特許第6100985号(P6100985)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 袴田 正悦の特許一覧

<>
  • 特許6100985-家庭用電気治療器 図000002
  • 特許6100985-家庭用電気治療器 図000003
  • 特許6100985-家庭用電気治療器 図000004
  • 特許6100985-家庭用電気治療器 図000005
  • 特許6100985-家庭用電気治療器 図000006
  • 特許6100985-家庭用電気治療器 図000007
  • 特許6100985-家庭用電気治療器 図000008
  • 特許6100985-家庭用電気治療器 図000009
  • 特許6100985-家庭用電気治療器 図000010
  • 特許6100985-家庭用電気治療器 図000011
  • 特許6100985-家庭用電気治療器 図000012
  • 特許6100985-家庭用電気治療器 図000013
  • 特許6100985-家庭用電気治療器 図000014
  • 特許6100985-家庭用電気治療器 図000015
  • 特許6100985-家庭用電気治療器 図000016
  • 特許6100985-家庭用電気治療器 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6100985
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】家庭用電気治療器
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/22 20060101AFI20170313BHJP
【FI】
   A61N1/22
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-576000(P2016-576000)
(86)(22)【出願日】2016年6月23日
(86)【国際出願番号】JP2016068736
【審査請求日】2016年12月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503296951
【氏名又は名称】袴田 正悦
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100204755
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100189186
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏弘
(74)【代理人】
【識別番号】100186679
【弁理士】
【氏名又は名称】矢田 歩
(72)【発明者】
【氏名】袴田 正悦
【審査官】 石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2016−511651(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/97530(US,A1)
【文献】 特開平11−42296(JP,A)
【文献】 特開平11−285485(JP,A)
【文献】 特表2016−515869(JP,A)
【文献】 特表2011−526180(JP,A)
【文献】 特表2013−532021(JP,A)
【文献】 特開2005−245909(JP,A)
【文献】 特許第4609923(JP,B2)
【文献】 国際公開第2007/15368(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロプロセッサと、
電源制御ユニットと、
過電圧保護ユニットと、
前記マイクロプロセッサ、前記電源制御ユニット、及び前記過電圧保護ユニットを制御するスマートフォンと、
頸椎に設置する電極と、
正中神経が通過する手のひらの部位、並びに橈骨神経及び尺骨神経が通過する手の甲の部位に電極を固定可能な手のサポータと、
腓骨神経及び脛骨神経が通過する足の甲の部位、並びに大腿神経が通過する脛の内側面に電極を固定可能な足のサポータと、
手のサポータ及び足のサポータに配置する複数の電極と、
前記電極及び前記マイクロプロセッサを連結可能なケーブルと、を有する家庭用電気治療器であって、
前記スマートフォンが、電流の出力パターン、電流の出力強度、通電時間、通電開始/終了のタイミング、通電状態、通電履歴を制御可能であり、
前記家庭用電気治療器が、
頸椎に0Vを付加可能であり、
手の末梢神経に5V若しくは6V又は−5V若しくは−6Vを付加可能であり、
足の末梢神経に5V若しくは6V又は−5V若しくは−6Vを付加可能であり、
手の末梢神経が、正中神経、橈骨神経、尺骨神経であり、
足の末梢神経が、腓骨神経、脛骨神経、及び大腿神経であり、
仙骨孔に通電可能であり、
手の末梢神経、及び足の末梢神経のそれぞれに、
大脳の中心後回に刺激を伝える、プラス信号と、
大脳の運動野を介して末梢神経に刺激を伝える、マイナス信号と、を付加可能であり、
前記家庭用電気治療器が付加するプラス信号及びマイナス信号の付加パターンが32種類存在し、
各付加パターンは、6回の通電刺激から構成され、
前記32種類のうち、
プラス信号5回かつマイナス信号1回の付加パターンが2種類、
プラス信号1回かつマイナス信号5回の付加パターンが2種類、
プラス信号4回かつマイナス信号2回の付加パターンが9種類、
プラス信号2回かつマイナス信号4回の付加パターンが9種類、
プラス信号3回かつマイナス信号3回の付加パターンが10種類、であり、
前記家庭用電気治療器が、右の橈骨神経、左の橈骨神経、右の正中神経、左の正中神経、右の尺骨神経、左の尺骨神経、右の腓骨神経、左の腓骨神経、右の脛骨神経、左の脛骨神経、右の大腿神経、左の大腿神経の順に、各末梢神経と、仙骨孔−頸椎間とで、通電可能であることを特徴とする、家庭用電気治療器。
【請求項2】
マイクロプロセッサと、
電源制御ユニットと、
過電圧保護ユニットと、
前記マイクロプロセッサ、前記電源制御ユニット、及び前記過電圧保護ユニットを制御するスマートフォンと、
左右の外耳道に設置する電極と、
正中神経が通過する手のひらの部位、並びに橈骨神経及び尺骨神経が通過する手の甲の部位に電極を固定可能な手のサポータと、
腓骨神経及び脛骨神経が通過する足の甲の部位、並びに大腿神経が通過する脛の内側面に電極を固定可能な足のサポータと、
手のサポータ及び足のサポータに配置する複数の電極と、
前記電極及び前記マイクロプロセッサを連結可能なケーブルと、を有する家庭用電気治療器であって、
前記スマートフォンが、電流の出力パターン、電流の出力強度、通電時間、通電開始/終了のタイミング、通電状態、通電履歴を制御可能であり、
