【文献】
”マインクラフト”,電撃PlayStation,株式会社KADOKAWA,2015年 5月14日,第21巻, 第17号,p.8-27
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第二表示態様記憶手段により記憶された、他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を特定するための表示態様が、表示態様の特定の対象となる配置オブジェクトの属性に応じた表示内容と、該配置オブジェクトと隣接する配置オブジェクトの属性に応じた表示内容を含むものである、請求項2に記載のプログラム。
第一表示態様記憶手段が、他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様として、オブジェクトの属性毎に、仮想空間の水平方向に平行な上下面の表示態様と、水平方向に垂直な側面の表示態様とを記憶するものであり、
第一表示態様特定手段が、第一表示態様記憶手段に記憶された上下面と側面の表示態様をもとに、配置オブジェクトの他の配置オブジェクトと接触しない面が、仮想空間の水平方向に平行な上下面であるか、水平方向に垂直な側面であるかに応じて、表示態様を特定する、請求項4に記載のプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。以下、効果に関する記載は、本発明の実施の形態の効果の一側面であり、ここに記載するものに限定されない。また、以下で説明するフローチャートを構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同である。
【0011】
[第一の実施の形態]
次に、本発明の第一の実施の形態の概要について説明をする。
図1は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、コンピュータ装置の構成を示すブロック図である。コンピュータ装置1は、オブジェクト配置部101、第一表示態様特定部102、第二表示態様特定部103、及び、描画部104を少なくとも備える。
【0012】
オブジェクト配置部101は、仮想空間内に、属性が付与され、付与された属性に応じた表示態様を有する直方体状のオブジェクトを配置する機能を有する。第一表示態様特定部102は、配置された配置オブジェクトの他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を、配置オブジェクトの属性にしたがって特定する機能を有する。
【0013】
第二表示態様特定部103は、相互に隣接し、且つ、属性が異なる複数の配置オブジェクトの少なくともいずれか一方について、他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を、配置オブジェクトの属性及び隣接する配置オブジェクトの属性に応じて特定する機能を有する。描画部104は、第一表示態様特定部102により特定された表示態様、及び、第二表示態様特定部103により特定された表示態様にしたがって、配置オブジェクトを表示画面に表示するための描画を行う機能を有する。
【0014】
本発明の第一の実施の形態におけるプログラム実行処理について説明する。
図2は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
【0015】
コンピュータ装置1は、仮想空間内に、属性が付与され、付与された属性に応じた表示態様を有する直方体状のオブジェクトを配置する(ステップS1)。配置された配置オブジェクトの他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を、配置オブジェクトの属性にしたがって特定する(ステップS2)。
【0016】
相互に隣接し、且つ、属性が異なる複数の配置オブジェクトの少なくともいずれか一方について、他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を、配置オブジェクトの属性及び隣接する配置オブジェクトの属性に応じて特定する(ステップS3)。そして、第一表示態様特定手段により特定された表示態様、及び、第二表示態様特定手段により特定された表示態様にしたがって、配置オブジェクトを表示画面に表示するための描画を行い(ステップS4)、終了する。
【0017】
第一の実施の形態において、第二表示態様特定手段は、第一表示態様特定手段に優先して実行される。
【0018】
第一の実施の形態の一側面として、隣接するオブジェクトの境界線が自然なものとなるように表示することができる。
【0019】
第一の実施の形態において、「コンピュータ装置」とは、例えば、デスクトップ型又はノート型パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、又は、PDA等をいい、表示画面がタッチパネルセンサを備える携帯型端末であってもよい。「仮想空間」とは、例えば、コンピュータやネットワーク上の仮想的な空間であって、ゲーム内の空間をいう。
