【実施例1】
【0025】
図1,2に示すように、スロットマシン1の筐体2は前方に開放しており、前方から前扉3によって覆われている。前扉3の中央部には、筐体2の内部に配設された三つのリール9を視認するための視認窓4が設けられる。そして、前扉3の前面側には、視認窓4の下方に、遊技操作に用いるベットスイッチ5a,5b、スタートスイッチ6、ストップスイッチ7などの各種スイッチが配設される。また、視認窓4の上方には、演出用の画像を表示する画像表示器10が配設される。画像表示器10は、液晶表示装置からなるものであり、前扉3の上部に嵌め込まれている。また、前扉3の前面側には、演出用ランプ12が複数配設され、前扉3の前面下部には、メダルの受皿14が配設される。また、前扉3の前面側には、メダルの払出枚数を表示する払出枚数表示器16と、機内に貯留した遊技者のメダル(クレジット)の枚数を表示するクレジット数表示器17とが配設されている。
【0026】
図2に示すように、前扉3の背面側には、画像表示器10の裏側に、画像表示器10を制御する画像制御手段22が配設される。また、前扉3の背面側には、スピーカ11などが配設される。また、前扉3の背面側には、スロットマシン1に投入されたメダルを検出するメダルセレクタ8が配設される。また、
図2に示すように、筐体2には、リール9の上方に、メイン制御手段20やサブ制御手段21がケースに収納された状態で設置され、また、リール9の下方には、ホッパーユニット18が配設される。
【0027】
次に、スロットマシン1の作動を制御する制御回路を、
図3を参照して説明する。
メイン制御手段20は、CPU、RAM、ROM等を備え、遊技の進行に関する制御を行うものである。メイン制御手段20の入力ポートには、ベットスイッチ5a,5b、スタートスイッチ6、ストップスイッチ7が接続される。また、メイン制御手段20の出力ポートには、リール9、払出枚数表示器16、クレジット数表示器17、ホッパーユニット18、サブ制御手段21が接続される。
【0028】
ベットスイッチ5a,5bは、メダルをクレジットから投入するためのものである。ベットスイッチ5a,5bとして、シングルベットスイッチ5aとマックスベットスイッチ5bとを備えている。シングルベットスイッチ5aは、メダルをクレジットから1枚ずつ投入する。マックスベットスイッチ5bは、1ゲーム当たりの最大投入枚数のメダルを投入する。
【0029】
各リール9は、円筒形状をなしており、
図4に示すように、その外周面には「赤7A」,「赤7B」,「BAR1」,「BAR2」,「チェリー1」,「チェリー2」,「ベル」,「スイカ」,「リプレイ1」,「リプレイ2」の10種類の図柄が合計21個配されている。各リール9はステッピングモータ19を備えており(
図3参照)、各ステッピングモータ19でリール9を回転させることで、外周面の図柄を視認窓4に変動表示することができ、また、ステッピングモータ19を任意の角度で停止させることで、視認窓4に外周面の図柄を選択的に停止表示させ得るよう構成されている。ここで、視認窓4には、有効ラインが予め設定されており、後述するように、3つのリール9が停止したときに、有効ライン上に停止表示された図柄の組合せによって役に入賞したか否かが決定される。
【0030】
スタートスイッチ6は、リール9の回転を開始させるものである。本実施例では、レバー式スイッチが用いられており、レバーを傾動させることで、三つのリール9が回転を開始する。
【0031】
三個のストップスイッチ7は、リール9の回転を停止させるものである。各ストップスイッチ7は、個々のリール9に対応付けられており、ストップスイッチ7を押圧操作すると、対応したリール9が所定遅延時間内に停止するよう構成されている。すなわち、このストップスイッチ7の操作順序によって、回転中のリール9の停止順序を選択することができる。
【0032】
払出枚数表示器16は、入賞の際に払い出されたメダルの払出枚数を表示するものである。また、クレジット数表示器17は、予め定められた上限枚数(50枚)までのクレジット枚数を表示するものである。
【0033】
ホッパーユニット18はメダルを払い出すためのものであり、メダルを貯留するメダルタンクと、メダルタンク内のメダルを受皿14と連通する送出口に1枚ずつ送出するローターと、送出口に送出されたメダルを受皿14に1枚ずつはじき出すメダルキッカーと、ローターを回転させるモータと、メダルキッカーの動きを介してメダルの送出を検知する払出センサとを備えている。
【0034】
サブ制御手段21は、CPU、RAM、ROM等を備え、遊技に関する演出の制御を行うものであり、サブ制御手段21のROMには、多岐に亘る演出パターンに関する固定データが記憶されている。サブ制御手段21の入力ポートには、メイン制御手段20が接続され、メイン制御手段20からサブ制御手段21に、遊技の進行に関する情報が入力される。そして、サブ制御手段21は、メイン制御手段20から入力される情報に基づいて演出パターンを選択し、選択した演出パターンを実行させるために、演出用ランプ12やスピーカ11にコマンドを送信し、さらには、画像表示器10に所要の画像を表示させるために画像制御手段22にコマンドを送信する。
【0035】
画像制御手段22は、CPU、RAM、ROM等を備え、画像表示器10の表示制御を行うものである。画像制御手段22のROMには、画像表示器10に表示する演出用画像を生成するためのデータが多量に記憶される。画像制御手段22は、サブ制御手段21からコマンドを受信すると、CPUにおいて演算処理し、演出用画像のデータをRAMに書きこんで画像表示器10に出力し、サブ制御手段21が選択した演出パターン通りの演出用画像を画像表示器10の表示画面に表示させる。
【0036】
次に、スロットマシンの遊技内容について説明する。
本実施例のスロットマシンでは、スタートスイッチ6の操作(以下、「開始操作」ともいう。)によってリール9を回転させて図柄を変動表示させた後に、ストップスイッチ7の操作によってリール9を停止させて図柄を有効ライン上に停止表示させ、有効ライン上に停止表示された図柄組合せに応じた処理を行うゲームが繰り返し実行される。具体的には、1ゲームは、以下の(1)〜(4)の順序で実行される。
(1)メダル投入
遊技者が、一遊技に必要なメダル数(3枚)を直接投入するか、ベットスイッチ5a,5bを操作してクレジットからメダルを投入する。
(2)スタートスイッチ操作
遊技者がスタートスイッチ6を操作する。この開始操作を契機としてメイン制御手段20は、リール9を始動させるとともに、役抽選を実行する。役抽選では、メイン制御手段20が乱数値を抽出して、抽出した乱数値に基づいて、複数種類の成立役について当選したか否かを決定する。
(3)ストップスイッチ操作
リール9が一定回転速度に達した後に、遊技者がストップスイッチ7を操作すると、メイン制御手段20が、操作されたストップスイッチ7に対応するリール9の回転を停止させる。この時、メイン制御手段20は、ストップスイッチ7の操作順序や操作タイミング、役抽選の結果等に基づいてリール9の停止角度を決定し、当該角度でリール9を停止させる。
(4)入賞判定
メイン制御手段20が、全てのリール9が停止した段階で、有効ラインの上に停止した図柄の組合せが、成立役に対応する図柄の組合せと一致しているか否かを判定し、一致している場合には当該成立役に入賞したと判定する。
(5)入賞処理
入賞した成立役に応じた処理を実行する。
【0037】
なお、本実施例では、
図5に示すように、図柄組合せによって規定される複数種類の成立役が予め規定されている。例えば、成立役としての「リプレイA」は、三つのリール9において左から「リプレイ1」「リプレイ1」「リプレイ1」の図柄組合せによって規定される。なお、成立役としての「チェリーA」または「チェリーB」を構成する図柄組合せのうち「ANY」は、いずれの図柄でもよいことを意味する。また、
