(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のオーソリ電文は第1の業務区分を有し、前記第2のオーソリ電文は第2の業務区分を有し、前記第1の業務区分および前記第2の業務区分は互いに異なる、請求項1に記載の方法。
前記第1のオーソリ電文は第1の業務区分を有し、前記第2のオーソリ電文は第2の業務区分を有し、前記第1の業務区分および前記第2の業務区分は互いに異なる、請求項6に記載のシステム。
【背景技術】
【0002】
従来から、クレジットカードの発行を希望する者は、所定の申込手続をカード会社に対して行っている。カード会社は、自社内の情報および外部情報に基づいて申込者の信用状況などをチェックし、利用に差し支えがないと判断した場合に信用を供与(与信)し、カードを発行している。
【0003】
申込者の信用状況のチェックは、カードの新規申込の場合は、申込者の年収・住居・勤務先などの情報をベースに自社内の信用情報データベースおよび個人信用情報機関(例えば、全国銀行個人信用情報センター、日本信用情報機構など)に照会することによって行われる。この照会の結果、申込者についてのネガティブ情報(例えば、延滞、破産手続開始などによる支払条件・総額変更など)がなければ、クレジットカード会社固有の基準により信用供与が行われ、申込者の利用限度額(「与信枠」とも言う)が決定される。
【0004】
クレジットカード会社は、カード発行後も所定のタイミングでカード会員の属性情報(変更履歴含む)、利用・返済状況、外部信用情報などを詳細にモニタリングし、会員ごとのリスクや購買動向を把握することによって会員の利用限度額の変更を行っている。加盟店または加盟店業種毎に利用限度額の範囲を設定可能なクレジットカードも存在する(特許文献1参照)。
【0005】
また、クレジットカード会員は、海外旅行や高額な買物をする予定がある場合などに、クレジットカード会社に対して予めカードの利用限度額を一時的に引き上げることを申し込むことができる。このような申し込みに応答して、クレジットカード会社は、当該カード会員の利用限度額(例えば、通常30万円)を、所定の期間、一時的に増額(例えば、50万円)することができる。
【0006】
一方、従来から、プリペイドカードが広く知られている。プリペイドカードは、代金前払いの磁気カード、ICカードなどであり、所定の金額分だけ利用可能なプリペイドカードや、繰り返し代金を追加して利用できるプリペイドカードが知られている。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書では「オーソリ電文」という用語が使用されるが、オーソリ電文は、加盟店に設置されている端末(カード読み取り機械)とカード会社のシステムとの間で通信される電文およびカード会社のシステム内で生成されるカード決済に関する電文をいう。「オーソリ」は、オーソライゼーション(authorization)を意味する。例えば、オーソリ電文には、当該カードを使用した決済が認められるか否かを通信するための電文、当該カードを使用した取引の売上データの電文、当該カードを使用した取引の売上データを取り消すための電文(返品などの理由により)、などが含まれる。ここで挙げた例はあくまでも一例であり、他の用途のデータが含まれることはいうまでもない。
【0017】
また、オーソリ電文には、その電文がどのような内容の取引であるのかを示すための業務区分が含まれる。例えば、「売上」を示す業務区分、「返品・取消」を示す業務区分などがあり、カード会社のシステムは、当該業務区分の値を参照して処理を実行することができる。なお、業務区分がどの取引を示すかといった情報は、カード会社のシステムによって任意に決定可能であり、本明細書で示した例によって限定されることはない。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係るカード会社システム10、加盟店端末11、カード会員12および銀行システム13の間の取引関係の概要を示す図である。本明細書および図面では、説明の便宜上、カード会社システム10をカード会社10、加盟店端末11を加盟店11、および銀行システム13を銀行13として説明することもあることに留意されたい。
【0019】
