【文献】
Renesas Mobile Europe Ltd.,Definition of eCCE and eREG[online],3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #69,2012年 5月12日,R1-122360,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_69/Docs/R1-122360.zip
【文献】
ZTE,The definitions of eREG and eCCE[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #69,2012年 5月13日,R1-122105,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_69/Docs/R1-122105.zip
【文献】
LG Electronics Inc.,R-PDCCH REG mapping[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #63,2010年11月 9日,R1-106136,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_63/Docs/R1-106136.zip
【文献】
Samsung,R-PDCCH REG/CCE mapping onto PRBs[online],3GPP TSG RAN WG1 #62bis,2010年10月 5日,R1-105403,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_62b/Docs/R1-105403.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
リソース要素グループへのリソース要素の前記割当ては、リソース要素グループに関して循環的であり、したがって、前記第2の所定の順序に従って最後であるリソース要素グループの後に、前記第2の所定の順序に従って最初であるリソース要素グループが続く、
請求項3または請求項4に記載の方法。
リソース要素は、周波数領域における1つのサブキャリアと、時間領域における1つのOFDMシンボルとを占有し、リソースブロックペアは、周波数領域における12個のサブキャリアと、時間領域における12個または14個のOFDMシンボルとを範囲とする、
請求項3から請求項6のいずれかに記載の方法。
前記マッピングは、OFDM通信システムにおいて使用されるリソースブロックペアにおいて普遍的なマッピングであり、したがって、前記マッピングは、前記リソースブロックペア内のリソース要素のいくつかに割り当てられる基準信号とは無関係に適用される、または、
前記マッピングにおいて、前記リソースブロックペアの各リソース要素は、複数のリソース要素グループの1つに割り当てられる、
請求項3から請求項8のいずれかに記載の方法。
リソースブロックペア内のリソース要素グループを送信するために、空間周波数ブロック符号化(SFBC)が使用され、複数のSFBCペアのうちの1つが、各OFDMシンボル内の同じリソース要素グループの2つのリソース要素を使用するように定義され、前記SFBCペアの前記2つのリソース要素は、周波数領域において3つまたは6つのリソース要素だけ隔てられている、
請求項3から請求項13のいずれかに記載の方法。
前記SFBCペアの前記2つのリソース要素のうちの一方が基準信号を送信するために使用される場合、前記SFBCペアの他方のリソース要素はSFBC送信に使用されない、
請求項14に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
ロングタームエボリューション(LTE)
【0003】
WCDMA(登録商標)無線アクセス技術をベースとする第3世代の移動通信システム(3G)は、世界中で広範な規模で配備されつつある。この技術を機能強化または発展・進化させる上での最初のステップとして、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)と、エンハンストアップリンク(高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)とも称する)とが導入され、これにより、極めて競争力の高い無線アクセス技術が提供されている。
【0004】
ユーザからのますます増大する需要に対応し、新しい無線アクセス技術に対する競争力を確保する目的で、3GPPは、ロングタームエボリューション(LTE)と称される新しい移動通信システムを導入した。LTEは、今後10年間にわたり、データおよびメディアの高速伝送ならびに大容量の音声サポートに要求されるキャリアを提供するように設計されている。高いビットレートを提供する能力は、LTEにおける重要な方策である。
【0005】
LTE(ロングタームエボリューション)に関する作業項目(WI)の仕様は、E−UTRA(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access(UTRA):進化したUMTS地上無線アクセス)およびE−UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network(UTRAN):進化したUMTS地上無線アクセスネットワーク)と称され、最終的にリリース8(LTEリリース8)として公開される。LTEシステムは、パケットベースの効率的な無線アクセスおよび無線アクセスネットワークであり、IPベースの全機能を低遅延かつ低コストで提供する。LTEでは、与えられたスペクトルを用いてフレキシブルなシステム配備を達成するために、スケーラブルな複数の送信帯域幅(例えば、1.4MHz、3.0MHz、5.0MHz、10.0MHz、15.0MHz、および20.0MHz)が指定されている。ダウンリンクには、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)をベースとする無線アクセスが採用されている。なぜなら、かかる無線アクセスは、低いシンボルレートのため本質的にマルチパス干渉(MPI)を受けにくく、また、サイクリックプレフィックス(CP)を使用しており、さらに、さまざまな送信帯域幅の構成に対応可能だからである。アップリンクには、SC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access:シングルキャリア周波数分割多元接続)をベースとする無線アクセスが採用されている。なぜなら、ユーザ機器(UE)の送信出力が限られていることを考えれば、ピークデータレートを向上させるよりも広いカバレッジエリアを提供することが優先されるからである。LTEリリース8/9では、数多くの主要なパケット無線アクセス技術(例えば、MIMO(多入力多出力)チャネル伝送技術)が採用され、高効率の制御シグナリング構造が達成されている。
【0006】
LTEアーキテクチャ
【0007】
図1は、LTEの全体的なアーキテクチャを示し、
図2は、E−UTRANのアーキテクチャをより詳細に示している。E−UTRANは、eNodeBから構成され、eNodeBは、UE向けの、E−UTRAのユーザプレーン(PDCP/RLC/MAC/PHY)および制御プレーン(RRC)のプロトコルを終端処理する。eNodeB(eNB)は、物理(PHY)レイヤ、メディアアクセス制御(MAC)レイヤ、無線リンク制御(RLC)レイヤ、およびパケットデータ制御プロトコル(PDCP)レイヤ(これらのレイヤはユーザプレーンのヘッダ圧縮および暗号化の機能を含む)をホストする。eNBは、制御プレーンに対応する無線リソース制御(RRC)機能も提供する。eNBは、無線リソース管理、アドミッション制御、スケジューリング、交渉によるアップリンクQoS(サービス品質)の実施、セル情報のブロードキャスト、ユーザプレーンデータおよび制御プレーンデータの暗号化/復号化、ダウンリンク/アップリンクのユーザプレーンパケットヘッダの圧縮/復元など、多くの機能を実行する。複数のeNodeBは、X2インタフェースによって互いに接続されている。
【0008】
また、複数のeNodeBは、S1インタフェースによってEPC(Evolved Packet Core:進化したパケットコア)、より具体的には、S1−MMEによってMME(Mobility Management Entity:移動管理エンティティ)、S1−Uによってサービングゲートウェイ(SGW:Serving Gateway)に接続されている。S1インタフェースは、MME/サービングゲートウェイとeNodeBとの間の多対多関係をサポートする。SGWは、ユーザデータパケットをルーティングして転送する一方で、eNodeB間のハンドオーバー時におけるユーザプレーンのモビリティアンカーとして機能し、さらに、LTEと別の3GPP技術との間のモビリティのためのアンカー(S4インタフェースを終端させ、2G/3GシステムとPDN GWとの間でトラフィックを中継する)として機能する。SGWは、アイドル状態のユーザ機器に対しては、ダウンリンクデータ経路を終端させ、そのユーザ機器へのダウンリンクデータが到着したときにページングをトリガーする。SGWは、ユーザ機器のコンテキスト(例えばIPベアラサービスのパラメータ、ネットワーク内部ルーティング情報)を管理および格納する。さらに、SGWは、合法傍受(lawful interception)の場合にユーザトラフィックの複製を実行する。
【0009】
MMEは、LTEのアクセスネットワークの主要な制御ノードである。MMEは、アイドルモードのユーザ機器の追跡およびページング手順(再送信を含む)の役割を担う。MMEは、ベアラの有効化/無効化プロセスに関与し、さらには、最初のアタッチ時と、コアネットワーク(CN)ノードの再配置を伴うLTE内ハンドオーバー時とに、ユーザ機器のSGWを選択する役割も担う。MMEは、(HSSと対話することによって)ユーザを認証する役割を担う。非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)シグナリングはMMEにおいて終端され、MMEは、一時的なIDを生成してユーザ機器に割り当てる役割も担う。MMEは、サービスプロバイダの公衆陸上移動網(PLMN:Public Land Mobile Network)に入るためのユーザ機器の認証をチェックし、ユーザ機器のローミング制約を実施する。MMEは、NASシグナリングの暗号化/整合性保護においてネットワーク内の終端点であり、セキュリティキーの管理を行う。シグナリングの合法傍受も、MMEによってサポートされる。さらに、MMEは、LTEのアクセスネットワークと2G/3Gのアクセスネットワークとの間のモビリティのための制御プレーン機能を提供し、SGSNからのS3インタフェースを終端させる。さらに、MMEは、ローミングするユーザ機器のためのホームHSSに向かうS6aインタフェースを終端させる。
【0010】
LTE(リリース8)におけるコンポーネントキャリアの構造
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
用語「コンポーネントキャリア」は、周波数領域におけるいくつかのリソースブロックの組合せを意味する。LTEの将来のリリースにおいて、「コンポーネントキャリア」という用語はもはや使用されない。代わりに、この用語は「セル」に変更される。「セル」は、ダウンリンクリソースおよび任意でアップリンクリソースの組合せを意味する。ダウンリンクリソースのキャリア周波数とアップリンクリソースのキャリア周波数との連結(linking)は、ダウンリンクリソースで送信されるシステム情報に示される。