図5において成立役としての「リプレイI」、及び「リプレイJ」を構成する図柄組合せは、以下のように規定されている。すなわち、右リール9の有効ライン上には、「スイカ」、「赤7A」、「チェリー1」、又は「BAR2」のいずれかの図柄が停止する。そして、三つのリール9の回転が停止したときに、いずれかの役に対応する図柄組合せが有効ライン上に停止表示された場合には、当該成立役に入賞となる。成立役は、役に応じた枚数のメダルが払い出されることとなる小役と、メダルを投入することなく次ゲームを実行可能となる再遊技役と、後述のボーナス遊技状態に移行するボーナス役とに分類される。具体的には、
図5において、9枚ベル、1枚役A〜P、チェリーA,B、スイカA〜D、チャンス目、BBベルは、小役に分類され、リプレイA〜Jは再遊技役に分類され、BBはボーナス役に分類される。
【0038】
また、役抽選では、複数種類の成立役について個別に当落抽選を行うのではなく、
図6に示すように、複数種類の成立役についてグループ化した当選役を複数設定し、いずれの当選役に当選したか否かを判定する。具体的には、当選役として、「リプレイ役」,「共通ベル役」,「ベル役A」,「ベル役B」,「ベル役C」,「ベル役D」,「チェリー役」「スイカ役」,「チャンス役」,「BB役」が設定されている。そして、役抽選では、抽出した乱数値に基づいて、いずれかの当選役に当選、又は全ての当選役に非当選(ハズレ)を決定する。例えば、当選役としての「ベル役A」に当選した場合には、成立役としての「9枚ベル」,「1枚役A」〜「1枚役D」の役に同時に当選したこととなる。
【0039】
図7は、役抽選で用いられる役抽選テーブルの一例である。役抽選では、抽出した乱数と役抽選テーブルの当選確率とを参照して、いずれか一つの当選役の当選、又は全ての当選役の落選(ハズレ)を決定する。なお、本実施例では、各役への当選確率に影響を与える6段階の設定値が用意されており、役抽選テーブルには、設定値毎の当選確率が規定されている。例えば、
図7に示す役抽選テーブルでは、当選役としての「BB役」は、設定値1の時に、1/256の確率で当選するよう規定されている。設定値は、遊技場の係員等が専用の鍵を用いることで設定できる。
【0040】
なお、
図7に示す役抽選テーブルは一例であり、役抽選で用いられる役抽選テーブルは、役抽選状態に応じて切り替えられる。
図8に示すように、役抽選状態は、RT0と、RT1と、RT2と、ボーナス内部当選状態と、ボーナス状態とからなる。RT0とRT1は、リプレイ役の当選確率(リプレイ確率)の比較的低いリプレイ低確率状態であり、後述する通常遊技状態とCZ状態で用いられる。RT2は、比較的リプレイ確率の高いリプレイ高確率状態であり、後述するAT発動状態で用いられる。ボーナス内部当選状態は、リプレイ高確率状態であり、ボーナス役(BB役)に内部当選した状態である。ボーナス状態は、ベル役等の当選確率が比較的高くなる抽選状態であり、後述するボーナス遊技状態で用いられる。
【0041】
役抽選状態の移行態様について詳述すると、RT0で「ベル−ベル−スイカ」の図柄組合せ(以下、「特定図柄1」という。)が有効ラインに停止表示された場合は、RT1へ移行する。また、RT1で、「リプレイI」,「リプレイJ」に係る図柄組合せ(以下、「特定図柄2」という。)が有効ラインに停止表示された場合は、RT2へ移行する。一方、RT2で、前記「特定図柄1」が停止表示された場合は、RT1へ移行する。また、RT0、RT1、及びRT2において、「BB役」に当選した場合は、ボーナス内部当選状態へ移行する。さらに、ボーナス内部当選状態で「BB」に入賞した場合は、ボーナス状態へ移行する。
【0042】
次に、「ベル役A」〜「ベル役D」に当選したゲームにおける、ストップスイッチ7の操作順序(以下、停止操作順序ともいう。)と払出枚数の関係について
図6,9に従って説明する。
当選役が「ベル役A」〜「ベル役D」となった場合は、ストップスイッチ7を特定の操作順序で操作した場合にのみ、成立役としての「9枚ベル」に入賞して、メダル9枚の払出しを受けることができる。例えば、当選役が「ベル役A」のときは、「中」→「左」→「右」の順にストップスイッチ7を操作した場合のみ、成立役としての「9枚ベル」が入賞するように制御される。また、「ベル役A」の当選時に、左リール9のストップスイッチ7を最初に操作した場合は、中リール9及び右リール9の各ストップスイッチ7の操作順に関わらず、いずれの成立役にも入賞させず、コボシ目として「特定図柄1」を有効ラインに停止表示するように制御される。このため、左リール9のストップスイッチ7を最初に操作した場合は、払出し枚数は0枚となる。それ以外の操作順序で各ストップスイッチ7を操作した場合は、「1枚役A」〜「1枚役D」のうちいずれかが成立役として入賞するように制御され、払出枚数は1枚となる。同様に、当選役が「ベル役B」〜「ベル役D」の場合も、特定の操作順序でストップスイッチ7を操作したときに限り「9枚ベル」に入賞して払出枚数が9枚となり、特定の操作順序以外で操作した場合は払出枚数が0枚又は1枚となるよう制御される。
【0043】
次に、払出処理について説明する。払出処理は、ゲームで小役に入賞した場合に、当該小役に割り当てられた枚数のメダルを遊技者に払い出す処理である。払出処理は、小役に入賞したと判定した後に、メダル1枚を払い出す単位払出処理を払出枚数分だけ繰り返すことにより実行される。ここで、単位払出処理は、クレジットを1枚加算するクレジット加算処理と、メダル1枚を受皿14に送出するメダル送出処理の二通りがある。具体的には、クレジット加算処理には、メイン制御手段20のRAMに記憶されたクレジット枚数に「1」を加算する処理と、クレジット数表示器17の表示数を加算後のクレジット枚数に更新する処理とが含まれる。一方、メダル送出処理には、メダルセンサを介してメダル1枚の払出しを検知するまで、ホッパーユニット18のローターを回転させる処理が含まれる。クレジットは50枚まで機内に貯留可能となっており、払出処理では、クレジット枚数が上限に達するまでは、クレジット加算処理が単位払出処理として実行され、クレジット枚数が上限に達すると、メダル送出処理が単位払出処理として実行される。なお、本実施例では、所定の条件が充足された場合には、払出処理の実行時に後述の延長抽選が実行される。
【0044】
図10に示すように、本実施例のスロットマシン1の遊技状態は、通常遊技状態と有利遊技状態とボーナス遊技状態の三種類に大別される。通常遊技状態は、ゲームで獲得が期待されるメダル枚数の少ない、遊技者に不利な遊技状態であり、電源投入時や設定変更時は、この通常遊技状態に制御される。
【0045】
ボーナス遊技状態は、メダル枚数の増加を期待できる、遊技者に有利な遊技状態である。具体的には、ボーナス遊技状態の役抽選では、役抽選状態がボーナス状態となることで、100%の確率でBB中役に当選して、高配当のBBベルに毎ゲーム入賞可能となる。ボーナス遊技状態の開始条件は、通常遊技状態又は有利遊技状態で、BBに入賞することであり、ボーナス遊技状態の終了条件は、当該ボーナス遊技状態におけるメダルの払出枚数が規定枚数に達することである。ボーナス遊技状態の終了後は、ボーナス遊技状態開始前の遊技状態に復帰するよう構成される。
【0046】
図10に示すように、有利遊技状態は、通常遊技状態に比べて、操作順序報知機能の観点で遊技者に有利となる遊技状態である。操作順序報知機能とは、ストップスイッチ7の操作順序を遊技者に報知する機能であり、操作順序報知機能が作動したゲームでは、遊技者は、報知された操作順序でストップスイッチ7を操作することで、操作順序が報知されない場合よりも有利な結果を得ることが可能となる。具体的には、有利遊技状態は、操作順序報知機能が作動するAT発動状態と、操作順序報知機能は作動しないものの、通常遊技状態に比してAT発動状態への移行が容易なCZ状態とで構成される。
