(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
送受信部を有するプローブを血管内に挿入し、該送受信部の血管長さ方向の位置を制御しながら該送受信部を用いて血管の断層像を撮影する断層像撮影装置と通信可能に接続された情報処理装置であって、
前記プローブを血管内に挿入している間に撮影された、1以上のフレームで構成される血管の透視像について、それぞれのフレームに含まれる送受信部の像の位置を取得する第1の取得手段と、
前記透視像のフレームのうち少なくとも1つを表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記表示手段に表示された前記透視像のフレーム上でユーザが指定した血管位置を取得する第2の取得手段と、
前記ユーザが指定した血管位置により近い位置にある送受信部の像を含む前記透視像のフレームを特定する特定手段と、
前記特定されたフレームについて、該フレームが撮影された際の前記送受信部の血管長さ方向の位置を取得し、前記断層像撮影装置の送受信部の血管長さ方向の位置が、前記特定されたフレームが撮影された際の送受信部の血管長さ方向の位置と同様となるように、前記送受信部の移動指示を前記断層像撮影装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
前記送信手段は、前記移動指示に従う位置で血管の断層像を撮影させる撮影指示を、前記断層像撮影装置にさらに送信することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
前記プローブを血管内に挿入している間に撮影された、複数のフレームで構成される血管の透視像と、前記プローブを血管内に挿入することによって撮影された、複数のフレームで構成される血管の断層像とを収集する収集手段と、
前記透視像の各フレームについて、該フレームと略同時に撮影された前記断層像のフレームを示す情報を取得する第3の取得手段と、をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記透視像のフレームと、該フレームと略同時に撮影された前記断層像のフレームと、を同時に前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の画像処理装置。
前記送信手段は、前記血管の断層像よりも高い解像度で、前記移動指示に従う位置で血管の断層像を撮影させる撮影指示を、前記断層像撮影装置にさらに送信することを特徴とする、請求項4に記載の情報処理装置。
前記送信手段は、前記移動指示に従う位置から所定範囲内にある複数の位置で血管の断層像を撮影させる撮影指示を、前記断層像撮影装置にさらに送信することを特徴とする、請求項4又は5に記載の情報処理装置。
前記送信手段は、前記特定手段により特定されたフレームに含まれる送受信部の像の位置と前記ユーザが指定した血管位置との間の距離が所定の閾値以内である場合に、前記移動指示を送信することを特徴とする、請求項1乃至6の何れか1項に記載の情報処理装置。
送受信部を有するプローブを血管内に挿入し、該送受信部の血管長さ方向の位置を制御しながら該送受信部を用いて血管の断層像を撮影する断層像撮影装置と通信可能に接続された情報処理装置が行う情報処理方法であって、
前記プローブを血管内に挿入している間に撮影された、1以上のフレームで構成される血管の透視像について、それぞれのフレームに含まれる送受信部の像の位置を取得する第1の取得工程と、
前記透視像のフレームのうち少なくとも1つを表示手段に表示させる表示制御工程と、
前記表示手段に表示された前記透視像のフレーム上でユーザが指定した血管位置を取得する第2の取得工程と、
前記ユーザが指定した血管位置により近い位置にある送受信部の像を含む前記透視像のフレームを特定する特定工程と、
前記特定されたフレームについて、該フレームが撮影された際の前記送受信部の血管長さ方向の位置を取得し、前記断層像撮影装置の送受信部の血管長さ方向の位置が、前記特定されたフレームが撮影された際の送受信部の血管長さ方向の位置と同様となるように、前記送受信部の移動指示を前記断層像撮影装置に送信する送信工程と、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
送受信部を有するプローブを血管内に挿入し、該送受信部の血管長さ方向の位置を制御しながら該送受信部を用いて血管の断層像を撮影する断層像撮影装置と通信可能に接続されたコンピュータに、
前記プローブを血管内に挿入している間に撮影された、1以上のフレームで構成される血管の透視像について、それぞれのフレームに含まれる送受信部の像の位置を取得する第1の取得手順と、
前記透視像のフレームのうち少なくとも1つを表示手段に表示させる表示制御手順と、
