(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記パネルの第1装着部の間には、相互接続されるパネル間の陽電極と陰電極を接続して通電させるとともに、相互結合される装着部の間隙を介してパネルの内部に水分が浸透することを防止するために、通電手段を有する水分浸透防止アセンブリがさらに備えられることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の太陽電池モジュールを備えたパネルからなる建築物外装材。
【背景技術】
【0002】
建築物の内外装用パネル、特に屋根に設置されるパネルは、断熱および防水を実現できるように構成され、従来から石材パネルまたは金属パネルが多く使用されてきた。そして、技術の発展に伴う様々な電子製品の活用や、地球温暖化などに伴う異常気候の発生により夏季および冬季に冷暖房機の使用が急増するにつれて電力消費量も急増し、それによる国家的な対策が急がれている。このような問題を解決し且つユーザーに電力消費に伴うコスト負担を減らすことを可能にする案が、まさに太陽電池を活用した方案である。
【0003】
太陽電池とは、太陽光を用いて無制限の電力を自家発電させて建築物の電力消費に利用することにより、電力消費の急増による問題を解決するための代表的な方案といえる。
【0004】
この種の太陽電池は、多くの技術発展により発電効率が大きく上昇したが、未だ満足すべき成果を得ることはできなかった。よって、現在の太陽電池を活用するには多くの設置空間が必要となる。このような空間的制約を解決するために、多くの建築物が、屋根や外壁に太陽電池モジュールを一体化して外装材として活用することにより、前述の問題点を解決している。
【0005】
このような太陽電池モジュールを活用したパネルまたは建築物の屋根や外壁を構成する外装材の従来技術としては、大韓民国登録特許公報第10−0869655号(2008年11月12日)がある。該発明は、太陽エネルギーを収集することができるように建物の屋根パネルなどに設置される屋根パネル用太陽電池モジュール、およびこれを用いた太陽エネルギー収集装置に関するものである。
【0006】
他の従来技術としては大韓民国登録特許公報第10−0251069号(2000年1月10日)がある。該発明では、光起電力素子が補強板に固定され、前記光起電力素子から外部へ電力を取り出す複数のジャンクションボックスが補強板の反受光面側上に提供され、ジャンクションボックスの高さよりさらに高い高さを持つ第1スペーサ部材は補強板の2つの反対側面に沿って配置され、第2スペーサ部材は前記複数のジャンクションボックスの間に配置されるように構成されている。太陽電池モジュールが屋根に適用されるとき、第1スペーサ部材は屋根基板材上に固定され、屋根材と屋根基板材との間に限られた空間は外部の空気に開放され、その空間は棟(ridge)で家の内部と連通する太陽電池モジュール及びこの太陽電池モジュール一体型屋根材に関するものである。
【0007】
別の従来技術としては大韓民国公開特許公報第10−2009−0085112号(2009年8月6日)がある。該発明は、屋根システムの構成要素に固定された一つ以上の太陽電池板を含む、屋根構造物に配置されるエネルギー発生システムに関するもので、太陽電池パネルは、屋根システムの構成要素と一体型であるフックおよびループ締結具で屋根システムの構成要素に固定される屋根メンブレンに対する太陽電池板のフックおよびループ付着に関するものである。
【0008】
その他、従来技術としては大韓民国登録特許公報第10−0989599号(2010年10月25日)がある。該発明は、電気的に接続されている複数の太陽電池、前記太陽電池に接続されている複数の配線、および前記太陽電池とラミネートされており、前記配線が内部に埋め込まれているジャンクションボックスを含む少なくとも一つの屋根材を含んでなり、前記屋根材は隣接する屋根材と雌雄結合方式で結合されており、電気的に接続されることにより、出力を向上させるうえ、施工が簡便である、太陽電池を含む屋根に関するものである。
【0009】
ところが、これらの発明は、いずれも太陽電池(モジュール)から発生する電気のための複数の配線などのために別途のジャンクションボックス(スペース部材)などが必要であって空間的制限があるうえ、その製作も難しく、複雑な配線による接続などによって屋根材(以下、「パネル」と総称する)の設置が容易でないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、前述したような問題点を解決するために案出されたもので、その目的は、太陽電池モジュールを含むパネルの製作を容易にし、配線のための別途の空間を必要としないため、製作コストの低減を図るとともに、屋根材などとしての設置の際に便宜性を保障できるように、ボディの外周縁を成す辺のうち、2辺は上面に向けて折り曲げられた第1装着部を有し、残りの2辺は下面に向けて折り曲げられた第2装着部を有する、太陽電池モジュールを備えたパネルを提供することにある。