【0047】
有利遊技状態の開始条件は、通常遊技状態において、所定の有利遊技移行抽選に当選することである。有利遊技移行抽選は、開始操作のタイミングで行われる。具体的には、通常遊技状態において、スタートスイッチ6の操作を契機に役抽選が実行されて、当該役抽選でチェリー役又はスイカ役に当選すると、役抽選に続いて有利遊技移行抽選が実行される。有利遊技移行抽選では、乱数値を抽出して、抽出した乱数値が所定の当選値と一致するか否かによって当落が決定される。なお、
図11(a)に示すように、有利遊技移行抽選の当選時にAT発動状態へ移行する確率は、CZ状態へ移行する確率に比べてわずかである。また、有利遊技移行抽選では、チェリー役に当選した場合とスイカ役に当選した場合とで、異なる当選値を用いることで、当選役毎に当選確率を相違させている。
【0048】
AT発動状態では、操作順序報知機能が作動することで、ゲームで獲得が期待されるメダル枚数が多い、遊技者に有利な遊技状態となる。具体的には、AT発動状態では、当選役が「ベル役A」〜「ベル役D」となったゲームにおいて、「9枚ベル」に入賞可能となる停止操作順序が画像表示器10に表示され、遊技者は、表示された順序でストップスイッチ7を操作することで、メダル9枚を確実に獲得可能となる。また、AT発動状態では、当選役が「リプレイ役」となったゲームにおいて、「特定図柄2」が停止表示される停止操作順序が画像表示器10に表示される。このため、AT発動状態では、遊技者は、表示された順序でストップスイッチ7を操作することで、リプレイ高確率状態であるRT2で遊技を行うことが可能となる。このように、AT発動状態では、「ベル役A」〜「ベル役D」となったゲームにおいてメダル9枚を確実に獲得可能となり、また、リプレイ役の当選確率が上昇することで、遊技者はメダルを増加させることが可能となる。
【0049】
CZ状態では、AT発動状態へ移行するためのAT発動抽選が実行され、AT発動抽選に当選すると、次ゲームからAT発動状態が開始される。AT発動抽選は、開始操作のタイミングで行われる。具体的には、CZ状態において、スタートスイッチ6の操作を契機に役抽選が実行されて、当該役抽選でチェリー役又はスイカ役に当選すると、役抽選に続いてAT発動抽選が実行される。AT発動抽選では、乱数値を抽出して、抽出した乱数値が所定の当選値と一致するか否かによって当落が決定される。ここで、
図11(b)に示すように、AT発動抽選では、チェリー役に当選した場合とスイカ役に当選した場合とで、異なる当選値を用いることで、当選役毎に当選確率を相違させている。また、CZ状態では、CZ状態の実行可能期間としてCZゲーム数(本実施例では、常に10ゲーム)が設定される。CZ状態は、当該CZ状態においてCZゲーム数を全て消化することで終了する。全てのCZゲーム数の消化によりCZ状態が終了する場合は、同時に有利遊技状態も終了して、通常遊技状態へ移行することとなる。
【0050】
AT発動状態では、AT発動状態の実行可能期間としてATゲーム数が設定される。AT発動状態は、当該AT発動状態においてATゲーム数を全て消化することで終了する。ATゲーム数は、AT発動状態の開始時に設定される初期ゲーム数100ゲーム(以下、「ゲーム」を「G」と省略する場合あり。)と、AT発動状態中に延長抽選に当選する度に加算される延長ゲーム数とからなる。全てのATゲーム数の消化によりAT発動状態が終了する場合は、同時に有利遊技状態も終了して、通常遊技状態へ移行することとなる。
【0051】
延長抽選は、ATゲーム数を加算して、AT発動状態の期間を延長するか否かを決定するための抽選であり、いわゆる「上乗せ抽選」に相当するものである。延長抽選は、開始操作のタイミングで行われる。具体的には、AT発動状態において、スタートスイッチ6の操作を契機に役抽選が実行されて、当該役抽選でチェリー役又はスイカ役に当選すると、役抽選に続いて延長抽選が実行される。延長抽選では、乱数値を抽出して、抽出した乱数値が所定の当選値と一致するか否かによって当落が決定される。ここで、
図11(c)に示すように、延長抽選では、チェリー役に当選した場合とスイカ役に当選した場合とで、異なる当選値を用いることで、当選役毎に当選確率を相違させている。また、延長抽選に当選した場合は、抽出した乱数値に応じて、当該当選によってATゲーム数に加算する延長ゲーム数(いわゆる、上乗せゲーム数)が決定される。なお、後述するように、本実施例では、延長抽選は、開始操作時だけでなく、払出処理の実行時にも行われる。
【0052】
有利遊技状態は、CZゲーム数やATゲーム数の消化により終了するだけでなく、予め定められた上限ゲーム数(1500G)を消化した場合にも終了するよう構成される。すなわち、有利遊技状態は、開始から1500Gが経過すると、CZ状態とAT発動状態のいずれであるかに関わらず終了して、通常遊技状態へ移行する。なお、上限ゲーム数の消化により有利遊技状態が終了する場合は、当該有利遊技状態に係るCZゲーム数やATゲーム数等のパラメータは全てクリアされる。
【0053】
本実施例では、上述のように、有利遊技移行抽選やAT発動抽選、延長抽選などの抽選は、開始操作時に行われるが、延長抽選については、開始操作時だけでなく、払出処理の実行時にも行われる。
【0054】
具体的には、本実施例では、AT発動状態において、役抽選で、共通ベル役及びベル役A〜D(以下、まとめて「ベル役」という。)のいずれかに当選した場合には、払出処理において延長抽選が行われる。ここで、延長抽選は、単位払出処理を実行する度に行われる。AT発動状態では、操作順序報知機能によって、ベル役当選時にメダル9枚の払出しを確実に受けることが可能であるため、基本的に、ベル役当選時には払出処理において延長抽選が9回繰り返されることとなる。
【0055】
払出処理における延長抽選では、開始操作時の延長抽選とは異なる当選値を用いることで、払出処理時に特有の当選確率で延長抽選が行われる。具体的には、
図12に示すように、払出処理における延長抽選では、当該払出処理で延長抽選に初当選するまでの当選確率(10%)と、初当選した後の当選確率(50%)の二種類が設定される。また、延長ゲーム数についても、初当選した時は常に10Gに決定するが、2回目以降の当選では、抽出乱数値に応じて、10G、20G、30Gのいずれかに振り分ける。すなわち、払出処理中に繰り返される延長抽選では、当該延長抽選に1回でも当選すると、残りの延長抽選の当選確率が5倍(10%→50%)に上昇し、また、延長ゲーム数の期待値も上昇する。このため、払出処理に伴う延長抽選では、延長抽選に初当選するタイミングが遊技者の利益を大きく左右することとなる。
【0056】
本実施例では、単位払出処理の際に延長抽選に当選した場合には、延長抽選にハズれた場合とは異なる演出を実行することで、遊技者に延長抽選の当選が報知される。具体的には、払出処理においては、各単位払出処理の直前に延長抽選が実行され、延長抽選に当選した場合には、直後の単位払出処理の時に、画像表示器10において、延長抽選の当選と、延長ゲーム数とを報知する画像が表示される。例えば、払出処理において延長抽選に初当選した場合には、「上乗せ確定!+10」とのメッセージが画像表示器10に表示される。また、2回目以降の延長抽選当選時には、「追加上乗せ!+20」などのメッセージが画像表示器10に表示される。
【0057】
また、本実施例では、払出処理において延長抽選に初当選した場合には、初当選するまでとは異なる演出を実行することで、延長抽選の初当選を遊技者に報知する。具体的には、払出処理においては、各単位払出処理の直前に延長抽選が実行され、延長抽選で初当選した場合は、直後の単位払出処理の実行を約10秒間遅延させるロングウェイト処理が実行される。通常であれば、全てのリール9が停止してから1秒未満で最初の単位払出処理が実行され、2回目以降の単位払出処理は1秒未満の間隔で実行されるため、ロングウェイト処理の実行により、初当選した延長抽選に伴う単位払出処理の実行間隔は大幅に長くなる。したがって、かかるロングウェイト処理により、遊技者に延長抽選の初当選を明確に報知できる。
