特許第6101097号(P6101097)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6101097
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】プライマー組成物
(51)【国際特許分類】
   C09D 175/04 20060101AFI20170313BHJP
   C09D 5/00 20060101ALI20170313BHJP
   C08G 18/75 20060101ALI20170313BHJP
   C08G 18/79 20060101ALI20170313BHJP
【FI】
   C09D175/04
   C09D5/00 D
   C08G18/75
   C08G18/79
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-22635(P2013-22635)
(22)【出願日】2013年2月7日
(65)【公開番号】特開2014-152234(P2014-152234A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2016年1月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】305044143
【氏名又は名称】積水フーラー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103975
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】池内 拓人
【審査官】 村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−307174(JP,A)
【文献】 特開2002−128853(JP,A)
【文献】 特開2006−335948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 1/00−10/00;101/00−201/10
C08G 18/00−18/87;71/00−71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂環式ポリイソシアネートとポリオールとの反応物(A)、イソシアヌレート環を有するイソシアネートと数平均分子量が200〜1500であるジオールとの反応物(B)、及びエポキシシラン化合物(C)を含有することを特徴とするプライマー組成物。
【請求項2】
脂環式ポリイソシアネートが、イソホロンジイソシアネート及び/又は1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンを含むことを特徴とする請求項1に記載のプライマー組成物。
【請求項3】
ポリオールが、トリメチロールプロパンを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のプライマー組成物。
【請求項4】
イソシアヌレート環を有するイソシアネートが、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体及び/又はイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプライマー組成物。
【請求項5】
反応物(B)を、反応物(A)100重量部に対して、5〜500重量部含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプライマー組成物。
【請求項6】
エポキシシラン化合物(C)が、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランよりなる群から選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプライマー組成物。
【請求項7】
エポキシシラン化合物(C)を、反応物(A)100重量部に対して、5〜50重量部含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプライマー組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シーリング材の下塗り材として好適に用いられるプライマー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建築物や自動車など構造物における部材間の接合部や隙間にシーリング材を充填することにより、構造物の水密性や気密性を向上させている。しかしながら、部材に対するシーリング材の接着性が低い場合には、プライマー組成物を部材に予め下塗りすることによって、シーリング材と部材との間の接着性を向上させている。
【0003】
したがって、プライマー組成物には、シーリング材及び部材のそれぞれに対して優れた接着性を有していることが求められている。ここで、シーリング材の種類には、シリコーン系、変性シリコーン系、ポリウレタン系などが挙げられる。また、部材としても、ガラス、アルミ、コンクリート、セラミックス、及びモルタルなどが挙げられる。このようにシーリング材や部材として様々な種類のものが用いられている。しかしながら、プライマー組成物は全てのシーリング材や部材に対して優れた接着性を発揮することができず、シーリング材や部材の種類によってはプライマー組成物の接着性が低下する場合があった。そのため、従来では、シーリング材及び部材の種類に応じてプライマー組成物を選択して用いられており、作業が煩雑となっていた。このような理由から、プライマー組成物にはより多くのシーリング材や部材に対して優れた接着性を発揮できることが求められている。
