15%〜約50%減、約1%〜約45%減、約5%〜約45%減、約10%〜約45%減、約15%〜約45%減、約1%〜約40%減、約5%〜約40%減、約10%〜約40%減、約15%〜約40%減、または約18%〜約41%減である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、夏グレードまたは夏グレード等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、冬グレードまたは冬グレード等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、従来のガソリン、RFG、CARB、またはそれらの等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、Euro−5ガソリンまたはその等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスの石油精製所は、米国の湾岸地域、米国の中西部地域、米国のCalifornia領域、または欧州北西部にある。
【0073】
いくつかの実施形態では、オクタン価アップグレーディングユニットのスループットは、自動車グレードのガソリンを製造するために一定量のエタノールとブレンドするための異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転された時のオクタン価アップグレーディングユニットのスループットよりも約1%減、約5%減、約10%減、約11%減、約12%減、約13%減、約14%減、約15%減、約16%減、約17%減、約18%減、約19%減、約20%減、約21%減、約22%減、約23%減、約24%減、約25%減、約26%減、約27%減、約28%減、約29%減、約30%減、約31%減、約32%減、約33%減、約34%減、約35%減、約36%減、約37%減、約38%減、約39%減、約40%減、約41%減、約42%減、約43%減、約44%減、約45%減、約46%減、約47%減、約48%減、約49%減、約50%減、約55%減、または約60%減である。いくつかの実施形態では、オクタン価アップグレーディングユニットのスループットは、本明細書に記載の任意の値の範囲、たとえば、自動車グレードのガソリンを製造するために一定量のエタノールとブレンドするための異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転された時のオクタン価アップグレーディングユニットのスループットよりも約1%〜約60%減、約5%〜約60%減、約10%〜約60%減、約15%〜約60%減、約1%〜約55%減、約5%〜約55%減、約10%〜約55%減、15%〜約55%減、約1%〜約50%減、約5%〜約50%減、約10%〜約50%減、約15%〜約50%減、約1%〜約45%減、約5%〜約45%減、約10%〜約45%減、約15%〜約45%減、約1%〜約40%減、約5%〜約40%減、約10%〜約40%減、約15%〜約40%減、または約18%〜約41%減である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、夏グレードまたは夏グレード等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、冬グレードまたは冬グレード等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、従来のガソリン、RFG、CARB、またはそれらの等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、Euro−5ガソリンまたはその等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスの石油精製所は、米国の湾岸地域、米国の中西部地域、米国のCalifornia領域、または欧州北西部にある。
【0074】
いくつかの実施形態では、接触リフォーマーユニットのスループットは、アルコールを含まない自動車グレードのガソリンである異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転された時の接触リフォーマーユニットのスループットよりも約1%減、約5%減、約10%減、約11%減、約12%減、約13%減、約14%減、約15%減、約16%減、約17%減、約18%減、約19%減、約20%減、約21%減、約22%減、約23%減、約24%減、約25%減、約26%減、約27%減、約28%減、約29%減、約30%減、約31%減、約32%減、約33%減、約34%減、約35%減、約36%減、約37%減、約38%減、約39%減、約40%減、約41%減、約42%減、約43%減、約44%減、約45%減、約46%減、約47%減、約48%減、約49%減、約50%減、約55%減、または約60%減である。いくつかの実施形態では、接触リフォーマーユニットのスループットは、本明細書に記載の任意の値の範囲、たとえば、アルコールを含まない自動車グレードのガソリンである異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転された時の接触リフォーマーユニットのスループットよりも約1%〜約60%減、約5%〜約60%減、約10%〜約60%減、約15%〜約60%減、約1%〜約55%減、約5%〜約55%減、約10%〜約55%減、15%〜約55%減、約1%〜約50%減、約5%〜約50%減、約10%〜約50%減、約15%〜約50%減、約1%〜約45%減、約5%〜約45%減、約10%〜約45%減、約15%〜約45%減、約1%〜約40%減、約5%〜約40%減、約10%〜約40%減、約15%〜約40%減、または約18%〜約41%減である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、夏グレードまたは夏グレード等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、冬グレードまたは冬グレード等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、従来のガソリン、RFG、CARB、またはそれらの等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、Euro−5ガソリンまたはその等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスの石油精製所は、米国の湾岸地域、米国の中西部地域、米国のCalifornia領域、または欧州北西部にある。
【0075】
いくつかの実施形態では、接触リフォーマーユニットのスループットは、自動車グレードのガソリンを製造するために一定量のエタノールとブレンドするための異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転された時の接触リフォーマーユニットのスループットよりも約1%減、約5%減、約10%減、約11%減、約12%減、約13%減、約14%減、約15%減、約16%減、約17%減、約18%減、約19%減、約20%減、約21%減、約22%減、約23%減、約24%減、約25%減、約26%減、約27%減、約28%減、約29%減、約30%減、約31%減、約32%減、約33%減、約34%減、約35%減、約36%減、約37%減、約38%減、約39%減、約40%減、約41%減、約42%減、約43%減、約44%減、約45%減、約46%減、約47%減、約48%減、約49%減、約50%減、約55%減、または約60%減である。いくつかの実施形態では、接触リフォーマーユニットのスループットは、本明細書に記載の任意の値の範囲、たとえば、自動車グレードのガソリンを製造するために一定量のエタノールとブレンドするための異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転された時の接触リフォーマーユニットのスループットよりも約1%〜約60%減、約5%〜約60%減、約10%〜約60%減、約15%〜約60%減、約1%〜約55%減、約5%〜約55%減、約10%〜約55%減、15%〜約55%減、約1%〜約50%減、約5%〜約50%減、約10%〜約50%減、約15%〜約50%減、約1%〜約45%減、約5%〜約45%減、約10%〜約45%減、約15%〜約45%減、約1%〜約40%減、約5%〜約40%減、約10%〜約40%減、約15%〜約40%減、または約18%〜約41%減である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、夏グレードまたは夏グレード等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、冬グレードまたは冬グレード等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、従来のガソリン、RFG、CARB、またはそれらの等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、Euro−5ガソリンまたはその等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスの石油精製所は、米国の湾岸地域、米国の中西部地域、米国のCalifornia領域、または欧州北西部にある。