前記家庭用電気治療器が、
外耳道に0Vを付加可能であり、
手の末梢神経に5V若しくは6V又は−5V若しくは−6Vを付加可能であり、
足の末梢神経に5V若しくは6V又は−5V若しくは−6Vを付加可能であり、
手の末梢神経が、正中神経、橈骨神経、尺骨神経であり、
足の末梢神経が、腓骨神経、脛骨神経、及び大腿神経であり、
仙骨孔に通電可能であり、
手の末梢神経、及び足の末梢神経のそれぞれに、
大脳の中心後回に刺激を伝える、プラス信号と、
大脳の運動野を介して末梢神経に刺激を伝える、マイナス信号と、を付加可能であり、
手の末梢神経及び仙骨孔に、プラス信号6回の付加パターンから、2ミリ秒から8ミリ秒の間隔で、プラス信号の回数を徐々に減らしつつマイナス信号の回数を徐々に増やす付加パターンに変更させつつ、プラス信号とマイナス信号を付加可能であり、
足の末梢神経に、マイナス信号6回の付加パターンから、2ミリ秒から8ミリ秒の間隔で、マイナス信号の回数を徐々に減らしつつプラス信号の回数を徐々に増やす付加パターンに変更させつつ、プラス信号とマイナス信号を付加可能であり、
前記家庭用電気治療器が、右の橈骨神経、右の腓骨神経、左の橈骨神経、左の腓骨神経、右の正中神経、右の大腿神経、左の正中神経、左の大腿神経、右の尺骨神経、右の脛骨神経、左の尺骨神経、左の脛骨神経の順に、各末梢神経と、仙骨孔−頸椎間とで、通電可能であることを特徴とする、家庭用電気治療器。
【請求項3】
マイクロプロセッサと、
電源制御ユニットと、
過電圧保護ユニットと、
前記マイクロプロセッサ、前記電源制御ユニット、及び前記過電圧保護ユニットを制御するスマートフォンと、
正中神経が通過する手のひらの部位、並びに橈骨神経及び尺骨神経が通過する手の甲の部位に電極を固定可能な手のサポータと、
腓骨神経及び脛骨神経が通過する足の甲の部位、並びに大腿神経が通過する脛の内側面に電極を固定可能な足のサポータと、
手のサポータ及び足のサポータに配置する複数の電極と、
前記電極及び前記マイクロプロセッサを連結可能なケーブルと、を有する家庭用電気治療器であって、
前記スマートフォンが、電流の出力パターン、電流の出力強度、通電時間、通電開始/終了のタイミング、通電状態、通電履歴を制御可能であり、
前記家庭用電気治療器が、
手の末梢神経に5V若しくは6V又は−5V若しくは−6Vを付加可能であり、
足の末梢神経に5V若しくは6V又は−5V若しくは−6Vを付加可能であり、
手の末梢神経が、正中神経、橈骨神経、尺骨神経であり、
足の末梢神経が、腓骨神経、脛骨神経、及び大腿神経であり、
仙骨孔に通電可能であり、
手の末梢神経、及び足の末梢神経のそれぞれに、
大脳の中心後回に刺激を伝える、プラス信号と、
大脳の運動野を介して末梢神経に刺激を伝える、マイナス信号と、を付加可能であり、
前記家庭用電気治療器が付加するプラス信号及びマイナス信号の付加パターンが32種類存在し、
各付加パターンは、6回の通電刺激から構成され、
前記32種類のうち、
プラス信号5回かつマイナス信号1回の付加パターンが2種類、
プラス信号1回かつマイナス信号5回の付加パターンが2種類、
プラス信号4回かつマイナス信号2回の付加パターンが9種類、
プラス信号2回かつマイナス信号4回の付加パターンが9種類、
プラス信号3回かつマイナス信号3回の付加パターンが10種類、であり、
前記家庭用電気治療器が、右の橈骨神経、左の橈骨神経、右の正中神経、左の正中神経、右の尺骨神経、左の尺骨神経、右の腓骨神経、左の腓骨神経、右の脛骨神経、左の脛骨神経、右の大腿神経、左の大腿神経の順に、各末梢神経と、仙骨孔−頸椎間とで、通電可能であることを特徴とする、家庭用電気治療器。
【請求項4】
マイクロプロセッサと、
電源制御ユニットと、
過電圧保護ユニットと、
前記マイクロプロセッサ、前記電源制御ユニット、及び前記過電圧保護ユニットを制御するスマートフォンと、
正中神経が通過する手のひらの部位、並びに橈骨神経及び尺骨神経が通過する手の甲の部位に電極を固定可能な手のサポータと、
腓骨神経及び脛骨神経が通過する足の甲の部位、並びに大腿神経が通過する脛の内側面に電極を固定可能な足のサポータと、
手のサポータ及び足のサポータに配置する複数の電極と、
前記電極及び前記マイクロプロセッサを連結可能なケーブルと、を有する家庭用電気治療器であって、
前記スマートフォンが、電流の出力パターン、電流の出力強度、通電時間、通電開始/終了のタイミング、通電状態、通電履歴を制御可能であり、
前記家庭用電気治療器が、
手の末梢神経に5V若しくは6V又は−5V若しくは−6Vを付加可能であり、
足の末梢神経に5V若しくは6V又は−5V若しくは−6Vを付加可能であり、
手の末梢神経が、正中神経、橈骨神経、尺骨神経であり、
足の末梢神経が、腓骨神経、脛骨神経、及び大腿神経であり、
仙骨孔に通電可能であり、
手の末梢神経、及び足の末梢神経のそれぞれに、
大脳の中心後回に刺激を伝える、プラス信号と、
大脳の運動野を介して末梢神経に刺激を伝える、マイナス信号と、を付加可能であり、
手の末梢神経及び仙骨孔に、プラス信号6回の付加パターンから、2ミリ秒から8ミリ秒の間隔で、プラス信号の回数を徐々に減らしつつマイナス信号の回数を徐々に増やす付加パターンに変更させつつ、プラス信号とマイナス信号を付加可能であり、
足の末梢神経に、マイナス信号6回の付加パターンから、2ミリ秒から8ミリ秒の間隔で、マイナス信号の回数を徐々に減らしつつプラス信号の回数を徐々に増やす付加パターンに変更させつつ、プラス信号とマイナス信号を付加可能であり、
前記家庭用電気治療器が、右の橈骨神経、右の腓骨神経、左の橈骨神経、左の腓骨神経、右の正中神経、右の大腿神経、左の正中神経、左の大腿神経、右の尺骨神経、右の脛骨神経、左の尺骨神経、左の脛骨神経の順に、各末梢神経と、仙骨孔−頸椎間とで、通電可能であることを特徴とする、家庭用電気治療器。
【請求項5】
睡眠誘導装置として用いられる請求項1から4のいずれかに記載の家庭用電気治療器であって、
前記家庭用電気治療器が、
橈骨神経に7Hzで通電可能であり、
腓骨神経に7Hzで通電可能であり、
仙骨孔に4Hzで通電可能であり、
正中神経に6Hzで通電可能であり、
大腿神経に6Hzで通電可能であり、
尺骨神経に5Hzで通電可能であり、
脛骨神経に5Hzで通電可能である、請求項1から4のいずれかに記載の家庭用電気治療器。
【請求項6】
睡眠誘導装置として用いられる請求項1から4のいずれかに記載の家庭用電気治療器であって、
前記家庭用電気治療器が、
橈骨神経に7Hzで通電可能であり、
腓骨神経に7Hzで通電可能であり、
仙骨孔に4Hzで通電可能であり、
正中神経に6Hzで通電可能であり、
大腿神経に6Hzで通電可能であり、
尺骨神経に5Hzで通電可能であり、
脛骨神経に5Hzで通電可能であり、
