【実施例1】
【0023】
図1〜
図3は、本発明にかかる連結式バリケードフェンスの実施例1を示している。
この連結式バリケードフェンス10は、パイプ(例えば、樹脂被覆鋼管)と継手(例えば、樹脂製継手)とで組み立てられてなり、2本の支柱パイプ1と横パイプ2とで形成した外枠部の面内に、いずれか一方の支柱パイプ1を基点に水平方向へ展開して他のバリケードフェンスと回動可能に連結する連結パイプユニット3が設けられている。
本実施例にかかる前記連結パイプユニット3は、前記2本の支柱パイプ1のいずれか一方を回転軸にして水平方向へ回動して展開する構成で実施している。
【0024】
本発明にかかる連結式バリケードフェンス10は、2本の支柱パイプ1をそれぞれ鉛直に支持するベース部と、2本の支柱パイプ1と横パイプ2とからなる前記外枠部と、2本の支柱パイプ1、1間に横架される前記連結パイプユニット3、及びサポート部6、6’とで構成されている。ちなみに、本実施例では、直径(φ)28mmのパイプを採用しているが、これに限定されない。
【0025】
前記ベース部は、支柱パイプ1を安定した状態で設置するためのベースパイプ11と2本の傾斜パイプ12、及びこれらを支柱パイプ1へ連結するための継手13、14、15とからなる。
図1Bを見れば明らかなように、前記ベースパイプ11は、前記外枠部を構成する横パイプ2に対して直角方向に配置され、その中央部に、T形継手13が逆T字状で、その水平方向側の嵌合筒を外嵌挿入して固定されている。そして、該T形継手13の垂直方向側の嵌合筒には、支柱パイプ1の下端が内嵌挿入して連結されている。
また、前記2本の傾斜パイプ12は同形同大で、前記ベースパイプ11の両端部近傍位置に外嵌挿入して固定された二方継手14、14と、前記支柱パイプ1の下端部に外嵌挿入して固定された三方継手15との間をつなぎ、二等辺三角形の稜線を形成するように、その両端部が各嵌合筒へ内嵌挿入して固定されている。
なお、前記ベース部を構成するパイプ11、12及び継手13、14、15の組み合わせは図示例に限定されるものではなく、前記支柱パイプ1を安定した状態で立設することができれば種々のバリエーションで実施可能である。
【0026】
前記外枠部は、前記ベース部から立ち上がる2本の支柱パイプ1の上端部に、L形継手16の鉛直方向側の嵌合筒を外嵌挿入して固定し、他方の水平方向側の嵌合筒に、前記横パイプ2の両端部を内嵌挿入して固定してなる。かくして、ベース部から立ち上がる2本の支柱パイプ1が、横パイプ2及びその両端部のL形継手16を介して連結されて自立式の外枠部が形成される。
【0027】
前記連結パイプユニット3は、本実施例では、前記外枠部の面内の2本の支柱パイプ1の間に上下2段の配置で横架され、それぞれ、連結パイプ4と該連結パイプ4の両端部に設けられた継手部5とからなり、該継手部5が、対応する支柱パイプ1に取り付けられている。
具体的に、前記連結パイプ4は、その一端部にパイプ継手19が内嵌挿入されて該パイプ継手19と一体化した接続子19bが突設され、他端部にパイプ継手19が内嵌挿入されて該パイプ継手19と一体化したカギフック19aが突設されている。
前記継手部5は、
図2に示すように、後側の噛み合わせ連結部と前側の腕部とを備えた一対の継手片5a、5bを、支柱パイプ1の外周を抱持するように組み合わせる構成のヒンジ型継手である。
連結するバリケードフェンスに近い側の支柱パイプ1に設ける継手部5は、組み合わせた両腕部5cの間に前記連結パイプ4の接続子19bを配置し、該両腕部5cおよび接続子19bに設けたボルト孔(図示省略)へヒンジボルト17を通してナット18を締結することにより前記支柱パイプ1に固定されている。該締結の強さは、連結パイプ4が支柱パイプ1回りに回動可能な程度に調節されている。