【0011】
また、本発明は、太陽電池モジュールを備えたパネルの設置および組立を非常に容易に行うことができるように、上述のパネルが複数個備えられ、各パネルの第1装着部と第2装着部とが互いに結合されて構成されるようにし、別途の配線およびこのための空間などを必要としないため、製作および設置コストの低減を図るとともに、設置および組立の際に作業者の便宜性を保障できるように、
ボディの両角部に備えられた陽電極と陰電極に太陽電池モジュールが接続されてパネルの設置時にパネルの相互間が直列接続されることにより、太陽電池モジュールから発生する電気がパネルボディの対角線方向に通電するようにするか、或いは
ボディの一辺の両端に備えられた陽電極と陰電極に太陽電池モジュールが直接接続されてパネルの設置時にパネルの相互間が直列接続されることにより、太陽電池モジュールから発生する電気がパネルボディの一辺に沿って直線方向に通電する、
太陽電池モジュールを備えたパネルからなる建築物外装材を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、互いに連続して接続、結合されるパネル間の間隙を介して雨水などの水分が浸透することにより、漏水や太陽電池モジュールの故障または寿命低下などの問題点を防止するとともに、電線などの配線接続なしでパネルの相互間が直接結合され、太陽電池モジュールの相互間で電気が通電するように各パネルの接続部の間に通電機能付き水分浸透防止アセンブリを備える、太陽電池モジュールを備えたパネルからなる建築物外装材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明に係る太陽電池モジュールを備えたパネルは、
一側角部に固定部を有するボディと;
前記固定部に隣接するボディの2辺から上面に向けて折り曲げられた第1装着部、および前記固定部から離隔したボディの2辺から下面に向けて折り曲げられた第2装着部からなる装着部と;
前記ボディの上面に結合される太陽電池モジュールと;を含んでなる。
【0014】
また、本発明に係る太陽電池モジュールを備えたパネルからなる建築物外装材は、
前記パネルが複数個備えられ、
前記各パネルの第1装着部と第2装着部とが相互結合されて構成されるが、
前記太陽電池モジュールは、前記ボディの固定部を挟む両角部に隣接した第1装着部の端部にそれぞれ形成される陽電極および陰電極に接続され、
前記パネルの相互間で各太陽電池モジュールの陽電極と陰電極が互いに直列接続されて通電方向がパネルボディの対角線方向に形成されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る太陽電池モジュールを備えたパネルからなる建築物外装材は、
前記パネルが複数個備えられ、
前記各パネルの第1装着部と第2装着部が相互結合されて構成されるが、
前記太陽電池モジュールは、前記ボディの固定部に隣接する第1装着部のうちのいずれか一つの両端にそれぞれ形成された陽電極および陰電極に接続され、
前記パネルの相互間で各太陽電池モジュールの陽電極と陰電極が互いに直列接続されて通電方向がパネルボディの一辺に沿って直線方向に形成されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る太陽電池モジュールを備えたパネルからなる建築物外装材において、前記パネルの第1装着部の間には、
相互接続されるパネル間の陽電極と陰電極を接続して通電させるとともに、相互結合される装着部の間隙を介してパネルの内部に水分が浸透することを防止するために通電機能を有する水分浸透防止アセンブリがさらに備えられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る太陽電池モジュールを備えたパネルは、上面に太陽電池モジュールを備え、構造の単純な装着部を導入することにより、製作の容易化を図るうえ、製作コストを低減させることができる。
【0018】
また、本発明に係る太陽電池モジュールを備えたパネルからなる建築物外装材は、
上述した多数のパネルの第1装着部と第2装着部が互いに連続的に結合して構成されるようにすることにより、屋根材の設置および組立が非常に容易になり、