【0020】
「属性」とは、例えば、オブジェクトの性質又は特徴をいう。「オブジェクト」とは、例えば、有形の物体であって、仮想空間に配置可能なものをいう。「表示画面」とは、例えば、映画のスクリーンやテレビのブラウン管の上の表示された画像をいう。「描画」とは、例えば、画像を生成することをいう。
【0021】
[第二の実施の形態]
次に、本発明の第二の実施の形態の概要について説明をする。第二の実施の形態におけるコンピュータ装置の構成は、
図1のブロック図に示されるものと同じ構成を採用することができる。
【0022】
コンピュータ装置1は、オブジェクト配置部101、第一表示態様特定部102、第二表示態様特定部103、及び、描画部104を少なくとも備える。
【0023】
オブジェクト配置部101は、仮想空間内に、属性が付与され、付与された属性に応じた表示態様を有する直方体状のオブジェクトを配置する機能を有する。第一表示態様特定部102は、配置された配置オブジェクトの他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を、配置オブジェクトの属性にしたがって特定する機能を有する。
【0024】
相互に隣接する配置オブジェクトのうち、いずれの配置オブジェクトの表示態様を特定するかについての優先度が、属性毎に設定されており、第二表示態様特定部103は、相互に隣接する配置オブジェクトのうち、優先度の低い属性を有する配置オブジェクトの表示態様について、他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を、配置オブジェクトの属性及び隣接する配置オブジェクトの属性に応じて特定する機能を有する。描画部104は、第一表示態様特定部102により特定された表示態様、及び、第二表示態様特定部103により特定された表示態様にしたがって、配置オブジェクトを表示画面に表示するための描画を行う機能を有する。
【0025】
本発明の第二の実施の形態におけるプログラム実行処理について説明する。第二の実施の形態におけるプログラム実行処理のフローチャートは、
図1のフローチャートに示されるものと同じ構成を採用することができる。
【0026】
コンピュータ装置1は、仮想空間内に、属性が付与され、付与された属性に応じた表示態様を有する直方体状のオブジェクトを配置する(ステップS1)。配置された配置オブジェクトの他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を、配置オブジェクトの属性にしたがって特定する(ステップS2)。
【0027】
相互に隣接する配置オブジェクトのうち、優先度の低い属性を有する配置オブジェクトの表示態様について、他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を、配置オブジェクトの属性及び隣接する配置オブジェクトの属性に応じて特定する(ステップS3)。そして、第一表示態様特定手段により特定された表示態様、及び、第二表示態様特定手段により特定された表示態様にしたがって、配置オブジェクトを表示画面に表示するための描画を行い(ステップS4)、終了する。
【0028】
第二の実施の形態において、第二表示態様特定手段は、第一表示態様特定手段に優先して実行される。
【0029】
第二の実施の形態の一側面として、隣接するオブジェクトの境界線が自然なものとなるように表示することができる。
【0030】
第二の実施の形態において、「コンピュータ装置」、「仮想空間」、「属性」、「オブジェクト」、「表示画面」、及び、「描画」とは、それぞれ第一の実施形態において記載した内容と同一である。
【0031】
[第三の実施の形態]
次に、本発明の第三の実施の形態の概要について説明する。
図3は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、コンピュータ装置の構成を示すブロック図である。コンピュータ装置1は、制御部11、RAM(Random Access Memory)12、ストレージ部13、サウンド処理部14、グラフィックス処理部15、DVD/CD−ROMドライブ16、通信インタフェース17、インタフェース部18とを少なくとも備え、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0032】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)から構成される。制御部11は、ストレージ部13や記録媒体24に格納されたプログラムを実行し、コンピュータ装置1の制御を行う。また、制御部11は時間を計時する内部タイマを備えている。RAM12は、制御部11のワークエリアである。ストレージ部13は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。
【0033】