【0076】
いくつかの実施形態では、異性化ユニットのスループットは、アルコールを含まない自動車グレードのガソリンである異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転された時の異性化ユニットのスループットよりも少なくとも約1%減、少なくとも約5%減、少なくとも約6%減、少なくとも約7%減、少なくとも約8%減、少なくとも約9%減、少なくとも約10%減、少なくとも約15%減、少なくとも約16%減、少なくとも約17%減、少なくとも約18%減、少なくとも約19%減、少なくとも約20%減、少なくとも約25%減、少なくとも約30%減、少なくとも約35%減、少なくとも約40%減、少なくとも約45%減、少なくとも約50%減、少なくとも約55%減、少なくとも約60%減、少なくとも約65%減、少なくとも約70%減、少なくとも約75%減、少なくとも約80%減、少なくとも約85%減、少なくとも約90%減、少なくとも約95%減、または少なくとも約99%減である。いくつかの実施形態では、異性化ユニットのスループットは、本明細書に記載の任意の値の範囲、たとえば、アルコールを含まない自動車グレードのガソリンである異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転された時の異性化ユニットのスループットよりも約1%〜約99%減、約5%〜約99%減、約1%〜約95%減、約5%〜約95%減、約10%〜約95%減、約15%〜約95%減、約1%〜約90%減、約5%〜約90%減、約10%〜約90%減、約15%〜約90%減、または約9%〜約92%減である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、夏グレードまたは夏グレード等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、冬グレードまたは冬グレード等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、従来のガソリン、RFG、CARB、またはそれらの等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、Euro−5ガソリンまたはその等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスの石油精製所は、米国の湾岸地域、米国の中西部地域、米国のCalifornia領域、または欧州北西部にある。
【0077】
いくつかの実施形態では、異性化ユニットのスループットは、自動車グレードのガソリンを製造するために一定量のエタノールとブレンドするための異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転された時の異性化ユニットのスループットよりも少なくとも約1%減、少なくとも約5%減、少なくとも約6%減、少なくとも約7%減、少なくとも約8%減、少なくとも約9%減、少なくとも約10%減、少なくとも約15%減、少なくとも約16%減、少なくとも約17%減、少なくとも約18%減、少なくとも約19%減、少なくとも約20%減、少なくとも約25%減、少なくとも約30%減、少なくとも約35%減、少なくとも約40%減、少なくとも約45%減、少なくとも約50%減、少なくとも約55%減、少なくとも約60%減、少なくとも約65%減、少なくとも約70%減、少なくとも約75%減、少なくとも約80%減、少なくとも約85%減、少なくとも約90%減、少なくとも約95%減、または少なくとも約99%減である。いくつかの実施形態では、異性化ユニットのスループットは、本明細書に記載の任意の値の範囲、たとえば、自動車グレードのガソリンを製造するために一定量のエタノールとブレンドするための異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転された時の異性化ユニットのスループットよりも約1%〜約99%減、約5%〜約99%減、約1%〜約95%減、約5%〜約95%減、約10%〜約95%減、約15%〜約95%減、約1%〜約90%減、約5%〜約90%減、約10%〜約90%減、約15%〜約90%減、または約9%〜約92%減である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、夏グレードまたは夏グレード等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、冬グレードまたは冬グレード等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、従来のガソリン、RFG、CARB、またはそれらの等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、Euro−5ガソリンまたはその等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスの石油精製所は、米国の湾岸地域、米国の中西部地域、米国のCalifornia領域、または欧州北西部にある。
【0078】
いくつかの実施形態では、ベンゼン飽和化ユニットのスループットは、アルコールを含まない自動車グレードのガソリンである異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転された時のベンゼン飽和化ユニットのスループットよりも少なくとも約1%減、少なくとも約5%減、少なくとも約6%減、少なくとも約7%減、少なくとも約8%減、少なくとも約9%減、少なくとも約10%減、少なくとも約15%減、少なくとも約16%減、少なくとも約17%減、少なくとも約18%減、少なくとも約19%減、少なくとも約20%減、少なくとも約25%減、少なくとも約30%減、少なくとも約35%減、少なくとも約40%減、少なくとも約45%減、少なくとも約50%減、少なくとも約55%減、少なくとも約60%減、少なくとも約65%減、少なくとも約70%減、少なくとも約75%減、少なくとも約80%減、少なくとも約85%減、少なくとも約90%減、少なくとも約95%減、または少なくとも約99%減である。いくつかの実施形態では、ベンゼン飽和化ユニットのスループットは、本明細書に記載の任意の値の範囲、たとえば、アルコールを含まない自動車グレードのガソリンである異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転された時のベンゼン飽和化ユニットのスループットよりも約1%〜約99%減、約5%〜約99%減、約1%〜約95%減、約5%〜約95%減、約10%〜約95%減、約15%〜約95%減、約20%〜約95%、約25%〜約95%、約1%〜約90%減、約5%〜約90%減、約10%〜約90%減、約15%〜約90%減、または約21%〜約93%減である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、夏グレードまたは夏グレード等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、冬グレードまたは冬グレード等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、従来のガソリン、RFG、CARB、またはそれらの等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、Euro−5ガソリンまたはその等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスの石油精製所は、米国の湾岸地域、米国の中西部地域、米国のCalifornia領域、または欧州北西部にある。
【0079】