パネルのボディの両角部に備えられた陽電極と陰電極に太陽電池モジュールが接続され、パネルの設置時に各パネルの陽電極と陰電極が互いに直列接続されることにより、太陽電池モジュールから発生する電気エネルギーがパネルボディの対角線方向に通電するか、
或いは
ボディの一辺の両端に備えられた陽電極と陰電極に太陽電池モジュールが直接接続され、パネルの設置時に各パネルの陽電極と陰電極が互いに直列接続されることにより、太陽電池モジュールから発生する電気エネルギーがパネルボディの一辺に沿って直線方向に通電するようにすることで、
太陽電池モジュールに接続された別途の配線およびこのための余裕空間などが必要とされないため、製作および設置コストの低減を図るとともに、パネルの設置および組立の際に作業者に便宜性を保障することができる。
【0019】
さらに、本発明に係る太陽電池モジュールを備えたパネルからなる建築物外装材は、
各パネルの接続部の間に通電機能付き水分浸透防止アセンブリを導入することにより、互いに連続して結合されたパネル同士の間の間隙を介して雨水などの水分が浸透して発生する屋根内への漏水や漏電による故障などを防止するとともに、
電線などの配線接続を最小化して、建築物外装材の設置時間を短縮するうえ、作業の容易性を保障することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は多様な変更を加えることができ、様々な形態を持つことができる。その具現例(態様、aspect)(または実施例)をここに詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態について限定しようとするものではなく、本発明は、その思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。
【0022】
各図面において、同一の参照符号、特に十の桁及び一の桁、または十の桁、一の桁及びアルファベットが同じ参照符号は同一または類似の機能を持つ部材を示し、特に言及がない場合、図面の各参照符号が指し示す部材はこのような基準に準ずる部材として把握すればよい。
【0023】
また、各図面において、構成要素は、理解の便宜などのために、大きさや厚さを誇張して大きく(または厚く)或いは小さく(または薄く)表現しているか単純化して表現しているが、これによって本発明の保護範囲が制限的に解釈されてはならない。
【0024】
本明細書で使用した用語は、特定の具現例(または実施例)を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとするものではない。単数の表現は、文脈上特に明記しない限り、複数の表現を含む。
【0025】
本出願において、「含む」または「からなる」などの用語は、明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらの組み合わせなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0026】
特に他に定義しない限り、技術用語や科学用語を含んでここで使われるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を持っている。一般的に使われる辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上で持つ意味と一致する意味を持つものと解釈されなければならず、本明細書で明らかに定義しない限り、理想的な意味または過度に形式的な意味に解釈されない。
【0027】
本明細書において記載した「第1」、「第2」などは、互いに異なる構成要素を区分するためのものに過ぎず、製造された順序に拘らないものであり、発明の詳細な説明と請求の範囲においてその名称が一致しないこともある。
【0028】
本発明に係る太陽電池モジュールを備えるパネルおよびこれを用いた建築物外装材を説明するにあたり、便宜のために、厳しくない大略の方向基準を
図1のA、
図3および
図7を参照して特定すると、図示のままの状態で上下左右を定め、a方向を上面、b方向を下面に定める。
【0029】
また、本発明に係る太陽電池モジュールを備えたパネルおよびこれを用いた建築物外装材を説明するにあたり、建築物外装材とは、建築物の建築の際に屋根または外壁として直接活用されるか、或いは既に建築された建築物に追加して太陽電池モジュールを利用することが可能な建築物外装材を含むものである。本詳細な説明では説明の便宜のために屋根材を代表的に説明するが、本発明の権利解釈は本発明の詳細な説明に提示されるものに限定されない。