DVD/CD−ROMドライブ16は、DVD−ROMやCD−ROMなどのプログラムが格納された記録媒体24を装着することが可能である。記録媒体24には、例えばプログラム及びデータが記憶されている。DVD/CD−ROMドライブ16により、プログラム及びデータが記録媒体24から読み出され、RAM12にロードされる。
【0034】
制御部11は、プログラム及びデータをRAM12から読み出して処理を行う。制御部11は、RAM12にロードされたプログラム及びデータを処理することで、サウンド出力の指示をサウンド処理部14に出力し、描画命令をグラフィックス処理部15に出力する。
【0035】
サウンド処理部14は、スピーカであるサウンド出力装置21に接続されている。制御部11がサウンド出力の指示をサウンド処理部14に出力すると、サウンド処理部14はサウンド出力装置21にサウンド信号を出力する。
【0036】
グラフィックス処理部15は表示装置22に接続されている。表示装置22は表示画面23を有している。制御部11が描画命令をグラフィックス処理部15に出力すると、グラフィックス処理部15は、ビデオメモリ(フレームバッファ)19に画像を展開し、表示画面23上に画像を表示するためのビデオ信号を出力する。グラフィックス処理部15は、フレーム単位で1枚の画像の描画を実行する。画像の1フレーム時間は、例えば30分の1秒である。グラフィックス処理部15は、制御部11だけで行ってきた描画に関する演算処理の一部を受け持ち、システム全体の負荷を分散させる役割を有する。
【0037】
インタフェース部18には入力部20(例えば、マウスやキーボード等)が接続され得る。ユーザによる入力部20からの入力情報はRAM12に格納され、制御部11は入力情報をもとに各種の演算処理を実行する。あるいは、インタフェース部18に記憶媒体読取装置を接続し、メモリ等からプログラム及びデータ等を読み込むことも可能である。また、タッチパネルを備えた表示装置22を入力部20とすることもできる。
【0038】
通信インタフェース17は無線又は有線により通信ネットワーク2に接続が可能であり、通信ネットワーク2を介して他のコンピュータ装置との間で情報の送受信を行うことが可能である。
【0039】
次に、本発明の第三の実施の形態におけるプログラム実行処理について説明する。プログラム実行処理は、制御部11において実行される。
図4は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
【0040】
仮想空間内にオブジェクトが配置される(ステップS11)。仮想空間内は、同一の形状及び大きさを有し、且つ、相互に直交する3つの軸方向のそれぞれに整列した、複数の直方体状の仮想ボックスが設定されており、配置されるオブジェクトは、仮想ボックスと同一の形状及び大きさを有している。オブジェクトは、仮想ボックスの形状と重なるように配置される。
【0041】
ステップS11〜S24までの処理は、仮想世界内に配置された、すべてのオブジェクトについて処理が完了されるまで、繰り返し実行される。まず、処理の対象となる処理オブジェクトが特定される(ステップS12)。次いで、特定された処理オブジェクトの優先度(A)を、RAM12又はストレージ部13のオブジェクトマスタテーブルから取得する(ステップS13)。
【0042】
図5は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、オブジェクトマスタテーブルを表す図である。オブジェクトマスタテーブル30には、オブジェクトID31と関連付けて、オブジェクトの属性32、オブジェクトの種類33及び優先度34が記憶されている。ステップS13では、処理オブジェクトに対応するオブジェクトID31から、優先度(A)が特定される。
【0043】
ところで、オブジェクトには、例えば、「土」、「草」、「水」、「砂」など複数の属性32のうちのいずれかが設定されている。また、同じ属性32であっても、複数の種類のオブジェクトが用意されている。例えば、「土」の属性32のオブジェクトとして、「土」、「粘土」、「岩」のオブジェクトが存在する。同じ属性であっても、種類33に応じてオブジェクトの表示態様が異なるため、オブジェクトの表示にバリエーションを持たせることができる。
【0044】
オブジェクトは6つの面から構成されるが、ステップS14〜S22までの処理は、そのうちの全ての面についての処理が完了されるまで、繰り返し実行される。まず、処理オブジェクトの6つ面のいずれか1つの面が、処理の対象となる処理面として特定される(ステップS14)。
【0045】
次に、処理面が他のオブジェクトと非接触であるか否かについて判定される(ステップS15)。仮想ボックスは、同一の形状及び大きさを有し、且つ、相互に直交する3つの軸方向のそれぞれに整列したものであり、オブジェクトは、仮想ボックスの形状と重なるように配置されるため、2つのオブジェクトが隣接するように配置された場合、オブジェクトの6つの面のうち、1つの面については、他方のオブジェクトの面と接した状態となり、外部から視認できなくなる。そのため、他方のオブジェクトの面と接していない面のみについて、表示態様が特定されることになる。