いくつかの実施形態では、ベンゼン飽和化ユニットのスループットは、自動車グレードのガソリンを製造するために一定量のエタノールとブレンドするための異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転された時のベンゼン飽和化ユニットのスループットよりも少なくとも約1%減、少なくとも約5%減、少なくとも約6%減、少なくとも約7%減、少なくとも約8%減、少なくとも約9%減、少なくとも約10%減、少なくとも約15%減、少なくとも約16%減、少なくとも約17%減、少なくとも約18%減、少なくとも約19%減、少なくとも約20%減、少なくとも約25%減、少なくとも約30%減、少なくとも約35%減、少なくとも約40%減、少なくとも約45%減、少なくとも約50%減、少なくとも約55%減、少なくとも約60%減、少なくとも約65%減、少なくとも約70%減、少なくとも約75%減、少なくとも約80%減、少なくとも約85%減、少なくとも約90%減、少なくとも約95%減、または少なくとも約99%減である。いくつかの実施形態では、ベンゼン飽和化ユニットのスループットは、本明細書に記載の任意の値の範囲、たとえば、自動車グレードのガソリンを製造するために一定量のエタノールとブレンドするための異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転された時のベンゼン飽和化ユニットのスループットよりも約1%〜約99%減、約5%〜約99%減、約10%〜約99%減、約1%〜約95%減、約5%〜約95%減、約10%〜約95%減、約1%〜約90%減、約5%〜約90%減、約10%〜約90%減、約1%〜約85%減、約5%〜約85%減、約10%〜約85%減、約1%〜約80%減、約5%〜約80%減、約10%〜約80%減、約1%〜約75%減、約5%〜約75%減、約10%〜約75%減、約1%〜約70%減、約5%〜約70%減、約10%〜約70%減、約1%〜約65%減、約5%〜約65%減、約10%〜約65%減、約1%〜約60%減、約5%〜約60%減、約10%〜約60%減、約1%〜約55%減、約5%〜約55%減、約10%〜約55%減、約1%〜約50%減、約5%〜約50%減、約10%〜約50%減、約1%〜約45%減、約5%〜約45%減、約10%〜約45%減、約1%〜約40%減、約5%〜約40%減、約10%〜約40%減、約1%〜約35%減、約5%〜約35%減、約10%〜約35%減、または約7%〜約35%減である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、夏グレードまたは夏グレード等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、冬グレードまたは冬グレード等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、従来のガソリン、RFG、CARB、またはそれらの等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、Euro−5ガソリンまたはその等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスの石油精製所は、米国の湾岸地域、米国の中西部地域、米国のCalifornia領域、または欧州北西部にある。
【0080】
いくつかの実施形態では、本発明に係るシステムおよびプロセスは、アップグレードナフサ生成物を含むブタノールブレンド燃料を形成する。いくつかの実施形態では、燃料は、ガソリンである。いくつかの実施形態では、ブタノールは、イソブタノールを含む。いくつかの実施形態では、アップグレードナフサ生成物は、異性化ユニットのスループット生成物である。いくつかの実施形態では、アップグレードナフサ生成物は、接触リフォーマーユニットのスループット生成物である。いくつかの実施形態では、アップグレードナフサ生成物は、体積基準で燃料の少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、または少なくとも約60%である。いくつかの実施形態では、アップグレードナフサ生成物は、本明細書に記載の任意の値の範囲、たとえば、体積基準で燃料の約1%〜約60%、約5%〜約60%、約10%〜約60%、約15%〜約60%、約20%〜約60%、約25%〜約60%、約30%〜約60%、約1%〜約50%、約5%〜約50%、約10%〜約50%、約15%〜約50%、約20%〜約50%、約25%〜約50%、約30%〜約50%、約1%〜約45%、約5%〜約45%、約10%〜約45%、約15%〜約45%、約20%〜約45%、約25%〜約45%、約30%〜約45%、または約30%〜約43%である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、夏グレードまたは夏グレード等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られる燃料ブレンドは、冬グレードまたは冬グレード等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られる燃料ブレンドは、従来のガソリン、RFG、CARB、またはそれらの等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られる燃料ブレンドは、Euro−5ガソリンまたはその等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスの石油精製所は、米国の湾岸地域、米国の中西部地域、米国のCalifornia領域、または欧州北西部にある。
【0081】
他の実施形態では、本システムおよびプロセスは、(a)石油精製所を運転して原油からの軽質留出生成物を製造することと、ただし、石油精製所は、少なくとも1つのハイドロトリーターユニットを備える、(b)供給原料をハイドロトリーターユニットに供給することと、ただし、供給原料は、原油に由来する、(c)供給原料をハイドロトリーターユニットで処理して供給原料の硫黄含有率を低減し、水素化処理生成物を製造することと、ただし、軽質留出生成物は、水素化処理生成物を含む、(d)軽質留出生成物と一定量のブタノールとをブレンドしてブタノールブレンドガソリンを製造することと、を含む。いくつかの実施形態では、ハイドロトリーターのスループットは、異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転された時のハイドロトリーターのスループットよりも少ない。いくつかの実施形態では、異なる軽質留出生成物は、アルコールを含まない、または自動車グレードのブレンドガソリンを製造するために一定量のエタノールとブレンドするための、自動車グレードのガソリンである。
【0082】
いくつかの実施形態では、石油精製所はさらに、少なくとも1つのオクタン価アップグレーディングユニットを備える。いくつかの実施形態では、本システムおよびプロセスはさらに、水素化処理生成物をオクタン価アップグレーディングユニットに供給して、水素化処理生成物を水素化処理生成物のオクタン価よりも高いオクタン価を有するアップグレード生成物に変換することを含む。それにより、軽質留出生成物は、アップグレード生成物を含む。いくつかの実施形態では、オクタン価アップグレーディングユニットのスループットは、アルコールを含まない、または自動車グレードのブレンドガソリンを製造するために一定量のエタノールとブレンドするための、自動車グレードのガソリンである異なる軽質留出生成物を製造するように石油精製所が運転された時のオクタン価アップグレーディングユニットのスループットよりも少ない。
【0083】
いくつかの実施形態では、本発明に係るシステムおよびプロセスは、アルコール燃料ブレンドを作製しないおよび/またはエタノール燃料ブレンドを作製する石油精製所のシステムおよびプロセスと比較して、石油精製所のハイドロトリーターユニットの容量を低減する。いくつかの実施形態では、容量の低減は、アルコール燃料ブレンドを作製しないおよび/またはエタノール燃料ブレンドを作製する石油精製所のシステムおよびプロセスと比較して、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、約70%減、約75%減、約80%減、約85%減、約90%減、約95%減、約97%減、約98%減、または約99%減である。いくつかの実施形態では、容量の低減は、本明細書に記載の任意の値の範囲、たとえば、アルコール燃料ブレンドを作製しないおよび/またはエタノール燃料ブレンドを作製する石油精製所のシステムおよびプロセスと比較して、約1%〜約98%、約5%〜約98%、約10%〜約98%、約1%〜約97%、約5%〜約97%、約10%〜約97%、約1%〜約95%、約5%〜約95%、約10%〜約95%、約1%〜約90%、約5%〜約90%、約10%〜約90%、約1%〜約80%、約5%〜約80%、約10%〜約80%、約1%〜約70%、約5%〜約70%、約10%〜約70%、約1%〜約60%、約5%〜約60%、約10%〜約60%、約1%〜約50%、約5%〜約50%、約10%〜約50%、または約15%〜約97%でありうる。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られるガソリンブレンドは、夏グレードまたは夏グレード等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られる燃料ブレンドは、冬グレードまたは冬グレード等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られる燃料ブレンドは、従来のガソリン、RFG、CARB、またはそれらの等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスで得られる燃料ブレンドは、Euro−5ガソリンまたはその等価物である。いくつかの実施形態では、そのようなシステムまたはプロセスの石油精製所は、米国の湾岸地域、米国の中西部地域、米国のCalifornia領域、または欧州北西部にある。