【0015】
LTEのさらなる発展(LTE−A)
【0016】
世界無線通信会議2007(WRC−07)において、IMT−Advancedの周波数スペクトルが決定された。IMT−Advancedのための全体的な周波数スペクトルは決定されたが、実際に利用可能な周波数帯域幅は、地域や国によって異なる。しかしながら、利用可能な周波数スペクトルのアウトラインの決定に続いて、3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)において無線インタフェースの標準化が開始された。3GPP TSG RAN #39会合において、「Further Advancements for E-UTRA (LTE-Advanced)」に関する検討項目の記述が承認された。この検討項目は、E−UTRAを進化・発展させるうえで(例えば、IMT−Advancedの要求条件を満たすために)考慮すべき技術要素をカバーしている。以下では、2つの主要な技術要素について説明する。
【0017】
より広い帯域幅をサポートするためのLTE−Aにおけるキャリアアグリゲーション
【0018】
LTE−Advancedシステムがサポートできる帯域幅は100MHzであるが、LTEシステムは20MHzをサポートできるのみである。最近、無線スペクトルの不足によって無線ネットワークの発展が妨げられており、結果として、LTE−Advancedシステムのための十分に広いスペクトル帯域を見つけることが困難である。したがって、より広い無線スペクトル帯域を得るための方法を見つけることが緊急課題であり、1つの可能な答えがキャリアアグリゲーション機能である。
【0019】
キャリアアグリゲーションでは、最大で100MHzの広い送信帯域幅をサポートする目的で、2つ以上のコンポーネントキャリアがアグリゲートされる。LTE−Advancedシステムでは、LTEシステムにおけるいくつかのセルが、より広い1つのチャネルにアグリゲートされ、このチャネルは、たとえLTEにおけるこれらのセルが異なる周波数帯域である場合でも100MHzに対して十分に広い。
【0020】
少なくとも、アグリゲートされるコンポーネントキャリアの数がアップリンクとダウンリンクとで同じであるとき、すべてのコンポーネントキャリアをLTEリリース8/9互換として設定することができる。ユーザ機器によってアグリゲートされるすべてのコンポーネントキャリアが必ずしもLTEリリース8/9互換でなくてよい。リリース8/9のユーザ機器がコンポーネントキャリアにキャンプオンする(camp on)ことを回避するため、既存のメカニズム(例:バーリング(barring))を使用することができる。
【0021】
ユーザ機器は、自身の能力に応じて1つまたは複数のコンポーネントキャリア(複数のサービングセルに対応する)を同時に受信または送信することができる。キャリアアグリゲーションのための受信能力もしくは送信能力またはその両方を備えた、LTE−Aリリース10のユーザ機器は、複数のサービングセル上で同時に受信する、もしくは送信する、またはその両方を行うことができ、これに対して、LTEリリース8/9のユーザ機器は、コンポーネントキャリアの構造がリリース8/9の仕様に従う場合、1つのみのサービングセル上で受信および送信を行うことができる。
【0022】
キャリアアグリゲーションは、連続するコンポーネントキャリアおよび不連続なコンポーネントキャリアの両方においてサポートされ、各コンポーネントキャリアは、3GPP LTE(リリース8/9)の計算方式(numerology)を使用して、周波数領域における最大110個のリソースブロックに制限される。
【0023】
論理チャネルおよびトランスポートチャネル
【0024】
MAC層は、論理チャネルを通じてRLC層にデータ伝送サービスを提供する。論理チャネルは、RRCシグナリングなどの制御データを伝える制御論理チャネルか、ユーザプレーンデータを伝えるトラフィック論理チャネルのいずれかである。ブロードキャスト制御チャネル(BCCH)、ページング制御チャネル(PCCH)、共通制御チャネル(CCCH)、マルチキャスト制御チャネル(MCCH)、および専用制御チャネル(DCCH)は、制御論理チャネルである。専用トラフィックチャネル(DTCH)およびマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)は、トラフィック論理チャネルである。
【0025】
MAC層からのデータは、トランスポートチャネルを通じて物理層と交換される。データは、無線送信方式に応じてトランスポートチャネルに多重化される。トランスポートチャネルは、次のようにダウンリンクまたはアップリンクとして分類される。ブロードキャストチャネル(BCH)、ダウンリンク共有チャネル(DL−SCH)、ページングチャネル(PCH)、およびマルチキャストチャネル(MCH)は、ダウンリンクトランスポートチャネルであるのに対して、アップリンク共有チャネル(UL−SCH)およびランダムアクセスチャネル(RACH)は、アップリンクトランスポートチャネルである。
【0026】
ダウンリンクおよびアップリンクそれぞれにおいて、論理チャネルとトランスポートチャネルの間で多重化が実行される。
【0027】
第1層/第2層(L1/L2)制御シグナリング
【0028】
スケジューリング対象のユーザに、ユーザの割当てステータス、トランスポートフォーマット、およびその他のデータ関連情報(例:HARQ情報、送信電力制御(TPC)コマンド)を知らせる目的で、第1層/第2層制御シグナリングがデータと一緒にダウンリンクで送信される。第1層/第2層制御シグナリングは、サブフレーム内でダウンリンクデータと一緒に多重化される(ユーザ割当てがサブフレーム単位で変化しうるものと想定する)。なお、ユーザ割当てをTTI(送信時間間隔)ベースで実行することもでき、その場合、TTI長はサブフレームの倍数とすることができることに留意されたい。TTI長は、サービスエリアにおいてすべてのユーザに対して一定とする、ユーザ毎に異なる、あるいはユーザ毎に動的とすることもできる。第1層/第2層制御シグナリングは、一般的にはTTIあたり1回送信するのみでよい。一般性を失うことなく、以下では、TTIが1サブフレームに等しいものと想定する。
【0029】
第1層/第2層制御シグナリングは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)で送信される。PDCCHは、ダウンリンク制御情報(DCI)としてメッセージを伝え、このメッセージには、移動端末またはユーザ機器のグループのリソース割当て情報およびその他の制御情報が含まれる。一般的には、いくつかのPDCCHを1つのサブフレーム内で送信することができる。
【0030】
なお、3GPP LTEでは、アップリンクデータ送信のための割当て(アップリンクスケジューリンググラントまたはアップリンクリソース割当てとも称する)も、PDCCHで送信されることに留意されたい。
【0031】
スケジューリンググラントに関して、第1層/第2層制御シグナリングで送られる情報は、次の2つのカテゴリ、すなわち、カテゴリ1の情報を伝える共有制御情報(SCI:Shared Control Information)と、カテゴリ2/3の情報を伝えるダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)に分けることができる。DCIフォーマットと、DCIにおいて送信される具体的な情報に関するさらなる詳細については、技術規格、または非特許文献2(参照によって本明細書に組み込まれている)の第9.3章を参照されたい。LTEにおいて現在定義されている異なるDCIフォーマットは、以下のとおりであり、非特許文献3の第5.3.3.1節に詳しく記載されている(この文書は、3GPPのウェブサイトにおいて入手可能であり、参照によって本明細書に組み込まれている)。
【0032】
物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)と物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)
【0033】
物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)は、例えば、ダウンリンクまたはアップリンクでデータを送信するためのリソースを割り当てるスケジューリンググラントを伝える。
【0034】
各PDCCHは、1つまたは複数のいわゆる制御チャネル要素(CCE)を使用して送信される。各CCEは、一連のリソース要素(RE)に対応する。3GPP LTEにおいては、現在、1つのCCEは9つのリソース要素グループ(REG)からなり、1個のREGは、基準信号のリソース要素を除く4つの連続するリソース要素(周波数領域において連続する)からなる。基準信号によって占有されるリソース要素は、REGには含まれず、すなわち、1個のOFDMシンボルにおけるREGの総数は、基準信号が存在するか否かに依存する。
【0035】
【0036】
2つの特殊なケースが存在し、MBSFN送信を含むサブフレームには、制御シグナリングのためのシンボルの数は0個、1個、または2個とすることができ、狭いシステム帯域(10個未満のリソースブロック)の場合、セルの境界における十分なカバレッジを確保するため、制御シンボルの数を(一般には2個、3個、または4個に)増やす。
【0037】
物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)に関するダウンリンクグラントにおいて、PDCCHは、同じサブフレーム内の(ユーザ)データのためのPDSCHリソースを割り当てる。サブフレーム内のPDCCH制御チャネル領域は、一連のCCEからなり、サブフレームの制御領域におけるCCEの総数は、時間−周波数制御リソース全体にわたり分散している。制御チャネルの符号化率を効果的に低減するため、複数のCCEを組み合わせることができる。CCEは、さまざまな符号化率を達成するためツリー構造を使用する所定の方法において組み合わされる。
【0038】
3GPP LTEにおいては、PDCCHは、1個、2個、4個、または8個のCCEをアグリゲートすることができる。制御チャネルの割当てに利用可能なCCEの数は、キャリアの帯域幅、送信アンテナの数、制御に使用されるOFDMシンボルの数、CCEのサイズなど、いくつかの要因の関数である。サブフレームにおいて複数のPDCCHを送信することができる。
【0039】
トランスポートチャネルのレベルにおいては、PDCCHを介して送信される情報は、第1層/第2層(L1/L2)制御シグナリングとも称される。第1層/第2層制御シグナリングは、各ユーザ機器(UE)を対象にダウンリンクで送信される。制御シグナリングは、一般にはサブフレーム内でダウンリンク(ユーザ)データと多重化される(ユーザ割当てがサブフレーム単位で変化しうるものと想定する)。
【0040】
1つのサブフレーム内のOFDMシンボルのうちPDCCHによって占有されていない残りのOFDMシンボルには、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)がマッピングされる。PDSCHリソースは、各サブフレームにおいてリソースブロック単位でユーザ機器に割り当てられる。
【0041】
【0042】
図6は、PDCCHとPDSCHがMBSFNサブフレームにマッピングされる別の例を示している。
図6の例は、
図5に極めて似ているが、MBSFNサブフレームには、制御チャネル領域の外側のOFDMシンボルにおける共通基準信号が含まれない。
【0043】
図7は、技術規格書である非特許文献4(参照によって本明細書に組み込まれている)の第6.10章に定義されている、リソースブロックペアと、アンテナポート0〜3におけるCRSとを示している。特に、