前記スマートフォンが、入力された睡眠予定時刻の3時間前に通電開始時刻を通知可能であり、通知と同時に通電を開始する、家庭用電気治療器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは睡眠誘導装置としても用いられる、家庭用電気治療器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生体の各所に電極を接続し、当該電極から、電流を通電する電気治療器が知られている(例えば、特許文献1から4参照)。このような、電気治療器としては、用いられる電流の周波数に応じて、低周波治療器、高周波治療器等が挙げられる。一般的な電気治療器においては、特殊な波形で神経に局所的に強い電気刺激を与えて、中枢神経からβ−エンドルフィンを分泌させることが知られている。β−エンドルフィンは、中枢神経系と末梢神経系の両方のニューロンでみられる内生オピオイドの神経ペプチドであり、神経系においてβ−エンドルフィンが分泌されると、オピオイド受容体にアゴニストとして作用し、モルヒネの6.5倍とも言われる鎮痛効果を生じせしめる。このように、低周波治療器、高周波治療器等、電気治療器を用いた治療においては、神経に与えられる局所的な電気刺激により、β−エンドルフィンの生成が促され、鎮痛作用がもたらされることが知られている。
【0003】
しかしながら、従来の電気治療器を用いた治療は、脳を始めとする中枢神経に器質的障害を有している患者に対しては、ほとんど効果がなかった。このような、中枢神経(特に、脳)に器質的障害を有している患者としては、例えば、脳出血や脳梗塞等の脳血管障害に罹患した患者が挙げられる。脳血管障害は脳出血と脳梗塞に分類され、脳出血は脳内出血とクモ膜下出血、脳梗塞は脳血栓及び脳塞栓に分類される。脳血管障害は、日本人の死因の10.3%を占め、日本人に3番目に多い死因といわれており、日本における現在の患者数は118万人にも上る。脳血管障害の危険因子としては、動脈硬化、高血圧、脂質異常、糖尿病、喫煙等が挙げられる。これらの中でも、血管を傷害する傾向を有する糖尿病は、脳血管障害や、心疾患の予備群であるとされているが、世界保健機関(WHO)によれば、成人の糖尿病有病者数が2014年までに4億2,200万人に達し、特に、中国、インド、アメリカ、ブラジル、インドネシアに集中していることが報告されており、糖尿病有病者数の増加に伴い、脳血管障害や、心疾患の罹患者が激増することが強く懸念されている。
【0004】
脳血管障害に罹患した患者は、多くの場合、後遺症としての運動障害を有しているため、就業が困難になる場合も多く、労働による収入が大幅に減少する傾向にある。このような、身体障害を抱える患者に対しては、公的保険制度や障害者年金制度により、国家がその生活を保障していく必要があるが、高齢化の進行に伴い、多くの先進諸国では公的保険制度や公的年金制度の維持に苦慮しているのが現状である。今後、仮に、脳血管障害の罹患者が大幅に増大した場合、公的保険や公的年金の財源を圧迫することも想定され、脳血管障害の罹患者の身体能力を回復させるため、これらの患者にとっても経済的な負担となりにくい、低コストで手軽に実施できる治療方法を開発することが求められている。
【0005】
ところで、現在、携帯電話保有者の爆発的な増加によって、携帯型通信端末は日常生活における主要な必需品の1つとなっている。ここで、携帯型通信端末の流通量の爆発的な増加に伴い、携帯型通信端末の機能自体も高機能化・多機能化しており、携帯型通信端末を製造・販売する各事業者の間では、携帯型通信端末の機能開発競争が激化しているのが現状である。このような携帯型通信端末の中でも、スマートフォンは、近年世界で広く流通するに至っており、電話機能・メール機能に加えて、インターネット閲覧、音楽再生、動画再生、情報生成・記録、静止画/動画撮影、スケジュール管理、家電操作等、様々な機能を発揮できる、特に高機能・多機能の端末となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015−231511
【特許文献2】特開2013−202194
【特許文献3】特開2012−040102
【特許文献4】特開2010−220754
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、上述したように、従来知られていた電気治療器は、中枢神経に器質的障害を有している患者に対しては、ほとんど効果がなかった。このため、中枢神経に器質的障害を有している患者に対しても有効な、電気治療器の開発が求められており、特に、家庭においても手軽に利用できる家庭用電気治療器を開発することが求められているが、中枢神経に器質的障害を有している患者については、収入が少ないため、そのような収入の少ない患者にも容易に入手可能なように、そのような家庭用電気治療器については、安価なものである必要があった。したがって、本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、中枢神経に器質的障害を有している患者に対しても有効な、安価な家庭用電気治療器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発明者は、上記課題に鑑み鋭意研究を行った。その結果、携帯型通信端末として広く流通しているスマートフォンを家庭用電気治療器に利用可能なことを見出した。そして、この家庭用電気治療器において、医学情報をスマートフォンに入力し、マイクロプロセッサにより、出力信号を制御して、手の末梢神経、足の末梢神経、仙骨孔、頚椎に電極を設置して電圧を付加することにより、脳血管障害をはじめとしたもろもろの疾患を総合的に改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
【0010】
(1)本発明の第1の態様は、マイクロプロセッサと、電源制御ユニットと、過電圧保護ユニットと、前記マイクロプロセッサ、前記電源制御ユニット、及び前記過電圧保護ユニットを制御するスマートフォンと、頸椎に設置する電極と、正中神経が通過する手のひらの部位、並びに橈骨神経及び尺骨神経が通過する手の甲の部位に電極を固定可能な手のサポータと、腓骨神経及び脛骨神経が通過する足の甲の部位、並びに大腿神経が通過する脛の内側面に電極を固定可能な足のサポータと、手のサポータ及び足のサポータに配置する複数の電極と、前記電極及び前記マイクロプロセッサを連結可能なケーブルと、を有する家庭用電気治療器であって、前記スマートフォンが、電流の出力パターン、電流の出力強度、通電時間、通電開始/終了のタイミング、通電状態、通電履歴を制御可能であり、前記家庭用電気治療器が、頸椎に0Vを付加可能であり、手の末梢神経に5V若しくは6V又は−5V若しくは−6Vを付加可能であり、足の末梢神経に5V若しくは6V又は−5V若しくは−6Vを付加可能であり、手の末梢神経が、正中神経、橈骨神経、尺骨神経であり、足の末梢神経が、腓骨神経、脛骨神経、及び大腿神経であり、仙骨孔に通電可能であり、手の末梢神経、及び足の末梢神経のそれぞれに、大脳の中心後回に刺激を伝える、プラス信号と、大脳の運動野を介して末梢神経に刺激を伝える、マイナス信号と、を付加可能であり、前記家庭用電気治療器が付加するプラス信号及びマイナス信号の付加パターンが32種類存在し、各付加パターンは、6回の通電刺激から構成され、前記32種類のうち、プラス信号5回かつマイナス信号1回の付加パターンが2種類、プラス信号1回かつマイナス信号5回の付加パターンが2種類、プラス信号4回かつマイナス信号2回の付加パターンが9種類、プラス信号2回かつマイナス信号4回の付加パターンが9種類、プラス信号3回かつマイナス信号3回の付加パターンが10種類、であり、前記家庭用電気治療器が、右の橈骨神経、左の橈骨神経、右の正中神経、左の正中神経、右の尺骨神経、左の尺骨神経、右の腓骨神経、左の腓骨神経、右の脛骨神経、左の脛骨神経、右の大腿神経、左の大腿神経の順に、各末梢神経と、仙骨孔−頸椎間とで、通電可能であることを特徴とする、家庭用電気治療器である。
【0011】
(2)本発明の第2の態様は、マイクロプロセッサと、電源制御ユニットと、過電圧保護ユニットと、前記マイクロプロセッサ、前記電源制御ユニット、及び前記過電圧保護ユニットを制御するスマートフォンと、左右の外耳道に設置する電極と、正中神経が通過する手のひらの部位、並びに橈骨神経及び尺骨神経が通過する手の甲の部位に電極を固定可能な手のサポータと、腓骨神経及び脛骨神経が通過する足の甲の部位、並びに大腿神経が通過する脛の内側面に電極を固定可能な足のサポータと、手のサポータ及び足のサポータに配置する複数の電極と、前記電極及び前記マイクロプロセッサを連結可能なケーブルと、を有する家庭用電気治療器であって、前記スマートフォンが、電流の出力パターン、電流の出力強度、通電時間、通電開始/終了のタイミング、通電状態、通電履歴を制御可能であり、前記家庭用電気治療器が、外耳道に0Vを付加可能であり、手の末梢神経に5V若しくは6V又は−5V若しくは−6Vを付加可能であり、足の末梢神経に5V若しくは6V又は−5V若しくは−6Vを付加可能であり、手の末梢神経が、正中神経、橈骨神経、尺骨神経であり、足の末梢神経が、腓骨神経、脛骨神経、及び大腿神経であり、仙骨孔に通電可能であり、手の末梢神経、及び足の末梢神経のそれぞれに、大脳の中心後回に刺激を伝える、プラス信号と、大脳の運動野を介して末梢神経に刺激を伝える、マイナス信号と、を付加可能であり、手の末梢神経及び仙骨孔に、プラス信号6回の付加パターンから、2ミリ秒から8ミリ秒の間隔で、プラス信号の回数を徐々に減らしつつマイナス信号の回数を徐々に増やす付加パターンに変更させつつ、プラス信号とマイナス信号を付加可能であり、足の末梢神経に、マイナス信号6回の付加パターンから、2ミリ秒から8ミリ秒の間隔で、マイナス信号の回数を徐々に減らしつつプラス信号の回数を徐々に増やす付加パターンに変更させつつ、プラス信号とマイナス信号を付加可能であり、前記家庭用電気治療器が、右の橈骨神経、右の腓骨神経、左の橈骨神経、左の腓骨神経、右の正中神経、右の大腿神経、左の正中神経、左の大腿神経、右の尺骨神経、右の脛骨神経、左の尺骨神経、左の脛骨神経の順に、各末梢神経と、仙骨孔−頸椎間とで、通電可能であることを特徴とする、家庭用電気治療器である。
【0012】
(3)本発明の第3の態様は、マイクロプロセッサと、電源制御ユニットと、過電圧保護ユニットと、前記マイクロプロセッサ、前記電源制御ユニット、及び前記過電圧保護ユニットを制御するスマートフォンと、正中神経が通過する手のひらの部位、並びに橈骨神経及び尺骨神経が通過する手の甲の部位に電極を固定可能な手のサポータと、腓骨神経及び脛骨神経が通過する足の甲の部位、並びに大腿神経が通過する脛の内側面に電極を固定可能な足のサポータと、手のサポータ及び足のサポータに配置する複数の電極と、前記電極及び前記マイクロプロセッサを連結可能なケーブルと、を有する家庭用電気治療器であって、前記スマートフォンが、電流の出力パターン、電流の出力強度、通電時間、通電開始/終了のタイミング、通電状態、通電履歴を制御可能であり、前記家庭用電気治療器が、手の末梢神経に5V若しくは6V又は−5V若しくは−6Vを付加可能であり、足の末梢神経に5V若しくは6V又は−5V若しくは−6Vを付加可能であり、手の末梢神経が、正中神経、橈骨神経、尺骨神経であり、足の末梢神経が、腓骨神経、脛骨神経、及び大腿神経であり、仙骨孔に通電可能であり、手の末梢神経、及び足の末梢神経のそれぞれに、大脳の中心後回に刺激を伝える、プラス信号と、大脳の運動野を介して末梢神経に刺激を伝える、マイナス信号と、を付加可能であり、前記家庭用電気治療器が付加するプラス信号及びマイナス信号の付加パターンが32種類存在し、各付加パターンは、6回の通電刺激から構成され、前記32種類のうち、プラス信号5回かつマイナス信号1回の付加パターンが2種類、プラス信号1回かつマイナス信号5回の付加パターンが2種類、プラス信号4回かつマイナス信号2回の付加パターンが9種類、プラス信号2回かつマイナス信号4回の付加パターンが9種類、プラス信号3回かつマイナス信号3回の付加パターンが10種類、であり、前記家庭用電気治療器が、右の橈骨神経、左の橈骨神経、右の正中神経、左の正中神経、右の尺骨神経、左の尺骨神経、右の腓骨神経、左の腓骨神経、右の脛骨神経、左の脛骨神経、右の大腿神経、左の大腿神経の順に、各末梢神経と、仙骨孔−頸椎間とで、通電可能であることを特徴とする、家庭用電気治療器である。
【0013】
(4)本発明の第4の態様は、マイクロプロセッサと、電源制御ユニットと、過電圧保護ユニットと、前記マイクロプロセッサ、前記電源制御ユニット、及び前記過電圧保護ユニットを制御するスマートフォンと、正中神経が通過する手のひらの部位、並びに橈骨神経及び尺骨神経が通過する手の甲の部位に電極を固定可能な手のサポータと、腓骨神経及び脛骨神経が通過する足の甲の部位、並びに大腿神経が通過する脛の内側面に電極を固定可能な足のサポータと、手のサポータ及び足のサポータに配置する複数の電極と、前記電極及び前記マイクロプロセッサを連結可能なケーブルと、を有する家庭用電気治療器であって、前記スマートフォンが、電流の出力パターン、電流の出力強度、通電時間、通電開始/終了のタイミング、通電状態、通電履歴を制御可能であり、前記家庭用電気治療器が、手の末梢神経に5V若しくは6V又は−5V若しくは−6Vを付加可能であり、足の末梢神経に5V若しくは6V又は−5V若しくは−6Vを付加可能であり、手の末梢神経が、正中神経、橈骨神経、尺骨神経であり、足の末梢神経が、腓骨神経、脛骨神経、及び大腿神経であり、仙骨孔に通電可能であり、手の末梢神経、及び足の末梢神経のそれぞれに、大脳の中心後回に刺激を伝える、プラス信号と、大脳の運動野を介して末梢神経に刺激を伝える、マイナス信号と、を付加可能であり、手の末梢神経及び仙骨孔に、プラス信号6回の付加パターンから、2ミリ秒から8ミリ秒の間隔で、プラス信号の回数を徐々に減らしつつマイナス信号の回数を徐々に増やす付加パターンに変更させつつ、プラス信号とマイナス信号を付加可能であり、足の末梢神経に、マイナス信号6回の付加パターンから、2ミリ秒から8ミリ秒の間隔で、マイナス信号の回数を徐々に減らしつつプラス信号の回数を徐々に増やす付加パターンに変更させつつ、プラス信号とマイナス信号を付加可能であり、前記家庭用電気治療器が、右の橈骨神経、右の腓骨神経、左の橈骨神経、左の腓骨神経、右の正中神経、右の大腿神経、左の正中神経、左の大腿神経、右の尺骨神経、右の脛骨神経、左の尺骨神経、左の脛骨神経の順に、各末梢神経と、仙骨孔−頸椎間とで、通電可能であることを特徴とする、家庭用電気治療器である。