【0058】
また、本実施例では、払出処理において延長抽選に初当選した後は、以降の延長抽選の実行時に、それまでとは異なる演出を実行することで、高い当選確率(50%)の延長抽選を実行することを遊技者に報知する。具体的には、初当選した後の延長抽選では、ウェイト処理を実行することにより、当該延長抽選に伴う単位払出処理の実行を約5秒間遅延させる。
【0059】
図13は、AT発動状態において払出処理の際に実行された延長抽選の一実行例を示したものである。
かかる実行例では、ベル役に当選し、9枚ベルの入賞によって払出枚数が9枚となり、払出処理において、単位払出処理とともに延長抽選が9回繰り返される。ここで、かかる実行例では、5枚目と8枚目の単位払出処理の際に延長抽選に当選する。このため、5枚目と8枚目の単位払出処理では、延長抽選の当選と延長ゲーム数を報知する画像が画像表示器10に表示される。また、かかる実行例では、延長抽選の当選確率は、初当選する5枚目の単位払出処理までは10%であるが、初当選後の6枚目以降は50%に上昇する。また、かかる実行例では、単位払出処理の実行間隔は、初当選する5枚目の単位払出処理以前は通常の間隔(1秒未満)であるが、5枚目の単位払出処理の実行は、ロングウェイト処理の実行によって約10秒遅延し、また、6枚目以降の各単位払出処理の実行間隔は、ウェイト処理の実行によって実行間隔は約5秒となる。
【0060】
以上のように、本実施例では、開始操作のタイミングだけでなく、払出処理の実行タイミングでも延長抽選が実行されて、当該延長抽選に当選するとAT発動状態の期間が延長されることとなるため、従来構成に比べて、払出処理に対する遊技者の関心を高め、メダルの払出し中に遊技者の参加意欲が低下するのを防止可能となる。また、本実施例では、払出処理の終了まで遊技者の緊張を持続させることができるため、従来構成に比べて、遊技者が遊技に集中し易いという利点がある。
【0061】
特に、本実施例では、メダル1枚を払い出す単位払出処理に伴って延長抽選が実行されるため、延長抽選の契機を遊技者に可視的に示すことができ、遊技者の関心を効果的に高めることができる。また、延長抽選は、単位払出処理を実行する度に実行されるから、払出枚数9枚の9枚ベルに入賞した場合には、1ゲームにおいて延長抽選が9回も実行される。従来構成では、延長抽選の類いの抽選は、開始操作のタイミングで実行され、1ゲームで複数回実行されることはないため、本実施例のように、延長抽選を1ゲームで複数回繰り返すことによって、従来構成に比べて、延長抽選に係る興趣を向上できる。
【0062】
また、本実施例では、同種の抽選(延長抽選)が、開始操作の時と払出処理の実行時の、二つのタイミングで実行され得るため、従来構成に比べて、個々のゲームを変化に富んだものとすることができる。
【0063】
また、本実施例にあっては、払出枚数9枚の払出処理において延長抽選を9回繰り返すことが可能であるが、当該払出処理において延長抽選に一度当選すると、当該延長抽選以降の延長抽選の当選確率が10%から50%に上昇することとなる。このように、本実施例では、当該払出処理における実行済みの延長抽選の結果に基づいて、当該払出処理における残りの延長抽選の当選確率を変動させるため、払出処理における延長抽選の当選回数が大きくばらつかせて、ATゲーム数の延長頻度にメリハリを付けることができるという利点がある。
【0064】
また、本実施例にあっては、払出処理において延長抽選で初当選した場合には、ロングウェイト処理を実行して、当該延長抽選に伴う単位払出処理の実行間隔を約10秒間と大幅に長くするため、延長抽選の初当選を遊技者に明確に報知するとともに、単位払出処理の際に延長抽選が実行されていることを遊技者に実感させて、遊技の興趣を向上できるという利点がある。また、本実施例にあっては、払出処理において高い当選確率(50%)の延長抽選を実行する際には、ウェイト処理を実行して、当該延長抽選に伴う単位払出処理の実行間隔を約5秒間と長くするため、当選確率の高い延長抽選の実行を遊技者に明確に報知できるという利点もある。特に、本実施例のように、延長抽選に当選した場合や延長抽選を実行する場合などに、単位払出処理の実行間隔を長くすれば、画像や音声、ランプなどを用いた演出によって、延長抽選の当選や実行を、時間をかけて効果的に盛り上げることができる。
【0065】
図14は、メイン制御手段20の機能ブロック図である。
図14に示すように、メイン制御手段20は、遊技制御手段41と、役抽選手段42と、リール制御手段43と、入賞判定手段44と、払出制御手段45と、状態切替手段46と、始動時抽選手段47と、払出時抽選手段48と情報送信手段49とを備えている。なお、
図14の機能ブロック図において、役抽選手段42及び入賞判定手段44は、本発明に係る役抽選手段及び入賞判定手段に夫々相当し、払出制御手段45は、本発明に係る遊技価値供与手段に相当し、払出時抽選手段48は、本発明に係る単位価値供与時抽選手段に相当し、状態切替手段46は、本発明に係る状態向上手段に相当する。
【0066】
遊技制御手段41は、役抽選手段42、リール制御手段43、入賞判定手段44、払出制御手段45などを制御することにより、遊技の統括的な制御を行うものである。
【0067】
役抽選手段42は、複数用意された役について当選か否かを決定する役抽選を行うものである。役抽選手段42は、0〜65535の範囲の乱数を発生させる乱数発生手段と、スタートスイッチ6の操作を契機に乱数発生手段から乱数値を抽出する乱数抽出手段と、抽出され得る乱数値に対して、当選となる当選役の範囲を規定した役抽選テーブルと、抽出乱数値と役抽選テーブルを参照することにより、いずれかの当選役に当選したか否かを決定する役抽選判定手段とを備えている。
【0068】
リール制御手段43は、三つのリール9の回転を制御するものである。リール制御手段43は、ステッピングモータ19に信号を送り、各リール9の回転を制御する回転制御手段と、各リール9の現在の回転角度位置を検出するリール検出手段と、ストップスイッチ7の操作を契機としてリール9を停止させる停止制御手段とを備えている。
【0069】
ここで、停止制御手段は、ストップスイッチ7が操作されてから190msの遅延期間内に、該ストップスイッチ7に対応するリール9を停止させる。停止制御手段は、190msの遅延期間中にリール9を図柄0〜4コマ分滑らせることができ、ストップスイッチ7が操作されると、役抽選の結果や、ストップスイッチ7の操作順序に応じた停止テーブルを参照し、当該停止テーブルに規定されたコマ数だけリール9の図柄を滑らせてから停止させる。
【0070】
入賞判定手段44は、三つのリール9が停止したときに、有効ライン上の図柄組合せを判定し、当該図柄組合せにより各種の役に入賞したか否かを判定するものである。なお、停止表示される図柄は、ストップスイッチ7を操作したときのリール9の回転位置に基づいて一義的に決まるものであることから、入賞判定手段44は、該ストップスイッチ7を操作したときの回転位置などを参照することにより上記した各種の役に入賞したか否かを判定するものとしても良い。
【0071】