図6.10.1.2−1では、通常のサイクリックプレフィックスが想定されている。
【0044】
リリース10では、最大8つのアンテナポート(LTEリリース10においてはアンテナポート7〜14)に対応する最大8レイヤの復調のための、ユーザ機器に固有な基準信号の広範なサポートが導入されている。したがって、サブフレームはDMRS(復調基準信号)などのユーザ機器に固有な基準信号も含んでおり、DMRSは、PDSCHを復調するためにユーザ機器によって使用される。DMRSは、特定のユーザ機器へのPDSCHが割り当てられるリソースブロックの中で送信されるのみである。
図8Aの例においては、DMRSポート7〜10のみが示してあり、なぜならこれらのDMRSはePDCCHの送信に十分であると想定されるためである。なお、現在、SFBCも使用するときにはPDSCHのためのDMRSを使用することはサポートされないことに留意されたい。
【0045】
さらに、チャネル状態情報(CSI)のフィードバックは一連の基準信号(CSI基準信号(CSI−RS))に基づいており、CSI−RSは周波数においては比較的まばらであるが、基地局におけるすべてのアンテナから定期的に送信され、その一方で、ユーザ機器に固有な基準信号は一般的に周波数において高密度であるが、対応するレイヤでデータが送信されるときにのみ送信される(
図8Bを参照)。CSI基準信号は、物理的なアンテナポートまたは仮想化アンテナポートそれぞれにおいて送信され、測定目的のみに使用される。
【0046】
セルは、1つ、2つ、4つ、または8つのCSI−RSポートが使用されるように設定することができる。正確なCSI−RS構造(リソースブロック内のCSI−RSに使用されるリソース要素の正確なセットを含む)は、セル内で設定されているCSI−RSの数に依存し、セルごとに異なっていてもよい。より具体的には、リソースブロックペアの中には、CSI−RSの基準シンボルのための40個の可能な位置が存在し、与えられたセルにおいて、対応するリソース要素のサブセットがCSI−RSの送信に使用される。LTEリリース10においては、CSI−RSは、アンテナポート15〜22のうちの1つまたは複数において送信される(設定されている場合)。
【0047】
図8Aおよび
図8Bは、一例による、リソースブロックペアにおける基準信号DMRSおよびCSI−RSを示している。
【0048】
ダウンリンクにおけるLTEの物理チャネルの構造と、PDSCHおよびPDCCHのフォーマットに関するさらなる情報は、非特許文献5の第6節および第9節を参照されたい。3GPP LTEにおける基準信号の使用とチャネル推定に関するさらなる情報は、この文献の第8節に記載されている。
【0049】
図9Aおよび
図9Bは、物理リソースブロックペアの中でのリソース要素グループへのリソース要素の例示的なマッピングを示している。これらの図から明らかであるように、1つのリソース要素グループは、各OFDMシンボルの中の4つの隣接するリソース要素を含んでいる。さらに、共通基準信号に使用されるリソース要素は、リソース要素グループを定義するのに使用されない。言い換えれば、リソース要素をリソース要素グループに割り当てるとき、CRSのリソース要素が考慮される。したがって、最初のOFDMシンボルの中のCRSの位置(これはセルに固有である)に応じて、リソース要素グループへのリソース要素のマッピングは異なる。具体的には、
図9Aと
図9Bを比較すると、最初のOFDMシンボル0において、サブキャリア0、1、3、4、6、7、9、10のリソース要素は、違いが明らかである。例えば、サブキャリア1、OFDMシンボル0のリソース要素は、リソース要素グループ1に割り当てることができる(
図9A)、またはCRSとして使用することができる(
図9B)。
【0050】
空間周波数ブロック符号(SFBC)
【0051】
空間周波数ブロック符号(SFBC)は、LTEにおいて使用される送信ダイバーシチ技術である。LTEでは、送信ダイバーシチは、2本および4本の送信アンテナと1つのデータストリーム(LTEでは1符号語と称され、なぜならデータストリームあたり1つのトランスポートブロックCRCが使用されるためである)に対して定義されるのみである。ダイバーシチゲインを最大にするため、アンテナは一般には無相関である必要があり、したがってアンテナは波長に関して良好に分離されている、または異なる極性を有する必要がある。SFBCダイバーシチ方式は、LTEにおいてはPBCHおよびPDCCHに使用することができ、ユーザ機器の送信ダイバーシチモードにおいて設定されている場合、PDSCHにも使用することができる。
【0052】
SFBCに関してより具体的には、LTEにおける物理チャネルが、eNodeBの2本のアンテナを使用する送信ダイバーシチ動作について設定されている場合、純粋なSFBCが使用される。SFBCは、周知の時空間ブロック符号(STBC)(Alamouti符号としても公知である)の周波数領域バージョンである。この符号ファミリーは、送信されるダイバーシチストリームが直交し、線形受信器による最適なSNRを達成するように設計されている。このような直交符号は、2本の送信アンテナの場合にのみ存在する。OFDMの複数のサブキャリアは、SFBCを適用するのに適している。
【0053】
【0054】
SFBCでは、各アンテナにおいて反復されるデータに異なるサブキャリアを使用することによって、周波数ダイバーシチを通じて堅牢性が達成される。基本的に、情報シンボルは、2本の異なるアンテナ(空間コンポーネント)を使用することによって2つの異なるリソース要素において送信される。両方のバージョンにおけるチャネル係数(振幅/位相)が同じであるならば、受信器は、ダイバーシチゲインを利用して元のシンボルを計算することができる。
【0055】
上述したように、情報シンボルの2つのバージョンが、周波数において近い距離に隔てられた近接するサブキャリアにおいて送信される。この場合、両方のバージョンにおけるチャネル係数は基本的に同じであるものと想定することができ、これにより、非特許文献6に示されているように、単純な受信器の実装を使用しての情報シンボルの正確な再生が改善される。
【0056】
図10Aと
図10Bは、それぞれ
図9Aおよび
図9Bに似ており、いずれもCRSの異なる配置を考慮してPDCCHにおけるRE−REGマッピングを示している。さらに、
図10Aおよび
図10Bは、PDCCHおよびPDSCHにSFBCを適用する方法を示している。
【0057】
PDCCHにおいては、LTEでは、SFBCペアが1個のOFDMシンボルの中で周波数領域においてできる限り近接して配置される。
図10Aおよび
図10Bに示したように、OFDMシンボル0において、可能なSFBCペアそれぞれが点線の四角で示してある。したがって、SFBCペアは、同じOFDMシンボル内のリソース要素(k’,l’)および(k’+n,l’)にマッピングすることができ、k’はサブキャリアのインデックス、l’はOFDMシンボル番号、n∈{1,2}である。言い換えれば、n=1は、SFBCペアが隣接するリソース要素に位置していることを意味し、n=2は、SFBCペアが、2だけ隔てられた、すなわち(CRS REなどの)1つのリソース要素が間に存在するリソース要素に位置していることを意味する。したがって、間隔は、SFBCペアを形成している2つのリソース要素の間のリソース要素の数に1を加えた値に等しい。
【0058】
同様に、PDSCHに関しても、SFBCペアは、同じOFDMシンボル内のリソース要素(k’,l’)および(k’+n,l’)にマッピングすることができ、k’はサブキャリアのインデックス、l’はOFDMシンボル番号、n∈{1,2}である。言い換えれば、n=1は、SFBCペアが隣接するリソース要素である必要があることを意味し、n=2は、SFBCペアが、2だけ隔てられたリソース要素である、すなわち(CRS REなどの)1つのリソース要素が間に存在するリソース要素であることを意味する。
図10Aは、n=1の場合のSFBCペアを、OFDMシンボル1およびOFDMシンボル6における点線の四角で例示的に示しており、
図10Bは、PDCCH領域におけるn=2の場合のSFBCペアを点線の四角で例示的に示している。
【0059】
LTEでは、周波数切替送信ダイバーシチ(FSTD)とSFBCとの組合せとして公知である送信ダイバーシチ方法も可能である。FSTD方式では、サブキャリアの異なるセットにおいて各アンテナからシンボルを送信する。FSTDに関するさらなる情報は、非特許文献2の第11.2.2.1章に記載されており、この文書は参照によって本明細書に組み込まれている。
【0060】
エンハンストPDCCH
【0061】
ユーザ機器に固有な基準信号に基づいて送信されるエンハンストPDCCH(ePDCCH)を導入することが、現在検討されている。ユーザ機器に固有な基準信号を効率的に使用する目的で、エンハンストPDCCHのマッピングは、
図11に示したように、PDSCH領域内に配置されることが好ましい。帯域幅全体をブラインド復号化しないようにするため、ePDCCHのサーチスペースは一連のPRBペア内に制限されるものと想定する。一連のPRBペアは、上位層のシグナリングによって最初に設定することができ、または、少なくともePDCCHの検出を試みる前に受信器によって認識されているものと想定する。
【0062】
ePDCCHの詳細は、現在検討中であり、まだ決定されていない。したがって、以下の想定は、図示および説明のみを目的とする一例として行う。一般的には、PDCCHの場合に類似する方法が使用されるものと想定することができる。例えば、ePDCCHは、1つまたは複数の制御チャネル要素の集合からなるものと想定することができ、以下では、これらの制御チャネル要素を一例としてエンハンスト制御チャネル要素(eCCE)と称する。さらには、eCCEは、時間/周波数グリッドにおいてリソース要素にマッピングされたリソース要素グループから形成することができ、これらのリソース要素グループを一例としてエンハンストリソース要素グループ(eREG)と称することができる。
【0063】
図11は、PDCCH、ePDCCH、およびPDSCHに関するサブフレーム構造を概略的に開示しており、さらに、ePDCCHは一例として8つの異なるeREGから構成されるものと想定されることを示している。
【0064】
現時点では、PDSCH領域内のePDCCHにおいて、リソース要素をリソース要素グループにどのようにマッピングするかに関して合意された定義は存在しない。
【0065】
ePDCCH(すなわち一般的にはPDSCH領域内である、または少なくともPDSCH領域のリソース要素を含む)のRE−eREGマッピングは、ダイバーシチを達成するためのSFBC送信が可能であるべきであり、さらには、ダイバーシチ送信が利用されるか否かには関係なく同じマッピングを適用できるものであることが有利である。
【発明を実施するための形態】
【0091】
以下の段落では、本発明のさまざまな実施形態について説明する。例示のみを目的として、実施形態のほとんどは、3GPP LTE(リリース8/9)およびLTE−A(リリース10/11)の移動通信システムによる無線アクセス方式に関連して概説してあり、これらの技術の一部については上の背景技術のセクションに説明してある。なお、本発明は、例えば、上の背景技術のセクションに説明されている3GPP LTE−A(リリース10/11)通信システムなどの移動通信システムにおいて有利に使用することができるが、本発明は、この特定の例示的な通信ネットワークにおける使用に限定されないことに留意されたい。
【0092】