【0004】
そこで、特許文献1には、a)ポリイソシアネート、b)トリアルコキシシランを含むアルコキシシランの縮合物、c)アミノシラン化合物及びケチミンシラン化合物などのシラン化合物、及びd)造膜樹脂を含有するプライマー組成物が開示されている。このようなプライマー組成物は、様々な種類のシーリング材や部材に対して優れた接着性を発揮することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−1975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、アルミなどの金属からなる部材には、その耐食性を向上させるために、アクリル系樹脂やメラミン−アクリル系樹脂などの電着塗装やアルマイト処理などの表面処理が行われる場合がある。このような表面処理が行われた部材に対しては、依然として、従来のプライマー組成物の接着性は低かった。そのため、プライマー組成物には、表面処理が行われた部材などの難接着性部材に対する接着性の更なる向上が必要とされている。
【0007】
また、プライマー組成物を用いた構造物が夏季などの高温高湿度環境下に長期間に亘って曝されると、従来のプライマー組成物の硬化物の接着力が低下する問題もあった。したがって、プライマー組成物の耐湿熱接着性の向上が必要とされている。
【0008】
さらに、冬期又は寒冷地において構造物が長期間に亘って使用されると、プライマー組成物の硬化物は気温の変化に応じて凍結及び融解を繰り返し、これに伴ってプライマー組成物の硬化物の接着力が低下する場合もあった。したがって、プライマー組成物の耐凍結融解接着性の向上も必要とされている。
【0009】
そこで、本発明の目的は、難接着性部材に対する接着性、耐湿熱接着性及び耐凍結融解接着性に優れるプライマー組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のプライマー組成物は、脂環式ポリイソシアネートとポリオールとの反応物(A)、イソシアヌレート環を有するポリイソシアネートと数平均分子量が200〜1500であるジオールとの反応物(B)、及びエポキシシラン化合物(C)を含有することを特徴とする。
【0011】
[反応物(A)]
反応物(A)は、脂環式ポリイソシアネートとポリオールとが反応してウレタン結合を形成してなるウレタンプレポリマーが好ましい。また、反応物(A)は、イソシアヌレート環を有していないことが好ましい。
【0012】
反応物(A)に用いられる脂環式ポリイソシアネートは、1分子中に、脂環式骨格を有し、イソシアネート基を2個以上有すると共に、少なくとも1個のイソシアネート基が脂環式骨格と結合している化合物である。
【0013】
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビシクロヘプタントリイソシアネート、及び芳香族ポリイソシアネートの水添加物などが挙げられる。脂環式ポリイソシアネートは、一種単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
【0014】
芳香族ポリイソシアネートとしては、ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(XDI)、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、及びポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどが挙げられる。芳香族ポリイソシアネートの水添加物として、具体的には、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(水添XDI)などが挙げられる。
【0015】
なかでも、脂環式ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、及び1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンが好ましい。
【0016】
反応物(A)に用いられるポリオールは、1分子中に、ヒドロキシ基を2個以上有する化合物である。
【0017】
ポリオールとしては、エチレングリコール、ジニチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオベンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリエタノールアミン、ソルビトール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリアルキレンポリオール、及びポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらのポリオールは、一種単独で用いられてもよく、二種以上を併用してもよい。
【0018】
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、これらのランダム共重合体やブロック共重合体、及びビスフェノールAのポリオキシアルキレン変性体などが挙げられる。
【0019】