前記表示手段に表示された前記透視像のフレーム上でユーザが指定した血管位置を取得する第2の取得手順と、
前記ユーザが指定した血管位置により近い位置にある送受信部の像を含む前記透視像のフレームを特定する特定手順と、
前記特定されたフレームについて、該フレームが撮影された際の前記送受信部の血管長さ方向の位置を取得し、前記断層像撮影装置の送受信部の血管長さ方向の位置が、前記特定されたフレームが撮影された際の送受信部の血管長さ方向の位置と同様となるように、前記送受信部の移動指示を前記断層像撮影装置に送信する送信手順と、
を実行させるためのプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ただし、本発明の範囲は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0013】
[実施形態1]
以下に、実施形態1に係る情報処理装置について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置100の構成の一例を示すブロック図である。本実施形態に係る情報処理装置100は、画像収集部110と、対応取得部120と、検出部125と、ユーザ指示取得部130と、表示制御部140と、フレーム特定部145と、指示送信部150と、を備える。また、情報処理装置100は、断層像撮影装置170及び表示装置190と通信可能に接続されており、これらの動作を制御することができる。
【0014】
画像収集部110は、血管の断層像と透視像とを収集する。血管の断層像の種類は特に限定されないが、例えば超音波断層像又は光断層像等でありうる。本実施形態において、画像収集部110が収集する断層像は、送受信部を有するプローブを血管内に挿入することによって撮影されたものである。また、本実施形態において、画像収集部110が収集する透視像は、送受信部を有するプローブを血管内に挿入することによって血管の断層像を撮影している間に撮影されたものである。この送受信部は、送受信部の位置における血管の断層像を撮影するために用いられる。一実施形態において、送受信部は診断用の波動を送受信する。例えば、超音波断層像を撮影する際には送受信部は超音波を送受信し、光断層像を撮影する際には送受信部は光を送受信する。本実施形態において、画像収集部110は断層像撮影装置170及び透視像撮影装置180に接続されており、これらの装置から断層像及び透視像を収集する。これらの装置は通常血管径方向の横断面画像を取得するが、横断面画像から血管長さ方向の縦断面画像を得ることもできる。
【0015】
超音波断層像は、例えば血管内超音波診断装置(IVUS:Intra Vascular Ultra Sound)等により取得することができる。また、光断層像は、例えば光干渉断層診断装置(OCT:Optical Coherence Tomography)又は波長掃引を利用した光干渉画像診断装置(OFDI:Optical Frequency Domain Imaging)等により取得することができる。以下の説明においては、画像収集部110は、OFDI装置を用いて得られた光断層像を収集するものとする。
【0016】
本実施形態で画像収集部110が収集する断層画像は、複数のフレームにより構成されている。例えば、OFDI装置の光プローブを冠動脈内等の血管内にカテーテルを介して挿入し、光プローブを引っ張りながら、光プローブが有する送受信部を用いて連続して断層画像を撮影することにより、複数のフレームにより構成される断層像を得ることができる。
【0017】
また、血管の透視像の種類も特に限定されないが、例えばアンギオグラフィー法により造影剤を用いて撮影されたX線画像でありうる。すなわち、OFDI装置の光プローブを引っ張りながらX線画像を連続して撮影することにより、複数のフレームにより構成される透視像を得ることができる。
【0018】
以下で、OFDI装置について
図3を参照して簡単に説明する。OFDI装置300は、プローブ部301と、スキャナ及びプルバック部302と、操作制御装置303とを備え、スキャナ及びプルバック部302と操作制御装置303とは、信号線304により各種信号が伝送可能に接続されている。
【0019】
プローブ部301は、直接血管内に挿入され、伝送された光(測定光)を連続的に血管内に送信するとともに、血管内からの反射光を連続的に受信する光送受信部を備えるイメージングコアが内挿されている。通常、送受信部を備えるイメージングコアはプローブ部301の先端付近に設けられる。OFDI装置300では、該イメージングコアを用いることで血管内部の状態を測定する。
【0020】