【0084】
いくつかの実施形態では、本発明に係るシステムおよびプロセスは、1種以上のアルコールと燃料とをブレンドすることを含む。いくつかの実施形態では、アルコールは、エタノール、ブタノール、またはそれらの混合物である。いくつかの実施形態では、アルコールは、エタノールである。いくつかの実施形態では、アルコールは、ブタノールである。いくつかの実施形態では、ブタノールは、n−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブチルアルコール、またはそれらの混合物である。いくつかの実施形態では、ブタノールは、イソブタノールを含む。いくつかの実施形態では、ブタノールは、イソブタノールである。
【0085】
いくつかの実施形態では、燃料は、バイオ燃料、ガソリン、ガソリンサブグレード(たとえば、含酸素化合物ブレンディング用のブレンド基材)、ディーゼル油、ジェット燃料、またはそれらの混合物である。いくつかの実施形態では、燃料は、バイオ燃料である。いくつかの実施形態では、燃料は、ガソリンまたはガソリンサブグレードである。いくつかの実施形態では、ガソリンは、自動車グレードのガソリン、無鉛ガソリン、従来のガソリン、含酸素ガソリン、リフォーミュレートガソリン、バイオガソリン(すなわち、ある意味ではバイオマス由来のガソリン)、フィッシャー・トロプシュガソリン、またはそれらの混合物である。いくつかの実施形態では、燃料は、ディーゼル油である。いくつかの実施形態では、燃料は、ジェット燃料である。いくつかの実施形態では、ガソリンは、ASTM規格を満たす。
【0086】
いくつかの実施形態では、本発明に係るシステムおよびプロセスは、1種以上のアルコールと燃料とをブレンドすることを含む。いくつかの実施形態では、1種以上のアルコールが軽質留出生成物とブレンドされる。いくつかの実施形態では、ブレンディングは、石油精製所またはそのごく近傍で行われる。いくつかの実施形態では、ブレンディングは、石油精製所で行われる。
【0087】
いくつかの実施形態では、燃料とブレンドされるアルコールの量は、アルコールブレンド燃料の少なくとも約10vol%である。いくつかの実施形態では、燃料ブレンドは、燃料ブレンドの全体積を基準にして、少なくとも約0.01vol%、約0.1vol%、約0.2vol%、約0.3vol%、約0.4vol%、約0.5vol%、約0.6vol%、約0.7vol%、約0.8vol%、約0.9vol%、約1.0vol%、約1.5vol%、約2vol%、約2.5vol%、約3vol%、約3.5vol%、約4vol%、約4.5vol%、約5vol%、約5.5vol%、約6vol%、約6.5vol%、約7vol%、約7.5vol%、約8vol%、約8.5vol%、約9vol%、約9.5vol%、約10vol%、約11vol%、約12vol%、約13vol%、約14vol%、約15vol%、約16vol%、約17vol%、約18vol%、約19vol%、約20vol%、約21vol%、約22vol%、約23vol%、約24vol%、約25vol%、約26vol%、約27vol%、約28vol%、約29vol%、約30vol%、約35vol%、約40vol%、約45vol%、約85vol%、約90vol%、約95vol%約50vol%、約55vol%、約60vol%、約65vol%、約70vol%、約75vol%、約80vol%、または約99vol%の濃度でアルコールを含み、有用範囲は、これらの値のいずれかの間で選択可能である(たとえば、組成物の全体積を基準にして、約0.01vol%〜約99vol%、約0.01vol%〜約1vol%、約0.1vol%〜約10vol%、約0.5vol%〜約10vol%、約1vol%〜約5vol%、約5vol%〜約25vol%、約5vol%〜約95vol%、約5vol%〜約80vol%、約10vol%〜約95vol%、約15vol%〜約95vol%、約20vol%〜約95vol%、約10vol%〜約24vol%、約16vol%〜約24vol%、約25vol%〜約95vol%、約30vol%〜約95vol%、約35vol%〜約95vol%、約40vol%〜約95vol%、約45vol%〜約95vol%、約50vol%〜約95vol%、約1vol%〜約99vol%、約5vol%〜約99vol%、約10vol%〜約99vol%、約15vol%〜約99vol%、約20vol%〜約99vol%、約25vol%〜約99vol%、約30vol%〜約99vol%、約35vol%〜約99vol%、約40vol%〜約99vol%、約45vol%〜約99vol%、約50vol%〜約99vol%、約5vol%〜約70vol%、約10vol%〜約70vol%、約15vol%〜約70vol%、約20vol%〜約70vol%、約25vol%〜約70vol%、約30vol%〜約70vol%、約35vol%〜約70vol%、約40vol%〜約70vol%、約45vol%〜約70vol%、および約50vol%〜約70vol%、約60vol%〜約90vol%)。
【0088】
いくつかの実施形態では、燃料ブレンドは、燃料ブレンドの全体積を基準にして、少なくとも約0.01vol%、約0.1vol%、約0.2vol%、約0.3vol%、約0.4vol%、約0.5vol%、約0.6vol%、約0.7vol%、約0.8vol%、約0.9vol%、約1.0vol%、約1.5vol%、約2vol%、約2.5vol%、約3vol%、約3.5vol%、約4vol%、約4.5vol%、約5vol%、約5.5vol%、約6vol%、約6.5vol%、約7vol%、約7.5vol%、約8vol%、約8.5vol%、約9vol%、約9.5vol%、約10vol%、約11vol%、約12vol%、約13vol%、約14vol%、約15vol%、約16vol%、約17vol%、約18vol%、約19vol%、約20vol%、約21vol%、約22vol%、約23vol%、約24vol%、約25vol%、約26vol%、約27vol%、約28vol%、約29vol%、約30vol%、約35vol%、約40vol%、約85vol%、約90vol%、約95vol%約45vol%、約50vol%、約55vol%、約60vol%、約65vol%、約70vol%、約75vol%、約80vol%、または約99vol%の濃度でガソリンおよび/またはガソリンサブグレードを含み、有用範囲は、これらの値のいずれかの間で選択可能である(たとえば、組成物の全体積を基準にして、約0.01vol%〜約99vol%、約0.01vol%〜約1vol%、約0.1vol%〜約10vol%、約0.5vol%〜約10vol%、約1vol%〜約5vol%、約5vol%〜約25vol%、約5vol%〜約95vol%、約5vol%〜約80vol%、約10vol%〜約95vol%、約15vol%〜約95vol%、約20vol%〜約95vol%、約10vol%〜約24vol%、約16vol%〜約24vol%、約25vol%〜約95vol%、約30vol%〜約95vol%、約35vol%〜約95vol%、約40vol%〜約95vol%、約45vol%〜約95vol%、約50vol%〜約95vol%、約1vol%〜約99vol%、約5vol%〜約99vol%、約10vol%〜約99vol%、約15vol%〜約99vol%、約20vol%〜約99vol%、約25vol%〜約99vol%、約30vol%〜約99vol%、約35vol%〜約99vol%、約40vol%〜約99vol%、約45vol%〜約99vol%、約50vol%〜約99vol%、約5vol%〜約70vol%、約10vol%〜約70vol%、約15vol%〜約70vol%、約20vol%〜約70vol%、約25vol%〜約70vol%、約30vol%〜約70vol%、約35vol%〜約70vol%、約40vol%〜約70vol%、約45vol%〜約70vol%、および約50vol%〜約70vol%、約60vol%〜約90vol%)。
【0089】
他の実施形態では、軽質留出生成物とブレンドされるブタノールの量は、ブタノールブレンドガソリンの少なくとも約10vol%である。いくつかの実施形態では、軽質留出生成物とブレンドされるブタノールの量は、ブタノールブレンドガソリンの約10vol%〜約16vol%である。いくつかの実施形態では、軽質留出生成物とブレンドされるブタノールの量は、ブタノールブレンドガソリンの約16vol%〜約24vol%である。いくつかの実施形態では、石油精製所は、エタノールとブレンドするための異なる軽質留出生成物を製造するように運転され、軽質留出生成物とブレンドされるエタノールの量は、自動車グレードのブレンドガソリンの約10vol%以下である。
【0090】
いくつかの実施形態では、燃料ブレンドは、ASTM D−4814の最小性能パラメーターに準拠する1つ以上の性能パラメーターを有する。いくつかの実施形態では、燃料ブレンドは、10vol%のエタノールを有する燃料ブレンドと実質的に同一の1つ以上の性能パラメーターを有する。いくつかの実施形態では、燃料ブレンドは、10vol%のエタノールを有する燃料ブレンドと比較して、1つ以上の改良された性能パラメーターを有する。