ポリエステルポリオールとしては、多価カルボン酸とジオール化合物との反応により得られるポリエステルポリオールが挙げられる。多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ドデカン二酸、1,5−ナフタル酸、2,6−ナフタル酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、及びドデカメチレンジカルボン酸等のジカルボン酸などが挙げられる。また、ジオール化合物としては、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、及びシクロヘキサンジオールなどが挙げられる。
【0020】
ポリカプロラクトンポリオールとしては、ポリオール化合物にラクトン化合物を開環付加重合して得られるポリカプロラクトンポリオールが挙げられる。ポリオール化合物としては、ポリエステルポリオールにおいて上述したポリオール化合物と同様のものが挙げられる。また、ラクトン化合物としては、β−プロピオラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、メチル−ε−カプロラクトン、ジメチル−ε−カプロラクトン、及びトリメチル−ε−カプロラクトンなどが挙げられる。
【0021】
ポリアルキレンポリオールとしては、ポリブタジエンポリオール、水素化ポリブタジエンポリオール、及び水素化ポリイソプレンポリオールなどが挙げられる。
【0022】
ポリカーボネートポリオールとしては、ポリヘキサメチレンカーボネートポリオール、及びポリシクロヘキサンジメチレンカーボネートポリオールなどが挙げられる。
【0023】
なかでも、反応物(A)に用いられるポリオールとしては、トリメチロールプロパンが好ましい。
【0024】
反応物(A)の合成は、ポリオールを加熱して溶融させた後、溶融させたポリオールに窒素雰囲気下で脂環式ポリイソシアネートを添加して、ポリオールと脂環式ポリイソシアネートとを反応させることにより行われる。
【0025】
ポリオールと脂環式ポリイソシアネートとの反応において、脂環式ポリイソシアネートが有するイソシアネート基(NCO)の合計と、ポリオールが有するヒドロキシ基(OH)の合計とのモル比([NCO]/[OH])を、1.0〜5.0とするのが好ましい。モル比([NCO]/[OH])が1.0未満では、プライマー組成物が硬化後に皮膜を形成できない恐れがある。また、モル比([NCO]/[OH])が5.0を超えると、多量に存在する遊離イソシアネート基が、プライマー組成物の硬化を阻害する恐れがある。
【0026】
[反応物(B)]
反応物(B)は、イソシアヌレート環を有するポリイソシアネートと数平均分子量が200〜1500であるジオールとが反応してウレタン結合を形成してなるウレタンプレポリマーが好ましい。
【0027】
反応物(B)に用いられるイソシアヌレート環を有するポリイソシアネートは、1分子中に、3個のイソシアネート基(−NCO)が重合して形成された環構造を有し、且つイソシアネート基を2個以上有する化合物である。
【0028】
イソシアヌレート環を形成するために重合させるイソシアネート基は、芳香族ポリイソシアネート化合物、脂肪族ポリイソシアネート化合物、及び脂環式ポリイソシアネート化合物などのポリイソシアネート化合物が有しているイソシアネート基であればよい。なかでも、脂肪族ポリイソシアネート化合物、及び脂環式ポリイソシアネート化合物が有しているイソシアネート基が好ましい。
【0029】
脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。また、脂環式ポリイソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、及びビシクロヘプタントリイソシアネートなどが挙げられる。
【0030】
イソシアヌレート環を有するポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネート(IPDI)のイソシアヌレート体が好ましく挙げられる。イソシアヌレート環を有するポリイソシアネートは、一種単独で用いられてもよく、二種以上を併用してもよい。
【0031】
イソシアヌレート環を有するポリイソシアネートとしては、市販品を使用することもできる。例えば、IPDIのイソシアヌレート体の市販品としては、エボニック デグサ社製 商品名「VESTANAT T1890E」などが挙げられる。また、HDIのイソシアヌレート体の市販品としては、旭硝子ケミカル社製 商品名「デュラネート TPA−100」、「デュラネート TKA−100」、「デュラネート MFA−75B」、「デュラネート MHG−80B」、及び「デュラネート TLA−100」などが挙げられる。
【0032】
反応物(B)に用いられるジオールの数平均分子量は、200〜1500に限定されるが、300〜1200が好ましい。ジオールの数平均分子量が低過ぎると、プライマー組成物の硬化物が優れた柔軟性を発揮できない恐れがある。また、ジオールの数平均分子量が高過ぎると、プライマー組成物の硬化物が柔軟になり過ぎて接着性が低下する恐れがある。
【0033】
なお、本発明において、ジオールの数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算により求められた値とする。例えば、下記測定装置及び測定条件にて測定することができる。
測定装置 TOSOH社製 商品名「HLC−8121GPC/HT」
測定条件 カラム:TSKgelGMHHR−H(20)HT×3本
TSKguardcolumn−HHR(30)HT×1本
移動相:o−DCB 1.0mL/分
サンプル濃度:1mg/mL
検出器:ブライス型屈折計
標準物質:ポリスチレン(TOSOH社製 分子量:500〜8420000)
溶出条件:145℃