スキャナ及びプルバック部302は、プローブ部301が着脱可能に取り付けられ、内蔵されたモータを駆動させることでプローブ部301に内挿されたイメージングコアの血管内の軸方向の動作及び回転方向の動作を規定している。本実施形態においてスキャナ及びプルバック部302は、操作制御装置303の指示に従って、例えばプローブの血管内への挿入長さを制御することにより送受信部の血管長さ方向の位置を制御することができる。プローブ部301は、スキャナ及びプルバック部302によって制御された位置で血管内部の状態を測定し、この測定結果に従って断層像が生成される。また、スキャナ及びプルバック部302は、光送受信部において受信された反射光を取得し、操作制御装置303に対して送信する。
【0021】
操作制御装置303は、測定を行うにあたり、各種設定値を入力するための機能や、測定により得られたデータを処理し、断層像を生成して、生成された断層像の各フレーム(血管内の横方向断面画像及び縦方向断面画像)を表示するための機能を備える。生成された断層像は、情報処理装置100へと送信されうる。
【0022】
操作制御装置303において、311は本体制御部であり、測定により得られた反射光に基づいて生成されたラインデータを処理することで、光断面画像を生成する。
【0023】
311−1はプリンタ及びDVDレコーダであり、本体制御部311における処理結果を印刷したり、データとして記憶したりする。312は操作パネルであり、ユーザは該操作パネル312を介して、各種設定値及び指示の入力を行う。313は表示装置としてのLCDモニタであり、本体制御部311において生成された断面画像を表示する。
【0024】
本実施形態に係る情報処理装置100は、断層像及び透視像の撮影装置から断層像及び透視像を収集するが、本実施形態に係る情報処理装置100が断層像又は透視像の撮影装置に組み込まれていてもよい。例えば、
図3に示す本体制御部311が、
図1に示す情報処理装置100の各構成要素を備えていてもよい。この場合、表示制御部140はLCDモニタ313の表示を制御することができ、ユーザ指示取得部130は操作パネル312からユーザ指示を取得することができる。また、断層像を撮影する断層像撮影装置170と、透視像を撮影する透視像撮影装置180とを備える撮影システムが、さらに本実施形態に係る情報処理装置100を備えていてもよい。
【0025】
対応取得部120は、透視像を構成する各フレームと、断層像を構成する各フレームとの対応関係を取得する。具体的には、対応取得部120は、透視像を構成する各フレームについて、このフレームと略同時に撮影された断層像のフレームを判定する。対応関係の取得方法は特に限定されない。透視像のフレームと略同時に撮影された断層像のフレームとは、透視像のフレームの撮影時刻から所定の時間間隔内において撮影された断層像のフレームでありうる。透視像を構成するフレームについて、略同時に撮影された断層像のフレームが存在しない場合には、対応取得部120は、対応する断層像のフレームは存在しないことを記録することができる。
【0026】
例えば、対応取得部120は、断層像及び透視像に対する画像処理によってこの対応関係を取得することができる。一例としては、対応取得部120は、透視像からプローブが有する送受信部の位置を検出し、送受信部の挿入長さを算出し、算出された挿入長さに対応する断層像を判定することができる。また、対応取得部120は、透視像から検出された血管の分枝位置と、断層像から検出された血管の分枝位置と、に従ってこの対応関係を取得することもできる。さらには、対応取得部120は、透視像を構成する各フレームに付されたタイムスタンプと、断層像を構成する各フレームに付されたタイムスタンプとを参照して、この対応関係を取得することができる。さらなる方法として、対応取得部120は、透視像のフレームレートと、断層像のフレームレートとを参照して、この対応関係を取得することができる。
【0027】
検出部125は、透視像を構成する各フレームに含まれる、送受信部の像の位置を検出する。例えば、X線吸収性の高い部材をOFDI装置の光プローブが有する送受信部に取り付けることにより、透視像のフレームから送受信部の位置を検出することができる。この場合、送受信部の位置は血管中のより吸収性の高い部分として検出される。もっとも、情報処理装置100が検出部125を備える必要はない。例えば、画像収集部110は、透視像とともに又はこれとは別に、透視像を構成する各フレームにおける送受信部の位置を示す情報を取得してもよい。
【0028】
ユーザ指示取得部130は、血管位置を指定するユーザ指示を取得する。ユーザ指示は、表示装置190上に表示された透視像のフレーム上でなされる。例えば、ユーザはマウスのような入力装置(不図示)を用いて表示された透視像上の所定位置の血管を指定することができ、この場合ユーザ指示取得部130は指定された血管位置を取得する。
図4は、ユーザによる指定例を示す。
図4においては、透視像に示される血管上の1点が、マウスポインタによって指定されている。なお、