【0091】
自動車火花点火機関の燃焼に好適な多くの燃料ブレンドは、ASTM D−4814規格の要件に適合する。この規格は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書でさらに説明されるように、ブレンドされる特定のアルコールおよび燃料に依存してアルコールおよび燃料の量が異なりうることを理解すべきである。
【0092】
図1〜8を参照して、本発明に係る例示的なシステムおよびプロセスを説明する。
図1および2は、それぞれ、原油をガソリンに精製してガソリンまたはガソリンサブグレードとアルコールとをブレンドするための例示的な石油精製所100および300を例示している。
【0093】
図3は、本発明に係る例示的なシステムを示している。精製所の運転ユニットは、説明および油ストリーム(たとえば、供給原料、中間生成物、および生成物)の流れに沿って示される。一次蒸留(常圧または減圧)により粗く分離された原油は、個別のプロセスでさらにアップグレードされてガソリンおよび留出/ディーゼル燃料に供される。3つのユニット、すなわち、ハイドロクラッカー、流動接触分解(FCC)ユニット、およびコーカーでは、ガソリン/留出油沸点範囲にわたる混合物が製造される。これらのユニットからの生成物は、プロセスユニットの近くの蒸留塔によりガソリンとディーゼル油とに再び分離される。ガス油アップグレーディングの代替経路、すなわち、水素化分解または流動接触分解(FCC)も示されているが、精製所は、いずれか一方を有しうる。
【0094】
図4は、本発明に係る例示的なシステムを示している。ガソリンで使用されるアルコール(たとえば、エタノールおよびブタノール)のほとんどは、プロセスの一番最後の生成物ブレンディングで製造に加わる。バイオブタノールは、
図4に示されるように、完成ガソリンとしてパイプラインまたは船舶による輸送に向けて、精製所で直接ブレンド可能である。しかしながら、エタノールブレンドは、パイプラインまたは海洋に分布した逃散水を捕集するおそれがあるので、リテールステーションへの最終配送のためのトラック輸送時にガソリンが充填されるまで、エタノールブレンディングを遅延しなければならない。精製所で直接ブレンド可能でありかつより低コストのパイプライン輸送を利用可能であるので、バイオブタノールブレンディングは、エタノールブレンディングよりも優れた利点を有する。
【0095】
図5は、本発明に係る例示的なシステムの低減されたオクタン価処理を示している。エタノールおよびブタノールは、比較的高いオクタン価を有する。結果として、アルコールのブレンディングにより、改質や異性化のような精製所のオクタン価アップグレーディングプロセスへの要件が軽減される。これらのユニットでのスループットおよび過酷度の低減により、エネルギー、プロセス触媒、および補助プロセス(たとえば、水および廃棄物の処理)のコストの削減がもたらされる。また、ユニット保守作業の頻度が低減されることにより、より高い稼働率(たとえば、1年間あたりより多くの稼働日数)がもたらされる。エタノール(10vol%)よりもバイオブタノール(16vol%)のほうが許容ブレンディング比が高いので、バイオブタノールは、硫黄やベンゼンのようなガソリン中の望ましくない規制物質を希釈するのにより効果的である。
【0096】
図6は、本発明に係る例示的なシステムの低減された水素化処理を示している。原油に由来するいくつかのガソリン成分、たとえば、硫黄およびベンゼンは、ガソリン排出物を低減するために低い最大濃度に規制される(排気および蒸発の両方)。また、ガソリン中の芳香族分およびオレフィンの濃度の低減は、排出規制に有利でありうるし、アルコールによる希釈は、同様に効果的である。硫黄の希釈は、硫黄を除去するプロセス、主にナフサ水素化処理ユニットの過酷度およびスループットを低減するのにとくに価値がある。3つの典型的なナフサハイドロトリーターが
図6に示される。水素化処理の低減により、水素消費量、プロセス触媒、およびエネルギーの節約がなされる。異性化および/またはベンゼン飽和化のユニットで類似の希釈に基づく節約を実現することが可能であり、これにより、所要のベンゼン破壊のより低いスループットおよび過酷度がもたらされる。
【0097】
図7は、本発明に係る例示的なシステムの軽質ナフサ、ブタン、およびペンタンのアップグレーディングを示している。ガソリンの最大蒸気圧は、精製所の柔軟性に制約を加える低いレベルに規格により規制されることが多い。高い蒸気圧を有する成分、たとえば、軽質ナフサ、ペンタン、およびブタンは、最大蒸気圧限界を超えることなくガソリンにブレンドすることができないので、安値で販売されることが多い。エタノールは、比較的高いブレンディング蒸気圧を有するので、ガソリン価格よりも安値で軽質炭化水素のさらに大量の販売が余儀なくされる。バイオブタノールは、かなり低い蒸気圧を有するので、より多くの軽質生成物を高値のガソリンにブレンドすることが可能である。
【0098】
図8は、本発明に係る例示的なシステムのFCCナフサカットポイントの低下を示している。エタノールの高いブレンディング蒸気圧をさらに補償するために、リファイナーは、FCCナフサ(ガソリンに使用される)とサイクル油(ディーゼル油に使用される)との蒸留カットポイントを上昇させることが可能である。カットポイントの上昇により、より多くの低蒸気圧材料がFCC重質ナフサに投入されるようになり、それにより、エタノールの高い蒸気圧が相殺されて全完成ガソリンが規格限界未満に維持される。エタノールの高いブレンディング蒸気圧の相殺は有効であるが、FCCナフサ/サイクル油のカットポイントの上昇には、いくつかの欠点がある。すなわち、現時点では、ディーゼル油のほうがガソリンよりも価値があるので、ディーゼル油生成物量が低減されると全体的価値が低下し、FCC重質ナフサに添加される低蒸気圧材料は、オクタン価が低く、実際上、オクタン価処理の利点のいくつかを損うので、オクタン価処理の要件が増大し、そしてより多量の比較的高硫黄の材料が処理されてFCC重質ナフサに導入されるので、FCCナフサハイドロトリーター(SCANfiner)のスループットおよび過酷度が増大される。バイオブタノールの蒸気圧が低いので、FCC重質ナフサから低蒸気圧材料を調達する必要性が軽減され、FCCナフサカットポイントを前のエタノールレベルさらにはそれよりも低いレベルに戻すことが可能になる。より低いカットポイントであることは、より多くの炭化水素材料がFCC軽質サイクル油(ディーゼル油)に、かつより少ない炭化水素材料がFCC重質ナフサ(ガソリン)に、投入されることを意味する。したがって、エタノールよりもバイオブタノールを選択することにより、ディーゼル燃料量の増大、オクタン価処理の低減、およびナフサ水素化処理要件の低減という特定の精製上の利点を得ることが可能である。
【0099】
図1〜8は、例示的なアルコールブレンディングのプロセスおよびシステムを参照して説明されるが、ブレンドされる特定のアルコールおよび燃料に依存して、それらの単位操作およびプロセスの設定は、
図1〜8の例示的プロセスおよびシステムから異なりうることを理解すべきである。
【0100】
いくつかの実施形態では、本発明に係るシステムは、沸騰性液体混合物中の原油の成分の揮発性の差に基づいて原油の成分を分離する蒸留塔を含有する。いくつかの実施形態では、蒸留塔は、原油を軽質留出留分、中質留出留分、重質留出留分、またはそれらの任意の組合せに分離する。いくつかの実施形態では、蒸留塔は、常圧蒸留塔である。いくつかの実施形態では、減圧蒸留を用いて、常圧蒸留により形成された重質留分をさらに蒸留することが可能である。
【0101】
本発明に係るシステムでは、
図1を参照して、原油102は、常圧蒸留塔110に導入される。いくつかの実施形態では、重質留出油104は、減圧蒸留ユニット170に導入されて、出力留出油172を形成する。得られた留出油172は、分解ユニット180に導入されて、出力分解ストリーム182を形成することが可能である。いくつかの実施形態では、分解ユニット180は、ハイドロクラッカーユニット180である(
図1参照)。いくつかの実施形態では、分解ユニット180は、FCCユニット(たとえばFCCユニット340、
図2参照)である。いくつかの実施形態では、精製所は、ハイドロクラッカーユニットおよびFCCユニットを含有する。
図1を参照して、分解ストリーム182は、リフォーマーユニット160に導入されて、出力リフォーメート162を形成することが可能である。
【0102】
他の選択肢として、得られた留出油172’は、コーカーユニット190に導入されて、軽質ナフサコーカーストリーム192および重質ナフサコーカーストリーム’192を形成する。いくつかの実施形態では、軽質ナフサコーカーストリーム192は、コーカー軽質ナフサハイドロトリーター130に導入されて、出力ストリーム132を形成する。出力ストリーム132の形成時に水素134が消費される。いくつかの実施形態では、ストリーム132は、ベンゼン飽和化ユニット140と一体化された異性化ユニットに導入されて、出力ストリーム142を形成することが可能である。出力ストリーム142の形成時に水素144が消費される。