請求項全体を通じて使用されている用語「周波数領域の半分」は、リソースブロックの一部を意味し、一般性を失うことなしに、本明細書において想定しているように物理リソースブロックが周波数領域における12本のサブキャリアを範囲とするとき、「周波数領域の半分」は、リソースブロックペアのすべてのOFDMシンボルにおける最初の6つのサブキャリアまたは最後の6つのサブキャリアのいずれかを範囲とする。
【0093】
請求項全体を通じて使用されている用語「隔てられている」は、周波数領域における2つのリソース要素の間の距離を意味し、次のように使用する。サブキャリアインデックスkのリソース要素は、サブキャリアインデックスk+3のリソース要素に対して、3つのリソース要素だけ隔てられている。
【0094】
以下では、本発明のいくつかの実施形態について詳しく説明する。以下の説明は、本発明を制限するものではなく、本発明を深く理解するための本発明の実施形態の単なる例として理解されたい。当業者には、請求項に記載されている本発明の一般的な原理を、本明細書に明示的に説明されていない別のシナリオおよび別の方法で適用できることが認識されるであろう。したがって、さまざまな実施形態の説明を目的として想定されている以下のシナリオは、そのように本発明を制限するものではない。
【0095】
以下の定義は、本明細書の全体を通じて使用される。
− kまたはk’はサブキャリアのインデックスであって、k,k’∈{0,1,2,…,10,11}
− lまたはl’はOFDMシンボルの番号であって、通常のサイクリックプレフィックスの場合はl,l’∈{0,1,2,…,12,13}であり、拡張サイクリックプレフィックスの場合はl,l’∈{0,1,2,…,10,11}
− (k,l)は、サブキャリアkおよびOFDMシンボルlにおけるリソース要素を識別する。例えば、(4,5)は、サブキャリア4およびOFDMシンボル5におけるリソース要素を意味する。
− m
maxは、エンハンストリソース要素グループの総数であり、1,2,…,9などの正の整数である。
− m’はeREGのインデックスであり、m’∈{1,2,3,4,…,m
max−1,m
max}
【0096】
上記から明らかであるように、l’,k’のインデックスはインデックス0から始まるのに対して、eREGのインデックスは1から始まる。当然ながら、この特定の開始インデックスは、本発明が機能するうえで重要ではない。したがって、l’、k’、およびm’それぞれに対して別の開始インデックスを選択することができる。当業者には、別のインデクシングを考慮するため、対応する説明、式、または他の手順を容易に修正することができる。
【0097】
例示を目的として、かつ本発明のさまざまな実施形態の説明を容易にするため、以下のように想定する。
【0098】
特に明記されない場合、PDCCH領域は最初の3個のOFDMシンボルを範囲とするものと想定するが、最初の1個または最初の2個のOFDMシンボルを範囲とする、またはPDCCH領域が存在しなくてもよい(0個のOFDMシンボルを範囲とすることに等しい)。したがって、本発明は、3個のOFDMシンボルのPDCCH領域に制限されず、1個および2個のOFDMシンボルの異なるPDCCH領域、あるいは存在しないPDCCH領域(0個のOFDMシンボルのサイズに等しい)にも適用される。
【0099】
特に明記されない場合、通常のサイクリックプレフィックスが想定され、この場合、サブフレームは、拡張サイクリックプレフィックスの場合における12個のOFDMシンボルではなく、14個のOFDMシンボルを有する。しかしながら本発明は、14個のOFDMシンボルのサブフレームに制限されず、なぜなら、本発明の原理は12個のOFDMシンボルのサブフレームにも適用されるためである。
【0100】
本発明の実施形態は、多くの場合においてeREGの総数が8個として説明してある。このことは、8つのeREGの総数に本発明を制限するようには解釈されないものとし、任意の他の数のeREGを使用することができる。
【0101】
後述するように、本発明の実施形態は、連続的なリソース要素を連続的なエンハンストリソース要素グループに割り当てるマッピング規則について言及し、割当ては特定の順序に従う。実施形態のほとんどにおいては、昇順が想定される。しかしながら、これは必須ではなく、代わりに降順、または他の任意の所定の順序を使用することができる。
【0102】
さらに、所定の順序に従っての連続的な割当てに関して、実施形態のほとんどにおいては、リソース要素の割当ては、サブキャリアの最初のインデックス(k’=0)、OFDMシンボルの最初のインデックス(l’=0)、およびeREGの最初のインデックス(m’=1)から開始される。このことは、本発明がこれらの例のみに制限されるようには理解されないものとし、割当ては、サブキャリア、OFDMシンボル、およびeREGの別のインデックスにおいて、特に、昇順もしくは降順またはその両方と組み合わせて、開始することもできる。例えば、サブキャリア、OFDMシンボル、およびeREGに関して降順を使用するときには、インデックスk’=11、l’=13、m’=8において割当てを開始することができる。
【0103】
1つのeCCEは、2つのeREGからなるものと想定する。本文書において後から概説する分散型送信を可能にするためには、少なくとも2つのeREGが要求される。物理リソースブロック(PRB)ペアあたり12本のサブキャリアおよび12個または14個のOFDMシンボルと、LTEにおいて定義されている第1層/第2層制御シグナリングペイロードの一般的なサイズとを想定した場合、粒度と管理の複雑さとの間の良好なトレードオフを提供する好ましい解決策は、PRBペアを8つのeREGに分割し、2つのeREGを組み合わせて、第1層/第2層制御シグナリング送信における最小単位である1つのeCCEとすることによって、提供される。例えば、10MHz LTEセルにおける小さい第1層/第2層制御シグナリングサイズを約30ビットとすることができ、その一方で、10MHz LTEセルにおける大きい第1層/第2層制御シグナリングサイズを約60ビットとすることができ、一般的なサイズは約45ビットである。第1層/第2層制御シグナリングは、通常ではFEC符号化され、QPSK変調を使用して送信されるため、使用される各リソース要素は2ビットを伝えることができる。したがって、eCCEが約30個のリソース要素を含んでいる場合、これは60個のコードビットに等しく、一般的な第1層/第2層制御シグナリングサイズの場合、結果として符号化率は3/4となり、これは良好なチャネル条件に適する符号化率とみなすことができる。後から説明するように、多くの場合、本明細書に定義されている2つのeREGは約30個のリソース要素を提供し、したがって、eCCEあたり2つのeREGという定義は魅力的で好ましいものと考えられる。しかしながら、eCCEあたり別の数のeREGという定義も、本発明のeREG−REマッピングの一般性に影響することなく選択できることを理解されたい。
【0104】
さらに、1つのeREGは1つのPRBペアのリソース要素にマッピングされるものと想定する。これにより、本文書において後から概説するように、少なくとも2つのeREGを組み合わせることで、分散型送信が可能になる。例えば、1つのeREGのみがeCCEを形成する場合、1つのeREGを複数のPRBペアにマッピングできることが好ましい。さらには、eCCEの中の任意の数のeREGにおいてより大きな分散が可能であるならば有利である。例えば、2つのeREGがeCCEを形成し、1つのeREGが1つのPRBペアのみにマッピングされる場合、合計2つの異なるPRBペアにおける分散型送信によって、ダイバーシチオーダー(diversity order)2が得られる。しかしながら、同じケースにおいて、各eREGが2つのPRBペアにマッピングされる場合、各eREGによってダイバーシチオーダー2が得られ、したがって、2つのeREGの組合せでは最大でダイバーシチオーダー4を得ることができる。したがって、本発明は、1つのeREGを1つのPRBペアのリソース要素のみにマッピングすることに制限されないものと解釈されたい。
【0105】
図12Aは、ePDCCHが配置されるPDSCH領域(OFDMシンボル番号3から始まるものと想定する)に適用される、エンハンストリソース要素グループへのリソース要素のマッピングを示している。
図12AのRE−eREGマッピングは、PDCCHに使用されるRE−REGマッピングに適用される規則に従う。したがって、このRE−eREGマッピング規則では、PDCCH領域におけるRE−REGマッピング(
図9Aまたは
図9Bを参照)の場合と同様に、基準信号(CRS、CSI−RS、DMRSなど)に使用されるリソース要素はマッピングには使用されない。さらに、SFBC送信の場合のRE−eREGマッピングを最適化する目的で、OFDMシンボル内の2つの連続するリソース要素がeREGに割り当てられる。
図12Aのこの例示的なマッピングにおいては、リソース要素グループの総数は8であるものと想定しており、eREG∈{1,2,…,7,8}である。
【0106】
図12Aから明らかであるように、eREGへのリソース要素のグループ化は、各OFDMシンボル内でサブキャリアの昇順で、次いで、OFDMシンボルの昇順で、2つのリソース要素のグループ単位でeREGに連続的に行われる。なお、eREGのインデックスは昇順であり、eREG8をリソース要素ペアに割り当てた後(この場合、8つのeREGが存在するものと想定する)、次にeREG1が割り当てられるように、循環的に続くことに留意されたい。このことは、例えばOFDMシンボル4、サブキャリア4,5および7,8において見ることができる。このようにして、基準信号によって使用されていない、リソースブロックペアのすべてのリソース要素が、エンハンストリソース要素グループ(eREG)に割り当てられる。
【0107】
図12Bは、SFBCに使用できるリソース要素と、SFBCに使用できないリソース要素を示している。前に説明したように、OFDMシンボル内のSFBCペアは、同じeREGの隣接する(すなわち1つのリソース要素だけ隔てられている)リソース要素から構成される、または、2つのリソース要素だけ隔てられている(すなわち1つのみのリソース要素が間に存在する)同じeREGのリソース要素から構成される。このSFBC規則を考慮して、OFDMシンボル4に、いくつかのSFBCペアが例示的に示してある(この場合、SFBCペアは隣接するリソース要素から構成されている)。SFBC送信に使用できない、サブキャリア4および7、OFDMシンボル5,6,12,13のリソース要素を除いて、リソースブロックペア全体を通じて、SFBCペアを形成することができる。除外されるリソース要素は、
図12Bにおいて無効(V)として示してある。このRE−eREGマッピングでは、eREG3がリソース要素(4,5),(7,5)に割り当てられ、eREG4がリソース要素(4,6),(7,6)に割り当てられるが、これらのリソース要素はSFBC送信に使用することができず、なぜなら有効なSFBCペアを形成できないためである。サブキャリア4および7は、遠く隔てられすぎている、すなわち2つ以上のリソース要素が間に存在する。リソースブロックペア全体では、SFBC送信に使用できない無効なリソース要素が8つ存在する(
図12Bを参照)。
【0108】
図12AのRE−eREGマッピング規則では、共通基準信号を考慮している(すなわち共通基準信号に使用されるリソース要素はeREGに割り当てられない)ため、このマッピングのアルゴリズムはセルに固有である。このことは、PDCCH領域に適用されるRE−eREG規則にもあてはまる。
【0109】
図10Aおよび
図10Bに示したように、異なるセルではCRSの位置が周波数方向に異なることがあり、この場合、CRSが周波数領域において1つのサブキャリアだけシフトしている。しかしながら、このセルに固有なマッピングは、干渉問題につながることがあり、この点について