カード会社システム10は、加盟店端末11およびカード会員12の端末(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォンなど)と通信可能である。カード会社システム10は、オーソライゼーション(オーソリ)処理、決済処理、与信管理などの様々な処理を実行することができるシステムである。
【0020】
加盟店端末11は、カード会員12の所有するクレジットカードの情報を読み取り、カード会社システム10と通信することができる決済端末として機能する。加盟店端末11は、いくつかの種類の端末が存在するが、例えば、CAT(credit authorization terminal)などが該当する。
【0021】
銀行システム13は、カード会社10名義の複数の銀行口座を有しており、当該銀行口座のそれぞれは、カード会員12のそれぞれに1対1で関連付けられている。カード会社システム10は、カード会員12と銀行口座の関連付け情報をその内部の会員データベース(「会員DB」ともいう)26に格納している。会員DB26については
図3を参照しながら後述する。
【0022】
図1に示した参照符号は、カード会社システム10、加盟店端末11、カード会員12および銀行システム13間の取引および処理が行われる順序を示している。
図1に示されるように、カード会員12は、自分自身に割り当てられた銀行口座に対して振込を行う(1)。
【0023】
銀行システム13は、カード会社10名義の複数の銀行口座に対する入金情報(入金通知)を所定のタイミングでカード会社システム10に送信する(2)。入金情報は、日付情報、口座番号、入金額、振込依頼人情報を含んでいる。
【0024】
カード会社システム10は、入金情報を銀行システム13から受信したことに応答して、業務区分が「取消・返品」を示すオーソリ電文を入金情報に基づいて生成し、当該オーソリ電文をオーソリ電文データベース(オーソリ電文DB)28に格納する。オーソリ電文の業務区分については上記した通りである。より詳細に言えば、カード会社システム10は、入金情報に含まれる口座番号をキーにして会員DB26にアクセスし、対象となるカード会員12のクレジットカード番号302、加盟店ID306を取得する。カード会社システム10は、入金情報に含まれる日付情報および入金額、取得したクレジットカード番号302、加盟店ID306を使用して業務区分が「取消・返品」を示すオーソリ電文を生成する。なお、オーソリ電文の業務区分は、取引の実情を示す区分であり、「取消・返品」以外にも「売上」「事前承認(与信)」などが含まれる。
【0025】
カード会員12は、加盟店11から商品を購入し、および/またはサービスの提供を受ける際の決済手段としてクレジットカードを利用する(3)。
【0026】
加盟店端末11は、商品・サービスの提供内容に応じたオーソリ電文をカード会社システム10に送信し、カード会社システム10は、会員DB26に格納されている会員情報をもとにカード有効期限のチェック、セキュリティコードチェック、利用限度額チェック(すなわち、所定期間におけるカード利用実績の合計金額が利用限度額以下であるかどうかのチェック)などを行い、カード取引の承認/非承認を加盟店端末11に対して通信する(4)。このオーソライゼーション(単に「オーソリ」とも言う)の処理により取引が承認されると、カード会員12と加盟店11の間での商品・サービスの取引が成立する。
【0027】
加盟店端末11は、商品・サービスの提供内容に応じた売上データ(売上伝票)をカード会社システム10に送信し(5)、所定の期日に売上代金の支払を受け取る(6)。この売上データ(売上伝票)は、業務区分が「売上」を示すオーソリ電文である。
【0028】
カード会社システム10は、所定の期日が到来したらカード会員12のカード利用実績に基づく利用代金請求を行い(7)、予め定められた期日になるとカード会員12からカード会社10に対する支払(口座振替)がカード契約で定められた銀行によって行われる(8)。
【0029】
図2は、本発明に係るカード会社システム10のシステム構成を説明する図である。カード会社システム10は、バス29などの伝送路によって相互に接続された制御部21、主記憶部22、補助記憶部23、インターフェース(IF)部24、出力部25、会員DB26、加盟店DB27およびオーソリ電文DB28を備えている。