SEC温度:145℃
【0034】
反応物(B)に用いられるジオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。ジオールは、一種単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。ジオールを用いてなる反応物(B)によれば、接着性に優れると共に、硬化後に優れた柔軟性を発揮することができるプライマー組成物を提供することができる。なかでも、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールが好ましい。
【0035】
ポリプロピレングリコールとしては、市販品を用いることもできる。市販品としては、旭硝子社製 商品名「エクセノール420」、「エクセノール720」などが挙げられる。
【0036】
プライマー組成物中における反応物(B)の含有量は、反応物(A)100重量部に対して、5〜500重量部が好ましく、30〜300重量部がより好ましい。反応物(B)の含有量が低過ぎると、プライマー組成物の耐湿熱接着性及び耐凍結融解接着性が低下する恐れがある。また、反応物(B)の含有量が高過ぎると、プライマー組成物の硬化物が柔軟になり過ぎる恐れがある。
【0037】
[エポキシシラン化合物(C)]
エポキシシラン化合物(C)は、1分子中に、加水分解性シリル基と、エポキシ基を有する官能基又はエポキシ基とを含む化合物である。
【0038】
加水分解性シリル基は、加水分解性基が珪素原子に結合した基である。この加水分解性基としては、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシド基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシド基などが挙げられる。
【0039】
加水分解性シリル基としては、反応後に有害な副生成物を生成しないので、アルコキシ基が珪素原子に結合したアルコキシシリル基が好ましい。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、フェノキシ基、及びベンジルオキシ基などが挙げられ、メトキシ基、及びエトキシ基が好ましい。
【0040】
エポキシシラン化合物(C)としては、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシシル)エチルメチルトリメトキシシラン、及びβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。エポキシシラン化合物(C)は、一種単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
【0041】
なかでも、エポキシシラン化合物(C)としては、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。
【0042】
エポキシシラン化合物(C)としては、市販品を用いることもできる。例えば、信越化学工業社製 商品名「KBM−303」、「KBM−402」、「KBM−403」、「KBE−402」、及び「KBE−403」などが挙げられる。
【0043】
プライマー組成物中におけるエポキシシラン化合物(C)の含有量は、反応物(A)100重量部に対して、5〜50重量部が好ましく、10〜40重量部がより好ましく、15〜35重量部が特に好ましい。エポキシシラン化合物(C)の含有量が低過ぎると、プライマー組成物の耐湿熱接着性及び耐凍結融解接着性が低下する恐れがある。また、反応物(B)の含有量が高過ぎると、プライマー組成物の硬化物が柔軟になり過ぎる恐れがある。
【0044】
[他の成分]
本発明のプライマー組成物は、必要に応じて、酢酸エチル及び酢酸ブチルなどの溶媒、酸化防止剤、紫外線吸収剤、並びに充填剤などの他の成分を含んでいてもよい。
【0045】
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルべンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ぺンチルフェニル)]アクリレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンなどのヒンダードフェノール系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどのリン系酸化防止剤などが挙げられる。酸化防止剤は、一種単独で用いられてもよく、二種以上を併用してもよい。
【0046】
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤としては、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。紫外線吸収剤は、一種単独で用いられてもよく、二種以上を併用してもよい。
【0047】
(充填剤)
充填剤としては、例えば、雲母、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、ケイソウ土、尿素系樹脂、スチレンビーズ、焼成クレー、及び澱粉などが挙げられる。
【0048】
本発明のプライマー組成物は、シーリング材を施工するために用いられることが好ましい。本発明のプライマー組成物を用いることにより、シーリング材と、建築物や自動車などの構造物を構成する部材との接着性を向上させることができる。
【0049】