図13Aおよび
図13Bを参照しながら説明する。図示したように、
図13AのPRBペアにおけるCRSの位置は
図13BのCRSの位置とは異なり、CRSが周波数領域において2つのサブキャリアだけシフトしている。図解を目的として、セルに固有なマッピングに起因する干渉問題について、
図13Aおよび
図13Bの主としてPDCCH領域を参照しながら説明する。しかしながら、以下に説明する干渉問題は、PDSCH領域におけるRE−eREGマッピングにおいても発生する。
【0110】
リソース要素(11,0)は、セル1においては(e)REG2に割り当てられ、セル2においては、このリソース要素(11,0)はいずれの(e)REGにも割り当てられず、共通基準信号に使用される。したがって、異なるセルの間で、同じ物理リソースブロックペア内の同じリソース要素が異なる用途に使用される。結果として、CRSに使用されるセル2におけるリソース要素に起因して、セル1の同じリソース要素との強い干渉が発生することがあり、逆も同様である。この干渉はリソース要素(11,0)のデータの消失につながることさえあり、なぜなら基準信号は一般的に高い送信電力で送信されるためである。SFBCの場合、OFDMシンボル0のサブキャリア10,11におけるSFBCペアは、セル2のCRSリソース要素(11,0)に起因する干渉のために無効となることがある。
【0111】
さらには、非特許文献7に説明されている多地点協調(CoMP)シナリオ3/felCIC、または干渉協調の場合、セル2のCRSのユーザ機器のチャネル推定品質を改善する目的で、セル2におけるCRSへの干渉が発生しないように、セル1のリソース要素(11,0)(セル2の同じリソース要素から干渉を受けている)をミュートする(または無効化する)ことができる。このようなミュート(または無効化)は、一般的にはRRCシグナリングによって他のセルもしくはユーザ機器またはその両方に示され、このリソース要素は、セル1において送信に使用されない。SFBCを使用するときには、このことは、SFBCペア全体を使用できないことを意味し、結果としてRE(10,0)も無効となる。したがって、ただ1つのリソース要素をミュートする必要がある場合でも、SFBCペア全体が失われ、結果としてセル1におけるスペクトル効率が低下する。
【0112】
図12Aを参照しながら説明したRE−eREGマッピングは、
図13Aおよび
図13Bを参照しながら説明したようにセルに固有であるのみならず、ユーザ機器に固有でもあり、その理由として、DMRSおよびCSI−RSの構成/存在がユーザ機器に固有であり、対応するリソース要素は、
図12AのRE−eREGマッピングに使用されないためである。言い換えれば、リソースブロックペアの時間−周波数グリッドにおけるDMRSおよびCSI−RSの存在および位置に関する想定がユーザ機器ごとに異なりうるため、PDSCH領域におけるRE−eREGマッピングもユーザ機器ごとに異なりうる。この問題について、
図14Aおよび
図14Bを参照しながらさらに詳しく説明する。
【0113】
なお、この問題は、PDCCH領域におけるRE−eREGマッピングには存在せず、なぜならPDCCH領域にはユーザ機器に固有な基準信号が配置されないためである(
図8Aおよび
図8Bのユーザ機器に固有な基準信号を参照)。
【0114】
図14Aおよび
図14Bは、
図12Aにおいて紹介したRE−eREGマッピング規則に基づく、ユーザ機器1およびユーザ機器2の異なるRE−eREGマッピングを開示している。
図14AのRE−eREGマッピングは
図12Aと同じであり、なぜなら同じ数および同じ位置の基準信号が想定されているためである。これに対して、
図14BのRE−eREGマッピングは異なっており、なぜなら、ユーザ機器2において異なるCSI−RSが想定されているためである。具体的には、ユーザ機器2においては、リソース要素(4,9),(4,10),(5,9),(5,10)および(10,9),(10,10),(11,9),(11,10)がCSI−RSに使用されておらず、eREGに割り当てることができる。
【0115】
結果として、OFDMシンボル9、サブキャリア1までのRE−eREGマッピングは、両方のユーザ機器において同じであるが、
図14Bの点線の四角の中に示したように、残りのリソース要素のグループ化は異なる。
【0116】
1つのユーザ機器と別のユーザ機器の間で異なるRE−eREGマッピングにつながる、ユーザ機器に固有なさらなる設定が存在し、例えばPDCCHの長さであり、PDCCHの長さは、ユーザ機器の設定に応じて、1個、2個、または3個のOFDMシンボルとすることができる。図には示していないが、
図12Aを参照しながら説明したRE−eREGマッピング規則が異なるOFDMシンボルから始まる場合、RE−eREGマッピングの結果は大幅に異なることが理解できる。
【0117】
同じPRBペアにおいてユーザ機器に固有な異なる構成(CSI−RS、干渉されるCRS、PDCCHの長さ)を有する異なるユーザ機器のいくつかのePDCCHを多重化することは困難である。異なるユーザ機器は、どのリソース要素がどのeREGに属するかを異なって認識することがあり、ePDCCHの多重化(すなわち異なるユーザ機器を対象とする多重化)がより複雑になる。同じPRBペア内の異なるユーザ機器のePDCCHを最適に多重化するためには、ユーザ機器1において利用されるリソース要素が、ユーザ機器2において利用されるリソース要素とまったく衝突しないべきである。本明細書では、ePDCCH送信の最小単位はeCCEであり、eCCE自体は少なくとも2つのeREGから形成されているものと想定しているため、異なるユーザ機器に対して異なるeREGインデックスが使用されるならば、最適な多重化を達成することができる(異なるeREGに1つまたは複数の同じリソース要素が含まれない場合)。しかしながら、
図14Aおよび
図14Bから理解されるように、例えばユーザ機器1のリソース要素(1,11)がeREG#3に属しており、その一方で、ユーザ機器2はリソース要素(1,11)がeREG#7に属していると認識することが起こりうる。したがって、ePDCCHをユーザ機器1に送信するためにeREG#3が使用されるべきであると同時に、ePDCCHをユーザ機器2に送信するためにeREG#7が使用されるべきである場合、最適な多重化は不可能である。最適な多重化が可能であるeREGの組合せが存在しうるが、そのような組合せを見つけるためには、ネットワークの複雑さが増大し、柔軟性が大きく低減し(なぜならすべてのeREGを任意のユーザ機器に割り当てることができない)、さらにはスペクトル効率が低下する(なぜならすべてのeREGを同じサブフレームにおいてネットワークによって利用できないことが起こる可能性が高い)。
【0118】
セルに固有なRE−eREGマッピングおよびユーザ機器に固有なRE−eREGマッピングに起因する問題を克服する目的で、
図15Aは、セルおよびユーザ機器とは独立している別のRE−eREGマッピング、すなわち、セルに固有な基準信号、およびユーザ機器に固有な基準信号、またはその他の信号、またはチャネルを考慮することなく、PRBペアの全体に適用される普遍的/一様なマッピングを紹介している。本明細書の説明では、一般的に基準信号を考慮することに焦点を当てているが、これは、サブフレームにおいて最も頻繁に使用される基準信号について言及しているにすぎないものと理解されたい。しかしながら、本明細書の説明は、エンハンスト制御チャネルの送信以外の目的でPRBペア内のリソース要素を占有しうる他の種類の信号またはチャネルにも一般的にあてはまる。
【0119】
より詳細には、リソース要素は、各OFDMシンボルの中でサブキャリアの昇順において、2つの隣接するリソース要素のペアにおいて昇順のeREGに割り当てられ、次いで、OFDMシンボルの昇順に割り当てられる。2つの隣接するリソース要素を同じeREGに割り当てるのは、主としてSFBCをサポートするために行われる。割当ては、物理リソースブロックペア内の基準信号を考慮せずに行われる。eREGは、物理リソースブロックペアのリソース要素すべてがm
max個のeREGのうちの1つに割り当てられるまで、eREG番号が{1,2,3,4,5,6,7,8,1,2,3,4,5,6,7,8,1,2,3,…}として割り当てられるように、循環的に続く。
【0120】
これらのマッピング規則が適用される場合、結果は
図15Aに見ることができ、リソース要素が8つのeREG1〜eREG8に割り当てられる。図から理解できるように、
図15AのRE−eREGマッピングの場合、基準信号が無視される(すなわち考慮されない)。したがって、eREGは、PRBペア内で各OFDMシンボル内のサブキャリアの昇順、かつeREGの昇順、かつPRBペア内のOFDMシンボルの昇順において、隣接する(周波数領域において隣接する)リソース要素のペアに割り当てられる。
【0121】
図15Aに示した普遍的なマッピングは、異なるセルおよび異なるユーザ機器において同じであり、したがって、セルに固有なRE−eREGマッピングおよびユーザ機器に固有なRE−eREGマッピングに起因する欠点が回避される。各ユーザ機器は、どのリソース要素がどのeREGに属するかを同じように認識し、しかしながら、あるユーザ機器が(ユーザ機器に固有な異なる基準信号のため)別のユーザ機器とは異なるリソース要素を使用することができる。
【0122】
図15Bは、
図15Aの場合と同じRE−eREGマッピングを想定しているが、CRS、DMRS(CSI−RSは便宜上無視してある)、およびSFBCの使用をさらに示している。言い換えれば、
図15AのRE−eREGマッピングが、基準信号(例えば
図7および
図8の基準信号)によってマスクされている。
【0123】
特に、基準信号に使用されるリソース要素は占有されており、送信またはSFBC送信に使用することができない。さらに、
図15Bは、基準信号に使用されるマスクされたリソース要素と、SFBCペアに対するその影響とに起因してSFBC送信に使用できないリソース要素を、無効(V)として示している。例として、OFDMシンボル0においては、リソース要素(1,0)および(2,0)をSFBC送信に使用することができず、なぜなら、(1,0)にはeREG1が割り当てられており、(2,0)にはeREG2が割り当てられているが、SFBCペアを形成する対応するリソース要素が、(0,0)および(3,0)においてCRSによって占有されているためである。同様の理由で、リソース要素(7,0)および(8,0)も無効である。リソース要素が基準信号によって占有されているために合計で24個のリソース要素がSFBC送信において無効である。さらに、
図15Bは、eREGのサイズをリソース要素の数で示している。図から明らかであるように、各eREGは、物理リソースブロックペア全体の中に、次の表によるリソース要素を含んでいる。
【0125】
上の表から理解できるように、
図15Bの特定の例においては、eREGのサイズは、eREG4の8からeREG8の18の間で変化する。これは大きな変動であり、不利である。次の例を理解するため、説明を明確にする目的で、eREGのインデックスは、2つの番号、すなわち、例えば