そして、もう一方側の支柱パイプ1に設ける継手部5は、組み合わせた両腕部5cの間に設けたボルト孔(図示省略)へヒンジボルト17を通してナット18を締結することにより前記支柱パイプ1に固定され、該両腕部5cの間に通されたヒンジボルト17へ前記連結パイプ4のカギフック19aが掛け留められている。
【0028】
かくして、前記連結パイプユニット3は、その継手部5の一方のヒンジボルト17からカギフック19aを外して、連結するバリケードフェンスに近い側の支柱パイプ1を回転軸にして連結パイプ4を水平方向へ自在に回動させて所要の角度に展開することができる(一例として、
図1Cの破線参照)。
なお、前記連結パイプユニット3は、本実施例では上下2段配置で実施しているがこれに限定されず、1段でも3段以上でも実施できる。ただし、費用対効果、連結作業の効率性、バリケードフェンスとしての強度、および人に心理的障壁を感じさせること等を考慮すると上下2段配置が好ましい。
【0029】
前記サポート部6、6’は、上下2段配置とした連結パイプユニット3の直下位置にそれぞれ設けられ、該連結パイプユニット3の位置ずれ防止のほか、前記外枠部を補強する役割を果たしている。ちなみに、本実施例にかかるサポート部6、6’は、シングルパイプ型とダブルパイプ型とが併用されている。
【0030】
前記シングルパイプ型のサポート部6は、1本の横パイプ7と該横パイプ7の両端部に設けられたT形継手8とからなり、該T形継手8は、対応する支柱パイプ1に、その鉛直方向側の嵌合筒を外嵌挿入して取り付けられている。前記横パイプ7は、その両端部が前記T形継手8の水平方向側の嵌合筒に内嵌挿入して固定されている。
前記サポート部6は、そのT形継手8の鉛直方向側嵌合筒の上端面が、上段側連結パイプユニット3の継手部5の下端面に密着(当接)するように設けられている。すなわち、前記サポート部6は、そのT形継手8で上段側連結パイプユニット3の継手部5を支持する構成とすることにより、該継手部5、ひいては上段側連結パイプユニット3の位置ずれを防止するほか、後述する連結パイプユニット3の連結作業を容易ならしめる。
【0031】
一方、ダブルパイプ型のサポート部6’は、上述した横パイプ7とT形継手8、8とからなるシングルパイプ型のサポート部6を上下2段に配置し、これらを中央部に設けた間隔保持部材で固定した構成で実施されている。
前記間隔保持部材は、上下の横パイプ7、7の中央部にそれぞれ、T形継手8をその水平方向側の嵌合筒を外嵌挿入して鉛直方向側の嵌合筒を対向させる配置で位置決めし、該鉛直方向側の嵌合筒に縦パイプ9の両端部(上下端部)を内嵌挿入して固定されてなる。
前記サポート部6’は、その上段側に設けたT形継手8の鉛直方向側嵌合筒の上端面が、下段側連結パイプユニット3の継手部5の下端面に密着するように設けられている。すなわち、前記サポート部6’は、そのT形継手8で下段側連結パイプユニット3の継手部5を支持する構成とすることにより、前記サポート部6と同様に、該継手部5、ひいては下段側連結パイプユニット3の位置ずれを防止するほか、後述する連結パイプユニット3の連結作業を容易ならしめる。
【0032】
なお、本実施例にかかる前記サポート部6、6’は、シングルパイプ型とダブルパイプ型とが併用されているが、これに限定されず、シングルパイプ型のみで実施できる等、連結式バリケードフェンス10に要求される強度・剛性に応じて適宜設計変更可能である。
【0033】
上記構成の連結式バリケードフェンス10は、通常時は、2本の支柱パイプ1と横パイプ2とで形成した外枠部が連結パイプユニット3とサポート部6、6’とで強固に保持されて、前記ベース部により安定した状態で設置できる。また、他のバリケードフェンスとの連結時は、前記外枠部がサポート部6、6’で強固に保持されて、前記ベース部と他のバリケードフェンスとの連結効果によりさらに安定した状態で設置できる。