【0014】
(5)本発明の第5の態様は、睡眠誘導装置として用いられる(1)から(4)のいずれかに記載の家庭用電気治療器であって、前記家庭用電気治療器が、橈骨神経に7Hzで通電可能であり、腓骨神経に7Hzで通電可能であり、仙骨孔に4Hzで通電可能であり、正中神経に6Hzで通電可能であり、大腿神経に6Hzで通電可能であり、尺骨神経に5Hzで通電可能であり、脛骨神経に5Hzで通電可能である、家庭用電気治療器である。
【0015】
(6)本発明の第6の態様は、睡眠誘導装置として用いられる(1)から(4)のいずれかに記載の家庭用電気治療器であって、前記家庭用電気治療器が、橈骨神経に7Hzで通電可能であり、腓骨神経に7Hzで通電可能であり、仙骨孔に4Hzで通電可能であり、正中神経に6Hzで通電可能であり、大腿神経に6Hzで通電可能であり、尺骨神経に5Hzで通電可能であり、脛骨神経に5Hzで通電可能であり、前記スマートフォンが、入力された睡眠予定時刻の3時間前に通電開始時刻を通知可能であり、通知と同時に通電を開始する、家庭用電気治療器である。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、家庭用電気治療器にスマートフォンを用いている。スマートフォンは、コンピュータと同等の機能を備えているが、携帯電話保有者の増加に伴って、世界的に広く流通しており、入手が容易であって価格も安価である。このため、スマートフォンを家庭用電気治療器に利用することにより、家庭においても手軽に電気治療器を用いた有効性の高い治療を実施することができる。
【0017】
さらに、本発明の好ましい態様における家庭用電気治療器を用いて、上肢に屈曲拘縮(くっきょくこうしゅく)、下肢に伸展拘縮(しんてんこうしゅく)が生じている脳血管障害の罹患者に通電を行う場合、わずか15分の通電で下肢の伸筋が改善され、下肢の随意的な屈曲が可能となる。上肢は高度な運動を要求されるものであるため、治療初期には上肢の屈筋に対して治療効果が不足する傾向があるものの、本発明の家庭用電気治療器を用いた治療によれば、わずか15分の通電で、上肢の屈曲拘縮についても、効果的に改善された。
【0018】
また、脳内のドーパミン不足とアセチルコリンの相対的な増加を病態とし錐体外路症状を示す進行性の疾患であるパーキンソン病を罹患した患者に対して、本発明の家庭用電気治療器を使用する場合、15分の通電で筋強剛、姿勢保持反射障害が改善され、歩行距離も改善される。ただし、パーキンソン病に罹患する患者の40%は、認知症が合併するとの報告があるが、本発明の電気治療器によって歩行距離が改善されると遠距離まで徘徊するという欠点が生じてしまうこともある。
【0019】
本発明の電気治療器は脳機能の基礎条件を改善するものであるが、24時間の単位で効果は徐々に消失する。しかしながら、上肢の随意的な伸展と、下肢の随意的な屈曲が可能になるため、本発明の電気治療器を用いることにより、脳血管障害等を罹患する患者に対して、高い治療効果をもたらすとともに、疾患の治癒に対する大きな希望をもたらすものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の家庭用電気治療器の概略構成図を示す図面である。
図2】本発明の家庭用電気治療器における、電極の配置を模式的に示す図面である。
図3】正中神経の領域で最も効果的な部位を示す。
図4】正中神経に配置する電極を固定可能な手のサポータを示す。
図5】橈骨神経、尺骨神経の領域で最も効果的な部位を示す。
図6】橈骨神経、尺骨神経に配置する電極を固定可能な手のサポータを示す。
図7】脛骨神経の領域で最も効果的な部位を示す。
図8】腓骨神経の領域で最も効果的な部位を示す。
図9】大腿神経の領域で最も効果的な部位を示す。
図10】脛骨神経、腓骨神経、大腿神経に配置する電極を固定可能な足のサポータを示す。
図11】仙骨における電極の固定位置を示す。
図12】腸骨と仙骨との関係、及び血液の移行部を示す。
図13】本発明の第1の態様における、手の末梢神経及び足の末梢神経への電気刺激の付与パターンを示す。
図14】本発明の第2の態様における手の末梢神経への電気刺激の付与パターンを示す。
図15】本発明の第2の態様における足の末梢神経への電気刺激の付与パターンを示す。
図16】本発明の第2の態様における通電パターンの参考例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<家庭用電気治療器>
以下、本発明の家庭用電気治療器100について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す本発明の家庭用電気治療器100を実施するための形態は、本発明の家庭用電気治療器100の一例を示すものであり、本発明は、以下に示す実施形態に何ら限定されるものではない。
【0022】
図1は、本発明の家庭用電気治療器100の概略構成図を示す図面である。本発明の家庭用電気治療器100は、マイクロプロセッサ50と、電源制御ユニット20と、過電圧保護ユニット30と、スマートフォン40と、頸椎に設置する電極80と、手のサポータ801と、足のサポータ802と、手のサポータ801及び足のサポータ802に配置する複数の電極80と、電極80及びマイクロプロセッサ50を連結可能なケーブル70と、を有する。
【0023】
[スマートフォン]
スマートフォン40は一般的なコンピュータと同等の機能を備えている。スマートフォン40の所有者が、スマートフォン40を家庭用電気治療器100に応用することにより、高性能な家庭用電気治療器100を、安価に利用することが可能となる。脳血管障害を罹患する患者は、収入が大幅に減少した状態で、長期間のリハビリテーションが必要となり、リハビリテーションによる経済的負担は非常に大きい。しかしながら、本発明の家庭用電気治療器100においては、スマートフォン40を、家庭用電気治療器100の中心的な役割を担う部材として使用するため、高性能の家庭用電気治療器100を、安価なコストで利用することが可能となる。