図15Aに示したようにPRBペア内のeREGのインデックスpと、eREGが送信されるPRBペアのインデックスqによって決まるものと想定する。したがって、eREGインデックス(p,q)は、PRBペアに対して別のPRBペア内のeREGインデックス(a,q+1)と同じリソース要素を占有する。さらに重要な点として、説明を単純にするため、2つのeREGがeCCEを形成するものと想定しているが、これらのeREGは同じPRBペア内に存在していることは要求されない。局在型のeCCE送信においては、eREGは同じPRBペア内に存在しているべきであり、したがって例えばeREG(p,q)とeREG(p’,q)がeCCEを形成する(pとp’は異なる)。分散型送信においては、eREGは異なるPRBペア内に存在しているべきであり、したがって例えばeREG(p,q)とeREG(p’,q’)がeCCEを形成する(qとq’は異なる)。p=4およびp’=8の例では、分散型のeCCE送信においては、ダイバーシチ効果がアンバランスであり、なぜなら、リソース要素の半分よりずっと多くが一方のPRBペアにおいて送信されるためである。このPRBペアが不良なチャネル条件に直面した場合、他方のPRBペアは容易には補正することができず、なぜなら含まれている情報が少ないためである。局在型送信および分散型送信において、リソース要素がアンバランスであることは、チャネル推定の面で好ましくない。一般的には、複数の異なるeREGがチャネル推定のベースとして異なるアンテナポートを使用することが可能であり、異なるアンテナポートは、ポート7およびポート9について例えば
図12Aに示したように、異なるリソース要素を占有することができる。結果として、異なるリソース要素が異なる干渉シナリオに直面することがあり、なぜなら干渉は、他のセルがPDSCH、CSI−RS、DM−RSなどをそれぞれのリソース要素で送信するために異なるレベルにおいて発生しうるためである。結果として、チャネル推定の品質およびしたがって精度が、異なるポートにおいて、したがって異なるeREGにおいて、異なりうる。場合によっては低品質の対応するチャネル推定によって影響されるリソース要素の数がアンバランスであることに起因して、リソース要素の半分以上が、eREGのリソース要素自体における雑音や干渉のためではなく、チャネル推定の精度が低いために、間違って検出されることがある。
【0126】
さらには、多数のリソース要素が無効/無駄になり、なぜならこれらのリソース要素はSFBCペアに使用できないためである。
【0127】
本発明の実施形態による改善されたRE−eREGマッピング規則について、
図16Aおよび
図16Bに関連して説明する。この実施形態も、
図15Aを参照しながらすでに行ったように、普遍的/一様なマッピングを使用する。したがって、本発明の以下の実施形態においても、リソース要素グループへのリソース要素の普遍的/一様なマッピングを想定する。この場合、普遍的な(または一様な、これらは「共通の」と称することもできる)とは、リソース要素が基準信号によって占有されるか否かに関係なく、マッピングによってリソース要素がeREGに割り当てられることを意味する。言い換えれば、普遍的なマッピングでは、基準信号の存在を無視する。後から
図22A〜
図23に関連して説明するように、普遍的なマッピングにおいて基準信号を考慮することができるが、基準信号がつねに存在する場合、すなわち基準信号がセルに固有ではない、またはユーザ機器に固有ではない場合に限られる。したがって、普遍的なマッピングは、特定のセルまたはユーザ機器に固有な送信される基準信号とは独立して、すべてのリソースブロックペアに同じように適用される。結果として、このような共通マッピングが想定されるとき、基準信号に使用されないリソース要素だけではなく、PRBペアのすべてのリソース要素がeREGに利用可能である(ただし
図22A〜
図23に関連して説明される制限は課される)。
【0128】
さらに、このような共通のRE−eREGマッピングを使用することにより、eREG/eCCEのサイズのバランスに影響することなく、将来において例えば新規のキャリアタイプへの拡張が可能である。新規のキャリアタイプは、制御チャネル領域が存在しない(PDCCH、すなわち制御領域のサイズが0である)、あるいはCRSが送信されないかまたは送信密度が低い、追加の基準(またはその他の)信号が導入される、あるいは追加のリソース要素または異なるリソース要素において送信される現在定義されている信号が再定義されることを特徴としうる。このようなリソース要素は、現在定義されている信号とまったく同じように扱われ、すなわち、どのリソース要素が送信に利用可能であるかを判定するときに普遍的なマッピングへの一種のマスキングとして適用される。しかしながら、eREGへのリソース要素の順序または関連付けは影響されない。
【0129】
しかしながら、この実施形態の改善されたRE−eREGマッピング規則は、SFBCに使用されるときのみならず、SFBCを使用しないときにも、良好なパフォーマンスを有する。上述したように、このマッピング規則はすべてのPRBペアに共通である(すなわち基準信号を無視する)が、この改善されたマッピング規則では、リソースブロックペア内の基準信号の配置が、異なる方法で依然として考慮される。特に、SFBC送信において使用される場合に、基準信号によってリソース要素が占有されるために無効となる(すなわち失われる)リソース要素の量を低減する目的で、あるeREGに割り当てられている1個のOFDMシンボル内のSFBCペアの一方のリソース要素が基準信号によって占有される場合、そのOFDMシンボル内で同じeREGに割り当てられるそのSFBCペアの他方のリソース要素も基準信号によって占有される。したがって、このマッピング規則は、最適なパフォーマンスを達成するために基準信号の配置を考慮する。本発明によると、eREGインデックスへのリソース要素の関連付けは、そのeREGにSFBCが使用されるかには依存しないため、SFBCの場合にブロックまたは無効化されるリソース要素を、非SFBCの場合に使用することが可能である。さらに、本発明では、同じPRBペア内の、SFBCを使用するeREGと、SFBCを使用しないeREGとを多重化することができ、多重化の能力とネットワークの柔軟性が大きく高まり、したがって、利用可能なリソースを効率的に使用するという目標が単純に達成される。
【0130】
この目的のため、同じeREGへのリソース要素ペアの割当ては、OFDMシンボル内のリソース要素ペアの2つのリソース要素が(ここまでの説明、例えば
図15Aのように)隣接しておらず、基準信号の配置に従って隔てられるように行われる。
【0131】
具体的には、
図7におけるセルに固有な基準信号CRSを調べてみると、図から理解できるように、個別のCRSは6つのサブキャリアだけ隔てられている。例えば、アンテナポート0のCRSは、OFDMシンボル0,7の中のサブキャリア0,6と、OFDMシンボル4,11の中のサブキャリア3,9とに位置している。例えば、アンテナポート3のCRSは、OFDMシンボル1の中のサブキャリア3,9と、OFDMシンボル8の中のサブキャリア0,6とに位置している。特定のCRSは、(上に示したように)6つのサブキャリアだけ隔てられているが、2つ以上のCRSを考慮するときには、CRSは周波数領域において3つのサブキャリアだけ隔てられており、例えばOFDMシンボル0,1,4,7,8,11の場合、サブキャリア0,3,6,9に位置している。
【0132】
このことは、
図8Aおよび
図8Bのユーザ機器に固有な基準信号DMRSおよびCSI−RSにも同様にあてはまり、この場合、1個のOFDMシンボル内で同じ基準信号は5つまたは6つのサブキャリア(すなわち周波数領域における5つまたは6つのリソース要素)だけ隔てられている。例えば、アンテナポート9および10のDMRSは、OFDMシンボル5,6,12,13の中のサブキャリア0,5に位置しており、したがって、5つのサブキャリアだけ異なる。これに対して、CSI−RSは、
図8Bから明らかであるように、6つのサブキャリアごとに反復している。
【0133】
したがって、本発明の一実施形態によると、OFDMシンボル内で同じeREGに割り当てられる2つのリソース要素は、6つのサブキャリア(すなわち周波数方向における6つのリソース要素)だけ隔てられる。さらに、このRE−eREGマッピングでは、サブキャリア、OFDMシンボル、およびエンハンストリソース要素グループの所定の順序で(以下では昇順で)、連続的にリソース要素がeREGに割り当てられる。
【0134】
図16Aは、上記をふまえた結果として、どのようにリソースブロックペアのリソース要素にeREGが割り当てられるかのマッピング規則を示している。図から明らかであるように、リソースブロックペアの下側半分と上側半分(12本のサブキャリアが、それぞれ6本のサブキャリアを有する2つの部分に分割されている)において、リソースブロックペアの下側部分のすべてのリソース要素がeREGに割り当てられるまで、各OFDMシンボルについてサブキャリアの昇順で、かつOFDMシンボルの昇順で、eREGが連続的かつ循環的にリソース要素に割り当てられる。同じ手順が、リソースブロックペアの上側半分にも適用される。
【0135】
このマッピング規則を実際に適用すると、
図16BのRE−eREGマッピングが達成される。ここでは、eREGの総数を8個と想定している。
図17A〜
図18Bは、それぞれ、eREGが6個、5個、4個、3個の場合における、
図16Aのこのマッピング規則に従ってのRE−eREGマッピングを示している。
【0136】
8つのeREGの場合の
図16Bの例示的なマッピングでは、eREGは次のように割り当てられる。
eREG1(k,l): (0,0),(6,0),(2,1),(8,1),(4,2),(10,2),(0,4),(6,4),(2,5),(8,5),(4,6),(10,6),(0,8),(6,8),(2,9),(8,9),(4,10),(10,10),(0,12),(6,12),(2,13),(8,13);
eREG2(k,l): (1,0),(7,0),(3,1),(9,1),(5,2),(11,2),(1,4),(7,4),(3,5),(9,5),(5,6),(11,6),(1,8),(7,8),(3,9),(9,9),(5,10),(11,10),(1,12),(7,12),(3,13),(9,13);
eREG3(k,l): (2,0),(8,0),(4,1),(10,1),(0,3),(6,3),(2,4),(8,4),(4,5),(10,5),(0,7),(6,7),(2,8),(8,8),(4,9),(10,9),(0,11),(6,11),(2,12),(8,12),(4,13),(10,13);
eREG4(k,l): (3,0),(9,0),(5,1),(11,1),(1,3),(7,3),(3,4),(9,4),(5,5),(11,5),(1,7),(7,7),(3,8),(9,8),(5,9),(11,9),(1,11),(7,11),(3,12),(9,12),(5,13),(11,13);
eREG5(k,l): (4,0),(10,0),(0,2),(6,2),(2,3),(8,3),(4,4),(10,4),(0,6),(6,6),(2,7),(8,7),(4,8),(10,8),(0,10),(6,10),(2,11),(8,11),(4,12),(10,12);
eREG6(k,l): (5,0),(11,0),(1,2),(7,2),(3,3),(9,3),(5,4),(11,4),(1,6),(7,6),(3,7),(9,7),(5,8),(11,8),(1,10),(7,10),(3,11),(9,11),(5,12),(11,12);
eREG7(k,l): (0,1),(6,1),(2,2),(8,2),(4,3),(10,3),(0,5),(6,5),(2,6),(8,6),(4,7),(10,7),(0,9),(6,9),(2,10),(8,10),(4,11),(10,11),(0,13),(6,13);
eREG8(k,l): (1,1),(7,1),(3,2),(9,2),(5,3),(11,3),(1,5),(7,5),(3,6),(9,6),(5,7),(11,7),(1,9),(7,9),(3,10),(9,10),(5,11),(11,11),(1,13),(7,13).