【0030】
本明細書において、
図1、
図2及び
図6は、説明の便宜のために、太陽電池モジュールを省略した。
【0031】
以下、本発明に係る太陽電池モジュールを備えたパネル及びこれを用いた建築物外装材を添付図面に基づいて説明する。
【0032】
図1に示すように、本発明に係る太陽電池モジュールを備えたパネル10は、一側角部に固定部12を有するボディ11と;
前記固定部12に隣接したボディ11の2辺から上面に向けて折り曲げられた第1装着部13、および前記固定部12から離隔した2辺から下面に向けて折り曲げられた第2装着部14からなる装着部と;
前記ボディ11の上面に結合される太陽電池モジュール15(
図3及び
図7参照)と;を含んでなる。
【0033】
前記ボディおよび装着部に関する構成は、本発明の出願人が先出願して登録した韓国登録実用新案第20−0327057号(2003年9月5年)の建築物内外装用小はぜ継ぎ型パネルを用いることができ、以下では、前記パネルを詳細に説明する。
【0034】
また、前記ボディは、四角板の形状だけでなく、多角形のいずれの形状(例えば、正三角形や六角形など)からなってもよく、四角形ではなく他の多角形の形状からなる場合には、前記第1装着部と第2装着部の個数(例えば、三角形の場合は、固定部を挟んで両辺に第1装着部と第2装着部がそれぞれ形成)または形成位置(例えば、六角形の場合は、固定部を挟んで両辺に第1装着部を形成し、第1装着部と反対方向の両辺に第2装着部を形成)を異ならせて多様に変形できる。これは、当業者であれば十分に予測して修正、変更、置換できる。
【0035】
前記ボディ11は、その対角線方向を建築物の屋根や外壁の水平または垂直方向に一致させることにより、ボディ11の対角線方向に他のパネル10を連続的に接続して結合することができる。また、建築物の形態に応じて、ボディ11の対角線方向ではなく、一列に配列して結合することも可能である。
【0036】
前記ボディ11の一側角部に備えられた固定部12には、別途の固定部材と結合できる通孔12aが設けられており、パネル10の設置の際に、屋根にねじや釘などで固定して結合させることができる。
【0037】
次いで、
図1の[A]に示すように、装着部を構成する第1装着部13は、パネル10の4頂点を適切に切断(点線部分)した後、固定部12を挟んで形成される2辺、すなわち、固定部12に隣接した2辺から、ボディ11の上面に平行となるように上面に向けて折り曲げられて形成される。
【0038】
装着部を構成する第2装着部14は、前記第1装着部13の反対側、すなわち、前記固定部12から離隔した2辺から、下面に平行となるように下面に向けて折り曲げられて形成される。
【0039】
図1の[C]に示すように、パネル10の第1装着部13は、他のパネル10Aの第2装着部14と結合接続される。そして、このような構造が反復的に連結されて本発明に係る建築物外装材が形成される。つまり、1つのパネル10を建築物の屋根に固定部12を用いて固定した後、他のパネル10Aの第2装着部14を固定されたパネル10の第1装着部13に挿入して結合した後、結合されたパネル10の固定部12を用いて建築物の屋根に固定させる。このような設置が繰り返し行われることにより、本発明に係る建築物外装材が完成される。よって、本発明は、作業の容易性を確保することができる。
【0040】
前記パネル10は、鉄材やステンレスなどの様々な材質で構成されてもよく、やや弾性のある材質で構成されてもよい。
【0041】
次に、前記ボディ11の上面に結合される太陽電池モジュール15は、
図3に示すように、太陽の光を受ける受光部15aと、この受光部15aから発生した電気エネルギーを二極化して別個の電気供給装置または電気蓄積装置へ供給するエネルギー供給部15bなどから構成できる。前記太陽電池モジュール15は、光電効果を利用して電気エネルギーを生産するもので、n型半導体とp型半導体(受光部15a)で太陽光によって電子とホールが生成され、生成されたホールが電極へ移動して(エネルギー供給部15b)電気エネルギーの利用を可能にする。
【0042】
前記太陽電池モジュール15は、結晶型太陽電池、薄膜系太陽電池(CIGS)、次世代太陽電池(DSSC)などの様々なものが使用できるが、製造コストおよび体積などを考慮してガラスやプラスチックなどを基板として使用し、その上に薄膜状に化学材料を蒸着してなる薄膜系太陽電池がより好ましい。
【0043】