図2では、制御部21、主記憶部22および補助記憶部23の数を一つだけ示しているが、それらを複数個使用することにより、並列分散処理を実現するように構成することも可能である。
【0030】
制御部21は、中央処理装置(CPU)とも呼ばれ、カード会社システム10内の各構成要素の制御やデータの演算を行い、また、補助記憶部23に格納されている各種プログラムを主記憶部22に読み出して実行する。主記憶部22は、メインメモリとも呼ばれ、受信した各種データ、コンピュータ実行可能な命令および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶する。補助記憶部23は、ハードディスク(HDD)などに代表される記憶装置であり、データやプログラムを長期的に保存する際に使用される。
【0031】
インターフェース(IF)部24は、他のシステムや装置との間でデータを送受信する際のインターフェースの役割を果たし、また、システムオペレータから各種コマンドや入力データ(各種マスタ、テーブルなど)を受け付けるインターフェースを提供する。出力部25は、処理されたデータを表示する表示画面などを提供する。
【0032】
会員DB26は、カード会員12の情報を格納するデータベースである。
図3は、会員DB26の一実施形態を例示するが、会員DB26に含まれるデータ項目は
図3に示すデータ項目に限定されることはない。
【0033】
図3に示すように、会員DB26は、会員ID301、クレジットカード番号302、有効期限303、属性情報304、口座番号305、加盟店ID306、利用限度額(通常)307、利用限度額(臨時)308、限度額変更期間309および預かり金310を含んでいる。
【0034】
会員ID301は、カード会員12を識別するための識別子である。クレジットカード番号302は、カード会員12が所有するクレジットカードの番号である。一人のカード会員が複数のクレジットカードを所有することもあるため、一つの会員ID301に対して複数レコードのデータが存在しうる。有効期限303は、当該クレジットカードを使用することができる有効期限を示す。
【0035】
属性情報304は、カード会員の氏名、住所、年収などの情報を含む。口座番号305は、カード会員12に割り当てられた所定の銀行口座番号を示す。カード会社10は、これらの銀行口座を開設し、カード会員との契約に基づき、各カード会員12に銀行口座番号を割り当てる。割り当てられた銀行口座の情報は各カード会員に通知されているので、各カード会員12は、口座番号305によって示される銀行口座に対して振込を行うことができる。
【0036】
加盟店ID306は、カード会員に付与された加盟店IDを示し、当該加盟店IDは、加盟店DB27に格納されている。従来のクレジットカード会社のシステムでは、カード会員の仕組みと加盟店の仕組みを管理するシステムおよびデータベース(DB)は別々のものであったので、本発明のように、カード会員に加盟店IDを付与して、加盟店IDを付与されたカード会員から、若しくは、当該カード会員からの行為に応じてオーソリ電文を受信または生成することは行っていなかった。後述するように、本発明では、カード会員12の振込に基づいて業務区分が「取消・返品」のオーソリ電文が生成されるが、「取消・返品」のオーソリ電文は、「加盟店」の情報として、カード会員12に割り当てられた加盟店IDを含むようにしている。本発明では、カード会員12に割り当てられた加盟店IDを利用することにより、カード会員12からの預かり金であることが明示されることになる。
【0037】
利用限度額(通常)307は、カード会員12の通常時のクレジットカード決済の利用限度額を示し、利用限度額(臨時)308は、カード会員12からの申込に応じて設定される一時的なクレジットカード決済の利用限度額を示す。本明細書で説明するように、利用限度額(通常)307および利用限度額(臨時)308の枠自体は、本発明の処理によって変更されることはない。限度額変更期間309は、利用限度額(臨時)308が適用される期間を示す。
【0038】
預かり金310は、カード会員12が口座番号305によって示される銀行口座に対して行った振込の金額を示し、上述した「取消・返品」のオーソリ電文が生成される際に、金額情報が書き込まれる。また、カード会社システム10がカード会員12に対して代金請求を行う際に、「取消・返品」のオーソリ電文が他のオーソリ電文(例えば、「売上」のオーソリ電文)と清算(相殺)される場合には、清算後の金額が預かり金310に書き込まれる。