シーリング材の種類としては、シリコーン系、変成シリコーン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系、アクリルウレタン系、アクリル系、SBR系、ブチルゴム系、ポリイソブチレン系が挙げられる。
【0050】
部材を構成する材料としては、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属、ガラス、モルタル、石膏、コンクリート、及びセラミックスなどが挙げられる。金属からなる部材には、その耐食性を向上させるために、アクリル系樹脂やメラミン−アクリル系樹脂などの電着塗装やアルマイト処理などの表面処理が行われていてもよい。
【0051】
本発明のプライマー組成物は、表面処理が行われた金属からなる部材と、シーリング材との接着性を向上させるために用いられることが特に好ましい。従来のプライマー組成物では、表面処理が行われた金属からなる部材に対しては優れた接着性を発揮することが難しかった。したがって、このような難接着性部材に対して本発明のプライマー組成物を用いることにより、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
【0052】
本発明のプライマー組成物の使用方法としては、例えば、構造物を構成している部材表面にプライマー組成物を塗工して硬化させた後、部材の接合部や隙間にシーリング材を充填して硬化させればよい。プライマー組成物は、部材表面のうちシーリング材が塗工される面に少なくとも塗工されればよい。
【発明の効果】
【0053】
本発明のプライマー組成物は、表面処理が行われた金属からなる部材などの難接着性部材に対して優れた接着性を発揮することができるだけでなく、耐湿熱接着性及び耐凍結融解接着性が両立されている。したがって、このようなプライマー組成物によってシーリング材と部材とが接着された構造物が、夏季などの高温高湿度環境(温度50℃以上、相対湿度80%以上)下で長期間に亘って使用されたとしても、プライマー組成物が優れた接着性を維持することができる。また、上記構造物が、冬期や寒冷地などの低温環境下で長期間に亘って使用され、施工されたプライマー組成物の硬化物が凍結及び融解を繰り返しても、プライマー組成物の接着性の低下が高く抑制されている。ゆえに、本発明のプライマー組成物を用いた構造物が長年に亘って使用されても、シーリング材と部材との優れた接着性を維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下に、本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
【実施例】
【0055】
(実施例1)
イソホロンジイソシアネート(IPDI)79g、及びトリメチロールプロパン(TMP)21gを混合することにより、混合物を得た。この時、イソホロンジイソシアネートが有するイソシアネート基(NCO)の合計と、トリメチロールプロパンが有するヒドロキシ基(OH)の合計とのモル比([NCO]/[OH])は、1.5であった。次に、混合物に、酢酸エチル133.3g及び酢酸ブチル33.3gを添加して、これらを80℃に加熱しながら3時間撹拌することにより反応させた。これにより、イソホロンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとが反応してウレタン結合を形成してなる反応物(A1)、酢酸エチル及び酢酸ブチルを含むプレポリマー溶液(I)を得た。
【0056】
次に、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート体(旭化成ケミカル社製 商品名「デュラネート TPA−100」)57.6g、及びポリプロピレングリコール(PPG、数平均分子量(Mn)400、旭ガラス社製 商品名「エクセノール420」)42.4gを混合することにより混合物を得た。この時、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が有するイソシアネート基(NCO)の合計と、ポリプロピレングリコールが有するヒドロキシ基(OH)の合計とのモル比([NCO]/[OH])は、1.5であった。次に、混合物を80℃に加熱しながら3時間撹拌することにより反応させた。これにより、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体と、ポリプロピレングリコール(Mn400)とが反応してウレタン結合を形成してなる反応物(B1)を得た。
【0057】
そして、先に調製したプレポリマー溶液(I)の全量(266.6g)に、反応物(B1)50g、エポキシシラン化合物(C1)(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越シリコーン社製 商品名「KBM−403」)16.7gを添加し、これらを混合することにより、プライマー組成物を得た。
【0058】
(実施例2)
プレポリマー溶液(I)の調製において、酢酸エチル133.3g及び酢酸ブチル33.3gに代えて、酢酸エチル266.7g及び酢酸ブチル66.7gを用い、さらに、プライマー組成物の調製において、先に調製したプレポリマー溶液(I)の全量(433.4g)に、反応物(B1)200g及びエポキシシラン化合物(C1)33.3gを添加した以外は、実施例1と同様にして、プライマー組成物を得た。
【0059】
(実施例3)