前記受光部15aを構成する半導体は、シリコン半導体や化合物半導体などの様々なものが使用できる。電気エネルギーを発生させる最小単位であるセルが複数個結集されてモジュールを構成し、該モジュールが複数個備えられて太陽電池モジュール15の受光部15aを構成することができる。
【0044】
本明細書において、太陽電池モジュール15とは、1つのパネル10に備えられる太陽電池全体を説明するための名称であり、太陽電池の単位として通常使用されるモジュールに限定されてはならない。
【0045】
前記太陽電池モジュール15において、前記受光部15aないしエネルギー供給部15bなどを接続する配線材料は、銅箔のパターンを印刷または蒸着して構成されるか、その他に太陽電池に使用される様々な方法で構成できる。
【0046】
そして、前記受光部15aないしエネルギー供給部15bは、互いに直列または並列接続されて電気エネルギーを供給することができる。このとき、上述したように、本発明に係る建築物外装材は、複数のパネル10が互いに結合されて構成されるように、各パネル10間の電気エネルギー移送(通電)のための配線が必要である。
【0047】
このため、本発明に係る建築物外装材は、各パネル10が互いに直列接続されて別個の電気供給装置または電気蓄積装置などに接続されることにより、別途の付随的な配線(電線)などを必要とすることなく、太陽電池モジュールを備えたパネルを用いた建築物外装材の設置及びメンテナンスの便宜性を提供する。
【0048】
このための本発明に係る太陽電池モジュールを備えたパネルからなる建築物外装材の第1実施例として、
図2に示すように、前記太陽電池モジュール15は、前記ボディ11の固定部12を挟む両角部に隣接した第1装着部13の端部にそれぞれ形成される陽電極および陰電極に接続され、前記パネル10の相互間で各太陽電池モジュール15の陽電極と陰電極が互いに直列接続されて通電方向がパネル10のボディ11の対角線方向に形成されることが好ましい。
【0049】
すなわち、
図2に矢印で示したように、それぞれのパネル10、より詳しくは、パネル10に備えられた太陽電池モジュール15から発生する電気エネルギーは、互いに直列接続されて最外側に備えられた一つの陽電極と陰電極に集まることになる。この陽電極と陰電極を別個のエネルギー供給装置またはエネルギー貯蔵装置などに電線などを用いて接続することにより、電気エネルギーの通電がなされる。
【0050】
図2では説明の便宜のために太陽電池パネル10の詳細構成を省略し、陽電極(+)と陰電極(−)のみを示しているが、
図3から確認できるように、本発明の太陽電池モジュール15は、エネルギーを発生させる受光部15aと、発生したエネルギーを伝達するエネルギー供給部15bが別個に備えられて直/並列接続できるので(
図3では代表的に受光部15aが直列接続されている場合を示している)、
図2の陽電極および陰電極の表示により、本発明の電気エネルギー伝達のための図示が混同されてはならない。
【0051】
図2に示した陽電極(+)と陰電極(−)は、説明の便宜のための図示であり、パネル10のボディ11および装着部のいずれか一箇所に形成できる。しかし、本発明に係る太陽電池モジュール15を備えたパネル10からなる建築物外装材は、電気エネルギー配線のための別途の構成を省略して設置およびメンテナンスの便宜性または容易性を提供することに目的があるので、前記陽電極(+)と陰電極(−)は、前記ボディ11の固定部12を挟む両角部に隣接した第1装着部13の端部にそれぞれ形成されることがより好ましい。また、
図2に示した電気エネルギーの通電方向(電流の移動方向)は、陽電極(+)と陰電極(−)の反対の構成によって逆方向に変わり得るのはもちろんである。
【0052】
次に、本発明は、上述したパネル10間の直列接続のためにパネル10の相互間で接続される電線などの電気配線を省略することにより、構造の単純化、それによる生産コストの低減、並びに設置およびメンテナンスの容易性の最大化を図ることができる。このため、本発明は、前記パネル10の固定部に隣接する第1装着部13同士の間には、相互接続されるパネル10の陽電極(+)と陰電極(−)を接続して通電させるアセンブリが備えられることが好ましい。
【0053】
前記アセンブリは、パネル相互間の通電だけでなく、相互接続されるパネル10同士の間に発生する間隙(隙間)を介して雨水などの水分が外装材内に浸透して建築物の内部に漏水が起こったり漏電により火災が起こったりするなどの問題点を防止するために、水分逆流浸透機能を有することが好ましい。
【0054】
このため、前記水分浸透防止アセンブリは、
図4及び