【0046】
ステップS15にて、処理面が他のオブジェクトと非接触でないと判定された場合、つまり、他のオブジェクトと接触していると判定された場合(ステップS15にてNO)、処理の対象となる面が次の面へ移行し(ステップS23)、次の処理面についてステップS14〜S22までの処理が実行される。
【0047】
一方、ステップS15にて、処理面が他のオブジェクトと非接触であると判定された場合(ステップS15にてYES)、ステップS16〜S19までの処理が実行される。ステップS16〜S19までの処理は、処理対象となっている処理オブジェクトと隣接する隣接オブジェクトについて処理が完了されるまで、繰り返し実行される。
【0048】
ステップS16〜S19において処理の対象となる隣接オブジェクトは最大4つである。例えば、オブジェクトが立方体であり、処理面が正方形である場合、処理面を構成する各辺を共有することができる隣接オブジェクトは最大4つである。この処理面の各辺を共有する隣接オブジェクトが、ステップS16〜S19の処理の対象となる。なお、処理の対象となる隣接オブジェクトがない場合は、ステップS16〜S19までの処理は実行されずに、ステップS20へ進む。
【0049】
まず、処理の対象となっている隣接オブジェクトの優先度(B)をRAM12またはストレージ部13のオブジェクトマスタテーブルから取得する(ステップS16)。次に、ステップS16にて取得した優先度(B)よりも、ステップS13にて取得した優先度(A)が大きいか否かの判定を行う(ステップS17)。
【0050】
図5に示すように、例えば、処理オブジェクトのオブジェクトIDが「Obj−001」であり、隣接オブジェクトのオブジェクトIDが「Obj−004」である場合は、優先度(A)は「2」、優先度(B)は「3」であるため、優先度(B)の方が大きいと判定される。また、例えば、処理オブジェクトのオブジェクトIDが「Obj−001」であり、隣接オブジェクトのオブジェクトIDが「Obj−007」である場合は、優先度(A)は「2」、優先度(B)は「0」であるため、優先度(A)の方が大きいと判定される。
【0051】
優先度(B)の方が大きいと判定された場合(ステップS17にてYES)は、変化フラグが設定される(ステップS18)。変化フラグが設定されると、次の隣接オブジェクトについての処理へ移行し(ステップS19)、ステップS16からの処理が開始される。一方、優先度(B)の方が大きいと判定されなかった場合、つまり、優先度(A)と優先度(B)が同じか、或いは、優先度(A)の方が優先度(B)よりも大きいと判定された場合(ステップS17にてNO)は、変化フラグを設定せずに、次の隣接オブジェクトについての処理へ移行する(ステップS19)。
【0052】
一方、優先度(B)の方が大きいと判定されなかった場合、つまり、優先度(A)と優先度(B)が同じか、或いは、優先度(A)の方が優先度(B)よりも大きいと判定された場合(ステップS17にてNO)は、変化フラグを設定せずに、次の隣接オブジェクトについての処理へ移行する(ステップS19)。
【0053】
処理の対象となる全ての隣接オブジェクトについて、ステップS16〜S19までの処理が完了すると、ステップS20以降の処理へ移行する。まず、処理対象となっている処理面について変化フラグが設定されているか否かの判定が行われる(ステップS20)。
【0054】
ステップS18において、いずれかの隣接オブジェクトとの優先度の比較により変化フラグが設定されていない場合(ステップS20にてNO)は、テクスチャマスタテーブルにしたがって、処理オブジェクトの属性に対応するテクスチャが第一表示態様として特定され、処理面に特定されたテクスチャが貼付される(ステップS22)。
【0055】
変化フラグが設定されていない場合として考えられるケースとして、例えば、処理オブジェクトに隣接するオブジェクトがない場合か、隣接するオブジェクトがあっても、処理オブジェクトよりも優先度が高いオブジェクトと隣接していない場合であり、このような場合は、隣接オブジェクトの属性に関係なく、処理オブジェクトの属性に応じたテクスチャが処理面に貼付される。また、人工物を表現する場合には、オブジェクトの境界をあえて明確に表現したい場合がある。このような場合には、オブジェクトに変化フラグが設定されない特別な設定をするようにしてもよい。
【0056】
なお、ステップS22において、処理面が、仮想空間の水平方向に平行な上下面であるか、水平方向に垂直な側面であるかに応じて、異なるテクスチャを貼付してもよい。同じオブジェクトでも、上下面であるか側面であるかに応じて、それにあわせた表示をすることで、リアリティのあるオブジェクト表示をすることができる。
【0057】
図6は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、テクスチャマスタテーブルを表す図である。例えば、