ちなみに、他のバリケードフェンスとの連結時は、連結パイプ4のカギフック19aが掛け留められている側の継手部5の近傍辺りで連結パイプ4を上に持ち上げ、該継手部5のヒンジボルト17から連結パイプ4のカギフック19aを外し、連結するバリケードフェンスに近い側の支柱パイプ1を回転軸にして連結パイプ4を水平方向へ自在に回動させて所要の角度に展開する。
【0034】
図3A、Bは、前記連結式バリケードフェンス10の連結構造の実施例を示している。
図示例は、所要の数量の連結式バリケードフェンス10を、その連結パイプユニット3の連結パイプ4を利用して左側から右側へ順次連結させる作業を、右端に設置する従来のバリケードフェンスa(
図3A参照)、又は実施例2で説明する連結式バリケードフェンス20(
図3B参照)と連結するまで繰り返し行い、直線状に形成した連結構造を示している。
【0035】
左端に設置する連結式バリケードフェンス10は、上述した要領、すなわち左側の支柱パイプ1の近傍辺りで連結パイプ4を上に持ち上げ、左側の継手部5のヒンジボルト17から連結パイプ4のカギフック19aを外し、右側の支柱パイプ1を回転軸にして連結パイプ4を水平方向へ180度回動させて当該フェンス10本体と直線状に展開する作業を行う。
【0036】
次に、連結方向に隣接する連結式バリケードフェンス10側の継手部5からカギフック19aを外したら、その継手部5を左側方向へ反転、回動させて、左側のバリケードフェンス10の連結パイプ4のカギフック19aを当該継手部5のヒンジボルト17に掛け留めれば連結が完了する。この作業を繰り返して長く連続したバリケードフェンスが完成する。
【0037】
右端に従来のバリケードフェンスaを設置する場合は、前記左端の連結式バリケードフェンス10において、カギフック19aが外されて無用となった前記継手部5を取り外し、従来のバリケードフェンスaの連結用に付け替える。ただし、継手部5は、新たに追加して用意しても良い。
また、右端に連結式バリケードフェンス20を設置する場合は、該フェンス20の支柱パイプ1に最初から取り付けられている継手部5がそのまま利用できるので、連結作業は格段にやり易く簡単な作業となる。
なお、従来のバリケードフェンスa、又は連結式バリケードフェンス20は、本実施例では右端のみに設置して実施しているが、中間部にも設けて実施することもできる。
【0038】
ちなみに、図示例にかかる連結式バリケードフェンス10の主要な構成要素の大きさは、一例として、支柱パイプ1の高さが1100mm程度、横パイプ2の長さが1800mm程度、継手部5、T形継手8等の継手部材が直径(φ)28〜32mm程度のパイプに適用できるサイズで実施されている。総重量は、従来のバリケードフェンスaと同等の10kg程度で実施されている。
【0039】
したがって、実施例1にかかる連結式バリケードフェンス10によれば、通常時は、面内に一体的に設けられ、連結時は、所要の角度に水平方向へ展開して他のバリケードフェンスと一体的に連結できる連結パイプユニット3(連結パイプ4および継手部5)を備え付けているので、以下の効果を奏する。
1)隙間なく連続させて設置する場合と比し、連結パイプ4の長さ分だけ間隔をあけて隣接する連結式バリケードフェンス10、10同士を連結できるので使用個数をほぼ半減できる。よって、経済性、運搬性、および作業性に優れている。
2)従来のバリケードフェンスaと同様に、人が持ち運びやすい形態(大きさ、形状、重量)で実施でき、従来のバリケードフェンスaと大きさ、厚みなどの基本形状が共通し、デザイン的に違和感がない(
図3A参照)。よって、従来のバリケードフェンスaと好適に併用できるので、経済的、合理的である。
また、ネスティング状に組み合わせ可能な形状で実施できるので、使用時および撤去時の運搬効率を高めることができ、また、収納時は占有スペースを縮小化できる。
