特許第6100959号(P6100959)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6100959
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】目地装置
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/68 20060101AFI20170313BHJP
【FI】
   E04B1/68 100A
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-162716(P2016-162716)
(22)【出願日】2016年8月23日
【審査請求日】2016年10月6日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000110365
【氏名又は名称】ドーエイ外装有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(74)【代理人】
【識別番号】100194261
【弁理士】
【氏名又は名称】栢原 崇行
(72)【発明者】
【氏名】後藤 英夫
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−042781(JP,U)
【文献】 実開昭50−038644(JP,U)
【文献】 実開平05−096214(JP,U)
【文献】 実開平06−063778(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/68
E06B 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の躯体間の目地部を塞ぐ目地装置であって、前記左右の躯体にそれぞれヒンジ部材を介して設けられ、複数個の枢支部を有するリンク部材と、該リンク部材の左右端部の枢支部又は前記ヒンジ部材のいずれかに取り付けられた左右一対の端部目地プレートと、該左右一対の端部目地プレートの間に少なくとも1つ設けられた目地プレートと、前記ヒンジ部材が前記目地部の外方側に露出しないようにカバーするカバー部材とで構成され、前記カバー部材は、前記左右の躯体に設けられた硬質の固定カバー部材と、該固定カバー部材の内方にその可動端部が入り込むように前記左右一対の端部目地プレートにそれぞれ設けられた硬質の可動カバー部材とから成り、前記固定カバー部材は、目地部の中央側へ突出した部分が平板状に形成されているとともに、前記可動カバー部材は、前記固定カバー部材の内方にその可動端部が入り込むように延在し、かつ、そのヒンジ部材を支点に端部目地プレートが回動した場合であっても前記固定カバー部材の内方にその可動端部が入り込んだ状態を維持できる形状に形成されていることを特徴とする目地装置。
【請求項2】
前記可動カバー部材は、少なくともその一部が円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の目地装置。
【請求項3】
前記固定カバー部材及び可動カバー部材は、金属で形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の目地装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は目地部を介して設けられた躯体の間の目地部を塞ぐ目地装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井間や壁面間の目地部を薄板の目地プレートで塞ぐ目地装置としては、「目地部を介して建てられた左右の建物の目地部側躯体にそれぞれヒンジ部材を介して取付けられた一方の目地カバーおよび他方の目地カバーを用いた目地部を伸縮可能に覆う壁用目地装置において、前記一方の目地カバーおよび他方の目地カバーの後端部にそれぞれ取付けられた可動側止水シート受けレールと、この可動側止水シート受けレールと対応する部位の左右の目地部側躯体に取付けられた固定側止水シート受けレールと、この固定側止水シート受けレールと前記可動側止水シート受けレールに両端部がシート押えを用いて取付けられた該固定側止水シート受けレールと可動側止水シート受けレール間の寸法が変化しても吸収することができる長さの止水シートと、前記固定側止水シート受けレールと前記左右の目地部側躯体間に充填されたシール剤とを用いたことを特徴とする壁用目地装置。」が知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
このような目地装置では、左右の躯体にヒンジ部材で固定し、そのヒンジ部材を覆うようにゴム製の止水シート等でシールしている。しかし、このような止水シートは、とても薄いためカッターナイフ等で簡単に切ることができ、目地プレートの取り付け部分が簡単に露出してしまうため、セキュリティに欠点があった。
【0004】
また、ヒンジ部材をシール剤で覆うことも考えられるが、目地プレートの動きが制限されてしまったり、経年劣化によってヒビ割れ等が生じるという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−57697公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、目地プレートの動きが制限することなく、目地プレートの取り付け部分を確実に覆うことができる目地装置を提供することを目的としている。
