特許第6101072号(P6101072)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6101072
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】緩衝材及び緩衝材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/02 20060101AFI20170313BHJP
【FI】
   B65D81/02
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-283095(P2012-283095)
(22)【出願日】2012年12月26日
(65)【公開番号】特開2014-125230(P2014-125230A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000199979
【氏名又は名称】川上産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】特許業務法人平和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100086759
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 喜平
(74)【代理人】
【識別番号】100100608
【弁理士】
【氏名又は名称】森島 なるみ
(74)【代理人】
【識別番号】100109128
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 功
(74)【代理人】
【識別番号】100142099
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 真一
(74)【代理人】
【識別番号】100152803
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 哲也
(72)【発明者】
【氏名】岩坂 正基
(72)【発明者】
【氏名】川上 由美子
【審査官】 秋山 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−203574(JP,A)
【文献】 特開昭50−050194(JP,A)
【文献】 実開昭49−100804(JP,U)
【文献】 特開2006−027672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/00−81/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向状態で搬送される二枚の樹脂シートの間に送り込んだ空気を、シート間をシールしながら形成される複数の独立した空気室に封入して製造される緩衝材であって、
前記樹脂シートは、一の樹脂シートを折り返し部を基点に二つ折りにして、二枚の樹脂シートとしたものであり、前記折り返し部の反対側端部として離間可能に開放される開放端部を樹脂シートの搬送される方向に沿って有しており、
前記複数の空気室は、前記二枚の樹脂シートの対向面を熱融着した部分となる、
樹脂シートの搬送される方向となるシート長手方向に対して右斜めに傾いて形成される右斜めシールラインと、
前記シート長手方向に対して左斜めに傾いて形成され、前記右斜めシールラインと交差する左斜めシールラインと、により区画され
前記開放端部を熱融着したシール部を備える
ことを特徴とする緩衝材。
【請求項2】
前記空気はシート搬送方向に向かって送り込まれる
ことを特徴とする請求項1記載の緩衝材。
【請求項3】
対向状態で搬送される二枚の樹脂シートの間に送り込んだ空気を、シート間をシールしながら形成される複数の独立した空気室に封入して製造される緩衝材の製造方法であって、
前記樹脂シートは、一の樹脂シートを折り返し部を基点に二つ折りにして、二枚の樹脂シートとしたものであり、前記折り返し部の反対側端部として離間可能に開放される開放端部を樹脂シートの搬送される方向に沿って有しており、
前記二枚の樹脂シートの対向面を熱融着した部分として、
樹脂シートの搬送される方向と直交するシート幅方向を軸方向とする第一回転体に設けられ、前記軸方向に沿って螺旋状に配置された第一加熱部により、樹脂シートの搬送される方向となる長手方向に対して右又は左斜めに傾いたシールラインが形成され、
前記第一回転体に設けられる端部加熱部により、前記開放端部を熱融着したシール部が前記右又は左斜めに傾いたシールラインとともに形成され、
樹脂シートの搬送方向において前記第一回転体よりも下流側に配置される前記シート幅方向を軸方向とする第二回転体に設けられ、前記軸方向に沿って螺旋状に配置された第二加熱部により、前記第一加熱部によって形成された前記右又は左斜めに傾いたシールラインに交差する前記長手方向に対して左又は右斜めに傾いたシールラインが形成され、
これらの交差するシールラインにより前記複数の独立した空気室が区画される
ことを特徴とする請求項1又は2記載の緩衝材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緩衝材及び緩衝材の製造方法に関し、特に、対向状態で搬送される二枚の樹脂シートの間に送り込んだ空気を、シート間をシールしながら形成される複数の独立した空気室に封入して製造される緩衝材及び緩衝材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