3)連結パイプユニット3は、通常時は、連結式バリケードフェンス10本体の面内に固定されているので、安全性および美感に優れ、フェンス単体としてのデザイン性が高い。
4)連結パイプユニット3の連結パイプ4は、所要の角度に水平方向へ展開できるので、
図4に例示するように、直線方向にかかわらず様々な経路パターンに沿って連結でき、バリエーションに富む連結構造を実現できる。
5)連結パイプユニット3の継手部5、5は、ヒンジボルト17を緩めた状態のままでもその直下位置のサポート部6、6’のT形継手8が支持しているので位置ずれを起こすことなく回動させることができる。また、連結パイプ4は、その基端部をT形継手8で支持された継手部5に固定されているので、作業員は、当該連結パイプ4を手指による軽い力で水平方向へ回動させる作業を行うことができる。さらに、作業効率上の観点から、その連結パイプ4の一端部を予め継手部5から離脱させた状態にしておき、連結作業に備えることもできる。したがって、作業員の負荷(負担)を軽減でき、作業効率上、極めて優れた連結構造を実現できる。
6)その他、連結パイプユニット3を含め、パイプと継手のみで組み立てることができるので、部品交換を容易に行い得るなど、メンテナンス性に優れている。
【実施例2】
【0040】
図5と
図6は、本発明に係る連結式バリケードフェンスの異なる実施例を示している。
この実施例2にかかる連結式バリケードフェンス20は、上記実施例1と比して、いずれか一方(図示例では左側)の支柱パイプ1の内寄り位置に縦パイプ21を設けていることが主に相違する。前記ベース部、外枠部などの構成部材や継手部5、パイプ継手19、カギフック19a、接続子19bなどは、上記実施例1と同様なので同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
【0041】
図5を見れば明らかなように、前記縦パイプ21は、横パイプ2と、ダブルパイプ型のサポート部22’の下段側の横パイプ7にそれぞれ、T形継手8を、その水平方向側の嵌合筒を外嵌挿入して隣接する継手16、8に密着するように位置決めし、対向させた鉛直方向側の嵌合筒にその上下の端部を内嵌挿入して固定されてなる。
そして、実施例1では、いずれか一方(図示例では左側)の支柱パイプ1に外嵌挿入して取り付けていた継手部5、およびT形継手8を前記縦パイプ21へ移行させ、該支柱パイプ1と縦パイプ21間の幅寸だけ短尺化させた連結パイプ4’、および横パイプ7’を用いて連結パイプユニット23、およびサポート部22、22’を構成している。前記連結パイプ4’は、その一端部のカギフック19aが、縦パイプ21に設けた継手部5のヒンジボルト17に掛け留められ、他端部の接続子19bが、右側の支柱パイプ1に設けた継手部5に連結されている。また、実施例2にかかる左側の支柱パイプ1には、連結時に用いる継手部5が上下に2つ設けられている。
上記実施例1との相違点は以上に止まる。
【0042】
したがって、実施例2にかかる連結式バリケードフェンス20は、2本の支柱パイプ1をそれぞれ鉛直に支持するベース部と、2本の支柱パイプ1と横パイプ2とからなる前記外枠部と、縦パイプ21と支柱パイプ1間に横架される連結パイプユニット23、及びサポート部22と、上段側は縦パイプ21と支柱パイプ1間に横架され、下段側は2本の支柱パイプ1、1間に横架されるサポート部22’とで構成されている。
【0043】
前記ベース部および外枠部の構成は、上記実施例1と同様である。
前記連結パイプユニット23は、前記外枠部の面内の縦パイプ21と支柱パイプ1の間に上下2段の配置で横架され、それぞれ、連結パイプ4’と該連結パイプ4’の両端部に設けられた継手部5とからなり、該継手部5が、対応する縦パイプ21、支柱パイプ1に取り付けられている。