払出制御手段45は、小役に入賞したときに、払出処理を実行するものである。上述のように、払出処理は、メダル1枚を払い出す単位払出処理を、入賞した小役に応じた払出枚数分だけ繰り返すことによって実行される。単位払出処理は、基本的にクレジット枚数を1枚加算するクレジット加算処理として実行され、クレジット枚数が上限枚数(50枚)に達している場合には、ホッパーユニット18からメダル1枚を受皿14に送り出すメダル送出処理として実行される。すなわち、本実施例にあって、メダルの払出しとは、クレジット加算処理とメダル送出処理の両方を示している。さらに、払出制御手段45は、払出処理においては、メダルの払出枚数を払出枚数表示器16で表示するとともに、クレジット加算処理を実行する度に、クレジット数表示器17に表示するクレジット枚数を更新する。
【0072】
また、払出制御手段45は、払出処理の際に延長抽選が実行される場合には、延長抽選の当選確率や抽選結果によって、単位払出処理の実行間隔を変動させる。具体的には、払出処理において延長抽選に初当選した場合には、ロングウェイト処理を実行して、当該延長抽選に伴う単位払出処理の実行を約10秒間遅延させる。また、初当選以降に延長抽選を行う際には、ウェイト処理を実行して、当該延長抽選に伴う単位払出処理の実行を約5秒間遅延させる。
【0073】
状態切替手段46は、遊技状態の切替えを実行する。具体的には、状態切替手段46は、通常遊技状態で有利遊技移行抽選に当選すると、遊技状態を有利遊技状態に移行させる。また、状態切替手段46は、有利遊技状態における消化ゲーム数を計数し、当該消化ゲーム数が上限ゲーム数(1500G)に到達すると、遊技状態を通常遊技状態に復帰させる。また、状態切替手段46は、CZ状態でAT発動抽選に当選すると、CZ状態からAT発動状態に移行させる。また、状態切替手段46は、CZ状態において消化したCZゲーム数を計数し、全てのCZゲーム数が消化された時点で、CZ状態(有利遊技状態)から通常遊技状態に移行させる。また、状態切替手段46は、AT発動状態において消化したATゲーム数を計数し、全てのATゲーム数が消化された時点で、AT発動状態(有利遊技状態)から通常遊技状態に移行させる。また、状態切替手段46は、AT発動状態で延長抽選に当選する度に、ATゲーム数に延長ゲーム数を加算する。
【0074】
また、状態切替手段46は、通常遊技状態または有利遊技状態でBBに入賞すると、遊技状態をボーナス遊技状態に移行させる。そして、ボーナス遊技状態において規定枚数のメダルが払い出されると、BBに入賞する前の遊技状態に復帰させる。なおここで、ボーナス遊技状態を終了した場合に、BBに入賞する前の遊技状態と異なる遊技状態に移行させるようにしても良い。例えば、有利遊技状態でBBに入賞した場合、ボーナス遊技状態での遊技終了後に通常遊技状態に移行させても良い。この場合には、BBへの入賞を有利遊技状態の終了条件の一つとすることで実現できる。さらに、通常遊技状態でBBに入賞した場合に、ボーナス遊技状態での遊技終了後に有利遊技状態に移行させても良い。この場合には、BBへの入賞による付加特典として有利遊技状態を付与することで実現できる。また、後述のようにボーナス遊技状態での遊技中において有利遊技移行抽選を実行し、該抽選に当選した場合に、当該ボーナス遊技状態の終了後に有利遊技状態に移行させても良い。
【0075】
また、状態切替手段46は、役抽選状態の移行状態が充足されると、役抽選状態の切替えも実行する。例えば、
図8に示すように、役抽選状態RT0,RT2において、特定図柄1が有効ラインに停止表示された場合には、役抽選状態を、RT0又はRT2からRT1へ移行させ、また、役抽選状態RT1において、特定図柄2が有効ライン上に停止表示された場合には、役抽選状態をRT1からRT2へ移行させる。
【0076】
始動時抽選手段47は、開始操作の際に行われる有利遊技移行抽選、AT発動抽選、及び延長抽選に係る制御を行う。始動時抽選手段47は、乱数発生手段と、スタートスイッチ6の操作を契機に乱数発生手段から乱数値を抽出する乱数抽出手段と、抽出され得る乱数値に対して、当選となる当選値を規定した当選値テーブルと、抽出乱数値と当選値テーブルとを参照することにより、各抽選の当落を決定する当落判定手段とを備えている。なお、当選値は、抽選の種類毎に設定されており、また、チェリー役に当選した場合と、スイカ役に当選した場合とで、異なる当選値が設定されている。
【0077】
払出時抽選手段48は、払出処理における延長抽選の実行に係る制御を行うものである。具体的には、払出時抽選手段48は、0〜99の範囲の乱数を発生させる乱数発生手段と、単位払出処理の直前に乱数発生手段から乱数値を抽出する乱数抽出手段と、抽出され得る乱数値に対して、当選となる当選値を規定した当選値テーブルと、抽出乱数値と当選値テーブルとを参照することにより、延長抽選の当落を決定する当落判定手段とを備えている。そして、払出時抽選手段48は、AT発動状態でベル役に当選したゲームにおいて、単位払出処理の度に延長抽選を実行し、延長抽選毎に当落を決定する。なお、払出時抽選手段48は、初当選までの延長抽選と初当選以降の延長抽選とで、異なる当選値テーブルを用いることで、初当選以降の延長抽選の当選確率を上昇させる。
【0078】
情報送信手段49は、所定の情報等を含むコマンドを信号線に出力して、サブ制御手段21に送信するものである。
【0079】
図15は、サブ制御手段21の機能ブロック図である。
図15に示すように、サブ制御手段21は、情報受信手段51と、演出制御手段52と、操作順序報知手段53とを備えている。
【0080】
情報受信手段51は、メイン制御手段20が送信するコマンドを、信号線を介して受信するものである。
【0081】
演出制御手段52は、演出の実行制御を行うものである。具体的には、演出制御手段52は、メイン制御手段20から受信したコマンドや、演出内容決定用の抽選に基づいて演出パターンを決定する演出決定手段54と、スロットマシン1で実行される全ての演出パターンを記憶した演出パターン記憶手段55と、画像制御手段22を介して画像表示器10に所要の画像を表示させる演出画像制御手段56と、スピーカ11の出力制御を行う音声制御手段57と、演出用ランプ12の点灯制御を行うランプ制御手段58とを備えている。なお、延長抽選に当選した際に、延長抽選の当選と、延長ゲーム数(上乗せゲーム数)とを画像表示器10で報知する処理は、かかる演出制御手段52によって実現される。
【0082】
操作順序報知手段53は、所定条件下で、ストップスイッチ7の操作順序を、画像制御手段22を介して画像表示器10で報知するものである。具体的には、操作順序報知手段53は、AT発動状態の役抽選でベル役A〜Dに当選した場合は、メイン制御手段20からサブ制御手段21に送信される役抽選の結果に基づいて、「9枚ベル」に入賞可能なストップスイッチ7の操作順序を選択し、該操作順序を画像表示器10に表示する。具体的には、役抽選でベル役Aに当選した場合であれば、サブ制御手段21がメイン制御手段20からベル役Aに当選したことを示す情報を受信すると、操作順序報知手段53は、「9枚ベル」に入賞する「中→左→右」の操作順序を選択し(
図9参照)、リール9の回転中に、選択した操作順序を遊技者に報知する。また、操作順序報知手段53は、AT発動状態の役抽選でリプレイ役に当選した場合は、メイン制御手段20からサブ制御手段21に送信される当選した当選役の情報に基づいて、「特定図柄2」を停止表示可能なストップスイッチ7の操作順序を選択し、該操作順序を画像表示器10に表示する。なおここで、メイン制御手段20からサブ制御手段21に送信される情報は、前記のように当選役の情報とすることに限らず、9枚役に入賞可能な操作順序や、特定図柄2を停止表示可能な操作順序を送信するようにしても良い。この場合には、メイン制御手段20で、ストップスイッチ7の操作順序を選択する処理を実行し、サブ制御手段21で、受信した操作順序を報知する処理を実行する。
【0083】
以下に、本実施例のスロットマシン1の制御処理内容について、フローチャートを参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する制御処理内容にあって、本発明に係る役抽選手段は、