【0007】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の目地装置は、左右の躯体間の目地部を塞ぐ目地装置であって、前記左右の躯体にそれぞれヒンジ部材を介して設けられ、複数個の枢支部を有するリンク部材と、該リンク部材の左右端部の枢支部又は前記ヒンジ部材のいずれかに取り付けられた左右一対の端部目地プレートと、該左右一対の端部目地プレートの間に少なくとも1つ設けられた目地プレートと、前記ヒンジ部材が前記目地部の外方側に露出しないようにカバーするカバー部材とで構成され、前記カバー部材は、前記左右の躯体に設けられた硬質の固定カバー部材と、該固定カバー部材の内方にその可動端部が入り込むように前記左右一対の端部目地プレートにそれぞれ設けられた硬質の可動カバー部材とから成り、前記固定カバー部材は、目地部の中央側へ突出した部分が平板状に形成されているとともに、前記可動カバー部材は、前記固定カバー部材の内方にその可動端部が入り込むように延在し、かつ、そのヒンジ部材を支点に端部目地プレートが回動した場合であっても前記固定カバー部材の内方にその可動端部が入り込んだ状態を維持できる形状に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1に記載の発明においては、ヒンジ部材を覆うカバー部材が設けられているので、目地プレート等を取付けるヒンジ部材が外方に露出することを防止できる。
したがって、常時ヒンジ部材がカバーすることができ、ヒンジ部材を分解することによって目地装置を除去し、目地部の内方に何者かが侵入することを防止でき、セキュリティを向上させることができる。
(2)また、このカバー部材は、左右の躯体に設けられた硬質の固定カバー部材と、固定カバー部材と固定カバー部材の内方にその可動端部が入り込むように前記左右一対の端部目地プレートに設けられた硬質の可動カバー部材とから成り、可動カバー部材は、ヒンジ部材を支点に端部目地プレートが回動した場合であっても固定カバー部材の内方にその可動端部が入り込んだ状態を維持できるので、地震によって左右の躯体が揺れ動き、ヒンジ部材を支点に目地プレート等が回転しても、ヒンジ部材が外部に露出することを防止できるとともに、カバー部材が破損等することを防止することができる。
(3)請求項2に記載の発明においても前記(1)〜(2)の効果を得られるとともに、可動カバー部材は、少なくともその一部が弧状に形成されているため、ヒンジ部材を支点に端部目地プレートが回動した場合であっても固定カバー部材とより隙間なく当接した状態を維持することができる。
(4)請求項3に記載の発明においても前記(1)〜(3)の効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1乃至図7は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図8乃至図12は本発明の第2の実施形態を示す説明図である。
図1】第1の実施形態の目地装置の正面図。
図2図1の2−2線に沿う断面図。
図3】目地プレート取付端部付近の要部説明図。
図4】地震で目地部が狭くなった動作説明図。
図5】地震で目地部が広くなった動作説明図。
図6】地震で左右の躯体が異なる前後方向に揺れ動いた場合の動作説明図。
図7図6の要部拡大説明図。
図8】第2の実施形態の目地装置の正面図。
図9図8の9−9線に沿う断面図。
図10】地震で目地部が狭くなった動作説明図。
図11】地震で目地部が広くなった動作説明図。
図12】地震で左右の躯体が異なる前後方向に揺れ動いた場合の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
図1乃至図7に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は目地部2を介して設けられた一方の躯体3及び他方の躯体4間に設置された目地装置である。
本実施の形態においては、この目地装置1は左右の躯体3、4の壁面間の目地部を塞ぐ壁面用目地装置として用いられる。
【0012】
なお、左右方向とは図1における左右方向であり、上下方向とは図1における上下方向をいい、前後方向とは図2における上下方向をいう。目地部の外方とは、躯体の外側壁面方向(図2における下方向)であり、目地部の内方とは、躯体の内側壁面方向(図2における上方向)をいう。
【0013】
また、本発明において躯体とは、建物、道路、スラブ、エレベーターシャフト等の目地プレートを設置可能な建造物をいい、出入口とはドアや扉の設けられた出入口だけではなく、人や車両等が通行できる通路も含むものである。
【0014】
さらに本発明において略当接したとは、接触している状態だけではなく、わずかに隙間が開いている状態をも指すものである。
【0015】
この目地装置1は、例えば、図1及び図2に示すように、前記左右の躯体3、4の壁面3a、4aにそれぞれ左右一対のヒンジ部材5を介して設けられ、複数個の枢支部6を有するリンク部材7と、前記ヒンジ部材5にそれぞれ取り付けられた左右一対の端部目地プレート8と、該左右一対の端部目地プレート8の間に設けられた目地プレート9と、前記ヒンジ部材5を覆うカバー部材10とで構成されている。
【0016】
前記ヒンジ部材5は、図3に示すように、本実施の形態においては、略アングル状の固定片5aと、この固定片5aとヒンジ部5bを介して接続された可動片5cとで構成されており、この可動片5cに前記リンク部材7及び端部目地プレート8が取り付けられる。