1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン76.4g、及びトリメチロールプロパン(TMP)23.6gを混合することにより、混合物を得た。この時、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンが有するイソシアネート基(NCO)の合計と、トリメチロールプロパンが有するヒドロキシ基(OH)の合計とのモル比([NCO]/[OH])は、1.5であった。次に、混合物に、酢酸エチル133.3g及び酢酸ブチル33.3gを添加して、これらを80℃に加熱しながら3時間撹拌することにより反応させた。これにより、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとトリメチロールプロパンとが反応してウレタン結合を形成してなる反応物(A2)、酢酸エチル及び酢酸ブチルを含むプレポリマー溶液(II)を得た。
【0060】
次に、実施例1と同様にして、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート体と、ポリプロピレングリコール(Mn400)とが反応してウレタン結合を形成してなる反応物(B1)を得た。
【0061】
そして、プレポリマー溶液(II)の全量(266.6g)に、反応物(B1)50g、エポキシシラン化合物(C1)(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越シリコーン社製 商品名「KBM−403」)16.7gを添加し、これらを混合することにより、プライマー組成物を得た。
【0062】
(実施例4)
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート体(旭化成ケミカル社製 商品名「デュラネート TPA−100」)73.1g、及びポリプロピレングリコール(PPG、数平均分子量(Mn)200、三洋化成工業社製 商品名「サンニックスPP−200」)26.9gを混合することにより混合物を得た。この時、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が有するイソシアネート基(NCO)の合計と、ポリプロピレングリコールが有するヒドロキシ基(OH)の合計とのモル比([NCO]/[OH])は、1.5であった。次に、混合物を80℃に加熱しながら3時間撹拌することにより反応させた。これにより、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体と、ポリプロピレングリコール(Mn200)とが反応してウレタン結合を形成してなる反応物(B2)を得た。
【0063】
プレポリマー溶液(I)に、上記手順に従って合成した反応物(B2)50gを添加した以外は、実施例1と同様にして、プライマー組成物を得た。
【0064】
(実施例5)
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート体(旭化成ケミカル社製 商品名「デュラネート TPA−100」)32.2g、及びポリプロピレングリコール(PPG、数平均分子量(Mn)1200、三洋化成工業社製 商品名「サンニックス PP−1200」)67.8gを混合することにより混合物を得た。この時、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が有するイソシアネート基(NCO)の合計と、ポリプロピレングリコールが有するヒドロキシ基(OH)の合計とのモル比([NCO]/[OH])は、1.5であった。次に、混合物を80℃に加熱しながら3時間撹拌することにより反応させた。これにより、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体と、ポリプロピレングリコール(Mn1200)とが反応してウレタン結合を形成してなる反応物(B3)を得た。
【0065】
プレポリマー溶液(I)に、上記手順に従って合成した反応物(B3)50gを添加した以外は、実施例1と同様にして、プライマー組成物を得た。
【0066】
(実施例6)
イソホロンジイソシアネート(IPDI)のイソシアヌレート体(エボニック デグサ社製 商品名「デスタナート T1890」)55g、及びポリプロピレングリコール(PPG、数平均分子量(Mn)400、旭ガラス社製 商品名「エクセノール420」)45gを混合することにより混合物を得た。この時、イソホロンジイソシアネート(IPDI)のイソシアヌレート体が有するイソシアネート基(NCO)の合計と、ポリプロピレングリコールが有するヒドロキシ基(OH)の合計とのモル比([NCO]/[OH])は、1.5であった。次に、混合物を80℃に加熱しながら3時間撹拌することにより反応させた。これにより、イソホロンジイソシアネート(IPDI)のイソシアヌレート体と、ポリプロピレングリコール(Mn400)とが反応してウレタン結合を形成してなる反応物(B4)を得た。
【0067】
プレポリマー溶液(I)に、上記手順に従って合成した反応物(B4)50gを添加した以外は、実施例1と同様にして、プライマー組成物を得た。
【0068】
(実施例7)
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート体(旭化成ケミカル社製 商品名「デュラネート TPA−100」)58g、及びポリエチレングリコール(PEG、数平均分子量(Mn)400、ライオン社製 商品名「PEG ♯400」)42gを混合することにより混合物を得た。この時、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が有するイソシアネート基(NCO)の合計と、ポリエチレングリコールが有するヒドロキシ基(OH)の合計とのモル比([NCO]/[OH])は、1.5であった。次に、混合物を80℃に加熱しながら3時間撹拌することにより反応させた。これにより、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体と、ポリエチレングリコール(Mn400)とが反応してウレタン結合を形成してなる反応物(B5)を得た。