図19のステップS403によって主に実現される。また、本発明に係る入賞判定手段は、
図19のステップS412によって主に実現される。また、本発明に係る遊技価値供与処理は、
図19のステップS413によって主に実現される。また、本発明に係る単位価値供与処理は、
図22(b)のステップS804によって主に実現される。また、本発明に係る単位価値供与時抽選手段は、
図23のステップS901,S902,S906によって主に実現される。また、本発明に係る状態向上処理は、
図23のステップS903,S904,S907,S908によって主に実現される。
【0084】
図16は、メイン制御手段20のCPU(以下、メインCPUという。)の制御内容にあって、電源投入時に実行される電源投入処理の制御内容を示したものである。
電源投入処理では、まず、メインCPUは、電断信号がOFFになるまで待機してから(S101)、RAMへのアクセスを許可し(S102)、RAMバックアップ不良判定処理を実行する(S103)。RAMバックアップ不良判定処理は、電源切断時にRAMにバックアップされたデータについて、異常の有無を判定する処理である。なお、電断信号は、筐体内部の電源ユニット(図示省略)が電力供給異常を通知する信号である。
次に、メインCPUは、扉センサ及び設定キースイッチの状態がONであるか否かを判定し(S104,S105)、扉センサがONでなく、かつ、設定キースイッチがONであると判定した場合は、設定値の変更に係る設定変更処理(S106)を実行する。設定値変更処理の詳細は後述する。なお、扉センサは、前扉3の開閉状態を光学的に検知するセンサであり、前扉3の閉鎖時に出力がONとなるものである。また、設定キースイッチは、スロットマシン1を設定変更可能な状態にするためのスイッチであり、電源ユニットに配設されて、専用の鍵を使用でのみ操作可能となっている。
【0085】
一方、ステップS104,S105で、扉センサがONである、又は、設定キースイッチがONでないと判定した場合は、RAMバックアップ不良判定処理の結果が「不良」であるか否かを判定し(S107)、「不良」であった場合は、エラー発生時に係るエラー処理(S108)を実行して、電源投入処理を終了する。一方、ステップS107で、RAMバックアップ不良判定処理の結果が「不良」でなかった場合は、バックアップされたデータに基づいて、電源切断時にリール9が回転していたか否かを判定する(S109)。そして、電源切断時にリール9が回転していたと判定した場合は、電源切断時点の状態に復帰させるためリール9の再起動状態を設定してから(S110)、ステップS111へ移行し、電源切断時にリール9が回転していなかったと判定した場合は、そのままステップS111へ移行する。そして、ステップS111では、メダルセレクタ8の異常の有無を判定するセンサエラー判定処理を実行して、電源投入処理を終了する。
【0086】
図17は、上記設定変更処理(
図16:S106)の制御内容を示したものである。
設定変更処理では、まず、メインCPUは、RAMにバックアップされた設定値の情報が不良であるか否かを判定し(S201)、バックアップされた設定値の情報が不良でないと判定した場合は、バックアップされた設定値の情報を読み取って(S202)、ステップS206へ移行する。一方、ステップS201で、バックアップされた設定値の情報が不良であると判定した場合は、前扉3の裏側に配設された設定値表示器(図示省略)に「C」を表示して(S203)、前扉3の裏側に配設された設定スイッチ(図示省略)が操作されるまで待機する(S204)。そして、設定スイッチが操作された時点で、設定値を「1」に設定して(S205)、ステップS206へ移行する。
【0087】
ステップS206では、設定スイッチが操作されたか否かを判定し、設定スイッチが操作されたと判定した場合は、設定値を1段階更新して(S207)、ステップS206を再度実行する。一方、ステップS206で、設定スイッチが操作されていないと判定した場合は、スタートスイッチ6が操作されたか否かを判定し(S208)、スタートスイッチ6が操作されていないと判定した場合は、ステップS206を再度実行する。そして、ステップS207で、スタートスイッチ6が操作されたと判定した場合は、設定スイッチの操作を無効として、設定キースイッチがOFFになるまで待機する(S209)。そして、設定キースイッチがOFFになると、当該時点の設定値を、変更後の設定値として確定させて(S210)、設定値変更処理を終了する。
【0088】
図18は、上記エラー処理(
図16:S108)の制御内容を示したものである。
エラー処理では、まず、ステップS301〜S306において、エラー発生による遊技の中断に係る処理を実行する。具体的には、メインCPUは、ステップS301において、現在の遊技状態をRAMのバックアップ領域に保存する。次に、エラーフラグを設定するとともに、エラーの発生を示すコマンドをサブ制御手段21のCPU(以下、サブCPUともいう。)へ送信する(S302)。続いて、払出枚数表示器16の表示内容をRAMのバックアップ領域に保存して(S303)、発生したエラー種別を示すエラーコードを払出枚数表示器16に表示する(S304)。そして、ホッパーユニット18及びキャンセルコイルの状態をRAMのバックアップ領域に保存し(S305)、ホッパーユニット18及びキャンセルコイルの状態をエラー発生中の状態に設定して(S306)、ステップS307へ移行する。キャンセルコイルは、メダルセレクタに配設されて、投入されたメダルの流路を受皿14方向と、メダルタンク方向とに選択的に切り替えるものである。
【0089】
ステップS307〜S313では、発生したエラーの解除に係る処理を実行する。具体的には、ステップS307では、発生したエラーの種別が、RAMの異常に係るRAMエラーであるか否かを判定し、RAMエラーが発生したと判定した場合は、設定変更されるまで待機する(S308)。一方、RAMエラーでないと判定した場合は、発生したエラーの種別が、ホッパーユニット18のメダルタンクが空になったエンプティエラーであるか否かと、エンプティエラーから復旧させるためのエラー解除スイッチがONであるか否かを順次判定する(S309,S310)。エラー解除スイッチは、前扉3の鍵穴に設けられており、鍵穴に鍵を挿入して開錠操作とは逆方向に鍵を回すことにより、エラー解除スイッチをONにすることができる。そして、エンプティエラーが発生し、かつ、エラー解除センサがONであると判定した場合は、ステップS313へ移行し、エンプティエラーが発生していないと判定した場合、又は、エラー解除センサがONでないと判定した場合は、ステップS311へ移行する。
【0090】
ステップS311,S312では、設定スイッチがONであるか否かと、扉センサがONであるか否かを順次判定し、設定スイッチがONであり、かつ、扉センサがONでないと判定した場合は、ステップS313へ移行する。一方、設定スイッチがONでない、又は、扉センサがONであると判定した場合は、ステップS307へ移行する。ステップS313では、セレクタセンサ又は払出センサがONであるか否かを判定する。セレクタセンサは、メダルセレクタ8に配設されたメダル検知用のセンサである。そして、ステップS313において、いずれかのセンサがONであると判定した場合は、ステップS307へ移行し、いずれのセンサもONでないと判定した場合は、エンプティエラーを解除することとして、ステップS314へ移行する。
【0091】