【0024】
本発明の家庭用電気治療器100においては、スマートフォン40はケーブル70により、マイクロプロセッサ50、電源制御ユニット20、及び過電圧保護ユニット30と双方向に接続されている。そして、スマートフォン40が医学情報を保持し、この医学情報に基づいて、マイクロプロセッサ50、電源制御ユニット20、及び過電圧保護ユニット30を制御して、正確で安全な電気治療を実現する。より具体的には、スマートフォン40は、医学情報として、電流の出力パターン、電流の出力強度、通電時間、通電開始/終了のタイミング、通電状態、通電履歴を記憶するとともに、これを制御し、マイクロプロセッサ50、電源制御ユニット20、及び過電圧保護ユニット30を制御して、電気治療を実現する。スマートフォン40にあらかじめ、医学情報を記憶させ、これを制御することにより、医学的知識に乏しい患者の場合であっても、高い再現性をもって、高い効果を有する電気治療を施行することができる。
【0025】
[マイクロプロセッサ]
マイクロプロセッサ50は、スマートフォン40による、医学情報に基づく制御を受けて、出力信号の電圧、電流、周波数等を個別に制御する機能を有する。マイクロプロセッサ50は、信号出力ユニット60とケーブル70により接続されており、信号出力ユニット60は、マイクロプロセッサ50の制御を受けて、そのポート1からポート15の各ポートから、各神経に通電する電気刺激を出力可能になっている。マイクロプロセッサ50が、出力信号の電圧、電流、周波数等を個別に制御することにより、本発明の家庭用電気治療器100による電気治療が高い安全性と正確性をもって施行され、かつ、医学的知識に乏しい患者においても高い治療上の効果をもたらすことができるようになる。マイクロプロセッサ50の具体的構成は、特に限定されるものではないが、例えば、中央演算装置(CPU)と、記憶装置であるメモリと、記憶装置である記憶メディアと、を備えていることが好ましく、マイクロプロセッサ50自体の制御を行う制御手段を、更に有していることが好ましい。マイクロプロセッサ50は、ケーブル70により、スマートフォン40と双方向で接続されており、後述する電源制御ユニット20及び過電圧保護ユニット30とも、ケーブル70により双方向で接続されている。
【0026】
[電源制御ユニット]
本発明の家庭用電気治療器100は、電源制御ユニット20を有している。電源制御ユニット20は、スマートフォン40、過電圧保護ユニット30、及びマイクロプロセッサ50と、ケーブル70により、双方向で接続されており、スマートフォン40による制御を受けて、マイクロプロセッサ50及びマイクロプロセッサ50が制御する信号出力ユニット60に供給される電流とその電圧を制御する。家庭用電気治療器100が電源制御ユニット20を有することにより、マイクロプロセッサ50及び信号出力ユニット60に供給される電流とその電圧が制御されるため、安全性が高く、かつ正確性の高い電気治療を施行することが可能となる。
【0027】
[過電圧保護ユニット]
本発明の家庭用電気治療器100は、過電圧保護ユニット30を有している。過電圧保護ユニット30は、スマートフォン40、電源制御ユニット20、及びマイクロプロセッサ50と、ケーブル70により、双方向で接続されており、スマートフォン40による制御を受けて、マイクロプロセッサ50及びマイクロプロセッサ50が制御する信号出力ユニット60が、規定された電圧よりも高い電圧の電気刺激を出力することを防止する機能を有する。例えば、過電圧保護ユニット30は、マイクロプロセッサ50が出力しようとする電気刺激、及び信号出力ユニット60が出力する電気刺激の電圧をモニタする手段を有し、出力される電気刺激の電圧が規定電圧を上回る場合には、必要に応じてスマートフォン40及び電源制御ユニット20を介して、電気刺激の出力を停止する手段を実行できるものであることが好ましい。
【0028】
[電極]
図2は、本発明の家庭用電気治療器100における、電極80の配置を模式的に示す図面である。上述のとおり、信号出力ユニット60にはポート1からポート15が設けられており、各ポートに接続された複数の電極80が配置されている。電極80は、左右の手の正中神経、橈骨神経、及び尺骨神経、並びに、左右の足の腓骨神経、脛骨神経、及び大腿神経に電気刺激を付与可能にしている。これに加えて、本発明の家庭用電気治療器100においては、必要に応じて、頸椎に設置する電極80(図2では、脳疾患を持つ人を想定して、左右の外耳道に設置する電極80を示している)、左右の仙骨神経(仙骨孔)に設置する電極80、を有する。各神経の詳細については、後述する。
【0029】
これらの電極80の設置位置のうち、外耳道には、副交感性である迷走神経の耳介枝が分布している。迷走神経は咽頭・気管・気管支・食道・心臓・胃・腹部の血管・肝臓・胆嚢・膵臓・小腸・結腸の右2/3までの内臓と器官の副交感神経系の運動神経と、知覚神経を支配している。また、迷走神経の分枝である反回神経は口蓋帆挙筋、耳管咽頭筋、茎突咽頭筋、口蓋舌筋、口蓋咽頭筋、上咽頭収縮筋、中咽頭収縮筋、下咽頭収縮筋を支配している。迷走神経は会話機能に対して、中心的な役割を担っているため、外耳道に電極80を設置して、迷走神経に電気刺激を与えることにより、脳血管障害で起こりがちな失語症状に対して、効果的な改善をもたらすこともできる。
【0030】
これらの電極80は、ケーブル70を介し、必要に応じて信号出力ユニット60を介して、マイクロプロセッサ50と連結されており、各末梢神経の通過位置に配置される。
【0031】
[手足の末梢神経]
手足の末梢神経について、大阪大学運動器バイオマテリアル学、菅本一臣教授(整形外科医)監修の下で開発された医学アプリであるteamLabBodyによれば、以下のような記述がみられる。
【0032】
手の正中神経について、『正中神経の前骨間神経は深指屈筋、長母指屈筋、方形回内筋を支配する。掌枝は手掌の母指側2/3の皮膚を支配する。半回枝は母指球筋、短母指外転筋、短母指屈筋、母指対立筋、第1,2虫様筋を支配する』。手の尺骨神経について、『尺骨神経の筋枝は尺側手根屈筋、深指屈筋を支配する。深枝は小指球筋、小指対立筋、小指外転筋、母指内転筋、第3,4虫様筋、背側骨間筋、掌側骨間筋を支配する。浅枝と背側枝、掌枝の感覚神経は第5指と第4指の内側皮膚と対応する手掌と手背の皮膚に分布する』。手の橈骨神経について、『橈骨神経筋枝は上腕三頭筋、肘筋、腕撓骨筋、長撓側手根伸筋を支配する。深枝は短撓側手根伸筋、回外筋を支配する。後骨間神経は指伸筋、小指伸筋、尺側手根伸筋、長母指外転筋、長・短母指伸筋、示指伸筋を支配する』。
【0033】