【0069】
プレポリマー溶液(I)に、上記手順に従って合成した反応物(B5)50gを添加した以外は、実施例1と同様にして、プライマー組成物を得た。
【0070】
(実施例8)
エポキシシラン化合物(C1)に代えて、エポキシシラン化合物(C2)(γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、信越シリコーン社製 商品名「KBM−402」)16.7gを用いた以外は、実施例1と同様にして、プライマー組成物を得た。
【0071】
(実施例9)
エポキシシラン化合物(C1)に代えて、エポキシシラン化合物(C3)(γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、信越シリコーン社製 商品名「KBE−403」)16.7gを用いた以外は、実施例1と同様にして、プライマー組成物を得た。
【0072】
(比較例1)
プレポリマー溶液(I)の調製において、酢酸エチル133.3g及び酢酸ブチル33.3gに代えて、酢酸エチル88.9g及び酢酸ブチル22.2gを用い、さらに、プライマー組成物の調製において、先に調製したプレポリマー溶液(I)に、反応物(B1)は添加せずにエポキシシラン化合物(C1)11.1gを添加した以外は、実施例1と同様にして、プライマー組成物を得た。
【0073】
(比較例2)
プレポリマー溶液(I)にエポキシシラン化合物(C1)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、プライマー組成物を得た。
【0074】
(比較例3)
エポキシシラン化合物(C1)に代えて、ケチミンシラン化合物(3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、信越シリコーン社製 商品名「KBM−9103」)16.7gを用いた以外は、実施例1と同様にして、プライマー組成物を得た。
【0075】
(比較例4)
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート体(旭化成ケミカル社製 商品名「デュラネート TPA−100」)16g、及びジプロピレングリコール(DPG、数平均分子量(Mn)134)84gを混合することにより混合物を得た。この時、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が有するイソシアネート基(NCO)の合計と、ジプロピレングリコールが有するヒドロキシ基(OH)の合計とのモル比([NCO]/[OH])は、1.5であった。次に、混合物を80℃に加熱しながら3時間撹拌することにより反応させた。これにより、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体と、ジプロピレングリコール(Mn134)とが反応してウレタン結合を形成してなる反応物(B6)を得た。
【0076】
プレポリマー溶液(I)に、上記手順に従って合成した反応物(B6)50gを添加した以外は、実施例1と同様にして、プライマー組成物を得た。
【0077】
(比較例5)
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート体(旭化成ケミカル社製 商品名「デュラネート TPA−100」)22g、及びポリプロピレングリコール(PPG、数平均分子量(Mn)2000、旭ガラス社製 商品名「エクセノール2020」)78gを混合することにより混合物を得た。この時、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が有するイソシアネート基(NCO)の合計と、ポリプロピレングリコールが有するヒドロキシ基(OH)の合計とのモル比([NCO]/[OH])は、1.5であった。次に、混合物を80℃に加熱しながら3時間撹拌することにより反応させた。これにより、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体と、ポリプロピレングリコール(Mn2000)とが反応してウレタン結合を形成してなる反応物(B7)を得た。
【0078】
プレポリマー溶液(I)に、上記手順に従って合成した反応物(B7)50gを添加した以外は、実施例1と同様にして、プライマー組成物を得た。
【0079】
(比較例6)
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート体(旭化成ケミカル社製 商品名「デュラネート TPA−100」)60g、及び1分子中に1個のヒドロキシ基を有するポリプロピレングリコールモノメタクリレート(PPGM:数平均分子量(Mn)400、日油社製 商品名「ブレンマーPP−500」)40gを混合することにより混合物を得た。この時、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が有するイソシアネート基(NCO)の合計と、ポリプロピレングリコールが有するヒドロキシ基(OH)の合計とのモル比([NCO]/[OH])は、1.5であった。次に、混合物を80℃に加熱しながら3時間撹拌することにより反応させた。これにより、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体と、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(Mn400)とが反応してウレタン結合を形成してなる反応物(B8)を得た。