ステップS314〜S319では、エンプティエラー発生により中断した遊技を再開するための処理を実行する。具体的には、ホッパーユニット18とキャンセルコイルの状態を、ステップS305で保存した状態に復帰させ(S314)、払出枚数表示器16に表示したエラーコードをクリアして(S315)、ステップS303で保存した内容を払出枚数表示器16に表示させ(S316)、ステップS301で保存した遊技状態に復帰させ(S317)、さらには、サブCPUへエラーの解除を示すコマンドを送信し(S318)、最後に、エラー発生時に、メダルの払出中であったか否かを判定し、メダルの払出中であった場合は、サブCPUへメダルの払出しを再開するコマンドを送信して(S319)、エラー処理を終了する。
【0092】
図19は、メインCPUの制御内容にあって、メインルーチンを構成するメイン処理の制御内容を示したものである。このメイン処理は、タイマ割込みによって2ミリ秒間隔で実行される。メイン処理において実行される各ステップS101〜S114の詳細は下記の通りである。
S401:1ゲームに必要なメダル数が投入若しくはクレジットからのベット操作が行われたか否かを検知し、いずれかが操作されるまで待機する。
S402:スタートスイッチ6が操作されるまで待機する。
S403:役抽選を行い、ステップS404へ移行する。具体的には、スタートスイッチ6の操作タイミングで乱数値を抽出し、抽出した乱数値に基づいて、いずれかの当選役に当選したか否かを決定する。そして、役抽選の結果をRAMに記憶するとともに、サブ制御手段21に送信する。
S404:スロットマシン1の実行ゲーム数を計数するための遊技数カウンタを更新し、ステップS405へ移行する。
S405:有利遊技状態の終了制御に係る有利遊技状態制御処理を実行し、ステップS406へ移行する。有利遊技状態制御処理の詳細は後述する。なお、有利遊技状態制御処理の実行タイミングは適宜変更可能である。例えば、全てのリール9が停止した後(S411とS412の間)に実行してもよいし、払出処理(S413)の後に実行してもよい。
S406:役抽選結果が、チェリー役又はスイカ役の当選であるか否かを判定し、チェリー役又はスイカ役の当選であると判定した場合は、ステップS407へ移行し、チェリー役及びスイカ役に当選していないと判定した場合は、ステップS408へ移行する。
S407:スタートスイッチ6の操作の際の各種抽選に係る始動時抽選処理を実行し、ステップS408へ移行する。始動時抽選処理の詳細は後述する。
S408:リール9の回転を開始させて、ステップS409へ移行する。
S409:ストップスイッチ7が操作されるまで待機する。
S410:ストップスイッチ7の操作順序や、操作タイミング、役抽選の結果等に基づいてリール9の停止角度を決定し、対応するリール9を停止させ、ステップS411へ移行する。
S411:全てのリール9の回転が停止していなければ、ステップS409へ移行し、全てのリール9の回転が停止していれば、ステップS412へ移行する。
S412:いずれかの役に入賞したか否かを判定する入賞判定処理を実行し、ステップS413へ移行する。入賞判定処理の詳細は後述する。
S413:メダルの払出しに係る払出処理を実行し、ステップS414へ移行する。払出処理の詳細は後述する。
S414:役抽選状態の移行制御に係る役抽選状態制御処理を実行し、メイン処理を終了する。役抽選状態制御処理の詳細は後述する。
【0093】
図20は、上記有利遊技状態制御処理(
図19:S405)の制御内容を示したものである。
有利遊技状態制御処理では、まず、メインCPUは、遊技状態が有利遊技状態であるか否かを判定し(S501)、有利遊技状態でないと判定した場合は、そのまま有利遊技状態制御処理を終了する。一方、有利遊技状態であると判定した場合は、有利遊技数カウンタに「1」を加算して(S502)、当該カウンタの値が1500以上であるか否かを判定する(S503)。有利遊技数カウンタは、有利遊技状態開始からの消化ゲーム数を計数するカウンタである。すなわち、ステップS503では、有利遊技状態の開始から上限ゲーム数(1500G)を消化したか否かを判定する。このため、ステップS503で、有利遊技数カウンタが1500以上であると判定した場合は、遊技状態を有利遊技状態から通常遊技状態へ移行させて(S504)、有利遊技状態制御処理を終了する。
【0094】
また、ステップS503で有利遊技数カウンタが1500以上でないと判定した場合は、遊技状態がAT発動状態であるか否かを判定する(S505)。そして、AT発動状態でないと判定した場合は、遊技状態がCZ状態であるため、CZゲーム数カウンタから「1」を減算して(S506)、当該カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S507)。CZゲーム数カウンタは、CZゲーム数を計数するカウントダウン型のカウンタであり、CZ状態の開始時に初期値「10」がセットされ、1ゲーム毎に1ずつ減算される。すなわち、ステップS507では、10GのCZゲーム数を全て消化したか否かを判定する。このため、ステップS507で、CZゲーム数カウンタが「0」でないと判定した場合は、そのまま有利遊技状態を終了し、CZゲーム数カウンタが「0」であると判定した場合は、遊技状態を、CZ状態(有利遊技状態)から通常遊技状態へ移行させてから(S508)、有利遊技状態制御処理を終了する。
【0095】
一方、ステップS505で、AT発動状態であると判定した場合は、ATゲーム数カウンタから「1」を減算して(S509)、当該カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S510)。ATゲーム数カウンタは、ATゲーム数を計数するカウントダウン型のカウンタであり、AT発動状態の開始時に初期値「100」がセットされ、1ゲーム毎に1ずつ減算される。すなわち、ステップS510では、設定されたATゲーム数を全て消化したか否かを判定する。このため、ステップS510で、ATゲーム数カウンタが「0」でないと判定した場合は、そのまま有利遊技状態を終了し、ATゲーム数カウンタが「0」であると判定した場合は、遊技状態を、AT発動状態(有利遊技状態)から通常遊技状態へ移行させてから(S511)、有利遊技状態制御処理を終了する。
【0096】
図21は、上記始動時抽選処理(
図19:S407)の制御内容を示したものである。
始動時抽選処理では、まず、メインCPUは、遊技状態が有利遊技状態であるか否かを判定する(S601)。そして、有利遊技状態ではないと判定した場合は、有利遊技移行抽選を実行する(S602)。具体的には、乱数を抽出して、抽出した乱数が所定の当選値と一致しているか否かによって、
図11(a)に示す当選確率で当該有利遊技移行抽選に当選したか否かを決定する。そして、有利遊技移行抽選に当選したか否かを判定して(S603)、有利遊技移行抽選に当選していないと判定した場合は、そのまま始動時抽選処理を終了し、有利遊技移行抽選に当選したと判定した場合は、当選値に応じて通常遊技状態からCZ状態とAT発動状態のいずれかに移行させてから(S604)、始動時抽選処理を終了する。
【0097】
ステップS601で、有利遊技状態であると判定した場合は、遊技状態がAT発動状態であるか否かを判定する(S605)。そして、AT発動状態でないと判定した場合は、現在の状態がCZ状態であるため、AT発動抽選を実行する(S606)。具体的には、乱数を抽出して、抽出した乱数が所定の当選値と一致しているか否かによって、
図11(b)に示す当選確率で当該AT発動抽選に当選したか否かを決定する。そして、AT発動抽選に当選したか否かを判定して(S607)、AT発動抽選に当選していないと判定した場合は、そのまま始動時抽選処理を終了し、AT発動抽選に当選したと判定した場合は、CZ状態からAT発動状態に移行させてから(S608)、始動時抽選処理を終了する。
【0098】
ステップS605で、AT発動状態であると判定した場合は、延長抽選を実行する(S609)。具体的には、乱数を抽出して、抽出した乱数が所定の当選値と一致しているか否かによって、