図6のテクスチャマスタテーブル40には、テクスチャID41と関連付けて、オブジェクトID42、オブジェクトの属性43、隣接オブジェクトの種類44及びテクスチャデータ45が記憶されている。
【0058】
ステップS22においては、オブジェクトに対応するテクスチャが表示態様として特定されるため、テクスチャマスタテーブル40の隣接オブジェクトの種類44が「なし」と設定されているテクスチャが採用される。例えば、処理オブジェクトのオブジェクトID42が「Obj−001」である場合は、テクスチャID「txt0001」に対応する「土」のテクスチャデータが処理面に貼付され、処理オブジェクトのオブジェクトID42が「Obj−004」である場合は、テクスチャID「txt0101」に対応する「草原」のテクスチャデータが処理面に貼付される。
【0059】
一方、ステップS18において、いずれかの隣接オブジェクトとの優先度の比較により変化フラグが設定されている場合(ステップS20にてYES)、テクスチャマスタテーブルにしたがって、処理オブジェクトと隣接オブジェクトに対応するテクスチャが第二表示態様として特定され、処理面に特定されたテクスチャが貼付される(ステップS21)。
【0060】
ステップS21では、処理オブジェクト及び隣接オブジェクトに対応するテクスチャが表示態様として特定されるため、処理面のオブジェクトと、変化フラグの設定のもととなった隣接オブジェクトの種類に応じて、テクスチャマスタテーブル40を参照することで、貼付するテクスチャが特定される。
【0061】
例えば、処理オブジェクトのオブジェクトID42が「Obj−001」であり、変化フラグの設定のもととなった隣接オブジェクトが「草原」である場合は、テクスチャID「txt0002」に対応する「土・草原」のテクスチャデータが処理面に貼付される。また、処理オブジェクトのオブジェクトID42が「Obj−001」であり、変化フラグの設定のもととなった隣接オブジェクトが「草原」、「草原」である場合(つまり、2つの隣接オブジェクトがあり、それらの種類がいずれも「草原」である場合)は、テクスチャID「txt0103」に対応する「土・草原・草原」のテクスチャデータが処理面に貼付される。
【0062】
例えば、テクスチャデータ「土・草原」、「土・草原・草原」は、処理オブジェクトの種類が土であり、隣接オブジェクトの種類が「草原」である場合に処理面に貼付されるものであり、テクスチャの多くの部分が処理オブジェクトの種類に対応する「土」に関する表示内容であり、残りの一部が隣接オブジェクトの種類に対応する「草原」に関する表示内容であることが好ましい。
【0063】
このように処理面を表示することで、オブジェクトが「土」から「草原」へ徐々に変化するように表示することが可能となる。また、より多くの変化フラグが設定された場合に用いられる「土・草原・草原」のテクスチャの方が、「土草原」のテクスチャよりも、隣接オブジェクトの影響が強くなるように、より「草原」に関する表示内容が多くなるように設計することもできる。
【0064】
オブジェクトが立方体である場合、処理面は正方形であり、添付されるテクスチャも正方形である。例えば、テクスチャデータ「土・草原」の場合であれば、テクスチャの正方形の一辺の近傍のみを「草原」に関する表示内容として、残りの大部分を処理オブジェクトの種類に対応する「土」に関する表示内容としてもよい。
【0065】
図7は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、オブジェクトに貼付されたテクスチャを表す図である。
図7に示すように、処理オブジェクト50は、隣接オブジェクト55に隣接している。処理オブジェクト50は「土」に関するオブジェクトであり、隣接オブジェクト55は「草原」に関するオブジェクトである。処理面51のうち、「草原」に関する表示51は、直線状でありながら、その幅を微妙に変化させるように表示されており、処理面50のうち、「草原」に関する表示52以外の部分を「土」に関する表示53が占めている。
【0066】
このように処理面を表示することで、オブジェクト間の境界線が直線にならず、地形を違和感なく表示することが可能となる。なお、この場合、処理オブジェクトの「草原」に関する表示内容が、変化フラグの設定のもととなった隣接オブジェクトに接するように、テクスチャは貼付される。
【0067】
ステップS21又はS22において、処理面の表示態様が特定され、処理面に特定されたテクスチャが貼付されると、処理の対象となる面を次の面へ移行し(ステップS23)、次の処理面について、ステップS14〜S22までの処理が実行される。
【0068】
オブジェクトの全ての面について処理が完了すると、処理の対象となるオブジェクトが次のオブジェクトへ移行し(ステップS24)、次の処理オブジェクトについて、ステップS12〜S23までの処理が実行される。仮想空間内に配置された全てのオブジェクトについて、ステップS12〜S23までの処理が実行されると、仮想空間内を透視変換し、生成された画像をグラフィックス処理部15にて描画処理を実行する(ステップS25)。