精密機械やわれ物などを梱包する際には、複数の空気室を有する緩衝材が用いられ、このような緩衝材の代表的なものとして、気泡シートがある。
気泡シートは、例えば、複数のキャビティが形成された成形ロールの外周面に、溶融状態にある樹脂フィルムを接触させて、キャビティにおいてキャビティ形状に対応する突起を真空成形により形成してキャップフィルムとした後に、突起の開口側にバックフィルムを熱融着することで製造することができる。
【0003】
このような気泡シートは、既に空気が充填されていることから嵩張ってしまい輸送効率が低下するといった短所を有していた。
輸送効率を考慮すると、気泡シートを輸送せずに、使用地(現地)において気泡シートを製造することが効率的である。ところが、気泡シートの製造設備には、上記のような樹脂フィルムの溶融、真空成形などに係る複雑な装置が必要となり、設備投資に莫大な費用が掛かることから、簡易な方法で樹脂フィルムから緩衝材を製造可能な製造方法が望まれていた。
【0004】
特許文献1には、比較的な簡易な方法で、樹脂フィルムから緩衝材を製造する装置が提案されている。
この装置は、2枚の並置されたフィルム層を互いに結合させる横方向シールを作り出すための第1の回転式シーリング装置と、フィルム層の間にガスを導くための膨張アセンブリと、横方向シールと交差する長手方向シールをフィルム層の間に作り出すための第2の回転式シーリング装置とを備え、ガスが、長手方向シール、横方向シール、及びフィルム層の間に封入されることにより、膨張物品が形成されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2008−537706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の装置により製造される膨張物品は、個々の空気室が規則正しく格子状に列設され、シール部分が膨張物品の長手方向に沿って一定の間隔で出現することから、精密機械等を梱包する際は、シール部分のみが精密機械に接触する場合もあり、緩衝材としての衝撃吸収性が低下することがあった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、シール部分をシート長手方向に沿って斜めに形成し、シール部分のみが被梱包体に接触することを回避することにより、緩衝材としての衝撃吸収性を高めながらも、簡易に製造可能な緩衝材及び緩衝材の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の緩衝材は、対向状態で搬送される二枚の樹脂シートの間に送り込んだ空気を、シート間をシールしながら形成される複数の独立した空気室に封入して製造される緩衝材であって、前記複数の空気室は、前記二枚の樹脂シートの対向面を熱融着した部分となる、樹脂シートの搬送される方向となるシート長手方向に対して右斜めに傾いて形成される右斜めシールラインと、前記シート長手方向に対して左斜めに傾いて形成され、前記右斜めシールラインと交差する左斜めシールラインと、により区画される構成としてある。
【0009】
また、本発明の緩衝材の製造方法は、対向状態で搬送される二枚の樹脂シートの間に送り込んだ空気を、シート間をシールしながら形成される複数の独立した空気室に封入して製造される緩衝材の製造方法であって、前記二枚の樹脂シートの対向面を熱融着した部分として、樹脂シートの搬送される方向と直交するシート幅方向を軸方向とする第一回転体に設けられ、前記軸方向に沿って螺旋状に配置された第一加熱部により、樹脂シートの搬送される方向となる長手方向に対して右又は左斜めに傾いたシールラインが形成され、樹脂シートの搬送方向において前記第一回転体よりも下流側に配置される前記シート幅方向を軸方向とする第二回転体に設けられ、前記軸方向に沿って螺旋状に配置された第二加熱部により、前記第一加熱部によって形成された前記右又は左斜めに傾いたシールラインに交差する前記長手方向に対して左又は右斜めに傾いたシールラインが形成され、これらの交差するシールラインにより前記複数の独立した空気室が区画される製造方法としてある。
【発明の効果】
【0010】
本発明の緩衝材及び緩衝材の製造方法によれば、被梱包体がシール部分に接触しないようにシート長手方向に対して斜めにシールラインが形成されるので、被梱包体が空気室に接触する割合が増加することにより緩衝材としての衝撃吸収性が向上されるとともに、複雑な装置を設けることなく、簡易なシール装置のみで緩衝材が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る緩衝材の図であり、(a)は、平面図、(b)は、A−A断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る緩衝材製造装置を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る緩衝材及び緩衝材の製造方法の好ましい実施形態について、図1図2を参照しながら説明する。
【0013】
本実施形態に係る緩衝材1は、対向状態で搬送される二枚の樹脂シート10(10a,10b)の間に送り込んだ空気Aを、シート間をシールしながら形成される複数の独立した空気室4に封入して製造される緩衝材である。
樹脂シート10は、合成樹脂からなり、例えば、ポリエチレン、PET(ポリエチレンテレフタレート)などや、ガスバリヤー性を向上させるため、ポリエチレン/ナイロン(登録商標)などの多層フィルムを用いることができる。