図11(c)に示す当選確率で当該延長抽選に当選したか否かを決定する。そして、延長抽選に当選したか否かを判定して(S610)、延長抽選に当選していないと判定した場合は、そのまま始動時抽選処理を終了し、延長抽選に当選したと判定した場合は、抽出乱数値に応じた延長ゲーム数をATゲーム数カウンタに加算してから(S611)、始動時抽選処理を終了する。
【0099】
図22(a)は、上記入賞判定処理(
図19:S412)の制御内容を示したものである。
入賞判定処理では、メインCPUは、各リール9の停止角度に基づいて、有効ライン上に停止表示された図柄組合せを判定し(S701)。当該図柄組合せに基づいて、いずれかの小役に入賞したか否かを判定する(S702)。そして、いずれの小役にも入賞していないと判定した場合は、そのまま入賞判定処理を終了し、いずれかの小役に入賞したと判定した場合は、入賞した小役に応じた払出枚数を払出枚数カウンタに設定してから(S703)、入賞判定処理を終了する。
【0100】
図22(b)は、上記払出処理(
図19:S413)の制御内容を示したものである。
払出処理では、メインCPUは、メダルの払出しを行うか否か、すなわち、払出枚数カウンタの値が1以上であるか否かを判定し(S801)、メダルの払出しを行わないと判定した場合は、そのまま払出処理を終了する。一方、メダルの払出しを行うと判定した場合は、現在の遊技状態がAT発動状態であり、かつ、役抽選でベル役に当選したか否かを判定し(S802)、AT発動状態であり、かつ、ベル役に当選したと判定した場合は、払出処理中の延長抽選に係る払出時抽選処理(S803)を実行して、ステップS804へ移行する。また、ステップS802で、AT発動状態でない、又は、ベル役に当選しなかったと判定した場合は、そのままステップS804へ移行する。払出時抽選処理の詳細は後述する。
【0101】
ステップS804では、メダル1枚を払い出す単位払出処理を実行する。単位払出処理の詳細は後述する。ステップS805では、払出枚数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。そして、払出枚数カウンタの値が「0」であると判定した場合は、払出処理を終了し、払出枚数カウンタの値が「0」でないと判定した場合は、払出枚数カウンタの値が「0」になるまで、ステップS802〜S804の処理を繰り返す。
【0102】
図23は、上記払出時抽選処理(
図22(b):S803)の制御内容を示したものである。
払出時抽選処理では、メインCPUは、まず、当該払出処理において延長抽選に当選済みであるか否かを判定する(S901)。そして、延長抽選に当選済みでないと判定した場合は、低い当選確率(10%)の延長抽選(S902)を実行し、当該延長抽選に当選したか否かを判定する(S903)。そして、ステップS903で延長抽選に当選したと判定した場合には、当該払出処理における初当選であるため、ATゲーム数カウンタに延長ゲーム数10Gを加算し(S904)、ロングウェイト処理(S905)において約10秒間待機してから、払出時抽選処理を終了する。また、ステップS903で延長抽選に当選していないと判定した場合は、そのまま払出時抽選処理を終了する。
【0103】
ステップS901で、延長抽選に当選済みであると判定した場合は、高い当選確率(50%)の延長抽選(S906)を実行し、当該延長抽選に当選したか否かを判定する(S907)。そして、ステップS907で延長抽選に当選したと判定した場合には、当該払出処理における2回目以降の当選であるため、抽出乱数値に応じた延長ゲーム数をATゲーム数カウンタに加算し(S908)、ウェイト処理(S909)において約5秒間待機してから、払出時抽選処理を終了する。また、ステップS907で延長抽選に当選していないと判定した場合は、そのまま払出時抽選処理を終了する。
【0104】
図24は、上記単位払出処理(
図22(b):S804)の制御内容を示したものである。
単位払出処理では、メインCPUは、まず、クレジット枚数が上限の50枚であるか
否かを判定し(S1001)、クレジット枚数が上限でないと判定した場合は、クレジット数表示器17の表示に「1」を加算して(S1002)、ステップS1008へ移行する。一方、ステップS1001で、クレジット枚数が上限であると判定した場合は、S1003〜S1007で、メダル1枚を受皿14に送出する処理(メダル送出処理)を実行する。具体的には、まず、エンプティエラーの発生を検知するための判定時間を設定し(S1003)、ホッパーユニット18のモータを回転させる(S1004)。続いて、ステップS1003で設定した判定時間が経過したか否かを判定し(S1005)、当該判定時間が経過したと判定した場合は、
図18で詳述したエラー処理(S1006)を実行してエンプティエラーを解消してから、ステップS1004へ移行する。また、ステップS1005で、判定時間が経過していないと判定した場合は、払出センサの出力に基づいてメダルが受皿14に送出されたか否かを判定する(S1006)。そして、メダルが送出されていないと判定した場合は、ステップS1004へ移行する。一方、メダルが送出されたと判定した場合は、払出枚数表示器16の表示数に「1」を加算し(S1008)、払出枚数カウンタの値から「1」を減算して(S1009)、さらに、メダル1枚の払出しを示すコマンドをサブCPUに送信してから(S1010)、単位払出処理を終了する。
【0105】
図25は、上記役抽選状態制御処理(
図19:S414)の制御内容を示したものである。なお、各ステップの具体的な内容は下記の通りである。
S1101:役抽選でBB役に内部当選しているかどうかを判定する。内部当選していればステップS1113に進み、当選していなければステップS1102へ移行する。
S1102:役抽選状態がRT0であるか否かを判定する。RT0であればS1106へ移行する。一方、RT0でなければステップS1103へ移行する。
S1103:役抽選状態がRT1であるか否かを判定する。RT1であればS1108へ移行する。一方、RT1でなければステップS1104へ移行する。
S1104:役抽選状態がRT2であるか否かを判定する。RT2であればS1106へ移行する。一方、RT2でなければステップS1105へ移行する。
S1105:役抽選状態がボーナス状態であるか否かを判定する。ボーナス状態であればS1110へ移行する。一方、ボーナス状態でなければ役抽選状態制御処理を終了する。
S1106:有効ライン上に特定図柄1が停止表示されたかどうかを判定する。特定図柄1が停止表示されていたらステップS1107へ移行する。一方、特定図柄1が停止表示されていなければ役抽選状態制御処理を終了する。
S1107:役抽選状態をRT1に更新する。
S1108:有効ライン上に特定図柄2が停止表示されたかどうかを判定する。特定図柄2が停止表示されていたらステップS1109へ移行する。一方、特定図柄2が停止表示されていなければ役抽選状態制御処理を終了する。
S1109:役抽選状態をRT2に更新する。
S1110:メダルを払い出した場合は、ボーナス払出枚数カウンタを更新する。ボーナス払出枚数カウンタは、ボーナス遊技状態におけるメダルの払出枚数を計数するカウンタである。
S1111:ボーナス払出枚数カウンタの値が、ボーナス遊技状態の終了条件である規定枚数に達したか否かを判定する。規定枚数に達していればステップS1112へ移行する。一方、規定枚数に達していなければ役抽選状態制御処理を終了する。
S1112:役抽選状態をRT0に更新する。
S1113:役抽選状態をボーナス内部当選状態に更新する。
S1114:BBに入賞したかどうかを判定する。入賞していたらステップS1115へ移行する。一方、入賞していなければ役抽選状態制御処理を終了する。
S1115:役抽選状態をボーナス状態に更新して、役抽選状態制御処理を終了する。