図4においては、説明のために血管の位置が強調表示されているが、血管の位置を強調することは必須ではない。表示装置190がタッチスクリーンを備える場合には、ユーザは位置指定をタッチスクリーンを介して入力してもよい。
【0029】
表示制御部140は、断層像及び透視像を表示装置190に表示させる。本実施形態においては、術者(操作者)のより正確な判断を可能とするために、表示制御部140は、断層像のフレームと、この断層像のフレームと略同時に撮影された透視像のフレームと、を同時に表示装置190に表示させる。本実施形態において、表示制御部140は横断面画像を表示装置190に表示させるものとするが、さらに縦方向断面画像を表示装置190に表示させることもできる。表示制御部140の具体的な処理については、後述する。
【0030】
フレーム特定部145は、ユーザ指示取得部130が取得したユーザ指示が示す血管位置により近い位置にある送受信部の像を含む透視像のフレームを特定する。フレーム特定部145の具体的な処理については、後述する。
【0031】
指示送信部150は、断層像撮影装置170へと送受信部の移動指示を送信する。また、指示送信部150は、断層像撮影装置170へと、断層像の撮影指示を送信する。指示送信部150の具体的な処理についても、後述する。
【0032】
次に、本実施形態に係る情報処理装置100が行う処理の一例を、
図2のフローチャートを参照して説明する。
【0033】
ステップS210において画像収集部110は、上述したように、血管の断層像と透視像とを収集する。ステップS220において対応取得部120は、上述したように、血管の透視像と断層像との対応関係を取得する。ステップS230において検出部125は、透視像を構成する各フレームから、上述のように送受信部の位置を検出する。例えば、対称となる透視像のフレームの番号をk、検出された送受信部の位置の座標を(x,y)とする場合、検出部125は(x,y,k)の組を複数記録する。
【0034】
ステップS240において表示制御部140は、透視像のうち少なくとも1フレームと、対応する断層像のフレームとを、表示装置190に同時に表示させる。ステップS240において表示させるフレームの選択方法は特に限定されない。例えば表示制御部140は、透視像を構成するフレームのうち最初のフレームを表示してもよい。選択された透視像のフレームに対応する断層像のフレームが存在しない場合には、表示制御部140は、断層像を表示させなくてもよい。別の方法として、表示制御部140は、選択された透視像のフレームに対応する断層像のフレームが存在しない場合には、この透視像のフレームの撮影時刻と最も近い時刻に撮影された断層像のフレームを表示させてもよい。
【0035】
ステップS250においてユーザ指示取得部130は、血管位置を指定するユーザ指示を上述のように取得する。ステップS250でユーザ指示取得部130が取得した位置を、以下では(x
u,y
u)とする。
【0036】
ステップS260においてフレーム特定部145は、ユーザ指示取得部130のユーザ指示に従って、ユーザ指示により指定された血管位置に対応する透視像のフレームを特定する。具体的な例としては、フレーム特定部145は、ユーザ指示により指定された血管位置により近い位置にある送受信部の像を含む透視像のフレームを選択することができる。例えば、フレーム特定部145は、ステップS220で記録された複数の(x,y,k)の組のうち、座標(x
0,y
0)とステップS240で取得された座標(x
u,y
u)との距離がより短いような組(x
0,y
0,k
0)を選択することができる。具体的には、座標(x
0,y
0)と座標(x
u,y
u)との距離が最も近くなるように、フレーム特定部145は、(x
0,y
0,k
0)を選択することができる。こうして決定されたフレームk
0が、ステップS260で選択される透視像のフレームとなる。こうして選択されたフレームは、ユーザ指示により指定された血管位置の近傍に送受信部が存在する時に撮影されたフレームに対応する。
【0037】
フレーム特定部145は、座標(x
0,y
0)と座標(x
u,y
u)との距離が最も近くなるように、(x
0,y
0,k
0)を選択した。このときフレーム特定部145は、座標(x
0,y
0)と座標(x
u,y
u)との距離が所定の閾値以内であるか否かをさらに判定してもよい。距離が所定の閾値を超える場合には、送受信部の位置を移動させずに、処理はステップS250に戻り、再びユーザ指示が取得されてもよい。この場合、表示制御部140は、移動が行われなかったことを表示装置190を介してユーザに通知することができる。
【0038】