本実施の形態においては、目地プレートの高さ寸法と略同寸法の縦長のヒンジ部材5を左右に1つずつ設けているが、高さ寸法の短いヒンジ部材を左右の躯体3、4にそれぞれ複数個設けてもよい。
【0017】
この可動片5cは、本実施の形態においては、先端部が略くの字状に屈曲しており、この屈曲した部位に前記端部目地プレート8が固定される。
【0018】
なお、可動片5cの先端部は、カギ状、円弧状、傾斜面状に形成してもよい。
左右一対の端部目地プレート8は、本実施の形態においては、金属製の薄板で、取付端部8aが屈曲しており、この部位が前記ヒンジ部材5に溶接、ボルト止等で固定される。
また、端部目地プレート8の突出端部8bは、前記目地プレート9の左右部位と互いにスライド可能に重なりあっている。地震によって左右の躯体3、4が揺れ動き、目地部が狭くなった場合であっても、端部目地プレート8の突出端部8b同士が衝突しない程度の長さ寸法に形成されている。
【0019】
この端部目地プレート8の取付端部8a付近には、後述する前記カバー部材10が設けられており、かつ、ヒンジ部材5が目地部2の外方側に露出しないように略隙間なくカバーしている。このようにヒンジ部材5をカバーすることにより、ヒンジ部材5を分解して目地プレート等を外し、目地部の内方に何者かが侵入することを防止できる。
【0020】
前記リンク部材7は、複数個の枢支部6を有するパンタグラフ状に形成されており、本実施の形態においては、上下に2つ設けられている。このリンク部材7の左右端部は、前記ヒンジ部材5の可動片5cに溶接、ボルト止等で固定されている。
また、このリンク部材7の中央部位の枢支部6には、枢支ピン11によって目地プレート9が枢支されている。
【0021】
前記目地プレート9は、金属製の薄板で、その左右部位は、前記端部目地プレート8の突出端部8bと重なり合っており、地震によって左右の躯体3、4が揺れ動き、目地部が広くなった場合であっても、前記端部目地プレート8と重なっている状態を維持できる程度の長さ寸法に形成されている。
【0022】
この目地プレート9は前記左右の端部目地プレート8よりも前方(目地部2の外側)に位置する状態で前記左右の端部目地プレート8と重なり合っており、目地プレート9と左右の端部目地プレート8に常時当接するように、前記枢支ピン11の後部側(目地部2の内側方向)に設けられたスプリング12によって、常時目地部2の内側方向へ付勢されている。
【0023】
カバー部材10は、図3に示すように、左右の躯体3、4の壁面に固定された金属製の固定カバー部材13と、該固定カバー部材13の突出端部と略当接するように端部目地プレートの取付端部付近に設けられた金属製の可動カバー部材14とで構成されている。
この固定カバー部材13及び可動カバー部材14は、本実施の形態においては金属で形成しているが、硬質の樹脂(エンジニアプラスチック等)を用いてもよい。
【0024】
前記固定カバー部材13は、薄板でアングル状に形成されており、突出端部が目地部2の中央側へ突出している。この突出端部は、本実施の形態においては、前記可動カバー部材14と当接状態となっている。
【0025】
前記可動カバー部材14は、薄板で、その取付端部14aは、前記端部目地プレート8の取付端部8a付近に固定されている。
【0026】
また、可動カバー部材14は、その突出端部14bが固定カバー部材13の内方にその可動端部が入り込むように延在しており、その突出端部14bは弧状に形成されている。この突出端部14bは前記固定カバー部材13の内方に入りこんだ状態で当接している。
本実施の形態においては、この円弧状の突出端部14bは、図3に示すように前記ヒンジ部材5のヒンジ部5bから前記固定カバー部材13の突出端部を半径として円を描いた場合の円周の軌跡Lと略重なるような円弧に形成している。
【0027】
このような円弧とすることで、ヒンジ部5bを支点に端部目地プレート8等が回転した場合であっても、可動カバー部材14は固定カバー部材13の内方に入りこんだ状態で当接状態を維持できる。
【0028】
地震で左右の躯体3、4が左右方向に揺れ動き目地部2が狭くなると、図4に示すように、左右の端部目地プレート8が目地部2の中央方向に移動して揺れ動きを吸収し、地震による揺れ動きが収まると、元の状態に自動的に戻る。
【0029】
地震で左右の躯体3、4が左右方向に揺れ動き目地部2が広くなると、図5に示すように、左右の端部目地プレート8が離間する方向に移動して揺れ動きを吸収し、地震による揺れ動きが収まると、元の状態に自動的に戻る。
【0030】
地震で左右の躯体3、4が異なる前後方向に揺れ動くと、図6に示すように、左右の端部目地プレート8、リンク部材7及びこのリンク部材7に枢支されている目地プレート9は、前後方向に回動し、その揺れ動きを吸収する。
【0031】
この時、前記カバー部材10は、図7に示すように、可動カバー部材14の円弧状の突出端部14bが固定カバー部材13の突出端部の内方に入りこみ当接状態を維持しているため、ヒンジ部材5が外方に露出することないとともに、カバー部材10が破損等することもなく地震による揺れ動きを吸収することができる。
【0032】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図8乃至図12に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0033】