【0138】
この観点から、SFBCを使用するべきである場合、RE(k’,l’),(k’+d
sc,l’)がSFBCペアを形成し、これについては後からさらに詳しく説明する。
【0139】
上の式は、eREGの昇順に適用されるが、本発明はこれに制限されず、降順など任意の所定の順序に適用することができる。さらに、m(k’,l’)の結果は、「1」から始まるeREGである。しかしながら、上の式は、単純に1を減じることによって、「0」から始まるeREGインデックスを使用するようにすることができる。
【0140】
言葉で表現すると、
図16Aの例示的な実施形態のRE−eREGマッピング規則は、次のよう言い表すことができる。
【0141】
このRE−eREGマッピング規則は、リソースブロックペアの下側部分および上側部分に同じように適用される。最初のOFDMシンボルのリソース要素が、周波数領域におけるリソース要素の(すなわちサブキャリアの)第1の所定の順序と、リソース要素グループの第2の所定の順序において、リソース要素グループに割り当てられ、第1の所定の順序および第2の所定の順序は、この特定のケースでは昇順である。次いで、2番目のOFDMのリソース要素と、リソースブロックペア内の残りのOFDMシンボルのそれぞれのリソース要素が、リソース要素の同じ第1の所定の順序と、リソース要素グループの同じ第2の所定の順序において、リソース要素グループに割り当てられる。しかしながら、さらなる規則として、この2番目またはさらなるOFDMシンボルにおいて割り当てられる最初のリソース要素グループは、前のOFDMシンボルにおいて最後に割り当てられたリソース要素グループの順序的に1つ次である。
【0142】
上の説明は、
図16Aにおける矢印によって示したマッピング規則(リソースブロックペアの2つの半分それぞれの中を蛇行している)を基本的に制約している。上には説明していないが、一般性を失うことなく、eREGの開始番号は1である。これに代えて、eREGの割当ての開始番号を任意の別の番号とすることができ、例えば、eREGの総数を8個(より一般的にはm
max)と想定するとき、開始番号を8とすることができる。
【0143】
OFDMシンボル内のREとeREGとの間の関連付けは、同じサブフレームおよびPRBペアの他のOFDMシンボルにおいて割り当てられるリソース要素を考慮に入れたときに、上記の制約の中でできる限り公平にeREGあたりのREの数が割り当てられるように行われる。
【0145】
図19Aは、OFDMシンボルおよび各OFDMシンボル内のサブキャリアが降順である場合の、上述したRE−eREGマッピング規則を例示している。eREGの順序は、昇順、降順、または任意の他の所定の順序とすることができる。
図19Bは、各OFDMシンボル内のサブキャリアが降順であるが、OFDMシンボルが昇順である場合の、上述したRE−eREGマッピング規則を例示している。この場合も、eREGの順序は、昇順、降順、または任意の他の所定の順序とすることができる。
【0146】
図20は、
図16Bの同じRE−eREGマッピングを示している。さらに、
図20は、CRSおよびDMRSなどの例示的な基準信号を示しており、リソースブロックペアのeREGにSFBCを適用する方法も示している。図から理解できるように、SFBCペアは、同じeREGに割り当てられている同じOFDMシンボル内の2つのリソース要素から構成されており、SFBCペアのリソース要素は6つのサブキャリアだけ隔てられている(すなわちk’およびk’+6)。
図20では、2つのみのSFBCペアを例示的に示してあるが、当然ながら、SFBCは必要であればすべての可能なリソース要素ペアに適用される。
【0147】
eREGに割り当てられているリソース要素は、以下の基準の両方が満たされている場合にのみ、eCCE送信に使用される。
− リソース要素が、PBCH、同期信号、セルに固有な基準信号、MBSFN基準信号、CSI基準信号、ユーザ機器に固有な基準信号のうちの少なくとも1つの送信に使用されない。
− eREGにSFBCが使用される場合、SFBCペアを形成する両方のリソース要素において上の基準が満たされる。
【0148】
言い換えれば、いくつかのリソース要素は基準信号によって占有されるため、すべてのリソース要素を使用することはできない。CRS基準信号は、完全なSFBCペアをパンクチャリングし(puncture)、これについては後から説明する。SFBC送信に関連して、いくつかのさらなるリソース要素は、基準信号によってマスクされていなくても失われ、なぜなら、これらのリソース要素はOFDMシンボル内で有効なSFBCペアを形成できないためである。
図20において、SFBCの場合に対応するリソース要素が占有されることに起因して失われるすべてのリソース要素を、Vとして示してある。例えば、リソース要素(4,5)はSFBCの場合に無効であり、なぜなら対応するリソース要素(10,5)がDMRSによって占有されるためである。同様に、リソース要素(7,5)も無効であり、なぜならリソース要素(1,5)がDMRSに使用されるためである。これらの理由として、DMRSに使用される間隔が、
図16A/16BのRE−eREGマッピングに適用されるように6ではなく、5であるためである。
【0149】
これに対して、基準信号CRSに起因して追加のリソース要素が無効になることはなく、なぜなら、アンテナポート0の各CRSが、6だけ隔てられている2つのリソース要素を使用しており、この間隔はRE−eREGマッピングに使用される間隔と同じであるためである。言い換えれば、OFDMシンボル内で同じeREGに割り当てられており、かつ1つ(または一般的には2つ以上の)SFBCペアを形成しているリソース要素を、CRSが占有しており、これはマッピング規則がこのように適合化されているためである。
【0150】
結果として、基準信号によって占有されるリソース要素を除き、PRBペア内で無効になるリソース要素は合計で8個である。
図15BのRE−eREGマッピングと比較すると、無効(したがって利用不可)になるリソース要素の数が16個減少する。
【0151】
次の表は、各eREGについて、リソース要素の数によるサイズを示している。
【0153】
上の表から理解できるように、eREGのサイズは12〜18の間で変動する。
図15BのRE−eREGマッピングと比較すると、eREGのサイズのバランスがより良好であり、チャネル推定/復調のために異なるeREGが異なるアンテナポートに結合されている場合、より均一に分布した信号品質が可能である。さらに、eREGのサイズのバランスがより良好であることにより、分散型PRBペアへのマッピングの場合に、より公平な周波数ダイバーシチが可能である。
【0154】
eCCEあたりのeREGが2個と想定される場合、
図20の上の例(すなわちSFBC、CRS、および24個のDMRS)では、eCCEの平均サイズは30個のリソース要素である。
【0155】
図15BのRE−eREGマッピングと比較すると、本発明のこの実施形態のeREGの平均サイズは、2つのリソース要素だけ大きく、言い換えれば約15%高い(恩恵を2/13として計算したとき)。したがって、eCCEにおいて15%だけ大きい冗長性が利用可能であり、送信されるリソース要素あたりの電力が一定であるとき、0.62dBの電力利得と等価であるとみなすことができる。
【0156】
本発明のこの実施形態の別の利点として、SFBCの利用をeREGインデックスごとに適用することができ、したがって同じPRBペア内でも、あるeREGがSFBCを利用し、別のeREGがSFBCを利用しないことができる。この場合、すべてのeREGが依然として同じRE−eREGマッピングを使用し、これにより、異なる送信要件を有する受信器の場合にも、PRBペア内のすべてのリソースを極めて柔軟に利用することができる(例えばSFBCなどの送信ダイバーシチの使用の有無)。
【0157】
少なくとも2つのeREGが組み合わされて1つのeCCE(ダウンリンク制御情報(=第1層/第2層制御シグナリング)を送信するための最小単位)が形成されるものと想定すると、m
maxが、1つのeCCEを形成するために組み合わされるeREGの数の倍数であることがさらに好ましい。このような場合、同じeCCEに属する異なるeREGを異なるPRBペアにおいて送信することが可能であり、これにより周波数ダイバーシチ(無線チャネルの観点から)もしくは雑音/干渉ダイバーシチ(隣り合う送信器または他の雑音/干渉源によって発生しうる雑音または干渉の観点から)またはその両方を得ることができる。
【0158】
さらに、1つのeCCEを形成するために組み合わされるeREGは、異なるインデックスを有することが好ましい。同じPRBペアのeREGが組み合わされる場合、これは簡単であり、なぜなら各eREGはPRBペアあたり1回のみ使用できるためである。少なくとも2つの異なるPRBペアのeREGを組み合わせる場合、これはインデクシングと組合せの一様性のために行われるべきであり、さらに、このようにすることで、eCCEあたりの結果としてのリソース要素の数をeCCE全体にわたり均等化することができるためである。表に示したように、eREGあたりのリソース要素の数はeREGごとに異なりうるが、一般的には、eREG(またはeCCE)がマッピングされているPRBペアとは独立している。eREGインデックスの番号付けが各PRBペアにおいて同じであると想定すると、複数の異なるeREGインデックスを組み合わせて1つのeCCEを形成することによって、結果としてのeCCEにおけるリソース要素の数をより近いものとすることができる。なお、基礎となる原理は、eREGインデックス自体に関係しているのではなく、各PRBペア内のリソース要素の位置に関係している。したがって、異なるPRBペアにおいてeREGのインデクシングが異なる場合、各PRBペアに対する異なるインデックスk’,l’を有するリソース要素を組み合わせることによってeCCEが形成されることが依然として好ましく、このようなリソース要素は、便宜上および抽象性の理由から、本明細書の説明においてeREGインデックスと等価である。
【0159】
本発明のここまでの(特に
図16A〜
図20による)実施形態においては、SFBCペアの間隔として6を想定してきた(d
sc=6)。本発明の別の実施形態によると、この間隔を3とすることができる(d
sc=3)。上に示した式も使用することができる。
図21Aは、蛇行した矢印によって示したように、循環的に続く順序においてeREGをリソース要素に割り当てるために適用されるマッピング規則を示している。
図21Bは、結果、すなわち8つのeREGと、eREGの昇順を使用するときのRE−eREGマッピングを示している。
【0160】
本発明のさらなる実施形態においては、ユーザ機器が、リソースブロックペア内に特定のDMRSが存在するものとつねにみなすものと想定する。言い換えれば、これらのDMRSの存在はもはやユーザ機器に固有ではなく、少なくともリソース要素をeREGに関連付ける場合において、すべてのユーザ機器に同様に存在するものと考えることができる。すべてのユーザ機器それぞれは、特定のDMRSが対応するリソース要素に存在する、または対応するリソース要素において送信される、または少なくとも対応するリソース要素をeREGに使用することができない(すなわち予約されている)ものと想定する。しかしながらこのことは、CSI−RSには適用されず、CSI−RSは依然としてユーザ機器に固有である。好ましい実施形態においては、LTEにおいてDMRSアンテナポート7〜10は、このようにつねに存在するものとしてすべてのユーザ機器によって想定される。
【0161】
前の実施形態のRE−eREGマッピングを、この想定の結果を考慮することで基準信号の影響をさらに低減するようにすることができる。一般的には、割当てプロセス時、DMRSによって占有されるリソース要素はeREGに割り当てられずにスキップされるように、RE−eREGマッピングを適合させることができる。このマッピングは、依然としてセルおよびユーザ機器とは独立しているため、依然として普遍的/一様であるとみなすことができる。