図5に示すように、胴部21、前記胴部21の両側に形成されてパネル10の第1装着部13に挿入される翼部22、および前記胴部21の上面に突設される突出部23からなる通電ブロック20と、
パネル10の第2装着部14に固定され、前記通電ブロック20に結合される接続ブロック30と、
接続されるパネル10同士を互いに通電させる通電手段と、を含んでなる。
図4では説明の便宜のためにパネルを省略した水分浸透防止アセンブリのみを示しており、パネルとの結合関係は
図5から確認することができる。
【0055】
前記通電ブロック20は、防水性に優れると同時に、パネル10同士の間の間隙に挿入されて結合されたとき、パネル10の製作誤差によって間隙の差が発生しても、前記通電ブロック20を所定の体積だけ大きく形成し、結合の際に締まりばめして微細な隙間までも完璧に遮断して水分の浸透を防止することができるように、弾性のあるゴムや合成樹脂などの材質で構成されることが好ましい。
【0056】
前記胴部21の下側面は、中央に向けて折り曲げられた「V」字状をし、パネル10の第2装着部14に密着して固定される接続ブロック30との接触面(胴部21の下側面と接続ブロック30の上側面)に微細な隙間が発生しないことがある。
【0057】
また、前記突出部23は、通電ブロック20の締まりばめの際に作業者が手で把持して加圧することができるハンドルの機能を有するとともに、通電ブロック20が結合されたパネル10よりも上方に組み立てられるパネル10との間隙を密閉する機能を有する。
【0058】
パネル10相互間の通電のために、前記通電手段は、前記通電ブロック20の胴部21の下側面に形成されて互いに通電する一対の結合部24と、
前記接続ブロック30に形成されて前記陽電極(+)または前記陰電極(−)と通電し、前記結合部に対応する対応結合部34とから構成される。
【0059】
前記結合部と対応結合部は、互いに通電する材質からなるのは勿論である。そして、前記結合部と対応結合部との結合は、様々な方式で行われるが、雌結合部24と、これに対応する雄結合部34によって行われることが好ましい。
【0060】
図3〜
図5では、前記胴部21の下側面に一対の雌結合部24が設けられ、接続ブロック30には前記雌結合部24に対応する雄結合部34が設けられていることを確認することができ、これと反対の構成も可能である。
【0061】
前記一対の雌結合部24は、前記胴部21内で互いに通電しなければならないが、このために、
図3の要部拡大図に概略的に示されているように、一対の雌結合部24を通電させる通電リボン24Aが備えられてもよい。前記通電リボン24Aは、伝導性の良い材質であって、銅などの電線または薄い金属材質の基板などから多様に形成できる。
【0062】
前記雄結合部34とパネル10の陽電極(+)または陰電極(−)との通電も、上述した通電リボン24Aを用いて接続ブロック30内で相互接続されることによりなされることが好ましい。このとき、
図2に示すように、最外側に結合されるパネル10の相互間には、未通電区間Sが存在することがある。
【0063】
前記未通電区間Sは、別個の電線などで接続して通電させることができ、より好ましくは、最外側に位置するパネル10の一部に限ってパネル10の第1装着部13に対応するように、すなわち、第1装着部13の隙間と同じ形状を持つように前記接続ブロック30を変形させて固定させるが、
雄結合部34が下側を向くように形成し、前記固定ブロックの一側翼部22を除去し、胴部21を前記変形接続ブロックと対応するように延設した後、上側面には前記雄結合部34に結合される雌結合部24を備えるようにすることにより、変形した通電ブロックの結合のみで未通電区間の通電を確保するとともに、水分浸透防止機能を同時に行うようにすることがさらに好ましい。
【0064】
前記変形した通電ブロック20および接続ブロック30は、図示されてはいないが、上述した通電ブロック20と接続ブロック30の簡単な構造および模様の変更で修正または置換することができるのは当然であり、本発明の技術分野における通常の技術者(以下、当業者と称する)であれば十分に再現することができる。
【0065】
後述する第2実施例に係る水分浸透防止アセンブリを活用する場合、より簡単に未通電区間の配線接続を行うことができる。したがって、本発明は、電線などの配線を最小化することにより、太陽電池モジュール15を備えたパネル10からなる建築物外装材の設置施工を非常に簡単に行うことができる。
【0066】
次に、本発明の第2実施例を説明する。
【0067】
本発明の第2実施例として、
図7に示すように、前記太陽電池モジュール15は、前記ボディ11の固定部12に隣接する第1装着部13のいずれか一つの両端にそれぞれ形成された陽電極(+)と陰電極(−)に接続され、