【0080】
プレポリマー溶液(I)に、上記手順に従って合成した反応物(B8)50gを添加した以外は、実施例1と同様にして、プライマー組成物を得た。
【0081】
(比較例7)
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート体(旭化成ケミカル社製 商品名「デュラネート TPA−100」)66g、及びポリオキシプロピレントリオール(POPTO、数平均分子量(Mn)400、旭ガラス社製 商品名「サンニックス GP400」)34gを混合することにより混合物を得た。この時、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が有するイソシアネート基(NCO)の合計と、ポリオキシプロピレントリオールが有するヒドロキシ基(OH)の合計とのモル比([NCO]/[OH])は、1.5であった。次に、混合物を80℃に加熱しながら3時間撹拌することにより反応させた。これにより、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体と、ポリオキシプロピレントリオール(Mn400)とが反応してウレタン結合を形成してなる反応物(B9)を得た。
【0082】
プレポリマー溶液(I)に、上記手順に従って合成した反応物(B9)50gを添加した以外は、実施例1と同様にして、プライマー組成物を得た。
【0083】
(比較例8)
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(旭化成ケミカル社製 商品名「デュラネート D−101」)61g、及びポリプロピレングリコール(PPG、数平均分子量Mn400、旭ガラス社製 商品名「エクセノール420」)39gを混合することにより混合物を得た。この時、ヘキサメチレンジイソシアネートのヘキサメチレンジイソシアネートが有するイソシアネート基(NCO)の合計と、ポリプロピレングリコールが有するヒドロキシ基(OH)の合計とのモル比([NCO]/[OH])は、1.5であった。次に、混合物を80℃に加熱しながら3時間撹拌することにより反応させた。これにより、ヘキサメチレンジイソシアネートと、ポリプロピレングリコール(Mn400)とが反応してウレタン結合を形成してなる反応物(B10)を得た。
【0084】
プレポリマー溶液(I)に、上記手順に従って合成した反応物(B10)50gを添加した以外は、実施例1と同様にして、プライマー組成物を得た。
【0085】
実施例1〜9及び比較例1〜8で製造した各プライマー組成物中における、反応物(A1)〜(A2)、反応物(B1)〜(B10)、エポキシシラン化合物(C1)〜(C3)、アミノシラン化合物、酢酸エチル、及び酢酸ブチルの配合量(重量部)は、それぞれ表1に示す通りであった。
【0086】
[評価]
アルマイト処理されたアルミ基板に対するプライマー組成物の室温接着性、耐湿熱接着性、及び耐凍結融解接着性を、それぞれ下記手順に従って評価した。結果を表1に示す。
【0087】
[室温接着性]
アルマイト処理されたアルミ基板の一面に、プライマー組成物を塗布し、23℃の温度環境下で14日間に亘って養生させることにより、プライマー組成物の硬化膜(厚み50μm)を得た。このプライマー組成物の硬化膜に対して、後述する通り、JIS K5400に準拠して、碁盤目試験を行った。
【0088】
[耐湿熱接着性]
アルマイト処理されたアルミ基板の一面に、プライマー組成物を塗布し、温度23℃、相対湿度50%の環境下で14日間に亘って養生させることにより、プライマー組成物の硬化膜(厚み50μm)を得た。次に、プライマー組成物の硬化膜が形成されたアルミ基板を、温度50℃、相対湿度80%の環境下に7日間に亘って放置した後、温度23℃、相対湿度50%の環境下に1日間に亘って放置した。そして、放置後のプライマー組成物の硬化膜に対して、後述する通り、JIS K5400に準拠して、碁盤目試験を行った。
【0089】
[耐凍結融解接着性]
アルマイト処理されたアルミ基板の一面に、プライマー組成物を塗布し、温度23℃、相対湿度50%の環境下で14日間に亘って養生させることにより、プライマー組成物の硬化膜(厚み50μm)を得た。次に、プライマー組成物の硬化膜が形成されたアルミ基板を、温度−20℃の環境下に14日間に亘って放置した後、水温が20℃の水中に1時間に亘って没入させる工程を1サイクルとして、当該工程を100サイクル行った。その後、プライマー組成物の硬化膜が形成されたアルミ基板を、温度23℃、相対湿度50%の環境下に1日間に亘って放置した。そして、放置後のプライマー組成物の硬化膜に対して、後述する通り、JIS K5400に準拠して、碁盤目試験を行った。
【0090】
[碁盤目試験]
まず、プライマー組成物の硬化膜に、等間隔で縦横に6本ずつの切り込みを入れ、正方形状の枡目を25個作成した。次に、プライマー組成物の硬化膜に粘着テープを貼り付けた後に粘着テープを剥がし、この粘着テープの剥離に伴ってアルミ基板から剥がれたプライマー組成物の硬化膜の枡目の個数を測定した。表1において、「◎」、「○」、「△」、及び「×」は、それぞれ下記の通りである。
◎:剥がれた枡目の個数が0個であった。
○:剥がれた枡目の個数が1〜5個であった。
△:剥がれた枡目の個数が6〜20個であった。
×:剥がれた枡目の個数が21〜25個であった。
【0091】
【表1】