【0069】
第三の実施の形態の一側面として、オブジェクトの属性と、該オブジェクトと隣接する隣接オブジェクトの属性との組み合わせに応じて、オブジェクトの他のオブジェクトと接しない面の表示態様を特定しているため、オブジェクトの属性が徐々に変化するように表示することができるため、オブジェクトにより地形を違和感なく表示することが可能となる。
【0070】
第三の実施の形態の一側面として、他のオブジェクトと接触しない面の表示態様を特定するための表示態様が、オブジェクトの属性に応じた表示内容と、該オブジェクトと隣接する配置オブジェクトの属性に応じた表示内容を含むものであるため、オブジェクト間の境界線が直線にならず、地形を違和感なく表示することが可能となる。
【0071】
第三の実施の形態の一側面として、複数の表示態様からオブジェクトの属性に対応する任意の表示態様を、オブジェクトの他のオブジェクトと接触しない面の表示態様として、特定するものであるため、属性が同じでも複数の表示態様でオブジェクトを表示することができ、リアリティのあるオブジェクト表示をすることができる。
【0072】
第三の実施の形態の一側面として、オブジェクトの他のオブジェクトと接触しない面が、仮想空間の水平方向に平行な上下面であるか、水平方向に垂直な側面であるかに応じて、表示態様を特定するものであるため、同じオブジェクトでも、上下面か側面かによって表示態様が異なるため、リアリティのあるオブジェクト表示をすることができる。
【0073】
第三の実施の形態において、「コンピュータ装置」、「仮想空間」、「属性」、「オブジェクト」、「表示画面」、及び、「描画」とは、それぞれ第一の実施形態において記載した内容と同一である。第三の実施の形態において、「テクスチャ」とは、例えば、オブジェクトの表面の色や模様を表現するための画像である。
【0074】
[第四の実施の形態]
次に、本発明の第四の実施の形態の概要について説明する。第四の実施の形態におけるコンピュータ装置の構成は、
図3のブロック図に示されるものと同じ構成を採用することができる。また、第四の実施の形態におけるプログラム実行処理のフローチャートは、一部を除き、
図4に示されるものと同じフローチャートを採用することができる。
【0075】
第三の実施の形態においては、処理オブジェクトに、属性が異なる隣接オブジェクトが配置されている場合に、処理オブジェクトの他のオブジェクトと接触しない面の表示態様を、処理オブジェクトと隣接オブジェクトに応じて特定することについて説明したが、例えば、隣接オブジェクトが配置されていない場合においても、本発明を適用することが可能である。つまり、隣接オブジェクトが配置されていないことは、処理オブジェクトに隣接する仮想ボックスに、透明なオブジェクトが配置されていることと同義である。
【0076】
図4のフローチャートにおいて、ステップS11〜S14までの処理は、第三の実施の形態と同様である。ステップS15における判定は行われずに、ステップS14の処理後、ステップS16の処理が実行される。
【0077】
ステップS16では、処理オブジェクトに隣接する透明オブジェクトの優先度(B)をRAM12またはストレージ部13のオブジェクトマスタテーブルから取得する。あるいは、透明オブジェクトの優先度は、他のいずれのオブジェクトの優先度より大きくなるように予め定めておくようにしてもよい。
【0078】
次に、ステップS16にて取得した優先度(B)よりも、ステップS13にて取得した処理オブジェクトの優先度(A)が大きいか否かの判定を行う(ステップS17)。通常は、処理オブジェクトの優先度(A)よりも、透明オブジェクトの優先度(B)が大きくなるように設定されている。優先度(B)の方が大きいと判定された場合(ステップS17にてYES)は、変化フラグが設定される(ステップS18)。変化フラグが設定されると、次の隣接オブジェクトについての処理へ移行し(ステップS19)、ステップS16からの処理が開始される。
【0079】
処理の対象となる全ての隣接オブジェクトについて、ステップS16〜S19までの処理が完了すると、ステップS20以降の処理へ移行する。まず、処理対象となっている処理面について、変化フラグが設定されているか否かの判定が行われる(ステップS20)。
隣接する透明オブジェクトをもとに変化フラグが設定されている場合(ステップS20にてYES)、テクスチャマスタテーブルにしたがって、処理オブジェクトと隣接する透明オブジェクトに対応するテクスチャが第二表示態様として特定され、処理面に特定されたテクスチャが貼付される(ステップS21)。
【0080】
オブジェクトが立方体である場合、処理面は正方形であり、添付されるテクスチャも正方形である。例えば、処理対象のオブジェクトの種類が「土」であるような場合、テクスチャの正方形の一辺の近傍のみを「土」の色とは異なる色を表示し、残りの大部分を処理オブジェクトの種類に対応する「土」に関する表示内容とすることができる。
【0081】