【0103】
いくつかの実施形態では、重質ナフサコーカーストリーム192’は、重質ナフサハイドロトリーター150に導入されて、出力ストリーム152を形成する。出力ストリーム152の形成時に水素154が消費される。いくつかの実施形態では、留出油104”は、重質ナフサハイドロトリーターユニット150に導入されて、出力ストリーム152を形成する。いくつかの実施形態では、ストリーム152は、リフォーマーユニット160に導入されて、リフォーメート162および出力水素ストリーム164を形成する。
【0104】
いくつかの実施形態では、軽質留出油からペンタン、ブタン、および/またはより軽質の留分が除去される。いくつかの実施形態では、軽質留出油104’は、デブタナイザー/デペンタナイザーユニット120に導入されて、出力脱ブタン/脱ペンタンストリーム122ならびにブタンおよびペンタン124を形成する。いくつかの実施形態では、脱ブタン/脱ペンタンストリーム122は、図示されるように、ベンゼン飽和化ユニット140と一体化された異性化ユニット145に導入されて、出力ストリーム142を形成する。いくつかの実施形態では、脱ブタン/脱ペンタンストリーム122は、ベンゼン飽和化ユニット140に導入されてストリーム(図示せず)を形成し、次いで、このストリームは、個別の異性化ユニット(図示せず)に導入されて、出力ストリーム142を形成する。
【0105】
いくつかの実施形態では、軽質ナフサストリーム、リフォーメートストリーム、分解ストリーム、またはそれらの任意の混合物は、アルコールストリームと組み合わされて燃料ブレンドを形成する。他の選択肢として、軽質ナフサストリーム、リフォーメートストリーム、分解ストリーム、またはそれらの任意の混合物は、一体化された後、アルコールストリームに添加されて燃料ブレンドを形成する。いくつかの実施形態では、そのようなストリームは、最終アルコール燃料ブレンドでそれらの所望の濃度が達成されるように、適切な比で連続的にブレンドされる。
図1を参照して、直留軽質ナフサストリーム104’、ストリーム142、リフォーメートストリーム162、分解ストリーム182’、およびアルコールストリーム210は、ブレンドされて精製所の槽200内に燃料ブレンド250を形成する。
【0106】
本発明に係る代替石油精製所300を
図2に例示する。
図2を参照して、原油102は、常圧蒸留塔110に導入されて、出力重質留出油312を形成する。いくつかの実施形態では、重質留出油312は、減圧蒸留ユニット170に導入されて、出力留出油322を形成する。留出油322は、FCC供給原料ハイドロトリーターユニット330に導入されて、出力水素化処理ストリーム332を形成することが可能である。出力水素化処理ストリーム332の形成時に水素(H2)334が消費される。いくつかの実施形態では、水素化処理ストリーム332は、FCCユニット340に導入されて、出力FCCストリーム342を形成する。いくつかの実施形態では、FCCストリーム342は、FCCナフサハイドロトリーター350に導入されて、出力FCC軽質ナフサストリーム352および出力FCC重質ナフサストリーム’352を形成する。FCC軽質ナフサストリーム352およびFCC重質ナフサストリーム352’は、アルコールストリーム210とブレンドされて、精製所の槽200内に燃料ブレンド250を形成する。いくつかの実施形態では、本発明に係るシステムおよびプロセスのストリームは、石油精製所に典型的なバルブおよびフィードバックセンサーにより制御される。
【0107】
いくつかの実施形態では、水素化処理ストリーム332は、FCCユニット340に導入されて、出力FCC軽質サイクル油ストリーム’342を形成する。いくつかの実施形態では、出力FCC軽質サイクル油ストリーム342’は、ディーゼル油ハイドロトリーターユニット360に導入されて、水素化処理ストリーム362を形成する。いくつかの実施形態では、原油102は、常圧蒸留塔110に導入されて、出力直留ディーゼル油ストリーム’312を形成する。いくつかの実施形態では、直留ディーゼル油ストリーム312’は、ディーゼル油ハイドロトリーター360に導入されて、水素化処理ストリーム362を形成する。出力水素化処理ストリーム362の形成時に水素364が消費される。いくつかの実施形態では、水素化処理ストリーム362は、アルコールストリーム210’と組み合わされて、槽380内にディーゼル燃料ブレンド350を形成する。いくつかの実施形態では、水素化処理ストリーム362は、槽380内にディーゼル燃料350’を形成するために使用可能である。いくつかの実施形態では、水素化処理ストリーム362は、水素化分解ディーゼル油ストリーム382(ハイドロクラッカーユニット、たとえば、
図1のユニット180から)と組み合わされて、槽380内にディーゼル燃料350’を形成することが可能である。
【0108】
いくつかの実施形態では、ストリーム332をFCCユニット340に導入することにより、追加のストリーム(図示せず)を形成する。たとえば、プロピレン(C3)ストリームを形成し、次いで、これを重合して重合ガソリンを形成することが可能であり、プロピレン/ブチレン(C3/C4)ストリームおよび/またはブチレン/アミレンストリーム(C4/C5)を形成し、次いで、これらをアルキル化してアルキレートストリームを形成することが可能であり、ブチレンストリームを形成し、次いで、これを二量体化してダイメートストリームまたはその任意の混合物を形成することが可能である。いくつかの実施形態では、そのようなストリームの1つ以上は、本発明に係るシステムおよびプロセスで燃料ブレンディングに使用することが可能である。追加の例として、ストリーム332をFCCユニット340に導入することにより、FCC重質サイクル油ストリームを得ることが可能である。いくつかの実施形態では、FCC重質サイクル油ストリームは、コーカーユニットに導入されて、軽質ナフサストリームおよび重質ナフサストリーム(次いで、これらをコーカー軽質ナフサおよび重質ナフサのハイドロトリーターに導入することが可能である)、軽質ガス油ストリーム(次いで、これをディーゼル油ハイドロトリーターに導入することが可能である)、重質ガス油ストリーム(次いで、これをFCC供給原料ハイドロトリーターに導入することが可能である)、およびコークスを形成することが可能である。
【0109】
精製所300の残りの単位操作は、
図1の精製所100を参照して以上に記載したのと同一に構成され、同じ参照番号は、同等なまたは機能的に類似の要素を表す。したがって、
図2のこれらの単位操作の詳細な考察は省略する。
【0110】
石油精製所で直接ブレンドされた燃料は、完成ガソリンとしてパイプラインまたは船舶により輸送可能である。エタノール燃料ブレンドは、エタノールがパイプラインまたは船舶による輸送時に典型的に存在する水と混合するので、そのような手段により輸送することが困難でありうる。本発明のいくつかの実施形態では、ブタノールとガソリンとをブレンドする石油精製所では、完成ガソリンとしてパイプラインまたは船舶により輸送するために、石油精製所100または300でブタノールを直接ブレンドすることが可能である。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態では、1つ以上の燃料ストリームは、一体化された後、アルコールストリームに添加されて燃料ブレンドを形成する。いくつかの実施形態では、1つ以上の燃料ストリームおよびアルコールストリームは、同時に一体化されて燃料ブレンドを形成する。
【0112】
いくつかの実施形態では、次の燃料ストリーム、すなわち、直留軽質ナフサ、水素化分解軽質ナフサ、アイソメレート、リフォーメートストリーム、重合ガソリン、アルキレート、ダイメート、FCC軽質ナフサ、またはFCC重質ナフサの1つ以上は、アルコールストリームと組み合わされて本発明に係る燃料ブレンドを形成する。いくつかの実施形態では、得られる燃料ブレンドは、ガソリンブレンド250である(たとえば、
図1および2の実施形態を参照されたい)。
図1を参照して、直留軽質ナフサストリーム104’、ストリーム142、リフォーメートストリーム162、分解ストリーム182’、およびアルコールストリーム210は、任意の他の必要成分と一緒に組み合わされて、槽200内にガソリンブレンド250を形成する。
図2を参照して、FCC軽質ナフサストリーム352、FCC重質ナフサストリーム352’、およびアルコールストリーム210は、任意の他の必要成分と一緒に組み合わされて、槽200内にガソリンブレンド250を形成することが可能である。
【0113】