かくして、前記連結パイプユニット23は、その縦パイプ21側に設けた継手部5のヒンジボルト17からカギフック19aを外し、連結するバリケードフェンスに近い側の支柱パイプ1を回転軸にして連結パイプ4’を水平方向へ自在に回動させて所要の角度に展開することができる(
図5Cの破線参照)。
【0044】
前記サポート部22、22’は、上記実施例1と同様に、上下2段配置とした連結パイプユニット23の直下位置にそれぞれ設けられ、該連結パイプユニット23の位置ずれ防止のほか、前記外枠部を補強する役割を果たしている。
ちなみに、本実施例にかかるサポート部22、22’は、シングルパイプ型とダブルパイプ型とが併用され、各構成の説明は、縦パイプ21に、対応するT形継手8を取り付けること以外は上記実施例1とほぼ同様なので省略する。
【0045】
上記構成の連結式バリケードフェンス20は、通常時は、2本の支柱パイプ1と横パイプ2とで形成した外枠部が前記縦パイプ21、連結パイプユニット23、およびサポート部22、22’で強固に保持されて、前記ベース部により安定した状態で設置できる。また、他のバリケードフェンスとの連結時は、前記外枠部が縦パイプ21、サポート部22、22’で強固に保持されて、前記ベース部と他のバリケードフェンスとの連結効果によりさらに安定した状態で設置できる。
ちなみに、他のバリケードフェンスとの連結時は、縦パイプ21の近傍辺りで連結パイプ4’を上に持ち上げ、縦パイプ21に設けられている継手部5のヒンジボルト17から連結パイプ4’のカギフック19aを外し、右側の支柱パイプ1を回転軸にして連結パイプ4’を水平方向へ自在に回動させて所要の角度に展開する。
【0046】
図6A、Bは、前記連結式バリケードフェンス20の連結構造の実施例を示している。
図示例は、所要の数量の連結式バリケードフェンス20を、その連結パイプユニット23の連結パイプ4’を利用して左側から右側へ順次連結させる作業を、右端に設置する同一構成の連結式バリケードフェンス20(
図6A参照)、又は従来のバリケードフェンスa(
図6B参照)と連結するまで繰り返し行い、直線状に形成した連結構造を示している。
【0047】
左端に設置する連結式バリケードフェンス20は、上述した要領、すなわち、縦パイプ21の近傍辺りで連結パイプ4’を上に持ち上げ、縦パイプ21に設けられている継手部5のヒンジボルト17からその連結パイプ4’のカギフック19aを外し、右側の支柱パイプ1を回転軸にして連結パイプ4’を水平方向へ180度回動させて当該フェンス20本体と直線状に展開する作業を行う。
【0048】
左端以外の連結式バリケードフェンス20は、前記作業(段落[0047]参照)に加え、左側の支柱パイプ1に予めフリーの状態で取り付けておいた継手部5の両腕部5cの間に通したヒンジボルト17に、左側の連結式バリケードフェンス20から展開させた連結パイプ4’のカギフック19aを掛け留めれば、連結作業が完了する。この作業を繰り返して長く連続したバリケードフェンスが完成する。
【0049】
ちなみに、右端に従来のバリケードフェンスaを設置する場合は、その左側に隣接する連結式バリケードフェンス20の縦パイプ21に設けた継手部5を取り外し、該継手部5を含めた一体で連結パイプ4’を、連結する相手であるバリケードフェンスa側に展開、連結すれば作業が終了し、新たに部品として継手部を用意する必要がなく、すでにある部品だけで連結作業が行えて作業性がすこぶる良い。
【0050】
ちなみに、図示例にかかる連結式バリケードフェンス20の主要な構成要素の大きさは、一例として、支柱パイプ1の高さが1100mm程度、横パイプ2の長さが1800mm程度、縦パイプ21の高さが750mm程度、連結パイプ4’及び横パイプ7’の長さが1650mm程度、継手部5、T形継手8等の継手部材が直径(φ)28〜32mm程度のパイプに適用できるサイズで実施されている。総重量は、従来のバリケードフェンスaと同等の10kg程度で実施されている。