この場合、「土」の色とは異なる色を、正方形の一辺に沿うように表示することができる。このように処理面を表示することで、処理オブジェクトが透明オブジェクトと隣接する場合は、処理オブジェクトの輪郭を表示することができる。
【0082】
第四の実施の形態において、隣接するオブジェクトがない場合あるいは隣接するオブジェクトが透明オブジェクトである場合について図を用いて説明する。
【0083】
図8は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、オブジェクトに対するテクスチャの貼付に関して表す図である。
図8(a)及び(b)はいずれも、仮想空間内に存在する仮想カメラを視点とした画像であり、仮想空間内の草原の一例を表し、配置されたオブジェクトにより生じた段差を確認することができる。
【0084】
図8(a)は、上述のステップS21におけるテクスチャを貼付する前の画像である。一方、
図8(b)は、ステップS21におけるテクスチャを貼付した後の画像である。
図8(a)に示すように、同一の種類のオブジェクトが配置されている場合には、仮想カメラの角度によっては段差があることがわからないという問題があった。しかし、
図8(b)に示すように、テクスチャを貼付することにより、同一の種類のオブジェクトが配置され、段差が生じた場合であっても、ユーザは明確に視認可能となるため、有益である。特に、サンドボックス型ゲームのように、同形のオブジェクトを配置させ、仮想カメラの視点を自由に動かすことができるゲームにおいて有用である。
【0085】
第四の実施の形態の一側面として、処理オブジェクトに隣接する仮想ボックスにオブジェクトが配置されてない場合(隣接する仮想ボックスに透明オブジェクトが配置されている場合)においても、処理対象の表示態様を通常とは異なる表示態様とすることで、オブジェクトの輪郭を表示することができる。視点からの距離が異なる同じ種類のオブジェクトが重なって表示された場合でも、オブジェクトの違いを視認することが可能となる。そのため、シェーディング等の負荷の大きな処理を行わなくても、視認性よくオブジェクトを表示することができる。
【0086】
第四の実施の形態において、「コンピュータ装置」、「仮想空間」、「属性」、「オブジェクト」、「表示画面」、及び、「描画」とは、それぞれ第一の実施形態において記載した内容と同一である。第四の実施の形態において、「テクスチャ」とは、例えば、オブジェクトの表面の色や模様を表現するための画像である。「透明オブジェクト」とは、例えば、透明なオブジェクトである場合だけでなく、処理の対象であるオブジェクトに隣接る仮想ボックスにオブジェクトが配置されていない場合も含む概念である。
【0087】
[付記]
上で述べた実施の形態の説明は、下記の発明を、発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
【0088】
[1] コンピュータ装置において実行されるプログラムであって、
コンピュータ装置を、
仮想空間内に、属性が付与され、付与された属性に応じた表示態様を有する直方体状のオブジェクトを配置するオブジェクト配置手段、
配置された配置オブジェクトの他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を、配置オブジェクトの属性にしたがって特定する第一表示態様特定手段、
相互に隣接し、且つ、属性が異なる複数の配置オブジェクトの少なくともいずれか一方について、他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を、配置オブジェクトの属性及び隣接する配置オブジェクトの属性に応じて特定する第二表示態様特定手段、
第一表示態様特定手段により特定された表示態様、及び、第二表示態様特定手段により特定された表示態様にしたがって、配置オブジェクトを表示画面に表示するための描画を行う描画手段
として機能させ、
第二表示態様特定手段が、第一表示態様特定手段に優先して実行される、プログラム。
【0089】
[2] 相互に隣接する配置オブジェクトのうち、いずれの配置オブジェクトの表示態様を特定するかについての優先度が、属性毎に設定されており、
第二表示態様特定手段が、相互に隣接する配置オブジェクトのうち、優先度の低い属性を有する配置オブジェクトの表示態様を特定する、[1]に記載のプログラム。
【0090】
[3] コンピュータ装置を、
第二表示態様特定手段により特定される他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を記憶する第二表示態様記憶手段
として機能させ、
第二表示態様記憶手段が、第二表示態様特定手段による表示態様の特定の対象となる配置オブジェクトの属性と、該配置オブジェクトと隣接する配置オブジェクトの属性との組み合わせ毎に、他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を特定するための表示態様を記憶するものであり、