【0014】
緩衝材1は、折返し部7を基点に二つ折りにした一枚の樹脂シート10からなり、独立した各空気室4は、図1に示すように、二枚の樹脂シート10a,10bの対向面を熱融着した部分であって、シート長手方向Lに対して右斜めに傾いて形成される複数の右斜めシールラインRと、シート長手方向Lに対して左斜めに傾いて形成され、右斜めシールラインRと交差する複数の左斜めシールラインLと、によって区画形成され、平面視において略正方形の形状を有している。
【0015】
各右斜めシールラインRは、複数の右斜めシール部2と交差部5とが連続して連なることにより、シート幅方向Wに亘って連続的に形成されているとともに、シート長手方向Lに対して右斜め45度傾いて形成されている。
同様に、各左斜めシールラインLは、複数の左斜めシール部3と交差部5とが連続して連なることにより、シート幅方向Wに亘って連続的に形成されているとともに、シート長手方向Lに対して左斜め45度傾いて形成されている。
交差部5は、右斜めシールラインRと左斜めシールラインLとが交差する融着部分となっている。
また、本実施形態の緩衝材1は、一枚の樹脂シート10を折返し部7を基点に二つ折りにして形成してあることから、折返し部7の反対側端部である右側端部は、本来、二枚の樹脂シート10a,10bが離間可能に開放される開放端部となっているものの、シート右側端部同士を離間不能に熱融着した右端シール部6を有している。
【0016】
このような構成により、シート長手方向Lに直交するシート幅方向Wにおいては、シールラインのみとなる部分が設けられることなく、例えば、図1(b)のA−A断面図に示すように、常に凹凸形状を有することになり、被梱包体に対する衝撃吸収性が向上されるようになっている。
特に、長物の被梱包体(例えば、円又は角柱状体)の周囲に緩衝材1を長手方向Lに沿って巻いて梱包する際には、被梱包体にシールラインが接触することがないことから、被梱包体に対する衝撃吸収性が向上されることになる。
【0017】
[緩衝材製造装置]
このような緩衝材1は、図2に示す緩衝材製造装置100により製造される。
緩衝材製造装置100は、第一回転体110と、第二回転体120と、シート搬送方向Fの上流側から下流側(a方向)に向けて空気Aを樹脂シート10a,10b間に送り込む送風手段(不図示)とを備えている。
送風手段は、例えば、ファン、ブロア等の送風機又はポンプ等の圧縮機からなり、所定の圧縮比で圧縮された空気Aを樹脂シート10a,10b間に送り出す。
【0018】
第一回転体110及び第二回転体120は、樹脂シート10をF方向に向かって搬送しながら、二枚の樹脂シート10a,10bの対向面の熱融着を行うロールタイプのシール装置である。
本実施形態では、第一回転体110が左斜めシールラインLを形成するシール装置として動作し、第二回転体120が右斜めシールラインRを形成するシール装置として動作する。
また、本実施形態では、第一回転体110が樹脂シート10の搬送方向Fにおいて上流側に配置され、第二回転体120が下流側に配置される配置関係となっているが、これとは反対の配置関係とすることもできる。
【0019】
第一及び第二回転体110,120は、シール装置としての動作を実現すべく、第一回転体110は、第一加熱ロール111及び第一ゴムロール112を備え、第二回転体120は、第二加熱ロール121及び第二ゴムロール122を備えている。
第一加熱ロール111及び第二加熱ロール121は、それぞれ所定のモータにより回転駆動され、第一ゴムロール112及び第二ゴムロール122は、これらに従動して回転するようになっている。
【0020】
第一加熱ロール111は、外周面に第一加熱部111a及び右端加熱部111bを備え、第二加熱ロール121は、外周面に第二加熱部121aを備えている。
各加熱部111a,111b,121aは、各ロール111,121外周面から外方に向けて所定の高さ(空気の封入される空気室4の厚み分)で突出形成され、その先端部には、帯状のヒータ(例えば、ニクロム線)、及びヒータの温度を測定する温度センサ等が埋設されている。また、第一加熱部111a及び右端部加熱部111bの先端部は面一に繋がるように形成されている。
また、第一加熱部111a及び第二加熱部121aは、各加熱ロール111,121の外周面において、ロール周面を展開したときに回転軸方向に沿って45度に傾く螺旋状に巻回されているとともに、それぞれの加熱部111a,121aは回転軸を基準に線対称に傾いて形成されている。
【0021】
このような構成により、第一回転体110では、第一加熱部111aが第一ゴムロール112との間で空気Aの送り込まれた樹脂シート10を挟み込みながら加熱することにより左斜めシール部3が形成され、第二回転体120では、第二加熱部121aが第二ゴムロール122との間で空気Aの送り込まれた樹脂シート10を挟み込みながら加熱することにより右斜めシール部2が形成されることになる。これにより、空気Aの封入された複数の空気室4が区画形成される。
また、第一回転体110では、左斜めシール部3の形成と同時に、右端加熱部111bが第一ゴムロール112との間で空気Aの送り込まれた樹脂シート10を挟み込みながら加熱することにより右端シール部6が形成される。
このような装置構成により、以下に示すような製造方法により、図1に示す緩衝材1が製造される。
【0022】
[緩衝材製造方法]
まず、一枚の樹脂シート10を、折返し部7を基点に二つ折りにしながら、第一回転体110に送入する。