いくつかの実施形態では、次の燃料ストリーム、すなわち、直留ジェット油(灯油)、直留ディーゼル油(加熱用燃料)、水素化処理直留ジェット油、スイートニング処理直留ジェット油(除去または低減された硫化水素ガス)、水素化分解ジェット油、水素化処理ディーゼル油、または水素化分解ディーゼル油の1つ以上は、アルコールストリームと組み合わされて本発明に係る燃料ブレンドを形成する。いくつかの実施形態では、次の燃料ストリーム、すなわち、直留ジェット油(灯油)、水素化処理直留ジェット油、スイートニング処理直留ジェット油(除去または低減された硫化水素ガス)、または水素化分解ジェット油の1つ以上は、アルコールと組み合わされてジェット燃料ブレンドを形成することが可能である(図示せず)。いくつかの実施形態では、次の燃料ストリーム、すなわち、直留ディーゼル油(加熱用燃料)、水素化処理ディーゼル油、または水素化分解ディーゼル油の1つ以上は、アルコールと組み合わされてディーゼル燃料ブレンド350を形成することが可能である。
【0114】
本明細書に提示されたシステムおよびプロセスのいくつかの実施形態では、アルコールストリーム210は、エタノールまたはブタノールである。本明細書に提示されたシステムおよびプロセスのいくつかの実施形態では、アルコールストリーム210は、エタノールである。本明細書に提示されたシステムおよびプロセスのいくつかの実施形態では、アルコールストリーム210は、ブタノールである。本明細書に提示されたシステムおよびプロセスのいくつかの実施形態では、アルコールストリーム210は、バイオブタノールである。本明細書に提示されたシステムおよびプロセスのいくつかの実施形態では、アルコールストリーム210は、イソブタノールである。
【0115】
本明細書に提示されたシステムおよびプロセスのいくつかの実施形態では、成分ストリームは、連続ブレンディングにより組み合わされて、所与の組成の燃料ブレンド250、350、または350’を達成する。いくつかの実施形態では、ストリームは、ワイルドストリーム連続ブレンディングにより組み合わされる。この場合、ストリームの1つは、モニターされる「ワイルド」または無制御のフローであり、他のストリームは、所与の組成の燃料ブレンド250、350、または350’を達成するように、無制御ストリームの速度に基づいて必要速度で計量される。所要により、燃料ブレンドの任意の追加の成分のために、1つ以上の追加のストリーム、関連バルブなどを追加しうるであることは、明らかなはずである。いくつかの実施形態では、アルコールストリーム210または210’は、精製所もしくはその近傍に位置する貯蔵タンクから槽200もしくは380(
図1および2参照)に供給することが可能であるか、または他の選択肢として、たとえば、製造プラントの精製セクションから直接送出されたる連続プロセスストリームでありうる。以上の成分ストリームは、同一の精製所から提供することが可能である。しかしながら、使用されるストリームのいずれか1つは、外部源から提供することが可能であるが、本発明では、成分ストリームは、現場の精製所でストリームとして生成されることが好ましい。
【0116】
そのほかに、精製所の全二酸化炭素(CO
2)排出は、含酸素燃料でブタノールを使用することにより、低減可能である。精製所のCO
2排出は、限定されるものではないが、(i)ブタノールの高オクタン価への寄与により、オクタン価の要件を増大させる必要性を低減することが可能であり、したがって、リフォーミングユニットのスループットおよび過酷度を低減することが可能であるので、リフォーミングユニットでの、(ii)ブタノールの高オクタン価への寄与により、オクタン価の要件を低減することが可能であり、したがって、異性化ユニットのスループットおよび過酷度を低減することが可能であるので、異性化ユニットでの、(iii)一般的にはベンゼンを含まないまたは痕跡量のベンゼンを含有するにすぎないブタノールの使用により、精製所のベンゼン破壊の要件を低減することが可能であり、したがって、ベンゼン飽和化ユニットのスループットおよび過酷度を低減することが可能であるので、ベンゼン飽和化ユニットでの、(iv)一般的には硫黄を含まないまたは痕跡量の硫黄を含有するにすぎないブタノールの使用により、ガソリンプールの硫黄濃度を低減することが可能であり、したがって、脱硫ユニットのスループットおよび過酷度を低減することが可能であるので、ナフサ脱硫ユニットでの、および(v)ブタノールの使用により、FCCナフサカットポイントを低下させることが可能であり、これにより、FCCナフサストリーム中の高硫黄成分の濃度を低減することが可能であり、したがって、FCC脱硫装置(ScanFiner)のスループットおよび過酷度を低減することが可能であるので、FCCナフサ脱硫ユニットでの、エネルギー消費量の低減を含めて、いくつかの方法で低減可能である。そのほかに、含酸素燃料でブタノールを使用することにより、同一量の燃料を製造するために精製する必要のある原油がより少なくなるので、精製所の二酸化炭素(CO
2)排出を低減することも可能である。
【実施例】
【0117】
以下の比較例により、本発明に係る燃料ブレンディングプロセスを例示する。
【0118】
実施例1: アルコールブレンディング
実施例1は、実質的に等価なエタノール燃料ブレンディングのシステムおよびプロセス(最終ブレンド燃料中10vol%のエタノール)と比較して、図示されたならびに
図1および2を参照して以上に説明された石油精製所100または300のプロセス概略図に実質的に従ったバイオブタノール燃料ブレンディングのシステムおよびプロセス(最終ブレンド燃料中16vol%のバイオブタノール)のプロセスモデルシミュレーションを提供する。
【0119】
4つの精製地域、すなわち、のそれぞれに対して、プロセスモデル(LPモデル)を開発した。米国湾岸地域(USGC)、米国California地域(USCG)、米国中西部地域、および欧州北西部。PIMS(商標)ソフトウェア(Aspen Tech)を用いて、LPモデルを開発した。生成物品質および処理構成の参照年は、2015年であった。各LPモデルは、地域の精製所の処理構成および制約条件を代表し、100,000バレル/稼働日数(bsd)の原油処理能力に規格化された。測定構成は、USGC 重質サワー分解、米国中西部 重質サワーコーキング、California 重質サワーコーキング、および欧州北西部:分解、水素化分解、およびハイドロスキミングの構成であった。
【0120】
LPモデルにより、一群の供給原料および生成物価格に基づいて、精製所の運転を決定し、収益性(目的関数)を最大化した。LPモデルでは、供給原料を購入し、利用可能なプロセスユニットの容量および能力を利用し、変動運転コストを考慮し、そして規格生成物の製造および販売を行う。3つの価格セット、すなわち、基準値の場合、安値の場合、および高値の場合を使用した。価格は、2015年期限に相当した。エタノールおよびバイオブタノールの入力購入価格を同等に加重平均完成ガソリン価格に設定した。所与のシナリオに対してエタノールの場合とバイオブタノールの場合との精製所収益性の差は、エタノールに対するブタノールのガソリンブレンディングの価値を表した。
【0121】
バイオブタノールおよびエタノールの以下のブレンディングの性質を使用した。
【0122】
【表1】
【0123】
それに加えて、エタノールRVPウェーバーを用いてまたは用いずに、USGCおよび中西部の場合を試験した。夏グレードの従来のガソリンに関する1.0ポンド/平方インチゲージ(psig)のエタノールRVPウェーバーは、従来の冬グレード、RFG、またはカリフォルニア大気資源委員会(California Air Resources Board)(CARB)ガソリンに適合しない。V/L規格(連邦ではなく州の規制)は、州規制に従ってエタノールを受け入れるように緩和された。プレミアムグレードのガソリンは、米国市場ではガソリンプールの15%に固定された。
【0124】
地域のLPモデルを実際の地域の製造と比較して、ガソリン対留出油比を含めて、精製所収量が代表的であったことを確認した。この比自体は、固定しなかった。2つのバイオブタノールの場合、すなわち、拘束の場合および非拘束の場合を各シナリオで試験した。バイオブタノールの拘束の場合、非含酸素ガソリン製造量をエタノールの場合と等しく保った。他の運転パラメーターは、通常どおり調整可能にした。バイオブタノールの非拘束の場合、LPによりガソリン製造量を調整可能にした。
【0125】
モデルの精製所は、FCCナフサの硫黄含有率の低減に利用可能な2つの選択肢を有していた。利用可能な場合、精製所は、減圧ガス油(VGO)水素化処理を利用してFCC供給原料を脱硫可能であり、FCCナフサScanFiningの無制限の利用を行った。それに加えて、精製所は、ベンゼン規格を満たすようにベンゼン飽和化ユニットの容量の無制限の利用を行った。モデルの米国の精製所は、ベンゼン−トルエン−キシレン(BTX)の容量が与えられなかった。モデルの欧州の精製所は、芳香族物質に富んだリフォーメートストリームを販売する選択肢が与えられた。ディーゼル油製造に関して、完成製造物はすべて、超低硫黄ディーゼル油(ULSD)グレードとみなされた。最後に、精製所でアスファルトの製造が許容された以外は、溶媒や潤滑油などの特殊生成物は、モデルでは許容されなかった。
【0126】
結果:
LPモデルの結果から、バイオブタノールは、エタノールよりも優れた有意なブレンディングの長所および追加の価値を有することが示される。精製所LPモデルは、エタノールを低RVPガソリン中にブレンドする場合、きわめて拘束され、典型的には、軽質ナフサおよびブタンの販売が必要であり、異性化およびリフォーマーのスループットが低減され、かつFCCナフサのカットポイントが低下する。反対に、バイオブタノールをブレンド基材中で使用する場合、精製所は、精製所が従来のブレンド基材(すなわち、含酸素化合物、アルコール、またはそれらの混合物を含まないブレンド基材)を製造する場合に類似して運転されることが、LPモデルにより確認された。言い換えれば、バイオブタノールをブレンド基材として使用した場合、精製所は、より典型的な旧来の運転に戻ることが、LPモデルにより予測された。
【0127】
それに加えて、バイオブタノールまたはエタノールをブレンド基材中にブレンドすることにより、主に、硫黄、ベンゼン、および他の成分たとえば芳香族物質が少なくブレンドされるので、いくつかの精製所投資は、低減または排除されことが、LPモデルにより確認された。バイオブタノールをブレンドすることにより、硫黄およびベンゼンの低減の追加の投資を行うことなく、供給原料の増量/アップグレードまたは変更が可能であり、精製所ではそのようなプロセスをより低いスループットで実施可能であった。
【0128】
実施例2: オクタン価処理の低減
実施例2は、実質的に等価なエタノール燃料ブレンディングのシステムおよびプロセス(最終ブレンド燃料中10vol%のエタノール)ならびにアルコールブレンディングを含まないシステムおよびプロセスと比較して、図示されたおよび
図1を参照して以上に説明された石油精製所100のプロセス概略図に実質的に従ったバイオブタノール燃料ブレンディングのシステムおよびプロセス(最終ブレンド燃料中16vol%のバイオブタノール)のプロセスモデルシミュレーションを提供する。
【0129】
ブタノールおよびエタノールは、完成ガソリンを作製すべく慣例に従ってブレンドされる他の成分と比較して、比較的高いオクタン価を有する。実施例1に記載のLPモデル結果の分析から、USCGガソリン用のバイオブタノールブレンディングのシステムおよびプロセスは、アルコールとブレンドしない同等の精製所と比較して、精製所のオクタン価アップグレーディングユニットのスループット(すなわち、異性化ユニットおよびリフォーマーユニットのスループットの合計)が17%〜41%低下したことが示された。また、LPモデル出力の分析から、USCGガソリン用のバイオブタノールブレンディングのシステムおよびプロセスは、エタノールとブレンドする同等の精製所と比較して、精製所のオクタン価アップグレーディングユニットのスループット(すなわち、異性化ユニットおよびリフォーマーユニットのスループットの合計)が最大15%低下したことが示された。したがって、LPモデルに基づいて、アルコールとガソリンとのブレンディングにより、改質や異性化などの石油精製所のオクタン価アップグレーディングユニットのスループットおよび過酷度が低減された。それに加えて、ブタノールとガソリンとのブレンディングにより、エタノール(10vol%)と比較してブタノールの高い許容ブレンディング比(16vol%)、FCCカットポイントの低下、および水素化処理の低減に起因して、石油精製所の1つ以上のオクタン価アップグレーディングユニットのスループットおよび過酷度がさらに低減された。
【0130】
実施例3: 水素化処理、異性化、および/またはベンゼン飽和化の低減
実施例3は、実質的に等価なエタノール燃料ブレンディングのシステムおよびプロセス(最終ブレンド燃料中10vol%のエタノール)ならびにアルコールブレンディングを含まないシステムおよびプロセスと比較して、図示されたおよび
図1を参照して以上に説明された石油精製所100のプロセス概略図に実質的に従ったバイオブタノール燃料ブレンディングのシステムおよびプロセス(最終ブレンド燃料中16vol%のバイオブタノール)のプロセスモデルシミュレーションを提供する。
【0131】
実施例1に記載のLPモデル結果の分析から、USCGガソリン用のバイオブタノールブレンディングのシステムおよびプロセスは、アルコールとブレンドしない同等の精製所と比較して、精製所のFCC scanfining(水素化処理)ユニットのスループットが15%〜97%低下したことが示された。また、LPモデル出力の分析から、USCGガソリン用のバイオブタノールブレンディングのシステムおよびプロセスは、エタノールとブレンドする同等の精製所と比較して、精製所のFCC scanfining(水素化処理)ユニットのスループットが最大98%低下したことが示された。したがって、LPモデルに基づいて、アルコールとガソリンとのブレンディングにより、ベンゼンや硫黄などのガソリン中の望ましくない規制物質の量が希釈され、石油精製所の水素化処理ユニット、異性化ユニット、およびベンゼン飽和化ユニットの1つ以上のスループットおよび過酷度が低減された。
【0132】
実施例4: 軽質ナフサのアップグレーディング
実施例4は、実質的に等価なエタノール燃料ブレンディングのシステムおよびプロセス(最終ブレンド燃料中10vol%のエタノール)と比較して、図示されたおよび
図1を参照して以上に説明された石油精製所100のプロセス概略図に実質的に従ったバイオブタノール燃料ブレンディングのシステムおよびプロセス(最終ブレンド燃料中16vol%のバイオブタノール)のプロセスモデルシミュレーションを提供する。
【0133】
ガソリンの最大許容蒸気圧は、地理的地域および季節により変化する既知の規格により規制される。多くの場合、そのような最大許容量は、ガソリン製造時の石油精製所の柔軟性を拘束する。典型的に高い蒸気圧を有する石油精製所の成分としては、軽質ナフサ、ペンタン、およびブタンが挙げられる。そのような成分は、ガソリンの最大許容蒸気圧を超えることなくガソリンとブレンドすることができないので、典型的には、ガソリン以外の目的で石油精製所により利用される(たとえば、比較的安値で販売される)。
【0134】
実施例1に記載のLPモデル結果の分析から、USCGガソリン用のバイオブタノールブレンディングのシステムおよびプロセスは、エタノールとブレンドする同等の精製所と比較して、軽質ナフサおよびベンゼンの利用が3%〜13%増大したことが示された。したがって、ブタノールとガソリンとのブレンディングにより、エタノール(10vol%)と比較してブタノールの高い許容ブレンディング比(16vol%)に起因して、石油精製所ではガソリン中により多くの高蒸気圧成分をブレンドすることが可能であった。
【0135】
実施例5: FCCナフサのカットポイントの低下
実施例5は、実質的に等価なエタノール燃料ブレンディングのシステムおよびプロセス(最終ブレンド燃料中10vol%のエタノール)と比較して、図示されたおよび
図2を参照して以上に説明された石油精製所300のプロセス概略図に実質的に従ったバイオブタノール燃料ブレンディングのシステムおよびプロセス(最終ブレンド燃料中16vol%のバイオブタノール)のプロセスモデルシミュレーションを提供する。
【0136】
エタノールとガソリンとをブレンドする石油精製所では、ガソリンで使用されるFCCナフサとディーゼル油で使用されるサイクル油との間の蒸留カットポイントを上昇させることにより、エタノールの比較的高いブレンディング蒸気圧を補償する。カットポイントの上昇により、より多くの低蒸気圧材料がFCC重質ナフサに投入されるようになり、それにより、エタノールの高い蒸気圧が相殺されてガソリンが規格限界未満に維持される。
【0137】
実施例1に記載のLPモデル結果の分析から、夏グレードガソリン用のバイオブタノールブレンディングのシステムおよびプロセスは、アルコールとブレンドしないまたはエタノールとブレンドする同等の精製所と比較して、留出油収量が4%〜7%増大したことが示された(実施例2および3の結果をも参照されたい)。したがって、LPモデルに基づいて、ブタノールとガソリンとをブレンドする石油精製所では、蒸留カットポイントは、エタノールをブレンドする石油精製所のカットポイントよりも低く、この結果、ディーゼル油生成物量が増大し、オクタン価処理が低減し、かつFCCナフサハイドロトリーター350のスループットおよび過酷度が低減する。
【0138】
本発明の種々の実施形態を以上に説明してきたが、それらは、単に例として提示されたものであり、限定されるものではないことを理解すべきである。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、それらの形式および細部に種々の変更を行いうることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の広がりおよび範囲は、以上に記載の例示的実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物よってのみ規定されるべきである。
【0139】
本明細書に挙げた出版物、特許、および特許出願はすべて、本発明が関連する当業者の技術レベルの指標となり、あたかもそれぞれ個々の刊行物、特許、または特許出願が具体的かつ個別的に参照により組み入れられたことが示される同程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。