第二表示態様特定手段が、配置オブジェクトの属性と、該配置オブジェクトと隣接する配置オブジェクトの属性との組み合わせに応じて、配置オブジェクトの他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を特定する、
[1]又は[2]に記載のプログラム。
【0091】
[4] 第二表示態様記憶手段により記憶された、他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を特定するための表示態様が、表示態様の特定の対象となる配置オブジェクトの属性に応じた表示内容と、該配置オブジェクトと隣接する配置オブジェクトの属性に応じた表示内容を含むものである、[3]に記載のプログラム。
【0092】
[5] コンピュータ装置を、
他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様として、オブジェクトの属性毎に複数の表示態様を記憶する第一表示態様記憶手段
として機能させ、
第一表示態様特定手段が、第一表示態様記憶手段に記憶された複数の表示態様から、配置オブジェクトの属性に対応する任意の表示態様を、配置オブジェクトの他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様として、特定する、[1]〜[4]のいずれかに記載のプログラム。
【0093】
[6] 第一表示態様記憶手段が、他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様として、オブジェクトの属性毎に、仮想空間の水平方向に平行な上下面の表示態様と、水平方向に垂直な側面の表示態様とを記憶するものであり、
第一表示態様特定手段が、第一表示態様記憶手段に記憶された上下面と側面の表示態様をもとに、配置オブジェクトの他の配置オブジェクトと接触しない面が、仮想空間の水平方向に平行な上下面であるか、水平方向に垂直な側面であるかに応じて、表示態様を特定する、[1]〜[5]のいずれかに記載のプログラム。
【0094】
[7]仮想空間内に、属性が付与され、付与された属性に応じた表示態様を有する直方体状のオブジェクトを配置するオブジェクト配置手段と、
配置された配置オブジェクトの他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を、配置オブジェクトの属性にしたがって特定する第一表示態様特定手段と、
相互に隣接し、且つ、属性が異なる複数の配置オブジェクトの少なくともいずれか一方について、他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を、配置オブジェクトの属性及び隣接する配置オブジェクトの属性に応じて特定する第二表示態様特定手段と、
第一表示態様特定手段により特定された表示態様、及び、第二表示態様特定手段により特定された表示態様にしたがって、配置オブジェクトを表示画面に表示するための描画を行う描画手段と
を備え、
第二表示態様特定手段が、第一表示態様特定手段に優先して実行される、コンピュータ装置。
【0095】
[8] コンピュータ装置において実行される実行方法であって、
仮想空間内に、属性が付与され、付与された属性に応じた表示態様を有する直方体状のオブジェクトを配置するオブジェクト配置ステップと、
配置された配置オブジェクトの他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を、配置オブジェクトの属性にしたがって特定する第一表示態様特定ステップと、
相互に隣接し、且つ、属性が異なる複数の配置オブジェクトの少なくともいずれか一方について、他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を、配置オブジェクトの属性及び隣接する配置オブジェクトの属性に応じて特定する第二表示態様ステップと、
第一表示態様特定ステップにより特定された表示態様、及び、第二表示態様特定ステップにより特定された表示態様にしたがって、配置オブジェクトを表示画面に表示するための描画を行う描画ステップと
を有し、
として機能させ、
第二表示態様特定ステップが、第一表示態様特定ステップに優先して実行される、実行方法。
【解決手段】コンピュータ装置において実行されるプログラムであって、属性に応じた表示態様を有するオブジェクトを配置する配置手段S1、他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を、配置オブジェクトの属性にしたがって特定する第一特定手段S2、相互に隣接し、属性が異なる複数の配置オブジェクトについて、他の配置オブジェクトと接触しない面の表示態様を、配置オブジェクトの属性及び隣接する配置オブジェクトの属性に応じて特定する第二特定手段S3、第一特定手段により特定された表示態様及び第二特定手段により特定された表示態様にしたがって、配置オブジェクトを表示画面に描画する描画手段S4として機能させ、第二特定手段が第一特定手段に優先して実行される。