【0039】
再び、
図2を参照すると、加盟店DB27は、カード会社システム10とオーソリ電文(上述の「売上データ」を含む)を通信可能な加盟店の情報、およびカード会員12に割り当てられた加盟店の情報を格納する。加盟店DB27は、加盟店を識別するための識別子である加盟店ID、加盟店の名称、住所および取引上必要な情報を格納する。
【0040】
オーソリ電文DB28は、カード会社システム10と加盟店端末11の間で通信されるオーソリ電文(上述の「売上データ」を含む)を格納するデータベースである。
【0041】
図4は、一時的に増額可能な利用限度額を超えるカード決済を行うためのフロー図である。本実施形態では、あるカード会員12(通常の利用限度額:100万円、臨時の利用限度額:1000万円)が4900万円の工作機械の仕入れをする際にクレジットカードで決済を行うケースを説明する。このケースでは、工作機械の代金4900万円は臨時の利用限度額1000万円を上回るので、事前にカード会社10から割り当てられた銀行口座に4000万円を振り込む。振り込まれた4000万円は、会員DB26の預かり金310に記録され、預かり金として管理される。
【0042】
S401では、カード会員12は、カード会社システム10によって割り当てられた銀行口座宛に4000万円を振り込む。銀行システム13は、カード会員12のそれぞれに1対1で関連付けられている、カード会社10名義の複数の銀行口座を有している。カード会員12に割り当てられている銀行口座番号の情報は、会員DB26の口座番号306に格納されている。カード会員12が自身に割り当てられている銀行口座に対して振込を行う方法は、ATMを利用した振込、インターネットバンキングを利用した振込、銀行窓口を利用した振込のいずれであってもよく、特に限定されることはない。
【0043】
S402では、銀行システム13は、カード会員12に割り当てられている銀行口座に対する入金情報を所定のタイミングでカード会社システム10に送信する。送信するタイミングは、リアルタイム処理であっても夜間バッチ処理であってもいずれでもよく、特に限定されることはない。送信される入金情報は、日付情報、口座番号、入金額、振込依頼人情報を含んでいる。振込依頼人情報は、カード会員12が振り込んだかどうかを判定するために使用されることが可能である。
【0044】
S403では、カード会社システム10は、銀行システム13から入金情報を受信したことに応答して、返品伝票データを生成する。より詳細に言えば、カード会社システム10は、入金情報に含まれる口座番号をキーにして会員DB26にアクセスし、当該口座番号に関連付けられるカード会員12のクレジットカード番号302、加盟店ID306を取得する。カード会社システム10は、入金情報に含まれる日付情報および入金額、取得したクレジットカード番号302、加盟店ID306を使用して業務区分が「取消・返品」を示すオーソリ電文を生成し、オーソリ電文DB28に格納する。加盟店ID306は、カード会員12本人を示す識別子である。オーソリ電文の業務区分については上記した通りである。通常の加盟店11から送信される「取消・返品」を示すオーソリ電文と区別するため、当該入金情報に基づいて生成される「取消・返品」を示すオーソリ電文は、カード会員12本人を示す加盟店IDを使用する。
【0045】
図6(a)は、カード会員12がカード会社システム10にアクセスして参照可能な利用明細画面の一例を示す。
図6(a)では、2014年9月1日付けで行われた振込の情報が表示されている。カード会員12自身に加盟店IDが割り当てられているので、加盟店の名前としてカード会員12の名前が表示されている。金額欄は、カード会員12からカード会社10に対する送金額を示し、かつ将来的にカード会員12がクレジットカード取引を行わなかった場合には返金する必要があるので、マイナス4000万円と表示されている。従来の「取消・返品」を示すオーソリ電文は、既に発生している「売上」のオーソリ電文を取り消して清算するために同一加盟店の情報が付されて生成されるが、本実施形態では、振込に応じて「取消・返品」を示すオーソリ電文が生成されるので、利用明細にはマイナス金額のデータが表示されることになる。また、カード会員12から振り込まれた4000万円は、会員DB26の預かり金310に「預かり金」として記録されているが、この金額は