前記パネル10の相互間で各太陽電池モジュール15の陽電極(+)と陰電極(−)が互いに直列接続され、通電方向がパネル10のボディ11の一辺に沿って直線方向に形成されることが好ましい。
【0068】
すなわち、
図5に示すように、上述した第1実施例は、通電手段を備えた水分浸透防止アセンブリを介して1つのパネル10に結合される他のパネル10Aの相互間で通電が行われるが、これに対し、本発明の第2実施例は、
図8に示すように、設置されたパネル10に結合される2つのパネル10のいずれか一つ10Aと設置されたパネル10との間で通電がなされるようにすることにより、上述した第1実施例で発生する未通電区間S(
図6参照)を最小化することができる。
【0069】
このために、前記通電手段は、
図7の要部拡大図および
図8に示すように、
前記通電ブロック20の胴部21の下側面と上側面にそれぞれ設けられて互いに通電する一対の結合部と、
前記接続ブロック30に形成されて前記パネル10の陽電極(+)または陰電極(−)と通電し、前記胴部21の下側面の結合部に対応する対応結合部と、
前記第1装着部13から前記固定部12に向かって延設される接続片に形成されて前記パネル10の陽電極(+)または陰電極(−)と通電し、前記胴部21の上側面の結合部に対応する対応結合部とから構成される。
【0070】
図7の要部拡大図では説明の便宜のためにパネルを省略しており、結合後の状態を示す。
図8のBでも説明の便宜のために、結合される他のパネルを省略している。
図8における、着脱される接続ブロックの構成については詳細に後述する。
【0071】
つまり、前記パネル10は、第1装着部13のいずれか(
図8においては右側の第1装着部13)に、前記パネルの陽電極(+)または陰電極(−)と通電する対応結合部を有する接続片31が形成されることにより、前記通電ブロック20を前記パネル10に結合するときに前記結合部が相互接続されて通電し、
前記パネル10に他のパネル10A(
図8において左側のパネル)が結合されながら、第2装着部14の接続ブロック30の対応結合部が前記通電ブロック20の胴部21の下側面の結合部に結合されて、パネル10の一辺に隣接したパネル間の通電が可能となることにより、本発明の第2実施例に係るパネル10の相互間でボディの一辺に沿って直線方向に直列接続が可能となる。
【0072】
前記接続片31の対応結合部と、前記パネル10の第1装着部13に形成される陽電極(+)または陰電極(−)との通電は、上述した通電リボン24Aを用いて可能であり、
図6〜
図8では、前記結合部が上述の第1実施例と同様に雌結合部24と雄結合部34の形で示されていることを確認することができる。
【0073】
また、本発明の第2実施例に係る残りの具体的な構成は、上述した第1実施例と大同小異なので、説明の便宜のために省略する。
【0074】
次に、本発明に係る接続ブロック30の他の具現例を説明する。
【0075】
本発明に係る接続ブロック30は、前記第2装着部14に対して着脱可能に形成できる。着脱可能な接続ブロック30を備えることにより、本発明は、上述した第1実施例及び第2実施例で電気エネルギーの通電方向、すなわち、建築物外装材の設置時の設置方向に沿って接続ブロック30の結合をスムーズに行うことができるため、作業者の便宜を保障することができる。
【0076】
また、図示してはいないが、前記接続片31もパネル10の第1装着部13に対して着脱可能に形成できるのは勿論である。このとき、前記接続ブロック30は、上述した通電ブロック20と同様に、弾性のあるゴムやプラスチックなどの材質でできることが好ましい。
【0077】
また、前記接続ブロック30の対応結合部と前記パネル10の第1装着部13の陽電極(+)または陰電極(−)との通電方式は、接触式などの様々な方式で行われ得る。
【0078】
図8及び
図9に示すように、前記接続ブロック30には、前記第2装着部14に拘束させながら陽電極(+)または陰電極(−)に通電させる接続部材32がさらに備えられることが好ましい。前記接続部材32は、結合の容易性および通電機能を考慮して電線などの別途の部材で相互接続でき、導電性、可撓性材質からなることがさらに好ましい。
【0079】
以上、本発明を説明するにあたり、添付図面を参照して、特定の形状および構造を持つ太陽電池モジュールを備えたパネル及びこれを用いた建築物外装材を中心に説明したが、本発明は当業者によって様々な修正、変更および置換が可能であり、それらの修正、変更および置換も本発明の保護範囲に属するものと解釈されるべきである。