足の脛骨神経について、『脛骨神経の下腿で起こる筋枝は腓腹筋、ヒラメ筋、膝窩筋、長趾屈筋、長母趾屈筋、後脛骨筋を支配する。内側足底神経は母趾外転筋、短母趾屈筋、第1虫様筋、足底の皮膚内側3趾から第5趾を支配する。外側足底神経は小趾外転筋、足底方形筋、骨間筋、第2から第4虫様筋、母趾内転筋、短小趾屈筋を支配する。足底の皮膚は外側第1趾から第5趾の知覚を伝える』。足の腓骨神経について、『総腓骨神経の外側腓腹皮神経は下腿上部の外側の皮膚を支配する。浅腓骨神経は長腓骨筋、短腓骨筋を支配する。内側・中間足背皮神経は足背の大半の皮膚を支配する。深腓骨神経は前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋、第三腓腹筋を支配する。深腓骨神経の外側枝は短趾伸筋、短母趾伸筋を支配する。深腓骨神経の内側枝は母趾と第2趾間の皮膚に分布する』。足の大腿神経について、『大腿神経の筋枝は大腰筋、腸骨筋を支配する。前大腿皮枝は大腿前面内側2/3の皮膚と、膝前面皮膚に分布する。前部の筋枝は恥骨筋、縫工筋を支配する。伏在神経は足内側の皮膚に分布する。後部の筋枝は大腿四頭筋(大腿直筋、外側広筋、中間広筋、内側広筋)を支配する』。
【0034】
これらの記述にみられるように、手の正中神経、橈骨神経、及び尺骨神経、並びに、足の腓骨神経、脛骨神経、及び大腿神経は、手や足の運動をつかさどる様々な筋肉を支配しているため、上肢に屈曲拘縮、下肢に伸展拘縮が生じている脳血管障害の罹患者に通電を行った場合でも、わずか15分の通電で手や足の随意的な運動が可能となる。
【0035】
以上を踏まえ、手について、図3に、正中神経の領域で最も効果的な部位を示し、図4に、正中神経に配置する電極80を固定可能な手のサポータ801を示す。図5に、橈骨神経、尺骨神経の領域で最も効果的な部位を示し、図6に、橈骨神経、尺骨神経に配置する電極80を固定可能な手のサポータ801を示す。また、足について、図7に、脛骨神経の領域で最も効果的な部位を示し、図8に、腓骨神経の領域で最も効果的な部位を示し、図9に、大腿神経の領域で最も効果的な部位を示す。図10に、脛骨神経、腓骨神経、大腿神経に配置する電極80を固定可能な足のサポータ802を示す。
【0036】
[手のサポータ、足のサポータ]
本発明の家庭用電気治療器100は、図4図6、及び図10に示したように、必須の部材として、手のサポータ801及び足のサポータ802を有する。ここで、手のサポータ801は、正中神経が通過する手のひらの部位、並びに橈骨神経及び尺骨神経が通過する手の甲の部位に電極80を固定可能なものであり、足のサポータ802は、腓骨神経及び脛骨神経が通過する足の甲の部位、並びに大腿神経が通過する脛の内側面に電極80を固定可能なものである。このため、手のサポータ801は、少なくとも手のひら、手の甲、手首を被覆可能なものであることが好ましく、足のサポータ802は、少なくとも足の裏、足の甲、足首、脛を被覆可能なものであることが好ましい。図4図6、及び図10に示すように、手のサポータ801及び足のサポータ802は、それぞれ、正中神経、橈骨神経、及び尺骨神経、並びに、腓骨神経、脛骨神経、及び大腿神経において、電気刺激が最も効果を有する部位に電極80を固定可能であることが好ましい。
【0037】
本発明の家庭用電気治療器100においては、手のサポータ801、及び足のサポータ802を採用し、手のひら、手の甲、足の甲、脛において、治療上最も有効な部位に電極80を固定可能としているため、医学的な知識を有していない脳血管障害に罹患する患者やその介護者であっても、再現性よく、効果的な部位に電極80を配置することができる。これにより、本発明の家庭用電気治療器100を用いた電気治療を、高い正確性をもって施行することができる。
【0038】
[仙骨神経(仙骨孔)]
図11に、仙骨における電極80の固定位置を示すが、必要に応じて電極固定テープを用いて、この部位に電極80を固定して、電気治療を施行することにより、血流に対しても良好な効果をもたらしつつ、仙骨副交感神経系に良好な治療効果を発揮せしめることができる。図12に、腸骨と仙骨との関係、及び血液の移行部を示す。仙骨が位置する腸骨の骨髄には大量の造血幹細胞が存在しているものとされ、白血球(好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球、マクロファージ)、赤血球、血小板、肥満細胞、樹状細胞を生み出している。仙骨副交感神経系は大腸の右1/3、腎臓と膀胱、生殖器、外陰部を支配している。
【0039】
[電気刺激の付与パターン]
神経の活動と電気刺激は密接に関連している。神経が興奮した場合、活動電位が生じるが、この活動電位とは刺激に応じて細胞膜に生じる、一過性の膜電位の変化である。活動電位が生じた状態においては、細胞膜の電位は−70mVから40mVに急上昇し、その後間もなくして、細胞膜の電位が−70mVに戻る。このため、神経に電気刺激を付与することにより、神経を人為的に興奮させることができる。脳神経の軸索が伸長し、ニューロンのネットワークを形成する際に弊害となるのは大きな刺激である。中枢神経における障害部の活動電位は弊害となりうるものである。
【0040】
本発明の第1の態様においては、家庭用電気治療器100は、必要に応じて、頸椎に0Vを付加可能としつつ、手の末梢神経に5V若しくは6V又は−5V若しくは−6Vを付加可能であり、足の末梢神経に5V若しくは6V又は−5V若しくは−6Vを付加可能であり、仙骨孔に通電可能であり、手の末梢神経、及び足の末梢神経のそれぞれに、大脳の中心後回に刺激を伝える、プラス信号と、大脳の運動野を介して末梢神経に刺激を伝える、マイナス信号と、を付加可能である。ここで、中心後回は体の各部位から体性感覚の入力を受け取る部位である。末梢神経から中心後回に刺激を伝えるためには、末梢神経にプラス電位を付加すればよいことが知られている。本発明においては、このプラスの電位を付加する信号のことを、プラス信号と呼称する。大脳の運動野については、一次運動野が補足運動野等と共同し運動を行っている。末梢神経にマイナスの電位を付加することにより、中枢神経の信号を末梢神経に引き出すことができ、これにより、末梢神経に刺激を伝えることができる。本発明においては、このマイナスの電位を付加する信号のことを、マイナス信号と呼称する。
【0041】
なお、頚椎への0Vの電気刺激の付加は任意であり、この頚椎への電気刺激の付加を行わなくてもよい。この、本発明の第1の態様における、手の末梢神経及び足の末梢神経への電気刺激の付与パターンを図13に示す。この態様において、付与パターンに含まれる、家庭用電気治療器100が付加するプラス信号及びマイナス信号の個々の付加パターンは32種類存在し、各付加パターンは、6回の通電刺激から構成され、32種類のうち、プラス信号5回かつマイナス信号1回の付加パターンが2種類、プラス信号1回かつマイナス信号5回の付加パターンが2種類、プラス信号4回かつマイナス信号2回の付加パターンが9種類、プラス信号2回かつマイナス信号4回の付加パターンが9種類、プラス信号3回かつマイナス信号3回の付加パターンが10種類、である。家庭用電気治療器100は、右の橈骨神経、左の橈骨神経、右の正中神経、左の正中神経、右の尺骨神経、左の尺骨神経、右の腓骨神経、左の腓骨神経、右の脛骨神経、左の脛骨神経、右の大腿神経、左の大腿神経の順に、各末梢神経と、仙骨孔−頸椎間とで、通電可能である。