このとき、送風手段により、搬送方向上流側から下流側(a方向)に向けて樹脂シート10a,10b間に空気Aを送り込む。
このように搬送方向Fに沿って空気Aを送り込むことで、第一加熱ロール111と第一ゴムロール112の間の隙間から、第一回転体110を超えた樹脂シート10に対して、一定の圧力を加えることができるので、空気Aを空気室4に効率的に封入することができる。
【0023】
第一回転体110では、第一加熱部111a及び右端加熱部111bにより、左斜めシールラインLに沿った左斜めシール部3が複数形成されると同時に、樹脂シート10の右端部に右端シール部6が形成される。
次に、左斜めシール部3及び右端シール部6の形成された樹脂シート10は、シール部間に空気を保持したまま、第二回転体120に送入される。
第二回転体120では、第二加熱部121aにより、右斜めシールラインRに沿った右斜めシール部2、左斜めシールラインLとの交差部分に交差部5が複数形成される。
これにより、左斜めシールラインL及び右斜めシールラインRにより区画される空気室4が複数形成された緩衝材1が製造されることになる。
このように製造された緩衝材1は、シート長手方向Lに直交するシート幅方向Wにおいては、シールラインが形成されることがなく、この方向において、常に凹凸形状が形成されるため(図1(b)参照)、被梱包体に対する衝撃吸収性が向上されることになる。
【0024】
以上説明したように、本実施形態に係る緩衝材及び緩衝材の製造方法によれば、被梱包体がシール部分に接触しないようにシート長手方向に対して斜めにシールラインが形成されるので、被梱包体が空気室に接触する割合が増加することにより緩衝材としての衝撃吸収性が向上される。
また、気泡シート製造装置のように、樹脂シートの溶融、真空成形などに係る複雑な装置も不要であり、簡易なシール装置のみで緩衝材が製造できることから、使用地(現地)において簡単に製造することができる。
また、従来の気泡シートでは、真空成形されるキャップフィルムに吸引による厚薄ムラが発生することから、強度を保持するために余分に厚肉形成しなければならなかったが、本実施形態に係る緩衝材は、シート厚がそもそも均一なので、従来の気泡シートと同じ強度を有しながらも、30%以上薄く(軽く)形成することができ、材料費を削減できる。
【0025】
以上、本発明の緩衝材及び緩衝材の製造方法について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明の緩衝材及び緩衝材の製造方法は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0026】
例えば、本実施形態では、第一回転体110に、第一加熱部111aと右端加熱部111bを併設したが、右端加熱部111bのみを有する回転体(加熱ロール及びゴムロール)を第一回転体110の上流側に設けることもできる。
また、本実施形態の緩衝材1では、右端シール部6を設けたが、右端シール部6を設けない構成とすることもできる。これは、右端シール部6を設けずとも、右斜めシール部2及び左斜めシール部3により、樹脂シート10の右側端部がジグザクにシールされるからである。
【0027】
また、本実施形態では、送風手段は、搬送方向上流側から下流側(a方向)に向けて空気Aを送り出したが、図2に示すように、右端シール部6を設けないとともに、第一回転体110と第二回転体120との間において、b方向(シート幅方向W)に向けて又は左斜めシールラインLに沿って空気Aを送り出すこともできる。
この場合、第二回転体120に、右端加熱部111bを設けて、右斜めシール部2と同時に右端シール部6を形成することもできる。また、上述した理由から(ジグザクシール)、右端加熱部111bを省略してもよい。
【0028】
また、本実施形態では、一枚の樹脂シート10を二つ折りにした状態で製造したが、それぞれ単体の樹脂シート10を二枚重ねた状態で製造することもできる。
また、本実施形態では、右斜めシールラインR及び左斜めシールラインLともに、長手方向Lに対して45度傾けたが、0度を超え90度未満の間で左右対称(又は左右非対称)に傾けることができる。
また、右斜めシールラインR及び左斜めシールラインLともに、シート幅方向Wに亘って連続的に形成したが、途中で途切れてもよい。
【0029】
空気室4に封入される空気としては、窒素ガス、炭酸ガス、一酸化炭素などのガスを含むものとする。
また、これらのガスを含む空気は、無色、無臭に限らず、所定の色に着色したり、所定の香料を含ませたりすることもできる。
また、右斜めシールラインR及び/又は左斜めシールラインLに沿ってミシン目を設け、緩衝材1を分断可能とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、対向状態で搬送される二枚の樹脂シートの間に送り込んだ空気を、シート間をシールしながら形成される複数の独立した空気室に封入して製造される緩衝材に好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 緩衝材
2 右斜めシール部
3 左斜めシール部
4 空気室
5 交差部
6 右端シール部
7 折返し部
10 樹脂シート
100 緩衝材製造装置
110 第一回転体
111 第一加熱ロール
111a 第一加熱部
111b 右端加熱部
112 第一ゴムロール
120 第二回転体
121 第二加熱ロール
121a 第二加熱部
122 第二ゴムロール
R 右斜めシールライン
L 左斜めシールライン
図1
図2