図6(a)の画面上の「預かり金」欄に明示される。
【0046】
再び、
図4のフロー図に戻ると、S404では、カード会員12と加盟店11との間での商品・サービス取引の決済手段としてクレジットカードが利用される。より詳細に言えば、加盟店端末11は、商品・サービスの提供内容に応じたオーソリ電文をカード会社システム10に送信し、カード会社システム10は、会員DB26に格納されている会員情報をもとにカード有効期限のチェック、セキュリティコードチェック、利用限度額チェック(すなわち、所定期間におけるカード利用実績の合計金額が利用限度額以下であるかどうかのチェック)などを行い、カード取引の承認/非承認を加盟店端末11に対して通信する。送信されたオーソリ電文は、オーソリ電文DB28に格納される。このオーソリ処理により取引が承認されると、カード会員12と加盟店11の間での商品・サービスの取引が成立する。
【0047】
本実施形態では、2014年9月20日付けでカード会員12がある事業者(〇〇カンパニー)から4900万円の工作機械を購入し、カードで決済をするものと想定する。
図6(a)に示したように、カード会員12の利用限度額はせいぜい1000万円であり、本来であればこの工作機械の購入にクレジットカードを利用することはできない。しかしながら、カード会員12は予め4000万円を振り込んでいたため、「取消・返品」を示すオーソリ電文が生成されていたので、利用限度額チェックの結果、カード取引の承認通知がカード会社システム10から加盟店端末11に送信されることになる。
【0048】
S405では、加盟店端末11は、商品・サービスの提供内容に応じた売上データ(売上伝票)をカード会社システム10に送信する。カード会社システム10は、受信した売上データ(オーソリ電文)をオーソリ電文DB28に格納する。格納されたオーソリ電文の業務区分は「売上」である。
【0049】
図6(b)は、カード会員12がカード会社システム10にアクセスして参照可能な利用明細画面の一例を示す。
図6(b)では、2014年9月20日付けの決済情報(例えば、〇〇カンパニーから4900万円の工作機械を購入)が表示されている。このカード利用実績は、本来であれば、カード会員12の利用限度額を超える取引であるため、取引が非承認となる筈である。しかしながら、S403にてカード会員12からの振込入金に応じて、業務区分が「取消・返品」を示すオーソリ電文が生成され、オーソリ電文DB28に格納されていたため、当該オーソリ電文によって示されるマイナス4000万円の金額と工作機械購入のオーソリ電文の4900万円の金額が清算(相殺)されたことにより、900万円のカード利用実績がカード会員12の利用限度額内に収まったため、取引が承認されたことを示している。
【0050】
再び、
図4のフロー図に戻ると、S406では、カード会社システム10は、所定の期間内に発生した、業務区分が「売上」および「取消・返品」を示すオーソリ電文をオーソリ電文DB28から読み出し、カード会員12ごとの請求データを生成する。この請求データは、カード会員12が所有するクレジットカードごとに生成される。本実施形態では、
図6(b)に示したように、売上のオーソリ電文4900万円と取消・返品のオーソリ電文マイナス4000万円が清算されているので、900万円の請求データがカード会社システム10からカード会員12に対して送信される。
【0051】
S407では、カード会員12とカード会社10との契約内容に基づいて、カード会社10が所定の銀行に対して口座振替の依頼を送信し、当該銀行システム13がカード会員12の銀行口座からカード会社10の銀行口座への口座振替を行う。
【0052】
図4の説明では、カード会員12に対する請求データを生成する際に、「取消・返品」を示すオーソリ電文と「売上」を示すオーソリ電文の両方が発生するケースを説明した。しかしながら、請求データを生成する時に「売上」を示すオーソリ電文が未だ発生していないケース(すなわち、工作機械をまだ購入していないケース)もありうる。かかる場合には、「取消・返品」を示すオーソリ電文を所定の期日が到来するまで請求データ生成処理の際に使用しないようにすることも可能である(例えば、通常のカード取引で「ボーナス払い」とする仕組みと同様)。所定の期日は、カード会員12とカード会社10の間で取り決めておくことができる。
