【実施例】
【0009】
以下に図面を用いて、本発明に係るエンボス加工金属外装材の一実施例について詳細に説明する。すなわち、エンボス加工金属外装材Aは
図1、
図2(a)、(b)に示すように、エンボス加工金属板1と裏面材2で例えば合成樹脂発泡体からなる芯材3を、サンドイッチしたエンボス加工金属外装材Aである。また、
図3は施工状態を示す断面図であり、αは躯体、βは固定具である。なお、
図1〜
図3においては、エンボス加工金属板1へのエンボス加工による凹凸は図示していない。
【0010】
エンボス加工金属外装材Aの全体形状の一例としては
図1、
図2(a)、(b)に示すように、長尺で金属製の薄板からなるエンボス加工金属板1と裏面材2間に芯材3をサンドイッチし、幅方向の一端に形成した雄型連結部4、他端に形成した雌型連結部5とから形成し、エンボス加工部aを形成した化粧面6の下端には側壁7、上端には側壁8を形成したものである。
【0011】
さらに詳説すると、雄型連結部4は化粧面6下端を裏面側に屈曲した側壁7と、側壁7の先端を上方へ突出した上面9と、上面9の先端を下方に屈曲した係合片10と、上面9と係合片10とからなる係合溝11とから形成したものである。
【0012】
雌型連結部5は化粧面6の上端を裏面側に屈曲した側壁8と、側壁8の先端を上方に屈曲した目地底面12と、目地底面12の先端を折り返し下方に突出した下面13と、目地底面12と下面13とからなる嵌合片14と、下面13の先端を上方に屈曲して突出した固定面15と、下面13と固定面15とから形成した嵌合溝16とから形成したものである。なお、17は防水性強化のために形成したパッキンである。
【0013】
エンボス加工金属板1と裏面材2は金属薄板、例えば鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板、ホーロー鋼板、クラッド鋼板、ラミネート鋼板(塩ビ鋼板等)、サンドイッチ鋼板(制振鋼板等)、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等(勿論、これらを各種色調に塗装したカラー板を含む)の一種をエンボスロール成形、あるいはプレス成形したものである。また、裏面材2としてはアルミニウム蒸着紙、クラフト紙、アスファルトフェルト、金属箔(Al、Fe、Pb、Cu)、合成樹脂シート、ゴムシート、布シート、石膏紙、水酸化アルミ紙、ガラス繊維不織布等の1種、または2種以上をラミネートしたもの、あるいは防水処理、難燃処理されたシート状物からなるものでも良いものである。
【0014】
芯材3は例えばポリウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、フェノールフォーム、塩化ビニルフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ユリアフォーム等、の合成樹脂発泡体からなるものであり、エンボス加工金属板1、もしくは裏面材2の裏面側に吐出し、加熱して反応・発泡・硬化させてエンボス加工金属板1と裏面材2を一体に形成するものである。また、芯材3中には各種難燃材として軽量骨材(パーライト粒、ガラスビーズ、石膏スラグ、タルク石、シラスバルーン、水酸化アルミニウム等)、繊維状物(グラスウール、ロックウール、カーボン繊維、グラファイト等)を混在させ、耐火性、防火性を向上させることも出来る。
【0015】
エンボス加工金属外装材A同士は、係合片10が嵌合溝16へ、係合溝11には嵌合片14が連結されることにより、
図3に示すように連結されるものである。
【0016】
図4はエンボス加工金属板1の成形前の板材を示す正面図、
図5はエンボス加工金属板1の成形後の板材を示す正面図であり、化粧面6にエンボス加工部a、歪抑制エンボス加工部bを施したものである。
【0017】
エンボス加工部aのエンボス模様としては、図に示すエンボス模様の他に、リシン模様、メロン模様、スタッコ模様、ニシキ模様、ニューメロン模様、キャスト模様、スジメ模様(縦、横、斜め)、ディンプル模様、等からなるものである。
【0018】
歪抑制エンボス加工部bは、
図6(a)、(b)、
図7に示すように屋外側に突出した凸部18と、凹部19とから形成したものであり、図では3個の凸部18間に凹部19を形成した凹凸群20を複数個形成したものである。
【0019】
凸部18は図に示すように、エンボス加工金属外装材Aの長手方向に対して連続状に、かつ複数段形成するものであり、図では、四角形に形成しているが、その他に円、楕円、三角形、多角形、縦長形、横長形、などでも良い。
【0020】
歪抑制エンボス加工部bは、エンボス加工によりエンボス加工金属板1の化粧面6に凹凸状のエンボス加工を施す際に、エンボス加工による縮み量のバランスを確保する目的で形成するものであり、エンボス加工による化粧面6の意匠性を害するような歪み(凹凸)、後工程の雄型連結部4、雌型連結部5の成形を害するようなエンボス加工金属板1のキャンバー(進行方向における曲がり)、などの抑制と防止のために形成したエンボス加工である。
【0021】
凹凸群20の上下間には、
図7に示すようにエンボスが形成されていない成形間隙cを形成し、この成形間隙部分にてエンボス加工金属板1の雄型連結部4、雌型連結部5の折り曲げ加工を行うようにすることにより、折り曲げ加工を行うロール成形時のエンボス加工金属板1の歪を低減することにより、ロール成形後のエンボス加工金属板1の歪の発生も低減できるものである。
【0022】
以上説明したのは本発明に係るエンボス加工金属外装材の一実施例に過ぎず、
図8〜
図10(a)〜(d)に示すような歪抑制エンボス加工部bを形成することが出来るものであり、
図8は歪抑制エンボス加工部bの凹凸群20をちどり状に形成したもの、
図9(a)〜(d)、
図10(a)〜(d)は凸部18を四角状、円形状、楕円形状に形成した歪抑制エンボス加工部bを示
す。ここで、例えば歪抑制エンボス加工部に、同一形状の連続を採用した場合は、NCなどのデータ加工がし易くなるという効果が生じる。