【0162】
図22Aは、リソース要素の間隔d
scとして6が想定され、DMRSに24個のリソース要素が使用される場合における、対応するRE−eREGマッピング規則を示している。このマッピング規則から明らかであるように、OFDMシンボル5,6,12,13におけるDMRSは割当てにおいて無視される、すなわち、DMRSによって予約または占有されている対応するリソース要素はRE−eREG割当てに使用されない。このマッピング規則によると、OFDMシンボル5,6,12,13におけるSFBCペアは、5つのリソース要素だけ隔てられているリソース要素によって形成されており、残りのOFDMシンボルでは、SFBCの間隔は6である。
【0163】
図20と比較することで理解できるように、
図22AのマッピングにSFBCを適用するときには、4つの無効なリソース要素が回避される。
図20がベースとするマッピング規則では、リソース要素(4,5),(4,6),(7,5),(7,6)が無効であるのに対して、
図22Aのマッピングでは、OFDMシンボル5,6の残りのリソース要素すべてを使用することができる。さらにOFDMシンボル12,13も考慮すると、8つのリソース要素が「節約」され、なぜなら失われる(無効な)リソース要素が基本的に存在しないためである。
【0164】
図22Bは、
図21Aおよび
図21Bを参照しながら紹介したマッピング規則に基づいているが、
図22Aと同様に、DMRSに予約されているリソース要素がスキップされる。
図22Bは、結果としてのマッピング規則とその結果を示している。OFDMシンボル0〜4,7〜11においては、SFBCペアは、3つのサブキャリアだけ隔てられているリソース要素によって形成されており、その一方で、OFDMシンボル5,6,12,13においては、間隔は変化しているがSFBCペアを形成することができ、なぜならeREGあたりそれぞれ2つのリソース要素が存在するためである。
【0165】
前に説明した擬似コードを参照すると、ステップ4を以下のステップに置き換えることができる(ステップ8は代わりにステップ4aを指す)。
4a)OFDMシンボルl’に、(例えばDMRSのために)予約されたリソース要素が含まれている場合、ステップ4dに進む。
4b)リソース要素(k’,l’)および(k’+d
sc,l’)をeREGmに割り当てる。
4c)ステップ5に進む。
4d)リソース要素(k’,l’)が予約されている場合、ステップ7に進む。
4e)リソース要素(k’,l’)および(k’+5,l’)をeREGmに割り当てる。
【0166】
図23は、本発明の別の実施形態を示している。
図22Aおよび
図22Bの実施形態と同様に、RE−eREG割当てにおいて、DMRSによって予約または占有されているリソース要素はスキップされる。しかしながら、実際のRE−eREGマッピング規則は、これまでのRE−eREGマッピング規則とはさらに異なる。
図23から理解できるように、基本的な間隔として3が使用されており、すなわち、3つのサブキャリアだけ隔てられているリソース要素が同じeREGに割り当てられる。しかしながら、リソースブロックペアの各部分においてeREGの最初のインデックスから開始する(eREGインデックスの昇順を想定する)代わりに、eREGの割当ては、上側半分の2つの部分においては、下側半分の2つの部分に使用された最後のインデックスに続くインデックスから開始される。言い換えれば、1個のOFDMシンボル内のリソース要素に3つの異なるeREGを割り当てる代わりに(
図21A、
図21Bを参照)、合計で6つの異なるeREGが割り当てられる。
【0167】
具体的には、OFDMシンボル0においては、下側半分の2つの部分において、eREG1〜3が連続的な順序で割り当てられる。次いで、OFDMシンボル0の上側半分の2つの部分において、eREG4〜6がそれぞれ割り当てられる。次のOFDMシンボル1においては、続くeREG7,8と、循環的に続くeREG1とが、このOFDMシンボルの下側半分の2つの部分のリソース要素にマッピングされる。一般的には、さらなるOFDMシンボルそれぞれにおいて、前のOFDMシンボルにおいて割り当てられたeREGに、順序において続くeREGが割り当てられる。例えば、OFDMシンボル8において、6つのeREG3〜8が割り当てられ、結果として、次のOFDMシンボル9においては、6つのeREG1〜6がリソース要素に割り当てられる。
【0168】
図23から明らかであるように、この規則がリソースブロックペア全体を通じて適用される。すでに説明したように、OFDMシンボル5,6,12,13においては、DMRSに使用されるリソース要素はいずれのeREGにも割り当てられず、割当てプロセスにおいてスキップされる。
【0169】
図23のRE−eREGマッピングに基づく送信にSFBCが適用されるときには、図から理解できるように、OFDMシンボル0〜4および7〜11では、SFBC間隔として3が使用され(すなわち1つのSFBCペアを形成しているリソース要素の間のサブキャリアの数による間隔)、その一方で、OFDMシンボル5,6,12,13においては、SFBC間隔として5が使用される。
図22Aの場合と同様に、OFDMシンボル5,6,12,13において、SFBCの場合に基準信号に起因して無効となるリソース要素は存在しない。
【0171】
以下では、本発明のさらなる実施形態を提示する。高速の場合、特にサブフレーム内の最初の方のOFDMシンボルにおいて、時間フェージングに起因して推定が不正確になり、なぜなら、DMRSおよびCSI−RSがOFDMシンボル5の時点ではじめて利用できるためである(
図8を参照)。当然ながら、最初の方のOFDMシンボルの品質は、OFDMシンボル5,6,9,10,12,13において送信される基準信号から推定することができる。しかしながら、推定と、実際に受信される信号品質とが大幅に異なることがあり、これは特に、移動端末が100km/hなどの高速で移動しているときにあてはまる。
【0172】
これによって発生しうる問題点として、サブフレームの最初の方のOFDMシンボルによって伝えられる情報が、誤ったチャネル推定下で復調され、結果として、特に、例えば最近の移動通信システムにおいて使用されるコヒーレント変調(復調)における別の雑音源につながる。簡単な例として、情報が複素信号平面において+1または−1として送信される。このような情報の送信に雑音が含まれない場合でも、180度のチャネル推定誤り(受信値に−1を乗じることに等しい)が生じると、すべての場合において誤りとなり、なぜなら、送信された+1が受信器では−1として認識され、送信された−1が+1として認識されるためである。
【0173】
本発明のこのさらなる実施形態によると、移動端末は自身の速度を監視して、速度が所定の速度しきい値を超えているかを判定することができる。しきい値は、最初の方のOFDMシンボル(すなわちOFDMシンボル0〜4)の少なくともいくつかにおいて、OFDMシンボル5〜13のうちの1つに基づくチャネル品質の推定が十分に正確ではないと想定されるような値に設定する。
【0174】
速度しきい値を超えている場合、移動端末は、リソースブロックペア内のインデックス0〜≦lr(lrは4、3、2、1のいずれか)のOFDMシンボルのリソース要素を無視する。好ましくは、これらのリソース要素の対数尤度比(LLR)を0に設定する、すなわち、これらのリソース要素のさらなる処理において、これらのリソース要素は信頼できないものと想定し、従ってユーザ機器が破棄する。残りのリソース要素に関してリソースブロックペアにおける冗長性は、データを正しく受信するのに十分であるものと想定する。
【0175】
「lr」は、ユーザ機器の実装によって定義することができ、したがってユーザ機器によって異なりうる。したがって、移動端末が特定のlrについての情報を基地局に送信することが有利である。さらに、最初の方のOFDMシンボルを使用するか否かを判定するために移動端末によって適用される所定の速度しきい値を基地局が認識していることができる。所定の速度しきい値は、基地局においてあらかじめ設定する、または移動端末が基地局に通知する。
【0176】
さらなる実施形態によると、基地局も移動端末の速度を監視し、ユーザ機器の速度が対応するしきい値を超えているかを判定する。速度がしきい値を超えている場合、基地局は、最初のlr個のOFDMシンボルを電力0で送信する(REパンクチャリングに似ている)ことができる。この場合も、この処理が適用される最後のOFDMシンボルは、主として特定の実装に依存することができる、または移動端末が基地局に通知することができる。
【0177】
これに代えて、基地局は、移動端末の移動速度が高すぎるものと判定し、したがって最初の方のOFDMシンボルを電力0で送信すると、そのことを移動端末に通知することができる。この点において、例えばPCFICHを使用することができる。したがって、移動端末は、どのタイミングでどのOFDMシンボルを使用しないべきかを認識する。
【0178】
1つの利点として、最初の方のOFDMシンボルを電力0で送信することで基地局において節約される電力を、例えば別のPRBペア内の、対応する「節約される」OFDMシンボル内のリソース要素の送信電力を増大させる目的に使用することができる。
【0179】
基地局は、例えば、ユーザ機器の速度をハンドオーバーカウント(handover count)から推定することができる。
【0180】
最初の方のシンボルがユーザ機器において信頼できないことをeNBが認識する目的で、ユーザ機器は、対応する開始OFDMシンボルの指示情報を、例えばePDCCHに適用可能なCSI報告に含める。eNBは、このような情報によって、対応するユーザ機器を対象とする、対応するOFDMシンボル内のリソース要素を電力0で送信することが可能となり、代わりに、(1つまたは複数の)同じOFDMシンボル内の別のリソース要素(例えば対応する開始シンボルを示していない異なるユーザ機器を対象とするリソース要素)の送信電力を増大させて、受信器におけるこれらのリソース要素の品質を向上させるために、節約された電力を使用することができる。
【0181】
ハードウェアおよびソフトウェアへの本発明の実装
【0182】
本発明の他の実施形態は、ハードウェアおよびソフトウェアを用いて、上記したさまざまな実施形態を実施することに関する。これに関連して、本発明は、ユーザ機器(移動端末)およびeNodeB(基地局)を提供する。ユーザ機器は、本発明の方法を実行するようにされている。
【0183】
本発明のさまざまな実施形態は、コンピューティングデバイス(プロセッサ)を使用して実施または実行できることが認識される。コンピューティングデバイスまたはプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブルロジックデバイスとすることができる。本発明のさまざまな実施形態は、これらのデバイスの組合せによって実行あるいは具体化することもできる。
【0184】
さらに、本発明のさまざまな実施形態は、ソフトウェアモジュールによって実施することもでき、これらのソフトウェアモジュールは、プロセッサによって実行される、あるいはハードウェアにおいて直接実行される。さらに、ソフトウェアモジュールとハードウェア実装とを組み合わせることも可能である。ソフトウェアモジュールは、任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体、例えば、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVDなどに格納することができる。
【0185】
さらには、本発明のさまざまな実施形態の個々の特徴は、個別に、または任意の組合せとして、別の発明の主題とすることができることに留意されたい。
【0186】
具体的な実施形態において示した本発明には、広義に記載されている本発明の概念または範囲から逸脱することなく膨大なバリエーションもしくは変更形態を創案できることが、当業者には理解されるであろう。したがって、本発明の実施形態は、あらゆる点において例示を目的としており、本発明を制限するものではない。