ステップS270において指示送信部150は、ステップS260で特定されたフレームが撮影された際の送受信部の血管長さ方向の位置を取得する。そして、指示送信部150は、送受信部の位置が、ステップS260で特定されたフレームが撮影された際の送受信部の位置と同様となるように、送受信部を移動させる移動指示を、断層像撮影装置170に送信する。指示送信部150は、例えば、断層像の各フレームについての、撮影時における基準位置に対するプローブの押し込み長さを示す情報を参照して、移動指示を生成することができる。画像収集部110は、このような情報を断層像とともに断層像撮影装置170から取得することができる。具体的には、指示送信部150は、ステップS220で取得した対応関係に従って、透視像のフレームk
0に対応する断層像のフレームk
1を決定する。そして、指示送信部150は、プローブの押し込み長さが、断層像のフレームk
1に対応する押し込み長さと同様となるように、断層像撮影装置170にプローブを移動させる。すると、プローブの移動に伴って、送受信部も所望の位置に移動させられる。
【0039】
透視像のフレームk
0に対応する断層像のフレームk
1が存在しない場合には、指示送信部150は、プローブを移動させる指示を送信しなくてもよい。この場合、処理はステップS250に戻り、再びユーザ指示が取得されてもよい。この場合、表示制御部140は、移動が行われなかったことを、表示装置190を介してユーザに通知することができる。
【0040】
透視像のフレームk
0に対応する断層像のフレームk
1が存在しない場合、フレーム特定部145は、ユーザ指示により指定された血管位置の近傍に送受信部が存在する時に撮影された別のフレームを新たに選択してもよい。新たに選択されるフレームは、例えば、座標(x
0,y
0)と座標(x
u,y
u)との距離が所定の閾値以内となるような任意のフレームでありうる。指示送信部150は、ステップS220で取得した対応関係に従って、新たな透視像のフレームk
0に対応する断層像のフレームk
1を決定できる。
【0041】
ステップS280において、指示送信部150は、ステップS270で生成された移動指示に従う位置に送受信部を移動させた状態で、断層像撮影装置170に断層像を撮影させる撮影指示を、断層像撮影装置170に送信する。こうして、ステップS250において取得したユーザ指示に従う血管位置において、断層像が撮影される。撮影された断層像は、断層像撮影装置170に格納されてもよいし、画像収集部110によって収集されてもよい。表示制御部140は、収集された断層像を表示装置190に表示させてもよい。この場合、表示制御部140は、ステップS260で特定された透視像のフレームを、収集された断層像と同時に、表示装置190に表示させてもよい。
【0042】
ステップS280においては、指示送信部150は、ステップS210で収集した断層像よりも高い解像度で、断層像撮影装置170に断層像を撮影させることができる。具体的には、血管周方向の解像度が高くてもよいし、血管径方向の解像度が高くてもよい。
【0043】
以上説明した本実施形態によれば、透視像上で指定された位置へと送受信部が移動するようにプローブを操作し、透視像上で指定された位置における断層像を撮影することが可能となる。
【0044】
[変形例1]
別の実施形態として、ステップS270において、指示送信部150は、ステップS260で特定されたフレームが撮影された際の送受信部の位置から所定範囲内で送受信部が動くように、断層像撮影装置170に移動指示を送信してもよい。そして、ステップS280において、指示送信部150は、この所定範囲内における複数の位置で断層像を撮影するように、断層像撮影装置170に撮影指示を送信してもよい。この場合、透視像上で指定された血管位置の周辺において、複数のフレームで構成される断層像を再撮影することができる。この場合にも、指示送信部150は、ステップS210で収集した断層像よりも高い解像度で、断層像撮影装置170に断層像を撮影させることができる。具体的には、血管周方向の解像度が高くてもよいし、血管径方向の解像度が高くてもよいし、血管長さ方向の解像度が高くてもよい。
【0045】
また、ステップS250において、ユーザ指示取得部130は、2つの血管位置を指定するユーザ指示を取得してもよい。この場合、ステップS260において、フレーム特定部145は、2つの血管位置のそれぞれについて、実施形態1と同様に対応する透視像のフレームを特定することができる。さらに、ステップS270において、指示送信部150は、特定された2つのフレームのそれぞれについて、撮影された際の送受信部の血管長さ方向の位置を取得することができる。この場合、指示送信部150は、取得された2つの位置の間で断層像を再撮影するように、断層像撮影装置170に撮影指示を送信することができる。
【0046】
[変形例2]