【0051】
したがって、実施例2にかかる連結式バリケードフェンス20によれば、通常時は、面内に一体的に設けられ、連結時は、所要の角度に水平方向へ展開して他のバリケードフェンスと一体的に連結できる連結パイプユニット23(連結パイプ4’および継手部5)を備え付けているので、以下の効果を奏する。
1)隙間なく連続させて設置する場合と比し、連結パイプ4’の長さ分だけ間隔をあけて隣接する連結式バリケードフェンス20、20同士を連結できるので使用個数をほぼ半減できる。よって、経済性、運搬性、および作業性に優れている。
2)従来のバリケードフェンスaと同様に、人が持ち運びやすい形態(大きさ、形状、重量)で実施でき、従来のバリケードフェンスaと大きさ、厚みなどの基本形状が共通し、デザイン的に違和感がない(
図6B参照)。よって、従来のバリケードフェンスaと好適に併用できるので、経済的、合理的である。
また、ネスティング状に組み合わせ可能な形状で実施できるので、使用時および撤去時の運搬効率を高めることができ、また、収納時は占有スペースを縮小化できる。
3)連結パイプユニット23は、通常時は、連結式バリケードフェンス20本体の面内に固定されているので、安全性および美感に優れ、フェンス単体としてのデザイン性が高い。
4)連結パイプユニット23の連結パイプ4’は、所要の角度に水平方向へ展開できるので、
図4を援用して例示するように、直線方向にかかわらず様々な経路パターンに沿って連結でき、バリエーションに富む連結構造を実現できる。
5)連結パイプユニット23の継手部5、5は、ヒンジボルト17を緩めた状態のままでもその直下位置のサポート部22、22’のT形継手8が支持しているので位置ずれを起こすことなく回動させることができる。また、連結パイプ4’は、その基端部をT形継手8で支持された継手部5に固定されているので、作業員は、当該連結パイプ4’を手指による軽い力で水平方向へ回動させる作業を行うことができる。さらに、作業効率上の観点から、その連結パイプ4’の縦タイプ21側の一端部を予め継手部5から離脱させた状態にしておき、連結作業に備えることもできる。したがって、作業員の負荷(負担)を軽減でき、作業効率上、極めて優れた連結構造を実現できる。
6)連結パイプユニット3を含め、パイプと継手のみで組み立てることができるので、部品交換を容易に行い得るなど、メンテナンス性に優れている。
7)
図6Aに示すように、連結式バリケードフェンス20のみを用いて単一種だけで誘導路を形成することもでき、新たに継手部5を一切追加使用することなく、当該連結式バリケードフェンス20、20同士の連結は勿論のこと、当該連結式バリケードフェンス20と従来のバリケードフェンスaとの連結もできるように配慮されている。
【0052】
以上に実施形態を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の実施形態の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、前記連結パイプ4、4’について、その他端部のカギフック19aを接続子19bに換えて、両端部から接続子19b、19bが突設する構成とし、該接続子19bに設けたボルト孔へヒンジボルト17を通しナット18で締結することにより、連結パイプ4、4’の両端部を継手部5、ひいては支柱パイプ1(縦パイプ21)に固定する構成でも実施できる。
また、連結式バリケードフェンスは、先端部に継手部5を有する連結パイプをロックジョイントを用いて左右にスライド可能な構成、つまり、いずれか一方の支柱パイプの中間の継手を十字形継手にして、その水平方向の通し嵌合筒を基点とし、その嵌合筒の中を連結パイプが水平方向へスライド展開して他のバリケードフェンスと回動可能に連結する構成で実施することもできる。