【0042】
本発明の第2の態様においては、家庭用電気治療器100は、必要に応じて、外耳道に0Vを付加可能としつつ、手の末梢神経に5V若しくは6V又は−5V若しくは−6Vを付加可能であり、足の末梢神経に5V若しくは6V又は−5V若しくは−6Vを付加可能であり、仙骨孔に通電可能であり、手の末梢神経、及び足の末梢神経のそれぞれに、大脳の中心後回に刺激を伝える、プラス信号と、大脳の運動野を介して末梢神経に刺激を伝える、マイナス信号と、を付加可能である。なお、外耳道への0Vの電気刺激の付加は任意であり、この外耳道への電気刺激の付加を行わなくてもよい。この、本発明の第2の態様における、手の末梢神経への電気刺激の付与パターンを図14に、足の末梢神経への電気刺激の付与パターンを図15に示す。
【0043】
具体的には、家庭用電気治療器100が付加するプラス信号及びマイナス信号の付加パターンは手及び足の末梢神経について、それぞれ64種類存在し、各付加パターンは、6回の通電刺激から構成される。図14に示すように、手の末梢神経に係る64種類のうち、プラス信号6回かつマイナス信号0回の付加パターンが1種類、プラス信号5回かつマイナス信号1回の付加パターンが6種類、プラス信号4回かつマイナス信号2回の付加パターンが14種類、プラス信号3回かつマイナス信号3回の付加パターンが21種類、プラス信号2回かつマイナス信号4回の付加パターンが15種類、プラス信号1回かつマイナス信号5回の付加パターンが6種類、プラス信号0回かつマイナス信号6回の付加パターンが1種類、である。また、図15に示すように、足の末梢神経に係る64種類のうち、プラス信号0回かつマイナス信号6回の付加パターンが1種類、プラス信号1回かつマイナス信号5回の付加パターンが6種類、プラス信号2回かつマイナス信号4回の付加パターンが15種類、プラス信号3回かつマイナス信号3回の付加パターンが21種類、プラス信号4回かつマイナス信号2回の付加パターンが14種類、プラス信号5回かつマイナス信号1回の付加パターンが6種類、プラス信号6回かつマイナス信号0回の付加パターンが1種類、である。
【0044】
この態様において、本発明の家庭用電気治療器100は、手の末梢神経及び仙骨孔に、プラス信号6回の付加パターンから、2ミリ秒から8ミリ秒の間隔で、プラス信号の回数を徐々に減らしつつマイナス信号の回数を徐々に増やす付加パターンに変更させつつ、プラス信号とマイナス信号を付加可能であり、逆に、足の末梢神経には、マイナス信号6回の付加パターンから、2ミリ秒から8ミリ秒の間隔で、マイナス信号の回数を徐々に減らしつつプラス信号の回数を徐々に増やす付加パターンに変更させつつ、プラス信号とマイナス信号を付加可能である。家庭用電気治療器100は、右の橈骨神経、右の腓骨神経、左の橈骨神経、左の腓骨神経、右の正中神経、右の大腿神経、左の正中神経、左の大腿神経、右の尺骨神経、右の脛骨神経、左の尺骨神経、左の脛骨神経の順に、各末梢神経と、仙骨孔−頸椎間とで、通電可能である(図16も参照)。
【0045】
<睡眠誘導装置として用いられる家庭用電気治療器>
本発明の家庭用電気治療器100は、睡眠誘導装置としても用いられる。現代の若者は視覚や聴覚を介して多くの刺激を受け続けており、一日の運動量も多い。成人して社会で活躍するようになると、仕事のストレスも急増するし、高齢者であっても、環境に対する不満や不安が増加する。このような日常のストレスの急増に伴って、現代人は交感神経の興奮時間が急増しており、健康な者であっても、良質で理想的な睡眠を得るための方法が必要となっている。本発明の家庭用電気治療器100を睡眠誘導装置として使用することにより、交感神経の興奮が抑制され、副交感神経の興奮が促進されて、良質で理想的な睡眠がもたらされる。
【0046】
ここで、一般に脳波は20μVから70μVの電位を有し、良質で深い睡眠中に現れるδ波は70μVの電位を有する。深い睡眠の間は副交感神経が優勢であり、細胞や組織、臓器や器官を修復しているとされている。睡眠は、一般に、レム睡眠(REM;Rapid Eye Movement)とノンレム睡眠を繰り返している。レム睡眠においては、骨格筋が弛緩して身体は休息状態にあるが、脳は活動して覚醒状態にあり、脳波は4Hzから7Hzのθ波が優勢である。ノンレム睡眠は1ステージから4ステージに分けられ、1Hzから4Hzのδ波と呼ばれる波形が現れる。
【0047】
したがって、このような睡眠時における脳波の特性等を考慮すれば、家庭用電気治療器100が睡眠誘導装置として用いられる場合、家庭用電気治療器100は、橈骨神経に7Hzで通電可能であり、腓骨神経に7Hzで通電可能であり、仙骨孔に4Hzで通電可能であり、正中神経に6Hzで通電可能であり、大腿神経に6Hzで通電可能であり、尺骨神経に5Hzで通電可能であり、脛骨神経に5Hzで通電可能であることが好ましい。そして、本発明の家庭用電気治療器100における大きな特徴の一つである、スマートフォン40は、睡眠予定時刻及び通電開始時刻を設定可能となっていて、例えば、入力された睡眠予定時刻の3時間前に通電開始時刻を通知して、通知と同時に通電を開始する。なお、通電開始時刻は、必ずしも睡眠予定時刻の3時間前である必要はなく、2時間以上4時間以下の時間であればよいが、良質の睡眠を確保する上では、3時間という時間が最も好適である。
【0048】
本発明においては、手の末梢神経及び足の末梢神経と、頸椎(脳疾患を持つ患者は外耳道)との間、並びに副交感神経が支配する仙骨から頸椎間(外耳道)に通電し、良質の睡眠をもたらすための前提条件を作り出す睡眠誘導プログラムをも提案するものである。
【符号の説明】
【0049】
100 家庭用電気治療器
20 電源制御ユニット
30 過電圧保護ユニット
40 スマートフォン
50 マイクロプロセッサ
60 信号出力ユニット
70 ケーブル
80 電極
801 手のサポータ
802 足のサポータ
【要約】
中枢神経に器質的障害を有している患者に対しても有効な、安価な家庭用電気治療器を提供することを目的として、医学情報をスマートフォンに入力し、マイクロプロセッサにより、出力信号を制御して、手の末梢神経、足の末梢神経、仙骨孔、頚椎に電極を設置して電圧を付加することにより、脳血管障害をはじめとしたもろもろの疾患を総合的に改善できる家庭用電気治療器を提供する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16