別の実施形態として、ステップS260においてフレーム特定部145は、ユーザ指示により指定された血管位置により近い位置にある送受信部の像を含む透視像のフレームを2以上選択してもよい。ステップS270において、指示送信部150は、2以上のフレームのそれぞれについての送受信部が検出された座標と送受信部の血管長さ方向の位置との関係を用いて、ユーザ指示により指定された血管位置に対応する送受信部の血管長さ方向の位置を補間により求めることができる。
【0047】
[変形例3]
血管は、体の動きにより移動しうるため、透視像の各フレーム上での血管の位置が変化することがある。特に、冠動脈は心臓の拍動に従って大きく移動する。このような場合、透視像上での血管の位置に応じて、ステップS230で検出された送受信部の位置、及びステップS250で取得した画像上のユーザ指定位置を補正することができる。
【0048】
具体的な例としては、ユーザが指定した透視像上の座標を、血管像に対する相対座標へと変換することができる。例えば、ユーザ指示取得部130は、透視像のフレームから、血管の特徴点を検出することができる。この特徴点は、例えば血管の分岐点等であり、ユーザ指示取得部130が自動的に検出してもよいし、操作者が入力してもよい。そしてユーザ指示取得部130は、検出された特徴点を基準とする相対座標系へと、ユーザが指定した透視像上の座標を変換することができる。検出部125も、同様に、検出した送受信部の位置を、検出された特徴点を基準とする相対座標系へと変換することができる。この場合、ステップS260における透視像のフレームの選択処理は、相対座標を用いて行うことができる。
【0049】
別の方法として、心臓の収縮期と弛緩期との一方で撮影された画像を処理の対象とせず、他方で撮影された画像を処理の対象とする方法がある。具体的には、ステップS260において表示制御部140は、ユーザ指示に従う血管位置に対応する透視像のフレームであって、心臓の弛緩期に撮影された画像を、表示されるフレームとして選択することができる。この方法によれば、血管が大きく移動している心臓の収縮期の画像が選択対象外となり、意図しない画像が表示されることを防ぐことが可能となる。また、ユーザ指示取得部130が、弛緩期の心臓の透視像上で指定された血管位置を取得し、収縮期の心臓の透視像上で指定された血管位置は取得しないように構成することもできる。
【0050】
さらなる方法として、心臓の収縮期に撮影された画像と、心臓の弛緩期に撮影された画像とを、独立に扱うこともできる。すなわち、ユーザ指示取得部130が、弛緩期の心臓の透視像上で指定された血管位置を取得した場合には、表示制御部140は、心臓の弛緩期に撮影された画像を、表示されるフレームとして選択することができる。一方で、ユーザ指示取得部130が、収縮期の心臓の透視像上で指定された血管位置を取得した場合には、表示制御部140は、心臓の収縮期に撮影された画像を、表示されるフレームとして選択することができる。このような場合、検出部125は、弛緩期の透視像と収縮期の透視像とのそれぞれについて、別々に(x,y,k)の組を記録することができる。
【0051】
[変形例4]
実施形態1においては、ステップS210において、画像収集部110は血管の透視像を収集した。また、ステップS220において、対応取得部120は血管の透視像と断層像との対応関係を取得した。しかしながら、ステップS260で特定された透視像のフレームが撮影された際の送受信部の血管長さ方向の位置が既知であれば、ステップS210及びS220の処理は省略することができる。この場合、情報処理装置100は対応取得部120を有さなくてもよい。
【0052】
具体的には、透視像撮影装置180が撮影した透視像の各フレームについて、撮影した時の送受信部の位置が関連付けられて保存されていれば、指示送信部150は透視像及び対応関係を参照する必要はない。例えば、透視像撮影装置180又はその他の情報処理装置は、断層像撮影装置170と通信することにより、送受信部の位置を関連付けながら撮影された透視像の各フレームを記録することができる。
【0053】
また、ステップS240における断層像の表示を省略してもよい。さらに、ステップS210において画像収集部110が収集する透視像は1フレームの画像であってもよい。
【0054】
[実施形態2]
上述の各実施形態は、コンピュータがコンピュータプログラムを実行することによっても実現できる。すなわち、上述の各実施形態に係る各部の機能を実現するコンピュータプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体等を介してコンピュータを備えるシステム又は装置に供給する。そして、プロセッサとメモリとを備えるコンピュータが、コンピュータプログラムをメモリに読み込み、プロセッサがメモリ上のコンピュータプログラムに従って動作することにより、上述の各実施形態を実現することができる。
【0055】
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。