【0053】
また、工作機械の購入代金が予定よりも低額で済んだ場合には、預かり金が残ったままになるため、指定月が到来したらカード会社10からカード会員12に対して残金を返金するように構成することも可能であり、あるいは、他のカード取引の金額と引き続き清算し続けることも可能である。
【0054】
図5は、本発明に係るカード会社システム10の機能ブロック図である。カード会社システム10は、返品データ処理部51、売上データ処理部52、請求処理部53、口座振替依頼部54、会員DB26、加盟店DB27およびオーソリ電文DB28を備える。会員DB26、加盟店DB27およびオーソリ電文DB28は、
図2を参照しながら上記で説明したデータを格納し、同様の機能を果たすデータベースであるので詳細な説明は省略する。
【0055】
返品データ処理部51は、銀行システム13から入金情報を受信したことに応答して、返品伝票データを生成することができる。返品伝票データは、業務区分が「取消・返品」を示すオーソリ電文に相当し、カード会員12のクレジットカード番号302、加盟店ID306、カード会員12からの入金額の情報を含んでいる。
【0056】
処理内容を詳細に説明すると、返品データ処理部51は、受信した入金情報に含まれる口座番号をキーにして会員DB26にアクセスし、当該口座番号に関連付けられるカード会員12のクレジットカード番号302、加盟店ID306を取得する。加盟店ID306は、カード会員12本人を示す識別子である。返品データ処理部51は、入金情報に含まれる日付情報および入金額、取得したクレジットカード番号302、加盟店ID306を使用して業務区分が「取消・返品」を示すオーソリ電文を生成する。生成されたオーソリ電文はオーソリ電文DB28に格納される。
【0057】
売上データ処理部52は、加盟店端末11からオーソリ電文を受信してオーソリ電文DB28にオーソリ電文を格納することができる。上述したように、カード会社システム10と加盟店端末11との間で通信されるオーソリ電文には、業務区分が「売上」および「取消・返品」を示すオーソリ電文、並びにカード取引の承認/非承認を判定するためのオーソリ電文が含まれる。
【0058】
請求処理部53は、所定の期間(例えば、1ヶ月間)に発生した、業務区分が「売上」および「取消・返品」を示すオーソリ電文をオーソリ電文DB28から読み出して、カード会員12に対する請求データを生成することができる。この請求データは、カード会員12が所有するクレジットカードごとに生成される。「売上」を示すオーソリ電文と「取消・返品」を示すオーソリ電文は互いに清算することが可能である。
【0059】
口座振替依頼部54は、請求処理部53によって生成された請求データに基づいて口座振替依頼データを銀行システム13に送信することができる。口座振替は、カード会社10とカード会員12との間で予め決められている日付(例えば、毎月5日)に行われることになる。
【0060】
上記では、カード会員12が振込をした金額が預かり金310に「預かり金」として記録され、当該金額分がプリペイド枠として機能し、他のオーソリ電文の売上データと相殺される構成について説明した。本発明では、他の実施形態として、以下に述べるような実施形態についても実行可能である。
【0061】
カード会社システム10は、それぞれのカード会員12のカード使用状況、支払実績、年収などの情報をモニタリングした結果、各カード会員をランク付けする。カード会社システム10は、各カード会員のランクに応じた増枠率を設け、振込金額以上のプリペイド枠を設定することができる。例えば、カード会員12の増枠率が2倍であり、4000万円のプリペイド枠が必要なケースでは、カード会員12は2000万円の振込を行えば、4000万円のプリペイド枠(すなわち、2000万円×2)を得ることができる。その後、カード会員12はカード会社10と事前に取り決めた契約に基づいて残額を返済することもできる。
【0062】
<まとめ>
以上、例示的な実施形態を参照しながら本発明の原理を説明したが、本発明の要旨を逸脱することなく、構成および細部において変更する様々な実施形態を実現可能であることを当業者は理解するだろう。すなわち、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。