図8乃至図12に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、両端部に固定されたヒンジ部材5Aを介して左右の躯体3、4にパンタグラフ状のリンク部材7Aを設けるとともに、このパンタグラフ状のリンク部材7Aの左右端部の枢支部6にクランク状の端部目地プレート8Aを固定し、この左右の端部目地プレート8Aの間に複数個、本実施の形態においては、3個の目地プレート9Aを設けた点で、このような目地装置1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本実施の形態においては、可動カバー部材14の全体が円弧状に形成されている。
【0034】
前記端部目地プレート8Aは、略クランク状に形成されており、その取付端部付近には、カバー部材10の可動カバー部材14が固定されている。この端部目地プレート8Aは目地部2の中央側へ突出するように設けられている。
【0035】
前記目地プレート9Aは、リンク部材7Aの中央の枢支部6に設けられた金属製で薄板の中央目地プレート9aと、該中央目地プレート9aと前記端部目地プレート8Aの間に設けられた金属製で薄板の中間目地プレート9bとで構成されている。
【0036】
前記中央目地プレート9aは、前記リンク部材7Aの中央の枢支部6に、上下方向に延伸するバー部材16を介して固定されており、略T字状に形成されている。
【0037】
前記中間目地プレート9bは、前記リンク部材7Aの中間枢支部6に、上下方向に延伸するバー部材15を介して固定されており、略クランク状に形成されている。この中間目地プレート9bは、左右の躯体側へ突出するように設けられている。
【0038】
中間目地プレート9aは最も目地部の外側方向に設けられており、前記端部目地プレート8Aが最も内側に設けられている。具体的には、一方の躯体3側から、端部目地プレート8A、中間目地プレート9b、中央目地プレート9a、中間目地プレート9b、端部目地プレート8Aの順番で設けられている。
【0039】
これらの目地プレート8A、9Aの板厚分だけ階段状となるように重なりあっている。
地震で左右の躯体3、4が左右方向に揺れ動き目地部2が狭くなると、図10に示すように、左右の端部目地プレート8A及び目地プレート9Aの中間目地プレート9bが目地部2の中央方向に移動して揺れ動きを吸収し、地震による揺れ動きが収まると、元の状態に自動的に戻る。
【0040】
地震で左右の躯体3、4が左右方向に揺れ動き目地部2が広くなると、図11に示すように、左左右の端部目地プレート8A及び目地プレート9Aの中間目地プレート9bが離間する方向に移動して揺れ動きを吸収し、地震による揺れ動きが収まると、元の状態に自動的に戻る。
【0041】
地震で左右の躯体3、4が異なる前後方向に揺れ動くと、図12に示すように、リンク部材7及びこのリンク部材7Aに枢支されている、左右の端部目地プレート8Aと目地プレート9Aは、前後方向に回動し、その揺れ動きを吸収する。
【0042】
この時、前記カバー部材10は、図7に示すように、可動カバー部材14が固定カバー部材13の突出端部の内側に入り込んでおり、かつ、当接状態を維持しているため、ヒンジ部材5が露出することないとともに、カバー部材10が破損等することもなく地震による揺れ動きを吸収することができる。
【0043】
なお、本発明の実施形態では、本発明の目地装置を壁面間の目地部を覆う壁面用目地装置として用いるものについて説明したが、本発明の目地装置を天井間の目地部を覆う天井用目地装置として用いてもよい。
【0044】
また、可動カバー部材には、ヒンジ部材のヒンジ部から前記固定カバー部材の突出端部を半径として円を描いた場合の円周の軌跡と略重なるような円弧部を形成しているが、この円弧部の部位を円弧状ではなくその軌跡と近似するような多角形状等に形成してもよく、また、固定カバー部材と干渉せず、かつ、固定カバー部材と可動カバー部材が常時略当接できるような傾斜面状に形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は目地装置を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0046】
1、1A:目地装置、 2:目地部、
3:一方の躯体、 4:他方の躯体、
5、5A:ヒンジ部材、 6:枢支部、
7、7A:リンク部材、 8、8A:端部目地プレート、
9、9A:目地プレート、 10:カバー部材、
11:枢支ピン、 12:スプリング、
13:固定カバー部材、 14:可動カバー部材、
15:バー部材。
【要約】      (修正有)
【課題】目地プレートの動きが制限することなく、目地プレートの取り付け部分を確実に覆うことができる目地装置を提供する。
【解決手段】左右の躯体間の目地部2を塞ぐ目地装置1であって、前記左右の躯体にそれぞれヒンジ部材5を介して設けられ、複数個の枢支部6を有するリンク部材7と、左右一対の端部目地プレート8と、目地プレート9と、カバー部材10とで構成され、左右の躯体に設けられた硬質の固定カバー部材13と、その内方にその可動端部が入り込むように設けられた硬質の可動カバー部材14とから成り、端部目地プレート8が回動した場合であっても可動端部が入り込んだ状態を維持できる形状に形成する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12